説明

張力調整機構、駆動装置および画像形成装置

【課題】張架ローラ保持部材を装置にネジ止めするときに、張架ローラ保持部材が張力調整方向に移動してしまうのを抑制することができる張力調整機構、駆動装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】副走査モータ109がネジ止めされ、駆動プーリ101を回転自在に保持するブラケット107の第1固定部107bに設けられたネジ挿入穴111aは、張力調整方向である従動プーリ103の回転中心と駆動プーリ101の回転中心とを結んだ線分ABと平行に延びる部分と、線分ABと直交する方向に延びる部分とを備えた略十字形状にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、張力調整機構、駆動装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
主走査方向に移動するキャリッジに搭載されたインク吐出手段たるインクジェットヘッドにより、インクの液滴を記録紙に向けて吐出して画像を記録するインクジェット方式の画像形成装置が知られている。インクジェット方式の画像形成装置は、インクジェットヘッドから吐出されたインク滴が直接記録紙に着弾して画像を形成するため、画像の高画質化を実現するためには、インク滴の記録紙に対する着弾位置精度を高める必要がある。
【0003】
着弾位置精度を高めるには、記録紙の搬送を高精度に行う必要がある。インクジェット方式の画像形成装置においては、記録紙の搬送−停止を繰り返しながら、記録紙に画像を形成していくため、記録紙を搬送する搬送ベルトの間欠駆動動作時における駆動伝達遅れが記録紙停止位置精度に大きく影響を与え、着弾位置精度の低下へと繋がる。よって、インクジェット方式の画像形成装置においては、記録紙を搬送する搬送ベルトに駆動力を伝達する伝達機構は、駆動伝達遅れの原因の一つとして上げられるバックラッシが発生するギヤ駆動伝達機構ではなく、精密駆動に適しているタイミングベルト駆動伝達機構を採用している。
【0004】
タイミングベルト駆動伝達機構においては、タイミングベルトの張力が狙いの張力よりも緩いと、歯飛びやタイミングベルトの振動が発生し、記録紙停止位置精度が悪化する。また、タイミングベルトが狙いの張力よりも強いと、駆動トルクが増加して、消費電力が増したり、張架ローラを軸受けする軸受部に過剰な負荷がかかり、早期に装置の寿命がきたりする。特許文献1には、ベルト部材としてのタイミングベルトの張力を調整する張力調整機構を備えた駆動装置が記載されている。
【0005】
図10は、特許文献1に記載の張力調整機構の概略構成図である。
図10に示すように、特許文献1に記載の張力調整機構500は、タイミングベルト502を張架する張架ローラ505の軸506を回転自在に支持する張架ローラ保持部材としてのブラケット510と、張架ローラ505をタイミングベルト502に押圧するための付勢手段としてのスプリング516とを有している。スプリング516の一端は、装置本体側板のバネ受け515に固定され、他端は、張架ローラの軸506に固定されて、張架ローラ505を引っ張っている。ブラケット510には、2個のネジ512が所定の間隔をおいて挿入される張力調整方向(図中左右方向)に延びる長穴状のネジ挿入穴511が形成されており、このネジ挿入穴511に2個のネジ512が挿入され、これら2つのネジ512によりブラケット510が装置本体に固定される。
【0006】
タイミングベルト502の張力の調整は、まず、2個のネジ512を緩める。すると、スプリング516の引っ張り力により張架ローラ506が、ブラケット510とともに図中右側へ移動し、タイミングベルト502の張力とスプリング516の引っ張り力とが釣り合う位置で張架ローラ505の移動が停止する。これにより、タイミングベルト502が、狙いの張力で張架される。次に、2個のネジ512でブラケット510を装置本体に締結する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の構成においては、張力調整後、ブラケット510を装置本体にネジ512で固定するとき、ブラケット510には、図10に示すように、張力調整方向にネジ512の締結トルクT1,T2が働く。具体的には、ブラケット510のネジ挿入穴511よりも図中上側には、張力を緩める方向に締結トルクT1が加わり、ブラケット510のネジ挿入穴511よりも図中下側には、張力を強める方向に締結トルクT2が加わる。ブラケット510の面に対して垂直にネジ止めされた場合は、ブラケット510のネジ挿入穴511よりも図中上側にかかる締結トルクT1とネジ挿入穴511よりも図中下側にかかる締結トルクT2は、同じなので、互いに打ち消し合い、ブラケット510は、移動せずに固定される。しかし、ブラケット510の面に対して斜めにネジ止めされるなどした場合、ネジ頭部のブラケット510のネジ挿入穴511よりも図中上側に加わる当接圧と、ネジ挿入穴511よりも図中下側に加わる当接圧とが異なってしまう。従って、ブラケット510のネジ挿入穴511よりも図中上側にかかる締結トルクT1とネジ挿入穴511よりも図中下側にかかる締結トルクT2とに差ができる。その結果、ネジ512の締結トルクによりブラケット510が、張力調整方向へ移動してしまい、狙いの張力から外れてしまうという課題があった。
【0008】
上記課題は、タイミングベルトの張力調整機構に限られず、ベルト部材の張力を調整する張力調整機構においても同様な課題が生じる。
【0009】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、張架ローラ保持部材を装置にネジ止めするときに、張架ローラ保持部材が張力調整方向に移動してしまうのを抑制することができる張力調整機構、駆動装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、ベルト部材を張架する複数の張架ローラの一つを回転自在に支持し、ネジが挿入されるネジ挿入穴にネジが挿入されて、上記ネジにより装置本体に固定される張架ローラ保持部材と、張架ローラ保持部材を、ベルト部材の張力付与方向に付勢する付勢手段とを有し、上記張架ローラ保持部材の挿入穴は、上記ベルト部材のテンション調整方向に延びており、上記ベルト部材の張力と上記付勢手段の付勢力とが釣り合った箇所で、上記張架ローラ保持部材が、上記ネジにより装置本体に固定される張力調整機構において、上記ネジの回転中心から上記ベルト部材のテンション調整方向と直交する方向に最も離れた上記ネジの頭部の箇所が、上記張架ローラ保持部材と当接しないよう上記張架保持部材を構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ネジの回転中心からベルト部材のテンション調整方向と直交する方向に最も離れたネジの頭部の箇所が、張架ローラ保持部材に当接しないので、ネジ締結時に張架ローラ保持部材にネジの頭部から加わるテンション調整方向と平行な方向の締結トルクを、ネジの回転中心からベルト部材のテンション調整方向と直交する方向に最も離れたネジの頭部の箇所が、張架ローラ保持部材に当接するものに比べて、小さくすることができる。よって、ネジが張架ローラ保持部材に対して斜めにネジ挿入穴に挿入され、ネジ挿入穴を挟んでテンション調整方向と直交する方向の一方側と他方側とでネジ頭部の張架ローラ保持部材に対する当接圧が異なっても、ネジ挿入穴を挟んでテンション調整方向と直交する方向の一方側と他方側とのテンション調整方向と平行な方向の締結トルク差を小さくすることができる。よって、張架ローラ保持部材が、テンション調整方向へ移動するのを抑制することができる。これにより、張架ローラ保持部材を装置にネジ止め後のベルト部材の張力の狙いの張力に対するズレを、特許文献1に記載の張力調整機構に比べて小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態の画像形成装置としてのインクジェット記録装置を前方から見た斜視図。
【図2】インクジェット記録装置の機構の概要を示す側面図。
【図3】インクジェット記録装置の要部の概要を示す平面図。
【図4】駆動装置の斜視図。
【図5】駆動装置の正面図。
【図6】引っ張りスプリング取り付け前の駆動装置の正面図。
【図7】ブラケット固定前の駆動装置の正面図。
【図8】第1固定部のネジ挿入穴にネジを挿入して、第1固定部をモータ取り付け板に固定した様子を説明する図。
【図9】搬送ベルトの張力調整機構の概略構成図。
【図10】従来の張力調整機構の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態について説明する。
図1は実施形態の画像形成装置としてのインクジェット記録装置100を前方側から見た斜視説明図である。このインクジェット記録装置100は、装置本体1と、装置本体1に装着された用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、装置本体1の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体1の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面には、操作ボタンや表示器などを備えた操作/表示部5を有している。
【0014】
カートリッジ装填部4には、色の異なる色材である記録液(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数の記録液収容手段としての記録液カートリッジであるインクカートリッジ10k、10c、10m、10y(色を区別しないときは「インクカートリッジ10」という)を、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能となっている。このカートリッジ装填部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。また、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yは縦置き状態で横方向に並べて装填する構成としている。
【0015】
操作/表示部5には、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの装着位置(配置位置)に対応する配置位置で、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの残量がニアーエンド及びエンドになったことを表示するための各色の残量表示部11k、11c、11m、11yを配置している。さらに、この操作/表示部5には、電源ボタン12、用紙送り/印刷再開ボタン13、キャンセルボタン14も配置している。
【0016】
次に、このインクジェット記録装置100の機構部について図2及び図3を参照して説明する。なお、図2は同機構部の概要を示す側面図、図3は同じく要部平面図である。
【0017】
インクジェット記録装置100の機構部において、フレーム21を構成する左右の側板21A、21B(図3参照)に横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32(図2参照)とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図3で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
【0018】
このキャリッジ33には、前述したように黒(K)のインク滴を吐出するノズル列とシアン(C)のインク滴を吐出するノズル列とを有する第1の記録ヘッド34aと、マゼンタ(M)のインク滴を吐出するノズル列とイエロー(Y)のインク滴を吐出するノズル列とを有する第2の記録ヘッド34bとを複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0019】
記録ヘッド34a,34bを構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
【0020】
これら記録ヘッド34a,34bにはドライバICを搭載し、図示しない制御部との間でハーネス(フレキシブルプリントケーブル)22を介して接続している。また、キャリッジ33には、各記録ヘッド34に各色のインクを供給するための各色のヘッドタンク35を搭載している。これら各色のヘッドタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、前述したように、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填部4にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット24が設けられ、また、インク供給チューブ36は這い回しの途中でフレーム21を構成する後板21Cに係止部材25にて保持されている。
【0021】
図2に示すように、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した記録紙としての用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えている。また、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルトユニットを備えている。搬送ベルトユニットは、無端状の搬送ベルト51を備え、搬送ベルト51は、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。さらに、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド34による印写領域に対応してガイド部材57を配置している。
【0022】
この搬送ベルト51は、副走査モータ109(図4参照)によってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図3のベルト搬送方向(副走査方向)に周回移動する。さらに、図2に示すように、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
【0023】
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
【0024】
また、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構81を配置している。この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a,82b(区別しないときは「キャップ82」という。)、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などを備えている。ここでは、キャップ82aを吸引及び保湿用キャップとし、キャップ82bは保湿用キャップとしている。
【0025】
この維持回復機構81による維持回復動作で生じる記録液の廃液、キャップ82に排出されたインク、あるいはワイパーブレード83に付着してワイパークリーナ85で除去されたインク、空吐出受け94に空吐出されたインクは図示しない廃液タンクに排出されて収容される。また、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口89などを備えている。
【0026】
このように構成したインクジェット記録装置100においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド部材45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、不図示の制御部のACバイアス供給部から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
【0027】
搬送ベルト51によって搬送された用紙42が記録ヘッド34と対向する位置に達したら、搬送ベルト51を停止して用紙42の移動を停止する。そして、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
【0028】
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ33は維持回復機構81側に移動されて、キャップ82で記録ヘッド34がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ82で記録ヘッド34をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
【0029】
次に、本実施形態の特徴点である搬送ベルト51を回転駆動するための駆動装置について説明する。
図4は、駆動装置150の斜視図であり、図5は、駆動装置150の正面図である。なお、図5には、ロータリーエンコーダ102の表示を省略している。
駆動装置150は、駆動源としての副走査モータ109と、タイミングベルト105を用いて副走査モータの駆動力を伝達する伝達機構130と、タイミングベルト105の張力を調整する張力調整手段としての張力調整機構120とを備えている。
【0030】
伝達機構130は、副走査モータ109のモータ軸の先端に固定された張架ローラとしての駆動プーリ101と、搬送ローラ52の軸104に固定された張架ローラとしての従動プーリ103と、駆動プーリ101と従動プーリ103とに張架されたタイミングベルト105とを有している。また、搬送ローラ52の軸104には、ロータリーエンコーダ102が設けられており、このロータリーエンコーダ102のパルス信号に基づいて、用紙42を所定量搬送して停止する制御を行っている。
【0031】
張力調整機構120は、図5に示すように、副走査モータ109がネジ止めされ、張架ローラとしての駆動プーリ101を回転自在に保持する張架ローラ保持部材としてのブラケット107と、ブラケット107を、タイミングベルト105張力付与方向に付勢する付勢手段としての引っ張りスプリング106とを備えている。引っ張りスプリング106の一端は、側板21Aに設けられたモータ取り付け板108のバネ受け108aに取り付けられ、他端は、ブラケット107に設けられたバネ受け114に伸長した状態で取り付けられている。バネ受け114とバネ受け108aとは、従動プーリ103の回転中心と駆動プーリの回転中心とを結んだ線分ABの延長線上に設けられており、これらバネ受け114,108aに取り付けられた引張りスプリング106は、線分ABと平行にブラケット107を、従動プーリ103から離間する方向へ付勢する。
【0032】
ブラケット107には、副走査モータ109が固定されるモータ固定部107aと、モータ取り付け板108に固定するための第1固定部107bと第2固定部107cとを有している。第1、第2固定部107b,107cは、モータ取り付け板108から、副走査モータ109側と反対側に突出しており、それぞれネジ112が挿入されるネジ挿入穴111a,111b(図6参照)を備えている。図6に示すように、第1固定部107bに設けられたネジ挿入穴111aは、張力調整方向である従動プーリ103の回転中心と駆動プーリ101の回転中心とを結んだ線分ABと平行に延びる部分と、線分ABと直交する方向に延びる部分とを備えた略十字形状となっている。一方、第2固定部107cのネジ挿入穴111bは、張力調整方向である従動プーリ103の回転中心と駆動プーリの回転中心とを結んだ線分ABと平行に延びる長穴形状となっている。
【0033】
また、第1固定部107bと第2固定部107cとには、それぞれ、張力調整方向である従動プーリ103の回転中心と駆動プーリの回転中心とを結んだ線分ABと平行に延びる切り欠き113a,113bが設けられている。第1固定部107bの切り欠き113aは、第1固定部107bの従動プーリ側と反対側に設けられており、第2固定部107cの切り欠き113bは、第2固定部107cの従動プーリ側に設けられている。これら切り欠き113a,113bは、モータ取り付け板108から突出した回転規制手段たる回転規制凸部110が突き当って、ブラケット107の回転を規制するとともに、ネジ止め前のブラケット107を支持している。
【0034】
ブラケット107は、副走査モータ109をモータ固定部107aにネジ止めした後、搬送ベルト51側から装置本体へ挿入していく。そして、第1、第2固定部107a,107bを、モータ取り付け板108の開口部141に通してモータ取り付け板108の搬送ベルト51と反対側の面に対向させる。具体的には、開口部141の図中上部には、切り欠き部141aが設けられており、まず、第1固定部107bを開口部141に通してモータ取り付け板108の搬送ベルト51と反対側の面に対向させる。次に、この第1固定部107bのモータ固定部107aとの連結部を、開口部141の切り欠き部141aの上端に突き当てると、第2固定部107cを開口部141に通すことができる。次に、第2固定部107cを開口部141に通したら、ブラケット107を図中時計回りに回転させ、各固定部107b,107cに設けられた切り欠き113a,113bに回転規制凸部110を挿入する(図6参照)。これにより、回転規制凸部110が、切り欠き113a,113bに当接し、ブラケット107が回転規制凸部110により装置本体(モータ取り付け板108)に支持される。そして、タイミングベルト105を、従動プーリ103と駆動プーリ101とに架け渡したら、ブラケット107のバネ受け部114とモータ取り付け板108に設けられたバネ受け部108aとに引っ張りスプリング106を取り付ける。すると、ブラケット107が、引っ張りスプリング106により従動プーリ103から離間する方向へ付勢される。その結果、ブラケット107に回転自在に支持されている駆動プーリ101が、ブラケット107とともに、従動プーリ103から離間する方向へ移動し、タイミングベルト105と当接する。そして、引っ張りスプリング106の付勢力と、タイミングベルト105の復元力とが釣り合う場所で、ブラケット107(駆動プーリ101)の移動が止まる(図7参照)。これにより、タイミングベルト105に狙いの張力が付与される。タイミングベルト105に狙いの張力が付与されたら、まず、第1固定部107bのネジ挿入穴111aにネジ112を挿入し、モータ取り付け板108に設けられたネジ穴108b(図7参照)にネジ込んで、第1固定部107bをモータ取り付け板108に固定する。
【0035】
図8は、第1固定部107bのネジ挿入穴111aにネジ112を挿入して、第1固定部107bをモータ取り付け板108に固定した様子を説明する図である。図中112aは、ネジ112の頭部を示しており、図中112bは、ネジ112のネジ部である。
図8(a)は、ブラケット107が、基準取り付け位置にあるときの固定の様子を示しており、図8(b)は、ブラケット107が、基準取り付け位置よりも従動プーリ103側にあるときの固定の様子を示す図であり、図8(c)は、ブラケット107が基準取り付け位置よりも従動プーリ103から離間する側にあるときの固定の様子を示す図である。
【0036】
図8(a)に示すように、引っ張りスプリング106の付勢力とタイミングベルト105の張力とが、ブラケット107が基準位置にあるところで釣り合っていた場合、ネジ112の頭部112aの張力調整方向と直交する方向の端部(図中黒丸)は、ブラケット107(第1固定部107b)とは当接せず、ネジ頭部112aの図中左側の部分と右側の部分とがブラケット107(第1固定部107b)に当接する。その結果、ネジ締結時にブラケット107(第1固定部107b)に加わる締結トルクは、図に示すように、張力調整方向と直交する方向となる。その結果、第1固定部107bをネジ112でモータ取り付け板108に固定するとき、ネジ112の締結力によりブラケット107が張力調整方向へ移動するのを抑制することができる。
【0037】
また、図8(b)に示すように、ブラケット107が、基準取り付け位置よりも従動プーリ103側にあるときも、ネジ112の頭部112aの張力調整方向と直交する方向の端部(図中黒丸)は、ブラケット107(第1固定部107b)とは当接せず、ネジ頭部112aの図中左側の部分がブラケット107(第1固定部107b)に当接する。この場合も、ネジ締結時にブラケット107に加わる締結トルクは、図に示すように、張力調整方向と直交する方向となり、第1固定部107bをネジ112でモータ取り付け板108に固定するとき、ネジ112の締結力によりブラケット107が張力調整方向へ移動するのを抑制することができる。
【0038】
また、図8(c)に示すように、ブラケット107が、基準取り付け位置よりも従動プーリ103から離間する側にあるときも、ネジ112の頭部112aの張力調整方向と直交する方向の端部(図中黒丸)は、ブラケット107(第1固定部107b)とは当接せず、ネジ頭部112aの図中右側の部分がブラケット107(第1固定部107b)に当接する。この場合も、ネジ締結時にブラケット107に加わる締結トルクは、図に示すように、張力調整方向と直交する方向となり、第1固定部107bをネジ112でモータ取り付け板108に固定するとき、ネジ112の締結力によりブラケット107が張力調整方向へ移動するのを抑制することができる。
【0039】
また、図8(a)〜図8(c)に示すように、第1固定部107をネジ112で締結するとき、張力調整方向と直交する方向に締結トルクが働くので、ブラケット107が、ネジ112の締結トルクにより張力調整方向と直交する方向へ移動したり、回転したりするおそれがある。しかし、本実施形態においては、第1固定部107をネジ112でモータ取り付け板108に取り付けるとき、図7に示すように、回転規制凸部110が、ブラケット107の切り欠き113a,113bに当接している。よって、第1固定部107をネジ112で締結するとき、ブラケット107が、ネジ112の締結トルクにより張力調整方向と直交する方向へ移動したり回転したりしようとしても、この回転規制凸部110が、そのような動きを規制する。従って、第1固定部107bをネジ112で締結するときブラケット107が、ネジ112の締結トルクにより張力調整方向と直交する方向へ移動したり回転したりすることはない。
【0040】
このように、ブラケット107の第1固定部107bをモータ取り付け板108にネジ112で固定したら、第2固定部107cのネジ挿入穴111bにネジを挿入して、第2固定部107cをモータ取り付け板108にネジ112で固定する。第2固定部107cのネジ挿入穴111bは、張力調整方向に延びる長穴形状であるので、ネジ112で第2固定部107cをモータ取り付け板108に固定するとき、ネジ112の頭部112aの張力調整方向に対して直交する方向の端部が、ブラケット107(第2固定部107c)に当接する。その結果、第2固定部107cをモータ取り付け板108に固定するとき、第2固定部107cには、張力調整方向に締結トルクが加わる。しかし、このとき、第1固定部107bは、モータ取り付け板108に固定されているので、第2固定部107bをネジ112で固定するときの締結トルクにより第2固定部107cを張力調整方向へ移動させるような力が生じた場合、ブラケット自身は、第1固定部107bを固定しているネジ112を中心に回転しようとし、ブラケット107自身が、張力調整方向へ平行移動することはない。そして、ブラケット107が回転しようとしても、各固定部107b、107cの切り欠き113a,113bに当接する回転規制凸部110によりブラケット107の回転は、規制されるため、第2固定部107bをモータ取り付け板108に固定する際に、ブラケット107の姿勢や位置が変化することはない。
【0041】
これにより、ブラケット107を装置本体(モータ取り付け板)に固定しても、タイミングベルト105の張力が変動することがなく、所定の張力を維持することができる。これにより、歯飛びやタイミングベルト105の振動が抑制され、用紙42を精度よく所定の位置に停止させることができる。また、搬送ローラ52などに必要以上の負荷が加わることがなく、寿命が早期にきたり、副走査モータ109のトルクが増大して、消費電力が多くなったりするのを抑制することができる。
【0042】
また、ブラケット107の第1固定部107bからモータ取り付け板108にネジ止めする必要がある。よって、作業仕様書に第1固定部107bからネジ止めする旨を記載しておいたり、ブラケット107の第1固定部107bと第2固定部107cとに固定順序示すマークを施したりすることにより、第1固定部107bからネジ止めさせることができる。また、第2固定部107cのネジ挿入穴111bを、第1固定部107bのネジ挿入穴111aと同様に、略十字形状にすることで、第1固定部107b、第2固定部107cのどちらを先にモータ取り付け板108に固定しても、ブラケット107が張力調整方向へ移動するのを抑制することができる。
【0043】
また、メンテナンス時などで、タイミングベルト105の張力を再調整するときは、第1固定部107bのネジ112と、第2固定部107cのネジ112とを緩める。すると、ブラケット107が張力調整方向に移動して、引っ張りスプリング106の付勢力とタイミングベルト105の張力とが釣り合った位置で停止する。停止したら、上述と同様、第1固定部107bをモータ取り付け板108に固定した後、第2固定部107cをモータ取り付け板108に固定する。このように、本実施形態においては、タイミングベルト105が所定の張力となるように、測定器で測定しながら、ブラケット107を移動させずとも、タイミングベルト105を所定の張力で張架することができ、張力調整作業を容易に行うことができる。
【0044】
また、本実施形態においては、搬送ベルトユニットやタイミングベルト105の交換を容易に行うことができる。具体的に説明すると、搬送ベルトユニットやタイミングベルト105を交換する際には、第1固定部107bのネジ112と、第2固定部107cのネジ112とを緩め、引っ張りスプリング106を取り外して、タイミングベルト105の張力を緩める。これにより、タイミングベルト105を容易に取り外して、新品のタイミングベルト105を容易に取り付けることができる。また、タイミングベルト105の張力が解除されているので、容易に搬送ベルトユニットを装置本体から取り外すことができ、新品の搬送ベルトユニットを装置に取り付けることができる。また、このとき、ブラケット107は、回転規制凸部110に支持されており、第1固定部107bのネジ112と、第2固定部107cのネジ112とを緩め、引っ張りスプリング106を取り外しても、鉛直方向へ移動したり、回転したりすることはない。よって、搬送ベルトユニットやタイミングベルト交換後、ブラケット107に対して特別な位置決め作業を行わずに引っ張りスプリング106を、ブラケット107のバネ受け部114に取り付けることができる。よって、搬送ベルトユニットやタイミングベルト105の交換作業時間低減に繋がるという効果が期待できる。
【0045】
本実施形態においては、第1固定部107bのネジ挿入穴111aを略十字形状にして、ネジ締結時にネジ頭部112aの張力調整方向と直交する方向端部を第1固定部107bに当接させないようにしているが、ネジ締結時にネジ頭部112aの張力調整方向と直交する方向端部が第1固定部107bに当接しない形状であればよい。例えば、第1固定部107bのネジ挿入穴111aは、張力調整方向に延びる長穴形状にし、このネジ挿入穴111aの張力調整方向と直交する方向の周囲を凹形状にして、ネジ締結時にネジ頭部112aの張力調整方向と直交する方向端部を第1固定部107bに当接しないようにしてもよい。
【0046】
また、本実施形態においては、付勢手段として、引っ張りスプリング106を用いたが、例えば、ゴムのような弾性体を用いてもよい。
【0047】
また、本実施形態においては、タイミングベルト105の張力調整機構に本発明を適用した例について説明したが、例えば、搬送ベルト51の張力を調整する張力調整機構にも本発明を適用することができる。この場合、図9に示すように、テンションローラ53が、ブラケット107に回転自在に支持されている。ブラケット107には、2本ネジ112が挿入される張力調整方向に長い長穴状のネジ挿入穴111と、このネジ挿入穴111の図中上下(張力調整方向に対して直交する方向)にネジ挿入穴111と平行に延びる長穴状の退避穴122が設けられている。また、ブラケット107は、複数のコロ部材123により張力調整方向にスライド可能に支持されている。
【0048】
図9に示す張力調整機構は、引っ張りスプリング106と搬送ベルト51の張力とが釣り合う箇所でテンションローラ53が停止したら、2本ネジ112でブラケット107を固定する。このとき、各ネジ112の頭部の張力調整方向と直交する方向両端部が、退避穴122と対向しており、ブラケット107を2本のネジ112で装置本体に固定したとき、各ネジ112の頭部の張力調整方向と直交する方向両端部は、ブラケット107と当接しない。その結果、ブラケット107には、図示するような締結トルクが働き、張力調整方向と平行な締結トルクは、働かない。また、各ネジ112でブラケット107を固定する際、図示のような締結トルクが働き、ブラケット107を回転させるような力が生じるが、ブラケット107は、複数のコロ部材123により支持されているので、回転するようなことはない。すなわち、この図9に示す構成においては、これらコロ部材123は、ブラケット107の回転を規制する回転規制手段として機能する。よって、この張力調整機構においても、ブラケット締結後に搬送ベルト51の張力が変動することがなく、所定の張力を維持することができる。その結果、搬送ベルト51が、搬送ローラ52との間でスリップして、用紙搬送停止位置がずれたりするのを抑制することができる。
【0049】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(1)
タイミングベルト105などのベルト部材を張架するプーリなどの複数の張架ローラの一つを回転自在に支持し、ネジが挿入されるネジ挿入穴にネジが挿入されて、ネジにより装置本体に固定されるブラケットなどの張架ローラ保持部材と、張架ローラ保持部材を、ベルト部材の張力付与方向に付勢する引っ張りスプリングなどの付勢手段とを有し、張架ローラ保持部材の挿入穴は、ベルト部材のテンション調整方向に延びており、ベルト部材の張力と付勢手段の付勢力とが釣り合った箇所で、張架ローラ保持部材が、上記ネジにより装置本体に固定される張力調整機構において、上記ネジの回転中心から上記ベルト部材のテンション調整方向と直交する方向に最も離れた上記ネジの頭部の箇所が、上記張架ローラ保持部材と当接しないよう上記張架保持部材を構成した。かかる構成を備えることにより、上述したように、張架ローラ保持部材を装置本体にネジ止めするとき、張架ローラ保持部材が、張力調整方向へ移動して、張力が変動してしまうのを抑制することができる。
【0050】
(2)
上記(1)に記載の態様の張力調整機構において、上記張架ローラ保持部材の上記ネジの回転中心から上記ベルト部材のテンション調整方向と直交する方向に最も離れた上記ネジの頭部の箇所と対向する箇所を、穴形状または凹形状とした。これにより、ネジの頭部のベルト部材のテンション調整方向と直交する方向の端部が、張架ローラ保持部材に当接しないようにすることができる。
【0051】
(3)
上記(1)または(2)に記載の態様の張力調整機構において、張架ローラ保持部材の回転を規制する回転規制手段を設けた。これにより、張架ローラ保持部材を装置本体に締結するとき、張架ローラ保持部材が回転することがなくなり、ネジ止めの際に、張力が変動するのをより一層抑制することができる。
【0052】
(4)
また、上記(3)に記載の態様の張力調整機構において、上記回転規制手段を、上記張架ローラ保持部材に突き当って回転を規制する回転規制凸部などの複数の突き当て手段で構成した。これにより、張架ローラ保持部材が回転することがなくなり、ネジ止めの際に、張力が変動するのをより一層抑制することができる。
【0053】
(5)
また、上記(4)に記載の態様の張力調整機構において、張架ローラ保持部材を、複数の突き当て部によりベルト部材の張力調整方向に移動可能に支持した。これにより、ブラケットがネジにより固定されていない状態でも、ブラケットが装置本体から脱落することがない。よって、容易に張力調整を行うことができる。
【0054】
(6)
また、副走査モータなどの駆動源と、タイミングベルトを用いて駆動源の駆動力を伝達する伝達機構と、タイミングベルトの張力を調整する張力調整手段とを備えた駆動装置において、張力調整手段として、上記(1)乃至(5)いずれかの記載の態様の張力調整機構を用いた。これにより、タイミングベルトを狙いの張力にすることができる。これにより、狙いの張力よりも緩くなり、歯飛びやタイミングベルトの振動の発生を抑制することができる。また、狙いの張力よりも強すぎて、駆動トルクが増加し、消費電力が増加したり、張架ローラやタイミングベルトに必要以上の負荷がかかり、早期に寿命が来たりするのを抑制することができる。
【0055】
(7)
また、記録紙上に画像を形成する画像形成部と、記録紙を画像形成部へ搬送する記録紙搬送手段と、装置本体に設けられた被駆動部材を駆動させる駆動手段とを備えた画像形成装置において、駆動手段として、上記(6)に記載の態様の駆動装置を備えた。これにより、被駆動部材を精度よく回転駆動することができ、高品位な画像を得ることができる。
【0056】
(8)
また、上記(7)に記載の態様の画像形成装置において、画像形成部は、前記記録紙にインクを吐出して画像を形成するものであり、記録紙搬送手段の駆動手段として、上記(6)に記載の態様の駆動装置を用いた。これにより、記録紙を精度良く搬送することができ、精度よく記録紙にインク滴を着弾させることができる。これにより、高品位な画像を得ることができる。
【符号の説明】
【0057】
100:インクジェット記録装置
101:駆動プーリ
103:従動プーリ
105:タイミングベルト
106:引っ張りスプリング
107:ブラケット
107a:モータ固定部
107b:第1固定部
107c:第2固定部
108:モータ取り付け板
108a:バネ受け部
108b:ネジ穴
109:副走査モータ
110:回転規制凸部
111a,111b:ネジ挿入穴
112:ネジ
112a:ネジ頭部
114:バネ受け部
120:張力調整機構
122:退避穴
123:コロ部材
130:伝達機構
141 開口部
150:駆動装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【特許文献1】特開平5−107827号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト部材を張架する複数の張架ローラの一つを回転自在に支持し、ネジが挿入されるネジ挿入穴にネジが挿入されて、上記ネジにより装置本体に固定される張架ローラ保持部材と、
張架ローラ保持部材を、ベルト部材の張力付与方向に付勢する付勢手段とを有し、
上記張架ローラ保持部材のネジ挿入穴は、上記ベルト部材のテンション調整方向に延びており、上記ベルト部材の張力と上記付勢手段の付勢力とが釣り合った箇所で、上記張架ローラ保持部材が、上記ネジにより装置本体に固定される張力調整機構において、
上記ネジの回転中心から上記ベルト部材のテンション調整方向と直交する方向に最も離れた上記ネジの頭部の箇所が、上記張架ローラ保持部材と当接しないよう上記張架保持部材を構成したことを特徴とする張力調整機構。
【請求項2】
請求項1の張力調整機構において、
上記張架ローラ保持部材の上記ネジの回転中心から上記ベルト部材のテンション調整方向と直交する方向に最も離れた上記ネジの頭部の箇所と対向する箇所を、穴形状または凹形状としたことを特徴とする張力調整機構。
【請求項3】
請求項1または2の張力調整機構において、
上記張架ローラ保持部材の回転を規制する回転規制手段を設けたことを特徴とする張力調整機構。
【請求項4】
請求項3の張力調整機構において、
上記回転規制手段を、上記張架ローラ保持部材に突き当って回転を規制する複数の突き当て部材で構成したことを特徴とする張力調整機構。
【請求項5】
請求項4の張力調整機構において、
上記張架ローラ保持部材を、上記複数の突き当て部により上記ベルト部材のテンション調整方向に移動可能に支持したことを特徴とする張力調整機構。
【請求項6】
駆動源と、
タイミングベルトを用いて駆動源の駆動力を伝達する伝達機構と、
上記タイミングベルトの張力を調整する張力調整手段とを備えた駆動装置において、
上記張力調整手段として、請求項1乃至5いずれかの張力調整機構を用いたことを特徴とする駆動装置。
【請求項7】
記録紙上に画像を形成する画像形成部と、
前記記録紙を画像形成部へ搬送する記録紙搬送手段と、
装置本体に設けられた被駆動部材を駆動させる駆動手段とを備えた画像形成装置において、
前記駆動手段として、請求項6の駆動装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7の画像形成装置において、
前記画像形成部は、前記記録紙にインクを吐出して画像を形成するものであり、
前記記録紙搬送手段の駆動手段として、請求項6の駆動装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−40667(P2013−40667A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179218(P2011−179218)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】