説明

強化磁器及びその製造方法

【課題】 本発明は、焼結後の熱膨張係数と曲げ強度が高く、また、強化磁器素地の破損時の安全性に優れた低コストの強化磁器、および成形時の可塑性に優れ、より低い温度での焼成が可能な強化磁器の製造方法の提供を課題とする。
【解決手段】 本発明の強化磁器は、酸化物基準で二酸化珪素25〜55質量%、酸化アルミニウム40〜70質量%、アルカリ金属酸化物1〜7質量%、酸化マグネシウム0. 5〜7質量%、酸化亜鉛0. 3〜7質量%を含有し、熱膨張係数が5. 8×10-6/K以上で、平均曲げ強度が195MPa以上であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高強度で破損時の安全性を高めた強化磁器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、学校や病院用の磁器食器には業務用の連続食器洗浄機での使用に耐えうるように強度を高めた強化磁器が用いられる。一般に、強化磁器を製造するには、磁器原料に酸化アルミニウム粒子を調合し、普通磁器の焼成温度である1300℃よりも50℃ほど高い焼成温度で焼結させて磁器素地の強度を増加させる方法がとられる。また、磁器素地よりも熱膨張の小さい釉層を表面にコーティングすることにより釉層に圧縮応力を発生させ施釉磁器素地の強度を無釉磁器素地に比して1〜2割程度増加させることも行われる。
【0003】
しかしながら、一般的な粒度分布をもつ磁器素地に酸化アルミニウム粒子を添加しただけでは、焼成体中に多く含まれる欠陥により強度が低下し、曲げ強度が160MPaを超えることはない。曲げ強度が160MPaを超える強化磁器の製造のためには、破壊源となる焼成体中の欠陥を少なくする必要があるが、そのためには、原料坏土を微粉砕して陶土の粒度を小さくすることが通常行われ、また、添加する酸化アルミニウムも中心粒径が2μm以下の微細なものが用いられる(非特許文献1)。
【0004】
しかしながら、強度を高くするために原料坏土を微細化した陶土では成形性が悪くなり、また、焼成収縮も大きく歩留まりの低下等の問題が起きる。また、中心粒径が2μm以下の微粒の酸化アルミニウム粒子は高価なためコスト削減の障害となっていた。また原料坏土を微細化して1350℃の高温で焼成した強化磁器は、破壊に大きなエネルギーが必要となる反面、破損時には通常の強化磁器に比べ破片数が多くなり危険が大きい。
【0005】
また、特許文献1には、9〜55質量%のSiO2 、36〜87質量%のAl2 3 、1〜4質量%のK2 O+Na2 O、0. 25〜25. 0質量%の酸化ビスマス、0.5質量%以下のMgOからなり、粒径2〜10μmの酸化アルミニウム粒子を使用して低温焼成を可能とする高強度磁器が記載されているが、酸化マグネシウム含有量は不可避成分として記載されるにすぎず、積極的に添加するものではない。また、酸化ビスマスは酸化マグネシウムに比して高価であり、製造コストが上昇するという問題がある。
【0006】
本発明者等は、先に、酸化物基準で二酸化珪素25〜55質量%、酸化アルミニウム40〜70質量%、アルカリ金属酸化物1〜7質量%、酸化マグネシウム0. 5〜6質量%を含有し、熱膨張係数が4. 5×10-6/K以上で、平均曲げ強度が170MPa以上である強化磁器を提案(特許文献2)したが、より熱膨張係数が高く、かつ、強度の向上した強化磁器が求められている。
【非特許文献1】窯業協会誌95〔9〕57〜62貢(1987)
【特許文献1】特開平10−505052号公報
【特許文献2】特願2004−182259
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、焼結後の熱膨張係数と曲げ強度が高く、また、強化磁器素地の破損時の安全性に優れた低コストの強化磁器、および成形時の可塑性に優れ、より低い温度での焼成が可能な強化磁器の製造方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の強化磁器は、酸化物基準で二酸化珪素25〜55質量%、酸化アルミニウム40〜70質量%、アルカリ金属酸化物1〜7質量%、酸化マグネシウム0. 5〜7質量%、酸化亜鉛0. 3〜7質量%を含有し、熱膨張係数が5. 8×10-6/K以上で、平均曲げ強度が195MPa以上であることを特徴とする。
【0009】
酸化マグネシウムがガラス相を構成すると共に、酸化アルミニウムとのスピネル型結晶を形成することを特徴とする。
【0010】
本発明の強化磁器の製造方法は、珪石、粘土類、長石類、中心粒径が2μm〜20μmの酸化アルミニウム粒子から選ばれた原料に、マグネシウム含有原料を酸化マグネシウム換算で0. 5〜7質量%と亜鉛含有原料を酸化亜鉛換算で0. 3〜7質量%混合した後、1200〜1400℃で焼成して、酸化物基準で二酸化珪素25〜55質量%、酸化アルミニウム40〜70質量%、アルカリ金属酸化物1〜7質量%、酸化マグネシウム0. 5〜7質量%、酸化亜鉛0. 3〜7質量%を含有し、熱膨張係数が5. 8×10-6/K以上で、平均曲げ強度が195MPa以上の焼成体とすることを特徴とする。
【0011】
本発明の強化磁器の製造方法において、酸化アルミニウム粒子を全原料中25〜60質量%の割合で含有させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
二酸化珪素、酸化アルミニウム、アルカリ金属酸化物、酸化マグネシウムを構成成分とする強化磁器は、その強化機構として酸化マグネシウム成分がアルカリ金属酸化物、酸化アルミニウム、二酸化珪素の各成分と共にガラス相を形成し、強度向上を可能とすると共にガラス相における熱膨張係数を低下させ、相中に分散する熱膨張係数の高い酸化アルミニウム粒子との熱膨張差を拡大させて応力を高め、この素地内部に発生した圧縮応力により素地の強度向上を可能とするものである。
【0013】
また、磁器の製品化に際しては素地上に釉層が設けられるが、強化磁器においては素地の熱膨張係数と5.0×10-6/K程度の熱膨張係数を有する釉層とに熱膨張差を設けて釉層の圧縮応力を利用して強化が行われるが、二酸化珪素、酸化アルミニウム、アルカリ金属酸化物、酸化マグネシウムを構成成分とする素地においては、酸化マグネシウム成分がガラス相中で飽和し余剰の酸化マグネシウムが存在すると、コーディエライト(Mg2 Al4 Si5 18)やインディエライト(Mg2 Al4 Si5 18)等の低熱膨張性の酸化マグネシウム系結晶を形成し、全体の熱膨張係数を低下させるために釉層との圧縮応力による強化が期待できないものとなる。
【0014】
本発明は、二酸化珪素、酸化アルミニウム、アルカリ金属酸化物、酸化マグネシウムの他に、更に、酸化亜鉛を必須成分として添加して素地とすることにより、飽和した酸化マグネシウムは酸化アルミニウムとスピネル型結晶(MgAl2 4 )を形成し、その詳細な理由は不明であるが、低熱膨張性の酸化マグネシウム系結晶の生成を阻害できることを見出したものであり、これにより、全体の熱膨張係数を低下させることなく、5. 8×10-6/K以上の熱膨張係数とでき、釉層の圧縮応力による強化が期待できるものであり、また、平均曲げ強度も195MPa以上の強化磁器とできるものである。
【0015】
また、平均粒径が2μm 〜20μm 程度の酸化アルミニウム粒子はコストが低く、安価な強化磁器の作製のためには好ましいが、通常の磁器の作製に使用すると、強度としては160MPaが限度である。本発明の強化磁器にあっては、酸化マグネシウムと酸化亜鉛の添加によって酸化アルミニウム粒子の周りのガラス相に加わる圧縮応力を大きくできるので、大粒径の酸化アルミニウム粒子による強度の向上との相乗作用により、平均曲げ強度が195MPa以上の強化磁器とできる。また、粒径の大きな酸化アルミニウム粒子を含有させるので、破壊時でのガラス相における亀裂の進展が効果的に阻害され、破壊時での破片数が少なくなることにより、食器等への応用に際して破壊時での安全性の高い強化磁器とできる。
【0016】
また、本発明の強化磁器の製造方法は、コストの高い小粒径の酸化アルミニウム微粒子を使用することがないので、コストが低減でき、また、陶土の成形性の向上や焼成時での変形を低減できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の強化磁器における酸化アルミニウムは、長石質原料、粘土類鉱物、カオリン類鉱物、天草陶石等の陶石、酸化アルミニウム粒子由来のものとすると良い。酸化アルミニウム成分は焼成後に酸化アルミニウム結晶としてそのまま存在して強度の増加に寄与し、また、ムライト結晶の生成に寄与する。更に、その一部はガラス中に溶融しガラス相形成に寄与する。焼成後における酸化アルミニウム量は、酸化物基準組成で40〜70質量%、好ましくは45〜65質量%、さらに好ましくは50〜65質量%含有させると良い。40質量%未満であると必要な強度が得られず、70質量%を越えると素地が磁器化しないという問題が生じる。
【0018】
また、酸化アルミニウム源の一部として中心粒径が2μm〜20μm、好ましくは3μm〜8μmの酸化アルミニウム粒子を使用することにより強度が向上する。なお、粒径が2μm未満のものを含有していてもよい。強化磁器における酸化アルミニウム粒子の含有量は、酸化物基準での酸化アルミニウムの含有量の範囲内で、かつ、強化磁器の製造に際して使用される全原料における割合で25〜60質量%、好ましくは30〜55質量%とするとよい。多すぎると可塑性成分の低下から成形性の悪化を招き、また焼成時においては磁器化せず好ましくない。また、少なすぎると強度が十分に向上せず好ましくない。
【0019】
アルカリ金属酸化物は、カリ長石、ソーダ長石、葉長石などの長石類を代表とするアルカリ金属含有物由来のものとするとよく、ガラス相形成に寄与する。含有量は焼成後の酸化物基準組成で1〜7質量%、好ましくは1〜6質量%、さらに好ましくは1〜5質量%である。1質量%以下であると十分にガラス相が形成されず素地が焼結しなくなり、7質量%を越えると、焼成中の軟化変形が大きくなるという問題が生じる。
【0020】
二酸化珪素は、酸化アルミニウム源としての粘土類鉱物、カオリン類鉱物、天草陶石等の陶石、アルカリ金属酸化物源としての長石類鉱物、あるいは酸化マグネシウム源としてのマグネシウム含有複合酸化物を使用する際に含有されるに至るものとしてもよいが、二酸化珪素のほとんどを二酸化珪素からなる珪石由来のものとしてもよい。二酸化珪素はガラス相の形成やムライト結晶の生成に寄与する。二酸化珪素は焼成後の酸化物基準組成で25〜55質量%、好ましくは30〜55質量%含有させるとよい。25質量%未満であるとガラス相やムライトの生成が阻害され、素地が磁器化しにくいという問題があり、また55質量%を越えると、相対的に酸化アルミニウムの含有量が低下し素地強度が低下するという問題が生じる。
【0021】
酸化マグネシウムは、アルカリ金属酸化物、酸化アルミニウム、二酸化珪素等と共にガラス相を形成し、ガラス相における熱膨張係数を低下させ、素地強度を向上させる機能を示すものであり、タルク、コーディエライト、エンステタイト等のマグネシウム含有複合酸化物由来のものを使用するとよく、水不溶性のマグネシウム化合物であれば使用できる。水溶性のマグネシウム化合物は、強化磁器の製造方法として原料を水と混合し陶土泥漿としたのち、脱水し陶土とするときに水と共に除かれるので好ましくない。
【0022】
酸化マグネシウムの含有量は、焼成後の酸化物基準組成で0. 5〜7質量%、好ましくは0. 5質量%より多くかつ7質量%以下、より好ましくは1〜5. 5質量%とするとよい。0. 5質量%未満であると効果が少なく、7質量%を越えるとコーディエライトなどの酸化マグネシウム系結晶の生成量が多くなることにより、素地強度が低下する。
【0023】
酸化亜鉛は、亜鉛華等の水不溶性のものとするとよい。酸化亜鉛成分は焼成時にアルカリ金属や酸化アルミニウム成分、酸化マグネシウム、二酸化珪素などと共にガラス相を形成し、ガラス相の強化と同時にガラス相の低熱膨張化に寄与し、素地強度の向上が図れるものと考えられる。また、酸化亜鉛を添加することにより、ガラス相で飽和した余剰の酸化マグネシウムを酸化アルミニウム成分とのスピネル型構造の結晶となることからコーディエライトやインディエライト等の低熱膨張性結晶の生成が効果的に阻害され、素地強度の低下が防止できる。また、低熱膨張性結晶の生成が阻害されることで相対的に素地の熱膨張係数を高くでき、製品化の際に釉層の圧縮応力による強化が行いやすくなる。
【0024】
酸化亜鉛の含有量は、焼成後の酸化物基準組成で0. 3〜7質量%、好ましくは1〜6質量%とするとよい。0. 3質量%未満であると効果が少なく、7質量%を越えると焼成中の軟化変形が大きくなるという問題が生じる。
【0025】
また、本発明の強化磁器は、破壊時に亀裂の進展が中心粒径が2μm〜20μmの酸化アルミニウム粒子により効果的に阻害され、中心粒径が2μm未満の酸化アルミニウム粒子を添加する場合に比較して破壊時の破片数が少なく、食器等への応用に際して、破壊時での安全性の高い強化磁器とできる。
【0026】
なお、天然原料由来の不可避成分として酸化第二鉄、酸化チタン、酸化カルシウムの存在は任意であり、強化磁器素地中に酸化第二鉄0〜1質量%、酸化チタン0〜0. 5質量%、酸化カルシウム0〜0. 5質量%程度である。
【0027】
本発明の強化磁器は、素地におけるガラス相に非晶質として酸化マグネシウム、酸化亜鉛を含有させ、余剰の酸化マグネシウムを酸化アルミニウムとのスピネル型結晶を形成させることにより、熱膨張係数が5. 8×10-6/K以上、好ましくは5. 8×10-6/K〜7.5×10-6/Kのものとでき、製品化の際に釉層の圧縮応力による強化が行いやすくなる。また、曲げ強度が195MPa以上、好ましくは195MPa〜270MPaの高い曲げ強度を持つ素地を得ることができる。
【0028】
次に、本発明の強化磁器の製造方法を説明する。
【0029】
珪石、粘土類、長石類、中心粒径が2μm〜20μmの酸化アルミニウム粒子から選ばれた原料に、水不溶性マグネシウム原料、水不溶性亜鉛原料を所定の素地組成となるように調合し、ボールミルなどの粉砕混合機を用いて原料粒子の96%以上が直径36μmとなるように、粉砕混合を行って陶土泥漿とし、得られた泥漿をフィルタープレスなどで脱水して陶土とする。
【0030】
陶土は、ローラーマシン成形などのロクロ成形や、鋳込み成形またはプレス成形等の成形方法で成形し、乾燥後その成形体を約900℃で素焼きを行い、それに下絵付けなどの加飾を行った後、施釉して1200℃〜1400℃、好ましくは1250℃〜1350℃、さらに好ましくは1280℃〜1350℃の酸化または還元雰囲気により本焼成される。
【0031】
通常の強化磁器は、磁器の焼成温度である1300℃より50℃ほど高い温度で焼成されるが、本発明にあってはそれより低い1280℃〜1350℃で焼成できる。焼成時間は成形体が十分に焼結する時間であれば特に限定しない。
【0032】
本焼成品は、イングレーズや上絵付けの加飾をされて強化磁器製品となるが、下絵、イングレーズ、上絵などの加飾を行わない場合もある。また、成形体を1200℃〜1400℃の焼成温度で締め焼きしたのち、施釉して釉焼を行い強化磁器製品とすることもできるが、施釉及び釉焼を行わない場合もある。
【0033】
本発明に従って製造された磁器は、磁器が使用されている全ての応用分野、例えば構造用セラミックなどに対しても用いることができる。
【0034】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、実施例で実施した測定法について説明する。
(曲げ強度)
曲げ強度は、日本セラミックス協会規格JCRS203「食器用強化磁器の曲げ強さ試験方法」により測定した。
(熱膨張係数)
熱膨張係数は、φ=8mm、高さ2cmの円柱形状の測定用試料を、マックサイエンス(株)製「TMA−4400」を使用して、30〜700℃の温度範囲での熱膨張係数を測定した。
【実施例】
【0035】
下記の表1〜3に記載の原料をそれぞれの割合(質量%)で配合し、ボールミルにて湿式粉砕混合したのち、フィルタープレスして陶土を調整した。原料の粉砕、混合に際しては、原料粒子の96%以上が中心粒径が30μm以下となるように行った。また、酸化アルミニウム粒子は、中心粒径が5μmのものを使用したが、酸化アルミニウム粒子は硬度が高く、粒径は上記の湿式粉砕混合により殆ど影響を受けない。
【0036】
また、比較例は、実施例3と酸化マグネシム含有量は略同一であるが、亜鉛華を含有させない場合である。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
陶土は鋳込み成形し、自然乾燥させた後、電気炉を使用して焼成温度1, 300℃、酸化雰囲気中で12時間焼成して、本発明の強化磁器を作製した。焼成後の磁器の吸水率はいずれも0. 2%以下であり、十分に磁器化していた。
【0041】
得られた強化磁器における酸化物組成(質量%)をそれぞれの原料の酸化物組成と調合量から計算して求めた結果を下記表4〜表6に示す。
【0042】
【表4】

【0043】
【表5】

【0044】
【表6】

【0045】
図1、図2に、実施例3と比較例でそれぞれ得た磁器のX線回折図を示す。実施例3で得られた磁器は、31°(2θ)と37°(2θ)にスピネル型構造結晶由来のピークが認められるが、比較例にあっては、10°(2θ)、28°(2θ)、29°(2θ)にコーディエライトやインディエライト等の酸化マグネシウム系結晶由来のピークが認められる。比較例においては低熱膨張性結晶の形成により熱膨張係数が低く、また、強度も低下することがわかる。
【0046】
本発明の強化磁器である実施例1〜14は、いずれも曲げ強度が195MPa以上であり、また熱膨張係数もいずれも5. 8×10-6/K以上を示しており、酸化マグネシウムとともに酸化亜鉛を添加する効果が高いことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、実施例3で得た強化磁器のX線回折図である。
【図2】図2は、比較例で得た強化磁器のX線回折図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化物基準で二酸化珪素25〜55質量%、酸化アルミニウム40〜70質量%、アルカリ金属酸化物1〜7質量%、酸化マグネシウム0. 5〜7質量%、酸化亜鉛0. 3〜7質量%を含有し、熱膨張係数が5. 8×10-6/K以上で、平均曲げ強度が195MPa以上であることを特徴とする強化磁器。
【請求項2】
酸化マグネシウムがガラス相を構成すると共に、酸化アルミニウムとのスピネル型結晶を形成することを特徴とする請求項1記載の強化磁器。
【請求項3】
珪石、粘土類、長石類、中心粒径が2μm〜20μmの酸化アルミニウム粒子から選ばれた原料に、マグネシウム含有原料を酸化マグネシウム換算で0. 5〜7質量%と亜鉛含有原料を酸化亜鉛換算で0. 3〜7質量%混合した後、1200〜1400℃で焼成して、酸化物基準で二酸化珪素25〜55質量%、酸化アルミニウム40〜70質量%、アルカリ金属酸化物1〜7質量%、酸化マグネシウム0. 5〜7質量%、酸化亜鉛0. 3〜7質量%を含有し、熱膨張係数が5. 8×10-6/K以上で、平均曲げ強度が195MPa以上の焼成体とすることを特徴とする強化磁器の製造方法。
【請求項4】
酸化アルミニウム粒子を、全原料中25〜60質量%の割合で含有させることを特徴とする請求項3記載の強化磁器の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−39276(P2007−39276A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−225072(P2005−225072)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【出願人】(590003722)佐賀県 (38)
【Fターム(参考)】