説明

廃液処理装置

【課題】本発明は、水を亜臨界水、過熱水蒸気又は超臨界水に変化させても、蒸気のリークを抑制することが可能な廃液処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】水及び有機物を含む廃液を処理する廃液処理装置は、水を亜臨界水、過熱水蒸気又は超臨界水に変化させると共に、有機物を酸化させる反応器10と、反応器10に廃液を供給する廃液供給部と、反応器10に空気を供給する空気供給部と、反応器10を加熱するヒーター50を有し、反応器10は、外管11aと内管11bが接合されている二重管11を有し、外管11a及び内管11bの25℃における線膨張係数をそれぞれα及びα、ヒーター50により加熱される反応器10の内部の温度をTとすると、式
α<α
0<(α−α)×(T−25)≦2×10−3
を満たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃液処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、廃液を処理する方法としては、焼却処理、生物処理等の方法が知られている。しかしながら、焼却処理は、前処理の脱水や固形分凝集において、エネルギーや薬品が必要となり、不完全燃焼によりダイオキシン類が発生するという問題があった。また、生物処理は、処理時間が長く、処理後に発生する活性汚泥が新たな廃棄物となるという問題があった。
【0003】
そこで、亜臨界水、過熱水蒸気、超臨界水等の熱水中で廃液を処理する方法が知られている。
【0004】
特許文献1には、電力用トランスやコンデンサなどの電力機器に含まれるPCBを無害化処理するPCB処理方法が開示されている。このPCB処理方法は、電力用トランス或いはコンデンサなどの電力機器の構成材を分割破砕する工程と、分割破砕した破砕片からPCBに汚染された紙、木或いは樹脂などの有機廃棄物を他の構成材から分離して取り出す工程と、取り出した有機廃棄物を水熱分解処理または超臨界水酸化処理する工程を含む。
【0005】
一方、有機廃棄物を水熱分解処理または超臨界水酸化処理する反応器は、耐食性が必要とされる。
【0006】
特許文献2には、外管の内側に内管を挿入して外管と内管とを重ね合わせて結合する二重管の製造方法が開示されている。このとき、外管の材料は、炭素鋼、低合金鋼又はオーステナイト系ステンレス鋼であり、内管の材料は、外管の材料よりも熱膨張係数が小さいTi又はZrである。
【0007】
しかしながら、有機廃棄物を水熱分解処理または超臨界水酸化処理する反応器に適用すると、蒸気がリークするという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来技術が有する問題に鑑み、水を亜臨界水、過熱水蒸気又は超臨界水に変化させても、蒸気のリークを抑制することが可能な廃液処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、水及び有機物を含む廃液を処理する廃液処理装置であって、前記水を亜臨界水、過熱水蒸気又は超臨界水に変化させると共に、前記有機物を酸化させる反応器と、前記反応器に前記廃液を供給する廃液供給手段と、前記反応器に酸化剤を供給する酸化剤供給手段と、前記反応器を加熱する加熱手段を有し、前記反応器は、外管と内管が接合されている二重管を有し、前記外管及び前記内管の25℃における線膨張係数をそれぞれα及びα、前記加熱手段により加熱される前記反応器の内部の温度をTとすると、式
α<α
0<(α−α)×(T−25)≦2×10−3
を満たすことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の廃液処理装置において、前記内管は、チタン、タンタル、チタン・パラジウム合金又はニッケル合金を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の廃液処理装置において、前記外管と前記内管が拡散接合又はろう付けにより接合されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の廃液処理装置において、前記反応器は、前記廃液が供給される側及び前記有機物が酸化した廃液が排出される側に、継手部材を有し、前記加熱手段は、前記継手部材を加熱しないことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の廃液処理装置において、前記反応器は、前記継手部材を断熱する断熱部材をさらに有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、水を亜臨界水、過熱水蒸気又は超臨界水に変化させても、蒸気のリークを抑制することが可能な廃液処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の廃液処理装置の一例を示す図である。
【図2】図1の反応器を示す断面図である。
【図3】図1の廃液処理装置の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
【0017】
図1に、本発明の廃液処理装置の一例を示す。水及び有機物を含む廃液21aを処理する廃液処理装置100は、水を亜臨界水、過熱水蒸気又は超臨界水に変化させると共に、有機物を酸化させる反応器10と、反応器10に廃液21aを供給する廃液供給部20と、反応器10に空気を供給する空気供給部30と、反応器10に供給される廃液21a及び空気を予熱する予熱器40と、反応器10を加熱するヒーター50と、反応器10から排出された有機物が酸化した廃液と熱交換する熱交換器60と、反応器10から排出された有機物が酸化した廃液を気液分離する気液分離部70を有する。
【0018】
反応器10は、図2及び図3に示すように、外管11aと内管11bが接合されている二重管11の廃液21aが供給される側及び有機物が酸化した廃液が排出される側に、それぞれ継手部材12A及び12Bが設置されている。また、二重管11の有機物が酸化した廃液が排出される側の端部の近傍に、酸化触媒として、MnO(不図示)が充填されている。このとき、ヒーター50は、二重管11の外面に設置されており、継手部材12A及び12Bを加熱しないように設置されているため、継手部材12A及び12Bの耐久性を向上させることができる。
【0019】
さらに、継手部材12A及び12Bには、グラスウール13A及び13Bが設置されているため、反応器10の内部の温度を均一にすることができる。
【0020】
なお、グラスウール13A及び13Bの代わりに、ロックウール、発泡ガラス、フェノールフォーム、セルロースファイバー等の断熱部材を用いてもよい。
【0021】
また、継手部材12A及び12Bを断熱しなくても、廃液21aに含まれる有機物を十分に酸化できる場合は、グラスウール13A及び13Bを設置しなくてもよい。
【0022】
反応器10の内部の温度は、温度センサTにより検知され、所定の温度になるようにヒーター50が制御される。
【0023】
このとき、外管11a及び内管11bの25℃における線膨張係数をそれぞれα及びα、ヒーター50により加熱される反応器10の内部の温度をTとすると、式
α<α
を満たし、式
(α−α)×(T−25)・・・(1)
の値が0〜2×10−3であり、5×10−4〜1.5×10−3が好ましい。式(1)の値が0以下である場合又は2×10−3を超える場合は、水を亜臨界水、過熱水蒸気又は超臨界水に変化させると、外管11aと内管11bがずれたり、剥離したりして、蒸気がリークする。
【0024】
ヒーター50により加熱される反応器10の内部の温度Tは、通常、100〜700℃であり、200〜600℃が好ましい。
【0025】
外管11aを構成する材料としては、耐熱性及び耐圧性に優れる材料であれば、特に限定されないが、コバール合金、低熱膨張超耐熱合金HRA929(日立金属社製)等が挙げられる。
【0026】
内管11bを構成する材料としては、耐熱性及び耐食性に優れる材料であれば、特に限定されないが、チタン、タンタル、チタン・パラジウム合金、ニッケル合金等が挙げられる。
【0027】
外管11aと内管11bを接合する方法としては、特に限定されないが、溶接接合、固相接合等が挙げられる。中でも、耐久性に優れることから、拡散接合、ろう付けが好ましい。
【0028】
外管11aと内管11bを拡散接合により接合する方法としては、特に限定されないが、熱間静水圧加圧(HIP)等が挙げられる。
【0029】
外管11aの内径と内管11bの外径の差は、通常、3〜15mmであり、5〜10mmが好ましい。外管11aの内径と内管11bの外径の差が3mm未満であると、外管11a内に内管11bを挿入しにくくなることがあり、15mmを超えると、外管11aと内管11bを接合しにくくなることがある。
【0030】
ヒーター50としては、特に限定されないが、ラバーヒーター、バンドヒーター、セラミックヒーター、ハロゲンヒーター、シーズヒーター、オイルヒーター等が挙げられる。
【0031】
廃液供給部20は、廃液21aが貯蔵されているタンク21と、廃液21aを圧縮してタンク21から反応器10に連続供給するポンプ22と、開閉弁23を有する。このとき、タンク21には、攪拌羽根21bが設置されており、廃液21aを攪拌することができる。また、反応器10に供給される廃液21aの圧力は、圧力センサPにより検知され、所定の圧力になるようにポンプ22が制御される。
【0032】
反応器10に供給される廃液21aの圧力は、通常、1〜50MPaであり、5〜35MPaが好ましい。
【0033】
空気供給部30は、空気を廃液が供給される圧力以上に圧縮して反応器10に連続供給するコンプレッサー31と、開閉弁32を有する。このとき、反応器10に供給される空気の圧力は、圧力センサPにより検知され、所定の圧力になるようにコンプレッサー31が制御される。
【0034】
以上のようにして、反応器10では、廃液供給部20から供給された廃液21aと、空気供給部30から導入された空気が混合される。このとき、廃液21a及び空気は、予熱器40により予熱される。次に、ヒーター50により加熱されて、廃液21aに含まれる水が亜臨界水、過熱水蒸気又は超臨界水に変化されると共に、廃液21aに含まれる有機物が酸化されて低分子化される。さらに、低分子化された有機物は、MnOの触媒作用により完全酸化される。
【0035】
熱交換器60には、水61が貯蔵されているため、反応器10から排出された有機物が酸化した廃液が水61と熱交換することにより、水蒸気が発生する。
【0036】
気液分離部70は、熱交換器60から排出された有機物が酸化した廃液を大気圧まで減圧する背圧弁71と、減圧された有機物が酸化した廃液を気液分離する気液分離器72を有する。このとき、気液分離器72は、減圧された有機物が酸化した廃液を、無機酸等を僅かに含む水と、二酸化炭素ガス、窒素ガス等を含む気体に分離し、無機酸等を僅かに含む水が回収される。無機酸等を僅かに含む水は、水質基準を確認した後、工業用水として再利用される。
【0037】
なお、MnOの代わりに、Pt、Ir、Ag、Pd、Rh、Ru、Cu、Ni、Co、Fe、W、PdO、PtO、PtO、AgO、RuO、CuO、Co、NiO、Fe、VO5、Cr、CdO、CeO、Al、ThO等を用いてもよい。
【0038】
また、反応器10に空気を供給する空気供給部30の代わりに、反応器10にオゾンを供給するオゾン供給部、反応器10に過酸化水素水を供給する過酸化水素水供給部等を用いてもよい。
【実施例】
【0039】
以下、本発明を実施例に基づいて、具体的に説明する。
【0040】
[実施例1]
外管11aとしての、外径が12.7mm、厚さが1.24mm、長さが600mm、25℃における線膨張係数αが5.0×10−6−1のコバール合金製のチューブ及び内管11bとしての、外径が10mm、厚さが0.5mm、長さが600mm、25℃における線膨張係数αが6.3×10−6−1のタンタル製のチューブを、標準小型HIP装置に載置し、1000℃、90MPaで1時間HIP処理して拡散接合し、二重管11を得た。
【0041】
得られた二重管11が設置されている廃液処理装置100を用いて、8質量%メタノール水溶液を処理した。このとき、二重管11の有機物が酸化した廃液が排出される側の端部の近傍にMnO5gを充填した。
【0042】
まず、開閉弁23及び32を閉じた状態で、ヒーター50を用いて反応器10を加熱した。このとき、廃液処理装置100は、ヒーター50により加熱される反応器10の内部の温度Tが410℃であるため、式(1)の値は5.0×10−4である(表1参照)。
【0043】
次に、開閉弁23及び32を開き、ポンプ22を用いて、8質量%メタノール水溶液を10MPaで反応器10に供給すると共に、コンプレッサー31を用いて、空気を10.5MPaで反応器10に供給した。このとき、8質量%メタノール水溶液の反応器10における滞留時間を1分間とした。
【0044】
次に、反応器10から排出された有機物が酸化した廃液は、熱交換器60に貯蔵されている水61と熱交換することにより瞬時に25℃に冷却された。さらに、冷却された有機物が酸化した廃液は、背圧弁71により減圧された後、気液分離器72により液体成分と気体成分に分離された。
【0045】
気液分離器72により分離された液体成分と気体成分を分析したところ、TOC基準で99.999%の分解率が達成されていること、液体成分が水を含有すること、気体成分が二酸化炭素と水を含有することが確認された。
【0046】
また、継手部材12A及び12Bから蒸気はリークしなかった。
【0047】
[実施例2]
外管11aとして、外径が12.7mm、厚さが1.24mm、長さが600mm、25℃における線膨張係数αが6.0×10−6−1の低熱膨張超耐熱合金HRA929(日立金属社製)製のチューブを用いた以外は、実施例1と同様にして、二重管11を得た。
【0048】
得られた二重管11が設置されている廃液処理装置100を用いた以外は、実施例1と同様にして、8質量%メタノール水溶液を処理した。このとき、式(1)の値は1.2×10−4である(表1参照)。
【0049】
気液分離器72により分離された液体成分と気体成分を分析したところ、TOC基準で99.999%の分解率が達成されていること、液体成分が水を含有すること、気体成分が二酸化炭素と水を含有することが確認された。
【0050】
また、継手部材12A及び12Bから蒸気はリークしなかった。
【0051】
[実施例3]
内管11bとして、外径が10mm、厚さが0.5mm、長さが600mm、25℃における線膨張係数αが8.5×10−6−1のチタン製のチューブを用いた以外は、実施例2と同様にして、二重管11を得た。
【0052】
得られた二重管11が設置されている廃液処理装置100を用いた以外は、実施例1と同様にして、8質量%メタノール水溶液を処理した。このとき、式(1)の値は9.6×10−4である(表1参照)。
【0053】
気液分離器72により分離された液体成分と気体成分を分析したところ、TOC基準で99.999%の分解率が達成されていること、液体成分が水を含有すること、気体成分が二酸化炭素と水を含有することが確認された。
【0054】
また、継手部材12A及び12Bから蒸気はリークしなかった。
【0055】
[実施例4]
ろう材として、Cuを用いて、ろう付けにより外管と内管を接合した以外は、実施例2と同様にして、二重管11を得た。
【0056】
得られた二重管11が設置されている廃液処理装置100を用いた以外は、実施例1と同様にして、8質量%メタノール水溶液を処理した。このとき、式(1)の値は1.2×10−4である(表1参照)。
【0057】
気液分離器72により分離された液体成分と気体成分を分析したところ、TOC基準で99.999%の分解率が達成されていること、液体成分が水を含有すること、気体成分が二酸化炭素と水を含有することが確認された。
【0058】
また、継手部材12A及び12Bから蒸気はリークしなかった。
【0059】
[比較例1]
外管11aとして、外径が12.7mm、厚さが1.24mm、長さが600mm、25℃における線膨張係数αが1.6×10−5−1のSUS316製のチューブを用いた以外は、実施例1と同様にして、二重管11を得た。
【0060】
得られた二重管11が設置されている廃液処理装置100を用いた以外は、実施例1と同様にして、8質量%メタノール水溶液を処理した。このとき、式(1)の値は−3.7×10−3である(表1参照)。
【0061】
その結果、圧力センサPが3MPaになった時点で、急激に圧力が低下し、継手部材12A及び12Bから蒸気がリークした。二重管11を精査した結果、端面において、外管11aが内管11bに比べて相対的に膨張しており、シール性が低下していた。
【0062】
[比較例2]
内管として、外径が10mm、厚さが0.5mm、長さが600mm、25℃における線膨張係数αが8.5×10−6−1のチタン製のチューブを用いた以外は、比較例1と同様にして、二重管11を得た。
【0063】
得られた二重管11が設置されている廃液処理装置100を用いた以外は、実施例1と同様にして、8質量%メタノール水溶液を処理した。このとき、式(1)の値は−2.9×10−3である(表1参照)。
【0064】
その結果、圧力センサPが2MPaになった時点で、急激に圧力が低下し、継手部材12A及び12Bから蒸気がリークした。二重管11を精査した結果、端面において、外管11aが内管11bに比べて相対的に膨張しており、シール性が低下していた。
【0065】
[比較例3]
外管11aとして、外径が12.7mm、厚さが1.24mm、長さが600mm、25℃における線膨張係数αが8.5×10−6−1のチタン製のチューブ、内管11bとして、外径が10mm、厚さが0.5mm、長さが600mm、25℃における線膨張係数αが1.6×10−5−1のSUS316製のチューブを用いた以外は、実施例4と同様にして、二重管11を得た。
【0066】
得られた二重管11が設置されている廃液処理装置100を用いた以外は、実施例1と同様にして、8質量%メタノール水溶液を処理した。このとき、式(1)の値は2.9×10−3である(表1参照)。
【0067】
その結果、内管11bの応力により外管11aが破壊されて、蒸気がリークした。
【0068】
表1に、評価結果を示す。
【0069】
【表1】

表1から、実施例1〜4の廃液浄化装置100は、式(1)の値が0〜2×10−3であるため、蒸気のリークを抑制できることがわかる。
【0070】
一方、比較例1、2の廃液浄化装置100は、式(1)の値が0以下であるため、蒸気がリークした。
【0071】
また、比較例3の廃液浄化装置100は、式(1)の値が2×10−3を超えるため、蒸気がリークした。
【符号の説明】
【0072】
100 廃液処理装置
10 反応器
11 二重管
11a 外管
11b 内管
12A、12B 継手部材
13A、13B グラスウール
20 廃液供給部
21 タンク
21a 廃液
21b 撹拌羽根
22 ポンプ
23 開閉弁
30 空気供給部
31 コンプレッサー
32 開閉弁
40 予熱器
50 ヒーター
60 熱交換器
61 水
70 気液分離部
71 背圧弁
72 気液分離器
T 温度センサ
、P 圧力センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開2002−143825号公報
【特許文献2】特開昭63−165028号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水及び有機物を含む廃液を処理する廃液処理装置であって、
前記水を亜臨界水、過熱水蒸気又は超臨界水に変化させると共に、前記有機物を酸化させる反応器と、前記反応器に前記廃液を供給する廃液供給手段と、前記反応器に酸化剤を供給する酸化剤供給手段と、前記反応器を加熱する加熱手段を有し、
前記反応器は、外管と内管が接合されている二重管を有し、
前記外管及び前記内管の25℃における線膨張係数をそれぞれα及びα、前記加熱手段により加熱される前記反応器の内部の温度をTとすると、式
α<α
0<(α−α)×(T−25)≦2×10−3
を満たすことを特徴とする廃液処理装置。
【請求項2】
前記内管は、チタン、タンタル、チタン・パラジウム合金又はニッケル合金を含むことを特徴とする請求項1に記載の廃液処理装置。
【請求項3】
前記外管と前記内管が拡散接合又はろう付けにより接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃液処理装置。
【請求項4】
前記反応器は、前記廃液が供給される側及び前記有機物が酸化した廃液が排出される側に、継手部材を有し、
前記加熱手段は、前記継手部材を加熱しないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の廃液処理装置。
【請求項5】
前記反応器は、前記継手部材を断熱する断熱部材をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の廃液処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−50920(P2012−50920A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194818(P2010−194818)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】