床化粧材
【課題】表面材の形状を制限されず、かつ、目地に沿った部分での撓みが少ないとともに、表面側から裏面側への十分な排水性能を確保できる床化粧材を提供する。
【解決手段】合成樹脂製枠体の枠体本体上面に複数の板状表面材が一定間隔の目地を形成した状態で固着され、枠体本体の下面側から枠体本体と敷設面との間に排水空間を形成する多数の脚部を備えているとともに、前記枠体本体の前記目地を臨む部分に目地の長手方向に長孔状の水抜き孔が目地に沿って複数設けられ、かつ、前記合成樹脂製枠体が、枠体本体の下面の前記目地を臨み、前記水抜き孔を避けた位置に、枠体の前記目地を臨む部分を中心とする撓みを抑止する補強リブを備えている床化粧材であって、枠体本体の下面側に、水抜き孔を跨ぐように目地の長手方向から見て略門型をした補助補強リブを備えていることを特徴としている。
【解決手段】合成樹脂製枠体の枠体本体上面に複数の板状表面材が一定間隔の目地を形成した状態で固着され、枠体本体の下面側から枠体本体と敷設面との間に排水空間を形成する多数の脚部を備えているとともに、前記枠体本体の前記目地を臨む部分に目地の長手方向に長孔状の水抜き孔が目地に沿って複数設けられ、かつ、前記合成樹脂製枠体が、枠体本体の下面の前記目地を臨み、前記水抜き孔を避けた位置に、枠体の前記目地を臨む部分を中心とする撓みを抑止する補強リブを備えている床化粧材であって、枠体本体の下面側に、水抜き孔を跨ぐように目地の長手方向から見て略門型をした補助補強リブを備えていることを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ベランダや屋上等のコンクリート土間などの基礎床上に並べて敷設される床化粧材に関する。
【背景技術】
【0002】
ベランダや屋上等の意匠性を高めるために、コンクリート土間上に床化粧材を敷き並べることが従来から行われている。
このような床化粧材として、図12に示すように、合成樹脂製の枠体200の枠体本体上面に複数の板状をした表面材300が一定間隔の目地110を形成した状態で固着されているとともに、枠体200の目地110を臨む部分に水抜き孔210が目地110の長手方向に沿って複数設けられている床化粧材100が既に提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この床化粧材100は、上記のように、枠体200の目地110を臨む部分に水抜き孔210を設けることによって、表面材300上に降って目地110内に入り込んだ雨水等がこの水抜き孔210からコンクリート土間等の基礎床面(図示せず)上に流れ落ちて基礎床面に設けられた排水孔からスムーズに排水され、表面材300上に雨水が溜まることがないようにしている。
【0004】
また、上記床化粧材100においては、表面材300として、上面側のコーナー部を切り欠いたものを用いて、折れ曲がり時に表面材300同士のぶつかりを解消するようにしている。
すなわち、排水性をよりよくするために、上記水抜き孔210の開口面積をできるだけ大きくする必要があるが、枠体が柔らかい合成樹脂で形成されているため、あまり開口面積を大きくすると、枠体が目地110を臨む部分で折れ曲がり易くなる。
そして、この折れ曲がりによって、搬送時や施工時に表面材300が目地110を挟んで隣接する他の表面材300とぶつかり、表面材に欠けや割れが発生することがある。
【0005】
しかし、このような構成では、表面材の選択自由度が少なくなり、意匠の発展性が乏しい。
また、枠体が目地110を臨む部分で折れ曲がり易いので、購入者がこの床化粧材100を手にとってみたとき、しっかり感がなく、高級感を損い、購買意欲を失うおそれがある。
【0006】
一方、枠体本体の下面の前記目地を臨み、前記水抜き孔を避けた位置に、枠体の前記目地を臨む部分を中心とする撓みを抑止する補強リブを備えている床化粧材も上市されている。
このような床化粧材の場合、軽量な表面材であれば補強リブによって十分撓みを抑止するのであるが、昨今のように保水性を備えた表面材のように、重量が重くなる表面材の場合、上記のような補強リブのみは撓みを防止することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第2604304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みて、表面材の形状及び重量を制限されず、かつ、目地に沿った部分での撓みが少ないとともに、表面側から裏面側への十分な排水性能を確保できる床化粧材を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の床化粧材(以下、「本発明1の化粧床材」と記す)は、合成樹脂製枠体の枠体本体上面に複数の板状表面材が一定間隔の目地を形成した状態で固着され、枠体本体の下面側から枠体本体と敷設面との間に排水空間を形成する多数の脚部を備えているとともに、前記枠体本体の前記目地を臨む部分に目地の長手方向に長孔状の水抜き孔が目地に沿って複数設けられ、かつ、前記合成樹脂製枠体が、枠体本体の下面の前記目地を臨み、前記水抜き孔を避けた位置に、枠体の前記目地を臨む部分を中心とする撓みを抑止する補強リブを備えている床化粧材であって、水抜き孔を跨ぐように目地の長手方向から見て略門型をした補助補強リブを、枠体本体の下面側に備えていることを特徴としている。
【0010】
本発明1の化粧床材において、上記補助補強リブは、その枠体本体の下面からの最大突出長さが脚部の突出長さより短いことが好ましい。
【0011】
また、本発明の請求項3に記載の床化粧材(以下、「本発明2の化粧床材」と記す)は、合成樹脂製枠体の枠体本体上面に複数の板状表面材が一定間隔の目地を形成した状態で固着され、枠体本体の下面側から枠体本体と敷設面との間に排水空間を形成する多数の脚部を備えているとともに、前記枠体本体の前記目地を臨む部分に目地の長手方向に長孔状の水抜き孔が目地に沿って複数設けられ、かつ、前記合成樹脂製枠体が、枠体本体の下面の前記目地を臨み、前記水抜き孔を避けた位置に、枠体の前記目地を臨む部分を中心とする撓みを抑止する補強リブを備えている床化粧材であって、前記枠体本体の下面側に枠体本体上面に受けられた板状表面材の固定用接着剤が充填固化される筒状をした接着剤溜まり部の、前記水抜き孔を挟んで配置された接着剤溜まり部が水抜き孔を跨るように配置された補助補強リブで連結されていることを特徴としている。
接着剤溜まり部(「接着剤壷」ともいう)を連結する補助補強リブは、1本でも構わないが、水抜き孔を完全に塞がなければ、複数本設けるようにしても構わない。
【0012】
本発明1,2の化粧床材において、補強リブは、水抜き孔の目地の長手方向両側縁に沿って設けられていることが好ましい。
また、上記補強リブは、特に限定されないが、例えば、その形状が枠体本体の下面側からみて平面視棒状、あるいは括れ形状をしたものが挙げられる。
【0013】
化粧床材を水抜き孔部分で切断して寸法調整して用いる場合に、切断しやすいため、水抜き孔の長軸に沿う中央部が括れた形状をしたものを一部に設けるようにすることが好ましい。
括れ形状としては、瓢箪形、略菱形の枠状体をその端部で連結した形状(中央部が括れた八角形)などが好ましい。
【0014】
表面材としては、特に限定されず、プラスチック、ラバー、磁器タイル、天然木、天然石、これらの複合材料からなるものが挙げられ、保水性を備えたものでもよい。
枠体の材質としては、特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
表面材の枠体への固定方法は、特に限定されないが、接着剤による接着が好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明1の床化粧材は、上記のように、合成樹脂製枠体の枠体本体上面に複数の板状表面材が一定間隔の目地を形成した状態で固着され、枠体本体の下面側から枠体本体と敷設面との間に排水空間を形成する多数の脚部を備えているとともに、前記枠体本体の前記目地を臨む部分に目地の長手方向に長孔状の水抜き孔が目地に沿って複数設けられ、かつ、前記合成樹脂製枠体が、枠体本体の下面の前記目地を臨み、前記水抜き孔を避けた位置に、枠体の前記目地を臨む部分を中心とする撓みを抑止する補強リブを備えている床化粧材であって、水抜き孔を跨ぐように目地の長手方向から見て略門型をした補助補強リブを、枠体本体の下面側に備えているので、表面材の形状及び重量を制限されず、かつ、目地に沿った部分での撓みが少ないとともに、表面側から裏面側への十分な排水性能を確保できる。
しかも、枠体本体の上面側に補強リブ及び補助補強リブを設けたのでは、目地に沿った部分での撓みを少なくすることができたとしても、補強リブが目地内に入り込んだ雨水等が水抜き孔に流れ込むことを妨げるおそれがあり、リブの数量、投影面積には制約がかかるが、補強リブ及び補助補強リブが枠体本体の下面側に設けられているので、リブの数量、投影面積には制約がなく、水抜き孔や補強リブの位置を自由に選択できる。
【0016】
また、補助補強リブの枠体本体の下面からの最大突出長さを、脚部の突出長さより短く
すれば、補助補強リブの下端と基礎床面との間に隙間が生じて、排水性能がよりよくなる。 さらに、補強リブが水抜き孔の目地の長手方向両側縁に沿って設けられている構成とすれば、より目地に沿った部分での撓みを少なくすることができる。
【0017】
一方、本発明2の床化粧材は、合成樹脂製枠体の枠体本体上面に複数の板状表面材が一定間隔の目地を形成した状態で固着され、枠体本体の下面側から枠体本体と敷設面との間に排水空間を形成する多数の脚部を備えているとともに、前記枠体本体の前記目地を臨む部分に目地の長手方向に長孔状の水抜き孔が目地に沿って複数設けられ、かつ、前記合成樹脂製枠体が、枠体本体の下面の前記目地を臨み、前記水抜き孔を避けた位置に、枠体の前記目地を臨む部分を中心とする撓みを抑止する補強リブを備えている床化粧材であって、前記枠体本体の下面側に枠体本体上面に受けられた板状表面材の固定用接着剤が充填固化される筒状をした接着剤溜まり部の、前記水抜き孔を挟んで配置された接着剤溜まり部が水抜き孔を跨るように配置された補助補強リブで連結されているので、タイルの重みによる変形を大幅に抑えることができるため、手に取ったとき、変形が少なく、タイル同士がぶつかり、割れる可能性が大幅に抑えられ、施工しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明1の床化粧材の第1の実施の形態をあらわす斜視図である。
【図2】図1の床化粧材の平面図である。
【図3】図1の床化粧材を構成する枠体の平面図である。
【図4】図1の床化粧材を構成する枠体の底面図である。
【図5】図1の床化粧材の補強リブ部分を下面側からみた拡大斜視図である。
【図6】本発明1の床化粧材の第2の実施の形態であって、その補強リブ部分を下面側からみた拡大斜視図である。
【図7】本発明1の床化粧材の第3の実施の形態であって、その補強リブ部分を下面側からみた拡大斜視図である。
【図8】本発明1の床化粧材の第4の実施の形態であって、その補強リブ部分を下面側からみた拡大斜視図である。
【図9】本発明2の床化粧材の第1の実施の形態であって、その枠体本体の下面側からみた要部斜視図である。
【図10】図9の床化粧材の枠体本体の底面図である。
【図11】本発明2の床化粧材の第2の実施の形態の底面図である。
【図12】公知の床化粧材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図5は、本発明1の床化粧材の第1の実施の形態をあらわしている。
【0020】
図1及び図2に示すように、この床化粧材Aは、枠体1aと、4枚の表面材2とから構成されている。
枠体1aは、図3及び図4に示すように、枠体本体3と、脚部4と、雌型嵌合部5と、雄型嵌合部6と、補強リブ7aと、補助補強リブ9aとを備えている。
【0021】
枠体本体3は、外形が略正方形の格子板状をしていて、上面に4枚の表面材2が目地8を形成した状態で固着され、目地8を臨む部分に長孔状をした複数の水抜き孔31が目地8に沿う方向に並んで穿設されているとともに、枠体本体3の上面に開口する筒状をした接着剤溜まり部32を備えている。
すなわち、枠体1aと表面材2とは、図示していないが、枠体本体3の上面所定位置に表面材2を沿わせた状態で、接着剤溜まり部32に未硬化状態の接着剤を充填したのち、硬化させることによって接着固定されるようになっている。
【0022】
脚部4は、枠体本体3の下面側から突出するように設けられていて、基礎床面(図示せず)に載置したときに、枠体本体3の下面と基礎床面との間に排水空間を形成するようになっている。
雌型嵌合部5は、枠体本体3の1つのコーナー部を挟む2辺から外側に延出するように枠体本体3の端縁に沿って等ピッチで各辺に沿って6つずつ設けられていて、後述する雄型嵌合部6が嵌合する嵌合孔51を備えている。
雄型嵌合部6は、嵌合孔51に嵌り込む大きさをしていて、枠体本体3の雌型嵌合部5が設けられていない残りの2辺に沿って、雌型嵌合部5の対称位置で下面から脚部4と略同じ突出長さで突出するように嵌合孔51には雌型嵌合部5と同数設けられている。
【0023】
補強リブ7aは、図4及び図5に示すように、水抜き孔31と水抜き孔31との間で、両水抜き孔31に沿うように、枠体本体3の下面から突出するように設けられていて、2つの柱状部71と、連結部72とを備えている。
2つ柱状部71は、水抜き孔31の中心軸を挟んで対称位置に枠体本体3の下面からの突出長さが脚部4と同じ円筒形をしている。
連結部72は、2つ柱状部71を連結するように、枠体本体3の下面に沿って設けられ、その枠体本体3の下面からの突出長さが柱状部71より短くなっている。
補助補強リブ9aは、図4及び図5に示すように、枠体本体3からの突出長さが補強リブ7aの柱状部71と同じ突出長さである円筒状をした2つの柱状部91と、この2つの柱状部91の下端間を連結する連結部92とを備え、略門形をしていて、補強リブ7aと補強リブ7aの水抜き孔31の長手方向の中間位置に設けられている。
【0024】
この床化粧材Aは、従来のものと同様に、雌型嵌合部5の嵌合孔51に隣接して配置される同様の床化粧材Aの雄型嵌合部6を嵌合することによってつぎつぎに連結した状態でベランダや屋上等にコンクリート土間に敷設して化粧床面を形成することができる。
しかも、上記のように補強リブ7aだけでなく補助補強リブ9aも備えているので、表面材2の形状及び重量などに制限されず、かつ、目地8に沿った部分での撓みが少ないとともに、表面側から裏面側への十分な排水性能を確保できる。すなわち、保水性の表面材等、表面材が重量のあるものであっても目地8に沿った部分での撓みが少ない。
なお、目地に入り込んだ雨水等は図5に矢印で示すように、補助補強リブ9aの部分で分岐して排水される。
【0025】
図6は、本発明1の床化粧材の第2の実施の形態をあらわしている。
図6に示すように、この床化粧材Bは、補助補強リブ9bが、柱状部93が角柱断面矩形の略門形をしているとともに、枠体本体3の下面からの突出長さが補強リブ7aの柱状部71の突出長さより短くなっている以外は、上記床化粧材Aと同様になっている。
【0026】
この床化粧材Bは、上記のように枠体本体3の下面からの突出長さが補強リブ7aの柱状部71の突出長さより短くなっているので、補助補強リブ9bの下端と基礎床面との間に隙間が生じる。したがって、排水性能がよりよくなる。
【0027】
図7は、本発明1の床化粧材の第3の実施の形態をあらわしている。
図7に示すように、この床化粧材Cは、補強リブ7bが略菱形の枠状体をその端部で連結した形状をしていて、全体が脚部4と同じ長さだけ枠体本体3の下面から突出している以外は、上記床化粧材Bと同様になっている。
【0028】
図8は、本発明1の床化粧材の第4の実施の形態をあらわしている。
図8に示すように、この床化粧材Eは、補強リブ7cが略くの字形していて、全体が脚部4と同じ長さだけ枠体本体3の下面から突出している以外は、上記床化粧材Bと同様になっている。
【0029】
図9及び図10は、本発明2の床化粧材の第1の実施の形態をあらわしている。
図9及び図10に示すように、この床化粧材Eは、枠体1bが、上記床化粧材Aの補助補強リブ9aに代えて、水抜き孔31を挟んで配置された接着剤溜まり部32間が3本の補助補強リブ9bによって連結されているとともに、水抜き孔31bの長手方向の端縁に沿って柱状部71の間に棒状の連結部72を備えた補強リブ7aと、略菱形の枠状体をその端部で連結した形状の補強リブ7bを交互に設けた以外は、上記床化粧材Aと同様になっている。
なお、図9中、Sは接着剤である。
【0030】
この床化粧材Eは、水抜き孔31を挟んで配置された接着剤溜まり部32間が3本の補助補強リブ9bによって連結されているので、タイルの重みによる変形を大幅に抑えることができるため、手に取ったとき、変形が少なく、タイル同士がぶつかり、割れる可能性が大幅に抑えられ、施工しやすい。
また、補強リブ7bが枠形をしているので、化粧床材を水抜き孔部分で切断して寸法調整して用いる場合に、切断しやすい。
【0031】
図11は、本発明2の床化粧材の第2の実施の形態をあらわしている。
図11に示すように、この床化粧材Fは、枠体1cが、上記枠体1bの補強リブ7bの部分も補強リブ7aとした、すなわち、補強リブを補強リブ7aのみとした以外は、上記床化粧材Eと同様になっている。
【0032】
以下に、本発明の床化粧材の具体的な実施例を説明する。
【0033】
(実施例1)
ポリエチレン樹脂を用いて射出成形し、雌型嵌合部5を除く枠体1bの外寸が295mm角、補助補強リブ9aの幅が3mmの図10に示す形状の枠体1bを得た。
そして、145mm角、厚み15mm、重量500gの4枚の表面材(保水タイル)を目地幅が5mmとなるように上記のようにして得られた枠体1bに接着して床化粧材Eを得た。
【0034】
(実施例2)
補助補強リブ9bを真ん中の1本のみにした以外は、上記実施例1と同様の枠体を射出成形した。
【0035】
(比較例1)
補助補強リブ9bを全く設けない以外は、上記実施例1と同様の枠体を射出成形した。
【0036】
上記実施例1,2及び比較例1で得られた床化粧材を、表面材側を上にした状態で、一列に並ぶ水抜き孔を中心にして一側の2つの表面材及びその下方の枠体部分をクランプで挟み、クランプで挟まれた表面材の上面が水平となるように保ち、水抜き孔を中心にして他側を無支持状態にしたときの、自重で撓むように保持したときの床化粧材の水平に支持された側の表面材の高さ位置から、下方に撓んだ他側の表面材の上面の他側端までの垂直距離を変形量として実測し、その結果を表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】
上記表1から、水抜き孔を挟んで配置された接着剤溜まり部が水抜き孔を跨るように配置された補助補強リブで連結されている構成とすれば、枠体全体を厚くしたりせずとも、変形量がかなり小さくなることがよくわかる。
【0039】
本発明にかかる床化粧材は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、本発明1の上記第1、第2の実施の形態では、補強リブの柱状部が円筒状になっていたが、円柱状、角柱状、角筒状でも構わない。
また、本発明1の上記第1〜第4の実施の形態では、補助補強リブが補強リブと補強リブとの中間位置に1つだけ設けられていたが、水抜き孔の長手方向の寸法を長くし、補助補強リブを複数個設けるようにしても構わない。
さらに、本発明1の上記第1〜第4の実施の形態では、水抜き孔の長手方向両側に配置される補強リブが同じ形状をしていたが、両側で形状が異なっていても構わない。
【0040】
本発明2の床化粧材に、本発明1の床化粧材の補助補強リブを更に設けるようにしても構わない。
【符号の説明】
【0041】
A,B,C,D,E,F 床化粧材
1a,1b,1c 枠体
2 表面材
3 枠体本体
31 水抜き孔
32 接着剤溜まり部
4 脚部
7a,7b,7c 補強リブ
9a,9b 補助補強リブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ベランダや屋上等のコンクリート土間などの基礎床上に並べて敷設される床化粧材に関する。
【背景技術】
【0002】
ベランダや屋上等の意匠性を高めるために、コンクリート土間上に床化粧材を敷き並べることが従来から行われている。
このような床化粧材として、図12に示すように、合成樹脂製の枠体200の枠体本体上面に複数の板状をした表面材300が一定間隔の目地110を形成した状態で固着されているとともに、枠体200の目地110を臨む部分に水抜き孔210が目地110の長手方向に沿って複数設けられている床化粧材100が既に提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この床化粧材100は、上記のように、枠体200の目地110を臨む部分に水抜き孔210を設けることによって、表面材300上に降って目地110内に入り込んだ雨水等がこの水抜き孔210からコンクリート土間等の基礎床面(図示せず)上に流れ落ちて基礎床面に設けられた排水孔からスムーズに排水され、表面材300上に雨水が溜まることがないようにしている。
【0004】
また、上記床化粧材100においては、表面材300として、上面側のコーナー部を切り欠いたものを用いて、折れ曲がり時に表面材300同士のぶつかりを解消するようにしている。
すなわち、排水性をよりよくするために、上記水抜き孔210の開口面積をできるだけ大きくする必要があるが、枠体が柔らかい合成樹脂で形成されているため、あまり開口面積を大きくすると、枠体が目地110を臨む部分で折れ曲がり易くなる。
そして、この折れ曲がりによって、搬送時や施工時に表面材300が目地110を挟んで隣接する他の表面材300とぶつかり、表面材に欠けや割れが発生することがある。
【0005】
しかし、このような構成では、表面材の選択自由度が少なくなり、意匠の発展性が乏しい。
また、枠体が目地110を臨む部分で折れ曲がり易いので、購入者がこの床化粧材100を手にとってみたとき、しっかり感がなく、高級感を損い、購買意欲を失うおそれがある。
【0006】
一方、枠体本体の下面の前記目地を臨み、前記水抜き孔を避けた位置に、枠体の前記目地を臨む部分を中心とする撓みを抑止する補強リブを備えている床化粧材も上市されている。
このような床化粧材の場合、軽量な表面材であれば補強リブによって十分撓みを抑止するのであるが、昨今のように保水性を備えた表面材のように、重量が重くなる表面材の場合、上記のような補強リブのみは撓みを防止することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第2604304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みて、表面材の形状及び重量を制限されず、かつ、目地に沿った部分での撓みが少ないとともに、表面側から裏面側への十分な排水性能を確保できる床化粧材を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の床化粧材(以下、「本発明1の化粧床材」と記す)は、合成樹脂製枠体の枠体本体上面に複数の板状表面材が一定間隔の目地を形成した状態で固着され、枠体本体の下面側から枠体本体と敷設面との間に排水空間を形成する多数の脚部を備えているとともに、前記枠体本体の前記目地を臨む部分に目地の長手方向に長孔状の水抜き孔が目地に沿って複数設けられ、かつ、前記合成樹脂製枠体が、枠体本体の下面の前記目地を臨み、前記水抜き孔を避けた位置に、枠体の前記目地を臨む部分を中心とする撓みを抑止する補強リブを備えている床化粧材であって、水抜き孔を跨ぐように目地の長手方向から見て略門型をした補助補強リブを、枠体本体の下面側に備えていることを特徴としている。
【0010】
本発明1の化粧床材において、上記補助補強リブは、その枠体本体の下面からの最大突出長さが脚部の突出長さより短いことが好ましい。
【0011】
また、本発明の請求項3に記載の床化粧材(以下、「本発明2の化粧床材」と記す)は、合成樹脂製枠体の枠体本体上面に複数の板状表面材が一定間隔の目地を形成した状態で固着され、枠体本体の下面側から枠体本体と敷設面との間に排水空間を形成する多数の脚部を備えているとともに、前記枠体本体の前記目地を臨む部分に目地の長手方向に長孔状の水抜き孔が目地に沿って複数設けられ、かつ、前記合成樹脂製枠体が、枠体本体の下面の前記目地を臨み、前記水抜き孔を避けた位置に、枠体の前記目地を臨む部分を中心とする撓みを抑止する補強リブを備えている床化粧材であって、前記枠体本体の下面側に枠体本体上面に受けられた板状表面材の固定用接着剤が充填固化される筒状をした接着剤溜まり部の、前記水抜き孔を挟んで配置された接着剤溜まり部が水抜き孔を跨るように配置された補助補強リブで連結されていることを特徴としている。
接着剤溜まり部(「接着剤壷」ともいう)を連結する補助補強リブは、1本でも構わないが、水抜き孔を完全に塞がなければ、複数本設けるようにしても構わない。
【0012】
本発明1,2の化粧床材において、補強リブは、水抜き孔の目地の長手方向両側縁に沿って設けられていることが好ましい。
また、上記補強リブは、特に限定されないが、例えば、その形状が枠体本体の下面側からみて平面視棒状、あるいは括れ形状をしたものが挙げられる。
【0013】
化粧床材を水抜き孔部分で切断して寸法調整して用いる場合に、切断しやすいため、水抜き孔の長軸に沿う中央部が括れた形状をしたものを一部に設けるようにすることが好ましい。
括れ形状としては、瓢箪形、略菱形の枠状体をその端部で連結した形状(中央部が括れた八角形)などが好ましい。
【0014】
表面材としては、特に限定されず、プラスチック、ラバー、磁器タイル、天然木、天然石、これらの複合材料からなるものが挙げられ、保水性を備えたものでもよい。
枠体の材質としては、特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
表面材の枠体への固定方法は、特に限定されないが、接着剤による接着が好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明1の床化粧材は、上記のように、合成樹脂製枠体の枠体本体上面に複数の板状表面材が一定間隔の目地を形成した状態で固着され、枠体本体の下面側から枠体本体と敷設面との間に排水空間を形成する多数の脚部を備えているとともに、前記枠体本体の前記目地を臨む部分に目地の長手方向に長孔状の水抜き孔が目地に沿って複数設けられ、かつ、前記合成樹脂製枠体が、枠体本体の下面の前記目地を臨み、前記水抜き孔を避けた位置に、枠体の前記目地を臨む部分を中心とする撓みを抑止する補強リブを備えている床化粧材であって、水抜き孔を跨ぐように目地の長手方向から見て略門型をした補助補強リブを、枠体本体の下面側に備えているので、表面材の形状及び重量を制限されず、かつ、目地に沿った部分での撓みが少ないとともに、表面側から裏面側への十分な排水性能を確保できる。
しかも、枠体本体の上面側に補強リブ及び補助補強リブを設けたのでは、目地に沿った部分での撓みを少なくすることができたとしても、補強リブが目地内に入り込んだ雨水等が水抜き孔に流れ込むことを妨げるおそれがあり、リブの数量、投影面積には制約がかかるが、補強リブ及び補助補強リブが枠体本体の下面側に設けられているので、リブの数量、投影面積には制約がなく、水抜き孔や補強リブの位置を自由に選択できる。
【0016】
また、補助補強リブの枠体本体の下面からの最大突出長さを、脚部の突出長さより短く
すれば、補助補強リブの下端と基礎床面との間に隙間が生じて、排水性能がよりよくなる。 さらに、補強リブが水抜き孔の目地の長手方向両側縁に沿って設けられている構成とすれば、より目地に沿った部分での撓みを少なくすることができる。
【0017】
一方、本発明2の床化粧材は、合成樹脂製枠体の枠体本体上面に複数の板状表面材が一定間隔の目地を形成した状態で固着され、枠体本体の下面側から枠体本体と敷設面との間に排水空間を形成する多数の脚部を備えているとともに、前記枠体本体の前記目地を臨む部分に目地の長手方向に長孔状の水抜き孔が目地に沿って複数設けられ、かつ、前記合成樹脂製枠体が、枠体本体の下面の前記目地を臨み、前記水抜き孔を避けた位置に、枠体の前記目地を臨む部分を中心とする撓みを抑止する補強リブを備えている床化粧材であって、前記枠体本体の下面側に枠体本体上面に受けられた板状表面材の固定用接着剤が充填固化される筒状をした接着剤溜まり部の、前記水抜き孔を挟んで配置された接着剤溜まり部が水抜き孔を跨るように配置された補助補強リブで連結されているので、タイルの重みによる変形を大幅に抑えることができるため、手に取ったとき、変形が少なく、タイル同士がぶつかり、割れる可能性が大幅に抑えられ、施工しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明1の床化粧材の第1の実施の形態をあらわす斜視図である。
【図2】図1の床化粧材の平面図である。
【図3】図1の床化粧材を構成する枠体の平面図である。
【図4】図1の床化粧材を構成する枠体の底面図である。
【図5】図1の床化粧材の補強リブ部分を下面側からみた拡大斜視図である。
【図6】本発明1の床化粧材の第2の実施の形態であって、その補強リブ部分を下面側からみた拡大斜視図である。
【図7】本発明1の床化粧材の第3の実施の形態であって、その補強リブ部分を下面側からみた拡大斜視図である。
【図8】本発明1の床化粧材の第4の実施の形態であって、その補強リブ部分を下面側からみた拡大斜視図である。
【図9】本発明2の床化粧材の第1の実施の形態であって、その枠体本体の下面側からみた要部斜視図である。
【図10】図9の床化粧材の枠体本体の底面図である。
【図11】本発明2の床化粧材の第2の実施の形態の底面図である。
【図12】公知の床化粧材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図5は、本発明1の床化粧材の第1の実施の形態をあらわしている。
【0020】
図1及び図2に示すように、この床化粧材Aは、枠体1aと、4枚の表面材2とから構成されている。
枠体1aは、図3及び図4に示すように、枠体本体3と、脚部4と、雌型嵌合部5と、雄型嵌合部6と、補強リブ7aと、補助補強リブ9aとを備えている。
【0021】
枠体本体3は、外形が略正方形の格子板状をしていて、上面に4枚の表面材2が目地8を形成した状態で固着され、目地8を臨む部分に長孔状をした複数の水抜き孔31が目地8に沿う方向に並んで穿設されているとともに、枠体本体3の上面に開口する筒状をした接着剤溜まり部32を備えている。
すなわち、枠体1aと表面材2とは、図示していないが、枠体本体3の上面所定位置に表面材2を沿わせた状態で、接着剤溜まり部32に未硬化状態の接着剤を充填したのち、硬化させることによって接着固定されるようになっている。
【0022】
脚部4は、枠体本体3の下面側から突出するように設けられていて、基礎床面(図示せず)に載置したときに、枠体本体3の下面と基礎床面との間に排水空間を形成するようになっている。
雌型嵌合部5は、枠体本体3の1つのコーナー部を挟む2辺から外側に延出するように枠体本体3の端縁に沿って等ピッチで各辺に沿って6つずつ設けられていて、後述する雄型嵌合部6が嵌合する嵌合孔51を備えている。
雄型嵌合部6は、嵌合孔51に嵌り込む大きさをしていて、枠体本体3の雌型嵌合部5が設けられていない残りの2辺に沿って、雌型嵌合部5の対称位置で下面から脚部4と略同じ突出長さで突出するように嵌合孔51には雌型嵌合部5と同数設けられている。
【0023】
補強リブ7aは、図4及び図5に示すように、水抜き孔31と水抜き孔31との間で、両水抜き孔31に沿うように、枠体本体3の下面から突出するように設けられていて、2つの柱状部71と、連結部72とを備えている。
2つ柱状部71は、水抜き孔31の中心軸を挟んで対称位置に枠体本体3の下面からの突出長さが脚部4と同じ円筒形をしている。
連結部72は、2つ柱状部71を連結するように、枠体本体3の下面に沿って設けられ、その枠体本体3の下面からの突出長さが柱状部71より短くなっている。
補助補強リブ9aは、図4及び図5に示すように、枠体本体3からの突出長さが補強リブ7aの柱状部71と同じ突出長さである円筒状をした2つの柱状部91と、この2つの柱状部91の下端間を連結する連結部92とを備え、略門形をしていて、補強リブ7aと補強リブ7aの水抜き孔31の長手方向の中間位置に設けられている。
【0024】
この床化粧材Aは、従来のものと同様に、雌型嵌合部5の嵌合孔51に隣接して配置される同様の床化粧材Aの雄型嵌合部6を嵌合することによってつぎつぎに連結した状態でベランダや屋上等にコンクリート土間に敷設して化粧床面を形成することができる。
しかも、上記のように補強リブ7aだけでなく補助補強リブ9aも備えているので、表面材2の形状及び重量などに制限されず、かつ、目地8に沿った部分での撓みが少ないとともに、表面側から裏面側への十分な排水性能を確保できる。すなわち、保水性の表面材等、表面材が重量のあるものであっても目地8に沿った部分での撓みが少ない。
なお、目地に入り込んだ雨水等は図5に矢印で示すように、補助補強リブ9aの部分で分岐して排水される。
【0025】
図6は、本発明1の床化粧材の第2の実施の形態をあらわしている。
図6に示すように、この床化粧材Bは、補助補強リブ9bが、柱状部93が角柱断面矩形の略門形をしているとともに、枠体本体3の下面からの突出長さが補強リブ7aの柱状部71の突出長さより短くなっている以外は、上記床化粧材Aと同様になっている。
【0026】
この床化粧材Bは、上記のように枠体本体3の下面からの突出長さが補強リブ7aの柱状部71の突出長さより短くなっているので、補助補強リブ9bの下端と基礎床面との間に隙間が生じる。したがって、排水性能がよりよくなる。
【0027】
図7は、本発明1の床化粧材の第3の実施の形態をあらわしている。
図7に示すように、この床化粧材Cは、補強リブ7bが略菱形の枠状体をその端部で連結した形状をしていて、全体が脚部4と同じ長さだけ枠体本体3の下面から突出している以外は、上記床化粧材Bと同様になっている。
【0028】
図8は、本発明1の床化粧材の第4の実施の形態をあらわしている。
図8に示すように、この床化粧材Eは、補強リブ7cが略くの字形していて、全体が脚部4と同じ長さだけ枠体本体3の下面から突出している以外は、上記床化粧材Bと同様になっている。
【0029】
図9及び図10は、本発明2の床化粧材の第1の実施の形態をあらわしている。
図9及び図10に示すように、この床化粧材Eは、枠体1bが、上記床化粧材Aの補助補強リブ9aに代えて、水抜き孔31を挟んで配置された接着剤溜まり部32間が3本の補助補強リブ9bによって連結されているとともに、水抜き孔31bの長手方向の端縁に沿って柱状部71の間に棒状の連結部72を備えた補強リブ7aと、略菱形の枠状体をその端部で連結した形状の補強リブ7bを交互に設けた以外は、上記床化粧材Aと同様になっている。
なお、図9中、Sは接着剤である。
【0030】
この床化粧材Eは、水抜き孔31を挟んで配置された接着剤溜まり部32間が3本の補助補強リブ9bによって連結されているので、タイルの重みによる変形を大幅に抑えることができるため、手に取ったとき、変形が少なく、タイル同士がぶつかり、割れる可能性が大幅に抑えられ、施工しやすい。
また、補強リブ7bが枠形をしているので、化粧床材を水抜き孔部分で切断して寸法調整して用いる場合に、切断しやすい。
【0031】
図11は、本発明2の床化粧材の第2の実施の形態をあらわしている。
図11に示すように、この床化粧材Fは、枠体1cが、上記枠体1bの補強リブ7bの部分も補強リブ7aとした、すなわち、補強リブを補強リブ7aのみとした以外は、上記床化粧材Eと同様になっている。
【0032】
以下に、本発明の床化粧材の具体的な実施例を説明する。
【0033】
(実施例1)
ポリエチレン樹脂を用いて射出成形し、雌型嵌合部5を除く枠体1bの外寸が295mm角、補助補強リブ9aの幅が3mmの図10に示す形状の枠体1bを得た。
そして、145mm角、厚み15mm、重量500gの4枚の表面材(保水タイル)を目地幅が5mmとなるように上記のようにして得られた枠体1bに接着して床化粧材Eを得た。
【0034】
(実施例2)
補助補強リブ9bを真ん中の1本のみにした以外は、上記実施例1と同様の枠体を射出成形した。
【0035】
(比較例1)
補助補強リブ9bを全く設けない以外は、上記実施例1と同様の枠体を射出成形した。
【0036】
上記実施例1,2及び比較例1で得られた床化粧材を、表面材側を上にした状態で、一列に並ぶ水抜き孔を中心にして一側の2つの表面材及びその下方の枠体部分をクランプで挟み、クランプで挟まれた表面材の上面が水平となるように保ち、水抜き孔を中心にして他側を無支持状態にしたときの、自重で撓むように保持したときの床化粧材の水平に支持された側の表面材の高さ位置から、下方に撓んだ他側の表面材の上面の他側端までの垂直距離を変形量として実測し、その結果を表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】
上記表1から、水抜き孔を挟んで配置された接着剤溜まり部が水抜き孔を跨るように配置された補助補強リブで連結されている構成とすれば、枠体全体を厚くしたりせずとも、変形量がかなり小さくなることがよくわかる。
【0039】
本発明にかかる床化粧材は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、本発明1の上記第1、第2の実施の形態では、補強リブの柱状部が円筒状になっていたが、円柱状、角柱状、角筒状でも構わない。
また、本発明1の上記第1〜第4の実施の形態では、補助補強リブが補強リブと補強リブとの中間位置に1つだけ設けられていたが、水抜き孔の長手方向の寸法を長くし、補助補強リブを複数個設けるようにしても構わない。
さらに、本発明1の上記第1〜第4の実施の形態では、水抜き孔の長手方向両側に配置される補強リブが同じ形状をしていたが、両側で形状が異なっていても構わない。
【0040】
本発明2の床化粧材に、本発明1の床化粧材の補助補強リブを更に設けるようにしても構わない。
【符号の説明】
【0041】
A,B,C,D,E,F 床化粧材
1a,1b,1c 枠体
2 表面材
3 枠体本体
31 水抜き孔
32 接着剤溜まり部
4 脚部
7a,7b,7c 補強リブ
9a,9b 補助補強リブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製枠体の枠体本体上面に複数の板状表面材が一定間隔の目地を形成した状態で固着され、枠体本体の下面側から枠体本体と敷設面との間に排水空間を形成する多数の脚部を備えているとともに、前記枠体本体の前記目地を臨む部分に目地の長手方向に長孔状の水抜き孔が目地に沿って複数設けられ、かつ、前記合成樹脂製枠体が、枠体本体の下面の前記目地を臨み、前記水抜き孔を避けた位置に、枠体の前記目地を臨む部分を中心とする撓みを抑止する補強リブを備えている床化粧材であって、水抜き孔を跨ぐように目地の長手方向から見て略門型をした補助補強リブを、枠体本体の下面側に備えていることを特徴とする床化粧材。
【請求項2】
補助補強リブの、枠体本体の下面からの最大突出長さが前記脚部の突出長さより短い請求項1に記載の床化粧材。
【請求項3】
合成樹脂製枠体の枠体本体上面に複数の板状表面材が一定間隔の目地を形成した状態で固着され、枠体本体の下面側から枠体本体と敷設面との間に排水空間を形成する多数の脚部を備えているとともに、前記枠体本体の前記目地を臨む部分に目地の長手方向に長孔状の水抜き孔が目地に沿って複数設けられ、かつ、前記合成樹脂製枠体が、枠体本体の下面の前記目地を臨み、前記水抜き孔を避けた位置に、枠体の前記目地を臨む部分を中心とする撓みを抑止する補強リブを備えている床化粧材であって、前記枠体本体の下面側に枠体本体上面に受けられた板状表面材の固定用接着剤が充填固化される筒状をした接着剤溜まり部の、前記水抜き孔を挟んで配置された接着剤溜まり部が水抜き孔を跨ぐように配置された補助補強リブで連結されていることを特徴とする化粧床材。
【請求項4】
補強リブが水抜き孔の目地の長手方向両側縁に沿って設けられている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の床化粧材。
【請求項5】
括れ形状をした補強リブを備えている請求項4に記載の床化粧材。
【請求項1】
合成樹脂製枠体の枠体本体上面に複数の板状表面材が一定間隔の目地を形成した状態で固着され、枠体本体の下面側から枠体本体と敷設面との間に排水空間を形成する多数の脚部を備えているとともに、前記枠体本体の前記目地を臨む部分に目地の長手方向に長孔状の水抜き孔が目地に沿って複数設けられ、かつ、前記合成樹脂製枠体が、枠体本体の下面の前記目地を臨み、前記水抜き孔を避けた位置に、枠体の前記目地を臨む部分を中心とする撓みを抑止する補強リブを備えている床化粧材であって、水抜き孔を跨ぐように目地の長手方向から見て略門型をした補助補強リブを、枠体本体の下面側に備えていることを特徴とする床化粧材。
【請求項2】
補助補強リブの、枠体本体の下面からの最大突出長さが前記脚部の突出長さより短い請求項1に記載の床化粧材。
【請求項3】
合成樹脂製枠体の枠体本体上面に複数の板状表面材が一定間隔の目地を形成した状態で固着され、枠体本体の下面側から枠体本体と敷設面との間に排水空間を形成する多数の脚部を備えているとともに、前記枠体本体の前記目地を臨む部分に目地の長手方向に長孔状の水抜き孔が目地に沿って複数設けられ、かつ、前記合成樹脂製枠体が、枠体本体の下面の前記目地を臨み、前記水抜き孔を避けた位置に、枠体の前記目地を臨む部分を中心とする撓みを抑止する補強リブを備えている床化粧材であって、前記枠体本体の下面側に枠体本体上面に受けられた板状表面材の固定用接着剤が充填固化される筒状をした接着剤溜まり部の、前記水抜き孔を挟んで配置された接着剤溜まり部が水抜き孔を跨ぐように配置された補助補強リブで連結されていることを特徴とする化粧床材。
【請求項4】
補強リブが水抜き孔の目地の長手方向両側縁に沿って設けられている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の床化粧材。
【請求項5】
括れ形状をした補強リブを備えている請求項4に記載の床化粧材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−150905(P2010−150905A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98860(P2009−98860)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]