説明

弁開閉ハンドル固定具及びロック式バルブ装置

【課題】弁開閉ハンドルを固定する手段を備えていないバルブ装置に、構造を変更することなく適用することができ、さらに、構造が単純で容易かつ安価な弁開閉ハンドル固定具を提供する。
【解決手段】弁箱2に設けられた弁開閉ハンドル3を回動させることにより開閉を行うバルブ装置に取り付けて用いられ、弁開閉ハンドル3に挿通されるハンドル挿通口及びハンドル固定用孔を有するハンドル側止金具5と、弁全開位置ハンドル固定用孔及び弁全閉位置ハンドル固定用孔を有する弁箱側止金具6とを備え、弁開閉ハンドル3が弁全開位置に配置されたとき、ハンドル側止金具5の弁全開位置ハンドル固定用孔と弁箱側止金具6のハンドル固定用孔とが合致し、弁開閉ハンドル3が弁全閉位置に配置されたとき、ハンドル側止金具5のハンドル固定用孔Aと弁箱側止金具6の弁全閉位置ハンドル固定用孔とが合致して、それぞれ金具固定具9により固定されるよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁開閉ハンドル固定具及びロック式バルブ装置に関し、詳しくは、弁開閉ハンドルの誤作動を防止する弁開閉ハンドル固定具、及びかかる弁開閉ハンドル固定具を具備したロック式バルブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電プラントや化学プラント等において用いられている、弁箱に設けられた弁開閉ハンドルを回動させることにより弁の開閉を行うバルブ装置においては、部内外者による不慮の誤作動や、地震等の外部衝撃による誤作動を防止すべく、弁開閉ハンドルを固定する必要があるが、現在、用いられているバルブ装置は、このような弁開閉ハンドルを固定する手段を備えていない装置も非常に多く、全国のプラントに、少なくとも数万個以上存在すると考えられる。これら弁開閉ハンドルを固定する手段を備えていないバルブ装置においては、例えば、チェーンを用いて弁開閉ハンドルと弁箱とを巻きつけ、南京錠等の錠を用いて固定している。しかしながら、弁の開閉の変更を行う場合には、一つのプラント内に多い場合には数千個も存在するバルブ装置を個々にチェーンを緩め、弁開閉ハンドルを回動し、再びチェーンで固定するといった作業を行う必要があり、このような作業は極めて煩雑であった。また、このチェーンでの固定は、大きな遊びが生じる場合が多々あり、弁開閉ハンドルを確実に固定することができないという問題があった。
【0003】
また、このような弁開閉ハンドルと弁箱を固定することができるバルブ装置として、例えば、ボール弁の操作部(特許文献1参照。)や、ロック機構付バルブ(特許文献2参照。)が提案されている。しかしながら、これら提案されているバルブ装置は、既存のバルブ装置に直接取り付けることはできず、弁開閉ハンドルや弁箱の構造を変更する必要があり、コストアップにつながるという問題がある。
【0004】
【特許文献1】実開昭62−66072号公報
【特許文献2】実開昭63−135083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、弁開閉ハンドルを固定する手段を備えていないバルブ装置に、その構造を変更することなく適用することができ、さらに、構造が単純で容易かつ安価に製造することができる弁開閉ハンドル固定具、及びかかる弁開閉ハンドル固定具を具備したロック式バルブ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、弁開閉ハンドルに挿通状態で固定可能なハンドル側止金具と、弁箱本体及び弁箱蓋を固定するボルトにより弁箱に固定可能な弁箱側止金具とを備えた弁開閉ハンドル固定具を用いることにより、現存するバルブ装置の構造を変更することなく、かかるバルブ装置に容易に適用でき、これにより、弁開閉ハンドルを確実に固定することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、(1)弁箱に設けられた弁開閉ハンドルを回動させることにより弁の開閉を行うバルブ装置に取り付けて用いる弁開閉ハンドル固定具であって、前記弁開閉ハンドルに挿通されるハンドル挿通口及びハンドル固定用孔Aを有するハンドル側止金具と、ハンドル固定用孔B及びハンドル固定用孔Bを有する弁箱側止金具とを備え、前記弁開閉ハンドルが弁全開位置に配置されたとき、前記ハンドル側止金具のハンドル固定用孔Aと弁箱側止金具のハンドル固定用孔Bとが合致し、前記弁開閉ハンドルが弁全閉位置に配置されたとき、前記ハンドル側止金具のハンドル固定用孔Aと弁箱側止金具のハンドル固定用孔Bとが合致して、それぞれ金具固定具により固定されるよう構成されていることを特徴とする弁開閉ハンドル固定具や、(2)弁箱側止金具が、弁箱本体及び弁箱蓋を固定するボルトを挿通するボルト穴を備え、前記弁箱本体及び弁箱蓋を固定するボルトを用いて弁箱に固定されるよう構成されていることを特徴とする上記(1)に記載の弁開閉ハンドル固定具や、(3)ハンドル側止金具が、ハンドル固定用穴Aを有する板状部を備えた部材であると共に、弁箱側止金具が、ボルト穴を有した本体板状部、並びに該本体板状部に垂設された、ハンドル固定用孔B及びハンドル固定用孔Bを有した垂直板状部を備えた部材であることを特徴とする上記(2)に記載の弁開閉ハンドル固定具や、(4)金具固定具が、錠であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の弁開閉ハンドル固定具に関する。
【0008】
また本発明は、(5)弁箱に設けられた弁開閉ハンドルを回動させることにより弁の開閉を行い、前記弁開閉ハンドルが弁全開位置又は弁全閉位置に配置されたとき、それぞれ弁開閉ハンドルが固定されるロック式バルブ装置であって、前記弁開閉ハンドルに挿通された、ハンドル固定用孔Aを有するハンドル側止金具と、弁箱に固定された、ハンドル固定用孔B及びハンドル固定用孔Bを有する弁箱側止金具とを備え、前記弁開閉ハンドルが弁全開位置に配置されたとき、前記ハンドル側止金具のハンドル固定用孔Aと弁箱側止金具のハンドル固定用孔Bとが合致し、前記弁開閉ハンドルが弁全閉位置に配置されたとき、前記ハンドル側止金具のハンドル固定用孔Aと弁箱側止金具のハンドル固定用孔Bとが合致して、それぞれ金具固定具により固定されるよう構成されていることを特徴とするロック式バルブ装置や、(6)弁箱側止金具が、弁箱本体及び弁箱蓋を固定するボルトを用いて弁箱に固定されていることを特徴とする上記(5)に記載のロック式バルブ装置や、(7)ハンドル側止金具が、ハンドル固定用穴Aを有する板状部を備えた部材であると共に、弁箱側止金具が、ボルト穴を有した本体板状部、並びに該本体板状部に垂設された、ハンドル固定用孔B及びハンドル固定用孔Bを有した垂直板状部を備えた部材であることを特徴とする上記(5)又は(6)に記載のロック式バルブ装置や、(8)金具固定具が、錠であることを特徴とする上記(5)〜(7)のいずれかに記載のロック式バルブ装置に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の弁開閉ハンドル固定具は、弁開閉ハンドルを固定する手段を備えていないバルブ装置に、その構造を変更することなく適用することができ、さらに、構造が単純で容易かつ安価に製造することができる。また、本発明の弁開閉ハンドル固定具を具備したロック式バルブ装置は、簡単かつ確実に弁開閉ハンドルを固定することができ、安全性も非常に高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の弁開閉ハンドル固定具としては、弁箱に設けられた弁開閉ハンドルを回動させることにより弁の開閉を行うバルブ装置に取り付けて用いる弁開閉ハンドル固定具であって、前記弁開閉ハンドルに挿通されるハンドル挿通口及びハンドル固定用孔Aを有するハンドル側止金具と、ハンドル固定用孔B及びハンドル固定用孔Bを有する弁箱側止金具とを備え、前記弁開閉ハンドルが弁全開位置に配置されたとき、前記ハンドル側止金具のハンドル固定用孔Aと弁箱側止金具のハンドル固定用孔Bとが合致し、前記弁開閉ハンドルが弁全閉位置に配置されたとき、前記ハンドル側止金具のハンドル固定用孔Aと弁箱側止金具のハンドル固定用孔Bとが合致して、それぞれ金具固定具により固定されるよう構成されている固定具であれば特に制限されるものではなく、本発明の弁開閉ハンドル固定具は、弁開閉ハンドルを固定する手段を備えていないバルブ装置に、その構造を変更することなく直接適用することができ、その取り付けも非常に簡単である。また、本発明の弁開閉ハンドル固定具は、構造が非常に単純であり、型成形等により容易かつ安価に大量生産することができる。また、かかる弁開閉ハンドル固定具を取り付けたバルブ装置は、弁全開位置及び弁全閉位置において、確実に弁ハンドルを固定することができる。
【0011】
本発明の弁開閉ハンドル固定具は、ボール弁、バタフライ弁等を備えた弁箱に設けられた弁開閉ハンドルを回動させることにより弁の開閉を行うバルブ装置に適用することができ、例えば、弁開閉ハンドルを90°又は180°回動させることにより、弁を全開又は全閉させる装置を挙げることができる。弁箱は、例えば、弁箱本体と弁箱蓋とを備え、両者がボルトにより固定されて構成されるものを挙げることができる。また、弁開閉ハンドルは、縦断面が矩形、円形等の棒状部材を挙げることができ、先細の棒状部材であることが好ましい。
【0012】
ハンドル側止金具としては、弁開閉ハンドルに挿通されるハンドル挿通口、及びハンドル固定用孔Aを有する金具であれば特に制限されるものではなく、ハンドル挿通口としては、弁開閉ハンドルに沿って移動できるよう弁開閉ハンドルの形状に合わせて形成されたものであればよく、例えば、弁開閉ハンドルが先細になっている(根元側が太くなっている)場合には、弁箱側止金具に当接するまで移動できるような大きさにしておくことが必要であり、具体的には、矩形、円形等の開口を挙げることができる。このように、ハンドル側止金具は、弁開閉ハンドルに挿通され、そのハンドルの軸方向に移動が可能であるので、取り付けの際、弁箱側止金具との関係において正確な位置合わせが必要なく、取り付けが非常に簡単である。また、ハンドル固定用孔Aとしては、金具固定具が挿入可能な形状であればよく、例えば、直径が5〜15mm程度の孔を挙げることができる。
【0013】
具体的に、ハンドル側止金具としては、ハンドル固定用穴Aを有する板状部を備えた部材であることが好ましく、ハンドル挿通口及びハンドル固定用孔Aがそれぞれ上下方向(弁開閉ハンドルに挿通した状態での方向をいう。)に並んで形成された部材であることが好ましく、弁開閉ハンドルに挿通したとき、弁開閉ハンドルの下方にハンドル固定用孔Aが位置するように用いることが好ましい。また、ハンドル側止金具は、ハンドル挿通口を備えた部分を板状として全体を板状部材とすることもできるが、弁開閉ハンドルに挿通したときの安定性を高めるために、ハンドル挿通口を備えた部分に、例えば、3〜20mm程度の厚み部を設けたり、ハンドル挿通口の上部及び下部から垂直に突出した支持板を設けることができる。なお、弁ハンドル側止金具は2個備えていてもよく、例えば、弁箱側止金具を挟持して固定することもできる。
【0014】
弁箱側止金具としては、ハンドル固定用孔B及びハンドル固定用孔Bを有する金具であれば特に制限されるものではなく、ボルト等の固定具や、溶着、接着等により弁箱に固定されるが、弁箱側止金具が、弁箱本体及び弁箱蓋を固定するボルトを挿通するボルト穴を備え、前記弁箱本体及び弁箱蓋を固定するボルトを用いて弁箱に固定されるよう構成されていることが好ましい。なお、ボルトを用いて弁箱に固定とは、ボルトのみで固定する場合、ボルトナットを用いて固定する場合の双方を含む。また、ハンドル固定用孔B及びハンドル固定用孔Bは、前記弁開閉ハンドルが弁全開位置、弁全閉位置に配置されたとき、前記ハンドル側止金具のハンドル固定用孔Aと合致するよう設けられており、これにより、弁全開位置及び弁全閉位置で弁開閉ハンドルを、例えば、U字状ピン等のピン、南京錠等の錠等からなる金具固定具によって固定することができる。
【0015】
この金具固定具は、特定人のみが開閉できるような南京錠等の錠であることが好ましく、これにより、部内外者による故意又は過失の誤操作を防止することができ、より安全性の高いものとすることができる。また、錠のように、ハンドル固定用孔にアームを嵌入した一次固定、及びアームを本体に嵌合(施錠)する二次固定を行えるものであれば、それぞれの固定を別人が行うことにより、ダブルチェックを行うことができるので、誤作動のみならず、誤操作を防止することができる。なお、ハンドル固定用孔B及びハンドル固定用孔Bの形状としては、上記ハンドル固定用孔Aと同様の形状のものが好ましく、また、ハンドル固定用孔B及びハンドル固定用孔Bの間に、1又は2以上のハンドル固定用穴Bを設けることもできる。
【0016】
具体的に、弁箱側止金具としては、前記ボルト穴を有した本体板状部、及び該本体板状部に垂設された、ハンドル固定用孔Bを有した垂直板状部とを備えた部材であることが好ましく、これと、ハンドル固定用孔Aを有する板状部を備えたハンドル側止金具との組み合わせが、弁箱側止金具が弁箱から外側に向かって突出することがないので安全性が高く、多少の誤差が生じても確実に固定することができ、また、製造が容易であることから好ましい。垂直板状部は、本体板状部に対して、ハンドル固定用孔B及びハンドル固定用孔Bを設ける2ヶ所に独立して設けてもよいし、本体板状部の一方側端部に一体に延設してもよい。なお、弁箱側止金具全体を板状部材とし、ハンドル側止金具を垂直板状部を備えた部材としてもよい。
【0017】
また、本発明のロック式バルブ装置は、弁箱に設けられた弁開閉ハンドルを回動させることにより弁の開閉を行い、前記弁開閉ハンドルが弁全開位置又は弁全閉位置に配置されたとき、それぞれ弁開閉ハンドルが固定されるロック式バルブ装置であって、前記弁開閉ハンドルに挿通された、ハンドル固定用孔Aを有するハンドル側止金具と、弁箱に固定された、ハンドル固定用孔B及びハンドル固定用孔Bを有する弁箱側止金具とを備え、前記弁開閉ハンドルが弁全開位置に配置されたとき、前記ハンドル側止金具のハンドル固定用孔Aと弁箱側止金具のハンドル固定用孔Bとが合致し、前記弁開閉ハンドルが弁全閉位置に配置されたとき、前記ハンドル側止金具のハンドル固定用孔Aと弁箱側止金具のハンドル固定用孔Bとが合致して、それぞれ金具固定具により固定されるよう構成されているものであり、具体的に、例えば、上記弁開閉ハンドル固定具を具備したものを挙げることができる。
【0018】
上記のような本発明の弁開閉ハンドル固定具を取り付けたロック式バルブ装置は、次のように使用することができる。例えば、弁を全開から全閉にする場合、ハンドル側止金具及び弁箱側止金具を固定した金具固定具を取り外し、必要に応じて、ハンドル側止金具をハンドル先端側に移動させ又は弁開閉ハンドルから取り外し、弁開閉ハンドルを弁全閉位置まで回動させる。その後、ハンドル側止金具を弁箱側止金具に当接させ、このときハンドル側止金具のハンドル固定用孔A及び弁箱側止金具のハンドル固定用孔Bが合致するので、この合致した孔に金具固定具を取り付け、弁開閉ハンドルを固定する。これにより、確実に弁開閉ハンドルの誤作動を防止することができる。
【0019】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。図1は、本発明の一実施形態に係る弁開閉ハンドル固定具を備えたロック式バルブ装置の平面図であり、図2は、図1に示すロック式バルブ装置の側面図であり、図3は、図1に示す弁開閉ハンドル固定具のハンドル側止金具の説明図であり、(A)は正面図、(B)は縦断面図であり、図4は、図1に示す弁開閉ハンドル固定具の弁箱側止金具の説明図であり、(A)は正面図、(B)はa〜a矢視図、(C)はb〜b矢視図である。また、図5は、弁開閉ハンドル固定具のハンドル側止金具の変形例の説明図であり、(A)は正面図、(B)は縦断面図である。
【0020】
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係るロック式バルブ装置1は、ボール弁を備えた弁箱2に設けられた棒状の弁開閉ハンドル3を水平方向に90°回動させることにより弁の開閉を行い、弁開閉ハンドル3が弁全開位置又は弁全閉位置に配置されたとき、弁開閉ハンドル固定具4により固定される装置であって、弁開閉ハンドル固定具4は、ハンドル側止金具5と弁箱側止金具6とを具備している。
【0021】
図3に示すように、ハンドル側止金具4は、上部に、縦20mm、横30mm程度の矩形のハンドル挿通口7を有し、下部に、直径10mm程度の円形のハンドル固定用孔8を有している。ハンドル挿通口7が形成された上部は、15mm程度の厚み部を有して、弁開閉ハンドル3に装着された際に安定して保持されるようになっており、ハンドル固定用孔8が形成された下部は、薄い板状となって、南京錠9による固定が容易かつ確実に行えるようになっている。かかるハンドル側止金具5は、先細の縦断面矩形の弁開閉ハンドル3に、ハンドル固定用孔8が下方に位置するように、ハンドル挿通口7を介して挿通される。
【0022】
ここで、図5に、ハンドル側止金具の変形例を示す。ハンドル側止金具5’は、全体が板状であって、上記ハンドル側止金具5のように厚み部を有していないが、その代わりに、ハンドル挿通口7の上下部から垂直に突出した垂直支持板10が設けられて、弁開閉ハンドル3に安定して保持することができるようになっている。
【0023】
図4に示すように、弁箱側止金具6は、弁箱に合わせて湾曲した幅35mm程度の本体板状部11と、本体板状部11の両側の外周部から垂設された2箇所の垂直板状部12を備えている。本体板状部11には、その両側にボルト穴13が設けられ、それぞれの垂直板状部12の上部には、直径10mm程度のハンドル固定用孔14及びハンドル固定用孔15が形成されている。ハンドル固定用孔14及びハンドル固定用孔15は、それぞれ、弁開閉ハンドル3が弁全開位置又は弁全閉位置に配置されたとき、ハンドル側止金具5のハンドル固定用孔8と合致することができるように形成されており、南京錠9によって固定することができる。
【0024】
一般的なバルブ装置の弁箱は弁箱本体及び弁箱蓋を備え、かかる弁箱本体と弁箱蓋がボルトを用いて固定されているが、本実施形態においては、この弁箱本体と弁箱蓋16を固定するボルト17及びナット18により弁箱側止金具6が弁箱2に固定されている(図2参照。)。具体的には、弁箱2上に突出したボルト17を、弁箱側金具6の本体板状部11のボルト穴13に通し、ナット18で締結することにより固定する。
【0025】
以下、上記のように構成されたロック式バルブ装置1の使用方法について説明する。例えば、弁を全開から全閉にする場合、ハンドル側止金具5及び弁箱側止金具6を固定した南京錠9を解錠して取り外した後、弁開閉ハンドル3を弁全閉位置まで回動させる。その後、ハンドル側止金具5を弁箱側止金具6に当接させ、このときハンドル側止金具5のハンドル固定用孔8及び弁箱側止金具6のハンドル固定用孔15が合致するので、この合致した孔に南京錠9のアームを挿入して施錠する。これにより、弁開閉ハンドル3は確実に固定され、不慮の誤作動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る弁開閉ハンドル固定具を備えたロック式バルブ装置の平面図である。
【図2】図1に示すロック式バルブ装置の側面図である。
【図3】図1に示す弁開閉ハンドル固定具のハンドル側止金具の説明図であり、(A)は正面図、(B)は縦断面図である。
【図4】図1に示す弁開閉ハンドル固定具の弁箱側止金具の説明図であり、(A)は正面図、(B)はa〜a矢視図、(C)はb〜b矢視図である。
【図5】弁開閉ハンドル固定具のハンドル側止金具の変形例の説明図であり、(A)は正面図、(B)は縦断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 ロック式バルブ装置
2 弁箱
3 弁開閉ハンドル
4 弁開閉ハンドル固定具
5 ハンドル側止金具
5’ ハンドル側止金具
6 弁箱側止金具
7 ハンドル挿通口
8 ハンドル固定用孔
9 南京錠
10 垂直支持板
11 本体板状部
12 垂直板状部
13 ボルト穴
14 ハンドル固定用孔
15 ハンドル固定用孔
16 弁箱蓋
17 ボルト
18 ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁箱に設けられた弁開閉ハンドルを回動させることにより弁の開閉を行うバルブ装置に取り付けて用いる弁開閉ハンドル固定具であって、
前記弁開閉ハンドルに挿通されるハンドル挿通口及びハンドル固定用孔Aを有するハンドル側止金具と、ハンドル固定用孔B及びハンドル固定用孔Bを有する弁箱側止金具とを備え、
前記弁開閉ハンドルが弁全開位置に配置されたとき、前記ハンドル側止金具のハンドル固定用孔Aと弁箱側止金具のハンドル固定用孔Bとが合致し、前記弁開閉ハンドルが弁全閉位置に配置されたとき、前記ハンドル側止金具のハンドル固定用孔Aと弁箱側止金具のハンドル固定用孔Bとが合致して、それぞれ金具固定具により固定されるよう構成されていることを特徴とする弁開閉ハンドル固定具。
【請求項2】
弁箱側止金具が、弁箱本体及び弁箱蓋を固定するボルトを挿通するボルト穴を備え、前記弁箱本体及び弁箱蓋を固定するボルトを用いて弁箱に固定されるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の弁開閉ハンドル固定具。
【請求項3】
ハンドル側止金具が、ハンドル固定用穴Aを有する板状部を備えた部材であると共に、弁箱側止金具が、ボルト穴を有した本体板状部、並びに該本体板状部に垂設された、ハンドル固定用孔B及びハンドル固定用孔Bを有した垂直板状部を備えた部材であることを特徴とする請求項2に記載の弁開閉ハンドル固定具。
【請求項4】
金具固定具が、錠であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の弁開閉ハンドル固定具。
【請求項5】
弁箱に設けられた弁開閉ハンドルを回動させることにより弁の開閉を行い、前記弁開閉ハンドルが弁全開位置又は弁全閉位置に配置されたとき、それぞれ弁開閉ハンドルが固定されるロック式バルブ装置であって、
前記弁開閉ハンドルに挿通された、ハンドル固定用孔Aを有するハンドル側止金具と、弁箱に固定された、ハンドル固定用孔B及びハンドル固定用孔Bを有する弁箱側止金具とを備え、
前記弁開閉ハンドルが弁全開位置に配置されたとき、前記ハンドル側止金具のハンドル固定用孔Aと弁箱側止金具のハンドル固定用孔Bとが合致し、前記弁開閉ハンドルが弁全閉位置に配置されたとき、前記ハンドル側止金具のハンドル固定用孔Aと弁箱側止金具のハンドル固定用孔Bとが合致して、それぞれ金具固定具により固定されるよう構成されていることを特徴とするロック式バルブ装置。
【請求項6】
弁箱側止金具が、弁箱本体及び弁箱蓋を固定するボルトを用いて弁箱に固定されていることを特徴とする請求項5に記載のロック式バルブ装置。
【請求項7】
ハンドル側止金具が、ハンドル固定用穴Aを有する板状部を備えた部材であると共に、弁箱側止金具が、ボルト穴を有した本体板状部、並びに該本体板状部に垂設された、ハンドル固定用孔B及びハンドル固定用孔Bを有した垂直板状部を備えた部材であることを特徴とする請求項5又は6に記載のロック式バルブ装置。
【請求項8】
金具固定具が、錠であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のロック式バルブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−121842(P2008−121842A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−308533(P2006−308533)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【出願人】(591130319)東電環境エンジニアリング株式会社 (27)
【Fターム(参考)】