説明

廃水の処理装置および方法

【課題】薬品添加量および汚泥発生量を削減可能な、フェントン処理を用いた廃水の処理装置および方法を提供する。
【解決手段】過酸化水素供給手段と、第一鉄イオン供給手段と、pH調整手段とを備え、反応器内でヒドロキシラジカルを発生させる化学的酸化装置を有する廃水の処理装置であって、前記化学的酸化装置における第一鉄イオン供給手段が、第二鉄イオン供給手段と、供給された第二鉄イオンを光触媒に接触させることにより第一鉄イオンを発生させる手段と、光照射手段と、を有することを特徴とする廃水の処理装置、および処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃水に含まれる有機物をフェントン法を用いて分解処理する廃水の処理装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1890年代にH.J.H Fentonによって発見されたフェントン試薬は、過酸化水素水に第一鉄塩を加えたもので、強い酸化力を持っていることが知られている。このフェントン試薬は、有機物、特に、難生物分解性有機物を含む廃水の処理に利用されている。つまり、酸性条件下で、過酸化水素と第一鉄塩を被処理水に添加し、ヒドロキシラジカルを発生させて被処理水中の有機物を分解するのに利用されている(以下、この処理方法をフェントン処理やフェントン法と称することもある。)。
【0003】
一般的なフェントン処理の条件は、有機物の分解性にもよるがpH=2〜4, H2O2[mg/L]/被処理水TOC[mg/L]=3 〜 6, Fe[mg/L]/ 被処理水TOC[mg/L]=3.5 〜7 である。また、フェントン処理を行った後には、NaHSO3による還元処理などにより過剰の過酸化水素を除去した後、pHを中性からアルカリ性にしてフェントン処理により生じた第二鉄イオンを水酸化鉄(III)の汚泥として凝集沈殿法や膜分離法などにより固液分離する。このとき、FeCl3 やポリ鉄などの無機凝集剤や高分子凝集剤を添加して固液分離を容易にすることもある。例えば、図4に示すように、被処理水をフェントン反応槽101でフェントン処理し、還元槽102での還元処理により過剰の過酸化水素を除去し、凝集槽103で高分子凝集剤等の添加により凝集させて、沈殿槽104で処理水と汚泥とに固液分離するシステムである。
【0004】
一方、酸化チタンを利用した有機物含有廃水の処理も行われている。例えば、特許文献1では、内側に酸化チタン膜を被覆した容器に有機物を含む廃水を入れ、過酸化水素と銅イオンまたは銅塩を加えて光を照射することで廃水中の有機物を分解している。この場合においても、有機物の分解後は、銅を除去するために、被処理液を中性からアルカリ性にして、水酸化銅(II)のフロックを発生させ、FeCl3やポリ鉄などの無機凝集剤や高分子凝集剤を添加して、水酸化鉄(III)と共に共沈させて固液分離を行っている。例えば、図5に示すように、被処理水に過酸化水素と銅イオンを加えて内側に酸化チタン膜を被覆した光反応槽111で光触媒反応により廃水中の有機物を分解し、反応槽112で被処理液を中性からアルカリ性にして水酸化銅(II)のフロックを発生させ、凝集槽113で高分子凝集剤等の添加により凝集させて、沈殿槽114で処理水と汚泥とに固液分離するシステムである。
【特許文献1】特開平5-253580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のフェントン酸化法は過酸化水素と等モルの第一鉄塩を添加する必要があり、第一鉄塩やNaHSO3の添加量はORP計やDO計により制御されてはいるものの、薬品費が高い、添加した第一鉄塩に起因する水酸化鉄(III)の汚泥が大量に発生するなどの問題があった。例えば、原水TOCの3.5倍の第一鉄イオンを添加した場合、脱水ケーキの含水率を80%とすると、原水TOCの約35倍もの汚泥が発生する。
【0006】
また、難生物分解性有機物を分解する場合には、上述のような化学的処理を行う場合でも、1〜4時間程度の反応時間が必要になることが多い。そのため、特許文献1に記載の発明のように、被処理水に過酸化水素と銅イオンまたは銅塩を添加したものを対象に光を照射する場合、被処理水全体に1〜4時間の間、光を照射することになり、光の照射に大量のエネルギーを要する。
【0007】
そこで本発明の課題は、薬品添加量および汚泥発生量を削減可能な、フェントン処理を用いた廃水の処理装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明においては、第二鉄イオンまたは第二鉄塩を含む溶液を光触媒に接触させながら、該光触媒のバンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長の光を該溶液に照射することで、該溶液中の第二鉄イオンを第一鉄イオンに還元し、発生した第一鉄イオンと過酸化水素を被処理液に添加してフェントン処理を行うことを特徴とする。さらに、上述の第二鉄イオンは、水酸化鉄(III)を酸で溶解させて得ることもできる。
【0009】
すなわち、本発明に係る廃水の処理装置は、過酸化水素供給手段と、第一鉄イオン供給手段と、pH調整手段とを備え、反応器内でヒドロキシラジカルを発生させる化学的酸化装置を有する廃水の処理装置であって、前記化学的酸化装置における第一鉄イオン供給手段が、第二鉄イオン供給手段と、供給された第二鉄イオンを光触媒に接触させることにより第一鉄イオンを発生させる手段と、光照射手段と、を有することを特徴とするものからなる。
【0010】
また、本発明に係る廃水の処理装置は、過酸化水素供給手段と、第一鉄イオン供給手段と、pH調整手段とを備え、反応器内でヒドロキシラジカルを発生させる化学的酸化装置を有する廃水の処理装置であって、前記化学的酸化装置における第一鉄イオン供給手段が、水酸化鉄(III)溶解手段と、該水酸化鉄(III)溶解手段で得られた第二鉄イオンを光触媒に接触させることにより第一鉄イオンを発生させる手段と、光照射手段と、を有することを特徴とするものからなる。
【0011】
また、本発明に係る廃水の処理方法は、有機物を含む廃水に、過酸化水素水と第一鉄イオンの存在下で有機物を分解するフェントン法を適用した廃水の処理方法であって、前記第一鉄イオンを、第二鉄イオンまたは第二鉄塩を光触媒に接触させながら光を照射することにより発生させることを特徴とする方法からなる。
【0012】
この方法においては、光触媒と接触させる第二鉄イオンまたは第二鉄塩を、水酸化鉄(III)または水酸化鉄(III)を含む汚泥を酸で溶解させることにより得ることも可能である。
【0013】
本発明で用いられる光触媒としては、特に限定されるものではないが、酸化チタンや鉄化合物を含む酸化チタン、酸化ジルコニウムなどが挙げられる。また、光触媒反応槽の型式としては、粉末状の光触媒を反応容器内に添加して攪拌してもよいし、反応容器の内壁に光触媒の薄膜を形成してもよく、反応容器に光触媒を充填したものを用いてもよい。
【0014】
本発明の光照射手段における光の光源としては、太陽や白熱灯、蛍光灯、ハロゲンランプ、キセノンランプ、水銀灯、UVランプなどが挙げられる。照射する光も、可視光のような波長の長い光でも十分であるが、波長が長い分、反応速度が低下するので、紫外線領域、特に、250nm 〜400nm 近傍の光を用いることが効果的である。また、光の照射の方法についても特に制限はなく、反応容器の内側からでも、外側からでも必要に応じて光照射を行うことが可能である。
【0015】
本発明における第二鉄イオンを生成する第二鉄塩としては、特に限定されるものではないが、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩、ハロゲン化物など、いろいろな塩が使用できるが、ハロゲン化物、硝酸塩あるいは硫酸塩が好ましく、より好ましくは塩化物を使用する。
【0016】
本発明における水酸化鉄(III)としては、フェントン処理に伴い発生した汚泥でもよいし、他の処理系統から発生したものでもよい。また、水酸化鉄(III)を溶解させる薬品としては、酸性の薬品、特に、硫酸、硝酸、塩酸などの鉱酸を使用することが望ましく、さらに好ましくは、塩酸を使用することが望ましい。また、溶解時のpHは4以下、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1.5〜3にすることが望ましい。pHを小さくする方が溶解しやすいが、pHを下げすぎると、フェントン反応槽に返送した時、pH調整のためのアルカリ剤が余分に必要になるからである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、フェントン試薬の原料として、塩化第一鉄等の高価な薬品の代わりに塩化第二鉄等の安価な薬品を使用することができる。排水処理設備において、FeCl2はフェントン法以外に使用されることはほとんどないが、塩化第二鉄は無機凝集剤として一般的に使用されている。そのため、塩化第二鉄を用いてフェントン処理を行うことで、塩化第一鉄のための薬品設備が不要となり、薬品設備を簡略化することができる。
【0018】
また、本発明においては、第二鉄イオンまたは第二鉄塩を含む溶液を光触媒に接触させながら光を照射する。光、特に紫外線は水中での透過性が悪いが、該溶液の流量は、通常、被処理水の流量の0.005%〜20% 程度であることから、被処理水に第二鉄イオンまたは第二鉄塩と過酸化水素を添加した後、該被処理水を光触媒に接触させながら光を照射する場合と比較して、装置を小さくすることができ、また、光の照射に要するエネルギーを大幅に削減することができ、装置のランニングコストを低減することができる。
【0019】
さらに、本発明の、水酸化鉄(III)を酸で溶解させて第二鉄イオンを得る態様においては、フェントン処理の最大の問題点であった水酸化鉄(III)の大量の汚泥を溶解し、フェントン試薬の原料として再利用することができ、汚泥処分費および薬品費を大幅に削減することができる。汚泥を溶解させるために使用した酸は、フェントン処理の際のpH調整に有効に利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1、図2は、本発明の実施態様に係る廃水の処理装置の処理フローを示している。図1は、本発明の第1実施態様に係る処理フローを示しており、被処理水1がフェントン反応槽2に供給されてフェントン処理が行われる。フェントン処理は、前述したように、過酸化水素とともに塩酸などが添加されてpHが調整され、pH=2〜4, H2O2[mg/L]/被処理水TOC[mg/L]=3 〜 6, Fe[mg/L]/ 被処理水TOC[mg/L]=3.5 〜7 程度の条件で行われる。もっとも、これらの条件は、分解対象物質により、適宜決定される。フェントン処理を行った後には、還元槽3にて、NaHSO3による還元処理などにより過剰の過酸化水素を除去するとともに、NaOH、HCl等のpH調整剤を添加して、pHを中性〜アルカリ性にして、フェントン処理により生じた第二鉄イオンを水酸化鉄(III)のフロックにする。このとき、必
要に応じて、FeCl3 やポリ鉄等の無機凝集剤を添加しても良い。その後、凝集槽4で高分子凝集剤を添加して、フロックを成長させ、沈殿槽5で処理水6と汚泥7とに固液分離する。特に図示していないが、還元槽と凝集槽の間に反応槽を設置し、過酸化水素の除去と無機凝集剤の添加を、還元槽と反応槽に別けて行ってもよい。
【0021】
このようなシステムにおいて、フェントン反応槽2へ供給される第一鉄イオンは、塩化第二鉄イオンを生成する塩としての塩化第二鉄塩などの第二鉄塩を、光触媒反応槽8にて、光照射手段としての紫外線(UV)照射手段9による紫外線の照射により、光触媒反応させて、第一鉄イオンに還元することにより生成される。そして、生成された第一鉄イオンがフェントン処理用として、フェントン反応槽2に供給される。
【0022】
上記のような第二鉄イオンあるいは第二鉄塩は、第一鉄イオンあるいは第一鉄塩に比べて安価で入手しやすいものであり、かつ、第二鉄イオンあるいは第二鉄塩の溶液の流量は被処理水の流量に比べてはるかに少量であるから少ないエネルギーにて光触媒反応させることができ、安価に、かつ簡単に、望ましいフェントン処理を行うことができる。
【0023】
図2は、本発明の第2実施態様に係る廃水の処理装置の処理フローを示しており、本実施態様では、沈殿槽5で分離された汚泥の全部または一部が、一旦、水酸化鉄(III) 溶解手段としての汚泥溶解槽11に送られ、塩酸等が添加されて汚泥が溶解され、溶解汚泥が固液分離装置12に送られて溶け残った汚泥7が分離され、溶解、分離により得られた第二鉄イオンまたは第二鉄塩(FeCl3) が、第1実施態様同様、光触媒反応槽8での光触媒反応により第一鉄イオンに還元されてフェントン処理に供される。このとき、必要に応じて、FeCl3を添加しても良い。なお、ここでは、光触媒反応槽8での安定運転を目的として固液分離装置12を設けたが、これは必須の構成ではないし、汚泥溶解槽8と固液分離装置12は一体でもよいし、連続式でもバッチ式でもよい。また、図2では固液分離装置12からのみ系外に汚泥を排出しているが、特に図示はしていないが、沈殿槽5から系外に汚泥を排出してもよいし、固液分離装置12で分離された汚泥7をフェントン反応槽2や還元槽3に返送してもよい。
【0024】
本発明は、有機物が単独で含まれている場合だけでなく、SS(Suspended Solid)やフッ素、砒素、リン、重金属などを含む場合にも応用することができる。特に、砒素やリン、重金属は、鉄塩を添加して水酸化鉄(III) と共に共沈させる処理が一般的であるから、本発明の適用に好適である。近年、半導体工場の廃水には、これらの除去対象とともに、分散剤のような界面活性剤や、EDTAやNTA、クエン酸アンモニウムなどのカルボン酸塩といった有機キレート剤が含まれており、凝集剤を添加したときの凝集性が悪く、水質の悪化や凝集剤の添加量の増加を招いている。このような廃水の例としては、半導体製造工程の一つであるCMP工程から排出されるCMP廃水やめっき廃水などがある。このような廃水に対して、本発明を適用することで凝集剤の凝集を阻害しているキレート剤などを分解して、凝集性を改善することができる。
【0025】
例えば図3は、本発明の第3実施態様に係る廃水の処理装置の処理フローを示しており、とくに、キレート剤含有廃水等の処理に好適な処理フローを示している。本実施態様では、処理の安定化と運転管理を容易にするために、還元槽3と凝集槽4との間に、pH調整槽13と反応槽14が設けられているが、これらは必須の構成ではない。本実施態様においては、沈殿槽5で分離された汚泥の一部が系外に排出され、残りの汚泥の一部または全部は、水酸化鉄(III)溶解手段としての汚泥溶解槽11に送られ、塩酸等を添加され、汚泥中の水酸化鉄(III)等が溶解される。溶解汚泥は固液分離装置12に送られ、溶け残った水酸化鉄(III)や原水由来の不溶化物(例えば、SS成分やCaF2等)からなる汚泥15が分離され、溶解、分離により得られた第二鉄イオン又は第二鉄塩(FeCl3)が、第2実施態様同様、光触媒反応槽8での光触媒反応により第一鉄イオンに還元されてフェントン処理に供される。そして、固液分離装置12で分離された汚泥15は、強い酸性であり、このまま処分することはできないため、pH調整槽13に返送され、中和されるとともに、反応槽でのフロック生成の核として有効利用される。
【0026】
〔実験1〕
図1に示した装置および化学酸化方法の有効性を確認するため、以下のような実験を行った。
ビーカーにTOC ≒200 mg/Lとなるように調整したクエン酸溶液300mL を入れて被処理液とした。一方、別のビーカーに、5%-FeCl3溶液80mLを採り、酸化チタン焼成シート約2gを入れて、マグネットスターラーで攪拌しながら、低圧水銀ランプ(千代田工販株式会社製SGL-500T4U:消費電力15W、波長254nm)を1時間照射して、第二鉄イオンを第一鉄イオンに還元した試薬を調整した(以下、第一鉄調整試薬(1)と称する。)。被処理液に塩酸を添加してpHを2に調整した後、第一鉄調整試薬(1)8.5mL と5%- 過酸化水素水7.5mL を加え、さらに純水を加えて500mL とした。これに塩酸を添加してpHを2に調整した後、マグネットスターラーで3時間攪拌した。TOC濃度を測定したところ、TOC残存率は約30%であった。
【0027】
〔実験2〕
図2に示した装置および化学酸化方法の有効性を確認するため、以下のような実験を行った。
ビーカーにTOC ≒200mg/L となるように調整したクエン酸溶液300mL を入れて被処理液とした。一方、実験1で得られた水酸化鉄(III)の汚泥をビーカーにとり、純水を加えて80mlとした。この汚泥にpHが1.5 となるように塩酸を加え、マグネットスターラーで1時間攪拌したところ、汚泥の約75%が溶解した。この上澄み液をグラスフィルターでろ過して得たろ液に5%-FeCl3溶液2mL を加え、さらに純水を加えて80mLとした。ここに、酸化チタン焼成シート約2gをいれて、マグネットスターラーで攪拌しながら、低圧水銀ランプ(千代田工販株式会社製SGL-500T4U:消費電力15W、波長254nm)を1時間照射して、第二鉄イオンを第一鉄イオンに還元した試薬を調整した(以下、第一鉄調整試薬(2)と称する。)。被処理液に塩酸を添加してpHを2に調整した後、第一鉄調整試薬(2)80mLと5%- 過酸化水素水7.5mL を加え、さらに純水を加えて500mL とした。これに塩酸を添加してpHを2に調整した後、マグネットスターラーで3時間攪拌した。TOC濃度を測定したところ、TOC残存率は約30%であった。
【0028】
〔比較実験〕
ビーカーにTOC ≒200mg/L となるように調整したクエン酸溶液300mL を入れて被処理液とした。被処理液に塩酸を添加してpHを2に調整した後、5%-FeCl3溶液8.5mL と5 %-過酸化水素水7.5mLを加え、さらに純水を加えて500mL とした。これに塩酸を添加してpHを2に調整した後、マグネットスターラーで3時間攪拌した。TOC濃度を測定したところ、TOC残存率は約30%であった。
【0029】
これらの結果より、フェントン試薬の原料として、塩化第一鉄溶液の代わりに、光触媒の存在下で塩化第二鉄溶液に紫外線を照射した試薬を用いることができることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、含有する有機物をフェントン処理により分解処理することが求められるあらゆる廃水の処理に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施態様に係る廃水の処理装置の工程フロー図である。
【図2】本発明の第2実施態様に係る廃水の処理装置の工程フロー図である。
【図3】本発明の第3実施態様に係る廃水の処理装置の工程フロー図である。
【図4】従来のフェントン処理を用いた廃水の処理装置の工程フロー図である。
【図5】従来の光触媒処理を用いた廃水の処理装置の工程フロー図である。
【符号の説明】
【0032】
1 被処理水
2 フェントン反応槽
3 還元槽
4 凝集槽
5 沈殿槽
6 処理水
7 汚泥
8 光触媒反応槽
9 紫外線照射手段
11 汚泥溶解槽
12 固液分離装置
13 pH調整槽
14 反応槽
15 汚泥

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過酸化水素供給手段と、第一鉄イオン供給手段と、pH調整手段とを備え、反応器内でヒドロキシラジカルを発生させる化学的酸化装置を有する廃水の処理装置であって、前記化学的酸化装置における第一鉄イオン供給手段が、第二鉄イオン供給手段と、供給された第二鉄イオンを光触媒に接触させることにより第一鉄イオンを発生させる手段と、光照射手段と、を有することを特徴とする廃水の処理装置。
【請求項2】
過酸化水素供給手段と、第一鉄イオン供給手段と、pH調整手段とを備え、反応器内でヒドロキシラジカルを発生させる化学的酸化装置を有する廃水の処理装置であって、前記化学的酸化装置における第一鉄イオン供給手段が、水酸化鉄(III)溶解手段と、該水酸化鉄(III)溶解手段で得られた第二鉄イオンを光触媒に接触させることにより第一鉄イオンを発生させる手段と、光照射手段と、を有することを特徴とする廃水の処理装置。
【請求項3】
有機物を含む廃水に、過酸化水素水と第一鉄イオンの存在下で有機物を分解するフェントン法を適用した廃水の処理方法であって、前記第一鉄イオンを、第二鉄イオンまたは第二鉄塩を光触媒に接触させながら光を照射することにより発生させることを特徴とする、廃水の処理方法。
【請求項4】
光触媒と接触させる第二鉄イオンまたは第二鉄塩を、水酸化鉄(III)または水酸化鉄(III)を含む汚泥を酸で溶解させることにより得る、請求項3に記載の廃水の処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−125521(P2007−125521A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−322020(P2005−322020)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(000004400)オルガノ株式会社 (606)
【Fターム(参考)】