弾球遊技機
【課題】糸付き球ゴトに対して、糸(紐体)を捕捉して遊技球の自由な操作を制限することにより、当該不正行為を困難或いは不能とする球戻り防止部材を提供する。
【解決手段】球戻り防止部材130の球戻り防止片140は、遊技球に固着された操作糸を、第1糸誘導部141bおよび第2糸誘導部142bにより糸捕捉谷部143へ誘導し、糸捕捉谷部143は誘導された操作糸を堅固に捕捉することで操作糸の操作を困難とし、さらに糸捕捉谷部143を形成する第1切刃部141cおよび第2切刃部142cにより操作糸を切断することで操作を不能とする。
【解決手段】球戻り防止部材130の球戻り防止片140は、遊技球に固着された操作糸を、第1糸誘導部141bおよび第2糸誘導部142bにより糸捕捉谷部143へ誘導し、糸捕捉谷部143は誘導された操作糸を堅固に捕捉することで操作糸の操作を困難とし、さらに糸捕捉谷部143を形成する第1切刃部141cおよび第2切刃部142cにより操作糸を切断することで操作を不能とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球戻り防止部材を備えた弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、発射した遊技球を発射通路を経由して、入賞口等が配設された遊技領域に進入させ、遊技領域を流下する遊技球の入賞等の結果により遊技者に利益を提供することで遊技を行う構成において、一旦遊技領域に進入した遊技球が再度、発射通路へ逆行(逆流、球戻り)してしまう不具合を解消するために、発射通路の遊技領域側末端部付近に、遊技領域への遊技球の進入を促し、且つ発射通路へ逆行しようとする遊技球を阻止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機が広く知られている。
一方、上述したような、すなわち入賞口等に遊技球が入球するか否かにより遊技者が享受する利益に差が生まれる弾球遊技機に対して、釣糸等を固着させた遊技球を遊技領域に発射し、釣糸等を手元で操作して任意の入賞口の検出スイッチにて反復継続して検出させる等によって、不当な利得を得る所謂糸付き球ゴトが頻繁に発生している。
このような、遊技球に釣糸等のような操作を可能とする紐体を一体的に構成して、本来ならば流下する遊技球の自由な動きに反するように操作することで、何らかの不当利得を得ようとする不正行為に対して、弾球遊技機に設けられるものではないが、不正玉の動きを検出する不正検知機構を備えた技術(例えば、特許文献1参照)が考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−85441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術を弾球遊技機に適用したとしても、不正行為が為された事実を検知することが出来るに留まり、糸付き球を用いた不正行為そのものが容易に行えるという状態に変わりは無く、糸付き球ゴトに対する抑止力とはならなかった。
本願発明は係る課題に鑑みなされたものであり、糸付き球ゴトに対して、糸(紐体)を捕捉して遊技球の自由な操作を制限することにより、当該不正行為を困難或いは不能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明の請求項1記載の弾球遊技機は、遊技盤に設けられて遊技球が流下する遊技領域と、発射された前記遊技球が発射通路から前記遊技領域へ進入することを許容すると共に遊技領域から前記発射通路に逆流することを防止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機において、前記球戻り防止部材は、発射された遊技球が遊技領域に進入するとき、又は遊技領域から発射通路に逆流しようとするときに接触する球戻り防止片を備え、球戻り防止片は、前記遊技領域に進入した遊技球に固着されて該遊技球を操作可能な紐体を捕捉する捕捉部と、前記紐体を前記捕捉部に誘導する誘導部と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の弾球遊技機は、遊技盤に設けられて遊技球が流下する遊技領域と、発射された前記遊技球が発射通路から前記遊技領域へ進入することを許容すると共に遊技領域から前記発射通路に逆流することを防止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機において、前記球戻り防止部材は、発射された遊技球が遊技領域に進入するとき、又は遊技領域から発射通路に逆流しようとするときに接触する球戻り防止片を備え、球戻り防止片は、前記遊技領域に進入した遊技球に固着されて該遊技球を操作可能な紐体を捕捉する捕捉部と、前記紐体を前記捕捉部に誘導する誘導部と、前記紐体が球戻り防止片から脱落することを防止する脱落防止部を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の弾球遊技機は、遊技盤に設けられて遊技球が流下する遊技領域と、発射された前記遊技球が発射通路から前記遊技領域へ進入することを許容すると共に遊技領域から前記発射通路に逆流することを防止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機において、前記球戻り防止部材は、発射された遊技球が遊技領域に進入するとき、又は遊技領域から発射通路に逆流しようとするときに接触する球戻り防止片を備え、球戻り防止片は、前記遊技領域に進入した遊技球に固着されて該遊技球を操作可能な紐体を捕捉する捕捉部と、前記紐体を前記捕捉部に誘導する誘導部と、該誘導部から延設されて前記紐体を誘導部へ誘導する延設部を備え、前記遊技盤は前記延設部との接触を避ける凹部を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の弾球遊技機は、遊技盤に設けられて遊技球が流下する遊技領域と、発射された前記遊技球が発射通路から前記遊技領域へ進入することを許容すると共に遊技領域から前記発射通路に逆流することを防止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機において、前記球戻り防止部材は、発射された遊技球が遊技領域に進入するとき、又は遊技領域から発射通路に逆流しようとするときに接触する球戻り防止片を備え、球戻り防止片は、前記遊技領域に進入した遊技球に固着されて該遊技球を操作可能な紐体を捕捉する捕捉部と、前記紐体を前記捕捉部に誘導する誘導部と、前記紐体が球戻り防止片から脱落することを防止する脱落防止部と、前記誘導部から延設されて前記紐体を誘導部へ誘導する延設部を備え、前記遊技盤は前記延設部との接触を避ける凹部を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の本発明は、請求項1乃至請求項4に記載の弾球遊技機において、前記捕捉部は、捕捉した前記紐体を切断可能な切刃部を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の本発明は、請求項1乃至請求項5に記載の弾球遊技機において、前記球戻り防止片は、発射された遊技球が遊技領域に進入するときの接触による通常変位角度と、該通常変位角度より大きな異常変位角度に変位可能であって、異常変位角度に変位したことを検知可能な異常検知手段と、検知手段が異常変位角度に変位したと検知した旨を報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の弾球遊技機によれば、球戻り防止片が遊技領域から発射通路へ逆行する球戻りを阻止し且つ発射された遊技球が発射通路から遊技領域へ進入する際にこれを誘導する機能を維持しつつ、遊技球に紐体が固着されているとき、球戻り防止片が紐体を支持し、誘導部が該紐体を捕捉部へ誘導し、誘導された紐体を捕捉部が堅固に捕捉するので、紐体の自由な操作を困難として、不正行為者に対して不当な利得を与えないようにすることが可能となる。
【0012】
また、捕捉部は不正行為を目的として遊技球に固着された紐体を捕捉し、誘導部は紐体を捕捉部に誘導するためにのみ機能するので、正規の遊技球には何ら作用せず、糸付き球ゴトに係る紐体が固着された遊技球が遊技領域に進入した場合にのみ機能することが可能となる。したがって、紐体が存在する場合には自動的に機能するので、不正な紐体の存否を検出する特別な装置を備える必要がない。
【0013】
さらに、紐体の自由な操作を制限するための機能として、誘導部および補足部を、遊技盤に配設される球戻り防止部材に備えたことで、不正行為への対策が為されていることを、不正行為者に対して一目瞭然に明示することができ、視認不能な箇所での対処と比較して、不正行為への予防効果が期待できる。
【0014】
請求項2に記載の弾球遊技機によれば、球戻り防止片が遊技領域から発射通路へ逆行する球戻りを阻止し且つ発射された遊技球が発射通路から遊技領域へ進入する際にこれを誘導する機能を維持しつつ、遊技球に紐体が固着されているとき、球戻り防止片が紐体を支持し、誘導部が該紐体を捕捉部へ誘導し、誘導された紐体を捕捉部が堅固に捕捉するので、紐体の自由な操作を困難として、不正行為者に対して不当な利得を与えないようにすることが可能となる。
【0015】
また、捕捉部は不正行為を目的として遊技球に固着された紐体を捕捉し、誘導部は紐体を捕捉部に誘導するためにのみ機能するので、正規の遊技球には何ら作用せず、糸付き球ゴトに係る紐体が固着された遊技球が遊技領域に進入した場合にのみ機能することが可能となる。したがって、紐体が存在する場合には自動的に機能するので、不正な紐体の存否を検出する特別な装置を備える必要がない。
【0016】
また、紐体の自由な操作を制限するための機能として、誘導部および補足部を、遊技盤に配設される球戻り防止部材に備えたことで、不正行為への対策が為されていることを、不正行為者に対して一目瞭然に明示することができ、視認不能な箇所での対処と比較して、不正行為への予防効果が期待できる。
【0017】
さらに、球戻り防止片の上端部にて一旦は支持した紐体が、遊技盤側またはガラス板側の間隙に脱落することを防止する脱落防止部を備えたので、球戻り防止片で一度支持した紐体は高い確率で誘導部を経て捕捉部へ移送可能となる。
【0018】
請求項3に記載の弾球遊技機によれば、球戻り防止片が遊技領域から発射通路へ逆行する球戻りを阻止し且つ発射された遊技球が発射通路から遊技領域へ進入する際にこれを誘導する機能を維持しつつ、遊技球に紐体が固着されているとき、球戻り防止片が紐体を支持し、誘導部が該紐体を捕捉部へ誘導し、誘導された紐体を捕捉部が堅固に捕捉するので、紐体の自由な操作を困難として、不正行為者に対して不当な利得を与えないようにすることが可能となる。
【0019】
また、捕捉部は不正行為を目的として遊技球に固着された紐体を捕捉し、誘導部は紐体を捕捉部に誘導するためにのみ機能するので、正規の遊技球には何ら作用せず、糸付き球ゴトに係る紐体が固着された遊技球が遊技領域に進入した場合にのみ機能することが可能となる。したがって、紐体が存在する場合には自動的に機能するので、不正な紐体の存否を検出する特別な装置を備える必要がない。
【0020】
また、紐体の自由な操作を制限するための機能として、誘導部および補足部を、遊技盤に配設される球戻り防止部材に備えたことで、不正行為への対策が為されていることを、不正行為者に対して一目瞭然に明示することができ、視認不能な箇所での対処と比較して、不正行為への予防効果が期待できる。
【0021】
さらに、遊技領域側またはガラス板側の間隙に進入する軌道をとる紐体を、誘導部から連なって延びるように設けられた延設部によって誘導するので、より広範囲に亘って不正な紐体を確実に捕獲し、ひいては堅固な捕捉によって自由な操作を阻止することが可能となる。
また、延設部に干渉しない凹部を遊技盤に設けることにより、遊技盤に近接した軌道をとる紐体であっても捕獲することが可能となる。
【0022】
請求項4に記載の弾球遊技機によれば、球戻り防止片が遊技領域から発射通路へ逆行する球戻りを阻止し且つ発射された遊技球が発射通路から遊技領域へ進入する際にこれを誘導する機能を維持しつつ、遊技球に紐体が固着されているとき、球戻り防止片が紐体を支持し、誘導部が該紐体を捕捉部へ誘導し、誘導された紐体を捕捉部が堅固に捕捉するので、紐体の自由な操作を困難として、不正行為者に対して不当な利得を与えないようにすることが可能となる。
【0023】
また、捕捉部は不正行為を目的として遊技球に固着された紐体を捕捉し、誘導部は紐体を捕捉部に誘導するためにのみ機能するので、正規の遊技球には何ら作用せず、糸付き球ゴトに係る紐体が固着された遊技球が遊技領域に進入した場合にのみ機能することが可能となる。したがって、紐体が存在する場合には自動的に機能するので、不正な紐体の存否を検出する特別な装置を備える必要がない。
【0024】
また、紐体の自由な操作を制限するための機能として、誘導部および補足部を、遊技盤に配設される球戻り防止部材に備えたことで、不正行為への対策が為されていることを、不正行為者に対して一目瞭然に明示することができ、視認不能な箇所での対処と比較して、不正行為への予防効果が期待できる。
【0025】
また、球戻り防止片の上端部にて一旦は支持した紐体が、遊技盤側またはガラス板側の間隙に脱落することを防止する脱落防止部を備えたので、球戻り防止片で一度支持した紐体は高い確率で誘導部を経て捕捉部へ移送可能となる。
【0026】
さらに、遊技領域側またはガラス板側の間隙に進入する軌道をとる紐体を、誘導部から連なって延びるように設けられた延設部によって誘導するので、より広範囲に亘って不正な紐体を確実に捕獲し、ひいては堅固な捕捉によって自由な操作を阻止することが可能となる。
また、延設部に干渉しない凹部を遊技盤に設けることにより、遊技盤に近接した軌道をとる紐体であっても捕獲することが可能となる。
【0027】
請求項5に記載の弾球遊技機によれば、捕捉部にて紐体の堅固な捕捉が為されることで紐体の操作性を不自由にするに加えて、不正行為者がさらに操作しようとして加圧すると、切刃部によって紐体を切断するので、不正行為者の紐体による操作は完全に不能とすることが可能となる。切断後の紐体が固着された遊技球は、機内に残留することで、不正行為の証拠品として没収でき、該遊技球を使って当該不正行為者が同様の不正行為を為すことを防止できる。
【0028】
請求項6に記載の弾球遊技機によれば、遊技球に固着された紐体が、球戻り防止片の上端部にて支持されたときに変位可能な異常変位角度を異常検知手段が検知可能であるので、糸付き球ゴトが実行されたことを簡易な装置によって確実且つ速やかに認知することが可能となる。また、異常発生の旨を報知手段にて報知するので、不正行為に対する処理が迅速に行えるとともに、不正行為を抑止する効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る実施例1のパチンコ機に設けられた遊技盤1の正面図
【図2】本実施例の球戻り防止部材30の構成を説明する概略斜視図
【図3】球戻り防止部材30の発射球20に対する作用を説明する概略説明図
【図4】球戻り防止部材30の発射球20に対する作用を説明する概略説明図
【図5】球戻り防止部材30の操作糸21に対する作用を説明する概略説明図
【図6】球戻り防止部材30の操作糸21に対する作用を説明する概略側面図
【図7】球戻り防止部材30の操作糸21に対する作用を説明する概略説明図
【図8】球戻り防止部材30の操作糸21に対する作用を説明する概略側面図
【図9】実施例2の球戻り防止部材130の構成を説明する概略斜視図
【図10】球戻り防止部材130の操作糸21a、21bに対する作用を説明する概略説明図
【図11】球戻り防止部材130の操作糸21a、21bに対する作用を説明する概略側面図
【図12】球戻り防止部材130の操作糸21a、21bに対する作用を説明する概略説明図
【図13】球戻り防止部材130の操作糸21a、21bに対する作用を説明する概略側面図
【図14】実施例3の本実施例の異常検知手段を備えた球戻り防止部材30の構成を説明する概略説明図
【図15】実施例3の本実施例の異常検知手段を備えた球戻り防止部材30の構成を説明する概略説明図
【図16】変形例1乃至5の球戻り防止部材を説明する概略説明図
【図17】変形例6乃至9の球戻り防止部材を説明する概略説明図
【図18】実施例4の構成を説明する概略三面図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
【0031】
先ず、本発明のパチンコ機は、図示しない発射ハンドルを備え、該発射ハンドルを遊技者が操作することにより遊技球を発射し、発射された遊技球が後述する発射通路15を経由して遊技領域3に打ち込まれるように構成されており、この点も含めて全体的な構成は、公知技術に従っているため、便宜上、図示及び説明を省略する。
【0032】
図1は、本発明に係る実施例1の弾球遊技機としてのパチンコ機に設けられた遊技盤1の正面図である。図1に示すように、本実施例のパチンコ機の遊技盤1には、外レールセット2a及び内レールセット2bによって略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3の左側外周部には、外レールセット2a及び内レールセット2bによって形成されて且つ発射された遊技球が誘導される発射通路15が設けられている。発射通路15の末端部、換言すれば発射通路15と遊技領域3の境界付近には、本発明の要部である球戻り防止片40を具備してなる球戻り防止部材30が配設されている。球戻り防止部材30については、後で詳述する。
【0033】
この遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が装着されている。センターケース5の左側方には、普図作動入賞口16が設けられている。普図作動入賞口16の内部には、図示しない普図作動入賞検知スイッチが内蔵されている。普図作動入賞検知スイッチが遊技球の通過を検出することで、入賞と判断される。こうして、普図作動入賞口16に遊技球が入賞すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出されて、抽出された乱数に基づく当否判定(普通図柄抽選)が行われる。また、当該入賞により、賞球として所定個数(例えば、3個)の遊技球が払い出される。
【0034】
センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して、特別図柄(特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第1特図始動口11及び第2特図始動口12が、上下に並んで配設されている。第1特図始動口11は、常時遊技球が入賞可能に構成されているが、第2特図始動口12は、上述した普通図柄抽選による当選時のみに遊技球が入賞可能に開放される普通電動役物により構成されている。
【0035】
第1特図始動口11及び第2特図始動口12に遊技球が入球すると、複数種類の乱数が抽出され、即時変動表示が開始出来ない場合には、特図の保留記憶として記憶される。
【0036】
第2特図始動口12の下方には、大当り抽選により大当りとなると実行される大当り遊技の際に開放される特別電動役物からなる大入賞口14が配設されている。また、遊技領域3の右側下部には、入賞によって単に賞球を発生させるだけの機能を備えた一般入賞口13が複数配設されている。
【0037】
遊技盤1の右側下部の領域には、7セグメントの表示装置で構成されると共に、第1特図始動口11及び第2特図始動口12への入球に基づいて特別図柄を変動表示する第1特図表示装置9及び第2特図表示装置10が上下に配設されている。
また、各々4個のLEDで構成される共に、第1特図始動口11及び第2特図始動口12への入球に基づいて記憶された特図の保留記憶の個数を表示する第1特図保留数表示装置17及び第2特図保留数表示装置18が上下に配設されている。また、4個のLEDで構成される共に、普図作動入賞口16への入賞に基づいて記憶された普図の保留記憶の個数を表示する普図保留数表示装置8と、同じく、2個のLEDで構成される共に、普図作動入賞口16への入賞に基づいて普通図柄の変動表示を行う普通図柄表示装置7を備える。
【0038】
センターケース5の中央には、LCDパネルで構成された演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)が配設され、LCDパネルの画面上では、特別図柄の変動表示に対応した演出図柄の変動表示を行うことにより、大当たり抽選の結果を報知する大当り演出が実行される。また、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープルート、及びステージ等が設けられている。
そして、遊技領域3の表面(前面)には、適宜の箇所に多数の遊技釘4が植設され、遊技領域3の最下部には、遊技領域3に配設された何れの入賞口や入球口にも入球しなかった遊技球を取り込むアウト口が設けられている。
【0039】
なお、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の前方には、遊技盤1と略平行に所定の間隙(例えば、19mm)をおいて遊技盤1を透視可能なガラス板46が設けられている。発射された遊技球は、遊技盤1の表面とガラス板46の裏面で形成される空間を上昇或いは下降して変位するものである。更にいえば、発射された遊技球は、遊技盤1の表面、ガラス板46の裏面、外レールセット2a、及び内レールセット2bとで形成される発射通路15を上昇変位し、球戻り防止部材30の球戻り防止片40に接触すると、該接触により回動(揺動)変位する球戻り防止部材30に誘導されて、遊技領域3に進入する。本実施例の球戻り防止片40は、遊技盤1の前面及びガラス板46の裏面との間に揺動を可能とする程度の間隙を設けて構成されている。
次に、本発明の要部である球戻り防止部材30の構成について図2を参照して説明する。
【0040】
図2は、本実施例の球戻り防止部材30の構成を説明する概略斜視図である。
図2(b)に示すように、球戻り防止部材30は、球戻り防止片40と、該球戻り防止片40を保持する球戻り防止片保持体34と、球戻り防止部材30を遊技領域3の所定位置にて揺動自在に軸支するための支軸35と、軸支された球戻り防止部材30の姿勢を所定の位置に調整するための錘体36と、を備える。
【0041】
図2(a)に示すように、球戻り防止片40は、略縦長の矩形状且つ薄板状に形成されてなる球戻り防止片基体40eと、球戻り防止片基体40eの下端部に一体的に構成され且つ球戻り防止片基体40eの厚みよりも大きな直径で形成される略円柱状の抜止部40dを備える。
球戻り防止片基体40eの上部には、図示左右方向の略中央位置に上下方向に向かって糸捕捉スリット部40cが設けられている。糸捕捉スリット部40cの幅寸法、すなわち該糸捕捉スリット部40cによって左右に分割された球戻り防止片基体40eの左右部分の間隙は、糸付き球ゴトに用いられる操作糸21(図3参照)の直径寸法よりも小さく、該糸捕捉スリット部40cに操作糸21が臨んだ際に、所定の加圧によって締まり嵌めして、操作糸21を堅固に捕捉する程度のクリアランスが好ましい。糸捕捉スリット部40cは、本発明の捕捉部である。
また、球戻り防止片基体40eの上部には、夫々左右上方から糸捕捉スリット部40cに向けて図示した下り曲線状に形成される左糸誘導部40aと右糸誘導部40bを備える。該左糸誘導部40aと右糸誘導部40bは、操作糸21を糸捕捉スリット部40cへ誘導するための手段であり、本発明の誘導部である。
【0042】
糸付き球が発射されると、遊技球は上記した構成の球戻り防止片40の図示裏面側に接触(衝突)して球戻り防止部材30を回転させて遊技領域3に進入し、遊技球に固着された紐体としての操作糸は遊技領域3に進入する遊技球に引き張られながら球戻り防止片40の裏面側および球戻り防止片40の上端部すなわち、左糸誘導部40a、右糸誘導部40b、と糸捕捉スリット部40cを含む略縦長の矩形状の上側短辺部の何れかの箇所にて支持されるように構成されている。以下の実施例や変形例においても、紐体としての操作糸を支持する球戻り防止片の上端部とは、上記した略縦長の矩形状の上側短辺部の何れかの箇所を示唆するものである。但し、必ずしも略縦長の矩形状の上側短辺部である必要はなく、糸付き球が通過した後で該遊技球に引き張られる紐体を支持する構成であれば他の構成であっても良い。
【0043】
球戻り防止片保持体34は、球戻り防止片40を保持するものであり、ガラス板46の裏面側に近く配設される第1保持体32と、遊技盤1の表面側に近く配置される第2保持体33で構成される。
第1保持体32は、図示したように断面異形状の柱状体で形成され、右裏面側には球戻り防止片40が挿入可能な溝部32bが設けられ、更に後述する支軸35が挿入される支軸孔32a、錘体36が嵌入される錘体嵌入穴32f、及び取付螺子37a、37bが挿通される螺子挿通孔32c、32d、が設けられている。また、右下部には保持体当接面部32eが設けられている。
第2保持体33は、第1保持体32と同じく図示したように断面異形状の柱状体で形成されている。左表面側には球戻り防止片40が挿入可能な溝部33bが設けられ、支軸35が挿入される支軸孔33a、及び取付螺子37a、37bが螺着される螺子取付孔33c、33d、が設けられている。また、右下部には保持体当接面部33eが設けられている。
【0044】
図2(a)を参照して、上述した球戻り防止部材30の組み付け方法を説明する。
先ず、球戻り防止片40を溝部32b、33bに嵌め込み、第1保持体32と第2保持体33を互いに当接させ、取付螺子37a、37bを、螺子挿通孔32c、32dに挿通し、螺子取付孔33c、33dにて螺着することで、球戻り防止片保持体34から球戻り防止片40が抜けないように構成されている。次に、支軸35を支軸孔32a、33aに挿通して図示所定位置で公知技術によって固定し、この際に遊技盤1側の方がガラス板46側の方よりもやや長めに突出して固定されるようになっている。そして、錘体36を錘体嵌入穴32fに嵌め込むことで組みつけが完了する。このように組みつけられた本実施例の球戻り防止部材30は、図3に示すように、遊技盤1の表面側に取り付けられる。図3を参照して本実施例の球戻り防止部材30の取り付け状態を説明する。
【0045】
本実施例の球戻り防止部材30は、支軸35を遊技盤1の表面側に対して略垂直に挿入することにより球戻り防止片40が遊技盤1に対して直交する状態で揺動可能に軸支される。内レールセット2bの構成を説明すると共に、併せて球戻り防止部材30の取り付け状態を詳述する。
内レールセット2bは、図示湾曲したレール体の上端部に該レール体等を一体的に取り付けるための内レールセット取付基板23を備える。内レールセット取付基板23は、図示しない他の取付機構と協働して、内レールセット2bを螺子等によって螺着することで遊技盤1に取り付ける。内レールセット取付基板23は、断面逆C字状であって、且つ図示前方に向かって所定の高さ(球戻り防止部材30が内蔵可能な高さ)で形成されるハウジング部材24(ハッチングにより図示)を備える。また、内レールセット取付基板23には、上述したように、支軸35を挿入可能な孔部が穿設されており、支軸35の後端部を支持する。さらに、図3では便宜上省略したが、ハウジング部材24のハッチングした面部に当接すると共に支軸35の前端部を支持する穴部を備えたハウジングカバー(図1参照)を備える。これにより、支軸35の前後両端部は、遊技盤1に対して直交して支持されるように構成されている。
図3の球戻り防止部材30は、遊技球による作用を受けていない、すなわち待機姿勢にある状態が示されている。錘体36は、支軸35の左斜め下方位置に設けられている。また、球戻り防止部材30の斜め右下部には上述した保持体当接面部32e、33eが設けられており(図4参照)、これに当接するハウジング部材24の内壁部にはハウジング部材当接面部24aが設けられている。
【0046】
これにより、支軸35を中心にして揺動自在な球戻り防止部材30は、錘体36が支軸35の左斜め下方に位置する不安定な状態から、錘体36が支軸35の略直下に位置する安定した状態に変位しようとすることによって、回転力が発生するが、保持体当接面部32e、33eがハウジング部材当接面部24aに当接することによってこれを規制すると共に、図3に示す待機姿勢から更に反時計回転方向に回転することを防止するように構成される。当該待機姿勢において、発射された遊技球21が球戻り防止片40に衝突(干渉)することで、球戻り防止部材30が時計回転方向に回転(図4参照)しても、上記構成の作用により、速やかに待機姿勢に復帰するように構成されている。また、待機姿勢における球戻り防止片40の上端部と外レールセット2aとの間隙は、遊技球20の直径寸法よりも小さく設定されており、これにより遊技領域3からの球戻りを防止している。
本実施例の球戻り防止部材30は、以上のような構成を備えるものであるが、次にその作用について説明する。
【0047】
先ず、基本的な球戻り防止作用について、図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4は、球戻り防止部材30の発射球20に対する作用を説明する概略説明図である。
図3に示すように、球戻り防止部材30は待機姿勢に位置しており、当該状態において球戻り防止片40の上端部と外レールセット2aとの間隙からは、遊技領域3から逆行して再度発射通路15へ球戻りしようとする遊技球を阻止することが可能な状態となっている。この構成は、発射通路15から遊技領域3へ進入する遊技球に対しては、必ず球戻り防止片40に接触するように作用するものである。
このとき、糸付き球ゴトに使用される操作糸21が固着された遊技球20が発射されると、発射通路15を上昇して、遊技領域3との境界に配設された球戻り防止部材30の球戻り防止片40に向けて進行する。
進行した遊技球20が球戻り防止片40に接触し、更に進行すると、図4に示す状態となる。球戻り防止片40は、遊技球20に加圧され、該加圧によって球戻り防止部材30は支軸35を中心に時計回転方向に回転変位する。該回転変位により球戻り防止片40の上端部と外レールセット2aとの間隙が遊技球20の通過可能な大きさとなると、遊技球20は球戻り防止片40の干渉から開放されて、遊技領域3に進入する。球戻り防止部材30は、発射された遊技球20が遊技領域3に進入する際に、これを許容し誘導するように構成されている。但し、遊技球20が球戻り防止片40の干渉から開放されても、球戻り防止片40は操作糸21に対しての干渉(接触)を維持し、更に本発明の作用として、操作糸21を捕捉するように作用する。
なお本実施例では、球戻り防止片40が発射された遊技球20の作用により時計回転方向に最も回転しても、ハウジング部材24の上端部には接触しないように構成されている。
遊技球20の遊技領域3への進入が完了すると、支軸35に対して偏芯して設けられた錘体36の作用により、球戻り防止部材30は速やかに反時計回転方向に回転して元の待機姿勢に復帰する。このとき、遊技球20に固着された操作糸21は、球戻り防止片40の上端部に、高い確率で引っ掛かることになる。
【0048】
次に、本実施例のより詳細な作用について、図5乃至図8を参照して説明する。図5及び図7は、球戻り防止部材30の操作糸21に対する作用を説明する概略説明図であり、図6及び図8は、球戻り防止部材30の操作糸21に対する作用を説明する概略側面図である。
糸付き球ゴトに係る操作糸21が固着された遊技球20が、遊技領域3に発射された直後の状態を図5に示した。このとき、不正行為者は、遊技領域3に到達した遊技球20を、普図作動入賞口16に反復継続して入賞させて不当に利得を得るために、操作糸21の遊技球20に固着された部分の反対側の部分を押し引きして操作することで、任意の位置に配置しようと試みる。操作される操作糸21は、このとき、球戻り防止片40の図示上端部を頂点として、遊技釘4等に掛け渡されて、略山形の状態にある。更にいえば、球戻り防止片40の図示上端部を頂点として、遊技球20に固着された側(図示右側)には遊技球20の質量に対応した下向きの荷重が掛かり、対する反対側(図示左側)には、前記荷重と略同じ大きさの荷重が下向きに加えられることで、均衡を保っている。不正行為者が、操作糸21を押し引き操作すると、左右両側の操作糸21は、図示矢印のように進退する。合わせて、球戻り防止片40も揺動し、図示円弧矢印のように、頂点を変位させる。
【0049】
図6には、当該状態を側面から見た図を示した。図には、球戻り防止部材30に係る、球戻り防止片40の図示上端部すなわち左糸誘導部40aの上部に、操作糸21の断面を円形で示した。なお、左糸誘導部40aの上部に操作糸21がある状態を示したが、この点、右糸誘導部40bであっても、下記作用は同じである。
上述したように、図示した操作糸21の断面位置を頂点として、操作糸21の両側は上述した下向き荷重が加わっており、該頂点にはこれらの荷重に対応した下向きの荷重が加わっている。左糸誘導部40a及び右糸誘導部40bは、上述したように、糸捕捉スリット部40cに向けて、夫々左右上方から下り曲線状に形成されてなる。これにより、本発明の誘導部としての左糸誘導部40a及び右糸誘導部40bは、操作糸21を下方すなわち糸捕捉スリット部40cへ誘導する作用を為す。更に、操作糸21の左糸誘導部40aの上部に掛かった頂点位置には、上述した荷重が加えられており、この状態で操作糸21の操作によって進退すると、左糸誘導部40aはより効果的に操作糸21を糸捕捉スリット部40cへ誘導可能となる。このように、左糸誘導部40a或いは右糸誘導部40bによって操作糸21が糸捕捉スリット部40cへ誘導されると、次いで図7及び図8に示す状態となる。
【0050】
図7には、操作糸21が左糸誘導部40a或いは右糸誘導部40bによって糸捕捉スリット部40cへ誘導されて糸捕捉スリット部40cに捕捉されたことにより、遊技球20に固着された操作糸21の頂点位置は、図5に示した位置よりも下方に変位している状態が示されている。糸捕捉スリット部40cに操作糸21が捕捉されると、不正行為者による操作糸21の操作が極めて困難になる。すなわち、糸捕捉スリット部40cに捕捉された位置から図示右側の遊技球20までの長さは変化せず、一方左側の部分は、不正行為者が押すと撓み、引くと一定位置を限界としてそれ以上は引くことが不能となる。
【0051】
図8には、当該状態を側面から見た図を示した。図6に示した操作糸21が左糸誘導部40aの下り曲線に沿って誘導されて、糸捕捉スリット部40cに臨むと、上述した下方向への荷重により、糸捕捉スリット部40cは操作糸21を堅固に捕捉するように作用する。
これにより、糸付き球ゴトに対して、操作糸21が固着された遊技球20が発射されると、本実施例の球戻り防止部材30の球戻り防止片40は、遊技球20を遊技領域3に向かって誘導し且つ遊技球20が遊技領域3へ進入することを許容する。また、遊技領域3から発射通路15の逆行する球戻りを阻止する。更に、遊技領域3に進入した遊技球20に固着された操作糸21を、左糸誘導部40a或いは右糸誘導部40bにて支持し、該左糸誘導部40a或いは右糸誘導部40bにて糸捕捉スリット部40cに誘導し、次いで糸捕捉スリット部40cにて操作糸21を堅固に捕捉(保持)することで、操作糸21の操作を著しく困難にするように構成される。
【0052】
なお、本実施例の球戻り防止片40は、左糸誘導部40a及び右糸誘導部40bが糸捕捉スリット部40cに向かって下り曲線状に形成される構成となっている。さらに詳述すると、左糸誘導部40a及び右糸誘導部40bは、球戻り防止片基体40e(図2参照)の左右上端角部を起点として、夫々糸捕捉スリット部40cの上端部にて収束する線対称の下り曲線状に形成されてなる。このように構成されることによって、球戻り防止片基体40eの上端部の何れの位置で操作糸21を支持しても、常に糸捕捉スリット部40cに誘導可能である。また、左右上端角部から曲線が形成されるので、左右上端部が鋭角にならず、パチンコ機の組み立て作業やホールでのメンテナンス作業等においても、充分な安全性を確保可能となっている。
[実施例2]
【0053】
本発明に係る実施例2の構成について、図9を参照して説明する。図9は、本実施例の球戻り防止部材130の構成を説明する概略斜視図である。
図9(b)に示すように、球戻り防止部材130は、球戻り防止片140と、該球戻り防止片140を保持する球戻り防止片保持体134と、球戻り防止部材130を遊技領域3の所定位置にて揺動自在に軸支するための支軸135と、軸支された球戻り防止部材130の姿勢を所定の位置に調整するための錘体136と、を備える。球戻り防止片140は、第1球戻り防止片141と、第2球戻り防止片142で構成される。第1球戻り防止片141と第2球戻り防止片142が図示前後に重ね合わせて組みつけられた際に形成される略V字状の最下位置に、糸捕捉谷部143が設けられている。
【0054】
図9(a)に示すように、第1球戻り防止片141は、略台形状且つ薄板状に形成されてなる第1球戻り防止片基体141aと、第1球戻り防止片基体141aの下端部に一体的に構成され且つ図示前方に向かって立設される第1抜止部141dと、第1球戻り防止片基体141aの図示右側上端部から左側斜め下方に向かって下り傾斜した斜辺状に形成されてなる第1糸誘導部141bと、第1球戻り防止片基体141aの図示右側上部から、図示右側方向すなわち遊技盤1の方向(図11参照)に向かって延設されてなる略薄板状且つ略矩形状に形成された球戻り防止片延設部141eと、を備える。更に、第1糸誘導部141bの略中央には、図示裏面から図示表面に向かって下り傾斜して、操作糸を切断するための第1切刃部141cが形成される。
【0055】
第2球戻り防止片142は、略台形状且つ薄板状に形成されてなる第2球戻り防止片基体142aと、第2球戻り防止片基体142aの下端部に一体的に構成され且つ図示後方に向かって立設される第2抜止部142dと、第2球戻り防止片基体142aの図示左側上端部から右側斜め下方に向かって下り傾斜した斜辺状に形成されてなる第2糸誘導部142bと、第2球戻り防止片基体142aの図示左側上部から、図示後側方向すなわち遊技盤1に取り付けられた状態での遊技領域3から発射通路15への方向(図10参照)に向かって立設されてなる略薄板状且つ略三角形状に形成された球戻り防止片起立部142eと、を備える。更に、第2糸誘導部142bの略中央には、図示表面から図示裏面に向かって下り傾斜して、操作糸を切断するための第2切刃部142cが形成される。
【0056】
球戻り防止片保持体134は、上述したように、第1球戻り防止片141と第2球戻り防止片142で構成される球戻り防止片140を保持するものであり、ガラス板146の裏面側に近く配設される第1保持体132と、遊技盤1の表面側に近く配置される第2保持体133で構成される。
第1保持体132は、図示したように断面異形状の柱状体で形成され、右裏面側には球戻り防止片140が挿入可能な溝部132bが設けられ、更に後述する支軸135が挿入される支軸孔132a、錘体136が嵌入される錘体嵌入穴132f、及び取付螺子137a、137bが挿通される螺子挿通孔132c、132d、が設けられている。また、右下部には保持体当接面部132eが設けられている。
第2保持体133は、第1保持体132と同じく図示したように断面異形状の柱状体で形成されている。左表面側には球戻り防止片140が挿入可能な溝部133bが設けられ、支軸135が挿入される支軸孔133a、及び取付螺子137a、137bが螺着される螺子取付孔133c、133d、が設けられている。また、右下部には保持体当接面部133eが設けられている。
【0057】
図9(a)を参照して、上述した球戻り防止部材130の組み付け方法を説明する。
先ず、すなわち図9(b)に示したように、第1球戻り防止片141と第2球戻り防止片142を前後に重ね合わせて構成される球戻り防止片140を、溝部132b、133bに嵌め込み、第1保持体132と第2保持体133を互いに当接させ、取付螺子137a、137bを、螺子挿通孔132c、132dに挿通し、螺子取付孔133c、133dにて螺着することで、球戻り防止片保持体134から球戻り防止片140が抜けないように、構成されている。次に、支軸135を支軸孔132a、133aに挿通して図示所定位置で公知技術によって固定し、このとき遊技盤1側の方がガラス板146側の方よりもやや長めに突出して固定されるようにしてある。そして、錘体136を錘体嵌入穴132fに嵌め込むことで組みつけが完了する。このように組みつけられた本実施例の球戻り防止部材130は、図10及び図11に示すように、遊技盤1の表面側に取り付けられる。図10及び図11を参照して本実施例の球戻り防止部材130の取り付け状態を説明する。
【0058】
本実施例の球戻り防止部材130は、支軸135を遊技盤1の表面側に対して略垂直に挿入することにより球戻り防止片140が遊技盤1に対して直交する状態で揺動可能に軸支される。内レールセット2bの構成、またハウジング部材24及び球戻り防止片保持体134の構成及び作用等に関しては、上述した実施例1と同様であるため説明を省略する。
遊技盤1の表面側には、本実施例の球戻り防止部材130が組みつけられたときに、上述した球戻り防止片延設部141eが接触しないため、また球戻り防止部材130が揺動した際に干渉しないように、支軸135を中心として、図示湾曲した長円形状に形成される所定深さの、延設部用凹部145を備える。
本実施例の球戻り防止片延設部141eは、球戻り防止部材130が遊技盤1に取り付けられたときに球戻り防止片140と遊技盤1の表面側(遊技領域3)との間に形成される遊技盤側間隙148の上方を被覆するように構成されている。
また、上述したように、第1球戻り防止片141と第2球戻り防止片142が図示前後に重ね合わせて組みつけられた際に形成される略V字状の最下位置に、すなわち、第1糸誘導部141b及び第2糸誘導部142bの延長線上、更にいえば、第1切刃部141c及び第2切刃部142cの交点位置に、糸捕捉谷部143が設けられている。第1糸誘導部141b及び第2糸誘導部142bは、操作糸を糸捕捉谷部143に向けて誘導する本発明の誘導部であり、糸捕捉谷部143は本発明の捕捉部である。本実施例の糸捕捉谷部143は、表裏に第1切刃部141c及び第2切刃部142cを備えることにより、第1糸誘導部141b及び第2糸誘導部142bにより誘導された操作糸を、単に堅固に捕捉するに止まらず、該操作糸を切断するように作用するものである。
さらに、上述したように、第2球戻り防止片基体142aの図示左側上部から立設されてなる球戻り防止片起立部142eは、図11に示すように、第2球戻り防止片142から左側方すなわちガラス板側間隙部149への操作糸21aの移動を規制するものである。
本実施例の球戻り防止部材130は、以上のような構成を備えるものであるが、次にその作用について図10乃至図13を参照して説明する。
【0059】
図10及び図12は、球戻り防止部材130の操作糸21a、21bに対する作用を説明する概略説明図であり、図11及び図13は、球戻り防止部材130の操作糸21a、21bに対する作用を説明する概略側面図である。
糸付き球ゴトに係る操作糸21a、21bが固着された遊技球20が、遊技領域3に発射された直後の状態を図10に示した。このとき、不正行為者は、遊技領域3に到達した遊技球20を、普図作動入賞口16に反復継続して入賞させて不当に利得を得るために、操作糸21a、21bの遊技球20に固着された部分の反対側の部分を押し引きして操作することで、任意の位置に配置しようと試みる。操作される操作糸21a、21bは、このとき、球戻り防止片140の図示略上端部を頂点として、遊技釘4等に掛け渡されて、略山形の状態にある。更にいえば、球戻り防止片140の図示上端部を頂点として、遊技球20に固着された側(図示右側)には遊技球20の質量に対応した下向きの荷重が掛かり、対する反対側(図示左側)には、前記荷重と略同じ大きさの荷重が下向きに加えられることで、均衡を保っている。不正行為者が、操作糸21a、21bを押し引き操作すると、左右両側の操作糸21a、21bは、図示矢印のように進退する。合わせて、球戻り防止片140も揺動し、図示しない円弧状に、頂点を変位させる。
【0060】
図11には、当該状態を側面から見た図を示した。図には、球戻り防止部材130に係る、球戻り防止片140の図示2箇所の上端部すなわち球戻り防止片延設部141eの上部及び球戻り防止片起立部142eの右側すなわちガラス板側間隙149の反対側に、操作糸21b及び21aの断面を円形で示した。
なお、図には球戻り防止片延設部141eの上部は、略水平に形成されている。球戻り防止片延設部141eは、後述するが、球戻り防止片140に支持されず又は脱落して、遊技盤側間隙148に掛かろうとする操作糸や、遊技盤1に近接した操作糸を支持する機能を少なくとも、備えていれば良いが、さらに支持した操作糸21bを第1糸誘導部141bへ誘導可能なように、図示右側(遊技盤1側)から左側(ガラス板146側)に向けて下り傾斜した構成を備えていれば尚、好ましい。このように構成される球戻り防止片延設部141eは、遊技盤側間隙148に入り込むべき操作糸21bや、或いは遊技盤1の表面に近接した位置の操作糸21bを確実に支持可能とし、さらに、第1糸誘導部141bに連接されることによって、支持した操作糸21bを第1糸誘導部141bへ誘導可能に構成されてなる。
また、第2糸誘導部142bの上方に位置する操作糸21aに対して、球戻り防止片起立部142eは、操作糸21aがガラス板側間隙149に脱落するのを防止すると共に、操作糸21aを第2糸誘導部142bへ誘導するように機能するものである。
第1糸誘導部141bおよび第2糸誘導部142bは、操作糸21a、21bを、糸捕捉谷部143に向けて収束して誘導するように機能する。また、図示した操作糸21a、21bの断面位置を頂点として、操作糸21a、21bの両側は上述した下向き荷重が加わっており、該頂点にはこれらの荷重に対応した下向きの荷重が加わっている。このため、さらに効果的に、第1糸誘導部141bおよび第2糸誘導部142bは、糸捕捉谷部143に向けて、夫々操作糸21a、21bを、誘導可能となる。このように、第1糸誘導部141b或いは第2糸誘導部142bによって操作糸21a、21bが糸捕捉谷部143へ誘導されると、次いで図12及び図13に示す状態となる。
【0061】
図12には、操作糸21a、21bが第1糸誘導部141b或いは第2糸誘導部142bによって糸捕捉谷部143へ誘導されて糸捕捉谷部143に捕捉されたことにより、遊技球20に固着された操作糸21a、21bの頂点位置は、図10に示した位置よりも下方に変位し、さらに切断された状態が示されている。
糸捕捉谷部143に操作糸21a、21bが捕捉されると、不正行為者による操作糸21a、21bの操作が極めて困難になる。すなわち、糸捕捉谷部143に捕捉された位置から図示右側の遊技球20までの長さは変化せず、一方左側の部分は、不正行為者が押すと撓み、引くと一定位置を限界としてそれ以上は引くことが不能となる。
また、糸捕捉谷部143はそもそも、第1糸誘導部141b及び第2糸誘導部142bの異なる直線部を交差させることで形成した谷部である。これにより、理論的には谷部が深くなるほど狭隘となるように構成され、操作糸21a、21bをより確実に捕捉し、操作が極めて困難とすることができる。
さらに、上記谷部を形成するために交差させる本実施例の直線部には、第1切刃部141cおよび第2切刃部142cが表裏に設けられていることで、より強く捕捉されていくにしたがって、操作糸21a、21bを切断可能であり、切断によって完全に操作不能とすることが可能となっている。
【0062】
図13には、当該状態を側面から見た図を示した。図11に示した操作糸21a、21bが表裏に第1切刃部141cおよび第2切刃部142cを備えた糸捕捉谷部143に誘導され、堅固に捕捉され、さらに下方に向かう荷重によって、切断された状態が示されている。
これにより、糸付き球ゴトに対して、操作糸21a、21bが固着された遊技球20が発射されると、本実施例の球戻り防止部材130の球戻り防止片140は、遊技球20を遊技領域3に向かって誘導し且つ遊技球20が遊技領域3へ進入することを許容する。また、遊技領域3から発射通路15の逆行する球戻りを阻止する。さらに、遊技領域3に進入した遊技球20に固着された操作糸21a、21bを、第1糸誘導部141b或いは第2糸誘導部142bにて支持し、該第1糸誘導部141b或いは第2糸誘導部142bにて糸捕捉谷部143に誘導し、次いで糸捕捉谷部143にて操作糸21a、21bを堅固に捕捉(保持)することで、操作糸21a、21bの操作を著しく困難にし、さらに第1切刃部141cおよび第2切刃部142cによって、操作糸21a、21bを切断することで完全に操作不能とするように構成される。
[実施例3]
【0063】
本発明に係る実施例3の構成および作用について、図14および図15を参照して説明する。図14および図15は、本実施例の異常検知手段を備えた球戻り防止部材30の構成を説明する概略説明図である。なお、基本的な球戻り防止部材の構成は、上述した実施例1のものと同様であるので、説明を割愛するものとする。
本実施例の球戻り防止部材30は、上述した待機姿勢に位置するときに、発射された遊技球20が遊技領域3に進入するに際して球戻り防止片40に接触することで、図示時計回転方向に向かって、遊技球20が通過可能な間隙が発生する角度、すなわち通常変位角度だけ揺動(回転)可能に構成される。
また、ハウジング部材24の上部には、本発明の検知手段としての検出スイッチ400が設けられている。検出スイッチ400は、上記した待機姿勢にある状態や、或いは図14に示す、球戻り防止部材30が通常変位角度だけ揺動したときには、検出状態とならないように構成されている。
さらに、本実施例の球戻り防止部材30は、図15に示したように、上述した通常変位角度よりも大きな異常変位角度まで揺動(回転)可能に構成される。異常変位角度は、通常の発射された遊技球20の衝突作用によっては発生しない角度である。つまり、糸付き球ゴトにおいて、操作糸21が固着された遊技球20が遊技領域3に進入し、操作糸21を球戻り防止片40の上端部で支持した状態、さらに該状態において不正行為者が操作糸21を押し引きして操作したとき、遊技球20の自重によって異常変位角度まで回転変位する。該異常変位角度まで揺動変位した球戻り防止片40は、図示したように、検出スイッチ400を押下することで検出され、これにより、球戻り防止片40の回転変位角度が通常では発生しない異常な状態であることを検知可能となっている。検出スイッチ400は、異常変位角度まで揺動変位したことを検知したとき、異常検知信号を発信可能に構成されている。
【0064】
本実施例では、検出スイッチ400から発信された異常検知信号を受信することによって、異常変位角度に変位した旨を報知する報知手段を備える。報知手段としては、スピーカによる音声、ランプ等の発光部材による発光態様、可動役物等による駆動態様、LCDパネルで構成される演出図柄表示装置6による画像表示態様、等により、報知を行うように構成されている。
報知内容として、現在異常変位角度に変位したことを検知中であること、を報知することで、糸付き球ゴトを未然、または途中で止めさせることが可能となる。また、過去の所定時間内において、異常変位角度への変位を検知した事実があったこと、等を報知することにより、不正行為者が不正行為の後に離席しない場合、過去のゴト行為に対して報知するので、不正行為に対する抑止力になる。
本実施例の検知手段は検知体が所定の変位量に達したことで検知する構成を示したがこれに限定せず、光学式の検知手段等、他の方法を採用しても良い。
本実施例の構成を、上述した実施例1、2、及び、後述する他の実施例や変形例などに組み合わせて実施しても良い。
[変形例1]
【0065】
上述した本発明の実施例に対して、いくつかの変形例を図16および図17を参照して説明する。図16は、変形例1乃至5の球戻り防止部材を説明する概略説明図であり、図17は、変形例6乃至9の球戻り防止部材を説明する概略説明図である。何れの変形例も、例えば、上述した実施例1の図6に対応した状態、すなわち遊技盤に取り付けられた状態を右側方から視た図によって説明する。したがって、支軸の突出量が大きい側が遊技盤側であり、小さい側がガラス板側である。
変形例1を図16(a)に示す。本変形例の球戻り防止片201は、略縦長矩形状の薄板で形成される。球戻り防止片201は、左球戻り防止部202と右球戻り防止部203とを備える。左球戻り防止部202は、右下方に向かって下り傾斜する左糸誘導部205を備え、右球戻り防止部203は、左下方に向かって下り傾斜する右糸誘導部206を備え、左糸誘導部205および右糸誘導部206の交差する位置に操作糸を捕捉可能な略V字状に形成されてなる糸捕捉谷部204を備える。
本変形例の球戻り防止片201は、左糸誘導部205または右糸誘導部206にて、操作糸を支持すると、捕捉部としての糸捕捉谷部204に向かって下り傾斜して形成される誘導部としての左糸誘導部205および右糸誘導部206によって、操作糸を糸捕捉谷部204に誘導し、誘導されてきた操作糸を下向きの鋭角に形成された糸捕捉谷部204は捕捉する。これにより、簡易な構成によって操作糸の操作を困難にすることが可能となる。
[変形例2]
【0066】
変形例2を図16(b)に示す。本変形例の球戻り防止片211は、略縦長矩形状の薄板で形成される。球戻り防止片211は、左球戻り防止部212と右球戻り防止部213とを備える。左球戻り防止部212は、左側部最上部から右下方に向かって下り傾斜する左糸誘導部215を備え、右球戻り防止部213は、右側部最上部から左下方に向かって下り傾斜する右糸誘導部216を備え、左糸誘導部215および右糸誘導部216の交差する位置には操作糸を捕捉可能な略V字状に形成されてなる糸捕捉谷部214を備える。
本変形例の球戻り防止片211は、上端部に水平な部分を備えず、左糸誘導部215または右糸誘導部216で構成される。このため、操作糸を支持すると、捕捉部としての糸捕捉谷部214に向かって下り傾斜して形成される誘導部としての左糸誘導部215および右糸誘導部216によって、操作糸を糸捕捉谷部214に誘導し、誘導されてきた操作糸を下向きの鋭角に形成された糸捕捉谷部214は捕捉する。これにより、簡易な構成によって、球戻り防止片211の上端部の何れの箇所にて支持した操作糸であっても、これの操作を困難にすることが可能となる。
[変形例3]
【0067】
変形例3を図16(c)に示す。本変形例の球戻り防止片221は、略縦長矩形状の薄板で形成される。球戻り防止片221は、左球戻り防止部222と右球戻り防止部223とを備える。左球戻り防止部222は、左側部最上部から右下方に向かって下り緩傾斜する左第1糸誘導部225aと、該左第1糸誘導部225aの下端部からさらに右下方に向かって下り急傾斜する左第2糸誘導部225bと、を備え、右球戻り防止部223は、右側部最上部から左下方に向かって下り緩傾斜する右第1糸誘導部226aと、該右第1糸誘導部226aの下端部からさらに左下方に向かって下り急傾斜する右第2糸誘導部226bと、を備え、左第2糸誘導部225bおよび右第2糸誘導部226bの交差する位置には操作糸を捕捉可能な略V字状に形成されてなる糸捕捉谷部224を備える。
本変形例の球戻り防止片221は、上端部に水平な部分を備えず、左第1糸誘導部225a、左第2糸誘導部225b、右第1糸誘導部226a、および右第2糸誘導部226bで構成される。このため、操作糸を支持すると、捕捉部としての糸捕捉谷部224に向かって下り傾斜して形成される誘導部としての左第1糸誘導部225a、左第2糸誘導部225b、右第1糸誘導部226a、および右第2糸誘導部226bによって、操作糸を糸捕捉谷部224に誘導し、誘導されてきた操作糸を下向きの鋭角に形成された糸捕捉谷部224は捕捉する。これにより、簡易な構成によって、球戻り防止片221の上端部の何れの箇所にて支持した操作糸であっても、これの操作を困難にすることが可能となる。また、左球戻り防止部222と右球戻り防止部223の上端部に、緩傾斜状に形成される左第1糸誘導部225a、右第1糸誘導部226aを備えることにより、球戻り防止片221の左右両側の上端角部が鋭利にならず、パチンコ機の組み付け作業やホールでのメンテナンス作業等の際に、作業者が怪我をし難く、安全性を維持することができる。
[変形例4]
【0068】
変形例4を図16(d)に示す。本変形例の球戻り防止片231は、略縦長矩形状の薄板で形成される。球戻り防止片231は、左球戻り防止部232と右球戻り防止部233とを備える。左球戻り防止部232は、左側部最上部から右下方に向かって下り曲線状に形成される左第1糸誘導部235aと、該左第1糸誘導部235aの下端部からさらに右下方に向かって下り傾斜する左第2糸誘導部235bと、を備え、右球戻り防止部233は、右側部最上部から左下方に向かって下り曲線状に形成される右第1糸誘導部236aと、該右第1糸誘導部236aの下端部からさらに左下方に向かって下り傾斜する右第2糸誘導部236bと、を備え、左第2糸誘導部235bおよび右第2糸誘導部236bの交差する位置には操作糸を捕捉可能な略V字状に形成されてなる糸捕捉谷部234を備える。
本変形例の球戻り防止片231は、上端部に水平な部分を備えず、左第1糸誘導部235a、左第2糸誘導部235b、右第1糸誘導部236a、および右第2糸誘導部236bで構成される。このため、操作糸を支持すると、捕捉部としての糸捕捉谷部234に向かって下り傾斜して形成される誘導部としての左第1糸誘導部235a、左第2糸誘導部235b、右第1糸誘導部236a、および右第2糸誘導部236bによって、操作糸を糸捕捉谷部234に誘導し、誘導されてきた操作糸を下向きの鋭角に形成された糸捕捉谷部234は捕捉する。これにより、簡易な構成によって、球戻り防止片231の上端部の何れの箇所にて支持した操作糸であっても、これの操作を困難にすることが可能となる。また、左球戻り防止部232と右球戻り防止部233の上端部に、下り曲線状に形成される左第1糸誘導部235a、右第1糸誘導部236aを備えることにより、球戻り防止片231の左右両側の上端角部が鋭利にならず、パチンコ機の組み付け作業やホールでのメンテナンス作業等の際に、作業者が怪我をし難く、安全性を維持することができる。また、誘導部が曲線と該曲線に接する直線で構成されるようにすることも可能で、これにより、誘導経路に角部がなく、操作糸のスムーズな誘導が可能となる。
[変形例5]
【0069】
変形例5を図16(e)に示す。本変形例の球戻り防止片241は、略縦長矩形状の薄板で形成される。球戻り防止片241は、左球戻り防止部242と、右球戻り防止部243と、中球戻り防止部244とを備える。左球戻り防止部242は、左側部最上部から右下方に向かって下り曲線状に形成される左第1糸誘導部246aと、該左第1糸誘導部246aの下端部からさらに右下方に向かって下り傾斜する左第2糸誘導部246bと、を備え、右球戻り防止部243は、右側部最上部から左下方に向かって下り曲線状に形成される右第1糸誘導部247aと、該右第1糸誘導部247aの下端部からさらに左下方に向かって下り傾斜する右第2糸誘導部247bと、を備え、さらに、中球戻り防止部244は、左右両側に向かって下り曲線状に形成される中第1糸誘導部248aと、該中第1糸誘導部248aの左下端部からさらに左下方に向かって下り傾斜して形成される中第2糸誘導部248bと、該中第1糸誘導部248aの右下端部からさらに右下方に向かって下り傾斜して形成される中第2糸誘導部248cと、を備え、左第2糸誘導部246bおよび中第1糸誘導部248bの交差する位置と、右第2糸誘導部247bおよび中第2糸誘導部248cの交差する位置には、夫々、操作糸を捕捉可能な略V字状に形成されてなる左糸捕捉谷部245a、右糸捕捉谷部245bを備える。
本変形例の球戻り防止片241は、上端部に水平な部分を備えず、上記した各種の誘導部で構成される。このため、操作糸を支持すると、捕捉部としての左糸捕捉谷部245a、右糸捕捉谷部245bに向かって下り傾斜して形成される誘導部としての左第1糸誘導部246a、左第2糸誘導部246b、右第1糸誘導部247a、右第2糸誘導部247b、中第1糸誘導部248a、中第2糸誘導部248b、および中第2糸誘導部248cによって、操作糸を左糸捕捉谷部245a、右糸捕捉谷部245bに誘導し、誘導されてきた操作糸を下向きの鋭角に形成された左糸捕捉谷部245a、右糸捕捉谷部245bは捕捉する。これにより、簡易な構成によって、球戻り防止片241の上端部の何れの箇所にて支持した操作糸であっても、この操作糸の操作を困難にすることが可能となる。また、左球戻り防止部242と右球戻り防止部243と中球戻り防止部244の上端部に、下り曲線状に形成される左第1糸誘導部246a、右第1糸誘導部247a、中第1糸誘導部248a、を備えることにより、球戻り防止片241の左中右何れの上端角部も鋭利にならず、パチンコ機の組み付け作業やホールでのメンテナンス作業等の際に、作業者が怪我をし難く、安全性を維持することができる。
さらに、中球戻り防止部244を備えることにより、発射されて遊技領域へ進入する遊技球を誘導し且つ軌道を決定する球戻り防止部材の機能を低下させることなく、操作糸の捕捉を可能とすることができる。つまり、発射された遊技球が接触する可能性の高い球戻り防止片の左右方向中央部に中球戻り防止部244を備えることで、接触の開始からより長期間に亘って遊技球に作用し続けることが可能となる。
[変形例6]
【0070】
変形例6を図17(a)に示す。本変形例の球戻り防止片251は、第1球戻り防止片251aと第2球戻り防止片251bで構成され、何れも、略縦長矩形状の薄板で形成される。第1球戻り防止片251aは、左球戻り防止部252と右球戻り防止部253と、を備える。第2球戻り防止片251bは、中球戻り防止部254を備える。左球戻り防止部252は、左側部最上部から右下方に向かって下り曲線状に形成される左第1糸誘導部256aと、該左第1糸誘導部256aの下端部からさらに右下方に向かって下り傾斜する左第2糸誘導部256bと、を備え、右球戻り防止部253は、右側部最上部から左下方に向かって下り曲線状に形成される右第1糸誘導部257aと、該右第1糸誘導部257aの下端部からさらに左下方に向かって下り傾斜する右第2糸誘導部257bと、を備える。さらに、中球戻り防止部254は、左右両側に向かって下り曲線状に形成される中第1糸誘導部258aと、該中第1糸誘導部258aの左下端部からさらに左下方に向かって下り傾斜して形成される中第2糸誘導部258bと、中第1糸誘導部258aの右下端部からさらに右下方に向かって下り傾斜して形成される中第2糸誘導部258cと、を備える。さらに、左第2糸誘導部256bおよび中第1糸誘導部258bの交差する位置と、右第2糸誘導部257bおよび中第2糸誘導部258cの交差する位置には、夫々、操作糸を捕捉可能な略V字状に形成されてなる左糸捕捉谷部255a、右糸捕捉谷部255bを備える。
本変形例の球戻り防止片251は、上端部に水平な部分を備えず、上記した各種の誘導部で構成される。このため、操作糸を支持すると、捕捉部としての左糸捕捉谷部255a、右糸捕捉谷部255bに向かって下り傾斜して形成される誘導部としての左第1糸誘導部256a、左第2糸誘導部256b、右第1糸誘導部257a、右第2糸誘導部257b、中第1糸誘導部258a、中第2糸誘導部258b、および中第2糸誘導部258cによって、操作糸を左糸捕捉谷部255a、右糸捕捉谷部255bに誘導し、誘導されてきた操作糸を下向きの鋭角に形成された左糸捕捉谷部255a、右糸捕捉谷部255bは捕捉する。これにより、簡易な構成によって、球戻り防止片251の上端部の何れの箇所にて支持した操作糸であっても、これの操作を困難にすることが可能となる。また、左球戻り防止部252と右球戻り防止部253と中球戻り防止部254の上端部に、下り曲線状に形成される左第1糸誘導部256a、右第1糸誘導部257a、中第1糸誘導部258a、を備えることにより、球戻り防止片251の左中右何れの上端角部も鋭利にならず、パチンコ機の組み付け作業やホールでのメンテナンス作業等の際に、作業者が怪我をし難く、安全性を維持することができる。
また、中球戻り防止部254を備えることにより、発射されて遊技領域へ進入する遊技球を誘導し且つ軌道を決定する球戻り防止部材の機能を低下させることなく、操作糸の捕捉を可能とすることができる。つまり、発射された遊技球が接触する可能性の高い球戻り防止片の左右方向中央部に中球戻り防止部254を備えることで、接触の開始からより長期間に亘って遊技球に作用し続けることが可能となる。
さらに、球戻り防止片251は、第1球戻り防止片251aと第2球戻り防止片251bを重ね合わせて構成したことで、左糸捕捉谷部255aおよび右糸捕捉谷部255bを、それぞれ2種類の直線部を交差させることで形成し、これによりV字状の最下位置に、丸み部分や平坦部分が形成されることがないため、操作糸が堅固に捕捉され易くなる。
[変形例7]
【0071】
変形例7を図17(b)に示す。本変形例の球戻り防止片261は、上述した変形例5と略同じ構成である。相違する点について説明し、他は割愛する。本変形例の捕捉部は、図示左右2箇所形成された略V字状の最下部から、それぞれ下方に向かって所定長さのスリット状で形成されてなる、糸捕捉スリット部265aおよび糸捕捉スリット部265bである。
本変形例の球戻り防止片261は、上端部に水平な部分を備えず、図示した各種の誘導部で構成される。このため、操作糸を支持すると、捕捉部としての糸捕捉スリット部265a、糸捕捉スリット部265bに向かって下り傾斜して形成される誘導部によって、操作糸を糸捕捉スリット部265aおよび糸捕捉スリット部265bに誘導し、誘導されてきた操作糸を下向きのスリットに形成された糸捕捉スリット部265aおよび糸捕捉スリット部265bは捕捉する。当該スリットは、操作糸の直径に対して、この直径より小さく、操作糸の材質等も考慮して極めて小さなクリアランスを設定することが好ましい。さらに、スリットの上部より下部に向かうほど、クリアランスが減少していくように構成されていても良い。これにより、簡易な構成によって、球戻り防止片251の上端部の何れの箇所にて支持した操作糸であっても、これの操作を困難にすることが可能となる。また、操作が困難になった状態を脱却しようと無理な荷重を操作糸に加えて操作するほどに、益々堅固に捕捉するようになり、より確実に操作を困難にすることができる。
[変形例8]
【0072】
変形例8を図17(c)に示す。本変形例の球戻り防止片271は、第1球戻り防止片271aと第2球戻り防止片271bで構成され、何れも、略縦長矩形状の薄板で形成される。本変形例の基本的な構成および作用は、上述した変形例6と同じであるため、相違点のみ説明し、他は割愛する。
左糸捕捉谷部275aおよび右糸捕捉谷部275bを、それぞれ2種類の直線部を交差させることで形成し、当該直線部に左第2切刃部276a、右第2切刃部276b、左第1切刃部277a、および右第1切刃部277bを備えた。
このように構成することにより、V字状の最下位置に、丸み部分や平坦部分が形成されることがないため、操作糸が堅固に捕捉され易くなることに加えて、さらに操作糸に加圧されて左糸捕捉谷部275aおよび右糸捕捉谷部275bに押し付けられると、操作糸は切断されて、パチンコ機外からの操作糸による操作が完全に不能となる。
[変形例9]
【0073】
変形例9を図17(d)に示す。本変形例の球戻り防止片281は、第1球戻り防止片281aと第2球戻り防止片281bで構成され、何れも、略縦長矩形状の薄板で形成される。本変形例の基本的な構成および作用は、上述した変形例8と同じであるため、相違点のみ説明し、他は割愛する。
第1球戻り防止片281aの左球戻り防止部の左上部には、裏面側方向すなわち本変形例の球戻り防止部材が遊技盤に取り付けられた際の発射通路側方向に向かって、立設される脱落防止部としての球戻り防止片起立部283を備える。
また、第1球戻り防止片281aの右球戻り防止部の右上部には、図示右側方向すなわち本変形例の球戻り防止部材が遊技盤に取り付けられた際の遊技盤側方向に向かって、延設される延設部としての球戻り防止片延設部282を備える。
このように構成することにより、変形例8の効果に加えて、球戻り防止片起立部283が操作糸の脱落を防止することでより確実に操作糸の捕捉或いは切断を可能とする。また、球戻り防止片延設部282は、操作糸が球戻り防止片と他の構成要素(例えば、遊技盤やガラス板)との間隙に入り込むことを防止し、より確実に操作糸の捕捉或いは切断を可能とする。
[実施例4]
【0074】
次いで、図18を参照して、本発明に係る実施例4について説明する。図18は、実施例4の構成を説明する概略三面図である。本実施例の球戻り防止部材に係る基本的な構成は、上述した他の実施例や変形例と同じであるので、相違する点、すなわち球戻り防止片340の構成および作用について説明し、他は割愛する。
本実施例の球戻り防止部材330は、略縦長矩形状の薄板状に形成される球戻り防止片340と、該球戻り防止片340を保持する球戻り防止片保持体334と、を備える。球戻り防止片保持体334の基本構成は、上述した他の実施例と同様である。
球戻り防止片340は、単体の薄板で構成されており、その上端部には図18(b)に示すように、左側部に第1球戻り防止片342、右側部に第2球戻り防止片343、中央部に第3球戻り防止片345を備える。当該、第1球戻り防止片342、第2球戻り防止片343、および第3球戻り防止片345は、遊技領域からの遊技球の逆行を防止すると共に、発射された遊技球を遊技領域へ誘導し且つ軌道を調整するものである。これらの球戻り防止片は、夫々、裏面側に発射された遊技球に接触し作用するための、第1球戻り防止面部342a、第2球戻り防止面部343a、および第3球戻り防止面部345aを備える。
これら3箇所に設けられた球戻り防止片の2箇所の間隙には、左糸誘導片346と右糸誘導片347が設けられている。本実施例の糸誘導片の群は、球戻り防止片の群に対して、僅かに傾斜して(図18(a)参照)所謂千鳥刃状に設けられている。本実施例の糸誘導片と球戻り防止片のクリアランスは極めて小さく設定されている。左糸誘導片346と右糸誘導片347の夫々の裏面部には、左糸誘導面部346aと右糸誘導面部347aが設けられている。左糸誘導面部346aと右糸誘導面部347aは、操作糸を支持したとき、操作糸を後述する捕捉部へ誘導する面部であり、本発明の誘導部である。なお、左糸誘導片346と右糸誘導片347は、支持した操作糸を誘導し易いように、僅かに捻じって構成(図18(c)参照)されている。具体的には、左糸誘導面部346aは左第1糸捕捉スリット部348aに、右糸誘導面部347aは右第1糸捕捉スリット部349aに、それぞれ傾斜しており、これにより操作糸を誘導し易く構成されている。
本実施例における捕捉部について説明する。捕捉部は、第1球戻り防止片342、第2球戻り防止片343、および第3球戻り防止片345と、左糸誘導片346および右糸誘導片347との重なり合ったスリット部として、左第1糸捕捉スリット部348a、左第2糸捕捉スリット部348b、右第1糸捕捉スリット部349a、および右第2糸捕捉スリット部349bを備える。これらのスリット部の隙間は、操作糸の直径寸法より小さく、操作糸を堅固に捕捉可能な大きさで形成される。
【0075】
次に、本実施例の作用について説明する。図18(a)に示す待機姿勢において、球戻り防止片340の図示左側方から発射された遊技球が接近すると、該遊技球を第1球戻り防止面部342a、第2球戻り防止面部343a、および第3球戻り防止面部345aが受け止めて、遊技球の衝突力によって球戻り防止部材330は時計回転方向に揺動(回転)して、遊技球を遊技領域へ誘導する。
遊技領域へ誘導された遊技球に固着された操作糸が、左糸誘導面部346aあるいは右糸誘導面部347aにて支持されると、該誘導面部の傾斜面の作用によって、左糸誘導面部346aは左第1糸捕捉スリット部348aに、右糸誘導面部347aは右第1糸捕捉スリット部349aに誘導する。また、操作糸の状態によっては、左糸誘導面部346aや右糸誘導面部347aに誘導されずに、左第2糸捕捉スリット部348b、および右第2糸捕捉スリット部349bに自然に入り込む場合もある。
こうして、何れかの糸捕捉スリット部の上端部に操作糸が臨むと、操作糸に負荷されている下向き荷重によって、操作糸は糸捕捉スリット部に挟まれていき、操作糸の断面が圧縮変形して、堅固に捕捉することで、操作性を著しく困難にすることが可能となる。
以上、実施例4について説明したが、このような球戻り防止片の構成に加えて、延設部や脱落防止部を備えても良い。また、上述した検知手段や報知手段を備えても良い。
【0076】
以上、本発明に係る実施例を説明してきたが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、これに限定するものではない。
例えば、上述した実施例では、球戻り防止片の一方に延設部を備え、他方に脱落防止部を備えた例を示したが、延設部と脱落防止部の何れか1つのみを備えるものでも良い。このように構成することにより、弾球遊技機の種類によって遊技球の軌道の傾向も異なるので、個別に必要且つ好適な構成を備えることで、経済的であり、また球戻り防止片の揺動も軽快となるので、本来の球戻りを防止する機能を低下させずに、操作糸(紐体)の操作を困難あるいは不能とすることが可能となる。
【0077】
また、上述した実施例では、球戻り防止片の一方に延設部のみを備え、他方に同じく脱落防止部のみを備えた例を示したが、延設部と脱落防止部を併せて備えるものでも良い。このように構成することにより、より広範囲の操作糸(紐体)を捕獲し、これを確実に誘導部へ誘導するため、糸付き球ゴトの防止に一層資することとなり、高い確率で操作糸(紐体)の操作を困難あるいは不能とすることが可能となる。
【0078】
また、上述した実施例では、球戻り防止片の遊技盤側に延設部を備え、ガラス板側に脱落防止部を備えた例を示したが、延設部と脱落防止部の配備位置を入れ替えても良い。このように構成することで、弾球遊技機の種類による軌道の偏りに対応することが可能となり、軌道の傾向に柔軟に対応させて、操作糸(紐体)の操作を困難あるいは不能とすることが可能となる。
【0079】
また、球戻り防止片を形成する素材は、適宜選択可能である。耐摩耗性の高い樹脂や、セラミック、ばね鋼等の鉄を含む金属等で構成しても良い。また、捕捉部には摩擦計数の高い素材を用いても良い。また高い摩擦力を発生させるために表面粗さを粗く形成するようにしても良い。切刃部となる箇所には、金属やファインセラミックを用いることが好適であるが、紐体の剛性にも左右されるので、紐体を切断するに充分な性能を発揮出来るのであれば、これに限定することはない。
【0080】
また、球戻り防止片を第1保持体および第2保持体で保持し、錘体および保持体当接面部などを備えた球戻り防止部材を例示したが、これに限定することはない。発射された遊技球を発射通路から遊技領域へ誘導かつ許容し、遊技領域から発射通路へ逆行することを防止する機能を備えた球戻り防止部材であれば他の構成であっても良い。本発明の特徴は、球戻り防止部材が従来の機能に加えて、紐体を堅固に捕捉することで紐体の操作を困難にする点にあるため、当該効果を奏することが可能であれば、他の構成でも良い。
【0081】
また、上述した実施例や変形例には、球戻り防止片に捕捉部を1箇所だけ備えた例を示したものもあったが、複数個所設けても良い。捕捉部を複数個所備える場合は、球戻り防止片の幅寸法を捕捉部で等間隔に分割されるように配設することが好ましい。このように構成することで、球戻り防止片の上端部の何れの位置に支持される紐体も、およそ均しく捕捉することが可能となる。
【0082】
また、捕捉部を均等な距離で複数箇所備える場合は、奇数個(箇所)よりも、偶数個(箇所)だけ配設することが好ましい。このように構成することで、球戻り防止片の幅寸法の中央位置に、2箇所の捕捉部で挟まれて設けられる球戻り防止部を配設することになる。このように構成することにより、発射された遊技球が接触する可能性の高い部分に球戻り防止部を備えることになり、発射された遊技球に接触して遊技領域へ誘導する機能を低下させることなく、紐体の操作性を困難とすることが可能となる。
【0083】
さらに、上述した実施例および変形例で、本発明の捕捉部として、紐体を挟み込んで堅固に捕捉可能な程度の間隙で形成されるスリット部を例示したが、紐体を堅固に捕捉可能な機能を発揮する構成であれば、他の方法でも良い。
例えば、球戻り防止片に対してスリット部が直交しないように形成されたものでも良い。図2の実施例1の球戻り防止片40を参照して説明すると、糸捕捉スリット部40cを球戻り防止片基体40eの平面に対して直交して切れ目を入れるのではなく、つまり遊技盤表面に平行な直線に対して所定の角度で傾斜して切れ目を入れるように構成する。結果的には、弾球遊技機を俯瞰視したときに、切れ目の出口と入口が前後方向でずれて形成されるようになる。
このようにすることにより、糸捕捉スリット部40cに捕捉された紐体は、発射通路側から球戻り防止片基体40eに到達すると、球戻り防止片基体40eの厚み部分で所定の角度で屈折した後で、遊技領域側の固着された遊技球まで伸びるようになる。つまり、球戻り防止片の表裏において紐体が屈曲することで、押し引き操作しようとしても摩擦により容易には行えなくすることが可能となる。
また、屈折の度合いが高いほど堅固に捕捉できるので、球戻り防止片の厚みを適宜、厚く設定することで、簡易な構成により、操作を著しく困難にすることができる。
【0084】
また、左糸誘導部(誘導部)40aと右糸誘導部(誘導部)40bが収束する位置、すなわち糸捕捉スリット部40cの上端部では、球戻り防止片基体40eの平面に対して直交しており、下方に向かうにしたがって、直交から非直交に変化して所定の角度で切れ目が形成されるように構成しても良い。このように構成することにより、糸付き球ゴトにおける紐体を球戻り防止片の誘導部が誘導してきたとき、球戻り防止片基体40eの平面に対して直交するスリット部によって容易に捕捉し、遊技球等の下方への圧力によってスリット部を下降するにしたがい、スリット部が球戻り防止片基体40eの平面に対して非直交することで、堅固に捕捉することが可能となる。このように、上記、非直交したスリット部への移行が障害なく進行、完了するので、より確実に紐体の堅固な捕捉を可能とすることができる。
【符号の説明】
【0085】
20: 遊技球
21: 操作糸(紐体)
21a: 操作糸(紐体)
21b: 操作糸(紐体)
30: 球戻り防止部材
40: 球戻り防止片
40a: 左糸誘導部(誘導部)
40b: 右糸誘導部(誘導部)
40c: 糸捕捉スリット部(捕捉部)
130: 球戻り防止部材
140: 球戻り防止片
141b: 第1糸誘導部(誘導部)
141c: 第1切刃部(切刃部)
141e: 球戻り防止片延設部(延設部)
142b: 第2糸誘導部(誘導部)
142c: 第2切刃部(切刃部)
142e: 球戻り防止片起立部(脱落防止部)
143: 糸捕捉谷部(捕捉部)
145: 延設部用凹部(凹部)
201: 球戻り防止片
204: 糸捕捉谷部(捕捉部)
205: 左糸誘導部(誘導部)
206: 右糸誘導部(誘導部)
211: 球戻り防止片
214: 糸捕捉谷部(捕捉部)
215: 左糸誘導部(誘導部)
216: 右糸誘導部(誘導部)
221: 球戻り防止片
224: 糸捕捉谷部(捕捉部)
225a: 左第1糸誘導部(誘導部)
225b: 左第2糸誘導部(誘導部)
226a: 右第1糸誘導部(誘導部)
226b: 右第2糸誘導部(誘導部)
231: 球戻り防止片
234: 糸捕捉谷部(捕捉部)
235a: 左第1糸誘導部(誘導部)
235b: 左第2糸誘導部(誘導部)
236a: 右第1糸誘導部(誘導部)
236b: 右第2糸誘導部(誘導部)
241: 球戻り防止片
245a: 左糸捕捉谷部(捕捉部)
245b: 右糸捕捉谷部(捕捉部)
246a: 左第1糸誘導部(誘導部)
246b: 左第2糸誘導部(誘導部)
247a: 右第1糸誘導部(誘導部)
247b: 右第2糸誘導部(誘導部)
248a: 中第1糸誘導部(誘導部)
248b: 中第2糸誘導部(誘導部)
248c: 中第2糸誘導部(誘導部)
251: 球戻り防止片
255a: 左糸捕捉谷部(捕捉部)
255b: 右糸捕捉谷部(捕捉部)
256a: 左第1糸誘導部(誘導部)
256b: 左第2糸誘導部(誘導部)
257a: 右第1糸誘導部(誘導部)
257b: 右第2糸誘導部(誘導部)
258a: 中第1糸誘導部(誘導部)
258b: 中第2糸誘導部(誘導部)
258c: 中第2糸誘導部(誘導部)
261: 球戻り防止片
265a: 糸捕捉スリット部(捕捉部)
265b: 糸捕捉スリット部(捕捉部)
271: 球戻り防止片
275a: 左糸捕捉谷部(捕捉部)
275b: 右糸捕捉谷部(捕捉部)
276a: 左第2切刃部(切刃部)
276b: 右第2切刃部(切刃部)
277a: 左第1切刃部(切刃部)
277b: 右第1切刃部(切刃部)
281: 球戻り防止片
282: 球戻り防止片延設部(延設部)
283: 球戻り防止片起立部(脱落防止部)
330: 球戻り防止部材
340: 球戻り防止片
346a: 左糸誘導面部(誘導部)
347a: 右糸誘導面部(誘導部)
348a: 左第1糸捕捉スリット部(捕捉部)
348b: 左第2糸捕捉スリット部(捕捉部)
349a: 右第1糸捕捉スリット部(捕捉部)
349b: 右第2糸捕捉スリット部(捕捉部)
400: 検出スイッチ(検知手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、球戻り防止部材を備えた弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、発射した遊技球を発射通路を経由して、入賞口等が配設された遊技領域に進入させ、遊技領域を流下する遊技球の入賞等の結果により遊技者に利益を提供することで遊技を行う構成において、一旦遊技領域に進入した遊技球が再度、発射通路へ逆行(逆流、球戻り)してしまう不具合を解消するために、発射通路の遊技領域側末端部付近に、遊技領域への遊技球の進入を促し、且つ発射通路へ逆行しようとする遊技球を阻止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機が広く知られている。
一方、上述したような、すなわち入賞口等に遊技球が入球するか否かにより遊技者が享受する利益に差が生まれる弾球遊技機に対して、釣糸等を固着させた遊技球を遊技領域に発射し、釣糸等を手元で操作して任意の入賞口の検出スイッチにて反復継続して検出させる等によって、不当な利得を得る所謂糸付き球ゴトが頻繁に発生している。
このような、遊技球に釣糸等のような操作を可能とする紐体を一体的に構成して、本来ならば流下する遊技球の自由な動きに反するように操作することで、何らかの不当利得を得ようとする不正行為に対して、弾球遊技機に設けられるものではないが、不正玉の動きを検出する不正検知機構を備えた技術(例えば、特許文献1参照)が考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−85441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術を弾球遊技機に適用したとしても、不正行為が為された事実を検知することが出来るに留まり、糸付き球を用いた不正行為そのものが容易に行えるという状態に変わりは無く、糸付き球ゴトに対する抑止力とはならなかった。
本願発明は係る課題に鑑みなされたものであり、糸付き球ゴトに対して、糸(紐体)を捕捉して遊技球の自由な操作を制限することにより、当該不正行為を困難或いは不能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明の請求項1記載の弾球遊技機は、遊技盤に設けられて遊技球が流下する遊技領域と、発射された前記遊技球が発射通路から前記遊技領域へ進入することを許容すると共に遊技領域から前記発射通路に逆流することを防止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機において、前記球戻り防止部材は、発射された遊技球が遊技領域に進入するとき、又は遊技領域から発射通路に逆流しようとするときに接触する球戻り防止片を備え、球戻り防止片は、前記遊技領域に進入した遊技球に固着されて該遊技球を操作可能な紐体を捕捉する捕捉部と、前記紐体を前記捕捉部に誘導する誘導部と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の弾球遊技機は、遊技盤に設けられて遊技球が流下する遊技領域と、発射された前記遊技球が発射通路から前記遊技領域へ進入することを許容すると共に遊技領域から前記発射通路に逆流することを防止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機において、前記球戻り防止部材は、発射された遊技球が遊技領域に進入するとき、又は遊技領域から発射通路に逆流しようとするときに接触する球戻り防止片を備え、球戻り防止片は、前記遊技領域に進入した遊技球に固着されて該遊技球を操作可能な紐体を捕捉する捕捉部と、前記紐体を前記捕捉部に誘導する誘導部と、前記紐体が球戻り防止片から脱落することを防止する脱落防止部を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の弾球遊技機は、遊技盤に設けられて遊技球が流下する遊技領域と、発射された前記遊技球が発射通路から前記遊技領域へ進入することを許容すると共に遊技領域から前記発射通路に逆流することを防止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機において、前記球戻り防止部材は、発射された遊技球が遊技領域に進入するとき、又は遊技領域から発射通路に逆流しようとするときに接触する球戻り防止片を備え、球戻り防止片は、前記遊技領域に進入した遊技球に固着されて該遊技球を操作可能な紐体を捕捉する捕捉部と、前記紐体を前記捕捉部に誘導する誘導部と、該誘導部から延設されて前記紐体を誘導部へ誘導する延設部を備え、前記遊技盤は前記延設部との接触を避ける凹部を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の弾球遊技機は、遊技盤に設けられて遊技球が流下する遊技領域と、発射された前記遊技球が発射通路から前記遊技領域へ進入することを許容すると共に遊技領域から前記発射通路に逆流することを防止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機において、前記球戻り防止部材は、発射された遊技球が遊技領域に進入するとき、又は遊技領域から発射通路に逆流しようとするときに接触する球戻り防止片を備え、球戻り防止片は、前記遊技領域に進入した遊技球に固着されて該遊技球を操作可能な紐体を捕捉する捕捉部と、前記紐体を前記捕捉部に誘導する誘導部と、前記紐体が球戻り防止片から脱落することを防止する脱落防止部と、前記誘導部から延設されて前記紐体を誘導部へ誘導する延設部を備え、前記遊技盤は前記延設部との接触を避ける凹部を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の本発明は、請求項1乃至請求項4に記載の弾球遊技機において、前記捕捉部は、捕捉した前記紐体を切断可能な切刃部を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の本発明は、請求項1乃至請求項5に記載の弾球遊技機において、前記球戻り防止片は、発射された遊技球が遊技領域に進入するときの接触による通常変位角度と、該通常変位角度より大きな異常変位角度に変位可能であって、異常変位角度に変位したことを検知可能な異常検知手段と、検知手段が異常変位角度に変位したと検知した旨を報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の弾球遊技機によれば、球戻り防止片が遊技領域から発射通路へ逆行する球戻りを阻止し且つ発射された遊技球が発射通路から遊技領域へ進入する際にこれを誘導する機能を維持しつつ、遊技球に紐体が固着されているとき、球戻り防止片が紐体を支持し、誘導部が該紐体を捕捉部へ誘導し、誘導された紐体を捕捉部が堅固に捕捉するので、紐体の自由な操作を困難として、不正行為者に対して不当な利得を与えないようにすることが可能となる。
【0012】
また、捕捉部は不正行為を目的として遊技球に固着された紐体を捕捉し、誘導部は紐体を捕捉部に誘導するためにのみ機能するので、正規の遊技球には何ら作用せず、糸付き球ゴトに係る紐体が固着された遊技球が遊技領域に進入した場合にのみ機能することが可能となる。したがって、紐体が存在する場合には自動的に機能するので、不正な紐体の存否を検出する特別な装置を備える必要がない。
【0013】
さらに、紐体の自由な操作を制限するための機能として、誘導部および補足部を、遊技盤に配設される球戻り防止部材に備えたことで、不正行為への対策が為されていることを、不正行為者に対して一目瞭然に明示することができ、視認不能な箇所での対処と比較して、不正行為への予防効果が期待できる。
【0014】
請求項2に記載の弾球遊技機によれば、球戻り防止片が遊技領域から発射通路へ逆行する球戻りを阻止し且つ発射された遊技球が発射通路から遊技領域へ進入する際にこれを誘導する機能を維持しつつ、遊技球に紐体が固着されているとき、球戻り防止片が紐体を支持し、誘導部が該紐体を捕捉部へ誘導し、誘導された紐体を捕捉部が堅固に捕捉するので、紐体の自由な操作を困難として、不正行為者に対して不当な利得を与えないようにすることが可能となる。
【0015】
また、捕捉部は不正行為を目的として遊技球に固着された紐体を捕捉し、誘導部は紐体を捕捉部に誘導するためにのみ機能するので、正規の遊技球には何ら作用せず、糸付き球ゴトに係る紐体が固着された遊技球が遊技領域に進入した場合にのみ機能することが可能となる。したがって、紐体が存在する場合には自動的に機能するので、不正な紐体の存否を検出する特別な装置を備える必要がない。
【0016】
また、紐体の自由な操作を制限するための機能として、誘導部および補足部を、遊技盤に配設される球戻り防止部材に備えたことで、不正行為への対策が為されていることを、不正行為者に対して一目瞭然に明示することができ、視認不能な箇所での対処と比較して、不正行為への予防効果が期待できる。
【0017】
さらに、球戻り防止片の上端部にて一旦は支持した紐体が、遊技盤側またはガラス板側の間隙に脱落することを防止する脱落防止部を備えたので、球戻り防止片で一度支持した紐体は高い確率で誘導部を経て捕捉部へ移送可能となる。
【0018】
請求項3に記載の弾球遊技機によれば、球戻り防止片が遊技領域から発射通路へ逆行する球戻りを阻止し且つ発射された遊技球が発射通路から遊技領域へ進入する際にこれを誘導する機能を維持しつつ、遊技球に紐体が固着されているとき、球戻り防止片が紐体を支持し、誘導部が該紐体を捕捉部へ誘導し、誘導された紐体を捕捉部が堅固に捕捉するので、紐体の自由な操作を困難として、不正行為者に対して不当な利得を与えないようにすることが可能となる。
【0019】
また、捕捉部は不正行為を目的として遊技球に固着された紐体を捕捉し、誘導部は紐体を捕捉部に誘導するためにのみ機能するので、正規の遊技球には何ら作用せず、糸付き球ゴトに係る紐体が固着された遊技球が遊技領域に進入した場合にのみ機能することが可能となる。したがって、紐体が存在する場合には自動的に機能するので、不正な紐体の存否を検出する特別な装置を備える必要がない。
【0020】
また、紐体の自由な操作を制限するための機能として、誘導部および補足部を、遊技盤に配設される球戻り防止部材に備えたことで、不正行為への対策が為されていることを、不正行為者に対して一目瞭然に明示することができ、視認不能な箇所での対処と比較して、不正行為への予防効果が期待できる。
【0021】
さらに、遊技領域側またはガラス板側の間隙に進入する軌道をとる紐体を、誘導部から連なって延びるように設けられた延設部によって誘導するので、より広範囲に亘って不正な紐体を確実に捕獲し、ひいては堅固な捕捉によって自由な操作を阻止することが可能となる。
また、延設部に干渉しない凹部を遊技盤に設けることにより、遊技盤に近接した軌道をとる紐体であっても捕獲することが可能となる。
【0022】
請求項4に記載の弾球遊技機によれば、球戻り防止片が遊技領域から発射通路へ逆行する球戻りを阻止し且つ発射された遊技球が発射通路から遊技領域へ進入する際にこれを誘導する機能を維持しつつ、遊技球に紐体が固着されているとき、球戻り防止片が紐体を支持し、誘導部が該紐体を捕捉部へ誘導し、誘導された紐体を捕捉部が堅固に捕捉するので、紐体の自由な操作を困難として、不正行為者に対して不当な利得を与えないようにすることが可能となる。
【0023】
また、捕捉部は不正行為を目的として遊技球に固着された紐体を捕捉し、誘導部は紐体を捕捉部に誘導するためにのみ機能するので、正規の遊技球には何ら作用せず、糸付き球ゴトに係る紐体が固着された遊技球が遊技領域に進入した場合にのみ機能することが可能となる。したがって、紐体が存在する場合には自動的に機能するので、不正な紐体の存否を検出する特別な装置を備える必要がない。
【0024】
また、紐体の自由な操作を制限するための機能として、誘導部および補足部を、遊技盤に配設される球戻り防止部材に備えたことで、不正行為への対策が為されていることを、不正行為者に対して一目瞭然に明示することができ、視認不能な箇所での対処と比較して、不正行為への予防効果が期待できる。
【0025】
また、球戻り防止片の上端部にて一旦は支持した紐体が、遊技盤側またはガラス板側の間隙に脱落することを防止する脱落防止部を備えたので、球戻り防止片で一度支持した紐体は高い確率で誘導部を経て捕捉部へ移送可能となる。
【0026】
さらに、遊技領域側またはガラス板側の間隙に進入する軌道をとる紐体を、誘導部から連なって延びるように設けられた延設部によって誘導するので、より広範囲に亘って不正な紐体を確実に捕獲し、ひいては堅固な捕捉によって自由な操作を阻止することが可能となる。
また、延設部に干渉しない凹部を遊技盤に設けることにより、遊技盤に近接した軌道をとる紐体であっても捕獲することが可能となる。
【0027】
請求項5に記載の弾球遊技機によれば、捕捉部にて紐体の堅固な捕捉が為されることで紐体の操作性を不自由にするに加えて、不正行為者がさらに操作しようとして加圧すると、切刃部によって紐体を切断するので、不正行為者の紐体による操作は完全に不能とすることが可能となる。切断後の紐体が固着された遊技球は、機内に残留することで、不正行為の証拠品として没収でき、該遊技球を使って当該不正行為者が同様の不正行為を為すことを防止できる。
【0028】
請求項6に記載の弾球遊技機によれば、遊技球に固着された紐体が、球戻り防止片の上端部にて支持されたときに変位可能な異常変位角度を異常検知手段が検知可能であるので、糸付き球ゴトが実行されたことを簡易な装置によって確実且つ速やかに認知することが可能となる。また、異常発生の旨を報知手段にて報知するので、不正行為に対する処理が迅速に行えるとともに、不正行為を抑止する効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る実施例1のパチンコ機に設けられた遊技盤1の正面図
【図2】本実施例の球戻り防止部材30の構成を説明する概略斜視図
【図3】球戻り防止部材30の発射球20に対する作用を説明する概略説明図
【図4】球戻り防止部材30の発射球20に対する作用を説明する概略説明図
【図5】球戻り防止部材30の操作糸21に対する作用を説明する概略説明図
【図6】球戻り防止部材30の操作糸21に対する作用を説明する概略側面図
【図7】球戻り防止部材30の操作糸21に対する作用を説明する概略説明図
【図8】球戻り防止部材30の操作糸21に対する作用を説明する概略側面図
【図9】実施例2の球戻り防止部材130の構成を説明する概略斜視図
【図10】球戻り防止部材130の操作糸21a、21bに対する作用を説明する概略説明図
【図11】球戻り防止部材130の操作糸21a、21bに対する作用を説明する概略側面図
【図12】球戻り防止部材130の操作糸21a、21bに対する作用を説明する概略説明図
【図13】球戻り防止部材130の操作糸21a、21bに対する作用を説明する概略側面図
【図14】実施例3の本実施例の異常検知手段を備えた球戻り防止部材30の構成を説明する概略説明図
【図15】実施例3の本実施例の異常検知手段を備えた球戻り防止部材30の構成を説明する概略説明図
【図16】変形例1乃至5の球戻り防止部材を説明する概略説明図
【図17】変形例6乃至9の球戻り防止部材を説明する概略説明図
【図18】実施例4の構成を説明する概略三面図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
【0031】
先ず、本発明のパチンコ機は、図示しない発射ハンドルを備え、該発射ハンドルを遊技者が操作することにより遊技球を発射し、発射された遊技球が後述する発射通路15を経由して遊技領域3に打ち込まれるように構成されており、この点も含めて全体的な構成は、公知技術に従っているため、便宜上、図示及び説明を省略する。
【0032】
図1は、本発明に係る実施例1の弾球遊技機としてのパチンコ機に設けられた遊技盤1の正面図である。図1に示すように、本実施例のパチンコ機の遊技盤1には、外レールセット2a及び内レールセット2bによって略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3の左側外周部には、外レールセット2a及び内レールセット2bによって形成されて且つ発射された遊技球が誘導される発射通路15が設けられている。発射通路15の末端部、換言すれば発射通路15と遊技領域3の境界付近には、本発明の要部である球戻り防止片40を具備してなる球戻り防止部材30が配設されている。球戻り防止部材30については、後で詳述する。
【0033】
この遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が装着されている。センターケース5の左側方には、普図作動入賞口16が設けられている。普図作動入賞口16の内部には、図示しない普図作動入賞検知スイッチが内蔵されている。普図作動入賞検知スイッチが遊技球の通過を検出することで、入賞と判断される。こうして、普図作動入賞口16に遊技球が入賞すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出されて、抽出された乱数に基づく当否判定(普通図柄抽選)が行われる。また、当該入賞により、賞球として所定個数(例えば、3個)の遊技球が払い出される。
【0034】
センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して、特別図柄(特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第1特図始動口11及び第2特図始動口12が、上下に並んで配設されている。第1特図始動口11は、常時遊技球が入賞可能に構成されているが、第2特図始動口12は、上述した普通図柄抽選による当選時のみに遊技球が入賞可能に開放される普通電動役物により構成されている。
【0035】
第1特図始動口11及び第2特図始動口12に遊技球が入球すると、複数種類の乱数が抽出され、即時変動表示が開始出来ない場合には、特図の保留記憶として記憶される。
【0036】
第2特図始動口12の下方には、大当り抽選により大当りとなると実行される大当り遊技の際に開放される特別電動役物からなる大入賞口14が配設されている。また、遊技領域3の右側下部には、入賞によって単に賞球を発生させるだけの機能を備えた一般入賞口13が複数配設されている。
【0037】
遊技盤1の右側下部の領域には、7セグメントの表示装置で構成されると共に、第1特図始動口11及び第2特図始動口12への入球に基づいて特別図柄を変動表示する第1特図表示装置9及び第2特図表示装置10が上下に配設されている。
また、各々4個のLEDで構成される共に、第1特図始動口11及び第2特図始動口12への入球に基づいて記憶された特図の保留記憶の個数を表示する第1特図保留数表示装置17及び第2特図保留数表示装置18が上下に配設されている。また、4個のLEDで構成される共に、普図作動入賞口16への入賞に基づいて記憶された普図の保留記憶の個数を表示する普図保留数表示装置8と、同じく、2個のLEDで構成される共に、普図作動入賞口16への入賞に基づいて普通図柄の変動表示を行う普通図柄表示装置7を備える。
【0038】
センターケース5の中央には、LCDパネルで構成された演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)が配設され、LCDパネルの画面上では、特別図柄の変動表示に対応した演出図柄の変動表示を行うことにより、大当たり抽選の結果を報知する大当り演出が実行される。また、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープルート、及びステージ等が設けられている。
そして、遊技領域3の表面(前面)には、適宜の箇所に多数の遊技釘4が植設され、遊技領域3の最下部には、遊技領域3に配設された何れの入賞口や入球口にも入球しなかった遊技球を取り込むアウト口が設けられている。
【0039】
なお、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の前方には、遊技盤1と略平行に所定の間隙(例えば、19mm)をおいて遊技盤1を透視可能なガラス板46が設けられている。発射された遊技球は、遊技盤1の表面とガラス板46の裏面で形成される空間を上昇或いは下降して変位するものである。更にいえば、発射された遊技球は、遊技盤1の表面、ガラス板46の裏面、外レールセット2a、及び内レールセット2bとで形成される発射通路15を上昇変位し、球戻り防止部材30の球戻り防止片40に接触すると、該接触により回動(揺動)変位する球戻り防止部材30に誘導されて、遊技領域3に進入する。本実施例の球戻り防止片40は、遊技盤1の前面及びガラス板46の裏面との間に揺動を可能とする程度の間隙を設けて構成されている。
次に、本発明の要部である球戻り防止部材30の構成について図2を参照して説明する。
【0040】
図2は、本実施例の球戻り防止部材30の構成を説明する概略斜視図である。
図2(b)に示すように、球戻り防止部材30は、球戻り防止片40と、該球戻り防止片40を保持する球戻り防止片保持体34と、球戻り防止部材30を遊技領域3の所定位置にて揺動自在に軸支するための支軸35と、軸支された球戻り防止部材30の姿勢を所定の位置に調整するための錘体36と、を備える。
【0041】
図2(a)に示すように、球戻り防止片40は、略縦長の矩形状且つ薄板状に形成されてなる球戻り防止片基体40eと、球戻り防止片基体40eの下端部に一体的に構成され且つ球戻り防止片基体40eの厚みよりも大きな直径で形成される略円柱状の抜止部40dを備える。
球戻り防止片基体40eの上部には、図示左右方向の略中央位置に上下方向に向かって糸捕捉スリット部40cが設けられている。糸捕捉スリット部40cの幅寸法、すなわち該糸捕捉スリット部40cによって左右に分割された球戻り防止片基体40eの左右部分の間隙は、糸付き球ゴトに用いられる操作糸21(図3参照)の直径寸法よりも小さく、該糸捕捉スリット部40cに操作糸21が臨んだ際に、所定の加圧によって締まり嵌めして、操作糸21を堅固に捕捉する程度のクリアランスが好ましい。糸捕捉スリット部40cは、本発明の捕捉部である。
また、球戻り防止片基体40eの上部には、夫々左右上方から糸捕捉スリット部40cに向けて図示した下り曲線状に形成される左糸誘導部40aと右糸誘導部40bを備える。該左糸誘導部40aと右糸誘導部40bは、操作糸21を糸捕捉スリット部40cへ誘導するための手段であり、本発明の誘導部である。
【0042】
糸付き球が発射されると、遊技球は上記した構成の球戻り防止片40の図示裏面側に接触(衝突)して球戻り防止部材30を回転させて遊技領域3に進入し、遊技球に固着された紐体としての操作糸は遊技領域3に進入する遊技球に引き張られながら球戻り防止片40の裏面側および球戻り防止片40の上端部すなわち、左糸誘導部40a、右糸誘導部40b、と糸捕捉スリット部40cを含む略縦長の矩形状の上側短辺部の何れかの箇所にて支持されるように構成されている。以下の実施例や変形例においても、紐体としての操作糸を支持する球戻り防止片の上端部とは、上記した略縦長の矩形状の上側短辺部の何れかの箇所を示唆するものである。但し、必ずしも略縦長の矩形状の上側短辺部である必要はなく、糸付き球が通過した後で該遊技球に引き張られる紐体を支持する構成であれば他の構成であっても良い。
【0043】
球戻り防止片保持体34は、球戻り防止片40を保持するものであり、ガラス板46の裏面側に近く配設される第1保持体32と、遊技盤1の表面側に近く配置される第2保持体33で構成される。
第1保持体32は、図示したように断面異形状の柱状体で形成され、右裏面側には球戻り防止片40が挿入可能な溝部32bが設けられ、更に後述する支軸35が挿入される支軸孔32a、錘体36が嵌入される錘体嵌入穴32f、及び取付螺子37a、37bが挿通される螺子挿通孔32c、32d、が設けられている。また、右下部には保持体当接面部32eが設けられている。
第2保持体33は、第1保持体32と同じく図示したように断面異形状の柱状体で形成されている。左表面側には球戻り防止片40が挿入可能な溝部33bが設けられ、支軸35が挿入される支軸孔33a、及び取付螺子37a、37bが螺着される螺子取付孔33c、33d、が設けられている。また、右下部には保持体当接面部33eが設けられている。
【0044】
図2(a)を参照して、上述した球戻り防止部材30の組み付け方法を説明する。
先ず、球戻り防止片40を溝部32b、33bに嵌め込み、第1保持体32と第2保持体33を互いに当接させ、取付螺子37a、37bを、螺子挿通孔32c、32dに挿通し、螺子取付孔33c、33dにて螺着することで、球戻り防止片保持体34から球戻り防止片40が抜けないように構成されている。次に、支軸35を支軸孔32a、33aに挿通して図示所定位置で公知技術によって固定し、この際に遊技盤1側の方がガラス板46側の方よりもやや長めに突出して固定されるようになっている。そして、錘体36を錘体嵌入穴32fに嵌め込むことで組みつけが完了する。このように組みつけられた本実施例の球戻り防止部材30は、図3に示すように、遊技盤1の表面側に取り付けられる。図3を参照して本実施例の球戻り防止部材30の取り付け状態を説明する。
【0045】
本実施例の球戻り防止部材30は、支軸35を遊技盤1の表面側に対して略垂直に挿入することにより球戻り防止片40が遊技盤1に対して直交する状態で揺動可能に軸支される。内レールセット2bの構成を説明すると共に、併せて球戻り防止部材30の取り付け状態を詳述する。
内レールセット2bは、図示湾曲したレール体の上端部に該レール体等を一体的に取り付けるための内レールセット取付基板23を備える。内レールセット取付基板23は、図示しない他の取付機構と協働して、内レールセット2bを螺子等によって螺着することで遊技盤1に取り付ける。内レールセット取付基板23は、断面逆C字状であって、且つ図示前方に向かって所定の高さ(球戻り防止部材30が内蔵可能な高さ)で形成されるハウジング部材24(ハッチングにより図示)を備える。また、内レールセット取付基板23には、上述したように、支軸35を挿入可能な孔部が穿設されており、支軸35の後端部を支持する。さらに、図3では便宜上省略したが、ハウジング部材24のハッチングした面部に当接すると共に支軸35の前端部を支持する穴部を備えたハウジングカバー(図1参照)を備える。これにより、支軸35の前後両端部は、遊技盤1に対して直交して支持されるように構成されている。
図3の球戻り防止部材30は、遊技球による作用を受けていない、すなわち待機姿勢にある状態が示されている。錘体36は、支軸35の左斜め下方位置に設けられている。また、球戻り防止部材30の斜め右下部には上述した保持体当接面部32e、33eが設けられており(図4参照)、これに当接するハウジング部材24の内壁部にはハウジング部材当接面部24aが設けられている。
【0046】
これにより、支軸35を中心にして揺動自在な球戻り防止部材30は、錘体36が支軸35の左斜め下方に位置する不安定な状態から、錘体36が支軸35の略直下に位置する安定した状態に変位しようとすることによって、回転力が発生するが、保持体当接面部32e、33eがハウジング部材当接面部24aに当接することによってこれを規制すると共に、図3に示す待機姿勢から更に反時計回転方向に回転することを防止するように構成される。当該待機姿勢において、発射された遊技球21が球戻り防止片40に衝突(干渉)することで、球戻り防止部材30が時計回転方向に回転(図4参照)しても、上記構成の作用により、速やかに待機姿勢に復帰するように構成されている。また、待機姿勢における球戻り防止片40の上端部と外レールセット2aとの間隙は、遊技球20の直径寸法よりも小さく設定されており、これにより遊技領域3からの球戻りを防止している。
本実施例の球戻り防止部材30は、以上のような構成を備えるものであるが、次にその作用について説明する。
【0047】
先ず、基本的な球戻り防止作用について、図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4は、球戻り防止部材30の発射球20に対する作用を説明する概略説明図である。
図3に示すように、球戻り防止部材30は待機姿勢に位置しており、当該状態において球戻り防止片40の上端部と外レールセット2aとの間隙からは、遊技領域3から逆行して再度発射通路15へ球戻りしようとする遊技球を阻止することが可能な状態となっている。この構成は、発射通路15から遊技領域3へ進入する遊技球に対しては、必ず球戻り防止片40に接触するように作用するものである。
このとき、糸付き球ゴトに使用される操作糸21が固着された遊技球20が発射されると、発射通路15を上昇して、遊技領域3との境界に配設された球戻り防止部材30の球戻り防止片40に向けて進行する。
進行した遊技球20が球戻り防止片40に接触し、更に進行すると、図4に示す状態となる。球戻り防止片40は、遊技球20に加圧され、該加圧によって球戻り防止部材30は支軸35を中心に時計回転方向に回転変位する。該回転変位により球戻り防止片40の上端部と外レールセット2aとの間隙が遊技球20の通過可能な大きさとなると、遊技球20は球戻り防止片40の干渉から開放されて、遊技領域3に進入する。球戻り防止部材30は、発射された遊技球20が遊技領域3に進入する際に、これを許容し誘導するように構成されている。但し、遊技球20が球戻り防止片40の干渉から開放されても、球戻り防止片40は操作糸21に対しての干渉(接触)を維持し、更に本発明の作用として、操作糸21を捕捉するように作用する。
なお本実施例では、球戻り防止片40が発射された遊技球20の作用により時計回転方向に最も回転しても、ハウジング部材24の上端部には接触しないように構成されている。
遊技球20の遊技領域3への進入が完了すると、支軸35に対して偏芯して設けられた錘体36の作用により、球戻り防止部材30は速やかに反時計回転方向に回転して元の待機姿勢に復帰する。このとき、遊技球20に固着された操作糸21は、球戻り防止片40の上端部に、高い確率で引っ掛かることになる。
【0048】
次に、本実施例のより詳細な作用について、図5乃至図8を参照して説明する。図5及び図7は、球戻り防止部材30の操作糸21に対する作用を説明する概略説明図であり、図6及び図8は、球戻り防止部材30の操作糸21に対する作用を説明する概略側面図である。
糸付き球ゴトに係る操作糸21が固着された遊技球20が、遊技領域3に発射された直後の状態を図5に示した。このとき、不正行為者は、遊技領域3に到達した遊技球20を、普図作動入賞口16に反復継続して入賞させて不当に利得を得るために、操作糸21の遊技球20に固着された部分の反対側の部分を押し引きして操作することで、任意の位置に配置しようと試みる。操作される操作糸21は、このとき、球戻り防止片40の図示上端部を頂点として、遊技釘4等に掛け渡されて、略山形の状態にある。更にいえば、球戻り防止片40の図示上端部を頂点として、遊技球20に固着された側(図示右側)には遊技球20の質量に対応した下向きの荷重が掛かり、対する反対側(図示左側)には、前記荷重と略同じ大きさの荷重が下向きに加えられることで、均衡を保っている。不正行為者が、操作糸21を押し引き操作すると、左右両側の操作糸21は、図示矢印のように進退する。合わせて、球戻り防止片40も揺動し、図示円弧矢印のように、頂点を変位させる。
【0049】
図6には、当該状態を側面から見た図を示した。図には、球戻り防止部材30に係る、球戻り防止片40の図示上端部すなわち左糸誘導部40aの上部に、操作糸21の断面を円形で示した。なお、左糸誘導部40aの上部に操作糸21がある状態を示したが、この点、右糸誘導部40bであっても、下記作用は同じである。
上述したように、図示した操作糸21の断面位置を頂点として、操作糸21の両側は上述した下向き荷重が加わっており、該頂点にはこれらの荷重に対応した下向きの荷重が加わっている。左糸誘導部40a及び右糸誘導部40bは、上述したように、糸捕捉スリット部40cに向けて、夫々左右上方から下り曲線状に形成されてなる。これにより、本発明の誘導部としての左糸誘導部40a及び右糸誘導部40bは、操作糸21を下方すなわち糸捕捉スリット部40cへ誘導する作用を為す。更に、操作糸21の左糸誘導部40aの上部に掛かった頂点位置には、上述した荷重が加えられており、この状態で操作糸21の操作によって進退すると、左糸誘導部40aはより効果的に操作糸21を糸捕捉スリット部40cへ誘導可能となる。このように、左糸誘導部40a或いは右糸誘導部40bによって操作糸21が糸捕捉スリット部40cへ誘導されると、次いで図7及び図8に示す状態となる。
【0050】
図7には、操作糸21が左糸誘導部40a或いは右糸誘導部40bによって糸捕捉スリット部40cへ誘導されて糸捕捉スリット部40cに捕捉されたことにより、遊技球20に固着された操作糸21の頂点位置は、図5に示した位置よりも下方に変位している状態が示されている。糸捕捉スリット部40cに操作糸21が捕捉されると、不正行為者による操作糸21の操作が極めて困難になる。すなわち、糸捕捉スリット部40cに捕捉された位置から図示右側の遊技球20までの長さは変化せず、一方左側の部分は、不正行為者が押すと撓み、引くと一定位置を限界としてそれ以上は引くことが不能となる。
【0051】
図8には、当該状態を側面から見た図を示した。図6に示した操作糸21が左糸誘導部40aの下り曲線に沿って誘導されて、糸捕捉スリット部40cに臨むと、上述した下方向への荷重により、糸捕捉スリット部40cは操作糸21を堅固に捕捉するように作用する。
これにより、糸付き球ゴトに対して、操作糸21が固着された遊技球20が発射されると、本実施例の球戻り防止部材30の球戻り防止片40は、遊技球20を遊技領域3に向かって誘導し且つ遊技球20が遊技領域3へ進入することを許容する。また、遊技領域3から発射通路15の逆行する球戻りを阻止する。更に、遊技領域3に進入した遊技球20に固着された操作糸21を、左糸誘導部40a或いは右糸誘導部40bにて支持し、該左糸誘導部40a或いは右糸誘導部40bにて糸捕捉スリット部40cに誘導し、次いで糸捕捉スリット部40cにて操作糸21を堅固に捕捉(保持)することで、操作糸21の操作を著しく困難にするように構成される。
【0052】
なお、本実施例の球戻り防止片40は、左糸誘導部40a及び右糸誘導部40bが糸捕捉スリット部40cに向かって下り曲線状に形成される構成となっている。さらに詳述すると、左糸誘導部40a及び右糸誘導部40bは、球戻り防止片基体40e(図2参照)の左右上端角部を起点として、夫々糸捕捉スリット部40cの上端部にて収束する線対称の下り曲線状に形成されてなる。このように構成されることによって、球戻り防止片基体40eの上端部の何れの位置で操作糸21を支持しても、常に糸捕捉スリット部40cに誘導可能である。また、左右上端角部から曲線が形成されるので、左右上端部が鋭角にならず、パチンコ機の組み立て作業やホールでのメンテナンス作業等においても、充分な安全性を確保可能となっている。
[実施例2]
【0053】
本発明に係る実施例2の構成について、図9を参照して説明する。図9は、本実施例の球戻り防止部材130の構成を説明する概略斜視図である。
図9(b)に示すように、球戻り防止部材130は、球戻り防止片140と、該球戻り防止片140を保持する球戻り防止片保持体134と、球戻り防止部材130を遊技領域3の所定位置にて揺動自在に軸支するための支軸135と、軸支された球戻り防止部材130の姿勢を所定の位置に調整するための錘体136と、を備える。球戻り防止片140は、第1球戻り防止片141と、第2球戻り防止片142で構成される。第1球戻り防止片141と第2球戻り防止片142が図示前後に重ね合わせて組みつけられた際に形成される略V字状の最下位置に、糸捕捉谷部143が設けられている。
【0054】
図9(a)に示すように、第1球戻り防止片141は、略台形状且つ薄板状に形成されてなる第1球戻り防止片基体141aと、第1球戻り防止片基体141aの下端部に一体的に構成され且つ図示前方に向かって立設される第1抜止部141dと、第1球戻り防止片基体141aの図示右側上端部から左側斜め下方に向かって下り傾斜した斜辺状に形成されてなる第1糸誘導部141bと、第1球戻り防止片基体141aの図示右側上部から、図示右側方向すなわち遊技盤1の方向(図11参照)に向かって延設されてなる略薄板状且つ略矩形状に形成された球戻り防止片延設部141eと、を備える。更に、第1糸誘導部141bの略中央には、図示裏面から図示表面に向かって下り傾斜して、操作糸を切断するための第1切刃部141cが形成される。
【0055】
第2球戻り防止片142は、略台形状且つ薄板状に形成されてなる第2球戻り防止片基体142aと、第2球戻り防止片基体142aの下端部に一体的に構成され且つ図示後方に向かって立設される第2抜止部142dと、第2球戻り防止片基体142aの図示左側上端部から右側斜め下方に向かって下り傾斜した斜辺状に形成されてなる第2糸誘導部142bと、第2球戻り防止片基体142aの図示左側上部から、図示後側方向すなわち遊技盤1に取り付けられた状態での遊技領域3から発射通路15への方向(図10参照)に向かって立設されてなる略薄板状且つ略三角形状に形成された球戻り防止片起立部142eと、を備える。更に、第2糸誘導部142bの略中央には、図示表面から図示裏面に向かって下り傾斜して、操作糸を切断するための第2切刃部142cが形成される。
【0056】
球戻り防止片保持体134は、上述したように、第1球戻り防止片141と第2球戻り防止片142で構成される球戻り防止片140を保持するものであり、ガラス板146の裏面側に近く配設される第1保持体132と、遊技盤1の表面側に近く配置される第2保持体133で構成される。
第1保持体132は、図示したように断面異形状の柱状体で形成され、右裏面側には球戻り防止片140が挿入可能な溝部132bが設けられ、更に後述する支軸135が挿入される支軸孔132a、錘体136が嵌入される錘体嵌入穴132f、及び取付螺子137a、137bが挿通される螺子挿通孔132c、132d、が設けられている。また、右下部には保持体当接面部132eが設けられている。
第2保持体133は、第1保持体132と同じく図示したように断面異形状の柱状体で形成されている。左表面側には球戻り防止片140が挿入可能な溝部133bが設けられ、支軸135が挿入される支軸孔133a、及び取付螺子137a、137bが螺着される螺子取付孔133c、133d、が設けられている。また、右下部には保持体当接面部133eが設けられている。
【0057】
図9(a)を参照して、上述した球戻り防止部材130の組み付け方法を説明する。
先ず、すなわち図9(b)に示したように、第1球戻り防止片141と第2球戻り防止片142を前後に重ね合わせて構成される球戻り防止片140を、溝部132b、133bに嵌め込み、第1保持体132と第2保持体133を互いに当接させ、取付螺子137a、137bを、螺子挿通孔132c、132dに挿通し、螺子取付孔133c、133dにて螺着することで、球戻り防止片保持体134から球戻り防止片140が抜けないように、構成されている。次に、支軸135を支軸孔132a、133aに挿通して図示所定位置で公知技術によって固定し、このとき遊技盤1側の方がガラス板146側の方よりもやや長めに突出して固定されるようにしてある。そして、錘体136を錘体嵌入穴132fに嵌め込むことで組みつけが完了する。このように組みつけられた本実施例の球戻り防止部材130は、図10及び図11に示すように、遊技盤1の表面側に取り付けられる。図10及び図11を参照して本実施例の球戻り防止部材130の取り付け状態を説明する。
【0058】
本実施例の球戻り防止部材130は、支軸135を遊技盤1の表面側に対して略垂直に挿入することにより球戻り防止片140が遊技盤1に対して直交する状態で揺動可能に軸支される。内レールセット2bの構成、またハウジング部材24及び球戻り防止片保持体134の構成及び作用等に関しては、上述した実施例1と同様であるため説明を省略する。
遊技盤1の表面側には、本実施例の球戻り防止部材130が組みつけられたときに、上述した球戻り防止片延設部141eが接触しないため、また球戻り防止部材130が揺動した際に干渉しないように、支軸135を中心として、図示湾曲した長円形状に形成される所定深さの、延設部用凹部145を備える。
本実施例の球戻り防止片延設部141eは、球戻り防止部材130が遊技盤1に取り付けられたときに球戻り防止片140と遊技盤1の表面側(遊技領域3)との間に形成される遊技盤側間隙148の上方を被覆するように構成されている。
また、上述したように、第1球戻り防止片141と第2球戻り防止片142が図示前後に重ね合わせて組みつけられた際に形成される略V字状の最下位置に、すなわち、第1糸誘導部141b及び第2糸誘導部142bの延長線上、更にいえば、第1切刃部141c及び第2切刃部142cの交点位置に、糸捕捉谷部143が設けられている。第1糸誘導部141b及び第2糸誘導部142bは、操作糸を糸捕捉谷部143に向けて誘導する本発明の誘導部であり、糸捕捉谷部143は本発明の捕捉部である。本実施例の糸捕捉谷部143は、表裏に第1切刃部141c及び第2切刃部142cを備えることにより、第1糸誘導部141b及び第2糸誘導部142bにより誘導された操作糸を、単に堅固に捕捉するに止まらず、該操作糸を切断するように作用するものである。
さらに、上述したように、第2球戻り防止片基体142aの図示左側上部から立設されてなる球戻り防止片起立部142eは、図11に示すように、第2球戻り防止片142から左側方すなわちガラス板側間隙部149への操作糸21aの移動を規制するものである。
本実施例の球戻り防止部材130は、以上のような構成を備えるものであるが、次にその作用について図10乃至図13を参照して説明する。
【0059】
図10及び図12は、球戻り防止部材130の操作糸21a、21bに対する作用を説明する概略説明図であり、図11及び図13は、球戻り防止部材130の操作糸21a、21bに対する作用を説明する概略側面図である。
糸付き球ゴトに係る操作糸21a、21bが固着された遊技球20が、遊技領域3に発射された直後の状態を図10に示した。このとき、不正行為者は、遊技領域3に到達した遊技球20を、普図作動入賞口16に反復継続して入賞させて不当に利得を得るために、操作糸21a、21bの遊技球20に固着された部分の反対側の部分を押し引きして操作することで、任意の位置に配置しようと試みる。操作される操作糸21a、21bは、このとき、球戻り防止片140の図示略上端部を頂点として、遊技釘4等に掛け渡されて、略山形の状態にある。更にいえば、球戻り防止片140の図示上端部を頂点として、遊技球20に固着された側(図示右側)には遊技球20の質量に対応した下向きの荷重が掛かり、対する反対側(図示左側)には、前記荷重と略同じ大きさの荷重が下向きに加えられることで、均衡を保っている。不正行為者が、操作糸21a、21bを押し引き操作すると、左右両側の操作糸21a、21bは、図示矢印のように進退する。合わせて、球戻り防止片140も揺動し、図示しない円弧状に、頂点を変位させる。
【0060】
図11には、当該状態を側面から見た図を示した。図には、球戻り防止部材130に係る、球戻り防止片140の図示2箇所の上端部すなわち球戻り防止片延設部141eの上部及び球戻り防止片起立部142eの右側すなわちガラス板側間隙149の反対側に、操作糸21b及び21aの断面を円形で示した。
なお、図には球戻り防止片延設部141eの上部は、略水平に形成されている。球戻り防止片延設部141eは、後述するが、球戻り防止片140に支持されず又は脱落して、遊技盤側間隙148に掛かろうとする操作糸や、遊技盤1に近接した操作糸を支持する機能を少なくとも、備えていれば良いが、さらに支持した操作糸21bを第1糸誘導部141bへ誘導可能なように、図示右側(遊技盤1側)から左側(ガラス板146側)に向けて下り傾斜した構成を備えていれば尚、好ましい。このように構成される球戻り防止片延設部141eは、遊技盤側間隙148に入り込むべき操作糸21bや、或いは遊技盤1の表面に近接した位置の操作糸21bを確実に支持可能とし、さらに、第1糸誘導部141bに連接されることによって、支持した操作糸21bを第1糸誘導部141bへ誘導可能に構成されてなる。
また、第2糸誘導部142bの上方に位置する操作糸21aに対して、球戻り防止片起立部142eは、操作糸21aがガラス板側間隙149に脱落するのを防止すると共に、操作糸21aを第2糸誘導部142bへ誘導するように機能するものである。
第1糸誘導部141bおよび第2糸誘導部142bは、操作糸21a、21bを、糸捕捉谷部143に向けて収束して誘導するように機能する。また、図示した操作糸21a、21bの断面位置を頂点として、操作糸21a、21bの両側は上述した下向き荷重が加わっており、該頂点にはこれらの荷重に対応した下向きの荷重が加わっている。このため、さらに効果的に、第1糸誘導部141bおよび第2糸誘導部142bは、糸捕捉谷部143に向けて、夫々操作糸21a、21bを、誘導可能となる。このように、第1糸誘導部141b或いは第2糸誘導部142bによって操作糸21a、21bが糸捕捉谷部143へ誘導されると、次いで図12及び図13に示す状態となる。
【0061】
図12には、操作糸21a、21bが第1糸誘導部141b或いは第2糸誘導部142bによって糸捕捉谷部143へ誘導されて糸捕捉谷部143に捕捉されたことにより、遊技球20に固着された操作糸21a、21bの頂点位置は、図10に示した位置よりも下方に変位し、さらに切断された状態が示されている。
糸捕捉谷部143に操作糸21a、21bが捕捉されると、不正行為者による操作糸21a、21bの操作が極めて困難になる。すなわち、糸捕捉谷部143に捕捉された位置から図示右側の遊技球20までの長さは変化せず、一方左側の部分は、不正行為者が押すと撓み、引くと一定位置を限界としてそれ以上は引くことが不能となる。
また、糸捕捉谷部143はそもそも、第1糸誘導部141b及び第2糸誘導部142bの異なる直線部を交差させることで形成した谷部である。これにより、理論的には谷部が深くなるほど狭隘となるように構成され、操作糸21a、21bをより確実に捕捉し、操作が極めて困難とすることができる。
さらに、上記谷部を形成するために交差させる本実施例の直線部には、第1切刃部141cおよび第2切刃部142cが表裏に設けられていることで、より強く捕捉されていくにしたがって、操作糸21a、21bを切断可能であり、切断によって完全に操作不能とすることが可能となっている。
【0062】
図13には、当該状態を側面から見た図を示した。図11に示した操作糸21a、21bが表裏に第1切刃部141cおよび第2切刃部142cを備えた糸捕捉谷部143に誘導され、堅固に捕捉され、さらに下方に向かう荷重によって、切断された状態が示されている。
これにより、糸付き球ゴトに対して、操作糸21a、21bが固着された遊技球20が発射されると、本実施例の球戻り防止部材130の球戻り防止片140は、遊技球20を遊技領域3に向かって誘導し且つ遊技球20が遊技領域3へ進入することを許容する。また、遊技領域3から発射通路15の逆行する球戻りを阻止する。さらに、遊技領域3に進入した遊技球20に固着された操作糸21a、21bを、第1糸誘導部141b或いは第2糸誘導部142bにて支持し、該第1糸誘導部141b或いは第2糸誘導部142bにて糸捕捉谷部143に誘導し、次いで糸捕捉谷部143にて操作糸21a、21bを堅固に捕捉(保持)することで、操作糸21a、21bの操作を著しく困難にし、さらに第1切刃部141cおよび第2切刃部142cによって、操作糸21a、21bを切断することで完全に操作不能とするように構成される。
[実施例3]
【0063】
本発明に係る実施例3の構成および作用について、図14および図15を参照して説明する。図14および図15は、本実施例の異常検知手段を備えた球戻り防止部材30の構成を説明する概略説明図である。なお、基本的な球戻り防止部材の構成は、上述した実施例1のものと同様であるので、説明を割愛するものとする。
本実施例の球戻り防止部材30は、上述した待機姿勢に位置するときに、発射された遊技球20が遊技領域3に進入するに際して球戻り防止片40に接触することで、図示時計回転方向に向かって、遊技球20が通過可能な間隙が発生する角度、すなわち通常変位角度だけ揺動(回転)可能に構成される。
また、ハウジング部材24の上部には、本発明の検知手段としての検出スイッチ400が設けられている。検出スイッチ400は、上記した待機姿勢にある状態や、或いは図14に示す、球戻り防止部材30が通常変位角度だけ揺動したときには、検出状態とならないように構成されている。
さらに、本実施例の球戻り防止部材30は、図15に示したように、上述した通常変位角度よりも大きな異常変位角度まで揺動(回転)可能に構成される。異常変位角度は、通常の発射された遊技球20の衝突作用によっては発生しない角度である。つまり、糸付き球ゴトにおいて、操作糸21が固着された遊技球20が遊技領域3に進入し、操作糸21を球戻り防止片40の上端部で支持した状態、さらに該状態において不正行為者が操作糸21を押し引きして操作したとき、遊技球20の自重によって異常変位角度まで回転変位する。該異常変位角度まで揺動変位した球戻り防止片40は、図示したように、検出スイッチ400を押下することで検出され、これにより、球戻り防止片40の回転変位角度が通常では発生しない異常な状態であることを検知可能となっている。検出スイッチ400は、異常変位角度まで揺動変位したことを検知したとき、異常検知信号を発信可能に構成されている。
【0064】
本実施例では、検出スイッチ400から発信された異常検知信号を受信することによって、異常変位角度に変位した旨を報知する報知手段を備える。報知手段としては、スピーカによる音声、ランプ等の発光部材による発光態様、可動役物等による駆動態様、LCDパネルで構成される演出図柄表示装置6による画像表示態様、等により、報知を行うように構成されている。
報知内容として、現在異常変位角度に変位したことを検知中であること、を報知することで、糸付き球ゴトを未然、または途中で止めさせることが可能となる。また、過去の所定時間内において、異常変位角度への変位を検知した事実があったこと、等を報知することにより、不正行為者が不正行為の後に離席しない場合、過去のゴト行為に対して報知するので、不正行為に対する抑止力になる。
本実施例の検知手段は検知体が所定の変位量に達したことで検知する構成を示したがこれに限定せず、光学式の検知手段等、他の方法を採用しても良い。
本実施例の構成を、上述した実施例1、2、及び、後述する他の実施例や変形例などに組み合わせて実施しても良い。
[変形例1]
【0065】
上述した本発明の実施例に対して、いくつかの変形例を図16および図17を参照して説明する。図16は、変形例1乃至5の球戻り防止部材を説明する概略説明図であり、図17は、変形例6乃至9の球戻り防止部材を説明する概略説明図である。何れの変形例も、例えば、上述した実施例1の図6に対応した状態、すなわち遊技盤に取り付けられた状態を右側方から視た図によって説明する。したがって、支軸の突出量が大きい側が遊技盤側であり、小さい側がガラス板側である。
変形例1を図16(a)に示す。本変形例の球戻り防止片201は、略縦長矩形状の薄板で形成される。球戻り防止片201は、左球戻り防止部202と右球戻り防止部203とを備える。左球戻り防止部202は、右下方に向かって下り傾斜する左糸誘導部205を備え、右球戻り防止部203は、左下方に向かって下り傾斜する右糸誘導部206を備え、左糸誘導部205および右糸誘導部206の交差する位置に操作糸を捕捉可能な略V字状に形成されてなる糸捕捉谷部204を備える。
本変形例の球戻り防止片201は、左糸誘導部205または右糸誘導部206にて、操作糸を支持すると、捕捉部としての糸捕捉谷部204に向かって下り傾斜して形成される誘導部としての左糸誘導部205および右糸誘導部206によって、操作糸を糸捕捉谷部204に誘導し、誘導されてきた操作糸を下向きの鋭角に形成された糸捕捉谷部204は捕捉する。これにより、簡易な構成によって操作糸の操作を困難にすることが可能となる。
[変形例2]
【0066】
変形例2を図16(b)に示す。本変形例の球戻り防止片211は、略縦長矩形状の薄板で形成される。球戻り防止片211は、左球戻り防止部212と右球戻り防止部213とを備える。左球戻り防止部212は、左側部最上部から右下方に向かって下り傾斜する左糸誘導部215を備え、右球戻り防止部213は、右側部最上部から左下方に向かって下り傾斜する右糸誘導部216を備え、左糸誘導部215および右糸誘導部216の交差する位置には操作糸を捕捉可能な略V字状に形成されてなる糸捕捉谷部214を備える。
本変形例の球戻り防止片211は、上端部に水平な部分を備えず、左糸誘導部215または右糸誘導部216で構成される。このため、操作糸を支持すると、捕捉部としての糸捕捉谷部214に向かって下り傾斜して形成される誘導部としての左糸誘導部215および右糸誘導部216によって、操作糸を糸捕捉谷部214に誘導し、誘導されてきた操作糸を下向きの鋭角に形成された糸捕捉谷部214は捕捉する。これにより、簡易な構成によって、球戻り防止片211の上端部の何れの箇所にて支持した操作糸であっても、これの操作を困難にすることが可能となる。
[変形例3]
【0067】
変形例3を図16(c)に示す。本変形例の球戻り防止片221は、略縦長矩形状の薄板で形成される。球戻り防止片221は、左球戻り防止部222と右球戻り防止部223とを備える。左球戻り防止部222は、左側部最上部から右下方に向かって下り緩傾斜する左第1糸誘導部225aと、該左第1糸誘導部225aの下端部からさらに右下方に向かって下り急傾斜する左第2糸誘導部225bと、を備え、右球戻り防止部223は、右側部最上部から左下方に向かって下り緩傾斜する右第1糸誘導部226aと、該右第1糸誘導部226aの下端部からさらに左下方に向かって下り急傾斜する右第2糸誘導部226bと、を備え、左第2糸誘導部225bおよび右第2糸誘導部226bの交差する位置には操作糸を捕捉可能な略V字状に形成されてなる糸捕捉谷部224を備える。
本変形例の球戻り防止片221は、上端部に水平な部分を備えず、左第1糸誘導部225a、左第2糸誘導部225b、右第1糸誘導部226a、および右第2糸誘導部226bで構成される。このため、操作糸を支持すると、捕捉部としての糸捕捉谷部224に向かって下り傾斜して形成される誘導部としての左第1糸誘導部225a、左第2糸誘導部225b、右第1糸誘導部226a、および右第2糸誘導部226bによって、操作糸を糸捕捉谷部224に誘導し、誘導されてきた操作糸を下向きの鋭角に形成された糸捕捉谷部224は捕捉する。これにより、簡易な構成によって、球戻り防止片221の上端部の何れの箇所にて支持した操作糸であっても、これの操作を困難にすることが可能となる。また、左球戻り防止部222と右球戻り防止部223の上端部に、緩傾斜状に形成される左第1糸誘導部225a、右第1糸誘導部226aを備えることにより、球戻り防止片221の左右両側の上端角部が鋭利にならず、パチンコ機の組み付け作業やホールでのメンテナンス作業等の際に、作業者が怪我をし難く、安全性を維持することができる。
[変形例4]
【0068】
変形例4を図16(d)に示す。本変形例の球戻り防止片231は、略縦長矩形状の薄板で形成される。球戻り防止片231は、左球戻り防止部232と右球戻り防止部233とを備える。左球戻り防止部232は、左側部最上部から右下方に向かって下り曲線状に形成される左第1糸誘導部235aと、該左第1糸誘導部235aの下端部からさらに右下方に向かって下り傾斜する左第2糸誘導部235bと、を備え、右球戻り防止部233は、右側部最上部から左下方に向かって下り曲線状に形成される右第1糸誘導部236aと、該右第1糸誘導部236aの下端部からさらに左下方に向かって下り傾斜する右第2糸誘導部236bと、を備え、左第2糸誘導部235bおよび右第2糸誘導部236bの交差する位置には操作糸を捕捉可能な略V字状に形成されてなる糸捕捉谷部234を備える。
本変形例の球戻り防止片231は、上端部に水平な部分を備えず、左第1糸誘導部235a、左第2糸誘導部235b、右第1糸誘導部236a、および右第2糸誘導部236bで構成される。このため、操作糸を支持すると、捕捉部としての糸捕捉谷部234に向かって下り傾斜して形成される誘導部としての左第1糸誘導部235a、左第2糸誘導部235b、右第1糸誘導部236a、および右第2糸誘導部236bによって、操作糸を糸捕捉谷部234に誘導し、誘導されてきた操作糸を下向きの鋭角に形成された糸捕捉谷部234は捕捉する。これにより、簡易な構成によって、球戻り防止片231の上端部の何れの箇所にて支持した操作糸であっても、これの操作を困難にすることが可能となる。また、左球戻り防止部232と右球戻り防止部233の上端部に、下り曲線状に形成される左第1糸誘導部235a、右第1糸誘導部236aを備えることにより、球戻り防止片231の左右両側の上端角部が鋭利にならず、パチンコ機の組み付け作業やホールでのメンテナンス作業等の際に、作業者が怪我をし難く、安全性を維持することができる。また、誘導部が曲線と該曲線に接する直線で構成されるようにすることも可能で、これにより、誘導経路に角部がなく、操作糸のスムーズな誘導が可能となる。
[変形例5]
【0069】
変形例5を図16(e)に示す。本変形例の球戻り防止片241は、略縦長矩形状の薄板で形成される。球戻り防止片241は、左球戻り防止部242と、右球戻り防止部243と、中球戻り防止部244とを備える。左球戻り防止部242は、左側部最上部から右下方に向かって下り曲線状に形成される左第1糸誘導部246aと、該左第1糸誘導部246aの下端部からさらに右下方に向かって下り傾斜する左第2糸誘導部246bと、を備え、右球戻り防止部243は、右側部最上部から左下方に向かって下り曲線状に形成される右第1糸誘導部247aと、該右第1糸誘導部247aの下端部からさらに左下方に向かって下り傾斜する右第2糸誘導部247bと、を備え、さらに、中球戻り防止部244は、左右両側に向かって下り曲線状に形成される中第1糸誘導部248aと、該中第1糸誘導部248aの左下端部からさらに左下方に向かって下り傾斜して形成される中第2糸誘導部248bと、該中第1糸誘導部248aの右下端部からさらに右下方に向かって下り傾斜して形成される中第2糸誘導部248cと、を備え、左第2糸誘導部246bおよび中第1糸誘導部248bの交差する位置と、右第2糸誘導部247bおよび中第2糸誘導部248cの交差する位置には、夫々、操作糸を捕捉可能な略V字状に形成されてなる左糸捕捉谷部245a、右糸捕捉谷部245bを備える。
本変形例の球戻り防止片241は、上端部に水平な部分を備えず、上記した各種の誘導部で構成される。このため、操作糸を支持すると、捕捉部としての左糸捕捉谷部245a、右糸捕捉谷部245bに向かって下り傾斜して形成される誘導部としての左第1糸誘導部246a、左第2糸誘導部246b、右第1糸誘導部247a、右第2糸誘導部247b、中第1糸誘導部248a、中第2糸誘導部248b、および中第2糸誘導部248cによって、操作糸を左糸捕捉谷部245a、右糸捕捉谷部245bに誘導し、誘導されてきた操作糸を下向きの鋭角に形成された左糸捕捉谷部245a、右糸捕捉谷部245bは捕捉する。これにより、簡易な構成によって、球戻り防止片241の上端部の何れの箇所にて支持した操作糸であっても、この操作糸の操作を困難にすることが可能となる。また、左球戻り防止部242と右球戻り防止部243と中球戻り防止部244の上端部に、下り曲線状に形成される左第1糸誘導部246a、右第1糸誘導部247a、中第1糸誘導部248a、を備えることにより、球戻り防止片241の左中右何れの上端角部も鋭利にならず、パチンコ機の組み付け作業やホールでのメンテナンス作業等の際に、作業者が怪我をし難く、安全性を維持することができる。
さらに、中球戻り防止部244を備えることにより、発射されて遊技領域へ進入する遊技球を誘導し且つ軌道を決定する球戻り防止部材の機能を低下させることなく、操作糸の捕捉を可能とすることができる。つまり、発射された遊技球が接触する可能性の高い球戻り防止片の左右方向中央部に中球戻り防止部244を備えることで、接触の開始からより長期間に亘って遊技球に作用し続けることが可能となる。
[変形例6]
【0070】
変形例6を図17(a)に示す。本変形例の球戻り防止片251は、第1球戻り防止片251aと第2球戻り防止片251bで構成され、何れも、略縦長矩形状の薄板で形成される。第1球戻り防止片251aは、左球戻り防止部252と右球戻り防止部253と、を備える。第2球戻り防止片251bは、中球戻り防止部254を備える。左球戻り防止部252は、左側部最上部から右下方に向かって下り曲線状に形成される左第1糸誘導部256aと、該左第1糸誘導部256aの下端部からさらに右下方に向かって下り傾斜する左第2糸誘導部256bと、を備え、右球戻り防止部253は、右側部最上部から左下方に向かって下り曲線状に形成される右第1糸誘導部257aと、該右第1糸誘導部257aの下端部からさらに左下方に向かって下り傾斜する右第2糸誘導部257bと、を備える。さらに、中球戻り防止部254は、左右両側に向かって下り曲線状に形成される中第1糸誘導部258aと、該中第1糸誘導部258aの左下端部からさらに左下方に向かって下り傾斜して形成される中第2糸誘導部258bと、中第1糸誘導部258aの右下端部からさらに右下方に向かって下り傾斜して形成される中第2糸誘導部258cと、を備える。さらに、左第2糸誘導部256bおよび中第1糸誘導部258bの交差する位置と、右第2糸誘導部257bおよび中第2糸誘導部258cの交差する位置には、夫々、操作糸を捕捉可能な略V字状に形成されてなる左糸捕捉谷部255a、右糸捕捉谷部255bを備える。
本変形例の球戻り防止片251は、上端部に水平な部分を備えず、上記した各種の誘導部で構成される。このため、操作糸を支持すると、捕捉部としての左糸捕捉谷部255a、右糸捕捉谷部255bに向かって下り傾斜して形成される誘導部としての左第1糸誘導部256a、左第2糸誘導部256b、右第1糸誘導部257a、右第2糸誘導部257b、中第1糸誘導部258a、中第2糸誘導部258b、および中第2糸誘導部258cによって、操作糸を左糸捕捉谷部255a、右糸捕捉谷部255bに誘導し、誘導されてきた操作糸を下向きの鋭角に形成された左糸捕捉谷部255a、右糸捕捉谷部255bは捕捉する。これにより、簡易な構成によって、球戻り防止片251の上端部の何れの箇所にて支持した操作糸であっても、これの操作を困難にすることが可能となる。また、左球戻り防止部252と右球戻り防止部253と中球戻り防止部254の上端部に、下り曲線状に形成される左第1糸誘導部256a、右第1糸誘導部257a、中第1糸誘導部258a、を備えることにより、球戻り防止片251の左中右何れの上端角部も鋭利にならず、パチンコ機の組み付け作業やホールでのメンテナンス作業等の際に、作業者が怪我をし難く、安全性を維持することができる。
また、中球戻り防止部254を備えることにより、発射されて遊技領域へ進入する遊技球を誘導し且つ軌道を決定する球戻り防止部材の機能を低下させることなく、操作糸の捕捉を可能とすることができる。つまり、発射された遊技球が接触する可能性の高い球戻り防止片の左右方向中央部に中球戻り防止部254を備えることで、接触の開始からより長期間に亘って遊技球に作用し続けることが可能となる。
さらに、球戻り防止片251は、第1球戻り防止片251aと第2球戻り防止片251bを重ね合わせて構成したことで、左糸捕捉谷部255aおよび右糸捕捉谷部255bを、それぞれ2種類の直線部を交差させることで形成し、これによりV字状の最下位置に、丸み部分や平坦部分が形成されることがないため、操作糸が堅固に捕捉され易くなる。
[変形例7]
【0071】
変形例7を図17(b)に示す。本変形例の球戻り防止片261は、上述した変形例5と略同じ構成である。相違する点について説明し、他は割愛する。本変形例の捕捉部は、図示左右2箇所形成された略V字状の最下部から、それぞれ下方に向かって所定長さのスリット状で形成されてなる、糸捕捉スリット部265aおよび糸捕捉スリット部265bである。
本変形例の球戻り防止片261は、上端部に水平な部分を備えず、図示した各種の誘導部で構成される。このため、操作糸を支持すると、捕捉部としての糸捕捉スリット部265a、糸捕捉スリット部265bに向かって下り傾斜して形成される誘導部によって、操作糸を糸捕捉スリット部265aおよび糸捕捉スリット部265bに誘導し、誘導されてきた操作糸を下向きのスリットに形成された糸捕捉スリット部265aおよび糸捕捉スリット部265bは捕捉する。当該スリットは、操作糸の直径に対して、この直径より小さく、操作糸の材質等も考慮して極めて小さなクリアランスを設定することが好ましい。さらに、スリットの上部より下部に向かうほど、クリアランスが減少していくように構成されていても良い。これにより、簡易な構成によって、球戻り防止片251の上端部の何れの箇所にて支持した操作糸であっても、これの操作を困難にすることが可能となる。また、操作が困難になった状態を脱却しようと無理な荷重を操作糸に加えて操作するほどに、益々堅固に捕捉するようになり、より確実に操作を困難にすることができる。
[変形例8]
【0072】
変形例8を図17(c)に示す。本変形例の球戻り防止片271は、第1球戻り防止片271aと第2球戻り防止片271bで構成され、何れも、略縦長矩形状の薄板で形成される。本変形例の基本的な構成および作用は、上述した変形例6と同じであるため、相違点のみ説明し、他は割愛する。
左糸捕捉谷部275aおよび右糸捕捉谷部275bを、それぞれ2種類の直線部を交差させることで形成し、当該直線部に左第2切刃部276a、右第2切刃部276b、左第1切刃部277a、および右第1切刃部277bを備えた。
このように構成することにより、V字状の最下位置に、丸み部分や平坦部分が形成されることがないため、操作糸が堅固に捕捉され易くなることに加えて、さらに操作糸に加圧されて左糸捕捉谷部275aおよび右糸捕捉谷部275bに押し付けられると、操作糸は切断されて、パチンコ機外からの操作糸による操作が完全に不能となる。
[変形例9]
【0073】
変形例9を図17(d)に示す。本変形例の球戻り防止片281は、第1球戻り防止片281aと第2球戻り防止片281bで構成され、何れも、略縦長矩形状の薄板で形成される。本変形例の基本的な構成および作用は、上述した変形例8と同じであるため、相違点のみ説明し、他は割愛する。
第1球戻り防止片281aの左球戻り防止部の左上部には、裏面側方向すなわち本変形例の球戻り防止部材が遊技盤に取り付けられた際の発射通路側方向に向かって、立設される脱落防止部としての球戻り防止片起立部283を備える。
また、第1球戻り防止片281aの右球戻り防止部の右上部には、図示右側方向すなわち本変形例の球戻り防止部材が遊技盤に取り付けられた際の遊技盤側方向に向かって、延設される延設部としての球戻り防止片延設部282を備える。
このように構成することにより、変形例8の効果に加えて、球戻り防止片起立部283が操作糸の脱落を防止することでより確実に操作糸の捕捉或いは切断を可能とする。また、球戻り防止片延設部282は、操作糸が球戻り防止片と他の構成要素(例えば、遊技盤やガラス板)との間隙に入り込むことを防止し、より確実に操作糸の捕捉或いは切断を可能とする。
[実施例4]
【0074】
次いで、図18を参照して、本発明に係る実施例4について説明する。図18は、実施例4の構成を説明する概略三面図である。本実施例の球戻り防止部材に係る基本的な構成は、上述した他の実施例や変形例と同じであるので、相違する点、すなわち球戻り防止片340の構成および作用について説明し、他は割愛する。
本実施例の球戻り防止部材330は、略縦長矩形状の薄板状に形成される球戻り防止片340と、該球戻り防止片340を保持する球戻り防止片保持体334と、を備える。球戻り防止片保持体334の基本構成は、上述した他の実施例と同様である。
球戻り防止片340は、単体の薄板で構成されており、その上端部には図18(b)に示すように、左側部に第1球戻り防止片342、右側部に第2球戻り防止片343、中央部に第3球戻り防止片345を備える。当該、第1球戻り防止片342、第2球戻り防止片343、および第3球戻り防止片345は、遊技領域からの遊技球の逆行を防止すると共に、発射された遊技球を遊技領域へ誘導し且つ軌道を調整するものである。これらの球戻り防止片は、夫々、裏面側に発射された遊技球に接触し作用するための、第1球戻り防止面部342a、第2球戻り防止面部343a、および第3球戻り防止面部345aを備える。
これら3箇所に設けられた球戻り防止片の2箇所の間隙には、左糸誘導片346と右糸誘導片347が設けられている。本実施例の糸誘導片の群は、球戻り防止片の群に対して、僅かに傾斜して(図18(a)参照)所謂千鳥刃状に設けられている。本実施例の糸誘導片と球戻り防止片のクリアランスは極めて小さく設定されている。左糸誘導片346と右糸誘導片347の夫々の裏面部には、左糸誘導面部346aと右糸誘導面部347aが設けられている。左糸誘導面部346aと右糸誘導面部347aは、操作糸を支持したとき、操作糸を後述する捕捉部へ誘導する面部であり、本発明の誘導部である。なお、左糸誘導片346と右糸誘導片347は、支持した操作糸を誘導し易いように、僅かに捻じって構成(図18(c)参照)されている。具体的には、左糸誘導面部346aは左第1糸捕捉スリット部348aに、右糸誘導面部347aは右第1糸捕捉スリット部349aに、それぞれ傾斜しており、これにより操作糸を誘導し易く構成されている。
本実施例における捕捉部について説明する。捕捉部は、第1球戻り防止片342、第2球戻り防止片343、および第3球戻り防止片345と、左糸誘導片346および右糸誘導片347との重なり合ったスリット部として、左第1糸捕捉スリット部348a、左第2糸捕捉スリット部348b、右第1糸捕捉スリット部349a、および右第2糸捕捉スリット部349bを備える。これらのスリット部の隙間は、操作糸の直径寸法より小さく、操作糸を堅固に捕捉可能な大きさで形成される。
【0075】
次に、本実施例の作用について説明する。図18(a)に示す待機姿勢において、球戻り防止片340の図示左側方から発射された遊技球が接近すると、該遊技球を第1球戻り防止面部342a、第2球戻り防止面部343a、および第3球戻り防止面部345aが受け止めて、遊技球の衝突力によって球戻り防止部材330は時計回転方向に揺動(回転)して、遊技球を遊技領域へ誘導する。
遊技領域へ誘導された遊技球に固着された操作糸が、左糸誘導面部346aあるいは右糸誘導面部347aにて支持されると、該誘導面部の傾斜面の作用によって、左糸誘導面部346aは左第1糸捕捉スリット部348aに、右糸誘導面部347aは右第1糸捕捉スリット部349aに誘導する。また、操作糸の状態によっては、左糸誘導面部346aや右糸誘導面部347aに誘導されずに、左第2糸捕捉スリット部348b、および右第2糸捕捉スリット部349bに自然に入り込む場合もある。
こうして、何れかの糸捕捉スリット部の上端部に操作糸が臨むと、操作糸に負荷されている下向き荷重によって、操作糸は糸捕捉スリット部に挟まれていき、操作糸の断面が圧縮変形して、堅固に捕捉することで、操作性を著しく困難にすることが可能となる。
以上、実施例4について説明したが、このような球戻り防止片の構成に加えて、延設部や脱落防止部を備えても良い。また、上述した検知手段や報知手段を備えても良い。
【0076】
以上、本発明に係る実施例を説明してきたが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、これに限定するものではない。
例えば、上述した実施例では、球戻り防止片の一方に延設部を備え、他方に脱落防止部を備えた例を示したが、延設部と脱落防止部の何れか1つのみを備えるものでも良い。このように構成することにより、弾球遊技機の種類によって遊技球の軌道の傾向も異なるので、個別に必要且つ好適な構成を備えることで、経済的であり、また球戻り防止片の揺動も軽快となるので、本来の球戻りを防止する機能を低下させずに、操作糸(紐体)の操作を困難あるいは不能とすることが可能となる。
【0077】
また、上述した実施例では、球戻り防止片の一方に延設部のみを備え、他方に同じく脱落防止部のみを備えた例を示したが、延設部と脱落防止部を併せて備えるものでも良い。このように構成することにより、より広範囲の操作糸(紐体)を捕獲し、これを確実に誘導部へ誘導するため、糸付き球ゴトの防止に一層資することとなり、高い確率で操作糸(紐体)の操作を困難あるいは不能とすることが可能となる。
【0078】
また、上述した実施例では、球戻り防止片の遊技盤側に延設部を備え、ガラス板側に脱落防止部を備えた例を示したが、延設部と脱落防止部の配備位置を入れ替えても良い。このように構成することで、弾球遊技機の種類による軌道の偏りに対応することが可能となり、軌道の傾向に柔軟に対応させて、操作糸(紐体)の操作を困難あるいは不能とすることが可能となる。
【0079】
また、球戻り防止片を形成する素材は、適宜選択可能である。耐摩耗性の高い樹脂や、セラミック、ばね鋼等の鉄を含む金属等で構成しても良い。また、捕捉部には摩擦計数の高い素材を用いても良い。また高い摩擦力を発生させるために表面粗さを粗く形成するようにしても良い。切刃部となる箇所には、金属やファインセラミックを用いることが好適であるが、紐体の剛性にも左右されるので、紐体を切断するに充分な性能を発揮出来るのであれば、これに限定することはない。
【0080】
また、球戻り防止片を第1保持体および第2保持体で保持し、錘体および保持体当接面部などを備えた球戻り防止部材を例示したが、これに限定することはない。発射された遊技球を発射通路から遊技領域へ誘導かつ許容し、遊技領域から発射通路へ逆行することを防止する機能を備えた球戻り防止部材であれば他の構成であっても良い。本発明の特徴は、球戻り防止部材が従来の機能に加えて、紐体を堅固に捕捉することで紐体の操作を困難にする点にあるため、当該効果を奏することが可能であれば、他の構成でも良い。
【0081】
また、上述した実施例や変形例には、球戻り防止片に捕捉部を1箇所だけ備えた例を示したものもあったが、複数個所設けても良い。捕捉部を複数個所備える場合は、球戻り防止片の幅寸法を捕捉部で等間隔に分割されるように配設することが好ましい。このように構成することで、球戻り防止片の上端部の何れの位置に支持される紐体も、およそ均しく捕捉することが可能となる。
【0082】
また、捕捉部を均等な距離で複数箇所備える場合は、奇数個(箇所)よりも、偶数個(箇所)だけ配設することが好ましい。このように構成することで、球戻り防止片の幅寸法の中央位置に、2箇所の捕捉部で挟まれて設けられる球戻り防止部を配設することになる。このように構成することにより、発射された遊技球が接触する可能性の高い部分に球戻り防止部を備えることになり、発射された遊技球に接触して遊技領域へ誘導する機能を低下させることなく、紐体の操作性を困難とすることが可能となる。
【0083】
さらに、上述した実施例および変形例で、本発明の捕捉部として、紐体を挟み込んで堅固に捕捉可能な程度の間隙で形成されるスリット部を例示したが、紐体を堅固に捕捉可能な機能を発揮する構成であれば、他の方法でも良い。
例えば、球戻り防止片に対してスリット部が直交しないように形成されたものでも良い。図2の実施例1の球戻り防止片40を参照して説明すると、糸捕捉スリット部40cを球戻り防止片基体40eの平面に対して直交して切れ目を入れるのではなく、つまり遊技盤表面に平行な直線に対して所定の角度で傾斜して切れ目を入れるように構成する。結果的には、弾球遊技機を俯瞰視したときに、切れ目の出口と入口が前後方向でずれて形成されるようになる。
このようにすることにより、糸捕捉スリット部40cに捕捉された紐体は、発射通路側から球戻り防止片基体40eに到達すると、球戻り防止片基体40eの厚み部分で所定の角度で屈折した後で、遊技領域側の固着された遊技球まで伸びるようになる。つまり、球戻り防止片の表裏において紐体が屈曲することで、押し引き操作しようとしても摩擦により容易には行えなくすることが可能となる。
また、屈折の度合いが高いほど堅固に捕捉できるので、球戻り防止片の厚みを適宜、厚く設定することで、簡易な構成により、操作を著しく困難にすることができる。
【0084】
また、左糸誘導部(誘導部)40aと右糸誘導部(誘導部)40bが収束する位置、すなわち糸捕捉スリット部40cの上端部では、球戻り防止片基体40eの平面に対して直交しており、下方に向かうにしたがって、直交から非直交に変化して所定の角度で切れ目が形成されるように構成しても良い。このように構成することにより、糸付き球ゴトにおける紐体を球戻り防止片の誘導部が誘導してきたとき、球戻り防止片基体40eの平面に対して直交するスリット部によって容易に捕捉し、遊技球等の下方への圧力によってスリット部を下降するにしたがい、スリット部が球戻り防止片基体40eの平面に対して非直交することで、堅固に捕捉することが可能となる。このように、上記、非直交したスリット部への移行が障害なく進行、完了するので、より確実に紐体の堅固な捕捉を可能とすることができる。
【符号の説明】
【0085】
20: 遊技球
21: 操作糸(紐体)
21a: 操作糸(紐体)
21b: 操作糸(紐体)
30: 球戻り防止部材
40: 球戻り防止片
40a: 左糸誘導部(誘導部)
40b: 右糸誘導部(誘導部)
40c: 糸捕捉スリット部(捕捉部)
130: 球戻り防止部材
140: 球戻り防止片
141b: 第1糸誘導部(誘導部)
141c: 第1切刃部(切刃部)
141e: 球戻り防止片延設部(延設部)
142b: 第2糸誘導部(誘導部)
142c: 第2切刃部(切刃部)
142e: 球戻り防止片起立部(脱落防止部)
143: 糸捕捉谷部(捕捉部)
145: 延設部用凹部(凹部)
201: 球戻り防止片
204: 糸捕捉谷部(捕捉部)
205: 左糸誘導部(誘導部)
206: 右糸誘導部(誘導部)
211: 球戻り防止片
214: 糸捕捉谷部(捕捉部)
215: 左糸誘導部(誘導部)
216: 右糸誘導部(誘導部)
221: 球戻り防止片
224: 糸捕捉谷部(捕捉部)
225a: 左第1糸誘導部(誘導部)
225b: 左第2糸誘導部(誘導部)
226a: 右第1糸誘導部(誘導部)
226b: 右第2糸誘導部(誘導部)
231: 球戻り防止片
234: 糸捕捉谷部(捕捉部)
235a: 左第1糸誘導部(誘導部)
235b: 左第2糸誘導部(誘導部)
236a: 右第1糸誘導部(誘導部)
236b: 右第2糸誘導部(誘導部)
241: 球戻り防止片
245a: 左糸捕捉谷部(捕捉部)
245b: 右糸捕捉谷部(捕捉部)
246a: 左第1糸誘導部(誘導部)
246b: 左第2糸誘導部(誘導部)
247a: 右第1糸誘導部(誘導部)
247b: 右第2糸誘導部(誘導部)
248a: 中第1糸誘導部(誘導部)
248b: 中第2糸誘導部(誘導部)
248c: 中第2糸誘導部(誘導部)
251: 球戻り防止片
255a: 左糸捕捉谷部(捕捉部)
255b: 右糸捕捉谷部(捕捉部)
256a: 左第1糸誘導部(誘導部)
256b: 左第2糸誘導部(誘導部)
257a: 右第1糸誘導部(誘導部)
257b: 右第2糸誘導部(誘導部)
258a: 中第1糸誘導部(誘導部)
258b: 中第2糸誘導部(誘導部)
258c: 中第2糸誘導部(誘導部)
261: 球戻り防止片
265a: 糸捕捉スリット部(捕捉部)
265b: 糸捕捉スリット部(捕捉部)
271: 球戻り防止片
275a: 左糸捕捉谷部(捕捉部)
275b: 右糸捕捉谷部(捕捉部)
276a: 左第2切刃部(切刃部)
276b: 右第2切刃部(切刃部)
277a: 左第1切刃部(切刃部)
277b: 右第1切刃部(切刃部)
281: 球戻り防止片
282: 球戻り防止片延設部(延設部)
283: 球戻り防止片起立部(脱落防止部)
330: 球戻り防止部材
340: 球戻り防止片
346a: 左糸誘導面部(誘導部)
347a: 右糸誘導面部(誘導部)
348a: 左第1糸捕捉スリット部(捕捉部)
348b: 左第2糸捕捉スリット部(捕捉部)
349a: 右第1糸捕捉スリット部(捕捉部)
349b: 右第2糸捕捉スリット部(捕捉部)
400: 検出スイッチ(検知手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に設けられて遊技球が流下する遊技領域と、発射された前記遊技球が発射通路から前記遊技領域へ進入することを許容すると共に遊技領域から前記発射通路に逆流することを防止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機において、
前記球戻り防止部材は、
発射された遊技球が遊技領域に進入するとき、又は遊技領域から発射通路に逆流しようとするときに接触する球戻り防止片を備え、
球戻り防止片は、
前記遊技領域に進入した遊技球に固着されて該遊技球を操作可能な紐体を捕捉する捕捉部と、前記紐体を前記捕捉部に誘導する誘導部と、を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
遊技盤に設けられて遊技球が流下する遊技領域と、発射された前記遊技球が発射通路から前記遊技領域へ進入することを許容すると共に遊技領域から前記発射通路に逆流することを防止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機において、
前記球戻り防止部材は、
発射された遊技球が遊技領域に進入するとき、又は遊技領域から発射通路に逆流しようとするときに接触する球戻り防止片を備え、
球戻り防止片は、
前記遊技領域に進入した遊技球に固着されて該遊技球を操作可能な紐体を捕捉する捕捉部と、前記紐体を前記捕捉部に誘導する誘導部と、
前記紐体が球戻り防止片から脱落することを防止する脱落防止部を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項3】
遊技盤に設けられて遊技球が流下する遊技領域と、発射された前記遊技球が発射通路から前記遊技領域へ進入することを許容すると共に遊技領域から前記発射通路に逆流することを防止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機において、
前記球戻り防止部材は、
発射された遊技球が遊技領域に進入するとき、又は遊技領域から発射通路に逆流しようとするときに接触する球戻り防止片を備え、
球戻り防止片は、
前記遊技領域に進入した遊技球に固着されて該遊技球を操作可能な紐体を捕捉する捕捉部と、前記紐体を前記捕捉部に誘導する誘導部と、
該誘導部から延設されて前記紐体を誘導部へ誘導する延設部を備え、
前記遊技盤は前記延設部との接触を避ける凹部を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項4】
遊技盤に設けられて遊技球が流下する遊技領域と、発射された前記遊技球が発射通路から前記遊技領域へ進入することを許容すると共に遊技領域から前記発射通路に逆流することを防止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機において、
前記球戻り防止部材は、
発射された遊技球が遊技領域に進入するとき、又は遊技領域から発射通路に逆流しようとするときに接触する球戻り防止片を備え、
球戻り防止片は、
前記遊技領域に進入した遊技球に固着されて該遊技球を操作可能な紐体を捕捉する捕捉部と、前記紐体を前記捕捉部に誘導する誘導部と、
前記紐体が球戻り防止片から脱落することを防止する脱落防止部と、
前記誘導部から延設されて前記紐体を誘導部へ誘導する延設部を備え、
前記遊技盤は前記延設部との接触を避ける凹部を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4に記載の弾球遊技機において、
前記捕捉部は、
捕捉した前記紐体を切断可能な切刃部を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5に記載の弾球遊技機において、
前記球戻り防止片は、
発射された遊技球が遊技領域に進入するときの接触による通常変位角度と、該通常変位角度より大きな異常変位角度に変位可能であって、
異常変位角度に変位したことを検知可能な異常検知手段と、
検知手段が異常変位角度に変位したと検知した旨を報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項1】
遊技盤に設けられて遊技球が流下する遊技領域と、発射された前記遊技球が発射通路から前記遊技領域へ進入することを許容すると共に遊技領域から前記発射通路に逆流することを防止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機において、
前記球戻り防止部材は、
発射された遊技球が遊技領域に進入するとき、又は遊技領域から発射通路に逆流しようとするときに接触する球戻り防止片を備え、
球戻り防止片は、
前記遊技領域に進入した遊技球に固着されて該遊技球を操作可能な紐体を捕捉する捕捉部と、前記紐体を前記捕捉部に誘導する誘導部と、を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
遊技盤に設けられて遊技球が流下する遊技領域と、発射された前記遊技球が発射通路から前記遊技領域へ進入することを許容すると共に遊技領域から前記発射通路に逆流することを防止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機において、
前記球戻り防止部材は、
発射された遊技球が遊技領域に進入するとき、又は遊技領域から発射通路に逆流しようとするときに接触する球戻り防止片を備え、
球戻り防止片は、
前記遊技領域に進入した遊技球に固着されて該遊技球を操作可能な紐体を捕捉する捕捉部と、前記紐体を前記捕捉部に誘導する誘導部と、
前記紐体が球戻り防止片から脱落することを防止する脱落防止部を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項3】
遊技盤に設けられて遊技球が流下する遊技領域と、発射された前記遊技球が発射通路から前記遊技領域へ進入することを許容すると共に遊技領域から前記発射通路に逆流することを防止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機において、
前記球戻り防止部材は、
発射された遊技球が遊技領域に進入するとき、又は遊技領域から発射通路に逆流しようとするときに接触する球戻り防止片を備え、
球戻り防止片は、
前記遊技領域に進入した遊技球に固着されて該遊技球を操作可能な紐体を捕捉する捕捉部と、前記紐体を前記捕捉部に誘導する誘導部と、
該誘導部から延設されて前記紐体を誘導部へ誘導する延設部を備え、
前記遊技盤は前記延設部との接触を避ける凹部を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項4】
遊技盤に設けられて遊技球が流下する遊技領域と、発射された前記遊技球が発射通路から前記遊技領域へ進入することを許容すると共に遊技領域から前記発射通路に逆流することを防止する球戻り防止部材を備えた弾球遊技機において、
前記球戻り防止部材は、
発射された遊技球が遊技領域に進入するとき、又は遊技領域から発射通路に逆流しようとするときに接触する球戻り防止片を備え、
球戻り防止片は、
前記遊技領域に進入した遊技球に固着されて該遊技球を操作可能な紐体を捕捉する捕捉部と、前記紐体を前記捕捉部に誘導する誘導部と、
前記紐体が球戻り防止片から脱落することを防止する脱落防止部と、
前記誘導部から延設されて前記紐体を誘導部へ誘導する延設部を備え、
前記遊技盤は前記延設部との接触を避ける凹部を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4に記載の弾球遊技機において、
前記捕捉部は、
捕捉した前記紐体を切断可能な切刃部を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5に記載の弾球遊技機において、
前記球戻り防止片は、
発射された遊技球が遊技領域に進入するときの接触による通常変位角度と、該通常変位角度より大きな異常変位角度に変位可能であって、
異常変位角度に変位したことを検知可能な異常検知手段と、
検知手段が異常変位角度に変位したと検知した旨を報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−5962(P2013−5962A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141403(P2011−141403)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(395018239)株式会社高尾 (550)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(395018239)株式会社高尾 (550)
【Fターム(参考)】
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