説明

建築廃木材の無害堆肥化方法

【課題】 建築廃木材などの有害有機廃棄物の重金属除去と堆肥化は別々に行う必要があり、コスト及び時間の無駄となる。これらを同時に行うことで、有害有機廃棄物を短時日、低コストで無害な堆肥とすることが必要とされている。
【解決手段】 フェリハイドライトは重金属とキレート結合をし、重金属を不活性化させる作用があるとともに、微生物の活動を活性化させる作用も有する。フェリハイドライトは、鉄イオン含有液と有機廃棄物とを混合することにより生成される。このようにして生成された混合物を、温度と水分率とを調整しながら発酵させることで、重金属の除去と堆肥化を短時日で行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機廃棄物に含まれる有害な重金属を無害化するとともに、短時日で発酵堆肥化して有機廃棄物の有効利用を図る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
建築廃木材などの有機廃棄物は、処分場の容量が不足していることから埋設することが困難となってきており、焼却処分をするには二酸化炭素やダイオキシンが発生し環境負荷が大きい。したがって建築廃木材などの有機廃棄物をリサイクルして大地に還元再利用する技術が必要とされている。
【0003】
建築廃木材は、銅、水銀、鉛など有害重金属を含むことが多い。これらの重金属は、生態系に深刻な悪影響を及ぼすことが知られている。これらの有害重金属類を低害化する方法は、特許文献1、2などに開示されている。これらの方法は有害重金属の捕集や低害化処理に関するもので、建築廃木材の低害化にも適用可能と考えられる。
【0004】
また建築廃木材はリグニンやセルロースのような難分解性物質を含むため、有害有機物を分解し堆肥化するには通常約2年を要する。この問題を解決するため、特許文献3ではより短時日で堆肥化する方法を開示している。この方法によると、リグニンやセルロースを含む植物発生材に小麦フスマ及びその末粉を加え発酵させることで、30から90日で窒素含有物の少ない堆肥を得ることができる。
【0005】
また建築廃木材を含む有機廃棄物の堆肥化及び重金属の低害化を同時に行う方法として、特許文献4または5に示されているように、フェリハイドライトを用いる方法がある。フェリハイドライトは表面で変異荷電特性をもつOH基が、プラスのイオンを持つ重金属を吸着、キレート結合し、固定、不活性化させる性質を有するため、有機廃棄物の有害な重金属成分を減少させることができる。またフェリハイドライトは、微生物の活動を活性化する作用があるため、有機物の発酵を促進させることもできる。さらにフェリハイドライトは有機廃棄物を吸着する作用があることもわかっている。
【特許文献1】特開平10−24276号公報
【特許文献2】特開平2001−145859号公報
【特許文献3】特開2002−1260号公報
【特許文献4】WO02/078871号公報
【特許文献5】特開2003−335792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし以上のような方法を用いても、有害重金属を含む有機廃棄物の堆肥化と重金属の低害化を同時にかつ短時日で行うことは不可能だった。堆肥化及び重金属の低害化を別々に行う場合や長時日を要する場合は、処理効率が悪くなり、さらに処理コストの増大を招く結果となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者らは、フェリハイドライトを用いて重金属を含む有機廃棄物を堆肥化及び低害化する場合に、温度と水分率を調整することで、重金属を含む有機廃棄物の低害化と堆肥化を同時かつ短時日で行う方法を完成するに至った。
【0008】
すなわち、第一の発明は、有機廃棄物をチップ化し、チップ状有機廃棄物とするチップ化ステップと、前記チップ状有機廃棄物をpH2以上3以下の強酸性液に浸漬する浸漬ステップと、前記浸漬ステップ後に取り出したチップ状有機廃棄物、土壌菌、土壌菌の栄養分、及び鉄イオン含有液とを混合して混合物を生成する混合物生成ステップと、前記混合物の温度と水分率を調整しながら前記チップ状有機廃棄物を発酵させる発酵ステップとからなる、有機廃棄物無害堆肥化方法を提供する。前記チップ状有機廃棄物の大きさは1mm以上200mm以下とするのが好ましい。また、前記発酵ステップにおける水分率は60%以上70%以下であるのが好ましい。また、前記発酵ステップは、70℃以上85℃以下で前記チップ状有機廃棄物を発酵させる第一発酵ステップと、50℃以上60℃以下で前記チップ状有機廃棄物を発酵させる第二発酵ステップと、からなるのが好ましい。また、前記鉄イオン含有液は、pHが5以上7以下であるのが好ましい。また、前記鉄イオン含有液は、前記チップ状有機廃棄物と反応してフェリハイドライトを生成可能であるのが好ましい。また、前記有機廃棄物は、建築廃木材であっても良い。また、前記有機廃棄物は、さらに蓄糞、生ごみ、食品汚泥、のいずれか一以上を含んでいても良い。また、前記土壌菌の栄養分は、糖蜜を含んでいても良い。
【0009】
第二の発明は、鉄イオン含有液と、土壌菌と、土壌菌の栄養分と、からなる有機廃棄物と混合するための堆肥製造用混合物を提供する。前記鉄イオン含有液は、pHが5以上7以下であるのが好ましい。また、前記鉄イオン含有液は、有機廃棄物と反応してフェリハイドライトを生成可能であっても良い。また、前記有機廃棄物は、重金属を含む有機廃棄物原料から、フェリハイドライトと重金属とのキレート結合により重金属の全部又は一部を無害化した後の残渣であっても良い。また、前記有機廃棄物は、建築廃木材であるのが好ましい。また、前記有機廃棄物は、さらに蓄糞、生ごみ、食品汚泥、のいずれか一以上を含んでいても良い。また、前記土壌菌の栄養分は、糖蜜を含んでいても良い。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、有機廃棄物に含まれる重金属の低害化と、有機廃棄物の堆肥化を同時にかつ短時日で行うことができる。その結果有機廃棄物の処理効率を向上させ、さらに処理費用を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明を実施するために最適な実施形態を説明する。
【0012】
<本実施形態の概念>
図1に本実施形態の概念を表した。本実施形態は、鉄イオンと有機物との反応により生成されたフェリハイドライトのキレート効果により、建築廃木材などの有機廃棄物に含まれる重金属を低害化し、かつ有害廃棄物の堆肥化を同時に行うための堆肥製造用混合物及び有機廃棄物の低害化と堆肥化を同時に行う方法に関する。
【0013】
<本実施形態の構成>
図2に本実施形態の堆肥製造用混合物(0200)の構成を示した。堆肥製造用混合物(0200)は、有機廃棄物を低害化及び堆肥化するための混合物である。本実施形態の堆肥製造用混合物は、鉄イオン含有液(0201)と、土壌菌(0202)と、土壌菌の栄養分(0203)と、からなる。
【0014】
「鉄イオン含有液」(0201)は、主にFe2+とFe3+を含む。その他の成分として、硝酸根、亜硝酸根、リン、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、塩素、鉛、銅、亜鉛、マンガン、コバルト、ニッケル、総クロム、バナジウム、及びチタンなどを含んでいても良い。
【0015】
鉄イオン含有液に含まれる鉄は、pHによって異なる形態で存在する。pH3以下では、鉄はFe3+、pH3から4では、Fe3+とFe(OH)2+、pH4から5では、Fe3+、Fe(OH)2+及びFe(OH)+、pH5以上では、Fe(OH)2+、Fe(OH)+及びFe(OH)として存在する。また鉄イオンと有機化合物が反応してフェリハイドライトを形成するには鉄イオン含有液のpHが5以上であることが好ましい。
【0016】
「鉄イオン含有液」(0201)は、pHが5以上7以下であるのが好ましい。pHがこの範囲で、土壌菌が最も活発となり、堆肥化の効率が良くなるからである。
【0017】
「鉄イオン含有液」(0201)は、有機廃棄物と反応してフェリハイドライトを生成可能であることが好ましい。フェリハイドライトは、化学式5Fe・9HOで表される非晶質鉄水和酸化物である。ただし、フェリハイドライトはこの化学式に限定されず、他の形態で存在することもある。フェリハイドライトは水酸化鉄、2価及び3価鉄イオンから化学式1〜3のような反応により生成されると考えられている。以下の式は例であって、この例に限られるものではない。
【化1】

【化2】

【化3】

【0018】
フェリハイドライトは、重金属を吸着、キレート化合物を形成し、重金属を不活性化させる性質を有することがわかっている。キレート化合物とは、1個の分子またはイオンの持つ2個以上の配位原子が、金属イオンを挟むようにしてできた環構造である。重金属と結合してキレート化合物を形成する多座配位子をキレート剤といい、フェリハイドライトの他に、ジメチルグリオキシム、ジチゾン、オキシン、アセチルアセトン、グリシンなどがある。フェリハイドライトは比表面積が180から200m/gと大きく、重金属を吸着できる面積が広いため、重金属を含む有機廃棄物の低害化を行うのに適している。
【0019】
重金属とは、一般に単体の密度が4.0g/cm以上の金属元素をいう。スカンジウム以外の遷移金属、スズ、鉛、ビスマス、亜鉛、カドミウム、水銀などはいずれも重金属である。重金属は生態系にさまざまな悪影響を及ぼすことがわかっている。したがって重金属を含んだまま有機廃棄物を堆肥化すると、土壌が重金属で汚染され、近隣の生態系に悪影響を与える。本発明では重金属を低害化することでこのような被害を避けることができる。
【0020】
またフェリハイドライトは、負電荷を持つ有機化合物の官能基とキレート結合して凝集する性質、及び鉄水和酸化物による有機化合物の分解を触媒する性質を有するため、有機化合物の吸着分解、不活性化により、ホルムアルデヒドなどの有害な有機化合物を含む有機廃棄物の浄化を行うことが可能となる。
【0021】
鉄イオンはフェリハイドライトの原料となるだけでなく、微生物の活動を活発にさせる効果もある。したがって、鉄イオン含有液を土壌菌と混合することで、土壌菌の活動を活発にし、発酵を促進させ、より短時日で堆肥化を行うことができる。
【0022】
「土壌菌」(0202)は有機廃棄物を堆肥化するために用いられるものであり、硫黄細菌群、麹菌群、枯草菌群、乳酸菌群、酵母菌群、担子菌群、放線菌群のいずれか一種以上からなる。これらの土壌菌を用いることにより、有機廃棄物に含まれるホルムアルデヒド、クロルピリホス、ダイアノジン、フェノルカルプなどの有害化学物質を無害な有機物に分解することができる。土壌菌は好気性菌と通性嫌気性菌とをそれぞれ約50%ずつ含有するのが好ましい。好気性菌は酸素の多い環境で活動し、通性嫌気性菌は酸素の少ない環境で活動する菌である。このような配合率にすることで、有機物の酸化分解と還元分解をスムーズに行うことができる。
【0023】
「土壌菌の栄養分」(0203)は、「土壌菌」(0202)の活動を活性化させるための物質である。土壌菌の栄養分の例として、でんぷん、窒素化合物、リン化合物、種皮類、搾油かす、コーヒーかすなどが挙げられる。
【0024】
「土壌菌の栄養分」(0203)としては糖蜜を含むことが好ましい。糖蜜とは、甘しゃ(サトウキビ)の糖汁から原糖(粗糖)を製造、または原糖を精製する際や、甜菜から甜菜糖を生産する際に発生する副産物で比重1.4の、粘着性のある茶褐色の液体である。砂糖製造の副産物であり、その中には40%から60%の糖分が含まれている。糖蜜はこのように自然物から精製されるので、環境に悪影響を与えることがない。
【0025】
有機廃棄物は、土壌菌が分解できる有機物であれば全て含まれる。具体的には、生ごみ、蓄糞、食品汚泥、古紙、汚泥などが挙げられる。
【0026】
本発明においては、有機廃棄物として建築廃木材とすることができる。建築廃木材とは、木造住宅の使用後の柱、床、壁等に用いられている木材であって、このような木造住宅を破壊して得た廃木材を指す。建築廃木材はリグニンやセルロースなどの難分解物質を多く含むため、従来の技術では堆肥化に約2年の時日を必要としていたが、本実施形態では、約6ヶ月で堆肥化を行うことができ、かつ重金属の低害化を同時に行うことができる。
【0027】
有機廃棄物は、さらに蓄糞、生ごみ、食品汚泥、のいずれか一以上を含んでいても良い。蓄糞とは、牛、豚、鶏などの糞である。生ごみとは、家庭や食品工場から廃棄される食品の廃棄物である。食品汚泥とは、家庭や食品工場から廃棄される有機物である。これらの有機廃棄物は、土壌菌の栄養分ともなり、土壌菌の活動を活発にさせるため、堆肥化をより短時日で行うことができる。
【0028】
十分な時日が経過した後の堆肥製造用混合物における有機廃棄物は、重金属を含む有機廃棄物原料から、フェリハイドライトと重金属とのキレート結合により重金属の全部又は一部を無害化した後の残渣となる。この残渣は、重金属が生態系に害を及ぼさない程度に低害化されたものである。
【0029】
<本実施形態の処理の流れ>
図3に本実施形態の有機廃棄物無害堆肥化方法の具体的な処理の流れの一例を表した。本実施形態の有機廃棄物無害堆肥化方法は、チップ化ステップ(S0301)と、浸漬ステップ(S0302)と、混合物生成ステップ(S0303)と、発酵ステップ(S0304)とからなる。
【0030】
チップ化ステップ(S0301)は、有機廃棄物をチップ化し、チップ状有機廃棄物とする。このようにチップ化するのは、有機廃棄物の比表面積を増やすことで、フェリハイドライトや土壌菌との接触機会を増やし、堆肥化及び重金属の低害化を促進させるためである。
【0031】
チップ状有機廃棄物は、大きさを1mm以上200mmとするのが好ましい。チップ状有機廃棄物の大きさを1mm以下とすると、有機廃棄物の体積が増加し、処理効率が悪くなるため好ましくない。また、チップ状有機廃棄物の大きさを200mm以上とすると、有機廃棄物の比表面積が小さく、堆肥化及び重金属の低害化が十分に行われないおそれがあるため好ましくない。
【0032】
浸漬ステップ(S0302)では、前記チップ状有機廃棄物をpH2以上3以下の強酸性液に浸漬する。このステップでは、強酸性の溶液によりにチップ状有機廃棄物に含まれる土壌菌以外の雑菌を死滅させることを目的とする。pHをこのように限定したのは、pH2以下では、チップ状有機廃棄物が強酸性溶液と反応するおそれがあり、pH3以上では雑菌が死滅しないからである。浸漬時間は30分から1時間であることが好ましい。この程度の時間で雑菌は死滅するからである。
【0033】
浸漬ステップ(S0302)で用いる強酸性液は、鉄イオン含有液としても良い。鉄イオン含有液は有機廃棄物と反応してフェリハイドライトを生成し、生成されたフェリハイドライトと重金属とのキレート反応により、重金属が低害化される。
【0034】
混合物生成ステップ(S0303)では、浸漬ステップ(S0302)後に取り出したチップ状有機廃棄物、土壌菌、土壌菌の栄養分、及び鉄イオン含有液とを混合して混合物を生成する。土壌菌、土壌菌の栄養分及び鉄イオン含有液については、前述したとおりである。
【0035】
発酵ステップ(S0304)では、前記混合物の温度と水分率を調整しながら前記チップ状有機廃棄物を発酵させる。このステップでは、チップ状有機廃棄物を発酵させるだけでなく、温度と水分率を調整することで、堆肥化及び重金属の低害化を促進し、処理効率が向上する。発酵ステップは約6ヶ月の時日を要する。
【0036】
発酵ステップ(S0304)における水分率は60%以上70%以下であることが好ましい。さらに好ましくは、水分率は65%である。水分率をこのように調整すると土壌菌の活動が最も活発となるからである。
【0037】
図4に、発酵ステップがさらに、第一発酵ステップ(S0404)と第二発酵ステップ(S0405)の2つのステップに分かれている場合の処理の流れを示す。チップ化ステップ(S0401)、浸漬ステップ(S0402)、混合物生成ステップ(S0403)については、図3と同様である。
【0038】
第一発酵ステップ(S0404)は、70℃以上85℃以下で前記チップ状有機廃棄物を発酵させる。このステップでは、鉄イオン含有液を散布しながら水分率を調整して堆積発酵させ、これを数回繰り返す。このステップは約5〜7日を要する。
【0039】
第二発酵ステップ(S0405)では、50℃以上60℃以下で前記チップ状有機廃棄物を発酵させる。このステップは50日〜6ヶ月を要する。このように発酵ステップを2つに分けることで、堆肥化をより効率的に行うことができ、処理に要する時日を短縮することができる。
【実施例1】
【0040】
以下、本実施形態の実施例を説明する。鉄イオン含有液として用いた株式会社テクノ大地製「テクノ大地X」の成分を表1に示す。また土壌菌として同社製「テクノブレンド」、土壌菌の栄養分として糖蜜を用いた。
【0041】
建築廃木材200kgを、シュレッダーにより破砕して細分化した後、テクノ大地Xに約30分浸漬し、建築廃木材に付着している雑菌を死滅させた。その後取り出した建築廃木材を水切りして、テクノ大地X20l、糖蜜0.2?、テクノブレンド0.2kg、鶏糞40kgを混合して混合物とした。混合物に水分を加え、水分率が65%、温度が75℃となるように調整して一次発酵を行った。一次発酵を開始してから7日間でテクノ大地X及び水分の散布を数回行って、温度と水分率の調整を行った。
【0042】
次に混合物の温度を60℃、水分率を65%として二次発酵を行った。二次発酵を開始してから、6ヶ月経過後、建築廃木材は堆肥化され、重金属も生態系に害を及ぼさない程度に低害化された。
【0043】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の概念を表した図。
【図2】本発明の堆肥製造用混合物の構成を表した図。
【図3】本発明の処理の流れの一例を表した図。
【図4】本発明の処理の流れの別の一例を表した図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機廃棄物をチップ化し、チップ状有機廃棄物とするチップ化ステップと、
前記チップ状有機廃棄物をpH2以上3以下の強酸性液に浸漬する浸漬ステップと、
前記浸漬ステップ後に取り出したチップ状有機廃棄物、土壌菌、土壌菌の栄養分、及び鉄イオン含有液とを混合して混合物を生成する混合物生成ステップと、
前記混合物の温度と水分率を調整しながら前記チップ状有機廃棄物を発酵させる発酵ステップとからなる、有機廃棄物無害堆肥化方法。
【請求項2】
前記チップ状有機廃棄物の大きさが1mm以上200mm以下である、請求項1に記載の有機廃棄物無害堆肥化方法。
【請求項3】
前記発酵ステップにおける水分率は60%以上70%以下である、請求項1または2に記載の有機廃棄物無害堆肥化方法。
【請求項4】
前記発酵ステップが、
70℃以上85℃以下で前記チップ状有機廃棄物を発酵させる第一発酵ステップと、
50℃以上60℃以下で前記チップ状有機廃棄物を発酵させる第二発酵ステップと、からなる請求項1から3のいずれか一に記載の有機廃棄物無害堆肥化方法。
【請求項5】
前記鉄イオン含有液は、pHが5以上7以下である、請求項1から4のいずれか一に記載の有機廃棄物無害堆肥化方法。
【請求項6】
前記鉄イオン含有液は、前記チップ状有機廃棄物と反応してフェリハイドライトを生成可能である、請求項1から5のいずれか一に記載の有機廃棄物無害堆肥化方法。
【請求項7】
前記有機廃棄物は、建築廃木材である、請求項1から6のいずれか一に記載の有機廃棄物無害堆肥化方法。
【請求項8】
前記有機廃棄物は、さらに蓄糞、生ごみ、食品汚泥、のいずれか一以上を含む、請求項7に記載の有機廃棄物無害堆肥化方法。
【請求項9】
前記土壌菌の栄養分は、糖蜜を含む、請求項1から8のいずれか一に記載の有機廃棄物無害堆肥化方法。
【請求項10】
鉄イオン含有液と、土壌菌と、土壌菌の栄養分と、からなる有機廃棄物と混合するための堆肥製造用混合物。
【請求項11】
前記鉄イオン含有液は、pHが5以上7以下である請求項10に記載の堆肥製造用混合物。
【請求項12】
前記鉄イオン含有液は、有機廃棄物と反応してフェリハイドライトを生成可能である、請求項10または11に記載の堆肥製造用混合物。
【請求項13】
前記有機廃棄物は、重金属を含む有機廃棄物原料から、フェリハイドライトと重金属とのキレート結合により重金属の全部又は一部を無害化した後の残渣である請求項12に記載の堆肥製造用混合物。
【請求項14】
前記有機廃棄物は、建築廃木材である請求項10から13のいずれか一に記載の堆肥製造用混合物。
【請求項15】
前記有機廃棄物は、さらに蓄糞、生ごみ、食品汚泥、のいずれか一以上を含む請求項14に記載の堆肥製造用混合物。
【請求項16】
前記土壌菌の栄養分は、糖蜜を含む請求項10から15のいずれか一に記載の堆肥製造用混合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−45661(P2007−45661A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−231466(P2005−231466)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(505302579)
【出願人】(505303026)
【出願人】(505302982)
【Fターム(参考)】