床材の製造法
【課題】本発明は略方形の合成樹脂製の座板の上面に表面材を成形硬化して層着し、該表面材内に該座板の上面から突設した多数のアンカーを埋設した床材を製造する際に、該アンカーの埋設深さを過不足なく適切に設定できると共に、座板と表面材とを確実に定着し、対象とする上記床材を健全に製造する。
【解決手段】上面において開口された成形腔を有する表面材成形型を用い、該成形腔内に充填した硬化前表面材2の上面と上記座板1の上面を対向状態にして同アンカー3を上記硬化前表面材2内に埋設する際に、上記座板1の辺縁部1aに設けたアンカー埋設深さ設定手段29を上記表面材成形型10の開口縁部10aに当接して上記硬化前表面材2に対するアンカー3の埋設深さを設定し且つ同座板1の上面に硬化前表面材2を定着する床材の製造法。
【解決手段】上面において開口された成形腔を有する表面材成形型を用い、該成形腔内に充填した硬化前表面材2の上面と上記座板1の上面を対向状態にして同アンカー3を上記硬化前表面材2内に埋設する際に、上記座板1の辺縁部1aに設けたアンカー埋設深さ設定手段29を上記表面材成形型10の開口縁部10aに当接して上記硬化前表面材2に対するアンカー3の埋設深さを設定し且つ同座板1の上面に硬化前表面材2を定着する床材の製造法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は略方形の合成樹脂製の座板の上面に表面材を成形硬化して層着し、該表面材内に該座板の上面から突設した多数のアンカーを埋設した床材の製造法に関する。
【0002】
上記床材は座板を以ってベランダ、バルコニー、屋上、室内床、室外床等の床下地面に多数置き敷きして広面積の床を構成するのに用いられる。
【背景技術】
【0003】
従来より特許文献1に示すように、方形の合成樹脂製座板の上面にセメント混練材等から成る表面材を層着し、該表面材内に該座板の上面から突設した多数のアンカーを埋設した床材が既知である。
【0004】
上記床材の製造手段として、底壁と底壁の四辺から立ち上げられた四側壁とで上面において開放された成形腔を画成した表面材成形型を用い、該表面材成形型の成形腔内に硬化前表面材を充填し、該硬化前表面材の上面と上記座板のアンカーを突出した上面を対向状態にして同アンカーを上記硬化前表面材内に埋設し、同座板の上面に硬化前表面材を定着し、脱型後乾燥する製造法が採られている。
【0005】
【特許文献1】特許第3746051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に代表される床材の製造法においては、上記硬化前表面材内に上記アンカーを埋設する際に、該アンカーの埋設深さにバラツキを生じ、アンカーの埋設深さが浅い場合には、硬化前表面材と座板との結合不良を来たし、逆にアンカーの埋設深さが深すぎる場合には、上記座板の裏面に上記硬化前表面材が回り込み該下面において硬化し不良製品となる不具合を招来し、その解決が課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は特許文献1に示す表面材成形型を用い、同型内に充填した硬化前表面材内に合成樹脂製座板の上面から突設したアンカーを埋設しつつ同硬化前表面材に座板を定着する際に、上記アンカーの埋設深さを適正に設定し、座板の定着不良を有効に防止する床材の製造法を提供するものである。
【0008】
その手段として、上記座板の辺縁部からアンカー埋設深さ設定手段を突設し、該アンカー埋設深さ設定手段を上記表面材成形型の開口縁部に当接して上記硬化前表面材に対するアンカーの埋設深さを設定し且つ同座板の上面に硬化前表面材を定着する方法を採る。
【0009】
又上記座板に該座板の上下面において開放せる複数の結合窓を設け、上記アンカー埋設深さ設定手段の当接にて上記座板の各結合窓内への上記硬化前表面材の浸入を図ると共にその浸入量を設定し、上記表面材と座板との密着性と結合を強化する。
【0010】
又上記表面材成形型の開口縁部には鍔部を設け、上記アンカー埋設深さ設定手段を鍔部上面に安定に当接する。例えば上記アンカー埋設深さ設定手段を短小ピンにて形成し、該短小ピンを鍔部上面(開口縁部)に当接しアンカーの埋設深さを設定する。
【0011】
又上記アンカー埋設深さ設定手段は上記硬化前表面材の脱型後も残留するか、又は脱型後上記座板より除去する。
【0012】
又上記表面材成形型の開口縁部に上記アンカー埋設深さ設定手段の平面方向の移動を制限する定規部を設け、該定規部により上記座板及びアンカー埋設深さ設定手段と表面材成形型及び硬化前表面材との相対位置を設定し、座板とアンカー埋設深さ設定手段の位置ずれを有効に防止しつつ適正位置においてアンカーが硬化前表面材内へ適正深さに埋設されるようにする。
【0013】
上記アンカー埋設深さ設定手段の具体例として、上記座板の隣接する二辺から他の床材との連結を図る連結片を突設し、同座板の他の隣接する二辺から短小ピンを突設し、該連結片を表面材成形型の隣接する二辺の開口縁部に当接すると同時に、短小ピンを表面材成形型の他の隣接する開口縁部に当接して上記アンカーの埋設深さを設定し、座板定着を図る。この場合には成形後連結片を隣接する床材との連結継手として使用し、短小ピンは成形後除去する。
【0014】
上記連結片を設けない場合、上記アンカー埋設深さ設定手段、その例示たる短小ピンは座板の四辺又は三辺から突設し、該短小ピンを表面材成形型の四辺又は三辺の開口縁部(鍔部)に当接して上記アンカーの埋設深さを設定し、座板定着を図る。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、略方形の合成樹脂製の座板の上面に表面材を成形硬化して層着し、該表面材内に該座板の上面から突設した多数のアンカーを埋設した床材を製造する際に、該アンカーの埋設深さを過不足なく適切に設定できると共に、座板と表面材とを確実に定着し、対象とする上記床材を健全に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下本発明を実施するための最良の形態を図1乃至図12に基づき説明する。
【0017】
本発明において対象とする床材は、図1乃至図4に示す略方形の合成樹脂製座板1の上面に表面材2を層着した床材であり、後記する座板1下面から突設した多数の支持脚6を以って床下地面17に多数置き敷きして床を構成するのに用いられ、床と床下地面17間に連続した空隙18を形成する。
【0018】
上記座板1の表面において成形される表面材2としては、砂、ガラス、木片、鉱物等の各種骨材をセメント又は合成樹脂をバインダーとして混練した成形材を適用する。
【0019】
又は上記セメントや合成樹脂の他、鉱滓、焼却灰、石膏等、乾燥硬化されるものに各種骨材を配合した成形材を適用できる。又は製紙スラッジ等の各種スラッジとセメント又は合成樹脂との混練材を成形材として適用できる。
【0020】
図5乃至図11等に示すように、上記表面材2は合成樹脂製座板1の上面において成形硬化させ層着した構造のものであり、該表面材2を層着するに際し、上記座板1の上面から一体に且つ垂直に突出せるアンカー3を硬化前表面材2中に埋設して同硬化前表面材2と座板1とを結合した構造を有する。上記アンカー3は座板1の上面に略均一な分布を以って多数配設する。
【0021】
上記表面材2の成形手段として、底壁10dと底壁10dの四辺から立ち上げられた四側壁10eとで、上面において開口せる成形腔を画成した表面材成形型10を用意する。他方座板1の辺縁部1aにアンカー3のアンカー埋設深さ設定手段29を突設したものを用意する。
【0022】
図6Aに示すように、上記表面材成形型10の成形腔内に硬化前表面材2を充填する。硬化前表面材2は同型10の開口面と略同一面となるように充填する。
【0023】
上記表面材成形型10内に充填された硬化前表面材2の上面と上記座板1の上記アンカー3を突出した上面を対向状態にし、図6Bに示すように、同アンカー3を上記硬化前表面材2内に埋設する。
【0024】
該埋設に際し、上記アンカー埋設深さ設定手段29を上記表面材成形型10の開口縁部10aに当接して上記硬化前表面材2に対するアンカー3の埋設深さを設定し、且つ硬化前表面材2の上面に同座板1の上面を定着する。
【0025】
即ち上記表面材成形型10の開口面(表面材2の下面に相当する開口面)において該座板1のアンカー3を硬化前表面材2内に埋設し、該埋設深さを上記アンカー埋設深さ設定手段29により設定すると共に、同設定手段29により同座板1の上面を硬化前表面材2の上面に密着し、よって上記座板1と同座板1の上面において成形され層着された表面材2を有する上記床材を得る。床材の脱型前又は脱型後に自然乾燥又は熱風乾燥して硬化を促す。
【0026】
上記表面材成形型10はゴム型又は合成樹脂フィルム型等を用いる。該型10によって表面材2の外形(輪郭)と表面模様を成形すると共に、図10,図11に示すように、必要に応じ該表面材2の上面に横方向又は/及び縦方向の目地溝11を付形し、該目地溝11によって表面材2を外観上、複数の区分に区画する。
【0027】
上記硬化前表面材2は上記表面材成形型10内に充填後、又は充填して上記座板1を対向設置した後、又は上記座板1のアンカー3を硬化前表面材2内に押し込んだ後、同型10にバイブレーションを加えることにより硬化前表面材2の充填を密にして型10の底壁10dとの密着性を高め、該底壁10dにて表面材2の表面模様又は/及び目地溝11を良好に成形すると共に、底壁10dと側壁10eにて表面材2の外形を成形する。又バイブレーションにてアンカー3と硬化前表面材2との密着性を向上し、且つ硬化前表面材2に対する座板1の密着性(定着性)を向上する。
【0028】
又は図8,図9に示すように、目地溝11を施さない全体が平盤な表面材2を成形することができる。
【0029】
上記硬化前表面材2を成形し座板1に層着した後に脱型し、脱型後に上記アンカー埋設深さ設定手段29はそのまま残存するか、除去する。
【0030】
図1,図5に示すように、上記アンカー埋設深さ設定手段29は上記座板1の三辺又は四辺の辺縁部1aから外側方へ突設して一体に設け、上記表面材成形型10の三側壁10e又は四側壁10eの開口縁部10aに当接する。
【0031】
上記アンカー埋設深さ設定手段29は上記座板1の辺縁部1aに沿い単数又は複数設け、複数設けた場合には同各辺縁部1aに間隔的に配置する。
【0032】
好ましい例示として上記アンカー埋設深さ設定手段29の当接面29bは座板1の下面と同一平面となるように座板辺縁部1aから突設する。
【0033】
他方上記座板1の全面には上下面を貫通し硬化前の表面材2を浸入せしめる多数の結合窓8を上記アンカー3間に配置し、上記アンカー埋設深さ設定手段29の上記当接面29bを表面材成形型10の開口縁部10aに当接することにより、上記硬化前表面材2の上記結合窓8内への浸入を許容し、その浸入量を設定する。硬化前表面材2は結合窓8内へ浸入し結合窓8の内周面と結着して座板1の一体結合を強化すると共に、座板1下面への硬化前表面材2の回り込みを防止する。
【0034】
上記結合窓8は座板1の辺縁部1aを形成する外枠部1′と、該外枠部1′の内域に配設された縦方向、横方向、斜め方向等の平板ビーム13で画成される。該ビーム13上に上記アンカー3を配する。
【0035】
図5乃至図7に示すように、上記表面材成形型10の四側壁10eの上端から略直角に外側方へ鍔部10bを張り出し、上記アンカー埋設深さ設定手段29を該鍔部10bに当接支持し、上記設定機能を発揮せしめる。
【0036】
上記アンカー埋設深さ設定手段29の具体例として、座板1の辺縁部1aから短小ピン29aを突設する。該短小ピン29aは上記座板1の三辺又は四辺の辺縁部1aから外側方へ突設する。該短小ピン29aは丸ピン又は角ピンにて形成する。
【0037】
好ましくは図7の拡大図に示す如く、上記短小ピン29aに平面から成る当接面29bを形成し、該当接面29bを以って上記表面材成形型10の開口縁部10a(鍔部10b)に当接することにより、短小ピン29aを安定に支持せしめ、ひいては座板1を安定に支持し、前記アンカー埋設と座板定着を遂行する。短小ピン29aとした場合には、成形後の切除が容易である。前記の通り、上記短小ピン29aの当接面29bは座板1の下面と同一レベルに設定する。
【0038】
図示は省略するが、上記アンカー埋設深さ設定手段29の他例として、座板1の辺縁部1aから板片を略水平に突設する。該板片及び上記短小ピン29aは後記する連結片20,20′を設けない場合、上記座板1の三辺又は四辺の辺縁部1aから外側方へ突設し、板片の上板面から成る当接面29b、同様に短小ピン29aの当接面29bを上記開口縁部10a(鍔部10b)に面当にて当接支持せしめる。
【0039】
上記アンカー埋設深さ設定手段29に加え、図5A,Bに示すように、上記表面材成形型10の開口縁部10aに上記アンカー埋設深さ設定手段29の平面方向の移動を制限する定規部10cを設け、該定規部10cにより上記座板1及びアンカー埋設深さ設定手段29と表面材成形型10及び硬化前表面材2との相対位置を設定する。
【0040】
上記定規部10cによりアンカー埋設深さ設定手段29と表面材成形型10の相対位置が容易に決定でき、且つ該相対位置においてアンカー埋設深さ設定手段29による上記アンカー3の埋設深さを適切に設定する。
【0041】
上記定規部10cの具体例として、上記表面材成形型10の開口縁部10a、即ち該成形型10の四側壁10eの上端と接合する上記鍔部10bの基端上面に沿い上記定規部10cたるリブを長手に亘り断続的に設け、該定規部10cの切れ目10fに上記アンカー埋設深さ設定手段29(短小ピン29a又は板片)を当接支持せしめる。該定規部10cにより上記座板1とアンカー埋設深さ設定手段29の平面方向への位置ずれを有効に防止しつつ適正位置においてアンカー3が硬化前表面材2内へ適正深さに埋設されるようにする。
【0042】
上記アンカー埋設深さ設定手段29の他の具体例として図5Bに示すように、上記座板1の隣接する二辺から他の床材との連結を図る連結片(連結継手)20を突設し、同座板1の他の隣接する二辺から同設定手段29(短小ピン29a又は板片)を突設し、該連結片20を表面材成形型10の隣接する二辺の開口縁部10a(鍔部10b)に当接すると同時に、短小ピン29a又は板片を表面材成形型10の他の隣接する開口縁部10aに当接して上記アンカー3の埋設深さを設定し、座板定着を図る。
【0043】
上記アンカー埋設深さ設定手段29を兼用する連結片20は床材相互の連結に用いられるため、成形後除去せずに残存する。
【0044】
上記連結片20を設けない場合、図5Aに示すように、上記アンカー埋設深さ設定手段29、その例示たる短小ピン29a又は板片を座板1の四辺又は三辺から突設し、該短小ピン29aを表面材成形型10の四辺又は三辺の開口縁部10aに当接して上記アンカー3の埋設深さを設定し、座板定着を図る。
【0045】
上記各床材は四辺において隣接する床材と互いに連結される。該連結手段として図3,図5B,図12に示すように、座板1の隣接する二辺の外周辺縁部1aを構成する外枠部1′から外側方へ略水平に突出する連結片20を各辺に沿い間隔的に複数配し、各連結片20に上下に貫通する係合孔19を設ける。
【0046】
同様に座板1の隣接する他の二辺の外周辺縁部1aを構成する外枠部1′から外側方へ略水平に突出する連結片20′を各辺に沿い間隔的に複数配し、各連結片20′の下面24′から係合突起21を下方へ向け突設する。該係合突起21は割突起とするか、割を入れない突起とする。
【0047】
上記係合突起21を上記連結片20の係合孔19内へ強制力を以って挿入し、該係合孔19内周面に形成した環状の被係止段部22bに係合突起21の外面に形成した係止爪23aの係止段部23bを係合して床材間の連結を図る。該係合は係合状態と係合可能な状態を意味し、該係合爪23aと係合段部23b間には遊間を形成して係合可能な状態とする場合を含む。
【0048】
上記床材相互の連結手段の他例として、上記連結片20,20′を設けずに隣接する床材の支持脚6相互を連結リング等を用いて連結することができる。この場合には上記短小ピン29aに例示されるアンカー埋設深さ設定手段29を座板1の三辺又は四辺に設ける。
【0049】
上記座板1と表面材2の結合を強化する手段として、上記アンカー3にはその立ち上がり側面間を貫通せるアンカー結合孔5を設け、該アンカー結合孔に上記硬化前表面材2を流入せしめつつアンカー3への良馴性を助長し、アンカー3によるアンカー効果を向上せしめる。
【0050】
又図3乃至図4に示すように、上記アンカー3の直下又はアンカー3とは別の位置に支持脚6を設け、該支持脚6に座板1を貫通し上下面において開口せる座板結合孔4を設ける。
【0051】
上記座板結合孔4に上記硬化前表面材2を流入せしめ両結合孔4,5が協働してアンカー3によるアンカー効果を向上せしめる。
【0052】
上記アンカー埋設深さ設定手段29を開口縁部10a(鍔部10b)に当接することによりアンカー3の硬化前表面材2に対する埋設深さを設定すると同時に、上記座板結合孔4内への硬化前表面材2の浸入量を適正に設定する。硬化前表面材2は結合窓8内へ浸入しつつ、座板結合孔4内へ浸入することによって座板1と表面材2との一体結合を強化する。
【0053】
上記アンカー埋設深さ設定手段29を有する座板1は合成樹脂にて一体成形し、該合成樹脂としては温度変化による変形が少なく静電気帯電が少ないポリアセタールが適材である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】座板の上面図。
【図2】図1におけるA−A線断面図。
【図3】座板の他例を示す上面図。
【図4】図3におけるB−B線断面図。
【図5】Aは表面材成形型を用い図1における座板を硬化前表面材に定着せしめ複合構造にした例を示す平面図、Bは同図2における座板を硬化前表面材に定着せしめ複合構造にした例を示す平面図。
【図6】Aは表面材成形型に充填した硬化前表面材に定着する直前の状態を示す断面図、Bは表面材成形型に充填した硬化前表面材に定着し複合構造にした状態を示す断面図と、アンカー埋設深さ設定手段の当接部拡大図。
【図7】Aは上記アンカー埋設深さ設定手段を短小ピンで形成した場合における当接部の拡大斜視図、Bは同断面図。
【図8】目地溝を有しない床材を示す平面図。
【図9】図8における床材断面図。
【図10】目地溝を有する床材を示す平面図。
【図11】図10における床材断面図。
【図12】床材相互を連結しつつ置き敷きした状態を示す要部断面図。
【符号の説明】
【0055】
1…座板、1′…外枠部、1a…辺縁部、2…表面材、3…アンカー、4…座板結合孔、5…アンカー結合孔、6…支持脚、8…結合窓、10…表面材成形型、10a…開口縁部、10b…鍔部、10c…定規部、10d…底壁、10e…側壁、10f…切れ目、11…目地溝、13…平板ビーム、17…床下地面、18…空隙、19…係合孔、20,20′…連結片、21…係合突起、22b…環状の被係止段部、23a…係止爪、23b…係止段部、24′…連結片の下面、29…アンカー埋設深さ設定手段、29a…短小ピン、29b…当接面。
【技術分野】
【0001】
本発明は略方形の合成樹脂製の座板の上面に表面材を成形硬化して層着し、該表面材内に該座板の上面から突設した多数のアンカーを埋設した床材の製造法に関する。
【0002】
上記床材は座板を以ってベランダ、バルコニー、屋上、室内床、室外床等の床下地面に多数置き敷きして広面積の床を構成するのに用いられる。
【背景技術】
【0003】
従来より特許文献1に示すように、方形の合成樹脂製座板の上面にセメント混練材等から成る表面材を層着し、該表面材内に該座板の上面から突設した多数のアンカーを埋設した床材が既知である。
【0004】
上記床材の製造手段として、底壁と底壁の四辺から立ち上げられた四側壁とで上面において開放された成形腔を画成した表面材成形型を用い、該表面材成形型の成形腔内に硬化前表面材を充填し、該硬化前表面材の上面と上記座板のアンカーを突出した上面を対向状態にして同アンカーを上記硬化前表面材内に埋設し、同座板の上面に硬化前表面材を定着し、脱型後乾燥する製造法が採られている。
【0005】
【特許文献1】特許第3746051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に代表される床材の製造法においては、上記硬化前表面材内に上記アンカーを埋設する際に、該アンカーの埋設深さにバラツキを生じ、アンカーの埋設深さが浅い場合には、硬化前表面材と座板との結合不良を来たし、逆にアンカーの埋設深さが深すぎる場合には、上記座板の裏面に上記硬化前表面材が回り込み該下面において硬化し不良製品となる不具合を招来し、その解決が課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は特許文献1に示す表面材成形型を用い、同型内に充填した硬化前表面材内に合成樹脂製座板の上面から突設したアンカーを埋設しつつ同硬化前表面材に座板を定着する際に、上記アンカーの埋設深さを適正に設定し、座板の定着不良を有効に防止する床材の製造法を提供するものである。
【0008】
その手段として、上記座板の辺縁部からアンカー埋設深さ設定手段を突設し、該アンカー埋設深さ設定手段を上記表面材成形型の開口縁部に当接して上記硬化前表面材に対するアンカーの埋設深さを設定し且つ同座板の上面に硬化前表面材を定着する方法を採る。
【0009】
又上記座板に該座板の上下面において開放せる複数の結合窓を設け、上記アンカー埋設深さ設定手段の当接にて上記座板の各結合窓内への上記硬化前表面材の浸入を図ると共にその浸入量を設定し、上記表面材と座板との密着性と結合を強化する。
【0010】
又上記表面材成形型の開口縁部には鍔部を設け、上記アンカー埋設深さ設定手段を鍔部上面に安定に当接する。例えば上記アンカー埋設深さ設定手段を短小ピンにて形成し、該短小ピンを鍔部上面(開口縁部)に当接しアンカーの埋設深さを設定する。
【0011】
又上記アンカー埋設深さ設定手段は上記硬化前表面材の脱型後も残留するか、又は脱型後上記座板より除去する。
【0012】
又上記表面材成形型の開口縁部に上記アンカー埋設深さ設定手段の平面方向の移動を制限する定規部を設け、該定規部により上記座板及びアンカー埋設深さ設定手段と表面材成形型及び硬化前表面材との相対位置を設定し、座板とアンカー埋設深さ設定手段の位置ずれを有効に防止しつつ適正位置においてアンカーが硬化前表面材内へ適正深さに埋設されるようにする。
【0013】
上記アンカー埋設深さ設定手段の具体例として、上記座板の隣接する二辺から他の床材との連結を図る連結片を突設し、同座板の他の隣接する二辺から短小ピンを突設し、該連結片を表面材成形型の隣接する二辺の開口縁部に当接すると同時に、短小ピンを表面材成形型の他の隣接する開口縁部に当接して上記アンカーの埋設深さを設定し、座板定着を図る。この場合には成形後連結片を隣接する床材との連結継手として使用し、短小ピンは成形後除去する。
【0014】
上記連結片を設けない場合、上記アンカー埋設深さ設定手段、その例示たる短小ピンは座板の四辺又は三辺から突設し、該短小ピンを表面材成形型の四辺又は三辺の開口縁部(鍔部)に当接して上記アンカーの埋設深さを設定し、座板定着を図る。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、略方形の合成樹脂製の座板の上面に表面材を成形硬化して層着し、該表面材内に該座板の上面から突設した多数のアンカーを埋設した床材を製造する際に、該アンカーの埋設深さを過不足なく適切に設定できると共に、座板と表面材とを確実に定着し、対象とする上記床材を健全に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下本発明を実施するための最良の形態を図1乃至図12に基づき説明する。
【0017】
本発明において対象とする床材は、図1乃至図4に示す略方形の合成樹脂製座板1の上面に表面材2を層着した床材であり、後記する座板1下面から突設した多数の支持脚6を以って床下地面17に多数置き敷きして床を構成するのに用いられ、床と床下地面17間に連続した空隙18を形成する。
【0018】
上記座板1の表面において成形される表面材2としては、砂、ガラス、木片、鉱物等の各種骨材をセメント又は合成樹脂をバインダーとして混練した成形材を適用する。
【0019】
又は上記セメントや合成樹脂の他、鉱滓、焼却灰、石膏等、乾燥硬化されるものに各種骨材を配合した成形材を適用できる。又は製紙スラッジ等の各種スラッジとセメント又は合成樹脂との混練材を成形材として適用できる。
【0020】
図5乃至図11等に示すように、上記表面材2は合成樹脂製座板1の上面において成形硬化させ層着した構造のものであり、該表面材2を層着するに際し、上記座板1の上面から一体に且つ垂直に突出せるアンカー3を硬化前表面材2中に埋設して同硬化前表面材2と座板1とを結合した構造を有する。上記アンカー3は座板1の上面に略均一な分布を以って多数配設する。
【0021】
上記表面材2の成形手段として、底壁10dと底壁10dの四辺から立ち上げられた四側壁10eとで、上面において開口せる成形腔を画成した表面材成形型10を用意する。他方座板1の辺縁部1aにアンカー3のアンカー埋設深さ設定手段29を突設したものを用意する。
【0022】
図6Aに示すように、上記表面材成形型10の成形腔内に硬化前表面材2を充填する。硬化前表面材2は同型10の開口面と略同一面となるように充填する。
【0023】
上記表面材成形型10内に充填された硬化前表面材2の上面と上記座板1の上記アンカー3を突出した上面を対向状態にし、図6Bに示すように、同アンカー3を上記硬化前表面材2内に埋設する。
【0024】
該埋設に際し、上記アンカー埋設深さ設定手段29を上記表面材成形型10の開口縁部10aに当接して上記硬化前表面材2に対するアンカー3の埋設深さを設定し、且つ硬化前表面材2の上面に同座板1の上面を定着する。
【0025】
即ち上記表面材成形型10の開口面(表面材2の下面に相当する開口面)において該座板1のアンカー3を硬化前表面材2内に埋設し、該埋設深さを上記アンカー埋設深さ設定手段29により設定すると共に、同設定手段29により同座板1の上面を硬化前表面材2の上面に密着し、よって上記座板1と同座板1の上面において成形され層着された表面材2を有する上記床材を得る。床材の脱型前又は脱型後に自然乾燥又は熱風乾燥して硬化を促す。
【0026】
上記表面材成形型10はゴム型又は合成樹脂フィルム型等を用いる。該型10によって表面材2の外形(輪郭)と表面模様を成形すると共に、図10,図11に示すように、必要に応じ該表面材2の上面に横方向又は/及び縦方向の目地溝11を付形し、該目地溝11によって表面材2を外観上、複数の区分に区画する。
【0027】
上記硬化前表面材2は上記表面材成形型10内に充填後、又は充填して上記座板1を対向設置した後、又は上記座板1のアンカー3を硬化前表面材2内に押し込んだ後、同型10にバイブレーションを加えることにより硬化前表面材2の充填を密にして型10の底壁10dとの密着性を高め、該底壁10dにて表面材2の表面模様又は/及び目地溝11を良好に成形すると共に、底壁10dと側壁10eにて表面材2の外形を成形する。又バイブレーションにてアンカー3と硬化前表面材2との密着性を向上し、且つ硬化前表面材2に対する座板1の密着性(定着性)を向上する。
【0028】
又は図8,図9に示すように、目地溝11を施さない全体が平盤な表面材2を成形することができる。
【0029】
上記硬化前表面材2を成形し座板1に層着した後に脱型し、脱型後に上記アンカー埋設深さ設定手段29はそのまま残存するか、除去する。
【0030】
図1,図5に示すように、上記アンカー埋設深さ設定手段29は上記座板1の三辺又は四辺の辺縁部1aから外側方へ突設して一体に設け、上記表面材成形型10の三側壁10e又は四側壁10eの開口縁部10aに当接する。
【0031】
上記アンカー埋設深さ設定手段29は上記座板1の辺縁部1aに沿い単数又は複数設け、複数設けた場合には同各辺縁部1aに間隔的に配置する。
【0032】
好ましい例示として上記アンカー埋設深さ設定手段29の当接面29bは座板1の下面と同一平面となるように座板辺縁部1aから突設する。
【0033】
他方上記座板1の全面には上下面を貫通し硬化前の表面材2を浸入せしめる多数の結合窓8を上記アンカー3間に配置し、上記アンカー埋設深さ設定手段29の上記当接面29bを表面材成形型10の開口縁部10aに当接することにより、上記硬化前表面材2の上記結合窓8内への浸入を許容し、その浸入量を設定する。硬化前表面材2は結合窓8内へ浸入し結合窓8の内周面と結着して座板1の一体結合を強化すると共に、座板1下面への硬化前表面材2の回り込みを防止する。
【0034】
上記結合窓8は座板1の辺縁部1aを形成する外枠部1′と、該外枠部1′の内域に配設された縦方向、横方向、斜め方向等の平板ビーム13で画成される。該ビーム13上に上記アンカー3を配する。
【0035】
図5乃至図7に示すように、上記表面材成形型10の四側壁10eの上端から略直角に外側方へ鍔部10bを張り出し、上記アンカー埋設深さ設定手段29を該鍔部10bに当接支持し、上記設定機能を発揮せしめる。
【0036】
上記アンカー埋設深さ設定手段29の具体例として、座板1の辺縁部1aから短小ピン29aを突設する。該短小ピン29aは上記座板1の三辺又は四辺の辺縁部1aから外側方へ突設する。該短小ピン29aは丸ピン又は角ピンにて形成する。
【0037】
好ましくは図7の拡大図に示す如く、上記短小ピン29aに平面から成る当接面29bを形成し、該当接面29bを以って上記表面材成形型10の開口縁部10a(鍔部10b)に当接することにより、短小ピン29aを安定に支持せしめ、ひいては座板1を安定に支持し、前記アンカー埋設と座板定着を遂行する。短小ピン29aとした場合には、成形後の切除が容易である。前記の通り、上記短小ピン29aの当接面29bは座板1の下面と同一レベルに設定する。
【0038】
図示は省略するが、上記アンカー埋設深さ設定手段29の他例として、座板1の辺縁部1aから板片を略水平に突設する。該板片及び上記短小ピン29aは後記する連結片20,20′を設けない場合、上記座板1の三辺又は四辺の辺縁部1aから外側方へ突設し、板片の上板面から成る当接面29b、同様に短小ピン29aの当接面29bを上記開口縁部10a(鍔部10b)に面当にて当接支持せしめる。
【0039】
上記アンカー埋設深さ設定手段29に加え、図5A,Bに示すように、上記表面材成形型10の開口縁部10aに上記アンカー埋設深さ設定手段29の平面方向の移動を制限する定規部10cを設け、該定規部10cにより上記座板1及びアンカー埋設深さ設定手段29と表面材成形型10及び硬化前表面材2との相対位置を設定する。
【0040】
上記定規部10cによりアンカー埋設深さ設定手段29と表面材成形型10の相対位置が容易に決定でき、且つ該相対位置においてアンカー埋設深さ設定手段29による上記アンカー3の埋設深さを適切に設定する。
【0041】
上記定規部10cの具体例として、上記表面材成形型10の開口縁部10a、即ち該成形型10の四側壁10eの上端と接合する上記鍔部10bの基端上面に沿い上記定規部10cたるリブを長手に亘り断続的に設け、該定規部10cの切れ目10fに上記アンカー埋設深さ設定手段29(短小ピン29a又は板片)を当接支持せしめる。該定規部10cにより上記座板1とアンカー埋設深さ設定手段29の平面方向への位置ずれを有効に防止しつつ適正位置においてアンカー3が硬化前表面材2内へ適正深さに埋設されるようにする。
【0042】
上記アンカー埋設深さ設定手段29の他の具体例として図5Bに示すように、上記座板1の隣接する二辺から他の床材との連結を図る連結片(連結継手)20を突設し、同座板1の他の隣接する二辺から同設定手段29(短小ピン29a又は板片)を突設し、該連結片20を表面材成形型10の隣接する二辺の開口縁部10a(鍔部10b)に当接すると同時に、短小ピン29a又は板片を表面材成形型10の他の隣接する開口縁部10aに当接して上記アンカー3の埋設深さを設定し、座板定着を図る。
【0043】
上記アンカー埋設深さ設定手段29を兼用する連結片20は床材相互の連結に用いられるため、成形後除去せずに残存する。
【0044】
上記連結片20を設けない場合、図5Aに示すように、上記アンカー埋設深さ設定手段29、その例示たる短小ピン29a又は板片を座板1の四辺又は三辺から突設し、該短小ピン29aを表面材成形型10の四辺又は三辺の開口縁部10aに当接して上記アンカー3の埋設深さを設定し、座板定着を図る。
【0045】
上記各床材は四辺において隣接する床材と互いに連結される。該連結手段として図3,図5B,図12に示すように、座板1の隣接する二辺の外周辺縁部1aを構成する外枠部1′から外側方へ略水平に突出する連結片20を各辺に沿い間隔的に複数配し、各連結片20に上下に貫通する係合孔19を設ける。
【0046】
同様に座板1の隣接する他の二辺の外周辺縁部1aを構成する外枠部1′から外側方へ略水平に突出する連結片20′を各辺に沿い間隔的に複数配し、各連結片20′の下面24′から係合突起21を下方へ向け突設する。該係合突起21は割突起とするか、割を入れない突起とする。
【0047】
上記係合突起21を上記連結片20の係合孔19内へ強制力を以って挿入し、該係合孔19内周面に形成した環状の被係止段部22bに係合突起21の外面に形成した係止爪23aの係止段部23bを係合して床材間の連結を図る。該係合は係合状態と係合可能な状態を意味し、該係合爪23aと係合段部23b間には遊間を形成して係合可能な状態とする場合を含む。
【0048】
上記床材相互の連結手段の他例として、上記連結片20,20′を設けずに隣接する床材の支持脚6相互を連結リング等を用いて連結することができる。この場合には上記短小ピン29aに例示されるアンカー埋設深さ設定手段29を座板1の三辺又は四辺に設ける。
【0049】
上記座板1と表面材2の結合を強化する手段として、上記アンカー3にはその立ち上がり側面間を貫通せるアンカー結合孔5を設け、該アンカー結合孔に上記硬化前表面材2を流入せしめつつアンカー3への良馴性を助長し、アンカー3によるアンカー効果を向上せしめる。
【0050】
又図3乃至図4に示すように、上記アンカー3の直下又はアンカー3とは別の位置に支持脚6を設け、該支持脚6に座板1を貫通し上下面において開口せる座板結合孔4を設ける。
【0051】
上記座板結合孔4に上記硬化前表面材2を流入せしめ両結合孔4,5が協働してアンカー3によるアンカー効果を向上せしめる。
【0052】
上記アンカー埋設深さ設定手段29を開口縁部10a(鍔部10b)に当接することによりアンカー3の硬化前表面材2に対する埋設深さを設定すると同時に、上記座板結合孔4内への硬化前表面材2の浸入量を適正に設定する。硬化前表面材2は結合窓8内へ浸入しつつ、座板結合孔4内へ浸入することによって座板1と表面材2との一体結合を強化する。
【0053】
上記アンカー埋設深さ設定手段29を有する座板1は合成樹脂にて一体成形し、該合成樹脂としては温度変化による変形が少なく静電気帯電が少ないポリアセタールが適材である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】座板の上面図。
【図2】図1におけるA−A線断面図。
【図3】座板の他例を示す上面図。
【図4】図3におけるB−B線断面図。
【図5】Aは表面材成形型を用い図1における座板を硬化前表面材に定着せしめ複合構造にした例を示す平面図、Bは同図2における座板を硬化前表面材に定着せしめ複合構造にした例を示す平面図。
【図6】Aは表面材成形型に充填した硬化前表面材に定着する直前の状態を示す断面図、Bは表面材成形型に充填した硬化前表面材に定着し複合構造にした状態を示す断面図と、アンカー埋設深さ設定手段の当接部拡大図。
【図7】Aは上記アンカー埋設深さ設定手段を短小ピンで形成した場合における当接部の拡大斜視図、Bは同断面図。
【図8】目地溝を有しない床材を示す平面図。
【図9】図8における床材断面図。
【図10】目地溝を有する床材を示す平面図。
【図11】図10における床材断面図。
【図12】床材相互を連結しつつ置き敷きした状態を示す要部断面図。
【符号の説明】
【0055】
1…座板、1′…外枠部、1a…辺縁部、2…表面材、3…アンカー、4…座板結合孔、5…アンカー結合孔、6…支持脚、8…結合窓、10…表面材成形型、10a…開口縁部、10b…鍔部、10c…定規部、10d…底壁、10e…側壁、10f…切れ目、11…目地溝、13…平板ビーム、17…床下地面、18…空隙、19…係合孔、20,20′…連結片、21…係合突起、22b…環状の被係止段部、23a…係止爪、23b…係止段部、24′…連結片の下面、29…アンカー埋設深さ設定手段、29a…短小ピン、29b…当接面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略方形の合成樹脂製の座板の上面に表面材を層着し、該表面材内に該座板の上面から突設した多数のアンカーを埋設した床材の製造法において、底壁と底壁の四辺から立ち上げられた四側壁とで上面において開口された成形腔を画成した表面材成形型を用い、該表面材成形型の成形腔内に充填した硬化前表面材の上面と上記座板の上面を対向状態にして上記アンカーを上記硬化前表面材内に埋設する際に、上記座板の辺縁部に設けたアンカー埋設深さ設定手段を上記表面材成形型の開口縁部に当接して上記硬化前表面材に対するアンカーの埋設深さを設定し且つ硬化前表面材の上面に座板の上面を定着することを特徴とする床材の製造法。
【請求項2】
上記座板に該座板の上下面において開放せる複数の結合窓を設け、上記アンカー埋設深さ設定手段の当接にて上記座板の各結合窓内に上記硬化前表面材を浸入せしめることを特徴とする請求項1記載の床材の製造法。
【請求項3】
上記表面材成形型の開口縁部には鍔部を設け、上記アンカー埋設深さ設定手段を鍔部上面に当接することを特徴とする請求項1記載の床材の製造法。
【請求項4】
上記アンカー埋設深さ設定手段を短小ピンにて形成したことを特徴とする請求項1記載の床材の製造法。
【請求項5】
上記表面材成形型の開口縁部には上記アンカー埋設深さ設定手段の平面方向の移動を制限する定規部を設け、該定規部により上記座板及びアンカー埋設深さ設定手段と表面材成形型及び硬化前表面材との相対位置を設定することを特徴とする請求項1記載の床材の製造法。
【請求項6】
上記座板の隣接する二辺から他の床材との連結を図る連結片を突設し、同座板の他の隣接する二辺から短小ピンを突設し、該連結片と短小ピンを上記アンカー埋設深さ設定手段としたことを特徴とする請求項1記載の床材の製造法。
【請求項1】
略方形の合成樹脂製の座板の上面に表面材を層着し、該表面材内に該座板の上面から突設した多数のアンカーを埋設した床材の製造法において、底壁と底壁の四辺から立ち上げられた四側壁とで上面において開口された成形腔を画成した表面材成形型を用い、該表面材成形型の成形腔内に充填した硬化前表面材の上面と上記座板の上面を対向状態にして上記アンカーを上記硬化前表面材内に埋設する際に、上記座板の辺縁部に設けたアンカー埋設深さ設定手段を上記表面材成形型の開口縁部に当接して上記硬化前表面材に対するアンカーの埋設深さを設定し且つ硬化前表面材の上面に座板の上面を定着することを特徴とする床材の製造法。
【請求項2】
上記座板に該座板の上下面において開放せる複数の結合窓を設け、上記アンカー埋設深さ設定手段の当接にて上記座板の各結合窓内に上記硬化前表面材を浸入せしめることを特徴とする請求項1記載の床材の製造法。
【請求項3】
上記表面材成形型の開口縁部には鍔部を設け、上記アンカー埋設深さ設定手段を鍔部上面に当接することを特徴とする請求項1記載の床材の製造法。
【請求項4】
上記アンカー埋設深さ設定手段を短小ピンにて形成したことを特徴とする請求項1記載の床材の製造法。
【請求項5】
上記表面材成形型の開口縁部には上記アンカー埋設深さ設定手段の平面方向の移動を制限する定規部を設け、該定規部により上記座板及びアンカー埋設深さ設定手段と表面材成形型及び硬化前表面材との相対位置を設定することを特徴とする請求項1記載の床材の製造法。
【請求項6】
上記座板の隣接する二辺から他の床材との連結を図る連結片を突設し、同座板の他の隣接する二辺から短小ピンを突設し、該連結片と短小ピンを上記アンカー埋設深さ設定手段としたことを特徴とする請求項1記載の床材の製造法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−161933(P2009−161933A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339844(P2007−339844)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(591281459)マックストン株式会社 (25)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(591281459)マックストン株式会社 (25)
【Fターム(参考)】
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