平面型蛍光灯
【課題】平面型蛍光灯において発光部面積を大きくするとともに製造時の歩留まりを高め、製造コストを低減する。
【解決手段】 平面型蛍光灯は、第1の蛍光層(404)を有する第1のパネル(400)と、第2の蛍光層(446)を有する第2のパネル(442)と、前記第1及び第2のパネルの辺縁部に接合されるガラス枠(406,408,410,421,414)であって複数の電極座(416、418、420及び422)を有するガラス枠と、電極(438、440)及び該電極の両端に配される2個の電極リード(430、432及び434、436)をそれぞれが有する2個の電極構造とからなる。電極座としての凹部および間隙(424)がガラス枠に設けられ、凹部には電極が、間隙には換気管(425)が設置される。第1のパネル、第2のパネル及びガラス枠によって空間が形成され、その内部を脱気し、その後、水銀蒸気及び不活性ガスを空間内に導入して蛍光灯を形成する。
【解決手段】 平面型蛍光灯は、第1の蛍光層(404)を有する第1のパネル(400)と、第2の蛍光層(446)を有する第2のパネル(442)と、前記第1及び第2のパネルの辺縁部に接合されるガラス枠(406,408,410,421,414)であって複数の電極座(416、418、420及び422)を有するガラス枠と、電極(438、440)及び該電極の両端に配される2個の電極リード(430、432及び434、436)をそれぞれが有する2個の電極構造とからなる。電極座としての凹部および間隙(424)がガラス枠に設けられ、凹部には電極が、間隙には換気管(425)が設置される。第1のパネル、第2のパネル及びガラス枠によって空間が形成され、その内部を脱気し、その後、水銀蒸気及び不活性ガスを空間内に導入して蛍光灯を形成する。
【発明の詳細な説明】
【0001】(関連出願情報)本願は出願日がそれぞれ2000年10月19日及び2001年9月4日である台湾特許出願第89121895号ならびに89121895A01号より優先権を主張するものである。
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は概して蛍光灯に関し、詳細には大面積液晶表示装置(LCD)のバックライトとして使用することが可能な平面型蛍光灯に関するものである。
【0003】
【従来の技術】液晶表示装置は、高い画像品質、小型であること、低駆動電圧、低消費電力、用途が広範であること、といった利点を有するため、従来の陰極線管(CRT)に代わるものとして消費者製品に広く使用されつつある。液晶表示装置の用途としては、中型及び小型の携帯用テレビ、携帯電話、カムコーダ、ノートブック型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、プロジェクション型テレビや他のコンピュータ製品が挙げられる。しかしながら、プラズマ表示パネル(PDP)、エレクトロルミネセンス装置、及び発光ダイオードなどの自己照射型表示装置と異なり、液晶表示装置は表示効果を得るうえで外部光源を必要とする光受容型装置である。したがって、液晶表示装置の多くでは表示パネルの後方にバックライトを設置する必要がある。
【0004】液晶表示装置の一般的なバックライトは蛍光灯を備えており、現在のこうした蛍光灯は1.8mm〜2.6mmの内径を有する。こうした蛍光灯は、ガラス管の両端に電極を備え、このガラス管の内壁を蛍光体にてコーティングした構造を有する。ガラス管は水銀蒸気及び不活性ガスにて満たされている。電極に電圧を印加すると発生した電子が水銀蒸気及び不活性ガスに衝突し、これらを励起状態に励起する。水銀蒸気及び不活性ガスが基底状態に戻る際に紫外線が放射されて蛍光体を励起し、可視光が発生する。
【0005】液晶表示装置の表示面積が次第に大きくなるにしたがって、均一な明るさで白色光を放射することが可能な平面型光源が必要とされつつある。しかしながら、白色蛍光灯は非平面型光源である。最も直接的な方法は複数の蛍光管を表示パネルの後方に設置することである。図1にはアレイ型のバックライトが断面図にて示されている。蛍光灯100が液晶表示パネル102の後面に平行に設置されている。リフレクタ104が蛍光灯100の後方に配されている。光源の効果を得るため、ディフューザ106が蛍光灯100と表示パネル102との間に配される。
【0006】直線状の光源を平面状の光源に転換する別の方法では、蛍光灯がルーバーの終端面に設置されることによりエッジ光によって光源の効果を得る。図2を参照すると、エッジ光型のバックライトが断面図にて示されている。蛍光灯200は導光板202の終端面202a上に設置されている。リフレクタ204は蛍光灯200から放射される光をアクリル樹脂製の導光板202に向けて偏向する。導光板202内に偏向される光を制限するよう、導光板202の前面はディフューザ206を有し、後面及び他の端面はリフレクタ204にて覆われる。導光板202に入射した光が複数回反射される結果、導光板202は平面型光源として発光する。ディフューザ206は導光板202から放射される光を均一化するために用いられる。
【0007】しかしながら、アレイ型バックライトは全体の明るさを均一化するためのディフューザを必要とする。蛍光灯が表示パネルに近すぎる場合、その形状が液晶表示パネル上に現れて表示画像の品質に影響を及ぼす。蛍光灯と表示パネルとの距離を調節するとバックライトの厚さが大きくなってしまい、液晶表示装置を要求通りの薄型に構成することができなくなる。一般にエッジ光型バックライトはアレイ型バックライトと比較して明るさの均一性に優れているが、エッジ型は光の照射効率が低いために明るさが小さい。この問題を解消するため、液晶表示装置の光源として平面型蛍光灯が用いられる。図3に示されるような現在の平面型蛍光灯は、2枚の平行なガラスパネル300,302とそれらの間に配されたガラス枠304とを備える。ガラス枠304の一側面には脱気及びガス導入のための換気口が設けられる。ガラス枠304の凹部308内には電極306が配設される。外部動作回路を接続するため、電極リード310が半田付けにより電極306に接合される。ここで電極306同士は互いに平行であるため、電極リード310と電極306との半田接合部はほぼ直角に曲折していなければならない。このため電極リード310の占有面積が大きくなって、蛍光灯の発光部面積が小さくなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】平面型蛍光灯に電極を形成するための金属は、ガラスと大幅に異なる熱膨張係数を有する。密封式の平面型蛍光灯を得るためには、電極リードを形成するためにガラスに近い熱膨張係数を有する金属が必要とされる。
【0009】蛍光灯の製造工程においては、電極と電極リードとの間の熱膨張係数の差のため、しばしば歩留まりが低くなる。このため製造コストが増大する。
【0010】平面型蛍光灯の電極アセンブリは方向性を有するものであり、自動生産には不都合である。また電極の製造は複雑である。平面型の電極の制限のために平面型蛍光灯を薄型化する工程が影響される。
【0011】更に、平面型電極の辺縁部によって電極面の臨界点が形成され、平面型電極を組み立てる際、パネル上の蛍光層が突出したエッジによって傷付けられやすくなる。
【0012】本発明は、ロッド電極が互いに平行かつガラス枠に接して配されることにより発光部面積を大きくした平面型蛍光灯を提供するものである。
【0013】本発明は電極と電極リードとの間の接合部が熱処理の際に剥離することを防止する平面型蛍光灯を提供する。この平面型蛍光灯は歩留まりが高く、製造コストが低減されたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明によって提供される平面型蛍光灯は、第1のパネル、第2のパネル、ガラス枠、換気管及び1組の電極を有する。第1及び第2のパネルはいずれも蛍光層を有する。ガラス枠には電極管及び換気管を配するための凹部及び間隙が形成される。電極は互いに平行かつガラス枠に接して配される。第1のパネル、第2のパネル及びガラス枠は空間を包囲する。水銀蒸気及び不活性ガスがこの空間内に導入される。
【0015】本発明では前記の電極は半田リードに半田付けされる。電極を設ける際に凹部は設けられない。代わりに電極リードが凹部内に直接固定されるため、2個の電極は支持要素に固定され互いに平行に配される。
【0016】本発明では、電極リードが所定の面積を占有することのないように平面型蛍光灯が構成されるため、発光部面積が大きくなる。電極リードと電極との接合が熱処理の際に剥離することも防止される。
【0017】本発明の平面型蛍光灯の電極の構成では、熱処理の際に電極に作用する熱応力を充分に解放するためのくびれ部を有するように電極リードは予め形成されている。
【0018】本発明によって提供される平面型蛍光灯の電極の構成では、半田付けされた電極と電極リードは折曲されて柔軟な空間を形成するので、熱処理の際に電極に作用する熱応力が解放される。
【0019】本発明によって提供される平面型蛍光灯の電極の構成では、電極は鋸歯構造を有するように予め形成された後、電極リードに半田付けされる。この構成により熱処理の際に電極に作用する熱応力が解放される。したがって歩留まりが向上する。
【0020】本発明の平面型蛍光灯では、電極はロッド電極を含むことにより臨界点が形成されにくくパネル上の蛍光層が傷付きにくい。この電極アセンブリは方向性を有さないため、自動生産が容易である。
【0021】本発明では第2のパネルとガラス枠は別個に製造した後に組み立てることが可能である。また、第2のパネルとガラス枠を一体に形成することも可能である。
【0022】ロッド電極は2以上の電極材料を半田付けすることにより形成される。
【0023】本発明のロッド電極は、電極と該電極の両端に配された2個の電極リードとを有するか、電極と該電極の一端に配された電極リードとを有する。
【0024】本発明のロッド電極はロッド電極材料を含む。
【0025】本発明のロッド電極は任意の円形状材料を含み、電極材料は円形状材料上に形成される。
【0026】電極の円形状構造に対応し、電極を固定するための凹部の断面形状は、V字形、U字形や長方形を含む。
【0027】以上の一般的説明及び以下の詳細な説明はいずれもあくまで例示的及び説明的な性質のものであって、特許請求の範囲に示される限定的な定義によってその範囲を限定されるものではない。
【0028】
【発明の実施の形態】第1の実施形態図4(A)乃至(D)には、本発明の第1の実施形態における平面型蛍光灯及びその製造方法が斜視図にて示されている。
【0029】図4(A)ではガラスパネル400が設けられている。ガラスパネル400の表面402には蛍光層404がコーティングされている。蛍光層402を形成するための方法としては、スクリーン印刷、湿式浸漬、及び静電塗工が挙げられる。蛍光層404の材料としては、紫外線を吸収して青色、赤色、及び緑色光を放射する3波長蛍光体などの蛍光体がある。ガラスパネル400の厚さHは、約2mm〜約5mm、好ましくは3mmである。ガラスパネル400の材料としては、コーニング(登録商標)0800ガラス及びコーニング(登録商標)7059ガラスなどのソーダ石灰ガラスが挙げられる。
【0030】図4(B)を参照すると、ガラス枠406,408,410,412及び414がガラスフリットを使用してガラスパネル400の表面の辺縁部に固定されている。ガラス枠406と408との間、ガラス枠408と410との間、ガラス枠410と412との間、ガラス枠414と406との間には、電極座416、418、420及び422として間隙が形成されている。ガラス枠412及び414には後の工程において換気管425を設置するための換気口424が更に設けられている。
【0031】図4(C)を参照すると、電極リード430、432、434及び436は電極パネル426及び428の2つの端部に直接半田付けされて電極438及び440を形成している。電極リード430、432、電極パネル426、電極リード434、436及び電極パネル428は同一平面上に配されている。電極438、440は電極座416、422、418及び420内に設置される。電極438、440の電極リード430、432及び434、436が、電極座416、422、420及び422内にそれぞれ配される。換気管425及び電極438、440を固定するため、換気口424及び電極座416、418、420、422にはガラスフリットが充填される。
【0032】図4(D)を参照すると、別のガラスパネル442が設けられている。蛍光層446などの蛍光材料がガラスパネル442の表面上にコーティングされている。蛍光層を形成するための方法としては、スクリーン印刷、湿式浸漬、及び静電塗工などが挙げられる。蛍光層の材料としては、紫外線を吸収して赤色光、緑色光、及び青色光を発する3波長蛍光体などの蛍光材料がある。ガラスパネル442はガラスパネル440と同様の構成を有する。ガラスパネル442はガラスパネル440に揃えて位置決めされ、ガラスフリットを用いてガラスパネル442をガラス枠406、408、410、412、414、および416に固定する。
【0033】ガラス材料が、コーニング・グラス社によって製造されるコーニング(登録商標)0800ソーダ石灰ガラスを含む場合、2枚のガラスパネルを接合するガラスフリットとしてコーニング・グラス社によって製造されるコーニング(登録商標)7575ガラスフリットを使用することが可能である。ガラス材料がコーニング・グラス社によって製造されるコーニング(登録商標)7059ハードボードガラスを含む場合には、ガラスフリットとしてコーニング(登録商標)1301ガラスフリットから選択することが可能である。
【0034】ガラスパネル442をガラス枠406、408、410、412、414および416に固定して平面型蛍光灯の大部分を形成した後、換気管425を介して空間448を脱気する。この後、水銀蒸気及び不活性ガスを空間448内に導入し、空間448を外側より密封する。
【0035】第2の実施形態第2の実施形態において提供される平面型蛍光灯の製造方法は第1の実施形態の場合と同様である。相違点は電極438、440の製造方法にある。図5を参照すると、電極538、540は電極500、502を電極リード530、532及び534、536と直接半田付けすることによって形成される。
【0036】第3の実施形態第3の実施形態において提供される平面型蛍光灯の製造方法は第1の実施形態の場合と同様である。相違点は電極638、640の製造方法にある。図6(A)を参照すると、電極が断面図にて示されている。電極リード600が設けられる。電極リード600の長さは電極500と電極リード530、532の長さの和にほぼ等しい。適当な位置において電極材料にて形成された材料層602を、電極リード600をくるむように形成し、電極504を形成する。同様に電極638、640も形成する。材料層602を形成するための方法としては電気メッキなどがある。
【0037】図6(B)を参照すると、上記の実施形態と同様、電極638、640は、ガラス枠610と612との間、612と614との間、614と616との間、及び618と610との間に形成された電極座620、622、624、及び626内に配置される。材料層602の長さはガラス枠612と618との間の距離に等しい。
【0038】更に、上記の実施形態に対し、熱処理の際の熱応力を解放するための幾つかの電極形成方法を適用することが可能である。図7(A)乃至(C)に示されるように、電極リード702、712及び722は、くびれ部708、718及び728が形成されるように予め形成され、これにより熱処理の際に電極に作用する熱応力が解放されるために歩留まりが向上する。次いで電極704、714、724を電極リード706、716及び726と半田付けする。そして、電極リード702、706、712、716は支持部材の間隙に固定される。
【0039】図8に示されるように、電極リード802は従来の電極及び電極リードの全体の長さに等しい長さを有する。電極804を形成するため、所定の位置に導電性材料を配する。上述したように半田リード802は支持部材の間隙内に直接配設される。導電性材料にてコーティングされた部分804が平面型蛍光灯の内部に置かれるのに対し、導電性材料を有さない部分は支持部材、および平面型蛍光灯の外部に置かれる。2個の電極が互いに平行に支持部材に取り付けられる。平面型蛍光灯を構成した後、外部回路に接続するために外部に露出した電極リードをねじる。
【0040】図9(A)及び9(B)に示されるように、半田付けされた電極900、910及び電極リード902、912を折曲して柔軟空間904、914を設け、熱処理の際の熱応力を解放して歩留まりを向上させることが可能である。更に図10(A)及び10(B)に示されるように、電極920、930を鋸歯構造を有するように予め形成した後、電極リード922、932と半田付けして熱処理の際の熱応力を解放し、歩留まりを向上させることが可能である。
【0041】図11に示されるように、電極940と電極リード942との間の半田は角度をもってねじる必要がない。したがって電極自体を長方形状に加工する必要がなく、電極リードと有利に半田付けすることが可能である。代わりに直線状の電極940が電極リード942に半田付けされる。電極リードは上述したように支持部材946の間隙内に直接固定される。次いで2個の平行な電極を支持部材に取り付けることによって配設する。平面型蛍光灯を構成した後、外部に露出した電極リードを必要に応じてねじることにより外部回路への接続が有利に行われる。
【0042】第4の実施形態図12を参照すると、平面型蛍光灯の第4の実施形態が示されている。この平面型蛍光灯は、第1のパネル900、第2のパネル902、ガラス枠904、換気管905、及び1組のロッド電極構造912を備える。ロッド電極構造912の組は、電極906及び電極906の両端に配された2個の電極リード910を有する。電極リード910の熱膨張係数(CTE)はガラス材料に近い。このため電極リード910はパッケージングのためのガラス枠904に適当に取り付けることが可能である。ロッド電極構造912の組は約0.1mm〜約2.0mmのφ値を有する。
【0043】第1のパネル900及び第2のパネル902の厚さは約0.4mm〜約10mm、好ましくは3mmである。第1のパネル900及び第2のパネル902の材料としてはコーニング・グラス社によって製造されるコーニング(登録商標)0800またはコーニング(登録商標)7059などのソーダ石灰ガラスがある。コーニング(登録商標)0800またはコーニング(登録商標)7059に対して使用されるガラスフリットとして、それぞれコーニング(登録商標)7575及びコーニング(登録商標)7059がある。
【0044】第1のパネル900及び第2のパネル902の表面には蛍光層904が形成される。蛍光層を形成するための方法としては、スクリーン印刷、湿式浸漬、静電塗工などが挙げられる。蛍光層を形成する材料としては、紫外線を吸収して赤色、緑色、赤色光を発する3波長蛍光体などの蛍光体がある。
【0045】ガラス枠904は第1のパネル900及び第2のパネル902の辺縁部に設けられる。ガラス枠904にはロッド電極構造912の組を配設するための凹部908が形成されている。凹部908は電極構造912の組の電極リード910の位置に対応して設けられる。すなわち、電極リード910の位置によって凹部908の位置が決定される。これらの凹部を適当に配置することにより、ロッド電極構造912を互いに平行かつガラス枠904に密着させて設けることが可能である。ガラス枠904に設けられた凹部908はV字形の断面を有する。このため、ロッド電極構造912は凹部908の側壁に沿って自然に滑って凹部908内に固定される。更に、凹部908内にロッド電極構造912を配設する工程は方向性を有さないため、自動生産に適当である。
【0046】図12を参照すると、例としてガラス枠904をまず第2のパネル902に接合し、次いで第1のパネル900に接合することが可能である。ガラス枠904と第2のパネル902との接合工程ではガラスフリットを使用してガラス枠904を第2のパネル902の辺縁部に固定する。第2のパネル902がコーニング(登録商標)0800ソーダ石灰ガラスにて形成されている場合、コーニング(登録商標)7575をガラスフリットとして使用することが可能である。第2のパネル902がコーニング(登録商標)0800ガラスにて形成されている場合、ガラスフリットをコーニング(登録商標)1301にて形成することが可能である。更にガラス枠904と第2のパネル902を一体に形成することも可能である。
【0047】第1のパネル900、第2のパネル902及びガラス枠904によって空間が区画される。この空間はガラス枠904に形成された間隙内に配設された換気管905を介して換気される。まず空間を脱気した後、水銀蒸気及び不活性ガスが導入される。
【0048】図13を参照すると、第4の実施形態における第2の平面型蛍光灯が分解されて示されている。図1313の平面型蛍光灯の構造は、凹部908がU字形の断面を有する点以外は図12に示されるものと同様である。V字形及びU字形のいずれの凹部もロッド電極構造912を固定する機能を有する。
【0049】図14を参照すると、第4の実施形態における第3の平面型蛍光灯が分解されて示されている。図1414の平面型蛍光灯の構造は、凹部908が長方形状を有する点以外は図12に示されるものと同様である。V字形及び長方形のいずれの凹部もロッド電極構造12を固定する機能を有する。
【0050】第5の実施形態図15乃至17を参照すると、第3の平面型蛍光灯がそれぞれ示されている。この実施形態の蛍光灯の構造は図1212乃至14に示される第1の実施形態に類似したものである。相違点はロッド電極構造912、及び凹部908の位置である。
【0051】図15乃至17を参照すると、ロッド電極構造912は電極906及び電極906の一端に配された電極リード910を有する。ロッド電極構造912はガラス枠904の凹部908内に配設される。
【0052】上記のロッド電極構造912はその一端のみにおいてガラス枠904の凹部908に固定されるため、より高い応力の解放効果が得られる。
【0053】
【発明の効果】本発明によって提供されるロッド電極を有する平面型蛍光灯は次の利点を有する。
【0054】1.平面型蛍光灯の電極がロッド電極構造に基づく所定の方向性を有して組み立てられる。このことは電極の自動生産に有利である。
【0055】2.本発明では平面型蛍光灯のロッド電極が先鋭な辺縁部を有さないため、発光特性に影響を及ぼす臨界点が形成されにくい。
【0056】3.平面型蛍光灯のロッド電極の寸法変更が柔軟に行えることにより、平面型蛍光灯の大型のウィンドウが得られる。
【0057】4.ロッド電極構造によって蛍光層が傷付けられにくい。
【0058】5.他の形状の電極と比較してロッド電極の形成が容易である。
【0059】6.ガラス枠がパネルに連結されるかパネルと一体に形成されるため、製造が容易となる。
【0060】本発明の他の実施形態はここに開示される発明の詳細及び実施を考慮することにより当業者にとって明らかとなろう。明細書及び実施例はあくまで例示的なものであり、発明の真の範囲及び精神は特許請求の範囲において示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のアレイ型バックライトを示す断面図。
【図2】従来のエッジ光型バックライトを示す断面図。
【図3】従来の平面型蛍光灯を示す展開図。
【図4】(A)乃至(D)本発明の平面型蛍光灯及び該平面型蛍光灯の製造方法の第1の実施形態を示す斜視図。
【図5】本発明の平面型蛍光灯の第2の実施形態を示す分解斜視図。
【図6】(A)本発明の平面型蛍光灯の第3の実施形態における電極を示す断面図。(B)第3の実施形態における平面型蛍光灯の分解斜視図。
【図7】(A)乃至(C)本発明の電極の第1の製造方法を示す図。
【図8】本発明の電極の第2の製造方法を示す図。
【図9】(A)本発明の電極の第3の製造方法を示す図。(B)本発明の電極の第3の製造方法を示す図。
【図10】(A)本発明の電極の第4の製造方法を示す図。(B)本発明の電極の第4の製造方法を示す図。
【図11】本発明の電極の第5の製造方法を示す図。
【図12】本発明の第4の実施形態における第1の型の平面型蛍光灯を示す分解斜視図。
【図13】本発明の第4の実施形態における第2の型の平面型蛍光灯を示す分解斜視図。
【図14】本発明の第4の実施形態における第3の型の平面型蛍光灯を示す分解斜視図。
【図15】本発明の第5の実施形態における第1の型の平面型蛍光灯を示す分解斜視図。
【図16】本発明の第5の実施形態における第2の型の平面型蛍光灯を示す分解斜視図。
【図17】本発明の第5の実施形態における第3の型の平面型蛍光灯を示す分解斜視図。
【符号の説明】
400,442 ガラスパネル
406,408,410,421,414 ガラス枠
438,440 電極
430,432 電極リード
434,436 電極リード
416,418,420,422 電極座
【0001】(関連出願情報)本願は出願日がそれぞれ2000年10月19日及び2001年9月4日である台湾特許出願第89121895号ならびに89121895A01号より優先権を主張するものである。
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は概して蛍光灯に関し、詳細には大面積液晶表示装置(LCD)のバックライトとして使用することが可能な平面型蛍光灯に関するものである。
【0003】
【従来の技術】液晶表示装置は、高い画像品質、小型であること、低駆動電圧、低消費電力、用途が広範であること、といった利点を有するため、従来の陰極線管(CRT)に代わるものとして消費者製品に広く使用されつつある。液晶表示装置の用途としては、中型及び小型の携帯用テレビ、携帯電話、カムコーダ、ノートブック型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、プロジェクション型テレビや他のコンピュータ製品が挙げられる。しかしながら、プラズマ表示パネル(PDP)、エレクトロルミネセンス装置、及び発光ダイオードなどの自己照射型表示装置と異なり、液晶表示装置は表示効果を得るうえで外部光源を必要とする光受容型装置である。したがって、液晶表示装置の多くでは表示パネルの後方にバックライトを設置する必要がある。
【0004】液晶表示装置の一般的なバックライトは蛍光灯を備えており、現在のこうした蛍光灯は1.8mm〜2.6mmの内径を有する。こうした蛍光灯は、ガラス管の両端に電極を備え、このガラス管の内壁を蛍光体にてコーティングした構造を有する。ガラス管は水銀蒸気及び不活性ガスにて満たされている。電極に電圧を印加すると発生した電子が水銀蒸気及び不活性ガスに衝突し、これらを励起状態に励起する。水銀蒸気及び不活性ガスが基底状態に戻る際に紫外線が放射されて蛍光体を励起し、可視光が発生する。
【0005】液晶表示装置の表示面積が次第に大きくなるにしたがって、均一な明るさで白色光を放射することが可能な平面型光源が必要とされつつある。しかしながら、白色蛍光灯は非平面型光源である。最も直接的な方法は複数の蛍光管を表示パネルの後方に設置することである。図1にはアレイ型のバックライトが断面図にて示されている。蛍光灯100が液晶表示パネル102の後面に平行に設置されている。リフレクタ104が蛍光灯100の後方に配されている。光源の効果を得るため、ディフューザ106が蛍光灯100と表示パネル102との間に配される。
【0006】直線状の光源を平面状の光源に転換する別の方法では、蛍光灯がルーバーの終端面に設置されることによりエッジ光によって光源の効果を得る。図2を参照すると、エッジ光型のバックライトが断面図にて示されている。蛍光灯200は導光板202の終端面202a上に設置されている。リフレクタ204は蛍光灯200から放射される光をアクリル樹脂製の導光板202に向けて偏向する。導光板202内に偏向される光を制限するよう、導光板202の前面はディフューザ206を有し、後面及び他の端面はリフレクタ204にて覆われる。導光板202に入射した光が複数回反射される結果、導光板202は平面型光源として発光する。ディフューザ206は導光板202から放射される光を均一化するために用いられる。
【0007】しかしながら、アレイ型バックライトは全体の明るさを均一化するためのディフューザを必要とする。蛍光灯が表示パネルに近すぎる場合、その形状が液晶表示パネル上に現れて表示画像の品質に影響を及ぼす。蛍光灯と表示パネルとの距離を調節するとバックライトの厚さが大きくなってしまい、液晶表示装置を要求通りの薄型に構成することができなくなる。一般にエッジ光型バックライトはアレイ型バックライトと比較して明るさの均一性に優れているが、エッジ型は光の照射効率が低いために明るさが小さい。この問題を解消するため、液晶表示装置の光源として平面型蛍光灯が用いられる。図3に示されるような現在の平面型蛍光灯は、2枚の平行なガラスパネル300,302とそれらの間に配されたガラス枠304とを備える。ガラス枠304の一側面には脱気及びガス導入のための換気口が設けられる。ガラス枠304の凹部308内には電極306が配設される。外部動作回路を接続するため、電極リード310が半田付けにより電極306に接合される。ここで電極306同士は互いに平行であるため、電極リード310と電極306との半田接合部はほぼ直角に曲折していなければならない。このため電極リード310の占有面積が大きくなって、蛍光灯の発光部面積が小さくなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】平面型蛍光灯に電極を形成するための金属は、ガラスと大幅に異なる熱膨張係数を有する。密封式の平面型蛍光灯を得るためには、電極リードを形成するためにガラスに近い熱膨張係数を有する金属が必要とされる。
【0009】蛍光灯の製造工程においては、電極と電極リードとの間の熱膨張係数の差のため、しばしば歩留まりが低くなる。このため製造コストが増大する。
【0010】平面型蛍光灯の電極アセンブリは方向性を有するものであり、自動生産には不都合である。また電極の製造は複雑である。平面型の電極の制限のために平面型蛍光灯を薄型化する工程が影響される。
【0011】更に、平面型電極の辺縁部によって電極面の臨界点が形成され、平面型電極を組み立てる際、パネル上の蛍光層が突出したエッジによって傷付けられやすくなる。
【0012】本発明は、ロッド電極が互いに平行かつガラス枠に接して配されることにより発光部面積を大きくした平面型蛍光灯を提供するものである。
【0013】本発明は電極と電極リードとの間の接合部が熱処理の際に剥離することを防止する平面型蛍光灯を提供する。この平面型蛍光灯は歩留まりが高く、製造コストが低減されたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明によって提供される平面型蛍光灯は、第1のパネル、第2のパネル、ガラス枠、換気管及び1組の電極を有する。第1及び第2のパネルはいずれも蛍光層を有する。ガラス枠には電極管及び換気管を配するための凹部及び間隙が形成される。電極は互いに平行かつガラス枠に接して配される。第1のパネル、第2のパネル及びガラス枠は空間を包囲する。水銀蒸気及び不活性ガスがこの空間内に導入される。
【0015】本発明では前記の電極は半田リードに半田付けされる。電極を設ける際に凹部は設けられない。代わりに電極リードが凹部内に直接固定されるため、2個の電極は支持要素に固定され互いに平行に配される。
【0016】本発明では、電極リードが所定の面積を占有することのないように平面型蛍光灯が構成されるため、発光部面積が大きくなる。電極リードと電極との接合が熱処理の際に剥離することも防止される。
【0017】本発明の平面型蛍光灯の電極の構成では、熱処理の際に電極に作用する熱応力を充分に解放するためのくびれ部を有するように電極リードは予め形成されている。
【0018】本発明によって提供される平面型蛍光灯の電極の構成では、半田付けされた電極と電極リードは折曲されて柔軟な空間を形成するので、熱処理の際に電極に作用する熱応力が解放される。
【0019】本発明によって提供される平面型蛍光灯の電極の構成では、電極は鋸歯構造を有するように予め形成された後、電極リードに半田付けされる。この構成により熱処理の際に電極に作用する熱応力が解放される。したがって歩留まりが向上する。
【0020】本発明の平面型蛍光灯では、電極はロッド電極を含むことにより臨界点が形成されにくくパネル上の蛍光層が傷付きにくい。この電極アセンブリは方向性を有さないため、自動生産が容易である。
【0021】本発明では第2のパネルとガラス枠は別個に製造した後に組み立てることが可能である。また、第2のパネルとガラス枠を一体に形成することも可能である。
【0022】ロッド電極は2以上の電極材料を半田付けすることにより形成される。
【0023】本発明のロッド電極は、電極と該電極の両端に配された2個の電極リードとを有するか、電極と該電極の一端に配された電極リードとを有する。
【0024】本発明のロッド電極はロッド電極材料を含む。
【0025】本発明のロッド電極は任意の円形状材料を含み、電極材料は円形状材料上に形成される。
【0026】電極の円形状構造に対応し、電極を固定するための凹部の断面形状は、V字形、U字形や長方形を含む。
【0027】以上の一般的説明及び以下の詳細な説明はいずれもあくまで例示的及び説明的な性質のものであって、特許請求の範囲に示される限定的な定義によってその範囲を限定されるものではない。
【0028】
【発明の実施の形態】第1の実施形態図4(A)乃至(D)には、本発明の第1の実施形態における平面型蛍光灯及びその製造方法が斜視図にて示されている。
【0029】図4(A)ではガラスパネル400が設けられている。ガラスパネル400の表面402には蛍光層404がコーティングされている。蛍光層402を形成するための方法としては、スクリーン印刷、湿式浸漬、及び静電塗工が挙げられる。蛍光層404の材料としては、紫外線を吸収して青色、赤色、及び緑色光を放射する3波長蛍光体などの蛍光体がある。ガラスパネル400の厚さHは、約2mm〜約5mm、好ましくは3mmである。ガラスパネル400の材料としては、コーニング(登録商標)0800ガラス及びコーニング(登録商標)7059ガラスなどのソーダ石灰ガラスが挙げられる。
【0030】図4(B)を参照すると、ガラス枠406,408,410,412及び414がガラスフリットを使用してガラスパネル400の表面の辺縁部に固定されている。ガラス枠406と408との間、ガラス枠408と410との間、ガラス枠410と412との間、ガラス枠414と406との間には、電極座416、418、420及び422として間隙が形成されている。ガラス枠412及び414には後の工程において換気管425を設置するための換気口424が更に設けられている。
【0031】図4(C)を参照すると、電極リード430、432、434及び436は電極パネル426及び428の2つの端部に直接半田付けされて電極438及び440を形成している。電極リード430、432、電極パネル426、電極リード434、436及び電極パネル428は同一平面上に配されている。電極438、440は電極座416、422、418及び420内に設置される。電極438、440の電極リード430、432及び434、436が、電極座416、422、420及び422内にそれぞれ配される。換気管425及び電極438、440を固定するため、換気口424及び電極座416、418、420、422にはガラスフリットが充填される。
【0032】図4(D)を参照すると、別のガラスパネル442が設けられている。蛍光層446などの蛍光材料がガラスパネル442の表面上にコーティングされている。蛍光層を形成するための方法としては、スクリーン印刷、湿式浸漬、及び静電塗工などが挙げられる。蛍光層の材料としては、紫外線を吸収して赤色光、緑色光、及び青色光を発する3波長蛍光体などの蛍光材料がある。ガラスパネル442はガラスパネル440と同様の構成を有する。ガラスパネル442はガラスパネル440に揃えて位置決めされ、ガラスフリットを用いてガラスパネル442をガラス枠406、408、410、412、414、および416に固定する。
【0033】ガラス材料が、コーニング・グラス社によって製造されるコーニング(登録商標)0800ソーダ石灰ガラスを含む場合、2枚のガラスパネルを接合するガラスフリットとしてコーニング・グラス社によって製造されるコーニング(登録商標)7575ガラスフリットを使用することが可能である。ガラス材料がコーニング・グラス社によって製造されるコーニング(登録商標)7059ハードボードガラスを含む場合には、ガラスフリットとしてコーニング(登録商標)1301ガラスフリットから選択することが可能である。
【0034】ガラスパネル442をガラス枠406、408、410、412、414および416に固定して平面型蛍光灯の大部分を形成した後、換気管425を介して空間448を脱気する。この後、水銀蒸気及び不活性ガスを空間448内に導入し、空間448を外側より密封する。
【0035】第2の実施形態第2の実施形態において提供される平面型蛍光灯の製造方法は第1の実施形態の場合と同様である。相違点は電極438、440の製造方法にある。図5を参照すると、電極538、540は電極500、502を電極リード530、532及び534、536と直接半田付けすることによって形成される。
【0036】第3の実施形態第3の実施形態において提供される平面型蛍光灯の製造方法は第1の実施形態の場合と同様である。相違点は電極638、640の製造方法にある。図6(A)を参照すると、電極が断面図にて示されている。電極リード600が設けられる。電極リード600の長さは電極500と電極リード530、532の長さの和にほぼ等しい。適当な位置において電極材料にて形成された材料層602を、電極リード600をくるむように形成し、電極504を形成する。同様に電極638、640も形成する。材料層602を形成するための方法としては電気メッキなどがある。
【0037】図6(B)を参照すると、上記の実施形態と同様、電極638、640は、ガラス枠610と612との間、612と614との間、614と616との間、及び618と610との間に形成された電極座620、622、624、及び626内に配置される。材料層602の長さはガラス枠612と618との間の距離に等しい。
【0038】更に、上記の実施形態に対し、熱処理の際の熱応力を解放するための幾つかの電極形成方法を適用することが可能である。図7(A)乃至(C)に示されるように、電極リード702、712及び722は、くびれ部708、718及び728が形成されるように予め形成され、これにより熱処理の際に電極に作用する熱応力が解放されるために歩留まりが向上する。次いで電極704、714、724を電極リード706、716及び726と半田付けする。そして、電極リード702、706、712、716は支持部材の間隙に固定される。
【0039】図8に示されるように、電極リード802は従来の電極及び電極リードの全体の長さに等しい長さを有する。電極804を形成するため、所定の位置に導電性材料を配する。上述したように半田リード802は支持部材の間隙内に直接配設される。導電性材料にてコーティングされた部分804が平面型蛍光灯の内部に置かれるのに対し、導電性材料を有さない部分は支持部材、および平面型蛍光灯の外部に置かれる。2個の電極が互いに平行に支持部材に取り付けられる。平面型蛍光灯を構成した後、外部回路に接続するために外部に露出した電極リードをねじる。
【0040】図9(A)及び9(B)に示されるように、半田付けされた電極900、910及び電極リード902、912を折曲して柔軟空間904、914を設け、熱処理の際の熱応力を解放して歩留まりを向上させることが可能である。更に図10(A)及び10(B)に示されるように、電極920、930を鋸歯構造を有するように予め形成した後、電極リード922、932と半田付けして熱処理の際の熱応力を解放し、歩留まりを向上させることが可能である。
【0041】図11に示されるように、電極940と電極リード942との間の半田は角度をもってねじる必要がない。したがって電極自体を長方形状に加工する必要がなく、電極リードと有利に半田付けすることが可能である。代わりに直線状の電極940が電極リード942に半田付けされる。電極リードは上述したように支持部材946の間隙内に直接固定される。次いで2個の平行な電極を支持部材に取り付けることによって配設する。平面型蛍光灯を構成した後、外部に露出した電極リードを必要に応じてねじることにより外部回路への接続が有利に行われる。
【0042】第4の実施形態図12を参照すると、平面型蛍光灯の第4の実施形態が示されている。この平面型蛍光灯は、第1のパネル900、第2のパネル902、ガラス枠904、換気管905、及び1組のロッド電極構造912を備える。ロッド電極構造912の組は、電極906及び電極906の両端に配された2個の電極リード910を有する。電極リード910の熱膨張係数(CTE)はガラス材料に近い。このため電極リード910はパッケージングのためのガラス枠904に適当に取り付けることが可能である。ロッド電極構造912の組は約0.1mm〜約2.0mmのφ値を有する。
【0043】第1のパネル900及び第2のパネル902の厚さは約0.4mm〜約10mm、好ましくは3mmである。第1のパネル900及び第2のパネル902の材料としてはコーニング・グラス社によって製造されるコーニング(登録商標)0800またはコーニング(登録商標)7059などのソーダ石灰ガラスがある。コーニング(登録商標)0800またはコーニング(登録商標)7059に対して使用されるガラスフリットとして、それぞれコーニング(登録商標)7575及びコーニング(登録商標)7059がある。
【0044】第1のパネル900及び第2のパネル902の表面には蛍光層904が形成される。蛍光層を形成するための方法としては、スクリーン印刷、湿式浸漬、静電塗工などが挙げられる。蛍光層を形成する材料としては、紫外線を吸収して赤色、緑色、赤色光を発する3波長蛍光体などの蛍光体がある。
【0045】ガラス枠904は第1のパネル900及び第2のパネル902の辺縁部に設けられる。ガラス枠904にはロッド電極構造912の組を配設するための凹部908が形成されている。凹部908は電極構造912の組の電極リード910の位置に対応して設けられる。すなわち、電極リード910の位置によって凹部908の位置が決定される。これらの凹部を適当に配置することにより、ロッド電極構造912を互いに平行かつガラス枠904に密着させて設けることが可能である。ガラス枠904に設けられた凹部908はV字形の断面を有する。このため、ロッド電極構造912は凹部908の側壁に沿って自然に滑って凹部908内に固定される。更に、凹部908内にロッド電極構造912を配設する工程は方向性を有さないため、自動生産に適当である。
【0046】図12を参照すると、例としてガラス枠904をまず第2のパネル902に接合し、次いで第1のパネル900に接合することが可能である。ガラス枠904と第2のパネル902との接合工程ではガラスフリットを使用してガラス枠904を第2のパネル902の辺縁部に固定する。第2のパネル902がコーニング(登録商標)0800ソーダ石灰ガラスにて形成されている場合、コーニング(登録商標)7575をガラスフリットとして使用することが可能である。第2のパネル902がコーニング(登録商標)0800ガラスにて形成されている場合、ガラスフリットをコーニング(登録商標)1301にて形成することが可能である。更にガラス枠904と第2のパネル902を一体に形成することも可能である。
【0047】第1のパネル900、第2のパネル902及びガラス枠904によって空間が区画される。この空間はガラス枠904に形成された間隙内に配設された換気管905を介して換気される。まず空間を脱気した後、水銀蒸気及び不活性ガスが導入される。
【0048】図13を参照すると、第4の実施形態における第2の平面型蛍光灯が分解されて示されている。図1313の平面型蛍光灯の構造は、凹部908がU字形の断面を有する点以外は図12に示されるものと同様である。V字形及びU字形のいずれの凹部もロッド電極構造912を固定する機能を有する。
【0049】図14を参照すると、第4の実施形態における第3の平面型蛍光灯が分解されて示されている。図1414の平面型蛍光灯の構造は、凹部908が長方形状を有する点以外は図12に示されるものと同様である。V字形及び長方形のいずれの凹部もロッド電極構造12を固定する機能を有する。
【0050】第5の実施形態図15乃至17を参照すると、第3の平面型蛍光灯がそれぞれ示されている。この実施形態の蛍光灯の構造は図1212乃至14に示される第1の実施形態に類似したものである。相違点はロッド電極構造912、及び凹部908の位置である。
【0051】図15乃至17を参照すると、ロッド電極構造912は電極906及び電極906の一端に配された電極リード910を有する。ロッド電極構造912はガラス枠904の凹部908内に配設される。
【0052】上記のロッド電極構造912はその一端のみにおいてガラス枠904の凹部908に固定されるため、より高い応力の解放効果が得られる。
【0053】
【発明の効果】本発明によって提供されるロッド電極を有する平面型蛍光灯は次の利点を有する。
【0054】1.平面型蛍光灯の電極がロッド電極構造に基づく所定の方向性を有して組み立てられる。このことは電極の自動生産に有利である。
【0055】2.本発明では平面型蛍光灯のロッド電極が先鋭な辺縁部を有さないため、発光特性に影響を及ぼす臨界点が形成されにくい。
【0056】3.平面型蛍光灯のロッド電極の寸法変更が柔軟に行えることにより、平面型蛍光灯の大型のウィンドウが得られる。
【0057】4.ロッド電極構造によって蛍光層が傷付けられにくい。
【0058】5.他の形状の電極と比較してロッド電極の形成が容易である。
【0059】6.ガラス枠がパネルに連結されるかパネルと一体に形成されるため、製造が容易となる。
【0060】本発明の他の実施形態はここに開示される発明の詳細及び実施を考慮することにより当業者にとって明らかとなろう。明細書及び実施例はあくまで例示的なものであり、発明の真の範囲及び精神は特許請求の範囲において示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のアレイ型バックライトを示す断面図。
【図2】従来のエッジ光型バックライトを示す断面図。
【図3】従来の平面型蛍光灯を示す展開図。
【図4】(A)乃至(D)本発明の平面型蛍光灯及び該平面型蛍光灯の製造方法の第1の実施形態を示す斜視図。
【図5】本発明の平面型蛍光灯の第2の実施形態を示す分解斜視図。
【図6】(A)本発明の平面型蛍光灯の第3の実施形態における電極を示す断面図。(B)第3の実施形態における平面型蛍光灯の分解斜視図。
【図7】(A)乃至(C)本発明の電極の第1の製造方法を示す図。
【図8】本発明の電極の第2の製造方法を示す図。
【図9】(A)本発明の電極の第3の製造方法を示す図。(B)本発明の電極の第3の製造方法を示す図。
【図10】(A)本発明の電極の第4の製造方法を示す図。(B)本発明の電極の第4の製造方法を示す図。
【図11】本発明の電極の第5の製造方法を示す図。
【図12】本発明の第4の実施形態における第1の型の平面型蛍光灯を示す分解斜視図。
【図13】本発明の第4の実施形態における第2の型の平面型蛍光灯を示す分解斜視図。
【図14】本発明の第4の実施形態における第3の型の平面型蛍光灯を示す分解斜視図。
【図15】本発明の第5の実施形態における第1の型の平面型蛍光灯を示す分解斜視図。
【図16】本発明の第5の実施形態における第2の型の平面型蛍光灯を示す分解斜視図。
【図17】本発明の第5の実施形態における第3の型の平面型蛍光灯を示す分解斜視図。
【符号の説明】
400,442 ガラスパネル
406,408,410,421,414 ガラス枠
438,440 電極
430,432 電極リード
434,436 電極リード
416,418,420,422 電極座
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の蛍光層を有する第1のパネルと、第2の蛍光層を有する第2のパネルと、前記第1及び第2のパネルの辺縁部に接合されるガラス枠であって複数の電極座を有するガラス枠と、電極、及び該電極の両端に配されるとともにそれぞれがくびれ部を有する2個の電極リードをそれぞれが有する2個の電極構造とからなる平面型蛍光灯。
【請求項2】 第1の蛍光層を有する第1のパネルと、第2の蛍光層を有する第2のパネルと、前記第1及び第2のパネルの辺縁部に接合されるガラス枠であって複数の電極座を有するガラス枠と、折曲鋸歯構造をそれぞれが有する電極、及び該電極の両端に配される2個の電極リードをそれぞれが有する2個の電極構造とからなる平面型蛍光灯。
【請求項3】 第1の蛍光層を有する第1のパネルと、第2の蛍光層を有する第2のパネルと、前記第1及び第2のパネルの辺縁部に接合されるガラス枠であって複数の凹部を有するガラス枠と、互いに平行に配されかつ前記凹部にて前記ガラス枠に密着する第1のロッド電極構造及び第2の円形状電極構造とからなる平面型蛍光灯。
【請求項1】 第1の蛍光層を有する第1のパネルと、第2の蛍光層を有する第2のパネルと、前記第1及び第2のパネルの辺縁部に接合されるガラス枠であって複数の電極座を有するガラス枠と、電極、及び該電極の両端に配されるとともにそれぞれがくびれ部を有する2個の電極リードをそれぞれが有する2個の電極構造とからなる平面型蛍光灯。
【請求項2】 第1の蛍光層を有する第1のパネルと、第2の蛍光層を有する第2のパネルと、前記第1及び第2のパネルの辺縁部に接合されるガラス枠であって複数の電極座を有するガラス枠と、折曲鋸歯構造をそれぞれが有する電極、及び該電極の両端に配される2個の電極リードをそれぞれが有する2個の電極構造とからなる平面型蛍光灯。
【請求項3】 第1の蛍光層を有する第1のパネルと、第2の蛍光層を有する第2のパネルと、前記第1及び第2のパネルの辺縁部に接合されるガラス枠であって複数の凹部を有するガラス枠と、互いに平行に配されかつ前記凹部にて前記ガラス枠に密着する第1のロッド電極構造及び第2の円形状電極構造とからなる平面型蛍光灯。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2002−231180(P2002−231180A)
【公開日】平成14年8月16日(2002.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】有
【出願番号】特願2001−319365(P2001−319365)
【出願日】平成13年10月17日(2001.10.17)
【出願人】(500213753)翰立光電股▲ふん▼有限公司 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成14年8月16日(2002.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−319365(P2001−319365)
【出願日】平成13年10月17日(2001.10.17)
【出願人】(500213753)翰立光電股▲ふん▼有限公司 (8)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]