説明

建設機械の作業灯装置

【課題】 車体に対する作業灯本体の取付姿勢を調整するときの作業性を高める。
【解決手段】 姿勢調整機構14を、作業灯支持部材15と、固定ブラケット12に挿通され一端側が作業灯支持部材15に固定された軸体18と、軸体18の他端側に取付けられたブロック体19と、固定ブラケット12とブロック体19との間に設けられた歯付き座金21及び平座金22と、作業灯支持部材15と固定ブラケット12との間に設けられた圧縮ばね23と、ブロック体19に設けられた操作レバー24とにより構成する。これにより、操作レバー24を調整位置に移動させると、ブロック体19が固定ブラケット12から離間し、各歯付き座金21に対する押圧力が解除される。この結果、ブロック体19と作業灯支持部材15とが軸体18を中心として回動可能となり、作業灯本体13を左,右方向に回動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン等の建設機械に設けられ、夜間作業時に建設機械の周囲に光を照射する建設機械の作業灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設機械の代表例としての油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより大略構成され、この作業装置によって土砂の掘削作業灯を行うものである。
【0003】
また、油圧ショベルには、夜間作業時において掘削場所や作業装置の周囲を明るく照らすための作業灯装置が設けられ、この作業灯装置は、通常、油圧ショベルの車体に固定して設けられる固定ブラケットと、該固定ブラケットに取付けられる作業灯本体と、固定ブラケットと作業灯本体との間に設けられた姿勢調整機構とにより大略構成されている。
【0004】
そして、姿勢調整機構によって固定ブラケットに対する作業灯本体の取付姿勢(向き)を調整し、作業灯から照射される光の方向を上,下方向、左,右方向に適宜に調整することにより、作業灯からの光を所望の場所に照射することができ、夜間作業時の視認性を高めることができる構成となっている。
【0005】
ここで、従来技術による作業灯装置の姿勢調整機構は、車体に固定されたブラケットと、該ブラケットにボルト及びナットを用いて上,下方向に回動可能に取付けられた取付部材と、該取付部材にボルト及びナットを用いて左,右方向に回動可能に取付けられた作業灯本体とにより構成されている。そして、取付部材に対する作業灯本体の左,右方向の回動角度を調整し、かつ、ブラケットに対する取付部材の上,下方向の回動角度を調整することにより、車体に対する作業灯本体の取付姿勢を適宜に調整し、所望の場所へと光を照射することができる構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−227521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した従来技術による作業灯装置では、車体に対する作業灯本体の取付姿勢を調整するときには、取付部材と作業灯本体との間を接続するボルト及びナットを緩めた状態で作業灯本体の左,右方向の回動角度を調整した後に、再びボルト及びナットを締付ける共に、ブラケットと取付部材との間を接続するボルト及びナットを緩めた状態で取付部材の上,下方向の回動角度を調整した後に、再びボルト及びナットを締付ける必要がある。
【0008】
このように、従来技術による作業灯装置では、作業灯本体の左,右方向の回動角度を調整する場合でも、上,下方向の回動角度を調整する場合でも、スパナ等の工具を用いてボルト及びナットを緩め、締付ける作業が必要となるため、車体に対する作業灯本体の取付姿勢を調整するために多大な時間が費やされることになり、その作業性が低下してしまうという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、車体に対する作業灯本体の取付姿勢を調整するときの作業性を高めることができるようにした建設機械の作業灯装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するため本発明は、建設機械の車体に固定して設けられる固定ブラケットと、該固定ブラケットに取付けられ前記車体の周囲に光を照射する作業灯本体と、前記固定ブラケットと作業灯本体との間に設けられ前記車体に対する前記作業灯本体の取付姿勢を調整する姿勢調整機構とからなる建設機械の作業灯装置に適用される。
【0011】
そして、請求項1の発明の特徴は、前記姿勢調整機構は、前記作業灯本体を支持する作業灯支持部材と、前記固定ブラケットに挿通され長さ方向の一端側が前記作業灯支持部材に連結されると共に他端側が前記固定ブラケットから離間する方向に伸長する軸体と、前記固定ブラケットを挟んで前記作業灯支持部材とは反対側に配置され前記軸体の他端側に取付けられたブロック体と、前記固定ブラケットとブロック体との間に位置し前記軸体に挿通して設けられた歯付き座金と、前記作業灯支持部材と前記固定ブラケットとの間に設けられ前記ブロック体を前記固定ブラケットに接近する方向に常時付勢する圧縮ばねと、前記ブロック体に回動可能に設けられ、前記圧縮ばねにより前記歯付き座金に押圧力を付与し前記作業灯本体を固定する固定位置と前記圧縮ばねに抗して前記歯付き座金に対する押圧力を解除し前記作業灯本体を調整可能とする調整位置との間で操作される操作部材とにより構成したことにある。
【0012】
請求項2の発明は、前記操作部材は、長さ方向の中間部が前記ブロック体に回動可能に取付けられる作用点となり、長さ方向の一端側が前記固定ブラケットに当接または離間する支点となり、長さ方向の他端側が力点となった操作レバーにより構成し、前記操作レバーの前記支点を前記固定ブラケットに当接させた状態で前記力点を前記固定ブラケットから離間する方向に移動させることにより、前記作用点に取付けられた前記ブロック体を前記固定ブラケットから離間させ前記歯付き座金に対する押圧力を解除する構成としたことにある。
【0013】
請求項3の発明は、前記圧縮ばねは、前記軸体に挿通した状態で前記作業灯支持部材と前記固定ブラケットとの間に設ける構成としたことにある。
【0014】
請求項4の発明は、前記圧縮ばねは、前記軸体から離間した位置で前記作業灯支持部材と前記固定ブラケットとの間に複数個設ける構成としたことにある。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、操作部材が固定位置にあるときには、圧縮ばねの付勢力によってブロック体が固定ブラケットに接近し、ブロック体と固定ブラケットとの間で歯付き座金に押圧力が付与されることにより、この歯付き座金によって、ブロック体を固定ブラケットに対して廻止めすることができる。これにより、軸体を介してブロック体に連結された作業灯支持部材を廻止めすることができ、該作業灯支持部材に支持された作業灯本体を車体に対して確実に固定することができる。
【0016】
一方、操作部材を固定位置から調整位置に操作したときには、圧縮ばねの付勢力に抗してブロック体が固定ブラケットから離間し、ブロック体と固定ブラケットとの間隔が広がることにより、これらブロック体と固定ブラケットとの間に設けられた歯付き座金に対する押圧力が解除される。この結果、ブロック体と作業灯支持部材とは、固定ブラケットに対し軸体を中心として回動可能となるので、作業灯支持部材に支持された作業灯本体を車体に対して回動させ、車体に対する作業灯本体の取付姿勢を適宜に調整することができる。
【0017】
この場合、操作部材を固定位置から調整位置へと移動させるだけで、ブロック体と作業灯支持部材とを軸体を中心として回動させることができるので、車体に対する作業灯本体の取付姿勢を迅速かつ容易に調整することができる。この結果、例えばスパナ等の工具を用いてボルトやナットを緩める、締付けるといった煩雑な作業を不要にすることができ、車体に対する作業灯本体の取付姿勢を調整するときの作業性を高めることができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、操作レバーの一端側に設けた支点を固定ブラケットに当接させた状態で、操作レバーの他端側に設けた力点を固定ブラケットから離間する方向に移動させるだけで、梃子の原理により、操作レバーの作用点に取付けたブロック体を圧縮ばねの付勢力に抗して容易に固定ブラケットから離間させることができる。この結果、ブロック体と固定ブラケットとの間に設けられた歯付き座金に対する押圧力が解除されるので、作業灯支持部材を軸体を中心として円滑に回動させることができ、作業灯支持部材に支持された作業灯本体の車体に対する取付姿勢を容易に調整することができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、圧縮ばねを軸体に挿通した状態で作業灯支持部材と固定ブラケットとの間に設けることにより、軸体、歯付き座金、圧縮ばねを、軸体の軸中心線に沿ってほぼ一直線上に配置することができる。これにより、姿勢調整機構をコンパクトに構成することができ作業灯装置全体の小型化を図ることができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、軸体から離間した位置で作業灯支持部材と固定ブラケットとの間に複数個の圧縮ばねを設けることにより、圧縮ばねの付勢力が増大し、ブロック体と固定ブラケットとの間に設けられた歯付き座金に対する押圧力を増大することができる。この結果、歯付き座金によって、ブロック体と該ブロック体に軸体を介して連結された作業灯支持部材とを、固定ブラケットに対して確実に廻止めすることができ、作業灯支持部材に支持された作業灯本体を車体に対して強固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施の形態による作業灯装置を備えた油圧ショベルを作業装置を省略した状態で示す正面図である。
【図2】図1中の作業灯装置を拡大して示す要部拡大の正面図である。
【図3】作業灯装置を図2中の矢示III−III方向からみた左側面図である。
【図4】作業灯装置を示す分解斜視図である。
【図5】操作レバーを調整位置に移動させた状態での作業灯装置を示す正面図である。
【図6】作業灯装置を図5中の矢示VI−VI方向からみた左側面図である。
【図7】第2の実施の形態による作業灯装置を示す図2と同様な正面図である。
【図8】第2の実施の形態による作業灯装置を図7中の矢示VIII−VIII方向からみた左側面図である。
【図9】図8中の固定ブラケット、軸体、圧縮ばね等を図8中の矢示IX−IX方向からみた断面図である。
【図10】作業灯装置の変形例を示す図2と同様な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る建設機械の作業灯装置の形態を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図10を参照しつつ詳細に説明する。
【0023】
まず、図1ないし図6は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は建設機械の代表例としての大型の油圧ショベルを示し、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とにより車体が構成されている。そして、上部旋回体3の中央部前側には作業装置(図示せず)が俯仰動可能に設けられ、該作業装置を用いて土砂等の掘削作業を行うものである。
【0024】
ここで、上部旋回体3は、支持構造体をなす旋回フレーム4と、該旋回フレーム4の後端側に作業装置(図示せず)との重量バランスをとるカウンタウエイト5と、該カウンタウエイト5の前側に配置されエンジン、油圧ポンプ等の搭載機器(いずれも図示せず)を覆う建屋カバー6と、該建屋カバー6の左前側に配置された箱構造をなすキャブベッド7と、該キャブベッド7の上端側に取付けられ運転室を画成するハイキャブ仕様のキャブ8とにより大略構成されている。
【0025】
そして、キャブ8は、前面板8A、後面板8B、左,右の側面板8C、および屋根部材8Dによって囲まれた直方体の箱構造をなし、キャブ8の内部には、オペレータが着席する運転席、オペレータが操作する操作レバー、操作ペダル等の操作機器(いずれも図示せず)が配置されている。
【0026】
このように、旋回フレーム4とキャブ8との間にキャブベッド7を設けることにより、キャブ8を地上から離れた高い位置に支持し、キャブ8内の運転席に着席したオペレータが、高い位置から広い範囲に亘って視界を確保することができる構成となっている。
【0027】
また、キャブベッド7の上端側には、キャブ8の周囲を取囲んで作業用フロア9が設けられ、旋回フレーム4と作業用フロア9との間には、階段状の乗降用ステップ10が設けられている。そして、オペレータは、乗降用ステップ10と作業用フロア9を足場として、キャブ8と旋回フレーム4との間を迅速かつ安全に乗降することができる構成となっている。
【0028】
ここで、キャブ8を構成する屋根部材8Dの前端側と後端側、キャブベッド7の前端側、作業用フロア9の前端側、建屋カバー6の後端側等の複数箇所には、それぞれ後述の作業灯装置11が取付けられる構成となっている。
【0029】
次に、11は本発明の第1の実施の形態による作業灯装置を示している。この作業灯装置11は、例えば図1に示すように、キャブ8を構成する屋根部材8Dの前端側と後端側、キャブベッド7の前端側、作業用フロア9の前端側、建屋カバー6の後端側等の複数箇所に取付けられている。そして、これら各作業灯装置11は、油圧ショベル1が夜間作業を行うときに、上部旋回体3、作業装置(図示せず)等の周囲に光を照射することにより、夜間作業の視認性を確保するものである。
【0030】
ここで、各作業灯装置11は同一の構成を有しているため、以下、キャブ8の屋根部材8Dの前端側に取付けられた作業灯装置11について説明する。この作業灯装置11は、図4等に示すように、後述の固定ブラケット12と、作業灯本体13と、姿勢調整機構14とにより構成されている。
【0031】
12はキャブ8を構成する屋根部材8Dの前端側に固定して設けられた固定ブラケットで、該固定ブラケット12は、作業灯本体13が取付けられるものである。ここで、固定ブラケット12は、鋼板材等を用いて左,右方向に延びる長方形の平板状に形成され、溶接等の手段を用いて屋根部材8Dの前端部に固着されている。そして、固定ブラケット12は、屋根部材8Dの前端部から前方に向けてほぼ水平に突出している。また、固定ブラケット12の中央部には、上,下方向に貫通する軸挿通孔12Aが穿設され、該軸挿通孔12Aには、後述の軸体18が挿通される構成となっている。
【0032】
13は作業灯装置11の本体部を構成する作業灯本体で、該作業灯本体13は、全体として直方体の箱状に形成され、その内部には電球(図示せず)が収容されている。そして、作業灯本体13は、例えば夜間作業時に点灯されることにより、キャブ8の前方に光を照射するものである。また、作業灯本体13の下面側には左,右方向で間隔をもって対面する左,右のステー13Aが設けられ、該各ステー13Aには、後述の作業灯支持部材15が取付けられる構成となっている。
【0033】
14は固定ブラケット12と作業灯本体13との間に設けられた姿勢調整機構で、該姿勢調整機構14は、キャブ8に対する作業灯本体13の取付姿勢を調整するものである。そして、姿勢調整機構14は、後述の作業灯支持部材15、軸体18、ブロック体19、各歯付き座金21、各平座金22、圧縮ばね23、操作レバー24等により構成されている。
【0034】
15は作業灯本体13を支持する作業灯支持部材で、該作業灯支持部材15は、鋼板材等を略U字型に折曲げることにより形成され、長さ方向(左,右方向)の両端側が互いに対面する左,右の立上り面15Aとなっている。そして、作業灯支持部材15の左,右の立上り面15Aは、作業灯本体13の左,右のステー13Aに対し、それぞれ左,右のボルト16及びナット17を用いて締結され、これら左,右のボルト16及びナット17は、左,右方向に延びる軸中心線A−A上に配置されている(図3参照)。
【0035】
従って、左,右のボルト16及びナット17を緩めた状態では、作業灯本体13は作業灯支持部材15に対し、各ボルト16の軸中心線A−Aを中心として、図2及び図3中の矢示X方向(上,下方向)に回動する。即ち、作業灯支持部材15は、ボルト16及びナット17を用いて作業灯本体13を上,下方向に回動可能に支持しており、キャブ8に対する作業灯本体13の上,下方向の回動角度を適宜に調整することができる構成となっている。
【0036】
18は固定ブラケット12の軸挿通孔12Aに挿通された軸体で、該軸体18は、上,下方向に延びる円柱状の棒状体からなっている。ここで、軸体18の長さ方向の一端側(上端側)は、作業灯支持部材15の下面に溶接等の手段を用いて直接的に固定され、軸体18の他端側(下端側)は、固定ブラケット12から離間する方向(下方)に伸長している。そして、軸体18の他端部には雄ねじ部18Aが螺設され、該雄ねじ部18Aが設けられた軸体18の他端側には後述のブロック体19が取付けられる構成となっている。
【0037】
従って、作業灯支持部材15は、上,下方向に延びる軸体18の軸中心線B−Bを中心として、図2及び図3中の矢示Y方向(左,右方向)に回動するようになっており、この作業灯支持部材15を回動させることにより、キャブ8に対する作業灯本体13の左,右方向の回動角度を適宜に調整することができる構成となっている。
【0038】
19は固定ブラケット12を挟んで作業灯支持部材15とは反対側に配置され、軸体18の他端側に取付けられたブロック体で、該ブロック体19は、厚肉な鋼板材等を用いて直方体のブロック状に形成されている。ここで、ブロック体19の中央部には、上,下方向に貫通する軸挿通孔19Aが穿設され、該軸挿通孔19Aには、軸体18の他端側が挿通される構成となっている。また、ブロック体19の左,右の側面には、それぞれピン挿通孔19B(左側のみ図示)が穿設され、これら左,右のピン挿通孔19Bには後述のボルト26が挿通される構成となっている。
【0039】
そして、ブロック体19の軸挿通孔19Aには軸体18の他端側が挿通され、ブロック体19の下面側に突出した軸体18の雄ねじ部18Aには、ナット20が螺着されている。これにより、ブロック体19は、固定ブラケット12を挟んで作業灯支持部材15とは反対側に配置された状態で、ナット20によって軸体18の他端側に取付けられている。
【0040】
21は固定ブラケット12とブロック体19との間に配置され、軸体18に挿通して設けられた2枚の内外歯形の歯付き座金で、これら各歯付き座金21は、環状板の外周側と内周側とに、それぞれ全周に亘って廻止め用の複数の歯が設けられたばね座金により構成されている。
【0041】
22は固定ブラケット12とブロック体19との間に配置され、軸体18に挿通して設けられた3枚の平座金で、これら各平座金22は、上側の歯付き座金21と固定ブラケット12との間、2枚の歯付き座金21の間、下側の歯付き座金21とブロック体19との間に配置されている。即ち、2枚の歯付き座金21と3枚の平座金22とは、それぞれ軸体18に挿通された状態で、固定ブラケット12とブロック体19との間に交互に重なるように配置されている。
【0042】
23は作業灯支持部材15と固定ブラケット12との間に設けられた圧縮ばねで、該圧縮ばね23は、軸体18に挿通された状態で、作業灯支持部材15と固定ブラケット12との間に縮装されている。ここで、圧縮ばね23は、ブロック体19を固定ブラケット12に接近する方向(上方)に常時付勢するものである。
【0043】
ここで、圧縮ばね23の付勢力により、ブロック体19が固定ブラケット12に接近した位置を保持した状態では、図2及び図3に示すように、ブロック体19と固定ブラケット12との間で各歯付き座金21が軸方向(上,下方向)に押圧される。これにより、各歯付き座金21は、ブロック体19が軸体18の軸中心線B−Bを中心として左,右方向に回動するのを禁止し、軸体18を介して連結されたブロック体19と作業灯支持部材15とを、固定ブラケット12に対して廻止めする構成となっている。
【0044】
24は固定ブラケット12の下側に位置してブロック体19に回動可能に設けられた操作部材としての操作レバーで、該操作レバー24は、図2及び図3に示す固定位置と、図5及び図6に示す調整位置との間で操作されるものである。そして、操作レバー24は、鋼板材等を用いて略L字型の平板状に形成された左,右のレバー板25を有し、これら左,右のレバー板25は、ブロック体19を挟んで左,右方向で対面しつつ前,後方向に延びている。
【0045】
ここで、図4に示すように、各レバー板25の長さ方向の中間部には雌ねじ孔25Aが螺設され、この雌ねじ孔25Aには作用点としてのボルト26が螺着されている。そして、ボルト26の先端側はレバー板25から突出し、ブロック体19のピン挿通孔19B内に挿通されている。即ち、左,右のレバー板25の長さ方向の中間部には、それぞれ作用点となるボルト26が固定され、各レバー板25は、ボルト26を中心としてブロック体19に対し上,下方向に回動可能に取付けられている。
【0046】
また、左,右のレバー板25の長さ方向の一端側(後端側)は、固定ブラケット12に向けて上向きに屈曲した支点25Bとなり、該支点25Bは、操作レバー24が固定位置(図2に示す位置)を保持しているときには固定ブラケット12から離間し、操作レバー24が調整位置(図5に示す位置)に移動したときには固定ブラケット12に当接するものである。
【0047】
さらに、左,右のレバー板25の長さ方向の他端側(前端側)は、固定ブラケット12よりも前方に突出した力点25Cとなり、これら左,右の力点25Cは、ボルト27を用いて固定された円筒状のスペーサ28を介して互いに連結されている。この場合、スペーサ28の長さ寸法は、ブロック体19の左,右方向の幅寸法よりも僅かに大きく設定されており、各レバー板25の作用点となるボルト26をブロック体19のピン挿通孔19Bに挿通した状態で、各レバー板25とブロック体19との間には僅かな隙間が形成されている。これにより、操作レバー24は、各ボルト26を支点として、図2及び図3に示す固定位置と、図5及び図6に示す調整位置との間を円滑に移動する。
【0048】
そして、操作レバー24が固定位置にあるときには、圧縮ばね23の付勢力によってブロック体19が固定ブラケット12に接近した位置を保持し、ブロック体19の上面と固定ブラケット12の下面との間には小さな間隔S1が形成される(図2参照)。これにより、ブロック体19と固定ブラケット12との間で各歯付き座金21が押圧されるので、軸体18を介して連結されたブロック体19と作業灯支持部材15とを、歯付き座金21によって固定ブラケット12に対して廻止めすることができる構成となっている。
【0049】
一方、各レバー板25の力点25Cを下方に押圧操作し、操作レバー24を調整位置へと移動させたときには、各レバー板25の支点25Bが固定ブラケット12の下面に当接することにより、ボルト26を介して操作レバー24に連結されたブロック体19が、圧縮ばね23の付勢力に抗して固定ブラケット12から離間する方向(下方)に移動し、ブロック体19の上面と固定ブラケット12の下面との間には大きな間隔S2が形成される(図5参照)。
【0050】
これにより、ブロック体19と固定ブラケット12との間に設けられた各歯付き座金21に対する押圧力が解除され、軸体18を介して連結されたブロック体19と作業灯支持部材15とを、固定ブラケット12に対し軸体18の軸中心線B−Bを中心として、図5及び図6中の矢示Y方向(左,右方向)に回動させることができる構成となっている。
【0051】
本実施の形態による作業灯装置11は上述の如き構成を有するもので、以下、キャブ8に対する作業灯本体13の取付姿勢を調整する作業について説明する。
【0052】
まず、キャブ8に対する作業灯本体13の上,下方向の回動角度を調整する場合には、作業灯本体13のステー13Aと作業灯支持部材15の立上り面15Aとを締結するボルト16とナット17を緩め、各ボルト16の軸中心線A−Aを中心として作業灯本体13を上,下方向に回動させる。
【0053】
このようにして、キャブ8に対する作業灯本体13の上,下方向の回動角度を適宜に調整した後、ボルト16とナット17を締付けて作業灯支持部材15に作業灯本体13を固定することにより、キャブ8に対する作業灯本体13の上,下方向の回動角度を設定することができる。
【0054】
次に、キャブ8に対する作業灯本体13の左,右方向の回動角度を調整する場合には、操作レバー24を構成する各レバー板25の力点25Cを下方に押圧操作することにより、操作レバー24を図5及び図6に示す調整位置へと移動させる。これにより、各レバー板25の支点25Bが固定ブラケット12の下面に当接し、各レバー板25の作用点となるボルト26に取付けられたブロック体19が、圧縮ばね23の付勢力に抗して固定ブラケット12から離間する方向(下方)に移動する。
【0055】
この状態では、ブロック体19の上面と固定ブラケット12の下面との間に大きな間隔S2が形成されるので、ブロック体19と固定ブラケット12との間に設けられた各歯付き座金21に対する押圧力が解除される。この結果、軸体18を介して連結されたブロック体19と作業灯支持部材15とを、軸体18の軸中心線B−Bを中心として左,右方向に回動させることができ、作業灯支持部材15に支持された作業灯本体13を、キャブ8に対して左,右方向に回動させることができる。
【0056】
このようにして、キャブ8に対する作業灯本体13の左,右方向の回動角度を適宜に調整した後には、各レバー板25の力点25Cに対する押圧操作を停止する。これにより、操作レバー24は、圧縮ばね23の付勢力により、調整位置から図2及び図3に示す固定位置へと自動的に復帰する。
【0057】
この状態では、圧縮ばね23の付勢力によってブロック体19が固定ブラケット12に接近した位置を保持するので、ブロック体19の上面と固定ブラケット12の下面との間には小さな間隔S1が形成される。これにより、ブロック体19と固定ブラケット12との間で各歯付き座金21が押圧されるので、軸体18を介して連結されたブロック体19と作業灯支持部材15とを、歯付き座金21によって固定ブラケット12に対して廻止めすることができる。この結果、作業灯支持部材15によって支持された作業灯本体13を、固定ブラケット12に対して強固に固定することができ、キャブ8に対する作業灯本体13の左,右方向の回動角度を設定することができる。
【0058】
かくして、本実施の形態による作業灯装置11によれば、固定ブラケット12と作業灯本体13との間に設けられる姿勢調整機構14を、作業灯本体13を支持する作業灯支持部材15と、固定ブラケット12に挿通され一端側が作業灯支持部材15に固定される軸体18と、軸体18の他端側に取付けられたブロック体19と、固定ブラケット12とブロック体19との間に配置され、軸体18に挿通して設けられた複数の歯付き座金21及び平座金22と、作業灯支持部材15と固定ブラケット12との間に設けられた圧縮ばね23と、ブロック体19に回動可能に設けられ、固定位置と調整位置との間で操作される操作レバー24とにより構成している。
【0059】
これにより、操作レバー24が固定位置にあるときには、圧縮ばね23の付勢力によってブロック体19が固定ブラケット12に接近し、ブロック体19と固定ブラケット12との間で各歯付き座金21が押圧されることにより、これら各歯付き座金21によって、ブロック体19を固定ブラケット12に対して廻止めすることができる。この結果、軸体18を介してブロック体19に連結された作業灯支持部材15を廻止めし、該作業灯支持部材15に支持された作業灯本体13をキャブ8に対して固定することができるので、油圧ショベル1の作動時における振動に対しても、作業灯本体13を適切な取付姿勢に保持しておくことができる。
【0060】
一方、操作レバー24を調整位置に移動させたときには、圧縮ばね23の付勢力に抗してブロック体19が固定ブラケット12から離間し、ブロック体19と固定ブラケット12との間隔S2が大きくなるので、ブロック体19と固定ブラケット12との間に設けられた各歯付き座金21に対する押圧力が解除される。この結果、軸体18を介して連結されたブロック体19と作業灯支持部材15とが、固定ブラケット12に対し軸体18の軸中心線B−Bを中心として回動可能となるので、作業灯支持部材15に支持された作業灯本体13をキャブ8に対して左,右方向に回動させることができ、キャブ8に対する作業灯本体13の取付姿勢を適宜に調整することができる。
【0061】
このように、操作レバー24を固定位置から調整位置へと移動させるだけで、ブロック体19と作業灯支持部材15とを軸体18の軸中心線B−Bを中心として回動させ、キャブ8に対する作業灯本体13の取付姿勢を迅速かつ容易に調整することができる。この結果、例えばスパナ等の工具を用いてボルトやナットを緩める、締付けるといった煩雑な作業を不要にすることができ、作業灯本体13の取付姿勢を調整するときの作業性を高めることができる。
【0062】
また、本実施の形態による作業灯装置11は、圧縮ばね23を、軸体18に挿通した状態で作業灯支持部材15と固定ブラケット12との間に設ける構成としたので、作業灯支持部材15、軸体18、歯付き座金21、平座金22、圧縮ばね23を、軸体18の軸中心線B−Bに沿ってほぼ一直線上に配置することができる。これにより、姿勢調整機構14をコンパクトに構成することができ、作業灯装置11全体の小型化を図ることができる。
【0063】
次に、図7ないし図9は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、圧縮ばねを、軸体から離間した位置で作業灯支持部材と固定ブラケットとの間に複数個設けたことにある。なお、第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0064】
図中、31は第2の実施の形態による作業灯装置を示し、該作業灯装置31は、第1の実施の形態による作業灯装置11と同様に、後述の固定ブラケット32と、作業灯本体13と、後述の姿勢調整機構33とにより構成されている。しかし、本実施の形態による作業灯装置31は、固定ブラケット32と姿勢調整機構33の構成が、第1の実施の形態によるものとは異なるものである。
【0065】
32はキャブ8の屋根部材8Dに固定して設けられた固定ブラケットで、該固定ブラケット32は、鋼板材等を用いて左,右方向に延びる長方形の平板状に形成され、溶接等の手段を用いて屋根部材8Dの前端部に固着されている。ここで、図9に示すように、固定ブラケット32の中央部には上,下方向に貫通する軸挿通孔32Aが穿設され、該軸挿通孔32Aを挟む左,右両側には、軸挿通孔32Aを中心として円弧状に延びる左,右の溝孔32Bが形成されている。そして、軸挿通孔32Aには後述の軸体35が挿通され、左,右の溝孔32Bには、後述のボルト36が挿通される構成となっている。
【0066】
33は固定ブラケット32と作業灯本体13との間に設けられた姿勢調整機構で、該姿勢調整機構33は、第1の実施の形態による姿勢調整機構14に代えて第2の実施の形態に用いたものである。そして、姿勢調整機構33は、ブロック体19、各歯付き座金21、各平座金22、操作レバー24、後述の作業灯支持部材34、軸体35、各圧縮ばね38等により構成されている。
【0067】
34は作業灯本体13を支持する作業灯支持部材で、該作業灯支持部材34は、固定ブラケット32と上,下方向で対面する長方形の下板34Aと、略U字型の屈曲形状を有し下板34Aの上面側に固着された上板34Bとにより構成されている。ここで、下板34Aには、固定ブラケット32の各溝孔32Bに対応する位置に左,右のボルト挿通孔34A1が穿設されている。一方、上板34Bの左,右方向の両端側は互いに対面する左,右の立上り面34B1となり、これら各立上り面34B1は、作業灯本体13の左,右のステー13Aにボルト16及びナット17を用いて締結されている。
【0068】
そして、ボルト16及びナット17を緩めた状態では、作業灯本体13は、作業灯支持部材34に対して上,下方向に回動する。即ち、作業灯支持部材34は、ボルト16及びナット17を用いて作業灯本体13を上,下方向に回動可能に支持している。
【0069】
35は固定ブラケット32の軸挿通孔32Aに挿通された軸体で、該軸体35は、上,下方向に延びる円柱状の棒状体からなっている。ここで、軸体35の長さ方向の一端側(上端側)は、作業灯支持部材34の下板34Aに溶接等の手段を用いて固定され、軸体35の他端側(下端側)は、固定ブラケット32から離間する方向(下方)に伸長している。
【0070】
そして、軸体35の他端部には雄ねじ部35Aが螺設され、該雄ねじ部35Aに螺合するナット20によって、軸体35の他端側にはブロック体19が取付けられている。また、ブロック体19と固定ブラケット32との間には、2枚の歯付き座金21と3枚の平座金22とが、軸体35に挿通された状態で交互に重ねて配置されている。また、ブロック体19には、操作レバー24が回動可能に取付けられている。
【0071】
36は作業灯支持部材34と固定ブラケット32との間に設けられた左,右のボルトで、これら各ボルト36は、後述の各圧縮ばね38を抜止めするものである。ここで、各ボルト36は、作業灯支持部材34の下板34Aに設けられたボルト挿通孔34A1と、固定ブラケット32に設けられた溝孔32Bとに挿通され、固定ブラケット32の下面側に配置されたナット37に螺合している。
【0072】
従って、作業灯支持部材34が、軸体35の軸中心線B−Bを中心として図7及び図8中の矢示Y方向(左,右方向)に回動するときには、各ボルト36は、固定ブラケット32に形成された溝孔32Bに沿って作業灯支持部材34と共に回動する。即ち、作業灯支持部材34は、各ボルト36が固定ブラケット32の溝孔32B内を移動できる範囲で、軸体35の軸中心線B−Bを中心として左,右方向に回動する構成となっている。
【0073】
38は作業灯支持部材34と固定ブラケット32との間に設けられた2個の圧縮ばねで、これら各圧縮ばね38は、軸体35を挟んで左,右に1個ずつ配置されている。ここで、各圧縮ばね38は、左,右のボルト36に挿通された状態で作業灯支持部材34と固定ブラケット32との間に縮装され、ブロック体19を固定ブラケット32に接近する方向(上方)に常時付勢している。
【0074】
そして、ブロック体19が、各圧縮ばね38の付勢力によって固定ブラケット32に接近した位置を保持した状態では、ブロック体19と固定ブラケット32との間で各歯付き座金21が軸方向に押圧される。これにより、各歯付き座金21は、ブロック体19が軸体35の軸中心線B−Bを中心として左,右方向に回動するのを禁止し、軸体35を介して連結されたブロック体19と作業灯支持部材34とを、固定ブラケット32に対して廻止めする構成となっている。
【0075】
第2の実施の形態による作業灯装置31は上述の如き構成を有するもので、その基本的作動については、上述した第1の実施の形態による作業灯装置11と格別差異はない。
【0076】
然るに、本実施の形態によれば、作業灯支持部材34と固定ブラケット32との間に2個の圧縮ばね38を設けることにより、これら各圧縮ばね38の付勢力が増大し、ブロック体19と固定ブラケット32との間に設けられた各歯付き座金21に対する押圧力を増大することができる。
【0077】
これにより、各歯付き座金21によって、ブロック体19と該ブロック体19に軸体35を介して連結された作業灯支持部材34とを、固定ブラケット32に対して確実に廻止めすることができる。この結果、作業灯支持部材34に支持された作業灯本体13を、キャブ8に対して強固に固定することができ、油圧ショベル1の作動時における振動に対しても、作業灯本体13を適切な取付姿勢に確実に保持しておくことができる。
【0078】
なお、上述した第1の実施の形態では、作業灯支持部材15の下面に軸体18の上端部を直接的に固定することにより、作業灯支持部材15と軸体18とをほぼ一直線上に配置した場合を例示している。
【0079】
しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図10に示す変形例のように、作業灯支持部材15を平板状の中間連結板39に取付け、この中間連結板39のうち作業灯支持部材15から後方に離間した位置にボルトからなる軸体40を固定する構成としてもよい。このように、作業灯支持部材15と軸体40とを中間連結板39を介して連結することにより、作業灯支持部材15と軸体40とを前,後にずらした状態で配置する構成としてもよい。
【0080】
また、上述した各実施の形態では、ブロック体19と固定ブラケット12(32)との間に2枚の歯付き座金21を設けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば1枚の歯付き座金21を用いてもよく、3枚以上の歯付き座金21を用いる構成としてもよい。
【0081】
さらに、上述した各実施の形態では、建設機械として油圧ショベルを例示したが、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン、ホイールローダ等の夜間作業を行う建設機械に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
8 キャブ
11,31 作業灯装置
12,32 固定ブラケット
13 作業灯本体
14,33 姿勢調整機構
15,34 作業灯支持部材
18,35,40 軸体
19 ブロック体
21 歯付き座金
23 圧縮ばね
24 操作レバー(操作部材)
25 レバー板
25B 支点
25C 力点
26 ボルト(作用点)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械の車体に固定して設けられる固定ブラケットと、該固定ブラケットに取付けられ前記車体の周囲に光を照射する作業灯本体と、前記固定ブラケットと作業灯本体との間に設けられ前記車体に対する前記作業灯本体の取付姿勢を調整する姿勢調整機構とからなる建設機械の作業灯装置において、
前記姿勢調整機構は、
前記作業灯本体を支持する作業灯支持部材と、
前記固定ブラケットに挿通され長さ方向の一端側が前記作業灯支持部材に連結されると共に他端側が前記固定ブラケットから離間する方向に伸長する軸体と、
前記固定ブラケットを挟んで前記作業灯支持部材とは反対側に配置され前記軸体の他端側に取付けられたブロック体と、
前記固定ブラケットとブロック体との間に位置し前記軸体に挿通して設けられた歯付き座金と、
前記作業灯支持部材と前記固定ブラケットとの間に設けられ前記ブロック体を前記固定ブラケットに接近する方向に常時付勢する圧縮ばねと、
前記ブロック体に回動可能に設けられ、前記圧縮ばねにより前記歯付き座金に押圧力を付与し前記作業灯本体を固定する固定位置と前記圧縮ばねに抗して前記歯付き座金に対する押圧力を解除し前記作業灯本体を調整可能とする調整位置との間で操作される操作部材とにより構成したことを特徴とする建設機械の作業灯装置。
【請求項2】
前記操作部材は、長さ方向の中間部が前記ブロック体に回動可能に取付けられる作用点となり、長さ方向の一端側が前記固定ブラケットに当接または離間する支点となり、長さ方向の他端側が力点となった操作レバーにより構成し、
前記操作レバーの前記支点を前記固定ブラケットに当接させた状態で前記力点を前記固定ブラケットから離間する方向に移動させることにより、前記作用点に取付けられた前記ブロック体を前記固定ブラケットから離間させ前記歯付き座金に対する押圧力を解除する構成としてなる請求項1に記載の建設機械の作業灯装置。
【請求項3】
前記圧縮ばねは、前記軸体に挿通した状態で前記作業灯支持部材と前記固定ブラケットとの間に設ける構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械の作業灯装置。
【請求項4】
前記圧縮ばねは、前記軸体から離間した位置で前記作業灯支持部材と前記固定ブラケットとの間に複数個設ける構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械の作業灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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