説明

床カバー材設置システムおよび方法

【課題】モジュラ型床カバー材ユニットを接合するコネクターを提供する。
【解決手段】コネクター46は、フィルムの一方の面に塗布されたフィルムおよび接着剤層を含む。第1のタイル41を床材に配置し、接着剤層が上向きでかつ床材に接触しないようにコネクター46を位置付ける。コネクター46は典型的には、接着剤層の一部分のみがタイル41の裏面に接着するように位置付けられ、コネクター46の残りの部分をそのままタイル41の裏面から延在させておく。次いで、コネクター46の一部が隣接するタイル43に接着するように、タイル43を第1のタイル41に隣接するように位置付ける。このように、コネクター46は隣接するタイル43の縁にかけ渡される。床の表面にタイル41を固着する必要なしに、床の表面で連結組み立てられ、床の表面に「浮く」床カバー材となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照情報:本出願は、「床カバー材設置システムおよび方法」という表題で2004年10月15日に出願された米国仮出願第60/619,340号、「床カバー材設置システムおよび方法」という表題で2004年12月21日に出願された米国特許出願第11/018,947号、および「床カバー材設置システムおよび方法」という表題で2005年6月15日に出願された仮出願第60/690,762号の優先権を主張し、それらを参照により援用して本文の記載の一部とする。
【0002】
本発明は、床カバー材設置システムおよび方法に関し、特にカーペットタイルおよび他のモジュラ型床カバー材を含む床カバー材設置システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
床カバー材は、有史以来使用されてきた。最初のかかる床カバー材の材料は、疑いの余地なく動物の皮または葉もしくは茎などの植物性材料であった。後に、サイザル麻及びウールを含む、種々の天然の繊維を織るか又は結ぶことなどによって、床カバー材が製造された。20世紀初頭に、かかる繊維面の床カバー材も人工繊維からも製造され始めた。
【0004】
最初の床カバー材は、サイズが動物の皮のサイズに制限されていたが、後に床カバー材は拡大して部屋の床全体を被覆した。かかる「幅広」床カバー材の「床一面の」設置は、20世紀に幅広く使用されるようになった。かかる材料の模範設置例は、部屋の床全体を被覆する一つのまたは少数の幅広カーペットを利用する。このタイプの床一面の床カバー材は、一般にいくつかの方法で床に固着される。
【0005】
後に、モジュラ型床カバー材は、より小さな、均一な寸法のモジュールまたはタイルを、ビニルタイルなどの固体表面床カバー材および通常はカーペットタイルと呼ばれる繊維調表面床カバー材の両方に利用した。2003年8月11日に出願された「再構成可能なモジュール床カバー材」(参照により援用して本文の記載の一部とする)の米国特許出願公開第2004/0258870号で説明されるように、タイルは床材の表面全体を被覆しない、部屋の一部に敷くじゅうたんとして設置してもよい。しかしながら大多数のタイルは床一面の設置に利用されている。タイルは伝統的に、隣接するタイルの縁を整合し、各タイルの縁を行と列に整合して設置されてきた(「従来のカーペットタイル設置法」)。従来のカーペットタイルは、歴史的に、幅広カーペットの外観を模倣すること、および製品がモジュラ型である事実を隠すか、または少なくともあまり強調しないことが求められた製品であった。この結果を達成するには、最小限、床材設置においてカーペットタイルまたはモジュールが、モジュールが製造された時に方向付けられていたのと同じように(すなわち、モノシリックに)方位付けられることが必要であった。しかしながら、近年においては、繊維調の表面を有するモジュラ型床材の設計者は、床材の設計および床材がモジュラ型であることを隠そうとするのではなく、むしろ床材がモジュラ型であることを歓迎している床材設置を始めた。例えば、モジュールは今でも整合された行および列に設置されているが、モジュールは「四分の一回転されて」設置され、各タイルの各隣接するタイルに対して90°に回転されて位置されている。さらに、米国特許第6,908,656号明細書に記載されているように、位置または回転方位とは無関係に「ランダムに」設置することができるカーペットタイルが開発され、参照により援用して本文の記載の一部とする。
【0006】
しかしながら、モジュールは必ずしも整合された行および列に設置されるとは限らない。例えば、タイルは、タイルの列が隣接するタイルの列に対して上にシフトまたは下にシフトして見えるように、モジュールの整合された行を形成しない整合された列でも設置される(「アシュラー設置法」)。他の設置では、タイルは、整合された行を形成するが、列は互い違いにされて設置される(「煉瓦積み方式」)。
【0007】
床カバー材モジュールが一般的に比較的大きなサイズおよび重量であると、床カバー材が組み立てられる際にモジュールが位置付けされる位置にモジュールを維持することが容易になるが、モジュールの動きにさらに抵抗する方法を提供することが望ましい。これは伝統的にモジュールをその下側にある床表面に様々な方法で固着することによって達成されてきた。
【0008】
モジュールは、多くの場合、最初にモジュールの下側の床表面に接着剤の層を塗布し、次いでタイルを接着剤の上に位置付けすることにより、床に接着される。この方法で、接着剤は典型的に床材モジュールの裏面の表面積全体に接触するので、これにより材料のコストが上がり、タイルが不正確に位置付けられた場合にそれらを位置付けし直すことが困難になることが多い。これは継ぎ目でマッチされなければならないパターンが付けられたモジュールを設置する際に特に問題になる。さらに、タイルが最終的に取り外される時に、接着剤が床材の表面に残留し、かつ接着剤が取り外されたタイルの一部分を保持してしまうこともある。この接着剤(および接着剤で保持されているいかなる床材の材料)は、新たなタイルを設置する前に、滑らかな表面を創出するために床から取り除かれなければならない。これによって設置プロセスにさらなるコストと時間がかかる。
【0009】
モジュールはまた、接着剤をモジュールの裏面全体(または任意の部分)に予め塗布することによって設置してもよい。例えば、各モジュールの裏面にわたる比較的幅狭の帯状部に接着剤を塗布し、そしてモジュール設置前に、プラスチックフィルム又は紙細片で覆い、モジュールが配置される直前にプラスチックフィルム又は紙細片を剥離してもよい。しかしながら、この場合でもこの方法はモジュールを直接床に固着することを含み、結果的に上述された欠点をもたらす可能性がある。
【0010】
モジュールも両面接着テープを使用することによっても設置され、それによりテープの一方の面がモジュールの裏面に位置付けられ、テープの他方の面が床に位置付けられて、モジュールを床に固定する。両面テープもまた、隣接するカーペット及びカーペットタイル縁の間且つそれらの全体に沿って位置付けられていた。しかし、接着剤と同様に、両面テープは、タイルを位置付けし直すことができない可能性があり、そしてタイルを取り外す際に床に残留物を残す可能性もある。さらに、テープは低い引張り強さを有し、比較的非弾性的であり、その結果延伸しやすくその元々の形状に戻らない傾向がある。これによって、結果として隣接するタイル間に隙間が形成される可能性がある。
【0011】
床に直接固着することに加えて、モジュールは機械的な留め具または接着剤で被覆されたパッドを用いるなど、その下側にある床材表面に間接的にも取り付けられてきた。例えば、フックおよびループファスナーが使用され、それによりループファスナーのフックまたはループのいずれか一方のシートが床に固定されて、フックまたはループの他方のシートがモジュールの裏面に備えられる。モジュールのフックまたはループは床上のフックまたはループに係合して、モジュールを床材に固定する。接着剤で被覆されたパッドもまた使用されてきた。例えば、剥離可能な接着剤で両面が予め塗布された発泡パッドが使用されてきた。設置中に、剥離紙がパッドの両面から取り外されて接着剤を露出させ、パッドは床に固着される。次いで、カーペットタイルはパッドの上に位置付けられて、接着剤によってその位置に保持される。これらのシステムおよび方法は、設置者のタイルを再度位置付けする能力を改善し得るが、設置の材料コストを顕著に増加させる。さらに、これらの設置法を用いると、タイルは互いに対してより動きやすくなってしまい、それにより設置体(施工物)において隙間が生じる。
【0012】
タイルを直接でも間接でも床に固着しない他の設置法がある。例えば、ダクトテープなどの一片面の接着テープを使用して、隣接するタイル同士が共に固定されていた。タイルは表を下に向けて位置付けて、テープがタイルの隣接する縁全体に沿って固定される。隣接するタイル間の結合を壊すことなく、タイルは注意深く裏返され、タイルの摩耗表面を露出させる。この方法は、継ぎ目全体に沿って隣接するタイル縁同士をテープで張り合わせるための多額の材料投資だけでなく、タイルにテープを位置付けるためにかなり多くの時間を必要とする。さらに、かかる接着テープは比較的薄いため、タイルの裏面にテープを所望通りに位置付けることが難しく、また両面接着テープと同様に、引っ張り強さと弾力性が低いため、圧力がかけられると恒久的に延伸してしまい、それによって隣接するタイル間に恒久的な隙間を生じさせやすいものとなってしまう。
【0013】
床カバー材設置法は存在するものの、モジュールを安定した床カバー材へと設置するために必要な時間と材料コストを削減するシステムと方法が必要である。
【発明の開示】
【0014】
本発明は、床カバー材を設置するために必要な時間およびコストを削減するシステムおよび方法を提供することによって、従来のモジュラ型床材設置法の問題に対処する。コネクターを使用して隣接する床カバー材ユニットを接合する。コネクターはモジュラ型床カバー材ユニット(「タイル」)の設置において特に有用である。各コネクターはフィルムとフィルムの一方の面に塗布された接着層とを含む。コネクターを使用してタイルを設置するために、第1のタイルは、従来のタイル設置法によって決められる位置で床材に位置付けられる。コネクターは、接着層が上を向きかつ床に接触しないように位置付けられる。コネクターは典型的に、接着層の一部分のみがタイルの裏面へ接着して、コネクターの残りの部分がタイルの裏面から延在する(はみ出す)ように位置付けられる。次いでタイルが、コネクターの一部分が隣接するタイルに接着するように、第1のタイルに隣接して位置付けられる。このように、コネクターは隣接するタイルの隣接する縁にかけ渡される。タイルはその下側にある床の上で組み立てられるが、床の表面にタイルを固着する必要はない。むしろ、タイルはコネクターで互いに連結されて、タイルがその下側にある床表面上に「浮く」床カバー材を創出する。
【0015】
コネクターは設置体において、隣接する縁全体に沿って位置付ける必要がなく、また全ての隣接するタイルの縁にかけ渡される必要もない。むしろ、コネクターの寸法は、コネクターを設置体において位置付ける時に、コネクターが隣接する縁全体の長さに沿って延びないようになっている。さらに、任意の数のコネクターが隣接するタイル間の任意の数の位置において使用されてもよいが、本発明の利点は、組み立て物内の戦略的な位置において(4つのタイルが合わさるいくつかの角などで)コネクターを置くことにより完全に実現する。これは、設置中に全ての隣接するタイルの縁を固定させるために、固定のための材料を隣接するタイルの縁全体に沿って設置することが必要だった従来の設置法とは対照的である。
【0016】
タイル設置を安定化するために必要なコネクターの寸法および最低限の数が比較的小さいことによって、従来のタイル設置法からの材料コストの大幅な削減をもたらすことができる。さらに、コネクターの使用は、設置前に床を前処理する必要をなくすことにより設置時間を大幅に削減する。設置者が接着剤の層を床に塗布し、次いで接着層にタイルを位置付けるために設置者が塗布時の歩みを再びなぞる代わりに、設置者はコネクターを用いて進むままにタイルを位置付けて固定する。さらに、コネクターに剥離可能な接着剤が使用されており、コネクターに接触するタイル表面積が限られているならば、タイルを必要に応じて容易に位置付けし直すことができる。またさらに、タイルはタイルの下の床と相互に作用しないため、床から容易に取り外すことが可能であり、取り外される時に下の床にほとんどまたは全く接着剤を残さない。その結果、床が他の床カバー材で新たに覆われる前に、床を再度仕上げ加工する必要がない。
【0017】
設置は、コネクターを含み、かつ好ましくはすぐに掴めるような形態で個別のコネクターを出すディスペンサーを使用することにより、迅速に進めることができる。ディスペンサーは、剥離層または他のコネクターからのコネクターを引き離す構造を有してもよい。ディスペンサーは設置者のベルトおよび足に取り付けてもよく、例として、ロール状のコネクター、剥離材料のロール上のコネクター、扇状に折りたたまれた剥離材料上のコネクター、または個別のコネクターを含み得る。ディスペンサーは詰め替え可能であってもよく、又は使い捨てのために設計されてもよい。
【0018】
ディスペンサーは、その長さに沿ってコネクターを間隔をあけて連続して担持するストリップ(帯状片)の剥離材料のための筺体を有するのが好ましい。ディスペンサーはまた、ユーザーにコネクターを差し出すための開口部を有してもよく、そしてコネクターの剥離および開口部を通してユーザーにコネクターを差し出すことを制御するためのアクチュエーターを有してもよい。ディスペンサーは、ベルトループまたはレッグストラップなどの、ディスペンサーをユーザーに取り付けるための一つ以上の取付け部材をも有してもよい。小分けして出された(ディスペンスされた)コネクターを使用してカーペットタイルを設置するために設置者が部屋内を移動できるように、カーペットの設置中に、取付け部材を使用してディスペンサーがカーペット設置者に取り付けられる。コネクターを得るために、カーペットタイル設置者はアクチュエーターを動かして、コネクターを剥離材料から離し、コネクターが容易につかめる開口部を通してコネクターを差し出す。次いでコネクターを一つ以上のカーペットタイルに付着してもよい。
【0019】
別の実施形態は、コネクターから出口までの開口部を有する筺体および第1の位置から床表面上の所望の位置に近くかつ第1の位置よりも開口部に近い第2の位置まで手の動きで作動されるアクチュエーターを有するディスペンサーを提供する。ユーザーの手の第1の部分が開口部に接触可能でありかつ、同時にユーザーの手の第2の部分が第2の位置においてアクチュエーターに接触するように、ディスペンサーの開口部はアクチュエーターの第2の位置に手が届く範囲内であってもよい。これによりユーザーは、アクチュエーターを第1の位置から第2の位置まで動かした後に、開口部から差し出されるコネクターを容易につかむことができる。
【0020】
本発明の別の実施形態では、コネクターの束(スタック)であって、それぞれが一方の面に接着剤を有するコネクターの束が、結合又は別のやり方で共に付着される。コネクターの束における個別のコネクターは、結合されるかまたは様々な方法で共に付着されてもよい。例えば、あるコネクターの接着面側の接着剤は、隣接するコネクターの対向する面に剥離可能に付着してもよく、この対向面には接着剤が永久的結合状態または取り外しが難しい結合状態を形成することを防ぐ剥離コーティングが塗布されてもよい。一般的に、束において隣接するコネクターは、同じ方向に方位付けられかつ整合されている。別の実施例として、第1のコネクターの接着層が剥離材料に付着されかつ第2のコネクターの対向面も同様に剥離材料に付着された状態で、剥離層が隣接するコネクターを引き離してもよい。さらに別の実施例として、コネクターの束は、剥離材料の単一のストリップであって、ストリップ上で隣接するコネクターが束において互いに重なり合うように折りたたまれたストリップ、すなわち扇状に折りたたまれた剥離材料上に付着された連続するコネクターであってもよい。コネクターの束は、個別のコネクターをコネクターの束から取り外す時にユーザーを支援するディスペンサー内に含まれてもよい。
【0021】
カーペット設置中に、カーペット設置者は、束から個別のコネクターを取り外しかつカーペット縁の裏面に個別コネクターを付着することによって、コネクターの束を使用し得る。
【0022】
本発明の別の実施形態は、一方の面に水性接着剤または合成ポリマーベースの接着剤を備えたフィルムを有するコネクターを提供する。接着剤は、揮発性有機化合物含有量が低いか又は全く有していなくてもよく、かつ可塑剤耐性を有していてもよい。
【0023】
コネクターはカーペットタイルの設置を容易にするための位置合わせ用の印を有する。このような印は、マーキング、色と十字線、線、点、ブロックなどの物体と、多色で区切られた部分および四象限などを含む。
【0024】
本発明の別の実施形態は、一方の面に接着剤を有するコネクターを使用するカーペットタイルの設置法を提供する。設置者は、カーペットタイルとタイルの裏面を床表面に載せた状態で床表面上の所望の設置位置またはそれに近い位置にカーペットタイルを配置する。設置者は、タイルの縁、角、または他の部分を持ち上げるために一方の手を使い、コネクターの露出した部分がタイルの縁を超えて延在するように、タイルの縁または他のタイル部分の裏面にコネクターの接着側を上にして付着するために他方の手を使う。設置者は次いで、第2のタイルを第1のタイルに隣接して配置し、第2のタイルの裏面をコネクターの露出部分に付着する。ディスペンサーがコネクターを、接着面を上にして、かつコネクターが付着されたカーペットタイルの部分に都合の良い位置で、コネクターを設置者に提供してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は床カバー材の設置システムおよび方法に関する。当業者は、ここに記載されたシステムおよび方法は多様な床カバー材設置体に使用できることを理解するであろう。しかしながら、出願人はここに記載されたコネクターは、モジュラ型床カバー材ユニット(以下「タイル」と称される)の全てのタイプの設置(床一面設置および部屋の一部に敷くじゅうたん設置を含む)に特に有用であることを見出した。タイルは、寸法および形状の範囲において、様々な色および風合いを有してもよい。例えば、個別のタイルは、六角形、四角形、長方形、三角形および他の形状を含むがこれらに限定されない木材板またはセラミックの形状および他のタイルを模造する形状であってもよい。加えて、タイルは種々の風合いにて提供されてもよい。本発明のタイルは典型的には織られた表面をもつ従来のカーペットタイル(タフトされた、溶着された、及び印刷された面を含むがこれらに限定されない)であるが、織られたおよび織られていない繊維床材、硬いビニル、セラミック、革、または他の任意の好適な材料を含む、他のモジュラ型材料でもあり得る。タイルは、合板、積層体、リノリウム、ビニルタイル、堅木およびコンクリートを含むがこれらに限定されない一般的に滑らかな表面に設置するのが好ましい。しかしながら、以下に述べるように、タイルは、タイルとその下側にある床の間に配置され、パッドおよび幅広カーペットを含む中間基板に設置してもよい。
【0026】
図1は本発明のコネクター20の一実施形態を示す。コネクター20はフィルム22とフィルム22の一面に塗布された接着層24とを含む。剥離層26は接着層24の上に配置されてその下にある接着剤を保護する。使用時に、剥離層26はコネクター20から取り外されて接着層24を露出させる。以下にさらに詳細に記載されるように、コネクター20は接着層24が隣接するタイルの裏面に接触して、タイルの隣接する縁にかけ渡され、それによりタイルが互いに連結して、床カバー材を形成する。このように、タイルを床表面に固着する必要なしに、タイルはその下の床の表面で組み立てられるため、タイルはタイル下の床の表面上で「浮く」床カバー材を創出する。
【0027】
フィルム22は任意の好適な材料であってもよいが、本発明に従って迅速な床材設置を容易にするために、タイルの裏面に部分的に接触して位置付けられたコネクターがタイルの裏面とおおよそ同じ平面においてタイルの縁を超えて突き出るように、比較的硬い材料で作られているのが好ましい。これにより突き出たコネクターの一部分を正確に位置付けて、隣接するタイルに適切に接触させることが容易になる。これは、典型的には接着テープの長さの一部分(全てではない)が付着されたタイルの裏面から大きく丸まるか垂れ下がるであろうほとんどの接着テープよりも堅い。同時に、本発明のコネクターがそれから作られるフィルム22は、所望であれば巻かれたコネクターの扱いを容易にしかつコネクターを床またはタイルの凹凸に適合させるのに十分柔軟性を有する必要がある。
【0028】
フィルム22はまた、隣接するタイルのよじれをもたらす可能性のある収縮に対して耐収縮性を有し、通行量および転動荷重の下で延伸に抵抗する比較的高い引張り強さも呈する必要がある。例えば、流れ方向で160〜270メガパスカル(「MPa」)および流れ方向に交差する方向で165〜210MPaの間の引張り強さを示す材料は、特にこの出願に好適であることが分かった。さらに、材料が壊れる前に引き伸ばされるか延伸し得るパーセンテージは、引張応力がかけられた時にコネクターの破損および不具合を防ぐ程度に比較的高いことが必要である。例えば、使用される材料は、壊れる前に流れ方向の面積が120〜200%および流れ方向に交差する方向の面積が150〜170%延伸可能であることが好ましいが必要ではない。
【0029】
好適に硬く、薄く、強く、耐水性を有しかつ安価な繊維および金属を含むポリマー材料、板紙および他の材料もまたフィルム22に使用してもよい。しかしながら、フィルム22は好ましくはポリオレフィン、ポリアミド、またはポリエステルなどの合成ポリマー材料であることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)ポリエステルであることがさらに好ましい。これらの材料は比較的安価であり、使用時にその下の床に適合し、腐食に強いであろう。フィルム材料はリサイクル可能であることが好ましいが、そうである必要はない。
【0030】
フィルム22は好ましくは0.0005インチ〜0.015インチ(約0.0013cm−0.038cm)の範囲の厚さを有し、さらに好ましくは0.003インチ−0.01インチ(約0.0076cm−0.025cm)の範囲であり、よりさらに好ましくは0.005インチ(約0.013cm)である。フィルム22はまた、フィルム22と接着層24との間の接着を促進させる接着層24が塗布される面と同じ面に塗布されてアクリルのコーティングなどで下塗りコート(図面に示さず)されてよいが、そうでなくてもよい。フィルム22は一面または両面をコロナ処理されて、表面張力を増加させ、接着促進コーティングを使用することなく、フィルム22と接着剤24の間の接着を促進させてよい。
【0031】
フィルム22は、円形または正方形もしくは三角形などの任意の直線で構成された形状を含むがこれらに限定されない任意の形状であってもよい。正方形はほとんどの設置に好適である。さらに、フィルム22の寸法は設置されたタイルの寸法に応じて決めることができる。しかし、原則としてフィルム22の表面積は、コネクターを付着しようとするタイルの表面積の1%まで小さくすることができ、好ましくは2〜5%の範囲にすることができる。9平方インチ(約58平方センチメートル)を超えるコネクターの表面積は、18インチ四方(約46センチメートル四方)または50センチメートル四方のタイルの設置を安定化することに有意義に貢献しないことが見出されている。従って、材料を節約し費用を抑えるために、コネクター20は約3×3インチ四方(約8×8センチメートル四方)以下であることが望ましいが、そうでなくてもよい。
【0032】
接着層24は、本発明での使用に望ましいある特性を示す任意の接着剤とすることができ、特定のタイプまたはコネクターに使用される接着剤量は、多くの場合、コネクター20と共に使用されることが意図されるタイルに応じて決めてよい。いくつかのカーペットタイルは、裏地層を有しており、裏地層は、その柔軟性を増加しおよび/または他の特性を変化させる可塑剤を含有する。可塑剤は移動する傾向をもち、あるコネクターの接着剤に移動し得る。このような可塑剤の移動によってコネクターの接着特性が弱くなり、接着剤の効率を低下させる可能性がある。揮発性有機化合物含有量(「VOC」)をほとんど有さずまたは全く有さない水性接着剤(溶媒系接着剤ではない)は可塑剤耐性を有し得るので、従って一般的には、可塑剤の移動に対する抵抗性が所望される場合に(すなわち、可塑剤を含有するカーペットタイルの設置において)望ましい。識別番号9465、6032、6035、及び6038、ならびに特に9465(主にアクリレートターポリマー)および6032(粘着性が付与されたアクリレートコポリマー)で3Mより販売されているものを含むアクリル接着剤が好適である。さらに、接着剤24は、水または典型的なカーペット洗剤に対して耐性があることが好ましいが、そうであることは必須ではない。剥離可能な接着剤を使用することも好ましい。
【0033】
全てのコネクター20の接着層24は、タイルの裏に良好に接着する必要がある。しかしながら必要であれば、タイルへの接着はコネクター20に対する、タイルを取り外すことおよび位置付けし直すことを防ぐ程に強くあるべきではない。タイルと接着剤の間の結合強度(すなわち、タイルの裏地層から接着層24を引き離すのに必要な力の量は、ASTM D−3330試験(一般的に「90度剥離試験」と称される)を使用して測定することができる)が強すぎる場合、接着層24はフィルムから剥がれてタイルに残留し、それによりコネクターを壊すであろう。従って、接着層24とタイルとの間の結合強度は、接着層24とフィルム22との間の結合強度よりも強くするべきではない。
【0034】
結合強度は好ましくは、室温で、5〜100オンス/インチ(約5〜112kg重/m)の範囲である。好ましい結合強度は、タイルの裏地層に応じて決めてよい。例えば、接着剤と堅裏地のタイル(例えば、PVC、ポリウレタン、またはポリオレフィンから作られたものなど)との間の結合強度は、好ましくは約50〜70オンス/インチ(約55〜78kg重/m)である。接着剤と織物調の裏地層(例えば、織られたポリオレフィンまたはフェルトの裏地層など)を有するタイルとの間の結合強度は、好ましくは約10〜60オンス/インチ(約11〜67kg重/m)である。さらに、接着剤とクッション裏地のタイルとの間の結合強度は、好ましくは約40〜60オンス/インチ(約44〜67kg重/m)であり、接着剤とビチューメン裏地のタイルとの間の結合強度は、好ましくは約10〜20オンス/インチ(約11〜22kg重/m)である。高温でのタイルと接着剤の間の結合強度は、室温での結合強度の±15%内に留まることが好ましい。
【0035】
各コネクター20に施された接着剤の量(すなわち、接着層の厚さ)は、コネクター20と共に使用されるタイルだけでなく、コネクター20の寸法に応じて決めることができる。しかしながら、接着剤の量は上述された結合強度を達成することを可能にすべきであるが、コネクターがタイルの裏面に十分に接触および係合して、接着剤の量は、接着剤がコネクター20およびタイルの接触面を超えて移動し、その下の床に接触するほど多くないことが好ましい。このように、床カバー材設置体はその下の床に対して固定されない状態を保つので、モジュラ型ユニットを最終的に取り外す場合にそれを促進するであろう。約0.0005〜0.010インチ(約0.0013〜0.025cm)の厚さの接着剤、より好ましくは約0.002〜0.008インチ(約0.005〜0.020cm)の厚さの接着剤を有するコネクター20は、ほとんどの用途に好適であることが見出されている。
【0036】
織られたまたは編まれた織物調の裏地層を有するタイルの場合、典型的にはより多くの接着剤が裏地層に形成された空隙(穴)に浸透する必要があり、それによりタイルと接着剤の間に十分な界面接触をもたらす。厚さ約0.005〜0.008インチ(約0.013〜0.020cm)の接着層24を有するコネクターが、織物調の裏地層を有するタイルに対して好ましい。堅裏地のタイルなどの比較的平坦または浅くエンボス加工された裏地層面を有するタイルの場合、より少ない接着剤、好ましくは0.002〜0.003インチ(約0.005〜0.008cm)の範囲内の厚さを有する接着剤を使用してもよい。
【0037】
コネクターでの使用が意図されている全ての接着剤は、さらにコネクターに対してタイルがまたはタイルが互いに対して動いてしまい、それにより設置後に隣接するタイル間に隙間が創出されることを防ぐだけの十分な剪断強度を有することが必要である。
【0038】
図面には示されていないが、コネクター20にロゴまたは他のデザイン要素を与えることが可能である。例えば、接着剤が塗布されるフィルムの側にロゴをインクで付けてもよい。この様に、典型的には高いVOC含有量を有するインクは、フィルムと接着剤との間に閉じ込められ、インクからの望ましくない放出を防ぐ。さらに、コネクターを剥離紙上に位置付ける時に、ロゴもフィルムにより保護される。これにより、ロゴがコネクターから偶発的に引っかき落とされるか取り外されることが防がれる。
【0039】
タイルの設置を容易にするための位置合わせ用の印(図面に示されず)をコネクターに印刷または施すことが有用であり得る。従って設置者にとって必要なことは、印のあるタイルの縁(またはタイルの他の部分)を整合して、隣接するタイル間で確実にコネクターを最適に配置することだけとなる。タイルがコネクターのどこに配置されるかを、設置者に伝える印は任意のものを使用できる。例えば、コネクターには、十字形、コネクターの縁に並行かつ横断する境界線、点、ブロック等を施すことができる。さらに、コネクターの異なる部分に色を付けること(コネクターを4分の1に分割して、各4分の1に異なる色を付けることなど)、適切なカーペットタイルの位置付けを示すことができる。
【0040】
剥離層26は、剥離層26が接着剤に接着せず、コネクターから剥離層26が取り除かれることを防ぐような接着剤に適合可能な任意の材料にし得る。その少なくとも一面に、ポリマーコーティング(例えば、高分子シリコーン)などの低エネルギーコーティングを有するクラフトペーパーが、本出願に特に好適であることが見出されている。しかしながら、本発明の使用に好適な剥離材料は、3Mなどより広く市販されており、当業者に容易に知られている。
【0041】
コネクター20は好ましくは、設置に使用されるために所望の形状および寸法に全部または部分的にすでに切断されている個別のユニットとして設置場所に提供される。各コネクター20は別々に製造されてもよいが、製造の経済的意義は、意図されたコネクターの寸法よりも大きいフィルム22、接着層24、剥離層26のサンドイッチ構造を最初に製造し、次いでそのサンドイッチ構造からコネクター20を切り取ることにより達成されてもよい。接着層24は所望のフィルム22上に塗布され、その後剥離層26が接着層24に接触して位置付けられてサンドイッチ構造を形成する。別の製造実施形態においては、最初に接着層24が剥離層26に塗布されて、その後フィルム22が剥離層26上に位置付けられてサンドイッチ構造を形成する。
【0042】
得られたサンドイッチ構造は次いで所望の形状および寸法のコネクター20に切り取られてよいことは明らかである。しかしながら、多くのコネクター20が単一の剥離層26に与えられるのが好ましい。例えば、予め多く切り取られるか又はミシン目をいれられたコネクター20は、剥離層26のストリップに沿って連続して位置付けられてよい。取扱いと保存を容易にするために、コネクターがロールの外側(図2を参照)または内側に位置付けられるか、あるいは連続したコネクター20がアコーディオン状に折りたたまれるように、このストリップを巻き取ることができる。さらに、多くのコネクター20が剥離層26のシートに与えられ得る。フィルム22はミシン目28(図3を参照)をつけられるか、あるいは設置中に剥離層26(図示せず)から取り外すことを容易にするために所望のコネクターの形状および寸法に完全に切り取られてよい。剥離材料のストリップまたはシートに提供されるコネクター20の理想的な数は、設置規模によって変わることは明らかであろう。
【0043】
剥離材料のストリップまたはシートにコネクター20を提供することは、剥離層26からコネクター20を取り外すことを容易にし、従って設置時間を削減することが見出されている。剥離材料のストリップに提供されたコネクター20に関して(図2に示されるように)、設置もまたコネクターディスペンサーの使用を介して迅速に進めることができる。このディスペンサーは、少なくとも一つの巻き上げられたまたはアコーディオン状に折りたたまれたコネクター20のストリップを保持し、さらに好ましくは剥離層26からコネクター20を引き離す仕組みを提供する。ディスペンサーは、例えばバックパックとして作られるか、あるいは設置者のベルトに取り付けられるように形造られてよく、好ましくは少なくとも一つの(および好ましくはさらに多い)コネクター20のロールを支える構造を含む。
【0044】
このようなディスペンサーの一実施形態において(図4を参照)、コネクター20を担持する剥離材料のロールは、例えば、プラスチック、金属、またはボール紙などの任意の十分に堅い材料から作られる箱30に収納される。箱は好ましくは3つの開口部32、34、36を含み、これを通して剥離材料のストリップが送られる。剥離材料のストリップは第1の開口部32を通って送られ、その開口が突起部38に位置付けられている。剥離材料は次いで第2開口部34を通って箱30の中に送られて戻り、第3開口部36から出ていく。使用時に、設置者は第3開口部36から延在している剥離材料のストリップを引っ張る。これによって、コネクター20を担持する剥離層26のロールの部分を前進させる。剥離層26が突起38を超えて延在すると、比較的硬いコネクター20は突起38の形状に適合できず、突起38を超えて進むことができない。その代わりにコネクターの前進端が剥離層26から外れると、その後、設置者は外れた前進端を容易に握って、コネクター20を完全に剥離層26から取り外すことができる。明らかに、ディスペンサーが支えられるコネクターが多くなるほど、設置者が設置中にディスペンサーを再装填しなければならない回数はより少なくなる。これは大がかりな設置中に特に有用となる可能性がある。
【0045】
このようなディスペンサーの別の実施形態において(図10〜13を参照)、ディスペンサー70は剥離材料74のロール上でコネクターを保持する筺体72を含む。アクチュエーター76は、上位置又は開始位置からスロット78の経路に沿って下に動かされて、筺体において剥離材料74のロールから単一のコネクターの剥離を引き起こす。ディスペンサー70は、ユーザーのコネクターの接着剤側への接触を制限するように、剥離材料からコネクターを引き離して個別のコネクターをすぐに掴めるような形態で作り出す。具体的には、スロット78に沿ってアクチュエーター76が動かされた後に、筺体72はコネクターをユーザーの手の最終的な位置に近い位置で差し出してコネクターの剥離を引き起こすための開口部80を有する。このように、アクチュエーター76を開始位置からスロット78の線状の経路沿いに最終位置へと動かすと、個別のコネクターが剥離材料から剥離(または部分的に剥離)されて、開口部80を通ってユーザーが手で握るのに便利な位置で、ユーザーへ差し出される。ユーザーが一旦アクチュエーター76から手を離すと、アクチュエーター76はスロット78の上部の開始位置に戻る。アクチュエーター76の開始位置を、ユーザーにとって便利な位置に位置付けて、ディスペンサー70をユーザーの体に取り付ける時にアクチュエーター76をユーザーの手に便利なように位置付けられてユーザーがアクチュエーター76を握って動かすのに必要な動きの量が制限されるようにすることが好ましい。
【0046】
ディスペンサー70は、ベルトループ82を用いて設置者のベルトに取り付けられてよく、かつストラップ(図示せず)を用いて筺体72に取り付けられた脚取付部86の開口部84を通してディスペンサーを設置者の足に取り付けられてもよい。脚取付部86は曲線形状を有し、比較的柔軟な材料(例えばゴム)で形成されているので、開口部84を通ったストラップで設置者の足の周りを堅く締めると、脚取付部86は脚と筺体72の間の脚の形状に適合するクッションを形成する。あるいは、脚取付部86および筺体72は一体化してもよい。ディスペンサーは、ディスペンサーをユーザーに取り付けるための多様な取付け部材(例えば、ベルトループ、ストラップの開口部、ストラップ、クリップ等)を有してよい。
【0047】
図11はコネクターディスペンサー70の分解斜視図である。回転鎖90を備える駆動部品群88は、巻き取りローラー96を駆動する駆動部材(図14〜15に示される)およびメーターローラー98を駆動する駆動部材(同様に図14〜15に示される)に取り付けられる。これらのローラー96、98もまた巻き取り棒92およびメーターローラー棒94に取り付けられて、上でそれぞれ回転する。これらの棒の一つまたは両方が、ラチェットスリップクラッチを使用して、棒の一方を他方に対して乗り超えさせてよい。組み立て時および使用時に、アクチュエーター76がスロット78に沿って動くと、駆動部品群88の回転鎖90が回転し、巻き取りローラー96およびメーターローラー98を回転させる。これによって剥離層104がピン116の周りを進むので、比較的柔軟な剥離材料がピン116の曲線の周りで曲がるようになり、比較的堅いコネクターが剥離材料から剥離されて開口部80を通って突き出される。張力装置又はキャプスタン組み立て品(アセンブリ)102は、組み立て時にメーターローラー98に隣接するようにはめ込まれる。張力装置102はメーターローラー98に対して付勢するように設計されたローラーを搭載した一対のばねであり、使用時に剥離材料104がメーターローラー98に対してぴんと張るように保つ。
【0048】
剥離材料74のロールは、剥離材料104が先端部108へ延在している状態で、スピンドルまたはペグ106上に取り付けられる。ディスペンサーを組立てる時、剥離材料74のロールの装填は、ペグ106上にロール74をはめ込むこと、および巻き取りローラー96に取り付けられた先端部108で終わるディスペンサー70を通って適切な経路に剥離材料104を送ることにより行われる。先端108の巻き取りローラー96への取付は、巻き取りローラー96のスロット110に先端108を挿入することにより、先端108上の接着剤を用いて先端108を巻き取りローラー96の周辺に取り付けること、又は他の任意の好適な技術によって行い得る。
【0049】
ロール74がディスペンサー70内に適切にはめ込まれると、ロール74上の最初のコネクターは差し出される準備ができていてよい。先端部108が巻き取りローラー96のスロット110にはめ込まれた時に最初のコネクターが適切な位置にあるように、最初のコネクターは先端部108から所定の距離だけ間隔をおいて配置されてよい。言い換えれば、最初のコネクターは、所定の長さの部分の先端引き出しおよび先端部108に続いて剥離材料に位置付けられる。その後に続くコネクターはロール74の残りの部分にわたって剥離材料104に沿って間隔をおいて配置される。多くの場合、コネクター間の剥離材料のストリップに沿った距離は、コネクターの間で比較的一定となるであろう。
【0050】
アクチュエーター76が最初のコネクターを開口部80から差し出させた後、次のコネクターが差し出される準備がされるように剥離材料104は前進している。従って、アクチュエーター76の動きによって通常、次のコネクターが適切な位置に差し出されるように押し出す一枚のコネクターの長さよりもわずかに多く剥離材料104が前進させられるであろうため、ディスペンサー70は自己整合している。調整ネジ112によりユーザーは微調整を行うことによるか又は他の方法で、アクチュエーターの第1の位置を調節して、アクチュエーターの動く距離を延長または短縮することができる。この変化は、アクチュエーターが当初の位置から最終位置へと動いた時の、剥離材料104の経路に沿う動きの変化量に反映される。
【0051】
図13はカバーを外した状態のコネクターディスペンサー70の側面図であり、さらに剥離材料104の経路を示すものである。図示されるように、剥離材料104の経路はロール74において始まり、曲面部分114に沿って開口部80近くに位置付けられた自由回転するロッド116の周りの急カーブまで延在して、メーターローラー98と張力装置102の間で延在して巻き取りローラー96の周囲に至る。使用時に、アクチュエーター76が動きによって、巻き取りローラー96とメーターローラー98の両方が所定量回転する。この回転により、剥離層104が上述の経路に沿って所定の距離を進む。一般的に、剥離材料は、剥離材料104上のコネクターが剥離材料104から外れるか、または部分的に外れて、ユーザーが握って使用するための開口部80から突出するように、十分な距離を進むであろう。
【0052】
図12はカバーが付いた状態のコネクターディスペンサー74の側面図である。一般に、ディスペンサーの筺体は、剥離材料上のコネクターのロールを装填または取り外すために筺体を開けさせる2つの部分を有するであろう。2つの部分はヒンジで互いに連結されてよく、かつクラムシェルの形態に開いてよい。ラッチ118が、筺体72の2つの部分を一緒に固定して、必要な時にユーザーがディスペンサー70を素早くかつ容易に再充填することを可能にする。ラッチの位置付けはまた、ユーザーの身体上の位置からディスペンサー70を取り外すことなく、ユーザーがディスペンサー70を再充填することを可能にする。
【0053】
図14および図15はコネクターディスペンサー70の駆動部品群88を示す。ディスペンサーの76のアクチュエーターは、駆動部品群88内の鎖90の連結部に取り付けられると、スロット78の経路に沿ったアクチュエーター76の動きが、鎖90を駆動部品群88内でその経路に沿って回転させる。鎖90を回転することにより、メーターローラー駆動部材118および巻き上げロール駆動部材120の回転が引き起こされる。上述したように、駆動部材118、120およびそれと関連する駆動ローラー96、98の回転は、ディスペンサー70内の剥離材料104の動きを引き起こす。駆動部材の一つまたは両方は、ラチェットする部材を利用して、駆動部材が一方向のみに、すなわちディスペンサー70内の剥離材料104のその経路に沿った前方への動きに対応する方向のみに確実に回転するようにする。駆動部材118、120は、任意の好適な方法で、ローラー96、98にそれぞれ取り付けられてもよい。例えば、駆動部材は、ローラー上の12ポイントの6角形のソケットと結合する6ポイントの6角形のプロフィールを有してよい。6ポイントから12ポイントの連結は、組み立て中にまたは再充填後にディスペンサー70のカバーを位置付けし直す際に、これらの部品を一緒に位置調整させることを容易にする。
【0054】
また、アクチュエーターの動きと共に鎖が動くと、ばね駆動部材122が回転してばねケーシング100内部のばね(図示せず)をコイルさせ、エネルギーを保持する。ユーザーがアクチュエーター76を開始位置から終止位置まで移動させて、アクチュエーターから手を離すと、ばねが伸びて鎖90を反対方向に回転させ、これにより取り付けられたアクチュエーター76が経路(スロット)78に沿って開始位置に戻される。張力装置124は駆動部品群88内のその経路に鎖90を固定している。ケーシング126に駆動部品群88の内部部品を入れる。
【0055】
いくつかの代替的なディスペンサーの設計が可能である。例えば、ディスペンサーは様々な位置に取り付けるために変更を加えてもよい。ユーザーのベルトおよび足に取り付けることに加えて、ディスペンサーをユーザーのひざの間にストラップで取り付けてもよく、ユーザーの腕または手首に取り付けてもよく、バックパックとして身につけてもよく、ユーザーの肩にかけてもよく、あるいはユーザーの身体の任意の好適な部分に固着し、取り付け、つるし、または接触させてもよい。典型的には、ディスペンサーは、ユーザーがディスペンスされるコネクターにアクセスするのに便利な位置におかれるであろう。
【0056】
あるいは、ディスペンサーはユーザーの身体から離して使用してもよい。例えば、ディスペンサーは床材の上に乗せてもよく、あるいはユーザーがひざをつくひざつき台に取り付けてもよい。ディスペンサーは天井または壁から吊下げてもよく、あるいはジップラインに取り付けてもよい。ディスペンサーはまた、ディスペンサーが出荷されるパッケージの一部であってよく、またはディスペンサーが出荷されるパッケージのいくつかまたは全てを含んでもよい。他の代替物として、ディスペンサーは1つより多くのコネクターを同時にディスペンスしてもよく、または連結されたディスペンサーの格子(グリッド)をディスペンスしてもよい。
【0057】
剥離材料からのコネクターの剥離はまた、上述されたこれらの手段とは別の代替手段により達成してもよい。急カーブ周りの剥離材料を通過させることにより剥離させることに加えて、様々な他のメカニズムが考えられる。例えば、ユーザーがコネクターをつかみ、剥離材料からコネクターを取り外すことにより剥離してもよい。このような場合、ディスペンサーは、ユーザーが取り外すためにコネクターが付着された剥離材料をディスペンスしてもよい。例えば、ディスペンサーは、扇状に折りたたまれた剥離材料の束であって、折り曲げられた部分の各々に一つのコネクターを有する剥離材料の束を含んでもよい。そのようなディスペンサーの開口部は、ユーザーがコネクターを取り囲む剥離材料をつかんで取り外し次いでコネクターを取り外して剥離材料を捨てることを可能にする。
【0058】
別の例として、ディスペンサーは剥離材料がないコネクターの連続ロールを有してもよい。そのようなディスペンサーは、個別のコネクターとして使用されるために、所定量またはユーザーが決めた量のコネクターロールを切り取る開口部の近くに切り取り部材を有してもよい。裏地層としての剥離材料なしにロールにされたコネクターのロールの裏地層は、剥離コーティングを有してもよい。
【0059】
別の例として、コネクターはディスペンサー内に個々に積み重ねられて、各コネクターはその接着面の全てまたは一部をカバーする剥離材料を有し、これにより束においてコネクターの各々が他のコネクターに貼り付くことはないようにしてもよい。剥離材料はその上に弱い接着剤を有し、束において隣接するコネクターが束において結合される(すなわち、弱い接着剤が隣接するタイルの非接着面に取り外し可能に貼り付く)。
【0060】
さらに代替的に、コネクターはディスペンサー内に束として積み重ねられて、各コネクターの接着面が隣接するコネクターに付着されるようにしてもよい。例えば、アクリル、ポリオレフィン、ポリアミド、またはポリエステルなどのシリコーン処理または高分子フロリン処理された剥離コーティングを、各タイルの非接着面に塗布して、隣接するタイルの接着面が非接着面に取り外し可能に付着されてもよい。
【0061】
コネクターの束をディスペンサーと共にまたはディスペンサーなしで使用してもよい。いくつかの場合において、設置者がコネクターの束を単に持って、使用するために1回に一つのコネクターを取り外すのに便利であってよい。束におけるコネクターは、上述したような様々な方法で付着してもよい。
【0062】
本発明のディスペンサーはまた、ユーザーがコネクターに触れることなく、カーペットタイルに直接コネクターをディスペンスするように配置してもよい。例えば、ディスペンサーはカーペットタイルの角が配置され得る角を有してもよい。カーペットタイルが配置されると、タイル角にコネクターをディスペンスするためにディスペンサーはユーザーにより駆動されるか、あるいはタイルの存在を自動的に検知することにより自動的に駆動される。同様の設計を用いてコネクターを直接カーペットタイルの縁(角ではなく)に付着してもよい。あるいは、ディスペンサーはカーペットタイルが床材に置かれるとカーペットタイルの角の下でロールする(転がる)ように設計してもよい。適切な位置になると、ディスペンサーはコネクターをカーペットタイルに直接ディスペンスする。このローリングの動きはまた、ディスペンサーにコネクターを押し出させてよい。
【0063】
本発明のディスペンサーはまた、コネクターを保持する剥離材料を様々な方法で進ませるために構成されてよい。ユーザーが制御するアクチュエーターに加えて、剥離材料の前進は、ユーザーが剥離材料で引っ張ること、ユーザーがコネクターで引っ張ること、電気モーター、ユーザーの動作(例えば、ユーザーがひざつき台で左右にゆらすこと)、または他の任意の好適な技術または装置により制御されてよい。
【0064】
本発明のディスペンサーは典型的には、ユーザーまたはカーペットタイルの設置者に便利な方位にコネクターをディスペンスするであろうが、いつもそうでなくてもよい。好ましくは、ユーザーがコネクターを適用または位置付ける前に、それを裏返すかまたは回転させる必要がないように、コネクターはコネクターの接着面を上に向けてディスペンスされるであろう。ディスペンサーはまた、剥離材料上に残っているコネクターの数を追跡記録し表示するためのカウンターおよびディスプレイを備えてよい。ディスペンサーは、内部に保持されている残りのコネクターをユーザーが見ることができるように、開口部を備えてもよい。
【0065】
本発明の別の実施形態では、剥離材料26は完全に省略されてもよい。むしろ、コネクター20は、あるコネクター20の接着層24が、束においてそのコネクターの上に位置付けられているコネクター20のフィルム22に接触している状態で互いの上に積み重ねることができる。次いで設置者は、設置中に束からコネクター20を単に剥がす。
【0066】
コネクターを使用するタイルの一設置法において、第1のタイルが従来のタイル設置法により決められた位置で床の上に配置される。コネクター20を剥離層26から(またはコネクター20の束から)剥がして、接着層24がその下の床から見て上向きになるように配置される。接着層24の一部分のみがタイルの裏面に接着するように、コネクター20を位置付けて、コネクター20の残りの部分がタイルの裏面から延在するようにしておく。次いで一枚のタイルまたは複数枚のタイルを、コネクター20の一部分が隣接するタイルに接着するように第1のタイルに隣接して位置付ける。このように、コネクターは隣接するタイルの隣接する縁にかけ渡される。
【0067】
任意の数のコネクター20を設置体において隣接するタイルを結合するために使用してもよい。しかしながら、安定した床カバー材を創出するために、コネクターを隣接するタイルの縁全体に沿って位置付ける必要もないし、隣接するタイルの縁全てにわたって位置付ける必要もない。むしろ、隣接するタイルを固定するために隣接するタイルの縁全体に沿って使用されている接着テープとは異なり、本発明のコネクター20は、隣接する縁の非常に限定された長さに沿って延在するだけでよい。例えば、隣接するタイルの縁の5%〜10%のみがコネクター20で固定される床カバー材設置体のタイルは、歩行者通行量、圧延通行量、および洗浄中と保守中にかけられる圧力にさらされる時に、設置中に相対的な位置を保持する能力だけでなく、平面安定性(タイルのへこみおよび/または丸まりにより測定される)、および寸法安定性(タイルの歪曲により測定される)をも示すことが見出された。
【0068】
図5はタイルの従来設置(すなわち、整合されるように行と列に設置する)の一実施形態を示す。説明を簡潔にするために、コネクターの位置付けを、図6にて整列されて示されているように、4枚のタイル41〜44の基本ユニット40について述べる。タイル41〜44は好ましくはこれらが交差する角で中央コネクター46を用いて結合される。さらに、各タイルの中央コネクター46から対角線上の角はまた、コネクター20を用いて隣接するタイルにも結合される。このように、全部で2枚のみのタイルコネクター(中央コネクター46と4つの対角線上の各タイル角におけるコネクターの4分の1を合わせて)を、4枚のタイル41〜44の基本ユニットを設置するために使用するだけでよい。これをさらに分解すると、各4枚のタイル41〜44は、平均して、コネクターの表面積の2分の1のみからのその安定性を得る。
【0069】
図7は煉瓦積み設置(または図7のアシュラー設置を90度回転させた場合)における可能なコネクターの配置を示す。説明を簡潔にするために、コネクター20の好ましい位置付けを、図8にて整列されて示されているように、4枚のタイル61〜64の基本ユニット60について述べる。タイル41〜44と同様に、全部で2枚のみのタイルコネクター(各タイルについて1/2のコネクター)を4枚のタイル61〜64の基本ユニット60を設置するために使用するだけでよい。
【0070】
図5〜8は、タイルを設置するための無数のコネクター配置のいくつかの可能性を示す。コネクター20は隣接するタイル間の任意の位置に位置付けしてもよく、従って設置体における任意のタイルを、わずか1枚のコネクターの一部およびタイルの寸法およびコネクター20の寸法からできるだけ多くのコネクターに接触させてもよい。交差しているタイルの角での配置に加えて、コネクター20を2枚のみのタイルの隣接する縁にかけ渡されるように位置付けてもよい。さらに、異なる形状のまたは寸法のコネクター20を単独の設置で使用してもよい。例えば、図5に示される矩形のコネクターに加えて、三角形のコネクターは設置の境界、例えばタイルが壁に接触する箇所などにおいて有用にし得る。
【0071】
コネクター20を現場で配置することに加えて、製造中にタイルの所望の場所でコネクター20を予め位置付けることも可能である。例えば、コネクター20の剥離材料26にミシン目をいれてもよい。従って、製造中に、剥離材料26の一部分を、接着層24の一部分を露出させるためにミシン目に沿って取り除くことができる。コネクター20のその部分を、次いで上述したタイル50の縁の裏面に接着させることができる(図9を参照)。コネクター20の残りの部分の接着剤は、残りの剥離材料26により引き続き保護される。タイル50から延在するコネクター20が、出荷するためのタイル50の包装の妨げになることを防ぐために、コネクター20を(方向Aにおいて)ミシン目の裏面に沿ってコネクター20を曲げて、コネクター20の裏面がそれ自身とぴったり重なるようにすることが好ましい。設置中に、設置者は、上述したようにタイル50の縁からコネクター20を延ばし、残りの剥離材料26を取り外し、そしてタイル50を設置することのみ必要である。
【0072】
タイルが床材に固着されていないので、タイルをその下の床の表面に直接配置する必要はない。むしろ、本発明のコネクター20は、タイルと床材の間に位置付けられた中間基材に位置付けられているタイルとも同じように良好に働く。例えば、プラスチックシートなどのバリア材を、タイル設置に先立って床材に位置付けてもよい。プラスチックシートは、タイルの継ぎ目を通ってもれてタイルにこぼれた液体により引き起こされ得るようなダメージから床材を保護するのに役立つことができるし、また既存の床材に存在する湿気の障壁として役立ち、従ってシーラントおよびバリアコーティングが必要でなくなる。さらに、クッションまたは発泡パッドをも、タイル設置前に床材に位置付けてもよい。クッションは足元を快適にし、クッション裏地のカーペットタイルを使用する必要もなくなる。その代わりに、堅裏地のタイルを単にその下のクッションパッドに設置することができる。
【0073】
本発明のコネクターは現行のタイル設置システムおよび方法を改良している。コネクターは伝統的な設置システムよりも少ない材料そしてより安い材料を使用する。さらに、コネクターの使用によって、設置に先立って床材を前処理することが不要になるので(接着システムの60%ほどの時間で)それによってタイル設置時間が大幅に削減される。設置者が接着剤の層を床材に塗布し、次いでタイルを接着層に位置付けるために塗布時の自分の歩みを再びなぞるのではなく、設置者はコネクターを用いて進むままに位置付けて固定する。さらに、コネクターで剥離可能な接着剤が使用されておりかつコネクターに接触するタイルの表面積が限定されていれば、タイルは必要であれば容易に位置付けし直すことができる。またさらに、タイルがその下の床と接触しないので、タイルは床材から容易に取り外し可能となり且つ取り外し時にその下の床を初期の状態にすることが可能となる。その結果、床材は別の床カバー材で新たに覆われる前に再仕上げをする必要がない。
【0074】
上述した実施形態は例示的なものであり、限定的なものではない。図面に例示されている構造および上述した材料の多くの変形が可能であり、そのような変形は請求項に定義されている本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明のコネクターおよび剥離層の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明のコネクターおよび剥離層の別の実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明のコネクターのさらに別の実施例を示す上面図である。
【図4】本発明のコネクターディスペンサーの一実施形態を示す概略図である。
【図5】本発明に従うタイル設置を示す底面図である。
【図6】図5のタイルの小グループを示す底面図である。
【図7】本発明に従う別のタイル設置を示す底面図である。
【図8】図7のタイルの部分集合を示す底面図である。
【図9】タイルの縁に付着された本発明のコネクターの実施形態を示す側面斜視図である。
【図10】コネクターディスペンサーの斜視図である。
【図11】図10のコネクターディスペンサーの分解斜視図である。
【図12】図10のコネクターディスペンサーの側面図である。
【図13】図10のコネクターディスペンサーの筺体のフロントカバーが取り外された側面図である。
【図14】図10のコネクターディスペンサーの駆動部品群の側面図である。
【図15】図10のコネクターディスペンサーの駆動部品群の前面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ裏面を有するモジュラ型タイルを床の表面に固着することなく、床の表面上にモジュラ型タイルを設置するためのシステムであって、
a.コネクターであって、各々は(i)フィルムと、(ii)前記フィルムの一面に配置された剥離可能な接着剤の層と、を含み、コネクターは、隣接するタイルの隣接する縁にかけ渡されて接着剤の層が隣接するタイルの各々の裏面に接触する時に、接着剤の層が隣接するタイルの縁の一部分のみに沿って延在しつつ隣接するタイル間の相対的な動きを防止するように、該接着剤の層がタイルの裏面との間に結合を形成することが可能であるコネクターと、
b.剥離層のストリップであって、該剥離層のストリップの上には複数のコネクターの各々の接着剤の層が、剥離層と複数のコネクターの各々のフィルムとの間に位置するように複数のコネクターが位置付けられており、複数の個別のコネクターはそれぞれが剥離層から別々に取り外されるように適合されている、剥離層のストリップと、
c.コネクターディスペンサーであって、
(i)剥離層のストリップ用の筺体と、
(ii)少なくとも部分的に筺体の外側に突出する突起であって、剥離層が突起を超えて引っ張られる時、少なくともコネクターの一部分が少なくとも部分的に剥離層から引き離される突起とを含むコネクターディスペンサーと、を備えるモジュラ型タイルの設置システム。
【請求項2】
剥離層のストリップは巻かれている請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
接着層は剥離可能な接着剤を含む請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
接着剤の層とタイルの裏面との間の結合が断たれた後に、コネクターはタイルの裏面と再結合可能である請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
フィルムと接着層との間に下塗りコートをさらに備える請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
コネクターをユーザーに提供するためのディスペンサーであって、筐体を含み、該筺体はコネクターがディスペンサーから出ていくための開口部を有し、
各コネクターはフィルムと、該フィルムの一面に位置付けられた接着剤の層とを含み、コネクターは、隣接するタイルの隣接する縁にかけ渡されて接着剤の層が隣接するタイルの各々の裏面に接触する時に、接着剤の層が隣接するタイルの縁の一部分のみに沿って延在しつつ隣接するタイル間の相対的な動きを防止するように、該接着剤の層がタイルの裏面との間に結合を形成することが可能であるディスペンサー。
【請求項7】
剥離材料からのコネクターの剥離を制御するアクチュエーターをさらに備え、該アクチュエーターの動きによってコネクターが剥離材料から剥離され、開口部を通ってユーザーに差し出される、請求項6に記載のディスペンサー。
【請求項8】
アクチュエーターが開始位置から、筺体の側面に沿った線状の経路に沿って最終位置まで可動である請求項7に記載のディスペンサー。
【請求項9】
アクチュエーターの開始位置がユーザーの手が置かれる位置の近くに位置している請求項7または請求項8に記載のディスペンサー。
【請求項10】
アクチュエーターの最終位置が開口部の近くに位置している請求項7〜9のうちのいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項11】
コネクターは剥離材料に付着している請求項6〜10のうちのいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項12】
ベルトループをさらに備える請求項6〜11のうちのいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項13】
ユーザーの一部分に巻き付くためのストラップをさらに備える請求項6〜12のうちのいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項14】
床材の表面上のカーペットの設置中にコネクターをカーペット設置者にディスペンスする方法であって、
複数のコネクターを有する剥離材料を含み且つ剥離材料からのコネクターの剥離およびディスペンサーの開口部を通してのコネクターの剥離を制御するアクチュエーターを有するディスペンサーを提供することと、
ディスペンサーをカーペット設置者に取り付けることと、
アクチュエーターを動かして、剥離材料からコネクターを剥離させ、開口部を通してユーザーに差し出させることと、
開口部におけるコネクターが差し出される位置から該コネクターをつかむことと、
コネクターをカーペットの裏面に付着することと、を含む方法。
【請求項15】
それぞれ裏面を有するモジュラ型タイルを床の表面に固着することなく、床の表面上にモジュラ型タイルを設置するためのコネクターの束であって、
少なくとも第1のコネクターと第2のコネクターとを含み、該第1及び第2のコネクターは各々が接着剤の層を有する接着面と、該接着面と反対側の面とを有するフィルムを含み、コネクターは、隣接するタイルの隣接する縁にかけ渡されて接着剤の層が隣接するタイルの各々の裏面に接触する時に、接着剤の層が隣接するタイルの縁の一部分のみに沿って延在しつつ隣接するタイル間の相対的な動きを防止するように、該接着剤の層がタイルの裏面との間に結合を形成することが可能であり、
第1のコネクターおよび第2のコネクターは互いに剥離可能に付着しているコネクターの束。
【請求項16】
束はディスペンサー中にある請求項15に記載のコネクターの束。
【請求項17】
第1のコネクターおよび第2のコネクターは互いに隣接し、かつ同様の方向に方位付けられ、第1のコネクターの接着層が第2のコネクターの反対側面に付着している請求項15または請求項16に記載のコネクターの束。
【請求項18】
第2のコネクターの反対側面は剥離コーティングを備える請求項15〜17のうちのいずれか1項に記載のコネクターの束。
【請求項19】
第1のコネクターおよび第2のコネクターが互いに隣接しかつ同様の方向に方位付けられ、第1のコネクターの接着層が剥離材料に付着しておりかつ第2のコネクターの反対側面が剥離材料に付着している請求項15〜18のうちのいずれか1項に記載のコネクターの束。
【請求項20】
それぞれ裏面を有するモジュラ型タイルを床の表面に固着することなく、床の表面上にモジュラ型タイルを設置するための方法であって、
コネクターの束を提供することと、該コネクターの各々は接着剤の層を有する接着面と該接着面と反対側の面とを有するフィルムを含み、コネクターは、隣接するタイルの隣接する縁にかけ渡されて接着剤の層が隣接するタイルの各々の裏面に接触する時に、接着剤の層が隣接するタイルの縁の一部分のみに沿って延在しつつ隣接するタイル間の相対的な動きを防止するように、該接着剤の層がタイルの裏面との間に結合を形成することが可能であり、
コネクターの束からコネクターを取り外すことと、
一つのタイルの裏面にコネクターを付着することと、を備える方法。
【請求項21】
ディスペンサー中にコネクターの束を提供することをさらに備える請求項20に記載の方法。
【請求項22】
コネクターの束が、互いに隣接している第1のコネクターおよび第2のコネクターをさらに含み、第1のコネクターの接着層を第2のコネクターの反対側面に付着する請求項20または請求項21に記載の方法。
【請求項23】
第2のコネクターの反対側面は剥離コーティングを備える請求項22に記載の方法。
【請求項24】
コネクターの束は互いに隣接している第1のコネクターおよび第2のコネクターをさらに含み、第1のコネクターの接着層が剥離材料に付着しておりかつ第2のコネクターの反対側面が剥離材料に付着している請求項20または請求項21に記載の方法。
【請求項25】
それぞれ裏面を有するモジュラ型タイルを床の表面に固着することなく、床の表面上でモジュラ型タイルを結合するためのコネクターであって、
フィルムと、
前記フィルムの一面に配置された接着剤の層とを備え、該接着剤の層は水性接着剤を含み、コネクターは、隣接するタイルの隣接する縁にかけ渡されて接着剤の層が隣接するタイルの各々の裏面に接触する時に、接着剤の層が隣接するタイルの縁の一部分のみに沿って延在しつつ隣接するタイル間の相対的な動きを防止するように、該接着剤の層がタイルの裏面との間に結合を形成することが可能であるコネクター。
【請求項26】
接着剤の揮発性有機化合物の含有量が低い請求項25に記載のコネクター。
【請求項27】
接着剤は揮発性有機化合物を含有しない請求項25に記載のコネクター。
【請求項28】
接着剤は可塑剤耐性を有する請求項25に記載のコネクター。
【請求項29】
それぞれ裏面を有するモジュラ型タイルを床の表面に固着することなく、床の表面上でモジュラ型タイルを結合するためのコネクターであって、
フィルムと、
前記フィルムの一面に位置付けられた接着剤の層とを備え、該接着剤の層はアクリル系接着剤を含み、コネクターは、隣接するタイルの隣接する縁にかけ渡されて接着剤の層が隣接するタイルの各々の裏面に接触する時に、接着剤の層が隣接するタイルの縁の一部分のみに沿って延在しつつ隣接するタイル間の相対的な動きを防止するように、該接着剤の層がタイルの裏面との間に結合を形成することが可能であるコネクター。
【請求項30】
接着剤の揮発性有機化合物の含有量は低い請求項29に記載のコネクター。
【請求項31】
接着剤は揮発性有機化合物を含有しない請求項29に記載のコネクター。
【請求項32】
接着剤は可塑剤耐性を有する請求項29に記載のコネクター。
【請求項33】
接着剤は主にアクリレートターポリマーである請求項29に記載のコネクター。
【請求項34】
接着剤は粘着付与されたアクリレートコポリマーである請求項29に記載のコネクター。
【請求項35】
それぞれ裏面を有するモジュラ型タイルを床の表面に固着することなく、床の表面上にモジュラ型タイルを設置するためのコネクターであって、
a.フィルムと、
b.前記フィルムの一面に配置された接着剤の層と、コネクターは、隣接するタイルの隣接する縁にかけ渡されて接着剤の層が隣接するタイルの各々の裏面に接触する時に、接着剤の層が隣接するタイルの縁の一部分のみに沿って延在しつつ隣接するタイル間の相対的な動きを防止するように、該接着剤の層がタイルの裏面との間に結合を形成することが可能であり、
c.タイル設置を容易にする位置合わせ用の印と、を備えるコネクター。
【請求項36】
印は十字形である請求項35に記載のコネクター。
【請求項37】
印は線である請求項35に記載のコネクター。
【請求項38】
印は点である請求項35に記載のコネクター。
【請求項39】
印はブロックである請求項35に記載のコネクター。
【請求項40】
印は2色を含む請求項35に記載のコネクター。
【請求項41】
印はコネクターを四象限に分ける請求項35に記載のコネクター。
【請求項42】
四象限は2色を含む請求項41に記載のコネクター。
【請求項43】
床の表面上にモジュラ型タイルを設置する方法であって、
その一面に接着剤を伴うフィルムを備えたコネクターを提供することと、
第1のタイルを、第1のタイルの裏面が床表面に乗せられた状態で、床表面上の第1のタイルのための所望の設置位置近くに置くことと、
第1の手を用いて第1のタイルの一部分を持ち上げることと、
第2の手を用いて第1のタイルの一部分の裏面にコネクターを付着することと、それにおいてコネクターのフィルムの一面の上の接着剤は第1のタイルの一部分の裏面に接着し、コネクターの露出された部分がタイルの縁を超えて延在しており、
第2のタイルを、床表面上の、第1のタイルに隣接した第2のタイルのための所望の設置位置近くに且つコネクターの露出された部分の上に配置することと、を含むモジュラ型タイルの設置方法。
【請求項44】
ディスペンサーを使用してコネクターを提供することをさらに備える請求項43に記載の方法。
【請求項45】
接着面側を上に向けてコネクターを提供することをさらに備える請求項43または請求項44に記載の方法。
【請求項46】
床の表面上にタイルを設置するユーザーにコネクターを提供するためのディスペンサーであって、
コネクターがディスペンサーから出ていくための開口部を有する、コネクター用筺体と、
手の動きによって第1の位置から第2の位置まで作動されるアクチュエーターとを備え、第2の位置は第1の位置よりも床の表面上の所望の位置に近く、第2の位置は第1の位置よりも筺体の開口部に近い、ディスペンサー。
【請求項47】
開口部は、ユーザーの手の第2部分がアクチュエーターの第2の位置においてアクチュエーターに触れるのと同時に、ユーザーの手の第1部分が開口部に接触可能となるように、アクチュエーターの第2の位置から手の届く範囲内にある請求項46に記載のディスペンサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−94478(P2011−94478A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6501(P2011−6501)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【分割の表示】特願2007−537027(P2007−537027)の分割
【原出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【出願人】(500174395)インターフェイス,インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】