建具
【課題】スライド開閉窓との部品の共通化を図って意匠性を向上させることができる建具を提供すること。
【解決手段】上げ下げ窓等に利用可能な窓枠10を用い、この窓枠10の室内側案内溝部に対応した見込み位置に固定障子20を固定し、固定障子20が固定されない側(室外側)の上枠11にアタッチメント112を取り付けたことで、このアタッチメント112によって気密ラインを形成したり、固定障子20の上框21を覆ってフラットな外観を形成したりすることができる。従って、嵌め殺し窓1と上げ下げ窓等との間で窓枠10や框材(下框22や縦框)の共通化を図ることができ、製造装置やラインの簡素化や、押し出し型等の部品点数削減、部品や製品の在庫管理の容易化などが図れるため、製造コストを低減することが可能になる。
【解決手段】上げ下げ窓等に利用可能な窓枠10を用い、この窓枠10の室内側案内溝部に対応した見込み位置に固定障子20を固定し、固定障子20が固定されない側(室外側)の上枠11にアタッチメント112を取り付けたことで、このアタッチメント112によって気密ラインを形成したり、固定障子20の上框21を覆ってフラットな外観を形成したりすることができる。従って、嵌め殺し窓1と上げ下げ窓等との間で窓枠10や框材(下框22や縦框)の共通化を図ることができ、製造装置やラインの簡素化や、押し出し型等の部品点数削減、部品や製品の在庫管理の容易化などが図れるため、製造コストを低減することが可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具に関し、詳しくは、外壁開口部に固定される枠体と、この枠体内部に固定される固定障子とを備えた建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅等の外壁開口部に設けられる建具(サッシ窓)として、窓枠(枠体)内部に障子を固定した嵌め殺し窓(Fix窓)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この嵌め殺し窓では、窓枠を構成する上枠、下枠および左右の縦枠の各々に見付け方向内方に突出した突片(張出片)が形成され、これらの突片に気密材を介して室外側から障子の上框、下框および左右の縦框の各々を当接して障子が取り付けられるようになっている。さらに、障子の縦框に設けた取付部材を、縦枠の突片に形成した開口を介して室内側に挿通させるとともに、突片の室内面に沿った固定材を取付部材の貫通孔に挿入することで、障子の室外側への移動を規制して窓枠に障子が固定されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特許第3411535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来の嵌め殺し窓では、障子に当接する突片を窓枠に四周連続して形成しておく必要があり、そのような突片を有する揺動開閉タイプの窓(開き窓や、辷り出し窓等)であれば枠材や框材を嵌め殺し窓用に転用しやすいが、引違い窓や上げ下げ窓等のスライド開閉窓用の枠材や框材を嵌め殺し窓用に転用することは困難であるとともに、スライド開閉窓と嵌め殺し窓とで外観や内観が異なってしまうことから、デザインの統一感が得られずに意匠性を高めることが困難になるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、スライド開閉窓との部品の共通化を図って意匠性を向上させることができる建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の建具は、外壁開口部に固定される枠体と、この枠体内部に固定される固定障子とを備えた建具であって、前記枠体は、上枠、下枠、および左右の縦枠からなる枠材を四周枠組みして形成され、前記上枠および下枠、または前記左右の縦枠には、室内外一対の可動障子を左右または上下に案内可能な室内外の案内部が設けられ、前記固定障子は、上框、下框、および左右の縦框を四周框組みした内部に嵌め込んだ面材を有し、かつ前記枠体の開口内部に収まる大きさを有して形成されるとともに、前記枠体における室内外いずれかの案内部に対応した見込み位置に固定手段を介して固定され、前記固定障子が前記室内側案内部に対応した見込み位置に固定された場合において、これらの案内部を有した枠材と交差する一対の枠材のうち、少なくとも一方の枠材には、前記固定障子の室外側と対向する対向部を有する着脱部材が取り付けられ、前記固定障子が前記室外側案内部に対応した見込み位置に固定された場合において、これらの案内部を有した枠材と交差する一対の枠材のうち、少なくとも一方の枠材には、前記固定障子の室内側と対向する対向部を有する着脱部材が取り付けられていることを特徴とする。
【0007】
ここで、枠体としては、案内部(レール部や案内溝部等)が上枠および下枠に形成されて室内外一対の可動障子を左右スライド開閉自在に支持可能な引違い窓用の枠体、あるいは案内部が左右の縦枠に形成されて室内外一対の可動障子を上下スライド開閉自在に支持可能な上げ下げ窓用の枠体が転用可能である。また、固定障子としては、前述したスライド開閉窓に支持される可動障子の框の一部等が転用可能である。このような引違い窓や上げ下げ窓等のスライド開閉窓用の枠体では、案内部が形成されない枠材(引違い窓用の枠体であれば左右の縦枠、上げ下げ窓用の枠体であれば上枠および下枠)に、可動障子の戸先框と当接して引き寄せる引き寄せ片が形成されていたり、戸先框との間に気密ラインを形成するためのヒレ部や気密材保持部等が形成されていたりすることが一般的である。そして、着脱部材は、引き寄せ片や、ヒレ部、気密材保持部等が枠材と一体に形成された場合には、これらを覆って設けられていればよく、引き寄せ片等が枠材に対して着脱自在な部材として構成された場合には、その部材に替えて設けられていればよい。
【0008】
以上の本発明によれば、引違い窓や上げ下げ窓等のスライド開閉窓用の枠体を用いて、この枠体内部における室内側または室外側の案内部に対応した見込み位置に固定障子を固定した場合に、固定障子が固定されない側である室外側または室内側における前述の引き寄せ片等に対応した位置に着脱部材を取り付けたことで、この着脱部材の対向部と固定障子の框材との間に気密ラインを形成することができ、スライド開閉窓との間で枠材や框材の共通化を図ることができる。従って、スライド開閉窓と嵌め殺し窓との間で枠体や框材の共通化を図ることができ、製造装置やラインの簡素化や、押し出し型等の部品点数削減、部品や製品の在庫管理の容易化などが図れるため、製造コストを低減することが可能になる。また、一つの建物や建物群において、スライド開閉窓と嵌め殺し窓とで枠体や框材を共通化することで、各種の窓の外観や内観のデザインを統一することができ、意匠性の向上を図ることができる。
【0009】
この際、本発明の建具では、前記室内外の案内部は、それぞれ室内側下部可動障子と室外側上部可動障子とを上下スライド案内可能に前記左右の縦枠に設けられており、前記固定障子が前記室内側案内部に対応した見込み位置に固定された場合には、前記着脱部材は、前記上枠の下側を覆って設けられるとともに、前記固定障子の室外側面と気密材を介して当接する室外気密部が前記対向部に形成され、前記固定障子が前記室外側案内部に対応した見込み位置に固定された場合には、前記着脱部材は、前記下枠の上側を覆って設けられるとともに、前記固定障子の室内側面と気密材を介して当接する室内気密部が前記対向部に形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、上げ下げ窓用の枠体を用いて嵌め殺し窓を構成する際に、固定障子を室内側下部可動障子に対応した見込み位置に固定した場合には、室外側上部可動障子の戸先框が当接する上枠の下側を覆って着脱部材を設け、固定障子を室外側上部可動障子に対応した見込み位置に固定した場合には、室内側下部可動障子の戸先框が当接する下枠の上側を覆って着脱部材を設けることで、上枠または下枠に形成された前述の引き寄せ片等を隠蔽することができる。そして、着脱部材の対向部に室外または室内気密部を形成し、この気密部を固定障子の上框または下框と気密材を介して当接させることで、気密ラインが形成でき、固定障子の気密性、水密性を確保することができる。この際、着脱部材との間に気密ラインが形成される上框や下框以外の框材と枠体との間の気密ラインとしては、室内側下部可動障子や室外側上部可動障子における気密構造が転用可能であり、このようにすれば、さらなる部品点数の削減が可能になる。
【0010】
さらに、本発明の建具では、前記固定障子の上框、下框、および左右の縦框のうちの三方の框材は、前記可動障子の召合せ框を除く三方の框材と同一断面を有して形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、固定障子の框材をスライド開閉窓用可動障子の框材と共通化することで、部品点数の削減による製造コストの低減を図ることができるとともに、スライド開閉窓との外観や内観のデザインの統一感を一層高めることができる。
【0011】
また、本発明の建具では、前記固定手段は、前記上枠、下枠、および左右の縦枠のうちの互いに対向する一対の枠材と、これら一対の枠材に近接対向する前記固定障子の上框、下框、および左右の縦框のうちの一対の框材とを互いに固定するものであって、前記一対の枠材に設けられた支持片および係止溝と、前記一対の框材に設けられて前記支持片に室内側から当接可能な当接片と、前記係止溝に挿通可能な挿通部を有しかつ前記一対の框材に室内側から当接可能な固定部材と、この固定部材を室内側から前記一対の框材に固着する固着具とを有して構成され、前記固定障子を前記枠体内部に室内側からセットした状態において、前記挿通部を前記係止溝に挿通させ、前記一対の框材に固定部材を当接させるとともに、この固定部材を当該一対の框材に前記固着具で固着することで、前記当接片が前記支持片に室内側から当接して見込み方向に移動不能に当該固定障子が固定されることが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、固定障子を室内側から枠体にセットした状態で固定手段により固定することで、従来の嵌め殺し窓における固定構造と比較して固定作業の作業性を向上させることができる。すなわち、従来の固定構造では、窓枠に対して室外側から障子をセットして重量の大きな障子を支持した状態で、固定作業を実施しなければならないため、作業性が低下してしまっていたのに対し、本発明の固定構造では、室内側から固定障子を室外側に押しつけるようにして支持することができ、その状態で固定部材および固着具によって容易に固定することができる。従って、2階以上の高所等に設けられる窓に固定障子を取り付ける場合であっても、大がかりな障子の脱落防止手段を設ける必要がなく、取り付け施工のコストを低減することも可能になる。なお、このような本発明の固定構造は、前述したようなスライド開閉窓用の枠体を用いた場合に限られず、任意の形態の枠体と固定障子とを有した建具にも適用可能である。
【0013】
この際、本発明の建具では、前記固定部材には、当該固定部材の室内側を覆うカバー材を係止する係止部が形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、固定部材の係止部にカバー材を係止することで、固定部材が覆われるため、室内側に固定部材が露出せず、建具の内観意匠性を一層向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
【0015】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る建具である嵌め殺し窓(Fix窓)1を示す縦断面図である。図2は、嵌め殺し窓1を示す横断面図である。図3は、嵌め殺し窓1の上枠11部分を拡大して示す縦断面図である。図4は、嵌め殺し窓1の縦枠13部分を拡大して示す横断面図である。図5および図6は、それぞれ嵌め殺し窓1における固定障子20の固定手順を説明する斜視図である。
図1および図2において、嵌め殺し窓1は、戸建て住宅等の建物の外壁開口部に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切るサッシ窓であって、上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みした窓枠10(枠体)と、窓枠10の内部に固定された固定障子20とを備えて構成されている。
【0016】
窓枠10は、後述するダブルハングタイプの上げ下げ窓2の窓枠10を転用したものであって、左右の縦枠13には、上げ下げ窓2の室外側上部障子30と室内側下部障子40とをそれぞれ上下にスライド開閉自在に案内可能な案内部としての室外側案内溝部131Aと室内側案内溝部131Bとが形成されている。
固定障子20は、上框21、下框22、および左右の縦框23を四周框組みした内部に、ガラスパネル(複層ガラス)24を嵌め込んで構成されている。この固定障子20は、窓枠10の内部開口に収まる大きさを有して形成され、上框21を上枠11に近接対向させ、下框22を下枠12に近接対向させ、左右の縦框23を左右の縦枠13に近接対向させるとともに、縦枠13の室内側案内溝部131Bに対応した見込み位置に固定されている。
【0017】
窓枠10の上枠11は、図3にも示すように、外壁開口部に固定されるアルミ押出形材製の上枠本体111と、この上枠本体111に取り付けられた着脱部材である固定障子用のアタッチメント112とを有して構成されている。上枠本体111は、後述する室外側上部障子30を電動で開閉駆動する駆動装置36を内蔵可能な下方に開口した全体略中空状、かつ室外側端部において下方に延びる見切り部111Aを有して形成されている。上枠本体111の見切り部111A室内側側面には、アタッチメント112を係合支持する第1係合部111Bおよび第2係合部111Cと、後述する上部障子用のアタッチメント114を係合支持する第3係合部111Dとが形成されている。また、上枠本体111の室内側下端縁には、アタッチメント112の室内端部を係合支持する第4係合部111Eが形成されている。
【0018】
アタッチメント112は、それぞれアルミ押出形材製の室内部材112Aおよび室外部材112Bと、樹脂製の断熱部材112Cとを連結して形成されている。アタッチメント112の室内部材112Aには、上枠本体111の第4係合部111Eに係合される第1被係合部112Dが設けられ、室外部材112Bの室外側側面には、第1係合部111Bおよび第2係合部111Cにそれぞれ係合される第2被係合部112Eおよび第3被係合部112Fが設けられている。さらに、室内部材112Aの下面には、固定障子20の上框21の上面室内側端部に当接する気密部材としてのモヘア112Gが取り付けられ、固定障子20の室外側と対向する対向部としての室外部材112Bの室内側側面には、上框21室外側側面上端部に当接する気密部材としてのAT材112Hが取り付けられている。すなわち、アタッチメント112の対向部としての室外部材112Bの室内側側面によって、室外気密部が構成されている。以上のようなモヘア112GおよびAT材112Hによって上枠11と上框21との間の気密ラインが形成され、気密性および水密性が確保できるようになっている。
【0019】
このようなアタッチメント112は、上枠本体111に対して着脱可能に構成され、上枠11の下面側を覆って設けられるとともに、室外部材112Bが固定障子20の上框21の室外側に位置して設けられている。そして、室外部材112Bの下面部が上枠本体111の見切り部111A下面と、固定障子20の上框21下端縁との間に連続するようにして略同一面内に位置し、これにより嵌め殺し窓1の上部においてフラットな外観が形成できるようになっている。
【0020】
次に、図4にも示すように、窓枠10の縦枠13は、外壁開口部に固定される縦枠本体131と、この縦枠本体131における見込み方向略中央部に形成された凹部131Cに係合して取り付けられた気密用のアタッチメント132と、室外側案内溝部131Aを塞いで取り付けられたカバー材133とを有して構成されている。そして、固定障子20の縦框23における室外側側面には、気密部材としてのAT材231が取り付けられており、このAT材231がアタッチメント132の室内側側面に当接するようになっている。さらに、縦框23における縦枠側の見込み面には、気密部材としてのモヘア232が取り付けられており、このモヘア232が縦枠13における室内側案内溝部131Bよりも固定障子20側の側面に当接するようになっている。これらのAT材231およびモヘア232によって縦枠13と縦框23との間の気密ラインが形成され、気密性および水密性が確保できるようになっている。
【0021】
以上のような縦枠13において固定障子20が固定されており、その固定構造は、支持片としてのアタッチメント132と、縦枠13における室内側案内溝部131Bよりも室内側の側面に形成された係止溝131Dと、縦框23に取り付けられてアタッチメント132に室内側から当接可能な当接片233と、係止溝131Dに挿通可能な挿通部251を有しかつ縦框23に室内側から当接可能な固定部材25と、この固定部材25を室内側から縦框23に固着する固着具としてのビス26とを有して構成されている。当接片233は、クランク状の断面を有した金属板材から形成されたピース材であって、縦框23の縦枠13側の側面(見込み面)にビス止め固定されている。固定部材25は、縦框23の略全長に渡る長さ寸法を有して形成され、その所定位置(例えば、上下2箇所)から縦枠13側に突出して挿通部251が形成されている。そして、係止溝131Dは、挿通部251に対応した縦枠13側面に孔開け加工によって形成されている。さらに、固定部材25の室内側には、固定部材25を覆うカバー材27が取り付けられており、固定部材25には、カバー材27を係止する2つの係止部252,253が形成されている。
【0022】
このような固定構造における固定手順について、図5および図6も参照して説明する。 先ず、図5に示すように、固定障子20を室内側から窓枠10にセットする。この際、固定障子20の下框22を下枠12に設けられたセッティングブロック(不図示)に載置して、固定障子20の上下方向の位置決めを実施する。次に、当接片233およびAT材231をアタッチメント132の室内側側面に当接させた状態において、固定部材25の挿通部251を係止溝131Dに挿通させる。これにより、係止溝131Dの室内側端縁に挿通部251の室内側側面が当接するとともに、固定部材25が縦框23の室内面に当接して縦框23を押圧することで固定障子20が室外側に付勢される。次に、図6に示すように、固定部材25を貫通して室内側からビス26を縦框23に螺合して固着することで、当接片233とアタッチメント132との当接、および挿通部251と係止溝131Dとの当接状態が維持され、固定障子20が見込み方向に移動不能に窓枠10に固定されるようになっている。
【0023】
次に、以上のような嵌め殺し窓1と部材の多くが共通化された上げ下げ窓2について、図7〜図9に基づいて説明する。
図7は、嵌め殺し窓1と共通部材を有する上げ下げ窓2を示す縦断面図である。図8は、上げ下げ窓2を示す横断面図である。図9は、上げ下げ窓2の上枠11部分を拡大して示す縦断面図である。
上げ下げ窓2は、前記嵌め殺し窓1と略同一の窓枠10と、この窓枠10の内部に支持された室外側の上部障子30および室内側の下部障子40と、上部障子30の室内側に設けられた網戸35とを備えて構成されている。これらの上部障子30およ下部障子40は、それぞれ前記縦枠13の室外側案内溝部131Aおよび室内側案内溝部131Bに沿って上下にスライド開閉可能に支持された可動障子である。
【0024】
上部障子30および下部障子40は、それぞれ上框31,41、下框32,42、および左右の縦框33,43を四周框組みした内部に、ガラスパネル(複層ガラス)34,44を嵌め込んで構成されている。これらの上部障子30の下框32と下部障子40の上框41とで召合せ框が構成され、上部障子30の上框31と下部障子40の下框42とで戸先框が構成されており、召合せ框同士(下框32と上框41)が見込み方向に重なるとともに、戸先框(上框31と下框42)がそれぞれ上枠11および下枠12に当接することで、上げ下げ窓2が閉じられるようになっている。そして、上部障子30は、上枠11の上枠本体111に内蔵された駆動装置36と、この駆動装置36に接続されたチェーン361で上下に駆動され、図示しないスイッチのON、OFFによって開閉操作できるようになっている。一方、下部障子40は、上枠本体111に内蔵されたバランサ45に連結され、このバランサ45で上方に付勢されており、小さな操作力で手動開閉可能になっている。
【0025】
また、図9に示すように、上げ下げ窓2の上枠11において、上枠本体111には、前述のアタッチメント112に替えて、下部障子40の上方に位置する室内側カバー113と、上部障子用のアタッチメント114とが取り付けられている。室内側カバー113は、上枠本体111の第4係合部111Eに係合されて取り付けられ、この室内側カバー113に網戸35の上端縁が係止されている。一方、上部障子用のアタッチメント114は、上枠本体111の第1係合部111Bおよび第3係合部111Dにそれぞれ係合されて取り付けられている。そして、アタッチメント114の室外側端部下面には、AT材114Aが取り付けられており、上部障子30を閉じた際に上框31上端とAT材114Aとが当接可能になっている。さらに、上枠本体111における第2係合部111Cには、モヘア114Bが取り付けられており、上部障子30を閉じた際に上框31の室外側側面とモヘア114Bとが当接可能になっている。これらのAT材114Aおよびモヘア114Bによって上枠11と上框31との間の気密ラインが形成され、気密性および水密性が確保できるようになっている。
【0026】
また、上部障子30の縦框33と縦枠13との間の気密ラインは、図8の左側に示すように、縦框33の室内側側面に設けられたAT材331とアタッチメント132とが摺接し、縦框33の見込み面室外側に設けられたモヘア332と縦枠本体131とが摺接することによって形成されている。この際、アタッチメント132は、閉鎖状態の上部障子30に重なる高さ領域において、前述の嵌め殺し窓1における縦枠13のアタッチメント132と室内外の向きが逆になるように取り付けられている。
一方、下部障子40の縦框43と縦枠13との間の気密ラインは、図8の右側に示すように、前述の嵌め殺し窓1の固定障子20の場合と略同様であり、AT材231がアタッチメント132に摺接し、モヘア232が縦枠本体131に摺接することによって形成されている。
【0027】
以上のような上げ下げ窓2では、窓枠10において、上枠11の上枠本体111と、下枠12と、縦枠13の縦枠本体131およびアタッチメント132との各部材が、前述の嵌め殺し窓1の各部材と共通化されている、すなわち同一断面を有して形成されている。さらに、上げ下げ窓2の下部障子40における下框42および縦框43が、嵌め殺し窓1における固定障子20の下框22および縦框23と共通化されている。すなわち、下部障子40における召合せ框である上框41を除いた三方の框材と、固定障子20における三方の框材とが同一断面を有して形成されている。
【0028】
次に、以上のような嵌め殺し窓1と上げ下げ窓2とを隣接配置して構成した連窓3について、図10および図11に基づいて説明する。
図10は、嵌め殺し窓1と上げ下げ窓2とを用いて構成した連窓3を示す外観姿図である。図11は、連窓3の連結部分を示す横断面図である。
連窓3は、上げ下げ窓2の左右両側に隣接して嵌め殺し窓1が配置され、これらの上げ下げ窓2と嵌め殺し窓1とが連結方立50によって連結されて構成されている。連結方立50は、嵌め殺し窓1および上げ下げ窓2の各々の縦枠13同士を連結するものであって、それぞれアルミ形材製の室内部材51、室外部材52と、樹脂製の断熱部材53とを有して構成されている。そして、連結方立50には、複数の係合片511が形成されており、これらの係合片511と縦枠13の係合片131Eとが互いに係合するとともに、室内側からビス止めすることによって連結方立50と縦枠13とが連結されるようになっている。
【0029】
このような連窓3においては、上げ下げ窓2の下部障子40と、嵌め殺し窓1の固定障子20とが、略同一の見込み位置に設けられるとともに、窓枠10の上枠11、下枠12、縦枠13と、固定障子20および下部障子40の下框22,42および縦框23,43が共通化されているため、内観および外観上、統一感のあるデザインが得られるようになっている。
【0030】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、上げ下げ窓2に利用可能な窓枠10を嵌め殺し窓1に用い、この窓枠10の室内側案内溝部131Bに対応した見込み位置に固定障子20が固定され、固定障子20が固定されない側(室外側)の上枠11にアタッチメント112を取り付けたことで、このアタッチメント112によって気密ラインを形成したり、固定障子20の上框21を覆ってフラットな外観を形成したりすることができる。従って、嵌め殺し窓1と上げ下げ窓2との間で窓枠10の共通化を図ることができ、各々の窓専用の枠材を製造する必要がなくなり、製造装置やラインの簡素化や、押し出し型等の部品点数削減、部品や製品の在庫管理の容易化などが図れるため、製造コストを低減することが可能になる。
【0031】
(2)また、一つの建物や建物群において、嵌め殺し窓1と上げ下げ窓2とで窓枠10を共通化することで、各種の窓の外観や内観のデザインを統一することができ、意匠性の向上を図ることができる。さらに、嵌め殺し窓1の固定障子20の下框22および縦框23と、上げ下げ窓2の下部障子40の下框42および縦框43とが共通化されているので、部品点数の削減による製造コストの低減をより一層図ることができるとともに、嵌め殺し窓1と上げ下げ窓2とにおける外観や内観のデザインの統一感を一層高めることができる。
【0032】
(3)さらに、嵌め殺し窓1において、固定障子20を室内側から窓枠10にセットした状態で固定作業が実施できるので、室外側から障子をセットして固定作業を実施するような固定構造と比較して、固定作業の作業性を向上させることができる。また、2階以上の高所等に嵌め殺し窓1を設ける場合などには、大がかりな障子の脱落防止手段を設ける必要がなく、取り付け施工のコストを低減することも可能になる。
【0033】
(4)そして、本実施形態の固定構造によれば、縦枠13にスリット状の係止溝131Dを形成しておき、この係止溝131Dに固定部材25の挿通部251を挿通させるとともに、固定部材25を室内側から貫通するビス26を縦框23に固着するだけで、固定障子20を固定することができるので、固定部材25を縦枠13側にビス止めする必要がなく、このビス止めのスペースを確保しなくてもよいことから、縦枠13の見込み寸法、特に固定障子20の室内側側面よりも室内側に突出する部分の寸法を小さくすることができ、部材寸法の最小化および意匠性の向上を図ることができる。
【0034】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について図12〜図15に基づいて説明する。
図12は、本発明の第2実施形態に係る建具である嵌め殺し窓1Aを示す縦断面図である。図13は、嵌め殺し窓1を示す横断面図である。図14は、嵌め殺し窓1の下枠12部分を拡大して示す縦断面図である。図15は、嵌め殺し窓1の縦枠13部分を拡大して示す横断面図である。
本実施形態における嵌め殺し窓1Aは、固定障子の取付位置が前記第1実施形態と大きく相違するもので、他の構成は第1実施形態と略同様である。以下、相違点について詳しく説明する。
【0035】
嵌め殺し窓1Aは、前記嵌め殺し窓1と略同一の窓枠10と、この窓枠10の内部における室外寄りの位置(縦枠13の室外側案内溝部131Aに対応した見込み位置)に固定された固定障子60とを備えて構成されている。固定障子60は、前記上げ下げ窓2における上部障子30の上框31および縦框33と略同一断面を有する上框61および縦框63と、前記上部障子30の召合せ框である下框32と異なる断面を有した下框62とを有し、これらの上框61、下框62および左右の縦框63を四周框組みした内部に、ガラスパネル(複層ガラス)64を嵌め込んで構成されている。
【0036】
窓枠10の上枠11は、前記上げ下げ窓2と同様の室内側カバー113とアタッチメント114とが上枠本体111に取り付けられて構成されている。また、下枠12の上面には、着脱部材である固定障子用のアタッチメント121が取り付けられている。このアタッチメント121は、図14に示すように、それぞれアルミ形材製の室内部材121Aおよび室外部材121Bと、樹脂製の断熱部材121Cとを有して構成され、下枠12の室内側端部に設けられた気密部材保持部12Aに係合されて取り付けられている。なお、この気密部材保持部12Aは、前記嵌め殺し窓1における固定障子20の下框22に当接するモヘア、あるいは前記上げ下げ窓2における下部障子40の下框42に当接するモヘアを保持するために設けられたものであって、本実施形態では、モヘアを取り外した上でアタッチメント121が係合保持されている。そして、アタッチメント121における固定障子60の室内側と対向する対向部としての室内部材121Aの室外側端部には、気密部材であるモヘア121Dが取り付けられており、このモヘア121Dが下框62の室内側側面に当接するようになっている。すなわち、アタッチメント121の対向部としての室内部材121Aの室外側端部によって、室内気密部が構成されている。
【0037】
また、図13および図15に示すように、窓枠10の縦枠13における室外側案内溝部131Aに固定部材65が固定され、この固定部材65を介して固定障子60の縦框63が固定されるようになっている。また、縦枠13の室内側案内溝部131Bには、カバー材134が取り付けられ、このカバー材134によって室内側案内溝部131Bが塞がれるようになっている。固定障子60の縦框63には、前記上げ下げ窓2における上部障子30の縦框33と同様に、気密部材としてのAT材631とモヘア632とが取り付けられており、AT材631がアタッチメント132の室外側側面に当接し、モヘア632が縦枠本体131に当接するようになっている。
【0038】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(5)すなわち、嵌め殺し窓1や上げ下げ窓2に利用可能な窓枠10を用い、この窓枠10の室外側案内溝部131Aに対応した見込み位置に固定障子60を固定して嵌め殺し窓1Aが構成され、固定障子60が固定されない側(室内側)の下枠12にアタッチメント121を取り付けたことで、このアタッチメント121によって気密ラインを形成することができる。従って、嵌め殺し窓1や上げ下げ窓2との間で窓枠10の共通化を図ることができ、前述と同様に、製造コストを低減することが可能になる。
【0039】
(6)また、嵌め殺し窓1Aの窓枠10や固定障子60の上框61および縦框63が、嵌め殺し窓1や上げ下げ窓2と共通化されているので、部品点数の削減を図ることができるとともに、各種の窓において外観や内観のデザインを統一することができ、意匠性の向上を図ることができる。そして、嵌め殺し窓1Aの固定障子60が上げ下げ窓2の上部障子30と略同一の見込み位置に取り付けられているので、固定障子60と上部障子30とでデザインの統一感を一層高めることができる。
【0040】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、上げ下げ窓2の上部障子30および下部障子40を案内可能な室内外の案内溝部131A,131Bを窓枠10の縦枠13に設け、これらの案内溝部131A,131Bのいずれかに対応した見込み位置に固定障子20,60を固定したが、これに限らず、引き違い窓のように上枠と下枠とに案内部であるレール部が設けられた窓枠を用い、この窓枠における室内側レール部または室外側レール部に対応した位置に固定障子を固定してもよい。
さらに、嵌め殺し窓1,1Aと窓枠10が転用可能なスライド開閉窓としては、室内外両方の障子が上下または左右にスライド開閉可能なものに限らず、室内外のいずれか一方の障子がスライド開閉可能で、かつ他方の障子が固定されたシングルハングタイプの上げ下げ窓や、片引き窓等であってもよい。
【0041】
また、前記実施形態では、嵌め殺し窓1,1Aと上げ下げ窓2との間で窓枠10を共通化するとともに、固定障子20,60と上部障子30または下部障子40との間で、召合せ框を除く三方の框材を共通化したが、四周全ての框材を共通化してもよく、また框材を共通化しなくてもよい。
また、前記実施形態では、嵌め殺し窓1と上げ下げ窓2とを左右に隣接させて連窓3を構成したが、これらを上下に隣接させて段窓を構成してもよい。さらに、連窓や段窓を構成するために嵌め殺し窓1,1Aの上下または左右に隣接させる窓としては、上げ下げ窓2に限らず、引違い窓や片引き窓等であってもよい。
【0042】
また、前記第1実施形態では、上枠11における上枠本体111の下方の開口全体を覆って着脱部材であるアタッチメント112を取り付けたが、このような構成に限らず、着脱部材としては、アタッチメント112の室外部材112Bによって構成される対向部を少なくとも有していればよい。すなわち、図9に示すような室内側カバー113と、前記アタッチメント112のうちの室外部材112B部分のみで構成した着脱部材とが上枠本体111に取り付けられていてもよい。さらには、図9の室内側カバー113と上部障子用のアタッチメント114とが取り付けられた上枠11において、アタッチメント114の下側を覆うような着脱部材が取り付けられていてもよい。
また、前記実施形態では、着脱部材であるアタッチメント112,121に気密材保持部を形成し、この気密材保持部に気密部材としてのAT材112Hやモヘア121Dが保持されて上框21や下框62と当接するように構成されていたが、これに限らず、気密材保持部を固定障子20,60の框材(上框21や下框62)側に形成して気密部材を保持させ、この気密部材が着脱部材に当接するように構成してもよい。
【0043】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態に係る建具を示す縦断面図である。
【図2】前記建具を示す横断面図である。
【図3】前記建具の上枠部分を拡大して示す縦断面図である。
【図4】前記建具の縦枠部分を拡大して示す横断面図である。
【図5】前記建具における固定障子の固定手順を説明する斜視図である。
【図6】前記建具における固定障子の固定手順を説明する斜視図である。
【図7】前記建具と共通部材を有する他の建具を示す縦断面図である。
【図8】前記他の建具を示す横断面図である。
【図9】前記他の建具の上枠部分を拡大して示す縦断面図である。
【図10】前記建具を用いて構成した連窓を示す外観姿図である。
【図11】前記連窓の連結部分を示す横断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る建具を示す縦断面図である。
【図13】前記建具を示す横断面図である。
【図14】前記建具の下枠部分を拡大して示す縦断面図である。
【図15】前記建具の縦枠部分を拡大して示す横断面図である。
【符号の説明】
【0045】
10…枠体である窓枠、11…上枠、12…下枠、13…縦枠、20,60…固定障子、21,61…上框、22,62…下框、23,63…縦框、24,64…面材であるガラスパネル、25…固定部材、26…固着具であるビス、27…カバー材、30…可動障子である上部障子、40…可動障子である下部障子、112,121…着脱部材であるアタッチメント、112B…室外気密部(対向部)である室外部材、121A…室内気密部(対向部)である室内部材、131A…案内部である室外側案内溝部、131B…案内部である室内側案内溝部、131D…係止溝、132…支持片であるアタッチメント、233…当接片、251…挿通部、252,253…係止部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具に関し、詳しくは、外壁開口部に固定される枠体と、この枠体内部に固定される固定障子とを備えた建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅等の外壁開口部に設けられる建具(サッシ窓)として、窓枠(枠体)内部に障子を固定した嵌め殺し窓(Fix窓)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この嵌め殺し窓では、窓枠を構成する上枠、下枠および左右の縦枠の各々に見付け方向内方に突出した突片(張出片)が形成され、これらの突片に気密材を介して室外側から障子の上框、下框および左右の縦框の各々を当接して障子が取り付けられるようになっている。さらに、障子の縦框に設けた取付部材を、縦枠の突片に形成した開口を介して室内側に挿通させるとともに、突片の室内面に沿った固定材を取付部材の貫通孔に挿入することで、障子の室外側への移動を規制して窓枠に障子が固定されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特許第3411535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来の嵌め殺し窓では、障子に当接する突片を窓枠に四周連続して形成しておく必要があり、そのような突片を有する揺動開閉タイプの窓(開き窓や、辷り出し窓等)であれば枠材や框材を嵌め殺し窓用に転用しやすいが、引違い窓や上げ下げ窓等のスライド開閉窓用の枠材や框材を嵌め殺し窓用に転用することは困難であるとともに、スライド開閉窓と嵌め殺し窓とで外観や内観が異なってしまうことから、デザインの統一感が得られずに意匠性を高めることが困難になるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、スライド開閉窓との部品の共通化を図って意匠性を向上させることができる建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の建具は、外壁開口部に固定される枠体と、この枠体内部に固定される固定障子とを備えた建具であって、前記枠体は、上枠、下枠、および左右の縦枠からなる枠材を四周枠組みして形成され、前記上枠および下枠、または前記左右の縦枠には、室内外一対の可動障子を左右または上下に案内可能な室内外の案内部が設けられ、前記固定障子は、上框、下框、および左右の縦框を四周框組みした内部に嵌め込んだ面材を有し、かつ前記枠体の開口内部に収まる大きさを有して形成されるとともに、前記枠体における室内外いずれかの案内部に対応した見込み位置に固定手段を介して固定され、前記固定障子が前記室内側案内部に対応した見込み位置に固定された場合において、これらの案内部を有した枠材と交差する一対の枠材のうち、少なくとも一方の枠材には、前記固定障子の室外側と対向する対向部を有する着脱部材が取り付けられ、前記固定障子が前記室外側案内部に対応した見込み位置に固定された場合において、これらの案内部を有した枠材と交差する一対の枠材のうち、少なくとも一方の枠材には、前記固定障子の室内側と対向する対向部を有する着脱部材が取り付けられていることを特徴とする。
【0007】
ここで、枠体としては、案内部(レール部や案内溝部等)が上枠および下枠に形成されて室内外一対の可動障子を左右スライド開閉自在に支持可能な引違い窓用の枠体、あるいは案内部が左右の縦枠に形成されて室内外一対の可動障子を上下スライド開閉自在に支持可能な上げ下げ窓用の枠体が転用可能である。また、固定障子としては、前述したスライド開閉窓に支持される可動障子の框の一部等が転用可能である。このような引違い窓や上げ下げ窓等のスライド開閉窓用の枠体では、案内部が形成されない枠材(引違い窓用の枠体であれば左右の縦枠、上げ下げ窓用の枠体であれば上枠および下枠)に、可動障子の戸先框と当接して引き寄せる引き寄せ片が形成されていたり、戸先框との間に気密ラインを形成するためのヒレ部や気密材保持部等が形成されていたりすることが一般的である。そして、着脱部材は、引き寄せ片や、ヒレ部、気密材保持部等が枠材と一体に形成された場合には、これらを覆って設けられていればよく、引き寄せ片等が枠材に対して着脱自在な部材として構成された場合には、その部材に替えて設けられていればよい。
【0008】
以上の本発明によれば、引違い窓や上げ下げ窓等のスライド開閉窓用の枠体を用いて、この枠体内部における室内側または室外側の案内部に対応した見込み位置に固定障子を固定した場合に、固定障子が固定されない側である室外側または室内側における前述の引き寄せ片等に対応した位置に着脱部材を取り付けたことで、この着脱部材の対向部と固定障子の框材との間に気密ラインを形成することができ、スライド開閉窓との間で枠材や框材の共通化を図ることができる。従って、スライド開閉窓と嵌め殺し窓との間で枠体や框材の共通化を図ることができ、製造装置やラインの簡素化や、押し出し型等の部品点数削減、部品や製品の在庫管理の容易化などが図れるため、製造コストを低減することが可能になる。また、一つの建物や建物群において、スライド開閉窓と嵌め殺し窓とで枠体や框材を共通化することで、各種の窓の外観や内観のデザインを統一することができ、意匠性の向上を図ることができる。
【0009】
この際、本発明の建具では、前記室内外の案内部は、それぞれ室内側下部可動障子と室外側上部可動障子とを上下スライド案内可能に前記左右の縦枠に設けられており、前記固定障子が前記室内側案内部に対応した見込み位置に固定された場合には、前記着脱部材は、前記上枠の下側を覆って設けられるとともに、前記固定障子の室外側面と気密材を介して当接する室外気密部が前記対向部に形成され、前記固定障子が前記室外側案内部に対応した見込み位置に固定された場合には、前記着脱部材は、前記下枠の上側を覆って設けられるとともに、前記固定障子の室内側面と気密材を介して当接する室内気密部が前記対向部に形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、上げ下げ窓用の枠体を用いて嵌め殺し窓を構成する際に、固定障子を室内側下部可動障子に対応した見込み位置に固定した場合には、室外側上部可動障子の戸先框が当接する上枠の下側を覆って着脱部材を設け、固定障子を室外側上部可動障子に対応した見込み位置に固定した場合には、室内側下部可動障子の戸先框が当接する下枠の上側を覆って着脱部材を設けることで、上枠または下枠に形成された前述の引き寄せ片等を隠蔽することができる。そして、着脱部材の対向部に室外または室内気密部を形成し、この気密部を固定障子の上框または下框と気密材を介して当接させることで、気密ラインが形成でき、固定障子の気密性、水密性を確保することができる。この際、着脱部材との間に気密ラインが形成される上框や下框以外の框材と枠体との間の気密ラインとしては、室内側下部可動障子や室外側上部可動障子における気密構造が転用可能であり、このようにすれば、さらなる部品点数の削減が可能になる。
【0010】
さらに、本発明の建具では、前記固定障子の上框、下框、および左右の縦框のうちの三方の框材は、前記可動障子の召合せ框を除く三方の框材と同一断面を有して形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、固定障子の框材をスライド開閉窓用可動障子の框材と共通化することで、部品点数の削減による製造コストの低減を図ることができるとともに、スライド開閉窓との外観や内観のデザインの統一感を一層高めることができる。
【0011】
また、本発明の建具では、前記固定手段は、前記上枠、下枠、および左右の縦枠のうちの互いに対向する一対の枠材と、これら一対の枠材に近接対向する前記固定障子の上框、下框、および左右の縦框のうちの一対の框材とを互いに固定するものであって、前記一対の枠材に設けられた支持片および係止溝と、前記一対の框材に設けられて前記支持片に室内側から当接可能な当接片と、前記係止溝に挿通可能な挿通部を有しかつ前記一対の框材に室内側から当接可能な固定部材と、この固定部材を室内側から前記一対の框材に固着する固着具とを有して構成され、前記固定障子を前記枠体内部に室内側からセットした状態において、前記挿通部を前記係止溝に挿通させ、前記一対の框材に固定部材を当接させるとともに、この固定部材を当該一対の框材に前記固着具で固着することで、前記当接片が前記支持片に室内側から当接して見込み方向に移動不能に当該固定障子が固定されることが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、固定障子を室内側から枠体にセットした状態で固定手段により固定することで、従来の嵌め殺し窓における固定構造と比較して固定作業の作業性を向上させることができる。すなわち、従来の固定構造では、窓枠に対して室外側から障子をセットして重量の大きな障子を支持した状態で、固定作業を実施しなければならないため、作業性が低下してしまっていたのに対し、本発明の固定構造では、室内側から固定障子を室外側に押しつけるようにして支持することができ、その状態で固定部材および固着具によって容易に固定することができる。従って、2階以上の高所等に設けられる窓に固定障子を取り付ける場合であっても、大がかりな障子の脱落防止手段を設ける必要がなく、取り付け施工のコストを低減することも可能になる。なお、このような本発明の固定構造は、前述したようなスライド開閉窓用の枠体を用いた場合に限られず、任意の形態の枠体と固定障子とを有した建具にも適用可能である。
【0013】
この際、本発明の建具では、前記固定部材には、当該固定部材の室内側を覆うカバー材を係止する係止部が形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、固定部材の係止部にカバー材を係止することで、固定部材が覆われるため、室内側に固定部材が露出せず、建具の内観意匠性を一層向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
【0015】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る建具である嵌め殺し窓(Fix窓)1を示す縦断面図である。図2は、嵌め殺し窓1を示す横断面図である。図3は、嵌め殺し窓1の上枠11部分を拡大して示す縦断面図である。図4は、嵌め殺し窓1の縦枠13部分を拡大して示す横断面図である。図5および図6は、それぞれ嵌め殺し窓1における固定障子20の固定手順を説明する斜視図である。
図1および図2において、嵌め殺し窓1は、戸建て住宅等の建物の外壁開口部に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切るサッシ窓であって、上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みした窓枠10(枠体)と、窓枠10の内部に固定された固定障子20とを備えて構成されている。
【0016】
窓枠10は、後述するダブルハングタイプの上げ下げ窓2の窓枠10を転用したものであって、左右の縦枠13には、上げ下げ窓2の室外側上部障子30と室内側下部障子40とをそれぞれ上下にスライド開閉自在に案内可能な案内部としての室外側案内溝部131Aと室内側案内溝部131Bとが形成されている。
固定障子20は、上框21、下框22、および左右の縦框23を四周框組みした内部に、ガラスパネル(複層ガラス)24を嵌め込んで構成されている。この固定障子20は、窓枠10の内部開口に収まる大きさを有して形成され、上框21を上枠11に近接対向させ、下框22を下枠12に近接対向させ、左右の縦框23を左右の縦枠13に近接対向させるとともに、縦枠13の室内側案内溝部131Bに対応した見込み位置に固定されている。
【0017】
窓枠10の上枠11は、図3にも示すように、外壁開口部に固定されるアルミ押出形材製の上枠本体111と、この上枠本体111に取り付けられた着脱部材である固定障子用のアタッチメント112とを有して構成されている。上枠本体111は、後述する室外側上部障子30を電動で開閉駆動する駆動装置36を内蔵可能な下方に開口した全体略中空状、かつ室外側端部において下方に延びる見切り部111Aを有して形成されている。上枠本体111の見切り部111A室内側側面には、アタッチメント112を係合支持する第1係合部111Bおよび第2係合部111Cと、後述する上部障子用のアタッチメント114を係合支持する第3係合部111Dとが形成されている。また、上枠本体111の室内側下端縁には、アタッチメント112の室内端部を係合支持する第4係合部111Eが形成されている。
【0018】
アタッチメント112は、それぞれアルミ押出形材製の室内部材112Aおよび室外部材112Bと、樹脂製の断熱部材112Cとを連結して形成されている。アタッチメント112の室内部材112Aには、上枠本体111の第4係合部111Eに係合される第1被係合部112Dが設けられ、室外部材112Bの室外側側面には、第1係合部111Bおよび第2係合部111Cにそれぞれ係合される第2被係合部112Eおよび第3被係合部112Fが設けられている。さらに、室内部材112Aの下面には、固定障子20の上框21の上面室内側端部に当接する気密部材としてのモヘア112Gが取り付けられ、固定障子20の室外側と対向する対向部としての室外部材112Bの室内側側面には、上框21室外側側面上端部に当接する気密部材としてのAT材112Hが取り付けられている。すなわち、アタッチメント112の対向部としての室外部材112Bの室内側側面によって、室外気密部が構成されている。以上のようなモヘア112GおよびAT材112Hによって上枠11と上框21との間の気密ラインが形成され、気密性および水密性が確保できるようになっている。
【0019】
このようなアタッチメント112は、上枠本体111に対して着脱可能に構成され、上枠11の下面側を覆って設けられるとともに、室外部材112Bが固定障子20の上框21の室外側に位置して設けられている。そして、室外部材112Bの下面部が上枠本体111の見切り部111A下面と、固定障子20の上框21下端縁との間に連続するようにして略同一面内に位置し、これにより嵌め殺し窓1の上部においてフラットな外観が形成できるようになっている。
【0020】
次に、図4にも示すように、窓枠10の縦枠13は、外壁開口部に固定される縦枠本体131と、この縦枠本体131における見込み方向略中央部に形成された凹部131Cに係合して取り付けられた気密用のアタッチメント132と、室外側案内溝部131Aを塞いで取り付けられたカバー材133とを有して構成されている。そして、固定障子20の縦框23における室外側側面には、気密部材としてのAT材231が取り付けられており、このAT材231がアタッチメント132の室内側側面に当接するようになっている。さらに、縦框23における縦枠側の見込み面には、気密部材としてのモヘア232が取り付けられており、このモヘア232が縦枠13における室内側案内溝部131Bよりも固定障子20側の側面に当接するようになっている。これらのAT材231およびモヘア232によって縦枠13と縦框23との間の気密ラインが形成され、気密性および水密性が確保できるようになっている。
【0021】
以上のような縦枠13において固定障子20が固定されており、その固定構造は、支持片としてのアタッチメント132と、縦枠13における室内側案内溝部131Bよりも室内側の側面に形成された係止溝131Dと、縦框23に取り付けられてアタッチメント132に室内側から当接可能な当接片233と、係止溝131Dに挿通可能な挿通部251を有しかつ縦框23に室内側から当接可能な固定部材25と、この固定部材25を室内側から縦框23に固着する固着具としてのビス26とを有して構成されている。当接片233は、クランク状の断面を有した金属板材から形成されたピース材であって、縦框23の縦枠13側の側面(見込み面)にビス止め固定されている。固定部材25は、縦框23の略全長に渡る長さ寸法を有して形成され、その所定位置(例えば、上下2箇所)から縦枠13側に突出して挿通部251が形成されている。そして、係止溝131Dは、挿通部251に対応した縦枠13側面に孔開け加工によって形成されている。さらに、固定部材25の室内側には、固定部材25を覆うカバー材27が取り付けられており、固定部材25には、カバー材27を係止する2つの係止部252,253が形成されている。
【0022】
このような固定構造における固定手順について、図5および図6も参照して説明する。 先ず、図5に示すように、固定障子20を室内側から窓枠10にセットする。この際、固定障子20の下框22を下枠12に設けられたセッティングブロック(不図示)に載置して、固定障子20の上下方向の位置決めを実施する。次に、当接片233およびAT材231をアタッチメント132の室内側側面に当接させた状態において、固定部材25の挿通部251を係止溝131Dに挿通させる。これにより、係止溝131Dの室内側端縁に挿通部251の室内側側面が当接するとともに、固定部材25が縦框23の室内面に当接して縦框23を押圧することで固定障子20が室外側に付勢される。次に、図6に示すように、固定部材25を貫通して室内側からビス26を縦框23に螺合して固着することで、当接片233とアタッチメント132との当接、および挿通部251と係止溝131Dとの当接状態が維持され、固定障子20が見込み方向に移動不能に窓枠10に固定されるようになっている。
【0023】
次に、以上のような嵌め殺し窓1と部材の多くが共通化された上げ下げ窓2について、図7〜図9に基づいて説明する。
図7は、嵌め殺し窓1と共通部材を有する上げ下げ窓2を示す縦断面図である。図8は、上げ下げ窓2を示す横断面図である。図9は、上げ下げ窓2の上枠11部分を拡大して示す縦断面図である。
上げ下げ窓2は、前記嵌め殺し窓1と略同一の窓枠10と、この窓枠10の内部に支持された室外側の上部障子30および室内側の下部障子40と、上部障子30の室内側に設けられた網戸35とを備えて構成されている。これらの上部障子30およ下部障子40は、それぞれ前記縦枠13の室外側案内溝部131Aおよび室内側案内溝部131Bに沿って上下にスライド開閉可能に支持された可動障子である。
【0024】
上部障子30および下部障子40は、それぞれ上框31,41、下框32,42、および左右の縦框33,43を四周框組みした内部に、ガラスパネル(複層ガラス)34,44を嵌め込んで構成されている。これらの上部障子30の下框32と下部障子40の上框41とで召合せ框が構成され、上部障子30の上框31と下部障子40の下框42とで戸先框が構成されており、召合せ框同士(下框32と上框41)が見込み方向に重なるとともに、戸先框(上框31と下框42)がそれぞれ上枠11および下枠12に当接することで、上げ下げ窓2が閉じられるようになっている。そして、上部障子30は、上枠11の上枠本体111に内蔵された駆動装置36と、この駆動装置36に接続されたチェーン361で上下に駆動され、図示しないスイッチのON、OFFによって開閉操作できるようになっている。一方、下部障子40は、上枠本体111に内蔵されたバランサ45に連結され、このバランサ45で上方に付勢されており、小さな操作力で手動開閉可能になっている。
【0025】
また、図9に示すように、上げ下げ窓2の上枠11において、上枠本体111には、前述のアタッチメント112に替えて、下部障子40の上方に位置する室内側カバー113と、上部障子用のアタッチメント114とが取り付けられている。室内側カバー113は、上枠本体111の第4係合部111Eに係合されて取り付けられ、この室内側カバー113に網戸35の上端縁が係止されている。一方、上部障子用のアタッチメント114は、上枠本体111の第1係合部111Bおよび第3係合部111Dにそれぞれ係合されて取り付けられている。そして、アタッチメント114の室外側端部下面には、AT材114Aが取り付けられており、上部障子30を閉じた際に上框31上端とAT材114Aとが当接可能になっている。さらに、上枠本体111における第2係合部111Cには、モヘア114Bが取り付けられており、上部障子30を閉じた際に上框31の室外側側面とモヘア114Bとが当接可能になっている。これらのAT材114Aおよびモヘア114Bによって上枠11と上框31との間の気密ラインが形成され、気密性および水密性が確保できるようになっている。
【0026】
また、上部障子30の縦框33と縦枠13との間の気密ラインは、図8の左側に示すように、縦框33の室内側側面に設けられたAT材331とアタッチメント132とが摺接し、縦框33の見込み面室外側に設けられたモヘア332と縦枠本体131とが摺接することによって形成されている。この際、アタッチメント132は、閉鎖状態の上部障子30に重なる高さ領域において、前述の嵌め殺し窓1における縦枠13のアタッチメント132と室内外の向きが逆になるように取り付けられている。
一方、下部障子40の縦框43と縦枠13との間の気密ラインは、図8の右側に示すように、前述の嵌め殺し窓1の固定障子20の場合と略同様であり、AT材231がアタッチメント132に摺接し、モヘア232が縦枠本体131に摺接することによって形成されている。
【0027】
以上のような上げ下げ窓2では、窓枠10において、上枠11の上枠本体111と、下枠12と、縦枠13の縦枠本体131およびアタッチメント132との各部材が、前述の嵌め殺し窓1の各部材と共通化されている、すなわち同一断面を有して形成されている。さらに、上げ下げ窓2の下部障子40における下框42および縦框43が、嵌め殺し窓1における固定障子20の下框22および縦框23と共通化されている。すなわち、下部障子40における召合せ框である上框41を除いた三方の框材と、固定障子20における三方の框材とが同一断面を有して形成されている。
【0028】
次に、以上のような嵌め殺し窓1と上げ下げ窓2とを隣接配置して構成した連窓3について、図10および図11に基づいて説明する。
図10は、嵌め殺し窓1と上げ下げ窓2とを用いて構成した連窓3を示す外観姿図である。図11は、連窓3の連結部分を示す横断面図である。
連窓3は、上げ下げ窓2の左右両側に隣接して嵌め殺し窓1が配置され、これらの上げ下げ窓2と嵌め殺し窓1とが連結方立50によって連結されて構成されている。連結方立50は、嵌め殺し窓1および上げ下げ窓2の各々の縦枠13同士を連結するものであって、それぞれアルミ形材製の室内部材51、室外部材52と、樹脂製の断熱部材53とを有して構成されている。そして、連結方立50には、複数の係合片511が形成されており、これらの係合片511と縦枠13の係合片131Eとが互いに係合するとともに、室内側からビス止めすることによって連結方立50と縦枠13とが連結されるようになっている。
【0029】
このような連窓3においては、上げ下げ窓2の下部障子40と、嵌め殺し窓1の固定障子20とが、略同一の見込み位置に設けられるとともに、窓枠10の上枠11、下枠12、縦枠13と、固定障子20および下部障子40の下框22,42および縦框23,43が共通化されているため、内観および外観上、統一感のあるデザインが得られるようになっている。
【0030】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、上げ下げ窓2に利用可能な窓枠10を嵌め殺し窓1に用い、この窓枠10の室内側案内溝部131Bに対応した見込み位置に固定障子20が固定され、固定障子20が固定されない側(室外側)の上枠11にアタッチメント112を取り付けたことで、このアタッチメント112によって気密ラインを形成したり、固定障子20の上框21を覆ってフラットな外観を形成したりすることができる。従って、嵌め殺し窓1と上げ下げ窓2との間で窓枠10の共通化を図ることができ、各々の窓専用の枠材を製造する必要がなくなり、製造装置やラインの簡素化や、押し出し型等の部品点数削減、部品や製品の在庫管理の容易化などが図れるため、製造コストを低減することが可能になる。
【0031】
(2)また、一つの建物や建物群において、嵌め殺し窓1と上げ下げ窓2とで窓枠10を共通化することで、各種の窓の外観や内観のデザインを統一することができ、意匠性の向上を図ることができる。さらに、嵌め殺し窓1の固定障子20の下框22および縦框23と、上げ下げ窓2の下部障子40の下框42および縦框43とが共通化されているので、部品点数の削減による製造コストの低減をより一層図ることができるとともに、嵌め殺し窓1と上げ下げ窓2とにおける外観や内観のデザインの統一感を一層高めることができる。
【0032】
(3)さらに、嵌め殺し窓1において、固定障子20を室内側から窓枠10にセットした状態で固定作業が実施できるので、室外側から障子をセットして固定作業を実施するような固定構造と比較して、固定作業の作業性を向上させることができる。また、2階以上の高所等に嵌め殺し窓1を設ける場合などには、大がかりな障子の脱落防止手段を設ける必要がなく、取り付け施工のコストを低減することも可能になる。
【0033】
(4)そして、本実施形態の固定構造によれば、縦枠13にスリット状の係止溝131Dを形成しておき、この係止溝131Dに固定部材25の挿通部251を挿通させるとともに、固定部材25を室内側から貫通するビス26を縦框23に固着するだけで、固定障子20を固定することができるので、固定部材25を縦枠13側にビス止めする必要がなく、このビス止めのスペースを確保しなくてもよいことから、縦枠13の見込み寸法、特に固定障子20の室内側側面よりも室内側に突出する部分の寸法を小さくすることができ、部材寸法の最小化および意匠性の向上を図ることができる。
【0034】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について図12〜図15に基づいて説明する。
図12は、本発明の第2実施形態に係る建具である嵌め殺し窓1Aを示す縦断面図である。図13は、嵌め殺し窓1を示す横断面図である。図14は、嵌め殺し窓1の下枠12部分を拡大して示す縦断面図である。図15は、嵌め殺し窓1の縦枠13部分を拡大して示す横断面図である。
本実施形態における嵌め殺し窓1Aは、固定障子の取付位置が前記第1実施形態と大きく相違するもので、他の構成は第1実施形態と略同様である。以下、相違点について詳しく説明する。
【0035】
嵌め殺し窓1Aは、前記嵌め殺し窓1と略同一の窓枠10と、この窓枠10の内部における室外寄りの位置(縦枠13の室外側案内溝部131Aに対応した見込み位置)に固定された固定障子60とを備えて構成されている。固定障子60は、前記上げ下げ窓2における上部障子30の上框31および縦框33と略同一断面を有する上框61および縦框63と、前記上部障子30の召合せ框である下框32と異なる断面を有した下框62とを有し、これらの上框61、下框62および左右の縦框63を四周框組みした内部に、ガラスパネル(複層ガラス)64を嵌め込んで構成されている。
【0036】
窓枠10の上枠11は、前記上げ下げ窓2と同様の室内側カバー113とアタッチメント114とが上枠本体111に取り付けられて構成されている。また、下枠12の上面には、着脱部材である固定障子用のアタッチメント121が取り付けられている。このアタッチメント121は、図14に示すように、それぞれアルミ形材製の室内部材121Aおよび室外部材121Bと、樹脂製の断熱部材121Cとを有して構成され、下枠12の室内側端部に設けられた気密部材保持部12Aに係合されて取り付けられている。なお、この気密部材保持部12Aは、前記嵌め殺し窓1における固定障子20の下框22に当接するモヘア、あるいは前記上げ下げ窓2における下部障子40の下框42に当接するモヘアを保持するために設けられたものであって、本実施形態では、モヘアを取り外した上でアタッチメント121が係合保持されている。そして、アタッチメント121における固定障子60の室内側と対向する対向部としての室内部材121Aの室外側端部には、気密部材であるモヘア121Dが取り付けられており、このモヘア121Dが下框62の室内側側面に当接するようになっている。すなわち、アタッチメント121の対向部としての室内部材121Aの室外側端部によって、室内気密部が構成されている。
【0037】
また、図13および図15に示すように、窓枠10の縦枠13における室外側案内溝部131Aに固定部材65が固定され、この固定部材65を介して固定障子60の縦框63が固定されるようになっている。また、縦枠13の室内側案内溝部131Bには、カバー材134が取り付けられ、このカバー材134によって室内側案内溝部131Bが塞がれるようになっている。固定障子60の縦框63には、前記上げ下げ窓2における上部障子30の縦框33と同様に、気密部材としてのAT材631とモヘア632とが取り付けられており、AT材631がアタッチメント132の室外側側面に当接し、モヘア632が縦枠本体131に当接するようになっている。
【0038】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(5)すなわち、嵌め殺し窓1や上げ下げ窓2に利用可能な窓枠10を用い、この窓枠10の室外側案内溝部131Aに対応した見込み位置に固定障子60を固定して嵌め殺し窓1Aが構成され、固定障子60が固定されない側(室内側)の下枠12にアタッチメント121を取り付けたことで、このアタッチメント121によって気密ラインを形成することができる。従って、嵌め殺し窓1や上げ下げ窓2との間で窓枠10の共通化を図ることができ、前述と同様に、製造コストを低減することが可能になる。
【0039】
(6)また、嵌め殺し窓1Aの窓枠10や固定障子60の上框61および縦框63が、嵌め殺し窓1や上げ下げ窓2と共通化されているので、部品点数の削減を図ることができるとともに、各種の窓において外観や内観のデザインを統一することができ、意匠性の向上を図ることができる。そして、嵌め殺し窓1Aの固定障子60が上げ下げ窓2の上部障子30と略同一の見込み位置に取り付けられているので、固定障子60と上部障子30とでデザインの統一感を一層高めることができる。
【0040】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、上げ下げ窓2の上部障子30および下部障子40を案内可能な室内外の案内溝部131A,131Bを窓枠10の縦枠13に設け、これらの案内溝部131A,131Bのいずれかに対応した見込み位置に固定障子20,60を固定したが、これに限らず、引き違い窓のように上枠と下枠とに案内部であるレール部が設けられた窓枠を用い、この窓枠における室内側レール部または室外側レール部に対応した位置に固定障子を固定してもよい。
さらに、嵌め殺し窓1,1Aと窓枠10が転用可能なスライド開閉窓としては、室内外両方の障子が上下または左右にスライド開閉可能なものに限らず、室内外のいずれか一方の障子がスライド開閉可能で、かつ他方の障子が固定されたシングルハングタイプの上げ下げ窓や、片引き窓等であってもよい。
【0041】
また、前記実施形態では、嵌め殺し窓1,1Aと上げ下げ窓2との間で窓枠10を共通化するとともに、固定障子20,60と上部障子30または下部障子40との間で、召合せ框を除く三方の框材を共通化したが、四周全ての框材を共通化してもよく、また框材を共通化しなくてもよい。
また、前記実施形態では、嵌め殺し窓1と上げ下げ窓2とを左右に隣接させて連窓3を構成したが、これらを上下に隣接させて段窓を構成してもよい。さらに、連窓や段窓を構成するために嵌め殺し窓1,1Aの上下または左右に隣接させる窓としては、上げ下げ窓2に限らず、引違い窓や片引き窓等であってもよい。
【0042】
また、前記第1実施形態では、上枠11における上枠本体111の下方の開口全体を覆って着脱部材であるアタッチメント112を取り付けたが、このような構成に限らず、着脱部材としては、アタッチメント112の室外部材112Bによって構成される対向部を少なくとも有していればよい。すなわち、図9に示すような室内側カバー113と、前記アタッチメント112のうちの室外部材112B部分のみで構成した着脱部材とが上枠本体111に取り付けられていてもよい。さらには、図9の室内側カバー113と上部障子用のアタッチメント114とが取り付けられた上枠11において、アタッチメント114の下側を覆うような着脱部材が取り付けられていてもよい。
また、前記実施形態では、着脱部材であるアタッチメント112,121に気密材保持部を形成し、この気密材保持部に気密部材としてのAT材112Hやモヘア121Dが保持されて上框21や下框62と当接するように構成されていたが、これに限らず、気密材保持部を固定障子20,60の框材(上框21や下框62)側に形成して気密部材を保持させ、この気密部材が着脱部材に当接するように構成してもよい。
【0043】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態に係る建具を示す縦断面図である。
【図2】前記建具を示す横断面図である。
【図3】前記建具の上枠部分を拡大して示す縦断面図である。
【図4】前記建具の縦枠部分を拡大して示す横断面図である。
【図5】前記建具における固定障子の固定手順を説明する斜視図である。
【図6】前記建具における固定障子の固定手順を説明する斜視図である。
【図7】前記建具と共通部材を有する他の建具を示す縦断面図である。
【図8】前記他の建具を示す横断面図である。
【図9】前記他の建具の上枠部分を拡大して示す縦断面図である。
【図10】前記建具を用いて構成した連窓を示す外観姿図である。
【図11】前記連窓の連結部分を示す横断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る建具を示す縦断面図である。
【図13】前記建具を示す横断面図である。
【図14】前記建具の下枠部分を拡大して示す縦断面図である。
【図15】前記建具の縦枠部分を拡大して示す横断面図である。
【符号の説明】
【0045】
10…枠体である窓枠、11…上枠、12…下枠、13…縦枠、20,60…固定障子、21,61…上框、22,62…下框、23,63…縦框、24,64…面材であるガラスパネル、25…固定部材、26…固着具であるビス、27…カバー材、30…可動障子である上部障子、40…可動障子である下部障子、112,121…着脱部材であるアタッチメント、112B…室外気密部(対向部)である室外部材、121A…室内気密部(対向部)である室内部材、131A…案内部である室外側案内溝部、131B…案内部である室内側案内溝部、131D…係止溝、132…支持片であるアタッチメント、233…当接片、251…挿通部、252,253…係止部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁開口部に固定される枠体と、この枠体内部に固定される固定障子とを備えた建具であって、
前記枠体は、上枠、下枠、および左右の縦枠からなる枠材を四周枠組みして形成され、前記上枠および下枠、または前記左右の縦枠には、室内外一対の可動障子を左右または上下に案内可能な室内外の案内部が設けられ、
前記固定障子は、上框、下框、および左右の縦框を四周框組みした内部に嵌め込んだ面材を有し、かつ前記枠体の開口内部に収まる大きさを有して形成されるとともに、前記枠体における室内外いずれかの案内部に対応した見込み位置に固定手段を介して固定され、
前記固定障子が前記室内側案内部に対応した見込み位置に固定された場合において、これらの案内部を有した枠材と交差する一対の枠材のうち、少なくとも一方の枠材には、前記固定障子の室外側と対向する対向部を有する着脱部材が取り付けられ、
前記固定障子が前記室外側案内部に対応した見込み位置に固定された場合において、これらの案内部を有した枠材と交差する一対の枠材のうち、少なくとも一方の枠材には、前記固定障子の室内側と対向する対向部を有する着脱部材が取り付けられている建具。
【請求項2】
前記室内外の案内部は、それぞれ室内側下部可動障子と室外側上部可動障子とを上下スライド案内可能に前記左右の縦枠に設けられており、
前記固定障子が前記室内側案内部に対応した見込み位置に固定された場合には、前記着脱部材は、前記上枠の下側を覆って設けられるとともに、前記固定障子の室外側面と気密材を介して当接する室外気密部が前記対向部に形成され、
前記固定障子が前記室外側案内部に対応した見込み位置に固定された場合には、前記着脱部材は、前記下枠の上側を覆って設けられるとともに、前記固定障子の室内側面と気密材を介して当接する室内気密部が前記対向部に形成されている請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記固定障子の上框、下框、および左右の縦框のうちの三方の框材は、前記可動障子の召合せ框を除く三方の框材と同一断面を有して形成されている請求項1または請求項2に記載の建具。
【請求項4】
前記固定手段は、前記上枠、下枠、および左右の縦枠のうちの互いに対向する一対の枠材と、これら一対の枠材に近接対向する前記固定障子の上框、下框、および左右の縦框のうちの一対の框材とを互いに固定するものであって、前記一対の枠材に設けられた支持片および係止溝と、前記一対の框材に設けられて前記支持片に室内側から当接可能な当接片と、前記係止溝に挿通可能な挿通部を有しかつ前記一対の框材に室内側から当接可能な固定部材と、この固定部材を室内側から前記一対の框材に固着する固着具とを有して構成され、
前記固定障子を前記枠体内部に室内側からセットした状態において、前記挿通部を前記係止溝に挿通させ、前記一対の框材に固定部材を当接させるとともに、この固定部材を当該一対の框材に前記固着具で固着することで、前記当接片が前記支持片に室内側から当接して見込み方向に移動不能に当該固定障子が固定される請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。
【請求項5】
前記固定部材には、当該固定部材の室内側を覆うカバー材を係止する係止部が形成されている請求項4に記載の建具。
【請求項1】
外壁開口部に固定される枠体と、この枠体内部に固定される固定障子とを備えた建具であって、
前記枠体は、上枠、下枠、および左右の縦枠からなる枠材を四周枠組みして形成され、前記上枠および下枠、または前記左右の縦枠には、室内外一対の可動障子を左右または上下に案内可能な室内外の案内部が設けられ、
前記固定障子は、上框、下框、および左右の縦框を四周框組みした内部に嵌め込んだ面材を有し、かつ前記枠体の開口内部に収まる大きさを有して形成されるとともに、前記枠体における室内外いずれかの案内部に対応した見込み位置に固定手段を介して固定され、
前記固定障子が前記室内側案内部に対応した見込み位置に固定された場合において、これらの案内部を有した枠材と交差する一対の枠材のうち、少なくとも一方の枠材には、前記固定障子の室外側と対向する対向部を有する着脱部材が取り付けられ、
前記固定障子が前記室外側案内部に対応した見込み位置に固定された場合において、これらの案内部を有した枠材と交差する一対の枠材のうち、少なくとも一方の枠材には、前記固定障子の室内側と対向する対向部を有する着脱部材が取り付けられている建具。
【請求項2】
前記室内外の案内部は、それぞれ室内側下部可動障子と室外側上部可動障子とを上下スライド案内可能に前記左右の縦枠に設けられており、
前記固定障子が前記室内側案内部に対応した見込み位置に固定された場合には、前記着脱部材は、前記上枠の下側を覆って設けられるとともに、前記固定障子の室外側面と気密材を介して当接する室外気密部が前記対向部に形成され、
前記固定障子が前記室外側案内部に対応した見込み位置に固定された場合には、前記着脱部材は、前記下枠の上側を覆って設けられるとともに、前記固定障子の室内側面と気密材を介して当接する室内気密部が前記対向部に形成されている請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記固定障子の上框、下框、および左右の縦框のうちの三方の框材は、前記可動障子の召合せ框を除く三方の框材と同一断面を有して形成されている請求項1または請求項2に記載の建具。
【請求項4】
前記固定手段は、前記上枠、下枠、および左右の縦枠のうちの互いに対向する一対の枠材と、これら一対の枠材に近接対向する前記固定障子の上框、下框、および左右の縦框のうちの一対の框材とを互いに固定するものであって、前記一対の枠材に設けられた支持片および係止溝と、前記一対の框材に設けられて前記支持片に室内側から当接可能な当接片と、前記係止溝に挿通可能な挿通部を有しかつ前記一対の框材に室内側から当接可能な固定部材と、この固定部材を室内側から前記一対の框材に固着する固着具とを有して構成され、
前記固定障子を前記枠体内部に室内側からセットした状態において、前記挿通部を前記係止溝に挿通させ、前記一対の框材に固定部材を当接させるとともに、この固定部材を当該一対の框材に前記固着具で固着することで、前記当接片が前記支持片に室内側から当接して見込み方向に移動不能に当該固定障子が固定される請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。
【請求項5】
前記固定部材には、当該固定部材の室内側を覆うカバー材を係止する係止部が形成されている請求項4に記載の建具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−211492(P2007−211492A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−32992(P2006−32992)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】
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