説明

廃棄物処理用真空焼却装置及び焼却装置の真空維持方法

本発明は、廃棄物処理用真空焼却装置及び焼却装置の真空維持方法に係り、特に、焼却炉で熱分解される廃棄物から発生する気体を強制的に吸入し続けることによって、焼却炉の真空を維持させ有害物質の発生を効果的に遮断することができる廃棄物処理用真空焼却装置及び焼却装置の真空維持方法に関する。本発明は、廃棄物処理の際に廃棄物から発生する気体を強制的に吸入する複数の真空調節タンクを順に作動して、廃棄物が熱分解処理される空間で完全な真空状態を持続的に維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物処理用真空焼却装置及び焼却装置の真空維持方法に係り、特に、焼却炉で熱分解される廃棄物から発生する気体を強制的に吸入し続けることによって、焼却炉の真空を維持させ有害物質の発生を効果的に遮断することができる廃棄物処理用真空焼却装置及び焼却装置の真空維持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な廃棄物処理処置は、耐火材で構成された焼却炉に各種の廃棄物を投入した後、廃棄物に直接熱を加えて焼却炉の内部にある廃棄物を焼却させて、焼却の際に発生したガスは、別途の集塵装置によって除去されるように構成している。
【0003】
ところが、廃棄物に直接火を加えて焼却させる直火方式(ストーカー方式)は、廃棄物の積載量や密度、焼却炉の大きさ、加熱温度及び水(水分)の含有など、多様な要因によって燃焼が充分に行われないため、煤やほこり、ダイオキシンなどのような公害物質を発生させて環境汚染に深刻な影響を与える問題がある。
【0004】
さらに、一般的な廃棄物処理処置における集塵装置は、汚染物質や有害物質の除去に完璧ではなく、また、フィルターなどを頻繁に入れ替る不便があって、入れ替えられたフィルターも多くの有害物質が捕獲されている状態であるので、これを別途に処理する面倒と、水(水分)を含む廃棄物を適正温度で焼却するために、過多な燃料使用によって焼却処理費用が非常に高い問題がある。
【0005】
図1は、従来の高温熱分解式焼却装置を示した構成図である。
図1に示したように、従来の高温熱分解式焼却装置は、廃棄物が投入されるホッパー(hopper)101、廃棄物の流入時、空気の流入を防いで内部に真空を形成する真空ポンプ102、廃棄物の移送時、廃棄物を同時に混合させるように、移送スクリューが装着される真空ミキサー器103、廃棄物を高温処理するために、バーナー104aを備えた熱分解室104、熱分解室から排出される排気ガスを燃焼して大気中に放出する燃焼室105を備える。
【0006】
このような従来の高温熱分解式焼却装置は、廃棄物が真空ミキサー器103に投入される時、廃棄物と共に投入される空気を真空ポンプ102で抜き出して真空ミキサー器103の内部を一部真空させてはいるが、熱分解室104で高温熱分解される廃棄物から発生する空気によって熱分解室104の内部が真空状態を維持するに困難があるため、一般的な直火方式による焼却装置のように、不完全燃焼によって発生するダイオキシンなどの環境汚染物質の問題がある。
また、このような従来の高温熱分解式焼却装置は、真空ポンプ102の作動によって真空ミキサー器103の内部の空気を外部に排出する時、排出される空気中に含まれている有害物質を処理する手段がないという問題もある。
【0007】
【特許文献1】特開2002−195527号公報
【特許文献2】韓国特許出願公開第10−2000−008029
【特許文献3】特開2001−62437号公報
【特許文献4】特開平7−313951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、廃棄物処理の際に発生する各種の有害物質(ダイオキシンなど)の生成が根本的に抑制できるように、廃棄物を完全な真空状態で間接加熱することによって熱分解される廃棄物処理用真空焼却装置及び焼却装置の真空維持方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、焼却炉で熱分解される廃棄物から発生する気体を強制的に吸入し続けることによって、廃棄物の処理完了時まで焼却炉の真空状態を持続的に維持する廃棄物処理用真空焼却装置及び焼却装置の真空維持方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前述したような目的を達成するために、廃棄物を熱分解する焼却炉と、前記焼却炉から排出される気体を燃焼する燃焼炉と、及び前記焼却炉で熱分解される廃棄物から発生する気体を強制的に吸入し続けることによって、前記焼却炉の真空を維持させる真空形成部とを含むことを特徴とする廃棄物処理用真空焼却装置を提供する。
【0011】
前記真空形成部は、前記焼却炉から排出される気体を吸入する複数の真空調節タンクと、及び前記複数の真空調節タンクに真空を形成させる真空ポンプを含み、前記複数の真空調節タンクは、予め決めた順に動作し、前記焼却炉の気体と前記真空調節タンクの真空を交換することによって、前記焼却炉で熱分解される廃棄物から発生する気体を強制的に吸入する。
【0012】
前記複数の真空調節タンクは、一つの真空調節タンクが焼却炉から排出される気体を吸入して圧力が予め決めた数値に到達すると、前記焼却炉との連結がオフ(OFF)されると同時に、他の一つの真空調節タンクと焼却炉の連結がオン(ON)され前記焼却炉で熱分解される廃棄物から発生する気体が持続的に吸入される。
【0013】
前記複数の真空調節タンクの内部に外部の空気を注入させる送風機をさらに含み、前記複数の真空調節タンクのうち、焼却炉から排出した気体が吸入されている真空調節タンクの圧力が予め決めた数値に到達すると、前記焼却炉からの気体流入を遮断した後、前記送風機を作動して前記吸入された気体を燃焼炉へと排出する。
前記真空ポンプの前段には、真空フィルターをさらに含む。
【0014】
本発明による真空焼却装置は、一端が前記焼却炉に連結され、他の一端が真空形成部に連結されて、前記焼却炉から排出される気体が前記真空形成部へと移送される前に、前記気体を冷却、貯蔵する気体冷却貯蔵装置をさらに含む。
【0015】
前記気体冷却貯蔵装置の圧力が予め決めた数値を超過する場合、前記気体を前記気体冷却貯蔵装置から前記燃焼炉へとそのまま排出するための圧力自動調節装置をさらに含む。
【0016】
前記燃焼炉の後段には、前記燃焼炉から排出された高熱の燃焼気体を通過させるヒーティング管を備えた流水貯蔵装置をさらに含み、前記気体冷却貯蔵装置及び前記真空フィルターから排出される流水を滅菌、蒸発処理する。
【0017】
また、本発明は、廃棄物が投入された焼却炉及び複数の真空調節タンクに初期の真空を形成する第1段階と、前記焼却炉を加熱する第2段階と、及び前記複数の真空調節タンクが前記焼却炉で熱分解される廃棄物から発生する気体を強制的に吸入し続けることによって、前記焼却炉の真空を維持する第3段階とを含むことを特徴とする廃棄物処理用真空焼却装置の真空維持方法を提供する。
【0018】
前記焼却炉の真空を維持する第3段階は、予め決めた順に前記複数の真空調節タンクが動作して、前記焼却炉の気体と前記真空調節タンクの真空を交換することによって、前記焼却炉で熱分解される廃棄物から発生する気体を強制的に吸入する。
【0019】
前記焼却炉の真空を維持する第3段階は、予め決めた一つの真空調節タンクが焼却炉から排出される気体を吸入する第4段階と、前記一つの真空調節タンクの圧力が予め決めた数値に到達すると、前記焼却炉との連結がオフ(OFF)されて、他の一つの真空調節タンクと焼却炉の連結がオン(ON)され連続的に前記焼却炉から排出される気体を吸入する第5段階と、前記焼却炉との連結がオフ(OFF)された前記一つの真空調節タンクの気体を排出した後、真空ポンプによって前記一つの真空調節タンクにさらに真空を形成する第6段階と、前記第5段階の他の一つの真空調節タンクの圧力が予め決めた数値に到達すると、前記焼却炉との連結がオフ(OFF)されて、前記第6段階でさらに真空が形成された前記一つの真空調節タンクと前記焼却炉の連結がオン(ON)され連続的に前記焼却炉から排出される気体を吸入する第7段階と、及び前記焼却炉との連結がオフ(OFF)された前記他の一つの真空調節タンクの気体を排出した後、真空ポンプによって前記他の一つの真空調節タンクにさらに真空を形成する第8段階とを含むことを特徴とする。
【0020】
前記焼却炉での廃棄物焼却が完了するまで、前記第5段階ないし第8段階を繰り返す第9段階をさらに含む。
以下、添付された図面を参照して、本発明の望ましい実施例による廃棄物処理用真空焼却装置の構成及び作用を詳しく説明する。
【発明の効果】
【0021】
本発明による廃棄物処理用真空焼却装置及び焼却装置の真空維持方法は、廃棄物処理の際に発生する各種の有害物質(感染性菌など)の生成が根本的に抑制できるように廃棄物を完全な真空状態で間接加熱することによって熱分解する。
【0022】
また、本発明は、廃棄物処理の際に廃棄物から発生する気体を強制的に吸入する複数の真空調節タンクを順に作動して、廃棄物が熱分解処理される空間で完全な真空状態を持続的に維持する。
【0023】
さらに、本発明は、廃棄物処理の際に発生される流水を燃焼炉の燃焼気体の熱エネルギーを利用して加熱、蒸発させ空気中に排出し、流水に関する悪臭除去及び滅菌が行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図2は、本発明の望ましい一実施例による真空焼却装置の構成図であって、図3は、本発明の望ましい一実施例による焼却炉の内部構成図であり、図4は、本発明の望ましい一実施例による気体冷却貯蔵装置の内部構成図であって、図5は、本発明の望ましい一実施例による燃焼炉の内部構成図である。
本発明の構成及び作用に関して詳しく説明する前に、以下、焼却炉で廃棄物の熱分解によって発生するのは、気体で定義して、焼却炉で廃棄物の熱分解によって発生するのではなく、外部から流入されるのは、空気で定義して説明する。
【0025】
図2に示したように、本発明の望ましい一実施例による廃棄物処理用真空焼却装置は、焼却炉210、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242、真空ポンプ250、燃焼炉260で構成される。
望ましくは、気体冷却貯蔵装置220、送風機290を含み、より望ましくは、圧力自動調節装置230、流水貯蔵装置270、冷却タンク
280をさらに含む。
【0026】
本発明による真空焼却装置の各構成要素の有機的な連結関係は、図2に示したように、バルブ(VないしV13)が装着された配管で連結されて、バルブ(VないしV13)は、望ましくは、システムの流れによって各々自動的に制御されるようにプログラミングした制御部(図示せず)を通じてON/OFFされる。
【0027】
この時、制御のための測定装置である温度計(図示せず)及び圧力測定器(図示せず)などを各々の構成要素に対して、該当する値を測定するように備えており、このような制御部(図示せず)の具体的な構成は、本発明による技術的思想に基づいて当業者が容易に具現することができるため、ここでの詳しい説明は、省略する。
【0028】
焼却炉210は、投入された廃棄物を高温の熱分解作用によって処理する、通常の構成で行われるため、本発明に適用される焼却炉210は、特定の構成に限られず、一般的で多様な構成が可能である。
【0029】
図3に示したように、廃棄物の投入のための開閉ドア211、内部が二重空間構造に区画された断熱部212、及び発熱部213を含み、発熱部213内に焼却筒214と電熱ヒーター215を備えた焼却炉210の一実施例において、発熱部213は、その上部側の中央に排出管216を形成して、排出管216は、図2に示したように、気体冷却貯蔵装置220に連結される。
【0030】
また、焼却炉210は、真空ポンプ250、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242の作動によって、焼却炉210の内部が真空状態になる密閉構造である。
さらに、焼却炉210は、内部に投入される廃棄物が熱分解できるように、発熱部213が200℃以上の高温で加熱される。
気体冷却貯蔵装置220は、廃棄物の熱分解によって生成された高温の気体を冷却、貯蔵する構造であって、図4に示したように、その内部には、焼却炉210から流入される高温気体(以下、焼却炉で発生して気体冷却貯蔵装置220に流入される高温の気体を高温気体と称する。)を冷却する手段として、複数の隔壁221が設置される。隔壁221の内部には、隔壁221の外部面に衝突する高温気体を冷却させる冷風または冷却水が流入される。
【0031】
また、気体冷却貯蔵装置220の一側には、焼却炉210から排出される高温の気体を流入する高温気体流入口222を形成して、他側には、高温気体流入口222と対向するように気体冷却貯蔵装置220の内部に流入して冷却されて、水分が分離された気体が第1及び第2真空調節タンクに移送される冷却気体排出口223を形成する。
さらに、気体冷却貯蔵装置220の底面の中央部には、気体冷却貯蔵装置220の内部に流入した高温の気体が冷却されることによって、分離された水分を排出する第1流水排出口224を形成する。
【0032】
この時、冷却気体排出口223は、図2に示したように、圧力自動調節装置230と共にバルブV及びバルブVが設置された配管によって第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242に連結されて、
第1流水排出口224は、バルブVが設置された配管によって、流水貯蔵装置270に連結される。
【0033】
圧力自動調節装置230は、気体冷却貯蔵装置220の内部に充電される気体の圧力が許容限界値を超過する非常の時、気体冷却貯蔵装置220から燃焼炉260にそのまま気体を送出する。また、圧力自動調節装置230は、気体冷却貯蔵装置220と燃焼炉260の間に位置して、一側は、気体冷却貯蔵装置220に連結され、他側は、燃焼炉260に連結される。
【0034】
このような圧力自動調節装置230は、気体冷却貯蔵装置220が焼却炉210から移送される高温気体を過度に充電して発生する事故の危険性が防げる。
【0035】
第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242は、内部に形成された真空の気圧の差によって気体冷却貯蔵装置220から冷却気体(以下、気体冷却貯蔵装置に冷却、貯蔵されて、以後、第1及び第2真空調節タンクに吸入される気体は、冷却気体と称する。)を吸入、貯蔵した後、これを燃焼炉260に供給することによって廃棄物焼却処理過程でも焼却炉の真空を持続的に維持する、本発明の廃棄物処理用真空焼却装置での要旨構成として、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242は、図2に示したように、その一側と他側に各々第1吸入管241a及び第2吸入管242aと、第1送出管241b及び第2送出管242bを形成した所定の大きさの密閉容器構造で形成する。
【0036】
このように構成された第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242の第1送出管241b及び第2送出管242bには、バルブVとバルブVが設置された配管によって、燃焼炉260と相互に連結されるように構成する。
【0037】
また、真空調節タンクは、本発明の説明において、二つの真空調節タンクを基準にしているが、望ましくは、最小二つ以上の複数を並列的に備えて相互に順に作動されるように構成する。
【0038】
真空ポンプ250は、焼却炉210と気体冷却貯蔵装置220及び第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242に真空を形成するため、真空ポンプ250は、図2に示したように、焼却炉210、気体冷却貯蔵装置220、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242と相互に連結される。真空ポンプ250は、従来の公知されたポンプを使用しており、ポンプの構成及び作用に対する詳しい説明は、省略する。
【0039】
この時、焼却炉210及び気体冷却貯蔵装置220と真空ポンプ250は、図2に示したように、バルブVとバルブVが設置された配管によって連結され、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242は、各々バルブVとバルブVが設置された配管によって連結される。
【0040】
また、真空ポンプ250の前段には、真空ポンプ250の内部に流入される空気を浄化して、空気に含まれている水分と異物をフィルタリングする真空フィルター251を備える。
【0041】
真空フィルター251の下部には、フィルタリングされた水分と異物を放出する第2流水排出口251aを備えて、第2流水排出口251aは、流水貯蔵装置270にバルブV10が設置された配管によって連結される。
【0042】
また、真空ポンプ250の真空吸気口252を通じて流入された空気は、真空排気口253を通じて放出され燃焼炉260へと移送されるように連結され、空気が燃焼炉260で燃焼される。
【0043】
従って、後述するように、真空ポンプ250を通じて排出される有害物質(感染性菌など)を含む空気は、燃焼炉260での燃焼によって除去され浄化される。
【0044】
燃焼炉260は、本発明の廃棄物処理用真空焼却装置で発生する有害物質(感染性菌など)を含む気体及び空気を第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242、圧力自動調節装置230、及び真空ポンプ250から供給を受けて燃焼処理して、気体及び空気に含まれた有害物質(感染性菌など)を除去する手段であって、図2に示したように、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242、圧力自動調節装置230、及び真空ポンプ250に連結される。
【0045】
また、燃焼炉260の燃焼炉放出口264は、流水貯蔵装置270に連結され燃焼炉260から放出される燃焼気体(以下、燃焼炉から燃焼され流水貯蔵装置に流入される気体は、燃焼気体と称する。)を流水貯蔵装置270の内部に移送できるように備える。
【0046】
図5に示したように、燃焼炉260は、その内部に燃焼炉発熱部261が燃焼炉電熱ヒーター262を備えて形成されて、有害物質(感染性菌など)を含む気体及び空気を燃焼炉260の内部に流入させて燃焼されるように、気体及び空気を流入、通過させて燃焼する回流燃焼管263を燃焼炉発熱部261の内部に備えて、回流燃焼管263の下側に開放された一端から吐出され燃焼路発熱部261の内部を回流、上昇した後、燃焼炉260の外部に放出させる燃焼炉放出口264を備える。
【0047】
また、燃焼炉発熱部261は、真空ポンプ250の駆動によって排出される有害物質(感染性菌など)を含む空気を燃焼するために、300℃または400℃以上に発熱されるように備えて、気体冷却貯蔵装置220及び圧力自動調節装置230から移送される冷却気体を燃焼するためには、850℃以上に発熱されるように備える。
【0048】
さらに、燃焼炉260の下部の中央部には、燃焼炉260の内部で気体の燃焼の際に発生する異物(粉じんなど)を放出する粉じん放出口265が、バルブV11が設置された配管に連結され、バルブV11のオン/オフによって粉じんなどを放出するように備える。
【0049】
本発明による真空焼却装置は、以上の望ましい一実施例の燃焼炉260構造以外に、多様な燃焼炉260構造を適用することができる。
【0050】
流水貯蔵装置270は、図2に示したように、ヒーティング管273が内設された所定の大きさの密閉容器で形成されて、気体冷却貯蔵装置220、真空フィルター251、燃焼炉260、及び冷却タンク280に連結される。ヒーティング管273は、燃焼炉260で放出される高温の燃焼気体を通過させて加熱される方式である。
【0051】
このような流水貯蔵装置270は、気体冷却貯蔵装置220及び真空フィルター251の第1流水排出口224及び第2流水排出口251aから排出される水分と異物質の供給を受けて、これをヒーティング管273の高温によって滅菌処理した後、蒸発させて外部に排出する手段である。
【0052】
冷却タンク280は、燃焼炉で燃焼された燃焼気体と、流水貯蔵装置270から排出される高温の排出物質(水蒸気)を低温で冷却処理した後、これを放出するように備える。
【0053】
送風機290は、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242の内部に充電された冷却気体を強制的に燃焼炉260に送出するために外部空気を注入して、バルブV12とバルブV13が設置された配管によって第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242に連結されるように備えている。
【0054】
また、前記送風機290は、前記廃棄物処理用真空焼却装置の第1サイクル進行後、高温の焼却炉210に外部の空気を吹き込んで低温で焼却炉210を冷却させて、焼却炉210に連結され外部の空気を移送する。これによって、新しい廃棄物を積載する使用者を保護する。
【0055】
前述したような本発明による廃棄物処理用真空焼却装置の各々の構成要素の相互の結合によって一連の装置を構成するにおいて、焼却炉210と気体冷却貯蔵装置220を連結させて、燃焼炉260と流水貯蔵装置270、及び冷却タンク280を、図2に示したように、相互に有機的に連結させる。
【0056】
ここまで構成された装置に、一側は、気体冷却貯蔵装置220に連結され、他側は、燃焼炉260に連結される第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242を備えて、焼却炉210、気体冷却貯蔵装置220、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242の内部を真空状態で維持する真空ポンプ250を配管によって、図2に示したように、連結して、本発明による廃棄物処理用真空焼却装置を具現する。
【0057】
図6は、本発明の望ましい一実施例による焼却炉、気体冷却貯蔵装置、及び真空調節タンクの内部の真空段階の処理状態図である。
図6は、初期の真空形成の過程であって、焼却炉210、気体冷却貯蔵装置220、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242が配管を通じて真空フィルター251を経て真空ポンプ250に連結され、本発明の焼却装置に備えたバルブのうちのバルブV、バルブV、バルブV、及びバルブVは開けて、残りのバルブは、閉めた状態で真空ポンプ250を駆動して、焼却炉210、気体冷却貯蔵装置220、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242を真空状態で形成する。
【0058】
この時、熱分解を始める前に、焼却炉210に廃棄物(図示せず)を積載する時、廃棄物と共に投入され有害物質(感染性菌など)を含む空気は、真空ポンプのポンピングによって真空ポンプ250に吸入された後、燃焼炉260に移送され燃焼炉260の内部での燃焼を通じて有害物質(感染性菌など)を除去するため、真空ポンプ250によるポンピングがある前に、燃焼炉260は、有害物質(感染性菌など)を含む空気を燃焼させる所定の高温(300℃または400℃以上)を予め形成するように作動される。
従って、焼却炉の初期の真空形成の際に、真空ポンプ250に吸入され排出される有害物質(感染性菌など)を含む空気は、燃焼炉260を通過するによって有害物質(感染性菌など)が浄化され除去された空気の形態で排出されて、浄化された空気は、流水貯蔵装置270のヒーティング管273を経て冷却タンク280を通じて冷却された後、外部に放出される。
【0059】
前述したように、焼却炉210、気体冷却貯蔵装置220、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242は、初期の真空が形成された、バルブV、バルブV、バルブV、及びバルブVを閉めて、形成された初期の真空を維持させる。
【0060】
図7は、本発明の望ましい一実施例による気体冷却貯蔵装置と第1真空調節タンクの間の真空と気体交換を示した処理状態図であって、図8は、本発明の望ましい一実施例による気体冷却貯蔵装置と第2真空調節タンクの間の真空と気体交換を示した処理状態図である。
図7に示したように、焼却炉210で廃棄物の熱分解によって発生され気体冷却貯蔵装置220の内部に貯蔵される高温気体を第1真空調節タンク241が吸入する過程は、焼却炉210、気体冷却貯蔵装置220、及び第1真空調節タンク241が配管を通じて連結されて、本発明の焼却装置に備えたバルブのうちのバルブVを開けて該当の配管を開通する。
【0061】
バルブVの開閉に関わらず、焼却炉210で廃棄物の熱分解によって発生する高温気体は、焼却炉210の排出管216を通じて排出されて、気体冷却貯蔵装置220の高温気体流入口222に流入され気体冷却貯蔵装置220の内部に貯蔵され冷却される。
【0062】
この時、初期に真空が形成された第1真空調節タンク241は、第1吸入管241aを通じて気体冷却貯蔵装置220の冷却気体排出口223に連結されて、これには、バルブVが装着される。従って、バルブVが開くと、第1真空調節タンク24と気体冷却貯蔵装置220の気圧の差によって、気体冷却貯蔵装置220に貯蔵された冷却気体が第1真空調節タンク241に強制的に吸入される。
【0063】
第1真空調節タンク241の吸入以後、第2真空調節タンク242も冷却気体を吸入するため、図8に示したように、焼却炉210、気体冷却貯蔵装置220、及び第2真空調節タンク242が配管を通じて連結され、本発明の装置に備えたバルブのうち、バルブVを開けて該当の配管を開通する。
【0064】
焼却炉210で発生する高温気体は、バルブVの開閉にも関わらず、焼却炉210の排出管216から気体冷却貯蔵装置220の高温気体流入口222に持続的に流入され、冷却、貯蔵される。
【0065】
この時、真空が形成された第2真空調節タンク242は、第2吸入管242aを通じて気体冷却貯蔵装置220の冷却気体排出口223に連結されて、これには、バルブVが装着される。従って、バルブVが開くと、第2真空調節タンク242と気体冷却貯蔵装置220の気圧の差によって、気体冷却貯蔵装置220に貯蔵された冷却気体が第2真空調節タンク242に強制的に吸入される。
【0066】
従って、このような第1真空調節タンク241と第2真空調節タンク242の順次的な吸入は、焼却炉210の真空状態を廃棄物の熱分解過程でも持続的に維持するため、焼却炉210で発生する高温気体が気体冷却貯蔵装置220に冷却、貯蔵されて、貯蔵された冷却気体は、第1及び第2真空調節タンクが順に駆動して冷却気体を吸入する。
【0067】
このような第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242の並列的な吸入は、順に行われて、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242のうちの一つの真空調節タンクが冷却気体を予め決めた圧力まで吸入(以下、真空調節タンクが冷却気体を予め決めた圧力まで吸入することを満充と称する。)すると、冷却気体の吸入を遮断すると同時に、また他の一つの真空調節タンクは、冷却気体を連続的に吸入し始める。
この時、真空調節タンクは、二つ以上の複数で追加構成することによって、さらに効果的に気体を吸入することができる。
【0068】
図9は、本発明の望ましい一実施例による第1真空調節タンクから排出される気体の処理状態図である。
第1真空調節タンク241が冷却気体を吸入して第1真空調節タンク241が冷却気体で満充すると、第1真空調節タンク241は、冷却気体の吸入を遮断する。この時、第2真空調節タンク242は、冷却気体を連続的に吸入して、冷却気体が満充された第1真空調節タンク241は、満充された冷却気体を燃焼炉260に移送する。
【0069】
図9に示したように、送風機290、第1真空調節タンク241、及び燃焼炉260が配管を通じて連結されて、本発明の装置に備えたバルブのうちのバルブV及びバルブV12を開けて該当の配管を開通すると、開通した配管を通じて第1真空調節タンク241で満充された冷却気体は、送風機290の外部の空気を注入することによって、第1真空調節タンク241の内部から強制的に排出された後、燃焼炉260の燃焼炉流入管263を通じて燃焼炉260に流入される。
【0070】
このように、第1真空調節タンク241の内部に満充された冷却気体を燃焼炉260に強制的に移送して第1真空調節タンクを空ける過程は、第2真空調節タンクが連続的に冷却気体を吸入する間に行われる。
また、燃焼炉260に移送された冷却気体は、燃焼炉260の内部で高温で燃焼され有害物質(感染性菌など)を除去して、燃焼炉260の燃焼炉放出口264を通じて流水貯蔵装置270のヒーティング管273へと燃焼気体を放出して、このような燃焼気体は、ヒーティング管273を通過して冷却タンク280を経て外部に放出される。
【0071】
このような第1真空調節タンク241から燃焼炉260までの冷却気体の送出過程は、第1真空調節タンク241と順に駆動する第2真空調節タンク242でも同じく行われる過程である。
【0072】
図10は、本発明の望ましい一実施例による第1真空調節タンクの内部の真空段階の処理状態図である。
第1真空調節タンク241の内部に満充された冷却気体を燃焼炉260に強制的に移送して第1真空調節タンク241の内部が空くと、さらに吸入過程を行うための準備過程として第1真空調節タンクは、さらに真空を形成する。
【0073】
図10に示したように、第1真空調節タンク241、真空フィルター251、及び真空ポンプ250が配管を通じて連結されて、本発明の装置に備えたバルブのうちのバルブVとバルブVを開けて、該当の配管を開通すると、開通された配管を通じて真空ポンプ250の駆動の時、第1真空調節タンク241の内部がさらに真空を形成する。
【0074】
この時、第1真空調節タンク241から吸入され真空ポンプ250の真空吸気口252に吸入された空気は、さらに真空排気口253を通じて排出されて、燃焼炉260の燃焼炉流入管263に流入され燃焼炉260を通じて燃焼された後、流水貯蔵装置270のヒーティング管273を通過して冷却タンク280を通じて外部に放出されて、第1真空調節タンク241に微細に残存して、以後、真空ポンプ250に吸入される有害物質(感染性菌など)を含む空気は、燃焼炉260での燃焼を通じて有害物質(感染性菌など)が除去された後、放出される。
このような第1真空調節タンク241にさらに真空を形成する過程は、第1真空調節タンク241と順に駆動する第2真空調節タンク242でも同一に行われる過程である。
【0075】
従って、前述した第1真空調節タンク241に関する吸気、送出、及びさらに真空を形成する過程は、第2真空調節タンク242に関しても第1真空調節タンク241と同一な過程を順に行うことであって、第1真空調節タンク241が冷却気体を吸入する時、第2真空調節タンク242は、真空を維持しながら吸入を待機して、第1真空調節タンク241に冷却気体が満充されると、第1真空調節タンク241には吸入を遮断して、第2真空調節タンク242が冷却気体を連続的に吸入し始めた後、第1真空調節タンク241の満充された冷却気体は、送風機290の外部の空気を注入することによって排出され、第1真空調節タンク241は、さらに真空を形成する。このような過程を第1真空調節タンク241と第2真空調節タンク242が交互に行われて、焼却炉210で発生して気体冷却貯蔵装置220に冷却、貯蔵される冷却気体は、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242によって連続的に吸気、送出され除去される。
【0076】
図11は、本発明の望ましい一実施例による流水の処理を示した処理状態図である。
気体冷却貯蔵装置220及び真空フィルター251を通過する気体で発生する水分は、流水貯蔵装置270を経て処理され放出される。
図11に示したように、気体冷却貯蔵装置220、真空フィルター251、流水貯蔵装置270、及び冷却タンク280が配管を通じて連結されて、本発明の装置に備えたバルブのうちのバルブV及びバルブV10を開けて該当の配管を開通すると、開通された配管を通じて気体冷却貯蔵装置220及び真空フィルター251の下部に溜まった水分が第1流水排出口224及び第2流水排出口251aを通じて排出されて、流水貯蔵装置270の流水流入管271を通じて内部に流入される。
【0077】
この時、流水貯蔵装置270は、燃焼炉260から移送される高温の燃焼気体がヒーティング管273を通過しながらヒーティング管273を高温で温めて、その熱で流水貯蔵装置270の内部の高温を維持することによって、気体冷却貯蔵装置220及び真空フィルター251から流入された流水を滅菌及び蒸発させることができる。
【0078】
ここで、蒸発された流水は、冷却タンク280で冷却され、図11に示したように、浄化気体放出口282を通じて空気中に放出されたり、浄化流水放出口283を通じて冷却凝結された流水が流されたりする。
【0079】
図12は、本発明の望ましい一実施例による真空焼却方法のフローチャートである。
第1及び第2真空調節タンクの順次的な駆動による本発明の望ましい一実施例による廃棄物処理用真空焼却装置の真空維持方法を、図2ないし図12を参考して説明する。
【0080】
廃棄物処理のために、焼却炉210に廃棄物を投入する(S301)。
S301段階は、廃棄物が投入された焼却筒214を焼却炉210の発熱部213内に投入させた後、開閉ドア211を閉めて焼却炉210内の発熱部213を完全密閉させる段階である。
燃焼炉260を加熱する(S302)。
S302段階は、廃棄物が投入された焼却炉210に真空を形成するため、真空ポンプ250が焼却炉210の内部の有害物質(感染性菌など)を含む空気を吸入して排出する時、空気から有害物質(感染性菌など)を高温で燃焼して除去できるように、燃焼炉260を予め加熱する段階である。
【0081】
従って、燃焼炉260は、後述する段階で真空ポンプ250がポンピングによって焼却炉210、気体冷却貯蔵装置220、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242の内部の空気を吸入して外部に放出する以前に加熱され排出される有害物質(感染性菌など)を含む空気が加熱された燃焼炉260で完全燃焼された後、放出される。加熱された燃焼炉の内部の温度は、有害物質(感染性菌など)を含む空気を完全燃焼して有害物質(感染性菌など)が除去される300℃または400℃以上が適正であって、このような温度を安定的に維持するのが望ましい。
【0082】
このような温度で加熱された燃焼炉260は、追後、焼却炉210の熱分解による発生気体の完全燃焼のために、850℃以上でさらに加熱される。
その後、焼却炉210と気体冷却貯蔵装置220と第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242に初期の真空を形成する(S303)。
S303段階は、図6に示したように、初期の真空形成の過程で、焼却炉210、気体冷却貯蔵装置220、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242が配管を通じて真空フィルター251を経て真空ポンプ250に連結されて、本発明の装置に備えたバルブ全てが閉まった状態でバルブV、バルブV、バルブV、及びバルブVを開けて開通した後、真空ポンプ250が駆動されると、焼却炉210、気体冷却貯蔵装置220、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242は、真空状態になる。
【0083】
このような作用によって、初期の真空が完了されると、バルブV、バルブV、バルブV、及びバルブVを閉めて、その真空状態を維持させる。
この時、焼却炉210の真空完了状態が通常の真空計測器によって確認できて、これは一般的な構成であるため、その具体的な説明は、省略する。
【0084】
その後、焼却炉210を加熱する(S304)。
S304段階は、S301段階で投入された廃棄物に対して真空熱分解処理を行う段階であって、望ましくは、廃棄物が熱分解される200℃以上の温度に合わせる。
【0085】
その後、第1真空調節タンクが冷却気体を吸入して、第2真空調節タンクは、真空状態を維持する(S305)。
S305段階は、S303段階で初期の真空が形成された後、バルブV、バルブV、バルブV、及びバルブVは閉めて真空状態を維持させた後、バルブVを開けて気体冷却貯蔵装置220と第1真空調節タンク241を連結させる。
【0086】
従って、初期の真空状態になると、第1真空調節タンク241の真空と気体冷却貯蔵装置220の内部に貯蔵された冷却気体は、気圧の差によって相互に交換されて、気体冷却貯蔵装置220から冷却気体が第1真空調節タンク241に自動移送される。
【0087】
その後、第1真空調節タンクが満充されると同時に、第2真空調節タンクが冷却気体を吸入する(S306)。
S306段階は、焼却炉210の熱分解によって発生する高温気体が気体冷却貯蔵装置220を通過して持続的に真空調節タンクに吸入されるために、第1及び第2真空調節タンクが順に吸入過程を行って、第1真空調節タンクが満充されこれ以上吸入を行わなくなると、バルブVは閉めて、バルブVは開けて、第1真空調節タンク241は、これ以上吸入せず、第2真空調節タンク242が連続的に吸入を行う。
【0088】
その後、第1真空調節タンクが満充された冷却気体を送出して、第2真空調節タンクは、持続的に冷却気体を吸入する(S307)。
S307段階は、第1真空調節タンクで満充された冷却気体を浄化させて外部に放出するために、満充された冷却気体を燃焼炉260に移送して完全燃焼させて、第1真空調節タンク241から燃焼炉260に冷却気体を強制的に移送するために、バルブVとバルブV12を開けて送風機290を駆動して外部の空気を第1真空調節タンク241の内部に注入する。この時、バルブVは、開いた状態を維持し続けて、第2真空調節タンク242は、冷却気体を吸入し続ける。
【0089】
従って、外部の空気を注入することによって、第1真空調節タンク241の内部に満充された冷却気体は、第1送出管241bを通過して強制的に排出される。
また、前記焼却炉210の熱分解によって発生した高温気体(ガス及び水分)は、気体冷却貯蔵装置220で冷却されるとしても、完全に冷却された気体ではないので、真空ポンプ250によって真空ポンプ250の内部に吸入されると、真空ポンプが損傷されることがある。従って、送風機290を通じて外部の空気を第1真空調節タンク241に注入して冷却及び掃除を行い、これによって、高温気体の流入による真空ポンプ250の故障発生の可能性が完全に防げる。
【0090】
その後、第1真空調節タンクがさらに真空を形成して、第2真空調節タンクは、持続的に吸入する(S308)。
S308段階は、第1真空調節タンク241に満充されていた冷却気体が完全に燃焼炉260に送出されると、第1真空調節タンクは、さらに吸入する過程のための準備段階でさらに真空を形成して、バルブV及びバルブV12を閉めて、バルブVとバルブVを開けて真空ポンプ250と第1真空調節タンク241を連結させる。この時、バルブVは、開けられた状態を維持し続けて、第2真空調節タンク242は、冷却気体を吸入し続ける。
【0091】
真空ポンプ250と第1真空調節タンク241が連結された状態で真空ポンプ250を駆動させると、第1真空調節タンク241には、さらに真空が形成され、第2真空調節タンク242が満充される時、順にさらに吸入する過程を行う。
この時、真空ポンプ250でポンピングされる時、第1真空調節タンクに溜まっている空気が真空ポンプ250に吸入される過程で、真空フィルター251によって濾された水分及び不純物は、真空フィルター251の第2流水排出口251aを通じて流水貯蔵装置270に移送され処理されて、外部に放出される。
【0092】
その後、第2真空調節タンクが満充されると同時に、第1真空調節タンクが冷却気体を連続的に吸入する(S309)。
S309段階は、焼却炉210の熱分解によって発生する高温気体が気体冷却貯蔵装置220を通過して真空調節タンクに持続的に吸入させるために、第2及び第1真空調節タンクが順に吸入過程を行って、第2真空調節タンクが満充されこれ以上吸入を行わなくなると、バルブVは閉めて、バルブVは開けて、第2真空調節タンク241は、これ以上吸入せず、第1真空調節タンク242が連続的に吸入を行う。
【0093】
その後、第2真空調節タンクに満充された冷却気体を送出して、第1真空調節タンクは、持続的に冷却気体を吸入する(S310)。
S310段階は、第2真空調節タンクで満充された冷却気体を浄化させて外部に放出するために、満充された冷却気体を燃焼炉260に移送して完全燃焼させて、第2真空調節タンク242から燃焼炉260に冷却気体を強制的に移送するために、バルブVとバルブV13を開けて送風機290を駆動して外部の空気を第2真空調節タンク241の内部に注入する。この時、バルブVは、開いた状態を維持し続けて、第1真空調節タンク242は、冷却気体を吸入し続ける。
【0094】
従って、外部の空気が注入されることによって、第2真空調節タンク241の内部で満充された冷却気体は、第2送出管242bを通過して強制的に排出される。
また、S307段階において、焼却炉210の熱分解によって発生した高温気体(ガス及び水分)は、気体冷却貯蔵装置220で冷却されるとしても、完全に冷却された気体ではないので、真空ポンプ250に吸入されると、真空ポンプが損傷される。従って、送風機290を通じて外部の空気を第2真空調節タンク242に注入して冷却及び掃除を行い、これによって、高温気体の流入による真空ポンプ250の故障発生の可能性が完全に防げる。
【0095】
その後、焼却炉210で廃棄物に対する熱分解がされ続けている場合、S305段階に戻って、熱分解が完了した場合、次の段階に進行する(S311)。
S311段階で廃棄物に対する熱分解がされ続けていると判断されS305段階に戻る場合、すなわち、S309段階、S310段階及びその次に行われるS305段階は、S306段階ないしS308段階を第1真空調節タンク241と第2真空調節タンク242が交互に作動して循環している。
【0096】
ところが、S311段階で焼却炉210の熱分解が完了したと判断される時は、気体冷却貯蔵装置220及び真空フィルター251から濾された流水を放出する(S312)。
S312段階は、気体冷却貯蔵装置220及び真空フィルター251を通過する気体及び空気から濾された水分及び不純物を流水貯蔵装置270の内部に移送して浄化した後、外部に放出するために、バルブV及びバルブV10を開けて気体冷却貯蔵装置220及び真空フィルター251の下部に濾され集水されている流水を流水貯蔵装置270の流水流入管271を通じて流水貯蔵装置270に移送して、流水貯蔵装置270は、燃焼炉260から放出される燃焼気体の高温でヒーティング管273が加熱され流水貯蔵装置270の内部に流入された流水を蒸発及び滅菌処理して冷却タンク280に移送して、冷却タンク280では、冷却された気体及び流水で処理され外部に放出される。
【0097】
その後、焼却炉210を冷却させる(S313)。
S313段階は、使用者が本発明の廃棄物処理用真空焼却装置の第1サイクルを行った後、高温の焼却炉210に送風機290を利用して外部の空気を注入して、焼却炉210を低温で冷却させて、新しい廃棄物を積載するために、焼却炉210を扱う使用者が高温の焼却炉210から保護されるように、バルブV、バルブV12、及びバルブV13を開けて送風機290によって焼却炉210で外部の空気を注入して、冷却させる。
【0098】
このような一連の過程に追加して、焼却炉210で廃棄物の熱分解作用によって発生された気体が気体冷却貯蔵装置220に冷却、貯蔵された後、第1真空調節タンク241及び第2真空調節タンク242が正常に作動されず、気体冷却貯蔵装置220及び気体冷却貯蔵装置220に連結された真空調節タンク241、242の圧力が基準値を超過する非常の状況の場合、圧力自動調節装置230が作動して気体冷却貯蔵装置220と燃焼炉260の連結がオン(ON)されることによって、圧力が自動調節され不意の事故の発生が防げる。
このような一連の全ての過程を経て第1サイクルが行われると、1度積載された廃棄物に関する完全真空熱分解処理が完了される。
【0099】
以上、本発明による詳しい説明では、具体的な実施例に関して説明しているが、本発明の趣旨に反しない限度内で、本発明が属する技術分野で通常の知識がある者によって多様に変更することができて、このような変化と変形が本発明に属するのは、添付された特許請求の範囲によって分かる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】従来の高温熱分解式焼却装置を示した全体構成図である。
【図2】本発明の望ましい一実施例による真空焼却装置の構成図である。
【図3】本発明の望ましい一実施例による焼却炉の内部構成図である。
【図4】本発明の望ましい一実施例による気体冷却貯蔵装置の内部構成図である。
【図5】本発明の望ましい一実施例による燃焼炉の内部構成図である。
【図6】本発明の望ましい一実施例による焼却炉と気体冷却貯蔵装置と第1及び第2真空調節タンクの内部の真空段階の処理状態図である。
【図7】本発明の望ましい一実施例による気体冷却貯蔵装置と第1真空調節タンク間の真空と気体交換を示した処理状態図である。
【図8】本発明の望ましい一実施例による気体冷却貯蔵装置と第2真空調節タンク間の真空と気体交換を示した処理状態図である。
【図9】本発明の望ましい一実施例による第1真空調節タンクから排出される気体の処理状態図である。
【図10】本発明の望ましい一実施例による第1真空調節タンクの内部の真空段階の処理状態図である。
【図11】本発明の望ましい一実施例による流水の処理を示した処理状態図である。
【図12】本発明の望ましい一実施例による廃棄物処理用真空焼却装置の処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
210:焼却炉
220:気体冷却貯蔵装置
230:圧力自動調節装置
241:第1真空調節タンク
242:第2真空調節タンク
250:真空ポンプ
251:真空フィルター
260:燃焼炉
270:流水貯蔵装置
273:ヒーティング管
280:冷却タンク
290:送風機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物処理用真空焼却装置において、
廃棄物を熱分解する焼却炉と;
前記焼却炉から排出される気体を燃焼する燃焼炉と、及び
前記焼却炉を真空状態にする真空形成部を含み、
前記真空形成部は、前記焼却炉で熱分解される廃棄物から発生する気体を強制的に吸入し続けることによって、前記焼却炉の真空を維持する
ことを特徴とする廃棄物処理用真空焼却装置。
【請求項2】
前記真空形成部は、前記焼却炉から排出される気体を吸入する複数の真空調節タンクと、及び前記複数の真空調節タンクに真空を形成させる真空ポンプを含み、
前記複数の真空調節タンクは、予め決められた順に動作し、前記焼却炉の気体と前記真空調節タンクの真空を交換することによって、前記焼却炉で熱分解される廃棄物から発生する気体を強制的に吸入する
ことを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理用真空焼却装置。
【請求項3】
前記複数の真空調節タンクは、一つの真空調節タンクが焼却炉から排出される気体を吸入して圧力が予め決められた数値に到達すると、前記焼却炉との連結がオフ(OFF)されると同時に、他の一つの真空調節タンクと焼却炉の連結がオン(ON)されて前記焼却炉で熱分解される廃棄物から発生する気体が持続的に吸入される
ことを特徴とする請求項2に記載の廃棄物処理用真空焼却装置。
【請求項4】
前記複数の真空調節タンクの内部に外部の空気を注入させる送風機をさらに含み、前記複数の真空調節タンクのうち、焼却炉から排出された気体が吸入されている真空調節タンクの圧力が予め決めた数値に到達すると、前記焼却炉からの気体流入を遮断した後、前記送風機を作動して前記吸入された気体を燃焼炉へと排出する
ことを特徴とする請求項3に記載の廃棄物処理用真空焼却装置。
【請求項5】
前記真空ポンプの前段には、真空フィルターをさらに含む
ことを特徴とする請求項3に記載の廃棄物処理用真空焼却装置。
【請求項6】
一端が前記焼却炉に連結され、他の一端が真空形成部に連結されて、前記焼却炉から排出される気体が前記真空形成部へと移送される前に、前記気体を冷却、貯蔵する気体冷却貯蔵装置をさらに含む
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の廃棄物処理用真空焼却装置。
【請求項7】
前記気体冷却貯蔵装置の圧力が予め決めた数値を超過する場合、前記気体を前記気体冷却貯蔵装置から前記燃焼炉へとそのまま排出するための圧力自動調節装置をさらに含む
ことを特徴とする請求項6に記載の廃棄物処理用真空焼却装置。
【請求項8】
前記燃焼炉の後段には、前記燃焼炉から排出された高熱の燃焼気体を通過させるヒーティング管を備えた流水貯蔵装置をさらに含み、前記気体冷却貯蔵装置及び前記真空フィルターから排出される流水を滅菌、蒸発処理する
ことを特徴とする請求項6に記載の廃棄物処理用真空焼却装置。
【請求項9】
廃棄物処理用真空焼却装置の真空維持方法において、
廃棄物が投入された焼却炉及び複数の真空調節タンクに初期の真空を形成する第1段階と;
前記焼却炉を加熱する第2段階と;及び
前記複数の真空調節タンクが前記焼却炉で熱分解される廃棄物から発生する気体を強制的に吸入し続けることによって、前記焼却炉の真空を維持する第3段階とを含む
ことを特徴とする廃棄物処理用真空焼却装置の真空維持方法。
【請求項10】
前記焼却炉の真空を維持する第3段階は、予め決められた順に前記複数の真空調節タンクが動作して、前記焼却炉の気体と前記真空調節タンクの真空を交換することによって、前記焼却炉で熱分解される廃棄物から発生する気体を強制的に吸入する
ことを特徴とする請求項9に記載の廃棄物処理用真空焼却装置の真空維持方法。
【請求項11】
前記焼却炉の真空を維持する第3段階は、予め決めた一つの真空調節タンクが焼却炉から排出される気体を吸入する第4段階と;
前記一つの真空調節タンクの圧力が予め決めた数値に到達すると、前記焼却炉との連結がオフ(OFF)されて、他の一つの真空調節タンクと焼却炉の連結がオン(ON)され連続的に前記焼却炉から排出される気体を吸入する第5段階と;
前記焼却炉との連結がオフ(OFF)された前記一つの真空調節タンクの気体を排出した後、真空ポンプによって前記一つの真空調節タンクにさらに真空を形成する第6段階と;
前記第5段階の他の一つの真空調節タンクの圧力が予め決めた数値に到達すると、前記焼却炉との連結がオフ(OFF)されて、前記第6段階でさらに真空が形成された前記一つの真空調節タンクと前記焼却炉の連結がオン(ON)され連続的に前記焼却炉から排出される気体を吸入する第7段階と;及び
前記焼却炉との連結がオフ(OFF)された前記他の一つの真空調節タンクの気体を排出した後、真空ポンプによって前記他の一つの真空調節タンクにさらに真空を形成する第8段階とを含む
ことを特徴とする請求項10に記載の廃棄物処理用真空焼却装置の真空維持方法。
【請求項12】
前記焼却炉での廃棄物焼却が完了するまで、前記第5段階乃至第8段階を繰り返す第9段階をさらに含む
ことを特徴とする請求項11に記載の廃棄物処理用真空焼却装置の真空維持方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−545115(P2008−545115A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519184(P2008−519184)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【国際出願番号】PCT/KR2006/002585
【国際公開番号】WO2007/004834
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(508137154)メデックスピア カンパニーリミテッド (2)
【Fターム(参考)】