説明

広告情報提供システム、広告情報提供方法、広告情報提供プログラム

【課題】簡便なシステム構成で陳列棚に陳列される商品の広告情報を自動的に提供できる広告情報提供システムを提供する。
【解決手段】陳列された商品1に付された商品コードと表示装置2に付された固有番号とを読み込んで送出する携帯入出力装置3と、商品コードとそれに対応した広告情報が予め記憶され、携帯入出力装置から送られてきた商品コードに対応する広告情報を抽出し、抽出された広告情報を携帯入出力装置から送られてきた表示装置の固有番号に対応する表示装置へ送出するメインコンピュータ4,5と、商品が陳列される場所に移動可能に設置される複数の表示装置2とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の商品棚に設置された表示装置にその商品の広告情報を表示するための広告情報提供システム、広告情報提供方法および広告情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやデパートの商品陳列棚には、その棚に並べられている商品の名称、サイズなどの属性、および価格がそれぞれ紙媒体により表示されているが、特価品や販促品などにあっては、こうした商品札とは別に広告紙が貼られたり吊り下げられたりしている。
【0003】
従来の広告紙は、パソコンなどを用いて作成した広告情報をプリンタで紙媒体に出力し、店員がこれを該当する陳列棚に吊り下げていたが、対象の特価品や販促品が多数に及ぶとそれだけ広告紙をセッティングする時間が長くなるという問題があり、これをコンピュータで省力化することが望まれていた。
【0004】
このため、全ての又は主要な陳列棚にディスプレイを設け、特価品や販促品の広告情報をコンピュータに読み込むとともに、その特価品や販促品が陳列される棚の場所とディスプレイとの関係を記録した関連テーブルを参照して、その陳列棚に設けられているディスプレイにその特価品や販促品の広告情報を表示させることも一部で実用化されている。
【0005】
しかしながら、ディスプレイを全ての又は主要な陳列棚に設けることはコストが掛かり、また販促期間が終了すればディスプレイが邪魔になることもある。広告情報の内容や商品によっては大画面ディスプレイを使用することが効果的であるが、大画面になればなるほど高価である。このため、可動式ディスプレイを採用して、特価品や販促品が陳列される棚にディスプレイを移動し、そのディスプレイに広告情報を表示することも考えられるが、こうすると陳列棚の場所とディスプレイとの関係を記録した関連テーブルが作成できないという問題があった。
【0006】
なお、関連する先行文献が見当たらないので現時点ではその記載を省略する。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、簡便なシステム構成で陳列棚に陳列される商品の広告情報を自動的に提供できる広告情報提供システム、広告情報提供方法および広告情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の広告情報提供システムは、複数の商品の広告情報を、その商品が陳列される場所に設置された表示装置に表示する広告情報提供システムであって、前記陳列された商品に付された商品コードと前記表示装置に付された固有番号とを読み込んで送出する携帯入出力装置と、商品コードとそれに対応した広告情報が予め記憶され、前記携帯入出力装置から送られてきた商品コードに対応する広告情報を抽出し、抽出された広告情報を前記携帯入出力装置から送られてきた表示装置の固有番号に対応する表示装置へ送出するメインコンピュータと、商品が陳列される場所に移動可能に設置される複数の表示装置と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の広告情報提供方法は、複数の商品の広告情報を、その商品が陳列される場所に設置された表示装置に表示する広告情報提供方法であって、商品が陳列された目的とする場所に複数の表示装置を設置するステップと、前記陳列された商品に付された商品コードと前記表示装置に付された固有番号とを携帯入出力装置に読み込んで送出するステップと、商品コードとそれに対応した広告情報が記憶され、前記携帯入出力装置から送られてきた商品コードに対応する広告情報を抽出し、抽出された広告情報を前記携帯入出力装置から送られてきた表示装置の固有番号に対応する表示装置へ送出するステップと、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の広告情報提供プログラムは、商品が陳列された目的とする場所に複数の表示装置が設置され、複数の商品の広告情報を、その商品が陳列される場所に設置された表示装置に表示させることをコンピュータに実行させる広告情報提供プログラムであって、商品コードとそれに対応した広告情報を記憶するステップと、前記陳列された商品に付された商品コードと前記表示装置に付された固有番号とを読み込んで送出する携帯入出力装置から送られてきた商品コードに対応する広告情報を抽出するステップと、抽出された広告情報を前記携帯入出力装置から送られてきた表示装置の固有番号に対応する表示装置へ送出するステップとを前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
本発明の広告情報提供システム、広告情報提供方法及び広告情報提供プログラムでは、表示装置を商品が陳列される場所に移動可能に設置する、すなわち表示装置を移動可能に構成して必要な場所にのみ表示装置を設置するので、表示装置の総台数を抑えることができ、これにより高価な大型の表示装置を必要とされる場所に設置することができる。
【0012】
また、表示装置を移動可能に構成したことにともない、陳列棚の商品とその場所に設置される表示装置とを、商品に付された商品コードとその場所に設置された表示装置の固有番号とを携帯入出力装置を用いて直接読み込むことで関連付けるので、商品の広告情報と表示装置との関連付けテーブルを別途作成して参照する必要がない。さらに、携帯入出力装置を用いて商品の商品コードと表示装置の固有番号をその場所で直接入力するので、誤入力によって誤った広告情報を表示装置に表示することも防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は本発明に係る広告情報提供システムの実施形態を示すブロック図であり、本実施形態の広告情報提供システムは、複数の商品の広告情報を、その商品が陳列される場所に設置された表示装置に表示するものである。すなわち、スーパーマーケットやデパートの陳列棚に陳列された多数の商品のうち、予め特定された特価品や販促品の近くに表示装置を設置し、その商品の広告情報をその表示装置に自動的に表示するものである。
【0015】
このため、商品1が陳列される場所に移動可能に設置される複数の表示装置2と、陳列された商品1に付された商品コードと表示装置2に付された固有番号とを読み込んで送出する携帯入出力装置3と、商品コードとそれに対応した広告情報が予め記憶された記憶装置5と、携帯入出力装置2から送られてきた商品コードに対応する広告情報を記憶装置5から抽出し、抽出された広告情報を携帯入出力装置3から送られてきた表示装置2の固有番号に対応する表示装置2へ送出するコンピュータ4とを備える。
【0016】
表示装置2は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTのほか電子ペーパーなどを用いることができ、特に本例の表示装置2は特定の陳列棚に固定して設けるのではなく、特価期間や販促期間に限ってその特価品や販促品が陳列された棚の近傍に設置し、こうした期間が終了したら別の特価品や販促品が陳列された棚の近傍に移動できるように移動可能に構成されている。そして、表示装置2自体に、その表示装置2の固有の番号(固有番号)が付されたシールなどが貼り付けられている。表示装置2の固有番号は、たとえばバーコードや二次元バーコードなどで構成することができる。
【0017】
表示装置2に表示される情報は、後述するコンピュータ4から送出されるが、このためコンピュータ4と複数の表示装置2とは無線又は有線LAN(Local Area Network)で接続され、コンピュータ4は固有番号とそれに対応する表示装置2とを認識している。
【0018】
特価品や販促品となる商品1にもバーコードや二次元バーコードで構成されたその商品特有の商品コードが付されたシールなどが貼り付けられている。そして、特価品や販促品などのように特別な広告を出したい商品については、予め記憶装置5に、商品コードに関連付けた広告情報が記憶されている。こうした商品の広告情報は、特価企画や販促企画を立案したときに作成され、特価期間や販促期間が開始されるまでに記憶装置5に入力される。なお、特価期間や販促期間が終了したら広告情報は不要となるので記憶装置5から自動的又は手動で消去される。
【0019】
本例で用いられる携帯入出力装置3は、商品に付された商品コードと、表示装置2に付された固有番号とを読み取ることができる、たとえばバーコードリーダ、ハンディ端末、PDA(Personal Digital Assistants)、モバイルPCなどで構成され、さらに読み込んだ商品コードと表示装置2の固有番号とを無線又は有線でコンピュータ4へ送信できる機能も備えている。なお、商品コードと固有番号とを読み取る際及びこれらをコンピュータ4へ送信する際は、これら2つのデータが関連付けられて入出力される。
【0020】
コンピュータ4は、携帯入出力装置3から送信されてきた商品コードと固有番号に基づいて商品の広告情報を抽出して表示装置2へ出力する。すなわち、商品コードに基づいて記憶装置5から対応する広告情報を抽出するとともに、抽出された広告情報を固有番号に対応する表示装置2へ送信する。
【0021】
次に動作を説明する。
【0022】
図2は本発明に係る広告情報提供システムの実施形態の動作を示すフローチャートである。
【0023】
まず、スーパーマーケットやデパートの従業員は、本日の特価品または販促品が陳列されている棚の近くに表示装置2を移動し、設置する。そして、携帯入出力装置3を用いて、その特価品または販促品の商品に付された商品コードを読み取る。これと同時に、広告情報を表示したい表示装置2に付された固有番号も携帯入出力装置3で読み取る(ステップST1)。
【0024】
次に、携帯入出力装置3で読み取った商品コードと固有番号をコンピュータ4に送信する。コンピュータ4では送られてきた商品コードと固有番号のうち商品コードに対応した広告情報が存在するかどうかを記憶装置5のデータから検索する(ステップST2)。
【0025】
コンピュータ4に送られてきた商品コードに対応した広告情報が存在したときはステップST4へ進み、固有番号に対応した表示装置2へ抽出された広告情報を送信して表示させる。これにより、陳列棚に陳列された商品に対応した広告情報を移動式表示装置2へ自動的に表示させることができる。
【0026】
なお、ステップST3において商品コードに対応する広告情報が存在しないときは、従業員が間違った商品を特価品または販促品であるとしているか、あるいは記憶装置5に広告情報が記憶されていないミスかの何れかであるため、その旨を表示装置2に表示することにより間違いを喚起することができる。
【0027】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る広告情報提供システムの実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る広告情報提供システムの実施形態の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0029】
1…商品(特価品や販促品)
2…表示装置
3…携帯入出力装置
4…コンピュータ
5…記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品の広告情報を、その商品が陳列される場所に設置された表示装置に表示する広告情報提供システムであって、
前記陳列された商品に付された商品コードと前記表示装置に付された固有番号とを読み込んで送出する携帯入出力装置と、
商品コードとそれに対応した広告情報が予め記憶され、前記携帯入出力装置から送られてきた商品コードに対応する広告情報を抽出し、抽出された広告情報を前記携帯入出力装置から送られてきた表示装置の固有番号に対応する表示装置へ送出するメインコンピュータと、
商品が陳列される場所に移動可能に設置される複数の表示装置と、を備えることを特徴とする広告情報提供システム。
【請求項2】
複数の商品の広告情報を、その商品が陳列される場所に設置された表示装置に表示する広告情報提供方法であって、
商品が陳列された目的とする場所に複数の表示装置を設置するステップと、
前記陳列された商品に付された商品コードと前記表示装置に付された固有番号とを携帯入出力装置に読み込んで送出するステップと、
商品コードとそれに対応した広告情報が記憶され、前記携帯入出力装置から送られてきた商品コードに対応する広告情報を抽出し、抽出された広告情報を前記携帯入出力装置から送られてきた表示装置の固有番号に対応する表示装置へ送出するステップと、を備えることを特徴とする広告情報提供方法。
【請求項3】
商品が陳列された目的とする場所に複数の表示装置が設置され、複数の商品の広告情報を、その商品が陳列される場所に設置された表示装置に表示させることをコンピュータに実行させる広告情報提供プログラムであって、
商品コードとそれに対応した広告情報を記憶するステップと、
前記陳列された商品に付された商品コードと前記表示装置に付された固有番号とを読み込んで送出する携帯入出力装置から送られてきた商品コードに対応する広告情報を抽出するステップと、
抽出された広告情報を前記携帯入出力装置から送られてきた表示装置の固有番号に対応する表示装置へ送出するステップとを前記コンピュータに実行させることを特徴とする広告情報提供プログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−328127(P2007−328127A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−159146(P2006−159146)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【出願人】(591089877)昭和情報機器株式会社 (8)
【Fターム(参考)】