弾球遊技機
【課題】循環手段内の封入球の球詰まりを低減できる弾球遊技機を提供する。
【解決手段】遊技盤2から排出された遊技球を発射手段53に案内可能な循環経路を構成する循環手段54と、この循環手段54の循環経路内壁面または当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減する結露低減手段としての送風手段160とを備える。
【解決手段】遊技盤2から排出された遊技球を発射手段53に案内可能な循環経路を構成する循環手段54と、この循環手段54の循環経路内壁面または当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減する結露低減手段としての送風手段160とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機等の弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アレンジボール機等の循環封入式の弾球遊技機には、遊技機本体を構成する外枠と前枠との内、その前枠に遊技盤と、遊技盤の遊技領域へと遊技球を発射する発射手段と、遊技盤を通過した遊技球を発射手段に循環する循環手段とを装着し、遊技盤の遊技領域を視認可能なガラス扉を前枠に開閉自在に装着したものがある(特許文献1)。
【0003】
外枠は前面側が開口する筐体により構成されており、この筐体の左右方向の一側にヒンジを介して縦軸廻りに開閉自在に前枠が装着されている。前枠は遊技盤装着枠と支持板とを上下に備え、その遊技盤装着枠に遊技盤が裏側から着脱自在に装着され、また支持板の前面に発射手段が、裏面に循環手段が夫々装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−104434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の弾球遊技機では、循環手段は、遊技盤からの遊技球を、回収通路を経て待機通路へと集めて、その待機通路の遊技球を球送り装置により発射手段へと供給する構成であり、遊技ホールの営業終了後に遊技球を抜き取る必要はなく、遊技球の封入状態が維持されているが、例えば、寒冷地での冬季において、循環手段内に封入された遊技球(以下、適宜に「封入球」と呼ぶことがある)の球詰まりが生じ易いという問題がある。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、循環手段内の封入球の球詰まりを低減できる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、発明者が鋭意研究した結果、寒冷地での冬季において、昼間の営業中と夜間の閉店中との温度差により、遊技球が外部に露出しない構造である封入式の循環手段内における遊技球に結露が発生していることがあり、遊技球が濡れたままで翌日の営業を開始してしまい、遊技球自体が錆びることや、その錆が循環手段内に落下することで当該循環手段内において遊技球の球詰まりを生じているという相当因果関係を知見した。そこで、発明者はこの知見によって得られた新規な課題を解決するべく、以下の構成に想到することができたのである。
【0008】
本発明は、遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段とを備えた弾球遊技機において、前記遊技盤から排出された遊技球を前記発射手段に案内可能な循環経路を構成する循環手段と、前記循環手段の循環経路内壁面または当該循環手段内の遊技球表面の結露を低減する結露低減手段とを備えたものである。
【0009】
前記結露低減手段は、前記循環手段の循環経路内壁面または当該循環手段内の遊技球表面とその周囲気体との温度差を低減する温度差低減手段としても良い。前記結露低減手段は、前記循環手段内の気体の水蒸気量を低減する水蒸気量低減手段としても良い。前記結露低減手段は、前記循環手段内の遊技球表面を拭く拭き取り手段又は当該循環手段内の遊技球表面に気体を吹き当てる若しくは遊技球表面の水滴を吸引する手段としても良い。前記温度差低減手段は、前記循環手段の循環経路内部に気体を送風する送風手段、前記循環手段に形成され且つ当該循環手段の外部と循環経路内部とを連通する連通部、前記循環手段に設けられた断熱部、又は、前記循環手段若しくは当該循環手段内の遊技球を加温する加温手段のうち少なくとも一つを備えたものとしても良い。前記水蒸気量低減手段は、前記循環手段の循環経路内に乾燥気体を送風する乾燥気体送風手段、又は、前記循環手段の循環経路内の気体を乾燥させる乾燥手段のうち少なくとも一つを備えたものとしても良い。
【0010】
前記循環手段内の気温及び相対湿度を検出する気温・相対湿度検出手段と、気温と相対湿度による空気の露点温度を記憶する記憶手段と、前記循環手段の循環経路の内壁面温度又は当該循環手段内の遊技球表面温度を検出する表面温度検出手段と、前記気温・相対湿度検出手段で検出された気温及び相対湿度に基づいて露点温度を求め、前記表面温度検出手段で検出された表面温度が露点温度又は当該露点温度よりも高い所定温度に達した場合に、前記送風手段、前記加温手段又は前記乾燥気体送風手段を動作させる制御手段を備えたものとして良い。
【0011】
前記循環手段の循環経路の内壁面温度又は当該循環手段内の遊技球表面温度を検出する表面温度検出手段と、前記表面温度検出手段で検出された表面温度が規定値以下の場合に、前記発射手段の動作を停止させる制御手段を備えたものとして良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、結露低減手段によって循環手段の循環経路内壁面または当該循環手段内の遊技球表面の結露を低減することができるので、遊技球自体が錆びることや、その錆が循環手段内に落下することを低減でき、循環手段内の封入球の球詰まりを低減できる弾球遊技機を提供することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態を例示するパチンコ機の斜視図である。
【図2】同パチンコ機のガラス扉、下部扉を取り外した状態の正面図である。
【図3】同筐体側の正面図である。
【図4】同筐体側の斜視図である。
【図5】同パチンコ機の側面断面図である。
【図6】同パチンコ機の平面断面図である。
【図7】同パチンコ機の平面断面図である。
【図8】同循環経路の説明図である。
【図9】同施錠手段の側面断面図である。
【図10】同発射手段の正面図である。
【図11】同発射手段の側面断面図である。
【図12】同遊技盤下部から回収手段の一部破断側面図である。
【図13】同遊技盤下部から回収手段の正面断面図である。
【図14】同循環手段の斜視図である。
【図15】同移送手段の正面断面図である。
【図16】同移送手段の側面図である。
【図17】同移送手段の拡大正面断面図である。
【図18】同移送手段の拡大側面断面図である。
【図19】同研磨手段の正面断面図である。
【図20】同研磨手段の平面断面図である。
【図21】本発明の第2の実施形態を示す筐体側の正面図である。
【図22】本発明の第3の実施形態を示すパチンコ機の一部破断平面図である。
【図23】同筐体側の斜視図である。
【図24】本発明の第4の実施形態を示す循環手段の斜視図である。
【図25】本発明の第5の実施形態を示す循環手段の斜視図及び一部破断拡大斜視図である。
【図26】本発明の第6の実施形態を示す循環手段の斜視図である。
【図27】同送風手段の正面図である。
【図28】同送風手段の斜視図である。
【図29】本発明の第7の実施形態を示す乾燥気体送風手段の斜視図である。
【図30】本発明の第8の実施形態を示す循環手段の斜視図である。
【図31】本発明の第9の実施形態における吸引手段の正面図及び下側案内部を介して見た平面図である。
【図32】本発明の第10の実施形態を示す移送手段の拡大正面断面図である。
【図33】同実施形態における記憶テーブルを示す図である。
【図34】本発明の第11の実施形態におけるパチンコ機のガラス扉、下部扉を取り外した状態の下部側を示す一部正面図である。
【図35】同パチンコ機の平面断面図である。
【図36】本発明の第12の実施形態におけるパチンコ機のガラス扉、下部扉を取り外した状態の下部側を示す一部正面図である。
【図37】同パチンコ機の平面断面図である。
【図38】本発明の第13の実施形態におけるパチンコ機のガラス扉、下部扉を取り外した状態の下部側を示す一部正面図である。
【図39】同パチンコ機の搬送装置の正面図である。
【図40】本発明の第14の実施形態の遊技盤下部側を示す一部正面図である。
【図41】球移動演出装置の正面図である。
【図42】球移動演出装置の背面図である。
【図43】本発明の第15の実施形態におけるパチンコ機のガラス扉、下部扉を取り外した状態の下部側を示す一部正面図である。
【図44】同パチンコ機の平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図20は本発明を循環封入式のパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示する。パチンコ機は、図1及び図2に示すように、遊技島に固定される外枠1と、外枠1内に着脱自在に装着された遊技盤2と、外枠1の前側にヒンジ3により縦軸廻りに開閉自在に枢着され且つ遊技盤2を前側から覆うガラス扉(開閉扉)4と、外枠1の前側にヒンジ5により縦軸廻りに開閉自在に枢着され且つガラス扉4の下側を前側から覆う下部扉6とを備えている。なお、ヒンジ3,5は左右一端側に配置され、ガラス扉4、下部扉6を略同一軸心廻りに開閉自在に枢支する。
【0015】
遊技盤2は図2に示すように正面視略矩形状であって、この遊技盤2の前面外周部には、内側の遊技領域7の全周を取り囲む飾り部材8が装着され、また遊技領域7に画像表示手段9、普通図柄始動手段10、可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13、普通図柄表示手段14、特別図柄表示手段15等の各種の遊技部品が配置され、最下部にアウト球を裏側へと案内するアウト口16が設けられている。
【0016】
遊技領域7の上側には飾り部材8の内周に沿って左右方向に円弧状に湾曲するガイドレール17が配置され、このガイドレール17の一方側に球入口18が、他方側に遊技球の緩衝体19が夫々設けられている。図5に示すように、遊技盤2の裏側には画像表示手段9等の遊技部品を裏側から覆う裏カバー20と、可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13等の遊技部品を裏側から覆い且つ遊技盤2の裏側に誘導された遊技球を集めて遊技盤2の下方へと排出する集球ケース21とが上下に装着されている。
【0017】
外枠1は図2〜図4に示すように左右一対の側板23,24と、この両側板23,24の上端部を左右に連結する天板25と、両側板23,24の下端部を左右に連結する底板26と、その両側板23,24、天板25及び底板26に跨がって裏側に装着された裏板27と、両側板23,24の上下方向の中間に左右方向に架設された支持枠28とを有する筐体29により構成され、前側が開放する開口となっている。
【0018】
ガラス扉4、下部扉6は筐体29の開口を前側から塞ぐように上下に配置されており、筐体29の一方の側板23にヒンジ3,5により開閉自在に枢着され、筐体29の他方の側板24との間の施錠手段30,31により閉状態で施錠可能である。
【0019】
ガラス扉4は、図5、図6に示すように、遊技盤2の遊技領域7に対応する視認窓33を有する扉枠34と、その視認窓33に対応して扉枠34に装着されたガラス板(透明板)35とを備え、ガラス板35を介して遊技領域7を視認するようになっている。扉枠34は鉄板等の枠板34aと、この枠板34aの前面に装着された化粧カバー34b等を備えている。ガラス板35は前後に2枚配置されている。なお、ガラス扉4のガラス板35には、2枚のガラス板35を外周の保持部材36により保持したガラス板ユニット37が使用され、図外の固定具により扉枠34の裏面に着脱自在に装着されているが、2枚のガラス板35を着脱自在に設けたものでも良い。
【0020】
下部扉6の前面側には、図1に示すように、ガラス扉4の下側で前上向きに突出する表示操作パネル39と、この表示操作パネル39の左右方向の略中央部分の下側で前上向きに傾斜するタッチパネル式の表示パネル40と、この表示パネル40の一側に配置された発射ハンドル41とが設けられている。表示操作パネル39はチャンスボタン42、プリペイド表示部(遊技価値表示部)43、遊技球表示部44、持ち球表示部45、球貸ボタン46、返却ボタン47、精算ボタン48等が配置されている。表示操作パネル39と表示パネル40間等の適当箇所に遊技者を撮像するカメラ49が設けられている。
【0021】
外枠1を構成する筐体29内には、図2〜図7に示すように、遊技盤2が着脱自在に装着された遊技盤装着枠52と、遊技盤2の遊技領域7へと遊技球を発射する発射手段53と、遊技盤2を通過した遊技球を回収して発射手段53へと循環させる循環手段54と、循環中の遊技球を研磨して汚れを除去する研磨手段55(図8参照)とが設けられている。
【0022】
発射手段53、遊技盤2及び循環手段54は、図8に示すように閉回路状の循環経路Rを構成し、この循環経路R内に封入された所定数の遊技球を発射手段53と遊技盤2との間で循環させながらゲームを行うようになっている。
【0023】
遊技盤装着枠52は筐体29の両側板23,24間に架設された支持枠28から上側に設けられており、図2、図3に示すように、支持枠28の前部側に設けられ且つ遊技盤2の下側を受ける下受け部57と、この下受け部57から上側で両側板23,24の内面に設けられ且つ遊技盤2の左右両側部を受ける側受け部58,59と、天板25の内側に設けられ且つ遊技盤2の上側を受ける上受け部60とを有し、これらの受け部57〜60内に遊技盤2が前側から着脱自在に嵌め込まれて、その裏面外周が各受け部57〜60の当接部57a〜60aに当接するようになっている。
【0024】
遊技盤装着枠52は筐体29内で裏側が開放状になっており、遊技盤2を遊技盤装着枠52に装着したときに、支持枠28の上側で遊技盤2の裏カバー20、集球ケース21の後部が遊技盤装着枠52から後方に突出するようになっている。遊技盤装着枠52は遊技盤2の裏カバー20、集球ケース21を後方から覆うようにしても良い。側受け部59と、上受け部60には、図5、図7に示すように、遊技盤装着枠52内に遊技盤2を押し込んだときに、遊技盤2を側受け部58と、下受け部57側へと押圧する押圧部59b,60bが設けられている。
【0025】
支持枠28は左右の側板23,24に跨がって略水平状に架設されており、その前部側に下受け部57が左右方向に設けられている。なお、この支持枠28は各機構部品の取り付け用と、筐体29の補強用とを兼用している。側受け部58,59と上受け部60は支持枠28の前後幅よりも幅の狭い材料により正面視門型状に構成されている。なお、下受け部57は支持枠28の上側に別体に設けても良い。
【0026】
遊技盤装着枠52には、図3、図4、図6に示すように、ヒンジ3側である左右一端側の側受け部58に係合部58bが、他端側に遊技盤装着枠52内の遊技盤2を着脱自在に固定する上下一対の固定手段63が夫々設けられている。遊技盤2を筐体29に装着する際には、遊技盤2の左右一端側を遊技盤装着枠52内に挿入して係合部58bに係合した後、その係合状態で遊技盤2の他端側を後方に押圧して遊技盤装着枠52内に遊技盤2を押し込むことにより、固定手段63で遊技盤2を遊技盤装着枠52に固定できるようになっている。
【0027】
係合部58bは側受け部58の前側に設けられている。固定手段63は遊技盤2の端縁を前後両側から挟んで係合するコ字状の係合体63aと、遊技盤装着枠52の前面に固定された支持体63bと、支持体63bに設けられ且つ係合体63aを待機位置と固定位置との間で姿勢変更可能に支持するリンク機構63cとを有する。そして、この固定手段63は、遊技盤2を待機位置にある係合体63aに当接して遊技盤装着枠52側に押圧したときに、係合体63aが待機位置から固定位置へと回動して遊技盤装着枠52内で遊技盤2を固定でき、またリンク機構63cの操作部を遊技盤2の離脱方向に操作したときに、係合体63aが固定位置から待機位置へと回動して遊技盤装着枠52内の遊技盤2の端部側を前側へと押し出すようになっている。支持体63bは遊技盤装着枠52の前面側に装着されている。
【0028】
下側の固定手段63は支持枠28から上側に突出する支持台28aの前面に着脱自在に固定され、上側の固定手段63は上受け部60の当接部60aの前面に着脱自在に固定されている。なお、各固定手段63は遊技盤装着枠52の一部に取り付けることが望ましいが、外枠1の側板23,24の内面等に固定しても良い。固定手段63は他の構造のものでも良い。
【0029】
施錠手段30,31は、図6、図7、図9に示すようにガラス扉4用と下部扉6用とがあり、筐体29の側板24と遊技盤装着枠52の側受け部59との間にガラス扉4、下部扉6に対応して上下方向に配置されている。ガラス扉4用の施錠手段30は、ガラス扉4の裏側に複数個(例えば2個又は4個)設けられた被係合部30aと、筐体29側のブラケット64に枢軸30bにより枢支され且つ各被係合部30aに係脱自在に係合する複数個の係合具30cと、各係合具30cを上下に連動させる連動部材30dと、連動部材30dを介して係合具30cを係合方向に付勢するバネ30eとを備えている。
【0030】
下部扉6用の施錠手段31は、ガラス扉4用と同様に、下部扉6の裏側に複数個(例えば2個又は4個)設けられた被係合部31aと、筐体29側のブラケット64に枢軸31bにより枢支され且つ各被係合部31aに係脱自在に係合する複数個の係合具31cと、各係合具31cを上下に連動させる連動部材31dと、連動部材31dを介して係合具31cを係合方向に付勢するバネ31eとを備えている。
【0031】
両施錠手段30,31の連動部材30d,31dは左右に近接して配置され、その各連動部材30d,31dに操作手段65の係合体65aが係合する係合孔30f,31fが設けられている。操作手段65は筐体29の側板24の前面に装着されており、前後方向の操作軸65bを有し、その操作軸65bの後端に係合体65aが設けられている。そして、操作手段65の前面のキー孔にキー65cを挿入して操作軸65bを正方向に操作すると、係合体65a、連動部材30dを介してガラス扉4用の施錠手段30を解除でき、また操作軸65bを逆方向に操作すると、係合体65a、連動部材31dを介して下部扉6用の施錠手段31を解除できる。
【0032】
発射手段53は、図2に示すように、遊技盤2の周縁近傍、取り分け遊技盤2の外縁の延長線上よりも内側において、遊技盤2の左右一側の上部に形成された切り欠き部67内に配置され、遊技盤2を着脱するときに切り欠き部67に対して前後方向に相対的に出退するように、裏側で筐体29側、例えば遊技盤装着枠52に装着されている。
【0033】
切り欠き部67は遊技盤2を着脱するときに、遊技盤2と発射手段53とが干渉しない大きさ、形状であって、図2、図7、図10、図11に示すように、遊技盤2の上側の外縁及び左側の外縁よりも内側に配置され、外周から遊技領域7側へと突出するように形成されている。遊技盤2の前面には、切り欠き部67と遊技領域7との間に両者を区画する飾り部材8の仕切り部8aが設けられており、この仕切り部8aの内側上部に、ガイドレール17に連続又は近接して球入口18が設けられている。
【0034】
球入口18には遊技領域7内の遊技球の戻りを阻止する戻り球阻止具68が設けられている。戻り球阻止具68は弾性片、揺動片等により構成され、発射手段53から発射された遊技球の遊技領域7内への通過を許容するようになっている。
【0035】
発射手段53は、図2、図7、図10、図11に示すように、その前面が遊技盤2の前面と略面一又は前後近傍に配置された発射支持板70と、この発射支持板70の前面に固定された発射レール71と、発射支持板70の前面に固定され且つ発射レール71上の遊技球を発射位置に位置決めするストッパー72と、発射支持板70の前面に配置され且つ発射支持板70に前後方向に挿通された打撃軸73廻りに回転して発射レール71の発射位置上の遊技球を遊技領域7へと打撃する打撃槌74と、打撃槌74を打撃軸73廻りに回転駆動するロータリソレノイド等の発射駆動手段75と、発射レール71上の遊技球の発射を検出する発射検出スイッチ76とを有する。
【0036】
発射支持板70は遊技盤装着枠52から前側に突出する取り付け部58cにネジ等で前側から着脱自在に固定されている。発射駆動手段75は発射支持板70の裏面に固定され、遊技者が発射ハンドル41を把持したときに、発射ハンドル41の回転操作量に応じた打撃力で打撃槌74を打撃軸73廻りに駆動するようになっている。発射レール71は上側に略V字状の案内溝71aを有し、打撃槌74により打撃された遊技球を球入口18からガイドレール17に沿って遊技領域7内へと案内するようになっている。なお、遊技盤装着枠52には、発射駆動手段75、球送り手段77に対応して開口部58dが設けられている。
【0037】
発射支持板70には発射レール71上の発射位置へと遊技球を落下させる球送り口70aが設けられ、この球送り口70aに対応して発射支持板70の裏面に球送り手段77が装着されている。球送り手段77は発射手段53の遊技球の発射動作、例えば打撃槌74の打撃軸73廻りの回転運動に連動して作動し、発射手段53が遊技球を発射する毎に、後述の貯留手段88の送り通路88dから供給される遊技球を1個ずつ発射支持板70の球送り口70aを経て、遊技球の発射後に発射レール71上の発射位置へと送るようになっている。なお、球送り手段77には周知のものが使用されている。球送り手段77は打撃槌74の発射動作に機械的に連動して作動しても良いし、電気的に連動して作動しても良い。
【0038】
遊技領域7の上部側は、図2に示すように飾り部材8により略円弧状に形成されている。飾り部材8には発射手段53の内側に仕切り部8aが遊技領域7の中心側へと突出して設けられている。ガラス扉4には、図1、図5、図7に示すように、発射手段53、遊技盤2の切り欠き部67に対応して、この発射手段53、切り欠き部67を前側から覆う覆い部78が設けられている。覆い部78は視認窓33の中心側に突出して扉枠34に設けられている。
【0039】
集球ケース21は図4に示すように上側及び前側が開放する形状であって、遊技盤装着枠52の下受け部57と緩衝しないように、遊技盤2の下端よりも上側で遊技盤2の裏面に装着されている。この集球ケース21の底壁79には、図4、図6、図12、図13に示すように、左右方向の略中央側等の適当箇所に遊技球を下方に排出する排出口80と、この排出口80へと遊技球を案内する傾斜壁81とを前後に備え、その左右両側は排出口80、傾斜壁81へと遊技球を案内するように傾斜状に構成されている。
【0040】
排出口80はアウト口16の下方で遊技盤2の裏面近傍に配置され、この排出口80の後側に傾斜壁81が設けられている。傾斜壁81の上面には、傾斜方向に沿った前後方向の突条81aが左右方向に複数設けられており、左右両側の遊技球が突条81a上に落下して、その突条81aにより排出口80側へと案内されるようになっている。なお、集球ケース21の排出口80は左右方向の略中央に配置しているが、左右方向の一側に配置しても良いし、遊技盤2から後方に離れて底壁79の後部に配置しても良い。
【0041】
図6に示すように、遊技盤2の裏側には盤側ジョイント部83が、外枠1内には枠側ジョイント部84が前後に対応して夫々設けられている。この盤側ジョイント部83、枠側ジョイント部84は遊技盤2を遊技盤装着枠52に着脱するに際して、図6に二点鎖線で示すように、遊技盤2の一端側を遊技盤装着枠52内に挿入して一端側を支点として他端側を前後方向に回動させたときに、相対応する盤側ジョイント部83の盤側コネクタ83aと枠側ジョイント部84の枠側コネクタ84aとが電気的に接続するようになっている。
【0042】
盤側ジョイント部83は集球ケース21(又は保護カバー)の左右方向の一側の傾斜段部21aの裏面に設けられている。この盤側ジョイント部83は、傾斜段部21aの裏面に配置された中継基板83bを有し、この中継基板83bに盤側コネクタ83aと中継コネクタ83cとが左右に装着されている。盤側コネクタ83aは左右方向の外側に、中継コネクタ83cは左右方向の内側に夫々配置され、また盤側コネクタ83aと中継コネクタ83cとの間には、中継コネクタ83cに接続されたハーネス(図示省略)を外側から覆うカバー83dが設けられている。
【0043】
枠側ジョイント部84は支持枠28から上側に突出する支持台28a上に起立状態に固定されたケース体84bを有し、そのケース体84bの前面の傾斜装着面に上下及び左右方向に所定範囲内で遊動可能に枠側コネクタ84aが装着されている。盤側コネクタ83a、枠側コネクタ84aは上下方向に所定の間隔をおいて複数個設けられており、遊技盤2を着脱するときに盤側コネクタ83aと枠側コネクタ84aとの内、その一方の多数の接続ピンが他方の多数の接続孔に対して前後方向に挿脱して、両コネクタ83a,84a同士が電気的に着脱するようになっている。なお、盤側コネクタ83a、枠側コネクタ84aは左右方向に長くなっている。
【0044】
盤側ジョイント部83、枠側ジョイント部84の対向面は、その盤側コネクタ83aと枠側コネクタ84aとの接続状態において、その挿脱部分の前後方向の略中央が遊技盤2の一端側の係合部58b近傍を通る仮想線分上に位置するように構成されており、例えば集球ケース21の傾斜段部21a、盤側ジョイント部83の中継基板83b、枠側ジョイント部84のケース体84bの傾斜装着面が仮想線分と略平行になっている。従って、遊技盤2を装着する際には、盤側コネクタ83aと枠側コネクタ84aとがヒンジ3に近い側から、逆に遊技盤2を離脱する際にはヒンジ3から遠い側から順次挿脱する。
【0045】
画像表示手段9は、図2に示すように、遊技盤2に装着された前飾り枠9aと、この前飾り枠9aの表示窓に対応して配置された画像表示部9bとを有する。普通図柄始動手段10は遊技盤2の前面で遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成されている。可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13は入賞した遊技球を遊技盤2の裏側へと誘導する入賞手段11〜13を構成し、可変入賞手段11が左右方向の略中央に、特別図柄始動手段12が画像表示手段9と可変入賞手段11との間に、普通入賞手段13が可変入賞手段11の左右両側に夫々配置されている。アウト口16は可変入賞手段11の下側で遊技領域7の最下部に配置されている。
【0046】
循環経路Rは発射手段53から遊技盤2へと遊技球を案内する往路と、遊技盤2を通過した遊技球を回収して発射手段53側に戻す復路とを有する閉回路に構成され、その復路に循環手段54が設けられている。
【0047】
循環手段54は、図2、図3、図14に示すように、遊技盤2の下方に配置され且つ遊技盤2を通過した遊技球を回収する回収手段86と、この回収手段86により回収された遊技球を発射手段53側へと移送する回転式の移送手段87と、この移送手段87により移送された発射用の遊技球を貯留する貯留手段88と、この貯留手段88内の遊技球を発射手段53の発射動作に連動して1個ずつ発射手段53へと送る球送り手段77とを有する。
【0048】
回収手段86は、図12〜図14に示すように、集球ケース21の排出口80から落下する遊技球を受け入れる受け入れ手段89と、受け入れ手段89からの遊技球を移送手段87へと案内し待機させる待機ケース90とを有し、発射手段53、貯留手段88及び球送り手段77、少なくとも貯留手段88よりも下側に配置されている。受け入れ手段89は回収口89aと、この回収口89aからの遊技球を下方に案内させる回収通路89bと、回収通路89bを通過する遊技球を検出する回収検出スイッチ89cとを有する。
【0049】
回収口89aは集球ケース21の排出口80の下側で支持枠28から上側に突出して一体に設けられ、排出口80から落下する遊技球を受け入れて下方へと案内するようになっている。回収通路89bは回収口89a側の遊技球を円滑に案内できるように左右方向に近接して複数配置され、下受け部57の後方近傍で下方に突出するように支持枠28に一体に設けられている。回収検出スイッチ89cは遊技球が通過する通孔を有し、回収通路89bの上下方向の中間、例えば支持枠28の下側近傍で回収通路89bに対して略直交方向に配置されている。各回収検出スイッチ89cは上下に位置を変えて千鳥状に配置されている。
【0050】
待機ケース90は、例えば樹脂成形部品であり、回収通路89bの下側で上向きに開口する受け口90aと、この受け口90aから移送手段87の入口側へと傾斜状に設けられた待機通路90bとを有し、支持枠28の下側に適宜ブラケット等を介して取り付けられている。受け口90aには回収通路89bの下側から前側に張り出す漏斗状の補充口90cが一体に設けられ、循環経路R内に封入された遊技球の球数が減少したときに、この補充口90cから循環経路R内に遊技球を補充するようになっている。なお、補充口90cは移送手段87の入口より上手側、望ましくは待機通路90bの整列部よりも上手側にあれば良い。
【0051】
また、待機通路90bの外側各壁面には、結露低減手段としての図示省略の断熱層が形成されている。この断熱層としては、例えば、断熱シートあるいは断熱フィルムを貼り付けることで形成している。なお、上記断熱シートあるいは断熱フィルム以外として、待機通路90bの外側各壁面に断熱塗料を塗ったりしても良い。この断熱層により、待機通路90bの外部の気温が低くなっても当該待機通路90bの内部や遊技球が冷えることを低減できる。
【0052】
待機通路90bは少なくとも移送手段87の入口側では待機中の遊技球を一列状に整列させるようになっており、また待機通路90bに所定数、例えば5個又は10個以上の遊技球があることを検出する待機検出スイッチ91(図13参照)と、待機通路90bの遊技球が全て移送されて待機通路90bに遊技球がないことを検出する移送検出スイッチ91b(図15参照)とが設けられている。
【0053】
貯留手段88は発射手段53による遊技球の発射中に遊技球が途切れないように、発射手段53の連続的な発射に必要な数の遊技球を常時貯留するためのものであって、図3〜図6に示すように、遊技盤2の上部側に配置された発射手段53の上手に設けられる球送り手段77よりも上流側において、筐体29内の遊技盤装着枠52よりも裏側に配置されている。なお、球送り手段77の遊技球の貯留数は、移送手段87の停止中も発射手段53の発射用の遊技球が殘存する数となっている。
【0054】
この貯留手段88は、例えば樹脂成形部品であり、図3〜図6、図14に示すように、遊技球が左右方向に配置され且つ逆方向に傾斜する上流側貯留通路88a及び下流側貯留通路88bと、両貯留通路88a,88bを接続する短い接続通路88cと、下流側貯留通路88bの下手側を球送り手段77に接続する短い送り通路88dとを有する平面視略U字状により構成されている。なお、各通路88a〜88dをその他の形状の屈曲通路により構成しても良い。
【0055】
各通路88a〜88d内は遊技球が一列状に整列して球送り手段77へと転動するように角筒、円筒等の筒体により構成されている。送り通路88dは球送り手段77の入口に連通している。なお、貯留手段88はブラケット等を介して筐体29の天板25、遊技盤装着枠52等に取り付けられている。
【0056】
また、各通路88a〜88dの外側各壁面にも、前述した待機通路90bの断熱層と同様の断熱層(図示省略)が形成されている(例えば、断熱シートあるいは断熱フィルムが貼り付けられている)。なお、各通路88a〜88dの外側各壁面に断熱塗料を塗ったりしても良い。この断熱層により、各通路88a〜88dの外部の気温が低くなっても当該各通路88a〜88dの内部や遊技球が冷えることを低減できる。
【0057】
移送手段87は遊技盤2よりも下側に配置された回収手段86の待機通路90bからの遊技球を遊技盤2の上部側に配置された貯留手段88へと移送するように構成されている。この移送手段87は、図14〜図18に示すように、遊技盤装着枠52の裏側で縦方向に配置され且つ上端が上流側貯留通路88aの最上手側に接続された上昇通路93と、回収手段86の待機通路90b内の遊技球を上昇通路93の下側へと送り込む回転移送体94と、回収手段86の待機通路90bと上昇通路93との間で回転移送体94に沿ってその下側に設けられた案内部材95と、回転移送体94を駆動する移送駆動手段96とを有する。
【0058】
上昇通路93は、例えば樹脂成形部品であり、図5、図6に示すように、貯留手段88側と同様に遊技球が一列状に並ぶ程度の寸法を有する角筒、円筒等の筒体により構成され、支持枠28の切り欠き部67を経て上下方向に配置されている。
【0059】
また、上昇通路93の外側各壁面にも、前述の断熱層と同様の断熱層(図示省略)が形成されている(例えば、断熱シートあるいは断熱フィルムが貼り付けられている)。なお、上昇通路93の外側各壁面に断熱塗料を塗ったりしても良い。この断熱層により、上昇通路93の外部の気温が低くなっても当該上昇通路93の内部や遊技球が冷えることを低減できる。
【0060】
回転移送体94は外周に多数の球捕捉部100が形成され且つ周溝(又は間隔)98を介して前後両側に配置された前後一対の回転スプロケット99を備え、前後方向の回転軸109廻りの回転により、両回転スプロケット99の球捕捉部100で捕捉した遊技球を案内部材95に沿って案内するようになっている。両回転スプロケット99間の間隔は図18に示すように遊技球の直径よりも若干小であり、またその球捕捉部100は図17に示すように遊技球の直径よりも若干小さい直径で円弧状に凹入している。
【0061】
なお、各回転スプロケット99の球捕捉部100は、前後両側で遊技球に点接触又は線接触するようになっている。回転移送体94は外周に多数の球捕捉部100を有するものであれば良く、1個の回転スプロケット99により構成しても良い。球捕捉部100は回転移送体94の外周から外方に突出する突起により構成しても良い。
【0062】
案内部材95は、図15に示すように、回転移送体94の外周に沿って円弧状に形成された下側案内部101と、この下側案内部101の前後両側から回転移送体94の前後両側に沿って屈曲する側壁部102と、下側案内部101の案内方向の下手側に一体に設けられ且つ下側案内部101から上昇通路93へと縦方向の接線方向に伸びる上昇側案内部103とを備え、一方の側壁部102に設けられた取り付け部102aと上昇側案内部103に設けられた取り付け部103aとを介して支持板104に着脱自在に固定されている。また、支持板104は筐体29の側板23の内面に固定されている。なお、支持板104は支持枠28の下側に固定しても良い。下側案内部101と上昇側案内部103は別部材により構成しても良いし単一部材により構成しても良い。
【0063】
移送手段87の回収手段86側には、回転移送体94と案内部材95との間に入口部105が設けられている。この入口部105には案内部材95の前後の側壁部102間に配置された可動案内片106が設けられると共に、可動案内片106上の最下流側の遊技球に対応して移送検出スイッチ91bが設けられている。可動案内片106はその下手側が前後方向の支軸107により案内部材95に支持され、また上手側が回収手段86の待機通路90bに対応する高さで図外の適宜手段により規制されている。
【0064】
支軸107は前後の側壁部102に形成された上下方向の調整孔に沿って上下調整可能に挿通されている。可動案内片106には支軸107の挿通部106aに、遊技球が支軸107と接触するように幅方向の略中央部に切除部106bが設けられている。入口部105の下流側と下側案内部101との間には段差部108が設けられている。
【0065】
段差部108は支軸107と下側案内部101との間に回転スプロケット99の径方向に設けられており、移送駆動手段96が停止状態のときに回転スプロケット99の球捕捉部100内の遊技球が回転スプロケット99の逆転方向から当接して、回転スプロケット99の逆転を阻止するためのものであり、回転スプロケット99の逆転防止用のストッパー部を構成している。
【0066】
案内部材95の下側案内部101には、段差部108側に弾性部101aが設けられている。弾性部101aは前後の側壁部102から切り離された舌片状であり、回転スプロケット99の球捕捉部100内の遊技球が逆転方向から支軸107に当接するときに弾性変形によりその衝撃を吸収するようになっている。
【0067】
上昇側案内部103には通路カバー110が設けられている。通路カバー110は断面凸状であって、上昇側案内部103に当接して着脱自在に装着され且つ上昇側案内部103との間で上昇案内通路111を形成している。通路カバー110には、回転スプロケット99間の周溝98に対応して下向きに突出し且つ回転スプロケット99の球捕捉部100内の遊技球を掻き出して上昇案内通路111側へと略接線方向に案内する掻き出し突部112が設けられている。なお、支持板104には回転移送体94を上側から覆うカバー113が設けられている。
【0068】
また、上昇側案内部103及び通路カバー110の外側壁面にも、前述した待機通路90bの断熱層と同様の断熱層(図示省略)が形成されている(例えば、断熱シートあるいは断熱フィルムが貼り付けられている)。なお、上昇側案内部103及び通路カバー110の外側壁面に断熱塗料を塗ったりしても良い。この断熱層により、上昇側案内部103及び通路カバー110の外部の気温が低くなっても当該上昇側案内部103及び通路カバー110の内側やそこに位置する遊技球が冷えることを低減できる。
【0069】
移送駆動手段96は駆動モータ等により構成され、支持板104の裏側に装着されている。この移送駆動手段96は待機検出スイッチ91が待機通路90bの所定数以上の遊技球の待機を検出したときに起動して回転スプロケット99を移送方向に駆動し、移送検出スイッチ91bが待機通路90bに遊技球がなくなったことを検出したときに、最後の遊技球が段差部108を通過することを待って停止するようになっている。
【0070】
なお、回収手段86の待機通路90b、移送手段87の回転移送体94、案内部材95及び上昇案内通路111は、平面視において左右方向の略一直線上に配置されている。
【0071】
研磨手段55は、図19、図20に示すように、上昇側案内部103の開口103bから上昇案内通路111内に突出して遊技球を研磨する研磨体116と、この研磨体116を前後方向の軸心廻りに遊技球の移動方向とは逆方向に回転駆動するモータ等の研磨駆動手段117とを備えている。
【0072】
研磨体116は例えば無端帯状の研磨材により構成され、研磨枠118の駆動輪119と従動輪120とに巻き掛けられ、従動輪120の外周側が開口103bから上昇案内通路111内に突出している。駆動輪119は研磨枠118に挿通された駆動軸121に固定され、駆動軸121は研磨枠118に固定された研磨駆動手段117により駆動される。従動輪120は研磨枠118に固定された固定軸122に回転自在に支持されている。研磨枠118は前側が開放状であって、上下の装着部123,124を介して上昇側案内部103に着脱自在に装着され、且つバネ125により研磨体116が上昇案内通路111内に突出するように付勢されている。
【0073】
一方の装着部124は上昇側案内部103の係合部124aと、研磨枠118に設けられ且つ係合部124aに係脱自在に係合する係合片124bとを有する。他方の装着部123は上昇側案内部103側に突設された固定ピン123aと、研磨枠118に設けられ且つ固定ピン123aが挿脱自在に挿通される取り付け片123bとを有し、その取り付け片123bと固定ピン123aの抜け止め具126との間で固定ピン123aにコイル状のバネ125が介在されている。研磨枠118は前側が開放状であり、この開放側から研磨体116が駆動輪119、従動輪120に着脱自在に巻き掛けられている。抜け止め具126は固定ピン123aに挿脱自在である。
【0074】
なお、研磨駆動手段117は電源投入後に常時研磨体116を駆動するようにしても良いが、遊技者が発射ハンドル41に接触して発射手段53が発射動作中のとき、又は移送手段87の移送駆動手段96が回転移送体94を駆動する移送動作中のときに、研磨体116を駆動するようにしても良い。また研磨手段55は循環中の遊技球を研磨してその汚れを除去できる。
【0075】
筐体29内には、図2に示すように、底板26と支持枠28との間等の適当箇所に、各部に電源を供給するための電源基板が収納された電源基板ケース130、発射手段53を制御するための発射制御基板が収納された発射制御基板ケース131、各入賞手段11〜13に遊技球が入賞時の賞球を制御するための賞球制御基板が収納された賞球制御基板ケース132、球貸ボタン46の操作時の球貸しを制御するための球貸制御基板が収納された球貸制御基板ケース133等、各種の基板を収納する基板ケースが適宜手段を介して装着されている。
【0076】
このパチンコ機は、隣接して配置される遊技情報読取・書込手段(図示省略)との間で相互通信により情報の授受を行う。例えば遊技情報読取・書込手段に遊技価値記録媒体、例えば遊技カードを挿入すると、その遊技カードの度数等の遊技価値が遊技価値表示部43に度数等で表示されるので、次に球貸ボタン46を操作する。すると球貸ボタン46の操作に応じた所定数の遊技球が持ち球として貸し出され、その球数が遊技球表示部44に表示される。また遊技価値表示部43の遊技価値が減算される。
【0077】
遊技者が発射ハンドル41を操作すると、発射手段53が所定の時間間隔で遊技領域7へと遊技球を発射する。このとき発射検出スイッチ76で遊技球の発射が計数され、その計数値が所定数(1個又は複数個(例えば5個))になる毎に遊技球表示部44の表示数が減算されて行く。可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13等の入賞手段11〜13に遊技球が入賞すると、各入賞手段11〜13毎に予め定められた1入賞当たりの賞球が付与され、その賞球数が所定数(1個又は複数個(例えば5個))になる毎に遊技球表示部44の表示数に加算されて行く。
【0078】
精算ボタン48を操作すると、遊技球表示部44の表示数が持ち球表示部45に表示されて、遊技球表示部44の表示が消える。次に返却ボタン47を操作すると、持ち球表示部45の表示数に相当する遊技価値が遊技情報読取・書込手段で遊技カードに記録された後、持ち球表示部45の表示が消え、遊技カードが遊技情報読取・書込手段から返却される。
【0079】
遊技カードを挿入したときに、カメラ49が作動して遊技者の顔を撮影して本人確認を行うようにしても良い。この場合、例えば遊技者が事前に登録された本人でなければ、その旨を報知して遊技カードを返却し、本人のときにはその旨を報知して、その後のボタン操作等が可能になるようにする。なお、これらの処理は単なる例示に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0080】
このパチンコ機では、発射手段53と遊技盤2との間に形成された循環経路R中に所定数の遊技球が封入されており、発射手段53の発射に必要な数の遊技球が貯留手段88に貯留された状態にある。そこで、球貸ボタン46を操作すると、その操作に応じた数の遊技球の貸し出しがあり、その球数の範囲内で発射手段53により遊技球を発射可能である。
【0081】
発射ハンドル41を操作すると、その操作量に応じた打撃力で打撃槌74が発射駆動手段75により発射軸廻りに繰り返し駆動され、打撃槌74によって発射レール71上の発射位置にある遊技球が遊技領域7へと順次発射される。この場合、発射手段53では打撃槌74で発射レール71上の遊技球を打撃するが、発射手段53自体が遊技盤2の一側上部にあるため、軽い打撃により遊技球を遊技領域7へと発射することが可能であり、発射駆動手段75の小型化を図ることができる。
【0082】
発射された遊技球はガイドレール17に沿って遊技領域7の適当位置に案内された後、遊技釘、その他の部材に衝突又は案内されながら遊技盤2に沿って下方へと落下し、その間に各入賞手段11〜13等に入賞した遊技球は遊技盤2の裏側へと誘導され、また入賞しない遊技球はアウト口16から遊技盤2の裏側へと誘導されて行く。
【0083】
遊技盤2の前面に沿って落下する遊技球が普通図柄始動手段10を通過すると、画像表示手段9の前飾り枠9a等に装着された普通図柄表示手段14の普通図柄が変動表示する。普通図柄表示手段14は複数種類の普通図柄(例えば2種類の「○」「×」)に対応する複数の発光素子により構成されており、普通図柄始動手段10の遊技球の検出を条件に各発光素子が交互に点灯するように所定時間点滅する。そして、普通図柄始動手段10の遊技球の検出時に抽選した乱数値が予め定められた当たり判定値と一致した場合には、当たり態様の「○」側の発光素子が点灯し、それ以外の場合に外れ態様の「×」側の発光素子が点灯して停止する。なお、変動後の普通図柄は1/10程度の所定の確率で当たり態様となる。
【0084】
普通図柄が当たり態様で停止して特別図柄始動手段12の開閉作動部12bが開放する等により、特別図柄始動手段12が遊技球を検出すると、画像表示手段9の前飾り枠9a等に装着された特別図柄表示手段15の特別図柄が所定時間変動表示する。特別図柄表示手段15は発光部位の変化等で特別図柄を変動表示可能なセグメント式等により構成されており、特別図柄始動手段12の遊技球の検出を条件に特別図柄が所定時間変動して、特別図柄始動手段12の遊技球の検出時に抽選された乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致した場合に所定の大当たり態様で、それ以外の場合に外れ態様で停止するようになっている。
【0085】
特別図柄始動手段12は開閉動作をしない非作動部12aと、普通図柄が当たり態様で停止したときに所定時間開放する開閉作動部12bとを上下に有し、何れに遊技球が入賞した場合にも、特別図柄表示手段15の特別図柄が変動する。
【0086】
特別図柄表示手段15の変動後の特別図柄が大当たり態様となって特別遊技状態が発生したときに可変入賞手段11の開閉扉が前側に開放して、上方から落下する遊技球を開閉扉を経て可変入賞口へと入賞させる。特別遊技状態中は開閉扉の開放から所定時間(例えば30秒程度)が経過するか、その間に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したときに開閉扉を閉じる動作を1ラウンドとし、この動作を所定回数(例えば16ラウンド)継続するようになっている。
【0087】
このようなゲーム中に画像表示部9bは特別図柄表示手段15の特別図柄に対応する演出図柄9c〜9eを変動表示し、またチャンスボタン42の操作を指示する等、遊技の進行に従って適宜タイミングで各種の演出画像を随時表示する。即ち、特別図柄表示手段15の特別図柄の変動に際しては、その特別図柄の変動に同期して1個又は複数、例えば3個の演出図柄9c〜9eが画像表示部9bに変動表示される。このとき演出図柄9c〜9eは特別図柄始動手段12の遊技球の検出を条件に、抽選により決定された所定の演出図柄変動パターンを経て所定時間変動した後、特別図柄の変動終了に同期して所定の順序 (例えば左、右、中等の順序)で順次停止する。
【0088】
演出図柄9c〜9eの変動後の停止図柄は、特別図柄が大当たり態様で停止する場合には全てが揃う大当たり演出態様となり、特別図柄が外れ態様で停止する場合には少なくとも一部が異なる外れ演出態様となる。例えば、演出図柄9c〜9eには0〜9までの数字図柄が使用されており、特別図柄が大当たり態様で停止する場合には演出図柄9c〜9eは「7・7・7」等の大当たり演出態様で停止し、特別図柄が外れ態様で停止する場合には演出図柄9c〜9eは「2・4・5」等の外れ演出態様で停止する。
【0089】
チャンスボタン42の操作指示に際しては、変動後の特別図柄が大当たり態様となる信頼度の高い演出図柄変動パターンを抽選したとき等、遊技者に対して期待感を抱かせる所定の遊技状態、例えば1個の演出図柄9dを除く2個の演出図柄9c,9eが同じとなるリーチとなった場合に、画像表示部9bの所定箇所にチャンスボタン42の操作を指示する操作指示画像9fが表示される。
【0090】
そして、例えば特別図柄始動手段12が遊技球を検出したときに大当たりを抽選しており、変動後の特別図柄が大当たり態様となった後に特別遊技状態が発生する場合には、その操作指示画像9fに従って図柄変動中に適宜タイミングでチャンスボタン42を押圧操作すれば、画像表示部9bに所定の予告画像が明滅発光して表示される等により、その後の大当たり態様での特別図柄の停止、及びこれに続く特別遊技状態の発生を予告する演出がなされる。
【0091】
可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13等の入賞手段に遊技球が入賞すると、その夫々に対応して予め決められた数の遊技球が賞球として遊技者に与えられ、その遊技球が加算されて遊技球表示部44に表示される。
【0092】
可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13等に入賞して遊技盤2の裏側へと誘導された遊技球は、可変入賞手段11、普通入賞手段13等から集球ケース21内へと落下し、傾斜壁81等を経て排出口80から下方へと排出されて行く。またアウト口16に入った遊技球は、遊技盤2の裏側から集球ケース21内へと落下し排出口80から下方へと排出されて行く。
【0093】
集球ケース21の排出口80から出た遊技球は、回収手段86を経て移送手段87側へと回収される。この回収に際して回収手段86の回収口89aへと落下した遊技球は、左右方向の複数個の回収通路89bの何れかを経て下方へと落下するため、複数個の遊技球が短時間に回収口89aへと集中するようなことがあっても、それらの遊技球を集球ケース21から回収手段86へと円滑に回収することができる。
【0094】
また各回収通路89bを通過中の遊技球は回収検出スイッチ89cにより検出され、その検出信号により回収手段86に回収された遊技球の数が計数される。従って、例えば発射検出スイッチ76で検出された遊技球の発射数と、回収検出スイッチ89cで検出された遊技球の回収数とを計数して、その発射数と回収数との差を演算することにより、待機中の遊技球の数を把握することができる。
【0095】
待機通路90bで待機中の遊技球が所定数(例えば5個又は10個)以上になれば、待機検出スイッチ91がそれを検出して移送駆動手段96が回転スプロケット99を移送方向に駆動して、待機通路90b中の遊技球を回転スプロケット99の回転により上昇案内通路111を経て上昇通路93へと送り込む。
【0096】
即ち、移送手段87の上昇通路93、上昇案内通路111、及び上昇案内通路111から段差部108までの回転スプロケット99の球捕捉部100には、通常、遊技球が充満した状態にある。その状態で待機通路90bに待機中の遊技球が図15、図17に二点鎖線出示すように所定数以上になると、待機検出スイッチ91が待機中の遊技球を検出して、移送駆動手段96が回転スプロケット99を移送方向に駆動する。そして、待機通路90bの遊技球が全て移送されて待機中の遊技球がなくなると、移送検出スイッチ91bが全ての遊技球の移送を検出して、遊技球が段差部108を通過した時点で移送駆動手段96が回転スプロケット99の駆動を停止する。
【0097】
回転スプロケット99が移送方向に回転する前の時点では、移送手段87の入口側の最下流の遊技球が回転スプロケット99の球捕捉部100に入った状態にあり、その状態から回転スプロケット99が移送方向に回転すると、後続の遊技球が回転スプロケット99の球捕捉部100に順次入る。
【0098】
回転スプロケット99の球捕捉部100に入った遊技球は、回転スプロケット99の回転に伴って案内部材95に案内されながら回転スプロケット99の下側を経て反対側の上昇案内通路111へと送られる。遊技球が上昇案内通路111の下端側に達すると、先端が回転スプロケット99間の周溝98に突出する掻き出し突部112によって、回転スプロケット99の球捕捉部100内の遊技球が順次掻き出された後、その遊技球は回転スプロケット99の回転により後続の遊技球によって上昇案内通路111内へと接線方向の上方に押し上げられて行く。
【0099】
上昇案内通路111内に入った遊技球は、後続の遊技球によって押し上げられながら上昇通路93へと移動し、その上昇通路93を経て貯留手段88へと移送されて行く。そして、上昇通路93の上端に達した遊技球は、上昇通路93と貯留手段88の上流側貯留通路88aとの間の最上部を通過すると、上流側貯留通路88aの傾斜に沿って転動しながら接続通路88c、下流側貯留通路88bへと移動して、貯留手段88内に略一列状に貯留される。
【0100】
回転スプロケット99による移送によって待機通路90bに待機中の遊技球がなくなると、移送検出スイッチ91bが全ての遊技球の移送を検出して移送駆動手段96が回転スプロケット99の駆動を停止して遊技球の移送を中断する。そして、回転スプロケット99の停止後、待機通路90bに待機中の遊技球が所定数の5個又は10個以上になれば、回転スプロケット99が再度回転して遊技球の移送動作を開始する。
【0101】
このため回転スプロケット99の回転によりその球捕捉部100内の遊技球を送りながら上昇通路93内の遊技球を押し上げるようにしているにも拘わらず、球捕捉部100内に遊技球が入らない状態で回転スプロケット99が回転するようなことがない。従って、上昇案内通路111の下端を回転スプロケット99が通過するときに、上昇案内通路111内の下端側の遊技球によって回転スプロケット99の球捕捉部100間の突出部が叩かれるようなこともなく、遊技球を連続的に移送することができる。
【0102】
また回転スプロケット99が停止すると、上昇通路93内の遊技球の重量が回転スプロケット99に対して逆転方向に加わるが、回転スプロケット99が僅かに逆転したときに、図15、図17に示すように回転スプロケット99の球捕捉部100内に入った遊技球が入口部105の下手側の段差部108に当接するため、これによって回転スプロケット99のそれ以上の逆転を阻止できる。従って、回転スプロケット99の逆転を阻止するブレーキ等の手段を別途設ける必要もない。
【0103】
回転スプロケット99の単位時間当たりの遊技球の移送数は、発射手段53の単位時間当たりの遊技球の発射数よりも大であり、移送手段87が遊技盤2を通過して回収手段86に回収された遊技球をその速度で順次移送するため、各遊技球が遊技盤2を通過するときの通過時間に多少の時間差があっても、発射手段53が遊技球を発射するに必要な数の遊技球を常に貯留手段88に貯留することができる。
【0104】
移送手段87の上昇案内通路111を遊技球が通過するときに、研磨手段55の研磨体116により遊技球を研磨して遊技球の表面に付着した汚れ等が除去される。研磨手段55では研磨駆動手段117の駆動により、駆動輪119と上昇案内通路111側の従動輪120とに巻き掛けられた研磨体116が、上昇案内通路111内に突出した状態で矢示方向に回転するので、上昇案内通路111を上昇方向に移動する遊技球の表面を研磨して汚れ等を除去することができる。
【0105】
貯留手段88の各通路88a〜88d内には研磨手段55で研磨後の遊技球が略一列状に並んで貯留されており、発射手段53が遊技球を発射すると、その発射動作に連動して球送り手段77が作動し、貯留手段88の最下手側の遊技球を発射レール71上へと送る。
【0106】
以下、発射手段53により遊技盤2の遊技領域7内へと遊技球を発射し、遊技盤2を通過した遊技球を循環手段54の回収手段86、移送手段87、貯留手段88を経て発射手段53へと戻し、発射手段53と遊技盤2との間で遊技球を循環させながらゲームを行う。
【0107】
このパチンコ機では、遊技盤2を通過した遊技球を遊技盤2の下側の回収手段86により回収するようにしているが、遊技盤2の上部に発射手段53、貯留手段88、球送り手段77があり、回収手段86により回収された遊技球を、持ち上げ式の移送手段87により貯留手段88へと持ち上げながら移送し、その貯留手段88内の遊技球を、発射手段53の発射動作と連動させて球送り手段77により発射手段53へと1個ずつ送るようにしているので、遊技盤2の下側に循環手段54を配置し、この循環手段54の下側に発射手段53を配置する従来のような位置関係を維持する必要がなく、その回収手段86、発射手段53の位置関係により遊技盤2の上下方向の位置が制約されることがない。このため遊技盤2側の条件に従って遊技盤2の上下幅を決定できるので、必要に応じて遊技盤2の遊技領域7を大にすることができる。
【0108】
遊技盤2を装着する場合には、ガラス扉4をヒンジ3廻りに前側へと開放し、遊技盤2のヒンジ3側一端を遊技盤装着枠52内に挿入して係合部58bに係合させた後、その係合部58b側を支点として遊技盤2の他端側を後方へと押圧して遊技盤装着枠52内に押し込む。このとき上下一対の固定手段63のコ字状の係合体63aを斜め前向きにセットしておく。すると遊技盤2の他端側が各固定手段63の係合体63aのコ字状部分に入りながら、遊技盤2の押圧によって係合体63aが横向きの固定位置へと回動して、固定手段63により遊技盤装着枠52内の遊技盤2が固定される。従って、遊技盤2の遊技盤装着枠52内への挿入と、その遊技盤装着枠52内での遊技盤2の固定とを簡単な操作で容易に行うことができる。
【0109】
一方、係合部58b側を支点として遊技盤2を遊技盤装着枠52内に押し込んで行くと、遊技盤2の裏側の盤側ジョイント部83と遊技盤装着枠52側の枠側ジョイント部84との対応するコネクタ同士が嵌合して電気的に接続する。このため遊技盤2の装着時に、同時に盤側ジョイント部83と枠側ジョイント部84とを電気的に接続することができる。
【0110】
遊技盤2を取り外す場合には、固定手段63の操作部を前側に操作すると、リンク機構63cを介して係合体63aが逆方向に回動して遊技盤2の他端側が前側へと押圧され、遊技盤2が係合部58b側を支点として前側へと回動する。そして、固定手段63による遊技盤2の押し出しが終了した後、遊技盤2を把持して遊技盤装着枠52から取り出せば良い。
【0111】
この実施形態では、遊技盤2から排出された遊技球を発射手段53に案内可能な循環経路Rを構成する循環手段54と、この循環手段54の循環経路Rの内壁面または当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減する結露低減手段としての、循環手段54に設けられた断熱部(待機通路90b、各通路88a〜88d、上昇通路93、上昇側案内部103及び通路カバー110の外側に形成された図示省略の断熱層)を備えているので、循環手段54の循環経路Rの内壁面や当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減することができ、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段内の封入球の球詰まりを低減できる。
【0112】
また外枠1に遊技盤2を着脱自在に装着する一方、遊技盤2の前側にその遊技領域7を視認可能に配置されたガラス扉4を外枠1に開閉自在に枢着しているので、従来の前枠に装着する場合に比較して前枠自体を省略することができる。このため前枠用の材料が不要になると共に、構造的に簡素化することができる。
【0113】
また従来の前枠に遊技盤2を装着する場合には、前枠の支持強度、前枠の開閉動作の円滑性等から遊技盤2側の重量にも制約があるが、遊技島側に固定される外枠1に遊技盤装着枠52を介して遊技盤2を装着しているため、支持強度、開閉動作等の点で遊技盤2の重量が大きな問題となることもない。
【0114】
更に外枠1は前側が開放する開口を有する筐体29であり、この筐体29内に遊技盤装着枠52を設けて、この遊技盤装着枠52に遊技盤2を前側から着脱自在に装着するようにしているので、外枠1を矩形枠状に構成する場合に比較して外枠1自体の強度を容易に確保することができる。また筐体29の上下方向の中間に左右方向に架設された支持枠28を備え、この支持枠28の上側に遊技盤装着枠52を設けることにより、支持枠28により筐体29を補強できその強度が向上すると共に、遊技盤装着枠52に対して遊技盤2を容易に着脱することができる。
【0115】
発射手段53と遊技盤2との間の循環経路R内に所定数の遊技球を封入して循環させながらゲームを行う循環封入式の場合、循環手段54の回収手段86、移送手段87、貯留手段88等にその遊技球が集中する。しかし、遊技球が循環手段54に集中するにも拘わらず、その循環手段54を外枠1を構成する筐体29に備えることにより、封入された遊技球の多少に拘わらず循環手段54を確実に支持することができる。また循環手段54は回収手段86、移送手段87、貯留手段88を備えているが、この循環手段54を筐体29に設けることにより、その回収手段86、移送手段87、貯留手段88の夫々を比較的自由に配置できる。
【0116】
遊技盤2の遊技領域7の上部外側に切り欠き部67を設ける一方、発射手段53をその裏側で遊技盤装着枠52を介して筐体29側に設け、遊技盤2の着脱時に着脱側と反対側から発射手段53が切り欠き部67に対して相対的に出退自在であるため、遊技盤2の交換により機種変更する際にも、遊技盤2と一体に発射手段53を廃棄する必要がなく無駄を解消できる。
【0117】
また発射手段53は遊技盤2の前面と略面一状に配置された発射支持板70を備え、この発射支持板70の前面に発射レール71と、発射レール71上の遊技球を打撃して発射させる打撃槌74とを備えているので、発射手段53により遊技領域7へと遊技球を円滑に発射できる。しかも発射手段53と遊技領域7との間に、遊技領域7と発射手段53側とを仕切る仕切り部8aがあるため、遊技領域7内に打ち込まれた遊技球の発射手段53側への移動を防止できる。
【0118】
循環手段54は遊技盤2及び発射手段53よりも下側に配置された回収手段86と、この回収手段86により回収された遊技球を発射手段53側へと移送する移送手段87とを備えているため、遊技盤2の上下方向の寸法を長くした場合でも、回収手段86から移送手段87を経て発射手段53へと遊技球を循環させることができる。従って、遊技盤2の遊技領域7を十分に確保することができる。
【0119】
循環手段54は移送手段87により移送された発射用の遊技球を貯留する貯留手段88を備え、この貯留手段88に貯留中の遊技球を、発射手段53の発射動作に連動して球送り手段77により発射手段53へと1個ずつ送るようにしているので、発射手段53を回収手段86よりも上側に配置しても発射用の遊技球の球切れ等を容易に防止できる。
【0120】
また移送手段87は貯留手段88へと遊技球を案内する上昇通路93と、回収手段86の遊技球を上昇通路93の下側へと送り込む回転移送体94と、この回転移送体94を回転駆動する移送駆動手段96とを備えているため、遊技盤2の上部側に発射手段53と貯留手段88とを配置する等、発射手段53及び貯留手段88を回収手段86に比較して十分高い位置に配置した場合にも、移送手段87により確実に遊技球を移送することができる。
【0121】
図21は本発明の第2の実施形態を例示する。この実施形態では、筐体29内の遊技盤装着枠52は図に示すように支持枠28の下受け部57と、各側板23,24の側受け部58,59とにより構成されており、上側が開放状となっている。発射手段53は遊技盤装着枠52とは別に筐体29の側板23,24の内側に適宜ブラケット等を介して装着されている。他の構成は第1の実施形態と略同様である。
【0122】
このように筐体29内に遊技盤装着枠52を設けるに当たっては、その遊技盤装着枠52により遊技盤2側を支持できる強度を確保できる場合には、上側を開放状に構成しても良い。従って、遊技盤装着枠52は少なくとも遊技盤2の下側及び左右両側を支持できる構造であれば良い。この場合、側受け部58,59は遊技盤2の上下方向の寸法と略同一長さか、又は若干短い長さ程度が望ましいが、上下方向に複数箇所に分割して設けることも可能である。また発射手段53は遊技盤装着枠52を介さずに筐体29に装着しても良い。
【0123】
図22、図23は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態の外枠1は、左右の側板23,24と、両側板23,24の上下両端を左右に連結する天板25及び底板26と、両側板23,24の上下中間を左右に連結する支持枠28とを備え、前後両側が開放状に構成されている。外枠1の前側にはガラス扉4、下部扉6がヒンジ3,5により開閉自在に枢着されている。他の構成は第1の実施形態と同様である。このように外枠1は、前後両側が開放状の矩形枠状に構成しても良い。
【0124】
図24は本発明の第4の実施形態を例示する。図24に示すように、この第4の実施形態の待機通路90b及び各通路88a〜88dの上部壁面、上昇通路93の前側壁面及び後側壁面には、結露低減手段140としての通路方向に長い長孔141(本発明の連通部に相当する)が当該通路方向に沿って複数個形成されており、且つ第1の実施形態の断熱層を有しないものである。他の構成は第1の実施形態と同様である。このように待機通路90b、各通路88a〜88d及び上昇通路93に複数個の長孔141を形成しているので、循環手段54内の空気の対流を良くすることができる。つまり、循環手段54内の暖かい空気が長孔141を介して外部に排気され、循環手段54内の空気が換気され易くなっており、循環手段54の内壁面や当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減することができ、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段54内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段54内の封入球の球詰まりを低減できる。
【0125】
図24に示すように、待機通路90b及び各通路88a〜88dの上部壁面に長孔141を形成しているので、暖かい空気が上方に抜け出し易くなっており、また待機通路90b及び各通路88a〜88dの内部を進行する遊技球が、この長孔141に接触することが無く、遊技球の進行に影響を与えることがない。また長孔141は待機通路90b及び各通路88a〜88dのいずれの壁面に形成するようにしてもよい。また長孔141に替えて通路方向と直交する方向や斜め方向に向けた長孔を複数個形成しても良いし、長孔以外の円状孔、楕円状孔、十字状孔、多角状孔等の各種形状の孔を採用しても良いし、切り欠き部や網状形状(メッシュ状)等を採用しても良い。
【0126】
図25は本発明の第5の実施形態を例示する。図25に示すように、この第5の実施形態は、循環手段54の内部空気を乾燥させる乾燥手段150を備えたものである。具体的には、待機通路90b、上昇通路93及び各通路88a、88bは、乾燥剤151(例えばシリカゲル)を内部に収納した、取付面側が開口した収納部152を備えており、待機通路90b、上昇通路93及び各通路88a、88bにおける、収納部152が設けられた箇所には遊技球よりも小さい複数個の小孔153が形成されたものである。
【0127】
ここで、収納部152の待機ケース90への取り付けについて説明する。収納部152の内部に乾燥剤151を入れた状態で、収納部152の開口を待機ケース90に近づけて、収納部152の下側角部を待機ケース90の下受け部90dに載せた状態でさらに押し込むと、待機ケース90の係止爪90eが弾性変形して最終的に収納部152の上端部に係止し、収納部152が待機ケース90に取り付けられた状態となる。収納部152を取り外す際には、待機ケース90の係止爪90eを弾性変形させて引き抜けば良い。なお収納部152の上昇通路93及び各通路88a、88bへの取り付け及び取り外しもこれと同様である。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0128】
このように待機通路90b、上昇通路93及び各通路88a、88bの内部空気は、小孔153を介して収納部152に入り、当該収納部152の乾燥剤151によって水蒸気が吸収されて、乾燥空気となるので、循環手段54の循環経路Rの内壁面や当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減することができ、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段54内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段54内の封入球の球詰まりを低減できる。
【0129】
なお、第1の実施形態の断熱層を採用せず、且つ待機通路90b、上昇通路93及び各通路88a、88bに、乾燥剤151(例えばシリカゲル)を内部に収納した収納部152を備えるようにしても良い。第5の実施形態では、複数個の小孔153を採用しているが、遊技球よりも小さい長孔、楕円状孔、十字状孔、多角状孔等の各種形状の複数個の孔を採用しても良いし、網状形状(メッシュ状)等の各種形状のものを採用しても良い。
【0130】
図26〜図28は本発明の第6の実施形態を例示する。図26〜図28に示すように、この第6の実施形態では、第1の実施形態における上昇通路93の下端側に形成された開口93a(図25、図27及び図28参照)を通じて当該上昇通路93の内部に送風する送風手段160を備えたものである。
【0131】
具体的には、送風手段160は、吸い込み口161aから外気を吸い込んで吐き出し口161bから出力するブロア161(ファンなどを採用しても良い)と、この吐き出し口161bと上昇通路93の開口93aとを連通する連結部162とを備えている。ブロア161は支持板104にネジ止めされている。次にブロア161の動作タイミングについて説明する。例えば、遊技ホールの営業開始の際においてパチンコ機の電源が投入されると、ブロア161による送風動作が開始され、営業時間中は常時送風動作を継続し、パチンコ機の電源がオフになると送風動作を停止する。なお、送風動作開始後から所定時間 (例えば1時間)が経過すると送風動作を停止するようにしてもよい。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0132】
このように送風手段160によって、上昇通路93及び貯留手段88の内部に送風することができるので、上昇通路93及び貯留手段88の内部を換気することができ、循環手段54の循環経路Rのうち上昇通路93から貯留手段88までの内壁面や当該上昇通路93から貯留手段88までの内部にある遊技球表面の結露を低減することができ、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段54内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段54内の封入球の球詰まりを低減できる。
【0133】
また循環手段54の待機ケース90の受け口90aに向けて送風する送風手段(ファンやブロアなど)を別途に設けて、待機通路90bの内部を換気するようにしても良い。例えば、図4に示す集球ケース21の所定箇所(例えば遊技球や他の遊技部品と干渉しない箇所等)に送風手段を配置して排出口80に向けて空気を送り出すようにしてもよい。また移送手段87のカバー113の後面に形成された略円形の開口(つまり、回転スプロケット99よりも大きい略円形の開口)及び上昇通路93の下端側に形成された開口を閉塞するとともに、上昇通路93側の送風手段160を排除する構成を採用しても良い。この場合には、待機ケース90側の送風手段のみによって循環手段54の全体を換気できる。また、待機ケース90の受け口90aに替えて、待機ケース90の上部壁面に遊技球よりも小さい複数個の孔(長孔、楕円状孔、十字状孔、多角状孔等の各種形状の複数個の孔を採用しても良い)で形成される入口部又は遊技球よりも小さい網目とした網状形状(メッシュ状)等の入口部を形成し、この入口部を通じて循環手段54の内部に空気を送り込むように送風手段を設けるようにしても良い。
【0134】
図29は本発明の第7の実施形態を例示する。図29に示すように、この第7の実施形態では、第6の実施形態におけるブロア161の吸い込み口161a側にさらに乾燥空気発生手段170を設けることで構成される乾燥気体送風手段171を備えたものである。この乾燥空気発生手段170としては、前述した第5の実施形態の乾燥手段150が挙げられる。具体的には、乾燥剤151を内部に収納した収納部152をブロア161の吸い込み口161a側に配置した構成が挙げられる。
【0135】
収納部152の内部気体は乾燥剤151によって水蒸気が吸収されて乾燥空気となり、ブロア161が動作すると収納部152の後面に形成された空気入口部154から外気が吸い込まれ、この吸い込み空気の水蒸気が乾燥剤151によって吸収されて、乾燥空気が、収納部152の前面に形成された空気出口部155を介してブロア161の吸い込み口161aから吸い込まれてこのブロア161の吐き出し口161bから上昇通路93の下端側に形成された開口を通じて上昇通路93及び貯留手段88の内部に送風される。ブロア161の動作タイミングについては前述の第6の実施形態と同様である。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0136】
このように乾燥気体送風手段171によって、上昇通路93及び貯留手段88の内部に乾燥気体を送風することができるので、循環手段54の循環経路Rのうち上昇通路93から貯留手段88までの内壁面や当該上昇通路93から貯留手段88までの内部にある遊技球表面の結露を低減することができ、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段54内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段54内の封入球の球詰まりを低減できる。
【0137】
なお、この第7の実施形態では、ブロア161の吸い込み口161a側に乾燥空気発生手段170を近接配置しているが、ブロア161の吸い込み口161a側と乾燥空気発生手段170との間に両者を連通接続する図示省略のホース部材(管、ダクト、パイプ、チューブ等)を設けるようにしても良い。また、収納部の内部に空気が通る蛇行通路が形成されており、この蛇行通路に亘って乾燥剤を配置したり、あるいは蛇行通路をその入口から出口までを複数個に区分けする区分けフィルター面毎に乾燥剤を配置したりするようにしても良い。この場合には、収納部の乾燥空気生成経路を当該収納部の外形大きさに比べて長くすることができ、乾燥空気の生成効率を高めることができる。また、前記のホース部材(図示省略)の内部にも乾燥剤を設けるようにして当該ホース部材の通路も利用して乾燥空気の生成に役立てるようにしても良い。
【0138】
図30は本発明の第8の実施形態を例示する。図30に示すように、この第8の実施形態では、前述した第1の実施形態の断熱層に替えて、循環手段54を加温する加温手段175を備えたものである。
【0139】
具体的には、待機ケース90、上昇通路93及び貯留手段88の外壁面箇所に遊技球進行方向に沿ってヒーター部176(例えば、シリコンゴムヒーター、アルミ箔ヒーターなど各種のヒーターが挙げられる)が配置されている。ヒーター部176は例えば10〜40℃の範囲内で加温可能であり、この実施形態では所定温度(例えば20℃)に設定しており、循環手段54及び内部の遊技球が冷えることを低減できるのみならず、循環手段54を必要以上に加熱しないようにしている。
【0140】
ヒーター部176の動作タイミングについては前述の第6の実施形態と同様である。つまり、パチンコ機の電源が投入されるとヒーター部176の加温動作が開始し、営業中継続するか所定時間(例えば1時間)の間のみ加温動作を行う。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0141】
このように加温手段175(ヒーター部176)によって、待機ケース90、上昇通路93及び貯留手段88の外壁が暖められるので、待機ケース90、上昇通路93及び貯留手段88の内壁面やその内部に位置する遊技球が冷えることを低減でき、循環手段54の循環経路Rのうち待機ケース90、上昇通路93及び貯留手段88の内壁面やその内部の遊技球表面の結露を低減することができ、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段54内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段54内の封入球の球詰まりを低減できる。
【0142】
なお、ヒーター部176を循環手段54の複数の壁面(例えば、前後あるいは左右の二壁面や隣接する二壁面、任意の三壁面、全ての壁面など)に配置したり、ヒーター部176を循環手段54に螺旋状に巻き付けるように配置したりしても良い。
【0143】
図31は本発明の第9の実施形態を例示する。図31に示すように、この第9の実施形態では、循環手段54内の遊技球表面の水滴を吸引する吸引手段180を備えたものである。具体的には、この吸引手段180は、案内部材95の下側案内部101に形成された複数個の小孔101bと、これらの小孔101bに吸引口181aが近接配置された吸引ノズル181と、この吸引ノズル181とチューブ182を介して接続された吸引ポンプ(図示省略)とで構成されている。図31(b)に示すように、下側案内部101上に位置する二点鎖線で示す遊技球の表面に結露が発生している場合に、当該遊技球の下方に位置する吸引ノズル181によって結露を吸引することができる。
【0144】
吸引ノズル181の動作タイミングについては前述の第6の実施形態と同様である。つまり、パチンコ機の電源が投入されると吸引ノズル181の吸引動作が開始し、営業中継続するか所定時間(例えば1時間)の間のみ吸引動作を行う。他の構成は第1の実施形態と同様である。案内部材95における内壁面の最下位置箇所やそこに位置する遊技球表面に結露が発生している場合には、吸引ポンプが動作することで、それらの結露が吸引ノズル181によって吸引除去することができ、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段54内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段54内の封入球の球詰まりを低減できる。また、回転スプロケット99の球捕捉部100と下側案内部101との間に遊技球が位置しているので、吸引ノズル181による吸引動作によって遊技球が球捕捉部100から離脱するようなことがない。また、吸引ノズル181による吸引動作は、回転スプロケット99の動作中や動作停止中のいずれに行ってもよい。
【0145】
なお、前記吸引手段180に替えて、循環手段54内の遊技球表面に気体を吹き当てる吐出手段(例えば吐出ノズル)を採用するようにしても良い。
【0146】
また、前記吸引手段180や吐出手段に替えて、研磨手段55の研磨体116として水分を拭き取り可能なもの(例えば、レーヨン繊維を有する不織布等のように水分を拭き取り可能な不織布)採用するようにしても良い。この場合には、遊技球の表面の研磨のみならず、遊技球表面の結露を拭き取ることができる。循環手段54内の遊技球表面に気体を吹き当てる手段(例えば吐出ノズル)を採用するようにしても良い。
【0147】
また、前述の第6〜8の実施形態では、遊技ホールの営業開始の際におけるパチンコ機の電源投入に連動して、ブロア161やヒーター部176が動作するようにしているが、蓄電池で動作するタイマーを備え、前述のブロア161やヒーター部176がパチンコ機の電源電圧ではなく商用電源に接続した構成としておき、冬季において遊技ホールの営業開始前の設定時刻(例えば早朝)をタイマーが検知すると、タイマーが商用電源をブロア161やヒーター部176に供給しこれらが動作するようにしても良い。
【0148】
図32及び図33は本発明の第10の実施形態を例示する。図32に示すように、この第10の実施形態では、循環手段54の内部における気温及び相対湿度を検出する気温・相対湿度検出手段185(例えば温湿度センサ)と、気温と相対湿度による空気の露点温度を記憶する記憶手段(記憶テーブル)と、循環手段54の循環経路Rにおける待機ケース90内の遊技球表面温度を検出する表面温度検出手段186(接触式または非接触式の表面温度センサ)と、気温・相対湿度検出手段185で検出された気温及び相対湿度に基づいて露点温度を求めて、表面温度検出手段186で検出された表面温度が露点温度又は当該露点温度よりも僅かに高い所定温度(露点温度よりも例えば1、2℃高い温度が挙げられる)に達した場合に、送風手段160、加温手段175又は乾燥気体送風手段171を動作させる制御手段を備えたものである。
【0149】
この制御手段としては、図2に示すように、電源基板ケース130内の電源基板、発射制御基板ケース131内の発射制御基板、賞球制御基板ケース132内の賞球制御基板、球貸制御基板ケース133内の球貸制御基板、あるいは、これら以外の制御基板が挙げられる。また、当該制御基板は、記憶テーブルをROMあるいはRAMなどのメモリに記憶している。
【0150】
図33に示すように、冬季においては遊技ホールの室内温度は18〜23℃、相対湿度は40〜60%であることが多い。例えば、気温・相対湿度検出手段185により循環手段54の内部における気温及び相対湿度が20℃、50%であると検出された場合には、記憶手段に記憶された図33に示す記憶テーブルに基づいて気温(20℃)と相対湿度 (50%)による空気の露点温度が9.3℃であると求められ、表面温度検出手段186により検出された待機ケース90内の遊技球表面温度が、露点温度(9.3℃)またはそれよりも僅かに高い温度(例えば1℃、2℃高い温度)に達した場合には、第6の実施形態の送風手段160(図26参照)、第8の実施形態の加温手段175(図30参照)又は第7の実施形態の乾燥気体送風手段171(図29参照)を動作させる。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0151】
この場合には、待機ケース90内の遊技球表面温度が、露点温度9.3℃又はそれよりも1℃、2℃高い温度(10.3℃や11.3℃)に達すると、案内部材95における内壁面の最下位置箇所やそこに位置する遊技球表面に結露発生の可能性が高まるため、送風手段160、加温手段175又は乾燥気体送風手段171が動作し、循環手段54の内部の遊技球表面に結露が発生することを低減でき、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段54内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段54内の封入球の球詰まりを低減できる。
【0152】
なお、循環手段54内の遊技球表面温度に替えて循環手段54の内壁面温度を検出し、この検出した内壁面温度が露点温度またはそれよりも僅かに高い所定温度に達した場合には、前述の送風手段160、加温手段175又は乾燥気体送風手段171を動作させるようにしても良い。例えば、循環手段54を構成する待機ケース90、上昇通路93及び貯留手段88が金属製、ガラス製である場合や通路壁面の一部に金属又はガラスが用いられている場合には、当該循環手段54の内壁面に結露発生の可能性が高まるので当該内壁面温度を検出することが望ましい。例えば、ガラスの熱伝導率は1であり、金属の熱伝導率は15以上であるため、合成樹脂(熱伝導率が0.4以下)成形品に比べて結露の発生が懸念されるからである。
【0153】
また、第10の実施形態では、循環手段54の内部における気温及び相対湿度を検出する気温・相対湿度検出手段185を設けているが、この気温・相対湿度検出手段185を用いず、循環手段54内の遊技球表面温度又は循環手段54の内壁面温度を検出する表面温度検出手段186のみを用いて、表面温度検出手段186で検出した表面温度が警戒温度(室内温度よりも所定温度(例えば8℃)程度低い温度である12℃)に達すると、前述の送風手段160、加温手段175又は乾燥気体送風手段171を動作させるようにしても良い。前記制御基板のRAMは、警戒温度をプリセットデータ領域に記憶しており、後述する変更後の警戒温度を書き換え可能データ領域に記憶可能である。前記の警戒温度(12℃)は、図33に示す記憶テーブルにおいて室内温度20℃で相対湿度は40〜60%の範囲内において最も高い露点温度が12℃であることから定められたものである。この場合には、図32の気温・相対湿度検出手段185を用いる場合に比べて精度は低いが、簡易な構成で結露の低減を図ることができる。
【0154】
なお、前記の警戒温度を、パチンコ機の納品先である遊技ホールが存する地域毎に設定変更するようにしてもよい。例えば、納品先の遊技ホールが存する地域の過去数年分(例えば5年分)の気象データに基づいて、相対湿度の範囲を特定し(例えば、度数分布表、ヒストグラム又は標準偏差からその範囲を特定してもよい)、図33に示す記憶テーブルを用いてその特定した相対湿度の範囲内における遊技ホールの営業時間の設定室内温度 (例えば20℃であるとする)において最も高い露点温度を警戒温度としてメーカー側において予め設定変更してもよいし、遊技ホールにおいてホール関係者が変更入力する構成としてもよい。
【0155】
また、遊技ホールの営業開始前におけるパチンコ機の電源投入時点や営業中において、表面温度検出手段186で検出した表面温度が、露点温度又は警戒温度である場合には、発射手段による遊技球の発射を禁止する(発射ができない状態にする)ようにしても良い。この場合には、遊技球表面の結露が発射手段53や遊技盤2に拡散することを防止できる。また、発射禁止とともに、あるいは発射禁止に替えて、パチンコ機の警告ランプやアラーム(警告音)による警告動作をしたり、ホールコンピュータに通報したりしてもよい。
【0156】
また、電源基板ケース130、発射制御基板ケース131、賞球制御基板ケース132、球貸制御基板ケース133又はこれら以外の制御基板ケースに形成された開口と、ブロア161の吸い込み口161aとを連通する図示省略の連通部材(管、ダクト、パイプ、チューブ等)を設け、ケース内の空気を循環手段54の内部に送風するようにしても良い。この場合には、循環手段54の内部を換気できるだけでなく、ケース内の制御基板における電子部品(CPUやMPU等)を冷却することができる。
【0157】
図34及び図35は本発明の第11の実施形態を例示する。図34及び図35に示すように、この第11の実施形態では、筐体29の支持枠28の下側に発射手段53が装着される等、遊技盤2の下部側又は遊技盤2の下側に発射手段53が配置されており、この発射手段53から遊技球を遊技盤2のガイドレール17に沿って遊技領域7へと発射するようになっている。循環手段54の回収手段86、移送手段87は支持枠28の下側等に装着されている。
【0158】
移送手段87は第1の実施形態と同様に回転スプロケット式であり、回収手段86からの遊技球を回転スプロケット99により移送しながら、上昇通路93から傾斜通路93bを介して発射手段53の裏側に位置する皿状の貯留手段88へと移送するようになっている。他の構成は第1の実施形態と同様である。貯留手段88は、例えば、平面視で傾斜通路93b以外の箇所が透明カバー88eによって覆われた構成としており、透明カバー88eを介して遊技球が視認可能となっている。
【0159】
第11の実施形態に例示するように、発射手段53を遊技盤2の下側等に設ける場合にも、回収手段86、移送手段87を、支持枠28等を介して筐体29側に設けることができる。また貯留手段88は透明カバー88eを採用せずに上方が開放した開放状に構成しても良い。この場合には、貯留手段88に遊技球を入れることにより、循環経路R中に遊技球を補充することもできる。
【0160】
また、第11の実施形態では、第1の実施形態と同様に、循環手段54を構成する待機ケース90、貯留手段88、上昇通路93等の外側各壁面に、断熱部を形成しているので、第11の実施形態のような循環手段54においても、当該循環手段54の内壁面や当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減することができ、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段内の封入球の球詰まりを低減できる。また、断熱部に替えてあるいは共に、第4の実施形態の長孔141(連通部)、第5の実施形態の乾燥手段150、第6の実施形態の送風手段160、第7の実施形態の乾燥気体送風手段171、第8の実施形態の加温手段175、第9の実施形態の吸引手段180及び第10の実施形態の少なくとも一つを組み合わせたりしても良い。
【0161】
図36及び図37は本発明の第12の実施形態を例示する。図36及び図37に示すように、この第12の実施形態では、循環手段54を外形が箱状でユニット化したものである。
【0162】
具体的には、第12の実施形態の循環手段54は、例えば合成樹脂成型品からなる正面側ケース体(前壁部材)及び背面側ケース体(後壁部材)を合わせることでその内部空間に遊技球案内通路54aを形成するものであり、ネジなどの締結部品によって支持板104に取り付けられている。なお、係止爪及び被係止部からなる係止機構によって循環手段54を支持板104に取り付ける構成としても良い。例えば、正面側ケース体の内面(背面側ケース体と対向する面)側箇所に、遊技球案内通路54aの天面用壁部及び底面用壁部を突出形成し、この天面用壁部及び底面用壁部の先端が背面側ケース体の内面(正面側ケース体と対向する面)側箇所に近接(又は当接)するように正面側ケース体と背面側ケース体とを合わせることで遊技球案内通路54aを形成している。遊技球案内通路54aは、図36に示すように正面視で右側に下り傾斜した後に左側に下り傾斜した略くの字形状とした通路であり、その上流端箇所に、集球ケース21の排出口80から排出された遊技球を受ける受け口90aが形成され、その下流端箇所に、球送り手段77に連通する排出口が形成されている。球送り手段77は、遊技球案内通路54aから供給される遊技球を1個ずつ発射支持板70の球送り口70aを経て、遊技球の発射後に発射レール71上の発射位置へと送る。遊技球案内通路54aを蛇行通路やS字状通路など種々の形状の通路としても良いし、遊技球案内通路54aの一部に遊技球を補充する補充口90cを備えたり、ファール球を受けるファール球回収口を備えたりしても良い。また、第12の実施形態の循環手段54に、移送手段87、研磨手段55、上昇通路93などの少なくとも一つを設けるようにしてもよい。
【0163】
また、第12の実施形態では、第1の実施形態と同様に、循環手段54の外壁面に、断熱部を形成しているので、第12の実施形態のような循環手段54においても、当該循環手段54の内壁面や当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減することができる。また、断熱部に替えてあるいは共に、第4の実施形態の長孔141(連通部)、第5の実施形態の乾燥手段150、第6の実施形態の送風手段160、第7の実施形態の乾燥気体送風手段171、第8の実施形態の加温手段175、第9の実施形態の吸引手段180及び第10の実施形態の少なくとも一つを組み合わせたりしても良い。
【0164】
図38及び図39は本発明の第13の実施形態を例示する。図36及び図37に示すように、第13の実施形態の循環手段54は、遊技盤2から排出された遊技球を、遊技者が触れられないように透明カバー190aで覆われた皿部190に移送し、この皿部190から発射手段53に循環させるものである。具体的には、循環手段54は、待機ケース90、搬送装置191及び皿部190を備えている。
【0165】
搬送装置191は、表ケースと裏ケースとを一体に組み合わせた箱状ケース体192と、この箱状ケース体192の内部下部側箇所に配設された、移送駆動手段96によって回転される回転移送体94と、箱状ケース体192の内部で回転移送体94の上方箇所に配設された第1従動体193と、箱状ケース体192の内部で第1従動体193の上方箇所に配置された第2従動体194とを備えている。
【0166】
具体的には、この搬送装置191は、図39に示すように、箱状ケース体192の右側下部箇所に形成された取り込み口192aに待機ケース90の待機通路90bからの遊技球が入力され、移送駆動手段96によって回転移送体94が回転(図39では時計回りに回転)することで取り込み口192aに位置する球捕捉部100毎に遊技球が1個捕捉され、回転移送体94の球捕捉部100に捕捉された遊技球が時計回りに移動して第1従動体193の方に搬送される。
【0167】
そして、第1従動体193の下側の球捕捉部100と回転移送体94の球捕捉部100とで遊技球が捕捉された状態となることで、回転移送体94の回転に従動して第1従動体193が反時計回りに回転するとともに第1従動体193の下側で新たに回転移送体94に対向する球捕捉部100と回転移送体94の球捕捉部100とで遊技球が次々と捕捉された状態となり、第1従動体193の球捕捉部100に捕捉された遊技球が反時計回りに移動して第2従動体194の方に搬送される。
【0168】
そして、第2従動体194の下側の球捕捉部100と第1従動体193の球捕捉部100とで遊技球が捕捉された状態となることで、第1従動体193の回転に従動して第2従動体194が時計回りに回転するとともに第2従動体194の下側で新たに第1従動体193に対向する球捕捉部100と第2従動体194の球捕捉部100とで遊技球が次々と捕捉された状態となり、第2従動体194の球捕捉部100に捕捉された遊技球が時計回りに移動して、第2従動体194の上方に搬送され、箱状ケース体192の右側上部箇所に形成された出力口192bから皿部190に排出される。皿部190に貯留された遊技球は通路部を通って貯留手段88に案内され、発射手段53によって遊技盤2に向けて発射される。
【0169】
なお、図39に示すように回転移送体94の上部から時計回りで右横までの範囲箇所が箱状ケース体192に近接し(例えば、球捕捉部100の最窪み箇所から箱状ケース体192までの距離が遊技球の半径程度の距離としている)、当該範囲箇所に遊技球が位置できない構成としているため、球捕捉部100で捕捉した遊技球を第1従動体193に案内することができる。これと同様に、第1従動体193の左半分箇所と、第2従動体194の右斜め上箇所から時計回りで右斜め下箇所とが、箱状ケース体192にそれぞれ近接し、当該範囲箇所に遊技球が位置できない構成としている。
【0170】
なお搬送装置191は、遊技盤2の可変入賞手段11、特別図柄始動手段12または普通入賞手段13への入賞に基づく賞球数、球貸ボタン46の操作に基づく球貸し数だけ上皿に遊技球を供給するように動作するようにしてもよい。
【0171】
また、搬送装置191に替えて、第1の実施形態の移送手段87及び上昇通路93を採用するようにしても良い。
【0172】
また、第13の実施形態では、第1の実施形態と同様に、循環手段54の外壁面に、断熱部を形成しているので、第13の実施形態のような循環手段54においても、当該循環手段54の内壁面や当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減することができる。また、断熱部に替えてあるいは共に、第4の実施形態の長孔141(連通部)、第5の実施形態の乾燥手段150、第6の実施形態の送風手段160、第7の実施形態の乾燥気体送風手段171、第8の実施形態の加温手段175、第9の実施形態の吸引手段180及び第10の実施形態の少なくとも一つを組み合わせたりしても良い。
【0173】
図40〜図42は本発明の第14の実施形態を例示する。図40に示すように、遊技盤2は、その遊技領域7の右下箇所に、普通入賞手段13及び球移動演出装置201を有する装飾遊技部品200が配設されている。
【0174】
図41及び図42に示すように、この装飾遊技部品200の普通入賞手段13に入球した遊技球は、案内通路202を通って遊技盤2の裏面に位置する集球ケース21の排出口80の方に案内される。球移動演出装置201は、この装置内部でのみ封入球を循環させるものであり、その前面側に形成された透明な視認窓203を介して、この装置内部で例えば右上がりに移動する封入球を遊技者に見せることができる。例えば、球移動演出装置201は、画像表示部9bにおける演出図柄9c〜9eの図柄変動演出や大当たり演出等に合わせて、装置内部に封入した封入球を移動させる演出を行う。
【0175】
具体的には、球移動演出装置201は、封入球を移動可能に封入する封入空間が内部形成された本体部204と、この本体部204に配設され、封入空間内において封入球を循環移動させる球移動手段205と、この球移動手段205を駆動する駆動モータ206( 駆動手段) と、封入空間内において封入球を所定数( 実施例では1個) ずつ球移動手段205へ向けて送出する球送り装置207(ソレノイド)とを備え、封入空間内で封入球を循環移動させることで、封入球の移動による演出を行うことができる。
【0176】
球移動手段205は、封入球を移動させるための螺旋状に延在する突出片210aが外周面に形成された回動軸部材210と、この回動軸部材210の下端部を軸支する軸受け部211とを備え、回動軸部材210の上端部が駆動モータ206に連結されて本体部204に回転可能に支持されている。ここで、回動軸部材210は、水平面に対して所定角度傾斜した傾斜姿勢で本体部204に支持されている。また、突出片210aの間に螺旋状に延在する溝部(螺旋状溝部)に沿って摺動可能な状態で封入球が接触するよう構成されており、回動軸部材210の回転に伴って封入球が軸方向に移動される。
【0177】
本体部204は、遊技球を案内する通路であって前後方向に貫通して前方に下り傾斜した第1通路部204aと、この第1通路部204aからの遊技球を右上がりに移動させる右上がり通路部204bと、この右上がり通路部204bの上端に達した遊技球を背後側に案内する通路であって前後方向に貫通して後方に下り傾斜して第1通路部204aに連通するように第1通路部204aに向けて下り傾斜した第2通路部204cとを備えている。
【0178】
図42に示すように、球送り装置207は、パルス通電されることで可動片207aがそのパルス通電期間のみ内部に吸引され、第2通路部204cに貯留されている最下流の封入球に当接させている塞き止め片207bの先端側が当該期間だけ遊技球から離れてその最下流球が流下し、新たな最下流球に塞き止め片207bの先端側が当接するように戻り、流下が止められているので、最下流の遊技球を1個ずつ球移動手段205へ向けて送出することができる。
【0179】
また、球移動演出装置201は、普通入賞手段13や循環手段54とは非接続で独立した構成としているので、この装置内部でのみ封入球を循環させることができる。よって、遊技領域7に打ち込まれた遊技球を利用する必要がなく、任意のタイミングで封入球による移動演出を行うことができる。
【0180】
また、第14の実施形態では、第1の実施形態と同様に、装飾遊技部品200の外壁面に、断熱部を形成しているので、第14の実施形態のような装飾遊技部品200においても、当該装飾遊技部品200の内壁面や当該装飾遊技部品200内の封入球表面の結露を低減することができる。また、断熱部に替えてあるいは共に、第4の実施形態の長孔141(連通部)、第5の実施形態の乾燥手段150、第6の実施形態の送風手段160、第7の実施形態の乾燥気体送風手段171、第8の実施形態の加温手段175、第9の実施形態の吸引手段180及び第10の実施形態の少なくとも一つを組み合わせたりしても良い。
【0181】
図43〜図44は本発明の第15の実施形態を例示する。第15の実施形態では、図43及び図44に示すように、平面視で遊技盤2の裏面側位置の回収手段86で回収された遊技球を発射手段53の前側位置の球送り手段77に循環する循環手段54が配設されている。
【0182】
具体的には、循環手段54は、図44に示すように平面視において、待機通路90bの下流側部分であって遊技盤2よりも前側に位置するように屈曲して下流側に向けて下り傾斜する第1屈曲通路部90fと、遊技盤2よりも前側に位置するように側板24に取り付けられた支持板104と、この支持板104の前面側に位置する移送手段87及び上昇通路93と、この上昇通路93の遊技球案内出力側部分であってさらに前方に屈曲して当該出力側に向けて下り傾斜する第2屈曲通路部93cと、第2屈曲通路部93cの出力口からの遊技球を受けるように当該出力口の下方に開口受け部88fの少なくとも一部が配設された貯留手段88と、発射手段53の前側位置に配設されて貯留手段88から遊技球を受ける球送り手段77と、を備えている。
【0183】
また、貯留手段88及び球送り手段77は板状部材215の前面にそれぞれ取り付けられている。例えば、貯留手段88及び球送り手段77のそれぞれの被係止部(図示省略)に板状部材215の係止爪(図示省略)を係止させることで取り付けられている。なお、ネジ止めや嵌合等による取り付けでも良い。
【0184】
また、発射手段53を支持する発射支持板70は、正面視で右側箇所に板状部材215を開閉可能に支持する開閉支持部217を備えている。この開閉支持部217としては、例えば、発射支持板70の右端下半分箇所で前方に突出した突出片70bの上面部に上向きに突出形成されたピン(図示省略)を、板状部材215の右側箇所に前方に突出した突出片216に形成された挿入孔(図示省略)に挿入するようにして、発射支持板70の突出片70bの上面部に板状部材215の突出片216を載置することで、板状部材215を発射支持板70に対して開閉可能に支持するものが挙げられる。また、板状部材215は、正面視で左側箇所に設けられた止め具(図示省略)により、当該板状部材215を発射支持板70に対して閉状態を維持することができる。止め具としては、例えば、パネルラッチ(蓋止め部品)、ストッパー、錠前など種々ものを採用してもよい。また、止め具の操作部を押すと止め状態となり、引くと解除状態となるワンタッチ式止め具を採用しても良い。なお、第15の実施形態では、発射手段53の前面側から遊技球が供給されるため、発射支持板70は球送り口70aを有していない。
【0185】
図44に示すように、例えば板状部材215の開閉軸の延長線上に第2屈曲通路部93cの出力口が位置しているので、板状部材215が開状態となっても、貯留手段88の開口受け部88fは第2屈曲通路部93cの出力口の下方に位置している。よって、板状部材215の開状態又は閉状態のいずれであっても、第2屈曲通路部93cからの遊技球を確実に貯留手段88の開口受け部88fで受け取ることができる。
【0186】
なお、第2屈曲通路部93cの出力口を下向きに延出した円筒出力口(図示省略)とし、貯留手段88の開口受け部88fを円筒状受け部(図示省略)とし、円筒出力口の内側又は外側に円筒状受け部が同一軸心として回動可能に嵌合させた構成(二重筒構造)としてもよい。この場合には、第2屈曲通路部93cから貯留手段88に遊技球が案内される際に遊技球が筒内を通って案内されるため、遊技球がこぼれ落ちることがない。
【0187】
また、球送り手段77は、発射手段53への遊技球を塞き止めて1個ずつ送り出す機構であることから、板状部材215を開状態にしても、発射手段53に遊技球を供給するための供給口から遊技球が落下しないようになっている。なお、板状部材215が開状態となると、球送り手段77の供給口を、少なくとも遊技球を通過させない程度に塞ぐ構成としても良い。
【0188】
また、第15の実施形態では、第1の実施形態と同様に、循環手段54の外壁面に、断熱部を形成しているので、第15の実施形態のような循環手段54においても、当該循環手段54の内壁面や当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減することができる。また、断熱部に替えてあるいは共に、第4の実施形態の長孔141(連通部)、第5の実施形態の乾燥手段150、第6の実施形態の送風手段160、第7の実施形態の乾燥気体送風手段171、第8の実施形態の加温手段175、第9の実施形態の吸引手段180及び第10の実施形態の少なくとも一つを組み合わせたりしても良い。
【0189】
また、循環手段54の内部結露に限らず、前記基板ケース130〜133等の内部結露を防止又は低減するために、これらの基板ケースの少なくとも一つの基板ケースについて、前記の結露低減手段(断熱部、長孔141(連通部)、乾燥手段150、送風手段160、乾燥気体送風手段171、加温手段175、吸引手段180など)を採用しても良い。
【0190】
また、第1〜第15の実施形態のうちいくつかを組み合わせたり、ある実施形態の一部の構成を他の実施形態(いくつかの実施形態を組み合わせたものを含む)に組み合わせたり、ある実施形態の一部の構成を他の実施形態における一部の構成と組み合わせたり、これらをそれ以外の実施形態に組み合わせたりしても良い。
【0191】
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明はこの各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、各実施形態では、筐体29等の外枠1に遊技盤装着枠52を介して遊技盤2を装着する弾球遊技機として、循環封入式のパチンコ機を例示しているが、循環封入式のパチンコ機以外の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。
【0192】
また循環封入式の場合にも、発射手段53、循環手段54は遊技盤2の下部又は遊技盤2の下側に対応して外枠1に設けても良い。循環封入式以外の場合にも、発射手段53は遊技盤2の下部又は遊技盤2の下側に対応して外枠1に設けても良い。
【0193】
更に実施形態では、外枠1の遊技盤装着枠52に対して前側から遊技盤2を着脱自在に装着するように構成しているが、外枠1の遊技盤装着枠52に対して裏側から遊技盤2を装着するようにしても良い。
【0194】
外枠1と、この外枠1の前側に開閉自在に枢着された前枠137とを備えた遊技機本体136において、前枠137に遊技盤装着枠52を介して装着された遊技盤2と発射手段53とを設ける場合にも、回収手段86、移送手段87を含む循環手段54を外枠1に設けるようにしても良い。
【0195】
遊技領域7の外側で遊技盤2に切り欠き部67又は開口部135を設けて、遊技機本体136側の発射手段53がその切り欠き部67又は開口部135を経て出退するように構成する場合、その切り欠き部67等の位置は遊技盤2の上部の他、遊技盤2の上下方向の中間部、又は遊技盤2の下部等でも良い。また発射手段53と遊技領域7との間の仕切り部8aは、発射支持板70の前面に設けても良い。
【0196】
遊技島に固定される外枠1は、前側に開放する開口を有する筐体29の他、矩形枠状のものでも良い。また筐体29等を含む外枠1により遊技機本体136を構成する他、遊技機本体136は矩形枠状の外枠1と、この外枠1の前側に開閉自在に枢着される前枠137とにより構成しても良い。その場合、遊技盤装着枠52及び遊技盤2は外枠1に設ける以外に、遊技機本体136の一部を構成する前枠137に設けても良い。その場合の外枠1は筐体29でも良いし、矩形枠状のものでも良い。
【0197】
遊技盤2は遊技盤装着枠52が筐体29内にある場合には、遊技盤装着枠52に対して前側から装着することになるが、遊技盤装着枠52が前枠137にある場合には遊技盤2は前後の何れから装着するようにしても良い。遊技領域7を視認可能に配置されるガラス扉4等の開閉扉は、前枠137がある場合には前枠137に枢着すれば良い。筐体29内に左右方向に架設された支持枠28は省略しても良いし、支持枠28と遊技盤装着枠52とは別々に設けても良い。遊技盤装着枠52は遊技盤2を安定的に装着できる構造であればよく、実施形態に例示の構造に限定されるものではない。
【0198】
実施形態では遊技盤2と発射手段53との間で遊技球を循環させる循環式のパチンコ機について例示しているが、循環式のアレンジボール機の他、遊技盤2を通過した遊技球を機外に排出する非循環式パチンコ機、アレンジボール機を含む各種の弾球遊技機に採用することも可能である。
【0199】
また循環式の弾球遊技機において、循環手段54を外枠1側に設ける場合、その循環手段54を外枠1に直接固定しても良いし、ブラケットその他の適宜手段を介して外枠1に固定しても良い。例えば実施形態に例示するように回収手段86と貯留手段88と移送手段87とを備えた循環手段54の場合、回収手段86は支持枠28に、貯留手段88は遊技盤装着枠52の上部側に、移送手段87の下部側は支持枠28に、移送手段87の上昇通路93は遊技盤装着枠52の側部側に夫々適宜手段を介して固定しても良いし、他の箇所に固定しても良い。
【0200】
循環手段54の回収手段86と貯留手段88は、発射手段53の位置に応じて何れを上に配置しても良い。実施形態のように発射手段53が遊技機本体136の上部側にある場合には、その発射手段53に対応して貯留手段88が回収手段86よりも上側に配置することになるが、発射手段53が遊技機本体136の下部側にある場合には、貯留手段88を回収手段86よりも下側に配置しても良い。貯留手段88を回収手段86よりも下側に配置した場合、移送手段87は遊技球の転がりにより回収手段86から貯留手段88へと移送するように構成すれば良い。
【0201】
発射手段53は遊技機本体136の上下方向の最適位置に配置すれば良い。発射手段53から遊技領域7までの遊技球の案内経路を短くする場合には、発射手段53を遊技盤2の上下幅内に配置するか、又は極力遊技盤2の近傍に配置することが望ましい。発射手段53が遊技盤2の上下幅内か又はその近傍にある場合には、貯留手段88、移送手段87の上昇通路93等は遊技盤2の裏側に配置することになる。
【0202】
回収手段86から貯留手段88へと遊技球を上昇させる上昇式の移送手段87には、実施形態のような構成のスプロケット式を採用すれば、回収手段86から貯留手段88までの揚程を大にできる利点があるが、他のスクリュー式、ベルトコンベア式、バケットコンベヤ式等を採用しても良い。また移送手段87は待機中の遊技球が所定数以上となる都度、その待機中の遊技球の全てを移送するまで作動する他、入口部105に遊技球が到達する都度に作動して移送するようにしても良いし、常時作動するようにしても良い。常時作動する場合の移送手段87は、スクリュー式、ベルトコンベア式、バケットコンベヤ式が望ましい。
【符号の説明】
【0203】
2 遊技盤
7 遊技領域
53 発射手段
54 循環手段
140 結露低減手段
141 長孔(連通部)
150 乾燥手段
160 送風手段
175 加温手段
171 乾燥気体送風手段
185 気温・相対湿度検出手段
186 表面温度検出手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機等の弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アレンジボール機等の循環封入式の弾球遊技機には、遊技機本体を構成する外枠と前枠との内、その前枠に遊技盤と、遊技盤の遊技領域へと遊技球を発射する発射手段と、遊技盤を通過した遊技球を発射手段に循環する循環手段とを装着し、遊技盤の遊技領域を視認可能なガラス扉を前枠に開閉自在に装着したものがある(特許文献1)。
【0003】
外枠は前面側が開口する筐体により構成されており、この筐体の左右方向の一側にヒンジを介して縦軸廻りに開閉自在に前枠が装着されている。前枠は遊技盤装着枠と支持板とを上下に備え、その遊技盤装着枠に遊技盤が裏側から着脱自在に装着され、また支持板の前面に発射手段が、裏面に循環手段が夫々装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−104434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の弾球遊技機では、循環手段は、遊技盤からの遊技球を、回収通路を経て待機通路へと集めて、その待機通路の遊技球を球送り装置により発射手段へと供給する構成であり、遊技ホールの営業終了後に遊技球を抜き取る必要はなく、遊技球の封入状態が維持されているが、例えば、寒冷地での冬季において、循環手段内に封入された遊技球(以下、適宜に「封入球」と呼ぶことがある)の球詰まりが生じ易いという問題がある。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、循環手段内の封入球の球詰まりを低減できる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、発明者が鋭意研究した結果、寒冷地での冬季において、昼間の営業中と夜間の閉店中との温度差により、遊技球が外部に露出しない構造である封入式の循環手段内における遊技球に結露が発生していることがあり、遊技球が濡れたままで翌日の営業を開始してしまい、遊技球自体が錆びることや、その錆が循環手段内に落下することで当該循環手段内において遊技球の球詰まりを生じているという相当因果関係を知見した。そこで、発明者はこの知見によって得られた新規な課題を解決するべく、以下の構成に想到することができたのである。
【0008】
本発明は、遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段とを備えた弾球遊技機において、前記遊技盤から排出された遊技球を前記発射手段に案内可能な循環経路を構成する循環手段と、前記循環手段の循環経路内壁面または当該循環手段内の遊技球表面の結露を低減する結露低減手段とを備えたものである。
【0009】
前記結露低減手段は、前記循環手段の循環経路内壁面または当該循環手段内の遊技球表面とその周囲気体との温度差を低減する温度差低減手段としても良い。前記結露低減手段は、前記循環手段内の気体の水蒸気量を低減する水蒸気量低減手段としても良い。前記結露低減手段は、前記循環手段内の遊技球表面を拭く拭き取り手段又は当該循環手段内の遊技球表面に気体を吹き当てる若しくは遊技球表面の水滴を吸引する手段としても良い。前記温度差低減手段は、前記循環手段の循環経路内部に気体を送風する送風手段、前記循環手段に形成され且つ当該循環手段の外部と循環経路内部とを連通する連通部、前記循環手段に設けられた断熱部、又は、前記循環手段若しくは当該循環手段内の遊技球を加温する加温手段のうち少なくとも一つを備えたものとしても良い。前記水蒸気量低減手段は、前記循環手段の循環経路内に乾燥気体を送風する乾燥気体送風手段、又は、前記循環手段の循環経路内の気体を乾燥させる乾燥手段のうち少なくとも一つを備えたものとしても良い。
【0010】
前記循環手段内の気温及び相対湿度を検出する気温・相対湿度検出手段と、気温と相対湿度による空気の露点温度を記憶する記憶手段と、前記循環手段の循環経路の内壁面温度又は当該循環手段内の遊技球表面温度を検出する表面温度検出手段と、前記気温・相対湿度検出手段で検出された気温及び相対湿度に基づいて露点温度を求め、前記表面温度検出手段で検出された表面温度が露点温度又は当該露点温度よりも高い所定温度に達した場合に、前記送風手段、前記加温手段又は前記乾燥気体送風手段を動作させる制御手段を備えたものとして良い。
【0011】
前記循環手段の循環経路の内壁面温度又は当該循環手段内の遊技球表面温度を検出する表面温度検出手段と、前記表面温度検出手段で検出された表面温度が規定値以下の場合に、前記発射手段の動作を停止させる制御手段を備えたものとして良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、結露低減手段によって循環手段の循環経路内壁面または当該循環手段内の遊技球表面の結露を低減することができるので、遊技球自体が錆びることや、その錆が循環手段内に落下することを低減でき、循環手段内の封入球の球詰まりを低減できる弾球遊技機を提供することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態を例示するパチンコ機の斜視図である。
【図2】同パチンコ機のガラス扉、下部扉を取り外した状態の正面図である。
【図3】同筐体側の正面図である。
【図4】同筐体側の斜視図である。
【図5】同パチンコ機の側面断面図である。
【図6】同パチンコ機の平面断面図である。
【図7】同パチンコ機の平面断面図である。
【図8】同循環経路の説明図である。
【図9】同施錠手段の側面断面図である。
【図10】同発射手段の正面図である。
【図11】同発射手段の側面断面図である。
【図12】同遊技盤下部から回収手段の一部破断側面図である。
【図13】同遊技盤下部から回収手段の正面断面図である。
【図14】同循環手段の斜視図である。
【図15】同移送手段の正面断面図である。
【図16】同移送手段の側面図である。
【図17】同移送手段の拡大正面断面図である。
【図18】同移送手段の拡大側面断面図である。
【図19】同研磨手段の正面断面図である。
【図20】同研磨手段の平面断面図である。
【図21】本発明の第2の実施形態を示す筐体側の正面図である。
【図22】本発明の第3の実施形態を示すパチンコ機の一部破断平面図である。
【図23】同筐体側の斜視図である。
【図24】本発明の第4の実施形態を示す循環手段の斜視図である。
【図25】本発明の第5の実施形態を示す循環手段の斜視図及び一部破断拡大斜視図である。
【図26】本発明の第6の実施形態を示す循環手段の斜視図である。
【図27】同送風手段の正面図である。
【図28】同送風手段の斜視図である。
【図29】本発明の第7の実施形態を示す乾燥気体送風手段の斜視図である。
【図30】本発明の第8の実施形態を示す循環手段の斜視図である。
【図31】本発明の第9の実施形態における吸引手段の正面図及び下側案内部を介して見た平面図である。
【図32】本発明の第10の実施形態を示す移送手段の拡大正面断面図である。
【図33】同実施形態における記憶テーブルを示す図である。
【図34】本発明の第11の実施形態におけるパチンコ機のガラス扉、下部扉を取り外した状態の下部側を示す一部正面図である。
【図35】同パチンコ機の平面断面図である。
【図36】本発明の第12の実施形態におけるパチンコ機のガラス扉、下部扉を取り外した状態の下部側を示す一部正面図である。
【図37】同パチンコ機の平面断面図である。
【図38】本発明の第13の実施形態におけるパチンコ機のガラス扉、下部扉を取り外した状態の下部側を示す一部正面図である。
【図39】同パチンコ機の搬送装置の正面図である。
【図40】本発明の第14の実施形態の遊技盤下部側を示す一部正面図である。
【図41】球移動演出装置の正面図である。
【図42】球移動演出装置の背面図である。
【図43】本発明の第15の実施形態におけるパチンコ機のガラス扉、下部扉を取り外した状態の下部側を示す一部正面図である。
【図44】同パチンコ機の平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図20は本発明を循環封入式のパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示する。パチンコ機は、図1及び図2に示すように、遊技島に固定される外枠1と、外枠1内に着脱自在に装着された遊技盤2と、外枠1の前側にヒンジ3により縦軸廻りに開閉自在に枢着され且つ遊技盤2を前側から覆うガラス扉(開閉扉)4と、外枠1の前側にヒンジ5により縦軸廻りに開閉自在に枢着され且つガラス扉4の下側を前側から覆う下部扉6とを備えている。なお、ヒンジ3,5は左右一端側に配置され、ガラス扉4、下部扉6を略同一軸心廻りに開閉自在に枢支する。
【0015】
遊技盤2は図2に示すように正面視略矩形状であって、この遊技盤2の前面外周部には、内側の遊技領域7の全周を取り囲む飾り部材8が装着され、また遊技領域7に画像表示手段9、普通図柄始動手段10、可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13、普通図柄表示手段14、特別図柄表示手段15等の各種の遊技部品が配置され、最下部にアウト球を裏側へと案内するアウト口16が設けられている。
【0016】
遊技領域7の上側には飾り部材8の内周に沿って左右方向に円弧状に湾曲するガイドレール17が配置され、このガイドレール17の一方側に球入口18が、他方側に遊技球の緩衝体19が夫々設けられている。図5に示すように、遊技盤2の裏側には画像表示手段9等の遊技部品を裏側から覆う裏カバー20と、可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13等の遊技部品を裏側から覆い且つ遊技盤2の裏側に誘導された遊技球を集めて遊技盤2の下方へと排出する集球ケース21とが上下に装着されている。
【0017】
外枠1は図2〜図4に示すように左右一対の側板23,24と、この両側板23,24の上端部を左右に連結する天板25と、両側板23,24の下端部を左右に連結する底板26と、その両側板23,24、天板25及び底板26に跨がって裏側に装着された裏板27と、両側板23,24の上下方向の中間に左右方向に架設された支持枠28とを有する筐体29により構成され、前側が開放する開口となっている。
【0018】
ガラス扉4、下部扉6は筐体29の開口を前側から塞ぐように上下に配置されており、筐体29の一方の側板23にヒンジ3,5により開閉自在に枢着され、筐体29の他方の側板24との間の施錠手段30,31により閉状態で施錠可能である。
【0019】
ガラス扉4は、図5、図6に示すように、遊技盤2の遊技領域7に対応する視認窓33を有する扉枠34と、その視認窓33に対応して扉枠34に装着されたガラス板(透明板)35とを備え、ガラス板35を介して遊技領域7を視認するようになっている。扉枠34は鉄板等の枠板34aと、この枠板34aの前面に装着された化粧カバー34b等を備えている。ガラス板35は前後に2枚配置されている。なお、ガラス扉4のガラス板35には、2枚のガラス板35を外周の保持部材36により保持したガラス板ユニット37が使用され、図外の固定具により扉枠34の裏面に着脱自在に装着されているが、2枚のガラス板35を着脱自在に設けたものでも良い。
【0020】
下部扉6の前面側には、図1に示すように、ガラス扉4の下側で前上向きに突出する表示操作パネル39と、この表示操作パネル39の左右方向の略中央部分の下側で前上向きに傾斜するタッチパネル式の表示パネル40と、この表示パネル40の一側に配置された発射ハンドル41とが設けられている。表示操作パネル39はチャンスボタン42、プリペイド表示部(遊技価値表示部)43、遊技球表示部44、持ち球表示部45、球貸ボタン46、返却ボタン47、精算ボタン48等が配置されている。表示操作パネル39と表示パネル40間等の適当箇所に遊技者を撮像するカメラ49が設けられている。
【0021】
外枠1を構成する筐体29内には、図2〜図7に示すように、遊技盤2が着脱自在に装着された遊技盤装着枠52と、遊技盤2の遊技領域7へと遊技球を発射する発射手段53と、遊技盤2を通過した遊技球を回収して発射手段53へと循環させる循環手段54と、循環中の遊技球を研磨して汚れを除去する研磨手段55(図8参照)とが設けられている。
【0022】
発射手段53、遊技盤2及び循環手段54は、図8に示すように閉回路状の循環経路Rを構成し、この循環経路R内に封入された所定数の遊技球を発射手段53と遊技盤2との間で循環させながらゲームを行うようになっている。
【0023】
遊技盤装着枠52は筐体29の両側板23,24間に架設された支持枠28から上側に設けられており、図2、図3に示すように、支持枠28の前部側に設けられ且つ遊技盤2の下側を受ける下受け部57と、この下受け部57から上側で両側板23,24の内面に設けられ且つ遊技盤2の左右両側部を受ける側受け部58,59と、天板25の内側に設けられ且つ遊技盤2の上側を受ける上受け部60とを有し、これらの受け部57〜60内に遊技盤2が前側から着脱自在に嵌め込まれて、その裏面外周が各受け部57〜60の当接部57a〜60aに当接するようになっている。
【0024】
遊技盤装着枠52は筐体29内で裏側が開放状になっており、遊技盤2を遊技盤装着枠52に装着したときに、支持枠28の上側で遊技盤2の裏カバー20、集球ケース21の後部が遊技盤装着枠52から後方に突出するようになっている。遊技盤装着枠52は遊技盤2の裏カバー20、集球ケース21を後方から覆うようにしても良い。側受け部59と、上受け部60には、図5、図7に示すように、遊技盤装着枠52内に遊技盤2を押し込んだときに、遊技盤2を側受け部58と、下受け部57側へと押圧する押圧部59b,60bが設けられている。
【0025】
支持枠28は左右の側板23,24に跨がって略水平状に架設されており、その前部側に下受け部57が左右方向に設けられている。なお、この支持枠28は各機構部品の取り付け用と、筐体29の補強用とを兼用している。側受け部58,59と上受け部60は支持枠28の前後幅よりも幅の狭い材料により正面視門型状に構成されている。なお、下受け部57は支持枠28の上側に別体に設けても良い。
【0026】
遊技盤装着枠52には、図3、図4、図6に示すように、ヒンジ3側である左右一端側の側受け部58に係合部58bが、他端側に遊技盤装着枠52内の遊技盤2を着脱自在に固定する上下一対の固定手段63が夫々設けられている。遊技盤2を筐体29に装着する際には、遊技盤2の左右一端側を遊技盤装着枠52内に挿入して係合部58bに係合した後、その係合状態で遊技盤2の他端側を後方に押圧して遊技盤装着枠52内に遊技盤2を押し込むことにより、固定手段63で遊技盤2を遊技盤装着枠52に固定できるようになっている。
【0027】
係合部58bは側受け部58の前側に設けられている。固定手段63は遊技盤2の端縁を前後両側から挟んで係合するコ字状の係合体63aと、遊技盤装着枠52の前面に固定された支持体63bと、支持体63bに設けられ且つ係合体63aを待機位置と固定位置との間で姿勢変更可能に支持するリンク機構63cとを有する。そして、この固定手段63は、遊技盤2を待機位置にある係合体63aに当接して遊技盤装着枠52側に押圧したときに、係合体63aが待機位置から固定位置へと回動して遊技盤装着枠52内で遊技盤2を固定でき、またリンク機構63cの操作部を遊技盤2の離脱方向に操作したときに、係合体63aが固定位置から待機位置へと回動して遊技盤装着枠52内の遊技盤2の端部側を前側へと押し出すようになっている。支持体63bは遊技盤装着枠52の前面側に装着されている。
【0028】
下側の固定手段63は支持枠28から上側に突出する支持台28aの前面に着脱自在に固定され、上側の固定手段63は上受け部60の当接部60aの前面に着脱自在に固定されている。なお、各固定手段63は遊技盤装着枠52の一部に取り付けることが望ましいが、外枠1の側板23,24の内面等に固定しても良い。固定手段63は他の構造のものでも良い。
【0029】
施錠手段30,31は、図6、図7、図9に示すようにガラス扉4用と下部扉6用とがあり、筐体29の側板24と遊技盤装着枠52の側受け部59との間にガラス扉4、下部扉6に対応して上下方向に配置されている。ガラス扉4用の施錠手段30は、ガラス扉4の裏側に複数個(例えば2個又は4個)設けられた被係合部30aと、筐体29側のブラケット64に枢軸30bにより枢支され且つ各被係合部30aに係脱自在に係合する複数個の係合具30cと、各係合具30cを上下に連動させる連動部材30dと、連動部材30dを介して係合具30cを係合方向に付勢するバネ30eとを備えている。
【0030】
下部扉6用の施錠手段31は、ガラス扉4用と同様に、下部扉6の裏側に複数個(例えば2個又は4個)設けられた被係合部31aと、筐体29側のブラケット64に枢軸31bにより枢支され且つ各被係合部31aに係脱自在に係合する複数個の係合具31cと、各係合具31cを上下に連動させる連動部材31dと、連動部材31dを介して係合具31cを係合方向に付勢するバネ31eとを備えている。
【0031】
両施錠手段30,31の連動部材30d,31dは左右に近接して配置され、その各連動部材30d,31dに操作手段65の係合体65aが係合する係合孔30f,31fが設けられている。操作手段65は筐体29の側板24の前面に装着されており、前後方向の操作軸65bを有し、その操作軸65bの後端に係合体65aが設けられている。そして、操作手段65の前面のキー孔にキー65cを挿入して操作軸65bを正方向に操作すると、係合体65a、連動部材30dを介してガラス扉4用の施錠手段30を解除でき、また操作軸65bを逆方向に操作すると、係合体65a、連動部材31dを介して下部扉6用の施錠手段31を解除できる。
【0032】
発射手段53は、図2に示すように、遊技盤2の周縁近傍、取り分け遊技盤2の外縁の延長線上よりも内側において、遊技盤2の左右一側の上部に形成された切り欠き部67内に配置され、遊技盤2を着脱するときに切り欠き部67に対して前後方向に相対的に出退するように、裏側で筐体29側、例えば遊技盤装着枠52に装着されている。
【0033】
切り欠き部67は遊技盤2を着脱するときに、遊技盤2と発射手段53とが干渉しない大きさ、形状であって、図2、図7、図10、図11に示すように、遊技盤2の上側の外縁及び左側の外縁よりも内側に配置され、外周から遊技領域7側へと突出するように形成されている。遊技盤2の前面には、切り欠き部67と遊技領域7との間に両者を区画する飾り部材8の仕切り部8aが設けられており、この仕切り部8aの内側上部に、ガイドレール17に連続又は近接して球入口18が設けられている。
【0034】
球入口18には遊技領域7内の遊技球の戻りを阻止する戻り球阻止具68が設けられている。戻り球阻止具68は弾性片、揺動片等により構成され、発射手段53から発射された遊技球の遊技領域7内への通過を許容するようになっている。
【0035】
発射手段53は、図2、図7、図10、図11に示すように、その前面が遊技盤2の前面と略面一又は前後近傍に配置された発射支持板70と、この発射支持板70の前面に固定された発射レール71と、発射支持板70の前面に固定され且つ発射レール71上の遊技球を発射位置に位置決めするストッパー72と、発射支持板70の前面に配置され且つ発射支持板70に前後方向に挿通された打撃軸73廻りに回転して発射レール71の発射位置上の遊技球を遊技領域7へと打撃する打撃槌74と、打撃槌74を打撃軸73廻りに回転駆動するロータリソレノイド等の発射駆動手段75と、発射レール71上の遊技球の発射を検出する発射検出スイッチ76とを有する。
【0036】
発射支持板70は遊技盤装着枠52から前側に突出する取り付け部58cにネジ等で前側から着脱自在に固定されている。発射駆動手段75は発射支持板70の裏面に固定され、遊技者が発射ハンドル41を把持したときに、発射ハンドル41の回転操作量に応じた打撃力で打撃槌74を打撃軸73廻りに駆動するようになっている。発射レール71は上側に略V字状の案内溝71aを有し、打撃槌74により打撃された遊技球を球入口18からガイドレール17に沿って遊技領域7内へと案内するようになっている。なお、遊技盤装着枠52には、発射駆動手段75、球送り手段77に対応して開口部58dが設けられている。
【0037】
発射支持板70には発射レール71上の発射位置へと遊技球を落下させる球送り口70aが設けられ、この球送り口70aに対応して発射支持板70の裏面に球送り手段77が装着されている。球送り手段77は発射手段53の遊技球の発射動作、例えば打撃槌74の打撃軸73廻りの回転運動に連動して作動し、発射手段53が遊技球を発射する毎に、後述の貯留手段88の送り通路88dから供給される遊技球を1個ずつ発射支持板70の球送り口70aを経て、遊技球の発射後に発射レール71上の発射位置へと送るようになっている。なお、球送り手段77には周知のものが使用されている。球送り手段77は打撃槌74の発射動作に機械的に連動して作動しても良いし、電気的に連動して作動しても良い。
【0038】
遊技領域7の上部側は、図2に示すように飾り部材8により略円弧状に形成されている。飾り部材8には発射手段53の内側に仕切り部8aが遊技領域7の中心側へと突出して設けられている。ガラス扉4には、図1、図5、図7に示すように、発射手段53、遊技盤2の切り欠き部67に対応して、この発射手段53、切り欠き部67を前側から覆う覆い部78が設けられている。覆い部78は視認窓33の中心側に突出して扉枠34に設けられている。
【0039】
集球ケース21は図4に示すように上側及び前側が開放する形状であって、遊技盤装着枠52の下受け部57と緩衝しないように、遊技盤2の下端よりも上側で遊技盤2の裏面に装着されている。この集球ケース21の底壁79には、図4、図6、図12、図13に示すように、左右方向の略中央側等の適当箇所に遊技球を下方に排出する排出口80と、この排出口80へと遊技球を案内する傾斜壁81とを前後に備え、その左右両側は排出口80、傾斜壁81へと遊技球を案内するように傾斜状に構成されている。
【0040】
排出口80はアウト口16の下方で遊技盤2の裏面近傍に配置され、この排出口80の後側に傾斜壁81が設けられている。傾斜壁81の上面には、傾斜方向に沿った前後方向の突条81aが左右方向に複数設けられており、左右両側の遊技球が突条81a上に落下して、その突条81aにより排出口80側へと案内されるようになっている。なお、集球ケース21の排出口80は左右方向の略中央に配置しているが、左右方向の一側に配置しても良いし、遊技盤2から後方に離れて底壁79の後部に配置しても良い。
【0041】
図6に示すように、遊技盤2の裏側には盤側ジョイント部83が、外枠1内には枠側ジョイント部84が前後に対応して夫々設けられている。この盤側ジョイント部83、枠側ジョイント部84は遊技盤2を遊技盤装着枠52に着脱するに際して、図6に二点鎖線で示すように、遊技盤2の一端側を遊技盤装着枠52内に挿入して一端側を支点として他端側を前後方向に回動させたときに、相対応する盤側ジョイント部83の盤側コネクタ83aと枠側ジョイント部84の枠側コネクタ84aとが電気的に接続するようになっている。
【0042】
盤側ジョイント部83は集球ケース21(又は保護カバー)の左右方向の一側の傾斜段部21aの裏面に設けられている。この盤側ジョイント部83は、傾斜段部21aの裏面に配置された中継基板83bを有し、この中継基板83bに盤側コネクタ83aと中継コネクタ83cとが左右に装着されている。盤側コネクタ83aは左右方向の外側に、中継コネクタ83cは左右方向の内側に夫々配置され、また盤側コネクタ83aと中継コネクタ83cとの間には、中継コネクタ83cに接続されたハーネス(図示省略)を外側から覆うカバー83dが設けられている。
【0043】
枠側ジョイント部84は支持枠28から上側に突出する支持台28a上に起立状態に固定されたケース体84bを有し、そのケース体84bの前面の傾斜装着面に上下及び左右方向に所定範囲内で遊動可能に枠側コネクタ84aが装着されている。盤側コネクタ83a、枠側コネクタ84aは上下方向に所定の間隔をおいて複数個設けられており、遊技盤2を着脱するときに盤側コネクタ83aと枠側コネクタ84aとの内、その一方の多数の接続ピンが他方の多数の接続孔に対して前後方向に挿脱して、両コネクタ83a,84a同士が電気的に着脱するようになっている。なお、盤側コネクタ83a、枠側コネクタ84aは左右方向に長くなっている。
【0044】
盤側ジョイント部83、枠側ジョイント部84の対向面は、その盤側コネクタ83aと枠側コネクタ84aとの接続状態において、その挿脱部分の前後方向の略中央が遊技盤2の一端側の係合部58b近傍を通る仮想線分上に位置するように構成されており、例えば集球ケース21の傾斜段部21a、盤側ジョイント部83の中継基板83b、枠側ジョイント部84のケース体84bの傾斜装着面が仮想線分と略平行になっている。従って、遊技盤2を装着する際には、盤側コネクタ83aと枠側コネクタ84aとがヒンジ3に近い側から、逆に遊技盤2を離脱する際にはヒンジ3から遠い側から順次挿脱する。
【0045】
画像表示手段9は、図2に示すように、遊技盤2に装着された前飾り枠9aと、この前飾り枠9aの表示窓に対応して配置された画像表示部9bとを有する。普通図柄始動手段10は遊技盤2の前面で遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成されている。可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13は入賞した遊技球を遊技盤2の裏側へと誘導する入賞手段11〜13を構成し、可変入賞手段11が左右方向の略中央に、特別図柄始動手段12が画像表示手段9と可変入賞手段11との間に、普通入賞手段13が可変入賞手段11の左右両側に夫々配置されている。アウト口16は可変入賞手段11の下側で遊技領域7の最下部に配置されている。
【0046】
循環経路Rは発射手段53から遊技盤2へと遊技球を案内する往路と、遊技盤2を通過した遊技球を回収して発射手段53側に戻す復路とを有する閉回路に構成され、その復路に循環手段54が設けられている。
【0047】
循環手段54は、図2、図3、図14に示すように、遊技盤2の下方に配置され且つ遊技盤2を通過した遊技球を回収する回収手段86と、この回収手段86により回収された遊技球を発射手段53側へと移送する回転式の移送手段87と、この移送手段87により移送された発射用の遊技球を貯留する貯留手段88と、この貯留手段88内の遊技球を発射手段53の発射動作に連動して1個ずつ発射手段53へと送る球送り手段77とを有する。
【0048】
回収手段86は、図12〜図14に示すように、集球ケース21の排出口80から落下する遊技球を受け入れる受け入れ手段89と、受け入れ手段89からの遊技球を移送手段87へと案内し待機させる待機ケース90とを有し、発射手段53、貯留手段88及び球送り手段77、少なくとも貯留手段88よりも下側に配置されている。受け入れ手段89は回収口89aと、この回収口89aからの遊技球を下方に案内させる回収通路89bと、回収通路89bを通過する遊技球を検出する回収検出スイッチ89cとを有する。
【0049】
回収口89aは集球ケース21の排出口80の下側で支持枠28から上側に突出して一体に設けられ、排出口80から落下する遊技球を受け入れて下方へと案内するようになっている。回収通路89bは回収口89a側の遊技球を円滑に案内できるように左右方向に近接して複数配置され、下受け部57の後方近傍で下方に突出するように支持枠28に一体に設けられている。回収検出スイッチ89cは遊技球が通過する通孔を有し、回収通路89bの上下方向の中間、例えば支持枠28の下側近傍で回収通路89bに対して略直交方向に配置されている。各回収検出スイッチ89cは上下に位置を変えて千鳥状に配置されている。
【0050】
待機ケース90は、例えば樹脂成形部品であり、回収通路89bの下側で上向きに開口する受け口90aと、この受け口90aから移送手段87の入口側へと傾斜状に設けられた待機通路90bとを有し、支持枠28の下側に適宜ブラケット等を介して取り付けられている。受け口90aには回収通路89bの下側から前側に張り出す漏斗状の補充口90cが一体に設けられ、循環経路R内に封入された遊技球の球数が減少したときに、この補充口90cから循環経路R内に遊技球を補充するようになっている。なお、補充口90cは移送手段87の入口より上手側、望ましくは待機通路90bの整列部よりも上手側にあれば良い。
【0051】
また、待機通路90bの外側各壁面には、結露低減手段としての図示省略の断熱層が形成されている。この断熱層としては、例えば、断熱シートあるいは断熱フィルムを貼り付けることで形成している。なお、上記断熱シートあるいは断熱フィルム以外として、待機通路90bの外側各壁面に断熱塗料を塗ったりしても良い。この断熱層により、待機通路90bの外部の気温が低くなっても当該待機通路90bの内部や遊技球が冷えることを低減できる。
【0052】
待機通路90bは少なくとも移送手段87の入口側では待機中の遊技球を一列状に整列させるようになっており、また待機通路90bに所定数、例えば5個又は10個以上の遊技球があることを検出する待機検出スイッチ91(図13参照)と、待機通路90bの遊技球が全て移送されて待機通路90bに遊技球がないことを検出する移送検出スイッチ91b(図15参照)とが設けられている。
【0053】
貯留手段88は発射手段53による遊技球の発射中に遊技球が途切れないように、発射手段53の連続的な発射に必要な数の遊技球を常時貯留するためのものであって、図3〜図6に示すように、遊技盤2の上部側に配置された発射手段53の上手に設けられる球送り手段77よりも上流側において、筐体29内の遊技盤装着枠52よりも裏側に配置されている。なお、球送り手段77の遊技球の貯留数は、移送手段87の停止中も発射手段53の発射用の遊技球が殘存する数となっている。
【0054】
この貯留手段88は、例えば樹脂成形部品であり、図3〜図6、図14に示すように、遊技球が左右方向に配置され且つ逆方向に傾斜する上流側貯留通路88a及び下流側貯留通路88bと、両貯留通路88a,88bを接続する短い接続通路88cと、下流側貯留通路88bの下手側を球送り手段77に接続する短い送り通路88dとを有する平面視略U字状により構成されている。なお、各通路88a〜88dをその他の形状の屈曲通路により構成しても良い。
【0055】
各通路88a〜88d内は遊技球が一列状に整列して球送り手段77へと転動するように角筒、円筒等の筒体により構成されている。送り通路88dは球送り手段77の入口に連通している。なお、貯留手段88はブラケット等を介して筐体29の天板25、遊技盤装着枠52等に取り付けられている。
【0056】
また、各通路88a〜88dの外側各壁面にも、前述した待機通路90bの断熱層と同様の断熱層(図示省略)が形成されている(例えば、断熱シートあるいは断熱フィルムが貼り付けられている)。なお、各通路88a〜88dの外側各壁面に断熱塗料を塗ったりしても良い。この断熱層により、各通路88a〜88dの外部の気温が低くなっても当該各通路88a〜88dの内部や遊技球が冷えることを低減できる。
【0057】
移送手段87は遊技盤2よりも下側に配置された回収手段86の待機通路90bからの遊技球を遊技盤2の上部側に配置された貯留手段88へと移送するように構成されている。この移送手段87は、図14〜図18に示すように、遊技盤装着枠52の裏側で縦方向に配置され且つ上端が上流側貯留通路88aの最上手側に接続された上昇通路93と、回収手段86の待機通路90b内の遊技球を上昇通路93の下側へと送り込む回転移送体94と、回収手段86の待機通路90bと上昇通路93との間で回転移送体94に沿ってその下側に設けられた案内部材95と、回転移送体94を駆動する移送駆動手段96とを有する。
【0058】
上昇通路93は、例えば樹脂成形部品であり、図5、図6に示すように、貯留手段88側と同様に遊技球が一列状に並ぶ程度の寸法を有する角筒、円筒等の筒体により構成され、支持枠28の切り欠き部67を経て上下方向に配置されている。
【0059】
また、上昇通路93の外側各壁面にも、前述の断熱層と同様の断熱層(図示省略)が形成されている(例えば、断熱シートあるいは断熱フィルムが貼り付けられている)。なお、上昇通路93の外側各壁面に断熱塗料を塗ったりしても良い。この断熱層により、上昇通路93の外部の気温が低くなっても当該上昇通路93の内部や遊技球が冷えることを低減できる。
【0060】
回転移送体94は外周に多数の球捕捉部100が形成され且つ周溝(又は間隔)98を介して前後両側に配置された前後一対の回転スプロケット99を備え、前後方向の回転軸109廻りの回転により、両回転スプロケット99の球捕捉部100で捕捉した遊技球を案内部材95に沿って案内するようになっている。両回転スプロケット99間の間隔は図18に示すように遊技球の直径よりも若干小であり、またその球捕捉部100は図17に示すように遊技球の直径よりも若干小さい直径で円弧状に凹入している。
【0061】
なお、各回転スプロケット99の球捕捉部100は、前後両側で遊技球に点接触又は線接触するようになっている。回転移送体94は外周に多数の球捕捉部100を有するものであれば良く、1個の回転スプロケット99により構成しても良い。球捕捉部100は回転移送体94の外周から外方に突出する突起により構成しても良い。
【0062】
案内部材95は、図15に示すように、回転移送体94の外周に沿って円弧状に形成された下側案内部101と、この下側案内部101の前後両側から回転移送体94の前後両側に沿って屈曲する側壁部102と、下側案内部101の案内方向の下手側に一体に設けられ且つ下側案内部101から上昇通路93へと縦方向の接線方向に伸びる上昇側案内部103とを備え、一方の側壁部102に設けられた取り付け部102aと上昇側案内部103に設けられた取り付け部103aとを介して支持板104に着脱自在に固定されている。また、支持板104は筐体29の側板23の内面に固定されている。なお、支持板104は支持枠28の下側に固定しても良い。下側案内部101と上昇側案内部103は別部材により構成しても良いし単一部材により構成しても良い。
【0063】
移送手段87の回収手段86側には、回転移送体94と案内部材95との間に入口部105が設けられている。この入口部105には案内部材95の前後の側壁部102間に配置された可動案内片106が設けられると共に、可動案内片106上の最下流側の遊技球に対応して移送検出スイッチ91bが設けられている。可動案内片106はその下手側が前後方向の支軸107により案内部材95に支持され、また上手側が回収手段86の待機通路90bに対応する高さで図外の適宜手段により規制されている。
【0064】
支軸107は前後の側壁部102に形成された上下方向の調整孔に沿って上下調整可能に挿通されている。可動案内片106には支軸107の挿通部106aに、遊技球が支軸107と接触するように幅方向の略中央部に切除部106bが設けられている。入口部105の下流側と下側案内部101との間には段差部108が設けられている。
【0065】
段差部108は支軸107と下側案内部101との間に回転スプロケット99の径方向に設けられており、移送駆動手段96が停止状態のときに回転スプロケット99の球捕捉部100内の遊技球が回転スプロケット99の逆転方向から当接して、回転スプロケット99の逆転を阻止するためのものであり、回転スプロケット99の逆転防止用のストッパー部を構成している。
【0066】
案内部材95の下側案内部101には、段差部108側に弾性部101aが設けられている。弾性部101aは前後の側壁部102から切り離された舌片状であり、回転スプロケット99の球捕捉部100内の遊技球が逆転方向から支軸107に当接するときに弾性変形によりその衝撃を吸収するようになっている。
【0067】
上昇側案内部103には通路カバー110が設けられている。通路カバー110は断面凸状であって、上昇側案内部103に当接して着脱自在に装着され且つ上昇側案内部103との間で上昇案内通路111を形成している。通路カバー110には、回転スプロケット99間の周溝98に対応して下向きに突出し且つ回転スプロケット99の球捕捉部100内の遊技球を掻き出して上昇案内通路111側へと略接線方向に案内する掻き出し突部112が設けられている。なお、支持板104には回転移送体94を上側から覆うカバー113が設けられている。
【0068】
また、上昇側案内部103及び通路カバー110の外側壁面にも、前述した待機通路90bの断熱層と同様の断熱層(図示省略)が形成されている(例えば、断熱シートあるいは断熱フィルムが貼り付けられている)。なお、上昇側案内部103及び通路カバー110の外側壁面に断熱塗料を塗ったりしても良い。この断熱層により、上昇側案内部103及び通路カバー110の外部の気温が低くなっても当該上昇側案内部103及び通路カバー110の内側やそこに位置する遊技球が冷えることを低減できる。
【0069】
移送駆動手段96は駆動モータ等により構成され、支持板104の裏側に装着されている。この移送駆動手段96は待機検出スイッチ91が待機通路90bの所定数以上の遊技球の待機を検出したときに起動して回転スプロケット99を移送方向に駆動し、移送検出スイッチ91bが待機通路90bに遊技球がなくなったことを検出したときに、最後の遊技球が段差部108を通過することを待って停止するようになっている。
【0070】
なお、回収手段86の待機通路90b、移送手段87の回転移送体94、案内部材95及び上昇案内通路111は、平面視において左右方向の略一直線上に配置されている。
【0071】
研磨手段55は、図19、図20に示すように、上昇側案内部103の開口103bから上昇案内通路111内に突出して遊技球を研磨する研磨体116と、この研磨体116を前後方向の軸心廻りに遊技球の移動方向とは逆方向に回転駆動するモータ等の研磨駆動手段117とを備えている。
【0072】
研磨体116は例えば無端帯状の研磨材により構成され、研磨枠118の駆動輪119と従動輪120とに巻き掛けられ、従動輪120の外周側が開口103bから上昇案内通路111内に突出している。駆動輪119は研磨枠118に挿通された駆動軸121に固定され、駆動軸121は研磨枠118に固定された研磨駆動手段117により駆動される。従動輪120は研磨枠118に固定された固定軸122に回転自在に支持されている。研磨枠118は前側が開放状であって、上下の装着部123,124を介して上昇側案内部103に着脱自在に装着され、且つバネ125により研磨体116が上昇案内通路111内に突出するように付勢されている。
【0073】
一方の装着部124は上昇側案内部103の係合部124aと、研磨枠118に設けられ且つ係合部124aに係脱自在に係合する係合片124bとを有する。他方の装着部123は上昇側案内部103側に突設された固定ピン123aと、研磨枠118に設けられ且つ固定ピン123aが挿脱自在に挿通される取り付け片123bとを有し、その取り付け片123bと固定ピン123aの抜け止め具126との間で固定ピン123aにコイル状のバネ125が介在されている。研磨枠118は前側が開放状であり、この開放側から研磨体116が駆動輪119、従動輪120に着脱自在に巻き掛けられている。抜け止め具126は固定ピン123aに挿脱自在である。
【0074】
なお、研磨駆動手段117は電源投入後に常時研磨体116を駆動するようにしても良いが、遊技者が発射ハンドル41に接触して発射手段53が発射動作中のとき、又は移送手段87の移送駆動手段96が回転移送体94を駆動する移送動作中のときに、研磨体116を駆動するようにしても良い。また研磨手段55は循環中の遊技球を研磨してその汚れを除去できる。
【0075】
筐体29内には、図2に示すように、底板26と支持枠28との間等の適当箇所に、各部に電源を供給するための電源基板が収納された電源基板ケース130、発射手段53を制御するための発射制御基板が収納された発射制御基板ケース131、各入賞手段11〜13に遊技球が入賞時の賞球を制御するための賞球制御基板が収納された賞球制御基板ケース132、球貸ボタン46の操作時の球貸しを制御するための球貸制御基板が収納された球貸制御基板ケース133等、各種の基板を収納する基板ケースが適宜手段を介して装着されている。
【0076】
このパチンコ機は、隣接して配置される遊技情報読取・書込手段(図示省略)との間で相互通信により情報の授受を行う。例えば遊技情報読取・書込手段に遊技価値記録媒体、例えば遊技カードを挿入すると、その遊技カードの度数等の遊技価値が遊技価値表示部43に度数等で表示されるので、次に球貸ボタン46を操作する。すると球貸ボタン46の操作に応じた所定数の遊技球が持ち球として貸し出され、その球数が遊技球表示部44に表示される。また遊技価値表示部43の遊技価値が減算される。
【0077】
遊技者が発射ハンドル41を操作すると、発射手段53が所定の時間間隔で遊技領域7へと遊技球を発射する。このとき発射検出スイッチ76で遊技球の発射が計数され、その計数値が所定数(1個又は複数個(例えば5個))になる毎に遊技球表示部44の表示数が減算されて行く。可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13等の入賞手段11〜13に遊技球が入賞すると、各入賞手段11〜13毎に予め定められた1入賞当たりの賞球が付与され、その賞球数が所定数(1個又は複数個(例えば5個))になる毎に遊技球表示部44の表示数に加算されて行く。
【0078】
精算ボタン48を操作すると、遊技球表示部44の表示数が持ち球表示部45に表示されて、遊技球表示部44の表示が消える。次に返却ボタン47を操作すると、持ち球表示部45の表示数に相当する遊技価値が遊技情報読取・書込手段で遊技カードに記録された後、持ち球表示部45の表示が消え、遊技カードが遊技情報読取・書込手段から返却される。
【0079】
遊技カードを挿入したときに、カメラ49が作動して遊技者の顔を撮影して本人確認を行うようにしても良い。この場合、例えば遊技者が事前に登録された本人でなければ、その旨を報知して遊技カードを返却し、本人のときにはその旨を報知して、その後のボタン操作等が可能になるようにする。なお、これらの処理は単なる例示に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0080】
このパチンコ機では、発射手段53と遊技盤2との間に形成された循環経路R中に所定数の遊技球が封入されており、発射手段53の発射に必要な数の遊技球が貯留手段88に貯留された状態にある。そこで、球貸ボタン46を操作すると、その操作に応じた数の遊技球の貸し出しがあり、その球数の範囲内で発射手段53により遊技球を発射可能である。
【0081】
発射ハンドル41を操作すると、その操作量に応じた打撃力で打撃槌74が発射駆動手段75により発射軸廻りに繰り返し駆動され、打撃槌74によって発射レール71上の発射位置にある遊技球が遊技領域7へと順次発射される。この場合、発射手段53では打撃槌74で発射レール71上の遊技球を打撃するが、発射手段53自体が遊技盤2の一側上部にあるため、軽い打撃により遊技球を遊技領域7へと発射することが可能であり、発射駆動手段75の小型化を図ることができる。
【0082】
発射された遊技球はガイドレール17に沿って遊技領域7の適当位置に案内された後、遊技釘、その他の部材に衝突又は案内されながら遊技盤2に沿って下方へと落下し、その間に各入賞手段11〜13等に入賞した遊技球は遊技盤2の裏側へと誘導され、また入賞しない遊技球はアウト口16から遊技盤2の裏側へと誘導されて行く。
【0083】
遊技盤2の前面に沿って落下する遊技球が普通図柄始動手段10を通過すると、画像表示手段9の前飾り枠9a等に装着された普通図柄表示手段14の普通図柄が変動表示する。普通図柄表示手段14は複数種類の普通図柄(例えば2種類の「○」「×」)に対応する複数の発光素子により構成されており、普通図柄始動手段10の遊技球の検出を条件に各発光素子が交互に点灯するように所定時間点滅する。そして、普通図柄始動手段10の遊技球の検出時に抽選した乱数値が予め定められた当たり判定値と一致した場合には、当たり態様の「○」側の発光素子が点灯し、それ以外の場合に外れ態様の「×」側の発光素子が点灯して停止する。なお、変動後の普通図柄は1/10程度の所定の確率で当たり態様となる。
【0084】
普通図柄が当たり態様で停止して特別図柄始動手段12の開閉作動部12bが開放する等により、特別図柄始動手段12が遊技球を検出すると、画像表示手段9の前飾り枠9a等に装着された特別図柄表示手段15の特別図柄が所定時間変動表示する。特別図柄表示手段15は発光部位の変化等で特別図柄を変動表示可能なセグメント式等により構成されており、特別図柄始動手段12の遊技球の検出を条件に特別図柄が所定時間変動して、特別図柄始動手段12の遊技球の検出時に抽選された乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致した場合に所定の大当たり態様で、それ以外の場合に外れ態様で停止するようになっている。
【0085】
特別図柄始動手段12は開閉動作をしない非作動部12aと、普通図柄が当たり態様で停止したときに所定時間開放する開閉作動部12bとを上下に有し、何れに遊技球が入賞した場合にも、特別図柄表示手段15の特別図柄が変動する。
【0086】
特別図柄表示手段15の変動後の特別図柄が大当たり態様となって特別遊技状態が発生したときに可変入賞手段11の開閉扉が前側に開放して、上方から落下する遊技球を開閉扉を経て可変入賞口へと入賞させる。特別遊技状態中は開閉扉の開放から所定時間(例えば30秒程度)が経過するか、その間に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したときに開閉扉を閉じる動作を1ラウンドとし、この動作を所定回数(例えば16ラウンド)継続するようになっている。
【0087】
このようなゲーム中に画像表示部9bは特別図柄表示手段15の特別図柄に対応する演出図柄9c〜9eを変動表示し、またチャンスボタン42の操作を指示する等、遊技の進行に従って適宜タイミングで各種の演出画像を随時表示する。即ち、特別図柄表示手段15の特別図柄の変動に際しては、その特別図柄の変動に同期して1個又は複数、例えば3個の演出図柄9c〜9eが画像表示部9bに変動表示される。このとき演出図柄9c〜9eは特別図柄始動手段12の遊技球の検出を条件に、抽選により決定された所定の演出図柄変動パターンを経て所定時間変動した後、特別図柄の変動終了に同期して所定の順序 (例えば左、右、中等の順序)で順次停止する。
【0088】
演出図柄9c〜9eの変動後の停止図柄は、特別図柄が大当たり態様で停止する場合には全てが揃う大当たり演出態様となり、特別図柄が外れ態様で停止する場合には少なくとも一部が異なる外れ演出態様となる。例えば、演出図柄9c〜9eには0〜9までの数字図柄が使用されており、特別図柄が大当たり態様で停止する場合には演出図柄9c〜9eは「7・7・7」等の大当たり演出態様で停止し、特別図柄が外れ態様で停止する場合には演出図柄9c〜9eは「2・4・5」等の外れ演出態様で停止する。
【0089】
チャンスボタン42の操作指示に際しては、変動後の特別図柄が大当たり態様となる信頼度の高い演出図柄変動パターンを抽選したとき等、遊技者に対して期待感を抱かせる所定の遊技状態、例えば1個の演出図柄9dを除く2個の演出図柄9c,9eが同じとなるリーチとなった場合に、画像表示部9bの所定箇所にチャンスボタン42の操作を指示する操作指示画像9fが表示される。
【0090】
そして、例えば特別図柄始動手段12が遊技球を検出したときに大当たりを抽選しており、変動後の特別図柄が大当たり態様となった後に特別遊技状態が発生する場合には、その操作指示画像9fに従って図柄変動中に適宜タイミングでチャンスボタン42を押圧操作すれば、画像表示部9bに所定の予告画像が明滅発光して表示される等により、その後の大当たり態様での特別図柄の停止、及びこれに続く特別遊技状態の発生を予告する演出がなされる。
【0091】
可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13等の入賞手段に遊技球が入賞すると、その夫々に対応して予め決められた数の遊技球が賞球として遊技者に与えられ、その遊技球が加算されて遊技球表示部44に表示される。
【0092】
可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13等に入賞して遊技盤2の裏側へと誘導された遊技球は、可変入賞手段11、普通入賞手段13等から集球ケース21内へと落下し、傾斜壁81等を経て排出口80から下方へと排出されて行く。またアウト口16に入った遊技球は、遊技盤2の裏側から集球ケース21内へと落下し排出口80から下方へと排出されて行く。
【0093】
集球ケース21の排出口80から出た遊技球は、回収手段86を経て移送手段87側へと回収される。この回収に際して回収手段86の回収口89aへと落下した遊技球は、左右方向の複数個の回収通路89bの何れかを経て下方へと落下するため、複数個の遊技球が短時間に回収口89aへと集中するようなことがあっても、それらの遊技球を集球ケース21から回収手段86へと円滑に回収することができる。
【0094】
また各回収通路89bを通過中の遊技球は回収検出スイッチ89cにより検出され、その検出信号により回収手段86に回収された遊技球の数が計数される。従って、例えば発射検出スイッチ76で検出された遊技球の発射数と、回収検出スイッチ89cで検出された遊技球の回収数とを計数して、その発射数と回収数との差を演算することにより、待機中の遊技球の数を把握することができる。
【0095】
待機通路90bで待機中の遊技球が所定数(例えば5個又は10個)以上になれば、待機検出スイッチ91がそれを検出して移送駆動手段96が回転スプロケット99を移送方向に駆動して、待機通路90b中の遊技球を回転スプロケット99の回転により上昇案内通路111を経て上昇通路93へと送り込む。
【0096】
即ち、移送手段87の上昇通路93、上昇案内通路111、及び上昇案内通路111から段差部108までの回転スプロケット99の球捕捉部100には、通常、遊技球が充満した状態にある。その状態で待機通路90bに待機中の遊技球が図15、図17に二点鎖線出示すように所定数以上になると、待機検出スイッチ91が待機中の遊技球を検出して、移送駆動手段96が回転スプロケット99を移送方向に駆動する。そして、待機通路90bの遊技球が全て移送されて待機中の遊技球がなくなると、移送検出スイッチ91bが全ての遊技球の移送を検出して、遊技球が段差部108を通過した時点で移送駆動手段96が回転スプロケット99の駆動を停止する。
【0097】
回転スプロケット99が移送方向に回転する前の時点では、移送手段87の入口側の最下流の遊技球が回転スプロケット99の球捕捉部100に入った状態にあり、その状態から回転スプロケット99が移送方向に回転すると、後続の遊技球が回転スプロケット99の球捕捉部100に順次入る。
【0098】
回転スプロケット99の球捕捉部100に入った遊技球は、回転スプロケット99の回転に伴って案内部材95に案内されながら回転スプロケット99の下側を経て反対側の上昇案内通路111へと送られる。遊技球が上昇案内通路111の下端側に達すると、先端が回転スプロケット99間の周溝98に突出する掻き出し突部112によって、回転スプロケット99の球捕捉部100内の遊技球が順次掻き出された後、その遊技球は回転スプロケット99の回転により後続の遊技球によって上昇案内通路111内へと接線方向の上方に押し上げられて行く。
【0099】
上昇案内通路111内に入った遊技球は、後続の遊技球によって押し上げられながら上昇通路93へと移動し、その上昇通路93を経て貯留手段88へと移送されて行く。そして、上昇通路93の上端に達した遊技球は、上昇通路93と貯留手段88の上流側貯留通路88aとの間の最上部を通過すると、上流側貯留通路88aの傾斜に沿って転動しながら接続通路88c、下流側貯留通路88bへと移動して、貯留手段88内に略一列状に貯留される。
【0100】
回転スプロケット99による移送によって待機通路90bに待機中の遊技球がなくなると、移送検出スイッチ91bが全ての遊技球の移送を検出して移送駆動手段96が回転スプロケット99の駆動を停止して遊技球の移送を中断する。そして、回転スプロケット99の停止後、待機通路90bに待機中の遊技球が所定数の5個又は10個以上になれば、回転スプロケット99が再度回転して遊技球の移送動作を開始する。
【0101】
このため回転スプロケット99の回転によりその球捕捉部100内の遊技球を送りながら上昇通路93内の遊技球を押し上げるようにしているにも拘わらず、球捕捉部100内に遊技球が入らない状態で回転スプロケット99が回転するようなことがない。従って、上昇案内通路111の下端を回転スプロケット99が通過するときに、上昇案内通路111内の下端側の遊技球によって回転スプロケット99の球捕捉部100間の突出部が叩かれるようなこともなく、遊技球を連続的に移送することができる。
【0102】
また回転スプロケット99が停止すると、上昇通路93内の遊技球の重量が回転スプロケット99に対して逆転方向に加わるが、回転スプロケット99が僅かに逆転したときに、図15、図17に示すように回転スプロケット99の球捕捉部100内に入った遊技球が入口部105の下手側の段差部108に当接するため、これによって回転スプロケット99のそれ以上の逆転を阻止できる。従って、回転スプロケット99の逆転を阻止するブレーキ等の手段を別途設ける必要もない。
【0103】
回転スプロケット99の単位時間当たりの遊技球の移送数は、発射手段53の単位時間当たりの遊技球の発射数よりも大であり、移送手段87が遊技盤2を通過して回収手段86に回収された遊技球をその速度で順次移送するため、各遊技球が遊技盤2を通過するときの通過時間に多少の時間差があっても、発射手段53が遊技球を発射するに必要な数の遊技球を常に貯留手段88に貯留することができる。
【0104】
移送手段87の上昇案内通路111を遊技球が通過するときに、研磨手段55の研磨体116により遊技球を研磨して遊技球の表面に付着した汚れ等が除去される。研磨手段55では研磨駆動手段117の駆動により、駆動輪119と上昇案内通路111側の従動輪120とに巻き掛けられた研磨体116が、上昇案内通路111内に突出した状態で矢示方向に回転するので、上昇案内通路111を上昇方向に移動する遊技球の表面を研磨して汚れ等を除去することができる。
【0105】
貯留手段88の各通路88a〜88d内には研磨手段55で研磨後の遊技球が略一列状に並んで貯留されており、発射手段53が遊技球を発射すると、その発射動作に連動して球送り手段77が作動し、貯留手段88の最下手側の遊技球を発射レール71上へと送る。
【0106】
以下、発射手段53により遊技盤2の遊技領域7内へと遊技球を発射し、遊技盤2を通過した遊技球を循環手段54の回収手段86、移送手段87、貯留手段88を経て発射手段53へと戻し、発射手段53と遊技盤2との間で遊技球を循環させながらゲームを行う。
【0107】
このパチンコ機では、遊技盤2を通過した遊技球を遊技盤2の下側の回収手段86により回収するようにしているが、遊技盤2の上部に発射手段53、貯留手段88、球送り手段77があり、回収手段86により回収された遊技球を、持ち上げ式の移送手段87により貯留手段88へと持ち上げながら移送し、その貯留手段88内の遊技球を、発射手段53の発射動作と連動させて球送り手段77により発射手段53へと1個ずつ送るようにしているので、遊技盤2の下側に循環手段54を配置し、この循環手段54の下側に発射手段53を配置する従来のような位置関係を維持する必要がなく、その回収手段86、発射手段53の位置関係により遊技盤2の上下方向の位置が制約されることがない。このため遊技盤2側の条件に従って遊技盤2の上下幅を決定できるので、必要に応じて遊技盤2の遊技領域7を大にすることができる。
【0108】
遊技盤2を装着する場合には、ガラス扉4をヒンジ3廻りに前側へと開放し、遊技盤2のヒンジ3側一端を遊技盤装着枠52内に挿入して係合部58bに係合させた後、その係合部58b側を支点として遊技盤2の他端側を後方へと押圧して遊技盤装着枠52内に押し込む。このとき上下一対の固定手段63のコ字状の係合体63aを斜め前向きにセットしておく。すると遊技盤2の他端側が各固定手段63の係合体63aのコ字状部分に入りながら、遊技盤2の押圧によって係合体63aが横向きの固定位置へと回動して、固定手段63により遊技盤装着枠52内の遊技盤2が固定される。従って、遊技盤2の遊技盤装着枠52内への挿入と、その遊技盤装着枠52内での遊技盤2の固定とを簡単な操作で容易に行うことができる。
【0109】
一方、係合部58b側を支点として遊技盤2を遊技盤装着枠52内に押し込んで行くと、遊技盤2の裏側の盤側ジョイント部83と遊技盤装着枠52側の枠側ジョイント部84との対応するコネクタ同士が嵌合して電気的に接続する。このため遊技盤2の装着時に、同時に盤側ジョイント部83と枠側ジョイント部84とを電気的に接続することができる。
【0110】
遊技盤2を取り外す場合には、固定手段63の操作部を前側に操作すると、リンク機構63cを介して係合体63aが逆方向に回動して遊技盤2の他端側が前側へと押圧され、遊技盤2が係合部58b側を支点として前側へと回動する。そして、固定手段63による遊技盤2の押し出しが終了した後、遊技盤2を把持して遊技盤装着枠52から取り出せば良い。
【0111】
この実施形態では、遊技盤2から排出された遊技球を発射手段53に案内可能な循環経路Rを構成する循環手段54と、この循環手段54の循環経路Rの内壁面または当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減する結露低減手段としての、循環手段54に設けられた断熱部(待機通路90b、各通路88a〜88d、上昇通路93、上昇側案内部103及び通路カバー110の外側に形成された図示省略の断熱層)を備えているので、循環手段54の循環経路Rの内壁面や当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減することができ、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段内の封入球の球詰まりを低減できる。
【0112】
また外枠1に遊技盤2を着脱自在に装着する一方、遊技盤2の前側にその遊技領域7を視認可能に配置されたガラス扉4を外枠1に開閉自在に枢着しているので、従来の前枠に装着する場合に比較して前枠自体を省略することができる。このため前枠用の材料が不要になると共に、構造的に簡素化することができる。
【0113】
また従来の前枠に遊技盤2を装着する場合には、前枠の支持強度、前枠の開閉動作の円滑性等から遊技盤2側の重量にも制約があるが、遊技島側に固定される外枠1に遊技盤装着枠52を介して遊技盤2を装着しているため、支持強度、開閉動作等の点で遊技盤2の重量が大きな問題となることもない。
【0114】
更に外枠1は前側が開放する開口を有する筐体29であり、この筐体29内に遊技盤装着枠52を設けて、この遊技盤装着枠52に遊技盤2を前側から着脱自在に装着するようにしているので、外枠1を矩形枠状に構成する場合に比較して外枠1自体の強度を容易に確保することができる。また筐体29の上下方向の中間に左右方向に架設された支持枠28を備え、この支持枠28の上側に遊技盤装着枠52を設けることにより、支持枠28により筐体29を補強できその強度が向上すると共に、遊技盤装着枠52に対して遊技盤2を容易に着脱することができる。
【0115】
発射手段53と遊技盤2との間の循環経路R内に所定数の遊技球を封入して循環させながらゲームを行う循環封入式の場合、循環手段54の回収手段86、移送手段87、貯留手段88等にその遊技球が集中する。しかし、遊技球が循環手段54に集中するにも拘わらず、その循環手段54を外枠1を構成する筐体29に備えることにより、封入された遊技球の多少に拘わらず循環手段54を確実に支持することができる。また循環手段54は回収手段86、移送手段87、貯留手段88を備えているが、この循環手段54を筐体29に設けることにより、その回収手段86、移送手段87、貯留手段88の夫々を比較的自由に配置できる。
【0116】
遊技盤2の遊技領域7の上部外側に切り欠き部67を設ける一方、発射手段53をその裏側で遊技盤装着枠52を介して筐体29側に設け、遊技盤2の着脱時に着脱側と反対側から発射手段53が切り欠き部67に対して相対的に出退自在であるため、遊技盤2の交換により機種変更する際にも、遊技盤2と一体に発射手段53を廃棄する必要がなく無駄を解消できる。
【0117】
また発射手段53は遊技盤2の前面と略面一状に配置された発射支持板70を備え、この発射支持板70の前面に発射レール71と、発射レール71上の遊技球を打撃して発射させる打撃槌74とを備えているので、発射手段53により遊技領域7へと遊技球を円滑に発射できる。しかも発射手段53と遊技領域7との間に、遊技領域7と発射手段53側とを仕切る仕切り部8aがあるため、遊技領域7内に打ち込まれた遊技球の発射手段53側への移動を防止できる。
【0118】
循環手段54は遊技盤2及び発射手段53よりも下側に配置された回収手段86と、この回収手段86により回収された遊技球を発射手段53側へと移送する移送手段87とを備えているため、遊技盤2の上下方向の寸法を長くした場合でも、回収手段86から移送手段87を経て発射手段53へと遊技球を循環させることができる。従って、遊技盤2の遊技領域7を十分に確保することができる。
【0119】
循環手段54は移送手段87により移送された発射用の遊技球を貯留する貯留手段88を備え、この貯留手段88に貯留中の遊技球を、発射手段53の発射動作に連動して球送り手段77により発射手段53へと1個ずつ送るようにしているので、発射手段53を回収手段86よりも上側に配置しても発射用の遊技球の球切れ等を容易に防止できる。
【0120】
また移送手段87は貯留手段88へと遊技球を案内する上昇通路93と、回収手段86の遊技球を上昇通路93の下側へと送り込む回転移送体94と、この回転移送体94を回転駆動する移送駆動手段96とを備えているため、遊技盤2の上部側に発射手段53と貯留手段88とを配置する等、発射手段53及び貯留手段88を回収手段86に比較して十分高い位置に配置した場合にも、移送手段87により確実に遊技球を移送することができる。
【0121】
図21は本発明の第2の実施形態を例示する。この実施形態では、筐体29内の遊技盤装着枠52は図に示すように支持枠28の下受け部57と、各側板23,24の側受け部58,59とにより構成されており、上側が開放状となっている。発射手段53は遊技盤装着枠52とは別に筐体29の側板23,24の内側に適宜ブラケット等を介して装着されている。他の構成は第1の実施形態と略同様である。
【0122】
このように筐体29内に遊技盤装着枠52を設けるに当たっては、その遊技盤装着枠52により遊技盤2側を支持できる強度を確保できる場合には、上側を開放状に構成しても良い。従って、遊技盤装着枠52は少なくとも遊技盤2の下側及び左右両側を支持できる構造であれば良い。この場合、側受け部58,59は遊技盤2の上下方向の寸法と略同一長さか、又は若干短い長さ程度が望ましいが、上下方向に複数箇所に分割して設けることも可能である。また発射手段53は遊技盤装着枠52を介さずに筐体29に装着しても良い。
【0123】
図22、図23は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態の外枠1は、左右の側板23,24と、両側板23,24の上下両端を左右に連結する天板25及び底板26と、両側板23,24の上下中間を左右に連結する支持枠28とを備え、前後両側が開放状に構成されている。外枠1の前側にはガラス扉4、下部扉6がヒンジ3,5により開閉自在に枢着されている。他の構成は第1の実施形態と同様である。このように外枠1は、前後両側が開放状の矩形枠状に構成しても良い。
【0124】
図24は本発明の第4の実施形態を例示する。図24に示すように、この第4の実施形態の待機通路90b及び各通路88a〜88dの上部壁面、上昇通路93の前側壁面及び後側壁面には、結露低減手段140としての通路方向に長い長孔141(本発明の連通部に相当する)が当該通路方向に沿って複数個形成されており、且つ第1の実施形態の断熱層を有しないものである。他の構成は第1の実施形態と同様である。このように待機通路90b、各通路88a〜88d及び上昇通路93に複数個の長孔141を形成しているので、循環手段54内の空気の対流を良くすることができる。つまり、循環手段54内の暖かい空気が長孔141を介して外部に排気され、循環手段54内の空気が換気され易くなっており、循環手段54の内壁面や当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減することができ、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段54内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段54内の封入球の球詰まりを低減できる。
【0125】
図24に示すように、待機通路90b及び各通路88a〜88dの上部壁面に長孔141を形成しているので、暖かい空気が上方に抜け出し易くなっており、また待機通路90b及び各通路88a〜88dの内部を進行する遊技球が、この長孔141に接触することが無く、遊技球の進行に影響を与えることがない。また長孔141は待機通路90b及び各通路88a〜88dのいずれの壁面に形成するようにしてもよい。また長孔141に替えて通路方向と直交する方向や斜め方向に向けた長孔を複数個形成しても良いし、長孔以外の円状孔、楕円状孔、十字状孔、多角状孔等の各種形状の孔を採用しても良いし、切り欠き部や網状形状(メッシュ状)等を採用しても良い。
【0126】
図25は本発明の第5の実施形態を例示する。図25に示すように、この第5の実施形態は、循環手段54の内部空気を乾燥させる乾燥手段150を備えたものである。具体的には、待機通路90b、上昇通路93及び各通路88a、88bは、乾燥剤151(例えばシリカゲル)を内部に収納した、取付面側が開口した収納部152を備えており、待機通路90b、上昇通路93及び各通路88a、88bにおける、収納部152が設けられた箇所には遊技球よりも小さい複数個の小孔153が形成されたものである。
【0127】
ここで、収納部152の待機ケース90への取り付けについて説明する。収納部152の内部に乾燥剤151を入れた状態で、収納部152の開口を待機ケース90に近づけて、収納部152の下側角部を待機ケース90の下受け部90dに載せた状態でさらに押し込むと、待機ケース90の係止爪90eが弾性変形して最終的に収納部152の上端部に係止し、収納部152が待機ケース90に取り付けられた状態となる。収納部152を取り外す際には、待機ケース90の係止爪90eを弾性変形させて引き抜けば良い。なお収納部152の上昇通路93及び各通路88a、88bへの取り付け及び取り外しもこれと同様である。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0128】
このように待機通路90b、上昇通路93及び各通路88a、88bの内部空気は、小孔153を介して収納部152に入り、当該収納部152の乾燥剤151によって水蒸気が吸収されて、乾燥空気となるので、循環手段54の循環経路Rの内壁面や当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減することができ、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段54内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段54内の封入球の球詰まりを低減できる。
【0129】
なお、第1の実施形態の断熱層を採用せず、且つ待機通路90b、上昇通路93及び各通路88a、88bに、乾燥剤151(例えばシリカゲル)を内部に収納した収納部152を備えるようにしても良い。第5の実施形態では、複数個の小孔153を採用しているが、遊技球よりも小さい長孔、楕円状孔、十字状孔、多角状孔等の各種形状の複数個の孔を採用しても良いし、網状形状(メッシュ状)等の各種形状のものを採用しても良い。
【0130】
図26〜図28は本発明の第6の実施形態を例示する。図26〜図28に示すように、この第6の実施形態では、第1の実施形態における上昇通路93の下端側に形成された開口93a(図25、図27及び図28参照)を通じて当該上昇通路93の内部に送風する送風手段160を備えたものである。
【0131】
具体的には、送風手段160は、吸い込み口161aから外気を吸い込んで吐き出し口161bから出力するブロア161(ファンなどを採用しても良い)と、この吐き出し口161bと上昇通路93の開口93aとを連通する連結部162とを備えている。ブロア161は支持板104にネジ止めされている。次にブロア161の動作タイミングについて説明する。例えば、遊技ホールの営業開始の際においてパチンコ機の電源が投入されると、ブロア161による送風動作が開始され、営業時間中は常時送風動作を継続し、パチンコ機の電源がオフになると送風動作を停止する。なお、送風動作開始後から所定時間 (例えば1時間)が経過すると送風動作を停止するようにしてもよい。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0132】
このように送風手段160によって、上昇通路93及び貯留手段88の内部に送風することができるので、上昇通路93及び貯留手段88の内部を換気することができ、循環手段54の循環経路Rのうち上昇通路93から貯留手段88までの内壁面や当該上昇通路93から貯留手段88までの内部にある遊技球表面の結露を低減することができ、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段54内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段54内の封入球の球詰まりを低減できる。
【0133】
また循環手段54の待機ケース90の受け口90aに向けて送風する送風手段(ファンやブロアなど)を別途に設けて、待機通路90bの内部を換気するようにしても良い。例えば、図4に示す集球ケース21の所定箇所(例えば遊技球や他の遊技部品と干渉しない箇所等)に送風手段を配置して排出口80に向けて空気を送り出すようにしてもよい。また移送手段87のカバー113の後面に形成された略円形の開口(つまり、回転スプロケット99よりも大きい略円形の開口)及び上昇通路93の下端側に形成された開口を閉塞するとともに、上昇通路93側の送風手段160を排除する構成を採用しても良い。この場合には、待機ケース90側の送風手段のみによって循環手段54の全体を換気できる。また、待機ケース90の受け口90aに替えて、待機ケース90の上部壁面に遊技球よりも小さい複数個の孔(長孔、楕円状孔、十字状孔、多角状孔等の各種形状の複数個の孔を採用しても良い)で形成される入口部又は遊技球よりも小さい網目とした網状形状(メッシュ状)等の入口部を形成し、この入口部を通じて循環手段54の内部に空気を送り込むように送風手段を設けるようにしても良い。
【0134】
図29は本発明の第7の実施形態を例示する。図29に示すように、この第7の実施形態では、第6の実施形態におけるブロア161の吸い込み口161a側にさらに乾燥空気発生手段170を設けることで構成される乾燥気体送風手段171を備えたものである。この乾燥空気発生手段170としては、前述した第5の実施形態の乾燥手段150が挙げられる。具体的には、乾燥剤151を内部に収納した収納部152をブロア161の吸い込み口161a側に配置した構成が挙げられる。
【0135】
収納部152の内部気体は乾燥剤151によって水蒸気が吸収されて乾燥空気となり、ブロア161が動作すると収納部152の後面に形成された空気入口部154から外気が吸い込まれ、この吸い込み空気の水蒸気が乾燥剤151によって吸収されて、乾燥空気が、収納部152の前面に形成された空気出口部155を介してブロア161の吸い込み口161aから吸い込まれてこのブロア161の吐き出し口161bから上昇通路93の下端側に形成された開口を通じて上昇通路93及び貯留手段88の内部に送風される。ブロア161の動作タイミングについては前述の第6の実施形態と同様である。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0136】
このように乾燥気体送風手段171によって、上昇通路93及び貯留手段88の内部に乾燥気体を送風することができるので、循環手段54の循環経路Rのうち上昇通路93から貯留手段88までの内壁面や当該上昇通路93から貯留手段88までの内部にある遊技球表面の結露を低減することができ、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段54内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段54内の封入球の球詰まりを低減できる。
【0137】
なお、この第7の実施形態では、ブロア161の吸い込み口161a側に乾燥空気発生手段170を近接配置しているが、ブロア161の吸い込み口161a側と乾燥空気発生手段170との間に両者を連通接続する図示省略のホース部材(管、ダクト、パイプ、チューブ等)を設けるようにしても良い。また、収納部の内部に空気が通る蛇行通路が形成されており、この蛇行通路に亘って乾燥剤を配置したり、あるいは蛇行通路をその入口から出口までを複数個に区分けする区分けフィルター面毎に乾燥剤を配置したりするようにしても良い。この場合には、収納部の乾燥空気生成経路を当該収納部の外形大きさに比べて長くすることができ、乾燥空気の生成効率を高めることができる。また、前記のホース部材(図示省略)の内部にも乾燥剤を設けるようにして当該ホース部材の通路も利用して乾燥空気の生成に役立てるようにしても良い。
【0138】
図30は本発明の第8の実施形態を例示する。図30に示すように、この第8の実施形態では、前述した第1の実施形態の断熱層に替えて、循環手段54を加温する加温手段175を備えたものである。
【0139】
具体的には、待機ケース90、上昇通路93及び貯留手段88の外壁面箇所に遊技球進行方向に沿ってヒーター部176(例えば、シリコンゴムヒーター、アルミ箔ヒーターなど各種のヒーターが挙げられる)が配置されている。ヒーター部176は例えば10〜40℃の範囲内で加温可能であり、この実施形態では所定温度(例えば20℃)に設定しており、循環手段54及び内部の遊技球が冷えることを低減できるのみならず、循環手段54を必要以上に加熱しないようにしている。
【0140】
ヒーター部176の動作タイミングについては前述の第6の実施形態と同様である。つまり、パチンコ機の電源が投入されるとヒーター部176の加温動作が開始し、営業中継続するか所定時間(例えば1時間)の間のみ加温動作を行う。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0141】
このように加温手段175(ヒーター部176)によって、待機ケース90、上昇通路93及び貯留手段88の外壁が暖められるので、待機ケース90、上昇通路93及び貯留手段88の内壁面やその内部に位置する遊技球が冷えることを低減でき、循環手段54の循環経路Rのうち待機ケース90、上昇通路93及び貯留手段88の内壁面やその内部の遊技球表面の結露を低減することができ、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段54内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段54内の封入球の球詰まりを低減できる。
【0142】
なお、ヒーター部176を循環手段54の複数の壁面(例えば、前後あるいは左右の二壁面や隣接する二壁面、任意の三壁面、全ての壁面など)に配置したり、ヒーター部176を循環手段54に螺旋状に巻き付けるように配置したりしても良い。
【0143】
図31は本発明の第9の実施形態を例示する。図31に示すように、この第9の実施形態では、循環手段54内の遊技球表面の水滴を吸引する吸引手段180を備えたものである。具体的には、この吸引手段180は、案内部材95の下側案内部101に形成された複数個の小孔101bと、これらの小孔101bに吸引口181aが近接配置された吸引ノズル181と、この吸引ノズル181とチューブ182を介して接続された吸引ポンプ(図示省略)とで構成されている。図31(b)に示すように、下側案内部101上に位置する二点鎖線で示す遊技球の表面に結露が発生している場合に、当該遊技球の下方に位置する吸引ノズル181によって結露を吸引することができる。
【0144】
吸引ノズル181の動作タイミングについては前述の第6の実施形態と同様である。つまり、パチンコ機の電源が投入されると吸引ノズル181の吸引動作が開始し、営業中継続するか所定時間(例えば1時間)の間のみ吸引動作を行う。他の構成は第1の実施形態と同様である。案内部材95における内壁面の最下位置箇所やそこに位置する遊技球表面に結露が発生している場合には、吸引ポンプが動作することで、それらの結露が吸引ノズル181によって吸引除去することができ、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段54内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段54内の封入球の球詰まりを低減できる。また、回転スプロケット99の球捕捉部100と下側案内部101との間に遊技球が位置しているので、吸引ノズル181による吸引動作によって遊技球が球捕捉部100から離脱するようなことがない。また、吸引ノズル181による吸引動作は、回転スプロケット99の動作中や動作停止中のいずれに行ってもよい。
【0145】
なお、前記吸引手段180に替えて、循環手段54内の遊技球表面に気体を吹き当てる吐出手段(例えば吐出ノズル)を採用するようにしても良い。
【0146】
また、前記吸引手段180や吐出手段に替えて、研磨手段55の研磨体116として水分を拭き取り可能なもの(例えば、レーヨン繊維を有する不織布等のように水分を拭き取り可能な不織布)採用するようにしても良い。この場合には、遊技球の表面の研磨のみならず、遊技球表面の結露を拭き取ることができる。循環手段54内の遊技球表面に気体を吹き当てる手段(例えば吐出ノズル)を採用するようにしても良い。
【0147】
また、前述の第6〜8の実施形態では、遊技ホールの営業開始の際におけるパチンコ機の電源投入に連動して、ブロア161やヒーター部176が動作するようにしているが、蓄電池で動作するタイマーを備え、前述のブロア161やヒーター部176がパチンコ機の電源電圧ではなく商用電源に接続した構成としておき、冬季において遊技ホールの営業開始前の設定時刻(例えば早朝)をタイマーが検知すると、タイマーが商用電源をブロア161やヒーター部176に供給しこれらが動作するようにしても良い。
【0148】
図32及び図33は本発明の第10の実施形態を例示する。図32に示すように、この第10の実施形態では、循環手段54の内部における気温及び相対湿度を検出する気温・相対湿度検出手段185(例えば温湿度センサ)と、気温と相対湿度による空気の露点温度を記憶する記憶手段(記憶テーブル)と、循環手段54の循環経路Rにおける待機ケース90内の遊技球表面温度を検出する表面温度検出手段186(接触式または非接触式の表面温度センサ)と、気温・相対湿度検出手段185で検出された気温及び相対湿度に基づいて露点温度を求めて、表面温度検出手段186で検出された表面温度が露点温度又は当該露点温度よりも僅かに高い所定温度(露点温度よりも例えば1、2℃高い温度が挙げられる)に達した場合に、送風手段160、加温手段175又は乾燥気体送風手段171を動作させる制御手段を備えたものである。
【0149】
この制御手段としては、図2に示すように、電源基板ケース130内の電源基板、発射制御基板ケース131内の発射制御基板、賞球制御基板ケース132内の賞球制御基板、球貸制御基板ケース133内の球貸制御基板、あるいは、これら以外の制御基板が挙げられる。また、当該制御基板は、記憶テーブルをROMあるいはRAMなどのメモリに記憶している。
【0150】
図33に示すように、冬季においては遊技ホールの室内温度は18〜23℃、相対湿度は40〜60%であることが多い。例えば、気温・相対湿度検出手段185により循環手段54の内部における気温及び相対湿度が20℃、50%であると検出された場合には、記憶手段に記憶された図33に示す記憶テーブルに基づいて気温(20℃)と相対湿度 (50%)による空気の露点温度が9.3℃であると求められ、表面温度検出手段186により検出された待機ケース90内の遊技球表面温度が、露点温度(9.3℃)またはそれよりも僅かに高い温度(例えば1℃、2℃高い温度)に達した場合には、第6の実施形態の送風手段160(図26参照)、第8の実施形態の加温手段175(図30参照)又は第7の実施形態の乾燥気体送風手段171(図29参照)を動作させる。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0151】
この場合には、待機ケース90内の遊技球表面温度が、露点温度9.3℃又はそれよりも1℃、2℃高い温度(10.3℃や11.3℃)に達すると、案内部材95における内壁面の最下位置箇所やそこに位置する遊技球表面に結露発生の可能性が高まるため、送風手段160、加温手段175又は乾燥気体送風手段171が動作し、循環手段54の内部の遊技球表面に結露が発生することを低減でき、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段54内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段54内の封入球の球詰まりを低減できる。
【0152】
なお、循環手段54内の遊技球表面温度に替えて循環手段54の内壁面温度を検出し、この検出した内壁面温度が露点温度またはそれよりも僅かに高い所定温度に達した場合には、前述の送風手段160、加温手段175又は乾燥気体送風手段171を動作させるようにしても良い。例えば、循環手段54を構成する待機ケース90、上昇通路93及び貯留手段88が金属製、ガラス製である場合や通路壁面の一部に金属又はガラスが用いられている場合には、当該循環手段54の内壁面に結露発生の可能性が高まるので当該内壁面温度を検出することが望ましい。例えば、ガラスの熱伝導率は1であり、金属の熱伝導率は15以上であるため、合成樹脂(熱伝導率が0.4以下)成形品に比べて結露の発生が懸念されるからである。
【0153】
また、第10の実施形態では、循環手段54の内部における気温及び相対湿度を検出する気温・相対湿度検出手段185を設けているが、この気温・相対湿度検出手段185を用いず、循環手段54内の遊技球表面温度又は循環手段54の内壁面温度を検出する表面温度検出手段186のみを用いて、表面温度検出手段186で検出した表面温度が警戒温度(室内温度よりも所定温度(例えば8℃)程度低い温度である12℃)に達すると、前述の送風手段160、加温手段175又は乾燥気体送風手段171を動作させるようにしても良い。前記制御基板のRAMは、警戒温度をプリセットデータ領域に記憶しており、後述する変更後の警戒温度を書き換え可能データ領域に記憶可能である。前記の警戒温度(12℃)は、図33に示す記憶テーブルにおいて室内温度20℃で相対湿度は40〜60%の範囲内において最も高い露点温度が12℃であることから定められたものである。この場合には、図32の気温・相対湿度検出手段185を用いる場合に比べて精度は低いが、簡易な構成で結露の低減を図ることができる。
【0154】
なお、前記の警戒温度を、パチンコ機の納品先である遊技ホールが存する地域毎に設定変更するようにしてもよい。例えば、納品先の遊技ホールが存する地域の過去数年分(例えば5年分)の気象データに基づいて、相対湿度の範囲を特定し(例えば、度数分布表、ヒストグラム又は標準偏差からその範囲を特定してもよい)、図33に示す記憶テーブルを用いてその特定した相対湿度の範囲内における遊技ホールの営業時間の設定室内温度 (例えば20℃であるとする)において最も高い露点温度を警戒温度としてメーカー側において予め設定変更してもよいし、遊技ホールにおいてホール関係者が変更入力する構成としてもよい。
【0155】
また、遊技ホールの営業開始前におけるパチンコ機の電源投入時点や営業中において、表面温度検出手段186で検出した表面温度が、露点温度又は警戒温度である場合には、発射手段による遊技球の発射を禁止する(発射ができない状態にする)ようにしても良い。この場合には、遊技球表面の結露が発射手段53や遊技盤2に拡散することを防止できる。また、発射禁止とともに、あるいは発射禁止に替えて、パチンコ機の警告ランプやアラーム(警告音)による警告動作をしたり、ホールコンピュータに通報したりしてもよい。
【0156】
また、電源基板ケース130、発射制御基板ケース131、賞球制御基板ケース132、球貸制御基板ケース133又はこれら以外の制御基板ケースに形成された開口と、ブロア161の吸い込み口161aとを連通する図示省略の連通部材(管、ダクト、パイプ、チューブ等)を設け、ケース内の空気を循環手段54の内部に送風するようにしても良い。この場合には、循環手段54の内部を換気できるだけでなく、ケース内の制御基板における電子部品(CPUやMPU等)を冷却することができる。
【0157】
図34及び図35は本発明の第11の実施形態を例示する。図34及び図35に示すように、この第11の実施形態では、筐体29の支持枠28の下側に発射手段53が装着される等、遊技盤2の下部側又は遊技盤2の下側に発射手段53が配置されており、この発射手段53から遊技球を遊技盤2のガイドレール17に沿って遊技領域7へと発射するようになっている。循環手段54の回収手段86、移送手段87は支持枠28の下側等に装着されている。
【0158】
移送手段87は第1の実施形態と同様に回転スプロケット式であり、回収手段86からの遊技球を回転スプロケット99により移送しながら、上昇通路93から傾斜通路93bを介して発射手段53の裏側に位置する皿状の貯留手段88へと移送するようになっている。他の構成は第1の実施形態と同様である。貯留手段88は、例えば、平面視で傾斜通路93b以外の箇所が透明カバー88eによって覆われた構成としており、透明カバー88eを介して遊技球が視認可能となっている。
【0159】
第11の実施形態に例示するように、発射手段53を遊技盤2の下側等に設ける場合にも、回収手段86、移送手段87を、支持枠28等を介して筐体29側に設けることができる。また貯留手段88は透明カバー88eを採用せずに上方が開放した開放状に構成しても良い。この場合には、貯留手段88に遊技球を入れることにより、循環経路R中に遊技球を補充することもできる。
【0160】
また、第11の実施形態では、第1の実施形態と同様に、循環手段54を構成する待機ケース90、貯留手段88、上昇通路93等の外側各壁面に、断熱部を形成しているので、第11の実施形態のような循環手段54においても、当該循環手段54の内壁面や当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減することができ、遊技球自体が錆びることやその錆が循環手段内に落下することを低減でき、錆に起因する循環手段内の封入球の球詰まりを低減できる。また、断熱部に替えてあるいは共に、第4の実施形態の長孔141(連通部)、第5の実施形態の乾燥手段150、第6の実施形態の送風手段160、第7の実施形態の乾燥気体送風手段171、第8の実施形態の加温手段175、第9の実施形態の吸引手段180及び第10の実施形態の少なくとも一つを組み合わせたりしても良い。
【0161】
図36及び図37は本発明の第12の実施形態を例示する。図36及び図37に示すように、この第12の実施形態では、循環手段54を外形が箱状でユニット化したものである。
【0162】
具体的には、第12の実施形態の循環手段54は、例えば合成樹脂成型品からなる正面側ケース体(前壁部材)及び背面側ケース体(後壁部材)を合わせることでその内部空間に遊技球案内通路54aを形成するものであり、ネジなどの締結部品によって支持板104に取り付けられている。なお、係止爪及び被係止部からなる係止機構によって循環手段54を支持板104に取り付ける構成としても良い。例えば、正面側ケース体の内面(背面側ケース体と対向する面)側箇所に、遊技球案内通路54aの天面用壁部及び底面用壁部を突出形成し、この天面用壁部及び底面用壁部の先端が背面側ケース体の内面(正面側ケース体と対向する面)側箇所に近接(又は当接)するように正面側ケース体と背面側ケース体とを合わせることで遊技球案内通路54aを形成している。遊技球案内通路54aは、図36に示すように正面視で右側に下り傾斜した後に左側に下り傾斜した略くの字形状とした通路であり、その上流端箇所に、集球ケース21の排出口80から排出された遊技球を受ける受け口90aが形成され、その下流端箇所に、球送り手段77に連通する排出口が形成されている。球送り手段77は、遊技球案内通路54aから供給される遊技球を1個ずつ発射支持板70の球送り口70aを経て、遊技球の発射後に発射レール71上の発射位置へと送る。遊技球案内通路54aを蛇行通路やS字状通路など種々の形状の通路としても良いし、遊技球案内通路54aの一部に遊技球を補充する補充口90cを備えたり、ファール球を受けるファール球回収口を備えたりしても良い。また、第12の実施形態の循環手段54に、移送手段87、研磨手段55、上昇通路93などの少なくとも一つを設けるようにしてもよい。
【0163】
また、第12の実施形態では、第1の実施形態と同様に、循環手段54の外壁面に、断熱部を形成しているので、第12の実施形態のような循環手段54においても、当該循環手段54の内壁面や当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減することができる。また、断熱部に替えてあるいは共に、第4の実施形態の長孔141(連通部)、第5の実施形態の乾燥手段150、第6の実施形態の送風手段160、第7の実施形態の乾燥気体送風手段171、第8の実施形態の加温手段175、第9の実施形態の吸引手段180及び第10の実施形態の少なくとも一つを組み合わせたりしても良い。
【0164】
図38及び図39は本発明の第13の実施形態を例示する。図36及び図37に示すように、第13の実施形態の循環手段54は、遊技盤2から排出された遊技球を、遊技者が触れられないように透明カバー190aで覆われた皿部190に移送し、この皿部190から発射手段53に循環させるものである。具体的には、循環手段54は、待機ケース90、搬送装置191及び皿部190を備えている。
【0165】
搬送装置191は、表ケースと裏ケースとを一体に組み合わせた箱状ケース体192と、この箱状ケース体192の内部下部側箇所に配設された、移送駆動手段96によって回転される回転移送体94と、箱状ケース体192の内部で回転移送体94の上方箇所に配設された第1従動体193と、箱状ケース体192の内部で第1従動体193の上方箇所に配置された第2従動体194とを備えている。
【0166】
具体的には、この搬送装置191は、図39に示すように、箱状ケース体192の右側下部箇所に形成された取り込み口192aに待機ケース90の待機通路90bからの遊技球が入力され、移送駆動手段96によって回転移送体94が回転(図39では時計回りに回転)することで取り込み口192aに位置する球捕捉部100毎に遊技球が1個捕捉され、回転移送体94の球捕捉部100に捕捉された遊技球が時計回りに移動して第1従動体193の方に搬送される。
【0167】
そして、第1従動体193の下側の球捕捉部100と回転移送体94の球捕捉部100とで遊技球が捕捉された状態となることで、回転移送体94の回転に従動して第1従動体193が反時計回りに回転するとともに第1従動体193の下側で新たに回転移送体94に対向する球捕捉部100と回転移送体94の球捕捉部100とで遊技球が次々と捕捉された状態となり、第1従動体193の球捕捉部100に捕捉された遊技球が反時計回りに移動して第2従動体194の方に搬送される。
【0168】
そして、第2従動体194の下側の球捕捉部100と第1従動体193の球捕捉部100とで遊技球が捕捉された状態となることで、第1従動体193の回転に従動して第2従動体194が時計回りに回転するとともに第2従動体194の下側で新たに第1従動体193に対向する球捕捉部100と第2従動体194の球捕捉部100とで遊技球が次々と捕捉された状態となり、第2従動体194の球捕捉部100に捕捉された遊技球が時計回りに移動して、第2従動体194の上方に搬送され、箱状ケース体192の右側上部箇所に形成された出力口192bから皿部190に排出される。皿部190に貯留された遊技球は通路部を通って貯留手段88に案内され、発射手段53によって遊技盤2に向けて発射される。
【0169】
なお、図39に示すように回転移送体94の上部から時計回りで右横までの範囲箇所が箱状ケース体192に近接し(例えば、球捕捉部100の最窪み箇所から箱状ケース体192までの距離が遊技球の半径程度の距離としている)、当該範囲箇所に遊技球が位置できない構成としているため、球捕捉部100で捕捉した遊技球を第1従動体193に案内することができる。これと同様に、第1従動体193の左半分箇所と、第2従動体194の右斜め上箇所から時計回りで右斜め下箇所とが、箱状ケース体192にそれぞれ近接し、当該範囲箇所に遊技球が位置できない構成としている。
【0170】
なお搬送装置191は、遊技盤2の可変入賞手段11、特別図柄始動手段12または普通入賞手段13への入賞に基づく賞球数、球貸ボタン46の操作に基づく球貸し数だけ上皿に遊技球を供給するように動作するようにしてもよい。
【0171】
また、搬送装置191に替えて、第1の実施形態の移送手段87及び上昇通路93を採用するようにしても良い。
【0172】
また、第13の実施形態では、第1の実施形態と同様に、循環手段54の外壁面に、断熱部を形成しているので、第13の実施形態のような循環手段54においても、当該循環手段54の内壁面や当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減することができる。また、断熱部に替えてあるいは共に、第4の実施形態の長孔141(連通部)、第5の実施形態の乾燥手段150、第6の実施形態の送風手段160、第7の実施形態の乾燥気体送風手段171、第8の実施形態の加温手段175、第9の実施形態の吸引手段180及び第10の実施形態の少なくとも一つを組み合わせたりしても良い。
【0173】
図40〜図42は本発明の第14の実施形態を例示する。図40に示すように、遊技盤2は、その遊技領域7の右下箇所に、普通入賞手段13及び球移動演出装置201を有する装飾遊技部品200が配設されている。
【0174】
図41及び図42に示すように、この装飾遊技部品200の普通入賞手段13に入球した遊技球は、案内通路202を通って遊技盤2の裏面に位置する集球ケース21の排出口80の方に案内される。球移動演出装置201は、この装置内部でのみ封入球を循環させるものであり、その前面側に形成された透明な視認窓203を介して、この装置内部で例えば右上がりに移動する封入球を遊技者に見せることができる。例えば、球移動演出装置201は、画像表示部9bにおける演出図柄9c〜9eの図柄変動演出や大当たり演出等に合わせて、装置内部に封入した封入球を移動させる演出を行う。
【0175】
具体的には、球移動演出装置201は、封入球を移動可能に封入する封入空間が内部形成された本体部204と、この本体部204に配設され、封入空間内において封入球を循環移動させる球移動手段205と、この球移動手段205を駆動する駆動モータ206( 駆動手段) と、封入空間内において封入球を所定数( 実施例では1個) ずつ球移動手段205へ向けて送出する球送り装置207(ソレノイド)とを備え、封入空間内で封入球を循環移動させることで、封入球の移動による演出を行うことができる。
【0176】
球移動手段205は、封入球を移動させるための螺旋状に延在する突出片210aが外周面に形成された回動軸部材210と、この回動軸部材210の下端部を軸支する軸受け部211とを備え、回動軸部材210の上端部が駆動モータ206に連結されて本体部204に回転可能に支持されている。ここで、回動軸部材210は、水平面に対して所定角度傾斜した傾斜姿勢で本体部204に支持されている。また、突出片210aの間に螺旋状に延在する溝部(螺旋状溝部)に沿って摺動可能な状態で封入球が接触するよう構成されており、回動軸部材210の回転に伴って封入球が軸方向に移動される。
【0177】
本体部204は、遊技球を案内する通路であって前後方向に貫通して前方に下り傾斜した第1通路部204aと、この第1通路部204aからの遊技球を右上がりに移動させる右上がり通路部204bと、この右上がり通路部204bの上端に達した遊技球を背後側に案内する通路であって前後方向に貫通して後方に下り傾斜して第1通路部204aに連通するように第1通路部204aに向けて下り傾斜した第2通路部204cとを備えている。
【0178】
図42に示すように、球送り装置207は、パルス通電されることで可動片207aがそのパルス通電期間のみ内部に吸引され、第2通路部204cに貯留されている最下流の封入球に当接させている塞き止め片207bの先端側が当該期間だけ遊技球から離れてその最下流球が流下し、新たな最下流球に塞き止め片207bの先端側が当接するように戻り、流下が止められているので、最下流の遊技球を1個ずつ球移動手段205へ向けて送出することができる。
【0179】
また、球移動演出装置201は、普通入賞手段13や循環手段54とは非接続で独立した構成としているので、この装置内部でのみ封入球を循環させることができる。よって、遊技領域7に打ち込まれた遊技球を利用する必要がなく、任意のタイミングで封入球による移動演出を行うことができる。
【0180】
また、第14の実施形態では、第1の実施形態と同様に、装飾遊技部品200の外壁面に、断熱部を形成しているので、第14の実施形態のような装飾遊技部品200においても、当該装飾遊技部品200の内壁面や当該装飾遊技部品200内の封入球表面の結露を低減することができる。また、断熱部に替えてあるいは共に、第4の実施形態の長孔141(連通部)、第5の実施形態の乾燥手段150、第6の実施形態の送風手段160、第7の実施形態の乾燥気体送風手段171、第8の実施形態の加温手段175、第9の実施形態の吸引手段180及び第10の実施形態の少なくとも一つを組み合わせたりしても良い。
【0181】
図43〜図44は本発明の第15の実施形態を例示する。第15の実施形態では、図43及び図44に示すように、平面視で遊技盤2の裏面側位置の回収手段86で回収された遊技球を発射手段53の前側位置の球送り手段77に循環する循環手段54が配設されている。
【0182】
具体的には、循環手段54は、図44に示すように平面視において、待機通路90bの下流側部分であって遊技盤2よりも前側に位置するように屈曲して下流側に向けて下り傾斜する第1屈曲通路部90fと、遊技盤2よりも前側に位置するように側板24に取り付けられた支持板104と、この支持板104の前面側に位置する移送手段87及び上昇通路93と、この上昇通路93の遊技球案内出力側部分であってさらに前方に屈曲して当該出力側に向けて下り傾斜する第2屈曲通路部93cと、第2屈曲通路部93cの出力口からの遊技球を受けるように当該出力口の下方に開口受け部88fの少なくとも一部が配設された貯留手段88と、発射手段53の前側位置に配設されて貯留手段88から遊技球を受ける球送り手段77と、を備えている。
【0183】
また、貯留手段88及び球送り手段77は板状部材215の前面にそれぞれ取り付けられている。例えば、貯留手段88及び球送り手段77のそれぞれの被係止部(図示省略)に板状部材215の係止爪(図示省略)を係止させることで取り付けられている。なお、ネジ止めや嵌合等による取り付けでも良い。
【0184】
また、発射手段53を支持する発射支持板70は、正面視で右側箇所に板状部材215を開閉可能に支持する開閉支持部217を備えている。この開閉支持部217としては、例えば、発射支持板70の右端下半分箇所で前方に突出した突出片70bの上面部に上向きに突出形成されたピン(図示省略)を、板状部材215の右側箇所に前方に突出した突出片216に形成された挿入孔(図示省略)に挿入するようにして、発射支持板70の突出片70bの上面部に板状部材215の突出片216を載置することで、板状部材215を発射支持板70に対して開閉可能に支持するものが挙げられる。また、板状部材215は、正面視で左側箇所に設けられた止め具(図示省略)により、当該板状部材215を発射支持板70に対して閉状態を維持することができる。止め具としては、例えば、パネルラッチ(蓋止め部品)、ストッパー、錠前など種々ものを採用してもよい。また、止め具の操作部を押すと止め状態となり、引くと解除状態となるワンタッチ式止め具を採用しても良い。なお、第15の実施形態では、発射手段53の前面側から遊技球が供給されるため、発射支持板70は球送り口70aを有していない。
【0185】
図44に示すように、例えば板状部材215の開閉軸の延長線上に第2屈曲通路部93cの出力口が位置しているので、板状部材215が開状態となっても、貯留手段88の開口受け部88fは第2屈曲通路部93cの出力口の下方に位置している。よって、板状部材215の開状態又は閉状態のいずれであっても、第2屈曲通路部93cからの遊技球を確実に貯留手段88の開口受け部88fで受け取ることができる。
【0186】
なお、第2屈曲通路部93cの出力口を下向きに延出した円筒出力口(図示省略)とし、貯留手段88の開口受け部88fを円筒状受け部(図示省略)とし、円筒出力口の内側又は外側に円筒状受け部が同一軸心として回動可能に嵌合させた構成(二重筒構造)としてもよい。この場合には、第2屈曲通路部93cから貯留手段88に遊技球が案内される際に遊技球が筒内を通って案内されるため、遊技球がこぼれ落ちることがない。
【0187】
また、球送り手段77は、発射手段53への遊技球を塞き止めて1個ずつ送り出す機構であることから、板状部材215を開状態にしても、発射手段53に遊技球を供給するための供給口から遊技球が落下しないようになっている。なお、板状部材215が開状態となると、球送り手段77の供給口を、少なくとも遊技球を通過させない程度に塞ぐ構成としても良い。
【0188】
また、第15の実施形態では、第1の実施形態と同様に、循環手段54の外壁面に、断熱部を形成しているので、第15の実施形態のような循環手段54においても、当該循環手段54の内壁面や当該循環手段54内の遊技球表面の結露を低減することができる。また、断熱部に替えてあるいは共に、第4の実施形態の長孔141(連通部)、第5の実施形態の乾燥手段150、第6の実施形態の送風手段160、第7の実施形態の乾燥気体送風手段171、第8の実施形態の加温手段175、第9の実施形態の吸引手段180及び第10の実施形態の少なくとも一つを組み合わせたりしても良い。
【0189】
また、循環手段54の内部結露に限らず、前記基板ケース130〜133等の内部結露を防止又は低減するために、これらの基板ケースの少なくとも一つの基板ケースについて、前記の結露低減手段(断熱部、長孔141(連通部)、乾燥手段150、送風手段160、乾燥気体送風手段171、加温手段175、吸引手段180など)を採用しても良い。
【0190】
また、第1〜第15の実施形態のうちいくつかを組み合わせたり、ある実施形態の一部の構成を他の実施形態(いくつかの実施形態を組み合わせたものを含む)に組み合わせたり、ある実施形態の一部の構成を他の実施形態における一部の構成と組み合わせたり、これらをそれ以外の実施形態に組み合わせたりしても良い。
【0191】
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明はこの各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、各実施形態では、筐体29等の外枠1に遊技盤装着枠52を介して遊技盤2を装着する弾球遊技機として、循環封入式のパチンコ機を例示しているが、循環封入式のパチンコ機以外の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。
【0192】
また循環封入式の場合にも、発射手段53、循環手段54は遊技盤2の下部又は遊技盤2の下側に対応して外枠1に設けても良い。循環封入式以外の場合にも、発射手段53は遊技盤2の下部又は遊技盤2の下側に対応して外枠1に設けても良い。
【0193】
更に実施形態では、外枠1の遊技盤装着枠52に対して前側から遊技盤2を着脱自在に装着するように構成しているが、外枠1の遊技盤装着枠52に対して裏側から遊技盤2を装着するようにしても良い。
【0194】
外枠1と、この外枠1の前側に開閉自在に枢着された前枠137とを備えた遊技機本体136において、前枠137に遊技盤装着枠52を介して装着された遊技盤2と発射手段53とを設ける場合にも、回収手段86、移送手段87を含む循環手段54を外枠1に設けるようにしても良い。
【0195】
遊技領域7の外側で遊技盤2に切り欠き部67又は開口部135を設けて、遊技機本体136側の発射手段53がその切り欠き部67又は開口部135を経て出退するように構成する場合、その切り欠き部67等の位置は遊技盤2の上部の他、遊技盤2の上下方向の中間部、又は遊技盤2の下部等でも良い。また発射手段53と遊技領域7との間の仕切り部8aは、発射支持板70の前面に設けても良い。
【0196】
遊技島に固定される外枠1は、前側に開放する開口を有する筐体29の他、矩形枠状のものでも良い。また筐体29等を含む外枠1により遊技機本体136を構成する他、遊技機本体136は矩形枠状の外枠1と、この外枠1の前側に開閉自在に枢着される前枠137とにより構成しても良い。その場合、遊技盤装着枠52及び遊技盤2は外枠1に設ける以外に、遊技機本体136の一部を構成する前枠137に設けても良い。その場合の外枠1は筐体29でも良いし、矩形枠状のものでも良い。
【0197】
遊技盤2は遊技盤装着枠52が筐体29内にある場合には、遊技盤装着枠52に対して前側から装着することになるが、遊技盤装着枠52が前枠137にある場合には遊技盤2は前後の何れから装着するようにしても良い。遊技領域7を視認可能に配置されるガラス扉4等の開閉扉は、前枠137がある場合には前枠137に枢着すれば良い。筐体29内に左右方向に架設された支持枠28は省略しても良いし、支持枠28と遊技盤装着枠52とは別々に設けても良い。遊技盤装着枠52は遊技盤2を安定的に装着できる構造であればよく、実施形態に例示の構造に限定されるものではない。
【0198】
実施形態では遊技盤2と発射手段53との間で遊技球を循環させる循環式のパチンコ機について例示しているが、循環式のアレンジボール機の他、遊技盤2を通過した遊技球を機外に排出する非循環式パチンコ機、アレンジボール機を含む各種の弾球遊技機に採用することも可能である。
【0199】
また循環式の弾球遊技機において、循環手段54を外枠1側に設ける場合、その循環手段54を外枠1に直接固定しても良いし、ブラケットその他の適宜手段を介して外枠1に固定しても良い。例えば実施形態に例示するように回収手段86と貯留手段88と移送手段87とを備えた循環手段54の場合、回収手段86は支持枠28に、貯留手段88は遊技盤装着枠52の上部側に、移送手段87の下部側は支持枠28に、移送手段87の上昇通路93は遊技盤装着枠52の側部側に夫々適宜手段を介して固定しても良いし、他の箇所に固定しても良い。
【0200】
循環手段54の回収手段86と貯留手段88は、発射手段53の位置に応じて何れを上に配置しても良い。実施形態のように発射手段53が遊技機本体136の上部側にある場合には、その発射手段53に対応して貯留手段88が回収手段86よりも上側に配置することになるが、発射手段53が遊技機本体136の下部側にある場合には、貯留手段88を回収手段86よりも下側に配置しても良い。貯留手段88を回収手段86よりも下側に配置した場合、移送手段87は遊技球の転がりにより回収手段86から貯留手段88へと移送するように構成すれば良い。
【0201】
発射手段53は遊技機本体136の上下方向の最適位置に配置すれば良い。発射手段53から遊技領域7までの遊技球の案内経路を短くする場合には、発射手段53を遊技盤2の上下幅内に配置するか、又は極力遊技盤2の近傍に配置することが望ましい。発射手段53が遊技盤2の上下幅内か又はその近傍にある場合には、貯留手段88、移送手段87の上昇通路93等は遊技盤2の裏側に配置することになる。
【0202】
回収手段86から貯留手段88へと遊技球を上昇させる上昇式の移送手段87には、実施形態のような構成のスプロケット式を採用すれば、回収手段86から貯留手段88までの揚程を大にできる利点があるが、他のスクリュー式、ベルトコンベア式、バケットコンベヤ式等を採用しても良い。また移送手段87は待機中の遊技球が所定数以上となる都度、その待機中の遊技球の全てを移送するまで作動する他、入口部105に遊技球が到達する都度に作動して移送するようにしても良いし、常時作動するようにしても良い。常時作動する場合の移送手段87は、スクリュー式、ベルトコンベア式、バケットコンベヤ式が望ましい。
【符号の説明】
【0203】
2 遊技盤
7 遊技領域
53 発射手段
54 循環手段
140 結露低減手段
141 長孔(連通部)
150 乾燥手段
160 送風手段
175 加温手段
171 乾燥気体送風手段
185 気温・相対湿度検出手段
186 表面温度検出手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段とを備えた弾球遊技機において、前記遊技盤から排出された遊技球を前記発射手段に案内可能な循環経路を構成する循環手段と、前記循環手段の循環経路内壁面または当該循環手段内の遊技球表面の結露を低減する結露低減手段とを備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記結露低減手段は、前記循環手段の循環経路内壁面または当該循環手段内の遊技球表面とその周囲気体との温度差を低減する温度差低減手段であることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記結露低減手段は、前記循環手段内の気体の水蒸気量を低減する水蒸気量低減手段であることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記結露低減手段は、前記循環手段内の遊技球表面を拭く拭き取り手段又は当該循環手段内の遊技球表面に気体を吹き当てる若しくは遊技球表面の水滴を吸引する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項5】
前記温度差低減手段は、前記循環手段の循環経路内部に気体を送風する送風手段、前記循環手段に形成され且つ当該循環手段の外部と循環経路内部とを連通する連通部、前記循環手段に設けられた断熱部、又は、前記循環手段若しくは当該循環手段内の遊技球を加温する加温手段のうち少なくとも一つを備えたものであることを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機。
【請求項6】
前記水蒸気量低減手段は、前記循環手段の循環経路内に乾燥気体を送風する乾燥気体送風手段、又は、前記循環手段の循環経路内の気体を乾燥させる乾燥手段のうち少なくとも一つを備えたものであることを特徴とする請求項3に記載の弾球遊技機。
【請求項7】
前記循環手段内の気温及び相対湿度を検出する気温・相対湿度検出手段と、気温と相対湿度による空気の露点温度を記憶する記憶手段と、前記循環手段の循環経路の内壁面温度又は当該循環手段内の遊技球表面温度を検出する表面温度検出手段と、前記気温・相対湿度検出手段で検出された気温及び相対湿度に基づいて露点温度を求め、前記表面温度検出手段で検出された表面温度が露点温度又は当該露点温度よりも高い所定温度に達した場合に、前記送風手段、前記加温手段又は前記乾燥気体送風手段を動作させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項5又は6の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項8】
前記循環手段の循環経路の内壁面温度又は当該循環手段内の遊技球表面温度を検出する表面温度検出手段と、前記表面温度検出手段で検出された表面温度が規定値以下の場合に、前記発射手段の動作を停止させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段とを備えた弾球遊技機において、前記遊技盤から排出された遊技球を前記発射手段に案内可能な循環経路を構成する循環手段と、前記循環手段の循環経路内壁面または当該循環手段内の遊技球表面の結露を低減する結露低減手段とを備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記結露低減手段は、前記循環手段の循環経路内壁面または当該循環手段内の遊技球表面とその周囲気体との温度差を低減する温度差低減手段であることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記結露低減手段は、前記循環手段内の気体の水蒸気量を低減する水蒸気量低減手段であることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記結露低減手段は、前記循環手段内の遊技球表面を拭く拭き取り手段又は当該循環手段内の遊技球表面に気体を吹き当てる若しくは遊技球表面の水滴を吸引する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項5】
前記温度差低減手段は、前記循環手段の循環経路内部に気体を送風する送風手段、前記循環手段に形成され且つ当該循環手段の外部と循環経路内部とを連通する連通部、前記循環手段に設けられた断熱部、又は、前記循環手段若しくは当該循環手段内の遊技球を加温する加温手段のうち少なくとも一つを備えたものであることを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機。
【請求項6】
前記水蒸気量低減手段は、前記循環手段の循環経路内に乾燥気体を送風する乾燥気体送風手段、又は、前記循環手段の循環経路内の気体を乾燥させる乾燥手段のうち少なくとも一つを備えたものであることを特徴とする請求項3に記載の弾球遊技機。
【請求項7】
前記循環手段内の気温及び相対湿度を検出する気温・相対湿度検出手段と、気温と相対湿度による空気の露点温度を記憶する記憶手段と、前記循環手段の循環経路の内壁面温度又は当該循環手段内の遊技球表面温度を検出する表面温度検出手段と、前記気温・相対湿度検出手段で検出された気温及び相対湿度に基づいて露点温度を求め、前記表面温度検出手段で検出された表面温度が露点温度又は当該露点温度よりも高い所定温度に達した場合に、前記送風手段、前記加温手段又は前記乾燥気体送風手段を動作させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項5又は6の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項8】
前記循環手段の循環経路の内壁面温度又は当該循環手段内の遊技球表面温度を検出する表面温度検出手段と、前記表面温度検出手段で検出された表面温度が規定値以下の場合に、前記発射手段の動作を停止させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の弾球遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図2】
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【図5】
【図6】
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【図31】
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【図34】
【図35】
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【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【公開番号】特開2013−106766(P2013−106766A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253690(P2011−253690)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】
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