説明

廃プラスチック熱分解システム

【課題】 混在廃プラスチックの連続工程での熱分解処理に於いて、加熱した熱分解槽を冷却させることなく空気の侵入を防止して処理物の供給と残渣物の排出をバッチ連続的に処理することは可能か。
【解決手段】 熱分解槽の加熱を連続させた状態で空気を遮断する供給装置で処理物を供給し、熱分解終了後残渣物を槽底のバルブより空気を遮断して排出させ、更に加熱を連続させた状態で供給と排出を行ってバッチ連続的に熱分解させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
混在廃プラスチックを油化させる工程で処理物の供給と残渣物の排出の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
混在廃プラスチックを熱分解させる方法は処理物の連続供給と残渣物を好むタイミングでの排出が不可能であった。
現状は小型の熱分解装置でハッチを開放して処理物を収納し、改めて空気の侵入防止にハッチを閉めて熱分解処理が行われている。
【0003】
1バッチ完了又は追加供給又は残渣物の一部を取出しすることは不可能で1バッチ加熱1時間、1バッチ終了後も熱分解槽を開放して残渣物を取り出すことは不可能である。
【0004】
その不可能の原因は熱分解槽が高温になる作用で処理物が炭化し、高熱を帯びているため蓋等を解放すると外気と接触して燃焼が起きる。
この燃焼温度はおおよそ50℃以上で発生し、残留エネルギーを持つ未分解した油分が残っている時は発生ガスと空気中酸素の化合により爆発が起き、危険な理由で熱分解槽ごと冷却させる必要があった。
【0005】
冷却に必要な時間は平均して約5時間を要する。冷却時間の短時間は分解槽を構成する槽の板厚が薄かったり保温不足等があったりして熱分解後に大気中に放置させても4時間前後必要であった。
【0006】
処理物供給時間と冷却時間を加算すると数時間必要となり、せっかく分解槽が加熱により分解温度に達しながら冷却又は別のカートリッジに入れて加温させても大気温度より槽温を上昇させる必要があった。
【0007】
処理物の供給と残渣物の排出に必要な時間で連続して熱分解は可能かという疑問は解決させる事は困難であるが、それに準じた作業工程と時間短縮システムを開発した。
【特許文献1】 特開平9−263774 株式会社東芝
【非特許文献1】 カタログ乾熱滅菌装置 株式会社小池メディカル
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は処理物を連続して熱分解槽に送り込むことは可能か。廃プラの比重は小さく軽い。例えば1バッチ500kgを供給すると十数回供給口を開閉させる必要がある。
その度に廃プラと連れ合って空気が侵入するがその空気を阻止し、廃プラのみ供給を可能として空気を排除する必要がある。
【0009】
次に問題は分解槽の残渣物を排出させる必要があり、処理物供給前に槽内の残渣物を一掃して残らないように機能を果たし、熱分解槽内壁と廃プラの直接接触受熱を図って新旧廃プラの混合を防ぐ。
【0010】
処理物の先入れ先出し方法として先行バッチの熱分解が完了すると熱分解槽の残渣物排出後に新規の廃プラを供給させる。
目標温度達成時に全てを入れ替えて残留エネルギーの当配分を可能にするためには温度到達時に早い動きで残渣物を排出させる。
【0011】
残渣物の取り出し中に大気の逆流を防止して残渣物の温度を降下させる機能の冷却設備を設ける。
【0012】
熱分解を連続バッチで先に供給した物を先に出す必要がある。混在すると未分解物がポリマー状のものとすでに熱分解が完全終了した残渣物が混じり、同一の固形燃料を作ることが不可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の熱分解システムは想定温度に到達すると残渣物をまず排出し、排出終了でもって新たに処理物を供給する。
槽底バルブを閉めて混在廃プラ供給装置が連続して送り込むと熱分解温度より100℃未満程度の前記槽内温度のダウンとなる。
【0014】
熱分解槽内温度の低下は新規処理物に熱を奪われてのものだがこの温度損失は処理物温度の上昇によってすぐ回復する。
電磁誘導熱分解は自動でもって加熱させ、所要動力の変化とヘルツの変動でもって連続バッチの形態を続けることが可能である。
【発明の効果】
【0015】
熱分解槽は1基でもって処理物の廃プラの供給と熱分解済の残渣物を排出する工程の自動化が出来、処理には熱分解に必要なエネルギーで充分可能である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
熱分解槽上の廃プラスチック送り込み装置で処理物を送り込み、電磁誘導加熱で熱分解させた残渣物を排出して冷却させる。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明装置の1実施例の説明図で1〜3は熱分解槽装置内に撹拌機でもって廃プラを撹拌する。
廃プラ突き落し装置5で分解槽内に突き落とす。第一供給装置と第二供給装置で廃プラを供給しながら排気する。
熱分解ガスは段塔接続口より段塔に導入する。
【0018】
残渣物の排出は槽底バルブ8を開き、その下部に設けた残渣物冷却装置に受け止めて一時保管冷却をさせた後に移送する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】 廃プラスチック熱分解システムの実施方法を示した説明図である。(実施例1)
【符号の説明】
【0020】
1 熱分解機
2 電磁誘導加熱コイル
3 撹拌機
4 段塔接続口
5 廃プラ供給突き落し装置
6 第1供給装置
7 第2供給装置
8 槽底バルブ
9 残渣物冷却装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁誘導コイルを巻きつけた熱分解機に撹拌機と供給口と排ガス口と供給口を兼ねた排ガス口をサイクロンを介してガス冷却槽に接合し、熱分解機底部に排出口を備え、熱分解処理物を供給して熱分解終了後と共に残渣物を排出し、改めて処理物を供給する請求項1の供給排出システム。
【請求項2】
前記請求項1の供給排出方法は処理物目標設定温度で残渣物を全量又はほぼ排出し続けて処理物を供給するノコギリ状に制御させる請求項1と2の供給排出システム。

【図1】
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【公開番号】特開2013−87280(P2013−87280A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245952(P2011−245952)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(509301770)
【Fターム(参考)】