説明

広帯域無線アクセス・ネットワークにおけるコンテンツの位置特定

【課題】一部の実施例では、一マルチキャスト接続識別子のみが、ゾーン毎WiMAXネットワークにおいて使用される。
【解決手段】WiMAXマルチキャストにおいて所望のチャネルをどのようにして位置特定するかについての正しい情報を得るよう移動局が基地局に問い合わせる必要はないので、このことは電力節減をもたらし得る。その代わりに、移動局は、送信しなくてよいが、情報の受信のみを行う低電力消費モードに維持することができる。これは、移動局が、どのチャネルが利用可能であるかについて必要な情報全てを有し、単に、論理媒体チャネル識別子を使用して、適切なチャネルに同調して、正確なチャネルを識別するために基地局にメッセージを送信することなく、所望のコンテンツを受信することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は一般に、広帯域無線アクセス・ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
広帯域無線アクセス・ネットワークは、テレビジョン放送及びインターネットにより、現在提供されているプログラミング・コンテンツを伝送するために使用することができる。前述の配信のための標準が提案されている。IEEE 802.16 IEEE Standards for Information Technology − Telecommunications and Information Exchange Between Systems − Metropolitan Area Networks − Specific Requirements, Part 16, Air Interface for Fixed Broadband Wireless Access Systems, IEEE New York, New York, May, 2005 (「WiMAX標準」)を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般にWiMAX(ワイマックス)と呼ばれる固定広帯域無線アクセス・システムでは、基地局がコンテンツを1つ又は複数の移動局に供給することができる。移動局は、エリア間で移動し得、よって、各エリアにおける別々の基地局と無線通信することができる。
【0004】
所望のコンテンツを受信するために、特定のチャネルを識別するシステムが必要である。通常、WiMAXは多くのコンテンツ・チャネルを提供することができる。一識別子は、媒体アクセス制御マルチキャスト接続識別子又はMCIDと呼ばれる。MCIDは、基地局上の媒体アクセス制御層との接続を識別して、移動局が特定のコンテンツを受信することを可能にする。従来のシステムにおいて利用可能な接続識別子の数は、前述のデータに極めて大きなフィールドを使用することによって消費することができる帯域幅の量が理由で、多少限定的である。通常、上述のWiMAX標準では、ユニキャスト接続識別子及びMCIDを含む65536個の接続識別子を提供するために16ビットが利用可能である。
【0005】
システムのスケーラビリティを増加させるために、論理チャネル識別子を利用することもできる。よって、256個のチャネルなどのいくつかの別々のチャネルを論理チャネル識別子によって識別することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
よって、通常のWiMAX配信システムでは、ビデオ・プログラム及びインターネットのようなコンテンツの形式のコンテンツは、所望のコンテンツを受信し続けながらエリア間を移動する移動加入者に向けて電波にのせて配信することができる。移動局は、受信したいコンテンツがどれであるかを識別するために種々の識別子を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の特定の実施例による広帯域無線アクセス・ネットワークを示す図である。
【図2】本発明の一実施例による、一シナリオのコール・フローである。
【図3】本発明の一実施例による、別のシナリオのコール・フローである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
コンテンツ・プロバイダから移動局へコンテンツをマルチキャストするために、単一のマルチキャスト接続識別子(MCID)をマルチキャスト・ブロードキャスト・サービス・ゾーン毎に使用することができる。このコンテンツ識別子は、コンテンツを受信するようアクセスすることができる媒体アクセス制御(MAC)層接続を識別することができる。しかし、広い範囲の種々の提供コンテンツから選択する機能は、論理媒体チャネル識別子を使用することによって容易にすることができる。一実施例では、論理媒体チャネル識別子は、一実施例におけるコア・サービス・ネットワーク(CSN)などのコア・ネットワークによって供給することができる一方、単一のマルチキャスト接続識別子又はMCIDは一実施例においてアクセス・サービス・ネットワーク(ASN)などのアクセス・ネットワークによって供給することができる。このようにして、論理媒体チャネル識別子は、どのチャネルが利用可能であるかが分かっているソースから供給される一方、接続識別子は、実際のエア・インタフェースにできる限り近いソースから供給される。この割り当て手法は、エア・インタフェース上のシグナリング・トラフィックの量を削減することができる。更に、ゾーン毎に一マルチキャスト接続識別子のみを有することにより、一部の実施例では、移動局の電力消費を削減することができる。アイドル・モードでブロードキャスト/マルチキャスト伝送にリッスンしている移動局が、正しい接続識別子を得る旨のクエリを送信する必要がもうなくなるからである。当初、論理媒体チャネル識別子の形式でのマルチキャスト接続識別子は移動局に供給することができ、その場合、移動局は、接続識別子についての情報に対する要求でエア・インタフェースを擾乱しなくてよい。移動局は、情報の受信のみを行い(、送信しない)アイドル・モードと呼ばれる低電力消費モードに入り得る。移動局は既に、論理チャネル識別子全てを有するので、マルチキャスト接続識別子の場合のように、識別子を得るために基地局に連絡するためにアイドル・モードを出なくてよい。よって、移動局は、適切な識別子に対するクエリを送信する必要なしで、より低い電力消費モードにおいてそれ自体を維持することができる。
【実施例】
【0009】
図1は、本発明の一部の実施例による広帯域無線アクセス・システムを示す図である。無線アクセス・ネットワーク100は、コア・サービス・ネットワーク(CSN)110などのコア・ネットワーク、及びアクセス・サービス・ネットワーク(ASN)120などのアクセス・ネットワークを備える。ASNは、WiMAX加入者に対して無線アクセスを提供するために必要な完全な組のネットワーク機能を含み、移動局(MS)が属するネットワークを構成し、基地局(BS)及びアクセス・ルータ(図示せず)を含む。CSNは、インターネットへの接続性を提供し、ポリシー機能又は認証、認可、及びアカウンティング・サービスを提供する。
【0010】
とりわけ、無線アクセス・ネットワーク100は、1つ又は複数のコンテンツ・サーバ112からコンテンツを受信することができ、コンテンツを1つ又は複数の移動局(MS)102に供給することができる。ASN120は、1つ又は複数のゲートウェイ(GW)108、及びBS1乃至BS9として示す複数の基地局(BS)104を含み得る。CSN110は、とりわけ、アクセスに対する要求を扱うことができるポリシー機能(PF)又は認証認可アカウンティング(AAA)(PF/AAA)サーバ111を含み得る。CSN110のAAAサーバ111は、移動局102がマルチキャスト・ブロードキャスト・サービスを受信することを認可するためのポリシー機能(PF)を含み得る。
【0011】
実施例によれば、ゲートウェイ108は、マルチキャスト・ブロードキャスト・サービス・コントローラ(MBSC)118を含み得る。MBSC118は、1つ又は複数のマルチキャスト・ブロードキャスト・サービス(MBS)ゾーン106を作成することができ、各MBSゾーン106は複数の基地局104を含み得る。MBSC118は、特定のMBSゾ―ン106内の移動局102に対する同時マルチキャスト・ダウンリンク伝送のための特定の時間及び周波数パラメータを確立することにより、MBSゾーン106を作成することができる。前述の実施例では、基地局104は、ダウンリンク・サブフレームのMBS領域内で同一コンテンツを同期して送信することを基地局104に行わせ、かつ/又は基地局104に指示するためのMBSエージェント(MBSA)114を含み得る。同一のMBS領域は、マルチキャスト接続識別子(CID)によって識別されるマルチキャスト・ブロードキャスト・コンテンツを含み得る。CSN110は、MBSサーバ及びプロキシの第1のホップ・インターネット群管理プロトコル(IGMP)クライアント113も含み得る。Internet Group Management Protocol, Version 3, Network Working Group, Request for Comments 3376, October, 2002を参照されたい。
【0012】
一部の実施例では、CSN110は、セッション記述プロトコル(SDP)プロキシも含み得る。前述の実施例では、移動局102は、SDPのプリミティブを使用してSDPプロキシに連絡し、CSN110内のマルチキャスト・セッション・ディレクトリの現在のコンテンツをブラウジングすることができるが、本発明の範囲はこの点に限定されない。
【0013】
一部の実施例では、無線アクセス・ネットワーク100は、単一周波数ネットワーク(SFN)として動作することができる。前述の実施例では、共通のMBSゾーン106の基地局104は、ダウンリンク・サブフレーム及び/又はアップリンク・サブフレームを時間及び周波数で同期化させ、MBSゾーン内でハンドオーバ動作を行う必要なしで特定のMBSゾーン106の何れかの基地局104からマルチキャスト・ブロードキャスト・コンテンツを移動局102が受信することを可能にし得る。前述の実施例では、MBSゾーン106の2つ以上の基地局104から同時に信号を受信し、それにより、移動局102において信号対雑音比(SNR)の向上をもたらし得ることにより、ダイバシチ利得を利用することができる。前述の実施例では、マルチキャスト・ブロードキャスト・コンテンツをダウンリンク・サブフレームの同一のMBS領域内で提供し、それにより、MBSゾーン106の基地局104の何れか1つ又は複数からブロードキャスト・コンテンツを移動局102が受信することを可能にすることができる。
【0014】
一部の別の実施例では、MBSゾーン106外の1つ又は複数の非単一周波数ネットワーク(非SFN)基地局(図示せず)はマルチキャスト・データを非同期で送信することができるが、本発明の範囲はこの点で限定されない。前述の実施例では、各基地局104は無関係に動作し得る。
【0015】
MBSC118は、ASN内のスタンドアロン・エンティティであり得る。実施例によれば、MBSC118は、制御するMBSゾーン106内のデータのブロードキャストの集約、伝送、スケジューリング及び同期化を行うことができる。MBSC118は、MBSゾーンを作成し、MBSゾーンを削除し、既存のMBSゾーンの特性を修正することもできる。
【0016】
図1に示すように、MBSA114は基地局104に常駐している。MBSA114は、前述のように移動局102に向けてエア・インタフェース330を介して、同期化させてMBSコンテンツを送信することができ、管理及び制御の動作においてMBSC118を支援することができる。
【0017】
コンテンツ・サーバ112は、ブロードキャスト・コンテンツを供給することができ、CSN110、インターネット・プロトコル(IP)マルチメディア・サブシステム(IMS)ネットワーク312及び/又はインターネット314に常駐することができる。ブロードキャスト・コンテンツは例えば、音楽及び/又はビデオ・ストリーミングを含み得るが、本発明の範囲はこの点で限定されない。一部の実施例では、コンテンツ・サーバ112は、無線アクセス・ネットワーク100(図1)などの無線アクセス・ネットワーク内の更なるダウンリンク伝送の中心点としての役目を担い得るMBSサーバ及びプロキシIGMPクライアント113にMBSコンテンツを供給することができる。一部の実施例では、MBSC118は、MBSゾーン106内のマルチキャスト・ブロードキャスト・コンテンツの時間及び周波数の同期化を確実するようMBSゾーン106のMBSA114と連係することができる。
【0018】
一部の実施例では、いくつかのコンテンツ・サーバ112は、複数のブロードキャスト・チャネルを単一のMBSゾーンに供給することができる。前述の実施例では、MBSサーバ113は、コンテンツをタイムリーに集約し、集約されたコンテンツをASNゲートウェイ108に供給することができる。図1に示すように、ASNゲートウェイ108は、ASNゲートウェイ308などの他のASNゲートウェイとインタフェースすることができる。
【0019】
一部の実施例では、MBSCは、ASN120(図1)内でなく、CSN110内に配置され得る。前述の実施例では、CSN110内のMBSCは、全国的なTVプログラミングのための大規模の全国的なゾーンなどのより大きなMBSゾーンを制御することができる。このようにして、オペレータ・ネットワークのコア・サービス・ネットワーク部分にMBSCを有することがより、スケーラブルかつ効率的であり得る。
【0020】
プロキシIGMPフレームワーク113は、ユーザ装置においてIGMPを実際に必要とすることなく、IGMPの便益全てを提供する。一般に、IGMPは、マルチキャスト・セッションにどのようにしてサインアップするかを複数のユーザに伝える。プロキシIGMPフレームワーク113は、固有にIGMPスタックを有しないデバイスの組を含むデバイスのクラス全てについて機能することが可能である。一部の実施例では、エラー・リンク・リソースは、IGMPシグナリングに必要でないことがあり得る。プロキシIGMPフレームワーク113は、あまり変更なく、SFN動作モード及び非SFN動作モードについて機能する。
【0021】
マルチBSMBSは、CSN内のMBSサーバ上に記憶されたリストにより、現在のマルチキャスト・セッションをMSがブラウジングすることを可能にする。SFNの場合、セッション・ディレクトリは、オペレータからの予め構成されたMBSリストを含む。MSは、プロビジョニング段階又はサインオン段階中にMBSサーバ113のユニバーサル・リソース識別子(URI)及び/又はIPアドレスを知らされ得る。MSは、MBSサーバにアクセスし、次いでディレクトリ・リストをブラウジングするために、HTTPのような単純なインタフェースを使用することができる。ディレクトリ・サーバをブラウジングすると、MSは、現在実行中のマルチキャスト・セッションの何れかに加入したいことがあり得る。MSは、加入したいセッションをMBSサーバに示す。
【0022】
MSは、媒体アクセス制御メッセージを使用して電源をダウンにするか、又はそのMBSセッションを終結させる旨をBSに明示的にシグナリングすることにより、マルチキャスト・セッションを離れることが可能である。BSは、リソースのクリーンアップを開始させることも可能である。あるいは、MSは、MBSサーバに接続し、特定の他のMBSチャネルへ切り換える旨の選好を示す。MBSサーバは、次いで、リソースのクリーンアップを開始させることが可能である。
【0023】
単一BSMBSでは、MSは、IGMP準拠であることは期待されていない。CSNに位置しているプロキシIGMPクライアントは、MSに代わってIGMPクライアントとしてふるまう。マルチキャスト・ソースは、インターネット又はオペレータのネットワークのどこにでもあり得る。MBSサーバ113は、ワイマックスCSNにおけるセッション・ディレクトリとしてふるまう。IPマルチキャスト・シナリオの場合、MBSサーバは、マルチキャスト・アナウンス・チャネル上のインターネット・マルチキャスト・アナウンスにリッスンし得るか、又はオペレータからの、予め構成されたMBSリストを有し得る。MBSサーバは、インターネット又はオペレータのネットワークにおける現在実行中のマルチキャスト・セッション情報、そのオーナ、その持続時間、その開始時間等についての情報をキャッシングする。
【0024】
図1を参照すれば、一部の実施例では、無線アクセス・ネットワーク100は、そのSFN動作の一部としてIPマルチキャスト手法を使用することができる。前述の実施例では、MBSC118は、IPマルチキャスト群の一部であり得、IPマルチキャスト群からブロードキャスト・コンテンツを受信し得る。
【0025】
一部の実施例では、IPマルチキャストはMBSゾーン106内で使用することができる。前述の実施例では、MBSゾーン106毎に、MBSC118は、マルチキャスト・ブロードキャスト・コンテンツを伝送するための局所IPマルチキャスト群をセットアップすることができる。前述の実施例では、MBSC118は、MBSゾーン106のマルチキャスト・アドレスを、MBSA114に、後述するMBSプリミティブを使用して供給することができる。前述のMBSプリミティブは、要求(REQ)、応答(RSP)及び確認(CNF)を含み得る。
【0026】
MBSプリミティブの前述の例は、MBS−join−REQ(MBSCからMBSAへ送信することができる); MBS−join−RSP(MBSAからMBSCへ送信することができる); MBS−join−CNF(MBSCからMBSAへ送信することができる); MBS−leave−REQ(MBSAからMBSCへ送信することができる); MBS−leave−RSP(MBSCからMBSAへ送信することができる); MBS−modify−REQ(MBSCからMBSAへ送信することができ、逆も同様である); 及びMBS−modify−RSP(MBSCからBSAへ送信することができ、逆も同様である)。
【0027】
MBS制御経路についてMBSC118によって行われるMBS動作は、MBSゾーンの作成、削除、及び/又は修正を含み得る。更に、MBS動作の一部として、MBSAは、移動局が加入するとMBSゾーンに加入し得、移動局が離れるとMBSゾーンを離れ得る。
【0028】
図1を参照すれば、一部の実施例では、基地局104及び移動局102は、マルチキャリア通信チャネルを介して直交周波数分割多重(OFDM)通信信号を伝達することができる。マルチキャリア通信チャネルは、所定の周波数スペクトル内にあり得、複数の直交サブキャリアを含み得る。一部の実施例によれば、マルチキャリア信号は、密接に配置したOFDMサブキャリアによって規定することができる。一部の無線アクセス・ネットワークの実施例では、基地局104及び移動局102は、OFDMなどの多元アクセス手法によって通信することができるが、本発明の範囲はこの点に限定されない。一部の実施例では、無線アクセス・ネットワーク100は、ワイマックス(WiMax)などの広帯域無線アクセス(BWA)ネットワークを含み得るが、本発明の範囲はこの点に限定されない。
【0029】
一部の実施例では、移動局102は、ポータブル無線通信装置(無線で情報を送受信することができる、携帯情報端末(PDA)、無線通信機能を備えたラップトップやポータブル・コンピュータ、ウェブ・タブレット、無線電話機、無線ヘッドセット、ページャ、インスタント・メッセージ装置、ディジタル・カメラ。アクセス・ポイント、テレビ受像機、医療装置(例えば、心拍モニタ、血圧モニタ等)や他の装置)の一部であり得る。
【0030】
一部の実施例では、基地局104と移動局102との間の通信信号の周波数スペクトルは、2GHzと11GHzとの間の周波数を含み得るが、本発明の範囲はこの点で限定されない。
【0031】
マルチキャスト接続識別子(MCID)は、媒体アクセス制御(MAC)層への接続を一意に識別する。MCIDの割り当ては、ASN又はCSNから生じ得る。一実施例では、MCIDは、CSN110におけるMBSサーバ113からMSに割り当てられ、プッシュされ得る。別の実施例では、MCIDは、MBSコントローラ118によって割り当てられ、MBSサーバを介してMSにプッシュされ得る。更に別の実施例では、MCIDは、MBSコントローラ118から直接MSに割り当て、プッシュすることができる。
【0032】
MCIDが、CSN110におけるMBSサーバ113からMSに割り当てられ、プッシュされた状態から始め、図2を参照すれば、MCIDは、MSとMBSサーバ113との間のハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)の一部として512でMBSサーバ113からMS102に送出される。
【0033】
MS102は500でBS104とのデータMCIDを確立する。MSは、502で、現在「実行中の」セッションを例えば、ハイパーテキスト転送プロトコルを使用してブラウジングし、それがMBSチャネルに加入する旨の選好を示す。アクセス要求504は、MBSサーバ/プロキシIGMPクライアント113と、ビジタ・ポリシ機能/認証、認可、アカウンティング・サーバ(V−PP/AAA)411との間で生じる。ビジタPF/AAAは、移動している際にMSによって使用されるAAAであり、これは、通常、ホーム・ポリシ機能(PF)/AAAと異なる。要求は、506において、ホーム・ポリシ関数/認証、認可、アカウンティング・サーバ(H−PF/AAA)413に転送される。
【0034】
サービス品質パラメータ及びアクセス受入は、508及び510でMBSサーバ113に返される。次いで、MSは512でゾーンにおけるMBSチャネル及び関連したCIDをダウンロードする。よって、IGMPルータ118の第1のホップでは、MBSコンテンツは、514に示すようなIPマルチキャスト・アドレス上でサーバ113に送出される。次いで、コンテンツは、516で、IPマルチキャスト・アドレス上でMBSエージェント/基地局に送出され、最後に、MBSコンテンツは518で示すようなMSにマルチキャストCID上で送出される。
【0035】
第2のシナリオでは、MCIDがMBSコントローラによって割り当てられ、MSにMBSサーバを介してプッシュされ、もう一度図2を参照すれば、MCIDは、512でMBSサーバからMSに、MSとMBSサーバとの間で続くハイパーテキスト転送プロトコル・セッションの一部として送出される。しかし、MBSコントローラ118はMCID割り当てを実行し、割り当てられたCIDを、MCIDの割り当て直後に、MBSサーバに転送する。MCIDがMBSサーバによって受信されると、MBSサーバはそれを記憶し、MSに転送する。MBSコントローラ118は、周期的に、又は変更時にのみ、MBSサーバにおけるMCID割り当てを更新することができる。
【0036】
最後に、MCIDが、MBSコントローラから直接、MSに割り当てられ、プッシュされる第3のケースでは、フローを図3に示す。MSは600で、BSとデータMCSDを確立する。MSは、602で、現在「実行中の」セッションをブラウジングし、そのチャネル選好を示す。アクセス要求604がMBSサーバ113からV−PF/AAA411に転送される。V−PF/AAA413は要求をH−PF.AAA413に転送する。アクセス受入及びQOSパラメータ608はV−PF/AAA411に戻され、次いで610で、MBSサーバ113を介して、612で、MBSコントローラ118又はASN120に転送される。MCIDは、媒体アクセス制御メッセージ動的サービス追加要求メッセージ(DSA−REQ)618及び動的サービス追加応答メッセージ(DSA−RSP)616を使用してMBSコントローラ118からMSに割り当てられ、送出される。MBSコントローラ118がCIDをMSに送出するトリガは、MBSサービスについてユーザが認証され、認可されている旨の、MBSサーバ113からMBSコントローラ118への「アクセス受入」612又は同様なメッセージからである。MBSコントローラ118は、無線リソース応答614を基地局MBSエージェント114に送出する。
【0037】
同じ処理は、加入ユーザ全てに対する静的な定額制ブロードキャスト・サービス、及びマルチキャスト群における特定のユーザ群への動的マルチキャストに使用することができる。各マルチキャストCIDは、複数のMBSコンテンツ識別子サービス・タイプ長タイプ値(TLV)(各コンテンツIDTLVは、例えば、ビデオ・チャネル又はTVチャネルのような論理媒体制御IDにマップする)を含み得る。
【0038】
MBSコンテンツID TLVは、ビデオ/MBSストリームのアプリケーション・レベル特徴付けであるので、MBSサーバによって割り当てられる。MBSサーバによって割り当てられると、その場合、MCIDがMBSサーバからMSに割り当てられ、プッシュされるか、又はMBSコントローラによって割り当てられ、MBSサーバを介してメッシュされる場合、MBSサーバはMBSコンテンツを、マルチキャストCIDとともに、図2の工程502の一部としてMSに送出する。MCIDは、MBSコントローラから直接、MSに割り当てられ、プッシュされる場合、MBSサーバは、MBSコンテンツのTLVをMBSコントローラに、TLVが新たに作成/変更される都度、又はMSがMBSサービスに加入する都度、送出する。MBSコントローラは今度は、図3に示すように、MSへのDSA―RSPメッセージ616上のコンテンツIDのTLVを含む、基地局への下流無線リソース応答(RR−RSP)メッセージ614を含む。
【0039】
MBSコンテンツは、622においてIPマルチキャスト・アドレス上でMBSサーバ113に送出することができる。サーバから、コンテンツは624で、IPマルチキャスト・アドレス上でMBSエージェント114に送出される。最後に、コンテンツは、基地局104からマルチキャストCID626上でMS102に達する。
【0040】
MSは、マルチキャストCID内のMBS論理媒体チャネルのIDを含むコンテンツID及びMCIDのTLVを得る。複数のBS MBSの場合、各MBSゾーンは、時間及び周波数において同じコンテンツの伝送を同期化させる複数のBSを含む。前述のシナリオでは、MSは、アップリンクでネットワークと相互作用することなく、アイドル・モード及び非アイドル・モードで、MBSチャネルを切り換えるとともに、MBSゾーン内で自由に移動し、MBS伝送にリッスンすることができる。
【0041】
一実施例では、一マルチキャストCIDのみをMBSゾーン毎に使用することができる。マルチキャストCID内の論理媒体チャネルを含むこのマルチキャストCID及び関連付けられたMBSコンテンツのIDのTLVは、MSがゾーン内のMBS伝送に加入するとMSに利用可能にされる。MBSコンテンツIDの一部である各論理媒体チャネルIDは、一実施例では、長さ8ビットであり得、これは、マルチキャストCIDがMBSゾーン内に256MBSチャネルを収容することが可能である旨を意味している。MSは、MBSゾーンの論理媒体チャネルID全てを有するので、アイドル(低電力消費)モードであるか又は非アイドル・モードであるかにかかわらず、チャネルを容易に切り換えることが可能である。ゾーン内で同じマルチキャストCIDを使用することにより、非SFNネットワークにおけるMBS送信とのMSの再同期化の処理を迅速化させることもできる。
【0042】
本発明の一部の実施例は、ハードウェア、ファームウェア及びソフトウェアの1つ又は組合せで実現することができる。本発明の一部の実施例は、本明細書及び特許請求の範囲記載の動作を行うために少なくとも1つのプロセッサによって読み取られ、実行され得る、マシン読み取り可能な媒体上に記憶された命令として実現することもできる。マシン読み取り可能な媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態で情報を記憶又は伝送するための何れかの機構を含み得る。例えば、マシン読み取り可能な媒体は、リードオンリー・メモリ(ROM)、ランダムアクセス・メモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリ装置、電気、光、音響又は他の形式の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外信号、ディジタル信号等)などを含み得る。
【0043】
上述の詳細な説明では、種々の特徴は時折、本開示を簡略化する目的で単一の実施例に集約されている。本願開示の方法は、各請求項に明示された特徴よりも多くの特徴を本願の請求項記載の実施例を必要とする旨の意図を反映するものと解されるべきでない。むしろ、特許請求の範囲が反映するように、本発明は、開示された単一の実施例の特徴全てよりも少ない実施例に存在し得る。よって、特許請求の範囲は、詳細な説明に組み入れられ、各請求項は別個の好ましい実施例である。
【符号の説明】
【0044】
100 無線アクセス・ネットワーク
108 ゲートウェイ
118 マルチキャスト・ブロードキャスト・サービス・コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
広帯域無線アクセス・ネットワークにおける移動局が、サーバにアクセスしてコンテンツ・チャネルのセッションのリストのディレクトリをブラウジングし、前記移動局が加入したい前記セッションを前記サーバに示し、前記移動局が更なる送信を行うことなく前記移動局にプッシュされるマルチキャスト接続識別子をサーバから受け取ることにより、複数のコンテンツ・チャネルのうちの特定の1つにアクセスすることを可能にする工程
を含む方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、マルチキャスト・ブロードキャスト・サービス・ゾーン毎に移動局に供給されるマルチキャスト接続識別子を1つのみ割り当てる工程を含む方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法であって、アクセス・ネットワークからのマルチキャスト接続識別子を割り当てる工程を含む方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法であって、アクセス・サービス・ネットワークからの前記識別子を割り当てる工程を含む方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法であって、マルチキャスト・ブロードキャスト・サービス・コントローラを使用して前記識別子を割り当てる工程を含む方法。
【請求項6】
請求項2記載の方法であって、コア・ネットワークからのマルチキャスト接続識別子を割り当てる工程を含む方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法であって、コア・サービス・ネットワークからのマルチキャスト接続識別子を割り当てる工程を含む方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法であって、マルチキャスト・ブロードキャスト・サービス・サーバを使用してマルチキャスト接続識別子を割り当てる工程を含む方法。
【請求項9】
請求項2記載の方法であって、コア・ネットワークからの論理チャネル識別子を割り当てる工程を含む方法。
【請求項10】
請求項2記載の方法であって、論理チャネル識別子としてコンテンツ識別子サービス・タイプ長タイプ値を使用する工程を含む方法。
【請求項11】
請求項2記載の方法であって、コア・サービス・ネットワークにおけるプロキシ・インターネット群管理プロトコル・クライアントを使用して移動局がマルチキャスト・セッションにサインアップすることを可能にする工程を含む方法。
【請求項12】
広帯域無線アクセス・ネットワークであって、
マルチキャスト・ブロードキャスト・サービス・コントローラと、
アクセス・ネットワーク・ゲートウェイとを備え、
前記ネットワークは、広帯域無線アクセス・ネットワークにおける移動局が、サーバにアクセスしてコンテンツ・チャネルのセッションのリストのディレクトリをブラウジングし、前記移動局が加入したい前記セッションを前記サーバに示し、前記移動局が更なる送信を行うことなく前記移動局にプッシュされるマルチキャスト接続識別子をサーバから受け取ることにより、複数のコンテンツ・チャネルのうちの特定の1つにアクセスすることを可能にするネットワーク。
【請求項13】
請求項12記載のネットワークであって、前記コントローラは、マルチキャスト・ブロードキャスト・サービス・ゾーン毎に移動局に1つのマルチキャスト接続識別子のみを割り当てるネットワーク。
【請求項14】
請求項12記載のネットワークであって、前記コントローラは、前記移動局がアイドル・モードにある間にチャネルを前記移動局が選択することを可能にするネットワーク。
【請求項15】
請求項13記載のネットワークであって、前記ネットワークはアクセス・サービス・ネットワークであるネットワーク。
【請求項16】
システムであって、
認証、認可、アカウンティング・サーバを含むコア・ネットワークと、
前記コア・ネットワークに結合されたアクセス・ネットワークであって、マルチキャスト・ブロードキャスト・サービス・コントローラを含むアクセス・ネットワークとを備え、
前記システムは、広帯域無線アクセス・ネットワークにおける移動局が、サーバにアクセスしてコンテンツ・チャネルのセッションのリストのディレクトリをブラウジングし、前記移動局が加入したい前記セッションを前記サーバに示し、前記移動局が更なる送信を行うことなく前記移動局にプッシュされるマルチキャスト接続識別子をサーバから受け取ることにより、複数のコンテンツ・チャネルのうちの特定の1つにアクセスすることを可能にするシステム。
【請求項17】
請求項16記載のシステムであって、前記コントローラは、マルチキャスト・ブロードキャスト・サービス・ゾーン毎に移動局に1つのマルチキャスト接続識別子のみを割り当てるシステム。
【請求項18】
請求項16記載のシステムであって、前記コントローラは、前記移動局がアイドル・モードにある間にチャネルを前記移動局が選択することを可能にするシステム。
【請求項19】
請求項17記載のシステムであって、前記アクセス・ネットワークはアクセス・サービス・ネットワークであるシステム。
【請求項20】
請求項16記載のシステムであって、前記アクセス・ネットワークはマルチキャスト接続識別子を割り当てるシステム。
【請求項21】
請求項16記載のシステムであって、前記コア・ネットワークはコア・サービス・ネットワークであるシステム。
【請求項22】
請求項16記載のシステムであって、前記コア・ネットワークは、移動局がマルチキャスト・セッションにサインアップすることを可能にするためのインターネット群管理プロトコルを含むシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−55711(P2013−55711A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−276859(P2012−276859)
【出願日】平成24年12月19日(2012.12.19)
【分割の表示】特願2010−503130(P2010−503130)の分割
【原出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(593096712)インテル コーポレイション (931)
【Fターム(参考)】