説明

引っ張りタブにより活性化される装置

外側表面(60)を有する上部層(55)、上部層(55)に取り付けられて、これらの間に内腔(70)を形成する底部層(65)、内腔と外側表面の間に流体連通させる上部層の開口(75)、外側表面に取り外し可能に取り付けられて、開口をシールするシール(80)、及びシールに付着して、かつ重なる引っ張りタブ(105)を含む、流体収容小袋(50)が示されている。ベース層(20)、ベース層に取り付けられて、その間に内側空間を形成する拭き取り層(25)、及び内側空間内に位置決めされる小袋(50)を含む清浄装置(10)が示されており、該小袋は、上部層、上部層に取り付けられて、その間に内腔を形成する底部層、上部層及び底部層の1つにある開口、小袋に付着して、開口をシールするシール、及びシールに付着させて、かつ重なる引っ張りタブを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清浄用装置、吸収体装置及び付与装置、並びに液体のコンテナに関するものである。
【0002】
流体コンテナを含む清浄用装置及び他の類似した装置は、通常は嚢袋を含む。このような嚢袋は、圧力が装置すなわち嚢袋に付与される時に、脆いシーム又は部分に沿って、破れるように設計されている。圧力が意図的に使用者により付与されたものであるか、又は取り扱い中、運搬中、又は貯蔵中に意図的ではなく圧力が付与されたものであるかに関係なく、このような装置は、意図的ではなくても、十分な圧力の下では破れる。
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,657,802号公報
【特許文献2】米国特許第5,695,868号公報
【特許文献3】米国特許第5,843,056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
流体を含む嚢袋を有する清浄用装置及び他の類似した装置は、このような嚢袋の早すぎる破れの問題に煩わされる。本発明は、柔軟で可撓性のある流体の小袋を含む清浄用装置を形成することにより、この問題を解決するものである。可撓性のある小袋は、耐久性があり、通常の取り扱いの間には破れないように設計されている。
【0005】
流体収容小袋は、外側表面を有する上部層、該上部層に取り付けられ、それらの間に内腔を形成する底部層、内腔と外側表面との間に流体を連通させる上部層内の開口、外側表面に取り外し可能に取り付けられ、開口をシールするシール、及び該シールの上に重なるように付着させられた引っ張りタブを含むものとして提示されている。
【0006】
清浄用装置は、ベース層、該ベース層に取り付けられてそれらの間に内側空間を形成する拭き取り層、及び内側空間に配置される小袋を含み、該小袋は、上部層、該上部層に取り付けられ、それらの間に内腔を形成する底部層、上部及び底部層の1つに形成される開口、小袋に付着させられて開口をシールするシール、及びシールの上に重なるように取り付けられた引っ張りタブを有するものとして提示されている。
【0007】
清浄用装置は、ベース層、該ベース層に取り付けられてそれらの間に内側空間を形成する拭き取り層、及び該内側空間に配置された小袋を含み、該小袋は、上部層、該上部層に取り付けられ、それらの間に内腔を形成する底部層、上部及び底部層の1つに形成された開口、小袋に付着されて開口をシールするシール、シールの上に重なるように該シールに取り付けられた引っ張りタブ、及び小袋を開く手段を有するものとして提示されている。
【0008】
本発明の目的及び利点は、以下の説明及び添付された図面を参照することにより、当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ここに示されている本発明の態様は、清浄用装置として例示的目的のために示されるものである。しかしながら、本発明の態様は、吸収装置、付与装置、及び他の装置における拭き布、モップ、ミット、及び清浄用タオルを含む他の清浄装置を含む他の形態の製品に、同等に適用される。
【0010】
ここで用いられる「表面」及びその複数形は、一般的には、物体の外側境界又は最上部境界を意味する。
【0011】
ここに示されているのは、汚物などを表面から取り除くための使い棄て清浄用装置10である。このような清浄用装置10は、使用者が表面を清浄できるようにするものである。
【0012】
図1は、本発明の態様として、清浄用装置10の例を示している。装置10は、拭き取り層15及びベース層20を含む。説明のためであり、制限するためではないが、清浄用装置10は、パッドとして示されている。
【0013】
装置10は、拭き取り層15を含む。拭き取り層15は、あらゆる適当な形状とすることができるが、一般的には、平坦であることが好ましく、更に一般的には長方形又は長楕円形とすることが好ましい。拭き取り層15は、拭き取り層15の周囲に延びる周辺縁25を有する。本発明の一態様においては、拭き取り層15は、人の手を平坦にした時の、ほぼその表面の大きさである。本発明の別の態様においては、拭き取り層15は、人の手のほぼ4本の指の大きさである。本発明の更に別の態様においては、拭き取り層15は、ほぼ人の指の大きさである。パッドが、子供の手、大人の手、又はあらゆる清浄操作を実行するうえでの、最も適合する大きさとすることができるように、装置10は、あらゆる形状又はあらゆる大きさで製造することができる。概して、拭き取り層15は、清浄装置10を使用しようとするのに適当に選択された好ましい大きさを有する、あらゆる適当な大きさとすることができる。本発明の他の態様においては、装置10は、ミット又は四角、又は丸いパッドなどの他の形状に製造することができる。
【0014】
拭き取り層15は、清浄機能を遂行するための活性層である。本発明の代替的態様においては、あらゆる適当なコフォーム材料、不織材料、又は織成材料を使用することができる。本発明の一態様においては、拭き取り層15は、吸収性材料である。拭き取り層15は、予め延伸した弾性フィラメントを有する延伸接着型積層体(SBL)及び各々の外側表面に1つのスパンボンド材料層を有し、基本重量がおよそ70gsmであるメルトブローン材料とすることができるが、あらゆる適当な吸収性材料を使用することができる。SBL及び他の複合不織弾性ウエブは、Mormanの米国特許第4,657,802号に、記載されている。本発明の一態様においては、拭き取り層15は、Kimberly−Clark Corporationより入手可能な1平方メートル当たり110グラム(gsm)の乾燥エンボス加工したコフォーム積層体を含む。
【0015】
本発明の他の態様においては、拭き取り層15の材料は、綿、レーヨン、木質パルプ、不織布などのポリマー性物質、発泡体スポンジ、及び熱可塑性材を含むことができる。材料は、相互結合した熱可塑性繊維で形成される不織布で形成することができる。繊維は、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン)、ポリスチレン、及びポリアミド(例えばナイロン)を含む種々異なる熱可塑性材料から形成することができる。更に、ポリウレタン及びブロックコポリマーを含むエラストマー性である熱可塑性ポリマーを、繊維として使用することができる。あらゆるこれらの材料の混合物が、繊維を形成するために使用することができる。繊維が、繊維内に1又はそれ以上の望ましい特性を達成するように製造される時に、繊維は、挿入される添加剤(例えば、蝋、顔料、スタビライザー、及び充填材)を含むことができる。幾つかの添加剤の例としては、繊維の表面を一層湿潤性にさせるような、ポリマーに添加される親和性のある界面活性剤を含み、これにより、望まれない異物を皮膚から離して、引きつけるような繊維構造の能力を改善することとなる。繊維に添加される界面活性剤の量は、繊維から形成される布の表面湿潤性を制御するのに適したものとすることができる。適当な界面活性剤の例としては、ソジウムジオクチルスルホ琥珀酸及びアルキルフェノキシエタノールを含む。
【0016】
拭き取り層15を形成するのに使用される材料は、該材料内に物質を捕捉及び/又は貯蔵することが可能である。このような材料は、装置10を使用する前、又は使用中に、他の材料の中に異物、清浄剤、潤滑剤、殺精子剤、及び医薬品を貯蔵及び/又は貯蔵することができる。このような材料の例としては、スパンボンド、スパンレース、ボンデッドカーデッドウエブ、及び孔あきフィルム材料を含む。本発明の一態様においては、材料は、不織布と結合することができるポリオレフィンで形成される孔あきフィルムである。本発明の他の態様においては、拭き取り層15の材料は、同様の、類似した、又は異なるティッシュ、不織成物、織成物、又はフィルム材料の積層体、或いはここに示されたあらゆる他の材料の積層体とすることができる。
【0017】
不織布が使用される場合には、不織布の基本重量は、装置10内に望まれる特性に応じて変化することができる。例としては、不織布の基本重量は、10gsmのように低い、更に300gsmのように高いものとすることができる。このような不織材料は、柔らかい触感の表面を含むことができる。このような柔らかい触感の不織成材料の例としては、それらの中に急速移送材料、フロック加工された材料、ワイヤ型不織成物、及び熱点非接着型材料を含む。
【0018】
本発明の一態様においては、拭き取り層15は、表面から液体を吸収するように、乾燥状態で使用することができる。本発明の別の態様においては、拭き取り層15は、水又は別の物質を使用し、使用者により湿らせることで、清浄装置10での清浄を介助することができる。
【0019】
清浄装置10は、更にベース層20を含む。ベース層20は、拭き取り層15の全体の大きさ及び形状と同一であることが好ましいが、ベース層20の大きさ及び/形状は、清浄装置10の使用の意図に基づいて、拭き取り層15の大きさ及び/又は形状と異なるように選択することができる。ベース層20は、ベース層20の周辺に延びる周辺縁30を有する。
【0020】
ベース層20は、裏側層とすることができる。ベース層20は、あらゆる適当な不織成物、織成物、又は紙ティッシュ材料から製造することができる。本発明の一態様においては、ベース層20は、吸収性材料である。ベース層20は、予め延伸されたフィラメントを有するSBL及び各々の外側表面上に1つの層のスパンボンド材料を有し、基本重量がおよそ70gsmであるメルトブローン材料とすることができるが、あらゆる適当な吸収性材料を使用することができる。本発明の一態様においては、ベース層20は、Kimberly−Clark Corporationより入手可能な乾燥エンボス加工した100gsmのコフォーム積層体を含む。
【0021】
本発明の代替的態様においては、ベース層20は活性層であり、拭き取り層15に対して上記した本発明のあらゆる態様に基づいて製造される。活性層としてのベース層20の場合は、ベース層20は、拭き取り層15に使用されるものと類似する又は異なる材料から製造することができる。
【0022】
本発明の代替的態様においては、拭き取り層15及びベース層20の1つ又は両方は通気性であり、装置10の内部に空気を循環させることができる。
【0023】
拭き取り層15は、ベース層20に取り付けられる。拭き取り層15及びベース層20の周辺縁25、30が、ほぼ整列するように、拭き取り層15及びベース層20の1つは、もう一方の拭き取り層15及びベース層20に重なって位置決めされる。拭き取り層15の周辺縁25の一部は、ベース層20の周辺縁30に取り付けられて、シーム35を形成する(図3参照)。形成されたシーム35は、周辺縁25、30に存在することができるか、又はシーム35は、周辺縁25、30に隣接するか、或いは内側に存在することができる。拭き取り層15及びベース層20は、接着剤、超音波接着、熱、縫い合わせ、又はあらゆる手の適当な方法によって接着することができる。本発明の一態様においては、拭き取り層15及びベース層20は、National Starchより入手可能な34−5610形成接着剤などの、ブロックコポリマー接着剤を使用して取り付けられる。拭き取り層15及びベース層20は、周辺縁25、30に追加して、又は周辺縁ではない地点で取り付けることもできる。
【0024】
図1に戻ると、拭き取り層15をベース層20に取り付けて、内側空間40を有する装置10を形成する。
【0025】
ベース層20は、内側空間40に対向する液体不透過性バリア層45を含むことができる。本発明の一態様においては、該バリア層45の材料は、熱シール又は超音波シールが可能なポリオレフィン型材料である。本発明の別の態様においては、バリア層45の材料は、BSTL、通気性のある、延伸可能な熱積層体などの材料である。BSTL及び類似する材料は、McCormack他の米国特許第5,695,868号、及びGood他の米国特許第5,843,056号に記載されている。本発明の別の態様においては、バリア層45の材料は、上記したようなSBLとすることができるか、或いはあらゆる他の適当な材料、特に拭き取り層15に関連して上記したものとすることができる。ベース層20は、使用者の手に最も接触しやすい層であるので、バリア層45は、ベース層20及び使用者の手を乾燥させるように機能する。バリア層45は、拭き取り層15の一部に隣接して位置決めされ、拭き取り層15の一部が流体に接触するのを遮断して、拭き取り層15の部分を乾燥させたままとすることを可能とする。別個のバリア層45は、ベース層20に隣接して、かつ拭き取り層15に隣接して位置決めすることができる。
【0026】
装置10に対して選択される設計及び材料の結果として、装置10は、使い棄てに設計されることが好ましい。この場合には、使い棄てというのは、使用後に装置10は洗浄されることなく、廃棄されることを意味する。
【0027】
本発明の代替的態様においては、拭き取り層15及びベース層20は、同じ材料片の2つの部分である。拭き取り層15及びベース層20の1つは、もう一方の拭き取り層15及びベース層20に折り畳まれて、ここで述べられたあらゆる手段によって、周辺縁25、30の一部が取り付けられて、装置10を形成する。
【0028】
図2に最もよく示されているように、清浄用装置10は、流体収容の小袋50を更に含む。小袋は、外側表面60を有する上部層55、及び上部層55に取り付けられる底部層65を含む。上部層55及び底部層65は、内腔70を形成して囲むように取り付けられる。上部層55及び底部層65は、熱接着により取り付けることができるが、あらゆる適当な取り付け手段も使用することができる。内腔70は、流体を含むようにシールすることができる。小袋50は、長方形、四角、円、長楕円形、又はあらゆる他の適当な大きさ又は形状とすることができる。
【0029】
上部層55は、内腔70と外側表面60の間に流体連通させる開口75を含む。開口75は、図1に示されるように、1又はそれ以上のスリットとすることができる。本発明の別の態様においては、開口75は、1又はそれ以上の穴、孔、ピン孔、脆弱な部分とすることができるか、或いはあらゆる適当な形状又は大きさとすることができる。開口75は、大きさ又は長さにおいて、非均一とすることができる。
【0030】
小袋50は、小袋50の外側表面60に取り外し可能に取り付けられるシール80を含む。シール80は、粘着表面85及び自由表面90を含む。シール80は、取り付け端部95及び取り外し端部100を含む。シール80の粘着表面85は、シール80が開口75を塞ぎ、それによりシールするように外側表面60に付着させる。シール80は、Bemis Company,Inc.より入手可能な2ミルのポリエチレンフィルムから形成することができるが、あらゆる適当な材料を使用することができる。シール80は、Bemis Company,Inc.より入手可能な感圧性アクリル系接着剤又は脆弱なシール材ポリなどの接着剤を使用して、外側表面60に付着することができる。
【0031】
本発明の他の態様においては、シール80を小袋50に取り付けるために使用される接着剤は、EVA、ポリオレフィン、反応性エポキシ樹脂、澱粉、スチレン系ブロックコポリマー(SBC)、天然ゴム、ポリブチレン、アクリル材、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリアミド、シリコン、及びEVA、SBC、及び無定形ポリアルファオレフィン(APAO)を含むホットメルト接着剤とすることができ、APAOを使用する場合、ポリエチレンフィルムと使用する時には、通常粘着材を添加する必要がある。接着剤は、乳濁液ベースの調合剤(例えばPVAc、EVA、SBR及びネオプレンなどのゴム)又は溶液ベースの調合剤(例えばPVOH、Kymene、及びポリエチレン酸化物)などの合成接着剤とすることができる。接着剤は、ポリマー、濃化剤、充填材、粘着材、湿潤剤、及び湿潤促進剤などの、天然成分及び合成成分のいずれか又はこれらの両方を含むもののような、水−ベースの接着剤とすることができる。接着剤は、澱粉(例えばコーン、タピオカ、及び小麦)、デキストリン、及び動物性膠などの天然接着剤とすることができる。
【0032】
本発明の一態様においては、このような接着剤は、外側表面60に接触するシール80の部分にだけ付与される。特に取り外し端部100で、シール80に付与される十分な引っ張り圧力は、接着力を越えるもので、粘着表面85を外側表面60から取り外し、これにより開口75を開かせることとなる。製造においては、小袋50が流体で満たされる前は、シール80は、小袋50上に設置することができる。
【0033】
本発明の一態様においては、シール80の取り付け端部95は小袋50に付着されて、開口75が開かれた後、シール80が小袋50に付着したままとさせるものである。本発明の別の態様においては、シール80の取り付け端部95は、小袋50に付着されないか、或いは、小袋50に取り外し可能に取り付けられ、更にシール80は、開口75が開かれる時に、小袋50から完全に取り外すことが可能となる。
【0034】
シール80は、シール80の取り外し端部100から延びる引っ張りタブ105を含む。引っ張りタブ105は、シール80と同一材料の延長部で、同一材料から形成することができるか、或いは引っ張りタブ105は、別個に形成されてシール80に付着することができる。引っ張りタブ105を引っ張ると、シール80の取り外し端部100を引っ張り、開口75をシールする位置から、シール80を取り外すことを可能にする。本発明の一態様においては、引っ張りタブ105は、シール80を越えて折り返され、シール80と重なる。この位置においては、引っ張りタブ105を外側表面60のほぼ接線方向に引っ張ると、シール80の取り外し端部100を引っ張りタブ105が引っ張ることとなる。このように、粘着表面85が外側表面60から取り外されて、開口75を開く時に、シール80は小袋50から剥離される。本発明の一態様においては、更にシール80に重なる位置に引っ張りタブ105が存在することを確実にするために、引っ張りタブ105は、接着剤又はあらゆる他の適当な接着方法を使用して、シール80の自由表面90に取り外し可能に取り付けることができる。明らかにするために、引っ張りタブ105及びシール80は、単一片の材料の2つの領域とすることができる。
【0035】
本発明の一態様においては、引っ張りタブ105は、拭き取り層15及びベース層20の周辺縁25、30を越えて延びるようにすることができ(図1及び3参照)、小袋50が内側空間40内に位置決めされる時、引っ張りタブ105を使用者に到達可能とさせるものである。引っ張りタブ105は、これにより内側空間40から取り外すことができるか、或いは内側空間40内に少なくとも部分的に存在したままとすることができる。
【0036】
図3に最もよく示されている本発明の別の態様においては、小袋50は、引っ張りタブ105に付着された引っ張り紐110を含むことができる。この場合においては、引っ張り紐110は、拭き取り層15及びベース層20の周辺縁25、30を越えて延び、使用者に到達可能とする。引っ張り紐110を引っ張ると、引っ張りタブ105を引っ張ることとなり、これにより上記した方法でシール80を引っ張ることとなる。引っ張りタブ105は、内側空間40から取り外すことができるか、或いは内側空間40内に少なくとも部分的に残ることができる。本発明の更に別の態様においては、引っ張り紐110は、シール80の取り外し端部110に直接付着することができる。本発明のこれらの態様のいずれにおいても、引っ張りタブ105及び/又は引っ張り紐110は、ストリング、リボン、又は引っ張りコードとすることができる。引っ張りタブ105又は引っ張り紐110は、引っ張りタブ105又は引っ張り紐110に取り付けられるタグ115を含むことができ、使用者が引っ張りタブ105又は引っ張り紐110を引っ張るのを介助する。装置10は、シーム35にギャップ120を含むことができ、引っ張りタブ105又は引っ張り紐110を通過させる。
【0037】
本発明の様々な態様においては、小袋を開く手段は、1つの材料片として結合される引っ張りタブ105及びシール80、シールに取り付けられて、シールと組み合わせて使用される引っ張りタブ105、シールに取り付けられて、シールと組み合わせて使用される引っ張り紐110、1つの材料片としてシール80と結合される引っ張りタブ105に取り付けられる引っ張り紐110、及び同様に1つの材料片としてシール80に取り付けられて、シールと結合して使用される引っ張りタブ105に取り付けられる引っ張り紐110を含む。これらの場合の各々において、引っ張り紐110は、ストリング、リボン、コード、またはあらゆる他の適当な材料とすることができる。
【0038】
本発明の一態様においては、小袋50は、上部層55が底部層65に付着する点に、1又はそれ以上の接着点125を含むことができる。接着点125は、上部層55を底部層65に付着するために、上記したあらゆる手段によって形成され、小袋50を形成することができる。接着点125は、引っ張りタブ105、引っ張り紐110、又はシール80に力が与えられた時、上部層55が底部層65に対して移動しないように機能する。本発明の一態様においては、接着点125は、内腔70内で、小袋50の縁部から離れて位置決めすることができる。接着点125は点として述べているが、本発明の他の態様においては、線状、幾何学形状、又はあらゆる他の適当な形状又は大きさとすることができる。
【0039】
小袋50は、装置10の内側空間40内に位置決めされる。小袋内腔70は、1又はそれ以上の流体に充填されるか、或いは部分的に充填される前にシールされる。小袋50は、収容される流体及び装置10の意図する使用に基づいて選択される大きさで、内側空間40内に適合するあらゆる大きさとすることができる。
【0040】
小袋50は、拭き取り層15を通して流体を染み込むことが可能なように、飽和状態を越えるレベルを付与することができるような大きさとすることができ、意図する表面によって吸収される。この例としては、カーペット清浄のためのしみ除去用布の、しみを染み込みこもうとする部分に見ることができる。
【0041】
小袋50は、Bemis Company,Inc.より入手可能な2ミルのポリエチレンフィルムなどの、可撓性のある熱シール可能な材料から形成される。本発明の他の態様においては、小袋50は、ポリエチレン、ポリプロピレン、又は他の適当な熱可塑性材から形成することができる。小袋50が形成される材料は、小袋50に含まれる流体とは、何の負の影響もないか、或いは流体と反応しないものとするべきである。小袋50の構成及び小袋50内の流体の充填レベルにおいて使用される材料は、耐久性及び可撓性がある構造を形成し、通常の取り扱い中には、容易に破れて開口するものではない。本発明の一態様においては、小袋50は、拭き取り層15、ベース層20、又はバリア層45の1つに接着される。
【0042】
本発明の一態様として図1−3に示されるように、小袋50は、装置10の周辺縁25、30から離れて小袋50のあらゆる縁部が維持されるように、装置10内に位置決めされる。これは、装置10にどんな剛性な縁部も形成しないために成される。
【0043】
図示されていない本発明の別の態様においては、装置10は、縫い合わせ、膠、又は他の適当な手段の線を含むことができ、内側空間40内にポケットを定めて、小袋50を所定の位置に保持する。
【0044】
本発明の別の態様においては、小袋50は、小袋50の上部層55及び底部層60の各々に、少なくとも1つの開口75を含むことができる。この態様においては、各々の開口75は、シール80によりシールされ、各々のシール80は、引っ張りタブ105又は引っ張り紐110を有する。各々の開口75は、互いに独立して開くことができる。各々の引っ張りタブ105又は引っ張り紐110は、独立して引っ張ることができるか、或いは引っ張りタブ105又は引っ張り紐110は、互いが取り付けられて、開口75を一致して開くことを確実にすることができる。
【0045】
図示されていない本発明の代替的態様においては、開口75は、シール80を取り外す時に破れる脆弱な部分と代わることができる。内腔70の流体内容物が、シール80を小袋50に取り付けるために使用される接着剤と活性化するか又は接着性を弱めるように機能するような場合に、このような態様は特に有益である。
【0046】
図示されていない本発明の別の代替的態様においては、小袋50は、シール80を取り外す時に、剥離速度及び拭き取り層15上への流体の分散パターンを制御するために、内側バッフル又は付加的室を含むことができる。
【0047】
図示されていない本発明の別の態様においては、分散層は、小袋50と拭き取り層15との間に置かれて、流体が拭き取り層15内に分散されることを確実なものとすることができる。分散層は、例えば、流体を拭き取り層15のかなりの部分に流体を吸い上げるサージ材料とすることができる。
【0048】
本発明の別の態様においては、1より多い小袋50又は1より多い内腔70を含む1つの小袋を、清浄用装置10内において使用することができる。この態様においては、各々の小袋50又は内腔70は、同じ流体を含むことができ、使用者が1又はそれ以上の小袋50を開いて、拭き取り層15の飽和度を制御することを可能とさせる。本発明の類似した態様においては、各々の小袋50又は内腔70は、異なる流体を含むことができる。異なる流体は、清浄用流体と香料におけるように相補的とすることができるか、又は発泡、泡立ち、色変化、暖め、及び冷却などの望ましい作用を起こさせるために、互いが反応することができる。この態様においては、各々の小袋50又は内腔70は、シール80によりシールされ、各々のシール80は、引っ張りタブ105又は引っ張り紐110を有する。各々の小袋50又は内腔70は、他方と独立して開くことができる。各々の引っ張りタブ105又は引っ張り紐110は、独立して引っ張られるか、又は引っ張りタブ105又は引っ張り紐110は、互いに取り付けられて、確実に小袋50又は内腔70を一致して開かせる。
【0049】
本発明の別の態様においては、バリア層45は、2つの小袋50の間に置かれ、1つの小袋50は、拭き取り層15と流体連通状態であり、別の小袋50は、ベース層20と流体連通することが可能である。その結果、装置10の1つの側部は、清浄用流体を有する小袋50を使用し、装置10のもう一方の側部は、洗浄用流体を有する小袋50を使用することができる。
【0050】
本発明の更に別の態様においては、小袋50に含まれる流体は、拭き取り層15又はベース層20のいずれかに存在する乾燥化学物質と反応することができ、泡立ち、発泡、暖め、冷却、又は他の化学反応を起こすことができる。乾燥化学物質は、例えば、拭き取り層15又はベース層20のいずれかに付与されるか、或いは拭き取り層15及びベース層20から製造される樹脂又は結合繊維に含まれる界面活性剤とすることができる。
【0051】
本発明の別の態様においては、拭き取り層15又はベース層20に流体を分散することは、異なるパターン、速度、及び方法で流体を吸収及び分散する、異なる吸い上げ及び他の特性を有する材料を使用して制御することができる。
【0052】
小袋50の内腔70に含まれる流体は、人/動物使用のための洗浄用流体及び清浄表面のための清浄用流体を含む、装置10の意図する使用に適当なあらゆる流体とすることができる。流体は、あらゆるペースト、ゲル、粉末、油、液体、又はあらゆる他の適当な媒体とすることができる。洗浄用流体の例としては、水溶性ポリマー、ポリソルベート、グリセリン、グリコールベースの界面活性剤、及び/又はシリコンベースの界面活性剤などの界面活性剤を含む。流体は、水、塩、酢、湿潤剤、研磨材粉末、濃化剤、及び芳香剤などの他の材料を含むことができる。洗浄用流体は、通常の皮膚水化レベルを維持することを可能にする加湿剤を含むことができる。洗浄用流体は、膣領域の通常細菌を破壊しない防腐剤及び他の成分(例えば、ソルビン酸、クエン酸、メチルパラベン、及びグレープフルーツ抽出物などの天然防腐剤)を含むことができる。流体は、身体の領域に付与することができる他の材料を含むことができる。材料の例としては、潤滑油、脱臭剤、及び他の不活性成分又は活性成分(例えば、殺精子剤又は医薬品)を含む。本発明の一態様においては、流体は、界面活性剤、防腐剤、pH中和剤、及び濃化剤を有する主に水ベースの溶液(90%+水含有量)である洗浄用流体とする。
【0053】
流体は、水、天然酵素、及び刺激の少ない洗剤を含むFOURPAWS Super Strength Stain and Odor Remover(ニューヨーク州HauppaugeのFour Paws Products,Ltd.からの)又は水、天然酵素、イソプロピルアルコール、及び天然柑橘類香料を含むNATURE’S MIRACLE Stain&Odor Remover(カリフォルニア州ローリングヒルズエステートのPets‘N People,Inc.からの)、又はRESOLVE Carpet Spot&Stain Carpet Cleaner(ニュージャージー州ウエインのReckitt Benckiserからの)などの清浄用溶液とすることができる。流体はペット用シャンプーとすることができる。流体は、水、2−ブトキシエタノール、過酸化水素、及び表面活性剤(ミネソタ州セントポールの3M Corporationからの)を含むStain Protectorを有するSCOTCHGARD Oxy Carpet Cleanerなどのしみ清浄剤及びしみ防護剤とすることができる。布の表面を清浄するために清浄装置10を使用する場合は、流体は、SIMPLE SOLUTION Indoor/Outdoor Repellent for Dogs and Catsなどのペット用駆虫剤を含むことができ、活性成分メチルノニルケトン(テキサス州ダラスのThe Bramton Companyからの)を有する。
【0054】
流体は、抗菌剤とすることができる。適当な抗菌剤の例としては、3−トリメトキシシリルプロピルジメチルオクタデシル塩化アンモニウム(AEGIS)などの4元素アンモニウム化合物、ビグアニド(ポリ(へキサメチレン)ビグアニド塩酸塩(PHMB)Arch Chemical)、2、4、4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジペニールエーテル(Tinosan、Ciba)などのポリ陽イオン化学物質、2、4、4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジペニールエーテル又は5−クロロ−2−(2、4−ジクロロフェノキシル)フェノールのいずれかとして知られるジフェニルエーテル(ビス−フェニル)派生物、トリクロサン、銀、及び銅を含む。流体は、荷電されるか又は複合荷電される粒子又はナノ粒子とするアレルゲン遮蔽剤とすることができる。アレルギー蛋白質のほとんどは糖蛋白質(共有結合したオリゴ糖類を含む蛋白質)であり、複合荷電が好ましいが、粒子の正荷電より負荷電が優位とすることができる。陶土又は変成された陶土が、この点に関しては機能する。適当なアレルゲン遮蔽剤の例としては、ジャカリン、ピーナッツ、及び大豆などのN−アセチルガラクトースアミンに対し親和性を有する植物性レクチンを含み、レクチンは、アレルゲンを結合し、かつウエブに結合されて、表面からアレルゲンを取り除く。流体は、芳香剤を更に含むことができる。流体は、動物を引きつけるか又は撃退するかのいずれかのためのフェロモンを含むことができる。流体は、更に靴墨、カーペット清浄用溶液、しみ除去用流体、キッチンの床及びカウンタートップ用清浄剤などとすることができる。
【0055】
使用中に、使用者は、引っ張りタブ105又は引っ張り紐110を引っ張り、図3に示されるような、小袋50の外側表面60における開口75を開く。本発明の一態様においては、引っ張りタブ105又は引っ張り紐110が引っ張れると、シール80及び引っ張りタブ105又は引っ張り紐110は、内側空間40から引き抜かれる。
【実施例】
【0056】
本発明の態様の例として、清浄用装置10が製造された。拭き取り層15は、Kimberly−Clark Corporationより入手可能な、乾燥エンボス加工した110グラム/平方メートル(gsm)のコフォーム積層体から形成された。ベース層20は、Kimberly−Clark Corporationより入手可能な、乾燥エンボス加工した100gsmのコフォーム積層体から形成された。拭き取り層15は、縫い合わせによりベース層20に取り付けられた。小袋50は、内側区間40内に位置決めされ、Bemis Company,Inc.より入手可能な、2ミルのポリエチレンフィルムから形成された。引っ張りタブ105は、Bemis Company,Inc.より入手可能な2ミルのポリエチレンフィルムから形成された。小袋50の内腔70内に含まれる流体は、蒸留水であった。外側表面60と引っ張りタブ105の間に接着剤が付与された。完成した装置10は、小袋50が破れることなく、運搬及び取り扱いと整合して、様々な手による操作に曝された。最後に、引っ張りタブ105が引っ張られて、小袋50を開き、拭き取り層15は、小袋50の流体内容物で湿潤された。
【0057】
本発明の実施形態は、様々な特定の更に説明的態様及び技術を参照して述べられた。しかしながら、多くの変更及び修正が、意図及び範囲内にあるものとして成すことができることが理解されるべきである。
【0058】
したがって、これは、添付された特許請求の範囲の意図及び範囲内であるすべてのこのような代替物、修正及び変更を含むと意図される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の態様の拡大透視図である。
【図2】図1の小袋の態様の透視図である。
【図3】図1の本発明の態様の切り取った平面図である。
【符号の説明】
【0060】
10 清浄装置
15 拭き取り層
20 ベース層
35 シーム
40 内側空間
45 バリア層
50 小袋
70 内腔
75 開口
80 シール
95 取り付け端部
100 取り外し端部
105 引っ張りタブ
110 引っ張り紐
120 ギャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体収容小袋であって、
外側表面を有する上部層と、
前記上部層に取り付けられて、その間に内腔を形成する底部層と、
前記上部層に設けられ、前記内腔と前記外側層との間を流体連通させる開口と、
前記外側表面に取り外し可能に取り付けられて、前記開口をシールするシールと、
前記シールに重なるように取り付けられた引っ張りタブと、
を含む小袋。
【請求項2】
前記開口は、スリットであることを特徴とする請求項1に記載の小袋。
【請求項3】
前記上部層と底部層の1つに、第二開口を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の小袋。
【請求項4】
前記底部層に第二開口を含み、第二シールが、前記外側表面に取り外し可能に取り付けられて、前記第二開口をシールすることを特徴とする請求項1に記載の小袋。
【請求項5】
前記引っ張りタブは、前記シールの延長部であることを特徴とする請求項1に記載の小袋。
【請求項6】
前記シールは、前記小袋に付着させられた取り付け端部を有することを特徴とする請求項1に記載の小袋。
【請求項7】
前記シールは、接着剤を使用して、前記上部層に取り外し可能に付着させられることを特徴とする請求項1に記載の小袋。
【請求項8】
前記シールは、取り外し端部を有し、前記引っ張りタブは、前記取り外し端部において前記シールに付着させられたことを特徴とする請求項1に記載の小袋。
【請求項9】
前記シールは、前記上部層に取り外し可能に取り付けられる粘着表面を有し、前記シールは、前記粘着表面とは反対側に自由表面を有し、前記引っ張りタブは、前記自由表面に取り外し可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の小袋。
【請求項10】
前記引っ張りタブは、前記自由表面に接着剤を使用して取り外し可能に取り付けられることを特徴とする請求項9に記載の小袋。
【請求項11】
前記上部層を前記底部層に付着させる接着点を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の小袋。
【請求項12】
清浄装置であって、
ベース層と、
前記ベース層に取り付けられて、その間に内側空間を形成する拭き取り層と、
前記内側空間内に位置決めされる小袋と、
を含み、前記小袋は、
上部層と、
前記上部層に取り付けられて、その間に内腔を形成する底部層と、
前記上部層と前記底部層の1つにある開口と、
前記子袋に取り付けられて前記開口をシールするシールと、
前記シールに重なるように取り付けられた引っ張りタブと、
を有する、
ことを特徴とする装置。
【請求項13】
前記ベース層に取り付けられるバリア層を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記開口は、スリットであることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記引っ張りタブは、前記シールの延長部であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記ベース層は縁部を有し、前記引っ張りタブは、前記縁部を越えて延びることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記シールは、前記小袋に付着される取り付け端部を有することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記シールは、前記小袋に、接着剤を使用して取り外し可能に付着させられることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項19】
前記シールは、取り外し端部を有し、前記引っ張りタブは、前記取り外し端部で前記シールに付着させられることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項20】
前記シールは、前記小袋に取り外し可能に取り付けられる粘着表面を有し、前記シールは、前記粘着表面とは反対側に自由表面を有することを特徴とする請求項12に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−543677(P2008−543677A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511136(P2008−511136)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/015352
【国際公開番号】WO2006/121598
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】