説明

建具

【課題】建具体の框に操作部材を簡単に取付けできる建具とする。
【解決手段】本体50と弾性部材51と操作部52で操作部材5とし、その本体50を建具体の框(吊元縦框20)の対向した2つの板状部20b,20c間に挿入することで操作部52が板状部20b,20cの内面に接して弾性部材51が弾性変形し、この弾性部材51の弾性復元力で操作部52が板状部20b,20cの開口部29から突出して操作部材5を框の対向した2つの板状部20b,20c間に取付けできるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折戸、ドア、引き窓等の建具枠に建具体を開閉自在に取付けた建具、詳しくは、建具体に操作部材を取付ける構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、折戸としては、第1の扉体の戸先側と第2の扉体の戸先側が折曲自在に連結され、その第1の扉体の吊元側が枠体にヒンジ部材で回動自在に連結され、第2の扉体の吊元側が枠体に摺動子で摺動自在に支持され、第1の扉体と第2の扉体を折曲することで開き状態とし、第1の扉体と第2の扉体を直線状とすることで閉じ状態とする折戸が知られている。
【0003】
従来、ドアとしては、ドア枠にドアの吊元側がヒンジで回動自在に連結され、そのドアの戸先側に取付けた把手を持ってドアを開閉操作するドアが知られている。
従来、引き窓としては、窓枠に障子を面内方向に移動自在に取付け、その障子に取付けた引手を持って開閉操作する引き窓が知られている。
【0004】
前述した折戸を浴室の出入口に用いると、浴室使用者が浴室内で倒れた非常時に、脱衣室側から他の人が第1・第2の扉体を開放して倒れた浴室使用者を救出することがあるが、浴室内で倒れた浴室使用者に第1・第2の扉体が当り開放できないことがある。
そこで、特許文献1で開示したように、第1の扉体の吊元側に設けたヒンジ部材を下方に移動できる操作レバーと、第2の扉体の吊元側に設けた摺動子を下方に移動できる操作レバーを取付け、前述した非常時には脱衣室側から前述の操作レバーを操作してヒンジ部材、摺動子を下方に移動し、第1・第2の扉体を枠体から取り外しできるようにした折戸が提案されている。
【特許文献1】特開平10−140925号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した従来の折戸においては、第1の扉体の吊元側の縦框にヒンジ部材を取付けると共に、操作レバーを取付け、その操作レバーと前記ヒンジ部材を連結し、第2の扉体の吊元側の縦框に摺動子を取付けると共に、操作レバーを取付け、その操作レバーと前記摺動子を連結している。
このようであるから、操作レバーの取付け作業が面倒である。
また、前述した従来のドアにおいては、ドアの戸先側の縦框に把手をビス等で固着して取付けているので、その把手の取付け作業が面倒である。
また、前述した従来の引き窓においては、障子の縦框に引手をビス等で固着して取付けているので、その引手の取付け作業が面倒である。
【0006】
このように、従来の折戸、ドア、引き窓などの建具においては、扉体、ドア、障子等の建具体の縦框に、操作レバー、把手、引手等の操作部材を面倒な取付け作業で取付けしなければならない。
【0007】
本発明の目的は、建具体の框に操作部材を簡単な作業で取付けできるようにした建具とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、建具枠に建具体が取付けられ、その建具体の框に操作部材を取付けた建具であって、
前記操作部材は、本体と、その本体に設けた弾性部材と、その弾性部材に設けた操作部を備え、
前記操作部材の本体は、その対向した2つの側面が框の対向した2つの板状部の内面に接しながら当該框の長手方向に移動可能で、
この本体に設けた弾性部材は、前記框の板状部に向かう方向に弾性変形可能で、
この弾性部材に設けた操作部は、その側面が本体の側面よりも側方に張り出し、かつその側面が本体の側面と面一となるまで弾性部材が弾性変形するようにし、
前記操作部材は、前記框の対向した2つの板状部間に、前記操作部が前記板状部に形成した開口部から突出して設けられていることを特徴とする建具である。
【0009】
本発明においては、本体は、第1本体部と第2本体部と第1側面板と第2側面板で第1・第2本体部が短辺で、第1・第2側面板が長辺である略長方形の枠形状で、
前記第1・第2側面板の少なくとも一方に、長辺方向に向かう一対のスリットを形成し、この一対のスリット間の部分を弾性部材とし、その一対のスリット間の部分に操作部を設けたものにできる。
このようにすれば、本体と弾性部材が一体であるから、部品点数が少なく、本体と弾性部材を連結する作業が不要である。
また、第1本体部と第2本体部の中間に操作部が位置し、その操作部が框の対向した2つの板状部の内面に接するからスリット間の部分がほぼV字状に弾性変形するから、操作部材を框に押し込む力を小さくできる。
また、取付けた状態で第1本体部と第2本体部と第1・第2側面板のスリットの外側部分が框の2つの板状部の内面に接しているので、操作部材を安定して支持できる。
【0010】
本発明においては、框の板状部に形成した開口部の当該框の長さ方向の寸法を、操作部材の操作部の当該框の長手方向の寸法よりも大きくできる。
このようにすれば、操作部材を框の長手方向に移動することができるので、折戸のヒンジ部材の回転子や摺動部材の摺動子、ロック部材のロック片と操作部材を連結することで、それらを框の長手方向に移動できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、本体を框の対向した2つの板状部の内面に沿って移動することで、操作部によって弾性部材が弾性変形して操作部が2つの板状部間に入り込み、開口部と合致することで弾性部材の弾性復元力で操作部が開口部から突出するので、操作部材を框の2つの板状部間に、その框の長手方向に挿入することで取付けでき、建具体の框に操作部材を簡単な作業で取付けできる。
しかも、取付けた状態で本体の2つの側面が框の2つの板状部の内面に接しているから、操作部材を安定して支持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、第1の実施の形態の建具は折戸である。
前記折戸は、枠体1と、折曲自在に連結した第1の扉体2a、第2の扉体2bを備え、前記枠体1が建具枠で、第1の扉体2aと第2の扉体2bが建具体である。
前記枠体1は、上枠10と下枠11と左右の縦枠12,12を方形状に連結してある。
前記第1の扉体2a、第2の扉体2bは、吊元縦框20と戸先縦框21と上框22と下框23を方形状に連結し、その内部にガラス等のパネル24を装着してある。
【0013】
前記第1・第2の扉体2a,2bの戸先縦框21は図3に示すように連結部材3で室内側(浴室側)と室外側(脱衣室側)に向かう方向に回動自在に連結されている。
前記第1の扉体2aの吊元縦框20の上下にはヒンジ部材4が取付けてあり、その上のヒンジ部材4は上枠10に連結され、下のヒンジ部材4は下枠11に連結されて、第1の扉体2の吊元縦框20は枠体1に室内外側方向に回動自在に連結されている。
前記吊元縦框20には上のヒンジ部材4を上下に移動するための操作部材5が設けてある。
この操作部材5は室外側から操作可能で、その操作部材5を操作して上のヒンジ部材4を下方に移動すると上枠10から離脱する。
【0014】
前記第2の扉体2bの吊元縦框20の上下には摺動部材6が取付けてあり、その上の摺動部材6は上枠10に沿って長手方向に移動自在に支承され、下の摺動部材6は下枠11に沿って長手方向に移動自在に支承されて、第2の扉体2bの吊元縦框20は枠体1の上下枠10,11の長手方向に移動自在に支承されている。
例えば、図2に示すように上枠10、下枠11はレール10a,11aを有し、前述した上の摺動部材6はレール10aに沿って長手方向に摺動し、前述した下の摺動部材6は下枠11のレール11aに沿って長手方向に摺動する。
前記吊元縦框20には上の摺動部材6を上下に移動するための操作部材7が設けてある。
この操作部材7は室外側から操作可能で、その操作部材7を操作して上の摺動部材6を下方に移動すると上枠10から離れる。
【0015】
このようであるから、第1の扉体2aと第2の扉体2bの戸先縦框21,21を室内側に向けて突出することで、第1・第2の扉体2a,2bが折曲して開き状態となる。第1・第2の扉体2a,2bを直線状とすることで閉じ状態となる。
【0016】
前記第2の扉体2bの戸先縦框21の上部にはロック部材8が上方のロック位置と下方のロック解除位置とに亘って上下に移動自在に取付けてある。
このロック部材8を上方のロック位置と下方のロック解除位置とに亘って上下に移動する操作部材9が前述の第2の扉体2bの戸先縦框21に設けてある。
前記第1・第2の扉体2a,2bを閉じた状態で、前記操作部材9を操作してロック部材8を上方に移動してロック位置とすると、上枠10と係合して第1・第2扉体2a,2bを閉じ状態でロックし、開き動作できないようにしてある。
前記ロック部材8の操作部材9は室内側と室外側の両方から操作できるようにしてある。
【0017】
前述のようであるから、浴室用の折戸の場合に、浴室使用者が浴室内で倒れた非常時等には、脱衣室側から操作部材5,7を操作して上のヒンジ部材4、上の摺動部材6を下方に移動して上枠10から離脱することにより、第1の扉体2aと第2の扉体2aを脱衣室側から取り外しできる。
なお、浴室使用者が浴室側から操作部材9を操作してロック部材8を上方に移動してロック位置としてある場合には、脱衣室側から操作部材9を操作してロック部材8を下方のロック解除位置とする。
【0018】
次に、上のヒンジ部材4と操作部材5の詳細を説明する。
図4に示すように、上のヒンジ部材4はケース40と回転子41を備えている。
前記ケース40は、吊元縦框20の中空部20a内に嵌合して取付けてあり、このケース40内に回転子41が回転及び上下動可能に嵌合してある。
前記回転子41はバネ42で上方に移動され、その上部が上枠10のレール10aに回転しないように係合している。例えば、レール10aに切欠部10bを形成し、回転子41の上部の幅狭い突片部41aを切欠部10bに嵌め合わせて回転しないように係合している。
これにより、回転子41に対してケース40が回転するので、吊元縦框20が上枠10に回転可能に支承される。
【0019】
前記回転子41は操作部材5に回転可能で、操作部材5とともに下方に移動するように連結されている。
例えば、回転子41に連結材43を設け、この連結材43を操作部材5の上部に回転可能で、かつ上方には移動できないように連結してある。
これによって、操作部材5を矢印で示すように下方に移動することで、図5に示すように回転子41がバネ42に抗して下方に移動し、上枠10のレール10aと離れる。
【0020】
この実施の形態では、後述するように上のヒンジ部材4とともに操作部材5を吊元縦框20の中空部20a内に挿入して取付けるので、前記連結材43は操作部材5に回転自在で、かつ上下方向に動かないように連結されている。
【0021】
次に、前記操作部材5の詳細を図4〜図8に基づいて説明する。
前記吊元縦框20は間隔を置いて対向した2つの板状部20b、20cを有している。例えば、吊元縦框20は室内側板25と室外側板26と内側板27と外側板28で中空部20aを有し、その内側板27にパネル装着部27aを設けた形状で、その室内側板25と室外側板26が室内外側方向に間隔を置いて対向し、前記2つの板状部20b,20cとしてある。この室内側板25、室外側板26に開口部29がそれぞれ形成してある。
前記吊元縦框20は中空形状に限ることはなく、コ字形状などでもよい。
【0022】
前記操作部材5は、本体50と、この本体50に設けた弾性部材51と、その弾性部材51に設けた操作部52を備えている。
前記本体50は、対向した2つの側面50aが前記吊元縦框20の対向した2つの板状部20b,20cの内面に接触して2つの板状部20b,20c間に摺動自在に挿入される。
前記弾性部材51は本体50に対して前記板状部20b,20cに向かう方向に弾性変形可能である。
前記操作部52は、本体50の側面50aよりも側方に張り出し、その操作部52が前記板状部20b,20cの内面に接することで前記弾性部材51が弾性変形する。
この操作部52は前記開口部29よりも小さい。
【0023】
図8(a)に示すように、前記操作部材5を吊元縦框20の中空部20a内に長手方向から挿入すると、その本体50の側面50aが板状部20b,20cの内面に接触しながら長手方向に摺動し、操作部52が板状部20b,20cの長手方向の端面に接する。この状態から操作部材5を強い力で押し込むことで、操作部52が中空部20a内に押し込められて弾性部材51が順次弾性変形して操作部52の側面52aが板状部20b,20cの内面に接する(図8(b))。
図8(b)に示す状態から操作部材5を更に押し込みして操作部52が開口部29と対向すると、弾性部材51が弾性復元して操作部52が開口部29から突出する(図4参照)。
【0024】
前記吊元縦框20の開口部29の当該吊元縦框20の長手方向の寸法Lは操作部52の前記吊元縦框20の寸法Lよりも大きく、操作部52は開口部29に対して吊元縦框20の長手方向に移動可能である。
また、操作部材5の本体50は対向した2つの板状部20b,20cの内面に沿って長手方向に移動可能に支承されている。
これによって、操作部材5が吊元縦框20に長手方向に移動自在に取付けられ、その操作部52に指を掛けて操作部材5を図4に示す状態から下方に移動することで、図5に示すように下方の位置として上のヒンジ部材4を下方に移動できる。
【0025】
このようであるから、操作部材5を吊元縦框20内に長手方向から挿入することで取付けでき、その操作部材5を吊元縦框20に簡単に取付けできる。
【0026】
前記操作部材5の具体形状を説明する。
前記本体50は、第1本体部53と第2本体部54と第1側面板55と第2側面板56により、その第1・第2本体部53,54が短辺で、第1・第2側面板55,56が長辺となった略長方形の枠形状で、前記第1・第2本体53,54の両側面と第1・第2側面板55,57が面一に連続して本体50の両側面50aとしてある。
前記第1・第2側面板55,56の幅方向両側寄りに一対のスリット55a,56aを長辺方向に連続して形成し、その一対のスリット55a,56a間の幅方向中間部分55b,56bを弾性変形し易くして弾性部材51としてある。
前記第1・第2側面板55,56の幅方向中間部分55b,56bの長辺方向の中間に操作部52を設けてある。
【0027】
このようであるから、取付けた状態で本体50の第1・第2本体53,54の両側面と第1・第2側面板55,56のスリット55a,56aの外側部分が吊元縦框20の対向した2つの板状部20b,20cに接しているので、操作部材5を吊元縦框20に安定して支持できる。
また、第1・第2側面板55,56のスリット間の部分55b,56bは小さい外力で弾性変形すると共に、操作部52が前述の板状部20b,20cの内面に接することでほぼV字状に弾性変形するから、操作部材5を吊元縦框20に押し込む力が小さくて良い。
これらが相俟って、操作部材5を吊元縦框20により簡単に取付けできると共に、取付けした状態で操作部材5をスムーズに吊元縦框20の長手方向に移動できる。
【0028】
また、本体50と弾性部材51が一体であるから部品点数が少ないし、本体50と弾性部材51を連結する作業が不要である。
【0029】
すなわち、前述の操作部材5は本体50、弾性部材51、操作部52が一体として樹脂を用いた射出成形で成形してある。
これに限ることはなく、本体50と弾性部材51と操作部52を別体としても良い。
【0030】
例えば、前述の第1・第2側面板55,56のスリット間部分を打ち出し切断して除去し、その部分に板バネを設けて第1・第2本体部53,54にビス等で固着して弾性部材51とする。
この板バネに操作部材52を接着又はビス等で固着して取付けて操作部材とする。
または、1つの本体部の側面に板バネの長手方向一端部を固着し、その板バネの長手方向他端部に操作部52を接着又はビス等で固着して取付けて操作部材とする。
【0031】
前述の操作部材5では一対の弾性部材51と2つの操作部52を有しているが、弾性部材51と操作部材52をそれぞれ1つのみとしても良い。
例えば、第2側面板56にスリット56aを形成せずに、弾性部材51を有しないものとする。
【0032】
前記上のヒンジ部材4の連結材43と操作部材5は、その連結材43を第1本体部53の孔53aに挿入してフランジ部43aを第1本体部53の上面に接し、第1本体部53の下面から突出した部分をカシメ等で抜け止めして連結してある。
【0033】
前記操作部52は図7に示すように、指掛け部分52bと保持部分52cを有している。
前記指掛け部分52bの突出方向の寸法(厚さ)が大きく、保持部分52cの突出方向の寸法(厚さ)が小さく、かつ移動方向の端部が傾斜面となっている。
そして、操作部材5を図5に示すように下方に移動して上のヒンジ部材4を下方に移動した時に、保持部分52cが吊元縦框20の2つの板状部22b,22cの内面に接し、操作部材5を強固に保持するので、上のヒンジ部材4の回転子41がバネ42で上方に移動しないようにできる。
【0034】
したがって、扉体を室外側(脱衣室側)から取り外しする作業がやり易い。
【0035】
次に、上の摺動部材6と操作部材7を説明する。
図9に示すように、上の摺動部材6は、前述の上のヒンジ部材4と同様に、吊元縦框20の中空部20aに嵌合して取付けたケース60と、このケース60内に上下動自在に設けた摺動子61と、バネ62を備え、そのバネ62で摺動子61の凹溝61aを上枠10のレール10aに嵌め込み、その摺動子61を上枠10のレール10aに沿って長手方向にスライド自在としてある。
前記摺動子61に設けた連結材63を操作部材7に連結してある。
そして、操作部材7を下方に移動すると摺動子61が下方に移動して上枠10のレール10aと離れる。
【0036】
前記操作部材7は前述した上のヒンジ部材4を操作する操作部材5と同様である。
この場合には摺動子61が回転しないので、連結材63を操作部材7の本体50の第1本体部50の第1本体部53に一体的に連結してある。
【0037】
次に、ロック部材8と操作部材9を説明する。
図10に示すように、ロック部材8は戸先縦框21の中空部21aに嵌合して取付けたケース80と、このケース80内に上下動自在に設けたロック片81と、このロック片81を操作部材9に連結する連結材82を備えている。
前記中空部21aは図3に示すように矩形状で、対向した2つの板状部21b,21cは平行となっている。
【0038】
前記操作部材9は各操作部材5,7と同様である。
【0039】
前記操作部材9を上方に移動してロック片81を上方に移動すると上枠10のレール10aの室外側(脱衣室側)に係止して室内側(浴室側)に移動しないようにロックする。
この時、ロック片81に設けた係止突部81aがケース80の係止部80aに係止し、ロック片81をロック位置に保持する。
前述の状態から操作部材9を下方に移動すると、ロック片81が下方に移動して上枠10のレール10aから離れてロック解除位置となる。
【0040】
次に、第2の実施の形態を説明する。
この実施の形態の建具はドアである。
図11に示すように、ドア枠70にドア90を回転自在に取付けてドアとしてある。
前記ドア枠70は上枠71と下枠72と左右の縦枠73で方形状で、建具枠である。
前記ドア90は、吊元縦框91と戸先縦框92と上框93と下框94を方形状に連結し、その内部にパネル95を装着したもので、建具体である。
【0041】
前記吊元縦框91の上下がヒンジ96で上枠71、下枠72に回動自在に連結されている。
この上のヒンジ96は操作部材97を操作することで上枠71と分離できるようにしてある。
前記戸先縦框92には開閉操作用の操作部材100が取付けてある。
【0042】
前記上のヒンジ96は図12に示すように、吊元縦框91の中空部91aに嵌合して取付けたケース96aと、そのケース96aに上下動自在に取付けた軸96bと、上枠71に取付けた軸受96cを備え、その軸96bをバネ96dで上方に移動して軸受96cに嵌合して吊元縦框91の上部を上枠71に回動自在に連結している。
【0043】
前記操作部材97は前述した操作部材5,7,9と同様に本体50、弾性部材51、操作部52を備え、吊元縦框91の中空部91a内に長手方向に挿入して取付けることで、操作部52が吊元縦框91の対向した2つの板状部91b,91cの開口部91dから側方に突出する。
そして、前記本体50の上部が連結材96eで軸96bに連結されている。
前記操作部材97を下方に移動することで図13に示すように軸96bが軸受96cから抜け出し、吊元縦框91の上部と上枠71が分離される。
【0044】
前記開閉操作用の操作部材100は、図14と図15に示すように、前述した各操作部材5,7,9,96と同様に、本体50と弾性部材51と操作部52を備え、戸先縦框92の中空部92a内に長手方向から挿入して取付けることで、操作部52が戸先縦框92の対向した2つの板状部92b,92cの開口部92dから突出する。
前記操作部52は図14、図15に示すように把手形状として手で握ることができるようにしてある。
また、操作部材100は戸先縦框92に対して長手方向に移動する必要がないので、図15に示すように開口部92dの上下寸法と把手部52の上下寸法が略同一としてある。
【0045】
次に、第3の実施の形態を説明する。
この実施の形態の建具は引き窓である。
図16に示すように、窓枠110に障子120を面内方向に移動自在に取付けて引き窓(引戸)としてある。
前記窓枠110は、上枠111と下枠112と左右の縦枠113を方形状に連結したもので、前述の建具枠である。
前記障子120は、戸先縦框121と戸尻縦框122と上框123と下框124を方形状に連結し、その内部にガラス125を装着したもので、建具体である。
前記戸先縦框121には開閉操作用の操作部材130が取付けてある。
【0046】
操作部材130は、図17、図18に示すように前述した各操作部材5,7,9,100と同様に、本体50と弾性部材51と操作部52を備えている。
そして、本体50を戸先縦框121の中空部121aに挿入することで操作部52が2つの対向した板状部121b,121cに形成した開口部121dから突出する。
この操作部材130は戸先縦框121の長手方向に移動する必要がないので、開口部121dの上下方向と操作部52の上下寸法を同一としている。
【0047】
前述の実施の形態においては、各開口部29,91d,92d,121dの周縁にリング形状のカバーを取付けて開口部の端面が見えないようにすることができる。
また、以上の各実施の形態では、操作部材を縦框に取付けしたが、上框や下框に取付けることもできる。
要するに、建具体を形成する框に取付けできる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】折戸の実施の形態を示す正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1のC−C拡大断面図である。
【図5】ヒンジ部材を下方に移動した状態の断面図である。
【図6】図4のD−D断面図である。
【図7】操作部材の斜視図である。
【図8】操作部材の取付け説明図である。
【図9】図1のE−E拡大断面図である。
【図10】図1のF−F拡大断面図である。
【図11】ドアの実施の形態を示す正面図である。
【図12】図11のG−G拡大断面図である。
【図13】ヒンジの軸を下方に移動した状態の断面図である。
【図14】操作部材の斜視図である。
【図15】図11のH−H拡大断面図である。
【図16】引き窓の実施の形態を示す正面図である。
【図17】操作部材の斜視図である。
【図18】図16のI−I拡大断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1…枠体(建具枠)、2a…第1扉体(建具体)、2b…第2扉体(建具体)、5…操作部材、7…操作部材、9…操作部材、20…吊元縦框、20b…板状部、20c…板状部、21…戸先縦框、21b…板状部、21c…板状部、29…開口部、50…本体、51…弾性部材、52…操作部、100…操作部材、130…操作部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建具枠に建具体が取付けられ、その建具体の框に操作部材を取付けた建具であって、
前記操作部材は、本体と、その本体に設けた弾性部材と、その弾性部材に設けた操作部を備え、
前記操作部材の本体は、その対向した2つの側面が框の対向した2つの板状部の内面に接しながら当該框の長手方向に移動可能で、
この本体に設けた弾性部材は、前記框の板状部に向かう方向に弾性変形可能で、
この弾性部材に設けた操作部は、その側面が本体の側面よりも側方に張り出し、かつその側面が本体の側面と面一となるまで弾性部材が弾性変形するようにし、
前記操作部材は、前記框の対向した2つの板状部間に、前記操作部が前記板状部に形成した開口部から突出して設けられていることを特徴とする建具。
【請求項2】
本体は、第1本体部と第2本体部と第1側面板と第2側面板で第1・第2本体部が短辺で、第1・第2側面板が長辺である略長方形の枠形状で、
前記第1・第2側面板の少なくとも一方に、長辺方向に向かう一対のスリットを形成し、この一対のスリット間の部分を弾性部材とし、その一対のスリット間の部分に操作部を設けた請求項1記載の建具。
【請求項3】
框の板状部に形成した開口部の当該框の長手方向の寸法を、操作部材の操作部の当該框の長手方向の寸法よりも大きくした請求項1〜3いずれか1項に記載の建具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−121134(P2009−121134A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−296424(P2007−296424)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】