説明

幕式表示装置

【課題】表示幕がスクロールしている間の広告効果の低下を抑制する幕式表示装置を提供する。
【解決手段】複数の表示領域が連続する帯状に構成された表示幕と、装置本体2に刳り抜かれた枠部5に嵌め込まれ前記表示幕を視認可能とする透明板6と、軸まわりに表示幕を巻き取って表示領域を移動させるモーターと、モーターを制御する制御装置と、透光性を有し絵や文字の印刷された広告板42を装置本体2に内蔵する副照明部の光で照らし出す発光表示部40とを具備し、表示幕の表示領域を切り替える時など、表示領域の視認性が低下する時にも発光表示部40の発光表示を継続する幕式表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示物が載せられた帯状の表示幕を巻き取り又は折り返しすることにより所定表示物を表示する幕式表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の広告が印刷された表示幕を例えばモータ等で巻き取ることによって所定の広告を表示することにより、周囲に対して広告表示を行う幕式表示装置がある。この種の幕式表示装置は、有端の表示幕が巻取軸に取り付けられており、モータ等によって巻取軸を駆動し回転させて表示幕を巻取軸に巻き、表示幕の表示を変更する(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
この種の幕式表示装置においては、表示幕が巻取軸に巻かれるにつれ表示幕が巻取り方向にスクロールして広告の位置が進む。そして、表示すべき広告が所定の表示位置に進んだら巻取り動作を停止し、次に表示幕の表示を変更するまでの間、停止した状態で当該広告を表示し続ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−4776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の幕式表示装置によれば、表示すべき広告を変更するために表示幕がスクロールしている間は、広告が部分的にしか表示されないために何の広告をしているのかわからなくなる。表示幕がスクロールしている時には通行人等が広告内容を認識しないまま通過してしまいやすいため、幕式表示装置の稼働時間の内、表示幕のスクロールに要する時間については広告効果が低下してしまう虞があった。
【0006】
上記の実情を鑑み、本発明は、表示幕がスクロールしている最中にも広告効果の低下を抑制する幕式表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の幕式表示装置は、「帯状を呈し、長手方向に並ぶ複数の表示領域を有する表示幕と、該表示幕の一端が取着され、軸心周りに回転して前記表示幕を巻取り可能な巻取軸と、該巻取軸を回転駆動する駆動手段と、該駆動手段の回転駆動を制御する制御装置と、前記表示幕、前記巻取軸、前記駆動手段、及び前記制御手段を収容する筐体と、前記筐体に設けられ、前記複数の表示領域の一部を外部から視認可能とする表示窓と、前記筐体に設けられ、所定の表示態様を発光表示する発光表示部とを具備する」ことを特徴とする。
【0008】
ここで、「発光表示」とは、光源が放射する光を利用して文字や図像を表示することを意味する。発光表示を行う発光表示部の例として、透光性を有する樹脂板やフィルムに対して背面側から蛍光灯等のバックライトで光を照射し、樹脂板やフィルムに印刷された絵や文字を照らし出す内照式表示器、多数の電球やLEDを並べて絵や文字の形を構成したドット式表示器、ネオン管や冷陰極管によって絵や文字の形を構成した蛍光式表示器等を挙げることができる。また、LEDを縦横に規則的に並べたドットマトリクス式表示器や液晶表示器を用いてもよい。
【0009】
本発明の幕式表示装置によれば、表示幕による表示領域の表示と、発光表示部の発光表示とを同時に行うことが可能である。また、表示幕のスクロール中にも発光表示部による発光表示の表示態様は視認可能である。従って、通行人等の観者が幕式表示装置を見たときに、表示領域を切り替え途中であって表示内容を把握しづらい状態であったとしても、発光表示部の表示内容を認識可能であるので、広告効果が低下する虞を抑制することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明の幕式表示装置によれば、表示幕がスクロールしている最中にも発光表示部が所定の表示態様を表示していることにより、広告効果の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態である幕式表示装置を左前方から示す斜視図。
【図2】幕式表示装置の六面図。
【図3】前面フレームを取り除いた幕式表示装置の全体を示す斜視図。
【図4】幕式表示装置の内部構成を示す平断面図。
【図5】複数の表示部からなる帯状の表示幕の概略を示す概念図。
【図6】幕式表示装置の制御の概略を示す説明図。
【図7】幕式表示装置の表示幕の使用中の状態を示す説明図。
【図8】幕式表示装置の第二の実施形態を示す斜視図。
【図9】幕式表示装置の第三の実施形態を示す斜視図。
【図10】幕式表示装置の第四の実施形態を示す斜視図。
【図11】幕式表示装置の第五の実施形態を示す斜視図。
【図12】幕式表示装置の第六の実施形態を示す斜視図。
【図13】幕式表示装置の第七の実施形態を示す斜視図。
【図14】幕式表示装置の第八の実施形態を示す斜視図。
【図15】幕式表示装置の第九の実施形態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の幕式表示装置の一実施形態である幕式表示装置1について、図1〜図7に基き説明する。図1は、幕式表示装置を左前方から示した斜視図であり、図2は、幕式表示装置の六面図であり、図3は、前面フレームを取り除いた幕式表示装置の全体を示す斜視図であり、図4は、幕式表示装置の内部機構を示す説明図である。図5は、複数の表示部からなる帯状の表示幕を概略的に示す説明図であり、図6は、幕式表示装置の制御の概略を示す説明図であり、図7(a)〜(c)は、幕式表示装置の表示幕の使用中の状態を示す説明図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、幕式表示装置1において中央フレーム25の前面には、前面蓋として前面フレーム3が着脱可能に取り付けられている。一方、中央フレーム25の後面にも、前面と同様のフレームとして後面フレーム4が着脱可能に取り付けられている。装置本体2は、中央フレーム25に前面フレーム3及び後面フレーム4が組み合わせられて構成され、底面側にキャスターの付いた台座部30の上に直立するように設けられている。上記のフレーム3,4は、上下左右の4辺の縁を除いた部分が刳り抜かれた形状をとり、この刳り抜き部分である枠部5に嵌め込まれた透明板6から幕式表示装置1の広告として表示幕7(図3参照)が外部に露出する。図2における斜線部分が、透明板6に相当しており、透明な樹脂製である。即ち、本例の幕式表示装置1は、装置本体2の前面及び後面の両方において表示幕7の広告を表示可能な両面表示式となっている。ここで、装置本体2が、本発明の「筐体」に相当し、枠部5と透明板6とを組み合わせたものが、本発明の「表示窓」に相当する。
【0014】
前面フレーム3及び後面フレーム4には、夫々の枠部5よりも上方に副表示枠部41が枠部5と同様に長方形に刳り抜かれた形状で設けられており、副表示枠部41には広告板42が嵌め込まれて発光表示部40が構成されている。広告板42は透光性を有する樹脂製であり、表面に広告表示の印刷が施されている。
【0015】
図3及び図4に示すように、装置本体2の内部には、表示幕7の各々の終端の巻き付け先として一対の巻き取り軸10,11が回動可能に取り付けられている。表示幕7は、これら巻き取り軸10,11に対して幕を外側から内側に向かって巻く方向、即ち内巻き方向で巻かれている。また、表示幕7の巻き取り経路上には、表示幕7を裏面側から押してこれを張設する一対の保持用軸12,13が回動可能に取り付けられている。これら軸10〜13は、長細い円柱形状をとるとともに、回動軸心が装置本体2の高さ方向(図3及び図4の矢印Z方向)に沿う向き、即ち縦向きに取り付けられている。また、巻き取り軸10,11は、装置本体2の幅方向(図3及び図4の矢印Y方向)において同じ側の端部に配置され、しかもこの幅方向において同じ位置に並んだ状態で配置されている。なお、本例は、前面側巻き取り軸を10とし、後面側巻き取り軸を11とする。ここで、軸10,11が、本発明の「巻取軸」に相当する。
【0016】
一方、保持用軸12,13は、装置本体2の幅方向において巻き取り軸10,11と反対側の端部に配置されている。保持用軸12,13は、巻き取り軸10,11と平行する向きに取り付けられ、装置本体2の幅方向において同じ位置に並んだ状態で配置されている。なお、本例は、前面側保持用軸を12とし、後面側保持用軸を13とする。これら保持用軸12,13は、装置本体2の奥行き方向(図3及び図4の矢印X方向)において、前面側保持用軸12が前面側巻き取り軸10と同じ位置に並び、後面側保持用軸13が後面側巻き取り軸11と同じ位置に並んでいる。軸10〜13は、図5に示すように、平面視において装置本体2の四隅に位置する配置状態をとっている。
【0017】
図3に示すように、巻き取り軸10,11の各々の下方位置には、これら巻き取り軸10,11の各々の回動駆動源としてモータ14,15(図4参照)が取り付けられている。即ち、巻き取り軸10,11は表示幕7の巻き取り時における駆動軸として働き、保持用軸12,13はこれに連れ回りする従動軸として働く。なお、本例は、前面側モータを14とし、後面側モータを15とする。これらモータ14,15は、それぞれ複数のギア及びタイミングベルト(図示は省略する)を介して巻き取り軸10,11に連結されている。また、モータ14,15は、ACモータが使用されるとともに、装置本体2に対して縦向きに取り付けられている。本例の場合、前面側モータ14が停止状態のままで後面側モータ15が駆動状態(例えば、正転)をとると、表示幕7が一方向(図5のK1方向)に巻き取られ、後面側モータ15が停止状態のままで前面側モータ14が駆動状態(例えば、逆転)をとると、表示幕7が他方向(図5のK2方向)に巻き取られる。なお、モータ14,15が本発明の駆動手段に相当する。
【0018】
図3及び図4に示すように、装置本体2の内部において表示幕7の内側には、光透過部材からなるこの表示幕7を裏面側から照明する照明部22が設けられている。本例の照明部22は、例えば蛍光灯が使用されるとともに、この蛍光灯を縦向きに2本配置した構成がとられている。この照明部22が点灯状態をとると、表示幕7が裏面側から明るく照らし出される状態をとり、幕式表示装置1の周囲が暗い場合であっても、表示幕7の広告が視認可能となる。
【0019】
図1及び図2に示すように、前面フレーム3の下部には横開きの開閉扉23が設けられている。開閉扉23を開けた位置には、幕式表示装置1の操作系として各種スイッチ及びダイヤル等を備えた操作部27(図6参照)が設けられている。操作部27は、幕式表示装置1の主電源のオンオフを切り換える際に操作する電源スイッチ、表示幕7の巻き取りを手動操作する際に操作する手動幕送りスイッチ、照明部22の電源をオンオフする際に操作する照明スイッチ、表示幕7の自動送りの運転/停止を操作する自動幕送りスイッチ、表示幕7の停止時間を手動で調整可能な停止時間設定ダイヤルからなる。これらスイッチ類による幕式表示装置1の設定操作(動作切り換え操作)は、図1に示す電源ケーブル29を、商用電源等の電源プラグ(図示は省略する)に挿し込んで、幕式表示装置1が商用電源の電力を得ている際に可能となっている。なお、図2以下における電源ケーブル29の図示は省略している。
【0020】
図5に示すように、表示幕7は、ひとつひとつが1広告物(広告単位)をなす略四角形状の単位表示幕Sを複数枚(本例は10コマ)順番に貼り合わせることにより、一枚の長い帯として形成されている。これら単位表示幕S1,S2…は、前面フレーム3及び後面フレーム4の透明板6の大きさに合わせた広告(文字、絵柄等)が印刷され、各々の端縁をテープ(接着剤)等で接着することにより1枚に連結されている。表示幕7は、連続する2コマの単位表示幕S,Sが前面フレーム3の前面透明板6aと後面フレーム4の後面透明板6bとから広告として表示される。そして、モータ14,15により表示幕7を巻き取って透明板6a,6bに位置する単位表示幕S,Sを切り換えることにより、これら透明板6a,6bで表示される広告内容が変更される。
【0021】
図6に示すように、幕式表示装置1には、この幕式表示装置1のコントロールユニットとして制御装置32が設けられている。この制御装置32には、同制御装置32を統括制御するCPU(Central Processing Unit)33や、表示幕7の巻き取りの制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)34等が設けられている。CPU33は、幕式表示装置1を操作するために用いられる操作部27に接続され、操作部27からの信号を受信するI/O部28に接続されるとともに、CPU33からの指令信号をモータ駆動用の電圧に変換するモータ駆動回路36を介してモータ14,15に接続されている。CPU33は、モータ14,15のうち巻き取り側のものを定速回転させて表示幕7の巻き取り動作を実行する。また、これら回路素子群は、表示幕7の下方に収納された横向き配置の基板37(図3参照)に実装されている。
【0022】
図3に示すように、装置本体2の内部において発光表示部40の内側には、光透過部材からなる広告板42を裏面側から照明する副照明部43が設けられている。本例の副照明部43は、蛍光灯を横向きに1本配置した構成がとられている。この副照明部43が点灯状態をとると、広告板42が裏面側から明るく照らし出される状態をとり、幕式表示装置1の周囲が暗い場合であっても、広告板42の広告が視認可能となる。広告板42は平面的な樹脂製板であり、前面フレーム3及び後面フレーム4に窓状に刳り抜かれた副表示枠部41に嵌め込まれ、前面フレーム3及び後面フレーム4の表面と面一になる。同様に透明板6もまた前面フレーム3及び後面フレーム4の表面と面一に構成されており、透明板6を透過して見える表示幕7及び発光表示部40の広告等が、表面が滑らかな直方体柱状である装置本体2の表面上に表示されるような外観を呈する。
【0023】
幕式表示装置1を使用する際には、上述のように表示幕7を巻き取って単位表示幕Sを切り替えて表示する。この際、照明部22及び副照明部43を発光させ、表示幕7及び広告板42は光を透過して明るく照らし出される。
【0024】
ところで、図7に示すように、表示幕7が巻き取られる動作途中には、表示幕7が移動途中であって単位表示幕S1,S2の表示が見えにくくなるときがある。図7(a)に示す状態においては、透明板6を通してS1に記された「A」という文字が明瞭に視認される。また、図7(b)に示す状態においては、同様にS2の「B」という文字が明瞭に視認される。しかし、図7(c)のように、S1からS2に変更する途中の状態においては、S1の表示内容は「A」の一部であるのか、それとも他のマークや文字の一部なのか判別不能である。また、S2の表示内容は「B」なのか「E」なのか、あるいは「日」という漢字の一部であるのか判別できない。このような移動途中の状態でも、発光表示部40の表示態様は視認可能な状態であり、幕式表示装置1の広告効果が失われることを防ぐ。
【0025】
以上のように、本発明の実施形態である幕式表示装置1によれば、表示幕7が巻き取られる動作途中であって単位表示幕Sが見えにくくなっているときにおいても発光表示部40の広告が表示され続けていることにより、幕式表示装置1の動作中に広告内容が全くわからなくなる事態を防ぎ、広告機能の低下を抑制する。
【0026】
また、幕式表示装置1は、透明板6及び広告板42がいずれも装置本体2に窓状に設けられ、外観上一体的に構成されているので、表示幕7の表示と広告板42の表示との間の関連性が認識されやすい。また、表示幕7の切り替え中で透明板6を通して見える広告内容がわからない場合には、スムーズに広告板42に観者の注意を向けさせることができる。これにより、例えば、広告板42に店名及び業種を示し、表示幕7の各単位表示幕Sには店で提供するサービスや商品の案内を示すようにすると、単位表示幕Sに示されたサービス等が認識できない場合にも、店名及び業種を認識可能とすることができる。また、店名とサービスや商品とが関連付けて認識されるようにすることができる。
【0027】
さらに、幕式表示装置1によれば、表示幕7の駆動部や照明部22に不具合が生じた場合にも、発光表示部40を利用して広告表示を継続することができる。
【0028】
次に、図8〜図12に基いて、本発明の幕式表示装置の他の実施形態について説明する。図8〜図12に示す実施形態において、幕式表示装置1と実質的に共通する構成については第一の実施形態と同じ符号を用いて示す。また、内部構造についての詳細な説明は省略する。発光表示部の広告内容などの表示態様についても詳細な表示は省略する。各図中の斜線で示した部分は、いずれも樹脂またはガラス等の透明な材質で形成されている。また、各実施形態の発光表示部は、いずれも透光性を有する素材で形成されている。
【0029】
図8は、第二の実施形態である幕式表示装置201の斜視図及び該斜視図に対応する六面図である。幕式表示装置201によれば、第一の実施形態と大部分が共通した構成であって、第一の実施形態と同様の効果を奏する。さらに、幕式表示装置201においては、発光表示部240が相対的に大きく構成されており、例えば、発光表示部240に店名やロゴマークなどを表示した際に表示内容をより認識しやすくすることができるので、表示幕による表示を発光表示部240の補助的に使用する場合に好適である。
【0030】
図9は、第三の実施形態である幕式表示装置301の斜視図及び該斜視図に対応する六面図である。幕式表示装置301によれば、第一の実施形態と大部分が共通した構成であって、第一の実施形態と同様の効果を奏する。さらに、幕式表示装置301においては、副表示枠部341は、装置本体302の前面350から面取り部351にかけて刳り抜いて設けられている。面取り部351は、幕式表示装置301の前面350から側面352の境界となる角部を滑らかにつなぐように前面から側面へと回り込む形状である。本例においては面取り部351は曲面で構成されているが、装置本体の角部を斜めに削ぎ落としたような平面的な面取り形状であってもよい。発光表示部340の広告板342は、装置本体302を刳り抜いて形成された副表示枠部341に嵌合し、装置本体302に取り付けた際に装置本体302の表面と面一となる立体的な形状に形成されている。これにより、発光表示部340は装置本体302の面取り部350までわたる幅広な外観を呈し、発光表示部340の視認性を高めるとともに、幕式表示装置301の外観に意匠性を高める。
【0031】
図10は、第四の実施形態である幕式表示装置401の斜視図及び該斜視図に対応する六面図である。幕式表示装置401によれば、第一の実施形態と大部分が共通した構成であって、第一の実施形態と同様の効果を奏する。さらに、幕式表示装置401においては、透光性部材442は略楕円形を呈している。縦長の長方形を呈する透明板6に対し、発光表示部440はより小さな略楕円形を呈しており、両者の大きさ及び形状が相違することで、表示内容に階層を設け、表示幕の表示内容を強調する効果が得られる。例えば、発光表示部440にテナントビルの名前を表示し、表示幕にテナントの店舗の名前を表示するような使用方法に好適である。
【0032】
図11は、本発明の第五の実施形態である幕式表示装置501の斜視図及び該斜視図に対応する六面図である。幕式表示装置501によれば、第一の実施形態と大部分が共通した構成であって、第一の実施形態と同様の効果を奏する。さらに、幕式表示装置501においては、発光表示部540の透光性部材542が立体的な箱状に構成されており、装置本体502の前面よりも前方に張り出した形状を呈する。幕式表示装置501の外観に起伏を設けることで、張り出している発光表示部540と、平坦かつ相対的に大きな透明板506に表示される表示領域との間で視線移動を促して、広告効果を高めることができる。
【0033】
図12は、第六の実施形態である幕式表示装置601の斜視図及び該斜視図に対応する六面図である。幕式表示装置601によれば、第一の実施形態と大部分が共通した構成であって、第一の実施形態と同様の効果を奏する。さらに、幕式表示装置601においては、副表示枠部641は、装置本体602の前面フレーム603から側面にまわり込むようにして刳り抜いて設けられている。さらに、中央フレーム625の側面にも副表示枠部644が刳り抜いて設けられており、後面フレーム604には、前面フレーム603と略鏡像対称を呈する形状で副表示部枠645が設けられている。これにより、中央フレーム625に前面フレーム603及び後面フレーム604を組み付けると、副表示枠部641,644,645は、全体として水平方向に連続した溝状を呈する。広告板642は、副表示枠部641,644,645に嵌め込まれると、装置本体602の表面と略面一となる形状であって、平面視において略コ字状を呈する。発光表示部640は装置本体602の前面から側面をまわり込んで背面まで連続する形状を呈する。これにより、発光表示部640の視認性を高めるとともに、幕式表示装置601の意匠性を高める。
【0034】
図13は、本発明の第七の実施形態である幕式表示装置701の斜視図及び該斜視図に対応する六面図である。幕式表示装置701によれば、第一の実施形態と大部分が共通した構成であって、第一の実施形態と同様の効果を奏する。さらに、幕式表示装置701においては、発光表示部740の透光性部材742は、装置本体702の前面よりも前方に張り出しており、副表示枠部741よりも上方に拡張された薄箱状を呈する。幕式表示装置701は、第一の実施形態とは異なり、装置本体702の内部に光源をもたず、透光性部材742の背面側に装着された平面発光部(図示しない)を光源として発光表示部740を照明する。平面発光部は、前方に向けて光を放射する多数のLEDを搭載したLED基板を内蔵する。これにより、発光表示部の表示内容を大きく表示して視認性を高める効果を奏するとともに、第五の実施形態と同様に、立体的な形状により視線移動を促す効果を奏する。
【0035】
図14は、本発明の第八の実施形態である幕式表示装置801の斜視図及び該斜視図に対応する六面図である。幕式表示装置801によれば、大部分が第一の実施形態と共通した構成であって、第一の実施形態と同様の効果を奏する。さらに、幕式表示装置801は、装置本体の側面に縦長の側面発光表示部850を備えている。発光表示部840は、第一の実施形態の発光表示部40と同様の構成である。側面発光表示部850は、LEDを内蔵する平面的な発光装置を中央フレーム825の側面に設けたものである。これにより、透明板6を通して見える表示幕、発光表示部840及び側面発光表示部850の表示態様を組み合わせて、さらに多様な表示を行うことが可能である。
【0036】
図15は、第九の実施形態である幕式表示装置901の斜視図及び該斜視図に対応する六面図である。幕式表示装置901によれば、第一の実施形態と大部分が共通した構成であって、第一の実施形態と同様の効果を奏する。さらに、幕式表示装置901においては、発光表示部940の透光性部材942が立体的に構成されており、曲面的に前面に張り出した形状を呈する。また、透光性部材942は、装置本体902の横幅よりも幅広であり、端部が側方に突出する。これにより、幕式表示装置901の外観に起伏を設け、発光表示部940と透明板6に表示される表示領域との間で視線移動を促して広告効果を高める。
【0037】
なお、本発明の実施形態は上記の構成に限定されるものではなく、以下に示すように種々に変更することができる。
【0038】
すなわち、上記の実施形態では、副照明部43として光源に蛍光灯を用いたものを示したが、これに限定されるものではなく、その他にも種々の光源を用いることができる。例えば、LED基板を装置本体に内蔵するようにしてもよいし、広告板42の裏側に取り付けるようにしてもよい。また、LED等の光源と反射・屈折部材とによって構成された平面発光装置を光源としてもよい。平面的な薄型の光源を広告板42の裏側に装着すると、発光表示部を全体的に薄く形成することができる。これにより、発光表示部の形状や配置の自由度を高めることができる。
【0039】
さらに、上記実施形態においては、発光表示部が内照式看板である例を示したが、これに限定されるものではなく、発光表示部は内照式看板以外のものであってもよい。すなわち、LEDを縦横に多数配列したドット式電光表示器や、ネオン管または冷陰極管を用いて文字や絵を表現した発光式看板であってもよい。また、液晶ディスプレイやドットマトリクス式表示器を発光表示部に用いることもできる。
【符号の説明】
【0040】
1…幕式表示装置、2…装置本体(筐体)、5…枠部(表示窓)、6…透明板(表示窓)、7…表示幕、10,11…軸(巻取軸)、14,15…モータ(駆動手段)、32…制御装置、40…発光表示部、S…表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状を呈し、長手方向に並ぶ複数の表示領域を有する表示幕と、
該表示幕の一端が取着され、軸心周りに回転して前記表示幕を巻取り可能な巻取軸と、
該巻取軸を回転駆動する駆動手段と、
該駆動手段の回転駆動を制御する制御装置と、
前記表示幕、前記巻取軸、前記駆動手段、及び前記制御手段を収容する筐体と、
前記筐体に設けられ、前記複数の表示領域の一部を外部から視認可能とする表示窓と、
前記筐体に設けられ、所定の表示態様を発光表示する発光表示部と
を具備することを特徴とする幕式表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−68360(P2012−68360A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211983(P2010−211983)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000144544)レシップホールディングス株式会社 (179)
【Fターム(参考)】