説明

建物の環境性能シミュレーション計測方法及び建物の環境性能シミュレーション計測システム

【課題】住居等の建物の、実生活に近い状態での環境性能を容易にシミュレーション計測できる方法とその計測システムとを提供する。
【解決手段】シミュレーション計測用建物10内に、小型TV20、電気スタンド21、蛍光燈23、冷蔵庫24を設置し、更に、発熱体を備えた2体の人体模型26,26を配置し、かつ、上記建物10の室内と室外の所定の位置に、温度センサT、湿度センサDなどの環境計測手段31を配置して、これらの環境計測手段31で計測された各場所の温度や湿度などを時系列的に計測する一方、上記2つの人体模型26,26、小型TV20等を制御して上記人体模型26や小型TV20などを所定のサイクルで動作させ当該建物10内の廃熱量を算出するとともに、空調装置25のON−OFFを検知して上記空調装置25の稼動状態を監視して、当該建物10の環境性能をシミュレーション計測するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の環境性能をシミュレーション計測する方法に関するもので、特に、建物を実際に使用した場合の建物内の環境を、無人の状態にてシミュレーション計測する方法とその計測システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
建物を設計する際には、各部屋の大きさや間取り、あるいは、外気温や日射量などの住居環境を考慮して、換気や空調装置の設定位置、断熱材の使用量及びその配置などを設定するのが一般的である(例えば、非特許文献1参照)。
また、住宅などを販売する場合には、通常、室内に家具や電気器具などを配置したモデルルームを設けて、販売する建物の使いやすさなどを顧客に評価してもらっている。
【非特許文献1】田中 俊六、足立 哲夫、武田 仁、土屋 喬雄 著 「最新 建築環境工学(改訂2版)」 井上書院、2000年8月30日、p209−p214
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、建物の設計・評価においては、照明やTV、冷蔵庫などの電気器具や温水器などの設備の稼動による廃熱を考慮する必要があるが、実際には、これら電気器具や設備による廃熱については、単に、上記電気器具や設備の平均消費電力量により評価しているだけで、実際の稼動状態を考慮していないだけでなく、居住者による発熱の影響についても全く考慮されていないのが現状である。
実際の生活において室内環境を計測して室内の廃熱や空調装置の稼動がどのようになっているかを調べるためには、入居者に協力してもらって、ある程度の期間モニターすることが望ましいが、プライバシー等の問題もあり、現実的には困難であった。
【0004】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、住居等の建物の、実生活に近い状態での環境性能を容易にシミュレーション計測できる方法とその計測システムとを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の請求項1に記載の発明は、照明器具やTVなどの複数の電気製品が設置された建物の環境性能を、無人の状態でシミュレーション計測する方法であって、上記建物の室内に発熱体を備えた人体模型を配置するとともに、上記発熱体と上記電気製品とを予め設定した所定のサイクルで動作させて、上記建物内の廃熱量を計測するようにしたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建物の環境性能シミュレーション計測方法において、上記建物に空調装置を設置するとともに、上記空調装置を、上記室内温度を一定の温度に保持するように稼動させて、上記空調装置の稼動状態を計測するようにしたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の建物の環境性能シミュレーション計測方法において、予め設定された所定期間内における上記空調装置の稼動状態のデータから上記空調装置の稼動率を算出するようにしたものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の建物の環境性能シミュレーション計測方法において、上記建物の外部の温度を上記の所定期間だけ計測し、上記計測された外部温度の上記所定期間における平均値と上記空調装置の稼動率との関係から当該建物の環境性能を評価するようにしたものである。
【0006】
請求項5に記載の発明は、複数の電気製品とが設置された建物の環境性能を、無人の状態でシミュレーション計測するための建物の環境性能シミュレーション計測システムであって、上記建物の外部の温度を計測する手段と、上記建物の室内に配置された発熱体を備えた人体模型と、上記発熱体と上記電気製品とを予め設定した所定のサイクルで動作させる制御手段と、上記建物の室内温度に応じて稼動する空調装置と、上記建物内の廃熱量と上記空調設備の稼動状態とを計測する計測手段と、上記計測された廃熱量と空調設備の稼動状態の時系列データを記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、環境性能を計測する建物の室内に発熱体を備えた人体模型を配置するとともに、上記発熱体と上記電気設備とを予め設定した所定のサイクルで動作させて、上記建物内の廃熱量を計測するようにしたので、実生活に近い状態での室内の温熱環境を計測することができる。また、上記計測された人体発熱、各種電気製品及び設備機器の廃熱の和と室内外の温度差の計測値とを用いれば、当該建物の実質的な熱損失係数やエネルギー消費量を推定することができるので、無人の状態においても、住居等の建物の実生活に近い状態での環境性能を容易にシミュレーション計測することができる。
また、上記実質的な熱損失係数やエネルギー消費量を設計値と比較することにより、断熱材の使用量や配置などが的確であるかどうかなど、当該建物の評価を適正に行うことができる。
このとき、上記建物に空調装置を設置して、上記空調装置を、上記室内温度を一定の温度に保持するように稼動させ、上記空調装置の稼動状態を計測するとともに、上記建物の外部の温度を計測し、上記計測された外部温度と上記空調装置の稼動状態とを比較して当該建物の環境性能を評価するようにすれば、建物の環境性能を的確に評価することができる。
なお、実生活を模した上記所定のサイクルの設定は容易に変更できるので、実生活に近い様々な生活パターンが設定可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の最良の形態について、図面に基づき説明する。
図1は、本発明の最良の形態に係る環境性能シミュレーション計測用建物の一例を示す図である。このシミュレーション計測用建物10は、前室11とリビング12とを備えた学生の住居を想定したもので、リビング12は床13にニードルパンチカーペット14を敷き込み、東、西、及び南側の窓15a,15b,15cの外側の壁面にはそれぞれ手動式の日射遮蔽用のオーニング16a,16b,16cを取付けている。一方、壁17には電波時計18が設置されており、机19の上には消費電力59Wの小型TV20と100Wの電気スタンド21が置かれている。また、天井22の中央には60Wの蛍光灯23が取付けられており、リビング12の前室11側の隅には、消費電力79Wの小型の冷蔵庫24が設置されている。
25は上記リビング12に設置された空調装置で、この空調装置25は当該空調装置25に内蔵された温度センサの検知した温度と設定温度との差により稼動あるいは休止するように設定してあり、温度制御は夏場では27℃以上のときに冷房動作するように設定する。また、冬場では18℃以下になった場合に暖房動作するように設定する。
本例では、これらの電気器具や設備に加えて、発熱体を備えた2体の人体模型26,26を上記リビング12に配置している。これらの人体模型26には、図2(a),(b)に示すように、人体を模した枠体26aに上着26bとズボン26cとを着用させたもので、その頭部、胸部、腹部、大腿部、及び、膝部の内側には、それぞれ発熱体である複数の白熱電球27が装着されている。これらの白熱電球27の総消費電力は、通常では75Wであるが、食後1時間は上記総消費電力が95Wに増加するように設定してある。
図3(a)は、上記白熱電球27に通電したときの上記人体模型26のサーマル写真で、図3(b)に示した実際の人体のサーマル写真の温度分布とは温度の高い部位が異なるものの、実際の人体とほぼ同程度の発熱量があることが発明者らにより確認されている。
【0009】
また、シミュレーション計測用建物10の内部及び周辺には、後述する本発明のシミュレーション計測システムに用いられる温度センサや湿度センサなどの環境計測手段が配置されている。具体的には、図1に示すように、当該建物10直下の地中1mと0.6mの地点、地表面、及び、床13を構成する断熱材13hの10cm毎に温度センサTを配置するとともに、床下、床表面にも温度センサTを配置している。また、前室11とリビング12の天井22の表面、天井22の断熱材22h、屋根裏、東,西,南の躯体内、及び、躯体外側に温度センサTを配置するとともに、換気筒28の出口及び上部にも温度センサTを配置する。
更に、室内については、居間12の中心と窓際、及び、2体の人体模型26,26の近傍などに温度センサTを配置する。
また、湿度センサDは、床13、壁17、天井22、及び、居間12の中心などに配置し、日射量センサNと風力計Fとは屋根29に配置する。
【0010】
図4は、本発明による環境性能シミュレーション計測システム30の一例を示す図で、このシミュレーションシステム30は、温度センサT、湿度センサD、日射量センサN、及び、風力計Fなどの環境計測手段31と、これらの環境計測手段31で計測された各場所の温度や湿度、更には、日射量や風速のデータを時系列的記憶するデータ記憶手段32と、上記2つの人体模型26,26、小型TV20、電気スタンド21、蛍光灯23、及び、冷蔵庫24のそれぞれに設けられたリレー装置33a〜33eを制御して上記人体模型26や小型TV20などを予め設定した所定のサイクルで動作させる制御手段34と、図示しない電力計を備え、上記人体模型26や小型TV20などの消費電力を検出して、当該建物10内の廃熱量を算出する廃熱量算出手段35と、上記空調装置25のON−OFFを検知して上記空調装置25の稼動状態を監視するとともに、上記空調装置25の稼動率を算出する空調装置監視手段36と、上記環境計測手段31から出力され温度、湿度等のデータをモニターするための環境モニター手段37とを備えている。
なお、本例では、上記空調装置25のON−OFF状態についても、上記データ記憶手段32に記憶して、環境モニター手段37にてモニターできるようにしている。
また、射遮蔽用のオーニング16a,16b,16cが電動式の場合の上記オーニング16a,16b,16cの開閉、及び、電波時計18を動かすのに使用する電力は微細であるので、消費電力の検出は行っていないが、本システムに組込むことは可能である。
【0011】
上記シミュレーション計測用建物10の環境性能をシミュレーション計測する際には、制御手段34により、2つの人体模型26,26、小型TV20、電気スタンド21、蛍光灯23、及び、冷蔵庫24を、図5に示すようなサイクルでそれぞれ動作させる。なお、本例では、空調装置25は内蔵温度センサにより自動制御されるが、上記制御手段34によりプログラム制御することも可能である。
人体模型26の白熱電球27は常に点灯しており、通常ではその総消費電力は75Wで、食後1時間は上記総消費電力が95Wに増加するようにしている。また、小型TV20及び電気スタンド21は断続的にON−OFFさせるが、蛍光灯23は起床時から就寝時まで継続して点灯させ、冷蔵庫24については連続運転とする。
上記環境計測手段31で計測された各場所の温度、湿度、日射量、風速のデータは、所定の時間毎(例えば、1分毎)にデータ記憶手段32に送られるとともに、上記データ記憶手段32には、廃熱量算出手段35の電力計で検出された2つの人体模型26,26、小型TV20、電気スタンド21、蛍光灯23、及び、冷蔵庫24の消費電力量と、空調装置監視手段36で検出された上記空調装置25の稼動状態の時系列データが送られてくる。データ記憶手段32では、これらのデータを記憶するとともに、環境モニター手段37からの要請に応じて、上記温度、湿度、日射量、風速のデータ、及び、消費電力量と空調装置25の稼動状態の時系列データとを環境モニター手段37に転送する。なお、上記データ記憶手段32に送られるデータは膨大となるので、1時間毎の1時間データファイルにまとめ、これが24時間分蓄積された場合には、これを1日分データファイルとして纏めて、別途設けた外部記憶装置に保存することが望ましい。
これらのデータは、住居者の存在を考慮しただけでなく、小型TV20、電気スタンド21などの電気器具を実際に所定のパターンで作動させたときのデータであるので、本発明によるシミュレーション計測用建物10の、実生活に近い状態での室内の温熱環境を計測することができる。
【0012】
ところで、部屋(または、建物)の断熱性の評価は、一般に、熱損失係数Qで表わされ、このQが小さいほど断熱性がよいとされている。上記熱損失係数Qは、建築部材とその配置等により決まる、部屋の内外の温度差1℃当たりの部屋の熱損失量(または、熱取得量)KSと換気に伴う熱損失(または、熱取得)との和を延床面積S0で除したもので、あくまで計算上の断熱性能値であり、その他に、人体発熱、電気製品、設備機器の廃熱量THとの和を考慮することにより、室内における単位体積当たりの実質的な熱損失係数が表わせる。上記廃熱量THとして、従来は、電気製品や設備機器の仕様から求めた計算値を用いているが、本発明では、本発明によるシミュレーション計測システム30により計測した廃熱量(TH)mを用いている。したがって、この実測した廃熱量(TH)mと、室内及び躯体外側に配置された温度センサTでそれぞれ計測した上記シミュレーション計測用建物10内外の温度差の計測値とを用いれば、無人の状態においても、当該建物10の実質的な廃熱量(TH)mを含んだ実質的な熱損失係数Qmを求めることができるので、住居等の建物の実生活に近い状態での環境性能を容易にシミュレーションすることができる。すなわち、建物の実質的なエネルギー消費量である廃熱量(TH)mを計測し、この廃熱量(TH)mの計測値と上記熱損失量あるいは熱取得量KSと換気に伴う熱損失(または、熱取得)量との和を延床面積S0で除してやれば、実質的な熱損失係数Qmを求めることができる。
したがって、本シミュレーションシステム30で計測した廃熱量(TH)mを考慮して算出した実質的な熱損失係数Qmと設計値の廃熱量THを用いて算出した熱損失係数Qとを比較することにより、断熱材の使用量や配置など的確であるかどうかなど、当該建物の評価を適正に行うことができる。更に、消費電力量と空調装置25の稼動状態のデータも得ることができるので、例えば、予め設定された所定期間内における空調装置25の稼動率を算出すれば、所定の生活パターンにおける空調装置25の稼動率をシミュレーションできるので、当該シミュレーション計測用建物10に必要な空調装置の容量や設置個所の適否などについても的確に評価することができる。
また、断熱材の量や配置などが異なるシミュレーション計測用建物10を何種類か準備して、上記建物10の外部に設置された温度センサTで計測した上記建物10の外部の温度の所定期間における平均値と、上記空調装置25の稼動率とを比較すれば、上記建物10の断熱性能についての詳細な情報を得ることができるので、建物の環境性能の評価精度を著しく向上させることができる。
【0013】
このように、本最良の形態によれば、前室11とリビング12とを有し、上記リビング12内に、小型TV20、電気スタンド21、蛍光灯23、冷蔵庫24を設置し、更に、、発熱体を備えた2体の人体模型26,26を配置したシミュレーション計測用建物10を準備し、この建物10の室内と室外の所定の位置に、温度センサT、湿度センサD、日射量センサN、及び、風力計Fなどの環境計測手段31を配置し、環境計測手段31で計測された各場所の温度や湿度、日射量や風速などを計測して時系列的に記憶する一方、上記2つの人体模型26,26、小型TV20、電気スタンド21、蛍光灯23、及び、冷蔵庫24のリレー装置33a〜33eを制御して上記人体模型26や小型TV20などを予め設定した所定のサイクルで動作させて、その消費電力を検出して当該建物10内の廃熱量(TH)mを算出するとともに、リビング12内に設置された空調装置25のON−OFFを検知して上記空調装置25の稼動状態を監視して、当該建物10の環境性能をシミュレーションするようにしたので、シミュレーション計測用建物10の、実生活に近い状態での環境性能を、無人の状態にて、容易にシミュレーション計測することができる。
【0014】
なお、上記最良の形態では、シミュレーション計測用建物10を、前室11とリビング12とを備えた学生の住居を想定したものとしたが、これに限るものではなく、図6に示すように、一戸建て住宅などの複数の部屋を備えた住居であっても、同様のシミュレーション計測を行うことが可能である。この場合には、人体模型26の数を増やすとともに、シミュレーション計測用建物10Mに、洗面所38や風呂場39、あるいは、台所40などを設置するとともに、洗濯機41、温水器42、電子レンジ43などの電気器具や設備を付加して、これらの電気器具や設備についても廃熱量を算出するようにすれば、より現実に近い建物の環境性能シミュレーション計測を実施することができる。
また、上記例では、人体模型26を常時室内に配置したが、上記のシミュレーション計測用建物10Mのように、2階があったり、部屋数が多い場合には、時間帯により、人体模型26の配置が変わるようなパターンを設定したり、更には、通勤や通学あるいは外出等のパターンを設定して、各室内に配置する人体模型26の数や配置を時間毎に変化させるようにしてもよい。
上記のように、人体模型26や電気器具や設備などの制御対象が多くなった場合には、配線や制御が複雑になるので、図6及び図7(a),(b)に示すように、人体模型26、小型TV20、電気スタンド21、蛍光灯23などの電気器具、温水器42などの設備のそれぞれに、ON−OFF時間を制御するマイコンチップから成るシーケンサSを取付けるとともに、それぞれを配置された部屋のコンセント44に接続して人体模型26等を別個に制御することが望ましい。なお、この場合には、廃熱量は、シーケンサに組込まれた時間制御プログラムと当該機器の消費電力とを用いて算出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
このように、本発明によれば、住居等の建物の、実生活に近い状態での環境性能を容易にシミュレーション計測することができる。すなわち、これまでのモデルハウスなどでのエネルギー消費量、設計値の熱損失係数Qは、設計値に基づくものであって、ひとつの目安に過ぎなかったが、本発明の環境性能シミュレーション計測システムで計測した廃熱量(TH)mやこの廃熱量(TH)mを考慮して算出した実質的な熱損失係数Qmは現実に近いものである。したがって、上記熱損失係数Qmと設計値の熱損失係数Qとを比較すれば、断熱材の配置、施工などが適正に行なわれているかどうかがわかるとともに、実質的なエネルギー消費量についても表示できるので、これを住宅の設計や改築などに利用すれば、適切な住宅の設計を行うことができる。また、これをモデルルームなどに適用すれば、有効な情報を顧客に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の最良の形態に係る環境性能シミュレーション用建物の一例を示す図である。
【図2】本最良の形態に係る人体模型の概要を示す図である。
【図3】本発明による人体模型と実際の人体のサーマル写真である。
【図4】本発明による環境性能シミュレーションシステムの構成を示す図である。
【図5】人体模型と電気器具の稼動パターンを示す図である。
【図6】本発明による環境性能シミュレーション用建物の他の例を示す図である。
【図7】人体模型、電気機器の制御方法の他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0017】
10,10M 環境性能シミュレーション計測用建物、11 前室、12 リビング、
13 床、14 カーペット、15a,15b,15c 窓、
16a,16b,16c オーニング、17 壁、18 電波時計、19 机、
20 小型TV、21 電気スタンド、22 天井、23 蛍光灯、24 冷蔵庫、
25 空調装置、26 人体模型、26a 枠体、26b 上着、26c ズボン、
27 白熱電球、28 換気筒、29 屋根、
30 環境性能シミュレーション計測システム、31 環境計測手段、
32 データ記憶手段、33a〜33e リレー装置、34 制御手段、
35 廃熱量算出手段、36 空調装置監視手段、37 環境モニター手段、
38 洗面所、39 風呂場、40 台所、41 洗濯機、42 温水器、
43 電子レンジ、44 コンセント、T 温度センサ、D 湿度センサ、
N 日射量センサ、F 風力計、S シーケンサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電気製品が設置された建物の環境性能を、無人の状態でシミュレーション計測する方法であって、上記建物の室内に発熱体を備えた人体模型を配置するとともに、上記発熱体と上記電気製品とを予め設定した所定のサイクルで動作させて、上記建物内の廃熱量を計測するようにしたことを特徴とする建物の環境性能シミュレーション計測方法。
【請求項2】
上記建物に空調装置を設置するとともに、上記空調装置を、上記室内温度を一定の温度に保持するように稼動させて、上記空調装置の稼動状態を計測するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の建物の環境性能シミュレーション計測方法。
【請求項3】
予め設定された所定期間内における上記空調装置の稼動状態のデータから上記空調装置の稼動率を算出するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の建物の環境性能シミュレーション計測方法。
【請求項4】
上記建物の外部の温度を上記の所定期間だけ計測し、上記計測された外部温度の上記所定期間における平均値と上記空調装置の稼動率との関係から当該建物の環境性能を評価するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の建物の環境性能シミュレーション計測方法。
【請求項5】
複数の電気製品が設置された建物の環境性能を、無人の状態でシミュレーション計測するための建物の環境性能シミュレーション計測システムであって、上記建物の外部の温度を計測する手段と、上記建物の室内に配置された発熱体を備えた人体模型と、上記発熱体と上記電気製品とを予め設定した所定のサイクルで動作させる制御手段と、上記建物の室内温度に応じて稼動する空調装置と、上記建物内の廃熱量と上記空調設備の稼動状態とを計測する計測手段と、上記計測された廃熱量と空調設備の稼動状態の時系列データを記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする建物の環境性能シミュレーション計測システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−333557(P2007−333557A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−165581(P2006−165581)
【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(595122615)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
【出願人】(591220780)有限会社泰成電機工業 (19)
【Fターム(参考)】