説明

廃水を収容および処理するシステムと方法

複数チャンバの貯留池が、下水システムの処理能力以上の過剰な廃水を収容する大きさに作られる。前記貯留池の容量を超えた前記廃水を消毒するため、前記第1の貯留池の後の前記システムの地点で消毒薬が添加される。降雨事象が終了した後、過剰な下水を処理する容量がある場合、前記複数チャンバの貯留池における前記下水が前記下水システムに戻される。前記第1の貯留池のチャンバの前記廃水を消毒しないことにより、全体的な消毒薬の使用量を最小限にできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年12月4日出願の米国仮特許出願第60/992,140号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、合流式雨水および下水管渠システム又は下水管渠システムといった下水システムからの過剰な廃水を収容および処理するためのシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0003】
合流式下水管渠システム、すなわち下水および流れる雨水の両方を流す下水システムは、雨水および下水管渠システムを分けることが普通になった時代以前に建造された多くの古い都市に未だ存在する。激しい豪雨の際、合流式雨水および下水管渠システムを通る下水の流れが下水処理場の処理能力を超えることがある。川、湖または海といった受水域に過剰な未処理の下水が流入するのを避けるため、過剰な雨水および汚水を合わせて収容する貯留池を作るのが一般的である。降雨事象の後、下水は下水システムに再度取り込まれ、利用可能な処理能力がある時に下水処理場で処理される。
【0004】
貯留池は歴史的に見ても建設費用が高く、特に限られた土地および高地における地域では費用がかかる。多くの従来の貯留池には、貯留池の容量を超えた場合に下水を水路に排出するための実質的なポンプ設備が更に必要である。未処理の下水を水路に放流することによる健康上のリスクをなくすため、貯留池システムは、消毒薬を廃棄流のシステムに投入し、貯留池の放出から固形物ならびに浮遊物を分離するシステムを含むことができる。
【発明の概要】
【0005】
建設費用を最低限に抑え、貯留池からのオーバーフローを消毒およびスクリーニングするために設計された貯留池システムの最先端技術のいくつかの例が、米国特許第6,503,404号、米国特許出願第2006/0273046号および国際公開第2006/130850号に示されており、総て本発明の出願人により以前に発明され、参照により本明細書に組み込まれる。これらのシステムでは、分割された垂直シャフトまたは底部で相互に連結された近接する一対の垂直シャフトにより、貯留池を通る下水の流れを非常に長い時間消毒剤と接触させることができる。貯留池のオーバーフローから固形物および浮遊物を容易に取り除くことができ、システムの設置面積が小さいため土地取得価格費用は最小限にされる。
【0006】
本システムおよび方法は、一時的に下水システムの処理能力を上回る降雨事象の大部分が貯留池のオーバーフローを起こさないような大きさに作られた複数チャンバの貯留池を利用する。貯留池の第1のチャンバの後に処理剤または消毒薬が供給され、これにより貯留池から排出されるオーバーフローが好適に消毒される。降雨事象が終了後、利用可能な下水処理能力がある場合、貯留池の下水は下水システムに汲み戻される。排出されない廃水を処理するための消毒薬の使用量を最小限にするため、降雨事象の後に下水システムに戻される第1のチャンバの中身を消毒する必要をなくすべく、第2のチャンバに消毒薬が供給される。下水システムに戻される廃水を処理する消毒薬の使用量を削減することにより、操業費を減らすだけでなく、下水システムの性能を向上させ、環境への消毒薬の排出を減らす。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の廃水処理システムの第1の実施形態の側面図である。
【図2】図2は、図1の処理システムの平面図である。
【図3】図3は、第2の廃水処理システムの実施形態の斜視図である。
【図4】図4は、第3の廃水処理システムの実施形態の斜視図である。
【0008】
図1および図2を参照すると、廃水処理システム10の第1の実施形態が図示されている。この処理システムは、サイアミーズ法で一般的な仕切り壁16と共に連結される2の平行なシャフト12および14から構成される。過剰な下水の流れは、下水吸入口18を通り、シャフト12内のシステムに導入される。通常、収容シャフト12内の下水は、消毒薬または他の化学薬品で処理されない。収容シャフト12が一旦満たされると、未処理廃水の下水は仕切り壁16を超えて処理シャフト14へ流出する。処理シャフト14には、シャフトの底部に達しない仕切り壁20が設けられる。下水が処理シャフト14に流入する時、適量の消毒薬のような処理剤が下水量に比例して処理剤ディスペンサ17によって供給される。代替の処理剤は、凝集剤または凝集剤と消毒薬との組み合わせを含む。
【0009】
下水の水位が処理シャフト14の処理能力を超えた時、下水はスクリーン22を通過し、放出口24を通って排出される。処理シャフト14を2の相互接続されたチャンバに分割する吊り下げられた仕切り壁20は、U字型の流路を通って移動する、処理シャフトを通る下水の流れを引き起こす。下水はまず下方に流れ、その後仕切り壁20の反対側を上方に流れ、これにより排出放出口24を通って排出される前に、下水を十分に処理(消毒)すべく処理剤との十分な接触時間が維持される。重い固形物は収容シャフト12および処理シャフト14の底部に堆積する。仕切り壁20はまた、浮遊物質が排出放出口24から排出されるのも防ぐであろう。スクリーン22は、浮遊または沈殿することにより分離されない固形物質をさらに除去する。
【0010】
スクリーン22に達する固形物質の量をさらに制限するため、任意のスキマー壁21が収容シャフト12の上部に設置されてもよい。スキマー壁21は仕切り壁16に近接して配置され、収容シャフト内で下方に比較的短い距離で延在する。スキマー壁21は、収容シャフト12内の浮遊固形物を保持し、処理シャフト14に導入される浮遊廃棄物の量を著しく減らし、特に非常に高い流量で、良好に浮遊物の分離を起こす。
【0011】
過剰な下水を引き起こす降雨事象が終わり、過剰な処理能力がある場合、システムに含まれる下水は徐々に下水システムに戻され、かつ廃水処理場で処理される。下水ポンプ26と28とが収容シャフト12および処理シャフト14の底部に設けられ、下水をシャフトで収集された様々な固形物および浮遊物質と共に主の下水コレクタ30に戻す。これにより、貯留池から固形廃棄物を収集する必要がなくなる。参照により既に組み込まれた先の特許出願に記載したように、堆積した様々な固形物を押し流すために、回転式攪拌機が収容および処理シャフトの底部に設置されてもよい。
【0012】
好適には、収容シャフト12からの下水はまず、システムの外に汲み上げられる。収容シャフト12が一旦空になると、処理シャフト14の中身は下水コレクタ30に戻される。この方法では、別の暴風雨といった過剰な下水が起こる事象が再度起こった場合、下水および雨水の両方が収容シャフト12に収容され、収容シャフト12が再度満たされるまで、さらに消毒剤を使用する必要がない。処理シャフト14の前に収容シャフト12を使用することで、システムの容量を増加させ、消毒薬の使用量を最小にする。
【0013】
本発明の廃水処理システムは、非常に大容量のシステムを作る際に利用可能である。図1および図2に示す設計において構築されたシステムでは、当該システムの容量は10,000,000ガロン超、好適には20,000,000ガロン超であり、図示された実施形態の容量は約24,000,000ガロンである。このシステムの容量のうち80%超、好適に半分は収容シャフト12にあり、残りは処理シャフト14内にある。好適には、収容シャフト12と処理シャフト14のそれぞれの直径は40フィート以上である。開示された代表的な実施形態では、それぞれのシャフトの半径は約60フィートであり、呼び高さは約150フィートである。この大きさの廃水処理システムを構築する場合、地中連続壁工法を利用してシャフトの壁を形成してもよい。仕切り壁16および20は、地中連続壁工法を利用して設置するか、あるいは型に注入される鉄骨鉄筋コンクリートを利用してその後適所に鋳造してもよい。ここで得られるシステムは、少なくとも毎秒600立方フィート、好適には毎秒1,000立方フィートの流量を収容し、廃水の放出口24に達する廃水を消毒するために、第2のコンテナに導入される処理剤との十分な接触時間を有するように構成される。
【0014】
代替的に、特に直径が小さいシャフトでは、垂直地下シャフトの構築において一般的に行われるように、積み重ねた一連の鉄骨鉄筋コンクリートリングを地中に沈めることによりシャフトを構成できる。一度シャフトが適所に配置され、シャフト底部が完成すると、処理場は通常、地表の高さまたはそれより下に配置される鉄骨鉄筋コンクリートのデッキで覆われる。
【0015】
図3は、収容シャフト34と処理シャフト36とから構成される本発明の第2の実施形態32を図示している。これらのシャフトはほぼ垂直であり、互いに平行に間隔を置いて配置される。収容シャフト34には、収容シャフトに連結される、下水コレクタ40でのオーバーフローに対する吸入口38が設けられる。収容シャフト34は垂直な円筒形シャフトとして示されているが、本発明を実施するために他の適した収容貯留池の形状を利用することもできる。導管42は収容シャフトの放出口と処理シャフト36の吸入口とを提供する。処理シャフト36には、シャフトの底部には達しないで終端する仕切り壁44が設けられており、図1および2に図示された処理シャフト14に類似している。スクリーン46は、浮遊または沈殿によって分離されない固形物を収集するために仕切り壁44の放出口側に設けられる。消毒薬ディスペンサ48が、処理シャフトに流入する下水の流れに測定上比例する消毒薬の化学物質を投入する処理シャフト36の吸入口に設けられる。処理シャフトには放出口50が設けられ、これにより消毒およびスクリーニングされた処理システムからのオーバーフローが安全に排出される。
【0016】
第2の実施形態の水処理システムには、過剰な水の発生が終了して処理場に追加の下水を処理する十分な容量がある場合に、収集された下水を下水コレクタ40に戻す下水ポンプ52および54とが設けられる。
【0017】
図4は、廃水処理システム56の第3の実施形態を示す。この廃水処理システム56は、未処理の下水を収容する収容貯留池58を有する。収容貯留池58は、下水システムのコレクタ60からのオーバーフローに連結されている。収容貯留池が満たされると、下水は導管62を通って収容貯留池から排出され、二重シャフト処理システム64に流入する。二重シャフト処理システム64は1対のシャフト68および70から構成され、これらは垂直であり、互いに近接して間隔をおいて配置される。シャフトは連結導管72によって底部で連結されている。下水はシャフト68を通ってほぼ下方に流れ、シャフト70を通って上方に流れて、下水の管高さを実質的に一定に維持する。所望であれば、シャフト68の直径はシャフト70よりもさらに小さく作られてもよい。処理シャフト70の上部には、スクリーン74と、処理してスクリーニングされた下水のオーバーフロー放出口76とが設けられている。システムに流入する下水量に比例して廃水の流れに消毒剤を導入するため、消毒薬ディスペンサ78が導管62に近接して設けられる。上記の実施形態のように、システムで収集された固形物および浮遊物と共に廃水を汲み上げて下水コレクタ60に戻すために、各シャフトにはシャフトの最底部に下水ポンプ80、82および84が設けられている。
【0018】
図1および3の下水システム10および32のような、図4に図示されたシステム56の実施形態は、処理シャフトに流入するよりも前に、未処理の状態で収容シャフトまたは収容貯留池に下水を収容できる。しかしながら、任意の補助消毒薬ディスペンサ78’を介して、同様に消毒薬を収容シャフトに任意に導入することも可能である。非常に高い流速の過剰な水が予想される場合、あるいは、廃水の流速がプリセットレベルを超え、そのレベルが非常に高く、処理シャフトのみに導入される時に、消毒剤との接触時間が十分に生じない場合、消毒薬を収容シャフト34に添加することにより、十分な消毒薬との接触が保証される。排出された廃水流量が通常の設計流量まで一旦減少すると、消毒薬がディスペンサ78でのみ再度導入されてもよい。消毒薬が収容シャフト34に投入されなくなった後しばらく、廃水の流れが通常レベルで続く場合、降雨事象の終了した時に収容シャフト34には消毒薬は殆ど残らない。消毒薬の使用量を減らすために、前述の図1および3における実施形態において任意の補助消毒薬ディスペンサを利用することもできる。
【0019】
本システムおよび方法は、高品質のオーバーフロー排出を維持する一方で、下水システムの作業者による消毒薬の利用を最小限にすることができる。自治体の下水システムの設計は常に妥協の連続であり、収容量と、建設および操業コストとが相反している。本発明は、必要な消毒薬の量を効果的に最小限にする一方で、合理的なコストで非常に大きい廃水貯留池を建造するのを可能にする。
【0020】
本発明の複数の実施形態が図示および記載されたが、これらの実施形態は本発明に考えられる全ての形状を図示および記載することを意図していない。むしろ、本明細書に使用された用語は、限定ではなく説明の用語であり、本発明の精神および範囲を超えることなく様々な変更が実行できることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多い降雨事象の時に発生した下水システムからの過剰な廃水を処理する廃水処理システムにおいて、当該廃水処理システムが:
前記下水システムから超過廃水を直接受けるように構成された吸入口を有する第1の収容チャンバであって、上端部と下端部とを有しており、前記上端部はオーバーフロー放出口を有し、前記下端部は戻り放出口を有する第1の収容チャンバと;
上端部と相互接続された下端部とをそれぞれ有する第2および第3の収容チャンバであって、前記第2の収容チャンバの前記上端部は前記第1の収容チャンバの前記オーバーフロー放出口から廃水を受けるように構成された吸入口を有し、前記第3の収容チャンバの前記上端部は廃水排出路のオーバーフロー放出口を有し、前記第2および第3の収容チャンバの少なくとも一方の前記下端部が戻り放出口を有する第2および第3の収容チャンバと;
前記第2および第3の収容チャンバの少なくとも一方の前記廃水に処理剤を導入する処理剤ディスペンサと;
前記戻り放出口に連結された吸入口と、前記下水システムに連結された放出口とを有する少なくとも1つの復水ポンプと;
を具えており、
多い降雨事象の時、前記廃水が前記下水システムから前記第1の収容チャンバに流れ、前記第1の収容チャンバが前記第2の収容チャンバへの廃水のオーバーフローで満たされた場合、前記廃水が通常前記第2のチャンバを通って最初に下方向に流れ、その後通常前記第3の収容チャンバを通って上方向に流れ、
前記廃水排出路に流入する前に前記廃水を少なくとも部分的に消毒するために、前記処理剤が前記廃水との十分な接触時間を有し、
前記多い降雨事象が終了した時、前記第1、第2および第3の収容チャンバの廃水が前記戻り放出口を通って前記下水システムに戻されることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、少なくとも1の前記収容チャンバの前記上端部に配置されたほぼ水平方向のスクリーン装置をさらに具えることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムにおいて、前記スクリーン装置が複数のスクリーンと前記スクリーンを支持するバッフル壁とを具えており、前記バッフル壁が前記廃水により運ばれた細片を捕捉するために前記スクリーン上に延在する隆起部を有することを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記第2および第3の収容チャンバが、普通の壁により分離された垂直の処理シャフトの近接部分であることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムにおいて、前記処理シャフトの直径が少なくとも40フィートであることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムにおいて、前記処理シャフトが、前記廃水排出路に流入する前記廃水を実質的に消毒するために、少なくとも毎秒600立方フィートの流量で、前記廃水と消毒剤との十分な接触時間を提供する能力を有することを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項5に記載のシステムにおいて、前記第1の収容チャンバが、少なくとも1千万ガロンの容量を有する垂直シャフトをさらに具えることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記第2および第3の収容チャンバが、導管により相互接続された、近接する垂直のシャフトと間隔をおいて配置されること特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムにおいて、前記第2および第3の収容チャンバが、前記廃水排出路に流入する前記廃水を実質的に消毒するために、少なくとも毎秒600立方フィートの流量で、前記廃水と消毒剤との十分な接触時間を提供する能力を有することを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項8に記載のシステムにおいて、前記第1の収容チャンバが、少なくとも直径40フィートのシャフトにより形成されることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項8に記載のシステムにおいて、前記第1の収容チャンバが、少なくとも1千万ガロンの容量を有する垂直シャフトをさらに具えることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項8に記載のシステムにおいて、第1の収容チャンバが、前記第2および第3の収容チャンバの合計容量の80%以上の容量を有することを特徴とするシステム。
【請求項13】
下水システムの処理能力以上の廃水を発生させるほど多い降雨事象の時に発生する前記下水システムからの過剰な廃水を処理する方法において、当該方法が:
第1の収容チャンバにおける前記下水システムからの前記過剰な廃水を受け取るステップであって、前記第1の収容チャンバがオーバーフロー放出口を有する上端部と戻り放出口を有する下端部とを具えるステップと;
降雨事象の時に前記第1の収容チャンバが満たされた場合、廃水が第2の収容チャンバに流れ出ることを可能にするステップであって、前記第2の収容チャンバが上端部と相互接続された下端部とをそれぞれ有する第3の収容チャンバに連結されており、前記第2の収容チャンバの前記上端部は前記第1の収容チャンバの前記オーバーフロー放出口から廃水を受けるように構成された吸入口を有し、前記第3の収容チャンバの前記上端部は廃水排出放出口を有し、前記第2および第3の収容チャンバの少なくとも一方の前記下端部は戻し放出口を有するステップと、
前記廃水排出放出口に達した廃水を消毒するために、前記第2のチャンバに達した前記廃水に処理剤を投入するステップと;
前記降雨事象の完了時に、前記第1、第2および第3の収容チャンバの廃水が前記戻り放出口に連結されたポンプを介して前記下水システムに戻されるステップと;
を具え、
前記第1の収容チャンバ内の前記廃水の処理剤の濃度が前記第2および第3の収容チャンバの前記廃水よりも実質的に低く、これにより前記処理剤の使用が抑えられることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、前記降雨事象の完了時、前記第2および第3の収容チャンバの前記廃水の処理前に、前記第1の収容チャンバの廃水が前記下水システムに戻されることを特徴とする方法。
【請求項15】
多い降雨事象の時に発生した下水システムからの超過廃水を処理する廃水処理システムにおいて、当該廃水処理システムが:
前記下水システムから超過廃水を直接受けるように構成される吸入口を有する第1の収容チャンバであって、上端部と下端部とを有しており、前記上端部はオーバーフロー放出口を有し、前記下端部は戻り放出口を有する第1の収容チャンバと;
上端部と下端部とを有する第2の処理チャンバであって、前記第1の収容チャンバの前記オーバーフロー放出口から廃水を受けるように構成される吸入口を有しており、前記上端部は廃水排出路のオーバーフロー放出口を有し、前記下端部は戻り放出口を有する第2の処理チャンバと;
前記第2の処理チャンバの前記廃水に処理剤を導入する処理剤ディスペンサと;
前記戻り放出口に連結された吸入口と前記下水システムに連結された放出口とを有する、少なくとも1の復水ポンプと;
を具えており、
多い降雨事象の時、前記廃水が前記下水システムから前記第1の収容チャンバに流れ、前記第1の収容チャンバが前記第2の処理チャンバへの廃水のオーバーフローで満たされた場合、前記廃水排出路に流入する前に前記廃水を少なくとも部分的に消毒するように、前記処理剤が前記廃水との十分な接触時間を有し、前記多い降雨事象の完了時、前記第1の収容チャンバおよび前記第2の処理チャンバの廃水が前記戻り放出口を介して前記下水システムに戻されることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記第1の収容チャンバおよび前記第2の処理チャンバの前記戻り放出口に連結された1対の復水ポンプをさらに具えており、前記降雨事象の完了時に、前記第1の収容チャンバの未処理の廃水が、前記第2の処理チャンバの前記廃水の処理前に前記下水システムに戻されることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムにおいて、前記第1の収容チャンバが、少なくとも1千万ガロンの容量を有する垂直シャフトをさらに具えることを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記廃水の流量が非常に多く、前記処理チャンバにおいて消毒剤との接触時間が不十分な場合、消毒剤を前記処理チャンバに導入される時に前記廃水を消毒するように、前記第1の処理チャンバの前記廃水に処理剤を任意に導入する補助処理剤ディスペンサをさらに具えることを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−505512(P2011−505512A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537051(P2010−537051)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/085537
【国際公開番号】WO2009/073786
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(510156734)
【氏名又は名称原語表記】GHALIB,Saad,A.
【Fターム(参考)】