説明

弾球遊技機

【課題】2つの保留装置の連係により斬新な面白味を喚起する。
【解決手段】ゲートGへの球通過に基づく抽選での当たり時等、遊技中に生じる特定条件下で、第2保留装置解放手段R2を開いて第2保留装置H2に保留した遊技球Pを解放させる。すると、第2保留装置H2の解放口に対応して設ける入球口8への入球が促され、この入球に基づいて第1保留装置解放手段R1を開き、第1保留装置H1に保留した遊技球を解放させる。これにより、第1保留装置H1の解放口に対応して設ける入球口9への入球が促され、この入球に基づいて第2種非電動役物A,Bを作動させ、出玉を増やせるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律、略して風営法第2条第1項第7号のぱちんこ屋や同第8号の店舗等の営業に供されるパチンコ遊技機等の弾球遊技機、これらを一般ユーザ向け仕様にした新・中古品等に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機は、始動口への入球を契機に大当たり抽選をし、その当否結果を特別図柄の変動表示を経て導出し、左・中・右の3図柄が揃う大当たりの導出時は大入賞口を所定態様で開き、大量出玉を獲得できるタイプのものが主流を占め、遊技盤上に遊技球を保留する保留装置を設けるにしても、特許文献1,2に記載されたように、特定条件下でその保留装置に保留した遊技球を始動口に向けて解放させ、大当たりの抽選頻度に変化をつけるのが専らの狙いである。
【特許文献1】特開平4−341289号公報
【特許文献2】特開2004−16362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、保留装置を設けるにしても、結局のところ、大当たりを勝ち取ることのみが遊技の関心事となり、顕著な面白味を喚起するまでには至らない。
【0004】
本発明では、2つの保留装置の連係により斬新な面白味を喚起できる弾球遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、図2に例示するように、次の特定事項を含む。
遊技盤2に打出された遊技球Pを保留する第1保留装置H1及び第2保留装置H2。
遊技中に生じる特定条件下、前記第2保留装置H2に保留した遊技球Pを解放させる第2保留装置解放手段R2。
前記第2保留装置H2の解放口に対応して設ける入球口8への入球に基づいて前記第1保留装置H1に保留した遊技球Pを解放させる第1保留装置解放手段R1。
前記第1保留装置H1の解放口に対応して設ける入球口9への入球に基づいて作動する役物A。役物とは、入賞を容易にするための特別の装置をいう。
入球口への入球というときは、入賞口への入賞、ゲート等への通過を含む。以下同様。
【0006】
請求項2記載の発明は、遊技盤2に打出された遊技球が特定部位Gを通過したことを契機にする抽選での当選時、前記第2保留装置解放手段R2を作動させる特定事項をもつ。
【0007】
請求項3記載の発明は、前記役物が、前記第1保留装置H1の解放口に対応して設ける入球口9への入球により入口を拡大させる一の第2種非電動役物Aと、この役物Aへの入球により入口を拡大させる他の第2種非電動役物Bとを含む特定事項をもつ。通常のチューリップと称する第1種非電動役物では当該入賞口に入賞した場合に作動して開くが、第2種非電動役物では、当該入賞口以外の特定の入賞口に入賞するか特定のゲートを通過した場合、すなわち別設の特定の入球口への入球を条件に作動して開く。
【0008】
請求項4記載の発明は、前記一の第2種非電動役物A及び又は他の第2種非電動役物Bへの入球数が規定数に達し且つ継続抽選での当選を必要条件として、前記第2保留装置解放手段R2を再作動させる特定事項をもつ。
【0009】
請求項5記載の発明は、図9又は図14に例示するように、次の特定事項をもつ。
遊技盤2に打出された遊技球Pを保留する第1保留装置H1及び第2保留装置H2。
遊技中に生じる特定条件下、前記第2保留装置H2に保留した遊技球Pを解放させる第2保留装置解放手段R2。
前記第1保留装置H1の解放口に対応して配置し、前記第2保留装置H2の解放口に対応して設ける入球口8への入球に基づいて作動する電動役物E。
この電動役物Eの作動タイミングに合わせて前記第1保留装置H1に保留した遊技球Pを解放させる第1保留装置解放手段R1。尚、作動タイミングに合わせては、プラスマイナス多少のタイムラグがあっても良い趣旨である。
【0010】
請求項6記載の発明は、図9に例示するように、前記電動役物Eと異なる特別電動役物Wを備え、この特別電動役物Wを連続して作動させ得る大当たり遊技の終了を必要条件として、前記第2保留装置解放手段R2を作動させる特定事項をもつ。
【0011】
請求項7記載の発明は、図14に例示するように、遊技盤2での特定の領域V1に進入した遊技球を複数の分岐路V,X,Yに振分けて入球させる球振分け機構Qを備え、特定の分岐路Vへの入球を必要条件として、前記第2保留装置解放手段R2を作動させる特定事項をもつ。
【0012】
請求項8記載の発明は、前記電動役物Eの作動が終了し且つ継続抽選での当選を必要条件として、前記第2保留装置解放手段R2を再作動させる特定事項をもつ。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、遊技中に生じる特定条件下、第2保留装置解放手段R2により第2保留装置H2に保留した遊技球Pが解放される。すると、第2保留装置H2の解放口に対応して設ける入球口8への入球が促され、この入球に基づいて第1保留装置解放手段R1により第1保留装置H1に保留した遊技球が解放される。そして、第1保留装置H1の解放口に対応して設ける入球口9への入球が促され、この入球に基づいて役物Aが作動され、出玉を増やせる。このように、二つの保留装置H1,H2の連係により、出玉を増やすことができ、斬新な面白味を喚起できる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、遊技盤2に打出された遊技球が特定部位Gを通過したことを契機にする抽選での当選時に第2保留装置解放手段R2が作動されるため、公平を担保しつつ、偶然性や勝負運により出玉に適正な差異を生じさせることができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、一の第2種非電動役物Aと他の第2種非電動役物Bとの連動により、ある程度まとまった出玉の獲得を期待できる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、一の第2種非電動役物A及び又は他の第2種非電動役物Bへの入球数が規定数に達し且つ継続抽選での当選を必要条件として、第2保留装置解放手段R2が再作動されるため、連続的に出玉を増やせる場面ができ、面白味を増せる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、遊技中に生じる特定条件下、第2保留装置解放手段R2により第2保留装置H2に保留した遊技球Pが解放される。すると、第2保留装置H2の解放口に対応して設ける入球口8への入球が促され、この入球に基づいて電動役物Eが作動される。この電動役物Eは第1保留装置H1の解放口に対応して配置しており、この電動役物Eの作動タイミングに合わせて、第1保留装置解放手段R1により第1保留装置H1に保留した遊技球が解放される。このため、電動役物Eへの入球が促され、出玉を増やせる。このように、二つの保留装置H1,H2の連係により、出玉を増やすことができ、斬新な面白味を喚起できる。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、特別電動役物Wを連続して作動させ得る大当たり遊技の終了を必要条件として第2保留装置解放手段R2が作動されるため、いわゆる大当たり遊技後のゲームの面白味を顕著に高め得る。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、二つの保留装置H1,H2を連係させる前提として、球振分け機構Qでの球の振分けが鍵を握ることとなるため、球の挙動を楽しむ本来の遊技性に斬新な遊技性が加わり、遊技性を高め得る。
【0020】
請求項8記載の発明によれば、電動役物Eの作動が終了し且つ継続抽選での当選を必要条件として、第2保留装置解放手段R2が再作動されるため、連続的に出玉を増やせる場面ができ、面白味を増せる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本発明を適用するパチンコ遊技機1であり、遊技枠10に本体11を開扉可能に支持している。本体11の前面上部には、丸窓12にガラス13を嵌めたフロント扉14を有し、その内方に遊技盤2(図2)を備える。本体11の前面下部には、貸球及び賞球を受止める受皿3、遊技盤2に球を打出す発射装置40の発射ハンドル4、効果音等を出音する左右スピーカ51,52を備える。受皿3には、遊技機1に隣接して設置する図示しないカードユニットと連携して球貸しする球貸ボタン31、カード返却ボタン32、後述する継続抽選時に選択操作する3つの選択ボタン3L,3C,3Rを備える。フロント扉14には、飾りランプ61,62、飾りLED63,64、賞球払出等の各種表示ランプ65,66を具備する。
【実施例1】
【0022】
図2に示すように、遊技盤2には、次の1)〜5)の遊技部品を備える。
1)センターユニット7
このユニット7は、最大5個の遊技球Pを保留する第1ストッカT1及びその保留球を解放させる第1シャッターR1をもつ第1保留装置H1、最大5個の遊技球を保留する第2ストッカT2及びその保留球を解放させる第2シャッターR2をもつ第2保留装置H2、遊技盤2の左面に配置するゲートGへの球通過を契機にする第2シャッターR2の解放抽選結果を左・中・右の図柄変動を経て導出する図柄表示装置D、ゲートGの球通過に基づく図柄変動待ちの抽選結果を最大例えば9個まで記憶する記憶LED71〜79、左右のワープ入口7L,7Rから進入する遊技球を左出口L,第1ストッカT1,中出口C,第2ストッカT2,右出口Rに振分けるステージ7Sをもつケーシング70を含む。
【0023】
2)第1保留装置解放用入賞口8
この入賞口8は、釘Nのゲージと相俟ち、第2保留装置H2から解放される遊技球を容易に受入れる。入賞口8への入球は裏通路81に流れ、第1保留装置H1の解放条件を判定する球センサー82により検出され、検出時は第1シャッターR1を開き、第1保留装置H1の保留球を解放させる。尚、入賞口8は、第2保留装置H2の解放口に直結し、専ら全解放球を受入れる仕様にしてもよい。
【0024】
3)一の第2種非電動役物A
この役物Aは、第1保留装置H1の解放口直下の入賞口9及び裏通路91を経て導く入球に基づいてカム車CAによりチューリップの花弁A1,A2を開き、遊技球を受入れ可能にする。花弁A1,A2から受入れた入球が最大例えば7個に達するとカム車CAにより花弁A1,A2を閉じ、釘Nと頭上の一般入賞口C1との囲みにより遊技球の受入れを不可とする。裏通路91から導かれ、役物Aの作動契機となった入球は裏通路92に流れ、後述のバトル演出開始条件を判定する球センサー93により検出される。花弁A1,A2から受入れた入球は別の裏通路94に流れる。尚、入賞口9は、釘Nのゲージと相俟って第1保留装置H1から解放される遊技球を容易に受入れる仕様にしたが、第1保留装置H1の解放口に直結し、専ら全解放球を受入れる仕様にしてもよい。
【0025】
4)他の第2種非電動役物B
この役物Bは、前記裏通路94に流れる遊技球の荷重により錘F11に抗して軸F10回りに揺動する第1アームF1、これとピンF21で連結する第2アームF2、これとピンF31で連結し軸F30回りに揺動する第3アームF3をもつリンク機構を介してチューリップの花弁B1,B2を開き、遊技球を受入れ可能にする。花弁B1,B2から受入れた入球が最大例えば6個に達するとカム車CBにより花弁B1,B2を閉じ、釘Nと頭上の入賞口9との囲みにより遊技球の受入れを不可とする。花弁B1,B2から受入れた入球は裏通路95に流れ、後述の継続抽選開始条件を判定する球センサー96によりカウントされる。
【0026】
5)その他
左右の一般入賞口C2,C3、略円形の遊技領域20を区画し且つ発射ハンドル4により打出す球を導くレール21,22、4つの風車23〜26、球止め27、球戻り防止片28、アウト口29を備える。一般入賞口C1〜C3を除く入賞口8,9及び各役物A,Bへの入球1個当たりの賞球は例えば15個、一般入賞口C1〜C3への入球1個当たりの賞球は例えば10個である。図示は適宜省略したが、遊技領域20には独特のゲージに従い、もっと多数の釘Nが打たれている。
【0027】
図3に一の第2種非電動役物Aの機構を示す。各花弁(A2と対称のA1の図示省略)は、軸O1回りに揺動させるピンa、閉状態では盤面取付ベースbの収納凹所dに入り/開状態では盤面取付ベースbの矩形窓eに張出す当接片f、開方向に重心を偏らせる錘gを備える。カム車CAは、回転軸O2をもつ軸部h、最大入賞数(7個)より1多い8個に等分した円弧状球受ca、収納凹所dに対して当接片fを収納及び離脱させるナタ形の操作片i,j、反操作片側に突設する受板片kを備える。円弧状球受caには断続的回転を補助する板バネmを接触させている。
【0028】
後部ケースnには、軸O3回りに揺動する軸部q、斜め下方の係止片r、後方の第1押下片xをもつ第1操作体N1、軸O4回りに揺動する軸部t、第1操作体N1の係止片rと係合する突出溝u、受板片kを跳上げる跳上片v、振り子w、後方の第2押下片yをもつ第2操作体N2を備える。
【0029】
裏通路91から後部ケースnの天窓zに遊技球Pが流入すると、各押下片x,yが押下げられ、跳上片wにより受板片kが跳ね上げられてカム車CAが8分の1回転し、操作片i,jを収納凹所dの下方に逃がして当接片fの張り出しを許容し、各花弁A1,A2が開く。花弁A1,A2が開くと、天窓zから遊技球Pが追加流入しても、跳上片wの跳上げ軌跡に受板片kは位置しないため、カム車CAは回転しない。開いた花弁A1,A2から受入れた遊技球P一個毎にカム車CAは8分の1回転し、最後の7個目の球が入ると、操作片i,jに押されて当接片fが収納凹所dに入り、各花弁A1,A2が閉じる。
【0030】
図4に他の第2種非電動役物Bの機構を示す。カム車CBは、各花弁(B2と対称のB1の図示省略)から受入れる最大入賞数6個に対応させてこれより1多い7個に等分した円弧状球受cbをもつ。開いた花弁B1,B2から受入れた遊技球P一個毎にカム車CBは7分の1回転し、最後の6個目の球が入ると、各花弁B1,B2が閉じる。
【0031】
各花弁B1,B2が開く契機は、リンク機構末端の第3アームF3の押下げによる。各操作体N1,N2の押下片x,yにはピンxp,ypを突設し、軸O5回りに揺動する軸部B3一体型の操作カムB4を設けている。第3アームF3の押下げをカム連動ピンB5で受けて操作カムB4を揺動させ、その第1カム面B6及び第2カム面B7により各ピンxp,ypひいては各押下片x,yを押下げ、跳上片wにより受板片kを跳ね上げてカム車CBを7分の1回転させ、操作片i,jを収納凹所dの下方に逃がして当接片fの張り出しを許容し、各花弁B1,B2を開く。B8は操作カムB4の揺動復帰バネ、B91,B92は揺動範囲規制体である。
【0032】
尚、各花弁B1,B2が開状態にあるとき、第3アームF3の押下げが追加的に生じても、跳上片wの跳上げ軌跡に受板片kは位置しないため、カム車CBは回転しない。図4のものでは、後部ケースnの天窓zを介した遊技球の流入による開放機能は未使用である。その他の構成は図3と同様である。
【0033】
図5は、以上の遊技を制御する制御装置CNを示す。ROM/RAM一体型のCPUを備え、ゲートGの監視部M1、第1保留装置H1を解放させる球センサー82の監視部M2、バトル演出を開始させる球センサー93の監視部M3、継続抽選開始の前提となる球センサー96の監視カウンタ部M4、選択ボタン3L〜Rの監視部M5、ゲートGの球通過時に第1乱数庫M6から一つの乱数値を抽出する抽選部M7、その当否を図柄表示装置D上の図柄変動を経て導出する図柄表示部M8、当選時に第2シャッターR2を開く解放作動部M9、球センサー82の検出時に第1シャッターR1を開く解放作動部M10、球センサー93の検出時に図柄表示装置D上等で遊技者に有利な遊技状態となるバトル遊技の演出をさせるバトル演出部M11、球センサー96によるカウントが6になると選択ボタン3L〜Rの入力を可能にする共にその入力時に第2乱数庫M12から一つの乱数値を抽出して継続解放の是非を抽選する継続抽選部M13を有する。
【0034】
また、各保留装置H1,H2のストッカT1,T2の裏に入球センサーJ1,J2を設けると共に、制御装置CNに更新される保留遊技球のカウンタ部M14,M15を設け、現在の保留球の数を図柄表示装置Dに表示するようにしている。
【0035】
図6に示すように、ゲートGに遊技球が通過すると(S1)、抽選部M7にて当否抽選をし(S2)、その結果に基づいて導出予定の停止図柄を決定し(S3)、図柄表示装置D上で図柄の変動を起動し(S4)、数秒〜十数秒程度後に予め決定した図柄を停止させる(S5)。図柄の種類は例えば1〜9の数字、当たり時は数字を3つとも揃える。抽選部M7での当選確率は数十分の1程度に設定している。当たりの場合(S6)、図7の保留装置処理を呼び出し(S7)、バトル開始条件が成立していると(S70)、図8のバトル演出処理を呼び出し(S8)、継続条件の成立により(S80)、S7からの処理を繰り返す。継続条件の不成立によりバトル終了表示を経て(S9)、処理を終える。
【0036】
尚、「バトル開始条件」とは、バトル遊技の演出状態となるための条件を指す。具体的には、第2種非電動役物A及び又は他の第2種非電動役物Bが作動することとなる場合である。この遊技者に有利な遊技状態は、遊技球が入賞口9に入賞し、第2種非電動役物Aが作動した時点で発生するが、本実施例1では更に球センサー93での遊技球の通過検知を「バトル開始条件」としている。
【0037】
図7に示すように、保留装置処理では、第2保留装置H2の入球センサーJ2に基づいて第2保留装置H2に保留球があるか否か判定し(S71)、ある場合は第2シャッターR2を開いて第2保留装置H2の全保留球を入賞口8に向けて解放し(S72)、入賞口8の下流の球センサー82がその入球を検出すると(S73)、第1シャッターR1を開いて第1保留装置H1の全保留球を入賞口9に向けて解放し(S74)、入賞口9の下流の球センサー93がその入球を検出すると(S75)、バトル開始条件成立をリターンする(S76)。入賞口9への入球により一の第2種非電動役物Aが開き、その花弁A1,A2に入球すると他の第2種非電動役物Bも開く。S71,S73,S75でNO判定の場合、バトル開始条件不成立をリターンする(S77)。尚、S71の処理は省略し、保留球の有無に拘わらずS72以下の処理をしても差し支えない。又、S72,S74の開動作は一定時間後終了し、シャッターR1,R2は自動的に閉じるが、各入球センサーJ1,J2によるカウント値が0となったとき閉じるようにしてもよい。
【0038】
図8に示すように、バトル演出処理では、効果音と共に動画等により所定のバトル演出表示をし(S81)、他の第2種非電動役物Bの下流の球センサー96に基づくカウント数が最大入賞数の6カウントになるまで続行する(S82)。6カウントになると継続抽選演出表示に変え(S83)、選択ボタン3L〜Rの入力の受付けを許可してそのボタン操作を促す(S84)。6カウントになった後も、一の第2種非電動役物Aの花弁A1,A2が開いていると、これへの入賞により再び他の第2種非電動役物Bの花弁B1,B2が開き、さらに6回の入賞が可能になる。遊技者は選択ボタン3L〜Rの操作を遅らせることにより、1回のバトルラウンドを十分に全うできる。尚、S82は、一の第2種非電動役物Aの裏通路94に別途設ける球センサーが7カウントになったかの判定に代えてもよいし、又は、両方の合計カウントが13になったかの判定に代えてもよい。
【0039】
選択ボタン3L〜Rの何れか一つが操作されると(S85)、以後のボタン入力を禁止し(S86)、継続抽選を演出する変動表示に移行する(S87)。例えば図柄を順次拡大していく。継続抽選の当選は、選んだボタンに関係なくその操作時に第2乱数庫M12から抽出した乱数値の下位2ビットが00なら当選、それ以外は外れとしている。もちろん、選んだボタンと当選とを対応させてもよい。当選時は(S88)、画面一杯のところで拡大数字を停止させて当選表示をし(S89)、継続条件成立をリターンし(S90)、2ラウンド目に進む。外れの場合は、図柄の拡大が止まらずに背景に溶け込み、継続条件不成立をリターンして(S91)、バトルを終了させる。
【0040】
本実施例1では、球センサー93の検知によりバトル開始成立とし、球センサー96の所定カウントにより継続抽選可能としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図2のリンク機構(第1のリンク機構)に加え、入賞口9への入球により作動するアームとこれにピンで連結するアームをもつ第2のリンク機構を設け、この第2のリンク機構により花弁A1,A2を開く構成とする。又、第1のリンク機構と第2のリンク機構の作動状態(第2種非電動役物の開閉)をピン位置等で検知するセンサーを個々に設けて、各リンク機構の作動状態を検知し、検知有(第2種非電動役物作動)の場合を論理「1」、検知無(第2種非電動役物未作動)の場合を論理「0」として、これらをRAMに記憶させる。バトル遊技状態でない場合、2つの第2種非電動役物A,Bは共に未作動でセンサー検知状態は共に「0」である。バトル遊技状態の場合、少なくとも一つのセンサー検知状態は「1」に変わる。これを利用し、センサー検知状態の論理和が「0」から「1」(少なくともどちらか開)となることを条件にバトル開始成立へと切替える。又、論理和「1」を花弁(A1,A2)及び(B1,B2)の閉検知によりクリアする処理等と組合せ、論理和が「1」から「0」となり、どちらの第2種非電動役物A,Bも閉じて有利な遊技状態が終了した後、継続抽選を行わせる。このように複数のリンク機構及びセンサーを用い、バトル遊技の開始から継続抽選突入までを別形態で実現できる。
【実施例2】
【0041】
図9の遊技盤2は、大当たり遊技終了後にバトル遊技に突入する仕様をもつ。左右の始動口K1,K2への入球を契機とする大当たり抽選で当たると、特別電動役物Wの大入賞口W1を1ラウンド最大10球入賞か最大30秒を限度に開き、大入賞口W1内の略3分の1の領域に設けた特定領域に球が通過することを条件に最大15ラウンドまで再開放を許し、特定領域への球通過がないか又は最終ラウンドの満了により役物連続作動装置の作動を終了し、一の大当たり遊技を終える。この後に突入するバトル遊技では、第2シャッターR2を開けて入賞口8に向けて保留球を解放し、その入球に基づいて、電動チューリップ以下電チューと俗称する普通電動役物Eの花弁E1,E2を最大10球入賞か最大6秒を限度に開く。同時に、第1シャッターR1を開けて電チューEに向けて保留球を解放させる。
【0042】
図柄表示装置Dには、各始動口K1,K2への入球に基づいた特別図柄の小表示領域D1,D2を備え、最先の始動入賞に基づいた現実行中の一の特別図柄の変動とマッチした大きな演出用の左・中・右図柄を変動させ、大当たり時には1〜9何れかの三つ揃いを導出させる。7A〜D,7a〜dは、各始動口K1,K2に対応した図柄変動待ちの始動入賞記憶LEDである。各始動口K1,K2への入球1個当たりの賞球は5個、一般入賞口C1〜4は10個、それ以外8,E,Wは15個である。大当たりの当選確率は350分の1程度である。尚、入賞口8は、第2保留装置H2の解放口に直結してもよい。
【0043】
図10の制御装置CNは、始動口K1,K2の入球センサーK10,K20の監視部M101,M102、乱数庫M103a,M104aをもつ大当たり抽選部M103,M104、大入賞口W1を開閉するソレノイドW0の制御及び役物連続作動装置の作動終了判定すなわち大当たり遊技終了判定を含む大当たり遊技制御部M105、大当たり遊技終了後に第2シャッターR2を開く解放作動部M106、同大当たり遊技終了後起動するバトル演出部M107、入賞口8下流の球センサー820の監視部M108、その検出時に電チューEの作動と共に第1シャッターR1を開く解放作動部M109、電チューEを開閉するソレノイドE0の制御部M110、電チューEの入球センサーE93の監視部M111、電チューEの開作動終了後に起動する継続抽選部M112を有する。その他は図5と同様である。
【0044】
図11に示すように、大当たり遊技が終了すると(S60)、図12の保留装置処理を呼び出し(S7)、バトル開始条件が成立していると(S70)、図13のバトル演出処理を呼び出し(S8)、継続条件の成立により(S80)、S7からの処理を繰り返す。継続条件の不成立によりバトル終了表示を経て(S9)、処理を終える。
【0045】
尚、「バトル開始条件」とは、バトル遊技の演出状態となるための条件を指す。具体的に本実施例2及び後述の実施例3においては、チューリップの花弁E1,E2の開放契機となる普通電動役物Eの作動を「バトル開始条件」としている。
【0046】
図12に示すように、保留装置処理では、第2保留装置H2の入球センサーJ2に基づいて第2保留装置H2に保留球があるか否か判定し(S71)、ある場合は第2シャッターR2を開いて第2保留装置H2の全保留球を入賞口8に向けて解放し(S72)、入賞口8の下流の球センサー820がその入球を検出すると(S730)、第1シャッターR1を開いて第1保留装置H1の全保留球を電チューEに向けて解放し(S74)、これと同時に電チューEを開き(S750)、バトル開始条件成立をリターンする(S76)。S71,S730でNO判定の場合、バトル開始条件不成立をリターンする(S77)。尚、S71の処理は省略し、保留球の有無に拘わらずS72以下の処理をしても差し支えない。又、S72で第1シャッターR1を同時に開いてもよい。又、S72,S74の開動作は一定時間後終了し、シャッターR1,R2は自動的に閉じるが、各入球センサーJ1,J2によるカウント値が0となったとき閉じるようにしてもよい。
【0047】
図13に示すように、バトル演出処理では、効果音と共に動画等により所定のバトル演出表示をし(S81)、電チューEへの入賞数が10個に達するか又は開作動から6秒が経過すると(S821)、電チューEの花弁E1,E2を閉じて(S822)、継続抽選演出表示をし(S83)、選択ボタン3L〜Rの入力の受付けを許可してそのボタン操作を促す(S84)。選択ボタン3L〜Rの何れか一つが操作されると(S85)、以後のボタン入力を禁止し(S86)、継続抽選を演出する変動表示に移行し(S87)、当選時は(S88)、当選表示をし(S89)、継続条件成立をリターンして(S90)、2ラウンド目に進む。外れの場合は、継続条件不成立をリターンして(S91)、バトルを終了させる。
【実施例3】
【0048】
図14の遊技盤2は、所謂ハネモノとバトル遊技を組合せた仕様をもつ。遊技盤2の中央下方のチャッカーVsに入賞すると、左右の羽根Va,Vbが約1.8秒開き、ユニット7内の一次側エリアV1に遊技球Pが進入すると、クルーンと称する球振分け機構Qにより3つの分岐路V,X,Y何れかに振分けられる。比較的入球が容易な左右奥の分岐路X,Yに流入した遊技球Pは二次側エリアV2からステージ7Sに開放されるが、比較的入球が困難な中央の分岐路Vに流入して特定入賞口V3に入賞すると、バトル遊技に突入する。バトル遊技では、第2シャッターR2を開けて入賞口8に向けて保留球を解放し、その入球に基づいて、電チューEの花弁E1,E2を最大10球入賞か最大6秒を限度に開くと同時に、第1シャッターR1を開けて電チューEに向けて保留球を解放させる。
【0049】
チャッカーVsへの入球1個当たりの賞球は5個、一般入賞口C1〜4は10個、それ以外8,E,V3は15個である。図柄表示装置Dは主にバトル遊技等での演出に用いている。バトル遊技への突入契機は異なるが、バトル遊技自体の制御は実施例2と同様である。
【0050】
以上の各実施例において、保留装置H1,H2は、センターユニット7のワープ経路に設けたが、遊技盤2の他の場所に設けてもよい。また、遊技者に保留球が見える透明材料等によりストッカT1,T2を形成したが、現物の保留球は見えずとも保留球数を表示させる表示器を設けるだけでもよい。さらに、継続抽選に選択ボタン3L〜Rを関与させたが、自動的に継続抽選を実行し、遊技者の操作は関与させなくともよい。また、継続抽選の当選確率は、継続されるバトルラウンド数が増えるほど低くなるようにしてもよい。
【0051】
尚、遊技者に有利な遊技状態となるバトル遊技は、前記非電動役物A,Bや電動役物Eの使用に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明弾球遊技機の一例であるパチンコ遊技機の斜視図。
【図2】実施例1に係る遊技盤の正面図。
【図3】実施例1に具備する一の第2種非電動役物Aの斜視図。
【図4】実施例1に具備する他の第2種非電動役物Bの斜視図。
【図5】実施例1に係る制御装置のブロック図。
【図6】実施例1に係る制御の要部メインルーチン。
【図7】実施例1に係る保留装置処理サブルーチン。
【図8】実施例1に係るバトル演出処理サブルーチン。
【図9】実施例2に係る遊技盤の正面図。
【図10】実施例2に係る制御装置のブロック図。
【図11】実施例2に係る制御の要部メインルーチン。
【図12】実施例2に係る保留装置処理サブルーチン。
【図13】実施例2に係るバトル演出処理サブルーチン。
【図14】実施例3に係る遊技盤の正面図。
【符号の説明】
【0053】
A;一の第2種非電動役物、B;他の第2種非電動役物
E;普通電動役物、 W;特別電動役物
H1;第1保留装置、 H2;第2保留装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に打出された遊技球を保留する第1保留装置及び第2保留装置、
遊技中に生じる特定条件下、前記第2保留装置に保留した遊技球を解放させる第2保留装置解放手段、
前記第2保留装置の解放口に対応して設ける入球口への入球に基づいて前記第1保留装置に保留した遊技球を解放させる第1保留装置解放手段、
前記第1保留装置の解放口に対応して設ける入球口への入球に基づいて作動する役物を含むことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
遊技盤に打出された遊技球が特定部位を通過したことを契機にする抽選での当選時、前記第2保留装置解放手段を作動させる請求項1記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記役物は、前記第1保留装置の解放口に対応して設ける入球口への入球により入口を拡大させる一の第2種非電動役物と、この役物への入球により入口を拡大させる他の第2種非電動役物とを含む請求項1又は2記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記一の第2種非電動役物及び又は他の第2種非電動役物への入球数が規定数に達し且つ継続抽選での当選を必要条件として、前記第2保留装置解放手段を再作動させる請求項3記載の弾球遊技機。
【請求項5】
遊技盤に打出された遊技球を保留する第1保留装置及び第2保留装置、
遊技中に生じる特定条件下、前記第2保留装置に保留した遊技球を解放させる第2保留装置解放手段、
前記第1保留装置の解放口に対応して配置し、前記第2保留装置の解放口に対応して設ける入球口への入球に基づいて作動する電動役物、
この電動役物の作動タイミングに合わせて前記第1保留装置に保留した遊技球を解放させる第1保留装置解放手段
を含むことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項6】
前記電動役物と異なる特別電動役物を備え、この特別電動役物を連続して作動させ得る大当たり遊技の終了を必要条件として、前記第2保留装置解放手段を作動させる請求項5記載の弾球遊技機。
【請求項7】
遊技盤での特定の領域に進入した遊技球を複数の分岐路に振分けて入球させる球振分け機構を備え、特定の分岐路への入球を必要条件として、前記第2保留装置解放手段を作動させる請求項5記載の弾球遊技機。
【請求項8】
前記電動役物の作動が終了し且つ継続抽選での当選を必要条件として、前記第2保留装置解放手段を再作動させる請求項5〜7何れか一記載の弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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