説明

建物緑化構造体

【課題】緑化植物が生長できる状態で支持された緑化パネル体を建物の張出床部にて建物の壁面側に向けて所定角度まで位置変更可能として緑化植物に対する水やり等の管理や、枝葉の切除等の手入れなどを可能とする。
【解決手段】枠体5の内側空間に、緑化植物が生長できる状態で支持された植物支持パネル(6,7)を取り付けた緑化パネル体1を、建物の壁面2に沿って外側に張り出した張出床部3の外側辺近傍にて上下方向に設置された支柱4を用いて該壁面2に略平行に設け、上記支柱4に取り付けられた緑化パネル体1の一側辺部を中心にして該緑化パネル体1を建物の壁面2側に向けて所定角度まで回動可能としたものである。これにより、緑化パネル体1を建物の張出床部3にて建物の壁面2側に向けて所定角度まで位置変更可能として緑化植物に対する水やり等の管理や、枝葉の切除等の手入れなどができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばつる性植物等を利用して建築物の修景及び熱負荷の低減を図る建物緑化構造体に関し、詳しくは、緑化植物が生長できる状態で支持された緑化パネル体を建物の張出床部にて建物の壁面側に向けて所定角度まで位置変更可能として緑化植物に対する水やり等の管理や、枝葉の切除等の手入れなどを可能とする建物緑化構造体に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の建物緑化構造体は、フレーム枠内にメッシュ状に線状体が張り渡された単位フレームと、つる性植物が植えられた植栽容器とを組み合わせた植物栽培カセットを、建築物の外壁面から所定の隙間をあけてその外壁面に取り付けたカセット式壁面緑化施設が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、植物が植えられた植栽容器ユニットを建築物の外壁面に容易に取り付け、取り外し可能とするため、建築物の外壁面にキー溝を設け、このキー溝に嵌るキー部を備えた植栽容器を組み合わせて、植栽容器ユニットを建築物の外壁面に着脱可能にした壁面緑化設備が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、植物が植えられた培地容器が下辺に一体的に取り付けられた緑化基板を、建築物の外壁面に対して外側方向に回転自在とした壁面緑化体も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平6−225645号公報
【特許文献2】特開平6−261633号公報
【特許文献3】特開2004−92157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のカセット式壁面緑化施設においては、植物栽培カセットが建築物の外壁面に固定されており、その植物栽培カセットを建築物の外壁面から容易に取り外すことができなかった。したがって、植物栽培カセットが建築物の外壁面に取り付けられたままでは、植栽容器に植えられたつる性植物に対して水やり、肥料の供給、防虫薬剤散布等の管理や、繁茂した枝葉の切除等の手入れなどが容易にできないものであった。また、植物栽培カセットが建築物の外壁面に固定された状態で、植栽容器に植えられた植物が全面にまで生長するには、多くの時間を要するものであった。
【0005】
また、特許文献2に記載の壁面緑化設備においては、植栽容器ユニットを建築物の外壁面から取り外して、植栽容器に植えられた植物に対して水やり、肥料の供給等の管理や、繁茂した枝葉の切除等の手入れなどを行うことができるが、その度にいちいち植栽容器ユニットを建築物の外壁面から取り外して作業場所まで運んで作業をしなければならない。また、その作業が終わったら、再度上記建築物の外壁面に取り付けなければならず、植物の管理や、手入れに多くの労力と時間を要するものであった。
【0006】
さらに、特許文献3に記載の壁面緑化体においては、緑化基板を建築物の外壁面に対して外側方向に回転することはできるが、これは主として建築物への太陽入射光の調整を可能とすると共に、建築物の外壁面に対するメンテナンス作業を容易にするものであり、建築物の外壁面に取り付けられた緑化基板の植物の管理や、手入れなどを容易にするものではない。したがって、特許文献1及び2に記載のものと同様に、植物の管理や、手入れなどが容易にできないものであった。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、緑化植物が生長できる状態で支持された緑化パネル体を建物の張出床部にて建物の壁面側に向けて所定角度まで位置変更可能として緑化植物に対する水やり等の管理や、枝葉の切除等の手入れなどを可能とする建物緑化構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明による建物緑化構造体は、枠体の内側空間に、緑化植物が生長できる状態で支持された植物支持パネルを取り付けた緑化パネル体を、建物の壁面に沿って外側に張り出した張出床部の外側辺近傍にて該壁面に略平行に設け、上記緑化パネル体を建物の壁面側に向けて所定角度まで位置変更可能としたものである。
【0009】
このような構成により、枠体の内側空間に植物支持パネルを取り付けた緑化パネル体を、建物の壁面に沿って外側に張り出した張出床部の外側辺近傍にて該壁面に略平行に設け、上記緑化パネル体を建物の壁面側に向けて所定角度まで位置変更可能とする。
【0010】
そして、本発明を実施するための手段として、第1の発明による建物緑化構造体は、枠体の内側空間に、緑化植物が生長できる状態で支持された植物支持パネルを取り付けた緑化パネル体を、建物の壁面に沿って外側に張り出した張出床部の外側辺近傍にて上下方向に設置された支柱を用いて該壁面に略平行に設け、上記支柱に取り付けられた緑化パネル体の一側辺部を中心にして該緑化パネル体を建物の壁面側に向けて所定角度まで回動可能としたものである。
【0011】
このような構成により、枠体の内側空間に植物支持パネルを取り付けた緑化パネル体を、建物の壁面に沿って外側に張り出した張出床部の外側辺近傍にて該壁面に略平行に設け、上記緑化パネル体の一側辺部を中心にして該緑化パネル体を建物の壁面側に向けて所定角度まで回動可能とする。
【0012】
また、第2の発明による建物緑化構造体は、枠体の内側空間に、緑化植物が生長できる状態で支持された植物支持パネルを取り付けた緑化パネル体を、該緑化パネル体の周囲を囲む外枠の内側に一側辺部の縦軸を中心にして回動可能に取り付け、上記外枠を、建物の壁面に沿って外側に張り出した張出床部の外側辺近傍にて上部及び下部に設置されたレール部材に係合させて該壁面に略平行にスライド可能に組み合わせ、上記外枠に取り付けられた緑化パネル体の一側辺部を中心にして該緑化パネル体を建物の壁面側に向けて所定角度まで回動可能とすると共に、上記レール部材の端末部に設けられた収納用レール部材を利用して収納可能としたものである。
【0013】
このような構成により、枠体の内側空間に植物支持パネルを取り付けた緑化パネル体を、外枠の内側に一側辺部を中心にして回動可能に取り付け、上記外枠を、建物の壁面に沿って外側に張り出した張出床部の外側辺近傍にて上部及び下部に設置されたレール部材に係合させて該壁面に略平行にスライド可能に組み合わせ、上記緑化パネル体の一側辺部を中心にして該緑化パネル体を建物の壁面側に向けて所定角度まで回動可能とすると共に、上記レール部材の端末部の収納用レール部材を利用して収納可能とする。
【0014】
さらに、第3の発明による建物緑化構造体は、枠体の内側空間に、緑化植物が生長できる状態で支持された植物支持パネルを取り付けた緑化パネル体を、建物の壁面に沿って外側に張り出した張出床部の外側辺近傍にて上部及び下部に設置されたレール部材に係合させて該壁面に略平行にスライド可能に組み合わせ、上記緑化パネル体を上記レール部材の端末部に設けられた収納用レール部材の位置までスライドし、該収納用レール部材を利用して建物の壁面側に向けて所定角度まで位置変更可能とすると共に、上記収納用レール部材を利用して収納可能としたものである。
【0015】
このような構成により、枠体の内側空間に植物支持パネルを取り付けた緑化パネル体を、建物の壁面に沿って外側に張り出した張出床部の外側辺近傍にて上部及び下部に設置されたレール部材に係合させて該壁面に略平行にスライド可能に組み合わせ、上記緑化パネル体を上記レール部材の端末部の収納用レール部材の位置までスライドし、該収納用レール部材を利用して建物の壁面側に向けて所定角度まで位置変更可能とすると共に、上記収納用レール部材を利用して収納可能とする。
【0016】
また、上記植物支持パネルは、緑化植物を支持するためのメッシュ状支持部材と、このメッシュ状支持部材の下部に配置され緑化植物を生長させるための植栽容器とから成る。これにより、メッシュ状支持部材の下部に配置された植栽容器で緑化植物を生長させ、上記メッシュ状支持部材により緑化植物を支持する。
【0017】
さらに、上記植物支持パネルは、緑化植物を支持するための多孔質構造を有する植栽基盤とされている。これにより、多孔質構造を有する植栽基盤で緑化植物を支持して緑化植物を育成する。
【0018】
さらにまた、上記植物支持パネルは、上記枠体に対して着脱可能とされている。これにより、枠体に対して植物支持パネルを容易に取り付け、取り外しができる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明によれば、建物の壁面に沿って外側に張り出した張出床部の外側辺近傍にて該壁面に略平行に取り付けられた緑化パネル体を建物の壁面側に向けて所定角度まで位置変更可能とすることにより、緑化植物が生長できる状態で支持された緑化パネル体を建物の張出床部にて建物の壁面側に向けて位置変更して緑化植物に対して水やり、肥料の供給、防虫薬剤散布等の管理や、繁茂した枝葉の切除等の手入れなどができる。
【0020】
請求項2に係る発明によれば、建物の壁面に沿って外側に張り出した張出床部の外側辺近傍にて上下方向に設置された支柱に取り付けられた緑化パネル体の一側辺部を中心にして該緑化パネル体を建物の壁面側に向けて所定角度まで回動することにより、緑化植物が生長できる状態で支持された緑化パネル体を建物の張出床部にて建物の壁面側に向けて回動して緑化植物に対して水やり、肥料の供給、防虫薬剤散布等の管理や、繁茂した枝葉の切除等の手入れなどができる。したがって、本発明の建物緑化構造体を通常のビルや集合住宅(マンション)等のベランダに設置して建物緑化が実現でき、そのベランダの内側に向けて緑化パネル体を回動することにより、容易に緑化植物に対する管理や、手入れなどができる。さらに、このように管理や、手入れなどが十分にできるので、小さい果実などであれば農業施設としても利用可能である。
【0021】
また、請求項3に係る発明によれば、建物の壁面に沿って外側に張り出した張出床部の外側辺近傍にて上部及び下部に設置されたレール部材に係合させた外枠に取り付けられた緑化パネル体の一側辺部を中心にして該緑化パネル体を建物の壁面側に向けて所定角度まで回動すると共に、上記レール部材の端末部に設けられた収納用レール部材を利用して収納することにより、緑化植物が生長できる状態で支持された緑化パネル体を建物の張出床部にて建物の壁面側に向けて回動して緑化植物に対して水やり等の管理や、枝葉の切除等の手入れなどができる。この場合も、通常のビルや集合住宅等のベランダに設置して建物緑化が実現でき、そのベランダの内側に向けて緑化パネル体を回動することにより、容易に緑化植物に対する管理や、手入れなどができる。また、上記緑化パネル体を収納用レール部材を利用して収納場所に収納することにより、台風や大雨等の自然災害から緑化植物を保護することができる。
【0022】
さらに、請求項4に係る発明によれば、建物の壁面に沿って外側に張り出した張出床部の外側辺近傍にて上部及び下部に設置されたレール部材に係合させた緑化パネル体を上記レール部材の端末部に設けられた収納用レール部材の位置までスライドし、該収納用レール部材を利用して建物の壁面側に向けて所定角度まで位置変更すると共に、上記収納用レール部材を利用して収納することにより、緑化植物が生長できる状態で支持された緑化パネル体を建物の張出床部にて建物の壁面側に向けて位置変更して緑化植物に対して水やり等の管理や、枝葉の切除等の手入れなどができる。この場合も、通常のビルや集合住宅等のベランダに設置して建物緑化が実現でき、そのベランダの内側に向けて緑化パネル体を位置変更することにより、容易に緑化植物に対する管理や、手入れなどができる。また、上記緑化パネル体を収納場所に収納することにより、台風や大雨等の自然災害から緑化植物を保護することができる。
【0023】
また、請求項5に係る発明によれば、メッシュ状支持部材の下部に配置された植栽容器で緑化植物を生長させ、上記メッシュ状支持部材により緑化植物を支持することができる。したがって、主としてつる性植物をメッシュ状支持部材で支持し、空気の流通を確保しながら建物緑化が実現できる。
【0024】
さらに、請求項6に係る発明によれば、多孔質構造を有する植栽基盤で緑化植物を支持して緑化植物を育成することができる。したがって、土壌や培養土を用いずに、緑化植物を育成することができる。また、つる性植物以外の植物でも植栽基盤で支持して、建物緑化が実現できる。
【0025】
さらにまた、請求項7に係る発明によれば、枠体に対して植物支持パネルを容易に取り付け、取り外しができる。したがって、緑化植物が生長できる状態で支持された植物支持パネルを枠体から取り外して生育環境の良い生産農場に搬入し、事前に緑化させた状態で上記枠体に取り付けることにより、短時間に建物の壁面の全面緑化が実現できる。また、植物支持パネルの緑化植物を種類の異なるものに交換することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は第1の実施形態による建物緑化構造体を示す正面図であり、図2はその平面図であり、図3はその右側断面図である。この建物緑化構造体は、例えばつる性植物等を利用して建築物の修景及び熱負荷の低減を図るもので、緑化パネル体1を、建物の壁面2に沿って外側に張り出した張出床部(例えばビルのベランダなど)3の外側辺近傍にて上下方向に設置された支柱4を用いて該壁面2に略平行に設けられている。
【0027】
上記緑化パネル体1は、建物の壁面2に緑化植物が生長できる状態で垂直状態に立てて支持するもので、枠体5と、メッシュ状支持部材6と、植栽容器7とから成る。上記枠体5は、メッシュ状支持部材6を支持する枠部材となるもので、内側に縦長の空間を有し、例えば金属製のアングル材等で矩形状枠に形成されている。
【0028】
上記枠体5の内側空間には、メッシュ状支持部材6が取り付けられている。このメッシュ状支持部材6は、例えばつる性植物等の緑化植物を実際に支持するもので、適宜の大きさの網目を有する金網等から成る。図1〜図3の実施形態では、このメッシュ状支持部材6は、上記枠体5の内側空間に固定状態で取り付けられている。
【0029】
上記メッシュ状支持部材6の下部には、図3に示すように、植栽容器7が配置されている。この植栽容器7は、つる性植物等の緑化植物を生長させるためのもので、例えばプラスチック、金属等で上記枠体5の内側空間の下部に嵌る大きさの箱状に形成されている。このとき、上記枠体5の内側空間の下部には、上面が開口した箱状の植栽容器設置台8が設けられており、この植栽容器設置台8の内部に上記植栽容器7が収容されている。そして、上記植栽容器7の内部には、土壌や培養土が入れられて緑化植物9が植え付けられている。なお、上記メッシュ状支持部材6と植栽容器7とで、緑化植物9が生長できる状態で支持する植物支持パネルを構成している。
【0030】
上記緑化パネル体1は、図2及び図3に示すように、建物の張出床部(例えばビルのベランダなど)3に設置された支柱4を用いて直立して設けられている。この支柱4は、建物の壁面2に沿って外側に張り出した張出床部3の外側辺近傍に上下方向に設置されており、図1に示すように、上記緑化パネル体1の1個1個の横幅が入り得る間隔をあけて複数個並べて設けられている。具体的には、上記張出床部3において、下階張出床部3aと上階張出床部3bとの間に垂直状態に設けられている。
【0031】
ここで、図1において、向かって右側の緑化パネル体1の取り付け状態について説明する。まず、右側に位置する支柱4の左側面と緑化パネル体1の枠体5の右側部材の端面との間には、蝶番10が少なくとも上部及び下部に取り付けられている。次に、上記緑化パネル体1の左側に位置する支柱4の少なくとも上部及び下部の前面側には、例えば矩形状のストッパ片11,11が取り付けられている。そして、上記緑化パネル体1の枠体5の左側部材の少なくとも1箇所(例えば中央部)には、その左側に位置する支柱4との間で開閉をロックするロック装置12が設けられている。このロック装置12は、図2に示すように、例えばハンドル13とピンとの組み合わせから成り、ハンドル13を略90度回転することにより、上記ピンが出没して支柱4の側面に形成された孔に嵌合し、ロック又は解除するようになっている。このような状態で、上記緑化パネル体1は、図2に示すように、上記支柱4を用いて建物の壁面2に略平行に設けられている。
【0032】
そして、図1及び図2において、隣接する複数の緑化パネル体1が上記と同様にして、建物の壁面2に沿って外側に張り出した張出床部3の外側辺近傍にて上下方向に設置された支柱4を用いて該壁面2に略平行に設けられる。
【0033】
なお、図2において、符号Aは建物の張出床部3において作業者14が、緑化植物9に対して水やり、肥料の供給、防虫薬剤散布等の管理や、繁茂した枝葉の切除等の手入れなどを行う作業スペースを示している。また、図3において、符号15は建物の張出床部3においてその外側辺に設けられた落下防止柵(又は手すり)を示し、符号16は緑化植物9が植え付けられた植栽容器7に水を供給する給水管を示し、符号17は上記植栽容器7に液体肥料を供給する肥料供給管を示している。
【0034】
このような緑化パネル体1の取り付け状態により、図2に示すように、建物の張出床部3にいる作業者14が、ロック装置12のハンドル13を握ってロック解除をして手前側に引くことにより、張出床部3上において上記蝶番10を中心にして緑化パネル体1を矢印B方向に回動して開くことができる。これにより、上記支柱4に取り付けられた緑化パネル体1の一側辺部を中心にして、該緑化パネル体1を建物の壁面2側に向けて所定角度(略90度)まで回動可能とすることができる。
【0035】
このように、緑化植物9が生長できる状態で支持された緑化パネル体1を建物の張出床部3にて建物の壁面2側に向けて回動して緑化植物9に対して水やり、肥料の供給、防虫薬剤散布等の管理や、繁茂した枝葉の切除等の手入れなどができる。したがって、本発明の建物緑化構造体を通常のビルや集合住宅等のベランダに設置して建物緑化が実現でき、そのベランダの内側に向けて緑化パネル体1を回動することにより、容易に緑化植物9に対する管理や、手入れなどができる。
【0036】
図4は、上記のように取り付けられる緑化パネル体1を通常のビルや集合住宅(マンション)等の各階の張出床部(ベランダ)3に多数個設置した状態を示す説明図である。このようにすると、建物全体を緑化して建築物の修景を図ると共に、熱負荷の低減を図ることができる。また、建物の各階の横方向及び縦方向に、種類の異なる緑化植物9や、葉の色又は花の色が異なる緑化植物9が植えられた緑化パネル体1を適宜に配置して、建物の壁面2を利用して文字や絵の作成をする等のディスプレー機能を発揮することもできる。
【0037】
図5は第1の実施形態による建物緑化構造体の第2の実施例を示す正面図であり、図6はその右側断面図である。この実施形態は、図1に示す緑化パネル体1において、メッシュ状支持部材6と植栽容器7とから成る植物支持パネルを、枠体5に対して着脱可能としたものである。すなわち、図5において、メッシュ状支持部材6の四隅部が位置する枠体5の内周縁部に、例えば上向きフック状の係止具20を取り付け、この係止具20を利用して上記メッシュ状支持部材6の四隅部を引っ掛けるようにしたものである。これにより、メッシュ状支持部材6と植栽容器7とから成る植物支持パネルを、建物の壁面2に略平行にセットされた状態で枠体5に対して着脱可能としている。なお、上記枠体5に取り付ける前のメッシュ状支持部材6と植栽容器7とは、別個の補強部材などにより連結しておけばよい。その他の構造は、図1〜図3に示す実施形態と同様である。
【0038】
このような実施形態によれば、緑化植物9が生長できる状態で支持されたメッシュ状支持部材6と植栽容器7とから成る植物支持パネルを枠体5から取り外して生育環境の良い生産農場に搬入し、或いは最初から生産農場で育成して、事前に緑化させた状態で上記枠体5に取り付けることにより、短時間に建物の壁面2の全面緑化が実現できる。また、植物支持パネルの緑化植物を種類の異なるものに交換することもできる。
【0039】
図7は第1の実施形態による建物緑化構造体の第3の実施例を示す正面図であり、図8はその平面図であり、図9はその右側断面図である。この実施形態は、図1に示す緑化パネル体1において、緑化植物9が生長できる状態で支持された植物支持パネルを、緑化植物9を支持するための多孔質構造を有する植栽基盤21としたものである。すなわち、図8及び図9に示すように、枠体5の内側空間に、多孔質構造を有する基盤として、例えばポーラスコンクリート、三次元織物、三次元構造不織布等を所定の厚さで矩形状に形成したものを取り付け、この基盤に緑化植物9を植え付けて、上部に取り付けられた給水管16で水を供給すると共に肥料供給管17で液体肥料を供給するようにして植栽基盤21を構成している。
【0040】
上記植栽基盤21を枠体5に取り付けるには、図8において枠体5を矢印B方向に回動して開いた状態で枠体5の内側空間に植栽基盤21を嵌め込み、図7に示すように該植栽基盤21の四隅部に埋設された取付ボルト22を上記枠体5にあけられた孔に挿入し、図9に示すように上記枠体5の裏面側から取付ナット23を締め付けて取り付けている。この場合は、植栽基盤21に緑化植物9を植え付けるので、図1に示す植栽容器7は不要となる。また、図9に示すように、給水管16及び肥料供給管17は、上階張出床部3bの下面側の外側辺に設けられている。その他の構造は、図1〜図3に示す実施形態と同様である。
【0041】
この場合も、図8に示すように、緑化パネル体1を張出床部3上において蝶番10を中心にして矢印B方向に回動して開くことができる。そして、上記取付ボルト22に締め付けた取付ナット23を緩めて外すことにより、緑化パネル体1を矢印B方向に回動して開いた状態で枠体5から植栽基盤21を取り外すことができる。
【0042】
このような実施形態によれば、土壌や培養土を用いずに、緑化植物9を育成することができる。また、つる性植物以外の植物でも植栽基盤21で支持して、建物緑化が実現できる。
【0043】
図10は第2の実施形態による建物緑化構造体を示す正面図であり、図11はその平面図であり、図12はその右側断面図である。この実施形態は、緑化パネル体1を、該緑化パネル体1の周囲を囲む外枠24の内側に一側辺部の縦軸を中心にして回動可能に取り付け、上記外枠24を、建物の壁面2に沿って外側に張り出した張出床部3の外側辺近傍にて上部及び下部に設置されたレール部材に係合させて該壁面2に略平行にスライド可能に組み合わせたものである。すなわち、図1に示す緑化パネル体1を外枠24の内側に回動可能に取り付け、この外枠24を張出床部3の外側辺近傍にて上下のレール部材に係合させて壁面2に略平行にスライド可能に組み合わせている。
【0044】
まず、緑化パネル体1は、図1に示す緑化パネル体1と全く同様に構成されている。そして、この緑化パネル体1は、該緑化パネル体1の四周を取り囲むように矩形状に形成された外枠24の内側に、図1と同様に、一側辺の少なくとも上部及び下部に蝶番10が取り付けられ、他側辺の上部及び下部にストッパ片11が取り付けられて、上記蝶番10を中心にして回動可能に取り付けられている。そして、上記緑化パネル体1の枠体5の他側辺部の少なくとも1箇所には、その左側に位置する外枠24との間で開閉をロックするロック装置12が設けられている。
【0045】
一方、図12に示すように、下階張出床部3aの外側辺近傍の上面には凹溝状のガイドレール26が敷設され、上階張出床部3bの外側辺近傍の下面にはスペーサ部材27を介してC形チャンネル状のハンガーレール28が取り付けられている。そして、図10に示すように、上記外枠24の上辺の両端部には上記ハンガーレール28のC形溝に嵌る吊車29が取り付けられ、該外枠24の下辺の両端部には上記ガイドレール26の凹溝に嵌るガイドローラ30が取り付けられている。この状態で、図12に示すように、上記外枠24の上辺の吊車29を上記ハンガーレール28のC形溝に嵌めて係合し、該外枠24の下辺のガイドローラ30を上記ガイドレール26の凹溝に嵌める。これにより、上記外枠24及び緑化パネル体1が、上記ハンガーレール28及びガイドレール26に係合して壁面2に略平行にスライド可能に組み合わされる。
【0046】
なお、図12に示すように、外枠24の下辺部には例えばピン状の外枠固定部材31が設けられ、下階張出床部3aの対応箇所には上記外枠固定部材31が嵌り得る固定用受穴32が形成されている。そして、上記外枠固定部材31を押し下げて固定用受穴32に嵌合することにより、外枠24及び緑化パネル体1がスライドしないように固定し、外枠固定部材31を引き上げて固定用受穴32から抜き出すことにより、外枠24及び緑化パネル体1をスライド可能とする。
【0047】
さらに、この実施形態では、図11に示すように、上記ハンガーレール28及びガイドレール26の端末部にてその延長線上には、収納用レール部材33a,33b,33cが設けられている。この収納用レール部材33a,33b,33cは、図10及び図12に示すハンガーレール28及びガイドレール26と同様に構成されている。そして、第1の収納用レール部材33aは、上記ハンガーレール28及びガイドレール26の延長線上に設置され、第2の収納用レール部材33bは、建物の壁面2の近傍にて上記第1の収納用レール部材33aと平行に設置され、第3の収納用レール部材33cは、上記第1の収納用レール部材33aに直交して配置され、第2の収納用レール部材33bとの間を橋渡しするように設けられている。
【0048】
このような構成により、図11に示すように、図2に示すと同様にして緑化パネル体1を外枠24に対して蝶番10を中心にして矢印B方向に回動することができる。また、上記緑化パネル体1を矢印B方向と反対方向に回動して閉じた状態にて、上記ハンガーレール28及びガイドレール26を利用して、緑化パネル体1(1a)を図11において左側に矢印C方向にスライドさせ、符号1bの位置までスライドしたらその緑化パネル体1の先頭側の吊車29とガイドローラ30とを第3の収納用レール部材33cに係合させて矢印D方向に略90度向きを変え、その後は第1の収納用レール部材33a及び第2の収納用レール部材33bの案内で建物の壁面2に略直交する向き(符号1d)で矢印E方向にスライドして張出床部3の一端部側に収納することができる。
【0049】
図13は、建物の張出床部3の外側辺近傍に設置された複数個の緑化パネル体1を建物の壁面2に平行に順次スライドさせて、張出床部3の一端部側に設けられた収納場所34に順次収納する状態を示す説明図である。
【0050】
このような実施形態によれば、緑化植物9が生長できる状態で支持された緑化パネル体1を建物の張出床部3にて建物の壁面2側に向けて回動して緑化植物9に対して水やり等の管理や、枝葉の切除等の手入れなどができる。この場合も、通常のビルや集合住宅等のベランダに設置して建物緑化が実現でき、そのベランダの内側に向けて緑化パネル体1を回動することにより、容易に緑化植物9に対する管理や、手入れなどができる。また、上記緑化パネル体1を収納用レール部材33a〜33cを利用して収納場所34に収納することにより、台風や大雨等の自然災害から緑化植物9を保護することができる。
【0051】
図14は、上述の第2の実施形態による建物緑化構造体の他の実施例を示す平面図である。この実施形態は、建物の壁面2の外側に張り出した張出床部3の幅が狭くて壁面2からハンガーレール28及びガイドレール26までの寸法Dが十分に取れない場合の工夫を凝らしたものである。この場合は、上記張出床部3の一方の隅部に奥行きが大きい作業場所37があることが前提となる。そして、図11と同じように、張出床部3の外側辺近傍にハンガーレール28及びガイドレール26が設置されると共に、その後方において建物の壁面2との間に、上記ハンガーレール28及びガイドレール26と同様に構成された退避用レール部材26′,28′が平行に設けられ、さらに、上記作業場所35の領域には、上記ハンガーレール28及びガイドレール26と退避用レール部材26′,28′とをUターン状に結ぶ方向変換用レール部材35a,35bが設けられている。
【0052】
図15は、上記方向変換用レール部材35a,35bを示す拡大平面図である。上記平行に設けられたハンガーレール28及びガイドレール26と退避用レール部材26′,28′の先頭側に第1の方向変換用レール部材35aが曲率半径Rで設けられ、それより緑化パネル体1の1枚分だけ手前側に第2の方向変換用レール部材35bが同じく曲率半径Rで設けられている。この第2の方向変換用レール部材35bが、上記ハンガーレール28及びガイドレール26と退避用レール部材26′,28′の組み合わせに結合する部位には、レールが分岐する分岐部36a,36bが形成されている。そして、この分岐部36a,36bを利用して、1枚の緑化パネル体1の前後の吊車29,29及びガイドローラ30,30がUターンし、上記緑化パネル体1が符号1p,1q,1rで示すように方向変換して、後方の退避用レール部材26′,28′に移行してゆく。このとき、図14に示すように、上記方向変換用レール部材35a,35bの位置で緑化パネル体1が方向変換したところで、前述のように上記緑化パネル体1を矢印B方向に回動して緑化植物9に対する管理や、手入れなどを行うことができる。
【0053】
図16は第3の実施形態による建物緑化構造体を示す正面図であり、図17はその平面図である。この実施形態は、緑化パネル体1を、建物の壁面2に沿って外側に張り出した張出床部3の外側辺近傍にて上部及び下部に設置されたレール部材に係合させて該壁面2に略平行にスライド可能に組み合わせたものである。すなわち、図1に示す緑化パネル体1を、図10に示す下部のガイドレール26と上部のハンガーレール28との間に係合させて壁面2に略平行にスライド可能に組み合わせている。
【0054】
さらに、この実施形態では、図17に示すように、図11と同様にして上記ハンガーレール28及びガイドレール26の端末部にてその延長線上には、収納用レール部材33a,33b,33cが設けられている。この収納用レール部材33a,33b,33cは、図16に示すハンガーレール28及びガイドレール26と同様に構成されている。そして、第1の収納用レール部材33aは、上記ハンガーレール28及びガイドレール26の延長線上に設置され、第2の収納用レール部材33bは、建物の壁面2の近傍にて上記第1の収納用レール部材33aと平行に設置され、第3の収納用レール部材33cは、上記第1の収納用レール部材33aに直交して配置され、第2の収納用レール部材33bとの間を橋渡しするように設けられている。
【0055】
このような構成により、上記ハンガーレール28及びガイドレール26を利用して、緑化パネル体1(1a)を図17において左側に矢印C方向にスライドさせ、符号1bの位置までスライドしたらその緑化パネル体1の先頭側の吊車29とガイドローラ30とを第3の収納用レール部材33cに係合させて矢印D方向に略90度向きを変える。この状態で、緑化パネル体1の緑化植物9に対して水やり等の管理や、枝葉の切除等の手入れなどができる。その後は第1の収納用レール部材33a及び第2の収納用レール部材33bの案内で建物の壁面2に略直交する向き(符号1d)で矢印E方向にスライドして張出床部3の一端部側に収納することができる。
【0056】
このような実施形態によれば、緑化植物9が生長できる状態で支持された緑化パネル体1を建物の張出床部3にて建物の壁面2側に向けて位置変更して緑化植物9に対して水やり等の管理や、枝葉の切除等の手入れなどができる。この場合も、通常のビルや集合住宅等のベランダに設置して建物緑化が実現でき、そのベランダの内側に向けて緑化パネル体1を位置変更することにより、容易に緑化植物9に対する管理や、手入れなどができる。また、上記緑化パネル体1を収納場所に収納することにより、台風や大雨等の自然災害から緑化植物を保護することができる。
【0057】
なお、以上の説明では、緑化パネル体1の一側辺部を中心にして該緑化パネル体1を建物の壁面2側に向けて所定角度まで位置変更可能又は回動可能としたが、本発明はこれに限られず、緑化パネル体1の横幅方向の中央部の縦軸を中心にして例えば180度回動可能に取り付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】第1の実施形態による建物緑化構造体を示す正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の右側断面図である。
【図4】緑化パネル体を通常のビルや集合住宅等の各階の張出床部に多数個設置した状態を示す説明図である。
【図5】第1の実施形態による建物緑化構造体の第2の実施例を示す正面図である。
【図6】図5の右側断面図である。
【図7】第1の実施形態による建物緑化構造体の第3の実施例を示す正面図である。
【図8】図7の平面図である。
【図9】図7の右側断面図である。
【図10】第2の実施形態による建物緑化構造体を示す正面図である。
【図11】図10の平面図である。
【図12】図10の右側断面図である。
【図13】複数個の緑化パネル体を建物の壁面に平行にスライドさせて、張出床部の一端部側に設けられた収納場所に順次収納する状態を示す説明図である。
【図14】第2の実施形態による建物緑化構造体の他の実施例を示す平面図である。
【図15】上記他の実施例における方向変換用レール部材を示す拡大平面図である。
【図16】第3の実施形態による建物緑化構造体を示す正面図である。
【図17】図16の平面図である。
【符号の説明】
【0059】
1…緑化パネル体
2…建物の壁面
3…張出床部
4…支柱
5…枠体
6…メッシュ状支持部材
7…植栽容器
9…緑化植物
10…蝶番
11…ストッパ片
12…ロック装置
16…給水管
17…肥料供給管
20…係止具
21…植栽基盤
24…外枠
26…ガイドレール
28…ハンガーレール
29…吊車
30…ガイドローラ
31…外枠固定部材
33a〜33c…収納用レール部材
34…収納場所
35a,35b…方向変換用レール部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体の内側空間に、緑化植物が生長できる状態で支持された植物支持パネルを取り付けた緑化パネル体を、建物の壁面に沿って外側に張り出した張出床部の外側辺近傍にて該壁面に略平行に設け、上記緑化パネル体を建物の壁面側に向けて所定角度まで位置変更可能としたことを特徴とする建物緑化構造体。
【請求項2】
枠体の内側空間に、緑化植物が生長できる状態で支持された植物支持パネルを取り付けた緑化パネル体を、建物の壁面に沿って外側に張り出した張出床部の外側辺近傍にて上下方向に設置された支柱を用いて該壁面に略平行に設け、上記支柱に取り付けられた緑化パネル体の一側辺部を中心にして該緑化パネル体を建物の壁面側に向けて所定角度まで回動可能としたことを特徴とする建物緑化構造体。
【請求項3】
枠体の内側空間に、緑化植物が生長できる状態で支持された植物支持パネルを取り付けた緑化パネル体を、該緑化パネル体の周囲を囲む外枠の内側に一側辺部の縦軸を中心にして回動可能に取り付け、上記外枠を、建物の壁面に沿って外側に張り出した張出床部の外側辺近傍にて上部及び下部に設置されたレール部材に係合させて該壁面に略平行にスライド可能に組み合わせ、上記外枠に取り付けられた緑化パネル体の一側辺部を中心にして該緑化パネル体を建物の壁面側に向けて所定角度まで回動可能とすると共に、上記レール部材の端末部に設けられた収納用レール部材を利用して収納可能としたことを特徴とする建物緑化構造体。
【請求項4】
枠体の内側空間に、緑化植物が生長できる状態で支持された植物支持パネルを取り付けた緑化パネル体を、建物の壁面に沿って外側に張り出した張出床部の外側辺近傍にて上部及び下部に設置されたレール部材に係合させて該壁面に略平行にスライド可能に組み合わせ、上記緑化パネル体を上記レール部材の端末部に設けられた収納用レール部材の位置までスライドし、該収納用レール部材を利用して建物の壁面側に向けて所定角度まで位置変更可能とすると共に、上記収納用レール部材を利用して収納可能としたことを特徴とする建物緑化構造体。
【請求項5】
上記植物支持パネルは、緑化植物を支持するためのメッシュ状支持部材と、このメッシュ状支持部材の下部に配置され緑化植物を生長させるための植栽容器とから成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の建物緑化構造体。
【請求項6】
上記植物支持パネルは、緑化植物を支持するための多孔質構造を有する植栽基盤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の建物緑化構造体。
【請求項7】
上記植物支持パネルは、上記枠体に対して着脱可能とされたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の建物緑化構造体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−107275(P2007−107275A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−299160(P2005−299160)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(505299958)
【Fターム(参考)】