説明

延長コードドラム

【課題】 工具のプラグを差し込んだままで延長コードを巻き取っても、工具のコードがよじれず、かつ簡易な構造で作業現場での電気通電を受けることを特徴とする。
【解決手段】 工具のコードを差し込むコンセントを設けた胴部4と、その外周部をガイド13を介して巻装部8が独立して回動する構造にする。
巻装部8の回動時には胴部4との間に電気的通電は不要であるという、ドラムcの実用的特性を利用して、作業現場では巻装部8の静止時に、胴部4からのプラグ11を巻装部に設けたコンセント9に差し込むことによって電気通電を得る構造にした。
それによって常時電気的接触を必要とする構造を単純化することが可能となった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、延長コードドラムに関する。さらに詳しくは、コンセント部分が回転しない延長コードドラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、工場において作業所に電源がない場合、図3に示すように延長コードドラム(以下単にドラムという)aにより電源を確保することがなされている。すなわち、作業場所から離れた箇所にあるコンセント1に延長コードのプラグ3を差込、延長コード2を延長させてドラムaを作業場所近くに置き、そしてこの胴部4側面に設けられたコンセント5に工具のプラグ6を差込んで作業がなされている。
【0003】
そして、その箇所での作業が終了すると胴部4を含め全体を回動させて延長コード2の巻取り又は延長がなされる、
【0004】
しかるに、従来のドラムaにあってはコンセント5が設けられている胴部4とコードが巻装される巻装部8とが一体として回動する構造のため、工具のプラグ6をドラム側面のコンセント5に差込んだまま延長コード2を巻き取ると、工具からのコード7がよじれるという問題がある。これを避けるためには、延長コード2を巻き取る際に工具のプラグ6をコンセント6から抜く必要がある。
【0005】
しかしながら、通常このドラムaには複数の工具のプラグが差込まれているため、作業員はこのドラムaを持って作業場所を移動する必要があるときなど、多くの場合作業員は電気供給用コンセント1の場所から離れた距離で作業中のためプラグ3をコンセント1に差込んだままでドラムaを移動させることがなされている。
【0006】
そのためにドラムaが移動する際、延長コード2が延長するので胴部4のコンセント5に差し込まれた工具のコードが絡み合いよじれるため、工具プラグ6をコンセントから抜き取ってから移動することがなされていた。
【0007】
そのため、係る作業に従事する作業員などから工具のプラグ6をコンセント5に差込んだままで延長コード2の巻取りができるドラムaの出現が熱望されていた。
【0008】
そのような状況下で、図4に示すようなドラムbというように、巻装部8が回動しても胴部4は静止する構造を考案し、コンセントを差込んだ工具のコードがよじれない為の工夫・考案がこれまでなされてきた(参考 実公平2−40058号公報、特開平10−236737)。
【0009】
しかしながら従来の考案では、巻装部が回転する際にも、延長コードを巻装する巻装部との間に、常時電気的接触を不可欠な構造としたため(参考特許文献 実用新案公報(Y2) 平2−40058、特許公開平10−69935)、工具のコードのよじれを解決したものの、構造上の複雑化を招き製造コストを増加させる結果を招いた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は延長コードドラムの実用的特性、つまりドラムの移動時は電気的接触・通電は不必要であることに着眼し、構造を平易にし製造コストの低減に寄与するとともに延長コードのよじれを解決することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、コンセントが設けられている部分を静止させた状態で、延長コードの延長又は巻取りがなし得ることを、従来の構造をよりシンプルにして提供するための考案である。
【0012】
本発明においては、電極(+・−)を巻装部および胴部のそれぞれに設置し、常時電気的接触を必要としないため、延長コードドラムの移動終了後に、電極を接触・通電する機能を設けることによって、構造をシンプル、、且つ工具への電気供給及びよじれ問題を改善したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、巻装部が回転するときも、胴部は静止しているので、胴部のコンセントに差込まれた工具コードはよじれることはなく、移動完了時に巻装部と胴部に設けられた電極を接続固定して電気通電をすればよいので、常時電気的接触を保持する必要はないので構造をシンプルにすることができ製造コストを増加させずに実用価値の増加を果たすことができる。
【発明を実施するための形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施の形態に基づいて説明するが、本発明は係る実施の形態のみに限定されるものではない。
【0014】
本発明の一実施例に係るドラムCを図1及び、図2に一部の横断面図で示した。
【0015】
図1で説明する。胴部4は巻装部8が回動するときも、静止する構造である。ドラムCの移動終了後に、胴部4を固定する中空のシャフト12からコード10を引き出しプラグ11と巻装部8に設けたコンセント9を接続して、巻装部8と胴部4間の電気通電をする。巻装部8は円盤状の胴部4の外周部を挟んだ状態で回動するようになっている。
【0016】
図2を説明する。巻装部8と胴部4はガイド部13を介して、巻装部8が胴部4の外周を独立して回動する。延長コード2を通して供給される電流は、電極16a・16bから配線されて電極15a.・15bに連結されたコンセント9に通電される。プラグ11とコンセント9は工具使用時のみ差し込めばよく、ドラムの移動時はプラグ11は抜いておけばよい。
【0017】
胴部4の外周を保持するガイド部12には巻装部8の回動を補助するために一例としてベアリングを介在させることも可能である。また、プラグ10は伸縮性のあるコイル状のコードを素材とすることもよいが、ドラム使用時に、容易に巻装部8が回転するのを防止するため、コード10を強度の素材を使用してコード自体に巻装部の回転を抑止させる役割を与えるか、支持脚14から新たにストッパーを設けることが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態の延長コードドラムの外観図である。
【図2】同(部分)横断図である。
【図3】従来の延長コードドラムの外観図である。
【図4】従来の延長コードドラムの外観図である。
【符号の説明】
1 コンセント
2 延長コード
3 延長コードのプラグ
4 胴部
5 胴部コンセント
6 工具用コードプラグ
7 工具用コード
8 巻装部
9 コンセント
10 コード
11 プラグ
12 シャフト
13 ガイド部
14 支持脚
15a 電極
15b 電極
16a 電極
16b 電極
17 コンセントボックス
18 配線コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
延長コードドラムであって、コンセントが設けられている胴部を静止させた状態で延長コードを巻装する巻胴部が常時電気的接触を必要とすることなく、独立して回転する構造を持つことで、延長コードの延長又は巻取りがなし得るようにされていることを特徴とする延長コードドラム。
【請求項2】
複数のコンセントを有する前記胴部と、電気供給する目的の為の延長コードを巻装する巻胴部の双方にぞれぞれ、電極(+・−)配し、巻胴部が静止する状況下で両電極を接触固定又は、接触固定を解除させる作業を施すことによって、巻胴部と胴部間の通電・不通電を任意にコントロールできる機能を持つことを特徴とする延長コードプラグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−26110(P2011−26110A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202045(P2009−202045)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(509245924)
【Fターム(参考)】