説明

広角レンズ

【課題】低コストで、監視カメラや車載カメラに好適な広角レンズを提供する。
【解決手段】負の屈折力を有する第1レンズ群I、開口絞り、正の屈折力を有する第2レンズ群IIからなる広角レンズにおいて、第2レンズ群IIを、正の屈折力を有する両凸レンズ2と、両凸レンズの像側の面に接合され,屈折率が2を超え,物体側に凹面及び像側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカス凹レンズ3とにより構成する。これによれば、非球面を採用することなく、十分な明るさ及び結像特性を達成でき、120度以上の広い全画角が得られ、フレア光やゴーストが少なく、鮮明で歪みの少ない画像が得られ、低価格で、配置スペースの限られた領域に搭載するのに適した広角レンズが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCD(Charged Coupled Device)等の撮像素子を備えた撮像カメラに用いられる広角レンズに関し、特に監視カメラや車載カメラ等に適用され、全画角が概ね120度を超える広角レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
監視カメラや車載カメラ等に適用され得る広角レンズとしては、広い視野を確保しつつも、特に小型で低価格化を達成するべくレンズの構成枚数をできるだけ少なくした2群構成をなす種々のタイプのものが知られている。
例えば、物体側から順に配列された、負の屈折力を有する両凹レンズ、開口絞り、正の屈折力を有し物体側よりも像側の面が強い曲率をなす両凸レンズからなり、両凹レンズ又は両凸レンズの少なくとも一面が非球面に形成された広角レンズが知られている(例えば、特許文献1)。
また、物体側から順に配列された、負の屈折力を有し物体側に凸面の及び像側に凹面を向けたメニスカス凹レンズ、開口絞り、正の屈折力を有する両凸レンズからなり、メニスカス凹レンズ又は両凸レンズの少なくとも一面が非球面に形成された広角レンズが知られている(例えば、特許文献2、特許文献3)。
また、物体側から順に配列された、負の屈折力を有する両凹レンズ、正の屈折力を有する両凸レンズ、開口絞りからなり、両凹レンズ又は両凸レンズの少なくとも一面が非球面に形成された広角レンズが知られている(例えば、特許文献4)。
さらに、物体側から順に配列された、負の屈折力を有し物体側に凸面及び像側に凹面を向けたメニスカス凹レンズ、開口絞り、正の屈折力を有する両凸レンズからなり、両凸レンズの物体側及び像側の両面にコーティング膜を施して、少なくとも一方の面が非球面に形成された広角レンズが知られている(例えば、特許文献5)。
【0003】
このように、従来の広角レンズでは、球面のみでは十分な明るさや結像特性を達成し難いことから、レンズの少なくとも一面を非球面に形成し、要求される画質及び大きさ等の条件を満たすように構成されている。
また、二次的な効果として、従来の広角レンズでは、空気に接するレンズの界面(空気界面)の数が4面だけであり、要求される解像力や光学特性が高い一般の写真撮影用のレンズに比べれば、その界面の数が少ない。
それ故に、レンズ系での光の乱反射が抑制され、いわゆるフレア光やゴースト等が少なく、逆光でもコントラストの高い画像を得やすいという利点がある。
しかしながら、従来の広角レンズでは、非球面を採用しているため、金型に関わる製造コストが高くなり、特に小規模の生産量では製品コストが高くなって好ましくない。特に、生産台数の少ない監視カメラや車載カメラ等に用いられる広角レンズとしては、できるだけコストを抑えつつ、上記の要求を満たす広角レンズが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−159912号公報
【特許文献2】特開2000−171700号公報
【特許文献3】特開2003−140038号公報
【特許文献4】特開2003−107344号公報
【特許文献5】特開2005−249983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、空気界面数を4面に抑えたレンズ構成において、低コスト化を図りつつ少量でも安価に生産することができ、全画角(2ω)が120度以上であり、フレア光やゴーストが少なく、監視カメラや車載カメラに適した広角レンズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の広角レンズは、物体側から像面側に向けて順に配列された、負の屈折力を有する第1レンズ群と、所定の開口を有する開口絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群と、からなる広角レンズであって、上記第2レンズ群は、正の屈折力を有する両凸レンズと、両凸レンズの像側の面に接合され,屈折率が2を超え,物体側に凹面及び像側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカス凹レンズと、を含むことを特徴としている。
この構成によれば、非球面を採用することなく、十分な明るさ及び結像特性を達成でき、120度以上の広い全画角(2ω)が得られ、フレア光やゴーストが少なく、鮮明で歪みの少ない画像が得られ、低価格で、配置スペースの限られた領域に適用するのに適した広角レンズが得られる。
すなわち、第1レンズ群の負の屈折力によって、広い画角を確保することができ、第2レンズ群を構成する両凸レンズ及びメニスカス凹レンズによって、第1レンズ群で取り込んだ光線の進行方向を補正して入射可能な角度に修正すると同時に第1レンズ群で生じた諸収差を良好に補正しつつ、像面(CCD面)上に鮮明で歪みの少ない画像を結像させることができる。具体的には、屈折率が2を超えるメニスカス凹レンズを採用し、このメニスカス凹レンズを両凸レンズに接合することにより、非球面を用いることなく、非点収差、色収差等の諸収差を良好に補正して、良好な画質の画像を得ることができる。
【0007】
上記構成において、第2レンズ群は、両凸レンズと、メニスカス凹レンズと、両凸レンズの物体側の面に接合され,屈折率が2を超え,物体側に凸面及び像側に凹面を向けた正の屈折力を有するメニスカス凸レンズと、からなる、構成を採用することができる。
この構成によれば、第1レンズ群の負の屈折力によって、広い画角を確保することができ、第2レンズ群を構成するメニスカス凸レンズ,両凸レンズ,及びメニスカス凹レンズによって、第1レンズ群で取り込んだ光線の進行方向を補正して入射可能な角度に修正すると同時に第1レンズ群で生じた諸収差を良好に補正しつつ、像面(CCD面)上に鮮明で歪みの少ない画像を結像させることができる。具体的には、屈折率が2を超えるメニスカス凹レンズ及び屈折率が2を超えるメニスカス凸レンズを採用し、このメニスカス凸レンズとメニスカス凹レンズを両凸レンズの両面にそれぞれ接合することにより、非球面を用いることなく、非点収差、色収差等の諸収差を良好に補正して、良好な画質の画像を得ることができる。
【0008】
上記構成において、第2レンズ群のメニスカス凹レンズ及びメニスカス凸レンズは、同一のガラス材料により形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、メニスカス凹レンズ及びメニスカス凸レンズとして、同一のガラス材料を使用することで、材料費用等を低減できる。
【0009】
上記構成において、第1レンズ群は、物体側に凸面及び像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカス凹レンズからなる、構成を採用することができる。
この構成によれば、空気界面数を4面に抑えつつも、全画角(2ω)が120度以上であり、フレア光やゴーストが少なく、監視カメラや車載カメラに適した広角レンズを得ることができる。
【発明の効果】
【0010】
上記構成の広角レンズによれば、空気界面数を4面に抑えたレンズ構成において、低コスト化を達成しつつ少量でも安価に生産することができ、全画角(2ω)が120度以上であり、諸収差が良好に補正されて、フレア光やゴーストが少なく、監視カメラや車載カメラに適した広角レンズを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る広角レンズの一実施形態を示す構成図である。
【図2】図1に示す広角レンズの光路図である。
【図3】実施例1に係る広角レンズにおける球面収差、非点収差、歪曲収差の各収差図である。
【図4】本発明に係る広角レンズの他の実施形態を示す構成図である。
【図5】図4に示す広角レンズの光路図である。
【図6】実施例2に係る広角レンズにおける球面収差、非点収差、歪曲収差の各収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
この実施形態に係る広角レンズは、図1に示すように、物体側から像面側に向けて順に配列された、第1レンズ群I、開口絞りSD、第2レンズ群IIにより構成されている。
第1レンズ群Iは、第1レンズ1のみからなる。
第2レンズ群IIは、第2レンズ2と、第2レンズ2の像側の面に接合された第3レンズ3とからなる。
【0013】
ここで、第1レンズ1、開口絞りSD、第2レンズ2、第3レンズ3、像面Pの配列構成においては、図1に示すように、各々の面をSi(i=1〜6)、それぞれの面Siの曲率半径をRi(i=1〜6)、d線に対する第iレンズの屈折率をNi及びアッベ数をνi(i=1〜3)で表す。また、第1レンズ1〜像面Pまでのそれぞれの光軸L方向における間隔(厚さ、空気間隔)を、図1に示すように、Di(i=1〜6)で表す。
【0014】
第1レンズ1は、ガラス材料により形成され、図1及び図2に示すように、負の屈折力をもつように、物体側に凸面S1及び像側に凹面S2を向けるメニスカス状で中央部が周辺部よりも薄肉をなすメニスカス凹レンズである。そして、凸面S1及び凹面S2は、球面として形成されている。
ここでは、第1レンズ群Iが、メニスカス凹レンズをなす第1レンズ1からなる場合を示したが、これに限定されるものではなく、負の屈折力をなすものであればその他のレンズであってもよい。
【0015】
第2レンズ2は、ガラス材料により形成され、図1及び図2に示すように、正の屈折力をもつように、物体側に凸面S4及び像側に凸面S5を向ける両凸レンズである。そして、凸面S4及び凸面S5は、球面として形成されている。
【0016】
第3レンズ3は、ガラス材料により形成され、図1及び図2に示すように、第2レンズ2(両凸レンズ)の像側の凸面S5に接合され、負の屈折力をもつように、物体側に凹面S5及び像側に凸面S6を向けるメニスカス状で中央部が周辺部よりも薄肉をなすメニスカス凹レンズである。そして、凹面S5及び凸面S6は、球面として形成されている。また、第3レンズ3は、屈折率N3が2を超える超高屈折率をなすガラス材料により形成されている。
【0017】
一般に、一定の焦点距離を有する単一レンズにおいては、屈折率が大きくなるほど曲率半径が大きくなり、曲率半径が大きいほど収差が小さくなるという性質があり、これらの性質を利用すれば、非球面レンズと同等の性質を球面レンズで達成することができる。
一方、屈折率が大きい(2を超えるような)市販の材料では、色分散が極めて大きくなる(アッベ数が小さくなる)ため、単に屈折率の大きい材料を用いるだけでは、色収差が増大し、画質が低下してしまうという問題が生じる。
【0018】
そこで、この広角レンズにおいては、非球面に代わる手段として、第3レンズ3としてのメニスカス凹レンズを、屈折率N3が2を超える超高屈折率のガラス材料で形成すると共に、このメニスカス凹レンズ(第3レンズ3)を両凸レンズ(第2レンズ2)と貼り合わせる(接合する)ことにより、歪曲収差、色収差等の諸収差を良好に補正して、光学特性を改善している。
尚、貼り合わせ面において光の反射を生じる場合は、適切な多層膜コーティングを施すことにより、使用上差し支えない程度まで光の反射を低減させることができる。
このように、屈折率が2を超える超高屈折率材料を採用し、かつ、レンズの貼り合わせ(接合)を行うことにより、非球面を用いることなく、低コスト化を達成しつつ、従来の広角レンズと同等以上の光学性能を有する広角レンズを得ることができる。
【0019】
上記構成からなる広角レンズの具体的な数値による実施例を、実施例1として以下に示す。
【実施例1】
【0020】
実施例1における第1レンズ1〜第3レンズ3の主な仕様諸元、種々の数値データ(設定値)は以下の通りである。
<仕様諸元>
波長1=656.3nm、波長2(主波長)=587.6nm、波長3=486.1nm、レンズ系の焦点距離=3.0mm、F値=3.5、全画角(2ω)=140.0°、第1レンズ1の外形寸法φ1=16.00mm、第2レンズ2の外形寸法φ2=4.20mm、第3レンズ3の外形寸法φ3=6.00mm、開口絞りSDの絞り口径φ=1.72mm
【0021】
<曲率半径>
R1=29.911mm、R2=3.637mm、R3(開口絞り)=∞、R4=10.297mm、R5=−2.404mm、R6=−5.120mm
【0022】
<光軸上の間隔>
D1=0.90mm、D2=8.61mm、D3=1.92mm、D4=2.56mm、D5=1.02mm、D6=6.58mm
【0023】
<屈折率(Nd:d線)>
N1=1.48749、N2=1.88300、N3=2.14352
<アッベ数(νd:d線)>
ν1=70.2、ν2=40.8、ν3=17.8
【0024】
この実施例1における球面収差、非点収差、歪曲収差に関する収差図は、図3に示されるような結果となる。尚、図3の非点収差において、Sはサジタル平面での収差、Mはメリジオナル平面での収差を示す。
この実施例1においては、空気界面数を4面に抑えたレンズ構成において、全画角(2ω)が140度であり、非球面を用いることなく、非点収差、色収差等の諸収差を良好に補正して、フレア光やゴーストが少なく、良好な画質の画像を得ることができ、監視カメラや車載カメラに適した広角レンズが得られる。
【0025】
図4及び図5は、本発明に係る広角レンズの他の実施形態を示すものであり、図4は基本構成図、図5は光路図、図6は収差図である。
この実施形態に係る広角レンズは、図4に示すように、物体側から像面側に向けて順に配列された、第1レンズ群I、開口絞りSD、第2レンズ群IIにより構成されている。
第1レンズ群Iは、第1レンズ10のみからなる。
第2レンズ群IIは、第2レンズ20と、第2レンズ20の像側の面に接合された第3レンズ30と、第3レンズ30の像側の面に接合された第4レンズ40とからなる。
【0026】
ここで、第1レンズ10、開口絞りSD、第2レンズ20、第3レンズ30、第4レンズ40、像面Pの配列構成においては、図4に示すように、各々の面をSi(i=1〜7)、それぞれの面Siの曲率半径をRi(i=1〜7)、d線に対する第iレンズの屈折率をNi及びアッベ数をνi(i=1〜4)で表す。また、第1レンズ10〜像面Pまでのそれぞれの光軸L方向における間隔(厚さ、空気間隔)を、図4に示すように、Di(i=1〜7)で表す。
【0027】
第1レンズ10は、ガラス材料により形成され、図4及び図5に示すように、負の屈折力をもつように、物体側に凸面S1及び像側に凹面S2を向けるメニスカス状で中央部が周辺部よりも薄肉をなすメニスカス凹レンズである。そして、凸面S1及び凹面S2は、球面として形成されている。
ここでは、第1レンズ群Iが、メニスカス凹レンズをなす第1レンズ1からなる場合を示したが、これに限定されるものではなく、負の屈折力をなすものであればその他のレンズであってもよい。
【0028】
第2レンズ20は、ガラス材料により形成され、図4及び図5に示すように、正の屈折力をもつように、物体側に凸面S4及び像側に凹面S5を向けるメニスカス状で中央部が周辺部よりも厚肉をなすメニスカス凸レンズである。そして、凸面S4及び凹面S5は、球面として形成されている。また、第2レンズ20は、屈折率N2が2を超える超高屈折率をなすガラス材料により形成されている。
【0029】
第3レンズ30は、ガラス材料により形成され、図4及び図5に示すように、第2レンズ20の像側の凹面S5に接合され(すなわち、第2レンズ20が第3レンズ30の物体側の凸面S5に接合され)、正の屈折力をもつように、物体側に凸面S5及び像側に凸面S6を向ける両凸レンズである。そして、凸面S5及び凸面S6は、球面として形成されている。
【0030】
第4レンズ40は、ガラス材料により形成され、図4及び図5に示すように、第3レンズ30(両凸レンズ)の像側の凸面S6に接合され、負の屈折力をもつように、物体側に凹面S6及び像側に凸面S7を向けるメニスカス状で中央部が周辺部よりも薄肉をなすメニスカス凹レンズである。そして、凹面S6及び凸面S7は、球面として形成されている。また、第4レンズ40は、屈折率N4が2を超える超高屈折率をなすガラス材料により形成されている。
ここで、第4レンズ40(メニスカス凹レンズ)と第2レンズ20(メニスカス凸レンズ)とは、同一のガラス材料により形成されてもよい。このように、同一のガラス材料を使用することで、材料費用等を低減できる。
【0031】
この広角レンズにおいては、非球面に代わる手段として、第2レンズ20(メニスカス凸レンズ)及び第4レンズ40(メニスカス凹レンズ)を、屈折率 N2,N3が2を超える超高屈折率のガラス材料で形成すると共に、これらのメニスカス凸レンズ(第2レンズ20)及びメニスカス凹レンズ(第4レンズ40)を両凸レンズ(第3レンズ30)の両面S5,S6に貼り合わせる(接合する)ことにより、非点収差、色収差等の諸収差を良好に補正して、光学特性を改善している。
尚、貼り合わせ面において光の反射を生じる場合は、適切な多層膜コーティングを施すことにより、使用上差し支えない程度まで光の反射を低減させることができる。
このように、屈折率が2を超える超高屈折率材料を採用し、かつ、レンズの貼り合わせ(接合)を行うことにより、非球面を用いることなく、低コスト化を達成しつつ、従来の広角レンズと同等以上の光学性能を有する広角レンズを得ることができる。
【0032】
上記構成からなる広角レンズの具体的な数値による実施例を、実施例2として以下に示す。
【実施例2】
【0033】
実施例2における第1レンズ10〜第4レンズ40の主な仕様諸元、種々の数値データ(設定値)は以下の通りである。
<仕様諸元>
波長1=656.3nm、波長2(主波長)=587.6nm、波長3=486.1nm、レンズ系の焦点距離=3.8mm、F値=2.8、全画角(2ω)=140.0°、第1レンズ10の外形寸法φ1=18.00mm、第2レンズ20の外形寸法φ2=5.20mm、第3レンズ30の外形寸法φ3=5.20mm、第4レンズ40の外形寸法φ4=5.20mm、開口絞りSDの絞り口径φ=3.10mm
【0034】
<曲率半径>
R1=28.414mm、R2=4.285mm、R3(開口絞り)=∞、R4=12.563mm、R5=32.844mm、R6=−2.976mm、R7=−6.473mm
【0035】
<光軸上の間隔>
D1=0.90mm、D2=10.55mm、D3=0.37mm、D4=2.28mm、D5=3.50mm、D6=0.90mm、D7=8.00mm
【0036】
<屈折率(Nd:d線)>
N1=1.60738、N2=2.14352、N3=1.88300、N4=2.14352
<アッベ数(νd:d線)>
ν1=56.8、ν2=17.8、ν3=40.8、ν4=17.8
【0037】
この実施例2における球面収差、非点収差、歪曲収差に関する収差図は、図6に示されるような結果となる。尚、図6の非点収差において、Sはサジタル平面での収差、Mはメリジオナル平面での収差を示す。
この実施例2においては、空気界面数を4面に抑えたレンズ構成において、全画角(2ω)が140度であり、非球面を用いることなく、非点収差、色収差等の諸収差を良好に補正して、フレア光やゴーストが少なく、良好な画質の画像を得ることができ、監視カメラや車載カメラに適した広角レンズが得られる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上述べたように、本発明の広角レンズは、広い画角を有し、鮮明で歪みの少ない画像を得ることができるため、監視カメラや車載カメラ等の撮影用のレンズに適用できるのは勿論のこと、広い画角を必要とし配置スペースの限られた光学機器に搭載される撮像カメラの広角レンズとしても有用である。
【符号の説明】
【0039】
L 光軸
P 像面
SD 開口絞り
1 第1レンズ(メニスカス凹レンズ)
2 第2レンズ(両凸レンズ)
3 第3レンズ(メニスカス凹レンズ)
D1〜D6 光軸上の間隔
R1〜R6 曲率半径
S1〜S6 面
10 第1レンズ(メニスカス凹レンズ)
20 第2レンズ(メニスカス凸レンズ)
30 第3レンズ(両凸レンズ)
40 第4レンズ(メニスカス凹レンズ)
D1〜D7 光軸上の間隔
R1〜R7 曲率半径
S1〜S7 面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像面側に向けて順に配列された、
負の屈折力を有する第1レンズ群と、
所定の開口を有する開口絞りと、
正の屈折力を有する第2レンズ群と、からなる広角レンズであって、
前記第2レンズ群は、
正の屈折力を有する両凸レンズと、
前記両凸レンズの像側の面に接合され,屈折率が2を超え,物体側に凹面及び像側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカス凹レンズと、を含む、
ことを特徴とする広角レンズ。
【請求項2】
前記第2レンズ群は、
前記両凸レンズと、
前記メニスカス凹レンズと、
前記両凸レンズの物体側の面に接合され,屈折率が2を超え,物体側に凸面及び像側に凹面を向けた正の屈折力を有するメニスカス凸レンズと、からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の広角レンズ。
【請求項3】
前記メニスカス凹レンズ及び前記メニスカス凸レンズは、同一のガラス材料により形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の広角レンズ。
【請求項4】
前記第1レンズ群は、物体側に凸面及び像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカス凹レンズからなる、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載の広角レンズ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−113024(P2011−113024A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271555(P2009−271555)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000001225)日本電産コパル株式会社 (755)
【Fターム(参考)】