説明

店舗システム及び商品コード読取装置

【課題】商品に添付されたカーボンフットプリントに記載されている二酸化炭素排出量に応じたサービスを容易に顧客に提供可能とする。
【解決手段】商品コード読取装置101は、音声出力部165が撮像した画像に含まれる商品に添付されたコードシンボルを検出し、そのコードシンボルに対応したコード情報を読み取る。商品コード読取装置101は、撮像した画像に含まれる商品に添付されたカーボンフットプリントを検出し、そのカーボンフットプリントに記載された二酸化炭素排出量を読み取る。商品コード読取装置101は、読み取ったコード情報及び二酸化炭素排出量の少なくとも一方を読取情報として出力する。POS端末11は、出力されたコード情報に応じて商品の売上を登録するとともに、出力された二酸化炭素排出量に応じたポイントを付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、店舗システム及び商品コード読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の店舗では、商品に添付されたバーコードや二次元コード(例えばQRコード(登録商標))等のコードシンボルをCCDイメージセンサ等のデジタルカメラによって撮像し、その撮像した画像から検出したコードシンボルを検出して復号することで商品コードを読み取る商品コード読取装置が用いられている。店員は、顧客がカウンタ台に持ち込んだ買物カゴの中の収められている商品を取り出して商品コード読取装置のデジタルカメラにかざすことで、顧客が購入する商品を登録する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年は温暖化対策の一環として、二酸化炭素の排出量を低減するための取り組みが政府や民間の推進で行われている。この取り組みの一つとしては、二酸化炭素の排出量が少ない商品を顧客に選んでもらえるように、二酸化炭素の排出量などを示すカーボンフットプリントを商品に添付するものがある。しかしながら、二酸化炭素の排出量が少ない商品と、二酸化炭素の排出量が多い商品とが同じ値段である場合、顧客が二酸化炭素の排出量が少ない商品を選ぶ利点は少ないものであった。また、店舗では、購入商品に添付されたカーボンフットプリントに応じた割引きなどを行うことで、二酸化炭素の排出量の低減と、売上の向上とを図ることができるが、カーボンフットプリントに記載された二酸化炭素の排出量を入力する手間などが発生することとなる。例えば、上述した従来の商品コード読取装置では、カーボンフットプリントを読み取ることができないため、顧客が購入する商品を登録する際に店員が手入力でカーボンフットプリントに記載された二酸化炭素の排出量などを入力する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明の実施形態は、画像取込手段、コード読取手段、排出量読取手段、出力手段を備える商品コード読取装置と、売上登録装置とを有することを特徴とする店舗システムである。また、本発明の実施形態は、画像取込手段と、コード読取手段と、排出量読取手段と、出力手段とを備えることを特徴とする商品コード読取装置である。
【0005】
画像取込手段は、撮像手段が撮像した画像を取り込む。コード読取手段は、取り込まれた画像に含まれる商品に添付されたコードシンボルを検出し、そのコードシンボルに対応したコード情報を読み取る。排出量読取手段は、取り込まれた画像に含まれる商品に添付されたカーボンフットプリントを検出し、そのカーボンフットプリントに記載された二酸化炭素排出量を読み取る。出力手段は、読み取ったコード情報及び二酸化炭素排出量の少なくとも一方を読取情報として出力する。売上登録装置は、出力された前記コード情報に応じて前記商品の売上を登録するとともに、出力された前記二酸化炭素排出量に応じたポイントを付与する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、チェックアウトシステムを示す斜視図である。
【図2】図2は、POS端末及び商品コード読取装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、CPUの機能構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、本実施形態にかかる商品コード読取装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、読取窓における読取領域の例を示す概念図である。
【図6】図6は、表示デバイス、顧客用表示デバイスによる表示例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下では、チェックアウトシステムを例に本実施形態にかかる店舗システム及び商品コード読取装置を図面を参照して説明する。チェックアウトシステムは、一取引にかかる商品の登録、精算を行うPOS端末と、商品に添付された商品コードなどを読み取る商品コード読取装置とを有する構成である。本実施形態は、飲食店やスーパーマーケット等の店舗に導入されたチェックアウトシステムへの適用例である。
【0008】
図1は、チェックアウトシステム1を示す斜視図である。図1に示すように、チェックアウトシステム1は、一取引にかかる商品の登録、精算を行うPOS端末11を備える。POS端末11は、チェックアウト台51上のドロワ21上面に載置されている。ドロワ21は、POS端末11によって開放動作の制御を受ける。POS端末11の上面には、オペレータ(店員)によって押下操作されるキーボード22が配置されている。キーボード22を操作するオペレータから見てキーボード22よりも奥側には、オペレータに向けて情報を表示する表示デバイス23が設けられている。表示デバイス23は、その表示面23aに情報を表示する。表示面23aには、タッチパネル26が積層されている。表示デバイス23よりもさらに奥側には、顧客用表示デバイス24が回転自在に立設されている。顧客用表示デバイス24は、その表示面24aに情報を表示する。なお、図1に示す顧客用表示デバイス24は、表示面24aを図1中手前側に向けているが、表示面24aが図1中奥側に向くように顧客用表示デバイス24を回転させることによって、顧客用表示デバイス24は顧客に向けて情報を表示する。
【0009】
POS端末11が載置されているチェックアウト台51とL字を形成するようにして、横長テーブル状のカウンタ台151が配置されている。カウンタ台151の上面には、荷受面152が形成されている。荷受面152には、バーコードBCやカーボンフットプリントMが付された商品Aを収納する買物カゴ153が載置される。買物カゴ153は、顧客によって持ち込まれる第1の買物カゴ153aと、第1の買物カゴ153aから商品コード読取装置101を挟んだ位置に位置付けられる第2の買物カゴ153bとに分けて考えることができる。
【0010】
カウンタ台151の荷受面152には、POS端末11とデータ送受信自在に接続された商品コード読取装置101が設置されている。商品コード読取装置101は、薄型矩形形状のハウジング102を備える。ハウジング102の正面には読取窓103が配置されている。ハウジング102の上部には、表示・操作部104が取り付けられている。表示・操作部104には、タッチパネル105が表面に積層された表示デバイス106が設けられている。表示デバイス106の右隣にはキーボード107が配設されている。キーボード107の右隣には、図示しないカードリーダのカード読取溝108が設けられている。オペレータから見て表示・操作部104の裏面左奥側には、顧客に向けて設けられる表示装置であり、顧客に対して情報を表示するための顧客用表示デバイス109が設置されている。顧客用表示デバイス109の表示面には、顧客用タッチパネル109aが積層されている。
【0011】
顧客によって持ち込まれた第1の買物カゴ153aには、一取引にかかる商品Aが収納されている。商品Aには、その商品Aに関する商品コード(コード情報)が符号化されたバーコードBCと、その商品Aにかかる二酸化炭素の排出量(以下、二酸化炭素排出量)を示すカーボンフットプリントMとが貼付されている。商品Aは、オペレータの手によって第2の買物カゴ153bへと移動される。この移動過程で、バーコードBCとカーボンフットプリントMが商品コード読取装置101の読取窓103に向けられる。この際、読取窓103の奥側に配置された撮像部164(図2参照)はバーコードBCとカーボンフットプリントMを撮像する。商品コード読取装置101では、撮像部164により撮像された画像に含まれる商品Aに添付されたバーコードBCを検出してデコード(復号)することで、商品Aに対応した商品コードを読み取る。また、商品コード読取装置101では、撮像部164により撮像された画像に含まれる商品Aに添付されたカーボンフットプリントMを検出し、そのカーボンフットプリントMに記載されている二酸化炭素排出量をOCR(Optical Character Recognition)などで読み取る。次いで、商品コード読取装置101は、読み取った商品コードや二酸化炭素排出量をPOS端末11へ出力する。なお、商品AによってはカーボンフットプリントMが添付されていない場合や、バーコードBCとカーボンフットプリントMの添付位置が離れているため、片方ずつを順次読み取る場合もあることから、POS端末11への商品コードや二酸化炭素排出量の出力は、少なくとも一方を行えばよい。
【0012】
バーコードBCとして記述された商品コードは、商品Aを特定するために商品ごとに割り当てられたコードであり、一例として13桁の数字であるJANコードである。なお、本実施形態ではコードシンボルとしてバーコードBCを例に説明するが、コードシンボルはQRコード(登録商標)等の二次元コードであってもよいことは言うまでもない。カーボンフットプリントMには、商品Aを製造するための原料の調達時から製造、運搬などに伴って発生する二酸化炭素排出量が示されている。例えば、カーボンフットプリントMには、二酸化炭素排出量がグラム単位で示されている。
【0013】
図2は、POS端末11及び商品コード読取装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末11は、情報処理を実行する情報処理部としてのマイクロコンピュータ60を備える。マイクロコンピュータ60は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU61(Central Processing Unit)に、ROM62(Read Only Memory)とRAM63(Random Access Memory)とがバス接続されて構成されている。
【0014】
POS端末11のCPU61には、前述したドロワ21、キーボード22、表示デバイス23、タッチパネル26、顧客用表示デバイス24がいずれも各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。これらは、CPU61による制御を受ける。
【0015】
キーボード22は、「1」、「2」、「3」…等の数字や「×」という乗算の演算子が上面に表示されているテンキー22d、仮締めキー22e、及び締めキー22fを含む。キーボード22は、テンキー22d、仮締めキー22e、及び締めキー22fによるオペレータの操作入力をCPU61へ出力する。キーボード22は、オペレータからの操作を受け付ける操作手段である。
【0016】
POS端末11のCPU61には、HDD64(Hard Disk Drive)が接続されている。HDD64には、プログラムや各種ファイルが記憶されている。HDD64に記憶されているプログラムや各種ファイルは、POS端末11の起動時に、その全部又は一部がRAM63にコピーされてCPU61により順次実行される。HDD64に記憶されているプログラムの一例は、商品販売データ処理用のプログラムPRである。HDD64に記憶されているファイルの一例は、ストアコンピュータSCから配信されて格納されているPLUファイルF1、ポイント換算ファイルF2である。
【0017】
PLUファイルF1は、商品ごとにユニークに割り当てられた商品コードごとに、その商品の名称、単価、商品分類などの商品に関する情報を格納するファイルである。すなわち、PLUファイルF1は、商品コードに関連した関連情報として、その商品コードに対応した商品の名称、単価、商品分類などの情報を記憶している。POS端末11では、商品コード読取装置101で読み取られた商品コードでPLUファイルF1に記憶された情報を参照することで、読み取られた商品コードに対応した商品の売上を登録することができる。
【0018】
ポイント換算ファイルF2は、商品にかかる二酸化炭素排出量に対応したポイント換算を行うためのファイルであり、二酸化炭素排出量ごとに付与するポイントが記憶されている。より具体的には、各商品分類において、二酸化炭素排出量が少なくなるに従って付与するポイントを段階的に増大するように、二酸化炭素排出量ごとに付与するポイントが記憶されている。ここでいうポイントとは、精算時などに顧客に提供するものであり、商品や金銭(値引きや割引きを含む)などのサービスと引換可能なものである。顧客は、付与されたポイントを提示するなどして、上述したサービスと引き換える。
【0019】
例えば、ある同一の商品分類に属する二つの商品があるものとする。この二つの商品のうち一方の二酸化炭素排出量が少ない場合、その二酸化炭素排出量が少ない商品については付与するポイントを多くする。このように二酸化炭素排出量ごとに付与するポイントを調節することで、二酸化炭素排出量が少ない商品を選んだ顧客に対しポイントを多く付与することができる。このように、チェックアウトシステム1では、二酸化炭素排出量が少ない商品を選んだ顧客に対しポイントを多く付与することで、二酸化炭素の排出量の低減と、ポイント付与による売上の向上とを図ることが可能となる。
【0020】
POS端末11のCPU61には、ストアコンピュータSCとデータ通信を実行するための通信インターフェース25が入出力回路(図示せず)を介して接続されている。ストアコンピュータSCは、店舗のバックヤード等に設置されている。ストアコンピュータSCのHDD(図示せず)には、POS端末11に配信されるPLUファイルF1、ポイント換算ファイルF2が格納されている。
【0021】
さらに、POS端末11のCPU61には、商品コード読取装置101との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース65が接続されている。したがって、接続インターフェース65は、商品コード読取装置101に接続している。また、POS端末11のCPU61には、レシートなどに印字を行うプリンタ66が接続されている。POS端末11は、CPU61の制御のもと、一取引の取引内容(精算金額や付与されたポイント)等をレシートに印字する。
【0022】
商品コード読取装置101も、マイクロコンピュータ160を備える。マイクロコンピュータ160は、CPU161にROM162とRAM163とがバス接続されて構成されている。ROM162には、CPU161によって実行されるプログラムが記憶されている。CPU161には、撮像部164、音声出力部165が各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。撮像部164、音声出力部165は、CPU161によって動作が制御される。表示・操作部104は接続インターフェース176を介してPOS端末11に接続されている。表示・操作部104はPOS端末11のCPU61によって動作が制御される。
【0023】
撮像部164は、CCDイメージセンサやCOMSイメージセンサなどであり、CPU161の制御の下で読取窓103からの撮像を行う。例えば撮像部164では30fpsの動画像の撮像を行う。撮像部164が所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像はRAM163に保存される。音声出力部165は、予め設定された警告音などを発生するための音声回路とスピーカなどである。音声出力部165は、CPU161の制御の下で警告音などの音声による報知を行う。
【0024】
さらに、CPU161には、POS端末11の接続インターフェース65に接続して、POS端末11との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース175が接続されている。CPU161の制御の下、商品コード読取装置101の撮像部164によって撮像された画像から読み取られた商品コードや二酸化炭素排出量は、接続インターフェース175を介して出力され、接続インターフェース65を介してPOS端末11に入力される。
【0025】
次に、CPU161がプログラムを順次実行することで実現される商品コード読取装置101の機能部について、図3を参照して説明する。図3は、CPU161の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、CPU161は、プログラムを順次実行することにより、撮像画像取込部1611、バーコード読取部1612、カーボンフットプリント読取部1613、情報出力部1614、表示部1615としての機能を備える。
【0026】
撮像画像取込部1611は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164に撮像動作を開始させる。撮像画像取込部1611は、撮像動作開始後に撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像を順次取り込む。撮像画像取込部1611によるフレーム画像の取り込みは、RAM163に保存された順に行われる。
【0027】
バーコード読取部1612は、撮像画像取込部1611により取り込まれたフレーム画像に含まれる商品に添付されたコードシンボルを検出し、そのコードシンボルに対応した商品コード(コード情報)を読み取る。具体的には、取り込まれたフレーム画像を2値化した画像から輪郭線を抽出することで、画像に含まれる商品を検出する。次いで、検出した商品について、パターンマッチング技術によるバーコードの検出や、所定のファインダパターンから二次元コードの検出などを行う。次いで、バーコード読取部1612は、検出したバーコードや二次元コードを所定の規則に従ったコード情報(例えばJANコード)に変換することで、検出したバーコードに対応したコード情報を読み取る。
【0028】
カーボンフットプリント読取部1613は、撮像画像取込部1611により取り込まれたフレーム画像に含まれる商品に添付されたカーボンフットプリントMを検出し、そのカーボンフットプリントMに記載された二酸化炭素排出量を読み取る。具体的には、バーコード読取部1612と同様にして画像に含まれる商品を検出する。次いで、検出した商品について、メモリなどに予め登録されているカーボンフットプリントの形状をもとに、パターンマッチング技術などを用いることでカーボンフットプリントMを検出する。次いで、検出されたカーボンフットプリントMに記載されている二酸化炭素排出量をOCR処理などによって読み取る。
【0029】
情報出力部1614は、バーコード読取部1612が読み取ったコード情報やカーボンフットプリント読取部1613が読み取った二酸化炭素排出量を読取情報として接続インターフェース175を介してPOS端末11へ出力する。これにより、POS端末11では、出力された商品コードをもとにPLUファイルF1を参照することで、バーコード読取部1612により読み取られた商品を識別して、その商品の売上などを登録することが可能となる。また、POS端末11では、出力された二酸化炭素排出量をもとにポイント換算ファイルF2を参照することで、カーボンフットプリント読取部1613により読み取られたカーボンフットプリントMに応じたポイントの付与を行うことが可能となる。
【0030】
表示部1615は、表示デバイス106、顧客用表示デバイス109への表示出力を行う。具体的には、表示部1615は、表示デバイス106、顧客用表示デバイス109へ表示を行うための表示データを生成し、接続インターフェース175を介してCPU61へ出力する。CPU61は、表示部1615からの表示データをもとに、表示デバイス106、顧客用表示デバイス109の表示を制御する。これにより、例えば表示・操作部104の顧客用表示デバイス109では、顧客に向けた表示が行われることとなる。
【0031】
次に、商品コード読取装置101の動作について詳細に説明する。図4は、本実施形態にかかる商品コード読取装置101の動作の一例を示すフローチャートである。
【0032】
図4に示すように、POS端末11による商品登録の開始などに応じて処理が開始されると、撮像画像取込部1611は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164による撮像を開始する(S1)。次いで、撮像画像取込部1611は、撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像(撮像画像)を取り込む(S2)。
【0033】
次いで、バーコード読取部1612は、撮像画像取込部1611により取り込まれたフレーム画像に含まれる商品Aに添付されたバーコードBCを検出し、そのバーコードBCに対応した商品コードを読み取る(S3)。次いで、カーボンフットプリント読取部1613は、撮像画像取込部1611により取り込まれたフレーム画像に含まれる商品Aに添付されたカーボンフットプリントMを検出し、そのカーボンフットプリントMに記載された二酸化炭素排出量を読み取る(S4)。
【0034】
図5は、読取窓103における読取領域Rの例を示す概念図である。図5に示すように、前述した商品Aの移動過程において読取領域Rに商品Aが映り込んだ場合、S3では、商品Aに添付されたバーコードBCに対応した商品コードが読み取られることとなる。また、S4では、商品Aに添付されたカーボンフットプリントMに記載された二酸化炭素排出量(図示例では「123g」)が読み取られることとなる。
【0035】
次いで、情報出力部1614は、バーコード読取部1612が読み取った商品コード及びカーボンフットプリント読取部1613が読み取った二酸化炭素排出量を、読取情報として接続インターフェース175を介してPOS端末11へ出力する(S5)。これにより、POS端末11では、読み取られた商品コードに対応した商品の売上登録がPLUファイルF1を参照することで行われる。この売上登録時にPLUファイルF1を参照することで得られた、商品コードに対応した商品の名称、単価、商品分類などの情報は、接続インターフェース65を介して商品コード読取装置101へ返信される。また、POS端末11では、読み取られた二酸化炭素排出量に応じたポイントの付与がポイント換算ファイルF2を参照することで行われる。この付与されたポイントは、接続インターフェース65を介して商品コード読取装置101へ返信される。
【0036】
次いで、CPU161は、POS端末11から接続インターフェース65を介して行われる返信、すなわち、商品コードに対応した商品の名称、単価、商品分類などの情報や、二酸化炭素排出量に応じて発生し、付与されたポイントを取得する(S6)。次いで、表示部1615は、バーコード読取部1612が商品コードや二酸化炭素排出量を読み取った際のフレーム画像と、POS端末11から取得した情報、すなわち、読み取った商品コードに対応した商品の名称、単価、商品分類などの情報と、読み取ったカーボンフットプリントMに記載された二酸化炭素排出量に応じて発生し、付与されたポイントとを表示デバイス106、顧客用表示デバイス109より表示する(S7)。
【0037】
具体的には、表示部1615は、バーコード読取部1612が商品コードを読み取った際のフレーム画像をRAM163より読みだして表示デバイス106、顧客用表示デバイス109の表示画面上の所定の領域に表示するとともに、POS端末11から取得した情報を表示デバイス106、顧客用表示デバイス109の表示画面上の別の領域に表示するための表示データを生成して、接続インターフェース175を介してCPU61へ出力する。これにより、表示デバイス106、顧客用表示デバイス109には、バーコード読取部1612が商品コードやカーボンフットプリントMを読み取った際のフレーム画像と、その商品コードに対応した商品の名称、単価、商品分類などの情報と、カーボンフットプリントMに記載された二酸化炭素排出量に応じて発生し、付与されたポイントとが表示される。
【0038】
図6は、表示デバイス106、顧客用表示デバイス109による表示例を示す概念図である。図6に示すように、表示デバイス106、顧客用表示デバイス109の表示画面は、表示領域G1、表示領域G2、表示領域G3を含む構成である。表示領域G1には、バーコード読取部1612が商品コードを読み取った際のフレーム画像が表示される。表示領域G2には、商品コードに対応した商品の名称、単価などの情報、カーボンフットプリントMに記載された二酸化炭素排出量に応じて発生し、付与されたポイント、商品コードの読み取りによって既に登録された商品の単価などを合計した合計金額などが表示される。表示領域G3には、バーコード読取部1612が商品コードを読み取った商品の履歴、すなわち取引の登録が行われた購入商品の履歴が表示される。例えば、今回読み取りが行われて表示領域G2に表示されている商品の商品名「XXXX」とその購入数の他に、以前読み取りが行われた商品の商品名「YYYY」とその購入数などが表示される。この表示領域G3における購入商品の履歴の表示は、表示領域G2に表示した関連情報をRAM163などにスタックし、そのスタックした情報を読み出すことで情報出力部1614が行ってもよいし、RAM63にスタックしている購入商品にかかる情報をもとにPOS端末11のCPU61が行ってもよい。
【0039】
上述した表示デバイス106、顧客用表示デバイス109の表示画面によりオペレータや顧客は、売上登録が行われた商品の画像とともに、その商品の詳細や、その商品に添付されたカーボンフットプリントMに記載されている二酸化炭素排出量に応じて発生し、付与されるポイントを容易に確認できる。
【0040】
また、図6に示すように、表示領域G1には、バーコード読取部1612が商品コードを読み取った際のフレーム画像に、その商品コードを読み取った際に検出されたバーコードを示すシンボル表示G11が重畳して表示される。具体的には、バーコード読取部1612がフレーム画像から検出したバーコードの位置情報(フレーム画像における座標など)をもとに、情報出力部1614がフレーム画像にシンボル表示G11を重畳した表示データを生成することで、上述した重畳表示が実施される。同様にしてフレーム画像には、検出されたカーボンフットプリントを示すシンボル表示G12が重畳して表示される。このようにシンボル表示G11、シンボル表示G12がフレーム画像に重畳して表示されるため、商品コードを読み取ったバーコードや二酸化炭素排出量を読み取ったカーボンフットプリントをオペレータや顧客は容易に確認できる。
【0041】
次いで、CPU161は、POS端末11から商品登録の終了通知などによる業務終了の有無を判定する(S8)。業務を継続する場合(S8:NO)、CPU161は、S2へ処理を戻して処理を継続させる。業務を終了する場合(S8:YES)、撮像画像取込部1611は、撮像部164に撮像オフ信号を出力して撮像部164による撮像を終了し(S9)、処理を終了する。
【0042】
POS端末11では、上述した処理によって読み取られた商品コードに応じて商品の売上を登録するとともに、読み取られた二酸化炭素排出量に応じたポイントを付与する。付与されたポイントは、登録された商品の精算において、そのポイントに応じた値引や割引きとして利用されてもよいし、カード読取溝108などにより顧客が所持するポイントカードなどに記録してもよい。この場合は、別の精算時に顧客がそのポイントカードを提示することで、カード読取溝108などによりポイントカードに記録されたポイントを読み出し、そのポイントに応じた値引や割引きが行われることとなる。
【0043】
本実施形態の商品コード読取装置101で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態の商品コード読取装置101で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0044】
さらに、本実施形態の商品コード読取装置101で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の商品コード読取装置101で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0045】
本実施形態の商品コード読取装置101で実行されるプログラムは、上述した各部(撮像画像取込部1611、バーコード読取部1612、カーボンフットプリント読取部1613、情報出力部1614、表示部1615)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、撮像画像取込部1611、バーコード読取部1612、カーボンフットプリント読取部1613、情報出力部1614、表示部1615が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0046】
1 チェックアウトシステム
11 POS端末
61 CPU
101 商品コード読取装置
103 読取窓
104 表示・操作部
106 表示デバイス
109 顧客用表示デバイス
161 CPU
164 撮像部
1611 撮像画像取込部
1612 バーコード読取部
1613 カーボンフットプリント読取部
1614 情報出力部
1615 表示部
BC バーコード
A 商品
M カーボンフットプリント
F1 PLUファイル
F2 ポイント換算ファイル
R 読取領域
G1、G2、G3 表示領域
G11、G12 シンボル表示
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】
【特許文献1】特開2008−33640公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段、
取り込まれた前記画像に含まれる商品に添付されたコードシンボルを検出し、当該コードシンボルに対応したコード情報を読み取るコード読取手段、
取り込まれた前記画像に含まれる商品に添付されたカーボンフットプリントを検出し、当該カーボンフットプリントに記載された二酸化炭素排出量を読み取る排出量読取手段、
読み取った前記コード情報及び前記二酸化炭素排出量の少なくとも一方を読取情報として出力する出力手段を備える商品コード読取装置と、
出力された前記コード情報に応じて前記商品の売上を登録するとともに、出力された前記二酸化炭素排出量に応じたポイントを付与する売上登録装置と、
を有することを特徴とする店舗システム。
【請求項2】
前記二酸化炭素排出量を読み取った際の画像を表示する表示手段を更に備えること、
を特徴とする請求項1に記載の店舗システム。
【請求項3】
前記表示手段は、前記二酸化炭素排出量を読み取った際の画像とともに、前記二酸化炭素排出量に応じて発生するポイントを表示すること、
を特徴とする請求項2に記載の店舗システム。
【請求項4】
撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、
取り込まれた前記画像に含まれる商品に添付されたコードシンボルを検出し、当該コードシンボルに対応したコード情報を読み取るコード読取手段と、
取り込まれた前記画像に含まれる商品に添付されたカーボンフットプリントを検出し、当該カーボンフットプリントに記載された二酸化炭素排出量を読み取る排出量読取手段と、
読み取った前記コード情報及び前記二酸化炭素排出量の少なくとも一方を読取情報として出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする商品コード読取装置。
【請求項5】
前記二酸化炭素排出量を読み取った際の画像を、表示装置に出力する表示出力手段を更に備えること、
を特徴とする請求項4に記載の商品コード読取装置。
【請求項6】
前記二酸化炭素排出量に応じて発生するポイントを取得する取得手段を更に備え、
前記表示出力手段は、前記二酸化炭素排出量を読み取った際の画像とともに、取得した前記ポイントを出力すること、
を特徴とする請求項5に記載の商品コード読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−53712(P2012−53712A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196209(P2010−196209)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】