説明

建物の断熱構造及びその施工方法

【課題】断熱板が、建物の構造部材1に、当該構造部材1にねじ込み又は打ち込まれた取り付けピンで取り付けられ、更に断熱板の表面側に仕上げ材5が取り付けられた建物の断熱構造において、取り付けピンによる熱橋を防止すると共に、高断熱が要求される場合でも、長尺の取り付けピンを用いることなく断熱板を取り付けることができ、しかも安定した仕上げ材5の取り付け状態が得られるようにする。
【解決手段】前記断熱板として、合成樹脂発泡体製の第一断熱板2と第二断熱板4との間に面材3を挟んで一体化した複合断熱板6を用いる。そして、該複合断熱板6を、前記第一断熱板2側を前記構造部材1側にして、前記面材3上から前記構造部材1にねじ込み又は打ち込まれた第一取り付けピン7aで取り付け、前記仕上げ材5を、前記第二断熱板4の表面側に、前記面材3にねじ込み又は打ち込まれた第二取り付けピン7bで取り付けた建物の断熱構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂発泡体製の断熱板を用いた建物の断熱構造及びその施工方法に関する。更に詳しくは、合成樹脂発泡体製の断熱板が、建物の構造部材に、当該構造部材にねじ込み又は打ち込まれた取り付けピンで取り付けられ、更に断熱板の表面側に仕上げ材が取り付けられた建物の断熱構造であって、特に建物の壁、天井に用いられる断熱構造及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の断熱構造及び施工方法としては、建物の壁部を構成する構造部材に宛った合成樹脂発泡体製の断熱板を、該断熱板の表面側に設けた胴縁材上から構造部材へ取り付けピンをねじ込み又は打ち込み、胴縁と構造部材の間に挟み付けて取り付け、更に断熱板の表面側に、胴縁へねじ込み又は打ち込んだ取り付けピンで外装材又は内装材を取り付けることで得られる構造及び施工方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−126977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の断熱構造及び施工方法では、断熱板を取り付けるための取り付けピンが断熱板の表裏をつなげる状態で設けられるために熱橋となり、断熱性を低下させたり、結露の原因となる問題がある。
【0005】
また、最近では省エネルギーのために断熱板が厚くなる傾向にあり、場合によっては100〜150mmの厚さの断熱板を使用する高断熱が要求される場合もある。このような高断熱が要求される場合、厚い断熱板の取り付けのために特殊な長い取り付けピンを用意しなければならず、材料コストを上昇させる原因となる。加えて、断熱板が厚くなると、構造部材と胴縁の間隔が開いて、胴縁の取り付け状態が不安定になりやすく、この胴縁に取り付けられる外装材又は内装材の取り付け状態が不安定になりやすくなる問題もある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、断熱板が、建物の構造部材に、当該構造部材にねじ込み又は打ち込まれた取り付けピンで取り付けられ、更に断熱板の表面側に仕上げ材が取り付けられた建物の断熱構造及びその施工方法において、取り付けピンによる熱橋を防止すると共に、高断熱が要求される場合でも、長尺の取り付けピンを用いることなく断熱板を取り付けることができ、しかも安定した仕上げ材の取り付け状態が得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的のために本発明の第一は、合成樹脂発泡体製の断熱板が、建物の構造部材に、当該構造部材にねじ込み又は打ち込まれた取り付けピンで取り付けられ、更に該断熱板の表面側に仕上げ材が取り付けられた建物の断熱構造において、
前記断熱板が、合成樹脂発泡体製の第一断熱板と第二断熱板との間に面材を挟んで一体化した複合断熱板で、該複合断熱板が、前記第一断熱板側を前記構造部材側にして、前記面材上から前記構造部材にねじ込み又は打ち込まれた第一取り付けピンで取り付けられており、前記仕上げ材が、前記第二断熱板の表面側に、前記面材にねじ込み又は打ち込まれた第二取り付けピンで取り付けられていることを特徴とする建物の断熱構造を提供するものである。
【0008】
上記本発明の第一は、前記第一断熱板の密度が前記第二断熱板の密度より高いこと、
前記複合断熱板が、建物の壁部の構成材料である構造部材の外面側に取り付けられており、前記面材の透湿抵抗が、少なくとも前記第一の断熱板の透湿抵抗と同等又はそれ未満であること
をその好ましい態様として含むものである。
【0009】
また、本発明の第二は、合成樹脂発泡体製の断熱板が、建物の構造部材に、当該構造部材にねじ込み又は打ち込まれた取り付けピンで取り付けられ、更に該断熱板の表面側に仕上げ材が取り付けられた建物の断熱構造の施工方法において、
前記断熱板として、合成樹脂発泡体製の第一断熱板と第二断熱板との間に面材を挟んで予め一体化した複合断熱板を用い、該複合断熱板を、前記第一断熱板側を前記構造部材側にして、前記面材上から前記構造部材に第一取り付けピンをねじ込み又は打ち込んで取り付けた後、前記仕上げ材を、前記第二断熱板の表面側に、前記面材に第二取り付けピンをねじ込み又は打ち込んで取り付けることを特徴とする建物の断熱構造の施工方法を提供するものである。
【0010】
上記本発明の第二は、前記第一取り付けピンのねじ込み又は打ち込みを、前記第二断熱板に形成した差し込み孔を介して行うか、又は前記第二断熱板上から第一取り付けピンの頭部が面材に当接する位置まで潜り込むまで押し込みながら行い、前記差し込み孔、又は前記第一取り付けピンの頭部を前記面材の位置まで押し込む時に形成される押し込み孔に穴埋め材を充填した後に前記仕上げ材を取り付けることをその好ましい態様として含むものである。
【0011】
更に本発明の第三は、合成樹脂発泡体製の断熱板が、建物の構造部材に、当該構造部材にねじ込み又は打ち込まれた取り付けピンで取り付けられ、更に該断熱板の表面側に仕上げ材が取り付けられた建物の断熱構造の施工方法において、
前記断熱板として、合成樹脂発泡体製の第一断熱板と、面材とを予め一体化したプレ製品の前記面材の表面に合成樹脂発泡体製の第二断熱板を現場で一体化することで構成される複合断熱板を用い、前記プレ製品を、前記第一断熱板側を前記構造部材側にして、前記面材上から前記構造部材に第一取り付けピンをねじ込み又は打ち込んで取り付けた後、前記面材の表面に合成樹脂発泡体製の第二断熱板を一体化し、前記仕上げ材を、前記第二断熱板の表面側に、前記面材に第二取り付けピンをねじ込み又は打ち込んで取り付けることを特徴とする建物の断熱構造の施工方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第一においては、厚い断熱板が必要となる高断熱が要求される場合でも、第一断熱板と第二断熱板の合計厚みが必要な厚みとなれば足り、第一断熱板と第二断熱板のそれぞれの厚さはさほど大きなものとはならない。そして、本発明において、複合断熱板を構造部材に取り付けるための第一取り付けピンは、面材から第一断熱板を貫通して構造部材へねじ込み又は打ち込まれており、面材から構造部材へ突き刺さる長さがあれば足る。このため、特殊な長尺の取り付けピンを使用せずに複合断熱板を取り付けることができ、特殊な長尺の取り付けピンを使用することによる材料コストの上昇を抑制することができる。また、複合断熱板を取り付けるための第一取り付けピンは、第二断熱板の表裏をつなぐ位置には存在しないので、断熱性を大きく低下させたり結露の原因となる熱橋の形成を防止することができる。更に、面材と構造部材の間隔は第一断熱板の厚みで定まり、上記のように高断熱の場合でも第一断熱板の厚みはさほど大きなものとはならないことから、面材の安定した取り付け状態が得やすい。このため、面材に取り付けられる仕上げ材の取り付け状態も安定させやすい。
【0013】
第一断熱板の密度を第二断熱板の密度より高くしておくと、複合断熱板の取り付け強度を向上させることができる。
【0014】
複合断熱板が、建物の壁部の構成材料である構造部材の外面側に取り付けられた外断熱において、面材の透湿抵抗が、少なくとも前記第一の断熱板の透湿抵抗と同等又はそれ未満であると、冬季に、室内の湿気が面材で遮られて滞留することによる内部結露を防止しやすくなる。
【0015】
本発明の第二によれば、容易に本発明に係る建物の断熱構造を構築することができると共に、第二断熱板の差し込み孔又は押し込み孔に穴埋め材を充填すれば、高い断熱効果の維持が可能となる。
【0016】
本発明の第三によれば、第二断熱板に差し込み孔又は押し込み孔を形成することなく本発明に係る建物の断熱構造を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る建物の断熱構造の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示される建物の断熱構造の施工手順の一例における複合断熱板取り付け時の説明図である。
【図3】図1に示される建物の断熱構造の施工手順の一例における穴埋め状態の説明図である。
【図4】図1に示される建物の断熱構造の施工手順の一例における仕上げ材取り付け時の説明図である。
【図5】図1に示される建物の断熱構造の施工手順の他の例におけるプレ製品取り付け時の説明図である。
【図6】図1に示される建物の断熱構造の施工手順の他の例における第二断熱板一体化時の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明を更に説明する。なお、以下に説明する図面において、同じ符号は同様の構成要素を示す。
【0019】
図1に示されるように、建物の構造部材1に、構造部材1側から順に第一断熱板2、面材3、第二断熱板4、仕上げ材5が設けられている。本発明は、建物の壁又は天井に適用されるもので、構造部材1は、建物の壁部の構成部材又は建物の天井部の構成部材である。更に具体的には、本発明は、RC構造、鉄骨構造、鉄筋コンクリート構造又は木造軸組構造の建物の壁又は天井に適用されるもので、壁部の構成材料である構造部材1としては、RC構造の建物であればRC壁等、鉄骨構造の建物であればALCパネル等、鉄筋コンクリートの建物であれば壁スラブ、木造軸組構造の建物であれば柱、間柱等を挙げることができる。また、天井部の構成材料である構造部材1としては、RC構造の建物であればRC天井等、鉄骨造りの建物であればALCパネル、デッキプレート等、鉄筋コンクリートの建物であれば天井スラブ、木造軸組構造の建物であれば吊り木に取り付けられた野縁等を挙げることができる。
【0020】
第一断熱板2と面材3と第二断熱板4は一体化された複合断熱板6を構成している。この一体化は、通常、接着剤で接着することで行うことができる。
【0021】
第一断熱板2と第二断熱板4は、合成樹脂発泡体製で、通常、同じ種類の合成樹脂発泡体が用いられるが、異なる種類の合成樹脂発泡体製とすることもできる。第一断熱板2及び第二断熱板4を構成する合成樹脂発泡体としては、例えばポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂等の発泡体を用いることができる。これらの中でも圧縮強度、耐水性、断熱性に優れることから、ポリスチレンの押出発泡板で構成することが好ましい。
【0022】
面材3は、後述する第二取り付けピン7bの保持力が得られる板材であればよく、例えば構造用合板、ファイバーボード、合成樹脂板、金属板等を用いることができる。
【0023】
複合断熱板6の構造部材1への取り付けは、面材3上から第一断熱板2を貫通して構造部材1へねじ込み又は打ち込まれた第一取り付けピン7aによって行われている。図1に示される例は、第一断熱板2と面材3と第二断熱板4とが予め一体化された複合断熱板6を用いたもので、この例における第一取り付けピン7aのねじ込み又は打ち込みは、仕上げ材5の取り付け前に、第二断熱板4に形成した差し込み孔9を介して行うか、第二断熱板4上から、第一取り付けピン7aの頭部が面材3に当接する位置まで潜り込むまで押し込みながら行われる。差し込み孔9や、取り付けピン7aの頭部を面材3の位置まで押し込む時に形成される押し込み孔10には、第一取り付けピン7aのねじ込み又は打ち込み後、穴埋め材8を充填しておくことが好ましい。穴埋め材8としては、現場発泡ウレタン、コーキング材等を用いることができる。
【0024】
仕上げ材5は、構造部材1が建物の壁部の構成材料である場合において、複合断熱板6が構造部材1の室外側に取り付けられた外断熱の場合には外装材であり、複合断熱板6が構造部材1の室内側に取り付けられた内断熱の場合には内装材である。また、構造部材1が建物の天井部の構成材料である場合には天井材である。
【0025】
仕上げ材5は、複合断熱板6の面材3へねじ込み又は打ち込まれた第二取り付けピン7bによって第二断熱板4の表面側に取り付けられている。第二取り付けピン7bは、少なくとも第一断熱板2を貫通しない長さで、好ましくは第一断熱板2への食い込み量が第一断熱板2の厚さの1/2以下となる長さである。
【0026】
第一及び第二取り付けピン7a,7bとしては、例えばビス、アンカーボルト、釘等が用いられる。第一及び第二取り付けピン7a,7bとしていずれを使用するかは、構造部材1の材質や面材3の材質に応じて選択される。
【0027】
第一断熱板2と第二断熱板4の厚さや密度は、複合断熱板6の構成材料の種類を少なくして製造及び管理を容易にするためには同一であることが好ましいが、異なるものとすることもできる。例えば、第一断熱板2を第二断熱板4より厚くすることで、第二取り付けピン7bの第一断熱板2への食い込み量に余裕を持たせることができる。逆に第一断熱板2を第二断熱板4より薄くすることで、構造部材1と面材3の間隔を狭め、第一取り付けピン7aによる複合断熱板6の取り付け状態を安定させやすくすることもできる。また、第一断熱板2を構成する合成樹脂発泡体の密度を第二断熱板4を構成する合成樹脂発泡体の密度より高くすることで、第一断熱板2の耐圧縮力を高めることでも、第一取り付けピン7aによる複合断熱板6の取り付け安定性を向上させやすくすることができる。
【0028】
面材3の透湿抵抗は、湿気を遮ることがないよう、第一断熱板2及び第二断熱板4の透湿抵抗と同等又はそれ未満であることが好ましい。特に複合断熱板6が建物の壁部を構成する構造部材1の外面側に取り付けられた外断熱においては、冬季に室内側から複合断熱板6に侵入した湿気が面材3に遮られて結露するのを防止するために、面材3の透湿抵抗が、少なくとも第一の断熱板4の透湿抵抗と同等又はそれ未満であることが好ましい。
【0029】
次に、本発明に係る断熱構造の施工方法の一例について説明する。
【0030】
本例では、図2に示されるように、第一断熱板2と面材3と第二断熱板4とが予め一体化された複合断熱板6を用いる。本例における複合断熱板6の取り付けは、複合断熱板6を、第一断熱板2側を建物の構造部材1側にして構造部材1へ宛い、第一取り付けピン7aを面材3上から構造部材1へねじ込み又は打ち込むことで行う。第一取り付けピン7aの面材3上から構造部材1へのねじ込み又は打ち込みは、例えば第一取り付けピンのねじ込み又は打ち込み箇所に対応して、予め第二断熱板4を貫通する差し込み孔9を形成しておき、この差し込み孔9に第一取り付けピン7aを差し込んで、差し込み孔9を介して行うことができる。また、差し込み孔9を形成しておくことなく、第二断熱板4上から、第一取り付けピン7aの頭部が面材3に当接する位置まで潜り込むまで押し込みながら行うこともできる。この押し込みにより、第二断熱板4には押し込み孔10が形成されることになる。なお、図2においては、差し込み孔9と押し込み孔10を併記してあるが、これは説明の便宜上のものであって、差し込み孔9の形成と押し込みとを併用しなければならないことを意味するものではない。
【0031】
次に、図3に示されるように、差し込み孔9又は押し込み孔10に穴埋め材8を充填し、断熱性の低下した箇所の発生を防止する。特に差し込み孔9の場合、第一取り付けピンの差し込みを容易にするため、第一差し込みピン7aの頭部径より大きな径の孔とした方が作業性がよい。この場合、断熱性に与える影響が大きくなりやすいので、穴埋め材8の充填を行うことが好ましい。また、押し込み孔10の場合、第一差し込みピン7aの頭部径が小さければ穴埋め材8の充填は省略することができる。但し、第一差し込みピン7aの頭部径が大きい場合には穴埋め材8の充填を行うことが好ましい。
【0032】
上記第一取り付けピン7aのねじ込み又は打ち込みと、必要に応じて行われる穴埋め材8の充填作業の完了後、図4に示されるように、仕上げ材5の取り付けを行う。この仕上げ材5の取り付けは、例えば複合断熱板6の第二断熱板4の表面側に仕上げ材5を宛い、仕上げ材5上から面材3へ代に取り付けピン7bをねじ込み又は打ち込むことで行うことができる。
【0033】
更に、本発明に係る断熱構造の施工方法の他の例について説明する。
【0034】
本例では、図5に示されるように、第一断熱板2と面材3だけが一体化されたプレ製品11を用いる。まず、プレ製品11の第一断熱板2側を建物の構造部材1側にして構造部材1へ宛い、第一取り付けピン7aを面材3上から構造部材1へねじ込み又は打ち込み、プ入れ製品11を構造部材1に取り付ける。
【0035】
次いで、図6に示されるように、プレ製品11の面材3の表面に第二断熱板4を一体化し、複合断熱板6を構成する。この第二断熱板4の一体化は接着により行うことができる。本例においては、現場での第二断熱板4の一体化によって複合断熱板6が構成され、その結果第一取り付けピン7aによって複合断熱板6が構造部材1に取り付けられた状態となる。また、本例の場合、第一取り付けピン7aのねじ込み又は打ち込み時に面材3が露出しているので、第二断熱板4(図6参照)に取り付け孔9や押し込み孔10がない状態で複合断熱板6を構成することができる。
【0036】
上記第二断熱板4の一体化の後、図4と同様にして仕上げ材5を取り付けることによって本発明に係る断熱構造を構築することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 構造部材
2 第一断熱板
3 面材
4 第二断熱板
5 仕上げ材
6 複合断熱板
7a 第一取り付けピン
7b 第二取り付けピン
8 穴埋め材
9 差し込み孔
10 押し込み孔
11 プレ製品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂発泡体製の断熱板が、建物の構造部材に、当該構造部材にねじ込み又は打ち込まれた取り付けピンで取り付けられ、更に該断熱板の表面側に仕上げ材が取り付けられた建物の断熱構造において、
前記断熱板が、合成樹脂発泡体製の第一断熱板と第二断熱板との間に面材を挟んで一体化した複合断熱板で、該複合断熱板が、前記第一断熱板側を前記構造部材側にして、前記面材上から前記構造部材にねじ込み又は打ち込まれた第一取り付けピンで取り付けられており、前記仕上げ材が、前記第二断熱板の表面側に、前記面材にねじ込み又は打ち込まれた第二取り付けピンで取り付けられていることを特徴とする建物の断熱構造。
【請求項2】
前記第一断熱板の密度が前記第二断熱板の密度より高いことを特徴とする請求項1に記載の建物の断熱構造。
【請求項3】
前記複合断熱板が、建物の壁部の構成材料である構造部材の外面側に取り付けられており、前記面材の透湿抵抗が、少なくとも前記第一の断熱板の透湿抵抗と同等又はそれ未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の断熱構造。
【請求項4】
合成樹脂発泡体製の断熱板が、建物の構造部材に、当該構造部材にねじ込み又は打ち込まれた取り付けピンで取り付けられ、更に該断熱板の表面側に仕上げ材が取り付けられた建物の断熱構造の施工方法において、
前記断熱板として、合成樹脂発泡体製の第一断熱板と第二断熱板との間に面材を挟んで予め一体化した複合断熱板を用い、該複合断熱板を、前記第一断熱板側を前記構造部材側にして、前記面材上から前記構造部材に第一取り付けピンをねじ込み又は打ち込んで取り付けた後、前記仕上げ材を、前記第二断熱板の表面側に、前記面材に第二取り付けピンをねじ込み又は打ち込んで取り付けることを特徴とする建物の断熱構造の施工方法。
【請求項5】
前記第一取り付けピンのねじ込み又は打ち込みを、前記第二断熱板に形成した差し込み孔を介して行うか、又は前記第二断熱板上から第一取り付けピンの頭部が面材に当接する位置まで潜り込むまで押し込みながら行い、前記差し込み孔、又は前記第一取り付けピンの頭部を前記面材の位置まで押し込む時に形成される押し込み孔に穴埋め材を充填した後に前記仕上げ材を取り付けることを特徴とする請求項4に記載の建物の断熱構造の施工方法。
【請求項6】
合成樹脂発泡体製の断熱板が、建物の構造部材に、当該構造部材にねじ込み又は打ち込まれた取り付けピンで取り付けられ、更に該断熱板の表面側に仕上げ材が取り付けられた建物の断熱構造の施工方法において、
前記断熱板として、合成樹脂発泡体製の第一断熱板と、面材とを予め一体化したプレ製品の前記面材の表面に合成樹脂発泡体製の第二断熱板を現場で一体化することで構成される複合断熱板を用い、前記プレ製品を、前記第一断熱板側を前記構造部材側にして、前記面材上から前記構造部材に第一取り付けピンをねじ込み又は打ち込んで取り付けた後、前記面材の表面に合成樹脂発泡体製の第二断熱板を一体化し、前記仕上げ材を、前記第二断熱板の表面側に、前記面材に第二取り付けピンをねじ込み又は打ち込んで取り付けることを特徴とする建物の断熱構造の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−72595(P2012−72595A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218110(P2010−218110)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000109196)ダウ化工株式会社 (69)
【Fターム(参考)】