説明

建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法、建築用断熱材製造用着色樹脂予備発泡粒子及び建築用断熱材

【課題】着色むらが無く、一様に着色した建築用断熱材を容易に製造することができる建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法の提供。
【解決手段】染料で着色された建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、染料としてSolventBlue78を含有するとともに、難燃剤を含有していることを特徴とする建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子。ポリスチレン系樹脂粒子を耐圧容器内に入れ、さらに染料、発泡剤及び難燃剤を投入してポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤、染料及び難燃剤を含浸させて建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造する方法において、前記染料がSolventBlue78を含有し、該染料を水性媒体に予め分散させて投入することを特徴とする建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡剤を含み、着色されたポリスチレン系樹脂粒子からなる建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法に関し、特に、着色むらが無く、一様に着色した建築用断熱材を容易に製造することができる建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法、建築用断熱材製造用着色樹脂予備発泡粒子及び建築用断熱材に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリスチレン系樹脂の発泡成形体は、運搬用容器や、包装用容器として広く利用されている。そのうち、建築用断熱材の用途などでは他容器と区別する目的や、意匠性を高める為に着色して使用されている。
例えば、建築用断熱材ではブルー、パープル、オレンジ、グリーン等に着色された発泡成形体を使用する。また、グレー色に着色しておくと、汚れが目立たないという利点があるので、構造部材として使用する用途にはグレー色に着色されることが多い。グレー色に着色された発泡成形体を製造するには、着色剤としてこれまでカーボンブラックが用いられるのが一般的であった。
しかし、カーボンブラックを含んだ発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造するには、ポリスチレン系樹脂の重合段階で添加する必要があり、発泡剤を含浸させるときに樹脂粒子にカーボンブラックを吸収させることができず製造工程が煩雑になる。
【0003】
一般に、着色された発泡性樹脂粒子を作るには、幾つかの方法が知られている。
例えば、特許文献1(特公平6−10270号公報)、特許文献2(特公平6−23266号公報)にあるように、発泡剤の添加過程で染料を添加する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平6−10270号公報
【特許文献2】特公平6−23266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の方法では、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子への着色にムラが生じ易くなる傾向にあった。特に、2種以上の染料を混合して使用する場合に着色むらが生じ易く、発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を用いて製造した発泡成形体は、外観に劣るものとなりやすかった。
また、上述した従来方法において染料又は顔料の離脱を防止するためには、被覆剤を用いて染料又は顔料を樹脂粒子表面に被覆する方法があるが、この方法では内部までむらなく着色することができないだけでなく、被覆工程が余分に必要なために製造工程が複雑になるという欠点があった。
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、着色むらが無く、一様に着色して外観が美麗な建築用断熱材を容易に製造することができる建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法、建築用断熱材製造用着色樹脂予備発泡粒子及び建築用断熱材の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために、染料で着色された建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、染料としてSolventBlue78を含有するとともに、難燃剤を含有していることを特徴とする建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を提供する。
【0008】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、SolventBlue78を0.003〜0.4質量%の範囲で含有することが好ましい。
【0009】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、難燃剤として臭素系難燃剤を含有することが好ましい。
【0010】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、SolventBlue78と併用して、青色以外のアントラキノン系染料、アゾ系染料、キノリン系染料から成る群から選択される1種又は2種以上の染料を含有する構成としてもよい。
【0011】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子中に、ポリオレフィン系樹脂が含有されている構成としてもよい。
【0012】
また本発明は、ポリスチレン系樹脂粒子を耐圧容器内に入れ、さらに染料、発泡剤及び難燃剤を投入してポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤、染料及び難燃剤を含浸させて建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造する方法において、
前記染料がSolventBlue78を含有し、該染料を水性媒体に予め分散させて投入することを特徴とする建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法を提供する。
【0013】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法において、ポリスチレン系樹脂粒子を水系媒体とともに耐圧容器内に入れ、前記染料を投入してポリスチレン系樹脂粒子に染料を吸収させた後、該容器内に発泡剤と難燃剤を投入して該容器内を60℃以上に昇温し、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤と難燃剤を吸収させることが好ましい。
【0014】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法において、発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子中のSolventBlue78の含有量が0.003〜0.4質量%の範囲であることが好ましい。
【0015】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法において、難燃剤として臭素系難燃剤を含有することが好ましい。
【0016】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法において、SolventBlue78と併用して、青色以外のアントラキノン系染料、アゾ系染料、キノリン系染料から成る群から選択される1種又は2種以上の染料を含有する構成としてもよい。
【0017】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法において、発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子中に、ポリオレフィン系樹脂が含有されている構成としてもよい。
【0018】
また本発明は、前記建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を加熱し予備発泡させて得られた建築用断熱材製造用着色樹脂予備発泡粒子を提供する。
【0019】
また本発明は、前記建築用断熱材製造用着色樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し加熱して型内発泡成形して得られ、JIS A 9511に基づいて測定された熱伝導率が0.045W/(m・K)以下であり、かつJIS A 9511に記載された燃焼性の基準を満たしている建築用断熱材を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、染料で着色された発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、染料としてSolventBlue78を含有するものなので、着色むらが無く、一様に着色した建築用断熱材を容易に製造することができる。
また、SolventBlue78は、異なる色の染料を複数種組み合わせてポリスチレン系樹脂粒子の表面に含浸させることで、目的の混色を美麗かつ均一に着色できることから、着色のバリエーションを増やすことができる。
【0021】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法は、前述した通り美麗に着色された建築用断熱材が得られる建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を容易且つ低コストで製造することができる。
【0022】
本発明の建築用断熱材は、染料としてSolventBlue78を含有するものなので、着色むらが無く、一様に着色した美麗な外観を有し、またJIS A 9511に基づいて測定された熱伝導率が0.045W/(m・K)以下であり、かつJIS A 9511に記載された燃焼性の基準を満たす難燃性を有しているものなので、建築用断熱材として極めて有用である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、染料で着色された建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、染料としてSolventBlue78を含有するとともに、難燃剤を含有していることを特徴としている。
【0024】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子に用いられるポリスチレン系樹脂粒子としては、例えば、次の(1)〜(3)の製造方法で得られたポリスチレン系樹脂粒子を使用できる。
(1)水系懸濁液中にスチレン系単量体を主成分とする重合性単量体を分散させ重合を行い、ポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆる懸濁重合法、
(2)水系懸濁液中にポリスチレン系樹脂種粒子を分散させた後に、スチレン系単量体を主成分とする重合性単量体を該種粒子に吸収させて重合を行い、ポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆるシード重合法、
(3)押出機にポリスチレン系樹脂を投入して加熱溶融し、押出機吐出側に取り付けた多数の小孔を有するダイの該小孔から発泡剤混合樹脂を押し出し、その直後に水中で切断し、急冷することでポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆる溶融押出法(水中カット法などとも称される)。
【0025】
前記(1)懸濁重合法及び(2)シード重合法で用いるスチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系単量体を主成分とし、スチレン系単量体を通常、50質量%以上、好ましくは80質量%以上含む。これらのスチレン系単量体の中でも、スチレンが特に好ましい。
更にスチレン系単量体に併用可能な重合性単量体としては、スチレン系単量体と共重合可能なものであれば特に限定されず、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等が挙げられる。
【0026】
また(2)シード重合法で建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造する場合、前記懸濁重合法により得られるポリスチレン系樹脂粒子を種粒子として使用したり、ポリスチレン系樹脂を押出機によりあらかじめ所望の粒子径に調整した後、種粒子として使用しても良い。
(2)シード重合法において押出機を用いて種粒子を作製する場合、或いは(3)溶融押出法において使用するポリスチレン系樹脂は、市販されている通常のポリスチレン系樹脂、懸濁重合法などの方法で新たに作製したポリスチレン系樹脂などの、リサイクル原料でないポリスチレン系樹脂(バージンポリスチレン)を使用できる他、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたリサイクル原料を使用することができる。このリサイクル原料としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚箱、家電緩衝材、食品包装用トレーなどを回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したリサイクル原料などが挙げられる。
【0027】
前記ポリスチレン系樹脂粒子の粒子径は、特に限定されないが、成形時の成形型キャビティ内への予備発泡粒子の充填性等から、通常、0.3〜2.0mm程度であり、0.3〜1.4mmが好ましい。
【0028】
本発明において、使用するポリスチレン系樹脂の分子量は、GPC法による質量平均分子量(Mw)が17万〜70万であるのが好ましい。ポリスチレン系樹脂の分子量が17万を下回ると、最終的に得られる発泡成形体の強度が低下し、また70万を上回ると充分な発泡性が得られ難くなるので好ましくない。
【0029】
前記(1)懸濁重合法および(2)シード重合法で使用する重合開始剤としては、通常、スチレンの懸濁重合において用いられるものであれば特に限定されず、例えばラジカル発生型重合開始剤を用いることができる。具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で、または2種以上を組合わせて用いることができる。
【0030】
前記の重合において、ポリスチレン系樹脂粒子中に残留するスチレン系単量体を低減するために、高温分解型の重合開始剤を使用し、最終の重合温度を115℃以上に設定するのが好ましい。高温分解型の重合開始剤としては、例えばt−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタンなどの半減期10時間を得るための温度が100〜115℃のものが挙げられる。なお、高温分解型の重合開始剤を過剰に加えると分解副生成物であるアルコール類が発生するので好ましくない。
また、前記の重合において、ポリスチレン系樹脂粒子の分子量を調整し、単量体の残留量を減少させるという点で、10時間の半減期を得るための分解温度が80〜120℃の範囲にある重合開始剤を2種以上組合わせて用いるのが好ましい。
【0031】
前記(1)懸濁重合または(2)シード重合を行う際に、スチレン系単量体の小滴または種粒子を水系媒体中に分散させるために、懸濁剤を用いてもよい。懸濁剤としては、例えばポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子や、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難水溶性無機化合物等が挙げられる。なお、難水溶性無機化合物を用いる場合にはアニオン界面活性剤を併用するのが好ましい。
前記アニオン界面活性剤としては、例えば脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸またはその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩;アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩などが挙げられる。前記のようにして得られるポリスチレン系樹脂粒子に、懸濁重合含浸法あるいは後含浸法によって発泡剤、染料及び難燃剤を含浸させることにより、建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造することができる。
【0032】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、前記SolventBlue78の含有量は、0.003〜0.4質量%の範囲内であることが好ましく、0.005〜0.30質量%の範囲内であることがより好ましい。SolventBlue78の含有量が前記範囲未満であると、最終的に得られる建築用断熱材の着色度合が弱くなってしまう。一方、SolventBlue78の含有量が前記範囲を超えると、コスト高となるばかりか、成形性が低下する為に好ましくない。
【0033】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、SolventBlue78と色の異なる別種の染料とを含有させることによって、所望の混色に着色することもできる。混色を得るための染料の種類や組み合わせは特に限定されない。
【0034】
SolventBlue78に他の染料を組み合わせる場合、他の染料としては、例えば、SolventYellow167(COLOR INDEX GENERIC NAME、以下、同じ)、SolventYellow114、SolventYellow163、SolventYellow93、SolventYellow33、SolventYellow16、SolventGreen5、SolventYellow104、SolventOrange60、SolventYellow14、SolventOrange63、VatRed41、SolventRed149、SolventRed111、SolventRed135、SolventRed179、SolventRed146、SolventRed22、SolventRed52、SolventViolet31、SolventViolet13、DisperseBlue165、DisperseBlue15、SolventGreen3、PigmentRed170等が挙げられる。
【0035】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子に添加される難燃剤としては、この樹脂粒子から得られる建築用断熱材において十分な難燃性を付与できればよく、特に限定されず、臭素系難燃剤や無機系難燃剤などの市販の難燃剤の中から適宜選択して使用できる。このような難燃剤の中でも、臭素系難燃剤が好ましい。臭素系難燃剤としては、例えば、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、テトラブロモブタン、ヘキサブロモシクロヘキサンなどの臭素化脂肪族炭化水素系化合物、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールF、2,4,6−トリブロモフェノールなどの臭素化フェノール類、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ジグリシジルエーテルなどの臭素化フェノール誘導体などが挙げられ、
【0036】
前記難燃剤の含有量は、難燃剤を含浸させるポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して、好ましくは0.3〜2.0質量部となるように、より好ましくは0.5〜1.5質量部となるように、特に好ましくは0.7〜1.0質量部となるように調整することが好ましい。難燃剤の含有量が前記範囲よりも少ないと、得られる建築用断熱材の難燃性が低下することがある一方、多いと、得られる建築用断熱材の熱融着性や発泡成形性が低下して外観が低下することがある。
【0037】
また、前記難燃剤とともに、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンなどの難燃助剤を添加してもよい。
【0038】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子に用いられる発泡剤としては、一般の熱可塑性樹脂発泡体の製造に用いられている炭素数5以下の脂肪族炭化水素、例えばn−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等が挙げられる。
【0039】
前記発泡剤の含有量は、ポリスチレン系樹脂粒子に対して2〜10質量%の範囲が好ましく、3〜9質量%がより好ましい。前記含有量が2質量%を下回ると、低密度化が困難であるばかりでなく、成形時の二次発泡力を高める効果が得られないために発泡成形体の外観が劣るようになる。また、含有量が10質量%を上回ると、発泡成形時の収縮、予備発泡粒子中の残存ガスの調整時間の遅延、かつ成形サイクルが長くなり、生産性の点から好ましくない。
【0040】
前記建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、物性を損なわない範囲内において、従来から発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造に使用されている、可塑剤、発泡セル造核剤、充填剤、滑剤等を必要に応じて適宜使用してもよい。また、ジンクステアレート等の粉末状金属石鹸類を前記建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の表面に塗布しておけば、建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の予備発泡工程において予備発泡粒子同士の結合を減少させることができて好ましい。
【0041】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、染料としてSolventBlue78を含有するものなので、着色むらが無く、一様に着色した建築用断熱材を容易に製造することができる。
また、SolventBlue78は、異なる色の染料を複数種組み合わせてポリスチレン系樹脂粒子の表面に含浸させることで、目的の混色を美麗かつ均一に着色できることから、着色のバリエーションを増やすことができる。
【0042】
本発明に係る建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、ポリスチレン系樹脂粒子を耐圧容器内に入れ、さらに染料と発泡剤を投入してポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤、染料及び難燃剤を含浸させて建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造する際に、SolventBlue78を含有する染料を水性媒体に予め分散させて投入し、建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を得る方法によって製造される。
【0043】
本製造方法において、ポリスチレン系樹脂粒子は、分散剤を含んだ水系媒体中に分散させておくことが好ましい。
前記分散剤としては、例えばピロリン酸マグネシウム、第三リン酸カルシウム等の難水溶性無機化合物やポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子等が挙げられる。
【0044】
前記SolventBlue78を水系媒体に分散させる際に用いる界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン系界面活性剤及び非イオン系界面活性剤の中から、使用する染料の分散性等を考慮して適宜選択して用いることができる。
【0045】
本製造方法は、ポリスチレン系樹脂粒子を水系媒体とともに耐圧容器内に入れ、前記染料を投入してポリスチレン系樹脂粒子に染料を吸収させた後、該容器内に発泡剤と難燃剤を投入して該容器内を60℃以上に昇温し、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤と難燃剤を吸収させて建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造することが好ましい。
【0046】
本発明の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法は、前述した通り美麗に着色された建築用断熱材が得られる発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を容易且つ低コストで製造することができる。
【0047】
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、水蒸気加熱等により加熱して予備発泡し、建築用断熱材製造用着色樹脂予備発泡粒子(以下、予備発泡粒子と記す)とする。この予備発泡粒子は、製造するべき建築用断熱材の密度と同等の嵩密度となるように予備発泡される。本発明において、その嵩密度は限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cmの範囲内とし、0.015〜0.050g/cmの範囲内とするのが好ましい。
【0048】
なお、本発明において予備発泡粒子の嵩密度とは、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定されたものをいう。
<予備発泡粒子の嵩密度>
メスシリンダに予備発泡粒子を500cmの目盛りまで充填する。但し、メスシリンダを水平方向から目視し、予備発泡粒子が一粒でも500cmの目盛りに達していれば、充填を終了する。次に、メスシリンダ内に充填した予備発泡粒子の質量を小数点以下2位の有効数字で秤量し、その質量をW(g)とする。次式により予備発泡粒子の嵩密度を算出する。
嵩密度(g/cm)=W/500
【0049】
<予備発泡粒子の嵩発泡倍数>
また、予備発泡粒子の嵩発泡倍数は、次式により算出される数値である。
嵩発泡倍数=1/嵩密度(g/cm
【0050】
前記予備発泡粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、該予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、水蒸気加熱等により加熱して型内発泡成形し、建築用断熱材を製造する。
本発明の建築用断熱材の密度は特に限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cmの範囲内とし、0.015〜0.050g/cmの範囲内とするのが好ましい。
【0051】
なお、本発明において建築用断熱材の密度とは、JIS K7122:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」記載の方法で測定した発泡成形体密度のことである。
<発泡成形体の密度>
50cm以上(半硬質および軟質材料の場合は100cm以上)の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。
密度(g/cm)=試験片質量(g)/試験片体積(cm
試験片状態調節、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃×50%±5%または27℃±2℃×65%±5%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
【0052】
<発泡成形体の発泡倍数>
また、発泡成形体の発泡倍数は次式により算出される数値である。
発泡倍数=1/密度(g/cm
【0053】
本発明の建築用断熱材の形状や大きさは特に限定されず、ボード状などの定形タイプやそれ以外の種々の形状とすることができる。また、施工箇所に適合させるために、切断したり穴開けなどの2次加工を施してもよいし、縦横に多数配列するために端部に凹凸を設けてもよい。
【0054】
本発明の建築用断熱材は、前記建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を加熱して予備発泡し、得られた予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し加熱し型内発泡成形して得られたものなので、着色むらが無く、一様に着色した美麗な外観を有している。また、本発明の建築用断熱材は、JIS A 9511に基づいて測定された熱伝導率が0.045W/(m・K)以下であり、かつJIS A 9511に記載された燃焼性の基準を満たす難燃性を有している。従って、本発明の建築用断熱材は、建築用断熱材として極めて有用である。
【実施例】
【0055】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の例示に過ぎず、本発明は以下の実施例の記載に限定されるものではない。
以下の各実施例、比較例において、「質量部」は「部」と略記し、「質量%」は「%」と略記している。
【0056】
[実施例1]
内容積6リットルのオートクレーブに、水系媒体として純水2200部、ピロ燐酸マグネシウム5.0部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.2部、可塑剤としてシクロヘキサン45部を入れ、ホモミキサーで撹拌して懸濁液を調製し、該液中にポリスチレン系樹脂粒子(Mw:30万)2100部を加え、撹拌羽根(回転数250rpm)で撹拌し、水系媒体中に懸濁したものを30℃に保持した。
次に、2.5部のSolventBlue78を予めドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2gを含む純水100gの水系媒体中に予備分散させたものを、前記オートクレーブ内に投入し、次いで難燃剤としてテトラブロモシクロオクタン(第一工業製薬社製 商品名「ピロガードFR−200S」19部、難燃助剤としてジクミルパーオキサイド8部を投入した。
その後、発泡剤としてブタン200部を圧入した。続いてオートクレーブ内を90℃に昇温し、この温度に5時間保持した。その後、25℃まで冷却して建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を得た。
こうして得られた建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子5kgを、松坂貿易社製のレーディゲミキサーM20型(内容積20リットル)に投入した。次いでステアリン酸亜鉛2.5g、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド2.5g、ステアリン酸モノグリセライド2.5gを順次投入し230rpmで3分間撹拌した。次いで重量平均分子量300であるポリエチレングリコール2.5gを投入し230rpmで5分間撹拌し、樹脂粒子表面を被覆した。
この被覆後の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を内容量約40リットルの小型バッチ式予備発泡機に入れ、常圧下でゲージ圧力0.05MPaの水蒸気で加熱し、嵩発泡倍数50倍に予備発泡し、予備発泡粒子を得た。
得られた予備発泡粒子を20℃で24時間放置し、乾燥、熟成させた後、面圧計が取り付けられ、外寸300×400×25mmの建築用断熱材製造用のキャビティを有する金型を成形機に取付け、該キャビティ内に前記予備発泡粒子を充填し、水蒸気加熱による型内発泡成形を行った。成形機は積水工機製作所社製のACE−3SPを用い、QS成形モードでゲージ圧0.7kg/cm、金型加熱3秒、一方加熱8秒、逆一方加熱1秒、両面加熱10秒、水冷5秒、設定取出面圧0.02MPaの条件で型内発泡成形を行って建築用断熱材(発泡倍数50倍)を製造した。
得られた建築用断熱材を40℃の乾燥室に入れて1日乾燥し、外観を目視で調べ、以下の<着色むらの測定評価>に基づいて評価した。得られた建築用断熱材は、発泡粒子同士が互いによく融着し合い、美麗な青色で着色むらの少ない良質なものであった。結果を表1に記す。
【0057】
<着色むらの測定評価>
建築用断熱材を目視で確認し、主面(400×300mm)内で着色むらが発生している発泡粒の数を調べた。
前記主面内で着色むらが発生している発泡粒が3粒以下であり、かつ全体にわたり均一な着色状態であるものを、着色むら無し(良好(○))とし、前記主面内に着色むらが発生している発泡粒が3粒以上あり、さらに色の濃淡、色抜け等があるものを、着色むら有り(不良(×))として評価した。
【0058】
[実施例2]
SolventBlue78の量を0.1部としたこと以外は、実施例1と同様にして建築用断熱材を製造した。
得られた建築用断熱材は、発泡粒子同士が互いによく融着し、青色で着色むらの少ない美麗な外観であった。着色むらの評価結果を表1に記す。
【0059】
[実施例3]
SolventBlue78の量を8.5部としたこと以外は、実施例1と同様にして建築用断熱材を製造した。
得られた建築用断熱材は、発泡粒子同士が互いによく融着し、青色で着色むらの少ない美麗な外観であった。着色むらの評価結果を表1に記す。
【0060】
[実施例4]
2.7部のSolventBlue78と2.5部のDisperseRed9とを併用したこと以外は、実施例1と同様にして建築用断熱材を製造した。
得られた建築用断熱材は、発泡粒子同士が互いによく融着し、グレー色で着色むらの少ない美麗な外観であった。着色むらの評価結果を表1に記す。
【0061】
[比較例1]
染料としてSolventBlue78ではないアントラキノン系染料のSolventBlue87を同量用い、それ以外は実施例1と同様にして建築用断熱材を製造した。
得られた建築用断熱材は、青色であるが着色むらが多く、外観が劣るものであった。着色むらの評価結果を表1に記す。
【0062】
[比較例2]
染料としてSolventBlue78ではないアントラキノン系染料のSolventBlue58を同量用い、それ以外は実施例1と同様にして建築用断熱材を製造した。
得られた建築用断熱材は、青色であるが着色むらが多く、外観が劣るものであった。着色むらの評価結果を表1に記す。
【0063】
[比較例3]
染料としてSolventBlue78ではないアントラキノン系染料のSolventBlue63を2.7部と、DisperseRed9を2.5部とを併用し、それ以外は実施例1と同様にして建築用断熱材を製造した。
得られた建築用断熱材は、グレー色であるが着色むらが多く、外観が劣るものであった。着色むらの評価結果を表1に記す。
【0064】
【表1】

【0065】
表1の結果から、染料としてSolventBlue78を用いた実施例1〜4は、美麗に着色され、着色むらの少ない良質な建築用断熱材が得られた。
一方、SolventBlue78とは異なる染料を用いた比較例1〜3で得られた建築用断熱材は、着色むらが多く、外観が劣るものであった。
【0066】
[実施例1〜4の熱伝導率測定]
前記の通り製造した実施例1〜4の建築用断熱材について、下記<熱伝導率>に記した測定方法によって熱伝導率を測定した。
【0067】
<熱伝導率>
建築用断熱材から縦200mm×横200mm×厚さ25mmの直方体形状の試験片を切り出した。そして、この試験片の熱伝導率をJIS A1412に準拠して英弘精機社製の熱伝導率計(AUTO−Λ HC−072) を用いて測定温度23℃で測定した。
【0068】
その結果、実施例1〜4の建築用断熱材は、いずれも熱伝導率が0.045W(m・K)以下であり、建築用断熱材として実用上十分な断熱性を有していた。
【0069】
[実施例1〜4の難燃性試験]
前記の通り製造した実施例1〜4の建築用断熱材について、下記<難燃性>に記した測定評価方法によって難燃性を評価した。
【0070】
<難燃性>
建築用断熱材から縦200mm×横25mm×高さ10mmの直方体形状の試験片5個をバーチカルカッターにて切り出し、60℃オーブンで1日間養生後、JIS A9511−2006の測定方法Aに準じて測定を行い、5個の試験片の平均値を求め、消炎時間とし、下記基準に基づいて総合的に評価した。なお、前記JIS規格では消炎時間が3秒以内である必要があり、2秒以内であれば好ましく、1秒以内であればより好ましい。
不良(×)・・・消炎時間が3秒を超えているか、又は、試験片の1個でも残じんがあるか若しくは燃焼限界指示線を超えて燃焼する。
良好(○)・・・消炎時間が3秒以内であり、5個のサンプル全てにおいて、残じんがなく燃焼限界指示線を超えて燃焼しない。
極めて良好(◎)・・・消炎時間が1秒以内であり、5個のサンプル全てにおいて、残じんがなく燃焼限界指示線を超えて燃焼しない。
【0071】
その結果、実施例1〜4の建築用断熱材は、いずれも前記JIS規格の燃焼性(消炎時間が3秒以内)の基準を満たし、難燃性は良好(◎)であった。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、発泡剤を含み、着色されたポリスチレン系樹脂粒子からなる建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法に関し、特に、着色むらが無く、一様に着色した建築用断熱材を容易に製造することができる建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法、建築用断熱材製造用着色樹脂予備発泡粒子及び建築用断熱材を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
染料で着色された建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、
染料としてSolventBlue78を含有するとともに、難燃剤を含有していることを特徴とする建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子。
【請求項2】
SolventBlue78を0.003〜0.4質量%の範囲で含有する請求項1に記載の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子。
【請求項3】
難燃剤として臭素系難燃剤を含有する請求項1又は2に記載の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子。
【請求項4】
SolventBlue78と併用して、青色以外のアントラキノン系染料、アゾ系染料、キノリン系染料から成る群から選択される1種又は2種以上の染料を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子。
【請求項5】
発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子中に、ポリオレフィン系樹脂が含有されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子。
【請求項6】
ポリスチレン系樹脂粒子を耐圧容器内に入れ、さらに染料、発泡剤及び難燃剤を投入してポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤、染料及び難燃剤を含浸させて建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造する方法において、
前記染料がSolventBlue78を含有し、該染料を水性媒体に予め分散させて投入することを特徴とする建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
【請求項7】
ポリスチレン系樹脂粒子を水系媒体とともに耐圧容器内に入れ、前記染料を投入してポリスチレン系樹脂粒子に染料を吸収させた後、該容器内に発泡剤と難燃剤を投入して該容器内を60℃以上に昇温し、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤と難燃剤を吸収させる請求項6に記載の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
【請求項8】
発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子中のSolventBlue78の含有量が0.003〜0.4質量%の範囲である請求項6又は7に記載の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
【請求項9】
難燃剤として臭素系難燃剤を含有する請求項6〜8のいずれか1項に記載の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
【請求項10】
SolventBlue78と併用して、青色以外のアントラキノン系染料、アゾ系染料、キノリン系染料から成る群から選択される1種又は2種以上の染料を含有する請求項6〜9のいずれか1項に記載の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
【請求項11】
発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子中に、ポリオレフィン系樹脂が含有されている請求項6〜10のいずれか1項に記載の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
【請求項12】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の建築用断熱材製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を加熱し予備発泡させて得られた建築用断熱材製造用着色樹脂予備発泡粒子。
【請求項13】
請求項12に記載の建築用断熱材製造用着色樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し加熱して型内発泡成形して得られ、JIS A 9511に基づいて測定された熱伝導率が0.045W/(m・K)以下であり、かつJIS A 9511に記載された燃焼性の基準を満たしている建築用断熱材。

【公開番号】特開2012−131954(P2012−131954A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287323(P2010−287323)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】