説明

底泥置換装置、底泥置換システム及び底泥置換方法

【課題】底泥の除去及び改質材料の埋設を、一連の流れにて行うことが可能な底泥置換装置、底泥置換システム及び底泥置換方法を提供する。
【解決手段】底泥置換装置1により次のように底泥の置換作業が行われる。バックホウに取り付けられた底泥置換装置1を、インナーケーシング4が開かれ底泥除去部3が底泥取り込み位置にある状態にて作業場所の底泥層上に設置し、バックホウにより底泥置換装置1を底泥層内に圧入し、インナーケーシング4内に底泥を入れる。その後、インナーケーシング開閉装置によりインナーケーシング4を閉じバックホウにより底泥除去部3を持ち上げ、底泥が除去された空間をアウターケーシング2内に形成し、改質材料投入部26より改質材料を投入し、底泥が除去された空間に改質材料を埋設した後、バックホウにより底泥置換装置1を底泥層内より持ち上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川等の水底の底泥を透水性のよい改質材料に置換する底泥置換装置、底泥置換システム及び底泥置換方法に関する。詳しくは、開閉自在な底泥保持部を備え底泥の除去に用いられる底泥除去部及び、底泥が除去された空間への改質材料の埋設に用いられる外箱部を備え、底泥除去部と外箱部が連動して機能することで、底泥の除去と改質材料の埋設を一連の流れで行うことにより底泥置換作業の効率化を図るものである。
【背景技術】
【0002】
近年、流水の停滞、生活排水による汚染等により、河川等の底に底泥(ヘドロ)が堆積する例が多くなっている。水底に底泥が堆積した場合、底生動物の生息環境が悪化して河川の浄化機能が損なわれ、その結果、水質の悪化、悪臭の発生等の原因になる。
【0003】
この問題を解決するため、底泥の一部を透水性のよい改質材料に置換することで改質材料による底泥への酸素供給を可能にし、河川の底質及び底生動物の生息環境の改善を行う方法が提案されている。
【0004】
この水質改善方法を実施する際には、底泥の一部を除去した後、底泥を除去した空間に改質材料を埋設することにより、底泥の改質材料への置換を行う。
【0005】
従来の技術による底泥の置換は次のように行われる。まず底泥の除去方法としては、次のようなものがある。図21はクラムシェル50による底泥の除去方法を説明する断面図である。クラムシェル50は断面されていない状態で示されている。
【0006】
河川等の水底の砂層51の上部に底泥が堆積し、底泥層52が形成されている。底泥を除去する場所に円筒状のケーシング53を打設する。ケーシング53の打設後、ケーシング53内部を排水し、ケーシング53の内部をクラムシェル50のバケット50aを開閉することにより掘削し、底泥を除去する。
【0007】
図22はオーガー54による底泥の除去方法を説明する断面図である。オーガー54は切断されていない状態で示されている。オーガー54は、先端部にらせん状のスクリューを備えており、回転させながら底泥層52内に圧入することにより、底泥層52を掘削し、底泥を除去する。
【0008】
上記のような方法にて底泥を除去した後、底泥を除去した空間に改質材料を埋設する。
【0009】
また上記とは別に、河川等の水底における上層の底泥と下層の土又は砂等を置換することにより、底生動物の生息環境の改善を行う底泥置換装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
特許文献1に開示される底泥置換装置は、攪拌装置により掘削された下層の土又は砂等を、吸引装置により上層の底泥の上又は水面上に持ち上げることにより、河川等の水底における上層の底泥と下層の土又は砂等を置換し、底生動物の生息環境の改善を行う底泥置換装置である。
【0011】
【特許文献1】特開2003−82640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、前述した従来の底泥の置換方法では次のような問題がある。まず、クラムシェル50により底泥を除去する場合、改質材料の埋設に適した小口径の穴での底泥の除去ができない。
【0013】
また、オーガー54にて底泥を除去する場合、除去した底泥が作業場所の周囲の水中に拡散してしまい回収が困難であるため、作業時の水質汚濁が発生する問題がある。ケーシング53を使用してオーガー54による底泥除去を行った場合も、ケーシング53とオーガー54の隙間から除去した底泥が落ちる、底泥がオーガー54のスクリューに付着して撤去できない等の問題がある。
【0014】
このため、オーガー54にて底泥の除去を行った場合は、底泥除去後の改質材料の埋設が困難になる。
【0015】
更に、従来の底泥の置換方法では、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を別々の装置を用いて行う必要があるため、作業効率が悪く、施工期間が長期化してしまう問題がある。
【0016】
また、特許文献1にて提案されている底泥置換装置は、上層の底泥と下層の土又は砂等を置換する構成となっており、底泥の一部を改質材料に置換する作業には適用できない。
【0017】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、改質材料の埋設に適した小口径の底泥の除去及び改質材料の埋設を、一連の流れにて行うことが可能な底泥置換装置、底泥置換システム及び底泥置換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述した問題を解決するため、本発明に係る底泥置換装置は、水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換装置であって、下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部と、内部が空洞で、上方部を軸に回転自在に支持された複数の挟み部により構成され、各挟み部が回転して下側が開閉する底泥保持部を有する底泥除去部を備え、底泥除去部は、外箱部の内部に挿入され、各挟み部が外箱部に内接するように底泥保持部を開いて底泥保持部の内部に底泥を取り込む底泥取り込み位置から、底泥保持部を閉じて挟み部の間隔を下方に行くに従って狭くし、底泥を底泥保持部の内部に保持した状態で持ち上げて改質材料投入穴部を開放する改質材料投入位置まで、外箱部に対して上下方向に直動自在であることを特徴とするものである。
【0019】
本発明に係る底泥置換装置では、次のような方法で底泥の置換作業が行われる。各挟み部が外箱部に内接するように底泥保持部を開いた状態で、除去する底泥の高さに合わせて底泥除去部及び外箱部を底泥層内に圧入する。これにより、開放した下部より除去対象の底泥を底泥保持部の内部に入れる。
【0020】
その後、除去対象の底泥が底泥保持部の内部に入った状態で底泥保持部を閉じる。この時、底泥保持部は下方に行くに従って間隔が狭くなる形状となるので、底泥保持部内部の下端部近傍において底泥が大きく圧縮された状態となる。この結果、除去対象の底泥は底泥保持部の内部に保持された状態となる。
【0021】
その後、除去対象の底泥を底泥保持部の内部に保持した状態で、改質材料投入穴部を開放する位置まで、外箱部に対して底泥除去部を持ち上げる。これにより、底泥層より除去対象の底泥が取り除かれた空間を外箱部内に形成する。その後、改質材料投入穴部より改質材料を投入し、除去対象の底泥が取り除かれた空間に改質材料を埋設する。
【0022】
改質材料を埋設した後、底泥層内から底泥置換装置を持ち上げ、水上へ底泥置換装置を引き上げる。その後、底泥除去部を外箱部から取り外し、底泥保持部を開いて内部の底泥に対する押圧を解き、底泥保持部の内部から除去した底泥を取り出す。
【0023】
上述した問題を解決するため、本発明に係る底泥置換システムは、水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換システムであって、下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部と、内部が空洞で、上方部を軸に回転自在に支持された複数の挟み部により構成され、各挟み部が回転して下側が開閉する底泥保持部を有する底泥除去部を備え、底泥除去部は、外箱部の内部に挿入され、各挟み部が外箱部に内接するように底泥保持部を開いて底泥保持部の内部に底泥を取り込む底泥取り込み位置から、底泥保持部を閉じて挟み部の間隔を下方に行くに従って狭くし、底泥を底泥保持部の内部に保持した状態で持ち上げて改質材料投入穴部を開放する改質材料投入位置まで、外箱部に対して上下方向に直動自在である底泥置換装置と、底泥保持部の開閉を行う開閉手段と、底泥置換装置を水底に降ろし、水底での昇降を行う上下装置と、改質材料投入穴部に対して改質材料の投入を行う改質材料投入装置を備えたことを特徴とするものである。
【0024】
本発明に係る底泥置換システムでは、次のような方法で底泥の置換作業が行われる。底泥置換装置を上下装置に取り付け、上下装置により底泥置換装置を置換対象の底泥層の上部に設置する。その後、各挟み部が外箱部に内接するように底泥保持部を開いた状態で、除去する底泥の高さに合わせて底泥除去部及び外箱部を底泥層内に圧入し、除去対象の底泥を底泥保持部の内部に入れる。
【0025】
その後、除去対象の底泥が底泥保持部の内部に入った状態で、開閉装置により底泥保持部を閉じる。この時、底泥保持部は下方に行くに従って間隔が狭くなる形状となるので、底泥保持部内部の下端部近傍において底泥が大きく圧縮された状態となる。この結果、除去対象の底泥は底泥保持部の内部に保持された状態となる。
【0026】
その後、除去対象の底泥を底泥保持部の内部に保持した状態で、改質材料投入穴部を開放する位置まで、上下装置により底泥除去部を外箱部に対して持ち上げ、底泥層より除去対象の底泥が取り除かれた空間を外箱部内に形成する。
【0027】
その後、改質材料投入穴部より改質材料を投入し、除去対象の底泥が取り除かれた空間に改質材料を埋設する。改質材料の埋設後、上下装置により底泥層内から底泥置換装置を持ち上げ、水上へ底泥置換装置を引き上げる。その後、底泥除去部を外箱部から取り外し、開閉装置により底泥保持部を開いて内部の底泥に対する押圧を解き、底泥保持部の内部から除去した底泥を取り出す。
【0028】
上述した問題を解決するため、本発明に係る底泥置換方法は、水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換方法であって、下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部と、内部が空洞で、上方部を軸に回転自在に支持された複数の挟み部により構成され、各挟み部が回転して下側が開閉する底泥保持部を有する底泥除去部を備え、底泥除去部は、外箱部の内部に挿入され、外箱部に対して上下方向に直動自在である底泥置換装置を用い、除去する底泥の高さに合わせて、各挟み部が外箱部に内接するように底泥保持部を開いた状態で底泥除去部及び外箱部を底泥層内に圧入して底泥保持部内に底泥を入れ、底泥保持部を閉じて挟み部の間隔を下方に行くに従って狭くし、取り込んだ底泥を底泥保持部の内部に保持した状態で、改質材料投入穴部が開放される位置まで外箱部に対して底泥除去部を持ち上げ、底泥層より底泥を除去して、外箱部内に底泥が除去された空間を形成し、改質材料投入穴部より改質材料を投入し、外箱部内部の底泥が除去された空間に改質材料を埋設し、底泥置換装置を底泥層内から持ち上げることを特徴とするものである。
【0029】
本発明に係る底泥置換方法では、各挟み部が外箱部に内接するように底泥保持部を開いた状態で、除去する底泥の高さに合わせて底泥除去部及び外箱部が底泥層内に圧入され、除去対象の底泥が底泥保持部の内部に入れられる。その後、除去対象の底泥が内部に入れられた状態で底泥保持部が閉じられる。
【0030】
この時、底泥保持部は下方に行くに従って間隔が狭くなる形状となるので、底泥保持部内部の下端部近傍において底泥が大きく圧縮された状態となる。この結果、除去対象の底泥は底泥保持部の内部に保持された状態となる。
【0031】
その後、除去対象の底泥が底泥保持部の内部に保持された状態で、改質材料投入穴部を開放する位置まで、外箱部に対して底泥除去部が持ち上げられ、底泥層より除去対象の底泥が取り除かれた空間が、外箱部内に設けられる。
【0032】
その後、改質材料投入穴部より改質材料が投入され、除去対象の底泥が取り除かれた空間に改質材料が埋設される。
【発明の効果】
【0033】
本発明の底泥置換装置によれば、開閉自在な底泥保持部を備え底泥の除去に用いられる底泥除去部及び、底泥が除去された空間への改質材料の埋設に用いられる外箱部を備え、底泥除去部が外箱部の内部に挿入されて、底泥除去部と外箱部が連動して機能する構成により、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を同一の装置により、一連の流れにて行うことが可能になる。これにより、施工作業の容易化及び施工期間の短縮化が実現できる。
【0034】
また、改質材料の埋設に適した小口径の穴での底泥の除去及び改質材料の置換を行うことができる。
【0035】
また、開閉自在な底泥保持部を備えた底泥除去部を用いて底泥を除去する構成により、底泥の除去を確実に行うことができる。
【0036】
更に、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を同一の装置により行うことにより、底泥の置換作業に必要な装置の構成を単純化できる。
【0037】
また、底泥除去部を外箱部から取り外し、底泥保持部を開いて内部の底泥に対する押圧を解き、底泥保持部の内部から除去した底泥を取り出すことにより、底泥保持部の内部から底泥を確実に取り出すことができる。
【0038】
本発明の底泥置換システムによれば、開閉自在な底泥保持部を備え底泥の除去に用いられる底泥除去部及び、底泥が除去された空間への改質材料の埋設に用いられる外箱部を備え、底泥除去部が外箱部の内部に挿入されて、底泥除去部と外箱部が連動して機能する底泥置換装置、底泥保持部の開閉手段、底泥置換装置の上下装置及び改質材料投入装置を備えた構成により、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を同一の装置により、一連の流れにて行うことが可能になる。これにより、施工作業の容易化及び施工期間の短縮化が実現できる。
【0039】
また、本発明の底泥置換システムによれば、水底の底泥層に所望の配置で改質材料の埋設を行うことができるので、改質材料による水質改善の効果を促進できる。
【0040】
本発明の底泥置換方法によれば、開閉自在な底泥保持部を備え底泥の除去に用いられる底泥除去部及び、底泥が除去された空間への改質材料の埋設に用いられる外箱部を備え、底泥除去部が外箱部の内部に挿入されて、底泥除去部と外箱部が連動して機能する底泥置換装置を用いた置換方法により、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を同一の装置により、一連の流れにて行うことが可能になる。これにより、施工作業の容易化及び施工期間の短縮化が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下図面を参照して、本発明の底泥置換装置、底泥置換システム及び底泥置換方法の実施の形態について説明する。
【0042】
<本実施の底泥置換装置の構成例>
図1から図6は、本実施の形態の底泥置換装置1の一例を示す説明図である。図1は概略斜視図であり、説明のため構成の一部を透視した状態で破線にて示している。なお図1では後述するワイヤー取り付け部13を省略して示している。図2から図6は底泥置換装置1の断面図であり、図2及び図4は図1のA−A断面を示し、図3及び図5は図1のB−B断面を示し、図6は図4のC−C断面を示したものである。
【0043】
本実施の形態の底泥置換装置1は、例えば次に示すような構成となる。図1から図5に示すように、底泥置換装置1は円筒状のアウターケーシング2と、アウターケーシング2に挿入される底泥除去部3を備えて構成される。アウターケーシング2は外箱部の一例である。
【0044】
アウターケーシング2は下面が開放されており、側面の一部が開口されて外部と内部を連通する改質材料投入部26を、例えば二つ備える。改質材料投入部26は改質材料投入穴部の一例である。また、改質材料投入部26は、後述する改質材料投入管22gが取り付け可能な構成となっている。
【0045】
図1から図6に示すように、底泥除去部3は、インナーケーシング4、インナーケーシング取り付け部5、インナーケーシング取り付け部連結部6、連結部7、フランジ取り付け部8、上フランジ9及び下フランジ10を備えて構成される。また、底泥除去部3は、インナーケーシング4の一部がアウターケーシング2に挿入された状態となる。
【0046】
インナーケーシング4は二つの底泥挟み部11を備えて構成される。インナーケーシング4の各底泥挟み部11は後述するように開閉自在な構成となっている。図3及び図5に示すように、インナーケーシング4は、各底泥挟み部11が完全に閉じた状態では、円錐形に近い、下方に行くに従って間隔が狭くなる形状を形成する。インナーケーシング4は底泥保持部の一例であり、底泥挟み部11は挟み部の一例である。
【0047】
図1から図5に示すように、各底泥挟み部11の上端部には、二つの板状のインナーケーシング取り付け部5が固定される。各インナーケーシング取り付け部5の上部には、後述する油圧機器を取り付けるための油圧機器取り付け部5aを備える。また、各インナーケーシング取り付け部5は円筒状のインナーケーシング取り付け部連結部6に固定されている。更に、インナーケーシング取り付け部連結部6の両端にはそれぞれ板状の連結部7が固定されている。
【0048】
各連結部7の上部には連結部回転部7aが備えられており、この連結部回転部7aにて、各連結部7はそれぞれ板状のフランジ取り付け部8に回転自在に取り付けられている。二つのフランジ取り付け部8は下フランジ10に固定されている。下フランジ10は複数のボルトにより上フランジ9に固定されている。また、下フランジ10及び上フランジ9の中央部には後述する油圧機器の一部を配置するためのフランジ穴部15が備えられている。
【0049】
図2及び図3は、インナーケーシング4が閉じられた状態を示し、図4及び図5は、インナーケーシング4が開かれた状態を示している。底泥除去部3が上述した構成を備えることにより、図2及び図4に示すように、連結部回転部7aを軸に、底泥挟み部11、インナーケーシング4、インナーケーシング取り付け部連結部6及び連結部7が一体となって、フランジ取り付け部8に対して回転自在となる。これにより、図2から図5に示すように、インナーケーシング4は下側が開閉自在となる。また図4、図5及び図6に示すように、アウターケーシング2の内部でインナーケーシング4を開いた場合、各底泥挟み部11は、隙間なくアウターケーシング2に内接した状態となる。
【0050】
また底泥除去部3は、図1から図5に示すように、インナーケーシング4の一部がアウターケーシング2に挿入され、アウターケーシング2に対して、底泥を取り込む底泥取り込み位置から、改質材料投入部26を開放して改質材料の投入を行う改質材料投入位置まで上下方向に直動自在な構成となっている。
【0051】
図2及び図3は、底泥除去部3がアウターケーシング2に対して底泥取り込み位置にある状態を示し、図4及び図5は、底泥除去部3がアウターケーシング2に対して改質材料投入位置にある状態を示している。
【0052】
底泥除去部3が底泥取り込み位置にある状態では、アウターケーシング2及び底泥除去部3は、例えば次のような位置関係となる。図2及び図3に示すように、インナーケーシング4が取り付けられたインナーケーシング取り付け部5の下端部とアウターケーシング2の上端部が接し、アウターケーシング2とインナーケーシング4の下端が略同一の高さとなる。
【0053】
また、インナーケーシング取り付け部5により底泥除去部3がアウターケーシング2に対して底泥取り込み位置より下方に位置することを防ぐ構成になっている。インナーケーシング取り付け部5により底泥除去部3が底泥取り込み位置より下方に位置することを防ぐ構成は、位置決め手段の一例である。
【0054】
底泥除去部3が改質材料投入位置にある状態では、アウターケーシング2及び底泥除去部3は、例えば次のような位置関係となる。図4及び図5に示すように、改質材料投入部26が開放される位置に、底泥除去部3はアウターケーシング2に対して上方に持ち上げられた状態となる。これにより、インナーケーシング4下方のアウターケーシング2内部の空間と外部が、改質材料投入部26を通じて連通した状態になる。
【0055】
また、例えば図3及び図5に示すように、アウターケーシング2のワイヤー取り付け部12及び底泥除去部3のワイヤー取り付け部13がケーシングワイヤー14にて結ばれている。
【0056】
図5に示すように、ケーシングワイヤー14はインナーケーシング4が改質材料投入位置にある時に張った状態になり、インナーケーシング4がアウターケーシング2に対して改質材料投入位置より上方に位置することを防ぐ構成になっている。ケーシングワイヤー14により、底泥除去部3が改質材料投入位置より上方に位置することを防ぐ構成は、位置決め手段の一例である。
【0057】
図7は図6のD−D断面図であり、負圧防止管16を示す説明図である。底泥除去部3をアウターケーシング2に対して底泥取り込み位置から上方に持ち上げた状態で、図6のD−D断面にて切断された部材のみを示している。負圧防止管16は、負圧防止手段の一例である。
【0058】
負圧防止管16は、例えば図7に示すようにアウターケーシング2の側面の下方に設けられた側面負圧防止穴部2aと、アウターケーシング2外部の側面の置換対象の底泥に応じた高さの位置とを連通する管状の部材等で構成される。負圧防止管上端部16aは、置換対象の底泥に応じた高さに位置する。
【0059】
図7に示すように、底泥除去部3をアウターケーシング2に対して底泥取り込み位置から持ち上げることにより、アウターケーシング2内部でインナーケーシング4の下方の空間と、アウターケーシング2外部の水中が、負圧防止管16にて連通された状態となる。
【0060】
図8は図6のE−E断面にて切断された部材のみを示した断面図であり、補強板17を示す説明図である。補強板17は補強部の一例である。アウターケーシング2の外部の側面に、上下方向に伸びた板状の補強板17が備えられる。補強板17は、例えば図8に示すようにアウターケーシング2の外部側面下方部にて備えられる。更に、例えば図6に示すように、二つの補強板17がアウターケーシング2の外部側面の向かい合う位置に備えられる。
【0061】
図9は底泥除去部3をアウターケーシング2から取り外した状態を示す説明図である。アウターケーシング2と底泥除去部3を結んでいるケーシングワイヤー14を取り外すことにより、底泥除去部3をアウターケーシング2から取り外すことが可能となる。図4及び図9に示すように、底泥除去部3をアウターケーシング2から取り外した状態では、インナーケーシング4がアウターケーシング2の内部に挿入されている状態と比較して、インナーケーシング4を大きく開くことが可能となる。
【0062】
図1等で説明した底泥置換装置1においては、底泥除去部3のインナーケーシング4は、二つの開閉自在な底泥挟み部11を備えて構成されるとした。しかし、インナーケーシング4が三つ以上の底泥挟み部11を備えて構成されるとしても良い。
【0063】
<本実施の底泥置換システムの構成例>
次に、図1等で説明した構成の底泥置換装置1を用いた底泥置換システム18について説明する。
【0064】
図10及び図11は本実施の形態の底泥置換システム18の一例を示す説明図である。底泥置換システム18は、バックホウ19、インナーケーシング開閉装置21及び改質材料投入装置22等を備える。本例の底泥置換システム18は、バックホウ19、インナーケーシング開閉装置21及び改質材料投入装置22が陸上に設置される例を示す。
【0065】
底泥置換作業の対象となる水中では、図11に示すように、河川等の水底の砂層27の上部に底泥が堆積して底泥層23が形成されている。底泥置換システム18では底泥層23の一部を除去し、改質材料24の埋設を行う。
【0066】
図11に示すように底泥置換装置1は、例えば装置取り付け部20を介して上フランジ9にて汎用的なバックホウ19のアーム部19aの先端に取り付け可能な構成となっている。バックホウ19は上下装置の一例である。バックホウ19により底泥置換装置1を水底に降ろし、水底での昇降を行うことができる。
【0067】
図10に示すようにインナーケーシング開閉装置21は、油圧ユニット21a及び油圧ユニット21aに接続された油圧ホース21bにより構成され、図11に示すように油圧ホース21bは装置取り付け部20に接続される。装置取り付け部20の内部にはインナーケーシング4の開閉を行うための油圧機器が収納されており、この油圧機器はフランジ穴部15を介してインナーケーシング取り付け部5の油圧機器取り付け部5aに接続されている。油圧ユニット21a及び油圧ホース21bによりこの油圧機器を動作させることで、図2から図5にて説明したようにインナーケーシング4の開閉を行う。インナーケーシング開閉装置21及び油圧機器は開閉手段の一例である。
【0068】
図10に示すように改質材料投入装置22は、作業用水槽22a、作業用水中ポンプ22b、作業用水管22c、チーズ管22d、ボールバルブ22e、改質材料投入用ホッパー22f及び改質材料投入管22gにより構成される。
【0069】
作業用水槽22a内に作業用水中ポンプ22bが設置され、作業用水中ポンプ22bに作業用水管22cが接続される。作業用水管22cはチーズ管22dにより分岐され、ボールバルブ22eを介して二つ改質材料投入用ホッパー22fにそれぞれ接続される。
【0070】
これにより、作業用水中ポンプ22bを動作させて、改質材料24の投入作業に用いられる作業用水を二つの改質材料投入用ホッパー22fへ供給する。また、二つの改質材料投入用ホッパー22fに対する作業用水の供給は、それぞれの改質材料投入用ホッパー22fに接続されたボールバルブ22eを開閉することにより、別々に行うことができる。
【0071】
二つの改質材料投入用ホッパー22fにそれぞれ改質材料投入管22gが接続される。改質材料投入管22gは、図11に示すように底泥置換装置1の二つの改質材料投入部26にそれぞれ接続される。作業用水槽22aより改質材料投入用ホッパー22fに対して作業用水を供給しながら、改質材料投入用ホッパー22fに改質材料24を投入することにより、改質材料投入部26への改質材料24の投入が行われる。
【0072】
図10で示される底泥置換システム18は、底泥置換対象の場所が陸上から近い場合に適用される。底泥置換作業に用いられる各装置を陸上に設置することが可能であるため、各装置の設置及び移動作業を容易に行うことが可能になる。
【0073】
図12は本実施の形態の底泥置換システム18の他の例を示す説明図である。図12で示される底泥置換システム18においては、バックホウ19、インナーケーシング開閉装置21及び改質材料投入装置22が作業船25上に設置される。
【0074】
図12で示される底泥置換システム18では、改質材料投入装置22は、作業用水中ポンプ22b、作業用水管22c、チーズ管22d、ボールバルブ22e、改質材料投入用ホッパー22f及び、改質材料投入管22gにより構成される。また、作業用水中ポンプ22bは図12に示すように水中に設置される。
【0075】
図10で示される底泥置換システム18の改質材料投入装置22と同様に、作業用水中ポンプ22b、作業用水管22c、チーズ管22d、二つのボールバルブ22e、二つの改質材料投入用ホッパー22f及び二つの改質材料投入管22gが接続され、図11に示すように二つの改質材料投入管22gが底泥置換装置1の改質材料投入部26にそれぞれ接続される。
【0076】
改質材料投入部26に改質材料24を投入する際の作業用水は、水中に設置された作業用水中ポンプ22bにより水中から供給される。
【0077】
図12で示される底泥置換システム18は、底泥置換対象の場所が陸上から離れている場合、陸上にバックホウ19、インナーケーシング開閉装置21及び改質材料投入装置22等の設置エリアが確保できない場合に適用可能である。
【0078】
図10及び図12で示される底泥置換システム18を用いることにより、河川等の水底の底泥層23に所望の配置で底泥の置換及び改質材料24の埋設を行うことができ、改質材料24による水質改善の効果を促進することが可能になる。
【0079】
なお、図10から図12で示した底泥置換システム18においては、インナーケーシング開閉装置21がバックホウ19と別体で構成されるとした。しかしインナーケーシング開閉装置21がバックホウ19と一体で構成されるとしても良い。
【0080】
<本実施の底泥置換方法例>
次に、図1等で説明した底泥置換装置1及び、図10等で説明した底泥置換システム18の動作を、底泥置換方法の実施の形態として説明する。
【0081】
図13から図20は底泥置換の過程を示す断面図であり、一部を透視した状態で破線で示している。アーム部19a、油圧ホース21b、装置取り付け部20及び、改質材料投入管22gは切断していない状態で示している。また、インナーケーシング4の開閉を行うための油圧機器は示していない。図13から図20を用いて底泥置換の過程を説明する。
【0082】
図13はアウターケーシング2が底泥層23に着底した状態を示し、図14はインナーケーシング4が底泥層23に着底した状態を示している。
【0083】
バックホウ19のアーム部19aに取り付けられた底泥置換装置1を、バックホウ19により、水底の砂層27の上部に形成された底泥層23上の底泥置換作業場所に設置する。まず図13に示すように、バックホウ19により底泥置換装置1を降ろしてアウターケーシング2を底泥層23に着底させる。
【0084】
その後、図14に示すようにバックホウ19により底泥除去部3を降ろし、インナーケーシング4を底泥層23に着底させる。この時、インナーケーシング4はアウターケーシング2に対して底泥取り込み位置に位置する状態になる。更にインナーケーシング開閉装置21により、底泥挟み部11がアウターケーシング2に内接するように、インナーケーシング4を開いた状態にする。
【0085】
図15は、底泥除去部3及びアウターケーシング2を底泥層23内に圧入した状態を示したものである。バックホウ19により底泥除去部3及びアウターケーシング2を、除去対象の底泥15の高さに合わせて底泥層23内に圧入する。
【0086】
この時、インナーケーシング取り付け部5により底泥除去部3がアウターケーシング2に対して底泥取り込み位置より下方に位置することを防ぐ構成になっているため、バックホウ19により装置取り付け部20を介して底泥除去部3に下方へ力が加えられることにより、底泥除去部3及びアウターケーシング2が一体となって底泥層23内に圧入される。
【0087】
また、図8等で説明したアウターケーシング2の外部の側面に備えられた補強板17により、バックホウ19による底泥除去部3及びアウターケーシング2の底泥層23への圧入時に、アウターケーシング2が歪むことが防止される。
【0088】
またこの時、開放されたインナーケーシング4の下面より、除去対象の底泥15がインナーケーシング4内に入れられる。底泥挟み部11がアウターケーシング2に隙間なく内接しているため、インナーケーシング4とアウターケーシング2の間に底泥が入り込まない。
【0089】
図16は、底泥除去部3及びアウターケーシング2を底泥層23内に圧入した状態で、インナーケーシング4を閉じた状態を示したものである。除去対象の底泥15をインナーケーシング4内に入れた状態で、インナーケーシング開閉装置21によりインナーケーシング4を閉じる。この時、インナーケーシング4は、円錐形に近い、下方に行くに従って間隔が狭くなる形状になる。このため、インナーケーシング4内部の下端部近傍においては底泥15が大きく圧縮され、底泥15はインナーケーシング4の内部に保持された状態となる。
【0090】
このように、インナーケーシング4は、閉じた際に下方に行くに従って間隔が狭くなる形状になるため、底面に蓋を設けなくても、インナーケーシング4の内部に取り込んだ底泥15を保持することができる。
【0091】
図17及び図18は、底泥15をインナーケーシング4内に保持した状態で、底泥除去部3をアウターケーシング2に対して改質材料投入位置まで持ち上げた状態を示したものである。図18は底泥置換装置1を図6のD−Dにて切断した状態を示している。
【0092】
バックホウ19により、底泥15をインナーケーシング4の内部に保持した状態で底泥除去部3を改質材料投入位置まで持ち上げ、底泥層23から底泥15を除去し、アウターケーシング2内に底泥15が除去された空間を形成する。またこの時、図18に示すように負圧防止管16の負圧防止管上端部16aが、底泥層23の上面より上方に位置した状態にある。
【0093】
このため、底泥除去部3を持ち上げる際に、アウターケーシング2内部の底泥15が除去された空間と、アウターケーシング2外部の水中が負圧防止管16にて連通された状態になる。よって、アウターケーシング2内部の底泥15が除去された空間に負圧が生じることが防がれ、底泥15をインナーケーシング4の内部に保持した状態での底泥除去部3の持ち上げを容易に行うことが可能になる。
【0094】
図19は、底泥層23から底泥15を除去した空間に改質材料24を埋設した状態を示したものである。底泥層23から底泥15を除去した空間の形成後、図11等で説明した改質材料投入装置22により、改質材料24を改質材料投入部26よりアウターケーシング2内に投入する。これにより、底泥層23から底泥15を除去した空間に改質材料24を埋設する。
【0095】
図20は、底泥層23内から底泥置換装置1を持ち上げた状態を示したものである。改質材料24の埋設後、バックホウ19により底泥層23内から底泥置換装置1を持ち上げる。この時、図5に示すようにケーシングワイヤー14が張った状態となり、改質材料投入位置より上方にインナーケーシング4がアウターケーシング2に対して位置することを防ぐ構成になっている。
【0096】
このため、バックホウ19により装置取り付け部20を介して底泥除去部3に上方へ力が加えられることにより、底泥除去部3及びアウターケーシング2が一体となって上方に持ち上げられる。
【0097】
この結果、河川等の水底において底泥層23より底泥15が除去され、改質材料24が埋設された状態になる。
【0098】
バックホウ19により底泥層23内から底泥置換装置1を持ち上げた後、陸上あるいは作業船25上に底泥置換装置1を引き上げる。陸上あるいは作業船25上に底泥置換装置1を引き上げた後、アウターケーシング2と底泥除去部3を結ぶケーシングワイヤー14を取り外し、アウターケーシング2から底泥除去部3を取り外す。アウターケーシング2から底泥除去部3を取り外した後、図9に示すように、インナーケーシング開閉装置21によりインナーケーシング4を大きく広げ、インナーケーシング4の内部に保持されている底泥15に対する押圧を解いて、底泥15を取り出す。
【0099】
このように底泥置換装置1では、アウターケーシング2から底泥除去部3を取り外し、インナーケーシング4を大きく広げ、インナーケーシング4の内部の底泥15に対する押圧を解いて底泥15を取り出すことにより、インナーケーシング4内部から底泥15の取り出しを確実に行うことができる。
【0100】
底泥15を取り出した後、インナーケーシング開閉装置21によりインナーケーシング4を閉じ、インナーケーシング4をアウターケーシング2の内部に挿入して、ケーシングワイヤー14によりアウターケーシング2と底泥除去部3を結ぶ。これにより次の置換対象に対する底泥置換作業が可能となる。
【0101】
また、本実施の形態の底泥置換方法では、改質材料24として例えば石炭灰を主材料として加水混合し、造粒方法により粒状に作製された石炭灰材料が用いられる。例えば潮の干満がある感潮河川にて、水底に堆積した底泥層の一部を石炭灰材料に置換することにより、潮の潮汐により埋設された石炭灰材料内に水の流れが生じ、石炭灰材料を介して底泥層内に酸素が供給される。また、干潮時には空気中より石炭灰材料を介して底泥層内に酸素が供給される。
【0102】
これにより底泥層内の還元状態が解消され、河川の底質及び底生動物の生息環境が改善される。
【0103】
本実施の形態の底泥置換装置1では、開閉自在なインナーケーシング4を備えた底泥除去部3により底泥15を除去し、アウターケーシング2により改質材料24の埋設を行う構成により、改質材料24の埋設に適した径にて底泥15の除去及び改質材料24の埋設を行うことが可能となる。
【0104】
また、本実施の形態の底泥置換装置1では、底泥除去時に底泥15をインナーケーシング4内に保持し、底泥除去後に陸上あるいは作業船25上でインナーケーシング4を開いて底泥15を取り出す構成であるため、底泥置換作業時に除去した底泥15を回収することが可能になる。これにより作業時の水質汚濁発生を防ぐことができる。
【0105】
更に、本実施の形態の底泥置換方法では、図13等で説明した方法により、底泥15の除去作業と改質材料24の埋設作業を底泥置換装置1のみで一連の流れで行うことができる。このため、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を別々の装置を用いて行う必要のある従来の底泥置換方法と比べて、底泥の置換作業に必要な装置の構成を単純化でき、また、施工作業の容易化及び施工期間の短縮化が実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、河川等の水底の底泥を透水性のよい改質材料に置換する底泥置換装置に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す概略斜視図である。
【図2】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す説明図である。
【図3】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す説明図である。
【図4】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す説明図である。
【図5】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す説明図である。
【図6】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す説明図である。
【図7】本実施の形態の負圧防止管の例を示す構成図である。
【図8】本実施の形態の補強板の例を示す構成図である。
【図9】本実施の形態の底泥除去部の例を示す構成図である。
【図10】本実施の形態の底泥置換システムの例を示す説明図である。
【図11】本実施の形態の底泥置換システムの例を示す説明図である。
【図12】本実施の形態の底泥置換システムの他の例を示す説明図である。
【図13】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図14】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図15】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図16】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図17】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図18】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図19】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図20】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図21】従来技術による底泥の除去方法を示す説明図である。
【図22】従来技術による底泥の除去方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0108】
1 底泥置換装置
2 アウターケーシング
3 底泥除去部
4 インナーケーシング
16 負圧防止管
17 補強板
19 バックホウ
21 インナーケーシング開閉装置
22 改質材料投入装置
24 改質材料
25 作業船
26 改質材料投入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換装置であって、
下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部と、
内部が空洞で、上方部を軸に回転自在に支持された複数の挟み部により構成され、前記各挟み部が回転して下側が開閉する底泥保持部を有する底泥除去部を備え、
前記底泥除去部は、前記外箱部の内部に挿入され、前記各挟み部が前記外箱部に内接するように前記底泥保持部を開いて前記底泥保持部の内部に底泥を取り込む底泥取り込み位置から、前記底泥保持部を閉じて前記挟み部の間隔を下方に行くに従って狭くし、底泥を前記底泥保持部の内部に保持した状態で持ち上げて前記改質材料投入穴部を開放する改質材料投入位置まで、前記外箱部に対して上下方向に直動自在である
ことを特徴とする底泥置換装置。
【請求項2】
前記外箱部に対する前記底泥除去部の移動範囲を制限する位置決め手段を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の底泥置換装置。
【請求項3】
前記底泥除去部が前記外箱部に対して、前記底泥取り込み位置と前記改質材料投入位置の間を移動する際に、前記外箱部内部で前記底泥除去部の下方の空間と、前記外箱部外部の水中を連通する負圧防止手段を、前記外箱部の側面に備えた
ことを特徴とする請求項1又は2記載の底泥置換装置。
【請求項4】
前記外箱部は、外部の側面に上下方向へ伸びた板状の補強部を備えた
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の底泥置換装置。
【請求項5】
前記底泥除去部は、前記外箱部に対して取り付け及び取り外しが自在である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の底泥置換装置。
【請求項6】
水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換システムであって、
下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部と、内部が空洞で、上方部を軸に回転自在に支持された複数の挟み部により構成され、前記各挟み部が回転して下側が開閉する底泥保持部を有する底泥除去部を備え、前記底泥除去部は、前記外箱部の内部に挿入され、前記各挟み部が前記外箱部に内接するように前記底泥保持部を開いて前記底泥保持部の内部に底泥を取り込む底泥取り込み位置から、前記底泥保持部を閉じて前記挟み部の間隔を下方に行くに従って狭くし、底泥を前記底泥保持部の内部に保持した状態で持ち上げて前記改質材料投入穴部を開放する改質材料投入位置まで、前記外箱部に対して上下方向に直動自在である底泥置換装置と、
前記底泥保持部の開閉を行う開閉手段と、
前記底泥置換装置を水底に降ろし、水底での昇降を行う上下装置と、
前記改質材料投入穴部に対して前記改質材料の投入を行う改質材料投入装置を備えた
ことを特徴とする底泥置換システム。
【請求項7】
前記開閉手段、前記上下装置及び前記改質材料投入装置が、陸上に設置されている
ことを特徴とする請求項6記載の底泥置換システム。
【請求項8】
前記開閉手段、前記上下装置及び前記改質材料投入装置が、作業船上に設置されている
ことを特徴とする請求項6記載の底泥置換システム。
【請求項9】
水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換方法であって、
下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部と、内部が空洞で、上方部を軸に回転自在に支持された複数の挟み部により構成され、前記各挟み部が回転して下側が開閉する底泥保持部を有する底泥除去部を備え、
前記底泥除去部は、前記外箱部の内部に挿入され、前記外箱部に対して上下方向に直動自在である底泥置換装置を用い、
除去する前記底泥の高さに合わせて、前記各挟み部が前記外箱部に内接するように前記底泥保持部を開いた状態で前記底泥除去部及び前記外箱部を底泥層内に圧入して前記底泥保持部内に前記底泥を入れ、
前記底泥保持部を閉じて前記挟み部の間隔を下方に行くに従って狭くし、取り込んだ底泥を前記底泥保持部の内部に保持した状態で、前記改質材料投入穴部が開放される位置まで前記外箱部に対して前記底泥除去部を持ち上げ、前記底泥層より前記底泥を除去して、前記外箱部内に前記底泥が除去された空間を形成し、
前記改質材料投入穴部より前記改質材料を投入し、前記外箱部内部の前記底泥が除去された空間に前記改質材料を埋設し、
前記底泥置換装置を前記底泥層内から持ち上げる
ことを特徴とする底泥置換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−51414(P2007−51414A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−235034(P2005−235034)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(594127330)中国高圧コンクリート工業株式会社 (37)
【Fターム(参考)】