説明

建設機械の操作回路装置

【課題】コスト及び設置スペースの低減を図りつつ、油圧アクチュエータの臨時操作を行うことができる建設機械の操作回路装置を提供する。
【解決手段】油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御する油圧パイロット式のコントロールバルブ35〜39と、その操作パイロット圧を生成する電磁減圧弁35A,35B〜39A,39Bと、その元圧を遮断可能な油圧遮断弁45と、油圧遮断弁45及び電磁減圧弁35A,35B〜39A,39Bを制御するコントローラ44とを備えた建設機械の操作回路装置において、コントローラ44を介しないでバッテリ48及び走行速度切換弁46に接続された走行速度切換スイッチ33と、走行速度切換スイッチ33と走行速度切換弁46との接続等を外した状態で、走行速度切換スイッチ33と油圧遮断弁46及び選択した電磁減圧弁とをそれぞれ接続することが可能な例えば中継ハーネス58及び接続ハーネス59とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械に係わり、特に、電気レバー方式の操作レバーを備えた建設機械の操作回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、建設機械の1つである油圧ショベルは、下部走行体と、この下部走行体上に旋回可能に設けた上部旋回体と、この上部旋回体に伏仰可能に接続され、ブーム、アーム、及びバケット(作業具)を含む多関節型の作業機とを備えている。これら下部走行体、上部旋回体、及び作業機は、この油圧ショベルに備えられた油圧駆動装置の被駆動部材を構成している。油圧駆動装置は、一般に、エンジン等の原動機と、この原動機によって駆動する少なくとも1つの油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出された圧油によりブーム、アーム、バケットをそれぞれ駆動するブーム用油圧シリンダ、アーム用油圧シリンダ、バケット用油圧シリンダ、及び油圧ポンプから吐出された圧油により下部走行体を走行させる走行用油圧モータ、及び油圧ポンプから吐出された圧油により上部旋回体を下部走行体に対し旋回させる旋回用油圧モータを含む複数の油圧アクチュエータと、油圧ポンプからこれら複数の油圧アクチュエータへ吐出された圧油の流れをそれぞれ制御する複数のコントロールバルブと、操作者が操作する複数の操作レバーとを有している。
【0003】
上記操作レバーとしては、大別して油圧パイロット方式と電気レバー方式とがある。油圧パイロット方式は、油圧源(例えばパイロットポンプ)からのパイロット元圧を操作レバーの操作量に応じて減圧弁で減圧することで操作量を油圧パイロット信号に変換するものである。電気レバー方式は、操作レバーの操作量をポテンショメータで検出し電気信号(=操作信号)に置き換えてコントローラに出力するものである。コントローラは、その操作信号に応じて駆動信号を生成し、例えば油圧パイロット式のコントロールバルブへの操作パイロット圧を制御する電磁減圧弁へと出力する。
【0004】
ところで上記電気レバー方式の場合、例えばコントローラ故障等が発生する可能性がないとはいえず、このような通常の操作が不可能となったときにおいても、安全上、必要最小限の動作ができるように何らかの臨時の操作装置を確保する必要がある。このような観点から、従来例えば、電気レバー方式の操作レバー及びポテンションメータからなる操作ボックスと、この操作ボックス近傍に配置された電源切換スイッチと、前記操作ボックスに内蔵され前記操作レバーの操作に連動して動作する非常操作スイッチとを備えた操作装置が提唱されている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、電源切換スイッチにより非常操作を選択すると、操作レバーの操作に応じて非常操作スイッチからの電気信号が電磁減圧弁へ出力されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−344466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術には以下のような課題が存在する。
すなわち、例えばブームの上げ・下げ動作、アームのダンプ・クラウド動作、バケットのダンプ・クラウド動作、上部旋回体の左・右旋回動作を操作するための操作レバーを電気レバー方式とした油圧ショベルに上記従来技術を適用すると、これら全ての動作態様に対応する例えば8つの非常操作スイッチ及び電源切換スイッチを設置しなければならない。ところが、実際に全ての動作態様が操作不能となる故障が発生する可能性は低く、また万一全ての動作態様が操作不能となる故障が発生する場合でも必要最小限の動作さえ行えればよいという事情がある。このような観点から、従来技術のように全ての動作態様に対応する非常操作スイッチ及び電源切換スイッチを設置することは、コスト高となるだけでなく、それだけ大きな設置スペースを運転室内に確保しなければならなかった。
【0007】
本発明の目的は、コスト及び設置スペースの低減を図りつつ、油圧アクチュエータの臨時操作を行うことができる建設機械の操作回路装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、下部走行体と、前記下部走行体上に旋回可能に設けた上部旋回体と、前記上部旋回体に俯仰可能に設けた多関節型の作業機と、前記作業機を駆動する複数の油圧アクチュエータと、油圧ポンプと、前記油圧ポンプから前記油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御する複数の油圧パイロット式のコントロールバルブと、前記コントロールバルブへの操作パイロット圧を生成する複数の電磁減圧弁と、前記複数の電磁減圧弁に供給する元圧を遮断可能な油圧遮断弁と、操作手段の操作に応じて前記油圧遮断弁及び複数の電磁減圧弁を制御するコントローラとを備えた建設機械の操作回路装置において、前記コントローラを介しないで、一方側端子が電源に接続され他方側端子が電子部品に接続されたスイッチと、前記スイッチの他方側端子と前記電子部品との接続を外し、かつ前記コントローラと前記油圧遮断弁及び電磁減圧弁との接続をそれぞれ外した状態で、前記スイッチの他方側端子と前記油圧遮断弁及び電磁減圧弁とをそれぞれ接続することが可能な接続回路手段とを備える。
【0009】
例えば掘削作業等を行う場合、まず操作者がロック操作手段を解除位置に操作すると、その操作信号がコントローラに入力され、これに基づきコントローラにて生成された駆動信号が油圧遮断弁に出力される。これにより、油圧遮断弁が連通位置に切り換えられ、油圧源からの元圧が複数の電磁減圧弁に供給される。そして、例えば作業機の俯仰動作を意図して操作者が作業機操作手段を操作すると、その操作信号がコントローラに入力され、これに基づきコントローラにて生成した駆動信号が電磁減圧弁に出力される。これにより、電磁減圧弁が駆動してコントロールバルブへの操作パイロット圧が制御され、油圧ポンプから油圧アクチュエータへの圧油の流れが制御される。このようにして通常時は、ロック操作手段で解除操作した後、作業機操作手段を操作して油圧アクチュエータを駆動させる。
【0010】
一方、例えばコントローラの故障等が万一発生したときでも、作業機の必要最小限の動作を行わせたい場合がある。このような場合に本発明においては、コントローラを介しないで、一方側端子が電源に接続され他方側端子が電子部品に接続されたスイッチ(言い換えれば、電子部品の操作回路)を利用する。詳細には、スイッチの他方側端子と電子部品との接続、コントローラと油圧遮断弁との接続、コントローラと電磁減圧弁との接続をそれぞれ外す。そして、所望の油圧アクチュエータの動作に対応する電磁減圧弁を選択し、その選択した電磁減圧弁及び油圧遮断弁とスイッチの他方側端子とを接続回路手段でそれぞれ接続する。これにより、接続したスイッチの操作により油圧遮断弁及び選択した電磁減圧弁が駆動し、対応するコントロールバルブへの所定の操作パイロット圧が生成される。その結果、作業機の必要最小限の動作を行わせることができる。
【0011】
以上のように本発明においては、コントローラを介しないで電子部品を操作するスイッチを利用し、電子部品に代えて油圧遮断弁及び電磁減圧弁を接続回路手段を用いて接続することにより、油圧アクチュエータの臨時操作を行うことができる。また、スイッチに接続する電磁減圧弁を接続替えすることにより複数の油圧アクチュエータの動作に対応できるので、従来技術のように全ての電気レバー方式の操作装置に対応してスイッチを用意する必要がなくなり、さらに既設のスイッチを利用するので、新たな専用スイッチを設ける必要もなくなる。したがって、コスト及び設置スペースの低減を図りつつ、油圧アクチュエータの臨時操作を行うことができる。
【0012】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記接続回路手段は、前記スイッチ側のコネクタに着脱可能なコネクタを一方側に設け、前記油圧遮断弁側のコネクタに着脱可能なコネクタ及び前記電磁減圧弁側のコネクタに着脱可能なコネクタを他方側に設けた接続ハーネスを有する。
【0013】
(3)上記(1)において、また好ましくは、前記スイッチを複数備え、前記接続回路手段は、前記一のスイッチ側のコネクタと前記油圧遮断弁側のコネクタとを接続し、前記他のスイッチ側のコネクタと前記電磁減圧弁側のコネクタとを接続する。
【0014】
(4)上記(2)又は(3)において、さらに好ましくは、前記接続回路手段は、前記複数の電磁減圧弁に接続された1つのコネクタに着脱可能な1つのコネクタを一方側に設け、前記複数の電磁減圧弁にそれぞれ対応する複数のコネクタを他方側に設けた中継ハーネスを有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、コスト及び設置スペースの低減を図りつつ、油圧アクチュエータの臨時操作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
本発明の第1の実施形態を図1〜図7により説明する。
図1は、本発明の適用対象である小型の油圧ショベルの全体構造を表す側面図である。なお、以降、油圧ショベルが図1に示す状態にて操作者が運転席に着座した場合における操作者の前側(図1中左側)、後側(図1中右側)、左側(図1中紙面に向かって手前側)、右側(図1中紙面に向かって奥側)を、単に前側、後側、左側、右側と称する。
【0018】
図1において、この油圧ショベルは、走行手段としての左・右の無限軌道履体(クローラ)1L,1R(但し1Lのみ図1に図示)を備えた下部走行体2と、この下部走行体2の上部に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、この上部旋回体3の基礎下部構造をなす旋回フレーム4上に上下方向に回動可能に(俯仰可能に)取り付けられた多関節型の作業機(フロント装置)5と、旋回フレーム4上に設けられたいわゆるキャノピータイプの運転室6と、旋回フレーム4上の運転室6以外の大部分を覆う上部カバー7とを備えている。
【0019】
下部走行体2は、略H字形状のトラックフレーム8と、このトラックフレーム8の左・右両側の後端近傍に回転自在に支持された駆動輪9L,9R(但し9Lのみ図1に図示)と、駆動輪9L,9Rをそれぞれ駆動する左・右走行用油圧モータ10L,10R(但し10Lのみ図1に図示)と、トラックフレーム8の左・右両側の前端近傍に回転自在に支持され、履帯1L,1Rを介し駆動輪9L,9Rの駆動力でそれぞれ回転される従動輪(アイドラ)11L,11R(但し11Lのみ図1に図示)と、トラックフレーム8の前方側に上下動可能に設けられ、ブレード用油圧シリンダ(図示せず)により上下動する排土用のブレード12とを備えている。また、下部走行体2の中央部に旋回台軸受(旋回輪)13が配置され、この旋回輪13の中心近傍に下部走行体2に対し旋回フレーム4を旋回させる旋回用油圧モータ(図示せず)が内蔵されている。
【0020】
作業機5は、旋回フレーム4に上下方向に回動可能に結合されたロアブーム14と、このロアブーム14の先端部に左右方向に回動可能に結合されたアッパーブーム15と、このアッパーブーム15の先端部に左右方向に回動可能に接続されたアームシリンダブラケット16と、このアームシリンダブラケット16の先端部に上下方向に回動可能に結合されたアーム17と、このアーム17の先端部に上下方向に回動可能に結合されたバケット18と、ロアブーム14及びアームシリンダブラケット16を連結するステー19と、ロアブーム14を駆動するブーム用油圧シリンダ20と、アッパーブーム15とともにロアブーム14に左右方向に回動可能に接続されアッパーブーム15を駆動するオフセット用油圧シリンダ21と、アーム17を駆動するアーム用油圧シリンダ22と、バケット18を駆動するバケット用油圧シリンダ23とを備えている。
【0021】
このように構成された作業機5は、オフセット用油圧シリンダ21が伸張すると、ステー19によりアームシリンダブラケット16が常に油圧ショベルの前方を向いたままの状態でアッパーブーム15が旋回するようになっている。つまり、アームシリンダブラケット16、アーム17、及びバケット18を前方に向けた状態でアッパーブーム15を左右方向に旋回するようになっている。
【0022】
運転室6は、旋回フレーム4上の左側に設けられており、操作者が着座する座席(運転席)24を備えている。図2は、この運転室6内の詳細構造を表す図1中矢印II方向から見た矢視俯瞰図である。
【0023】
この図2において、運転室6内の操作者が着座する座席24より前方には、左・右走行用油圧モータ11L,11Rをそれぞれ駆動し油圧ショベルの前進又は後進走行等をさせるための手でも足でも操作可能な左・右走行用操作レバー25L,25Rが設けられている。
【0024】
左走行用操作レバー25Lのさらに左側足元部分には、オプション用油圧アクチュエータ(例えばブレーカ用油圧モータ)を駆動するためのオプション用操作ペダル26Lが設けられている。右走行用操作レバー25Rのさらに右側足元部分には、オフセット用油圧シリンダ21を駆動しアッパーブーム15(言い換えれば作業機5全体)を左・右に旋回させるためのオフセット用操作ペダル26Rが設けられている。
【0025】
座席24の左側には、左側又は右側に操作することで旋回用油圧モータを駆動し上部旋回体3を左側又は右側に旋回させるとともに前側又は後側に操作することでアーム用油圧シリンダ22を駆動しアーム17をダンプ又はクラウドさせるための十字操作式の旋回・アーム用手動操作レバー27Lと、パイロットポンプ28(後述の図3参照)からの元圧を遮断させる誤操作防止用のロックレバー29とが、左コンソールボックス30Lに設けられている。
【0026】
また座席24の右側には、左側又は右側に操作することでバケット用油圧シリンダ23を駆動しバケット18をクラウド又はダンプさせるとともに前側又は後側に操作することでブーム用油圧シリンダ20を駆動しロアブーム14を下げ又は上げるための十字操作式のバケット・ブーム用手動操作レバー27Rと、前側又は後側に操作することで上記ブレード用油圧シリンダを駆動しブレード12を上下動させるためのブレードレバー31とが、右コンソールボックス30Rに設けられている。また、右コンソールボックス30Rの上部には、キースイッチ32(後述の図4参照)及び走行速度切換スイッチ33(後述の図4参照)等のスイッチ類が設けられている。
【0027】
以上説明した構成において、左・右履帯1L,1R、上部旋回体3、ブレード12、ロアブーム14、アッパーブーム15、アーム17、及びバケット18は、この油圧ショベルに備えられた油圧駆動装置により駆動される被駆動部材を構成している。また、左・右走行用操作レバー25L,25R及びブレードレバー31は、いわゆる油圧パイロット方式であり、一方、オフセット用操作ペダル26R、旋回・アーム用操作レバー27L、及びバケット・ブーム用操作レバー27Rは、いわゆる電気レバー方式である。
【0028】
図3は、油圧ショベルに備えられた電気レバー方式の操作装置に係わる油圧駆動装置の要部構成を表す油圧回路図である。
【0029】
図3において、エンジン(原動機)により駆動される油圧ポンプ34と、この油圧ポンプ34から上記旋回用油圧モータ、オフセット用油圧シリンダ21、ブーム用油圧シリンダ20、アーム用油圧シリンダ22、及びバケット用油圧シリンダ23(但し図3では便宜上、バケット用油圧シリンダ23のみ図示)への圧油の流れをそれぞれ制御する例えば電気−油圧変換弁タイプの旋回用コントロールバルブ35、オフセット用コントロールバルブ36、ブーム用コントロールバルブ37、アーム用コントロールバルブ38、及びバケット用コントロールバルブ39を含む弁ユニット40と、アーム17の屈曲動作及び上部旋回体3の旋回動作を指示する上記十字操作式の操作レバー27Lを備えた操作装置41Lと、ロアブーム14の上下動作及びバケット18の屈曲動作を指示する上記十字操作式の操作レバー27Rを備えた操作装置41Rと、アッパーブーム15の旋回動作を指示する上記操作ペダル26Rを備えた操作装置42と、上記ロックレバー29を備えた操作装置43と、コントローラ44とが設けられている。
【0030】
操作装置41L,41Rは、前後方向及び左右方向に変位可能な上記十字操作式の操作レバー27L,27Rと、それぞれの変位を検出するレバー変位検出器(ポテンションメータ、図示せず)とを備えており、これらレバー変位検出器は操作レバー27L,27Rの変位方向(十字方向のいずれの方向であるか)及び変位量(操作量)をそれぞれ検出し、これに応じた操作信号(作動指令信号)をコントローラ44に出力するようになっている。
【0031】
また、操作装置28は、上記操作ペダル27Rと、その変位を検出するペダル変位検出器(ポテンションメータ、図示せず)とを備えており、このペダル変位検出器は操作ペダル27Rの変位方向及び変位量をそれぞれ検出し、これに応じた操作信号をコントローラ44に出力するようになっている。
【0032】
コントローラ44は、第1の機能として、操作装置41L,41R,42から入力された操作信号に対し所定の演算処理を行い、生成した駆動信号(制御信号)を旋回用電磁減圧弁35A,35B、オフセット用電磁減圧弁36A,36B、ブーム用電磁減圧弁37A,37B、アーム用電磁減圧弁38A,38B、及びバケット用電磁減圧弁39A,39Bに出力するようになっている。
【0033】
旋回用電磁比例弁35A,35B、オフセット用電磁比例弁36A,36B、ブーム用電磁比例弁37A,37B、アーム用電磁比例弁38A,38B、及びバケット用電磁比例弁39A,39Bは、それらコントローラ44からの駆動信号に基づき、パイロットポンプ28からの元圧(1次パイロット圧)を減圧して操作パイロット圧を生成し、それぞれ、旋回用コントロールバルブ35のパイロット操作部、オフセット用コントロールバルブ36のパイロット操作部、ブーム用コントロールバルブ37のパイロット操作部、アーム用コントロールバルブ38のパイロット操作部、及びバケット用コントロールバルブ39のパイロット操作部へ出力し、これによって旋回用コントロールバルブ35、オフセット用コントロールバルブ36、ブーム用コントロールバルブ37、アーム用コントロールバルブ38、及びバケット用コントロールバルブ39を切り換えるようになっている。
【0034】
また、電磁減圧弁35A,35B〜39A,39Bとパイロットポンプ28との間の油圧管路には油圧遮断弁45が設けられ、油圧管路を連通・遮断可能としている。
【0035】
コントローラ44は、第2の機能として、ロックレバー29を備えた操作装置43から入力された操作信号に対し所定の演算処理を行い、生成した駆動信号(制御信号)を油圧遮断弁45に出力するようになっている。すなわち、ロックレバー29を解除位置(下降位置)に引き下げると、その操作信号が操作装置43からコントローラ44に入力され、これに基づいてコントローラ44から駆動信号が油圧遮断弁45に出力される。これにより、油圧遮断弁45が図3中上側の連通位置に切り換えられ、パイロットポンプ28からの元圧が上記電磁減圧弁35A,35B〜39A,39Bへ導かれるようになっている。一方、ロックレバー29をロック位置(上昇位置)に引き上げると、その操作信号が操作装置43からコントローラ44に入力され、これに基づいてコントローラ44から停止信号が油圧遮断弁45に出力される。これにより、油圧遮断弁45が図3中下側に示す遮断位置に切り換えられ、パイロットポンプ28からの元圧が遮断されるようになっている。
【0036】
このような油圧駆動装置において、コントローラ44の故障等が万一発生すると、操作レバー37L,37R及び操作ペダル26Rによる油圧アクチュエータ(詳細には、上記旋回用油圧モータ、ブーム用油圧シリンダ20、オフセット用油圧シリンダ21、アーム用油圧シリンダ22、バケット用油圧シリンダ23)の操作が不能となる。ところが、例えば油圧ショベルのメンテナンス作業や移動等を目的として、必要最小限の動作を一時的に行わせたい場合がある。本発明の建設機械の操作回路装置は、このような場合に上記油圧アクチュエータの臨時操作が可能な構成となっている。
【0037】
図4及び図5は、本発明の建設機械の操作回路装置の一実施形態の概略構成を表す電気回路図であり、図6及び図7は、建設機械の操作回路装置の一実施形態の配置レイアウトを表す旋回フレーム4上の前方左側部分の斜視図である。なお、図4及び図6は、通常の配線接続状態を表し、図5及び図7は、臨時操作用の配線接続状態を表す。
【0038】
これら図4〜図7において、上記コントローラ44と、上記コントロールバルブ35〜39を含む上記弁ユニット40と、上記油圧遮断弁45及び後述の走行速度切換弁46を含む弁ユニット47と、上記キースイッチ32と、油圧ショベルの走行速度の切換えを指示する上記走行速度切換スイッチ33とが設けられている。なお、図6及び図7に示すように、弁ユニット40は、旋回フレーム4上の前方左側部分(詳細には、運転室6の下側)に配置され、弁ユニット47は、弁ユニット40の前方側(図6及び図7中左下側)に配置されている。
【0039】
キースイッチ32は、一方側の端子がバッテリ(電源)48に接続されており、操作キーの回転操作により例えば他方側のOFF端子に接続されると電気系統をOFF状態にするとともにエンジン停止を指示し、例えば他方側のON端子に接続されると電気系統をON状態とし、例えば他方側のSTART端子に接続されると電気系統をON状態にするとともにエンジン起動を指示するようになっている。
【0040】
コントローラ44は、キースイッチ32のON端子に電源線49を介し接続されており、バッテリ48からの電力が供給されるようになっている。また、コントローラ44には、上述した電磁減圧弁35A〜39Aへの駆動信号をそれぞれ出力するための5組の信号線及びアース線を束ねてその端部に10極コネクタ50Aaを設けたハーネス50Aと、上述した電磁減圧弁35B〜39Bへの駆動信号をそれぞれ出力するための5組の信号線及びアース線を束ねてその端部に10極コネクタ50Baを設けたハーネス50Bとが接続されている。電磁減圧弁35A〜39Aにはそれぞれ、1組の信号線及びアース線が接続されその端部に2極コネクタ51Aが設けられており、電磁減圧弁35B〜39Bにはそれぞれ、1組の信号線及びアース線が接続されその端部に2極コネクタ51Bが設けられている。
【0041】
また、コントローラ44側の10極コネクタ50Aaに着脱可能な10極コネクタ52Aaを一方側(図4及び図5中左側)に設け、この10極コネクタ52Aaに5組の信号線及びアース線を接続し、それら各組の他方側(図4及び図5中右側)端部に電磁減圧弁35A〜39A側の2極コネクタ51Aに着脱可能な2極コネクタ52Abを設けたハーネス52Aが設けられている。そして、コントローラ44側のコネクタ50Aaとハーネス52Aのコネクタ52Aa、電磁減圧弁35A〜39A側のコネクタ51Aとハーネス52Aのコネクタ52Abとが接続された状態で、コントローラ44からの駆動信号が電磁減圧弁35A〜39Aに出力されるようになっている。
【0042】
また同様に、コントローラ44側の10極コネクタ50Baに着脱可能な10極コネクタ52Baを一方側(図4及び図5中左側)に設け、この10極コネクタ52Baに5組の信号線及びアース線を接続し、それら各組の他方側(図4及び図5中右側)端部に電磁減圧弁35B〜39B側の2極コネクタ51Bに着脱可能な2極コネクタ52Bbを設けたハーネス52Bが設けられている。そして、コントローラ44側のコネクタ50Baとハーネス52Bのコネクタ52Ba、電磁減圧弁35B〜39B側のコネクタ51Bとハーネス52Bのコネクタ52Bbとが接続された状態で、コントローラ44からの駆動信号が電磁減圧弁35B〜39Bに出力されるようになっている。
【0043】
油圧遮断弁45には、1組の電源線及びアース線が接続されその端部に2極コネクタ53が設けられている。また、キースイッチ32のON端子に接続された電源線54aとコントローラ44に接続されたアース線54bとを束ねて、その端部に油圧遮断弁45側の2極コネクタ53に着脱可能な2極コネクタ54cを設けたハーネス54が設けられている。そして、油圧遮断弁45側のコネクタ53とコントローラ44側のコネクタ54cとが接続された状態で、コントローラ44は油圧遮断弁45を制御するようになっている。
【0044】
走行速度切換スイッチ33は、一方側端子がキースイッチ32のON端子に電源線55を介し接続されている。また、走行速度切換スイッチ33の他方側端子に接続された電源線56aと別途用意したアース線56bとを束ねて、その端部に2極コネクタ56cを設けたハーネス56が設けられている。また、走行速度切換弁46には、1組の電源線及びアース線が接続されその端部に2極コネクタ57が設けられている。そして、走行速度切換スイッチ33側のコネクタ56cと走行速度切換弁46側のコネクタ57とが接続された状態で、走行速度切換スイッチ33をON状態に操作すると、走行速度切換弁46が通電して駆動し、これによって例えば上記左・右走行用油圧モータ10L,10Rの押しのけ容積の設定が切換えられ、走行速度が切り換えられるようになっている。
【0045】
そして、本実施形態の大きな特徴として、走行速度切換スイッチ33側のコネクタ56cと走行速度切換弁46側のコネクタ57とを切り離し、コントローラ44側のコネクタ50Aa,50Baと電磁減圧弁35A,35B〜39A,39B側のコネクタ52Aa,52Baをそれぞれ切り離し、コントローラ44側のコネクタ54cと油圧遮断弁45側のコネクタ53とを切り離した状態で、走行速度切換スイッチ33の他方側端子と油圧遮断弁45及び電磁減圧弁35A,35B〜39A,39Bのうちいずれか1つとをそれぞれ接続するための中継ハーネス58及び接続ハーネス59(接続回路手段)が備えられている。なお、図6に示すように、走行速度切換スイッチ33側のコネクタ56cと走行速度切換弁46側のコネクタ57との接続位置、コントローラ44側のコネクタ50Aa,50Baと電磁減圧弁35A,35B〜39A,39B側のコネクタ52Aa,52Baの接続位置、及びコントローラ44側のコネクタ54cと油圧遮断弁45側のコネクタ53との接続位置は、互いに近づくようにかつ作業性の良好な位置(例えば旋回体フレーム4の外側部分で油圧配管等が密集していない位置)に配置されている。
【0046】
中継ハーネス58は、電磁減圧弁35A〜39A側のコネクタ52Aa(又は電磁減圧弁35B〜39B側のコネクタ52Ba)に着脱可能な10極コネクタ58aを一方側(図4及び図5中右側)に設け、この10極コネクタ58aに5組の電源線及びアース線を接続し、それら各組の他方側(図4及び図5中左側)端部に2極コネクタ58bを設けている。
【0047】
接続ハーネス59は、走行速度切換スイッチ33側の2極コネクタ56cに着脱可能な2極コネクタ59aを一方側に設け、この2極コネクタ59aに1組の電源線59b及びアース線59cを接続するとともに2組となるように分岐配線し、それら各組の他方側端部に中継ハーネス58の2極コネクタ58bに着脱可能な2極コネクタ59dと油圧遮断弁45側の2極コネクタ53に着脱可能な2極コネクタ59eとを設けている。
【0048】
そして、電磁減圧弁35B〜39B側のコネクタ52Ba(又は電磁減圧弁35A〜39A側のコネクタ52Aa)と中継ケーブル58のコネクタ58aとを接続し、中継ケーブル58の5つのコネクタ58bのうちいずれか1つと接続ハーネス59のコネクタ59dとを接続し、接続ハーネス59のコネクタ59eと油圧遮断弁45側のコネクタ53とを接続し、接続ハーネス59のコネクタ59aと走行速度切換スイッチ33側のコネクタ56cとを接続した状態で(図5及び図7参照)、走行速度切換スイッチ33をON状態に操作すると、油圧遮断弁45が通電して連通位置に切り換えられるとともに、選択したコネクタ58bに対応する電磁減圧弁が通電して駆動し、コントロールバルブへの所定の操作パイロット圧を生成するようになっている。
【0049】
次に、本実施形態の動作及び作用効果を説明する。
【0050】
例えば掘削作業等を行う場合、まず操作者がロックレバー29を解除位置に操作すると、その操作信号がコントローラ44に入力され、これに基づきコントローラ44は油圧遮断弁45を制御する。これにより、油圧遮断弁45が連通位置に切り換えられ、パイロットポンプ28からの元圧が電磁減圧弁35A,35B〜39A,39Bに導入される。そして、例えば作業機5の俯仰動作や上部旋回体3の旋回動作を意図して操作者が操作レバー27L,27R又は操作ペダル26Rを操作すると、その操作信号がコントローラ44に入力され、これに基づきコントローラ44にて生成した駆動信号がハーネス50A,52Aを介し電磁減圧弁35A〜39Aに、又はハーネス50B,52Bを介し電磁減圧弁35B〜39Bに出力される。これにより、電磁減圧弁35A,35B〜39A,39Bが駆動してコントロールバルブ35〜39への操作パイロット圧が制御され、油圧ポンプ34から油圧アクチュエータ(詳細には、上記旋回用油圧モータ、ブーム用油圧シリンダ20、オフセット用油圧シリンダ21、アーム用油圧シリンダ22、バケット用油圧シリンダ23)への圧油の流れが制御される。このようにして通常時は、操作レバー27L,27R及び操作ペダル26Rの操作に応じて油圧アクチュエータを駆動させる。
【0051】
一方、例えばコントローラ44の故障等が万一発生したときでも、作業機5の必要最小限の動作を行わせたい場合がある。このような場合、走行速度切換スイッチ33側のコネクタ56cと走行速度切換弁46側のコネクタ57とを切り離し、コントローラ44側のコネクタ50Aa,50Baと電磁減圧弁35A,35B〜39A,39B側のコネクタ52Aa,52Ba、及びコントローラ44側のコネクタ54cと油圧遮断弁45側のコネクタ53とを切り離す。そして、接続ハーネス59のコネクタ59aと走行速度切換スイッチ33側のコネクタ56cとを接続し、接続ハーネス59のコネクタ59eと油圧遮断弁45側のコネクタ53とを接続する。そして、所望の油圧アクチュエータの動作に対応する電磁減圧弁(35A,35B〜39A,39Bのいずれか1つ)を選択し、この選択した電磁減圧弁に対応して、電磁減圧弁35B〜39B側のコネクタ52Ba(又は電磁減圧弁35A〜39A側のコネクタ52Aa)と中継ケーブル58のコネクタ58aとを接続し、中継ケーブル58の5つのコネクタ58bのうちいずれか1つと接続ハーネス59のコネクタ59dとを接続する。これにより、操作者が走行速度切換スイッチ33をON状態に操作すると、選択した電磁減圧弁及び油圧遮断弁45が通電して駆動し、コントロールバルブへの所定の操作パイロット圧が生成される。その結果、作業機5や旋回体3の必要最小限の動作を行わせることができる。
【0052】
以上のように本実施形態においては、コントローラ44を介しないで走行速度切換弁46を操作する走行速度切換スイッチ33を利用し、走行速度切換弁46に代えて所望の油圧アクチュエータの動作に対応する電磁減圧弁及び油圧遮断弁45を中継ハーネス58及び接続ハーネス59を用いて接続することにより、油圧アクチュエータの臨時操作を行うことができる。また、走行速度切換スイッチ33に接続する電磁減圧弁を接続替えすることにより複数の油圧アクチュエータの動作に対応できるので、従来技術のように全ての電気レバー方式の操作装置に対応してスイッチを用意する必要がなくなり、さらに既設のスイッチを利用するので、新たな専用スイッチを設ける必要もなくなる。したがって、コスト及び設置スペースの低減を図りつつ、油圧アクチュエータの臨時操作を行うことができる。
【0053】
また、例えば電磁減圧弁35A,35B〜39A,39Bにそれぞれ設けた複数の2極コネクタ51A,51Bとハーネス52A,52Bの複数の2極コネクタ52Ab,52Bbとを切り離し、これら複数の2極コネクタ51A,51Bのうちいずれか1つと接続ハーネス59の2極コネクタ59dとを接続するような構成においても、上記一実施形態同様の効果を得ることができる。しかしながら、例えば複数のコネクタ51A,51Bの位置が電磁減圧弁35A,35B〜39A,39Bにそれぞれ対応して分散したり、また例えば電磁減圧弁35A,35B〜39A,39Bに接続された油圧配管が密集する等の理由から、コネクタ51A,51Bの切り離し・接続作業が困難となる場合がある。本実施形態においては、中継ハーネス58を用いることにより、ハーネス52A,52Bの10極コネクタ52Aa,52Baで切り離し・接続作業を行うことが可能となり、コネクタ52Aa,52Ba及び中継ハーネス58を作業のしやすい位置に配置して作業性の向上を図ることができる。
【0054】
なお、上記第1の実施形態においては、コントローラ44を介しないで、一方側端子がキースイッチ32等を介しバッテリ48に接続され、他方側端子が走行速度切換弁46に接続された走行速度切換スイッチ33を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、コントローラ44を介しないでバッテリ48に接続されたスイッチであれば、例えばホーンの吹鳴を指示するホーンスイッチやライトの照明を指示するライトスイッチ等を用いてもよい。このような場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0055】
本発明の第2の実施形態を図8及び図9により説明する。本実施形態は、2つのスイッチにそれぞれ所望の電磁減圧弁(35A,35B〜39A,39Bのいずれか1つ)及び油圧遮断弁45を接続する実施形態である。
【0056】
図8及び図9は、本実施形態による建設機械の操作回路装置の概略構成を表す電気回路図であり、図8は通常の配線接続状態を表し、図9は臨時操作用の配線接続状態を表す。これら図8及び図9において、上記一実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0057】
本実施形態では、ホーン60と、例えば上記旋回・アーム用手動操作レバー27Lの把持部に設けられ、ホーン60の吹鳴を指示するホーンスイッチ61とが設けられている。ホーンスイッチ61は、その一方側端子がキースイッチ32のON端子に電源線62を介し接続されている。また、ホーンスイッチ61の他方側端子に接続された電源線63aと別途用意したアース線63bとを束ねて、その端部に2極コネクタ63cを設けたハーネス63が設けられている。また、ホーン60には、1組の電源線及びアース線が接続されその端部に2極コネクタ64が設けられている。そして、ホーンスイッチ61側のコネクタ63cとホーン60側のコネクタ64とが接続された状態で、ホーンスイッチ61をON状態に操作すると、ホーン60が通電して吹鳴駆動するようになっている。
【0058】
そして、本実施形態の大きな特徴として、ホーンスイッチ61側のコネクタ63cと上記油圧遮断弁45側のコネクタ53が着脱可能となっている。また、上記走行速度切換スイッチ33の他方側端子と上記中継ハーネス58とを接続するための接続ハーネス65が備えられている。この接続ハーネス65は、走行速度切換スイッチ33側の2極コネクタ56cに着脱可能な2極コネクタ65aを一方側に設け、この2極コネクタ65aに1組の電源線65b及びアース線65cを接続し、その他方側端部に上記中継ハーネス58の2極コネクタ58bに着脱可能な2極コネクタ65dを設けている。
【0059】
そして、油圧遮断弁45側のコネクタ53とホーンスイッチ61側のコネクタ63cとを接続した状態で、ホーンスイッチ61をON状態に操作すると、油圧遮断弁45が通電して連通位置に切り換えられ、パイロットポンプ28からの元圧が電磁減圧弁35A,35B〜39A,39Bへ導入される。また、所望の油圧アクチュエータの動作に対応する電磁減圧弁(35A,35B〜39A,39Bのいずれか1つ)を選択し、この選択した電磁減圧弁に対応して、電磁減圧弁35B〜39B側のコネクタ52Ba(又は電磁減圧弁35A〜39A側のコネクタ52Aa)と中継ケーブル58のコネクタ58aとを接続し、中継ケーブル58の5つのコネクタ58bのうちいずれか1つと接続ハーネス65のコネクタ65dとを接続し、接続ハーネス65のコネクタ65aと走行速度切換スイッチ33側のコネクタ56cとを接続する。そして、操作者が走行速度切換スイッチ33をON状態に操作すると、選択した電磁減圧弁が通電して駆動し、コントロールバルブへの所定の操作パイロット圧が生成される。その結果、油圧アクチュエータの必要最小限の動作を行わせることができる。
【0060】
以上のように構成された本実施形態においても、上記一実施形態同様、コスト及び設置スペースの低減を図りつつ、油圧アクチュエータの臨時操作を行うことができる。
【0061】
なお、上記第2の実施形態においては、ホーンスイッチ61側のコネクタ63cと油圧遮断弁45側のコネクタ53を直接接続する場合を例にとって説明したが、これに限られず、例えば接続ハーネス等を介し接続してもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の適用対象である小型の油圧ショベルの全体構造を表す側面図である。
【図2】図1中矢印II方向から見た矢視俯瞰図である。
【図3】本発明の適用対象である油圧ショベルに備えられた電気レバー方式の操作装置に係わる油圧駆動装置の要部構成を表す回路図である。
【図4】本発明の建設機械の操作回路装置の第1の実施形態の概略構成を表す電気回路図であり、通常の配線接続状態を表す。
【図5】本発明の建設機械の操作回路装置の第1の実施形態の概略構成を表す電気回路図であり、臨時操作用の配線接続状態を表す。
【図6】本発明の建設機械の操作回路装置の第1の実施形態の配置レイアウトを表す旋回フレーム上の前方左側部分の斜視図であり、通常の配線接続状態を表す。
【図7】本発明の建設機械の操作回路装置の第1の実施形態の配置レイアウトを表す旋回フレーム上の前方左側部分の斜視図であり、臨時操作用の配線接続状態を表す。
【図8】本発明の建設機械の操作回路装置の第2の実施形態の概略構成を表す電気回路図であり、通常の配線接続状態を表す。
【図9】本発明の建設機械の操作回路装置の第2の実施形態の概略構成を表す電気回路図であり、臨時操作用の配線接続状態を表す。
【符号の説明】
【0063】
2 下部走行体
3 上部旋回体
5 作業機
20 ブーム用油圧シリンダ
21 オフセット用油圧シリンダ
22 アーム用油圧シリンダ
23 バケット用油圧シリンダ
26R オフセット用操作ペダル(操作手段)
27L 旋回・アーム用操作レバー(操作手段)
27R バケット・ブーム用操作レバー(操作手段)
33 走行速度切換スイッチ
34 油圧ポンプ
35〜39 コントロールバルブ
35A,35B〜39A,39B 電磁減圧弁
44 コントローラ
45 油圧遮断弁
46 走行速度切換弁(電子部品)
48 バッテリ(電源)
58 中継ハーネス(接続回路手段)
59 接続ハーネス(接続回路手段)
60 ホーン(電子部品)
61 ホーンスイッチ
63 ハーネス(接続回路手段)
65 接続ハーネス(接続回路手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、前記下部走行体上に旋回可能に設けた上部旋回体と、前記上部旋回体に俯仰可能に設けた多関節型の作業機と、前記作業機を駆動する複数の油圧アクチュエータと、油圧ポンプと、前記油圧ポンプから前記油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御する複数の油圧パイロット式のコントロールバルブと、前記コントロールバルブへの操作パイロット圧を生成する複数の電磁減圧弁と、前記複数の電磁減圧弁に供給する元圧を遮断可能な油圧遮断弁と、操作手段の操作に応じて前記油圧遮断弁及び複数の電磁減圧弁を制御するコントローラとを備えた建設機械の操作回路装置において、
前記コントローラを介しないで、一方側端子が電源に接続され他方側端子が電子部品に接続されたスイッチと、
前記スイッチの他方側端子と前記電子部品との接続を外し、かつ前記コントローラと前記油圧遮断弁及び電磁減圧弁との接続をそれぞれ外した状態で、前記スイッチの他方側端子と前記油圧遮断弁及び電磁減圧弁とをそれぞれ接続することが可能な接続回路手段とを備えたことを特徴とする建設機械の操作回路装置。
【請求項2】
請求項1記載の建設機械の操作回路装置において、前記接続回路手段は、前記スイッチ側のコネクタに着脱可能なコネクタを一方側に設け、前記油圧遮断弁側のコネクタに着脱可能なコネクタ及び前記電磁減圧弁側のコネクタに着脱可能なコネクタを他方側に設けた接続ハーネスを有することを特徴とする建設機械の操作回路装置。
【請求項3】
請求項1記載の建設機械の操作回路装置において、前記スイッチを複数備え、前記接続回路手段は、前記一のスイッチ側のコネクタと前記油圧遮断弁側のコネクタとを接続し、前記他のスイッチ側のコネクタと前記電磁減圧弁側のコネクタとを接続することを特徴とする建設機械の操作回路装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の建設機械の操作回路装置において、前記接続回路手段は、前記複数の電磁減圧弁に接続された1つのコネクタに着脱可能な1つのコネクタを一方側に設け、前記複数の電磁減圧弁にそれぞれ対応する複数のコネクタを他方側に設けた中継ハーネスを有することを特徴とする建設機械の操作回路装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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