説明

廃棄物投入装置および廃棄物地下収納庫

【課題】臭気の放出を防止できる。
【解決手段】投入口41の対向辺部に観音開き状に開閉自在な一対の第1上蓋43および第1上蓋43を開閉駆動する第1開閉駆動装置44と、第1上蓋43の下部にスライドされて投入口を開閉自在な第2上蓋51および第2上蓋51を開閉駆動する第2開閉駆動装置52と、開閉制御装置とを具備し、開閉制御装置により第1開閉駆動装置44と第2開閉駆動装置52とを操作して、廃棄物の投入開始操作時に、第2上蓋51の投入口閉鎖完了を、第1上蓋43の投入口開放完了より早くし、廃棄物の投入終了操作時に、第2上蓋51の投入口開放完了を、第1上蓋43の投入口閉鎖完了より早くした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物投入装置およびこの廃棄物投入装置を有する廃棄物地下収納庫に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、特許文献1で、地下ピット内にごみ箱を昇降自在に配置し、シリンダによりごみ箱を地上まで上昇させてごみの搬出ができる地下収納型のゴミ箱を提案した。特許文献1では、ごみ箱にごみを投入する複数のシュートが立設されており、これらシュートに着脱自在な蓋が設けられて、臭気の放出を防いでいる。
【特許文献1】特開2005−324957
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記構成では、ごみを投入する時に収納容器内と外部とがシュートの空間部を介して連通され、使用時にごみ箱の臭気が漏れて悪臭が問題となりやすい。またシュートの下方にゴミが山積みになって、収納容器内全体にわたって廃棄物が収容できず、デッドスペースが生じやすいという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題点を解決して、臭気の放出を防止できるとともに、廃棄物が収容できないデッドスペースが生じにくい廃棄物投入装置およびこの廃棄物投入装置を有する廃棄物地下収納庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、仕切り板の下方に廃棄物を投下する廃棄物投入装置であって、仕切り板に形成された投入口と、投入口の互いに対向する辺部に回動自在に支持されて、観音開き状に投入口を開閉自在な一対の第1上蓋と、第1上蓋を、投入口を閉鎖する倒伏姿勢と、投入口を開放する起立姿勢との間で開閉駆動する第1開閉駆動装置と、第1上蓋の下部にスライド自在に配置されて、投入口の閉鎖位置で廃棄物を受け取り、開放位置へのスライドにより廃棄物を下方に投下する第2上蓋と、第2上蓋を閉鎖位置と開放位置との間でスライドさせて投入口を開閉可能な第2開閉駆動装置と、第1開閉駆動装置と第2開閉駆動装置とを制御する開閉制御装置とを具備し、開閉制御装置により第1開閉駆動装置と第2開閉駆動装置を操作して、廃棄物の投入開始操作により、第2上蓋を閉動して投入口を閉鎖するとともに、第1上蓋を開動して投入口を開放し、廃棄物の投入終了操作により、第2上蓋を開動して投入口を開放するとともに、第1上蓋を閉動して投入口を閉鎖し、前記廃棄物の投入開始操作における第2上蓋の投入口閉鎖完了を、第1上蓋の投入口開放完了より早くするとともに、前記廃棄物の投入終了操作における第2上蓋の投入口開放完了を、第1上蓋の投入口閉鎖完了より早くするものである。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成において、開閉制御装置を、廃棄物の投入開始操作により、まず第2開閉駆動装置により第2上蓋を閉動して投入口の閉鎖を完了した後、次いで第1開閉駆動装置により第1上蓋を開動して投入口の開放を完了させ、廃棄物の投入終了操作により、第2開閉駆動装置により第2上蓋を開動して第2上蓋上の廃棄物を投入口から投下して投入口の閉鎖を完了した後に、第1開閉駆動装置により第1上蓋の閉動を開始して投入口を閉鎖するように構成したものである。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の構成において、第1開閉駆動装置による第1上蓋の開閉に要する開閉時間を、第2開閉駆動装置による第2上蓋の開閉に要する開閉時間より長く設定し、開閉制御装置により、廃棄物の投入開始操作および廃棄物の投入終了操作で、第1開閉駆動装置と第2開閉駆動装置とをそれぞれ同時に起動するものである。
【0008】
請求項4記載の発明は、仕切り板の下方に廃棄物を投下する廃棄物投入装置であって、仕切り板に形成された投入口と、投入口で互いに対向する一対の辺部に、固定端部が前記辺部に沿う水平軸心周りに回動され一対で投入口を開閉自在な開閉部材をそれぞれ設け、前記開閉部材を、固定端部から対向する辺部側に互いに90°〜135°の範囲内の角度で隔てられた第1上蓋板と第2上蓋板とで中折れ形断面に形成し、第1上蓋板が水平状態で投入口を閉鎖しかつ2上蓋板が仕切り下方に伸びる閉鎖姿勢と、第2上蓋板が水平状態で投入口を閉鎖しかつ第1上蓋板が起立される投入姿勢との間で当該開閉部材を回動させる開閉駆動装置を設けたものである。
【0009】
請求項5記載の廃棄物地下収納庫は、地下ピットの開口面に、開閉自在な仕切り板を設け、前記地下ピット内に、昇降自在に配置されて上面に投入開口部が形成された可動収納容器を設け、前記可動収納容器を、地下ピット内と地下ピットの開口面上の間で昇降駆動する容器昇降装置を設け、前記仕切り板に、請求項1乃至4のいずれかに記載の廃棄物投入装置を設けたものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、仕切り板の投入口に観音開き状に開閉される一対の第1上蓋と、この第1上蓋の下部にスライド自在に配置されて投入口を開閉自在な第2上蓋とを設け、廃棄物の投入開始操作および投入終了操作において、第2上蓋の投入口の閉鎖完了時と開放完了時より、第1上蓋による投入口の開放完了時と閉鎖完了時とをそれぞれ遅らせるので、廃棄物の投入操作開時に、第1上蓋が開放された時に、既に第2上蓋により投入口が閉鎖されているので、利用者が投入口に落ちる危険性がなく、安全性が確保できるとともに、投入口からの臭気の放出を効果的に抑制することができる。また、仕切り板に投入口を十分に広く確保することができ、仕切り板の下方の投入空間に、廃棄物が収納できないデッドスペースができるのを防止することができる。さらに、第1上蓋の下部に配置される第2上蓋を、スライドさせて投入口を開閉するように構成したので、仕切り板から下方に突出する装置類の容積を少なくすることができ、仕切り板の下方の空間を有効利用することができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、開閉制御装置により、廃棄物の投入開始操作において、第2上蓋による投入口の閉鎖完了後に、第1上蓋による投入口の開放動作を開始することで、利用者の安全を確実に確保することができ、また投入口からの臭気の放出を、より効果的に防止することができる。さらに廃棄物の投入終了操作において、第2上蓋による投入口の開放完了後に、第1上蓋の閉鎖動作を開始することで、第2上蓋上の廃棄物の投下動作をより確実に行うことができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、第1開閉駆動装置による第1上蓋の開閉時間に対して、第2開閉駆動装置による第2上蓋の開閉時間を短く設定することにより、第1開閉駆動装置と第2開閉駆動装置とを同時に起動しても、第2上蓋による投入口の閉鎖完了と開放完了を、第1上蓋による投入口の開放完了と閉鎖完了より、早くすることができ、簡易な構造で、利用者の安全と臭気の放出防止とを行うことができる。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、開閉駆動装置による回動動作で、第1上蓋板と第2上蓋板からなる中折れ形断面の一対の開閉部材を、閉鎖姿勢から投入姿勢に迅速に行うことができ、構造を簡易化することができる。
【0014】
請求項5記載の発明によれば、可動収納容器が昇降自在に配置された地下ピットの開口部を開閉自在な仕切り板により構成するとともに、この仕切り板に、請求項1乃至3のいずれかに記載の廃棄物投入装置を設けたので、投入口を広く確保できて可動収納庫に生じる廃棄物のデッドスペースを少なくすることができ、また地下ピット内の臭気の放出も少なく、安全に廃棄物を投入して収容することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
たとえば集合住宅の地下室などに設置されて、袋入り廃棄物(以下、廃棄物という)を一時的に収納保管する廃棄物地下収納庫と、廃棄物地下収納庫への廃棄物投入装置の実施の形態を図1〜図12を参照して説明する。
【0016】
(廃棄物地下収納庫)
図1に示すように、建物などの床面Fに、直方体形の空間部を有する地下ピット1が形成され、地下ピット1内に、廃棄物を収容する可動収納容器4が昇降自在に配置されている。そして床面Fに、地下ピット1の空間部と同一平面の矩形状開口面1aが形成され、この開口面1aに開閉天板(仕切り板)2が開閉自在に設けられている。また地下ピット1内には、開閉天板2を倒伏姿勢と起立姿勢との間で回動して開口面1aを開閉する天板開閉装置3と、可動収納容器4を地下ピット1内の格納位置と床面F上の搬出位置との間で昇降させる容器昇降装置5とが設けられている。さらに、開閉天板2には、廃棄物を投入するための本発明に係る廃棄物投入装置6が設けられており、廃棄物投入装置6は、開閉天板2に形成された投入口41と、この投入口41を開閉する第1上蓋43と第2上蓋51とを有している。
【0017】
まず最初に、廃棄物地下収納庫における動作を図1を参照して簡単に説明する。図1(a)に示す収納状態では、廃棄物投入装置6により、第1上蓋43が倒伏姿勢で投入口41を閉じ、第2上蓋51が投入口41から後退した開放位置にある。利用者が廃棄物を投入するために、投入開始操作されると、図1(b)に示すように、廃棄物投入装置6により、第2上蓋51を後進させて閉鎖位置までスライドさせ投入口41を閉じるとともに、第1上蓋43を観音開き状に開動して起立させ投入口41を開放する。そして利用者が、第2上蓋51上に廃棄物を投入する。そして投入が終了して投入終了操作されると、第2上蓋51を前方にスライドさせて投入口41を開放することで第2上蓋51上の廃棄物を可動収納容器4内に投下し、さらに第1上蓋43を閉動して倒伏姿勢とし投入口41を閉じる。
【0018】
可動収納容器4に収納された廃棄物を搬出する場合は、図1(c)に示すように、天板開閉装置3により開閉天板2を片開き状に開動して開口面1aを開く。そして図1(d)に示すように、容器昇降装置5により、地下ピット1内の格納位置の可動収納容器4を上昇させて搬出位置に停止させ、可動収納容器4の底面板4Bと床面Fのレベルとを一致させ、可動収納容器4内の廃棄物を前面の廃棄物取出部4Fから搬出する。廃棄物の搬出後は、容器昇降装置5により可動収納容器4を格納位置まで下降させ、天板開閉装置3により開閉天板2を閉動して開口部1aを閉じる。
【0019】
以下、上記廃棄物地下収納庫の詳細を説明する
図2,図3に示すように、開口面1aの後辺部に、開閉天板2が複数の天板ヒンジ11を介して水平軸心周りに回動自在に支持されており、開閉トルクを小さくできるように軽量化されるとともに、前辺部側ほど重量が小さくなるように設定されている。天板開閉装置3は、開閉天板2を、開口面1aを閉鎖する倒伏姿勢と、略90°回動して開口面1aを開放する起立姿勢との間で開閉駆動するもので、左右一対の天板開閉シリンダ(たとえば水道水圧で駆動される水道圧シリンダが使用される)12と、天板開閉シリンダ12にそれぞれ付設されて開閉天板2の開放動作を支援する左右一対の天板開閉支援装置13とを具備している。さらに、開閉天板2および開口面1aの周囲の当接部の一方に、シール材が取り付けられて隙間からの臭気の放出を防止している。
【0020】
また、開閉天板2の下面には、断熱材が取り付けられて開閉天板2の日射による地下ピット1内の昇温が防止されている。さらに開閉天板2の下面には、図11に示すように、消臭・殺菌剤を噴霧する複数のスプレーノズル91が取り付けられ、後述する各開閉シリンダ12,21,45,55から排出する排水の一部を導管92を介して取出し、開閉弁93を開けることにより、排水の一部に消臭・殺菌剤を添加してスプレーノズル91から地下ピット1に噴霧し、消臭と無菌化を図っている。
【0021】
前記天板開閉シリンダ12と天板開閉支援装置13は、左右対称構造であるため、一方のみを説明し、他方は省略する。
地下ピット1内で左右側面の中央部に、後述する内ガイドフレーム24に一体に、矩形枠形の外ガイドフレーム14が取り付けられ、外ガイドフレーム14の後部に、天板開閉シリンダ12が支持部材12aを介して幅方向の水平ピンを中心に回動自在に支持されている。そして天板開閉シリンダ12のピストンロッド12bが開閉天板2の底面に幅方向の水平ピンを中心に回動自在に連結されている。
【0022】
天板開閉支援装置13はカウンタウエイト式で、前記外ガイドフレーム14の前側にウエイトガイド部14Aが形成されてバランスウエイト15が昇降自在に配置されている。また外ガイドフレーム14の後側にリンクガイド部14bが形成されて昇降体16が昇降自在に配置され、さらに前記昇降体16と開閉天板2との間に、ガイドリンク17が地下ピット1の幅方向の水平ピンを介して回動自在に連結されている。また外ガイドフレーム14のウエイトガイド部14Aとリンクガイド部14B上方のフレームに、ガイドシーブ18A,18Bがそれぞれ回転自在に配置されており、バランスウエイト15に連結されたワイヤロープ(索体)18Cがガイドシーブ18A,18Bを介して昇降体16に連結されている。これにより、バランスウエイト15の重量がワイヤロープ18Cを引き込み、ガイドシーブ18A,18Bを介して昇降体16を上昇方向に付勢し、さらにガイドリンク17を介して開閉天板2を開動方向に回動付勢している。
【0023】
したがって、開閉天板2を開動して地下ピット1を開放する場合、左右の天板開閉支援装置13により、開閉天板2が開動方向に回動付勢されているので、小さい駆動力でも、左右の天板開閉シリンダ12により開閉天板2を上方に回動して起立させ、地下ピット1の開口面1aを開放することができる。
【0024】
前記可動収納容器4は、図1(c)に示すように、底面板4Bと左右の側面板4L,4Rと後面板4Dとを有する箱形状に形成され、天面の全部が開口された投入開口部4Uが形成されるとともに、前面の全部が開口された廃棄物取出部4Fに形成されている。また底面板4Bは、中央後部に形成された排水孔4aに向かって緩い勾配で下方に傾斜する傾斜面に形成され、さらに地下ピット1内に入るための点検用マンホール4bが設けられている。
【0025】
容器昇降装置5は、図3〜図6に示すように、可動収納容器4の左右側面で前後位置にそれぞれ設けられた前後一対で左右2組の直線駆動装置である容器昇降シリンダ(水道水圧シリンダが使用される)21と、これら容器昇降シリンダ21の上昇動作を支援する容器昇降支援装置22と、容器昇降シリンダ21の伸縮動作を同調させる同調ガイド装置23とで構成されている。この容器昇降装置5は、左右対称構造であるため、一方のみを説明して、他方は省略する。
【0026】
容器昇降シリンダ21は地下ピット1内の床面に立設配置されている。容器昇降支援装置22は、前記外ガイドフレーム14の内面側に内ガイドフレーム24が立設固定されており、内ガイドフレーム24の中央部で、前後一対のガイド柱24a間に形成されたウエイトガイド部25内にバランスウエイト26が昇降自在に配置されている。また内ガイドフレーム24の前後に支柱部24bがそれぞれ立設配置されて上辺フレーム24cが支持されており、上辺フレーム24cには、ウエイトガイド部25内の前後位置に対応してガイドシーブ27Aがそれぞれ回転自在に支持されている。そして、バランスウエイト26に連結されたワイヤロープ(索体)27Bがガイドシーブ27Aを介して可動収納容器4の底部部材4cにそれぞれ連結されている。
【0027】
同調ガイド装置23は、可動収納容器4の四隅から下方に垂設された底部案内部材4dに、左右両側に配置された一対の前後方向の前後同調軸31Aと、前後両側に配置された左右方向の一対の左右同調軸31Bとが井桁状に配置されて軸受31a,31bを介して回転自在に支持されており、これら前後同調軸31Aと左右同調軸31Bの両端側に、同一径で同一ピッチの同調ピニオン32A,32Bがそれぞれ固定されるとともに、両端部に同一径のガイド車輪33A,33Bがそれぞれ回転自在に支持されている。
【0028】
一方、前記内ガイドフレーム24の支持柱24bの左右内面と前後内面には、前記同調ピニオン32A,32Bがそれぞれ噛合する同調ピンラック34A,34Bがそれぞれ高さ方向に沿って取り付けられ、またガイド車輪37を案内する昇降面がそれぞれ形成されている。
【0029】
したがって、容器昇降支援装置22では、バランスウエイト26の重量により、ワイヤロープ27Bを下方に引き込むことにより、ガイドシーブ27Aを介して可動収納容器4を上昇方向に付勢しており、各容器昇降シリンダ21をそれぞれ伸展させると、容器昇降支援装置22の付勢力に補助されて、小さい駆動力であっても、可動収納容器4を上昇させることができる。この時、同調ガイド装置23では、同調ピンラック34A,34Bに噛合される前後左右の同調ピニオン32A,32Bがそれぞれ前後同調軸31Aおよび左右同調軸31Bを介して連動されて同期回転され、可動収納容器4が平行姿勢で昇降される。
【0030】
(廃棄物投入装置)
前記廃棄物投入装置6は、図2,図7に示すように、開閉天板2の略中央で後方寄りに、投入口41が開閉天板2に対する面積比で約1/5程度(好適な範囲は1/4〜1/10)で開閉天板2と略相似形状に形成されている。この投入口41から廃棄物を投下した時に、可動収納容器4内にデッドスペースが生じることが極力少なくなる位置と面積とに形成されている。そして、開閉天板2の投入口41の前辺部41aと後辺部41bに、それぞれヒンジ42を介して第1上蓋43が回動自在に取り付けられている。そして、これら第1上蓋43を開閉駆動して、第1上蓋43を開閉天板2と面一となる倒伏姿勢で投入口41を閉鎖するとともに、起立姿勢で投入口41を開放し、かつ投入口41と開閉天板2とを区画する第1開閉駆動装置44が設けられている。また倒伏姿勢の第1上蓋43の直下に所定の間隔(開閉天板2の厚みに対応する間隔)をあけてスライド自在に配置された第2上蓋51と、第2上蓋51を投入口41の開放位置と閉鎖位置との間でスライドさせる第2開閉駆動装置52が設けられている。
【0031】
さらに、図10に示すように、第1開閉駆動装置44と第2開閉駆動装置52とを制御して第1上蓋43と第2上蓋51との開閉動作を、時間をずらしてまたは同時に操作可能な開閉制御装置61と、この開閉操作装置61を操作する操作装置62とが設けられている。
【0032】
図7〜図9に示すように、前後の第1上蓋43を支持するヒンジ42は、第1上蓋43の固定端の左右両側に取り付けられた水平ピン42aが、投入口41の四隅で開閉天板2に設けられた軸受に回動自在に支持されている。また前後の第1上蓋43の一方の遊端部に、臭気の放出防止用のシール材43aが設けられている。さらに第1上蓋43の周囲下面と投入口41の周囲の一方にシール材(図示せず)が設けられている。
【0033】
第1開閉駆動装置44は、投入口41の左辺側に配置されて開閉天板2に支持された直線駆動装置である第1扉開閉シリンダ(水道水圧シリンダが使用される)45と、第1扉開閉シリンダ45により前後の第1上蓋43を同期して開閉させる開閉リンク機構46とで構成されている。
【0034】
前記開閉リンク機構46は、投入口41の左辺部中央に、開閉天板2のフレームに軸部46aが幅方向に突設され、この軸部46aに連動筒46bが回転自在に支持されている。そして、連動筒46bの外端側に取り付けられた入力レバー46cと、第1扉開閉シリンダ45のピストンロッド45aとがピンを介して連結されている。さらに連動筒46bの内端側に取り付けられた連動リンクアーム46dの両遊端部と、前後のヒンジ42の水平ピン42aにそれぞれ取り付けられた作動レバー46eとが、前後の連動ロッド46fを介して互いに連結されている。
【0035】
したがって、扉開閉シリンダ45を伸縮し入力レバー46cを介して連動筒46bを回動させ、連動筒46bに取り付けられた連動リンクアーム46dにより連動ロッド46fを介して前後の作動レバー46eをそれぞれ相対方向に回動させ、前後の第1上蓋43を同期して開閉させることができる。
【0036】
また図11に示すように、第1上蓋43が閉鎖位置にあることを検出する第1扉閉鎖センサー(またはリミットスイッチ)47Aと、第1上蓋43が開放位置にあることを検出する第1扉開放センサー(またはリミットスイッチ)47Bとが設けられている。
【0037】
図9において、48は、前後の第1上蓋43の左右の側縁部を互いに連結する複数の区画チェーンで、起立姿勢の第1上蓋43間の左右両側を閉鎖するように構成され、起立姿勢の第1上蓋43の左右両側から投入口41に、利用者や子どもが立ち入らないようにするための安全柵の役目を果たしている。また区画チェーン48に替えて、第1上蓋43の起立とともに、起立するような扇子仕様に折り畳み自在な区画部材49などを設けてもよい。
【0038】
第2上蓋51は、図2,図7,図8,図10に示すように、投入口41の全面を閉鎖可能な矩形板状に形成されている。一方、開閉天板2の投入口41の左右の側辺下部にコの字形断面のスライドレール53がそれぞれ取り付けられ、右側辺のスライドレール53の外側に一定間隔をあけて外側レール53aが配置されている。第2上蓋51には、左右の側辺部材51cにスライドレール53の内底面に案内されて転動する複数の支持ローラ54Aが設けられるとともに、右側辺のスライドレール53と外側レール53aの間で案内されて転動する複数の振れ止めローラ54Bが設けられ、第2上蓋51が閉鎖位置と開放位置の間でスライド自在に支持されている。
【0039】
第2上蓋51の第2開閉駆動装置52は、図9に示すように、投入口41の右辺部に配置され、開閉天板2のフレームに支持された直線駆動装置である第2扉開閉シリンダ(たとえば水道水圧シリンダが使用される)55と、ラック・ピニオン式の倍速機構56とで構成されている。
【0040】
この倍速機構56は、投入口41の左右の側辺部下方で、前記左側のスライドレール53の下部と外側レール53aの下部にそれぞれ前後方向に取り付けられた固定ピンラック56aと、これら固定ピンラック56aに対向して、第2上蓋51の左右側部にラック支持部材51a,51bを介してそれぞれ取り付けられた可動ピンラック56bと、固定ピンラック56aと可動ピンラック56bにそれぞれ噛み合う駆動ピニオン56cとを具備している。そして左右の前記駆動ピニオン56cが連動軸56dを介して互いに連結されており、連動軸56dの右端側に、第2扉開閉シリンダ55のピストンロッド55aの先端部が軸受部材55bを介して連動軸56dに連結されている。
【0041】
したがって、第2扉開閉シリンダ55の伸縮することにより、連動軸56dを介して左右の駆動ピニオン56cを固定ピンラック56aに沿って移動させ、固定ピンラック56aと可動ラック56bとの噛み合いにより、駆動ピニオン56cと同一方向に2倍の速度で第2上蓋51をスライドさせ、投入口41を開閉することができる。
【0042】
なお、図11に示すように、第2上蓋51が閉鎖位置にあることを検出する第2扉閉鎖センサー(またはリミットスイッチ)57Aと、第2上蓋51が開放位置にあることを検出する第2扉開放センサー(またはリミットスイッチ)57Bとが設けられている。
【0043】
図11に示すように、開閉制御装置61は、たとえばリモートコントローラからなる操作装置62が操作されて電波や赤外線などの無線操作信号を開閉制御部61aに入力し操作される。またこの開閉制御部61aには、第1扉閉鎖センサー47A,第1扉開放センサー47B,第2扉閉鎖センサー57Aおよび第2扉開放センサー57Bの検出信号がそれぞれ入力され、またタイマー61bが設けられる。
【0044】
前記天板開閉シリンダ12、容器昇降シリンダ21、第1扉開閉シリンダ45および第2扉開閉シリンダ55には、水道水圧源63から供給される水道水圧が給水管63aから供給されるとともに、排水管63bから排出される。すなわち、2本の天板開閉シリンダ12に接続された給水管63aおよび排水管63bに、伸展位置と停止位置と収縮位置に切り替え可能な電磁式4ポート3位置切換弁である天板開閉弁64が介在され、2本の天板開閉シリンダ12がそれぞれ同期して伸縮操作される。また4本の容器昇降シリンダ21に接続された給水管63aおよび排水管63bに、伸展位置と停止位置と収縮位置に切り替え可能な電磁式4ポート3位置切換弁である容器昇降弁65が介在され、4本の容器昇降シリンダ21がそれぞれ同期して伸縮操作される。さらに第1扉開閉シリンダ45に接続された給水管63aおよび排水管63bに、伸展位置と停止位置と収縮位置に切れ替え可能な電磁式4ポート3位置切換弁である第1扉開閉弁66が介在され、第1扉開閉シリンダ45が伸縮操作される。さらにまた第2扉開閉シリンダ55に接続された給水管63aおよび排水管63bに、伸展位置と停止位置と収縮位置に切れ替え可能な電磁式4ポート3位置切換弁である第2扉開閉弁67が介在され、第2扉開閉シリンダ55が伸縮操作される。
【0045】
(廃棄物投入装置の動作)
次に図12を参照して、廃棄物投入開始動作と終了動作とを説明する。
図11(a)に示すように、利用者が操作装置62の投入開始ボタンを押す(STEP1)と、開閉制御部61aから投入開始指令が出力されて第2扉開閉弁67が伸展位置に操作され(STEP2)、水道水圧源63から第2扉開閉弁67を介して第2扉開閉シリンダ55の伸展室に水道水圧が供給される。これにより第2扉開閉シリンダ55が伸展されて、第2上蓋51が開放位置から後方の閉鎖位置にスライドされる。そして第2扉閉鎖センサー57Aにより第2上蓋51が閉鎖位置に達したのが検出される(STEP3)と、開閉制御部61aにより第2扉開閉弁67が停止位置に操作される(STEP4)。さらに開閉制御部61aにより第1扉開閉弁66が伸展位置に操作され(STEP5)、第1扉開閉シリンダ45の伸展室(反ロッド側水室)に水道水圧が供給される。これにより、第1上蓋43が倒伏姿勢から起伏開動される。そして第1扉開放センサー47Bにより第1上蓋43が起立姿勢となったのが検出される(STEP6)と、開閉制御部61aにより第1扉開閉弁66が停止位置に操作される(STEP7)。
【0046】
そして、利用者が、廃棄物を投入口41を閉鎖する閉鎖位置の第2上蓋51上に投入する。
次に図11(b)に示すように、利用者が操作装置62の投入終了ボタンを押す(STEP11)と、開閉制御部61aから投入終了指令が出力されて第2扉開閉弁67が収縮位置に操作され(STEP12)、水道水圧源から第2扉開閉弁67を介して第2扉開閉シリンダ55の収縮室に水道水圧が供給される。これにより第2扉開閉シリンダ55が収縮されて、第2上蓋51が閉鎖位置から前方の開放位置にスライドされ、第2上蓋51上の廃棄物が順次投入口41から地下ピット1内の可動収納容器4内に投下される。そして第2扉開放センサー57Bにより第2上蓋51が閉鎖位置に達したのが検出される(STEP13)と、開閉制御部61aにより第2扉開閉弁67が停止位置に操作される(STEP14)。さらに開閉制御部61aにより第1扉開閉弁66が収縮位置に操作され(STEP15)、第1扉開閉シリンダ45の収縮室(ロッド側水室)に水道水圧が供給される。これにより、第1上蓋43が起立姿勢から倒伏閉動される。そして第1扉閉鎖センサー47Aにより第1上蓋43が倒伏姿勢となったのが検出される(STEP16)と、開閉制御部61aにより第1扉開閉弁66が停止位置に操作される(STEP17)。
【0047】
なお、ここで(STEP3)において、第2上蓋51が閉鎖位置に達したのを検出する第2扉閉鎖センサー57Aに替えて、開閉制御装置61に設けられたタイマー61bを使用することもできる。タイマー61bに、第2上蓋51の開放位置から閉鎖位置までの閉動に要する時間を設定しておき、第2上蓋51のスライド開始とともにタイマー61bで時間をカウントし、カウントが終了した後に(STEP4)に移行してもよい。この時、タイマー61bの設定時間を、第2上蓋51の開放位置から閉鎖位置までの時間より、短く設定することにより、第1,第2上蓋43,51の開放時間を短縮することができる。
【0048】
また(STEP13)において、上記と同様にタイマー61bを使用してもよい。もちろん、タイマー61bの設定時間を、第2上蓋51の開放位置から閉鎖位置までの時間より、短く設定することにより、第1,第2上蓋43,51の開放時間を短縮することができる。
【0049】
(廃棄物地下収納庫の動作)
可動収納容器4内に廃棄物が所定量以上溜まるか、または一定の保管期間を過ぎると、可動収納容器4内から廃棄物を搬出する。
【0050】
作業員が操作装置62の搬出開始ボタンを押すと、開閉制御部61aから天板開動指令が出力されて天板開閉弁64が伸展位置に操作され、水道水圧源63から天板開閉弁64を介して天板開閉シリンダ12の伸展室に水道水圧が供給される。これにより天板開閉シリンダ12が伸展され、天板開閉支援装置13に支援されて開閉天板2が開放方向に回動される。
【0051】
次いで、開閉制御部61aから容器上昇指令が出力されて容器昇降弁65が伸展位置に操作され、水道水圧源63から容器昇降弁65を介して容器昇降シリンダ21の伸展室にそれぞれ水道水圧が供給される。これにより容器昇降シリンダ21が伸展され、容器昇降支援装置22に支援されて可動収納容器4が地下ピット1内から上昇され、可動収納容器4の底面板4Bが開閉天板2と面一となる搬出位置に停止される。そして、作業員により可動収納容器4内から廃棄物が搬出される。
【0052】
廃棄物の搬出が終了し、作業員が操作装置62の搬出終了ボタンを押すと、開閉制御部61aから容器下降指令が出力されて容器昇降弁65が収縮位置に操作され、水道水圧源63から容器昇降弁65を介して容器昇降シリンダ21の収縮室にそれぞれ水道水圧が供給される。これにより容器昇降シリンダ21が収縮されて搬出位置から地下ピット1内の格納位置に下降される。
【0053】
さらに、開閉制御部61aから天板閉動指令が出力されて天板開閉弁64が収縮位置に操作され、水道水圧源63から天板開閉弁64を介して天板開閉シリンダ12の収縮室に水道水圧が供給される。これにより天板開閉シリンダ12が収縮されて開閉天板2が閉動される。
【0054】
上記実施の形態によれば、開閉天板2に形成された投入口41に、観音開き状に開閉される一対の第1上蓋43と、この第1上蓋43の下部にスライド自在に配置されて投入口41を開閉自在な第2上蓋51を設け、第2上蓋51により投入口41の閉鎖完了を先に行い、次いで第1上蓋43による投入口41を開放完了するように構成したので、地下ピット1内からの臭気が投入口41から放出されるのを確実に防止することができる。また第1上蓋43が開放された時に、第2上蓋51が閉じられているので、投入口41を十分に大きくしても、利用者が投入口41から落下するような事故を確実に防止することができ、安全性を確保することができる。また安全性を確保できることから、投入口41を十分に広く形成することができ、可動収納容器4内に廃棄物が投入されないデッドスペースが生じるのを防止することができる。さらに第2上蓋51をスライドさせて投入口41を開閉するようにしたので、投入口41の下部で可動収納容器4側に張り出す部材容積が少なくなり、可動収納容器4の収容容積を狭めることもない。そして、廃棄物の投入終了操作時に、第1上蓋板43を起立姿勢のままで、第2上蓋51を開動方向にスライドさせて、第2上蓋上の廃棄物を安全に可動収納容器4内に投下して収納することができる。
【0055】
さらに、地下ピット1内に昇降自在に配置された可動収納容器4に、廃棄物投入装置6を設けることで、投入口41を十分広く確保でき、可動収納庫4に生じる廃棄物のデッドスペースを少なくすることができ、また臭気の放出もほとんどなく、安全に廃棄物を投入することができる。
【0056】
(廃棄物投入装置の他の制御動作)
上記実施の形態では、図11に示すように、第1扉開閉シリンダ45および第2扉開閉シリンダ55を、第1扉開閉弁66と第2扉開閉弁67によりそれぞれ操作するように構成したが、図13に示すように、伸展位置と停止位置と収縮位置に切り替え可能な電磁式4ポート3位置切換弁である1つの扉開閉弁71により、第1扉開閉シリンダ45と第2扉開閉シリンダ55を操作するように構成してもよい。この場合、第1開閉駆動装置44による第1上蓋43の開閉に要する時間と、第2開閉駆動装置52による第2上蓋51の開閉に要する時間とがほぼ同じであるとした場合、第2扉開閉シリンダ55による投入口41の閉鎖完了および開放完了に対して、第1扉開閉シリンダ45による投入口41の閉鎖完了と開放完了をそれぞれ遅らせるために、扉開閉弁71から第1扉開閉シリンダ45に接続される給排水導管72a,72bにそれぞれ絞り弁73A,73Bを介在させて、第1上蓋43の開閉速度を低下させることにより、開閉に要する時間を延ばすように構成している。
【0057】
したがって、開閉制御部41aによる廃棄物の投入開始指令により、扉開閉弁71が停止位置から切り替えられ、第1扉開閉シリンダ45の伸展室と第2扉開閉シリンダ55の伸展室とにそれぞれ水道水圧が同時に供給される。この時、絞り弁73A,73Bの作用により第1扉開閉シリンダ45の伸展室に供給する水道水圧が絞られて第1上蓋43の開動速度が遅くなり、開閉に要する時間が長くなるので、第1上蓋43と第2上蓋51を同時に起動すれば、第2上蓋51による投入口41の閉鎖完了後に、第1上蓋43の投入口41の開放が完了することができる。これにより、第1上蓋43による投入口41の開放完了時には、第2上蓋51による投入口41の閉鎖が完了されており、利用者の安全性を確保できるとともに、臭気の放出を制限することができる。
【0058】
また開閉制御部41aによる廃棄物の投入終了指令により、扉開閉弁71を収縮位置に切り替えて、第1扉開閉シリンダ45の収縮室と第2扉開閉シリンダ55の収縮室にそれぞれ水道水圧を供給するが、絞り弁73A,73Bの作用により第1扉開閉シリンダ45の収縮室に供給される水道水圧が絞られて、第1上蓋43の閉動速度が遅くなり、第2上蓋51による投入口41の開放完了後、すなわち第2上蓋51上の全ての廃棄物を可動収納容器4に投下後に、第1上蓋43による投入口41の閉鎖が完了する。これにより、廃棄物を確実に可動収納容器4に投下することができる。
【0059】
上記構成によれば、先の実施の形態に加えて、扉開閉弁を削減して、構造を簡易化することができ、製造コストの低減に寄与することができる。
(廃棄物投入装置の他の実施の形態)
図14,図15を参照して、廃棄物投入装置の他の実施の形態を説明する。なお、上記実施の形態と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
この前記廃棄物投入装置81は、開閉天板(仕切り板)2の略中央で後方寄りに形成された投入口41と、この投入口41の前辺部41aと後辺部41bとにそれぞれヒンジ82を介して回動自在に支持された開閉部材83と、この開閉部材83をヒンジ82を中心に回動させて投入口41を開閉可能な開閉駆動装置84とで構成されている。
【0061】
前記開閉部材83は、第1上蓋板85と第2上蓋板86とが、ヒンジ82に支持された固定端部を中心に90°隔てて連結された中折れ形断面(L字形断面)に形成されている。
【0062】
開閉駆動装置84は、ヒンジ82の水平ピン82aを中心に開閉部材83を90°回動させるもので、先の実施の形態の第1開閉駆動装置44と同一に構成されているため、同一符号を付して説明する。すなわち、開閉駆動装置84は、投入口41の左辺側に配置されて開閉天板2に支持された直線駆動装置である扉開閉シリンダ45と、扉開閉シリンダ45により前後の開閉部材83を同期して開閉させる開閉リンク機構46とで構成されている。
【0063】
前記開閉リンク機構46は、投入口41の左辺部中央に、開閉天板2のフレームに幅方向に突設された軸部46aに、連動筒46bが回転自在に支持され、連動筒46bの外側に取り付けられた入力レバー46cと、扉開閉シリンダ45のピストンロッド45aとがピンを介して連結されている。さらに連動筒46bの内側に取り付けられた連動リンクアーム46dの両遊端部と、前後のヒンジ42の水平ピン42aに取り付けられた作動レバー46eとが、それぞれ前後の連動ロッド46fを介して連結されている。また前後の第1上蓋43の左右の側縁部間には複数の区画チェーン48が連結されて、起立姿勢の第1上蓋43間の左右両側を閉鎖している。
【0064】
したがって、扉開閉シリンダ45を伸縮し入力レバー46cを介して連動筒46bを回動させ、開閉リンク機構46の連動リンクアーム46dにより連動ロッド46fを介して作動レバー46eを回動させ、前後の開閉部材84を同期して開閉させることができる。
【0065】
上記実施の形態によれば、廃棄物の投入操作時と投入終了操作時の開閉動作を、開閉駆動装置84により一対の中折れ形断面の開閉部材83の固定端部を回動させるだけで行うことができ、構造を簡易化することができる。
【0066】
なお、ここで開閉部材83の第1上蓋板85と第2上蓋板86とを90°隔ててた中折れ形断面としたが、90°〜135°の範囲内の角度であれば、開閉駆動装置84による開閉部材83の開閉に要する中折れ角に対応して90°〜135°の範囲で変更する必要がある。
【0067】
また断水時の緊急対策として、図11に示すように、窒素ガスボンベ101または高圧エアボンベを装備している。断水時には、ガス管103に設けられた開閉弁102をあけて、窒素ガスボンベ101から給水管63aを介して高圧の窒素ガスを各開閉シリンダ12,21,45,55に供給すれば、開閉天板3、第1上蓋43および第2上蓋51の開閉と、可動収容容器4の昇降とを行うことができる。
【0068】
さらに上記実施の形態では、水道水圧により駆動する水道圧シリンダを使用したが、油圧ポンプユニットを装備し、発生した油圧により駆動する油圧シリンダであってもよい。
さらにまた、天板開閉シリンダ12、容器昇降シリンダ21、第1扉開閉シリンダ45および第2扉開閉シリンダ55を構成する水道圧シリンダまたは油圧シリンダの一部または全部を、電動式直線駆動装置である電動パワーシリンダ(電動ジャッキ)に変更することもできる。
【0069】
(変形例)
さらに駆動装置に電動モータを使用した場合の他の変形例を、図16〜図18を参照して説明する。
【0070】
図16は天板開閉装置111を示し、ウォームギヤなど複数の歯車を介在させたギヤ式減速機を有する天板開閉モータ112を、天板ヒンジ11の回転軸11aに連結したものである。また天板開閉支援装置113は、回転軸11aに取り付けられた巻取ドラム114に、ワイヤロープ115を巻回し、ワイヤロープ115の先端部にバランスウエイト116を連結して、天板開閉モータ112の負荷穂軽減するように構成されている。
【0071】
図17は容器昇降装置121を示し、前後一対で左右2組の巻き掛け伝動機構により構成されている。すなわち、地下ピット1内の四隅位置で上下に回転自在に支持された上下スプロケットホイール122A,122Bに無端状昇降チェーン123が巻張されている。そして、各昇降チェーン123の内側経路に可動収納容器4がそれぞれ連結され、外経路側に容器昇降支援装置127を構成するバランスウエイト124がそれぞれ連結されている。前後の上スプロケットホイール122Bは、連動軸125を介して互いに連結され、下スプロケットホイール122Aにそれぞれ減速機付きの容器昇降モータ126が連結され、容器昇降モータ126が互いに同期駆動するように設定されている。
【0072】
図18は、他の実施の形態における開閉部材83の開閉駆動装置131を示す。この開閉駆動装置131は、互いに同期駆動するように設定された減速機付き投入口開閉モータ132により、第1上蓋板85と第2上蓋板86からなる中折れ形断面の開閉部材83を水平ピン82aを介して90°回動させるように構成されているヒンジ11の回転軸11aに連結したものである。
【0073】
上記駆動装置として電動モータを使用した場合であっても、先の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上述の容器昇降装置5,121では、可動収納容器4を液圧シリンダによる直接駆動、および巻き掛け伝動機構を介して間接駆動するスライド昇降式としたが、地下ピット1内で可動収納容器4の底部に、たとえばクロスアームを有する平行リンク式などのリフターを設置して昇降駆動する独立昇降式に構成することもできる。このリフターの駆動源には、液圧またはエア圧式のシリンダまたは電動式ジャッキ(パワーシリンダ)を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明に係る廃棄物地下収納庫の実施の形態を示す概略斜視図で、(a)は収納状態、(b)は廃棄物投入状態、(c)は開閉天板の開放状態、(d)は可動収納容器の廃棄物搬出位置を示す。
【図2】廃棄物地下収納庫の全体平面半断面図である。
【図3】天板開閉装置の動作を示す側面図で、(a)は閉鎖位置、(b)は開放位置を示す。
【図4】可動収納容器の同調ガイド装置を示す平面視の断面図である。
【図5】図4に示すA部の拡大図である。
【図6】可動収納容器の同調ガイド装置を示す側面図である。
【図7】廃棄物投入装置の第1開閉駆動装置と第2開閉駆動装置を示す一部切欠き平面図である。
【図8】廃棄物投入装置の第1開閉駆動装置と第2開閉駆動装置を示す正面図である。
【図9】廃棄物投入装置の第1開閉駆動装置を示す左側面図である。
【図10】廃棄物投入装置の第2開閉駆動装置を示す右側面図で、(a)は閉鎖位置、(b)は開放位置を示す。
【図11】廃棄物地下収納庫の制御構成図である。
【図12】廃棄物投入装置の動作フロー図で、(a)は開放動作、(b)は閉鎖動作を示す。
【図13】廃棄物地下収納庫の他の制御構成図である。
【図14】廃棄物投入装置の他の実施の形態を有する廃棄物地下収納庫の斜視図で、(a)は閉鎖状態、(b)は開放状態を示す。
【図15】廃棄物投入装置を示す側面図で、(a)は閉鎖状態、(b)は開放状態を示す。
【図16】電動モータを有する天板開閉装置を説明する斜視図である。
【図17】電動モータを有する容器昇降装置を説明する斜視図である。
【図18】電動モータを有する開閉部材の開閉駆動装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0075】
1 地下ピット
1a 開口面
2 開閉天板
3 天板開閉装置
4 可動収納容器
4U 投入開口部
4F 廃棄物取出部
5 容器昇降装置
6 廃棄物投入装置
12 天板用開閉シリンダ
13 天板開閉支援装置
15 バランスウエイト
21 容器昇降シリンダ
22 容器昇降支援装置
23 同調ガイド装置
26 バランスウエイト
41 投入口
43 第1上蓋
44 第1開閉駆動装置
45 第1扉開閉シリンダ(扉開閉シリンダ)
46 開閉リンク機構
47A 第1扉閉鎖センサー
47B 第1扉開放センサー
51 第2上蓋
52 第2開閉駆動装置
56 倍速機構
57A 第2扉閉鎖センサー
57B 第2扉開放センサー
61 開閉制御装置
61a 開放制御部
61b タイマー
62 操作装置
63 水道水圧源
64 天板開閉弁
65 容器昇降弁
66 第1扉開閉弁
67 第2扉開閉弁
71 扉開閉弁
72a,72b 給排水導管
73A,73B 絞り弁
81 廃棄物投入装置
83 開閉部材
84 開閉駆動装置
85 第1上蓋板
86 第2上蓋板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切り板の下方に廃棄物を投下する廃棄物投入装置であって、
仕切り板に形成された投入口と、
投入口の互いに対向する辺部に回動自在に支持されて、観音開き状に投入口を開閉自在な一対の第1上蓋と、
第1上蓋を、投入口を閉鎖する倒伏姿勢と、投入口を開放する起立姿勢との間で開閉駆動する第1開閉駆動装置と、
第1上蓋の下部にスライド自在に配置されて、投入口の閉鎖位置で廃棄物を受け取り、開放位置へのスライドにより廃棄物を下方に投下する第2上蓋と、
第2上蓋を閉鎖位置と開放位置との間でスライドさせて投入口を開閉可能な第2開閉駆動装置と、
第1開閉駆動装置と第2開閉駆動装置とを制御する開閉制御装置とを具備し、
開閉制御装置により第1開閉駆動装置と第2開閉駆動装置を操作して、廃棄物の投入開始操作により、第2上蓋を閉動して投入口を閉鎖するとともに、第1上蓋を開動して投入口を開放し、廃棄物の投入終了操作により、第2上蓋を開動して投入口を開放するとともに、第1上蓋を閉動して投入口を閉鎖し、前記廃棄物の投入開始操作における第2上蓋の投入口閉鎖完了を、第1上蓋の投入口開放完了より早くするとともに、前記廃棄物の投入終了操作における第2上蓋の投入口開放完了を、第1上蓋の投入口閉鎖完了より早くする
ことを特徴とする廃棄物投入装置。
【請求項2】
開閉制御装置を、
廃棄物の投入開始操作により、まず第2開閉駆動装置により第2上蓋を閉動して投入口の閉鎖を完了した後、次いで第1開閉駆動装置により第1上蓋を開動して投入口の開放を完了させ、
廃棄物の投入終了操作により、第2開閉駆動装置により第2上蓋を開動して第2上蓋上の廃棄物を投入口から投下して投入口の閉鎖を完了した後に、第1開閉駆動装置により第1上蓋の閉動を開始して投入口を閉鎖するように構成した
ことを特徴とする請求項1記載の廃棄物投入装置。
【請求項3】
第1開閉駆動装置による第1上蓋の開閉に要する開閉時間を、第2開閉駆動装置による第2上蓋の開閉に要する開閉時間より長く設定し、
開閉制御装置により、廃棄物の投入開始操作および廃棄物の投入終了操作で、第1開閉駆動装置と第2開閉駆動装置とをそれぞれ同時に起動する
ことを特徴とする請求項1記載の廃棄物投入装置。
【請求項4】
仕切り板の下方に廃棄物を投下する廃棄物投入装置であって、
仕切り板に形成された投入口と、
投入口で互いに対向する一対の辺部に、固定端部が前記辺部に沿う水平軸心周りに回動され一対で投入口を開閉自在な開閉部材をそれぞれ設け、
前記開閉部材を、固定端部から対向する辺部側に互いに90°〜135°の範囲内の角度で隔てられた第1上蓋板と第2上蓋板とで中折れ形断面に形成し、
第1上蓋板が水平状態で投入口を閉鎖しかつ2上蓋板が仕切り下方に伸びる閉鎖姿勢と、第2上蓋板が水平状態で投入口を閉鎖しかつ第1上蓋板が起立される投入姿勢との間で当該開閉部材を回動させる開閉駆動装置を設けた
ことを特徴とする廃棄物投入装置。
【請求項5】
地下ピットの開口面に、開閉自在な仕切り板を設け、
前記地下ピット内に、昇降自在に配置されて上面に投入開口部が形成された可動収納容器を設け、
前記可動収納容器を、地下ピット内と地下ピットの開口面上の間で昇降駆動する容器昇降装置を設け、
前記仕切り板に、請求項1乃至4のいずれかに記載の廃棄物投入装置を設けた
ことを特徴とする廃棄物地下収納庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−303066(P2008−303066A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−263860(P2007−263860)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(501481621)有限会社ノムラフォーシーズ (15)
【Fターム(参考)】