説明

床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法

【課題】天井高を高めるための消防用散水配管の施工法を提供する。
【解決手段】本発明の[床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法]は、消防セットの給水管が床スラブ内に埋設され、天井高のスペースがかからず、入居者に圧迫感を与えずすみ、また、本発明の施工法は、セーリングなどの内装、工事が不要で、内装費用が節約でき、その上、本発明の施工法は、スラブを取り外してから、すぐコンクリートに工事を行い、ペンキ塗りを行い、その後、スプリンクラーヘッドの交換が素早く行われるため、施工期間が有効に短縮されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消防用散水配管の施工法に関し、特に床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法に関する。
【背景技術】
【0002】
図10は、従来の露出配管の消防用散水設備の結構イメージであるが、それは床スラブ1の下に全ネジロッド2が設けられ、鉄リングで鉄製給水管3を吊り上げて、露出配管の消防用散水設備が形成され、それから、スプリンクラーヘッド5を露出させるために、セーリング4に孔を開けている。
【0003】
従来の構造は、施工中に多くの欠点があるが、消防用散水設備の給水管3は、床スラブ1全体の下に配置され、しかも、25〜30cmの施工スペースを保持する必要があるため、利用できる天井高が減少し、住居者に容易に圧迫感を与え、ユーザに好まれない方法といえる。例えば、本来の天井高が3.5メートルだったが、2.9メートルの高さしか残されず、そして、セーリングの内装を終えてから、天井高が2.8メートルだけになってしまう。
【0004】
その上、全ネジロッド2は、床スラブ内の事前埋設ネジにつながり、事前埋設ネジの工事では、一度の埋設工事の時間がかかり、スラブを取り外した後、また全ネジロッド2の接続を行い、鉄リングで給水管3を吊り上げるための工事作業を行うので、相当な時間がかかる。
【0005】
その上、鉄製給水管3の切断と配管の組立は、比較的不便なことであり、鉄製給水管3が重いほかに、工事者がソーイング機、ネジ切り機等設備で、給水管3を必要なサイズに切り取り、配管に接続するためのネジなどを作らなければならないので、工事が不便で、時間もかかる。
【0006】
全ネジロッド2と鉄リングで吊り上げた給水管3の構造においては、給水管3の構造が不安定している欠点がある。特に、配管の圧力を測定したとき、配管を揺れたりして、構造の強度にマイナスな影響を与える。
【0007】
更に、スラブを取り外した後、床スラブ1にコンクリート流し込み、ペンキ塗りをしてから、やっと消防用散水設備と水電配管工事を行うことができるが、しかし、そこで、ペンキ塗りが完了した床スラブに汚れなどを容易に残し、工事の紛争が起こりがちなため、工事内容に対応する施工タイムが必要となり、面倒になる。
【0008】
そのほか、床スラブ1の下に露出した消防用散水設備、乱れた給水管3は、見た目が悪く、風水もよくないため、通常、更に飾り用のセーリング4を増設する必要があり、それで、内装の費用が増加し、天井高が異なり、入居者に見えない圧迫感を与えてしまい、実用性に合わない産業利用の設計となり、それを改良しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の構造の欠点を鑑みて、本発明の発明者は、研究改良を行い、[床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法]を発明し、それにより上述した従来の構造の欠点をすべて解決する。
【0010】
すなわち、本発明の[床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法]の解決しようとする課題は、天井高を高めるための消防用散水配管の施工法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の[床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法]は、次の手順が含まれている。
1. 消防セットの組立:ジョイント接続ユニット、カバーとシールを順次に消防セットに組み合わせる。
2. 消防セットの固定:施工図に基づき、消防セットをスラブの上のプリセット位置に置き、カバーをスラブの上に固定してから、第一段鉄筋の配筋を進む。
3. 消防配管の接続:第一消防配管に接続するため、前記ジョイント接続ユニットに給水管を接続してから、第二段鉄筋の配筋を進める。
4. 床スラブへのコンクリート流し込み:スラブにコンクリートを流し、消防セットと消防配管をコンクリートの中に埋設する。
5. シールの取り外し:スラブを取り外し、床スラブのコンクリートに工事を行い、ペンキ塗りを行ってから、カバー内のシールを直接に取り除く。
6. スプリンクラーヘッドの組立:スプリンクラーヘッドをジョイント接続ユニットのつなぎ側につなげて、消防用散水配管の施工が完了。
【発明の効果】
【0012】
上述の内容により、本発明の長所が以下のようにまとめられる。
1.本発明の[床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法]では、消防セットの給水管が床スラブ内に埋設され、天井高のスペースがかからず、入居者に圧迫感を与えずにすむし、セーリング等の費用が不要で、不動産の購入意欲が高められ、産業利用性がある施工法である。
2.本発明の[床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法]では、コンクリートへの埋設時間だけがかかり、それが終わってから、スプリンクラーヘッドでシールの交換が素早く行われ、トリムパネルの設置、施工を終えるもので、従来の全ネジロッドと鉄リングで吊り上げた給水管の煩雑な施行法が避けられ、施工時間が有効に節約、給水管の位置を安定する効果がある。
3.本発明の[床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法]では、建築防火及び消防関連法規に適合し、床スラブの見た目がきれいになり、露出の乱れた給水管の配置構造が避けられ、スプリンクラーヘッドやトリムパネルの組立作業でも、ペンキ塗り済みの床スラブを汚さずにすむし、大変簡単な施工手順法である。
【0013】
その他の目的、長所及び本発明のオリジナル性は、以下の詳細な説明や関連の図面により詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の採用する技術手段及びその効果は、好適な実施例及び図面により詳しく後述するが、これらは説明のために用いられるものであり、特許申請上はこれらの構造に制限されないこととする。
【0015】
図1に示すように、本発明の消防用散水配管の施工法には、次の手順が含まれている。
【0016】
消防セットの組立:ジョイント接続ユニット12、カバー13とシール14を図2のように順次に消防セット10aに組み合わせる。
【0017】
前記ジョイント接続ユニット12には、前記シール14につながるためのつなぎ側121があり、前記カバー13は、シール14でジョイント接続ユニット12とシール14との間に固定され、前記カバー13の片側の周りに当接部131が設けられ、前記当接部131の上に位置固定孔132と位置固定フック133がある。
【0018】
消防セットの固定:施工図に基づき、消防セット10aをスラブ90の上のプリセット位置に置き、前記カバー13の当接部131がスラブ90の上に突き、前記カバー13の位置固定孔132に釘134を打ちいれ、図3のようにカバー13をスラブ90の上に固定し、そこで、前記カバー13により、前記ジョイント接続ユニット12のつなぎ側121の軸線方向とスラブ90とは垂直状態を保持することができ、角度の傾きなどを避け、第一段鉄筋92の配筋を進めることができる。
【0019】
消防配管の接続: 第一消防配管10bにつなげるために、前記ジョイント接続ユニット12上に給水管11を接続し、第二段鉄筋93の配筋を進め、その配筋作業を終えたら、消防配管10bを第二段鉄筋93に固定し、コンクリート流し込みの時、消防配管10bの位置が傾くことを避け、前記消防配管10bは給水管11をバンドで第二段鉄筋93に固定している。
【0020】
前記消防配管10bは、消防配管10bの圧力を測定するための末端が設けられ、加圧して測定結果の圧力は12kgの場合、前記消防配管10bが加圧測定に合格し、そこで、消防給水側に接続できる。
【0021】
前記給水管11とジョイント接続ユニット12との間は、粘着剤で相互に接着しており、本実施例では、前記給水管11とジョイント接続ユニット12は、塩素化塩化ビニル (Chlorinated polyvinyl chloride、CPVC) のようなコンクリートに腐食されない材料で作られたものであり、粘着剤も給水管11とジョイント接続ユニット12と同じ材質の塩素化塩化ビニルで作られたものであり、それで、前記給水管11とジョイント接続ユニット12は接着後、一体化し、接着したところは接着していないところより強度が1.5倍となる。
【0022】
床スラブへのコンクリート流し込み:スラブ90にコンクリート91を流し込み、消防セット10aと消防配管10bをコンクリート91の中に埋設し、図4のようにコンクリート91をカバー13の位置固定フック133へ流し込むようにし、コンクリート91の凝固した後、カバー13の位置固定フック133としっかりと結合し、スラブ90を取り外した時、カバー13の脱落が避けられる。
【0023】
シールの取り外し:スラブ90を取り外してから、床スラブのコンクリートに工事を行い、ペンキ塗りを行ってから、図5のように、カバー13内のシール14の直接に取り除くことができる。
【0024】
スプリンクラーヘッドの組立:スプリンクラーヘッド15をジョイント接続ユニット12のつなぎ側121につなげて、図6のように消防用散水配管10cの施工が完了。
【0025】
スプリンクラーヘッドの施工完了後、更に次の手順が進められる。
【0026】
トリムパネルの組立:図7、図8に示すように、トリムパネル16をスプリンクラーヘッド15に設けることにより、前記トリムパネル16で、前記カバー13の開放側が覆われ、見た目がよくなる。
【0027】
前述した消防用散水配管10cの施工法により、給水管が11床のスラブ内に埋設され、天井高のスペースがかからず、入居者に圧迫感を与えずにすむし、セーリング等の費用が不要で、不動産の購入意欲が高められ、産業利用性がある施工法である。
【0028】
そして、本発明の消防用散水配管10cの施工法では、コンクリート91に埋設後、スプリンクラーヘッド15でシール14の交換が素早く行われ、トリムパネル16を設け、施工を終えるための全施工時間は、従来の露出配管の場合の1/3だけであり、従来の全ネジロッドと鉄リングで吊り上げた給水管11の煩雑な施工法が避けられ、施工時間が有効に節約、給水管11の位置を安定する効果を有する。
【0029】
そのほか、本発明の消防用散水配管10cの施工法は、建築防火及び消防関連法規に適合し、床スラブの見た目がきれいになり、露出の乱れた給水管11の配置構造が避けられ、スプリンクラーヘッド15やトリムパネル16の組立作業でも、ペンキ塗り済みの床スラブを汚さずにすみ、大変簡単な施工手順法である。
【0030】
図9に示すように、前記カバー17は二ユニット式プレスパッキング構造であって、それにより、前記カバー17構造の強度が高められる。
【0031】
従って、本発明は産業上の利用価値があり、しかも同じ又は類似した発明が、国内海外の発行物に見られず、公開に使用されていないものであって特許法の規定の積極と消極極要件に一致し、特許を取得することができるものである。
【0032】
但し、上述の内容は、本発明の好適な実施例のみであり、本発明の実施範囲を制限するために用いられるものではなく、本発明の特許請求の範囲に述べられた内容に基づき、なんらかの改造や変更を行って作られたものは、すべて本発明の特許請求の範囲に属するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の消防用散水配管の施工法フローである。
【図2】本発明の消防セットの立体分解図である。
【図3】本発明の消防セットがスラブへ組立てられたイメージである。
【図4】本発明のスラブへのコンクリート流しのイメージである。
【図5】本発明のシールの取り外し後のイメージである。
【図6】本発明のスプリンクラーヘッドの組立後のイメージである。
【図7】本発明のトリムパネルの組立後のイメージである。
【図8】本発明の消防用散水配管の立体分解図である。
【図9】本発明のカバーの実施形態に関する二ユニット式結構のイメージである。
【図10】従来の消防用散水設備の施工結構イメージである。
【符号の説明】
【0034】
1 床スラブ
2 全ネジロッド
3 給水管
4 セーリング
5 スプリンクラーヘッド
10a 消防セット
10b 消防配管
11 給水管
12 ジョイント接続ユニット
121 つなぎ側
13 カバー
121 当接部
132 位置固定孔
133 位置固定フック
134 釘
14 シール
15 スプリンクラーヘッド
16 トリムパネル
17 カバー
171 当接部
172 位置固定孔
173 位置固定フック
90 スラブ
91 コンクリート
92 第一段鉄筋
93 第二段鉄筋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消防セットの組立、すなわち、ジョイント接続ユニット、カバーとシールを順次に消防セットに組み合わせ、
消防セットの固定、すなわち、消防セットをスラブの上のプリセット位置に置き、カバーをスラブの上に固定してから、第一段鉄筋の配筋を進め、
消防配管の接続、すなわち、第一消防配管に接続するため、前記ジョイント接続ユニットに給水管を接続してから、第二段鉄筋の配筋を進め、
床スラブへのコンクリート流し込み、すなわち、スラブにコンクリートを流し、消防セットと消防配管をコンクリートの中に埋設し、
シールの取り外し、すなわち、スラブを取り外してから、カバー内のシールを取り除き、
スプリンクラーヘッドの組立、すなわち、スプリンクラーヘッドをジョイント接続ユニットのつなぎ側につなげて、消防用散水配管の施工を完了させる
という手順が含まれることを特徴とする床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法。
【請求項2】
前記スプリンクラーヘッドの組立は、次の手順、
トリムパネルの組立、すなわち、トリムパネルをスプリンクラーヘッドに設けて、前記トリムパネルで、前記カバーの開放側が覆われ、見た目をきれいにするというトリムパネルの組立が可能であることを特徴とする、請求項1に記載の床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法。
【請求項3】
消防セットの組立手順では、前記カバーは、シールにより、ジョイント接続ユニットとシールとの間に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法。
【請求項4】
前記ジョイント接続ユニットは、前記シール又は前記スプリンクラーヘッドを接続するためのつなぎ側が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法。
【請求項5】
前記消防セットの組立手順では、前記カバーの片側の周りに当接部が設けられ、前記当接部の上に位置固定孔があり、前記カバーの当接部は、スラブの上に突き、前記カバーの位置固定孔に打ちいれ、カバーをスラブの上に固定することにより、前記ジョイント接続ユニットのつなぎ側の軸線方向とスラブとは、垂直状態を保持するように設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法。
【請求項6】
前記消防セットの組立手順では、コンクリートとカバーとの位置固定フックをしっかりと結合するために、前記カバーの当接部に位置固定フックが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法。
【請求項7】
前記消防セットの組立手順では、前記カバーは、二ユニット式プレスパッキング構造であり、それにより、前記カバーの構造強度が高められることを特徴とする、請求項1に記載の床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法。
【請求項8】
消防配管の接続手順では、前記消防配管は第二段鉄筋に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法。
【請求項9】
前記消防配管の接続手順では、前記給水管とジョイント接続ユニットとは、コンクリートに腐食されない材料で作られていることを特徴とする、請求項1に記載の床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法。
【請求項10】
前記給水管とジョイント接続ユニットは、塩素化塩化ビニル(Chlorinated polyvinyl chloride、CPVC)の材料で作られていることを特徴とする、請求項1に記載の床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法。
【請求項11】
前記給水管とジョイント接続ユニットとの間は、粘着剤で相互に接着していることを特徴とする、請求項1に記載の床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法。
【請求項12】
前記粘着剤は、給水管とジョイント接続ユニットとの材質と同じ塩素化塩化ビニル(Chlorinated polyvinyl chloride、CPVC)で作られていることを特徴とする、請求項1に記載の床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法。
【請求項13】
前記シールの取り外し手順では、スラブを取り外した後、床スラブにコンクリート流しやペンキ塗りを行うことができることを特徴とする、請求項1に記載の床スラブ内に埋設される消防用散水配管の施工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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