説明

建造物の地下に蓄熱する蓄熱システム、および建造物

【課題】地下に低コストで蓄熱する蓄熱システムおよび建造物を提供すること。
【解決手段】電力および熱量を生成する燃料電池と、燃料電池から電力および熱量を供給される建造物と、建造物の下方に設けられて建造物を支える地中杭と、地中杭の内部の外周近傍に設けられ、燃料電池が生成する熱量によって加温された熱媒体を流すことによって、建造物よりも下方の地下部に蓄熱する蓄熱配管と、地中杭を囲み、少なくとも建造物の下方から不透水層にまで達する、帯水層よりも水を通しにくい山留めを備え、蓄熱配管は、不透水層よりも上方に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄熱システム、および建造物に関する。特に本発明は、建造物の地下に低コストで蓄熱する蓄熱システムおよび建造物に関する。
【背景技術】
【0002】
熱電気併給装置から負荷に電力および温水を供給するコージェネレーションシステムとして、電力の消費状態および温水の消費状態に基づいて、複数の熱電気併給装置の運転台数を決定するシステムがある(例えば、特許文献1参照。)。このシステムでは、燃料電池の発電時に発生する熱によって温められた温水を貯湯タンクに貯湯して、貯湯された温水を給湯負荷に供給する。
【特許文献1】特開2003-199254号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
住宅における温水の消費量は、季節毎或いは一日の時間帯毎に大きく変動する。このような温水消費量の変動に対応すべく熱電気併給装置の運転台数、発電量の調整を繰り返すと、熱電気併給装置のエネルギー効率が低下してしまう。このようなエネルギー効率の低下を避けつつ温水の消費量の変動に対応すべく、大容量の貯湯槽、温水を生成するバーナ等を設置すると、貯湯槽、バーナ等の設備コストが増大してしまうので好ましくない。したがって、コージェネレーションシステムには、熱電気併給装置からの熱量を低コストでより多くの熱量を蓄熱することができる蓄熱システムが備えられることが望ましい。
【0004】
そこで本発明は、上記の課題を解決することができる蓄熱システムおよび建造物を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の形態における蓄熱システムは、電力および熱量を生成する分散型電源と、分散型電源から電力および熱量を供給される建造物と、建造物の下方に設けられて、建造物を支える地中杭と、地中杭の内部の外周近傍に設けられ、分散型電源が生成する熱量によって加温された熱媒体を流すことによって、建造物よりも下方の地下部に蓄熱する蓄熱配管とを備える。
【0006】
地下部は、水を通す帯水層と、帯水層よりも下方にあり帯水層よりも水を通しにくい不透水層を有し、地中杭を囲み、少なくとも建造物の下方から不透水層にまで達する、帯水層よりも水を通しにくい地中壁を更に備え、蓄熱配管は、不透水層よりも上方に位置する。地中壁は、地下部を掘削するときに、掘削されてできる壁面が崩れることを防ぐ山留めである。
【0007】
地下部は、不透水層よりも堅牢で、不透水層よりも下方にある支持地盤を有し、地中杭は、支持地盤にまで達しており、蓄熱配管は、不透水層よりも上方に位置する。地中杭は、建造物の下方に複数設けられており、蓄熱配管は、地中壁に隣接する地中杭よりも内側の地中杭に設けられる。
【0008】
分散型電源の生成する熱量が熱負荷によって消費さる熱量より多い場合に、分散型電源の生成する熱量によって加温された熱媒体を蓄熱配管に流すことによって地下部に蓄熱する制御部を更に備える。制御部は、分散型電源の生成する熱量が熱負荷によって消費される熱量より少ない場合に、分散型電源の熱量によって加温された熱媒体よりも温度の低い熱媒体を蓄熱配管に流して加温し、加温された熱媒体の熱量を熱負荷に供給する。
【0009】
熱負荷に熱量を供給すべく、分散型電源の生成する熱量によって加温された温水を貯湯する貯湯槽を更に備え、蓄熱配管は、貯湯槽と接続されており、制御部は、貯湯槽に熱量を更に蓄熱できない場合に、貯湯槽に貯湯された温水を蓄熱配管に流して地下部に蓄熱し、貯湯槽に蓄熱された熱量が熱負荷によって必要とされる熱量より少ない場合に、地下部に蓄積された熱量によって蓄熱配管を流れる水を加温し、加温して得られる温水を貯湯槽に供給する。
【0010】
蓄熱配管は、貯湯槽の温水を循環させるべく、貯湯槽の下部の温水を取り出す下部取出口と、下部よりも上方の温水を取り出す上部取出口とに接続されており、制御部は、貯湯槽に熱量を更に蓄熱できない場合に、上部取出口から取り出した温水を蓄熱配管に流して地下部に熱量を提供させた後に、下部取出口から貯湯槽に温水を戻し、貯湯槽に蓄熱された熱量が熱負荷によって必要とされる熱量より少ない場合に、下部取出口から蓄熱配管に温水を取り出して地下部に蓄積された熱量で加温し、加温した温水を上部取出口から貯湯槽に供給する。
【0011】
熱負荷に熱量を供給すべく、分散型電源の生成する熱量によって加温された温水を貯湯する貯湯槽と、蓄熱配管に接続され、蓄熱配管を流れる熱媒体と、貯湯槽に貯湯された温水との間で熱量を交換させる熱交換部とを更に備え、制御部は、貯湯槽に熱量を更に蓄熱できない場合に、熱交換部を介して、貯湯槽の温水によって加温された熱媒体を蓄熱配管に流して地下部に蓄熱し、貯湯槽に蓄熱された熱量が熱負荷によって必要とされる熱量より少ない場合に、地下部に蓄積された熱量によって蓄熱配管を流れる熱媒体を加温し、熱交換部を介して、貯湯槽の温水を加温する。
【0012】
貯湯槽の下部の温水を取り出す下部取出口と、下部よりも上方の温水を取り出す上部取出口とを接続し、貯湯槽の温水を循環させる温水循環配管を更に備え、制御部は、貯湯槽に熱量を更に蓄熱できない場合に、熱交換部を介して、上部取出口から温水循環配管に取り出された温水によって蓄熱配管を流れる熱媒体を加温し、貯湯槽に蓄熱された熱量が熱負荷によって必要とされる熱量より少ない場合に、熱交換部を介して、蓄熱配管を流れる熱媒体によって下部取出口から温水循環配管に取り出された温水を加温する。
【0013】
分散型電源は、燃料電池であってよい。
【0014】
本発明の第2の形態によると、分散型電源から電力および熱量を供給される建造物であって、建造物の下方に設けられて、建造物を支える地中杭と、地中杭の内部の外周近傍に設けられ、分散型電源が生成する熱量によって加温された熱媒体を流す蓄熱配管とを備える。
【0015】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となりうる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、地下に低コストで蓄熱する蓄熱システムおよび建造物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1は、蓄熱システム100の構成の一例を示す。蓄熱システム100は、建造物110に設けられた電力負荷54および熱負荷56にそれぞれ熱量および電力を供給する。そして蓄熱システム100は、燃料電池40から排出される排熱を建造物110の下方の地下に熱量を蓄熱するとともに、当該地下から熱量を回収して、熱負荷56に供給する。ここで建造物110とは、住宅、集合住宅、ビル、工場など一般的な建築物の他に、駅、タワー等を含む、建造された物を意味する。なお、建造物110は複数設けられてよく、燃料電池40は建造物110のそれぞれに分散して設けられていてよい。この場合、燃料電池40の各々は、いずれの建造物110の電力負荷54に電力を供給するよう設けられてよい。なお、燃料電池40は、この発明における分散型電源の一例であって、この発明の分散型電源とは例えばガスエンジン、ガスタービン等の、電力及び熱量を生成する装置であってよい。
【0019】
蓄熱システム100は、燃料電池40、排熱配管88、排熱ポンプ80、貯湯用熱交換部72、貯湯配管76、貯湯ポンプ78、貯湯槽58、給湯配管52、温水循環配管86、温水循環ポンプ98、熱交換部70、蓄熱配管44、熱媒体循環ポンプ99、地中杭46、地中壁42、電力計90、制御部50、および建造物110を備える。燃料電池40は、電力および熱量を生成する。燃料電池40が発電した電力は電力負荷54に供給される。電力負荷54は、燃料電池40の発電した電力を消費することによって動作する。
【0020】
燃料電池40は、例えば固体高分子形燃料電池(PEFC)であってよい。また、燃料電池40は、都市ガス、プロパンガス等を改質して水素ガスを生成する改質器から供給される水素ガスを燃料として発電してよく、また外部から供給される水素ガスを燃料として発電してもよい。燃料電池40は、発電に伴って発電セルから熱量を排出する。また、燃料電池40が改質器を有する場合には、燃料電池40は改質器において利用されなかった熱を排出する。
【0021】
貯湯槽58は、熱負荷56に熱量を供給すべく、燃料電池40の生成する熱量によって加温された温水を貯湯する。具体的には、貯湯槽58は、燃料電池40の排熱を受け取ることによって加温された温水を貯湯する。燃料電池40には、燃料電池40の排熱を冷却する冷却水が内部を通流する排熱配管88の両端が接続されている。排熱配管88は貯湯用熱交換部72に接続されており、燃料電池40の排熱を受け取ることで加温された冷却水は、排熱ポンプ80によって貯湯用熱交換部72に供給されて冷却された後に、燃料電池40を冷却する冷却水として燃料電池40に再び供給される。また、貯湯槽58には、貯湯槽58の下部および上部を、貯湯用熱交換部72を介して接続する貯湯配管76が接続されている。貯湯配管76には貯湯ポンプ78が接続されており、貯湯槽58の下部から取り出された温水は、貯湯ポンプ78によって、貯湯用熱交換部72に供給され、貯湯用熱交換部72において燃料電池40の排熱を受け取った冷却水から熱量を受け取って加温された後に、貯湯槽58の上部から供給される。
【0022】
貯湯槽58に貯槽された温水は、給湯配管52によって熱負荷56に供給される。熱負荷56は、例えば風呂、シャワー、洗面等を含む給湯器、空調装置等であってよく、給湯配管52から供給される温水を消費する。なお、熱負荷56は、温水を用いて床を温める温水床暖房装置等、温水から熱量を取り出して利用し、温度の低下した温水を排出するものであってよい。そして、熱負荷56は、当該温度の低下した温水を貯湯槽58の下部から貯湯槽58に戻してもよい。
【0023】
地中杭46は、建造物110を支えるべく、建造物110の下方に設けられている。そして、地中杭46の内部には蓄熱配管44が設けられている。蓄熱配管44は、燃料電池40が生成する熱量によって加温された熱媒体を流すことによって、建造物110よりも下方の地下部48に蓄熱する。また、蓄熱配管44は、地下部48に蓄熱された熱量によって加温された熱媒体を流すことによって、地下部48から熱量を回収する。具体的には、蓄熱配管44は、貯湯槽58に貯湯された温水から熱量を受け取った熱媒体を地下部48に流して地下部48に蓄熱する。また、蓄熱配管44は、地下部48に蓄熱された熱量によって加温された熱媒体を流すことによって、貯湯槽58に熱量を供給する。
【0024】
より具体的には、貯湯槽58には、貯湯槽58の下部の温水を取り出す下部取出口82と、下部よりも上方の温水を取り出す上部取出口84とを有しており、下部取出口82および上部取出口84は、温水循環配管86によって接続されている。そして、熱交換部70は、温水循環配管86および蓄熱配管44に接続され、蓄熱配管44を流れる熱媒体と、貯湯槽58に貯湯された温水との間で熱量を交換させる。例えば温水循環配管86に接続された温水循環ポンプ98によって、貯湯槽58に貯湯された温水が下部取出口82から上部取出口84への向きまたは上部取出口84から下部取出口82への向きに流れる。そして、熱交換部70は、上部取出口84から温水循環配管86に取り出された温水によって蓄熱配管44を流れる熱媒体を加温する。また、熱交換部70は、下部取出口82から温水循環配管86に取り出された温水を、蓄熱配管44を流れる熱媒体によって加温する。
【0025】
そして、制御部50は、燃料電池40の生成する熱量が熱負荷56によって消費さる熱量より多い場合に、燃料電池40の生成する熱量によって加温された熱媒体を蓄熱配管44に流すことによって地下部48に蓄熱する。また、制御部50は、燃料電池40の生成する熱量が熱負荷56によって消費される熱量より少ない場合に、燃料電池40の熱量によって加温された熱媒体よりも温度の低い熱媒体を蓄熱配管44に流して加温し、加温された熱媒体の熱量を熱負荷56に供給する。
【0026】
具体的には、制御部50は、貯湯槽58に熱量を更に蓄熱できない場合に、熱交換部70を介して、貯湯槽58の温水によって加温された熱媒体を蓄熱配管44に流して地下部48に蓄熱する。また、貯湯槽58に蓄熱された熱量が熱負荷56によって必要とされる熱量より少ない場合に、地下部48に蓄積された熱量によって蓄熱配管44を流れる熱媒体を加温し、熱交換部70を介して貯湯槽58の温水を加温する。
【0027】
より具体的には、制御部50は、貯湯槽58に熱量を更に蓄熱できない場合に、上部取出口84から温水循環配管86に取り出された温水によって蓄熱配管44を流れる熱媒体を、熱交換部70を介して加温する。また、制御部50は、貯湯槽58に蓄熱された熱量が熱負荷56によって必要とされる熱量より少ない場合には、蓄熱配管44を流れる熱媒体によって下部取出口82から温水循環配管86に取り出された温水を、熱交換部70を介して加温する。例えば、制御部50は、温水循環ポンプ98によって温水循環配管86を流れる温水の方向を制御することによって、上部取出口84から取り出した温水を熱交換部70に供給して地下部48に蓄熱する場合と、下部取出口82から取り出した温水を熱交換部70に供給して地下部48から熱量を回収する場合とを選択する。
【0028】
なお、蓄熱配管44は複数設けられてよい。そして、複数の蓄熱配管44に一の熱媒体循環ポンプ99が設けられてよく、蓄熱配管44のそれぞれに熱媒体循環ポンプ99が設けられてもよい。また、地中杭46には、地下部48に熱量を蓄熱すべく設けられる蓄熱配管44と、地下部48から受け取った熱量を回収して貯湯槽58に温水として蓄熱すべく設けられる他の蓄熱配管44とが設けられてもよい。
【0029】
なお、建造物110の下方の地下部48には、水を通す帯水層62と、帯水層62よりも下方にあり帯水層62よりも水を通しにくい不透水層64とが存在する。また、地下部48には、不透水層64よりも堅牢で、不透水層64よりも下方にある支持地盤66が存在する。そして、地中杭46は支持地盤66にまで達している。なお、支持地盤66は、不透水層64よりも下方に存在する礫層等であってよい。
【0030】
地中壁42は、地中杭46を囲み、少なくとも建造物110の下方から不透水層64にまで達している。なお、地中壁42は、帯水層62よりも水を通しにくい。例えば、地中壁42はコンクリートを材料としたものであってよい。そして、蓄熱配管44は、地中杭46の内部の、不透水層64よりも上方に位置する。
【0031】
このように、地中壁42が不透水層64にまで達しているので、地中壁42と不透水層64によって囲まれた地下部48と、地中壁42の外部の帯水層62との間の水の出入りは遮断される。更に蓄熱配管44が不透水層64よりも上方に位置するので、地中壁42によって地中杭46が囲まれていない場合に比べて、帯水層62の水によって地下部48から地中壁42の外部に運ばれてしまう熱量を低減することができる。したがって、地下部48に熱量を長期間保持しておくことができる。
【0032】
なお、地中壁42は、地下部48を掘削するときに、掘削されてできる壁面が崩れることを防ぐ山留めであってよい。例えば、建造物110の建造時に地下部48を掘削したときに築く山留めを不透水層64にまで到達させておく。そして、当該山留めを地中壁42として利用することによって、地中壁42を別途設置するコストを削減することができる。また、地中壁42は、地面を掘削したときの山留めであると同時に、建造物110を支持するものであってよい。例えば、地面を削孔しながら流し込まれたコンクリートの中に建造物110を支持すべく鉄骨又は鉄筋が挿入されて築かれる地中壁42を山留めとしても利用してもよい。この場合、地中壁42は、不透水層64よりも下方にある支持地盤66にまで達していることが望ましい。
【0033】
なお、建造物110の下部の基礎を二重床とし、二重床に囲まれた空間を貯湯槽58としてもよい。また、二重床に囲まれた、複数の空間のそれぞれを貯湯槽58としてもよい。そして、燃料電池40からの排熱によって加温された温水を当該複数の貯湯槽58に貯湯してもよい。そして、制御部50は、一の貯湯槽58に更に熱量を蓄熱することができなくなった場合に、他の貯湯槽58に順次貯湯してもよい。
【0034】
また、地中壁42の建造物110よりも下方の内側の表面には断熱材が設けられていてもよい。これにより、地中壁42から外部に損失する熱量を削減することができる。また、建造物110への伝熱によって地中壁42から損失する熱量を削減することができる。また、建造物110の下方の地下部48には、熱量を蓄熱する蓄熱体が設けられていてもよい。
【0035】
給水配管60は、貯湯槽58に水を供給する。例えば熱負荷56がシャワー等の給湯設備等であって、貯湯槽58から供給される温水を利用した後に、利用後の温水を貯湯槽58の外部に排出する場合に、排出された量の上水が給水配管60を通流して貯湯槽58に補給される。このとき、制御部50は、貯湯槽58に蓄熱された熱量が熱負荷56によって必要とされる熱量より少ない場合に、上水を蓄熱配管44の熱媒体により予熱してから貯湯槽58に供給してよい。具体的には、給水配管60は、蓄熱配管44から分岐した予熱配管75が接続されている給水用熱交換部74を経由して、貯湯槽58に上水を供給する。予熱配管75は、蓄熱配管44の熱媒体の通流経路を制御する予熱バルブ68を介して、蓄熱配管44に接続されている。そして、制御部50は、上水を予熱して貯湯槽58に供給する場合に、予熱バルブ68を用いて蓄熱配管44の熱媒体を予熱配管75に導いて、給水用熱交換部74において熱媒体と上水との熱交換により上水を加温する。なお、予熱バルブ68には、予熱配管75の熱媒体を熱交換部70に供給せずに迂回するバイパス配管43が接続されている。そして、蓄熱配管44には、バイパス配管43からの熱媒体が熱交換部70に供給されるのを阻止する逆流阻止バルブ69が、バイパス配管43との接続部に設けられている。そして、制御部50は、上水を予熱して貯湯槽58に供給する場合に、逆流阻止バルブ69を閉じてバイパス配管43からの熱媒体を地下部48に導いて、地下部48に蓄熱された熱量により熱媒体を加温させる。これにより、例えば給湯需要が拡大する冬季において、上水を地下部48に蓄熱された熱量によって予熱して貯湯槽58に供給することができる。
【0036】
以上説明した蓄熱システム100によれば、熱負荷56が必要とする熱量に比べて燃料電池40の生成する熱量が多いとき、貯湯槽58に更に温水として蓄熱できないような場合でも、余剰の熱量を地下部48に蓄熱させることができる。また、燃料電池40を冷却し続けることができるので、燃料電池40を停止することなく安定して駆動し続けることができる。また、熱負荷56が消費する熱量に比べて燃料電池40の生成する熱量が少ないときには、地下部48に蓄熱した熱量を貯湯槽58に回収して熱負荷56に提供することができる。
【0037】
なお、制御部50は、電力負荷54の消費電力量および熱負荷56の消費熱量の履歴を管理してもよい。制御部50は、燃料電池40から電力負荷54に供給される電力量を電力計90によって検出して、消費電力量の履歴として記憶しておく。また、制御部50は、貯湯槽58から熱負荷56に供給される温水の量と、当該温水の温度とに基づいて、熱負荷56が消費する熱量を計算して、消費熱量の履歴として記憶しておく。そして制御部50は、消費電力量および消費熱量の履歴に基づいて、燃料電池40が将来生成する熱量と熱負荷56が将来消費する熱量を予測する。
【0038】
また、制御部50は、例えば貯湯槽58に貯湯された温水の温度の空間分布を計測することによって、貯湯槽58に現在貯湯される温水の持つ熱量を計算する。そして、制御部50は、貯湯槽58に現在貯湯される温水の持つ熱量、燃料電池40が将来生成する熱量、および熱負荷56が将来消費する熱量に基づいて、貯湯槽58に温水として蓄熱される熱量を計算することによって、熱負荷56の必要とする熱量を貯湯槽58から供給することができるか否かを判断する。このようにして制御部50は、燃料電池40の生成する熱量が熱負荷56によって消費される熱量より少ないか否かを予め判断することができる。そして制御部50は、熱負荷56の必要とする熱量を貯湯槽58から供給することができないと判断した場合に、地下部48から熱量を貯湯槽58に回収すべく温水循環ポンプ98を制御して、熱負荷56が必要とする熱量を貯湯槽58に蓄熱させる。
【0039】
図2は、地中杭46の断面の一例を示す。地中杭46は、内部に蓄熱配管44及び鉄筋94を有しているコンクリートを含む。そして、蓄熱配管44は、地中杭46の内部の外周近傍に設けられる。具体的には、蓄熱配管44は、建造物110を支持する強度を確保することができる領域96よりも外側の領域95に設けられる。このため、地中杭46は、地中杭46のより内側に蓄熱配管44を設けた場合に比べて、より効率的に地下部48に熱量を提供することができるとともに、建造物110を支持するための強度を確保することができる。
【0040】
また、地中杭46を築く時に、建造物110を支持することができる強度が確保される領域96より広い、領域95を含む領域を掘削する。そして、領域96および領域95にそれぞれ鉄筋94および蓄熱配管44を配置してコンクリート等を流しこむことによって地中杭46を築く。このため、建造物110を支持する強度を確保しつつ、地中杭46の内部に蓄熱配管44を設置するコストを削減することができる。なお、蓄熱配管44は、例えば、耐熱性、耐食性に優れる架橋ポリエチレン、塩化ビニル等を材料とする樹脂管であってよい。
【0041】
なお、地中杭46は、一の蓄熱配管44aを有してもよい。例えば、熱交換部70を通過した熱媒体は、配管断面45aを通過して、地中杭46の内部を不透水層64よりも上部の位置で折り返して、配管断面45bを通過して熱交換部70に戻される。また、地中杭46は、複数の蓄熱配管(44aおよび44b)を備えてもよい。例えば、蓄熱配管44bを流れる熱媒体は、配管断面45cを通過して地中杭46の内部を不透水層64よりも上部の位置で折り返して、配管断面45dを通過する。また、制御部50は、地下部48に蓄熱すべき熱量、または地下部48から回収すべき熱量に基づいて、熱媒体を流すべき蓄熱配管44の数を決定してもよい。また、蓄熱配管44は、地中杭46の外周近傍において、地中杭46の中央部を中心とした螺旋状に配置されていてもよい。
【0042】
図3は、地中杭46の配置の一例を示す。地中杭46は、建造物110の下方に複数設けられている。そして、蓄熱配管44は、地中壁42に隣接する地中杭46(例えば地中杭46g)よりも内側の地中杭(46a〜46f)に設けられる。このため、地中壁42よりも建造物110の外部へと地下部48から損失していく熱量を削減することができる。
【0043】
なお、地中壁42は、建造物110の外周を取り巻く地中壁42aの他に、建造物110の下方の地下部48を複数の部分領域に分割する地中壁42bが設けられてもよい。図3の例では、建造物110の下方の地下部48は更に、地中壁42bによって、地中杭46aおよび地中杭46bを含む部分領域92a、地中杭46cおよび地中杭46dを含む部分領域92b、並びに、地中杭46eおよび地中杭46fを含む部分領域92cに分割される。そして、制御部50は、地中壁42の建造物110よりも外部から最も断熱された部分領域92bの地下部48に、他の部分領域92aおよび部分領域92cの地下部48よりも優先的に燃料電池40の熱量を蓄熱してもよい。なお、ここでいう優先的とは、他の部分領域92よりも先に蓄熱配管44を用いて蓄熱するという意味であってよく、他の部分領域92よりも多くの熱量を蓄熱配管44を用いて提供するという意味であってよい。
【0044】
図4は、地下部48への蓄熱および/又は地下部48からの熱量の回収方法の他の一例を示す。図4の例では、蓄熱配管44は貯湯槽58と接続される。具体的には、蓄熱配管44は、下部取出口82と上部取出口84とに接続される。そして、熱媒体循環ポンプ99は、貯湯槽58に貯湯された温水を熱媒体として蓄熱配管44を通流させる。
【0045】
そして、制御部50は、貯湯槽58に熱量を更に蓄熱できない場合に、貯湯槽58に貯湯された温水を蓄熱配管44に流して地下部48に蓄熱する。また、制御部50は、貯湯槽58に蓄熱された熱量が熱負荷56によって必要とされる熱量より少ない場合に、地下部48に蓄積された熱量によって蓄熱配管44を流れる水を加温し、加温して得られる温水を貯湯槽58に供給する。
【0046】
具体的には、制御部50は、貯湯槽58に熱量を更に蓄熱できない場合に、上部取出口84から取り出した温水を蓄熱配管44に流して地下部48に熱量を提供させた後に、下部取出口82から貯湯槽58に温水を供給する。また、制御部50は、貯湯槽58に蓄熱された熱量が熱負荷56によって必要とされる熱量より少ない場合に、下部取出口82から蓄熱配管44に温水を取り出して地下部48に蓄積された熱量で加温し、加温した温水を上部取出口84から貯湯槽58に供給する。例えば、制御部50は、熱媒体循環ポンプ99によって蓄熱配管44を流れる温水の向きを変更することによって、上部取出口84から取り出した温水を地下部48に供給することによる蓄熱と、下部取出口82から取り出した温水を地下部48に供給することによる地下部48からの熱量の回収とを選択する。
【0047】
なお、熱負荷56がシャワー等の給湯設備等であって、貯湯槽58から供給される温水を利用した後に、利用後の温水を貯湯槽58の外部に排出する場合に、排出された量の上水が給水配管60を通流して貯湯槽58に補給される。このとき、制御部50は、貯湯槽58に蓄熱された熱量が熱負荷56によって必要とされる熱量より少ない場合に、上水を貯湯槽58に直接供給せず、上水を蓄熱配管44に導いて地下部48に蓄熱された熱量によって予熱してから貯湯槽58に供給してよい。具体的には、給水配管60は、蓄熱配管44に設けられた予熱バルブ68に接続されており、制御部50は、予熱バルブ68を用いて給水配管60からの上水を蓄熱配管44に導く。このとき、制御部50は、貯湯槽58への上水が直接流入されるのを阻止する上水阻止バルブ67を閉じるとともに、貯湯槽58の温水の下部取出口82からの取り出しを予熱バルブ68を用いて停止させる。これにより、例えば給湯需要が拡大する冬季において、上水を地下部48に蓄熱された熱量によって予熱して貯湯槽58に供給することができる。なお、制御部50は、貯湯槽58の下部の温水の温度が上水の温度より高いことを更なる条件として、上水を貯湯槽58に直接供給せず、上水を蓄熱配管44に導いて地下部48に蓄熱された熱量によって予熱してから貯湯槽58に供給してよい。これにより、貯湯槽58の貯湯効率を高めることができる。
【0048】
例えば、貯湯槽58に蓄熱された熱量が将来的に不足することが予測されるような場合には、貯湯槽58にできるだけ多くの温水を貯湯しておく必要がある。そして、貯湯槽58が温水で満杯になると、貯湯槽58の下部の温水の温度が上水の温度より高くなることがある。このようなとき、熱負荷56によって消費された量の上水を貯湯槽58の下部に直接供給すると、貯湯槽58の下部の温水と上水とが混ざり合って温度が低下しまうので、効率的に貯湯することができない。このような場合には、上水を地下部48において一旦加温してから貯湯槽58に供給することによって、より効率的に貯湯槽58に貯湯することができる。
【0049】
図5は、地下部48に蓄熱する他の例を示す。熱交換部70は排熱配管88に接続されており、蓄熱配管44を流れる熱媒体は排熱配管88を流れる冷却水の熱量によって加温される。そして、蓄熱配管44を流れる熱媒体は、加温された熱媒体の持つ熱量を地下部48に提供することによって地下部48に蓄熱する。なお、排熱配管88は、排熱配管88を通流する冷却水の経路において貯湯用熱交換部72よりも後に熱交換部70に冷却水を供給すべく貯湯用熱交換部72および熱交換部70に接続される。これにより、排熱配管88の内部を通流する冷却水は、貯湯用熱交換部72において貯湯槽58に熱量を提供した後に、熱交換部70において蓄熱配管44を流れる熱媒体に熱量を提供する。したがって、例えば貯湯槽58が温水で満杯になった場合等、貯湯槽58に燃料電池40の排熱を提供できない場合には、燃料電池40の排熱は自動的に地下部48に蓄熱されることになる。また、排熱配管88を流れる冷却水が貯湯用熱交換部72において十分に冷却されない場合でも、熱交換部70において更に冷却水を冷却することができるので、燃料電池40を安定的に運転することができる。
【0050】
また、制御部50は、貯湯槽58に更に熱量を蓄熱することができない場合に、貯湯ポンプ78を停止させてもよい。これにより、貯湯ポンプ78を駆動するエネルギーが無駄に消費さずに済む。また、制御部50は、地下部48に熱量を蓄熱する必要がない場合に、熱媒体循環ポンプ99を停止させてもよい。なお、排熱配管88は、熱交換部70を経由せずにバイパスする配管を有してもよい。そして、制御部50は、地下部48に熱量を蓄熱する必要がない場合に、冷却水を熱交換部70に供給せず、当該配管を通過させてもよい。
【0051】
なお、以上の説明においては、蓄熱システム100の一例として、燃料電池40の排熱を貯湯槽58に一旦温水として蓄熱する形態について説明した。蓄熱システム100の他の例では、貯湯槽58を備えておらず、燃料電池40の排熱を直接、或いは熱交換部70によって、蓄熱配管44を循環する熱媒体を加温することによって地下部48に蓄熱してもよい。
【0052】
以上説明した蓄熱システム100によれば、熱負荷56が消費しない余剰の熱量を燃料電池40が生成する場合においては、当該余剰の熱量を地下部48に低コストで蓄熱しておくことができる。そして、燃料電池40から供給される熱量が熱負荷56の消費する熱量に比べて不足した場合には、地下部48から熱量を回収して利用することができる。したがって、建造物110に供給する温水が不足したときに予備的に加熱すべく設けられるバーナ等の設備コストを削減することができる。また、蓄熱システム100においては、貯湯槽58の容量をより小さくて済む、或いは貯湯槽58を設置しないで済むので、貯湯槽58の設備コストを削減すことができるとともに、貯湯槽58の設置スペースを節約することができる。
【0053】
なお、本実施形態では、熱量および電力を供給する装置の一例として燃料電池40を用いて説明したが、燃料電池40に代えて、ガスエンジン、ガスタービン等の、化石燃料および/又は水素ガス等を燃料として発電する装置であってもよい。このような蓄熱システム100の例においても、以上の説明において述べた効果と同様の効果を得ることができる。
【0054】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】蓄熱システム100の構成の一例を示す図である。
【図2】地中杭46の断面の一例を示す図である。
【図3】地中杭46の配置の一例を示す図である。
【図4】地下部48への蓄熱および/又は地下部48からの熱量の回収方法の他の一例を示す図である。
【図5】地下部48に蓄熱する他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
100 蓄熱システム
110 建造物
40 燃料電池
42 地中壁
43 バイパス配管
44 蓄熱配管
46 地中杭
48 地下部
50 制御部
52 給湯配管
54 電力負荷
56 熱負荷
58 貯湯槽
60 給水配管
62 帯水層
64 不透水層
66 支持地盤
67 上水阻止バルブ
68 予熱バルブ
69 逆流阻止バルブ
70 熱交換部
72 貯湯用熱交換部
74 給水用熱交換部
75 予熱配管
76 貯湯配管
78 貯湯ポンプ
80 排熱ポンプ
82 下部取出口
84 上部取出口
86 温水循環配管
88 排熱配管
90 電力計
98 温水循環ポンプ
99 熱媒体循環ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力および熱量を生成する分散型電源と、
前記分散型電源から電力および熱量を供給される建造物と、
前記建造物の下方に設けられて、前記建造物を支える地中杭と、
前記地中杭の内部の外周近傍に設けられ、前記分散型電源が生成する熱量によって加温された熱媒体を流すことによって、前記建造物よりも下方の地下部に蓄熱する蓄熱配管と
を備える蓄熱システム。
【請求項2】
前記地下部は、水を通す帯水層と、前記帯水層よりも下方にあり前記帯水層よりも水を通しにくい不透水層を有し、
前記地中杭を囲み、少なくとも前記建造物の下方から前記不透水層にまで達する、前記帯水層よりも水を通しにくい地中壁
を更に備え、
前記蓄熱配管は、前記不透水層よりも上方に位置する請求項1に記載の蓄熱システム。
【請求項3】
前記地中壁は、前記地下部を掘削するときに、掘削されてできる壁面が崩れることを防ぐ山留めである請求項2に記載の蓄熱システム。
【請求項4】
前記地下部は、前記不透水層よりも堅牢で、前記不透水層よりも下方にある支持地盤を有し、
前記地中杭は、前記支持地盤にまで達しており、
前記蓄熱配管は、前記不透水層よりも上方に位置する請求項3に記載の蓄熱システム。
【請求項5】
前記地中杭は、前記建造物の下方に複数設けられており、
前記蓄熱配管は、前記地中壁に隣接する地中杭よりも内側の地中杭に設けられる請求項4に記載の蓄熱システム。
【請求項6】
前記分散型電源の生成する熱量が熱負荷によって消費さる熱量より多い場合に、前記分散型電源の生成する熱量によって加温された熱媒体を前記蓄熱配管に流すことによって前記地下部に蓄熱する制御部
を更に備える請求項5に記載の蓄熱システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記分散型電源の生成する熱量が前記熱負荷によって消費される熱量より少ない場合に、前記分散型電源の熱量によって加温された熱媒体よりも温度の低い熱媒体を前記蓄熱配管に流して加温し、加温された熱媒体の熱量を前記熱負荷に供給する請求項6に記載の蓄熱システム。
【請求項8】
前記熱負荷に熱量を供給すべく、前記分散型電源の生成する熱量によって加温された温水を貯湯する貯湯槽
を更に備え、
前記蓄熱配管は、前記貯湯槽と接続されており、
前記制御部は、前記貯湯槽に熱量を更に蓄熱できない場合に、前記貯湯槽に貯湯された温水を前記蓄熱配管に流して前記地下部に蓄熱し、前記貯湯槽に蓄熱された熱量が前記熱負荷によって必要とされる熱量より少ない場合に、前記地下部に蓄積された熱量によって前記蓄熱配管を流れる水を加温し、加温して得られる温水を前記貯湯槽に供給する請求項7に記載の蓄熱システム。
【請求項9】
前記蓄熱配管は、前記貯湯槽の温水を循環させるべく、前記貯湯槽の下部の温水を取り出す下部取出口と、前記下部よりも上方の温水を取り出す上部取出口とに接続されており、
前記制御部は、前記貯湯槽に熱量を更に蓄熱できない場合に、前記上部取出口から取り出した温水を前記蓄熱配管に流して前記地下部に熱量を提供させた後に、前記下部取出口から前記貯湯槽に温水を戻し、前記貯湯槽に蓄熱された熱量が前記熱負荷によって必要とされる熱量より少ない場合に、前記下部取出口から前記蓄熱配管に温水を取り出して前記地下部に蓄積された熱量で加温し、加温した温水を前記上部取出口から前記貯湯槽に供給する請求項8に記載の蓄熱システム。
【請求項10】
前記熱負荷に熱量を供給すべく、前記分散型電源の生成する熱量によって加温された温水を貯湯する貯湯槽と、
前記蓄熱配管に接続され、前記蓄熱配管を流れる熱媒体と、前記貯湯槽に貯湯された温水との間で熱量を交換させる熱交換部と
を更に備え、
前記制御部は、前記貯湯槽に熱量を更に蓄熱できない場合に、前記熱交換部を介して、前記貯湯槽の温水によって加温された熱媒体を前記蓄熱配管に流して前記地下部に蓄熱し、前記貯湯槽に蓄熱された熱量が前記熱負荷によって必要とされる熱量より少ない場合に、前記地下部に蓄積された熱量によって前記蓄熱配管を流れる熱媒体を加温し、前記熱交換部を介して、前記貯湯槽の温水を加温する請求項7に記載の蓄熱システム。
【請求項11】
前記貯湯槽の下部の温水を取り出す下部取出口と、前記下部よりも上方の温水を取り出す上部取出口とを接続し、前記貯湯槽の温水を循環させる温水循環配管
を更に備え、
前記制御部は、前記貯湯槽に熱量を更に蓄熱できない場合に、前記熱交換部を介して、前記上部取出口から温水循環配管に取り出された温水によって前記蓄熱配管を流れる熱媒体を加温し、前記貯湯槽に蓄熱された熱量が前記熱負荷によって必要とされる熱量より少ない場合に、前記熱交換部を介して、前記蓄熱配管を流れる熱媒体によって前記下部取出口から温水循環配管に取り出された温水を加温する請求項10に記載の蓄熱システム。
【請求項12】
前記分散型電源は、燃料電池である請求項11に記載の蓄熱システム。
【請求項13】
分散型電源から電力および熱量を供給される建造物であって、
前記建造物の下方に設けられて、前記建造物を支える地中杭と、
前記地中杭の内部の外周近傍に設けられ、前記分散型電源が生成する熱量によって加温された熱媒体を流す蓄熱配管と
を備える建造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−329598(P2006−329598A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−158123(P2005−158123)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【出願人】(399059496)コスモ石油ガス株式会社 (4)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【Fターム(参考)】