説明

弁ユニット、これを備えた微細流動装置、及び該弁ユニットの製造方法

【課題】コストアップを回避でき、かつ弁の誤動作を防止できる弁ユニットと、この弁ユニットを備えた微細流動装置と、この弁ユニットの製造方法を提供する。
【解決手段】下部基板15に形成された第1領域と、下部基板15に第1領域よりさらに深く形成され、第1領域の一側に接した第2領域と、下部基板15に付着する上部基板20に形成された、第1領域の一部分である重畳部とは重なり、第1領域の残りの部分である非重畳部とは重ならないように位置する弁物質チャンバと、弁物質チャンバに配さ、加熱されることで、弁物質チャンバから非重畳部に流れて第1領域を閉鎖する弁物質と、を備える弁ユニット100,150である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細流体工学に係り、より詳細には、流体の流れを制御する弁ユニットと、これを備えた微細流動装置と、該弁ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、少量の流体を操作して生物学的または化学的な反応を行うのに使われる装置を微細流動装置という。微細流動装置は、チップ、ディスクなど多様な形状のプラットホーム内に配された微細流動構造物を備える。前記微細流動構造物は、流体を収容できるチャンバ、流体が流れるチャンネル、または流体のフローを調節できる弁を備える。前記チャンバ、チャンネル、または弁は、プラットホーム内で多様な組み合わせで配される。
【0003】
小型のチップ上で生化学的反応を含む試験を行えるように、チップ形態のプラットホームにこれらの微細流動構造物を配したものを称してバイオチップといい、特にいろいろな工程の処理及び操作を一つのチップで行えるように製作された装置をラボチップ(lab−on−a chip)という。
【0004】
微細流動構造物内で流体を移送するためには駆動圧力が必要であるが、駆動圧力として毛細管圧が利用されることもあり、別途のポンプによる圧力が利用されることもある。最近では、コンパクトディスク形状のプラットホームに微細流動構造物を配して遠心力を利用する遠心力基盤の微細流動装置が提案されている。これを称してラボCD(Lab CDまたは、Lab−on a CD)とすることもある。
【0005】
微細流動装置に備えられた弁の一例として、本出願人により出願された特許文献1に開示された弁ユニットがある。ところが、この弁ユニットは微細流動装置の内部に相転移物質を注入するための注入口を備える。射出物である微細流動装置に注入口を形成するために、金型に前記注入口に対応する突起を形成せねばならないが、金型に注入された樹脂が前記突起に分離されてから再び合わさることで、射出物にいわゆる‘ウエルドライン(weld−line)’が形成される。前記ウエルドラインは、微細流動装置の剛性を弱化させて欠陥を引き起こしうる。また、金型に形成された前記突起によって金型をスムーズに研磨できずに射出物の表面が粗くなり、平坦度が悪化し、弁の形成後に前記注入口を閉鎖する工程がさらに要求されるのでコストアップになる。また、射出物を金型から容易に分離するために前記突起に形成された引き出し勾配によって、前記注入口の内周面にも傾斜が形成されて弁の作動が妨害される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願第11/770,762号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、コストアップを回避でき、かつ弁の誤動作を防止できる、流体の流れを制御する弁ユニットと、これを備えた微細流動装置と、該弁ユニットの製造方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態による弁ユニットは、下部基板に形成された第1領域と、前記下部基板に前記第1領域よりさらに深く形成され、前記第1領域の一側に接した第2領域と、前記下部基板に付着する上部基板に形成された、前記第1領域の一部分である重畳部とは重なり、前記第1領域の残りの部分である非重畳部とは重ならないように位置する弁物質チャンバと、前記弁物質チャンバに配され、加熱されることで、前記弁物質チャンバから前記非重畳部に流れて前記第1領域を閉鎖する弁物質と、を備える。
【0009】
本発明の実施形態による弁ユニットは、前記下部基板に前記第1領域よりさらに深く形成され、前記第1領域の他側に接した第3領域をさらに備える。
【0010】
本発明の実施形態によれば、前記第1領域の非重畳部は前記第3領域に隣接し、前記第1領域の重複部は前記第2領域に隣接する。
【0011】
本発明の実施形態によれば、前記下部基板及び上部基板は、熱可塑性樹脂からなる。
【0012】
本発明の実施形態によれば、前記弁物質は、常温で固体状態であり、加熱されることで溶融される相転移物質を含む。
【0013】
本発明の実施形態によれば、前記弁物質は前記相転移物質内に分散された、電磁波エネルギーを吸収することで発熱する複数の微細発熱粒子を含む。
【0014】
本発明の実施形態によれば、前記微細発熱粒子は金属酸化物粒子である。
【0015】
本発明の実施形態によれば、前記相転移物質は、ワックス、ゲルまたは熱可塑性樹脂である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施形態による弁ユニットは、弁物質を内部に注入するための注入口を供えていない。したがって、注入口形成過程の追加によるコストアップを回避できる。また、注入口による弁の誤動作の可能性がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態による微細流動装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態による弁ユニットを示す斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態による弁ユニットを示す斜視図である。
【図4A】本発明の第1実施形態による弁ユニットの作動過程を順次に示す断面図である。
【図4B】本発明の第1実施形態による弁ユニットの作動過程を順次に示す断面図である。
【図5A】本発明の第1実施形態による弁ユニットの製造方法を順次に示す断面図である。
【図5B】本発明の第1実施形態による弁ユニットの製造方法を順次に示す断面図である。
【図5C】本発明の第1実施形態による弁ユニットの製造方法を順次に示す断面図である。
【図5D】本発明の第1実施形態による弁ユニットの製造方法を順次に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態による弁ユニットと、これを備えた微細流動装置と、該弁ユニットの製造方法を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態による微細流動装置を示す斜視図である。図1を参照すれば、前記微細流動装置10は、回転自在のディスク型のプラットホーム11を備える。前記プラットホーム11は、下部基板15と、前記下部基板15に付着された上部基板20とで形成される。前記下部基板15及び上部基板20は熱可塑性樹脂からなる。
【0020】
前記微細流動装置10は、その内部に流体を収容するためのチャンバ35と、前記チャンバ35と連結されて流体が流れる通路を提供するチャンネル31と、前記チャンネル31を通じての流体の流れを制御するための弁ユニット100、150と、を備える。また、前記微細流動装置10は、スピンドルモータ(図示せず)に装着されて高速回転できる。前記微細流動装置10の中央部には、前記スピンドルモータに装着されるように、装着通孔39が形成されている。前記スピンドルモータの回転により、前記微細流動装置10のチャンバ35またはチャンネル31に残された流体は、プラットホーム11の外周部に向かう方向に加圧される。
【0021】
前記微細流動装置10は、例えば、流体試料の遠心分離、免疫血清反応、遺伝子分析など生化学分野の特定用途に適するように、前記チャンバ35、チャンネル31及び弁ユニット100、150の配置が決定される。すなわち、本発明の微細流動装置10は、図1に示したチャンバ35、チャンネル31及び弁ユニット100、150の配置形態に限定されず、その用途によって多様な形態で設計されうる。
【0022】
図2は、本発明の第1実施形態による弁ユニットを示す斜視図であり、図3は、本発明の第2実施形態による弁ユニットを示す斜視図である。前記第1実施形態による弁ユニットは、前記微細流動装置10のチャンネル31の中間に設けられた弁ユニット100であり、前記第2実施形態による弁ユニットは、前記微細流動装置10のチャンバ35に隣接した弁ユニット150でありうる。
【0023】
図2を参照すれば、前記第1実施形態による弁ユニット100は、下部基板15の上側面から下方に陰刻形成された第1領域101と、前記第1領域101よりさらに深く陰刻形成されて、前記第1領域101の一側に段差があるように接した第3領域105と、前記第1領域101よりさらに深く陰刻形成されて、前記第1領域101の他側に段差があるように接した第2領域107とを備える。図4Aを参照すれば、前記第3領域105及び第2領域107の深さD2は相等しく、第1領域101の深さD1はそれより浅い。前記第1領域101、第3領域105及び第2領域107はチャンネル31に設けられる。
【0024】
また、前記弁ユニット100は、前記上部基板20の下側面から上方に陰刻形成された弁物質チャンバ109を備える。前記弁物質チャンバ109は、前記第1領域101の一部分と重なる。前記弁物質チャンバ109と重なる第1領域101の一部分は重複部102と称し、前記弁物質チャンバ109と重ならない第1領域101の残りの部分は非重畳部103と称する。前記弁物質チャンバ109には、弁物質Vが硬化された状態で収容される。前記弁物質Vは、前記弁物質チャンバ109に収容された後に溶融されて、前記第1領域101の非重畳部103に流れ込んで再硬化されることによって、前記第1領域101を閉鎖する。前記非重畳部103は、前記重複部102より第3領域105の近くに位置する。
【0025】
前記弁物質Vは、電磁波エネルギーにより溶融される相転移物質と、前記相転移物質内に分散され、電磁波エネルギーを吸収して発熱する複数の微細発熱粒子P(図4A参照)とを含む。前記相転移物質はワックスでありうる。前記ワックスは、加熱されれば溶融して液体状態に変わり、体積膨脹する。前記ワックスには、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、合成ワックス、または天然ワックスなどが採用される。
【0026】
一方、前記相転移物質は、ゲルまたは熱可塑性樹脂でもありうる。前記ゲルには、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレートまたはポリビニルアミドなどが採用される。また、前記熱可塑性樹脂には、COC(cyclic olefin copolymer)、PMMA(polymethylmethacrylate)、PC(polycarbonate)、PS(polystyrene)、POM(polyoxymethylene)、PFA(perfluoralkoxy)、PVC(polyvinylchloride)、PP(polypropylene)、PET(polyethylene terephthalate)、PEEK(polyetheretherketone)、PA(polyamide)、PSU(polysulfone)、及びPVDF(polyvinylidenefluoride)などが採用される。
【0027】
前記微細発熱粒子Pは、微細なチャンネル31を自由に通過できるように1nmないし100μmの直径を持つ。前記微細発熱粒子Pは、例えば、レーザーLの照射のような方法で電磁波エネルギーが供給されれば、温度が急激に上昇して発熱する性質を持ち、ワックスに均一に分散される性質を持つ。このような性質を持つように前記微細発熱粒子Pは、金属成分を含むコアと、疎水性の表面構造とを持つことができる。例えば、前記微細発熱粒子PはFeからなるコアと、前記Feに結合されてFeを包む複数の界面活性成分とを含む分子構造を持つことができる。
【0028】
通例的に、前記微細発熱粒子Pは、キャリアオイルに分散された状態で保管される。疎水性表面構造を持つ前記微細発熱粒子Pが均一に分散されるように、キャリアオイルも疎水性であることが望ましい。溶融された相転移物質に前記微細発熱粒子Pが分散されたキャリアオイルを注いで混合することによって、弁物質Vを製造できる。
【0029】
前記微細発熱粒子Pは、前記例として挙げた重合体粒子に限定されるものではなく、クァンタムドットまたは磁性ビードの形態も可能である。また、前記微細発熱粒子Pは、例えば、Al、TiO、Ta、Fe、FeまたはHfOのような金属酸化物粒子でありうる。一方、弁物質Vは微細発熱粒子を必ずしも含むものではなく、微細発熱粒子Pなしに相転移物質のみからなることもある。
【0030】
前記弁ユニット100は、通常はチャンネル31を閉鎖していて、前記弁物質Vに電磁波エネルギーを照射することによりチャンネル31が開放される、ノーマルクローズ弁(normally closed vale)である。レーザー光源5は、弁物質Vに電磁波を照射するためのエネルギー源の一例であって、電磁波の一種であるレーザーLを前記弁物質Vに向けて照射することによって、前記弁物質Vにエネルギーを供給する。前記レーザー光源5はレーザーダイオード(LD:laser diode)を含むことができる。
【0031】
図4A及び図4Bは、本発明の第1実施形態による弁ユニット100(図2参照)の作動過程を順次に示す断面図である。図4Aを参照すれば、前記チャンネル31を通じて流体Fが第3領域105から第2領域107に向かって流れるようになっているが、前記非重畳部103で硬化された弁物質Vが第1領域101を閉鎖して流体Fが流れることができない。この時、レーザー光源5を利用して暫くレーザーLを前記弁物質Vに照射すれば、前記弁物質Vに含まれた微細発熱粒子Pが急速に発熱して相転移物質が急速に加熱される。したがって、弁物質Vが急速に溶融されて第1領域101が開放され、図4Bに示したように、流体Fが第3領域105から第2領域107に流れることができる。
【0032】
一方、図3を参照すれば、前記第2実施形態による弁ユニット150は、下部基板15の上側面から下方に陰刻形成された第1領域151と、前記第1領域151より深く陰刻形成されて、前記第1領域151の一側に段差があるように接した第3領域155と、前記第1領域151より深く陰刻形成されて、前記第1領域151の他側に段差があるように接した第2領域157と、を備える。前記第1領域151と第2領域157とはチャンネル31に設けられるが、前記第3領域155はチャンバ35に設けられる。
【0033】
また、前記弁ユニット150は、前記上部基板20の下側面から上方に陰刻形成された弁物質チャンバ159を備える。前記弁物質チャンバ159も、第1実施形態による弁ユニット100(図2参照)の弁物質チャンバ109(図2参照)と同じく、第1領域151の重複部152とは重なって非重畳部153とは重ならないように位置し、前記非重畳部153が前記重複部152より第3領域155の近くに位置する。弁物質Vは、前記弁物質チャンバ159に収容された後に溶融されて、前記第1領域151の非重畳部153に流れ込んで再硬化されることによって、前記第1領域151を閉鎖する。
【0034】
前記弁ユニット150も、第1実施形態による弁ユニット100(図2参照)と同様に、通常はチャンネル31を閉鎖していて、前記弁物質Vにレーザー光源5を利用してレーザーLを照射することによりチャンネル31が開放される、ノーマルクローズ弁である。前記弁物質Vは、第1実施形態による弁ユニット100(図2参照)に適用される弁物質Vと同一であるので、重複説明は省略する。
【0035】
図5Aないし図5Dは、本発明の第1実施形態による弁ユニット100(図2参照)の製造方法を順次に示す断面図である。
【0036】
図5Aを参照すれば、前記弁ユニット100(図2参照)の製造のために、まず、下部基板15を準備する。前記下部基板15は、第1深さD1に陰刻形成された第1領域101と、前記第1深さD1よりさらに深い第2深さD2に陰刻形成されて、前記第1領域101の一側に段差があるように接した第3領域105と、前記第2深さD2に陰刻形成されて前記第1領域101の他側に段差があるように接した第2領域107と、を備える。前記下部基板15は、熱可塑性樹脂を射出成形して製造できる。
【0037】
また図5Bを参照すれば、前記弁ユニット100の製造のために、上部基板20を準備する。前記上部基板20は下部基板15より薄く、陰刻形成された弁物質チャンバ109を備える。前記上部基板20も熱可塑性樹脂を射出成形して製造できる。前記上部基板20は、弁物質を微細流動装置10の内部に注入するための注入口を備えないため、射出成形過程でいわゆるウエルドラインが形成されない。したがって、上部基板20の剛性不良可能性が低下する。また、前記注入口を閉鎖する工程が不要になってコストダウンもできる。
【0038】
前記弁物質チャンバ109には、例えば、ディスペンサー3のようなツールを利用して溶融された弁物質Vを注入し、これを硬化させる。前述したように、前記弁物質Vは相転移物質に複数の微細発熱粒子Pを混合して製造され、硬化されれば、前記弁物質チャンバ109に付着する。
【0039】
図5Cを参照すれば、前記第1ないし第3領域101、105、107が形成された下部基板15の一面上に、前記弁物質チャンバ109が形成された上部基板20の一面を付着する。上部基板20と下部基板15との付着方法は、例えば、UV接着剤を使用する方法または超音波融着方法などが可能である。上部基板20と下部基板15とを付着する時、弁物質チャンバ109が第1領域101の一部分と重なるように配置される。また、前記第1領域101のうち、弁物質チャンバ109と重なる重複部102より、前記弁物質チャンバ109と重ならない非重畳部103を前記第3領域105の近くに位置するように配置して、上部基板20と下部基板15とを付着する。
【0040】
次いで、前記下部基板15及び上部基板20を加熱するか、レーザーを照射する方法で前記弁物質VにエネルギーEを供給して前記弁物質Vを溶融させる。図5Dを参照すれば、溶融された弁物質Vの一部は、毛細管現象により第1領域101の非重畳部103に流れ込んで残存する。前記非重畳部103に残された弁物質Vが常温で再硬化されて第1領域101を閉鎖することによって、弁ユニット100(図2参照)が完成される。
【0041】
弁物質Vの正確な定量が難しいため、弁物質Vを弁物質チャンバ109に注入する時に少量の弁物質Vが弁物質チャンバ109の境界を超える可能性がある。このような場合には、下部基板15に上部基板20を付着する際に、弁物質チャンバ109の周辺部では上部基板20と下部基板15とが堅く付着されない可能性がある。しかし、弁物質Vにより閉鎖される非重畳部103が流体Fのフロー方向に沿って前記弁物質チャンバ109より上流地点に形成されているため、流体Fの漏れが防止される。実際にプラットホームに複数の第1実施形態による弁ユニット100(図2参照)を形成し、4000rpmで5分間プラットホームを回転させる実験を通じて、あらゆる弁ユニットで流体の漏れが見つからなかった。
【0042】
本発明は図面に示した実施形態を参考に説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということを理解できるであろう。したがって、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲のみにより定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、例えば、生化学分野での分析関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0044】
5 レーザー光源、
10 微細流動装置、
11 プラットホーム、
15 下部基板、
20 上部基板、
31 チャンネル、
35 チャンバ、
39 装着通孔、
100、150 弁ユニット、
101、151 第1領域、
102、152 重複部、
103、153 非重畳部、
105、155 第3領域、
107、157 第2領域、
109 弁物質チャンバ、
L レーザー、
P 微細発熱粒子、
V 弁物質。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部基板に形成された第1領域と、
前記下部基板に前記第1領域よりさらに深く形成され、前記第1領域の一側に接した第2領域と、
前記下部基板に付着する上部基板に形成された、前記第1領域の一部分である重畳部とは重なり、前記第1領域の残りの部分である非重畳部とは重ならないように位置する弁物質チャンバと、
前記弁物質チャンバに配され、加熱されることで、前記弁物質チャンバから前記非重畳部に流れて前記第1領域を閉鎖する弁物質と、を備える弁ユニット。
【請求項2】
前記下部基板に前記第1領域よりさらに深く形成され、前記第1領域の他側に接した第3領域をさらに備えた請求項1に記載の請求弁ユニット。
【請求項3】
前記第1領域の非重畳部は前記第3領域に隣接し、前記第1領域の重複部は前記第2領域に隣接する請求項2に記載の弁ユニット。
【請求項4】
前記下部基板及び上部基板は、熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の弁ユニット。
【請求項5】
前記弁物質は、常温で固体状態であり、加熱されることで溶融される相転移物質を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の弁ユニット。
【請求項6】
前記弁物質は、前記相転移物質内に分散された、電磁波エネルギーを吸収することで発熱する複数の微細発熱粒子を含むことを特徴とする請求項5に記載の弁ユニット。
【請求項7】
前記微細発熱粒子は、金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項6に記載の弁ユニット。
【請求項8】
前記相転移物質は、ワックス、ゲルまたは熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の弁ユニット。
【請求項9】
下部基板と前記下部基板の上側面に付着された上部基板とを備えるプラットホームと、前記プラットホームの内部に形成された、流体が流れる通路を提供するチャンネルと、前記チャンネルを通じての流体の流れを制御するための弁ユニットと、を備え、
前記弁ユニットは、前記下部基板に形成され、前記チャンネルに設けられた第1領域と、前記下部基板に前記第1領域よりさらに深く形成されて前記第1領域の一側に接した第2領域と、前記下部基板に前記第1領域よりさらに深く形成され、かつ前記第1領域の他側に接した第3領域と、前記上部基板に形成された、前記第1領域の一部分の重畳部とは重なって、前記第1領域の残りの部分である非重畳部とは重ならないように位置する弁物質チャンバと、前記弁物質チャンバに配され、加熱されることで前記弁物質チャンバから前記非重畳部に流れて前記第1領域を閉鎖する弁物質と、を備える微細流動装置。
【請求項10】
前記弁ユニットは、前記下部基板に前記第1領域よりさらに深く形成され、前記第1領域の他側に接した第3領域をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の微細流動装置。
【請求項11】
前記第1領域の非重畳部は前記第3領域に隣接し、前記第1領域の重複部は、前記第2領域に隣接することを特徴とする請求項10に記載の微細流動装置。
【請求項12】
前記第2領域及び第3領域は、前記チャンネルに設けられたことを特徴とする請求項10または11に記載の微細流動装置。
【請求項13】
前記下部基板及び上部基板は、熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の微細流動装置。
【請求項14】
前記弁物質は、常温で固体状態であり、エネルギーを吸収することで溶融される相転移物質を含むことを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の微細流動装置。
【請求項15】
前記弁物質は前記相転移物質内に分散された、電磁波エネルギーを吸収することで発熱する複数の微細発熱粒子を含むことを特徴とする請求項14に記載の微細流動装置。
【請求項16】
前記微細発熱粒子は、金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項15に記載の微細流動装置。
【請求項17】
前記相転移物質は、ワックス、ゲル、または熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の微細流動装置。
【請求項18】
前記チャンネルの一側に連結された、流体を収容するためのチャンバをさらに備え、前記第2領域または第3領域が前記チャンバに設けられたことを特徴とする請求項10または11に記載の微細流動装置。
【請求項19】
前記プラットホームは、モータにより回転自在に構成されたことを特徴とする請求項9〜18のいずれか1項に記載の微細流動装置。
【請求項20】
第1領域と、前記第1領域よりさらに深く形成され、前記第1領域の一側に接した第2領域とを備えた下部基板を形成する工程と、
弁物質チャンバを備えた上部基板を形成する工程と、
前記弁物質チャンバに弁物質を注入して硬化させる工程と、
前記第1及び第2領域が形成された下部基板の一面上に、前記弁物質チャンバが形成された上部基板の一面を付着するものの、前記弁物質チャンバが前記第1領域の一部分の重畳部とは重なり、前記第1領域の残りの部分である非重畳部とは重ならないように前記2枚の基板を付着する工程と、
前記弁物質チャンバに収容された弁物質を溶融させて、前記第1領域の非重畳部に流入させる工程と、
前記非重畳部に流入された弁物質を硬化させて、前記第1領域を閉鎖する工程と、を含むことを特徴とする弁ユニットの製造方法。
【請求項21】
前記下部基板は、前記第1領域よりさらに深く形成され、前記第1領域の他側に接した第3領域をさらに備える請求項20に記載の弁ユニットの製造方法。
【請求項22】
前記2枚の基板を付着する工程は、前記第1領域の非重畳部が前記第3領域に隣接し、前記第1領域の重複部が前記第2領域に隣接するように前記下部基板と上部基板とを付着する工程を含むことを特徴とする請求項20または21に記載の弁ユニットの製造方法。
【請求項23】
前記下部基板または上部基板は、熱可塑性樹脂の成形により形成することを特徴とする請求項20〜22のいずれか1項に記載の弁ユニットの製造方法。
【請求項24】
前記弁物質は常温で固体状態であり、エネルギーを吸収することで溶融される相転移物質を含むことを特徴とする請求項20〜23のいずれか1項に記載の弁ユニットの製造方法。
【請求項25】
前記弁物質は前記相転移物質内に分散された、電磁波エネルギーを吸収することで発熱する複数の微細発熱粒子を含むことを特徴とする請求項24に記載の弁ユニットの製造方法。
【請求項26】
前記微細発熱粒子は、金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項25に記載の弁ユニットの製造方法。
【請求項27】
前記相転移物質は、ワックス、ゲルまたは熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項24〜26のいずれか1項に記載の弁ユニットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【公開番号】特開2009−274067(P2009−274067A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−116981(P2009−116981)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】