説明

建設機械及びその建設機械で矢板壁を構築するための方法

【課題】建設機械において、高い多用途性を提供しながら、特に高い動作信頼性を実現するように改善する。
【解決手段】本発明は、変速機3と、少なくとも1つの油圧駆動装置5と、油圧駆動装置5に油圧油を供給するための油圧回路とを備え、少なくとも1本の潤滑剤補給ライン10が油圧回路から分岐され、これによって変速機3に油圧油を潤滑剤として供給できる建設機械に関する。本発明は、潤滑剤補給ライン10上に潤滑剤供給ポンプ16を設け、これによって潤滑剤の供給量を変速機3の動作条件に応じて変更できることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に振動を発生させるための特許請求範囲請求項1の前文による建設機械に関する。この種の建設機械は、変速機と、少なくとも1つの油圧駆動装置と、油圧駆動装置に油圧油を供給するための油圧回路とを備えるように設計され、油圧回路からは少なくとも1本の潤滑剤補給ライン(lubrication line)が分岐し、これによって変速機に油圧油を潤滑油として供給することができる。
【背景技術】
【0002】
一般的な建設機械は、ドイツ特許第101 15 260 C2号から知られている。この公報の教示は、油圧駆動装置の油圧回路を変速機の潤滑回路に連結し、油圧油が潤滑油の役割を果たすようにする、というものである。
【0003】
複合的な油圧潤滑回路を有する、混合物を均質化するための振動機は、米国特許第4,039,167号から知られている。
【0004】
【特許文献1】独国特許第101 15 260 C2号公報
【特許文献2】米国特許第4,039,167号明細書
【特許文献3】仏国特許第2,775,732号明細書
【特許文献4】米国特許第4,516,655号明細書
【特許文献5】EP1245737A2号公報
【特許文献6】独国6950437U公報
【特許文献7】独国特許公開2,524,808A1号公報
【特許文献8】EP0534067A2号公報
【特許文献9】独国20 2004 019034U1公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、汎用建設機械を、高い多用途性を提供しながら、特に高い動作信頼性を実現するように改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記の目的は、特許請求範囲請求項1の特徴を有する建設機械によって解決される。好ましい実施例は従属項に記載されている。
【0007】
本発明による建設機械は、潤滑ライン上に潤滑剤供給装置(dosing device)を設置し、これによって変速機の動作条件に応じて潤滑剤の供給を変更できることを特徴とする。
【0008】
本発明の基本原理は、潤滑剤供給装置を設置し、これによって潤滑ライン内を流れる潤滑剤の流れを、変速機の動作条件に応じて油圧回路と変速機との間で選択的に設定し、特に制御および/または規制することができる点にある。本発明は、変速機による潤滑油の需要をその動作条件に依存させることができるという考えに基づいている。潤滑油の需要の変化は、たとえば、変速機の回転速度が高くなると、潤滑剤が潤滑剤補給点にとどまる時間が短くなること、および/または散逸させるべき熱の量が多くなることから生じる。本発明によって潤滑剤の流れを変えることにより、この点に関連して、変速機の回転速度が高くても信頼性の高い潤滑剤補給が可能となり、同時に、回転速度が低い場合に、油圧回路から不必要に多くの油圧油が引き出されて、変速機の潤滑油サンプ(lubricant-oil sump)に好ましくない多量の潤滑剤が累積されるという事態を避けることができる。
【0009】
同様に、動作条件に応じた変速機の潤滑剤需要は特に、変速機からの潤滑剤の排出が動作条件に応じて、より詳しくは、回転速度に応じて行なわれるケースでもある。この場合、本発明によれば、確実に潤滑剤の供給速度と排出速度が動作条件に関係なく変速機において常に一定であるようにすることが可能である。特に、速度を同じに設定できる。このように、動作時間が長くなっても、変速機に潤滑剤が満杯になってしまうことも、油切れとなることもないようにすることができる。変速機が潤滑剤で満杯になるのを防止するために、変速機からの排出速度を変速機への供給速度より大きく設定することが好ましい。この場合に、排出ポンプの油切れを防止するために、排出される潤滑剤の一部を変速機に戻すようなバランス手段(balancing means)を設けることができる。
【0010】
動作条件という用語は、たとえば変速機の回転速度と理解することができる。しかしながら、動作条件は、たとえば変速機内の潤滑剤の充満レベルであってもよい。
【0011】
本発明によれば、特に変速機が動作中にのみ潤滑剤が変速機に供給されるようにすることができ、これによって特に変速機が動作時に潤滑剤で満杯になることが防止できる。本発明にしたがって動作条件に応じて潤滑剤を供給することにより、変速機に適量の潤滑剤を強制的に補給することが可能となる。
【0012】
本発明により、変速機の各種の回転速度で建設機械を動作させることができ、この場合、回転速度に関係なく、特に信頼性の高い変速機への潤滑剤補給が提供される。したがって、本発明によれば、特に多用途で信頼性の高い建設機械が得られる。建設機械が、特に振動機として振動を発生させる設計である場合、変速機の回転速度が変化することで、異なる地質が広がっている場合でも、各種の建設用要素を円滑かつ高い信頼性で地中に打ち込むことが可能となる。
【0013】
本発明によれば、潤滑剤供給装置が変速機と機械的に連結される潤滑剤供給ポンプを備えることが特に有利である。この実施例によれば、潤滑剤を変速機に輸送するための潤滑剤供給ポンプは、変速機の少なくとも1つの要素によって駆動される。機械的な連結により、特に単純で信頼性の高い方法で潤滑剤供給装置を条件に応じて作動させることが可能となる。原則として、電子センサによって変速機の動作条件を判断し、電子設定部材によって変速機への潤滑剤の供給量を設定することも可能であろう。
【0014】
さらに、本発明によれば、変速機の動作条件に応じて変速機から潤滑剤を排出することができる潤滑剤戻し装置(return device)を設けることが特に好ましい。この実施例によれば、変速機への潤滑剤の供給速度と変速機からの潤滑剤の排出速度の両方が、動作条件に応じて設定される。
【0015】
潤滑剤戻し装置は少なくとも1本の潤滑剤戻しラインを有し、ここに潤滑剤戻しポンプが配置されていることが特に有利である。好ましくは、潤滑剤戻しポンプは変速機に機械的に連結される。潤滑剤供給ポンプと同様に、この実施例による潤滑剤戻しポンプは、変速機の要素によって機械的に駆動される。基本的に、センサによって判断された動作条件に基づいて作動する電子設定部材により、変速機からの潤滑剤の排出を設定することも可能であろう。
【0016】
回転速度に応じた変速機からの潤滑剤の排出に関連して、本発明からは非常に多くの利点が得られる。この場合、先行技術から知られているように、変速機への潤滑剤の供給量が設定されていると、潤滑剤戻しポンプのポンプサイズは、変速機の回転速度が最低であるときでも、供給される潤滑剤が確実にくみ出されるようなサイズにしなければならないであろう。しかしながら、その結果、潤滑剤戻しポンプの寸法がある程度大きくなりすぎてしまう。この場合に変速機がより高い回転速度、特に公称回転速度で動作すると、ポンプの寸法が大きすぎるため、変換機のサンプに収容できる量より多くのオイルが送られる。そして、潤滑剤戻しラインに好ましくない大量の空気が入り、この空気はそこからベース装置の油圧システムに運ばれ、その結果、好ましくないことに、オイルが泡立てられる可能性がある。これに対し、本発明によれば、変速機に供給される潤滑油の量も回転速度に応じて設定される。したがって、本発明によれば、潤滑剤の供給量と排出量は、相互に一定の比率とすることができる。より詳しくは、本発明によれば、潤滑剤戻しポンプを大きすぎるサイズにする必要がないため、オイルの泡立ちという好ましくない現象を防止できる。最適化のために、潤滑剤供給ポンプによって輸送される量、好ましくは潤滑剤供給ポンプと潤滑剤戻しポンプの両方により運ばれる潤滑剤の量を、とにかく変速機の回転速度に比例させる。
【0017】
動作の信頼性は、特に潤滑剤戻しポンプの変速機と反対側で、好ましくはスロットルを介して変速機に入るバランスラインが潤滑剤戻しラインから分岐している点からさらに改善される。バランスラインは、たとえば、おそらく潤滑剤戻しポンプによって変速機から排出される気体部分を変速機に戻す役割を果たすことができる。さらに、バランスラインにより、変速機の完全な油切れが防止される。
【0018】
特に、油圧油の不要な損失を防止するために、油圧駆動装置から、および/または潤滑剤供給ポンプからのリークオイルを排出するために、リークオイルラインを設置することが有利である。これに関わる機器がなるべく少なくてすむように、油圧駆動装置と潤滑剤供給ポンプの両方からのリークオイルを排出するために、共通のリークオイルラインを設けることが有利である。
【0019】
さらに、本発明によれば、潤滑剤補給ライン、潤滑剤戻しラインおよび/またはリークオイルラインのそれぞれを、圧制御弁を介して配管接続させるリリーフラインを設けることが好ましく、リリーフラインは変速機に入る。その結果、特に簡単な方法で過剰圧力から保護できる。最適化のために、潤滑剤戻しラインは、潤滑剤戻しポンプの下流のリリーフラインと配管接続される。
【0020】
変速機に潤滑剤として供給される油圧油は、特に油圧駆動装置のリークオイルであってもよい。この場合、潤滑剤補給ラインを油圧回路のリークオイルラインから分岐させることができる。その代わりに、またこれに追加して、変速機に油圧駆動装置に戻るオイルを供給するような構成にしてもよい。したがって、本発明の好ましい改善点は、潤滑剤補給ラインが油圧回路の戻りラインから分化されるという点である。この実施例によれば、潤滑剤は、油圧モータから出る流れから分岐する。原則として、油圧回路のリークオイルラインおよび/または戻りラインでは、潤滑剤補給機能に特に適しているように、油圧が比較的低い。変速機には、戻りオイルとリークオイルの両方を潤滑剤として供給することもでき、これによって、特に信頼性の高い潤滑剤の供給が確実となる。たとえば、変速機に、動作条件に応じて戻りラインからの基本的流れとリークオイルラインから得られる追加の流れを供給するような構成とすることができる。
【0021】
基本的に、本発明によれば、油圧駆動装置と変速機を相互に独立して作動できるような構成にすることができる。しかしながら、油圧駆動装置は変速機を作動させるように配置されると特に有利である。この実施例によれば、油圧駆動装置は、変速機の駆動シャフト上に適切に設けられる。変速機は、たとえば回転型変速機、より詳しくは、歯車式変速機とすることができる。好ましくは、油圧駆動装置は油圧ロータリモータである。
【0022】
それぞれ戻りラインを有する少なくとも2つの油圧駆動装置が変速機を駆動するために設けられた、特に用途が広く、および/または効率的な建設機械が提供される。特に信頼性の高い潤滑剤補給を実現するために、特に、潤滑剤補給ラインを2本の戻りラインと配管接続することが有利である。
【0023】
たとえば、潤滑剤補給の機能試験のために、潤滑剤補給ライン上、特に、潤滑剤供給ポンプの変速機側に圧力スイッチを設置すると有益である。
【0024】
特に簡単な方法で振動を発生させるために、少なくとも1つの不平衡質量を変速機上に設けることが有利である。最適化のために、いくつかの不平衡質量を設置し、その位相位置は振幅設定のために変更可能とする。
【0025】
好ましくは、本発明による、振動機とも呼ぶことのできる建設機械は土工機械であり、これを用いて、基礎要素、矢板および/または土工ツールを地中に打ち込むことができる。この目的のために、建設要素のための取付台が変速機に設置されることが好ましい。建設機械は、たとえば、表層部振動機(top vibrator)または深層部振動機(depth vibrator)とすることができる。特に土締固め用の建設機械も提供される。本発明による油圧油は適当な液体、特にオイルである。油圧駆動装置を作動させるために、油圧回路内に配置された少なくとも1つの油圧ポンプが適当に設置される。有利な態様として、油圧ポンプは走行装置上に配置され、そこに変速機が油圧駆動装置と一緒に可動的に配置される。油圧駆動装置の回転速度を設定するための手段を設けることが特に有利である。このために、油圧ポンプを調整可能な方法で適当に設置する。本発明によれば、油圧回路は開回路としても閉回路としても設計できる。
【0026】
本発明はまた、矢板壁を構築するための方法でもあり、この方法によれば、矢板に機械的振動を与え、本発明による建設機械を用いて地中へと打ち込む。
【0027】
以下に、添付の図面に概略を示す好ましい実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、汎用建設機械を、高い多用途性を提供しながら、特に高い動作信頼性を実現するように改善することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明による建設機械を図1に示す。振動機として設計されているこの建設機械は、変速機3を有し、この中に振動を起こすための2つの第一の不平衡質量6と2つの第二の不平衡質量6’が設けられている。変速機3には油圧揺動モータ61が配置され、これによって、第一の不平衡質量6の位相位置を第二の不平衡質量6’と相対的に設定することができる。油圧揺動モータ61を作動させるために、このモータには油圧油のための2本の動作ライン60,60’が設けられている。
【0030】
変速機3を駆動するために、不平衡質量6,6’に機械的接続された2つの油圧駆動装置5,5’が設置されている。油圧油を油圧駆動装置5に供給するために、油圧駆動装置5に供給ライン51が設置されている。同様に、油圧油を油圧駆動装置5’に供給するために、油圧駆動装置5’に供給ライン51’が設置されている。油圧油を油圧駆動装置5,5’から排出するために、戻りライン50,50’がそれぞれ上記駆動装置に配置されている。油圧駆動装置5の供給ライン51と戻りライン50の間に逆止弁53が設置され、戻りライン50から供給ライン51への流れを可能にし、反対方向の流れを遮断する。同じ設計の逆止弁53’が油圧駆動装置5’の供給ライン51’と戻りライン50’の間にある。油圧駆動装置5,5’を作動させるために、図には示されていない2つの油圧ポンプが設けられ、各ライン50,51およびそれぞれ50’,51’に連結されている。
【0031】
本発明によれば、変速機3の潤滑剤補給にも用いられる、油圧駆動装置5,5’のための油圧油を動作させるよう構成される。この目的のために、油圧駆動装置5の戻りライン50と油圧駆動装置5’の戻りライン50’の両方に配管接続された潤滑剤補給ライン10が設けられ、これによって戻りライン50,50’から、油圧駆動装置5,5’に逆流する油圧油を排出し、この油圧油を潤滑媒体として変速機3に供給することができる。変速機3において、油圧油は、潤滑剤補給ライン10から変速機3の潤滑剤補給地点に輸送される。
【0032】
潤滑剤補給ライン10を通じて変速機3に輸送される油圧油の量を設定するために、潤滑剤補給ライン10には潤滑剤供給ポンプ16が配置される。潤滑剤供給ポンプ16は、変速機3と、より詳しくは不平衡質量6,6’と機械的に接続され、その回転速度、ひいては潤滑剤供給ポンプ16により輸送される潤滑媒体の流れが変速機の回転速度によって、特にこれに比例させることによって決定される。
【0033】
変速機3の領域において、圧力スイッチ19が潤滑剤補給ライン10の上に設置され、この圧力スイッチ19は予め決定された圧力で閉じ、それによって正しい潤滑状態を監視することが可能となる。
【0034】
変速機3から潤滑剤を排出するために、潤滑剤戻しライン20が設けられており、この潤滑剤戻しライン20は変速機3のサンプに入る。潤滑剤戻しライン20を通じて、潤滑剤は変速機3から図中に示されていない回収タンクに戻され、ここから油圧油は油圧ポンプによって再び油圧駆動装置5,5’の供給ライン51,51’に供給される。潤滑剤戻しライン20には、潤滑剤供給ポンプ16と同様に変速機3に機械的に接続された潤滑剤戻しポンプ26が配置され、それによって上記の潤滑剤戻しポンプ26の輸送能力も同様に変速機3の回転速度に依存する。両方のポンプ16,26の輸送能力が回転速度に依存することから、動作中、変速機3は潤滑剤で満杯になることも、油切れになることもなくなる。
【0035】
潤滑剤戻しライン20には、スロットル27を通じて変速機3に入るバランスライン28が連結され、これはたとえば、潤滑剤戻しライン20から変速機3へと気体部分を戻す機能を果たす。
【0036】
2つの油圧駆動装置5,5’からリークオイルを排出するために、リークオイルライン30が設置される。このリークオイルライン30は、油圧揺動モータ61の別のリークオイルライン36と結合し、共通のリークオイル戻しラインとなる。さらに、また別のリークオイルライン31が2つの油圧駆動装置5,5’に設置され、これが2つの油圧駆動装置5,5’を相互に連結する。
【0037】
連結ライン32を通じて、潤滑剤供給ポンプ16がリークオイルライン30と配管接続され、また油圧駆動装置5,5’のリークオイルライン31にも配管接続される。このように、潤滑剤供給ポンプは、リークオイルライン30および/または31から油圧油を引き出し、これを潤滑剤として変速機3に供給することができる。しかしながら、連結ライン32はまた、潤滑剤供給ポンプ16に累積するリークオイルを排出する役割も果たすことができる。
【0038】
さらに、図1に示す装置はリリーフライン40を備え、そこに、圧力制限弁41を介して潤滑剤補給ライン10が、圧力制限弁42を介して潤滑剤戻しライン20が、圧力制限弁43を介してリークオイルライン36が入る。リリーフライン40は、変速機3内に入り、ライン10,20および/または30から油圧油を変速機3へと排出し、過剰圧力から保護することができる。
【0039】
図1の装置は、リークオイルライン30,36と配管接続されるまた別の圧力スイッチ39を備える。この圧力スイッチ39は、所定の圧力以上になると開く。したがって、これは、リークオイルライン30,36の圧力上昇を検出することができ、これに基づいて油圧駆動装置5,5’または油圧揺動モータ61の機能的な欠陥の可能性を判断できる。
【0040】
図1の装置の動作中、油圧駆動装置5,5’には、供給ライン51,51’を通じて加圧された油圧油が作用し、変速機3を駆動する。油圧駆動装置5,5’によって輸送される油圧油は、戻りライン50,50’を通じて排出される。逆流油圧油の少なくとも一部は、潤滑剤補給ライン10を通じて潤滑剤として変速機3に供給される。変速機3に機械的に連結される潤滑剤供給ポンプ16により、この場合に、回転速度に応じた量の潤滑剤が変速機3に確実に供給される。同時に、潤滑剤は、変速機3の底部から潤滑剤戻しライン20を通じて排出される。同様に変速機3と機械的に接続されている潤滑剤戻しポンプ26により、排出される潤滑剤の量は変速機の回転速度に応じて設定される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明による建設機械の油圧部の概略図である。
【符号の説明】
【0042】
3 変速機、5 油圧駆動装置、6 不平衡質量、10 潤滑剤補給ライン、16 潤滑剤供給ポンプ、19,39 圧力スイッチ、20 潤滑剤戻しライン、26 潤滑剤戻しポンプ、27 スロットル、28 バランスライン、30,31,36 リークオイルライン、40 リリーフライン、43 圧力制限弁、50 戻りライン、51 供給ライン、53 逆止弁、60 動作ライン、61 油圧揺動モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に振動を起こすための建設機械であって、
変速機と、
少なくとも1つの油圧駆動装置と、
前記油圧駆動装置に油圧油を供給するための油圧回路と、
を備え、
前記油圧回路から少なくとも1本の潤滑剤補給ラインが分岐し、これによって前記変速機に油圧油を潤滑剤として供給することができ、
前記潤滑剤補給ラインに潤滑剤供給装置が設置され、これによって潤滑剤の供給量を前記変速機の動作条件に応じて変更できることを特徴とする建設機械。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械であって、
前記潤滑剤供給装置は、前記変速機に機械的に連結された潤滑剤供給ポンプを有することを特徴とする建設機械。
【請求項3】
請求項1に記載の建設機械であって、
潤滑剤戻し装置が設置され、これによって、前記変速機の動作条件に応じて前記変速機から潤滑剤を排出できることを特徴とする建設機械。
【請求項4】
請求項3に記載の建設機械であって、
前記潤滑剤戻し装置は、少なくとも1本の潤滑剤戻しラインを有し、そこに前記変速機に機械的に接続された潤滑剤戻しポンプが配置されていることを特徴とする建設機械。
【請求項5】
請求項4に記載の建設機械であって、
前記潤滑剤戻しポンプの、前記変速機の反対側に、バランスラインが前記潤滑剤戻し装置から分岐し、これが好ましくはスロットルを通じて前記変速機に入ることを特徴とする建設機械。
【請求項6】
請求項1に記載の建設機械であって、
前記油圧駆動装置および/または前記潤滑剤供給ポンプからリークオイルを排出するためのリークオイルラインが設置されていることを特徴とする建設機械。
【請求項7】
請求項1に記載の建設機械であって、
リリーフラインが設置され、これによって、前記潤滑剤補給ライン、前記潤滑剤戻しラインおよび/または前記リークオイルラインがそれぞれ、圧力制限弁を通じて、前記変速機に入る前記リリーフラインに配管接続されることを特徴とする建設機械。
【請求項8】
請求項1に記載の建設機械であって、
前記潤滑剤補給ラインは、前記油圧回路の戻りラインから分岐することを特徴とする建設機械。
【請求項9】
請求項1に記載の建設機械であって、
前記油圧駆動装置は、前記変速機を作動させるために配置されていることを特徴とする建設機械。
【請求項10】
請求項1に記載の建設機械であって、
前記変速機を駆動するために、それぞれ戻りラインを有する少なくとも2台の油圧駆動装置が設置され、この場合、前記潤滑剤補給ラインは、前記2本の戻りラインと配管接続されていることを特徴とする建設機械。
【請求項11】
請求項1に記載の建設機械であって、
前記潤滑剤補給ライン、特に前記潤滑剤供給ポンプの前記変速機側に圧力スイッチが設けられていることを特徴とする建設機械。
【請求項12】
請求項1に記載の建設機械であって、
前記変速機に、少なくとも1つの不平衡質量が配置されていることを特徴とする建設機械。
【請求項13】
変速機と、少なくとも1つの油圧駆動装置と、前記油圧駆動装置に油圧油を供給するための油圧回路と、を備え、前記油圧回路から少なくとも1本の潤滑剤補給ラインが分岐し、これによって前記変速機に油圧油を潤滑剤として供給することができ、前記潤滑剤補給ラインに潤滑剤供給装置が設置され、これによって潤滑剤の供給量を前記変速機の動作条件に応じて変更できる振動を起こすための建設機械を用いて矢板壁を構築するための方法であって、
矢板に機械的振動を与え、これを前記建設機械によって地中に打ち込むことを特徴とする方法。

【図1】
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