説明

建物用パネルの表面形成に関する方法及び構成

【課題】機械的接合システムを持つ半浮き張りフロアボード/建物用パネルを提供する。
【解決手段】コアには湾曲した縁部分が設けられており、そのため、コアの上の表面層はパネル表面の下に配置される。フロアボードの縁部に面取り部が設けられている場合、接合システムは、二枚のフロアボードを接合し、互いに向かって押すとき、表面層31及び第2接合縁4bの接合縁部分19のコア30の一部が、他方のフロアボードの第1接合縁4aの水平平面と実質的に平行な表面層31と重なる。更に、表面構造に複数のコア溝20、20’を機械加工で形成し、コア30の上側の表面層31にこれを少なくとも部分的に覆うフロアエレメントを適用することによって、フロアボード/建物用パネルを製造する。圧力を加え、表面層31をコア溝20、20’の周囲に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、パネル、特にフロアボードの製造方法、並びにこうした方法に従って製造されたフロアボードに関する。詳細には、本発明の実施例は、機械的接合システム、コア、及び湾曲した縁部分がパネル表面の下に配置された表面層を持つフロアボードに関する。本発明の実施例は、このような縁部分を持つフロアボード及びこのようなフロアボードの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の実施例は、木材ベニヤ、積層体、ホイル、塗装層、又は木材繊維、結合剤、及び耐磨耗粒子の混合物を含む層、等を含む表面層を持つフロアで使用するのに特に適している。従って、周知の技術、周知のシステムの問題点、並びに本発明の目的及び特徴の以下の説明は、非限定的例として、主にこの適用分野に関する。しかしながら、本発明は、例えば様々なパターンで接合システムによって接合されるようになった、上面層を持つフロアパネルや壁パネル等のどのような建物用パネルにも使用できるということを強調しておかなければならない。
【0003】
下文において、設置されたフロアパネルの見える方の表面を「前側」と呼ぶのに対し、下張り床に面するフロアパネルの反対側を「後側」と呼ぶ。「水平平面」は、前側と平行な平面に関する。互いに接合された二つのフロアパネルの二つの隣接した接合縁の直接的に隣接した上部分が、水平平面に対して垂直な「垂直平面」を形成する。前側と後側との間のフロアパネルの縁部にあるフロアパネルの外部分を「接合縁」と呼ぶ。その結果、接合縁は幾つかの「接合面」を有する。これらの接合面は、垂直であってもよいし、水平であってもよいし、角度をなしていてもよいし、丸みが付けてあってもよいし、面取りが施してあってもよい。これらの接合面は、例えば積層体、ファイバボード、木材、プラスチック、金属(特にアルミニウム)、又はシーリング材料等の様々な材料で形成されていてもよい。
【0004】
「接合システム」は、フロアパネルを垂直方向及び/又は水平方向で相互連結する、協働して連結するシステムを意味する。「機械的接合システム」は、接着剤なしで係止を行うことができるということを意味する。しかしながら、機械的接合システムは、多くの場合、接着剤によって接合されてもよい。
【0005】
「係止溝側」は、水平方向係止手段の部分が、開口部が後側に面する係止溝を有するフロアパネルの側部を意味する。「係止エレメント側」は、水平方向係止手段の部分が、係止溝と協働する係止エレメントを有する、フロアパネルの側部を意味する。
【0006】
「装飾表面層」は、主にフロアに装飾的外観を与えるようになった表面層を意味する。「耐磨耗性表面層」は、主に前側の耐久性を改善するようになった高アブレーシブ表面層に関する。「装飾的耐磨耗性表面層」は、フロアに装飾的外観を与えるとともに前側の耐久性を改善するようになった層である。表面層は、コアに適用される。
【0007】
「WFF」は、木材繊維、結合剤、及び耐磨耗性粒子等の粉体混合物を意味する。これは圧力下で圧縮され、様々な種類の視覚的効果を持つコンパクトな表面層を形成する。粉体は散在していてもよい。
【0008】
本発明の背景、周知の技術、及びその問題点
本発明の理解及び説明を容易にするとともに本発明の背後にある問題点を知らしめるため、フロアボードの基本的構造及び機能の両方を、添付図面のうちの図1を参照して以下に説明する。
【0009】
図1a乃至図1dは、周知の技術による積層フロアの製造方法を示す。図1a及び図1bの大きな積層ボードの形態のフロアエレメント3を鋸にて切断し、図1cに示す幾つかの個々のフロアパネル2にする。次いで、これらのフロアパネルに機械加工を施し、図1dに示すフロアボード1、1’にする。これらのフロアパネルの縁部に沿って機械加工を行い、縁部に機械的接合システムを持つフロアボードを形成する。縁部の機械加工は、最新式のフライス盤で行われる。フロアパネルは、フロアパネルを高速でしかも高精度で移動できるように一つ又はそれ以上のチェーンやベルト等の間に正確に位置決めされる。フロアパネルは、ダイヤモンド切削工具又は金属製切削工具が設けられた、フロアパネルの縁部を機械加工して接合システムを形成する多くのフライスモータを通過する。
【0010】
図1dにおいて、機械的接合システムを持つフロアボード1、1’は、タング10(フロアボード1’のタング側)及びタング溝9(フロアボード1の溝側)の作用係止面を有する。積層フローリング及び木材ベニアフローリングは、通常は、6mm乃至12mmのファイバボードを含む本体30、0.1mm乃至0.8mm厚の上面層31、及び0.1mm乃至0.6mm厚の下バランシング層32を含む。上面層31は、フロアボードに外観及び耐久性を提供する。本体は安定性を提供し、バランシング層は、一年を通して相対湿度(RH)が変化する場合にボードを平らな状態に保持する。RHは、15%乃至90%の範囲で変化する。
【0011】
木材表面を持つ従来のフロアボードは、従来、接着剤を用いた目違い継ぎによって接合される。縁部には、多くの場合、厳しい許容差をなくすため、面取り部が設けられている。
【0012】
更に、このような従来のフロアでは、近年、接着剤を使用する必要がないが、その代わり、いわゆる機械的接合システムによって機械的に接合されるフロアボードが開発されてきた。これらのシステムは、ボードを水平方向及び垂直方向で係止する係止手段を含む。機械的接合システムは、ボード1、1’のコア30を機械加工することによって形成できる。別の態様では、接合システムの部品を別の材料で形成し、これをフロアボードと一体化してもよい。このフロアボードは、傾け、スナップ嵌め、接合縁に沿った挿入の様々な組み合わせによって、及び一般的には工場で短縁部の溝に挿入した別体の変位可能なタングを含む接合システムを使用するフォルドダウン(fold down) 法によって、接合され、即ち相互連結され、即ち浮張り態様で互いに係止される。
【0013】
このようなフロアは、厳しい許容差で形成できる。従って、面取りは、主として装飾性を得るために使用される。薄い表面層を持つ積層フロアパネルを、面取りを施した縁部を備えて形成できる。その場合、無垢板のように見える。
【0014】
例えば釘や接着剤で下張り床に連結されていない浮張りフローリングの利点は、相対湿度(RH)の様々な程度による形状の変化が幅木の下に隠され、フロアボードの膨張や収縮に関わらず、目に見える遊間(joint gap) を生じることなく、フロアボードを接合できるということである。特に機械的接合システムを使用することによって、設置を手早く且つ容易に行うことができる。欠点は、フロアが、ファイバボードコアを持つ積層フロア等の寸法が比較的安定したフロアボードで形成された場合、又は繊維の方向が異なる幾つかの層を含む木製フロアの場合でも、連続したフロア面が、一般的には、制限されなければならないということである。これは、こうしたフロアが、概して、RHの変化に従って収縮し、膨張するためであるという理由による。
【0015】
大きなフロア表面に対する解決策は、拡張ストリップ(expansion strip) によって大きな表面を比較的小さな表面に分割することである。このような分割がなされない場合には、収縮時にフロアの形状が幅木によって覆いきれない程変化してしまう危険がある。更に、大きな連続した表面が移動すると、大きな負荷が伝達されるため、接合システムに作用する負荷が大きくなる。負荷は、異なる部屋の間の通路で特に大きくなる。拡張ストリップの例は、全体がアルミニウム又はプラスチックで形成された形材である継ぎ目プロファイルであり、二つの別々のフロアユニット間でフロア表面に固定される。ここにはゴミが集まり、望ましからぬ外観を呈し、比較的高価である。このようにフロアの最大表面に制限があるため、ホテルや空港、及び大型ショッピングモール等の商業的用途での積層フローリングの市場占有率は小さい。木製フロア等のもっと不安定なフロアは、更に大きな形状変化を示す。均質な木製フロアの形状の変化に悪影響を及ぼす要因は、とりわけ、繊維の方向及び木材の種類である。均質なオーク製フロアは、線維の方向に沿って、即ちフロアボードの長さ方向で非常に安定している。
【0016】
下張り床に接着/釘付けすることの利点は、拡張継ぎ目プロファイルなしで、大きな連続したフロア表面を提供できるということであり、フロアは大きな負荷を受け止めることができる。しかしながら、下張り床への取り付けを必要とするこの設置方法は、多くの大きな欠点がある。主な欠点は、設置に費用がかかり、フロアボードの収縮時にボード間に目に見える隙間が生じるということである。
【0017】
引用文献によれば、浮き張りフロアを改善し、上述の欠点がない浮き張りフロアを提供する必要がある。詳細には、a)拡張継ぎ目プロファイルなしで大きな連続した表面を提供し、b)遊間が見えず、c)比較的高価な木製フロアボードと同様の視覚的効果の面取り部を持つ、浮き張りフロアを提供する必要がある。更に、浮き張りフロアを製造するための方法を改善し、上述の欠点をなくす必要がある。詳細には、複雑さが比較的小さく、これにより製造速度を高め、費用を低減する製造方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の例示の実施例の一例の第1の目的は、相対湿度の変化時に生じる大きな寸法変化にも関わらず、フロアボードを半浮き張りフロア(semi-floating floors)として大きな連続した表面で設置できるように、接合システムを改良できるようにすることである。
【0019】
本発明の例示の実施例の第2の目的は、フロアボード間の大きな移動を許容するが、遊間に水分が入り込まないようにし、又は少なくとも遊間に水分が入り込み難くし、ゴミが集まる大きくて深い遊間がなく、及び/又は遊間が開放状態にないようにする、接合システムを提供することである
本発明の例示の実施例の第3の目的は、縁部に面取り部を持つ強固なフロアボード間のかなりの移動を許容する接合システムを提供することである。
【0020】
本発明の例示の実施例の第4の目的は、半浮き張りフロアであってもよい、面取り部を持つ木材ベニアフロアボードの改良された製造方法を提供することである。
【0021】
本発明の例示の実施例の第5の目的は、複雑さが小さく、そのために複雑な機械を必要とせず、機械加工が低い費用で行われ、製造を高速で行うことができる製造方法で、フロアボードに面取り部を形成できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
第1の態様によれば、本発明の実施例は、上装飾表面層が設けられたフロアボードを含む。フロアボードは、二つの隣接したフロアボードの隣接した接合縁を互いに係止するための機械的接合システムを二つの向き合った縁部に備えている。第1接合縁の装飾表面層及び第2接合縁の装飾表面層は、機械的接合システムの重なり部分のところで互いに重なる。重なり部分は、好ましくは、装飾表面層の水平主表面の下に配置され、第1接合縁の第1接合面は第2接合縁の第2接合面に面し、第1及び第2の接合面は本質的に平行であり且つ本質的に水平である。
【0023】
第1の態様によれば、本発明の例示の好ましい実施例は、第1及び第2の接合面が接触している実施例である。別の好ましい例示の実施例は、第1及び第2の接合面が、水平平面に対して約0°乃至10°の平面内を延びる実施例である。
【0024】
第2の態様によれば、本発明の実施例は、フロアパネルを製造するための方法において、
フロアエレメントの上水平面に複数のコア溝を機械加工する工程と、
フロアエレメントのコアに上面層を設ける工程と、
上面層が、フロアエレメントの表面及び少なくとも一つのコア溝の表面の少なくとも一部と形状が一致するように、上面層の少なくとも部分に圧力を加える工程と、
フロアパネルが、フロアパネルの縁部にコア溝の少なくとも一部を含むように、フロアエレメントをフロアエレメントのコア溝の少なくとも一つに従って切断し、少なくとも二つのフロアパネルにする工程とを含む、方法が提供される。
【0025】
第2の態様によれば、本発明の例示の好ましい実施例は、フロアパネルの縁部に機械的接合システムを形成する工程を含む。
【0026】
本発明の幾つかの例示の実施例の利点は、機械的接合システムの特殊設計により、半浮き張り設置を可能にし、温度や湿度の変化によるフロアボードの収縮又は膨張に関わらず、フロアパネル間に目に見える開口部がないということである。
【0027】
本発明の幾つかの例示の実施例の利点は、機械的接合システムの特殊設計により、半浮き張り設置を可能にし、これにより、水分が侵入する可能性なしで、又は重なった表面の下又は上のいずれかに配置された蒸気障壁を用いて、接合システムを水分からシールできるということである。
【0028】
本発明の幾つかの例示の実施例の利点は、目に見える接合開口部が、上面層と同じ種類の木材及び繊維方向を持ち、外観が均質な木製フロアの外観と同じになるということである。
【0029】
本発明の幾つかの例示の実施例の利点は、係止した接合縁の向き合った上面が水平であることによって、重なった接合縁に支持が提供されるということである。
【0030】
本発明の幾つかの例示の実施例の更に別の利点は、あまり複雑でない製造方法によって、複雑な機械を必要とせずに、フロアボードに面取り部を形成する機械加工を低価格で、高い製造速度で行うことができるということである。
【0031】
本発明の幾つかの例示の実施例の別の利点は、面取り部を備えた木材ベニアフロアボードを、低い製造費で、それでも、木製の比較的高価なフロアボード、即ち厚い無垢板製の上面層を持つフロアボードと同様の外観を持つように製造できるということである。
【0032】
本発明の幾つかの例示の実施例の別の利点は、木材繊維混合物でできた表面を持ち、面取り部が設けられたフロアボードを低い製造費で製造できるということである。
【0033】
本発明の幾つかの例示の実施例の更に別の利点は、面取り部が設けられたフロアボードを高い製造速度で製造するにも関わらず、許容差が小さいということである。
【0034】
溝が表面に形成された又は場合によっては局所的キャビティがコアに形成されたフロアエレメントを製造するための上述の方法は、フロアボードの二つの縁部間の表面に装飾的な窪みを形成するのにも使用できる。これにより、例えばグラウトライン(grout line)、手彫りを施した木材、粗い石、及びスレート状構造と同様の深い構造を持つ薄い表面を、費用に比べて多くの利益を生むように形成できる。こうした構造は、例えば表面に局所的窪みを形成するために表面層及び/又はコアを圧縮する周知の製造方法では形成が困難であった。
【0035】
本発明のこの他の目的、利点、及び新規な特徴は、本発明の以下の詳細な説明を添付図面及び特許請求の範囲と関連して読むことにより、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1a乃至図1dは、従来技術で周知のフロアボード製造方法の工程を示す図である。
【図2】図2a及び図2bは、半浮き張り設置を可能にする本発明による機械的接合システムの特殊設計の二つの例示の第1実施例を示す図である。
【図3】図3a乃至図3dは、半浮き張り設置を可能にする本発明による機械的接合システムの特殊設計の二つの寸法が異なる例示の第2実施例を二つの異なる位置で示す図である。
【図4】図4は、半浮き張り設置を可能にする機械的接合システムの特殊設計を示す図である。
【図5】図5a及び図5bは、半浮き張り設置を可能にする本発明による機械的接合システムの特殊設計の例示の第3実施例を二つの異なる位置で示す図である。
【図6】図6は、半浮き張り設置を可能にする本発明による機械的接合システムの特殊設計の例示の第4実施例を示す図である。
【図7】図7a乃至図7cは、本発明による例示の実施例の拡大図である。
【図8】図8は、半浮き張り設置を可能にする本発明による機械的接合システムの特殊設計の様々な製造工程の例示の実施例を示す図である。
【図9】図9は、半浮き張り設置を可能にする本発明による機械的接合システムの特殊設計の様々な製造工程の例示の実施例を示す図である。
【図10】図10は、半浮き張り設置を可能にする本発明による機械的接合システムの特殊設計の様々な製造工程の例示の実施例を示す図である。
【図11】図11は、半浮き張り設置を可能にする本発明による機械的接合システムの特殊設計の様々な製造工程の例示の実施例を示す図である。
【図12】図12は、半浮き張り設置を可能にする本発明による機械的接合システムの特殊設計の様々な製造工程の例示の実施例を示す図である。
【図13】図13は、半浮き張り設置を可能にする本発明による機械的接合システムの特殊設計の様々な製造工程の例示の実施例を示す図である。
【図14】図14は、半浮き張り設置を可能にする本発明による機械的接合システムの特殊設計の様々な製造工程の例示の実施例を示す図である。
【図15】図15は、半浮き張り設置を可能にする本発明による機械的接合システムの特殊設計の様々な製造工程の例示の実施例を示す図である。
【図16】図16a乃至図16fは、本発明による図8乃至図15の製造工程の例示の実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図2乃至図16及び以下の詳細な説明を使用し、本発明の特定の原理を説明し、本発明で使用できる実施例の例を示す。例示の実施例は単なる例である。垂直方向フォールディング(vertical folding)及び/又は垂直方向係止を行うことができるフロアボードの全ての種類の機械的係止システムを使用でき、この説明の適用可能部分が本発明の一部を形成するということを強調しておかなければならない。
【0038】
本発明の機械的接合システムは、半浮き張り設置を可能にする特殊設計を有し、このような建物用パネルを製造するための方法は、以下に列挙するフロアボードやパネル等で使用するのに特に適しているが、これらに限定されない。即ち、
上面層が、木材ベニア、積層体、塗装層、又は木材繊維混合物、結合剤、及び耐磨耗性粒子等を含む固体層を含む、フロアボード。
【0039】
面取り部がフロアボードのタングまで延びることによる利点を備えた、面取り部が上面層と同じ材料でできたフロアボード。
【0040】
半浮き張り特徴を提供する、所定の遊隙と組み合わせた面取り部を備えた、プロファイルの動きが隙間の視覚的印象に悪影響を及ぼさないフロアボード。
【0041】
ウェットルームの壁パネル。この場合、隙間があってはならない。
【0042】
本発明は、低価格であり、面取り部が上面層と同じ材料でできた接合システムを持つどのような建物用パネルにも適している。
【0043】
図2a及び図2bは、半浮き張り設置を可能にする、接合部の隙間が見えず、高級な木材を使用しない、フロアボード1、1’を機械的に接合するための本発明による機械的接合システムの特殊設計の第1の実施例を示す。フロアボードは、コア30の上側に設けられた表面層31を含む。接合されたフロアボードは、水平主フロア面と平行な、表面層の外部分を含む水平平面(HP)と、水平平面に対して垂直な垂直平面(VP)とを有する。接合システムは、垂直平面と平行に垂直方向で接合するための、及び第1及び第2の接合縁4a、4bの水平平面と平行に水平方向で接合するための、機械的に協働する係止手段を有する。垂直係止手段は、タング溝9と協働するタング10を含む。水平係止手段は、係止溝14と協働する係止エレメント8を備えたストリップ6を含む。フロアボード1、1’は、第1及び第2の接合縁4a、4bの領域TTに第1接合縁部分18及び第2接合縁部分19を有する。これらの接合縁部分は、タング溝9の上部分と水平平面HPとの間の領域によって形成される。
【0044】
図2a及び図2bに示す縁部分は、図2aでは尖っており、図2bでは丸みが付けてある。これらの縁部分は、表面層31を通って延びる第1上水平平面H1、パネルコア30の一部を通って延びる第2中間水平平面H2、及び表面層31の一部を通って延びる下水平平面H3を有する。
【0045】
図2aは、主フロア面HPと平行な上第1水平平面H1内の表面層H1a、主フロア面HPの下に配置された下第3水平平面H3内の表面層H3a、及び第1及び第3の水平平面H1、H3間の第2水平平面H2内のコアH2aの一部を示す。フロアボード1、1’が接合され、互いに向かって押されたとき、第2接合縁4bの上接合縁部分19の表面層H1a及びコアH2aが、第1接合縁4aの表面層H3aと重なる。表面層H1a及びH3aの厚さは実質的に同じである。コアH2aは、好ましくは、表面層H1a及びH3aよりも厚い。
【0046】
係止溝14及び係止エレメント8には、図2aに示すように、小さな遊隙即ち空間が形成されていてもよく、これにより、フロアボードを水平方向に移動でき、膨張及び収縮が部分的に又は完全に吸収され、及び半浮き張りフロアが得られる。第1接合縁4a及び第2接合縁4bの装飾表面層は、機械的接合システムの重なり部分31aのところで互いに重なり、目に見える隙間を生じることなく、このような移動を行うことができる。重なり部分31aは、装飾表面層31の水平主表面HPの下に配置されている。重なり部分31aのところで、第1接合縁4aの第1接合面4cが第2接合縁4bの第2接合面4dに面する。第1及び第2の接合面は、本質的に平行であり且つ本質的に垂直である。第1及び第2の接合面4c、4dは接触しており、第1及び第2の接合面は、水平平面に対して約0°乃至10°をなす平面内を延びており、正確に嵌着するように形成でき、これにより水分が接合部に入り込まないようにする。
【0047】
図2bの接合システムは、接合部を、きつく、即ち垂直方向及び/又は水平方向に予備張力が加わった状態で嵌まるように形成でき、耐湿性を改善するためにこれを使用できるということを示す。表面層31aは、製造許容差をなくすため、機械加工により僅かに調節できる。これは、タング10の上側の表面層31aを、フロアボード1’の主部を覆う表面層31よりも薄くできるということを意味する。
【0048】
部分TTは、上接合縁部分及び下接合縁部分に分けられてもよいし、これらの部分に分けられていなくてもよい。ここで、第1接合縁4aは、接合縁部分18を有し、第2接合縁4bは、対応する領域に接合縁部分19を有する。フロアボード1、1’を互いに押し付けると、接合縁部分18の表面層31が第2接合縁4bの水平平面HPの下に配置される。更に正確には、水平平面HPが主フロア面と同じ高さにある場合、形成された面取り部が水平平面HPの下に配置される。接合システムでは、フロアボード1、1’を接合し、互いに押すと、第2接合縁4bの接合縁部分19の表面層31の一部及びコア30の一部が、第1接合縁4aの表面層31の一部と重なる。第1接合縁4aの下水平平面H3内の水平な表面層H3aの一部が、接合縁部分19の第2接合縁4bの表面層H1a及びコアH2aの部分と重なることによる利点は、二つのフロアパネル間の移動中に支持が得られ、目に見える隙間が生じないということである。
【0049】
第1接合縁4aの表面層31及び第2接合縁4bの表面層31は、機械的接合システムの重なり部分31aのところで互いに重なり、前記重なり部分31aは装飾表面層31の水平平面HPの下に配置される。第1接合縁4aの第1接合面4cは、第2接合縁4bの第2接合面4dに面し、第1及び第2の接合面は本質的に平行であり且つ本質的に水平である。次いで、フロアボード1、1’の第1及び第2の接合面4c、4dを接触できる。フロアボード1、1’の第1及び第2の接合面は、水平平面に対して約0°乃至10°の角度をなす平面内を延びる。
【0050】
図3a乃至図3dは、半浮き張り設置を可能にする、本発明による機械的接合システムの特殊設計の寸法が異なる第2の例示の実施例を示す。第1接合縁4a及び第2接合縁4bの領域TTは幾つかの部分に分けられる。第1接合縁4aは、タング10と表面層31との間に位置決めされた下接合縁部分17及び下接合縁部分17よりも主フロア面HPに近い上接合縁部分18’を有し、第2接合縁4bは、タング10と表面層31との間に位置決めされた、下接合縁部分16及び下接合縁部分16よりも主フロア面HPに近い上接合縁部分19’を有する。接合システムでは、フロアボード1、1’が接合され、互いに向かって押されたとき、第2接合縁4bの上接合縁部分19’及びコア30の一部が第1接合縁4aの下接合縁部分17の表面層31と重なる。
【0051】
図4は、半浮き張り設置を可能にする機械的接合システムの特殊設計を示す。第1接合縁部分18は、主フロア面HPから傾斜をなして延びている。表面層31及びコアの一部を含む第2接合縁部分19は、第1接合縁部分18の傾斜した表面層31及びコア30と重なる。
【0052】
図5a及び図5bは、半浮き張り設置を可能にする本発明による機械的接合システムの特殊設計の第3の例示の実施例を示す。第2接合縁4bの部分TTは、幾つかの部分に分けられるが、第1接合縁4aは部分に分けられない。第2接合縁4bは、タング10と表面層31との間に位置決めされた下接合縁部分16を有し、上接合縁部分19’は下接合縁部分16よりも主フロア面HPに近い。フロアボード1、1’を接合し、互いに向かって押したとき、第1接合縁4aの接合縁部分18は第2接合縁4bの下接合縁部分16と重なり、第2接合縁4bの上接合縁部分19’及びコア30の一部が接合縁部分18の表面層31と重なる。
【0053】
図3b、図3d、及び図5bは、接合縁部分16、17又は16、18が互いに接触した内位置でボードが互いに押し付けられた状態を示し、図3a、図3c、及び図5aは、接合縁部分18’、19’又は18、19’が互いから離間された外位置まで引き出されたボードを示す。
【0054】
上述の例示の実施例では、重なり接合縁部分19’は、溝側に、即ち溝9を持つ接合縁即ち接合縁4bに形成されている。重なり接合縁部分18、18’もまた、タング側に、即ちタング10を持つ接合縁に、即ち図6に示すように第1接合縁4aに形成されていてもよい。
【0055】
機械的に接合された二枚のフロアパネル間の、垂直平面VPでの、タング側又は溝側のいずれか又は両側での移動を減少する可撓性材料製のピースが適用されてもよい。可撓性材料の例は、プラスチック、ゴム、及びシリコーン等の材料である。
【0056】
水分除去材料製のピースが垂直平面VPにタング側又は溝側のいずれかに又は両側に適用されてもよい。この材料は、水分が二枚のパネル間に入らないようにする。
【0057】
互いに押し付けた位置での接合システムの遊隙JOは、例えば0.2mmである。この互いに押し付けた位置での重なりが0.2mmである場合には、ボードは、引き離されるとき、隙間が表面から見えることなく、互いから0.2mm離れる。実施例では、開放した遊間がない。これは、図3乃至図5では重なった第2接合縁部分19、19’によって、及び図6では重なった第1接合縁部分18によって遊間が覆われるためである。係止エレメント6及び係止溝12が分離可能である、即ち遊隙が重なり量よりも僅かに小さいのが有利である。好ましくは、接合部には、フロアボードを引き離すとき、引っ張り力を接合部に加えた場合でも、小さな、例えば0.05mmの重なりが存在しなければならない。この重なりにより、接合部への水分の侵入を防ぐ。接合縁は、第2接合縁4bの重なり縁部分19、19’が、図2、図4、及び図5において、隣接したフロアボードの第1接合縁4aの縁部分18の水平な表面によって支持されているために強く、又は図3a乃至図3dでは、下接合縁部分17が上接合縁部分19’を支持するために更に強い。装飾溝は非常に浅く形成でき、溝に溜まる全ての塵埃は、通常の掃除で電気掃除機で容易に除去できる。塵埃や水分が接合システム内に、タング10まで入り込むことはできない。勿論、この技術には、重なり接合縁部分を、一方の側だけに形成すること、又は両長側部又は両短側部に組み合わせて形成すること、又は長側部及び短側部を含むフロアボードの全ての側部に組み合わせて形成することを含む。例えば、目に見える開放遊間は0.1mmで、圧縮が0.1mmで、重なりが0.1mmであってもよい。この場合、フロアボードは、全部合わせて0.3mm移動でき、この大きな移動を、目に見える小さな開放遊間及び接合縁の弱点を構成しない重なり接合縁部分19、19’の限られた水平方向長さと組み合わせることができる。これは、重なり接合縁部分19、19’が非常に小さく、フロアボードの最も強い部分で形成されているためである。この部分は、積層体表面及びメラミン樹脂含浸木材繊維を含む。目に見える遊間なしでかなり大きく移動できるこのような接合システムは、上文中に説明した全ての用途で使用できる。更に、接合システムは、フロアボードを平行な列等をなして設置する場合、即ち、フロアの寸法変化に対処するために接合システムの可動性が大きいことを必要とする全ての用途で、様々なフロアボードでショートサイドで使用するのに特に適している。フレーム、又はヘリンボーンパターンで設置されたフロアの周囲のフリーズ(frieze)を形成する、フロアボードのショートサイドで使用することもできる。例示の実施例では、重なり接合縁部分の垂直方向寸法即ち接合開口部の深さGDは、フロアの厚さTの0.1倍よりも小さい。更に、所望であれば、例えば表面層の縁部が強化されるように表面層に予備プロセスを加えることによって、又は溝のコアに余分の強化材料層を設けることによって、重なり接合縁の縁部を強化してもよい。
【0058】
図7a乃至図7cは、本発明による図2乃至図6の例示の実施例の幾つかの部分を詳細に示す。図7bでは、縁部1の第2接合縁4bの表面層31及びコア30の一部が、隣接したフロアボード縁部1’の表面層と重なっており、又は図7aにおけるように、第1接合縁4aのフロアボード縁部1’の表面層31及びコア30の一部が、隣接したフロアボード縁部1の表面層と重なる。縁部分は、主フロア面に対して水平な第1上水平平面H1内の表面層H1a、パネルコアの一部H2a、及び主フロア面よりも低い下水平平面H3内の表面層H3aを含む。第5水平平面H5は、図7b及び図7cの第1接合縁4aのタング10と平行であり、第6水平平面H6は、図7aの第2接合縁4bの係止エレメント8のストリップ6と平行である。
【0059】
図7aは、主フロア面HPと平行な上第1水平平面H1内の表面層H1a、主フロア面HPの下に配置された第3水平平面H3の表面層H3a、及び第1及び第3の水平平面間の中間第2水平平面H2内のコアの一部H2aを示す。フロアボード1、1’が接合され、互いに向かって押されたとき、第1接合縁4aの上接合縁部分18’の表面層H1a及びコアH2aの一部が、第2接合縁4bの接合縁部分19’と隣接して表面層H3aと重なる。
【0060】
本発明は、更に、薄い表面層を持つパネルに深いコア溝20’、20’’を形成するための製造方法の例示の実施例を提供する。コアを実質的に圧縮することなく、このような深いコア溝を非常に正確に形成できるという利点がある。この製造方法では、製造時間が短く、使用されるエネルギが小さく、これにより製造費が低下する。
【0061】
図8乃至図16には、製造費用、時間、及びエネルギを低減する、面取り部を持つ建物用パネルの本発明による製造方法の例示の実施例を示す、製造ラインの部分が示してある。フロアボード/建物用パネルの製造プロセスは、フロアパネル2を互いから分離することなく、フロアエレメント3全体のコア材料を予備成形する工程と、例えば木材ベニア、積層体、又は塗装層を、木材繊維混合物、結合剤、及び耐磨耗性粒子等を含む中実層に適用する工程と、コア材料30に予備成形したコア溝20’、20’’の周りに上面層を形成する工程とを含む。次いで、フロアエレメント3を分離してフロアパネル2にする。次に、フロアパネル2の製造方法を以下の方法工程に説明する。
【0062】
フロアエレメント(3)の上水平面に複数のコア溝(20’、20’’)を機械加工で形成し、
フロアエレメント(3)のコア(30)に上面層(31)を設け、
表面層(31)の形状がフロアエレメントの表面及びコア溝(20’、20’’)の少なくとも一方と少なくとも部分的に倣うように、表面層(31)の少なくとも部分に圧力を加え、
フロアパネルが、その縁部のところにコア溝の少なくとも一部を含むように、フロアエレメント(3)を、フロアエレメント(3)のコア溝の少なくとも一方のところで切断し、少なくとも二つのフロアパネル(2)にする。
【0063】
図8aは、表面層31で覆われるようになった、コア30にコア溝20、20’、20’’を予備成形するための本発明による製造方法の例示の実施例を示す。コア溝は、フロアボードに表面窪みとして、好ましくは面取り部を持つ縁部として形成される。図8aは、回転切削工具による機械加工を示す。好ましくは、アクセル(axel)50に設けられた鋸ブレード51を使用してコア溝20、20’、20’’を形成できる。これらのコア溝は、フロアボードの縁部に図8bに示すように形成される接合システムのタング10及び溝9の上方に縁部分を形成するように位置決めできる。機械加工によって溝を形成する上でこの他の幾つかの方法を使用できる。レーザー切断又はきさげ加工(scraping)、研削、又は腐蝕等の他の方法でコア溝20、20’、20’’を機械加工することによってコア30を形成する。こうした機械加工の利点は、コア表面が安定しているということである。当業者には理解されるように、これらの窪みは、コア溝20、20’、20’’の表面構造を備えていてもよい。コア溝の表面構造は、接合システムが半浮き張りフロアのどこに位置決めされるのかに応じて、一枚のフロアパネルの二つの長側部と形状が一致するように、又は一方の長側部だけと形状が一致するように、又は短側部と形状が一致するように、又は短側部だけにコア溝が形成されるようになっている。コア溝は、視覚的効果のみを求めて例えばフロアボードの中央に形成されてもよい(図示せず)。
【0064】
図9aは、予備成形したコア30の表面上に接着剤53を機械52で追加する、本発明による例示の実施例を示す。これにより、プレス後にコアに表面層31を取り付けるのを容易にする。当業者には理解されるように、例えばポリビニルアセテート(PVA)、脂肪族樹脂乳濁液、又はレソルシノール、ユリアホルムアルデヒド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、等を含有する他の合成樹脂等の任意の種類の接着剤を使用できる。これらは単なる例である。
【0065】
図9bは、プレス前に上面層31’、31’’を機械52で加湿する、本発明による例示の実施例を示す。これにより、例えば、紙や木材ベニア等の木材繊維をベースとした上面層を、コア30の予備成形された溝20の部分、即ち主フロア面よりも低い表面の周囲に曲げ易くする。当業者にはわかるように、加湿53は任意の方法で行うことができ、例えばスプレー、蒸し、液体や潤滑材の塗布によって行うことができ、及び任意の種類の加湿器を使用して、例えば水、オイル、又はワックス等を適用できる。これらは単なる例である。更に、上面層31’、31’’を加熱して上面層を柔らかくすることができる。これを行うと、プレス中の形成が更に容易になる。
【0066】
方法は、コア溝及び主フロア面の形成を同じ製造工程で行うのに使用できる。例えば熱硬化性樹脂を含浸した紙をコア溝に被せて適用でき、熱及び圧力を加え、これによって窪みの周囲に上面層を形成し、硬化する。
【0067】
方法は、木材繊維の固い表面、結合剤、及び耐磨耗性粒子を含むフロアボードに例えば深溝を形成するのに特に適している。
【0068】
方法は、表面層をコア溝に被せて適用する際にコア及び/又はコア溝の部分が部分的に圧縮されることを除外しない。
【0069】
図10aは、各フロアパネル2’、2’’が、本発明に従って、上面層の分離されたシート31’、31’’によって多かれ少なかれ覆われている例示の実施例を示す。図10bは、上面層31’’’がフロアエレメント3全体を覆っている実施例を示す。上面層は、本発明によれば、面取り部20、20’、20’’間で下方にプレスするとき、幾分延びることができる。図10cは、薄い上面層31’’’がコア溝を覆うようにコア30に適用された図10bの拡大図である。図11は、上面層31pが、繊維及び結合剤を含む粉体として、予備成形されたコアの輪郭と一致する所定の形態で適用された、本発明による例示の実施例を示す。粉体の例は、WO2009/065769に記載のWFFである。コア溝上に適用された粉体の色を主フロア面の色と変えてもよい。これは、色や深さが主フロア面と異なる深いグラウト線を形成するのに使用できる。粉体は、少なくとも一つのコア溝を覆うように散布でき、粉体は、必要であれば、後に潤滑してもよい。
【0070】
図12a乃至図12cは、例えば、予備成形されたコア溝(20、20’、20’’)の輪郭と一致する所定の形態を持つ固定された圧力プレート54を使用して、様々な上面層31’、31’’、31’’’、31pにプレスを加える、本発明による例示の実施例の第1工程を示す。当業者にはわかるように、図示のプレスプレート54は、プレスが加えられる表面層に合った任意の形態を備えていてもよい。上面層は、コアに接着されてもよく、含浸紙31’、31’’、31’’’として熱及び圧力で積層されてもよいし、繊維及び結合剤を含む粉体31pとして適用されていてもよい。図12dは、プレスプレート54がプレス位置にある、第2工程を示す。図12eは、プレス後の結果を示す。きさげ仕上げ、切断、又は腐蝕により、コアの上面の表面構造を賦形でき、上面層のシート31、31’、31’’、31’’’又は粉体混合物はプレスの形状と一致する。プレス前に、上面層に、例えば積層シート31、31’、31’’を所定のパターンできさげ仕上げ又は切断を行うといった予備プロセスを加えてもよい。更に、上面層は、撥水性材料を含んでいてもよい。
【0071】
図13a及び図13bは、例えば平らな形態のプレス54と上面層31’、31’’との間に軟質のマットレス55を置いた状態で加工を行う、本発明による軟加圧器具54、55の実施例を示す。平らなプレス54でプレスを行うとき、マットレス55が外方に膨張し、開放空間がある場所、即ちコア30の表面に予備成形されたコア溝(20’、20’’)に入り込む。マットレスの膨張した部分が上面層31’、31’’をプレスし、表面を押し下げ、上面層31の形状をコア30の表面の輪郭と一致するのを補助し、上面層31を取り付ける。当業者にはわかるように、プレスプレートは、マットレス55によって互いにプレスされるべき表面層に適した任意の形態を備えていてもよい。
【0072】
図14a及び図14bは、コア溝(20’、20’’)と対応する突出部分56及び上面層31上を転動するローラー57だけを持つ、本発明によるプレスプレート54の実施例を示す。突出部分56及びローラー57は、両方とも、輪郭表面に従い、上面層をコア30の表面に取り付ける。詳細には、予備成形された面取り部20に上面層を取り付ける。
【0073】
図15は、フロアエレメント3をカッター58で分離し、フロアパネル2にする、プレス工程後の工程を示す。
【0074】
図16a乃至図16fは、製造ラインでフロアエレメント3に加えられる本発明による様々な工程の実施例を示す。図16aは、フロアエレメント3を示す。図16bは、コア30の予備成形後のフロアエレメント3を示す。図16cで上面層シート31’が適用される。プレス後、シートは図16dで取り付けられる。図16eで、フロアエレメント3を分離してフロアパネル2にし、接合システムの機械加工を行う。図16fは、半浮き張りを行うことができない、従来技術による機械的接合システムの例示の設計にも本発明による製造方法が適しているということを示す、互いに重なっていない表面層を示す。
【0075】
図8乃至図16の製造方法の例示の実施例は、半浮き張り設置を可能にする特殊設計の機械的接合システムを持つ図2乃至図7の建物用パネルの例示の実施例の製造で使用できる。
【0076】
添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲を逸脱することなく、本発明の様々な変形及び変更を行うことができるということは、当業者には理解されよう。
【符号の説明】
【0077】
1、1’ フロアボード
2 フロアパネル
3 フロアエレメント
9 タング溝
10 タング
30 コア
31 上面層
32 バランシング層
【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図1d】

【図2a】

【図2b】

【図3a】

【図3b】

【図3c】

【図3d】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロアパネル(2)を製造するための方法において、
フロアエレメント(3)の上水平面に複数のコア溝(20’、20’’)を機械加工する工程と、
前記フロアエレメント(3)のコア(30)に上面層(31)を設ける工程と、
前記上面層(31)が、前記フロアエレメントの前記表面及び前記コア溝(20’、20’’)の少なくとも一つの表面の少なくとも一部と形状が一致するように、前記上面層(31)の少なくとも部分に圧力を加える工程と、
前記フロアパネルが、前記フロアパネルの縁部に前記コア溝の少なくとも一部を含むように、前記フロアエレメント(3)を前記フロアエレメント(3)の前記コア溝の少なくとも一つのところで切断し、少なくとも二つのフロアパネル(2)にする工程とを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、更に、
前記フロアパネルの前記縁部に機械的接合システムを形成する工程を含む、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、
前記コア溝は、前記上面層(31)の適用前に、機械的切削、又はフライス削り、又はきさげ加工によって機械加工される、方法。
【請求項4】
請求項1、2、又は3に記載の方法において、
前記上面層(31)は、繊維、結合剤、及び耐磨耗性粒子の粉体混合物を設けることによって形成され、混合物の少なくとも部分に圧力を加えて様々な種類の視覚的効果を持つコンパクトな上面層を形成する、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記粉体混合物は、少なくとも一つのコア溝(20’、20’’)を覆うように散布される、方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の方法において、
切断することにより形成した前記コア溝(20’、20’’)の少なくとも一つが、各フロアパネル(2)の少なくとも一方の側部に面取り部を備えている、方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の方法において、
少なくとも三つのコア溝(20’、20’’)が形成され、前記三つのコア溝(20’、20’’)は、少なくとも二つのフロアパネル(2)の構造を形成し、各フロアパネル(2)の二つの側部に面取り部が設けられている、方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の方法において、
前記上面層(31)は、複数の別々のシート(31’、 31’’)を含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
別々のシート(31’、 31’’、 31’’’)の各々が、一枚のフロアパネル(2’、2’’)又は複数のフロアパネルを覆っている、方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の方法において、
前記シートは、前記コア溝(20’、20’’)内に延び、前記コア溝(20’、20’’)内で終端する、方法。
【請求項11】
請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載の方法において、
前記圧力は、垂直にプレスすることによって又はローラーを転動することによって加えられ、又は垂直にプレスすること及びローラーを転動することの組み合わせによって加えられる、方法。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちのいずれか一項に記載の方法において、
前記圧力は、前記複数のコア溝(20’、20’’)の輪郭と形状が一致する材料で形成された圧力プレートによって加えられる、方法。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちのいずれか一項に記載の方法において、
前記圧力は、前記複数のコア溝(20’、20’’)の形状に適合する形状又は平らな形状を持つ少なくとも一つの固定圧力プレートを含む圧力プレート(54)によって加えられる、方法。
【請求項14】
請求項1乃至13のうちのいずれか一項に記載の方法において、
可撓性軟質マットレス(55)が前記上面層(31)の上に、前記圧力プレートの下に配置される、方法。
【請求項15】
請求項1乃至14のうちのいずれか一項に記載の方法において、
前記上面層(31)は、前記コアに接着され、又は熱及び圧力の作用で積層される、方法。
【請求項16】
請求項1乃至15のうちのいずれか一項に記載の方法において、
上面層に圧力を加える前に前記コア(30)に水分を加え、又は潤滑し、又はラッカーを塗布し、又はオイルを塗布し、又は接着剤を塗布する工程を含む、方法。
【請求項17】
請求項1乃至16のうちのいずれか一項に記載の方法において、
機械的に接合された二枚のフロアパネル間の垂直平面(VP)方向の移動を低減するため可撓性材料製のピースを前記タング側又は前記溝側のいずれかに設ける工程を含む、方法。
【請求項18】
請求項1乃至17のうちのいずれか一項に記載の方法において、
水分除去材料製のピースが垂直平面(VP)に、前記タング側又は前記溝側のいずれかに適用される工程を含む、方法。
【請求項19】
請求項1乃至18のうちのいずれか一項に記載の方法において、
前記上面層(31)は、積層体又は木材ベニアを含む、方法。
【請求項20】
上装飾表面層(31)が設けられたフロアボード(1、1’)において、
二つの隣接したフロアボードの隣接した接合縁を互いに係止するため、二つの向き合った縁部に設けられた機械的接合システムを含み、
第1接合縁(4a)の前記装飾表面層(31)及び第2接合縁(4b)の前記装飾表面層(31)が前記機械的接合システムの重なり部分(31a)のところで互いに重なり、前記重なり部分(31a)は、前記装飾表面層(31)の水平主表面(HP)の下に配置され、前記第1接合縁(4a)の第1接合面が前記第2接合縁(4b)の第2接合面に面し、前記第1及び第2の接合面は、本質的に平行であり且つ本質的に水平である、フロアボード。
【請求項21】
請求項20に記載のフロアボード(1、1’)において、
前記第1及び第2の接合面は、接触している、フロアボード。
【請求項22】
請求項20又は21に記載のフロアボード(1、1’)において、
前記第1及び第2の接合面は、前記水平平面に対して約0°乃至10°の平面内に延びている、フロアボード。
【請求項23】
請求項20、21、又は22に記載のフロアボード(1、1’)において、
機械的接合システムは、垂直方向で係止するため、タング溝(9)と協働するタング(10)、及び水平方向で係止するため、係止溝(14)と協働する係止エレメント(8)を含む、フロアボード。
【請求項24】
請求項20乃至23のうちのいずれか一項に記載のフロアボード(1、1’)において、
前記上面層(31)は積層体又は木材ベニアであり、又は木材繊維混合物、結合剤、及び耐磨耗性粒子を含み、又は塗装層を含む、フロアボード。
【請求項25】
請求項20乃至24のうちのいずれか一項に記載のフロアボード(1、1’)において、更に、
機械的に接合された二枚のフロアパネル間の垂直平面(VP)方向の移動を低減する可撓性材料製のピースが前記タング又は前記溝のいずれかに又は両方に設けられた、フロアボード。
【請求項26】
請求項23に記載のフロアボード(1、1’)において、
水分除去材料製のピースが垂直平面(VP)に、前記タング又は前記溝のいずれか又は両方に設けられた工程を含む、フロアボード。
【請求項27】
請求項20乃至26のうちのいずれか一項に記載のフロアボード(1、1’)において、
前記第1接合縁(4a)と隣接した前記上面層(31)及び前記第2接合縁(4b)と隣接した前記上面層(31)は、前記主表面層(HP)と平行な表面層とほぼ同じ厚さを有する、フロアボード。
【請求項28】
請求項20乃至27のうちのいずれか一項に記載のフロアボード(1、1’)において、
前記第1接合縁(4a)と隣接した前記上面層(31)と重なる第2接合縁(4b)の前記接合縁部分のコアの厚さは、前記第1接合縁(4a)と隣接した前記上面層(31)よりも厚い、フロアボード。
【請求項29】
請求項1乃至19のうちのいずれか一項に記載の方法に従って製造されたフロアパネルから製造された、請求項20乃至28のうちのいずれか一項に記載のフロアボード(1、1’)。

【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図12d】
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【図12e】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15】
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【図16a】
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【図16b】
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【図16c】
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【図16d】
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【図16e】
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【図16f】
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【公表番号】特表2013−514473(P2013−514473A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544441(P2012−544441)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/SE2010/051418
【国際公開番号】WO2011/075074
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(504033441)ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ (17)
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
【Fターム(参考)】