建具用の戸締り装置
【課題】開閉体用の垂直ロック棒を施・解錠すること。
【解決手段】戸の縦框内に固定される縦長状の固定部材12と、この固定部材の少なくとも室外側又は室内側のいずれかに取り付けられる入力手段としてのシリンダ錠およびサムターンと、この入力手段に偏心腕39の一端部が連結されかつ該入力手段の動力によって所定量回動する作動体35と、この作動体と共働するように基端部が固定部材に設けた取付け柱19に軸支されていると共に下端部側に偏心腕が挿通する長孔47を有するロック片45と、施錠時、入力手段の動力によって作動体35が所定量回動すると、ロック片の自由端部に受け止められる係合片58を備えかつ前記縦框内に配設された垂直ロック棒9とから成る建具用の戸締り装置。
【解決手段】戸の縦框内に固定される縦長状の固定部材12と、この固定部材の少なくとも室外側又は室内側のいずれかに取り付けられる入力手段としてのシリンダ錠およびサムターンと、この入力手段に偏心腕39の一端部が連結されかつ該入力手段の動力によって所定量回動する作動体35と、この作動体と共働するように基端部が固定部材に設けた取付け柱19に軸支されていると共に下端部側に偏心腕が挿通する長孔47を有するロック片45と、施錠時、入力手段の動力によって作動体35が所定量回動すると、ロック片の自由端部に受け止められる係合片58を備えかつ前記縦框内に配設された垂直ロック棒9とから成る建具用の戸締り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引戸、開き扉、中折り戸等の開閉体に取り付けられる建具用の戸締り装置に関し、特に、戸枠の下枠(床側)又は上枠(天井側)の受け具(係合凹所)に係脱するスライド式の垂直ロック棒を施・解錠する建具用の戸締り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の建具用のフランス落としの構造は、「基板に長孔を形成し、本体枠の上端と下端に設けた上片と下片を基板の裏面に取り付けると共に本体枠の上下複数箇所にロック孔を穿ち、本体枠の上片と下片に上下スライド移動自在なロッドを挿通し、操作具を長孔に挿入して前後スライド移動自在にロッドの操作具取付孔に貫通させ、操作具の先端を本体枠のロック孔に挿入自在にし、操作具の先部にバネを嵌合装着して操作具を本体枠側へ弾性付勢すると共にこのバネをロッドに弾接させて成る」。
【0003】
上記フランス落としの構造は、バネの付勢力を基板側に作用させるので、垂直ロッドのガタつきを防止することができると共に、引手の凹所内に水平突出する操作具を手動で操作(水平方向へと手前に引く操作を)しない限り、侵入者は、外部からロッドを解錠方向へと持ち上げることができないという利点がある。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のフランス落としの構造は、横向凹所状の基板(引手)内に垂直ロッド用の水平操作具の操作端部(摘み部)が突出しているので、侵入者が針金等を利用して、前記水平操作具を操作する恐れがある。
【0005】
そこで、現在、戸枠の下枠(床側)又は上枠(天井側)の受け具(係合凹所)に係脱するスライド式の垂直ロック棒を施・解錠する新規な建具用の戸締り装置の出現が要望されている。
【0006】
なお、特許文献2にも「上げ落とし錠」が記載されている。しかし、この上げ落とし錠のロック機構は、垂直ロッド棒の上端部に設けられ、かつ基板の表面の咬合部に噛み合うブロックであり、前記ロック機構は、戸の縦框内に固定される縦長状の固定部材を構成要件とはしていない。
【特許文献1】実開平6−58080号公報
【特許文献2】特開平9−158580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の所期の目的は、防犯性に優れていると共に、内部空間が比較的狭い戸の縦框に戸締り装置を内設してスライド式の垂直ロック棒を施・解錠することである。また、本発明の第2の目的は、戸の縦框の内部空間を有効的に活用することができるように、主たる部材(作動体とロック片)を固定部材に組み込むことである。さらに、本発明の第3の目的は、各部材を簡単に組み合わせることができることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の建具用の戸締り装置は、戸の縦框内に固定される縦長状の固定部材12と、この固定部材の少なくとも室外側又は室内側のいずれかに取り付けられる入力手段21,21Aと、この入力手段に偏心腕39の一端部が連結され、かつ該入力手段の動力によって所定量回動する作動体35と、この作動体と共働するように基端部が前記固定部材に設けた一つの取付け柱19に軸支されていると共に下端部側に前記偏心腕が挿通する長孔47を有するロック片45と、施錠時、前記入力手段の動力によって作動体35が所定量回動すると、前記ロック片の自由端部に受け止められる係合片58を備え、かつ前記縦框内に配設された垂直ロック棒9とから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
(A)内部空間が比較的狭い戸の縦框に戸締り装置を内設してスライド式の垂直ロック棒を施・解錠することができる。
(B)請求項2に記載の発明は、戸の縦框の内部空間を有効的に活用することができる。
(C)主たる部材(作動体とロック片)の数が少ないので、各部材を簡単に組み合わせることができる。
(D)その他、引戸、開き扉、中折り戸等の態様の開閉体に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図1乃至図21に示す本発明を実施するための最良の形態により説明する。
【0011】
(1)発明の実施の環境
図1乃至図3は発明の実施の環境を示す各概略説明図である。図1は、引戸、開き扉、中折り戸等の開閉体(建具)に適用し、かつ室内側から見た概略説明図である。本実施例では、中折り戸の縦框に適用している。また、図2は天井側の水平ガイドレールを省略した平面視側から見た概略説明図で、左側の縦框に本発明の戸締り装置Xが設けられている。図3は、戸締り装置Xの解錠時において、中折り戸がヒンジ部材を介して折れ曲がっている状態を示す。
【0012】
さて、図1乃至図3に於いて、1は戸枠、2は床、3は出入り口の上枠に配設され水平ガイドレール、4は吊り下げ部材5を介して前記水平ガイドレール3に折り曲げ可能に設けられた開閉体である。開閉体4は、例えばテラス用ドアとしての中折り戸であり、左側の戸4aと右側の戸4bは複数個のヒンジ部材6を介して折り曲げ可能に連結されている。
【0013】
ここで、一方の戸4aについて簡単に説明すると、戸4aは、普通一般に矩形状のガラス7と、このガラス7の外周縁部を取り囲む縦・横の框8とから成っており、前記框8の比較的幅が狭い縦框8aの中に本発明の主要部を構成する戸締り装置Xの錠筐体が設けられている。
【0014】
この戸締り装置Xは、縦框8aの中に垂直状態に配設された上下スライド自在な垂直ロック棒9を備え、この垂直ロック棒9の一端部(例えば下端部)9aが、床面2に設けた受け具10に落ち込む(いわゆるフランス落し)。なお、前記垂直ロック棒9は、特許文献1に記載してあるように、その中央部に図示しない連結ピンを介して直交状態に連結された棒状等の操作具11を有している。
【0015】
(2)本発明の主要部―固定部材12
戸4の縦框8aに固定的に内設される固定部材12は、本実施例では縦長状の錠筐体が用いられている。戸締り装置Xは、縦框8a内に配設した垂直ロック棒9が戸枠の下枠(床側)又は上枠(天井側)の受け具(係合凹所)に係合した場合に於いて、防犯上、前記垂直ロック棒9を施錠するために前記縦框8aに内設される錠前の一種であるから、戸締り装置Xの固定部材12は、垂直ロック棒9とは別個の部材である。
【0016】
図7に固定部材(錠筐体)12の一例を示す。固定部材12は、その表面に縦框8aの外壁面から若干突出する面座(フロント)13を有している。フランジ状の面座13は、図5、図7等で示すように縦長であり、縦框8aの外壁面に縦方向に形成した不番の縦長開口縁部に係止される。
【0017】
また、固定部材12は、面座13の裏面に縦長ブロック状の収納部14を有している。この収納部14は縦框8aの縦長開口内に全て内装される。図5及び図7を参照にすると、縦長ブロック状収納部14の略中央部には、シリンダ錠用の大径の嵌合孔15が形成されている。この嵌合孔15は、面座13の不番の小径嵌合孔に連通しており、前者の大径嵌合孔15にはシリンダ錠21の外筒が、一方、後者の小径嵌合孔にはシリンダ錠の内筒が嵌合する。
【0018】
しかして、収納部14の後端部に相当する該上部壁側と下部壁側は前記大径嵌合孔15の後端面よりも多少突出しており、これら上部側と下部側の後壁14aには、左右上下に所定間隔を有して合計4個の付勢手段20用の縦支持溝16が対向形成されている。また、前記後壁14aの縦支持溝16付近には、上下に取付け小孔17が形成されている。
【0019】
さらに、収納部14の上下の端部には、前記後壁14aよりも後方に段差状に突出する肉厚状の取付け部分18が存在し、これら上下の取付け部分18はそれぞれ不番のメネジを有している。加えて、上下の取付け部分18の内側段差部には、さらに短杆状の取付け柱19が水平方向に突出して設けられ、しかも、本実施例では、上方の取付け柱19にはロック片用の支軸としての機能も付与されている。
【0020】
なお、前記取付け部分18の横幅は、前記後壁14aよりも幅は狭く、望ましくは、取付け部分18の垂直の切欠状一側壁は、縦框内の垂直ロック棒の配設位置或いはスペースを考慮して、収納部14の垂直の一側壁14bよりも多少内側に位置するように設計すべきである(図6、図7参照)。そのように設計すると、縦框8aの内部スペースを有効的に活用することができる。
【0021】
(3)本発明の主要部―入力手段21、21A
入力手段21、21Aは、固定部材12の少なくとも室外(先端部)側又は室内(後端部)側のいずれかに取り付けられる。本実施例では、固定部材12の先端部側には、図12で示すシリンダ錠21が、一方、固定部材12の後端部側には、図13で示すサムターン21Aが直接又は間接的に装着される。
【0022】
シリンダ錠21は、普通一般のシリンダ錠21と同じ構造であるから、詳細な説明は割愛する。図5、図7及び図12を参照にすると、22は外筒、23は内筒、24はテールピースである。前述したように、外筒23は、固定部材12の大径嵌合孔15に嵌着し、また、内筒23の先端部は外筒23の前面から突出して固定部材12の小径嵌合孔に嵌り合う。さらに、テールピース24は外筒23の背面から突出して作動体35の円盤状先端部36の中央係合溝に係合する。
【0023】
一方、サムターン21Aは、固定部材12の後端部に縦長状のサムターン座25を介して回動自在に装着される。図13にサムターン21Aの一例を示す。また、図16にサムターン座の一例を示す。まず、サムターン座25は、中央部にサムターン21A用の円形軸孔26を有し、この円形軸孔26を基準として、その上下端部には固着具27用の貫通取付け孔28がそれぞれ形成されている。サムターン座25は、図5で示すように、固定部材12の上下の取付け部分18にそれぞれ螺合する前記固着具27を介して縦框8aの内壁面に面接触するように固定される。
【0024】
次に、サムターン21Aは、普通一般のそれと同様であり、サムターン座25の円形軸孔26に挿通する軸部30と、この軸部30の外端部に直交して設けられた板状の摘み31とから成り、前記軸部30の偏心部位には、作動体35の偏心腕39の端部が嵌入する連結穴32が形成されている。
【0025】
(4)本発明の主要部―作動体35
前述したように、入力手段は、本実施例では、固定部材12の先端部側に設けられたシリンダ錠21と、固定部材12の後端部側に設けられたサムターン21Aの二種類である。そこで、本実施例の作動体35は、図5で示すようにシリンダ錠21のテールピース24と前記サムターン21Aの間に介在し、テールピース24又はサムターン21Aの軸部30と共働するように一体的に連結されている。入力手段がシリンダ錠21のテールピース24又はサムターン21Aの軸部30のいずれであれ、作動体35は、その偏心腕の一端部が入力手段に直接又は間接的に連結され、かつ該入力手段の動力によって所定量回動する。
【0026】
図8及び図9に作動体35の一例を示す。作動体35は、前面にテールピース24用の中央係合溝36aを有する円盤状先端部36と、この円盤状先端部36の背面に連設する菱形形状のバネ受け部37と、このバネ受け部37の背面に連設する円盤状軸部38と、この円盤状軸部38の背面の偏心部位から後方に延在する偏心腕39とから成り、前記偏心腕39の後端部がサムターン21Aの偏心連結穴32に嵌入する。
【0027】
図14は作動体35の支持板或いは押さえ板の一例を示す。作動体35用の押さえ板41は、サムターン座25と比較すると、それよりも小さな矩形状の長板であり、その中央部には、作動体35の円盤状軸部38が遊嵌合する軸孔42を有している。また、この軸孔42を基準として、その上下端部には固定部材12の後壁14aの取付け小孔17と符合する取付け小孔43がそれぞれ形成されている。この押さえ板41は、前記取付け小孔17と螺合する第2の固着具44を介して前記後壁14aに固定され、軸孔42は作動体35の円盤状軸部38を支承する支持機能を有すると共に、その内面は菱形形状のバネ受け部37の外面を面接触状態に支持している。
【0028】
(5)本発明の主要部―ロック片45
ロック片45は、作動体35と共働するように基端部が固定部材に設けた支軸19に軸支されていると共に、下端部側に作動体35の偏心腕39が挿通する長孔を有している。図10にロック片45の一例を示す。ロック片45は、固定部材の支軸の機能を有する上方の取付け柱19に基端部の軸孔46を介して支承されている。下端部側の長孔47は、本実施例ではやや傾斜状である。
【0029】
しかして、ロック片45は、図5及び図10で示すように、前後一対のロック片本体45aと、このロック片本体45aを一体的に連結する縦長の連結板45bとから構成され、その下端が垂直ロック棒9の係合片58の上端面と係脱可能である。
【0030】
図15にロック片45用の抜け止め防止板48の一例を示す。この抜け止め防止板48は、上下端部に第3の固着具49用の貫通小孔50をそれぞれ有し、これらの貫通小孔50及び前記固着具49を介して固定部材12の上下の取付け柱19の端面に固定される。この抜け止め防止板48も長板状に形成され、その中央部には、作動体35の偏心腕39を受け入れる半円形状の切欠51を有している。
【0031】
(6)垂直ロック棒
垂直ロック棒9については説明したが、図11に垂直ロック棒9の一例を示す。垂直ロック棒9は、縦框8a内に垂直状態に配設され(図6参照)、上下方向にスライド自在である。付言すると、図6で示すように、垂直ロック棒9は、固定部材12の後端部側に突出状に設けた上下の取付け柱19の切欠状の一側壁と縦框の内壁面の空間に配設されている。
【0032】
しかして、図11で示すように、垂直ロック棒9の中央部(中央部寄りの部位も含む)には、単数又は複数個の連結ピン57用の横孔56が形成され、この横孔56及び前記連結ピン57を介して端面コ字形状の係合片58が直交状態に固定される。
【0033】
(7)解錠状態
図17は垂直係合棒9が非係合状態であって、かつ戸締り装置Xも解錠状態であることを示す。すなわち、垂直係合棒9の下端部9aは、床面2の受け具10から離れている(非係合状態)。したがって、垂直係合棒9の係合片58は、戸締り装置Xのロック片45の下端面(係止面)よりも上方に位置している。また、前記ロック片45は、自重により垂直状態になっていると共に、作動体45の偏心腕39は抜け止め防止片48の切欠51に入り込んでいる。
【0034】
図18は、図17の解錠時における作動体35の偏心腕39の位置と付勢手段(板バネ)20の状態を示す。解錠時、作動体35の偏心腕39は、固定部材の収納部14の中心よりも斜め右下の所に位置していると共に、左右の板バネ20は作動体35のバネ受け部37の角部に押圧されて外方向に膨らみ状に外拡変位している。したがって、例えば入力手段21Aを施錠方向へ多少回すと、左右の板バネ20のバネ力が作用するので、ソフトなタッチで入力手段を回すことができる。
【0035】
図19は作動体35が、例えば入力手段21Aに操作力により時計方向へと回転し、その偏心腕38の位置が解錠位置から施錠位置へと変位した場合を示す。この場合ロック片45は一つの取付け柱19を支点にして時計方向へ所定量回転する。
【0036】
(8)施錠状態
図20及び図21は、垂直係合棒9を落とした後(係合状態)、戸締り装置Xを施錠状態にした場合を示す。施錠時、入力手段21,21Aのいずれか一方の動力によって作動体35が所定量回動すると、ロック片45は基端部の支軸19を支点にして、かつ作動体35の偏心腕39と共働して施錠方向へと回転する。この時、作動体35に付勢手段20のバネ力が作用する。
【0037】
その結果、図20及び図21で示すように、作動体35の偏心腕39が固定部材12の略中心部に位置するので、ロック片45の下端が垂直ロック棒9の係合片58の端面(実施例では上面)へと位置する。したがって、垂直ロック棒9は、その係合片58を介してロック片45の下端面に受け止められる。
【実施例】
【0038】
発明の実施の形態で示した実施例に於いて、開閉体は、テラス用ドアとしての中折り戸であるが、もちろん、引戸や開き扉であっても良い。また、入力手段は、シリンダ錠21と、サムターン21Aの二種類であり、前記シリンダ錠21のテールピースと前記サムターン21Aの軸部は作動体35を介して連結されているが、いずれか一方であっても良い。望ましくは、後者のサムターン21Aは必ず装着する。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、主に錠前や建具の業界で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1乃至図21は本発明の最良の実施例を示す各説明図。
【図1】発明の実施の環境を示す概略説明図(室内側から見た概略説明図)。
【図2】発明の実施の環境を示す概略説明図(平面視側から見た概略説明図)。
【図3】発明の実施の環境を示す概略説明図(中折り戸がヒンジ部材を介して折れ曲がっている状態の概略説明図)。
【図4】入力手段21A側(室内側)から見た説明図。
【図5】戸締り装置の構造及び戸締り装置と垂直ロック棒(仮想線)の位置関係を一側面から見た説明図。
【図6】戸締り装置の構造及び戸締り装置と垂直ロック棒(仮想線)の位置関係を平面視側から見た説明図。
【図7】固定部材12の説明図。
【図8】作動体35の説明図。
【図9】作動体35の説明図。
【図10】ロック片45の説明図。
【図11】垂直ロック棒9の説明図。
【図12】室外側の入力手段21の説明図。
【図13】室内側の入力手段21Aの説明図。
【図14】押さえ板41の説明図。
【図15】抜け止め防止板48の説明図。
【図16】サムターン座25の説明図。
【図17】垂直係合棒9が非係合状態であって、かつ戸締り装置Xも解錠状態であることを示す説明図。
【図18】解錠時における要部の説明図。
【図19】主たる部材が解錠位置から施錠位置へと変位した説明図。
【図20】垂直係合棒9が係合状態であって、かつ戸締り装置Xも施錠状態であることを示す説明図。
【図21】施錠時における要部の説明図。
【符号の説明】
【0041】
X…戸締り装置、8a…縦框、9…垂直ロック棒、10…受け具、4…開閉体、12…固定部材、14…収納部、15…嵌合孔、18…取付け部分、19…取付け柱、21,21A…入力手段、24…テールピース、35…作動体、45…ロック片、47…長孔、36…円盤状先端部、37…バネ受け部、38…円盤状軸部、39…偏心腕。
【技術分野】
【0001】
本発明は、引戸、開き扉、中折り戸等の開閉体に取り付けられる建具用の戸締り装置に関し、特に、戸枠の下枠(床側)又は上枠(天井側)の受け具(係合凹所)に係脱するスライド式の垂直ロック棒を施・解錠する建具用の戸締り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の建具用のフランス落としの構造は、「基板に長孔を形成し、本体枠の上端と下端に設けた上片と下片を基板の裏面に取り付けると共に本体枠の上下複数箇所にロック孔を穿ち、本体枠の上片と下片に上下スライド移動自在なロッドを挿通し、操作具を長孔に挿入して前後スライド移動自在にロッドの操作具取付孔に貫通させ、操作具の先端を本体枠のロック孔に挿入自在にし、操作具の先部にバネを嵌合装着して操作具を本体枠側へ弾性付勢すると共にこのバネをロッドに弾接させて成る」。
【0003】
上記フランス落としの構造は、バネの付勢力を基板側に作用させるので、垂直ロッドのガタつきを防止することができると共に、引手の凹所内に水平突出する操作具を手動で操作(水平方向へと手前に引く操作を)しない限り、侵入者は、外部からロッドを解錠方向へと持ち上げることができないという利点がある。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のフランス落としの構造は、横向凹所状の基板(引手)内に垂直ロッド用の水平操作具の操作端部(摘み部)が突出しているので、侵入者が針金等を利用して、前記水平操作具を操作する恐れがある。
【0005】
そこで、現在、戸枠の下枠(床側)又は上枠(天井側)の受け具(係合凹所)に係脱するスライド式の垂直ロック棒を施・解錠する新規な建具用の戸締り装置の出現が要望されている。
【0006】
なお、特許文献2にも「上げ落とし錠」が記載されている。しかし、この上げ落とし錠のロック機構は、垂直ロッド棒の上端部に設けられ、かつ基板の表面の咬合部に噛み合うブロックであり、前記ロック機構は、戸の縦框内に固定される縦長状の固定部材を構成要件とはしていない。
【特許文献1】実開平6−58080号公報
【特許文献2】特開平9−158580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の所期の目的は、防犯性に優れていると共に、内部空間が比較的狭い戸の縦框に戸締り装置を内設してスライド式の垂直ロック棒を施・解錠することである。また、本発明の第2の目的は、戸の縦框の内部空間を有効的に活用することができるように、主たる部材(作動体とロック片)を固定部材に組み込むことである。さらに、本発明の第3の目的は、各部材を簡単に組み合わせることができることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の建具用の戸締り装置は、戸の縦框内に固定される縦長状の固定部材12と、この固定部材の少なくとも室外側又は室内側のいずれかに取り付けられる入力手段21,21Aと、この入力手段に偏心腕39の一端部が連結され、かつ該入力手段の動力によって所定量回動する作動体35と、この作動体と共働するように基端部が前記固定部材に設けた一つの取付け柱19に軸支されていると共に下端部側に前記偏心腕が挿通する長孔47を有するロック片45と、施錠時、前記入力手段の動力によって作動体35が所定量回動すると、前記ロック片の自由端部に受け止められる係合片58を備え、かつ前記縦框内に配設された垂直ロック棒9とから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
(A)内部空間が比較的狭い戸の縦框に戸締り装置を内設してスライド式の垂直ロック棒を施・解錠することができる。
(B)請求項2に記載の発明は、戸の縦框の内部空間を有効的に活用することができる。
(C)主たる部材(作動体とロック片)の数が少ないので、各部材を簡単に組み合わせることができる。
(D)その他、引戸、開き扉、中折り戸等の態様の開閉体に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図1乃至図21に示す本発明を実施するための最良の形態により説明する。
【0011】
(1)発明の実施の環境
図1乃至図3は発明の実施の環境を示す各概略説明図である。図1は、引戸、開き扉、中折り戸等の開閉体(建具)に適用し、かつ室内側から見た概略説明図である。本実施例では、中折り戸の縦框に適用している。また、図2は天井側の水平ガイドレールを省略した平面視側から見た概略説明図で、左側の縦框に本発明の戸締り装置Xが設けられている。図3は、戸締り装置Xの解錠時において、中折り戸がヒンジ部材を介して折れ曲がっている状態を示す。
【0012】
さて、図1乃至図3に於いて、1は戸枠、2は床、3は出入り口の上枠に配設され水平ガイドレール、4は吊り下げ部材5を介して前記水平ガイドレール3に折り曲げ可能に設けられた開閉体である。開閉体4は、例えばテラス用ドアとしての中折り戸であり、左側の戸4aと右側の戸4bは複数個のヒンジ部材6を介して折り曲げ可能に連結されている。
【0013】
ここで、一方の戸4aについて簡単に説明すると、戸4aは、普通一般に矩形状のガラス7と、このガラス7の外周縁部を取り囲む縦・横の框8とから成っており、前記框8の比較的幅が狭い縦框8aの中に本発明の主要部を構成する戸締り装置Xの錠筐体が設けられている。
【0014】
この戸締り装置Xは、縦框8aの中に垂直状態に配設された上下スライド自在な垂直ロック棒9を備え、この垂直ロック棒9の一端部(例えば下端部)9aが、床面2に設けた受け具10に落ち込む(いわゆるフランス落し)。なお、前記垂直ロック棒9は、特許文献1に記載してあるように、その中央部に図示しない連結ピンを介して直交状態に連結された棒状等の操作具11を有している。
【0015】
(2)本発明の主要部―固定部材12
戸4の縦框8aに固定的に内設される固定部材12は、本実施例では縦長状の錠筐体が用いられている。戸締り装置Xは、縦框8a内に配設した垂直ロック棒9が戸枠の下枠(床側)又は上枠(天井側)の受け具(係合凹所)に係合した場合に於いて、防犯上、前記垂直ロック棒9を施錠するために前記縦框8aに内設される錠前の一種であるから、戸締り装置Xの固定部材12は、垂直ロック棒9とは別個の部材である。
【0016】
図7に固定部材(錠筐体)12の一例を示す。固定部材12は、その表面に縦框8aの外壁面から若干突出する面座(フロント)13を有している。フランジ状の面座13は、図5、図7等で示すように縦長であり、縦框8aの外壁面に縦方向に形成した不番の縦長開口縁部に係止される。
【0017】
また、固定部材12は、面座13の裏面に縦長ブロック状の収納部14を有している。この収納部14は縦框8aの縦長開口内に全て内装される。図5及び図7を参照にすると、縦長ブロック状収納部14の略中央部には、シリンダ錠用の大径の嵌合孔15が形成されている。この嵌合孔15は、面座13の不番の小径嵌合孔に連通しており、前者の大径嵌合孔15にはシリンダ錠21の外筒が、一方、後者の小径嵌合孔にはシリンダ錠の内筒が嵌合する。
【0018】
しかして、収納部14の後端部に相当する該上部壁側と下部壁側は前記大径嵌合孔15の後端面よりも多少突出しており、これら上部側と下部側の後壁14aには、左右上下に所定間隔を有して合計4個の付勢手段20用の縦支持溝16が対向形成されている。また、前記後壁14aの縦支持溝16付近には、上下に取付け小孔17が形成されている。
【0019】
さらに、収納部14の上下の端部には、前記後壁14aよりも後方に段差状に突出する肉厚状の取付け部分18が存在し、これら上下の取付け部分18はそれぞれ不番のメネジを有している。加えて、上下の取付け部分18の内側段差部には、さらに短杆状の取付け柱19が水平方向に突出して設けられ、しかも、本実施例では、上方の取付け柱19にはロック片用の支軸としての機能も付与されている。
【0020】
なお、前記取付け部分18の横幅は、前記後壁14aよりも幅は狭く、望ましくは、取付け部分18の垂直の切欠状一側壁は、縦框内の垂直ロック棒の配設位置或いはスペースを考慮して、収納部14の垂直の一側壁14bよりも多少内側に位置するように設計すべきである(図6、図7参照)。そのように設計すると、縦框8aの内部スペースを有効的に活用することができる。
【0021】
(3)本発明の主要部―入力手段21、21A
入力手段21、21Aは、固定部材12の少なくとも室外(先端部)側又は室内(後端部)側のいずれかに取り付けられる。本実施例では、固定部材12の先端部側には、図12で示すシリンダ錠21が、一方、固定部材12の後端部側には、図13で示すサムターン21Aが直接又は間接的に装着される。
【0022】
シリンダ錠21は、普通一般のシリンダ錠21と同じ構造であるから、詳細な説明は割愛する。図5、図7及び図12を参照にすると、22は外筒、23は内筒、24はテールピースである。前述したように、外筒23は、固定部材12の大径嵌合孔15に嵌着し、また、内筒23の先端部は外筒23の前面から突出して固定部材12の小径嵌合孔に嵌り合う。さらに、テールピース24は外筒23の背面から突出して作動体35の円盤状先端部36の中央係合溝に係合する。
【0023】
一方、サムターン21Aは、固定部材12の後端部に縦長状のサムターン座25を介して回動自在に装着される。図13にサムターン21Aの一例を示す。また、図16にサムターン座の一例を示す。まず、サムターン座25は、中央部にサムターン21A用の円形軸孔26を有し、この円形軸孔26を基準として、その上下端部には固着具27用の貫通取付け孔28がそれぞれ形成されている。サムターン座25は、図5で示すように、固定部材12の上下の取付け部分18にそれぞれ螺合する前記固着具27を介して縦框8aの内壁面に面接触するように固定される。
【0024】
次に、サムターン21Aは、普通一般のそれと同様であり、サムターン座25の円形軸孔26に挿通する軸部30と、この軸部30の外端部に直交して設けられた板状の摘み31とから成り、前記軸部30の偏心部位には、作動体35の偏心腕39の端部が嵌入する連結穴32が形成されている。
【0025】
(4)本発明の主要部―作動体35
前述したように、入力手段は、本実施例では、固定部材12の先端部側に設けられたシリンダ錠21と、固定部材12の後端部側に設けられたサムターン21Aの二種類である。そこで、本実施例の作動体35は、図5で示すようにシリンダ錠21のテールピース24と前記サムターン21Aの間に介在し、テールピース24又はサムターン21Aの軸部30と共働するように一体的に連結されている。入力手段がシリンダ錠21のテールピース24又はサムターン21Aの軸部30のいずれであれ、作動体35は、その偏心腕の一端部が入力手段に直接又は間接的に連結され、かつ該入力手段の動力によって所定量回動する。
【0026】
図8及び図9に作動体35の一例を示す。作動体35は、前面にテールピース24用の中央係合溝36aを有する円盤状先端部36と、この円盤状先端部36の背面に連設する菱形形状のバネ受け部37と、このバネ受け部37の背面に連設する円盤状軸部38と、この円盤状軸部38の背面の偏心部位から後方に延在する偏心腕39とから成り、前記偏心腕39の後端部がサムターン21Aの偏心連結穴32に嵌入する。
【0027】
図14は作動体35の支持板或いは押さえ板の一例を示す。作動体35用の押さえ板41は、サムターン座25と比較すると、それよりも小さな矩形状の長板であり、その中央部には、作動体35の円盤状軸部38が遊嵌合する軸孔42を有している。また、この軸孔42を基準として、その上下端部には固定部材12の後壁14aの取付け小孔17と符合する取付け小孔43がそれぞれ形成されている。この押さえ板41は、前記取付け小孔17と螺合する第2の固着具44を介して前記後壁14aに固定され、軸孔42は作動体35の円盤状軸部38を支承する支持機能を有すると共に、その内面は菱形形状のバネ受け部37の外面を面接触状態に支持している。
【0028】
(5)本発明の主要部―ロック片45
ロック片45は、作動体35と共働するように基端部が固定部材に設けた支軸19に軸支されていると共に、下端部側に作動体35の偏心腕39が挿通する長孔を有している。図10にロック片45の一例を示す。ロック片45は、固定部材の支軸の機能を有する上方の取付け柱19に基端部の軸孔46を介して支承されている。下端部側の長孔47は、本実施例ではやや傾斜状である。
【0029】
しかして、ロック片45は、図5及び図10で示すように、前後一対のロック片本体45aと、このロック片本体45aを一体的に連結する縦長の連結板45bとから構成され、その下端が垂直ロック棒9の係合片58の上端面と係脱可能である。
【0030】
図15にロック片45用の抜け止め防止板48の一例を示す。この抜け止め防止板48は、上下端部に第3の固着具49用の貫通小孔50をそれぞれ有し、これらの貫通小孔50及び前記固着具49を介して固定部材12の上下の取付け柱19の端面に固定される。この抜け止め防止板48も長板状に形成され、その中央部には、作動体35の偏心腕39を受け入れる半円形状の切欠51を有している。
【0031】
(6)垂直ロック棒
垂直ロック棒9については説明したが、図11に垂直ロック棒9の一例を示す。垂直ロック棒9は、縦框8a内に垂直状態に配設され(図6参照)、上下方向にスライド自在である。付言すると、図6で示すように、垂直ロック棒9は、固定部材12の後端部側に突出状に設けた上下の取付け柱19の切欠状の一側壁と縦框の内壁面の空間に配設されている。
【0032】
しかして、図11で示すように、垂直ロック棒9の中央部(中央部寄りの部位も含む)には、単数又は複数個の連結ピン57用の横孔56が形成され、この横孔56及び前記連結ピン57を介して端面コ字形状の係合片58が直交状態に固定される。
【0033】
(7)解錠状態
図17は垂直係合棒9が非係合状態であって、かつ戸締り装置Xも解錠状態であることを示す。すなわち、垂直係合棒9の下端部9aは、床面2の受け具10から離れている(非係合状態)。したがって、垂直係合棒9の係合片58は、戸締り装置Xのロック片45の下端面(係止面)よりも上方に位置している。また、前記ロック片45は、自重により垂直状態になっていると共に、作動体45の偏心腕39は抜け止め防止片48の切欠51に入り込んでいる。
【0034】
図18は、図17の解錠時における作動体35の偏心腕39の位置と付勢手段(板バネ)20の状態を示す。解錠時、作動体35の偏心腕39は、固定部材の収納部14の中心よりも斜め右下の所に位置していると共に、左右の板バネ20は作動体35のバネ受け部37の角部に押圧されて外方向に膨らみ状に外拡変位している。したがって、例えば入力手段21Aを施錠方向へ多少回すと、左右の板バネ20のバネ力が作用するので、ソフトなタッチで入力手段を回すことができる。
【0035】
図19は作動体35が、例えば入力手段21Aに操作力により時計方向へと回転し、その偏心腕38の位置が解錠位置から施錠位置へと変位した場合を示す。この場合ロック片45は一つの取付け柱19を支点にして時計方向へ所定量回転する。
【0036】
(8)施錠状態
図20及び図21は、垂直係合棒9を落とした後(係合状態)、戸締り装置Xを施錠状態にした場合を示す。施錠時、入力手段21,21Aのいずれか一方の動力によって作動体35が所定量回動すると、ロック片45は基端部の支軸19を支点にして、かつ作動体35の偏心腕39と共働して施錠方向へと回転する。この時、作動体35に付勢手段20のバネ力が作用する。
【0037】
その結果、図20及び図21で示すように、作動体35の偏心腕39が固定部材12の略中心部に位置するので、ロック片45の下端が垂直ロック棒9の係合片58の端面(実施例では上面)へと位置する。したがって、垂直ロック棒9は、その係合片58を介してロック片45の下端面に受け止められる。
【実施例】
【0038】
発明の実施の形態で示した実施例に於いて、開閉体は、テラス用ドアとしての中折り戸であるが、もちろん、引戸や開き扉であっても良い。また、入力手段は、シリンダ錠21と、サムターン21Aの二種類であり、前記シリンダ錠21のテールピースと前記サムターン21Aの軸部は作動体35を介して連結されているが、いずれか一方であっても良い。望ましくは、後者のサムターン21Aは必ず装着する。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、主に錠前や建具の業界で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1乃至図21は本発明の最良の実施例を示す各説明図。
【図1】発明の実施の環境を示す概略説明図(室内側から見た概略説明図)。
【図2】発明の実施の環境を示す概略説明図(平面視側から見た概略説明図)。
【図3】発明の実施の環境を示す概略説明図(中折り戸がヒンジ部材を介して折れ曲がっている状態の概略説明図)。
【図4】入力手段21A側(室内側)から見た説明図。
【図5】戸締り装置の構造及び戸締り装置と垂直ロック棒(仮想線)の位置関係を一側面から見た説明図。
【図6】戸締り装置の構造及び戸締り装置と垂直ロック棒(仮想線)の位置関係を平面視側から見た説明図。
【図7】固定部材12の説明図。
【図8】作動体35の説明図。
【図9】作動体35の説明図。
【図10】ロック片45の説明図。
【図11】垂直ロック棒9の説明図。
【図12】室外側の入力手段21の説明図。
【図13】室内側の入力手段21Aの説明図。
【図14】押さえ板41の説明図。
【図15】抜け止め防止板48の説明図。
【図16】サムターン座25の説明図。
【図17】垂直係合棒9が非係合状態であって、かつ戸締り装置Xも解錠状態であることを示す説明図。
【図18】解錠時における要部の説明図。
【図19】主たる部材が解錠位置から施錠位置へと変位した説明図。
【図20】垂直係合棒9が係合状態であって、かつ戸締り装置Xも施錠状態であることを示す説明図。
【図21】施錠時における要部の説明図。
【符号の説明】
【0041】
X…戸締り装置、8a…縦框、9…垂直ロック棒、10…受け具、4…開閉体、12…固定部材、14…収納部、15…嵌合孔、18…取付け部分、19…取付け柱、21,21A…入力手段、24…テールピース、35…作動体、45…ロック片、47…長孔、36…円盤状先端部、37…バネ受け部、38…円盤状軸部、39…偏心腕。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸の縦框内に固定される縦長状の固定部材12と、この固定部材の少なくとも室外側又は室内側のいずれかに取り付けられる入力手段21,21Aと、この入力手段に偏心腕39の一端部が連結され、かつ該入力手段の動力によって所定量回動する作動体35と、この作動体と共働するように基端部が前記固定部材に設けた一つの取付け柱19に軸支されていると共に下端部側に前記偏心腕が挿通する長孔47を有するロック片45と、施錠時、前記入力手段の動力によって作動体35が所定量回動すると、前記ロック片の自由端部に受け止められる係合片58を備え、かつ前記縦框内に配設された垂直ロック棒9とから成る建具用の戸締り装置。
【請求項2】
請求項1に於いて、垂直ロック棒9は、固定部材12の後端部側に突出状に設けた上下の取付け柱19の切欠状の一側壁と縦框の内壁面の空間に配設されていることを特徴とする建具用の戸締り装置。
【請求項3】
請求項1に於いて、固定部材は、垂直ロック棒とは別個の錠筐体であり、また、入力手段は、室外側のシリンダ錠21と、室内側のサムターン21Aの二種類であり、前記シリンダ錠21のテールピースと前記サムターン21Aの軸部は作動体35を介して連結されていることを特徴とする建具用の戸締り装置。
【請求項4】
請求項3に於いて、作動体35は、テールピース24と係合する円盤状先端部36と、この円盤状先端部36の背面に連設するバネ受け部37と、このバネ受け部37の背面に連設する円盤状軸部38と、この円盤状軸部38の背面の偏心部位から後方に延在する偏心腕39とから成ることを特徴とする建具用の戸締り装置。
【請求項1】
戸の縦框内に固定される縦長状の固定部材12と、この固定部材の少なくとも室外側又は室内側のいずれかに取り付けられる入力手段21,21Aと、この入力手段に偏心腕39の一端部が連結され、かつ該入力手段の動力によって所定量回動する作動体35と、この作動体と共働するように基端部が前記固定部材に設けた一つの取付け柱19に軸支されていると共に下端部側に前記偏心腕が挿通する長孔47を有するロック片45と、施錠時、前記入力手段の動力によって作動体35が所定量回動すると、前記ロック片の自由端部に受け止められる係合片58を備え、かつ前記縦框内に配設された垂直ロック棒9とから成る建具用の戸締り装置。
【請求項2】
請求項1に於いて、垂直ロック棒9は、固定部材12の後端部側に突出状に設けた上下の取付け柱19の切欠状の一側壁と縦框の内壁面の空間に配設されていることを特徴とする建具用の戸締り装置。
【請求項3】
請求項1に於いて、固定部材は、垂直ロック棒とは別個の錠筐体であり、また、入力手段は、室外側のシリンダ錠21と、室内側のサムターン21Aの二種類であり、前記シリンダ錠21のテールピースと前記サムターン21Aの軸部は作動体35を介して連結されていることを特徴とする建具用の戸締り装置。
【請求項4】
請求項3に於いて、作動体35は、テールピース24と係合する円盤状先端部36と、この円盤状先端部36の背面に連設するバネ受け部37と、このバネ受け部37の背面に連設する円盤状軸部38と、この円盤状軸部38の背面の偏心部位から後方に延在する偏心腕39とから成ることを特徴とする建具用の戸締り装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2009−97276(P2009−97276A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271577(P2007−271577)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)
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