説明

床洗浄及び光沢増強組成物

本発明は、床を洗浄するための組成物に関する。特に、それは、木の表面、特に床の一工程の洗浄及び光沢増強のための水性組成物に関する。本発明の組成物は、コポリマー、キトサン、又はこれらの混合物の部類の特定レベル、及び界面活性剤の特定レベルを含む。組成物が用いられるたびに洗浄の効果が送達され;光沢の効果が3〜4回の洗浄にわたって提供され、及び容易に剥離可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床の洗浄及び光沢増強のための組成物に関する。特に、それは、木の表面、特に木の床の洗浄及び光沢増強のための水性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
光沢を増強する床手入れ用組成物は、当該技術分野において及び商業市場において周知である。これらの組成物の多くは、架橋ポリアクリレートを含み、光沢増強処置剤又はつや出し剤として市販されている。組成物を床に適用し、これを次に、大きい及び高価なバフ研磨機又は研磨機を用いることによるか、布、スポンジ、又はバフ研磨若しくはつや出しのために当該技術分野において既知のいずれかのその他の好適な手段を用いることにより手を使って磨く。後者の場合、人は通常ひざまずくことが必要であり、製品を手で適用し、所望の光沢結果を得るためには、数回のバフ研磨又はつや出し工程を実行しなくてはならない。
【0003】
いったん適用されると、これらの組成物はポリマーのコーティングを床上に残すが、これらは半耐久性であり、時間と共に汚れるため、再適用の前に取り除かれる必要がある。コーティングを取り除くためには、多くの場合アンモニアを包含する1以上の剥離及び洗浄処置剤が必要となる。更に、大部分の市販の光沢処置剤は、単につや出し剤として用いられ、いずれの洗浄の効果も提供しない。要するに、つや出し剤は、家庭内の床手入れ製品としては、厄介であり及び不便である。
【0004】
消費者の実作業を望ましいものにするには、床洗浄組成物は好ましくは洗浄及び光沢の両方を必要とする。洗浄及び光沢増強剤が完全に適合性でなければならないため、これは難問である。その上光沢増強剤は、結果としてそれが目に見える残留物となる時間に伴う蓄積を防ぐために、容易に剥離可能であるように、より好ましくは自己剥離性であるように選択されなければならない。「自己剥離性」とは、光沢増強剤を含有する洗浄組成物の反復使用に際し、組成物が、前回の使用中に形成されたコーティングを少なくとも部分的に取り除き、そして新しいコーティングを形成することを意味する。自己剥離性組成物は、光沢増強剤を含まない同等の組成物により容易に及び完全に取り除かれ得る。表面のべたつき又は光沢のなさをもたらすことが多い、温度及び相対湿度を包含する外部要因の結果として、組成物の特性が変化しないことを確実にするため、いったん床上に付着されたら手入れもまた行わなければならない。
【0005】
床の手入れは、木の場合には特に重要であるが、木については、従来の水性洗浄製品及び方法(例えば、モップとバケツ)が、木の表面の膨張及び収縮を生じさせ、木の見苦しいそり及び亀裂を時間と共にもたらすことが既知である。そのため、水性組成物を木の床に適用した時には、損傷を回避するために素早くそれらを乾燥させなければならない。
【0006】
床表面の光沢を増強するための水性洗浄組成物は、当該技術分野において既知である。米国特許第5,753,604号は、高分子量コポリマー及びより低分子量のコポリマーを組み込む分散体の形態の床洗浄組成物を開示している。PCT国際公開特許WO95/00611は、アルキルピロリドン界面活性剤及びビニルピロリドン光沢コポリマーを含む広葉樹材の床洗浄組成物を開示している。欧州特許第0215451号は、界面活性剤0.5重量%〜10重量%、及び0℃〜70℃の最小被膜形成温度を有するアルカリ可溶性非金属架橋ポリマー0.1重量%〜4.5重量%、及びアルカリ性反応を示す錯化剤0.01重量%〜5重量%を含む床洗浄組成物を開示している。米国特許出願2003/0099570は、フロアタイルを洗浄し及び光沢を増強するポリマーのビグアニドを含有する組成物を開示している。JP2001/131495は、光沢を失わない、床の洗浄及びより速い乾燥時間のための3%〜8%のアクリル樹脂の使用を開示している。米国特許第4,869,934号は、モノマーの重量比約2:1〜約3:1を有するスチレン−アクリルコポリマー1%〜13%、インターポリマー化された(メタ)アクリレート−(メタ)アルキルアクリレート基から成る第2のコポリマー、一時的及び永久的可塑剤、アンモニア及びその他の微量成分から本質的に成る床のつや出し及びコーティング組成物を開示している。この組成物は、床を洗浄し及び床に光沢を提供し、並びにコーティングは家庭用のアンモニア及び洗剤により容易に取り除くことができる。しかしながら、これらの組成物は、例えば床の上に残留物を残すなどの上記の1以上の問題を抱えており、又はコーティングを取り除くためにアンモニアのような刺激性化学物質の使用を包含する追加の工程を必要とし、又は自己剥離性でない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのため本発明の目的は、残留物を残さずに、表面、特に木の表面の外観の光沢を増強する水性床洗浄組成物を提供することである。自己剥離性である、光沢を増強する水性床洗浄組成物を提供することは、本発明の別の目的である。水溶液の乾燥時間を速め、従って水によって生じる木の膨張に関連する有害な影響を最小にする組成物を提供することは、本発明の別の目的である。べとつく又は筋状の残留物を残さない、並びに様々な温度及び湿度条件でべたつき又は光沢のなさの増加を被りにくい水性組成物を提供することは、本発明の更に別の目的である。組成物の反復使用に際して木の表面を保護する水性洗浄組成物を提供することは、本発明のなお更なる目的である。
【0008】
驚くべきことに、これらの及びその他の目的は、本明細書に開示される組成物を用いて達成できることが今では判明している。本発明の組成物は、可塑剤の使用を必要とせず、及び従来の洗浄道具、例えば雑巾、スポンジ、帯状モップなどとの組み合わせにおいて用いることができる。本発明の組成物はまた、使い捨ての吸収性洗浄パッド、特に超吸収性ポリマーを含む吸収性洗浄パッドとの組み合わせにおいて、有利に用いることができる。それはまたウェットタイプのワイプ又はパッドの中に埋め込まれた組成物としても用いることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、木の床の表面の光沢を増強するための水性床洗浄組成物であって、該組成物が:
a)次のものから選択される少なくとも1つのポリマー:
1.第1及び第2組のモノマー単位を含むコポリマーであって、該第1組のモノマー単位が、アクリレート、置換アクリレートモノマー、及びこれらの混合物から成る群から選択され、並びに該第2組のモノマーが、スチレン、置換スチレンモノマー、及びこれらの混合物から成る群から選択され、該コポリマーが、第1組のモノマーと第2組のモノマーとの重量比約3:1〜約1:3を有し、該コポリマーが、約20,000未満の平均分子量を有し、該コポリマーが、組成物の約0.01重量%〜約1.0重量%のレベルで組成物中に存在するコポリマー;又は
2.約5,000〜約500,000の平均分子量を有するキトサンであって、該キトサンが、組成物の約0.01重量%〜約1.0重量%のレベルで組成物中に存在するキトサン;又は
3.これらの混合物;並びに
b)組成物の約0.005重量%〜約0.5重量%の1以上の界面活性剤を含むことを特徴とする水性床洗浄組成物に関する。
【0010】
本発明による組成物は、好ましくは自己剥離性である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(定義)
特に指示されない限り、すべての比及び百分率は重量を基準とする。
【0012】
「水性洗浄組成物」とは、そのまま使えることを基準として、少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約85%、更により好ましくは少なくとも約90%、及び最も好ましくは少なくとも約95%の水性化学物質を包含する洗浄組成物を意味する。本明細書で使用する時、水性化学物質は、水、及びすべての割合で水に可溶性である溶媒から成る。こうした水性溶媒の例には、メタノール、エタノール、及び2−プロパノールが挙げられる。本発明のそのまま使える組成物の濃縮物が製造でき、その後に使用指示に従って使用時点で希釈できることを当業者は認識する。
【0013】
「吸収性」とは、いずれかの不織布材料又は積層体であって、該材料の1g当たり少なくとも約1gの脱イオン水を吸収できるものを意味する。「使い捨て吸収性洗浄パッド」とは、典型的には洗浄作業で使用され、その後に処分される吸収性パッドを意味する。使い捨て吸収性洗浄パッドは、単層の乾燥した吸収性不繊布構造体から多層の吸収性複合物までの範囲に及ぶことができるパッドのデザインの中には、使用、保管、再利用が可能なものもあることは理解されるが、再利用の回数は限られており、典型的には、その回数は、液体及び/又は汚れをパッドが吸収し続ける能力によって決まる。完全に再利用可能であると考えられている、スポンジモップ、帯状モップ及び紐状モップなどの従来のシステムとは異なり、使い捨て吸収性パッドは、いったん飽和状態になると、元の状態に戻すために消費者が容易に逆戻りさせることはできない。
【0014】
「超吸収性材料」とは、使い捨て吸収性パッド内部に詰められた又は上に置かれたいずれかの材料を意味し、これは水及び水系溶液を有効に捕捉し及び閉じ込め、水及び水系溶液を床から有効に取り除き、それによって水が木にもたらす既知の副次的悪影響を軽減する。超吸収性材料は、典型的には、多量の水性媒体を獲得する際にゲル化できる、高分子量ポリアクリレートポリマーである。超吸収性材料は、パッドの床側が水を含まないように保つのに役立つため、及び使い捨て吸収性洗浄パッドの水又は水性化学物質に対する吸収力を著しく増強するため、本発明の組成物との組み合わせにおいて用いられる時にまた有益である。
【0015】
本明細書で使用する時、「木」の表面は、洗浄組成物が適用される木又は木製単板を含むいずれかの表面から成る。木の表面は、オーク、マツ、カエデ、サクラ、ブナノキ、カバノキ、サイプレス、チークなどいずれかの木の供給源又は木の供給源の組み合わせによるものであることができる。木の表面は、硬質木材、アクリルを染み込ませた木材、エンジニアードウッド、又は寄木細工の木材から成ることができる。木の表面は、つや消し、半光沢仕上げ、繻子光沢、又はつや出しの外観を有することができる。本明細書の本発明の組成物は、すべてのこれらの表面に用いるために有効であるが、半光沢仕上げ、又は繻子光沢を有する木の表面に特に有効である。より穏やかではあるが、つや消し及びつや出し表面上でも、なお著しい光沢増強の効果が達成される。擦り切れへの抵抗及び光沢の維持のために、最新の木の床はポリウレタンによりコーティングされている。いずれのウレタンも用いることができる。例えば、ウレタンは、油系、水系、又は湿気硬化型であることができる。本発明の組成物はまた、これらのポリウレタンがコーティングされた表面に光沢増強の効果を提供することができる。最後に、本発明の組成物は、木製家具の洗浄に用いることができる。
【0016】
コポリマー − 本発明のコポリマーは光沢の増強を提供し、共に化学的に結合された2組のモノマー又はモノマーの群を含む。第1の組のモノマーには、アクリレート、置換アクリレート、及びこれらの混合物が挙げられ、次の化学構造を有する:
−CH2−C(R1)−C(O)OR2
式中、R1=H又はCH3、及びR2=Li、Na、K又はC1〜C6脂肪族炭化水素鎖である。アクリレート及び置換アクリレートの例には、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸エチルカリウム(potassium ethyl acrylate)、及びメタクリル酸ブチルカリウム(potassium butyl methacrylate)が挙げられる。最も好ましいのは、アクリル酸ナトリウム及びメタクリル酸ナトリウムである。
【0017】
第2組のモノマーは、スチレン、置換スチレン、及びこれらの混合物から成る群から選択され、−CH2−CR1(C642)の化学構造を有し、式中、R1=H又はCH3であり、及びR2=H、CH3、C25又はSO3Na、SO3Kである。最も好ましいのは、スチレン及びα−メチルスチレンである。
【0018】
モノマーをコポリマーに重合するために用いられる低レベルの反応開始剤又はその他の構成成分もまた、コポリマーの原材料中に、そのため水性洗浄組成物中に同様に存在できる。好ましくは、重合又は加工助剤は、コポリマーの約10重量%以下、より好ましくは約5重量%以下、最も好ましくは約2重量%以下を構成する。
【0019】
本発明のコポリマーを形成するためのモノマーの重合は、当該技術分野において既知のいずれかの方法により達成できる。コポリマーは、ブロックコポリマー、交互に並ぶモノマー型、又は両者の間のいずれかのものから成ることができる。本発明のコポリマーに関連すると考えられる有用な重合プロセス及び方法は、米国特許第5,122,568号、第5,326,843号、第5,886,076号、第5,789,511号、第6,548,752号、英国特許1107249、欧州特許0636687、及び米国特許出願2003/0072950に開示されている。
【0020】
本発明の組成物中のコポリマーのレベルは、総水性組成物の少なくとも約0.01重量%であるが、約1.0重量%以下である。好ましくは、コポリマーのレベルは、水性組成物の約0.1重量%〜約1.0重量%、より好ましくは約0.15重量%〜約0.9重量%、最も好ましくは約0.2重量%〜約0.75重量%である。約1.0%を超えるコポリマーを含む組成物は、追加の光沢増強の効果を床の上に提供せず、又は筋若しくはくすんだ残留物を残す。更に、約1.0%を超えるコポリマーを含む組成物は、いったん床表面上に付着すると、許容できない床のべたつきを生じる可能性があり、この効果は60%以上の湿度条件で悪化する。コポリマーの低レベルは、従来の光沢処置剤に比べて経済上の利点を提供し、水性洗浄組成物の残留物により提供される洗浄能力を妨げないために、また望ましい。
【0021】
本発明のコポリマー中のアクリレート又は置換アクリレートとスチレン又は置換スチレンモノマーとの重量比は、約3:1〜約1:3である。約3:1を超える重量比は、過剰に親水性であるコポリマー組成物を結果としてもたらし、容易に剥離し過ぎ、及び反復使用の際に光沢の所望の改善を提供しない。約1:3より低い重量比は、過剰に疎水性の、より貧弱な溶解度特性を有するポリマーを結果としてもたらし、及び光沢を有効に増強しない。好ましくは、アクリレートとスチレンモノマーとの比は、約2:1〜約1:2であり、より好ましくは約3:2〜約2:3であり;更により好ましくは約4:3〜約3:4であり、最も好ましくは、アクリレートとスチレンモノマーとの比は、約1:1である。
【0022】
本発明のコポリマーのための分子量の選択は、好ましくない残留物なしに光沢増強の効果を達成するために重要である。驚くべきことに、約20,000未満の平均分子量を有するアクリレート又は置換アクリレート−スチレン又は置換スチレンコポリマーのみが、著しい残留物なしに光沢の効果を提供することが判明している。約20,000の分子量を超えても、コポリマーは光沢の増強をなお提供できるが、同様に床の残留物の一因にもなり、これは恐らくは、コポリマーの大きさが、残留物がより容易にヒトの目に付くようになるほど十分に大きいためである。好ましくは、コポリマーの平均分子量は約15,000未満であり、より好ましくは約10,000未満であり、更により好ましくは約7,500未満である。最も好ましい実施形態では、コポリマーの平均分子量は、約1,500〜約7,000、より好ましくは約2,000〜約6,000、最も好ましくは約2,500〜約5,000である。本明細書で定義されるような分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリアクリル酸標準を用いて測定される。GPCには、移動相及び固定相の両方がある。溶媒及びポリマーの一部分を含む移動相は、固定相を通って移動するが、固定相は物理的又は化学的手段を通じて、ポリマーの幾らかの部分を一時的に保持し、従って分離の手段を提供する。これらの方法の両方共が、移動相と固定相との間の検体の選択的分配に関する分配係数によって決まり、この場合検体は、分析される構成成分である。GPCの手法は、超微粒子状の多孔質粒子を含有するカラムを使用する。粒子中の孔径より小さいポリマー分子は、孔に入ることができ、そのため孔に入れないより大きい分子より長い経路及びより長い滞在時間を有する。孔の中へ及び孔から外への動きは統計に基づいており、ブラウン運動によって支配される。したがって、クロマトグラムにおいて、より大きい分子はより早く溶出され、一方より小さい分子はより遅く溶出される。GPCについての更なる情報は、ポリマーのクロマトグラフィー(Chromatography of Polymers):SEC及びFFFによる特徴付け(Characterization by SEC and FFF)、T.プロブダー(T.Provder)(編集)、米国化学会(American Chemical Society)、ワシントンDC、1993年に見出すことができる。
【0023】
非常に好ましい実施形態では、コポリマーは、アクリレートとスチレン部分のおよそ等しい(1:1)重量比を含み、約3,000の平均分子量を有する。本発明による市販のコポリマーの1つの好適な例は、アルコ・ケミカル(Alco Chemical)、ナショナルスターチ・アンド・ケミカルカンパニー(National Starch & Chemical Company)部門(米国37406テネシー州チャタヌーガ、ミューラー・ドライブ909)により製造及び販売されるアルコスパース(Alcosperse)747(登録商標)である。実験において、洗浄の効果はポリマーによって弱められないこと、及び光沢は組成物の継続使用により、処置される表面上にゆっくりと築き上げられることが観察される。重要なことには、かつてはコポリマーの単層であった築き上げられた平らな台地のような部分は、床表面を完全に被覆するが、水を収容し得る小さな亀裂を包含する。理論に束縛されるものではないが、光沢が徐々に築き上げられることは、1つには、目に見える筋の形成を防ぐために必要な低分子量のためであり、ポリマーが容易に剥離できるという事実のためであると考えられている。本発明のコポリマーの剥離能力は、本発明の組成物を用いて前に光沢増強をした床を、コポリマーを含まない同等の組成物を用いて処置することにより確認できる(実験の項参照)。1回の洗浄作業で、床の光沢は、任意の組成物を適用する前の、既存の程度まで回復される。
【0024】
キトサンポリマー − キトサンは、架橋されたグルコサミン単位を含む天然のバイオポリマーである。本明細書に記載される時、用語キトサンは、キチン(海洋資源から)の脱アセチル化により、又は真菌からの直接単離により得られる天然の多糖を包含するだけでなく、天然のキトサンの異性体であり又は天然のキトサンに構造的に類似する、合成的に製造された、β−1,4−ポリ−D−グルコサミン及びその誘導体を包含する。本発明のキトサンポリマーは、実質的にプロトン化したグルコサミンモノマー単位であり、ポリマーの水溶解度を改善する。プロトン化したグルコサミン単位に付随する対イオンは、例えばラクテート、アセテート、グルコネートなど、当該技術分野において既知のいずれかのものであることができる。
【0025】
存在する場合、本発明の組成物中のキトサンのレベルは約0.01%〜約1.0%である。より好ましくは、キトサンポリマーのレベルは、約0.01%〜約0.75%、より好ましくは約0.01%〜約0.50%、最も好ましくは約0.02%〜約0.40%である。本発明のキトサンポリマーは、約5,000〜約500,000の平均分子量を有する。より好ましくは、キトサンポリマーは、約5,000〜約100,000の平均分子量、更により好ましくは約5,000〜約50,000の平均分子量、最も好ましくは約5,000〜約30,000の平均分子量を有する。上記のように、より低分子量のキトサンの使用は、組成物の水溶解度を改善し、また床上に残される残留物を軽減する。より低分子量(molecular)のキトサン(即ち、100,000未満、より好ましくは50,000未満の分子量)は、本発明の組成物中のキトサン濃度(0.10%以上)を増加するための柔軟性を提供し、乾燥時間の利益を送達する一方で、光沢の増強を改善し;またより低分子量(molecular)のキトサンは剥離するのが容易であり、床上に不必要な蓄積が残らないことを確実にする。より高い分子量(50,000〜100,000の分子量)は、本発明の組成物中のより低いキトサン濃度(約0.10%未満)のために柔軟性を提供する。より高い分子量のキトサンは残留物の増加をもたらすが、一方で、それは、低レベル(約0.10%未満)で効果をもたらすことにより、著しい乾燥時間の改善の利益を提供する費用効率が高い手段を表す。
【0026】
界面活性剤 − 本発明の水性洗浄組成物は、約0.005%〜約0.50%の界面活性剤を含む。好適な界面活性剤には、約8個〜約18個の炭素原子を含有する疎水性の鎖を有する、非イオン性、双極性、両性、陰イオン性、又は陽イオン性界面活性剤が挙げられる。好適な界面活性剤の例は、マカッチャン(McCutcheon)の1巻:乳化剤及び洗剤(Emulsifiers and Detergents)、北アメリカ版(North American Ed.)、マカッチャン部門(McCutcheon Division)、MC出版社(MC Publishing Co.)、2002年、に記載されている。好ましくは、水性組成物は、約0.005%〜約0.45%、より好ましくは約0.0075%〜約0.30%、更により好ましくは約0.01%〜約0.20%、最も好ましくは約0.015%〜約0.10%の界面活性剤を含む。組成物中の界面活性剤の正確なレベルは、組成物中の界面活性剤の種類、部類、及び鎖長、コポリマーの所望のレベル、並びに芳香剤の所望のレベル及び種類を包含する幾つかの要因に左右され得る。陽イオン性界面活性剤は、光沢増強の効果を木及びその他の床表面にもたらす機構を妨げる可能性があるため、好ましくは、本発明の組成物はまた、陽イオン性界面活性剤を実質的に含まない。包含される場合、陽イオン性界面活性剤は、水性洗浄組成物の好ましくは約0.10重量%未満、より好ましくは約0.05重量%未満、更により好ましくは約0.03重量%未満、最も好ましくは約0.02重量%未満を構成する。1つの好ましい実施形態では、組成物は、0.02%〜0.08%の界面活性剤を含み、組成物は陽イオン性界面活性剤を実質的に含まない。
【0027】
非イオン性界面活性剤は、本発明の組成物に用いるのに極めて好ましい。好適な非イオン性界面活性剤の非限定例には、アルコールアルコキシラート類、アルキル多糖類、アミンオキシド類、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー、フッ素系界面活性剤、及びシリコン系界面活性剤が挙げられる。存在する場合、非イオン性界面活性剤は、組成物の約0.001重量%〜約0.5重量%を構成する。好ましくは、水性組成物は、約0.005%〜約0.40%、より好ましくは約0.0075%〜約0.30%、更により好ましくは約0.01%〜約0.20%、最も好ましくは約0.015%〜約0.10%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0028】
極めて好ましい実施形態では、本発明に用いられる少なくとも1つの非イオン性界面活性剤は、アルキル多糖である。こうした好ましい界面活性剤は、米国特許第4,565,647号、第5,776,872号、第5,883,062号、及び第5,906,973号に開示されている。アルキル多糖類の中で、好ましいのは、5個又は6個の炭素の糖環を含むものであり、より好ましいのは6個の炭素の糖環を含むものであり、最も好ましくは、6個の炭素の糖環がグルコースから得られるもの、即ちアルキルポリグルコシドである。ポリグルコシドのアルキル部分は、脂肪、油、又は化学的に製造されたアルコールから得ることができ;糖部分は加水分解多糖類から得られる。アルキルポリグルコシドは、脂肪族アルコールとグルコースのような糖との縮合生成物から形成され、グルコース単位の数は相対的親水性を定義する。糖の単位は、脂肪族アルコールとの反応前又は後のいずれかにおいて更にアルコキシル化されることができる。こうしたアルキルポリグリコシドは、PCT国際公開特許WO86/05199に詳細に記載されている。理論的には、アルキルポリグリコシドは、一般に分子的に均一な生成物ではなく、単糖類及び異なるオリゴ糖類の混合物とアルキル基との混合物を表す。グルコシド単位の平均数は、好ましくは約1.0〜約2.0、より好ましくは約1.2〜約1.8、最も好ましくは約1.3〜約1.7である。アルキルポリグルコシド(時には「APG’s」とも呼ばれる)は、それらが低残留界面活性剤であるため、本発明の目的のために好ましい非イオン性物質である。APGの鎖長におけるアルキル置換基は、好ましくは、約8個〜約16個の炭素原子を含有する飽和又は不飽和のアルキル部分である。C8〜C16アルキルポリグルコシドは、市販されている(例えば、セピック・コーポレーション(Seppic Corporation)(フランスのセデックス7、パリ75321ケードルセー(Quai d'Orsay)75)からのシムソール(Simusol)(登録商標)界面活性剤、及びコグニス・コーポレーション(Cognis Corporation)(ドイツのデュッセルドルフ、D40551、郵便私書箱13 01 64)から入手可能な、グルコポン220(Glucopon 220)(登録商標)、グルコポン225(Glucopon 225)(登録商標)、グルコポン425(Glucopon 425)(登録商標)、プランタレン2000(Plantaren 2000)(登録商標)、プランタレン2000N(Plantaren 2000 N)(登録商標)、及びプランタレン2000N UP(Plantaren 2000 N UP)(登録商標))。
【0029】
本発明に好適な別の部類の非イオン性界面活性剤は、アルキルエトキシレートである。本発明のアルキルエトキシレートは、直鎖又は分枝鎖のいずれかであり、約8個の炭素原子〜約16個の炭素原子を疎水性末端に、及び約3のエチレンオキシド単位〜約20のエチレンオキシド単位を親水性の先端基に含有する。アルキルエトキシレートの例には、シェル・コーポレーション(テキサス州ヒューストンのシェル・プラザ(Shell Plaza)1、私書箱2463)により供給される、ネオドール91−6(Neodol 91-6)(登録商標)、ネオドール91−8(Neodol 91-8)(登録商標)、及びコンデア・コーポレーション(Condea Corporation)(テキサス州ヒューストン、私書箱19029スレッドニードル(Threadneedle)900)により供給される、アルフォニック810−60(Alfonic 810-60)(登録商標)が挙げられる。より好ましい界面活性剤は、約9個〜約12個の炭素原子を疎水性末端に、及び約4〜約9のエチレンオキシド単位を親水性の先端基に含むアルキルエトキシレートである。これらの界面活性剤は、優れた洗浄の効果を提供し、及び本発明のコポリマーと相乗的に作用する。非常に好ましいアルキルエトキシレートは、シェル・ケミカル・カンパニー(Shell Chemical Company)から商標ネオドール1−5(Neodol 1-5)(登録商標)として入手可能なC11EO5である。
【0030】
本発明に好適な別の部類の非イオン性界面活性剤は、アミンオキシドである。アミンオキシド類、特に、約12個の炭素原子〜約16個の炭素原子を疎水性末端に含むものは、0.10%未満のレベルにおいてもそれらの強い洗浄特性及び有効性のために有益である。更に、C12〜16のアミンオキシドは、香料の優れた可溶化剤である。本明細書に用いるための別の非イオン性洗浄性界面活性剤は、アルコールの疎水性アルキル鎖の中に約8個〜約16個の炭素原子を一般に含むアルコキシル化アルコールである。典型的なアルコキシル化基は、プロポキシ基、又はアルキルエトキシプロポキシレートを生成する、プロポキシ基との組み合わせによるエトキシ基である。こうした化合物は、ローディア(フランス、オーベルビリエ・セデックス、F−93306、リュー・ド・ラ・ハイエ−コック(Rue de la Haie-Coq)40)から入手可能な商標名アンタロックス(Antarox)(登録商標)として、及びシェル・ケミカル(Shell Chemical)から入手可能な商標名ノニデット(Nonidet)(登録商標)として市販されている。
【0031】
また本発明に用いるのに好適なのは、フッ素化非イオン性界面活性剤である。1つの特に好適なフッ素化非イオン性界面活性剤は、フルオラッド(Fluorad)F170(3M・コーポレーション(3M Corporation)、米国ミネソタ州セントポールの3Mセンター(3M Center))である。フルオラッド(Fluorad)F170は次の式を有する:
【0032】
【化1】

【0033】
また本発明に用いるのに好適なのは、シリコン系界面活性剤である。界面活性剤のこれらの種類の1つの例は、ダウ・ケミカル(Dow Chemical)(米国ミシガン州ミッドランドのN.スウェード・ロード(N.Swede Road)1691)から入手可能なシルウェット(Silwet)L7604である。
【0034】
プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって形成される疎水性塩基とエチレンオキシドとの縮合生成物もまた、本明細書に用いるのに好適である。このような化合物の疎水性部分は、好ましくは、約1500〜約1800の分子量を有し、非水溶性を示す。この疎水性部分へのポリオキシエチレン部分の添加は全体としての分子の水溶解度を高める傾向があり、ポリオキシエチレン含有量が縮合生成物全体の約50重量%であり、約40モルまでのエチレンオキシドとの縮合に相当する点まで、生成物の液体特質が保持される。この種類の化合物の例としては、BASFより市販されているプルロニック(Pluronic)(登録商標)界面活性剤の幾つかのものが挙げられる。このような界面活性剤は、化学的に(EO)x(PO)y(EO)z又は(PO)x(EO)y(PO)zの構造を有し、式中、x、y、及びzは約1〜約100、好ましくは約3〜約50である。良好な湿潤界面活性剤であることが既知のプルロニック(Pluronic)(登録商標)界面活性剤はより好ましい。プルロニック(Pluronic)(登録商標)界面活性剤の説明、及び湿潤特性を包含するそれらの特性については、BASFから入手可能な、BASF性能薬品プルトニック(Plutonic)(登録商標)及びテトロニック(Tetronic)(登録商標)界面活性剤(BASF Performance Chemicals Plutonic(Registered Trademark)& Tetronic(Registered Trademark)Surfactants)」に見出すことができる。
【0035】
その他の好適ではあるが、好ましくはない非イオン性界面活性剤には、アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、例えば、直鎖又は分枝鎖のいずれかの配置で約6個〜約12個の炭素原子を含有するアルキル基を有するアルキルフェノールとエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられ、該エチレンオキシドは、アルキルフェノールの1モル当たり約10〜約25モルのエチレンオキシドに等しい量で存在する。こうした化合物中のアルキル置換基は、オリゴマー化されたプロピレン、ジイソブチレンから、又はイソ−オクタン、n−オクタン、イソ−ノナン、若しくはn−ノナンの他の供給源から得ることができる。用いることができるその他の非イオン性界面活性剤には、糖のような天然の供給源から得られるものが挙げられ、及びC8〜C16N−アルキルグルコースアミド界面活性剤が挙げられる。
【0036】
双極性界面活性剤は、本発明との関連にある第2の部類の好ましい界面活性剤を表す。存在する場合、双極性界面活性剤は、組成物の約0.001重量%〜約0.5重量%を構成する。好ましくは、水性組成物は、約0.005重量%〜約0.40重量%、より好ましくは約0.0075重量%〜約0.30重量%、更により好ましくは約0.01重量%〜約0.20重量%、最も好ましくは約0.015重量%〜約0.10重量%の双極性界面活性剤を含む。
【0037】
双極性界面活性剤は、幅広いpH範囲にわたって、同分子上に陽イオン性基と陰イオン性基との両方を含有する。典型的な陽イオン性基は四級アンモニウム基であるが、スルホニウム基やホスホニウム基などその他の正電荷を持つ基を用いることもできる。典型的な陰イオン性基は、カルボキシレート及びスルホネート、好ましくはスルホネートであるが、スルフェート、ホスフェートなどのような他の基も用いることができる。これらの洗剤のうち幾つかの一般的な例は、米国特許第2,082,275号、米国特許第2,702,279号及び米国特許第2,255,082号の特許文献に記載されている。幾つかの好ましい双極性界面活性剤の一般式は次の通りである:
R−N+(R2)(R3)(R4)X-
式中、Rは疎水基であり;R2及びR3はそれぞれC1〜4アルキルヒドロキシアルキル、又は結合してNと環状構造を形成することができるその他の置換アルキル基であり;R4は陽イオン性窒素を親水性陰イオン性基に結合させる部分であって、典型的にはアルキレン、ヒドロキシアルキレン、又は1個〜4個の炭素原子を含有するポリアルコキシアルキレンであり;Xは親水性基、最も好ましくはスルホネート基である。好ましい疎水基Rは約6個〜約20個、好ましくは約18個未満の炭素原子を含有するアルキル基である。疎水性部分は、不飽和の部位及び/又は置換基及び/又は連結基、例えばアリール基、アミド基、エステル基などを任意に含有することができる。「簡単な」双極性界面活性剤の具体例は、マッキンタイア・カンパニー(McIntyre Company)(米国60466イリノイ州ユニバーシティ・パーク、ガバナーズ・ハイウェイ(Governors Highway)24601)から商標名マッカムLHS(Mackam LHS)(登録商標)として入手可能な3−(N−ドデシル−N,N−ジメチル)−2−ヒドロキシプロパン−1−スルホネート(ラウリルヒドロキシスルタイン)である。その他の特定の双極性界面活性剤は、次の一般式を有する:
R−C(O)−N(R2)−(CR32n−N(R22+−(CR32n−SO3-
式中、各Rは、例えば、約6個〜約20個、好ましくは約18個以下、より好ましくは約16個以下の炭素原子を含有するアルキル基などの炭化水素であり、(R2)はそれぞれ、水素(アミド窒素に結合する場合)、約1個〜約4個の炭素原子を含有する短鎖アルキル又は置換アルキルのいずれかであり、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ置換エチル及びプロピル、並びにこれらの混合物から成る群から選択される基、より好ましくはメチルであり、(R3)はそれぞれ、水素及びヒドロキシル基から成る群から選択され、nはそれぞれ、約1〜約4、より好ましくは約2又は約3、最も好ましくは約3の数字であり、(CR32)部分のいずれにも約1を超えるヒドロキシ基が含まれない。R基は、直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和であることができる。R2基も、環状構造を形成するように結合することができる。この種類の好ましい界面活性剤は、マッキンタイア(McIntyre)から商標名マッカム50−SB(Mackam 50-SB)(登録商標)として入手可能なC12〜14アシルアミドプロピレン(ヒドロキシプロピレン)スルホベタインである。その他の非常に有用な双極性界面活性剤には、例えば、脂肪族アルキレンベタインなどのヒドロカルビルが挙げられる。これらの界面活性剤は、カルボキシル陰イオン性基のプロトン化によりpHが下がるため、より陽イオン性になる傾向があり、1つの実施形態では次の一般式を有する:
R−N(R12+−(CR22n−COO-
式中、Rは、例えば約6個〜約20個、好ましくは約18個以下、より好ましくは約16個以下の炭素原子を含有するアルキル基などの炭化水素であり、(R1)はそれぞれ、約1個〜約4個の炭素原子を含有する短鎖アルキル又は置換アルキルであり、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ置換エチル及びプロピル、並びにこれらの混合物から成る群から選択される基、より好ましくはメチルであり、(R2)は、水素及びヒドロキシル基から成る群から選択され、nは約1〜約4の数字、好ましくは約1である。この種類の極めて好ましい低残留界面活性剤は、オールブライト・アンド・ウィルソン(Albright & Wilson)により製造されるココジメチルベタインのエムピゲンBB(Empigen BB)(登録商標)である。同様に好ましい別の実施形態では、これらのベタイン界面活性剤は次の一般式を有する:
R−C(O)−N(R2)−(CR32n−N(R22+−(CR32n−COO-
式中、各Rは、例えば、約6個〜約20個、好ましくは約18個以下、より好ましくは約16個以下の炭素原子を含有するアルキル基などの炭化水素であり、(R2)はそれぞれ、水素(アミド窒素に結合する場合)、約1個〜約4個の炭素原子を含有する短鎖アルキル又は置換アルキルのいずれかであり、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ置換エチル及びプロピル、並びにこれらの混合物から成る群から選択される基、より好ましくはメチルであり、(R3)はそれぞれ、水素及びヒドロキシル基から成る群から選択され、nはそれぞれ、約1〜約4、より好ましくは約2又は約3、最も好ましくは約3の数字であり、(CR32)部分のいずれにも約1を超えるヒドロキシ基が含まれない。R基は、直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和であることができる。R2基も、環状構造を形成するように結合することができる。この種類の極めて好ましい界面活性剤は、マッキンタイア(McIntyre)により製造される、ココアミドプロピルベタインのマッカム35HP(Mackam 35HP)(登録商標)である。
【0038】
好ましい界面活性剤の第3の部類は、両性界面活性剤から成る群を含む。存在する場合、両性界面活性剤は、組成物の約0.001重量%〜約0.5重量%を構成する。好ましくは、水性組成物は、約0.005重量%〜約0.40重量%、より好ましくは約0.0075重量%〜約0.30重量%、更により好ましくは約0.01重量%〜約0.20重量%、最も好ましくは約0.015重量%〜約0.10重量%の両性界面活性剤を含む。これらの界面活性剤は、酸性のpHにおいて、本質的に双極性界面活性剤として機能する。1つの好適な両性界面活性剤は、C8〜C16アミドアルキレングリシネート界面活性剤(「両性グリシネート」)である。別の好適な両性界面活性剤は、C8〜C16アミドアルキレンプロピオネート界面活性剤(「両性プロピオネート」)である。これらの界面活性剤は次の一般構造を有する:
R−C(O)−(CH2n−N(R1)−(CH2x−COO-
式中、R−C(O)−は約C5〜約C15の前疎水性脂肪族アシル部分であり、nはそれぞれ、約1〜約3であり、R1はそれぞれ、好ましくは水素又はC1〜C2アルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、xは約1又は約2である。こうした界面活性剤は、ゴールドシュミット・ケミカル(Goldschmidt chemical)から商標名リウォテリックAM(Rewoteric AM)(登録商標)として塩の形態で入手可能である。その他の好適な低残留界面活性剤の例には、ココイルアミドエチレンアミン−N−(メチル)アセテート、ココイルアミドエチレンアミン−N−(ヒドロキシエチル)アセテート、ココイルアミドプロピレンアミン−N−(ヒドロキシエチル)アセテート、及び類縁体、並びにこれらの混合物が挙げられる。その他の好適な両性界面活性剤は、ドデシルβ−アラニン、N−アルキルタウリン、例えば米国特許第2,658,072号の教示に従って、ドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることにより調製されるもの、N‐高級アルキルアスパラギン酸、例えば米国特許第2,438,091号の教示に従って製造されるもの、並びに商標名「ミラノール(Miranol)(登録商標)」として販売され、及び米国特許第2,528,378号に記載されている製品のような界面活性剤によって表される。
【0039】
陰イオン性界面活性剤はまた、本発明の組成物内に用いるのに好適である。本明細書の陰イオン性界面活性剤は、典型的には、約8個〜約18個の炭素原子、好ましくは約8個〜約16個の炭素原子を含む疎水性鎖を含み、典型的には、サルフェート、スルホネート、又はカルボキシレートの親水性先端基を包含する。存在する場合、陰イオン性界面活性剤のレベルは、好ましくは約0.005%〜約0.10%、より好ましくは約0.0075%〜約0.05%、最も好ましくは約0.01%〜約0.03%である。陰イオン性界面活性剤は、多くの場合、「調色」効果を通じて、最終結果の表面の良好な外観の提供に役立つために有用である。調色効果とは、目に見える床のくもりがより少ないために、最終結果の外観が改善されることを意味する。理論に束縛されるものではないが、調色効果は、組成物中の水性要素が蒸発する時に生じる、界面活性剤系の床上での凝集系を壊すことによって得られると考えられている。1つの好ましい調色効果の界面活性剤は、本発明の組成物中の主界面活性剤としてアルコールエトキシレートが用いられた時に、最も有用である。好ましい調色効果の界面活性剤には、ステパン(Stepan)(米国60093イリノイ州ノースフィールドのウエストフロンテージ・ロード(West Frontage Road)22)から、商標名バイオ−タージPAS−8(Bio-Terge PAS-8)(登録商標)として市販されるオクチルスルホネートが挙げられる。本発明にとって利益となる別の卓越した「調色」界面活性剤はルビスコール(Luviskol)CS−1であり、これはBASF(ドイツのルートヴィヒスハーフェン67056)から購入できる。存在する場合、ルビスコール(Luviskol)CS−1は、主界面活性剤(類)に関して、約1:20〜約1:1の重量比で好ましくは用いられる。
【0040】
本発明の組成物に好適な陰イオン性界面活性剤のその他の非限定例には、ヘキスト株式会社(Hoechst,Aktiengesellschaft)(ドイツのフランクフルトD−6230)からのC8〜C18スルホン酸パラフィン(ホスタパーSAS(Hostapur SAS)(登録商標)、C10〜C14直鎖又は分枝鎖アルキルベンゼンスルホネート、C9〜C15アルキルエトキシカルボキシレート洗浄性界面活性剤(シェル・ケミカル・コーポレーション(Shell Chemical Corporation)、テキサス州ヒューストンのシェル・プラザ(Shell Plaza)1、私書箱2463から入手可能なネオドックス(Neodox)(登録商標)界面活性剤)、C10〜14アルキルサルフェート及びエトキシサルフェート(例えば、ステパン(Stepan)からのステパノールAM(Stepanol AM)(登録商標))が挙げられる。本発明の組成物中に用いることができるその他の重要な陰イオン性物質には、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム又はアルキルベンゼンスルホン酸カリウムが挙げられ、その中でアルキル基は約9個〜約15個の炭素原子を含有し、特に米国特許第2,220,099号及び第2,477,383号に記載される種類のものが挙げられる。
【0041】
組成物のpH − 本発明の組成物は、約6〜約11、より好ましくは約6.5〜約10.5、更により好ましくは約7〜約10、最も好ましくは約7〜約9.5の範囲のpHを有する。好ましいpHの範囲は、コポリマー又はキトサンの光沢増強特性を最大化する一方で、過剰の酸性又はアルカリ性に起因する被膜及び筋形成のマイナスを軽減又は排除するように選択される。
【0042】
任意の溶媒 − 溶媒は、組成物の表面張力特性を低下させ、それによって床表面の湿潤及び洗浄に役立つ。溶媒はまた、洗浄用具と床表面との間の摩擦を操作するために有利に用いることができる。最後に溶媒はこれらの洗浄、湿潤、及び摩擦の改善の利益を、残留物を助長せずに達成する。このため、次の溶媒又は溶媒の混合物は任意であるが、本発明の組成物の極めて好ましい構成成分である。
【0043】
本明細書に用いるのに任意の溶媒には、硬質表面の洗浄剤組成物への使用が当該技術分野において既知のすべてのものが挙げられる。好適な溶媒は、脂肪族アルコール、エーテル及びジエーテル、グリコール又はアルコキシル化グリコール、グリコールエーテル、アルコキシル化芳香族アルコール;芳香族アルコール、テルペン、及びこれらの混合物から成る群から選択することができる。脂肪族ジオール及びグリコールエーテル溶媒が最も好ましい溶媒である。存在する場合、溶媒は、好ましくは、水性洗浄組成物の約0.25重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約5重量%、より好ましくは約1重量%〜約4重量%のレベルで存在する。
【0044】
本明細書に用いるのに好適なグリコールは式HO−CR12−OHに従い、式中、R1及びR2は独立してH又はC2〜C10飽和若しくは不飽和脂肪族炭化水素鎖及び/又は環状である。本明細書に用いられる好適なグリコールは、1,2−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、及び1,2−プロパンジオールである。
【0045】
1つの好ましい実施形態では、少なくとも1つのグリコールエーテル溶媒が本発明の組成物中に組み込まれる。好ましいグリコールエーテルは、適度な疎水性、湿潤、及び表面活性を提供するように、1〜3のエチレングリコール部分又は1〜3のプロピレングリコール部分のいずれかに結合した、末端のC3〜C6炭化水素を有する。本発明の組成物に用いるのに最も好ましいのは、1若しくは2のエチレンオキシド部分及びC4〜C6の末端アルキル鎖、又は1つのプロピレンオキシド部分及びC3〜C6の末端鎖のいずれかを含むグリコールエーテル溶媒である。市販の極めて好ましいグリコールエーテル溶媒の例には、すべてダウ・ケミカル(Dow Chemical)から入手可能な、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル;ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールn−ヘキシルエーテル及びジエチレングリコールn−ヘキシルエーテルが挙げられる。
【0046】
任意のポリマー − 次のポリマーは、粘度変性、くもりの軽減、及び粒子状汚れの除去が挙げられるが、これらに限定されない追加の利益を提供できる極めて好ましい任意成分である。特に興味深いのは欧州特許出願1019475、欧州特許出願1216295、米国特許第6,340,663号、米国特許出願2003/0017960、米国特許出願2003/0186830、及びPCT国際公開特許WO01/23510に開示されている特定のポリマー又はポリマーの部類である。好適なポリマーの非限定例には、天然起源の多糖類、例えばキサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、及び合成多糖類、例えばカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。その他の好適なポリマーには、ポリビニルピロリドン(10,000〜200,000の分子量)、及びN−ビニルピロリドンが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、カプロラクタム、ブテン、又はビニルアセテートのいずれかと反応することにより形成されるコポリマーを包含する、N−ビニルピロリドンから得られるものが挙げられる。更にその他の好適なポリマーは、スルホネート及びアミンオキシド官能基を含み、例えばポリビニルピリジン−N−オキシド(1,000〜50,000の分子量)、ポリビニルスルホネート(1,000〜10,000の分子量)、及びポリビニルスチレンスルホネート(10,000〜1,000,000の分子量)である。好適なポリマーの更にその他の部類には、ポリエチレングリコール(5,000〜5,000,000の分子量)、変性ポリエチレンイミン、例えばBASFより販売されるルパゾールSK(Lupasol SK)(100,000〜5,000,000の分子量)が挙げられる。
【0047】
その他の任意構成成分 − 本発明による水性洗浄組成物は、目的とする技術的利益及び処置される表面に応じて多様な他の任意成分を含んでもよい。本明細書に用いるのに好適な任意成分には、追加のキレート剤、ビルダー、酵素、緩衝剤、香料、ヒドロトロープ、着色剤、顔料、及び/又は染料が挙げられる。ほとんどの場合、これらの構成成分のレベルが組成物の約0.50%を超えないことが好ましい。
【0048】
ポリマーの洗浄、光沢、及び迅速乾燥の効果 − 洗浄機構は完全には理解されていないが、洗浄の増強の幾分かもまた、本発明に記載される2種類のポリマーによる良好な湿潤及び床の被覆に起因すると考えられている。本発明の洗浄組成物が最初に用いられる時、本発明の組成物は床の上にコーティングを形成する。用いられるポリマーの低レベル、及び組成物の自己剥離性の能力(組成物が用いられるたびに、コーティングの一部分が除去されて、新しいコーティングと置き換えられる)のために、コーティングが、表面の小さな亀裂を包含する床の全表面を完全に被覆するためには3〜4回の洗浄作業を必要とする。その時点で、床の光沢は定常値に達し、その後の洗浄は光沢増強の効果の著しい増加を提供しないことを意味する。しかしながら、本発明の組成物の継続的適用は、コポリマーのコーティングを継続的に新しくするのに役立つことができ、木の表面を自然力から保護することができる。薄い保護被膜を木の上に作り出すことにより、本明細書の組成物は目に見える欠陥を減らすのに役立ち、小さな亀裂でさえも、更に汚れを取り込むこと、並びに水、熱、及び湿気の影響から保護することができる。この実質的に均一で、容易に剥離可能な層はまた床の表面積を減らし(即ち、孔及び木理のような表面の「しわを伸ばす」コーティングの効果は、木の表面の三次元性を有効に減らす)、より迅速な乾燥時間だけでなく、その後の洗浄におけるより容易な及び改善された汚れの除去を結果としてもたらす。理論に束縛されるものではないが、本発明のポリマーは、床表面に適用される本発明の組成物により形成される接触角を低下させ、水性組成物が乾燥する時の染みの形成を軽減し、及びこれはまた、コポリマーを含まない同等の組成物と比べた時に、より迅速な乾燥時間を与えるとも考えられている。より迅速な乾燥は、セラミックタイル及びビニルを包含する多種類の表面において観察される。乾燥時間の利益は、木の表面、特に木目の粗い木、傷つきやすい木、又は古びた木について特に著しく、及び重要である。本発明のスチレン−アクリルコポリマーはまた、カルボキシレートの汚れ捕捉能力(キレート化)のおかげで洗浄の促進を提供することができ、及びキトサンポリマーは、油脂又はその他の油系の汚れの吸収によって洗浄の利益を提供することができる。光沢の増強の程度はポリマーの分子量によって決まり、他の条件が同じならば、より低分子量のポリマーが好ましい。一般に、スチレン−アクリレートコポリマーは、光沢増強の利益のために、より有効であり、一方キトサンポリマーは、溶液の乾燥時間を減らすために、より有効である。当業者は、スチレン−アクリレートコポリマーとキトサンコポリマーを単一の洗浄組成物中に組み合わせて、全体の床洗浄及び光沢の増強を促進する一方で迅速な溶液の乾燥時間を最良にすることの利点を理解する。
【0049】
最後に、本発明のスチレン − アクリルコポリマーは、香料の改善された溶解度を提供することが、非常に疎水性である香料についても示されている。そのため、コポリマーは、香料の溶解度を気にすることなく、洗浄組成物中に最小の界面活性剤レベルの使用を可能にする。そのため、コポリマーの香料溶解特性は、被膜及び筋の形成の減少、並びに目に見える最終結果の利益を間接的にもたらすことができる。
【0050】
使用方法 − 本発明の水性洗浄組成物は、当該技術分野において既知のいずれかの方法を用いて床の上に直接適用できる。組成物は生のまま(即ち、希釈しない)で用いることもできるし、又は使用前に水で更に希釈することもできる。1つの用途では、組成物は濃縮製品として瓶又はその他の容器に詰められ、及びその後床表面に適用する前に、任意にバケツ内において水で希釈される。更に、それらは従来の洗浄用具、ウェットタイプのワイプ、又は以下に記載されるように使い捨ての吸収性洗浄パッドとの組み合わせにおいて用いることができる。
【0051】
洗浄システム − 水性洗浄組成物は、スポンジ、布、セルロースの紐及び帯、紙、市販のペーパータオル、柔らかいパッド又は研磨パッド、ブラシなどの従来の洗浄道具との組み合わせにおいて用いることができる。これらの洗浄道具は、使いやすさを向上させ、適用範囲を広げるために、任意に、用具との組み合わせにおいて用いることができる。
【0052】
好ましい実施形態では、水性組成物は、「スプレー及びモップ(spray and mop)」製品の形態で提供される。この状況では、液体組成物は、好ましくは噴霧することにより床に直接容易に投与できる容器(例えば瓶)の中に詰められ、次に従来のモップ、洗浄道具に取り付けられた乾いた不織布、使い捨て吸収性パッド、超吸収性ポリマーを更に含む使い捨て吸収性パッド、又はいずれかの他の洗浄用具を用いることにより拭き取られる。「スプレー及びモップ」キットは、ローション及び洗浄用具を含む組み合わせパッケージとして、又は個々のユーザーの要望に応じて用具又は洗浄用布若しくはパッドと共に使用される液体洗浄剤溶液として販売されてもよい。特に好ましい実施形態では、洗浄用具は、モップヘッドに接続されたハンドルを含み、モップヘッドには使い捨ての吸収性洗浄パッドを取り外し可能に取り付けることができる。洗浄用具は、任意に、液体送出システムを含んでもよい。こうした製品の例は、プロクター・アンド・ギャンブル社(the Procter and Gamble Company)により、名称「スウィッファー・ウェットジェット(Swiffer WETJET)(登録商標)」及び「スウィッファー・スプレイ・アンド・クリーン(Swiffer Spray&Clean)(登録商標)」として現在販売されている。別の好ましい実施形態では、ハンドル及びモップヘッドを含むが、液体送出システムは含まない洗浄用具が、ウェットタイプのパッドとの組み合わせにおいて用いられてもよい。
【0053】
使い捨て吸収性洗浄パッド − 使い捨て吸収性洗浄パッドは、卓越した最終結果を達成するように適合された洗浄方法を表す。好ましい実施形態では、使い捨て吸収性洗浄パッドは多層化されており、並びに吸収層、任意に研磨層、及び任意に付着層を含む。吸収層は、必須構成成分であり、これは使用中に洗浄パッドにより吸収されるいずれかの流体及び汚れを保持する役目をする。吸収層は、天然起源の(変性又は非変性)、並びに合成的に製造された繊維を包含する繊維材料から成ってもよく又はこれらを含んでもよい。好適な非変性/変性の天然起源の繊維の例には、綿、エスパルト草、バガス、ケンプ、亜麻、絹、羊毛、木材パルプ、化学的に変性された木材パルプ、黄麻、エチルセルロース、及び酢酸セルロースが挙げられる。好適な合成繊維は、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル(例えばオーロン(ORLON)(登録商標))、ポリビニルアセテート、レーヨン(Rayon)(登録商標)、ポリエチルビニルアセテート、不溶性又は可溶性ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、例えばポリエチレン(例えば、パルペックス(PULPEX)(登録商標))、及びポリプロピレン、ポリアミド(例えばナイロン)、ポリエステル(例えばダクロン(DACRON)(登録商標)、又はコーデル(KODEL)(登録商標))、ポリウレタン、ポリスチレンなどから製造できる。吸収層は、天然起源の繊維だけを、合成繊維だけを、又はこれらのいずれかの適合性のある組み合わせを含むことができる。本明細書で有用な繊維は、親水性、疎水性であることもできるし、又はこれらの組み合わせであることもできる。本発明で用いるのに好適な親水性繊維には、セルロース繊維、変性セルロース繊維、レーヨン、ポリエステル繊維、例えば親水性ナイロン(ヒドロフィル(HYDROFIL)(登録商標))が挙げられる。好適な親水性繊維はまた、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタンなどから誘導された熱可塑性繊維を界面活性剤処理又はシリカ処理するなどして、疎水性繊維を親水性化することにより得ることもできる。本発明に用いる別の種類の親水性繊維は、化学的に剛化されたセルロース繊維である。本明細書で使用する時、用語「化学的に剛化されたセルロース繊維」は、乾燥状態及び水性状態の両方で繊維の剛性を高めるべく化学的な手段により剛化されたセルロース繊維を意味する。こうした手段としては、例えば、繊維をコーティングする及び/又は繊維に染み込ませる化学的剛化剤の添加を挙げることができる。また、こうした手段として、例えばポリマー鎖を架橋することにより、化学構造を変えることにより、繊維を剛化することを挙げることができる。吸収層(又はその構成要素)として繊維が用いられる場合には、繊維は、任意に熱可塑性材料と組み合わされてもよい。溶融すると、この熱可塑性材料の少なくとも一部分が、典型的には繊維間毛管勾配のために繊維の交差部に移動する。これらの交差部は、熱可塑性材料についての結合部位になる。冷却される時、これらの交差部のところの熱可塑性材料は凝固して結合部位を形成し、これは繊維のマトリックス又はウェブを各それぞれの層において共に保持する。これは、追加の全体的一体性を洗浄パッドに提供する上で有益である場合がある。その様々な効果の中で、繊維交差部での結合は、全体的な圧縮弾性率、及び結果として得られる熱接着した部材の強度を高める。化学的に剛化されたセルロース繊維の場合には、熱可塑性材料の溶融及び移動はまた、結果として得られるウェブの平均孔径を増加する効果を有するが、一方では最初に形成された時のウェブの密度及び坪量を維持する。これは、流体への初めの暴露の際には、改善された流体浸透性のために、及びその後の暴露の際には、剛化された繊維が濡れる際にそれらの剛性を維持する能力と、熱可塑性材料が濡れる際に及び湿り圧縮の際に繊維交差部において結合されたままでいる能力とを組み合わせた能力のために、熱接着されたウェブの流体獲得特性を改善することができる。結局、剛化された繊維の熱接着されたウェブは、それらのもとの全体積を保持するが、熱可塑性材料によって前に占有された体積測定領域は空くことになり、従って平均の繊維間毛管孔径は増加する。本発明で有用な熱可塑性材料は、粒子状物質、繊維、又は粒子状物質と繊維との組み合わせを包含する多様な形体のいずれかであることができる。熱可塑性繊維は、多数の繊維間結合部位を形成するそれらの能力のために、特に好ましい形態である。好適な熱可塑性材料は、各層の主要ウェブ又はマトリックスを構成する繊維を大幅に損傷しない温度で溶融できるいずれの熱可塑性ポリマーからも製造することができる。好ましくは、この熱可塑性材料の融点は、約190℃未満、好ましくは約75℃〜約175℃である。いずれにしても、この熱可塑性材料の融点は、熱接着された吸収性構造体が洗浄パッド中に用いられる時に、保存される可能性がある温度以上であるべきである。熱可塑性材料の融点は、典型的には約50℃以上である。熱可塑性材料、及び特に熱可塑性繊維は、ポリエチレン(例えば、パルペックス(PULPEX)(登録商標))及びポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエステル、コポリエステル、ポリビニルアセテート、ポリエチルビニルアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル、ポリアミド、コポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタン、並びに塩化ビニル/ビニルアセテートなどの前述のいずれかのコポリマーなどが挙げられる多様な熱可塑性ポリマーから製造されることができる。結果として得られる熱接着された吸収性部材の所望の特性によって、好適な熱可塑性材料には、親水性に製造された疎水性繊維、例えば界面活性剤処理又はシリカ処理された熱可塑性繊維であって、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタンなどから得られるものが挙げられる。疎水性の熱可塑性繊維の表面は、非イオン性又は陰イオン性界面活性剤のような界面活性剤による処置により親水性にすることができ、それは、例えば、繊維に界面活性剤を噴霧することにより、繊維を界面活性剤中に浸漬することにより、又は熱可塑性繊維を製造する際に界面活性剤をポリマー溶融物の一部として包含することによる。溶融及び再凝固の際には、界面活性剤は、熱可塑性繊維の表面のところに残留する傾向がある。好適な界面活性剤には、デラウェア州ウィルミントンのICIアメリカ社(ICI Americas,Inc.)により製造されたブリジ(Brij)(登録商標)76のような非イオン性界面活性剤、及びコネチカット州グリニッチのグリコ・ケミカル社(Glyco Chemical,Inc.)によりペゴスパース(Pegosperse)(登録商標)商標として販売される様々な界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、熱可塑性繊維に、例えば、熱可塑性繊維1平方センチメートル当たり約0.2〜約1gのレベルで適用され得る。好適な熱可塑性繊維は、単一のポリマーから製造することもできるし(単一成分繊維)、又は1を超えるポリマーから製造することもできる(例えば、バイコンポーネント繊維)。本明細書で使用する時、「バイコンポーネント繊維」は、別のポリマーから製造された熱可塑性シース内に入れられた、1つのポリマーから製造されたコア繊維を含む熱可塑性繊維を指す。シースを構成するポリマーは、多くの場合、コアを構成するポリマーとは異なる、典型的にはより低い温度で溶融する。結果として、これらのバイコンポーネント繊維は、シースポリマーの溶融のために熱接着を提供し、一方でコアポリマーの望ましい強度特性を保持する。本発明に用いるのに好適なバイコンポーネント繊維には、次のポリマーの組み合わせ:ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチルビニルアセテート/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステル、コポリエステル/ポリエステルなどを有するシース/コア繊維を挙げることができる。本明細書に用いるのに特に好適なバイコンポーネント熱可塑性繊維は、ポリプロピレン又はポリエステルのコア、及びより低く溶融するコポリエステル、ポリエチルビニルアセテート又はポリエチレンのシース(例えば、ダナクロン社(Danaklon a/s)、チッソ社(Chisso Corp.)から入手可能なもの、及びハーキュレス(Hercules)から入手可能なセルボンド(CELBOND)(登録商標))を有するものである。これらのバイコンポーネント繊維は、同心又は偏心であり得る。本明細書で使用する時、用語「同心」及び「偏心」は、シースが、バイコンポーネント繊維の断面積を通じて、均一又は不均一な厚さを有するか否かを指す。偏心のバイコンポーネント繊維は、より小さい繊維厚さで、より大きい圧縮強さを提供する際に望ましい可能性がある。吸収層はまた、HIPEから得られる親水性のポリマーフォームを含んでもよい。こうしたフォーム及びそれらの調製方法は、米国特許第5,550,167号(デスマライス(DesMarais)、1996年8月27日発行);及び米国特許第5,563,179号(ストーン(Stone)ら、1995年1月10日出願)に記載されている。
【0054】
吸収層はまた、好ましくは吸収された汚れ、洗浄溶液などが「押し出される」のを避けるために、典型的な使用中の圧力のもとで、吸収された物質を保持できるべきである。所望の総流体吸収力を達成するために、相対的に高い吸収力(吸収性材料1g当たりの流体のgに関して)を有する材料を吸収層中に包含することは好ましい。そのため、別の好ましい実施形態では、吸収性洗浄パッドは、超吸収性材料を含む。本明細書で使用する時、用語「超吸収性材料」とは、2kPa(0.3psi)の封圧下で測定される時、少なくとも約15g/gの、水に対してのg/gによる吸収力を有するいずれかの吸収性材料を意味する。本発明に関して有用な洗浄流体の大部分は水性系であるため、超吸収性材料は、水又は水系流体に対して相対的に高いg/gによる吸収力を有することが好ましい。このため、超吸収性材料を含む吸収性洗浄パッドは、本発明の洗浄組成物との組み合わせにおいて用いられる時、相乗効果を有するが、これは、それらが水又は水系溶液を床から有効に取り除き、それによって水が木に与える既知の副作用を軽減するためである。本発明で有用な超吸収性材料には、多量の流体を吸収することができる、非水溶性であるが、水膨潤性(ゲル化)の多様なポリマーが挙げられる。こうしたポリマー材料はまた一般に「ヒドロコロイド」とも呼ばれており、多糖類、例えばカルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロース;非イオン性の種類、例えばポリビニルアルコール、及びポリビニルエーテル;陽イオン性の種類、例えばポリビニルピリジン、ポリビニルモルホリニオン(polyvinyl morpholinione)、並びにN,N−ジメチルアミノエチル、又はN,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート及びメタクリレート、並びにこれらのそれぞれの四級塩を挙げることができる。典型的には、本発明で有用な超吸収性ゲル化ポリマーは、スルホン酸、より典型的にはカルボキシル基のような多数の陰イオン性官能基を有する。超吸収性ゲル化ポリマーの製造に用いるのに最も好ましいポリマー材料は、部分的に中和されたポリアクリル酸の僅かにネットワーク架橋されたポリマー及びそのデンプン誘導体である。最も好ましくは、ヒドロゲル形成吸収性ポリマーは、約50%〜約95%、好ましくは約75%の中和された、僅かにネットワーク架橋されたポリアクリル酸(即ち、ポリ(アクリル酸ナトリウム/アクリル酸))を含む。ネットワーク架橋は、ポリマーを実質的に非水溶性にし、部分的に、超吸収性ゲル化ポリマーの吸収力及び抽出可能なポリマーの含有量の特性を決定する。これらのポリマーをネットワーク架橋するための方法及び典型的なネットワーク架橋剤は、米国特許第4,076,663号により詳細に記載されている。超吸収性ポリマーはまた、パッドの床側が水を含まないように保つのに役立つため、及び使い捨て吸収性洗浄パッドの水又は水性化学物質に対する吸収力を著しく増強するため、本発明の組成物との組み合わせにおいて用いられる時に有益である。更に、超吸収性ポリマーは、パッドから取り除かれた溶液が、パッド内に閉じ込められることを確実にし、従ってすべてのその他の洗浄システム(即ち、従来の洗浄システム、ウェットタイプのパッド、及び超吸収性ポリマーを含まない使い捨て吸収性パッド)と比べて乾燥時間を著しく改善する。こうしたパッドは、米国特許第6,048,123号、第6,003,191号、第5,960,508号、第6,101,661号、及び第6,601,261号、米国特許出願2002/0166573、米国特許出願2002/0168216、米国特許出願2003/0034050、米国特許出願2003/0095826、米国特許出願2003/0126708、米国特許出願2003/0126709、米国特許出願2003/0126710、米国特許出願2003/0133740に開示されている。
【0055】
任意ではあるが、好ましい研磨層は、洗浄中に汚れた表面に接触する洗浄パッドの一部分である。そのため、研磨層として有用な材料は、洗浄処理中に層がその完全性を保持するほど十分に耐久性でなければならない。加えて、洗浄パッドが溶液との組み合わせにおいて用いられる時、研磨層は、液体及び汚れを吸収でき、それらの液体及び汚れを吸収層に渡すことができなくてはならない。これは、研磨層が、洗浄される表面から追加の物質を継続的に取り除けることを確実にする。用具が、洗浄溶液と共に(即ち、湿潤状態で)用いられようと、又は洗浄溶液なしで(即ち、乾燥状態で)用いられようと、研磨層は、粒子状物質を取り除くことに加えてその他の機能、例えば洗浄される表面のつや出し、ダスティング、及びバフ研磨を促進する。研磨層は単層であっても、又は多層構造体であってもよく、その層の1以上が、汚れた表面の研磨及び粒子状物質の取り込みを促進するために、切り離されていてもよい。この研磨層は、汚れた表面上を通る時、汚れ(及び用いられる時には洗浄溶液)と相互作用して、頑固な汚れを取れやすくし及び乳化し、並びにそれらがパッドの吸収層の中に自由に通過できるようにする。研磨層は好ましくは、より大きい粒子状の汚れが、パッドの吸収層の中に自由に移動し、及び取り込まれるために容易な手段を提供する開口(例えば、スリット)を含有する。粒子状物質のパッドの吸収層への移送を促進するために、低密度構造体が研磨層として用いるのに好ましい。所望の完全性を提供するために、研磨層に特に好適な材料には、合成物質、例えばポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリエステル、ポリアミド、合成セルロース系物質(例えば、レーヨン(Rayon)(登録商標))、及びこれらのブレンドが挙げられる。こうした合成物質は、既知の方法、例えば、カード、スパンボンド、メルトブロウン、エアレイド、ニードルパンチなどを用いて製造されてもよい。
【0056】
洗浄パッドは任意に、パッドが用具のハンドル、又は好ましい用具ではモップヘッドに接続されることを可能にする付着層を有することができる。付着層は、パッドをハンドルのモップヘッドに付着させるのに吸収層が好適でない実施形態において必要である。付着層はまた、流体の流れが洗浄パッドの上面(即ちハンドル接触面)を通過するのを防ぐ手段として機能してもよく、パッドの増強された完全性を更に提供してもよい。研磨層及び吸収層に関してと同様に、付着層は、それが上記の要件を満たす限り、単層又は多層構造体から成ってもよい。本発明の好ましい実施形態では、付着層は、既知のフック及びループ技術の使用により、ハンドルの支持ヘッドに機械的に取り付けられる表面を含む。こうした実施形態では、付着層は、ハンドルの支持ヘッドの底面に永続的に固着されたフックに機械的に取り付けられる少なくとも1つの表面を含む。所望の流体不浸透性及び取り付け可能性を達成するために、例えば、メルトブロウンフィルム、及び繊維性不織布構造体を含む積層構造体が使用されることが好ましい。好ましい実施形態では、付着層は、スパンボンドされているポリプロピレンの2層の間に位置するメルトブロウンのポリプロピレンフィルムの層を有する3層材料である。
【0057】
これらの使い捨てパッドは、汚れを取れやすくするだけでなく、汚れた溶液を従来の洗浄道具又はウェットタイプのワイプよりも多く吸収する点で有利である。結果として、表面に残る残留物が減少し、乾きも速くなる。このように、これらのシステムは、水性化学物質を用いる木の床の洗浄及びつや出しのために最も良く適している。このパッドは、単独製品として、又はハンドルを含む用具、特に床表面を洗浄するための用具との組み合わせにおいて用いることができる。
【0058】
ウェットタイプのワイプ−本発明の水性洗浄組成物は、ウェットタイプのワイプを作成するために不織布基材の中に組み込まれることができる。本明細書の基材は、天然又は合成の当該技術分野において既知のいずれの組の繊維から形成することもできる。有用な好適な繊維の種類の例には、パルプ、テンセル(Tencel)(登録商標)レーヨン(Rayon)、レンツィングAGレーヨン(Lenzing AG Rayon)(登録商標)、マイクロデニールレーヨン(Rayon)(登録商標)、及びリオセル(Lyocell)(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及びこれらの混合物が挙げられる。繊維は、エアレイド、湿式法(wet laying)、メルトブロウン、スパンボンド、カード、スパンレース、ニードルパンチング通気加工(thru-air processing)などのような当該技術分野において既知の方法を介して製造することができる。不織布基材は、単層ワイプであることもできるが、又はより好ましくは共に接着して積層体を形成する多数の層から構成されることもできる。不織布が単層基材である場合、それは親水性(セルロース又はセルロースから得られるものであり、パルプ、レーヨン(Rayon)(登録商標)、及びリオセル(Lyocell)(登録商標)、及びこれらの混合物が挙げられる)並びに疎水性の繊維(合成、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及びこれらの混合物が挙げられる)の両方を約1:5〜約10:1、より好ましくは約1:3〜約5:1、更により好ましくは約1:2〜約3:1、最も好ましくは約1:1〜約3:1の比で含むことが好ましい。床に面したワイプの面は、任意に非平坦であるか、さもなければ巨視的に三次元である。単層のワイプは、好ましくは約50g/平方メートル(gm-2)〜約200gm-2、より好ましくは約60gm-2〜約150gm-2、最も好ましくは約70gm-2〜110gm-2の坪量を有する。充填係数、即ちg/g基準による乾燥した不織布基材に添加される溶液のレベルは、好ましくは約2:1〜約6:1、より好ましくは約2.5:1〜約5.5:1、最も好ましくは約3:1〜約5:1である。木製家具を対象とした単層のワイプは、より低い坪量及び充填係数を有する。坪量は、好ましくは約25gm-2〜約100gm-2、より好ましくは約35gm-2〜約80gm-2、最も好ましくは約40gm-2〜約70gm-2である。本発明の組成物を使用する家具用ワイプの充填係数は、約1:1〜約4:1、より好ましくは約1.2:1〜約3:1、最も好ましくは約1.5:1〜約2.5:1である。
【0059】
基材の化学的組成の選択は、ウェットタイプのワイプからの所望の溶液放出特性によって決まる。親水性繊維は、所与の坪量及び充填係数において、疎水性繊維より多くの溶液を吸収し、これは床上へのより低い溶液放出特性を結果としてもたらす。水性洗浄組成物のより低い放出は、それが床の濡れを制限し、次には乾燥させるのに役立つために有利であり得る。減少した床の濡れはまた、充填係数を制御することにより達成できる。結局、本発明の組成物を含むウェットタイプのワイプの開発において不織布基材のパラメータを注意深く操作することにより、木の床上の制御された濡れを選択することができ、及びこれは従来の用具(スポンジ、セルロースの帯など)により送達される水性洗浄溶液を超える利点を提供することを、当業者は理解する。こうした利点は、選択された不織布基材が、材料の積層体である時に増幅され得る。
【0060】
好ましい実施形態では、ウェットタイプのワイプは、外側の研磨又はバフ層、液体貯蔵所として機能する内側の吸収層、任意に、ハンドルへの付着層として任意に機能する保護用背面層を含む積層体である。乾燥した積層体ワイプを、約4:1〜約10:1、より好ましくは約4.5:1〜約8:1、最も好ましくは約5:1〜約7:1の充填係数で本発明の組成物により濡らす。外側の研磨又はバフ層は、約15gm-2〜約100gm-2、より好ましくは約20gm-2〜約80gm-2、最も好ましくは25gm-2〜約70gm-2の坪量を有する不織布基材である。外側層は、好ましくは、巨視的に三次元の構造体を有し、任意にスクリム材料を包含する。外側の研磨層は、任意に、約0重量%〜50重量%の親水性繊維、及び約50重量%〜約100重量%の疎水性繊維を含む。内側の吸収層は、好ましくは約70gm-2〜約300gm-2、より好ましくは約80gm-2〜約200gm-2、最も好ましくは約90gm-2〜約160gm-2の坪量を有する。それは好ましくは、約70%〜約90%の木材パルプ繊維又はその他のセルロース系材料、及び約10%〜約30%の結合剤から構成される。内側の吸収層の繊維は、いずれのデニールであることもでき、及びいずれの繊維密度を有することもできる。特に、内側の吸収層がエアレイドである場合、繊維密度は微調整され得、それによって内側の吸収層中に存在する水性洗浄組成物の量を制御する。内側の吸収層の繊維密度、材料の化学的組成、及び方法、及び外側の研磨又はバフ層の坪量を操作することにより、当業者は、モップ作業を介して床上に送達される濡れを制御することができる。任意の背面層は、内側の吸収層からの溶液の損失を防ぐ不浸透性フィルムとして、又はモップヘッドへの付着層として作用することができる、好ましくは低坪量(好ましくは約50gm-2未満)のポリエチレン又はポリプロピレンシートである。本発明の組成物との組み合わせにおいて用いられる市販の洗浄用ウェットタイプのワイプの例は、プロクター・アンド・ギャンブル社(the Procter & Gamble Company)により製造及び市販される、スウィッファー・ウェット(Swiffer Wet)(登録商標)である。
【0061】
表面を洗浄するための方法 − 好ましい実施形態では、本発明は、表面、好ましくは硬質面を洗浄する方法を包含し、この方法は、本発明の水性組成物で該表面に接触する工程、好ましくは該表面を拭き取る工程を含む。別の極めて好ましい実施形態では、組成物は表面上に噴霧され、その結果として、いずれかの洗浄道具又は上記のような洗浄道具を含む洗浄用具を用いて拭き取られる。所望であれば、洗浄された表面はいずれかの種類の織布又は不織布のワイプを、任意に洗浄用具との組み合わせにおいて用いて、拭き取られて乾燥させてもよい。
【0062】
試験方法 − デュララスター・プラス(Duraluster plus)(ウレタン)仕上げを有する暗褐色のブルース(Bruce)エンジニアードウッドABC201(登録商標)が試験に用いられる。床タイルの箱を、米国シンシナティのロウズ・ホーム・インプルーブメント・ストアーズ(Lowe's Home Improvement stores)から購入し、木の厚板の長さを切断して、1cm(0.375インチ)厚さ、7.62cm(3インチ)幅、及び30.5cm(12インチ)長さの試験タイルを作成する。これらの実験で用いられる黒いセラミックタイルは、オハイオ州ウッドローン(Woodlawn)のカーペットランド(the Carpetland)から購入された、マラッツィ(Marazzi)によるフランス製のつや消し仕上げのセラミクラフト(CeramiCraft)30cm×30cmである。アームストロング(Armstrong)(登録商標)シュア・アンド・イージー(Sure & Easy)、パターン#27770(30cm×30cm)ビニルタイルを、米国シンシナティのロウズ・ホーム・インプルーブメント・ストアーズ(Lowe's Home Improvement stores)から購入し、実験に用いる。すべての洗浄試験が、結果の良好な一貫性及び再現性を確実にするために3回繰り返して実行される。
【0063】
汚れあり及び汚れなしの場合について2種類の洗浄試験が実行される。試験に用いられる汚れは、約80%の粒子状無機物質及び約20%の軽く重合された油を含む。汚れは低沸点の溶媒混合物中に懸濁され、清潔な試験タイル上にローラーで付けられる。乾いた時には、タイルは1平方フィート(929平方センチメートル)当たりおよそ300mgの汚れを含有する。汚れなしの試験は、清潔な、及びタイル製造業者が組み込む場合がある処置以外はいずれの処置も行っていない試験表面上で実行される。
【0064】
各洗浄試験について、水性洗浄組成物が試験タイルに適用され、次にタイルはスポンジ、ウェットタイプのワイプ、又は超吸収性ポリマーを含む使い捨て洗浄パッドを用いて洗浄される。試験タイルからすべての溶液が視覚的に蒸発するために必要な時間として、乾燥時間を記録する。筋及びくもりの視覚による等級を、最初の洗浄周期後に記録する。洗浄試験内にタイルの各組を連続して3回洗浄し(3洗浄周期、それによって試験タイルを各洗浄周期中に洗浄組成物により完全に濡らす)、並びに光沢の読みを、いずれの試験の前にも及び3回目の洗浄周期の完了後にも記録する。光沢は「BYKガードナー・マイクロ−トリ−グロス(BYK Gardner micro-TRI-gloss)(登録商標)」の光沢計を用い、60°の角度設定を用いて測定される。この光沢計は、BYK−ガードナー(BYK-Gardner)により製造され、カタログ番号GB−4520で入手可能である。各タイルの光沢を、タイル上の6つの異なる位置で分析的に測定し、読みを平均する。次に光沢の百分率を次のように計算する:光沢保持%=(処置後のタイルの光沢の読み÷処置前のタイルの光沢の読み)*100%視覚による等級付けが、熟練した官能試験員により0〜4の尺度を用いて行われるが、この場合「0」は完全に清潔なタイルを表し、「4」は極めて汚れたタイルを表す。0〜4の間の等級は、試験組成物の洗浄能力の評価を提供し、より低い数の等級は改善された性能を示唆する。
【0065】
実施例 − 次の非限定実施例は、本発明の組成物の効果を例証する。洗浄組成物は、実例となる技術試験のすべてにおいて用いられる。
【0066】
【表1】

*アルコスパース(Alcosperse)747(アルコ・ケミカル(Alco Chemical))
**ルパゾールSK(Lupasol SK)(BASFコーポレーション(BASF Corporation))
***キトサン(ジェンドウ・バイオケミカル(Jiande BioChemical))、分子量約500,000
****ジェンドウ(Jiande)の材料の分子量を約10,000まで減らすことにより、製造されたP&Gケミカルズ(P&G Chemicals)からの「MP346」
【0067】
一組の実施例では、洗浄組成物は従来のスポンジと共に用いられる。VWRサイエンティフィック(VWR Scientific)から購入した14cm×9cm×2.5cmの寸法を有する、カタログ番号58540−047のスポンジをそれぞれスポンジの幅に沿って3分の1の大きさに切り、従来の洗濯機の中で洗剤を用いて洗浄し、次いで淡水を使用して洗濯機中で3回洗浄し、スポンジの仕上げ剤を除去する。次に、スポンジを作業用ドラフト中で48時間乾燥させる。風乾後の乾燥スポンジの寸法は、約9cm×4.5cm×2.5cmである。乾燥したテスト用スポンジの重量を測定する(5±1g)。各場合において、次に、スポンジ1g当たり水2gの充填係数で蒸留水を加え、スポンジを湿らす。次に0.09m2(1平方フィート)のタイルを、使い捨てピペットを用いて2mLの試験製品を投与する。次に湿ったスポンジを試験タイルの一方の末端部に設置し、タイルが完全に濡れるまで、洗浄動作によりタイルの長さにわたって前後に手で動かす。
【0068】
実施例の別の組では、洗浄組成物をスウィッファー・ウェット(Swiffer Wet)(登録商標)乾燥ワイプ上に、ワイプ当たり45gの水性洗浄の充填により染み込ませる。ウェットタイプのスウィッファー・ウェット(Swiffer Wet)パッドを、次に試験用ワイプの寸法がおよそ10cm×9cmになるように、幅に沿って3分の1に切断する。次にウェットタイプのパッドを試験タイルの一方の末端部に設置し、タイルが完全に濡れるまで、洗浄動作によりタイルの長さにわたって前後に手で動かす。
【0069】
実施例の第3の組では、用いられる本発明のパッドの水性組成物と共に、超吸収性ポリマーを含む吸収性パッドの使用を例証する。使用されるパッドは、米国で「スウィッファー・ウェットジェット(Swiffer WETJET)(登録商標)」として市販されているものである。上記のような20cm×20cm×1cmの寸法を有するタイルを洗浄するために、有効に使用できるように縮小するため、テストの目的上、パッドをその幅に沿って11.5×14.5cmの寸法に切断する。パッドの縁部を切断した後、超吸収性ポリマーが浸出するのを防ぐために、両面テープでパッドを封止する。次に、モップヘッド付きのハンドルにパッドを取り付ける。この用具のヘッドは、「スウィッファー(Swiffer)(登録商標)」として販売されているような用具を用いて作成することができ、ヘッド部だけ取り出して10.5×11.5cmに切断する(このようにして、本実験に用いられる小さくした大きさのパッドと適合するように、小型の用具を作り出す)。パッドは、テープ又はベルクロ(Velcro)を用いてスウィッファー(Swiffer)(登録商標)小型用具に取り付けることができる。次に小型のパッドは、タイル上で用いられる前に試験製品の1mLで充填し、タイルを0.046m2(1/2平方フィート)面積当たり1mLの試験製品を投与する。
【0070】
結果 − 木の乾燥時間へのコポリマーの効果を、1回目の洗浄の適用後に記録する。光沢保持の百分率もまた3回の洗浄周期後に測定される。データは、低及び高相対湿度(RH)条件で得られる。
【0071】
【表2】

【0072】
組成物Bは、未処置のタイル及び組成物Aで処置されたタイルに対して、一貫して光沢増強の効果を示す。組成物Bはまた、組成物Aより速い乾燥時間を示す。組成物Bについての効果は、低及び高湿度条件で、すべての3つの洗浄用具(スポンジ、ウェットタイプのパッドのスウィッファー・ウェット(Swiffer Wet)、及び超吸収性ポリマーを有する使い捨て吸収性パッドのスウィッファー・ウェットジェット(Swiffer Wet Jet))について観察される。
【0073】
1回目の洗浄周期後の乾燥時間、及び3回目の洗浄周期後の光沢保持%へのポリマーレベルの影響は、コポリマーレベル(0.25%〜1.0%)の関数として、超吸収性ポリマーを含む使い捨て吸収性パッドの状況において研究される:
【0074】
【表3】

【0075】
調査されたすべてのコポリマーレベルにおいて、乾燥時間は短縮され及び光沢増強の効果が認められた。乾燥時間は、評価された範囲にわたって、コポリマーの濃度に事実上左右されない。
【0076】
被膜/筋の形成及び乾燥時間について、スチレン−アクリレートコポリマー及びキトサンポリマーの1回の洗浄周期の影響を、超吸収性ポリマーを含む使い捨て吸収性パッドの状況における異なる表面の種類について評価する。
【0077】
【表4】

【0078】
データは重ねて本発明の効果を明らかにする。乾燥時間は、本発明の組成物を用いて試験されたすべての表面について短縮される(B、E及びF対A)。更に、データは、迅速な乾燥時間を低レベル(0.02%)のキトサンにより達成する能力を明らかにする。最後に、データは、ポリマー技術を組み合わせ及びなお洗浄及び乾燥時間の利益を、特に木の表面について達成する能力を明らかにする。
【0079】
キトサン及びキトサンの分子量の役割は、1回の周期を用いて木についての乾燥時間及び光沢増強に関して評価される。試験では、製品Aは、光沢指数100(対照)及び332秒の平均乾燥時間を提供した。製品Gは(ジェンドウ(Jiande)キトサンレベル0.25%で)303秒の乾燥時間及び光沢指数98.4を提供した。製品Hは259秒の乾燥時間及び光沢指数101.3を提供した。データは、より低分子量のキトサンの光沢及び乾燥時間の利益を明らかにする。
【0080】
組成物B中のコポリマーにより形成されるコーティングの自己剥離性が、汚されていないブルース(Bruce)エンジニアードウッドを3回組成物Bにより連続洗浄し、光沢保持の百分率を記録し、次いで同じタイルを組成物Aで再洗浄し、もう一度光沢保持の百分率を記録することにより明らかにされる。
【0081】
【表5】

【0082】
結果は、組成物Bによる3回の連続洗浄後に光沢が5.2%増加すること、及び光沢増強は、組成物Aによる1回の洗浄により完全に取り除かれることを示す。即ち、コポリマーのコーティングは、1回の洗浄周期で完全に剥ぎ取られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木の床の表面の光沢を増強するための水性床洗浄組成物であって、該組成物が、
a)次のものから選択される少なくとも1つのポリマー:
1.第1及び第2組のモノマー単位を含むコポリマーであって、該第1組のモノマー単位が、アクリレート、置換アクリレートモノマー、及びこれらの混合物から成る群から選択され、並びに該第2組のモノマーが、スチレン、置換スチレンモノマー、及びこれらの混合物から成る群から選択され、該コポリマーが該第1組のモノマーと該第2組のモノマーとの重量比3:1〜1:3を有し、該コポリマーが20,000未満の平均分子量を有し、該コポリマーが該組成物の0.01重量%〜1.0重量%のレベルで該組成物中に存在するコポリマー;又は
2.5,000〜500,000の平均分子量を有するキトサンであって、該キトサンが該組成物の0.01重量%〜1.0重量%のレベルで該組成物中に存在するキトサン;又は
3.これらの混合物;並びに
b)該組成物の0.005重量%〜0.5重量%の1以上の界面活性剤
を含むことを特徴とする水性床洗浄組成物。
【請求項2】
前記ポリマーが、第1及び第2組のモノマー単位を含むコポリマーであって、該第1組のモノマー単位が、アクリレート、置換アクリレートモノマー、及びこれらの混合物から成る群から選択され、並びに該第2組のモノマーが、スチレン、置換スチレンモノマー、及びこれらの混合物から成る群から選択され、該コポリマーが該第1組のモノマーと該第2組のモノマーとの重量比3:1〜1:3を有し、該コポリマーが20,000未満の平均分子量を有し、該コポリマーが前記組成物の0.01重量%〜1.0重量%のレベルで該組成物中に存在する、請求項1に記載の水性床洗浄組成物。
【請求項3】
前記コポリマー中の前記第1組のモノマーと前記第2組のモノマーとの前記重量比が、2:1〜1:2である、請求項1又は2に記載の水性床洗浄組成物。
【請求項4】
前記コポリマーの前記平均分子量が15,000未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性床洗浄組成物。
【請求項5】
前記コポリマー中の前記第1組のモノマーと前記第2組のモノマーとの前記重量比が1:1であり、該コポリマーが3,000の平均分子量を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性床洗浄組成物。
【請求項6】
前記ポリマーが、5,000〜100,000の平均分子量を有するキトサンであり、該キトサンが前記組成物の0.01重量%〜1.0重量%のレベルで該組成物中に存在する、請求項1に記載の水性床洗浄組成物。
【請求項7】
前記組成物が自己剥離性である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性床洗浄組成物。
【請求項8】
前記組成物のpHが6〜11である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の水性床洗浄組成物。
【請求項9】
前記界面活性剤のレベルが0.01%〜0.20%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の水性床洗浄組成物。
【請求項10】
少なくとも1つの界面活性剤が、アルキルポリグルコシド類、アミンオキシド類、アルキルエトキシレート類、アルキルエトキシプロポキシレート類、及びこれらの混合物から成る群から選択される非イオン性界面活性剤である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の水性床洗浄組成物。
【請求項11】
前記非イオン性界面活性剤が、8個の炭素原子〜16個の炭素原子を含む疎水性の末端と1.2〜1.8のグルコシド単位の平均数とを有するアルキルポリグルコシドである、請求項10に記載の水性床洗浄組成物。
【請求項12】
0.25%〜10%の1以上の溶媒を更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の水性床洗浄組成物。
【請求項13】
前記溶媒が、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールn−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールn−ヘキシルエーテル、及びこれらの混合物から成る群から選択されるグリコールエーテルである、請求項12に記載の水性床洗浄組成物。
【請求項14】
キサンタンガム、グアーガム、変性ポリエチレンイミン、ポリスチレンスルホネート、ポリビニルピロリドン、及びこれらの混合物から成る群から選択されるポリマーを更に含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の水性床洗浄組成物。
【請求項15】
吸収性洗浄パッド、及び請求項1〜14のいずれか一項に記載の洗浄組成物を含有する容器を含む洗浄キットであって、該パッドが任意で超吸収性材料を含む、洗浄キット。
【請求項16】
前記キットが洗浄用具を更に含み、該洗浄用具がハンドル及びモップヘッド、並びに任意で液体送出システムを含む、請求項15に記載の洗浄キット。
【請求項17】
木の表面を洗浄するためのウェットタイプの洗浄パッドであって、該パッドが請求項1〜14に記載の組成物を染み込ませた吸収層を含む、ウェットタイプの洗浄パッド。
【請求項18】
木の床の表面を洗浄する方法であって、該木の床の表面に、請求項1〜14に記載の組成物で接触する工程を含む方法。
【請求項19】
前記木の床を洗浄用具を用いて拭く工程を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記洗浄用具が前記洗浄組成物を吸収するための使い捨て洗浄パッドを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
木の床の表面を洗浄する方法であって、前記床を請求項17に記載のウェットタイプのワイプを用いて拭く工程を含む方法。
【請求項22】
木の床の表面の光沢を増強するための、水性床洗浄組成物中の
1.第1及び第2組のモノマー単位を含むコポリマーであって、該第1組のモノマー単位が、アクリレート、置換アクリレートモノマー、及びこれらの混合物から成る群から選択され、並びに該第2組のモノマーが、スチレン、置換スチレンモノマー、及びこれらの混合物から成る群から選択され、該コポリマーが該第1組のモノマーと該第2組のモノマーとの重量比3:1〜1:3を有し、該コポリマーが20,000未満の平均分子量を有するコポリマー、;又は
2. 5,000〜500,000の平均分子量を有するキトサン、
から選択されるポリマーの使用。

【公表番号】特表2007−513215(P2007−513215A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538155(P2006−538155)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/035356
【国際公開番号】WO2005/044967
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】