説明

床パネルと該床パネルから成る床仕上げ材

少なくとも1つの板状要素(3)から成る床パネルであって、
ここで、この床パネル(1)が、少なくとも二つの対向へり(4、5)に、何枚かのそのような床パネル(1)を相互連結できるようにする連結部分(6、7)を備えており、
また、前記連結部分が、連結状態において、互いに向う少なくとも横方向の相互応力(T1)によって、床パネル(1)に力を及ぼす接触部分を有する床パネルにおいて、
前記連結部分(6、7)が、支持部分(17、18)をも有し、該支持部分が、それぞれの床パネル(1)の連結状態(8)において、応力下で協働する接触部分(12、13)の相対位置への固定を生じる、
ことを特徴とする床パネル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床パネルと該床パネルから成る床仕上げ材に関する。
【0002】
より詳しくは、本発明は、床パネルに関し、該床パネルは、少なくとも二つの対向へりに、該床パネルが相互に機械的に連結しうるようにする連結部分を備えている。そのような床パネルは多くの特許文献に記載されているが、たとえば、WO 97/47834号、WO 01/98603号、US 6,769,219号、およびWO 2004/074597号に記載されている。
【背景技術】
【0003】
より詳しくは、本発明は、
少なくとも1つの板状要素から成る床パネルであって、
ここで、この床パネルが、少なくとも二つの対向へりに、何枚かのそのような床パネルを相互連結できるようにする連結部分を備えており、
これらの床パネルが、二枚の前記床パネルが連結した状態で、床パネルの面に直交する第一の方向、および、各へりに直交し、前記床パネルの面に平行な第二の方向に関する固定を与え、
前記連結部分がさねと溝とを有し、該溝が上部リップと下部リップとの間に配置され、下部リップが上部リップを越えて延びており、
また、前記連結部分が、前記第二の方向に関する固定を行う、少なくとも接触部分によって形成される固定部分をも有し、該接触部分が、二枚の前記床パネルが連結した状態において、互いに協働することができ、
これらの接触部分の1つが下部リップの上側に配置されて、この接触部分が少なくとも部分的には上部リップを越えて配置されるようになっており、
前記二つの接触部分が、連結状態において、応力によって床パネルに横方向に互いに向って力が及ぼされるように、配置される、
ようになっている床パネル、
に関する。このようなタイプの床パネルは、たとえばWO 97/47834号によって公知であり、特に同文献の図23に示されている形の実施形態によって公知である。前記応力(“プレテンション”とも呼ばれる)によって、前記床パネルが、連結状態において、最適のやり方で、目視可能な上側で相互に接触し、また、床パネルに、どんな理由ででも、相互に離れるような力が加わったとき、いつでも床パネルを互いに向って引き戻すために最適の反作用力が生じる、ということになる。
【0004】
前記タイプの床パネルの場合、そのような床パネルから成る床仕上げ材の上を歩くと、場合によっては、好ましくない音、より具体的にはきしみ音が生じる、ということが起こりうる。通常、そのような床パネルは、大部分の場合、弾性的に圧縮できる下床(underfloor)に備えられ、この下床は、あらかじめ設置されているか、またはプレハブ方式で床パネルの下に備えられ、またこの下床は、いろいろな目的、たとえば雑音の減少、断熱、下床の平坦化、水蒸気障壁、その他のために使用できる。その結果、そのような床仕上げ材の上を歩くと、小さな運動、大部分は相互傾斜運動が床パネルの間に起こり、その結果、連結部分がこすれあうことにより、雑音が発生しうる。また、連結部分自身も、たとえばやはり床仕上げ材の上を人が歩くと、外部荷重の変化によりある程度変形しうる。
【0005】
このように音が生じるという欠点を克服するために、すでに、連結部分の少なくとも一方に潤滑剤(sliding agent)、より具体的には、たとえばWO 00/06854号に述べられているように、パラフィンその他を塗布することが提案されている。この技法は、床パネルの製造において、非常に小さなものではあるが、付加的な費用を必要とする、という欠点を有する。一方、やはりすでにわかっていることであるが、そのような潤滑剤の使用にもかかわらず、依然として、そのような床仕上げ材の上を歩くと、相互連結された連結部分間のわずかな運動によって多くの好ましくない雑音が発生することがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は、第一の側面において、きしみ雑音の発生の恐れに対抗するための改良という目的を有する。それによって、ここでは、連結部分の輪郭の適当な設計によってこの恐れを小さくすることをめざし、それによって、潤滑剤を塗布しないでも、前記の好ましくない雑音発生の恐れが小さくなるようにする。しかし、これは、本発明において、床パネルの連結部分に潤滑剤を塗布できるということを排除するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、第一の側面において、本発明は、前記タイプの床パネルに関するものであり、該パネルは、前記連結部分が支持部分をも有し、該支持部分は、前記床パネルの連結状態において、応力下で協働する接触部分の相対位置における固定を生じる、という特徴を有する。この固定により、前記床パネルから成る床仕上げ材の上を歩くとき、床パネルが小さな相互運動を行っているときに、二枚の相互連結パネルの連結部分が、接触部分の位置において、何も移動、またはいわば相互ずれを起こしえない、ということになる。これらの雑音の大部分は、おそらく前記接触部分の位置で発生するので、その結果として、この固定により、全雑音の発生の危険は、その発生が完全に排除されるということはなくても、かなり減少する。
【0008】
1つの好ましい特徴により、前記支持部分は、接触部分の相互ずれを防ぎ、前記固定を行う接合部分として作用する。
【0009】
もっとも好ましい形の実施形態において、この床パネルの特徴は、連結状態において、応力が、接触部分の協働支持面間、および支持部分の協働支持面間に存在する、言い換えると、どちらの接触面間にもいわゆる“プレテンション”が存在する、ということである。このことの利点は、前記さねの下側に配置されている接触部分が、ある程度上下すると、前記下部リップに配置されている接触部分が必ずしもこの運動に追随しない、ということである。
【0010】
明らかに、前述のことは、前記床パネルにおいて普通に起こりうる非常に小さな運動に関係している。やはり明らかなことは、本発明は、床仕上げ材が床パネルの大きな動きを許容する下敷きまたは床下地上に備えられているとき、たとえば、弾力性があって、床仕上げ材の上を歩くとき、該仕上げ材の床パネルが使用者にはっきり感じられる運動を行うときには、必ずしも解決策を与えるものではない、ということである。
【0011】
特に、本発明は、連結パネルまたは少なくとも前記接触部分および支持部分が、木材または木を基材とする材料、たとえば繊維板、パーティクルボード、合板、その他から成る床パネルに対する解決策を与えることを意図する。特に、本発明は、少なくとも前記接触部分および支持部分がMDF(中質繊維板)またはHDF(硬質繊維板(High Density Board))から成る床パネルに対して有効である。好ましくは、連結部分すなわちさねと溝の構造物は、全体をそのような材料で作る。この場合、好ましい形の実施形態においては、これらの連結部分は、また、床パネルの心材と一体に作り、たとえば、心材を前記材料の1つで均質に作るか、または心材が、それぞれのへりの位置で前記材料の1つで作られた部分を有するようにする。
【0012】
明らかに、前記連結部分は、それ自体、いろいろな設計とすることができ、したがって、床パネルは、その使用において、いろいろなやり方で相互連結することができる。本発明は、特に、二枚の床パネルを互いに向って移動させ、床パネルをスナップ動作によって係合させて、相互連結することができる連結部分の場合に有効であり、また、傾斜動作によって二枚の前記床パネルを相互連結することができる連結部分の場合にも有効である。また、もちろん、この両方のやり方で床パネルが結合できるように作られた連結部分の場合にも、有効である。
【0013】
特に、本発明は、好ましくは接着剤なしで浮き床として設置することができ、また特に、家庭、事務所、店舗、その他での使用が考えられる、厚さが17 mmよりも小の割合に薄いタイプの床パネルでの使用をも意図する。この場合、特に、床パネルが大部分いわゆるDPL(直圧積層板(Direct Pressure Laminate))またはHPL(高圧積層板)から成る最上層を有する、いわゆる積層床(laminated floor)での使用を意図する。しかし、床パネルがプレハブの寄せ木または既製の寄せ木から成る用途であって、このとき、公知のように、最上層がむくの木材から成る用途、最上層が、単板から成る合板寄せ木、または厚みのある木材から成る用途において使用することもできる。しかし、他の材料から成る床パネルも排除されない。
【0014】
潤滑剤、たとえばパラフィン、油、またはその他を、第一の側面の床パネルの前記接触部分に備えることもできる。このとき、床パネルを設置するとき、支持部分が互いに協働するようになるまで接触面を互いに沿って滑らかに動かすことができる。そうすることにより、接触部分の接触面において連結部分がくっつき合う危険が少なくなる。そのようなくっつきが起こると、係合が不完全になり、そのために、上で定義した支持部分の存在の効果が失われる。しかし、当然のことながら、本発明におけるそのような潤滑剤の使用は随意である。
【0015】
また、本発明は、以下の説明で示すいくつかのその他の側面にも関する。これらの側面は互いに組み合わせるかまたは単独で使用することができる。
【0016】
いろいろな好ましい形の実施形態が可能であり、それらは詳細な説明と特許請求の範囲に示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の特徴をさらに良く説明するために、限定を意図しない例として、いくつかの好ましい形の実施形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1に示すように、本発明は、床パネル1に関するものであり、より詳しくは、相互に連結して床仕上げ材2を作ることのできる硬質床パネルに関する。
【0019】
本発明の第一の側面においては、そのような床パネル1は、板状要素3から成る。この床パネル1では、図2および3に示すように、少なくとも二つの対向へり4、5に、連結部分6、7が備えられ、該連結部分により、いくつかの床パネル1を相互に連結することができる。ここで、これらの連結部分6、7は、図4に示すように、連結状態において、床パネル1の面に直交する第一の方向R1、およびそれぞれのへり4、5に直交し、床パネル1の面に平行な第二の方向R2に関する固定を与える。前記連結部分6、7は、さね8と溝9とを有する。溝9は、上部リップ10と下部リップ11との間に配置されている。下部リップ11は、上部リップ10を越えて延びている。連結部分6、7は、前記第二の方向R2に関する固定を行う固定部分をも有し、この固定部分は接触部分12、13によって形成され、この固定部分は、二枚の床パネル1の連結状態において、互いに協働することができる。このとき、1つの接触部分13は、下部リップ11の上側14に配置されており、この接触部分13は、R2の方向に沿って、少なくとも部分的に上部リップ10を越えてその外側に配置されるようになっている。前記接触部分12、13は、床パネル1に、連結状態において、少なくとも互いに向って横方向に、すなわちこれらの接触部分の上部へり15、16において、応力T1が加わるように配置されている。これは、接触部分13を、応力T2によって接触部分12に押しつけるようにすることによって、実現される。この応力は、下部リップ11の弾性変形によって発生する。この弾性変形は、図4〜7の例の場合、Vで示される、リップ11の弾性湾曲、および連結部分6、7の材料の小さな弾性圧縮によって、得られる。
【0020】
本発明の特異性は、前記連結部分6、7が支持部分17、18をも有し、該支持部分が、それぞれの床パネル1の連結状態において、応力下で相互に協働する接触部分12、13の相対位置を固定して、相互ずれが起こらないようにする、という点にある。
【0021】
図4〜7に示すように、これら支持部分17、18は、好ましくは、接合部分として具体化される。そうすることの一つの利点は、接触部分12が下方への運動M1を行ったとき、接触部分13も自動的に下方に押され、また、接触部分12が上方に戻るとき、接触部分13は、この場合、下部リップ11の普通の弾性により、一緒に戻り、したがって、接触部分12、13の接触面19、20間に相互ずれが起こらず、そのため前記の好ましくないきしみ雑音が減少する、ということである。
【0022】
もっと詳しく言うと、連結部分6、7は、基本輪郭の重なり設計により、連結状態において、応力が接触部分12、13で生成されるばかりでなく、応力T3が支持部分17、18においても生成されるように、なっている。これは、接触部分12が下方に動き、それから戻るとき、下部リップ11が大きな確実性でこの動きに追随する、という効果を有する。これのもう1つの効果は、また、床パネル1の上を歩くことにより、たとえば、連結床パネル1が高さ方向に少し相互にずれ、かつ/または相互に少し回転するために、接触部分12が小さな上むき運動、詳しくはM2方向への運動を行うとき、接触部分12のこの上向き運動M2は、この場合、接触部分13によっても同様に行われ、接触面19、20の相互ずれの結果としての好ましくないきしみ音の発生が防がれ、または少なくとも最小限に抑えられる、ということである。
【0023】
前記応力T2およびT3を同時に生成させるために、連結部分6、7の輪郭形をどのように設計するかということについて、以下、図5〜7を参照しつつ、例を用いて説明する。
【0024】
図5において、線C1およびC2は、連結部分6および7、より詳しくは接触部分12および13ならびに支持部分17、18の断面形または輪郭形を示す。ここで、線C1およびC2は無荷重状態での輪郭を示すが、このとき、それぞれの輪郭は、その上部へり15、16が横方向に相互接触している位置にあり、またこのとき、さね8の上側面21は、上部リップ10の下側面22に対向接触するように配置されている。方向R2の前記プレテンションを生成させるために、輪郭間にある程度の重なりがあり、この重なりの垂直距離を図5にD1で示す。
【0025】
プレテンションが下部リップ11の弾性湾曲によってのみ生成され、このリップが、接触部分13の位置において、仮想回転点に沿って下方に傾斜する、とした理論的な考察によれば、示されている床パネル1が連結されるとき、下部リップ11の末端が線C3で示される位置に来て、接触部分13の位置にあるすべての点およびそれのすぐ近くのすべての点がほぼ垂直の変位V1を行う、という状態が生成されるということができる。
【0026】
しかし、図6に示すように、実際の変位は小さく、下部リップの末端は、前記C3で示すような位置をとらず、C2とC3との間の位置をとり、これを模式的に線C4で示す。実際、下部リップ11の末端の実際の変位は、特に、割合に薄い下部リップ11の弾性変形(elasticity)E1、接触面19、20の位置における弾性および/または塑性圧縮E2、ならびに下部リップ11の末端部における傾斜またはねじり運動E3によっても、影響を受ける。この変位は、また、他の効果、たとえば、内部応力によって生じうる、下部リップの基底部付近の変形Qによっても、影響されうる。
【0027】
連結部分6、7の設計においては、断面形を、支持部分17、18の位置における連結部分6の実現される断面が、自由な状態で、線C3とC4との間まで延びるように、選択することにより、本発明が意図する効果を実現することができる。このような断面は、たとえば、線C1に沿う輪郭形をC5に沿う輪郭形まで変位させることによって得られる。実際、輪郭形を模式的に線C1から線C5まで変位させると、支持部分17、18における応力が、この輪郭形が線C4の下に配置されたときに、生成されるが、この線が線C3よりも低い位置に来ると、接触部分12、13の接触が妨げられる。
【0028】
注意すべきことは、前記説明は単なる1つの理論的考察によるものであり、したがって実際、本発明の範囲を逸脱することなくこれからずらすことが可能である、ということである。
【0029】
しかし、一般的に言えば、本発明の実施のためには、好ましくは、床パネル1のそれぞれのへり4、5に、無荷重状態で、接触部分12、13の位置および支持部分17、18の位置において重なり合う構造の断面の輪郭形言い換えると断面形を与えることができる。明らかに、図6にD1およびD2で示すそのような重なり合いは、実際、測定ベンチによって、場合によっては定期的生産管理のために、測定することができる。そのような重なり合いD1およびD2が存在すると、本発明が使用されていると考えることができる。そのような測定は3D測定ベンチで実施することができる。重なり合いが存在するかどうかを調べるためには、図4に示す位置で測定断面内に座標系を定め、該座標系において、へり4および5に関する測定結果を互いに重なり合うように図示しなければならない。
【0030】
好ましくは、支持部分17、18における、垂直方向の重なり合いD2は、支持部分12、13における、垂直方向の重なり合いD1よりも小さい。
【0031】
もっと詳しく言えば、好ましくは、垂直方向に測定した支持部分17、18における重なり合いD2は、支持部分12、13における重なり合いD1の理論的垂直変位よりも小さいが、実際の垂直変位よりも大きい。ここで、この実際の垂直変位は、好ましくは、接触が支持部分17、18の間に存在しないときに起こりうる、支持部分17、18の位置における実際の垂直変位V2を示す。
【0032】
支持部分17、18が実際に互いに接触しているとき、これら支持部分において起こる実際の垂直変位は、V2とは少し異なるが、有意なほどではなく、したがってこの実際の変位はV2に等しいと考えることができる。
【0033】
しかし、V2をあらかじめ決定することは難しいが、線C2で示す非湾曲位置と線C3で示す理論湾曲位置との中間にある、ということを考え、また、線C2とC3との間の垂直距離が大体D1に等しいということを考えると、好ましくは、支持部分17、18における前記垂直重なり合いD2は接触部分12、13における垂直重なり合いD1のほぼ半分である。
【0034】
明らかに、適当な重なり合いは試験によって決定することもできるが、このとき、場合によっては、その他の重なり合いの値を前記発明的効果の生成のために適用することは排除されない。
【0035】
注意すべきことは、断面形の重なり合いの前記定義は、特に、接触部分12、13が接触面19、20を有する実施形態に適用するのに適しているということである。ここで、接触面19、20は、連結状態において、床パネル1の面に対して、図7に示す角度A1だけ傾いている接線L1を定める。
【0036】
傾斜接触面19、20を有する接触部分12、13の場合、好ましくは、下記の1つ以上の条件も適用されるようにする。
【0037】
好ましい実施形態の場合、連結部分6、7は、接触面を少なくとも1つの位置に有する。該接触面において、連結部分は互いに協働し、床パネルの面に対して80゜よりも小さな角度A1をなす接線L1を定める。また、好ましくは、この角度は30゜よりも大きい。さらに好ましくは、接触部分は、その最高位置の接触点またはそれに隣接して、内部下方に傾斜していて、パネルの面に対して30〜70゜の角度をなす接線を有する。
【0038】
床パネル1が連結部分6、7を有し、該部分が、図4に示すように、床パネル1が傾斜運動Wによって連結または連結解除できるようにするものである場合、本発明の床パネル1は、場合によってはその特徴として、二枚のそのような床パネル1の連結状態において、断面で見た接触部分19、20が、最高位置の接触点23またはそれに隣接して、接線L1を定め、該接線は、同じ接触点23を通る接線L2に対して30゜よりも小さな角度をなしているが、この点を通って引かれた傾斜取りつけ曲線(angling curve)W1に接しており、床パネル1は、傾斜取りつけまたは傾斜取りはずしされるときに、前記曲線に従う。
【0039】
注意すべきことは、“最高位置の接触点23”という表現において、最高点という言葉が意味するのは、接触部分12、13が通常のやり方で互いに協働し、明確に定められた接触部分間での協働が存在しない遷移領域にもっと高い接触点は存在しない、ということである。
【0040】
しかし、前記のことは、前記条件が、接線L1が床パネル1の面に対して、80゜よりも大きく、90゜にも達しうる角度A1をなす実施形態にも適用される、ということを排除するものではない。
【0041】
接触部分12、13が、80゜よりも大きく、特に90゜の、床パネル1の面に対する角度をなす接線L1を定める場合、接触部分12、13における重なり合いと支持部分17、18における重なり合いとの比率に関する条件は、実際にはあまり重要でなく、場合によっては意味がないとさえいうことができ、支持部分におけるどんな重なり合いでも好ましい結果をもたらす。垂直接触面19、20が使用される、本発明の第一の側面における床パネルの例を、図8に模式的に示す。本発明によれば、連結部分は、接触部分12、13とは別に、支持部分17、18をも有し、連結状態において、応力T2およびT3が、接触部分12、13および支持部分17、18に発生する。実際、これは、図9に模式的に示すように、接触部分12、13の位置および支持部分17、18の位置において、重なり合いO1およびO2を有する輪郭形の連結部分を用いて、実現することができる。
【0042】
しかし、やはり図4〜9に示すように、好ましくは、接触部分12、13の少なくとも1つが平坦な接触面19、20を有し、さらに好ましくは両方の接触部分12、13が平坦な接触面19、20を有する。
【0043】
好ましくは、また支持部分17、18の接触面24、25の少なくとも1つをも、平坦なものにする。好ましくは、これは、下部リップ11に配置された接触面25である。
【0044】
そのような平坦接触面19、20、24、25は、1つの利点を有する。その利点というのは、特に、工作機械たとえばフライス盤によって加工される連結部分6、7によって、許容差を、より良く制御できる、ということである。さらに、この場合、制御測定の実施が簡単である。
【0045】
随意の1つの特徴によれば、好ましくは、支持部分17、18の1つを、凸または先端を有するように作り、支持部分17、18の協働においては、多少なりとも点接触がなされるようにする。実際、これにより、支持部分17がある程度滑らかなやり方で支持部分18にくぼみを形成することができ、その結果、釣り合った状態をより容易に形成することができ、したがって、接触部分12、13および支持部分17、18に適当な応力が発生する。
【0046】
好ましくは、支持部分17、18は、これらの接触領域、好ましくはこの領域の中央部に、接線L3を定める。この接線は、パネルの面に平行であるか、または、この面に対して30゜よりも小さな角度だけ傾いている。
【0047】
さらに、やはり好ましくは、支持部分17、18は、断面において、連結へり4、5に直交する、床パネル1の面内にある方向から見たとき、接触部分12、13の前方または背後に短い距離だけ離れた位置に配置される。もっと詳しく言うと、好ましくは、図7にB1で示す、接触部分12、13の接触面と支持部分17、18との距離は、2 mmよりも小さく、より好ましくは1 mmよりも小さい。さらに好ましくは、支持部分17、18の接触領域の中央部と接触部分12、13との距離B2も、2 mmよりも小さく、さらに好ましくは1 mmよりも小さい。このこととの関係で、接線L1およびL2は、好ましくは、150゜よりも小さな相互角度をなす。
【0048】
図3〜9の実施形態においては、支持部分17、18は、接触部分12、13に隣接する、パネルの内側に配置される。注意すべきことは、ここには示さない変形においては、支持部分17、18は、外側に配置することもでき、その場合、たとえば、図7および9に示すP1およびP2の高さに配置されるということであり、ここで、連結部分が、相互に接触し、無荷重状態では、またここで輪郭が重なり合う。
【0049】
図3〜9に示す実施形態においては、床パネルは、MDFまたはHDFの連続板状心材26を有するラミネートパネルから成り、該パネルの上側に、層状のラミネート最上部構造物27が備えられ、下側に、少なくとも1つの裏打ち層28が存在し、また、連結部分6、7が、好ましくは切削加工によって、パネルの心材26と一体に成形されている。図4〜7の例においては、ラミネート最上部構造物27が、プリント装飾層29といわゆるオーバーレイ30とから成り、この構造物は、好ましくは樹脂たとえばメラミン樹脂を含浸させた支持体を有し、たとえばDPL(直接圧着ラミネート)製造のための公知の方法によって、心材26の上側に圧着される。この最上部構造物、より詳しくはオーバーレイ30には、耐摩耗性の向上のための物質、たとえばコランダム粒子を含ませることができる。裏打ち層28は、通常、心材の下側に圧着される樹脂処理紙層から成り、この層は釣り合いをとる目的を有し、特に、心材26の材料とラミネート最上層構造物27の材料との間の応力の結果として発生しうる湾曲効果を打ち消す目的を有する。
【0050】
本発明は、まず第一に、前記のような床パネル1に適用することを意図するものであるが、明らかにそのような床パネルのみに限定されるものではない。
【0051】
さらに詳しく説明すると、本発明は、傾斜取りつけ運動、たとえば図4に示すような傾斜取りつけ運動Wによって、二枚の前記床パネル1を互いに連結し、かつ/または互いから連結解除することを可能にする連結部分6、7と組み合わせて使用することができる。そのような床パネル1にこのタイプの連結部分を使用する場合、該パネルから成る床仕上げ材2の上を歩くと、自動的に、互いにわずかに回転するという効果が発生し、その結果、きしみ音の発生を、本発明により、排除することができ、または少なくとも最小限に押えることができる。
【0052】
また、本発明は、図4に矢印Sで示すように、二枚の前記床パネルを互いに向ってずらすことにより、前記床パネルを連結すること可能にする連結部分6、7と組み合わせて使用することもできる。このとき、二枚のパネルはスナップ動作によって係合する。床パネル1をこのタイプの連結部分6、7と組み合わせて使用する場合、接触部分12、13の高さは低いことがほとんどで、下部リップ11は、大部分の場合、かなり柔軟である。その結果、下部リップは、一般に、もっぱら傾斜取りつけ運動のみを可能にする連結部分よりも不安定である。この不安定性のために、床パネル1の上を歩く時に荷重が変化すると、下部リップの運動が起こりうるので、きしみ音が発生しうる。これは、本発明により、排除することができ、あるいは少なくとも最小限に押えることができる。
【0053】
明らかに、本発明は、床パネルの1つ以上の対向へり対に適用することができる。長方形パネルの場合、正方形またはたとえば図2に示すような細長いパネルのどちらの場合にも、本発明は、第一の対向へり対4、5、および第二の対向へり対31、32に適用することができ、このとき、これら二つの対の連結部分6、7は同じまたは異なるようにすることができる。
【0054】
下部リップ11は上部リップ10よりも薄くすることができる。好ましくは、さねはむくの要素であり、分裂さねは使用しない。
【0055】
本発明のある特定実施形態においては、少なくとも1つの接触部分12、13に、潤滑剤、たとえばパラフィンまたは油を塗布する。これは、接触部分12、13の接触面19、20が、床パネル1の連結時に相互により滑らかに滑るという付加的利点を与える。したがって、連結時に接触部分12、13がお互いに沿って付着し、支持部分17、18が接触せず、本発明の効果が失われる、という危険が小さくなる。
【0056】
本発明は、接触部分13が、方向R2に沿って、少なくとも上部リップ10の先または外部に配置されており、さらに好ましくは上部リップからある距離だけ完全に外に配置されているような床パネルに関して特に有効であるが、本発明は、また、そのようになっておらず、下部リップの接触部分が上部リップ10の末端の完全に内側に配置されているような実施形態の場合にも適用できる。したがって、下部リップ11は、その末端が上部リップを越えて突き出ることができ、末端が同じ位置にあることができ、あるいは下部リップは上部リップよりも短くても良い。
【0057】
明らかに、本発明は、ラミネートパネル、木材パネル、または最上層に木材の層を有するパネルのみに限定されるものではない。特に、本発明は、また、たとえばコルク、天然石、模造石たとえば合成石(stone composite)、セラミックス、カーペット製品たとえば床一面のカーペット(wall-to-wall carpet)、フェルトなど、その他から成る特殊な最上層を、その上側に備えた床パネル1にも関する。
【0058】
図10は、図4に示すものと類似の形の実施形態を示すが、この場合、床パネル1は、板状要素3に加えて、カーペット製品34から成る最上層33を有する。ここで、カーペット製品というのは、任意の形のカーペットまたはカーペット状製品、たとえば特に、直立繊維を有するカーペット、およびフェルトカーペット、およびその他、を意味すると解釈すべきである。
【0059】
1つの重要な側面においては、ここで、床パネル1の少なくとも二つの対向へり4、5は、応力T1が少なくとも部分的に、しかし好ましくは完全にまたは大部分、主要な板状要素3により、またカーペット34から成る層33によらず、もしくはほとんどよらず、吸収されるように、成形される。このようにして、連結床パネル1の相対位置決めにおいて、カーペット製品の隣接層間の大きすぎる力による不利な影響が起こりえない。この側面を以下第二の側面と呼ぶが、この側面は、第一の側面と組合せて、またはそうせずに、適用することができる。したがって、一般に、本発明は、第二の側面において、少なくとも板状要素3と、該要素に直接または間接的に取りつけられたカーペット製品34から成る床パネル1に関するものであり、ここで、この床パネル1は、少なくとも二つの対向へり4、5に、連結部分を備え、該連結部分よって、いくつかのそのような床パネル1を相互連結することができ、ここで、これらの連結部分は、二枚のそのような床パネル1の連結状態において、床パネル1の面に直交する第一の方向R1、およびそれぞれのへり4、5に直交し、床パネル1の面に平行な第二の方向R2における固定を与え、ここで、これらの連結部分6、7は、好ましくは、さね8と溝9を有し、溝9は、上部リップ10と下部リップ11との間に配置され、また、連結部分6、7は、前記第二の方向R2における固定を行う、接触部分12、13によって形成される固定部分をも有し、該接触部分は、二枚の床パネル1の連結状態において、互いに協働することができ、ここで、前記接触部分12、13は、前記床パネルが、連結状態において、応力T1によって互いに向って力を及ぼすように配置されており、ここで、本発明は、床パネル1の前記対向へり4、5が、前記応力T1が、少なくとも部分的に、しかし好ましくは完全または大部分、主要な板状要素3によって吸収されるようになっている、という特徴を有する。明らかに、これは、当業者が前記発明的概念から出発して実施できる適当な解決策を適用することによって実現することができる。
【0060】
本発明は、第三の側面において、図10に示すように、木材または木を基材とする材料から成る板状要素3から成る床パネル1に関するものであり、前記板状要素には、カーペット製品34の層33が備えられ、このとき本発明の特徴は、板状要素3とカーペット製品34の層33との間に、少なくとも1つの層35が備えられ、この層は液体の浸透に対する障壁となる、ということである。そうすることにより、たとえばカーペット製品34の洗浄に使用されうる液体かつまた濃厚な蒸気が、板状要素3にとどまる危険が小さくなり、したがってこのことによる変形が排除される。
【0061】
障壁は、他の層と組み合わせるか、または単独で、板状要素3の面積の少なくとも90%を越える、好ましくは100%の接着剤層36によって形成することができ、このとき、この接着剤層36は、カーペット製品34の貼りつけのためにも使用される。
【0062】
ある特定実施形態の場合、前記障壁として、少なくとも1つの、液密の特定材料層が使用される。図10に示すように、これはラミネート層37とすることができ、これ自身が1つ以上の層から成ることができる。好ましくは、これはメラミン支持層上に備えられたラミネート層37とすることができる。ラミネート層37は、好ましくは、DPL技術によって板状要素3上に備えられる。
【0063】
図10では、前記障壁を形成するのに、両方の層、すなわち接着剤層36とラミネート層37とを使用しているが、明らかに、これらの層のうち1つだけを障壁として使用することもできる。ラミネート層37の使用により、たとえば接着剤層36よりも水の浸透に対してより大きな抵抗が与えられる。そのようなラミネート層37は、通常のラミネート最上層構造物27と異なり、好ましくは、ただ一つの層、すなわち1つの樹脂処理障壁(carrier)から成る。通常の最上層構造物は、大部分の場合、二つの層、たとえば前記装飾層29とオーバーレイ30とから成っている。好ましくは、ラミネート層37は、耐摩耗性を高めるための特別に添加される粒子を含まない。この製品の場合、これらの粒子は無益だからである。したがって、ラミネート層37は、かなり低費用のやり方で実施することができる。好ましくは、完全に水密の障壁を使用し、水分が連結へりに沿ってしか下方に浸入できないようにする。しかし、このへりにおいては、浸透の危険は小さい。
【0064】
本発明は、第四の側面において、図10に示すような、カーペット製品34の層33を備えた、板状要素3を有する床パネル1に関するものであり、その特徴は、板状要素3が木材または木を基材とする材料から成る心材26を有するということであり、また、この板状要素がサンドイッチ構造を有し、心材26が好ましくは最上層および釣り合いのための裏打ち層との間に配置される、ということである。この組み合わせにより、板状要素3が薄い場合でも、外部からの作用下でほとんど変形しない堅固な構造が得られる。心材は、好ましくは、単一の連続MDFまたはHDF板から成る。最上層および裏打ち層は、好ましくは、樹脂を基材とするラミネート層であり、より詳しくは、心材26に圧着される樹脂含浸紙層である。図10の例の場合、これらは、ラミネート層37と裏打ち層28である。
【0065】
最後に、図11は、本発明の第一の側面によるものの変形を示し、ここで、支持部分のすぐ前に、くぼみ38が備えられ、下部リップ11の柔軟性を高めるようになっている。
【0066】
図11に示す形の実施形態の場合、好ましくは、また、溝9の深さGが、板状要素3の厚さの0.4倍以上となるようにし、一方、下部リップが上部リップを越えて延び出る距離が、要素3の厚さの1.3倍よりも小さくなるようにするのが有効である。
【0067】
支持部分の最下部は、平坦かつ水平になるようにし、くぼみ38よりも上に、高くされた部分が突き出ており、そのため、この平面は、製造精度に関する管理測定のための測定点として特に適当である。
【0068】
本発明は、上で例として説明し、図面に示した形の実施形態のみに限定されるものではなく、逆に、本発明の床パネルは、本発明の範囲を逸脱することなく、いろいろな形態と寸法とで具体化することができる。また、本発明のすべての前記側面は、任意に組み合わせることができる。細長いパネルの場合、本発明による連結部分は、長辺、または短辺、または長辺と短辺との両方に適用することができる。
【0069】
最後に、注意すべきことは、“接触部分”という表現は、常に、水平固定を行う固定部分を意味する、ということである。“板状要素3”は、単一の連続心材を有することができるが、いくつかの部分から成ることもでき、したがって“合板”、“ベニヤ板”、その他から成ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の床パネルから成る床仕上げ材の部分を示す模式図である。
【図2】図1の床仕上げ材の床パネルの上面図である。
【図3】図2の線III−IIIに沿う断面を示す拡大図である。
【図4】図1の線IV−IVに沿う断面を示すさらに大きく拡大した図である。
【図5】図4にF5で示す部分のいくつかの模式図である。
【図6】図4にF5で示す部分のいくつかの模式図である。
【図7】図4にF5で示す部分のいくつかの模式図である。
【図8】図4に示すものと同様の図であるが、変形実施形態に関するものである。
【図9】図8の連結部分の一部を示すが、荷重がかかっていない状態のものである。
【図10】図4と同様の図であるが、本発明の第二、第三、および第四の側面が適用されたものを示す図である。
【図11】本発明の第一の側面によって具体化された連結部分の図である。
【符号の説明】
【0071】
1 床パネル
2 床仕上げ材
3 板状要素
4、5 対向へり
6、7 連結部分
8 さね
9 溝
10 上部リップ
11 下部リップ
12、13 接触部分
14 11の上側
15、16 12、13の上部へり
17、18 支持部分
19、20 接触面
21 8の上側面
22 10の下側面
23 接触点
24、25 17、18の接触面
26 連続板状心材
27 層状のラミネート最上部構造物
28 裏打ち層
29 プリント装飾層
30 オーバーレイ
31、32 第二の対向へり
33 1の最上層
34 カーペット製品
35 層
36 接着剤層
37 ラミネート層
38 くぼみ
A1 角度
B1 12、13と17、18との距離
B2 17、18の接触領域の中央部と12、13との距離
C1 無荷重状態での輪郭
C2 無荷重状態での輪郭
C3 11の末端
C4 11の末端の位置
C5 6の輪郭形
D1 輪郭間の垂直距離
D2 輪郭の重なり合い
E1 11の弾性変形
E2 弾性および/または塑性圧縮
E3 11の末端部の傾斜またはねじり運動
G 9の深さ
L1 接線
L2 接線
L3 接線
M1 12の下方への運動
M2 12の上向き運動
O1 17、18の重なり合い
O2 17、18の重なり合い
P1、P2 17、18の配置位置
Q 11の基底部付近の変形
R1 床パネル1の面に直交する第一の方向
R2 床パネル1の面に平行な第二の方向
S 二枚の床パネルを互いに向ってずらして連結するときの方向
T1 応力
T2 応力
T3 応力
V 弾性湾曲と弾性圧縮
V1 垂直の変位
V2 17、18の垂直変位
W 1の傾斜運動
W1 傾斜取りつけ曲線
X 座標軸
Y 座標軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの板状要素(3)から成る床パネルであって、
ここで、この床パネル(1)が、少なくとも二つの対向へり(4、5)に、何枚かのそのような床パネル(1)を相互連結できるようにする連結部分(6、7)を備えており、
これらの連結部分(6、7)が、二枚の前記床パネル(1)が連結した状態(8)で、床パネル(1)の面に直交する第一の方向(R1)、および、各へり(4、5)に直交し、前記床パネル(1)の面に平行な第二の方向(R2)に関する固定を与え、
前記連結部分(6、7)がさね(8)と溝(9)とを有し、溝(9)が上部リップ(10)と下部リップ(11)との間に配置され、下部リップ(11)が上部リップ(10)を越えて延びており、
また、前記連結部分(6、7)が、前記第二の方向(R2)に関する固定を行う、少なくとも接触部分(12、13)によって形成される固定部分をも有し、該接触部分が、二枚の前記床パネル(1)が連結した状態(8)において、互いに協働し、
これらの接触部分の1つ(13)が下部リップ(11)の上側に配置されて、この接触部分(13)が少なくとも部分的には上部リップ(10)を越えて配置されるようになっており、
前記接触部分(12、13)が、連結状態(8)において、応力(T1)によって、床パネル(1)に少なくとも横方向に互いに向って力が及ぼされるように、配置される、
ようになっている床パネルにおいて、
前記連結部分(6、7)が、支持部分(17、18)をも有し、該支持部分が、それぞれの床パネル(1)の連結状態(8)において、応力下で協働する接触部分(12、13)の相対位置への固定を生じる、
ことを特徴とする床パネル。
【請求項2】
支持部分(17、18)が接合部分として実現されることを特徴とする請求項1に記載の床パネル。
【請求項3】
連結状態(8)において、応力(T2、T3)が、協働する接触部分(12、13)の間、および協働する支持部分(17、18)の間に存在することを特徴とする請求項1または2に記載の床パネル。
【請求項4】
へり(4、5)が、無荷重状態(8)において、重なり合う構造を示す断面形を有し、ここで、この重なり合いが、支持部分(17、18)において直交方向に測定した重なり合いが、接触部分(12、13)において直交方向に測定した重なり合いよりも小さくなるようになっていることを特徴とする請求項1から3の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項5】
支持部分(17、18)における当該直交方向の重なり合いが接触部分(12、13)における当該直交方向の重なり合いの大体半分であることを特徴とする請求項4に記載の床パネル。
【請求項6】
支持部分(17、18)において直交方向に測定した重なり合いが、接触部分(12、13)間の理論直交変位よりも小さいが、実際の直交変位よりも大きく、ここで、この実際の直交変位が、好ましくは、支持部分(17、18)間の接触がない場合に起こる支持部分(17、18)の高さにおける実際の直交変位を示すことを特徴とする請求項1から5の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項7】
当該測定した重なり合いが、床パネル(1)がその上部へりに隣接する領域において、互いに横方向に隣接し、さねの上側が溝の下側に対向して静止する相互位置から出発して決定され、このとき好ましくは、3D測定ベンチによって得られた測定値が使用されることを特徴とする請求項4から6の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項8】
それぞれの床パネル(1)の連結状態において、接触部分(12、13)が、これらが互いに協働する位置において、床パネル(1)の面に対して角度(A1)をなす接線(L1)を定め、この角度が80゜よりも小さく、好ましくは30゜よりも大きく、さらに好ましくは30〜70゜の範囲にあることを特徴とする請求項1から7の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項9】
接触部分(12、13)が、床パネル(1)の面に対してある角度をなす接線を定め、この角度が80゜よりも大きく、特に90゜であることを特徴とする請求項1から7の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項10】
二枚の当該床パネル(1)の連結状態において、断面で見た接触部分(12、13)が、その最高配置の接触点(23)において、またはこれに隣接する領域において、接線(L1)を定め、該接線が、同じ点(23)を通る接線(L2)に対して30゜よりも小さい角度をなすが、この点(23)を通るように引かれた傾斜取りつけ曲線(W1)に接触し、床パネル(1)が、床パネル(1)を係合させまたは取りはずすときに、前記曲線にしたがって動くことを特徴とする請求項1から9の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項11】
少なくとも1つの接触部分(12、13)が、平坦な接触面を有し、さらに好ましくは、両接触部分(12、13)が平坦な接触面を有することを特徴とする請求項1から10の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項12】
少なくとも1つの支持部分が平坦な支持面を有し、好ましくは支持部分(18)が下部リップ(11)に備えられていることを特徴とする請求項1から11の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項13】
他の支持部分(17)が凸または尖った形状を有することを特徴とする請求項12に記載の床パネル。
【請求項14】
支持部分(17、18)が接線(L3)を定め、該接線が、床パネル(1)の面に平行であるか、またはこの面に対して30゜よりも小さな角度だけ傾いていることを特徴とする請求項1から13の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項15】
支持部分(17、18)が、断面で見たとき、連結へり(4、5)に直交する方向に関し、床パネル(1)の面において、接触部分(12、13)の前方または後方に、ある短い距離に配置されることを特徴とする請求項1から14の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項16】
当該距離(B1)が2 mmよりも小さく、さらに好ましくは、接触領域の中心間の距離(B2)が2 mmよりも小さいことを特徴とする請求項15に記載の床パネル。
【請求項17】
床パネル(1)が、少なくとも接触部分(12、13)と支持部分(17、18)との高さにおいて、木材、または木を基材とする材料から成ることを特徴とする請求項1から16の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項18】
当該木を基材とする材料がMDFまたはHDFであることを特徴とする請求項1から17の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項19】
連結部分(6、7)の全体がMDF/HDFから成ることを特徴とする請求項1から18の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項20】
連結部分(6、7)が床パネル(1)の心材(26)と一体に作られることを特徴とする請求項1から19の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項21】
連結部分(6、7)により、それぞれの床パネル(1)の二つを互に向って動かすことによって相互連結することができ、このときこれらがスナップ動作により相互に係合することを特徴とする請求項1から20の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項22】
連結部分(6、7)により、それぞれの床パネル(1)の二つを傾斜運動によって相互連結することができることを特徴とする請求項1から21の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項23】
床パネル(1)が17 mmよりも小さな厚さを有することを特徴とする請求項1から22の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項24】
ラミネートパネルが使用され、これが好ましくは連続板状心材(26)を有するタイプのものたとえばMDFまたはHDF板であり、該ラミネートパネル上に配置されるラミネート最上層構造物(27)が、少なくとも1つのプリントおよび樹脂含浸装飾層(29)を有し、また、床パネル(1)の下側面に裏打ち層(28)が備えられることを特徴とする請求項1から23の中のいずれか1つの記載の床パネル。
【請求項25】
下部リップ(11)の上側に配置されている接触部分(13)が、少なくとも部分的に上部リップ(10)を越えて配置される代わりに、完全に上部リップの末端の内側に配置されることを特徴とする請求項1から24の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項26】
少なくとも接触部分(12、13)の1つに、潤滑材たとえばパラフィンまたは油が塗布されることを特徴とする請求項1から25の中のいずれか1つに記載の床パネル。
【請求項27】
床パネルであって、
少なくとも、1つの板状要素(3)と該要素上に直接または間接に取りつけられたカーペット製品(34)の層とから成り、
ここで、この床パネル(1)が、少なくとも二つの対向へり(4、5)に、何枚かのそのような床パネル(1)を相互連結できるようにする連結部分(6、7)を備えており、
これらの連結部分(6、7)が、二枚の前記床パネル(1)が連結した状態で、床パネル(1)の面に直交する第一の方向(R1)、および、各へり(4、5)に直交し、前記床パネル(1)の面に平行な第二の方向(R2)に関する固定を与え、
前記連結部分(6、7)が好ましくはさね(8)と溝(9)とを有し、該溝が上部リップ(10)と下部リップ(11)との間に配置され、
また、前記連結部分(6、7)が、前記第二の方向(R2)に関する固定を行う、接触部分(12、13)によって形成される固定部分をも有し、該接触部分が、二枚の前記床パネル(1)が連結した状態において、互いに協働することができ、
前記接触部分(12、13)が、床パネル(1)に、連結状態において、応力(T1)によって互いに向って力が及ぼされるように、配置される、
ようになっている床パネルにおいて、
ここで、床パネル(1)の前記対向へり(4、5)が、前記応力(T1)が主要な板状要素(3)によって完全または大部分吸収されるように構成されている、
ことを特徴とする床パネル。
【請求項28】
木材または木を基材とする材料の板状要素(3)を有し、該要素の上にカーペット製品(34)の層(33)が備えられている床パネルであって、
板状要素(3)とカーペット製品(34)の層(33)との間に、液体の浸透に対する障壁となる少なくとも1つの層(35)が備えられている、
ことを特徴とする床パネル。
【請求項29】
当該障壁が、他の層との組合せまたは単独で、当該板状要素の表面の少なくとも90%以上好ましくは100%にわたって延びている接着剤の層(36)から成ることを特徴とする請求項28に記載の床パネル。
【請求項30】
当該障壁が、1つ以上の層から成る少なくとも1つのラミネート層(37)、好ましくは、メラミン樹脂を基材とするラミネート層(37)から成ることを特徴とする請求項29に記載の床パネル。
【請求項31】
当該ラミネート層(37)が、単一層から成り、言い換えると、樹脂を備えた1つの支持体から成り、ここで、この層が好ましくは耐摩耗性を高めるための粒子を含まないことを特徴とする請求項30に記載の床パネル。
【請求項32】
カーペット製品(34)の層が備えられた板状要素(3)から成る床パネルであって、
ここで、板状要素(3)が、木材または木を基材とする材料の心材(26)から成る床パネルにおいて、
前記板状要素がサンドイッチ構造を有する、
ことを特徴とする床パネル。
【請求項33】
当該心材(26)が、上部層と、これと釣り合わせるための裏打ち層(28)との間に配置されることを特徴とする請求項32に記載の床パネル。
【請求項34】
当該心材(26)が、単一のMDFまたはHDF連続板から成ることを特徴とする請求項33に記載の床パネル。
【請求項35】
当該上部層と裏打ち層とが、樹脂を基材とするラミネート層、より詳しくは樹脂含浸紙層から成ることを特徴とする請求項33または34に記載の床パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−514830(P2008−514830A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532805(P2007−532805)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/009889
【国際公開番号】WO2006/032398
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(502448281)フロアリング インダストリーズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】