説明

弾球遊技機

【課題】出球増加速度の低下を抑制し、かつ、特典遊技状態があっけなく終了してしまったという印象を遊技者に与えない弾球遊技機を提供すること。
【解決手段】特別遊技状態が終了したことに基づき、図柄の変動回数が所定の上限回数に達するまでの間、通常の遊技状態よりも特別遊技状態への移行が容易である特典遊技状態(確変状態)に移行させ(S452、S459、S370、S374)、特典遊技状態に移行されている期間の前半区間(確変A状態)における図柄の変動時間が、前記特典遊技状態の後半区間(確変B状態)における図柄の変動時間よりも相対的に短くなるように変動パターンを規定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弾球遊技機には、始動口に遊技球が入球したことを契機として表示装置において図柄変動表示ゲーム(図柄遊技)の図柄変動が行われ、図柄が所定の態様で停止することで遊技者に有利な特別遊技状態である大当り遊技状態となり、この大当り遊技の終了後に、通常の遊技状態に比べて大当り遊技への移行が容易となる特典遊技状態に移行され、所定回数の図柄変動、正確には図柄変動表示ゲームが実行されるまで、特典遊技状態が維持される機種がある。たとえば、大当り遊技の終了後、大当り抽選確率が通常より高確率状態である確率変動状態(確変状態と略す)に移行し、図柄の変動回数が所定の上限回数に達したことを条件に確変状態が終了する回数切りタイプと呼ばれるパチンコ機である(下記特許文献1)。
【0003】
確変状態は、実際には、大当り抽選確率を通常より高くする確変機能だけでなく、特別図柄及び普通図柄の変動時間を短くする時短機能や普通変動入賞装置(普通電動役物)の開放時間と回数を長くする開放延長機能を作動させて、「確変・時短・開放延長付き状態」とすることで、大当たり遊技への移行が容易となるように工夫されている。このため、確変状態中では、1回の特別図柄変動表示ゲームを消化するのに要する時間つまり特別図柄の変動時間が通常遊技状態の場合より短縮されるとともに、特別図柄変動表示ゲームの発生間隔が短くなって、通常よりも短時間で特別図柄変動表示ゲームが次々とスピーディに消化されて行く。よって回数切りタイプの弾球遊技機は、確変状態中に通常よりもスピーディに大当り遊技を発生させることが可能であり、かつ確変状態中に大当り抽選に当選し続けることにより、短時間のうちに大量の出玉を発生させることが可能である、という大きな魅力を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−325579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、回数切りタイプの弾球遊技機においては、特典遊技状態での変動回数が上限回数に達すると特典遊技状態が終了となってしまうため、大当りに連続して当選しなかった場合、特典遊技状態があっという間に終了して、遊技者が大当りに対する充分な期待感を抱けないままに終わってしまう、という課題がある。
【0006】
この解決策としては、一方において、確変状態中は図柄の変動時間を長く設定すれば良い訳であるが、そうであるからといって、確変状態中はすべてリーチ変動パターンだけにするなどの方法で、過度に確変状態中の変動時間を長く設定したのでは、連続して大当りに当選する場合の出球増加速度が低下してしまう。他方において、出球増加速度の低下を防止する上では、確変状態中の変動パターンの変動時間を短く設定すれば良い訳であるが、そうであるからといって、確変状態中の変動パターンの変動時間を過度に短く設定したのでは、上述したように大当りに当選しなかった場合にあっという間に確変状態が終わってしまい、遊技者にとり面白みに欠けるものとなる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、出球増加速度の低下を抑制し、かつ、特典遊技状態があっけなく終了してしまったという印象を遊技者に与えない弾球遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。なお括弧内は実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0009】
(1)始動条件が成立したことを契機として遊技者に有利な特別遊技状態を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(S328)と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、少なくとも図柄表示手段(液晶表示装置36)に変動表示させる図柄の変動時間に関してあらかじめ定められた複数種類の変動パターン(通常変動、リーチハズレ、リーチ当りの変動パターン群)の中からいずれかを選択的に決定する変動パターン決定手段(S341〜S343)と、
前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づいて前記図柄表示手段に所定の図柄を変動表示および停止表示させる図柄表示制御手段(S209、S306〜S308)と、
前記図柄表示手段に特別な態様で図柄が停止表示されることを条件に、前記特別遊技状態を遊技者に付与する特別遊技状態付与手段(S210)と、
前記特別遊技状態が終了したことに基づき、前記図柄の変動回数が所定の上限回数に達するまでの間、通常の遊技状態よりも前記特別遊技状態への移行が容易である特典遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(S452、S459、S370、S374)と、を有し、
前記変動パターン決定手段は、前記遊技状態移行手段により前記特典遊技状態に移行されている期間の前半区間(確変A状態)における図柄の変動時間(図7:コード01の外れ時に属する「1秒の確変A専用の通常変動パターン」)が、前記特典遊技状態の後半区間(確変B状態)における図柄の変動時間(図7:コード02に属する変動パターン)よりも相対的に短くなるように前記変動パターンを規定している、
ことを特徴とする弾球遊技機。
【0010】
(2)前記遊技状態移行手段は、前記特典遊技状態として、前記抽選手段による抽選の当選確率が前記通常の遊技状態よりも相対的に高い確率変動状態に移行させる、ことを特徴とする上記(1)に記載の弾球遊技機。
【0011】
(3)前記変動パターン決定手段は、前記特典遊技状態の前半区間および後半区間の下で選択的に決定される変動パターンがリーチを伴わずにハズレとなる通常変動パターン(図7:コード01の外れ時に属する「1秒」の確変A専用の通常変動パターン)である場合には、その通常変動パターンの前記図柄の変動時間を、前記通常の遊技状態の下で選択的に決定される通常変動パターン(図7:コード00の外れ時に属する「5秒」「8秒」「12秒」の通常変動パターン)についての前記図柄の変動時間よりも短く規定している、ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の弾球遊技機。
【0012】
(4)前記特典遊技状態の前半区間および後半区間に、前記始動条件の成立頻度が前記通常の遊技状態よりも向上する高ベース遊技状態を付与する高ベース遊技状態付与制御手段(普通変動入賞装置41、S207〜S208)を、さらに有する、ことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の弾球遊技機。
【0013】
(5)前記変動パターン決定手段は、前記特典遊技状態の前半区間のリーチ変動パターン(図7:リーチ当り11〜15)についての選択確率を、前記特典遊技状態の後半区間のリーチ変動パターン(図7:リーチハズレ6〜10およびリーチ当り6〜10)についての選択確率よりも低く規定している、ことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の弾球遊技機。
【0014】
(6)前記遊技状態移行手段は、前記特別遊技状態が終了する際に前記特典遊技状態の前半区間を特定する第1の変動パターン振分けコード(コード01)を設定し(S459)、前記特典遊技状態の前半区間が終了する際に前記特典遊技状態の後半区間を特定する第2の変動パターン振分けコード(コード02)を設定し(S374)、前記特典遊技状態の後半区間が終了する際に前記通常の遊技状態を特定する第3の変動パターン振分けコード(コード00)を設定(S370)する状態特定手段(S459、S374、S370)を有し、
前記変動パターン決定手段は、前記第1の変動パターン振分けコード、前記第2の変動パターン振分けコードおよび前記第3の変動パターン振分けコードにより、前記特典遊技状態の前半区間、後半区間および前記通常の遊技状態の状態が区分され、かつ、この変動パターン振分けコードの区分に振り分けられる変動パターンの種類とその選択割合とが定められた変動パターン選択テーブル(図7)を有し、
前記変動パターン決定手段は、前記変動パターン選択テーブルにおいて前記変動パターン振分けコードにより前記区分が特定された場合、当該区分に振り分けられる変動パターンについて、前記変動パターン選択テーブルに定める選択割合に従って抽選により前記変動パターンのいずれかを選択的に決定する(S341)、ことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の弾球遊技機。
【0015】
(7)前記遊技状態移行手段は、前記特典遊技状態に移行されている期間を前記図柄の変動回数を単位として前半と後半とに分け、前記特典遊技状態に移行した後の図柄の変動の所定回数目(30回目)で前記第2の変動パターン振分けコード(コード02)を設定して前記特典遊技状態を前半区間から後半区間に切り替える(S374)、ことを特徴とする上記(6)に記載の弾球遊技機。
【0016】
(8)前記変動パターン決定手段は、前記変動パターン選択テーブルにおいて前記第1の変動パターン振分けコードにより前記特典遊技状態の前半区間が特定されている場合、前記抽選手段による抽選の結果が非当選であるときは、前記複数の変動パターンの中から変動時間が最短の変動パターンのみ(図7:コード01の外れ時に属する「1秒の確変A専用の通常変動パターン」)を選択的に決定する、ことを特徴とする上記(1)または(7)に記載の弾球遊技機。
【0017】
(9)前記変動パターン決定手段は、前記変動パターン選択テーブルにおいて前記第1の変動パターン振分けコードにより前記特典遊技状態の前半区間が特定されている場合、前記抽選手段による抽選に当選したときは、他の振分けコードによる区分の状態では選択しない特別の変動パターン(図7:コード01に属する確変A専用のリーチ当り11〜15)を選択する、ことを特徴とする上記(6)〜(8)のいずれかに記載の弾球遊技機。
【0018】
(10)前記変動パターン決定手段は、前記変動パターン選択テーブルにおいて前記第2の変動パターン振分けコードにより前記特典遊技状態の後半区間が特定されている場合、前記抽選手段による抽選の結果が当選または非当選となるときは、前記通常の遊技状態下で選択される可能性のある共通の変動パターン(図7:コード02に属するリーチハズレ6〜10、リーチ当り6〜10)を選択する、ことを特徴とする上記(6)〜(9)のいずれかに記載の弾球遊技機。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、特典遊技状態の期間が第1期間と第2期間に分けられ、その第1期間においては図柄の変動時間が相対的に短く設定されているので、図柄変動表示ゲームがスピーディに消化されて行くこととなり、大当り連荘時の出球スピードが高められる。また、特典遊技状態の第2期間においては図柄の変動時間が相対的に長く設定されているので、通常の遊技状態と同じように演出を発生させて確変状態を長く楽しませることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る弾球遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。
【図2】本発明に係る弾球遊技機の遊技盤の正面側を示す図である。
【図3】本発明に係る弾球遊技機の制御装置を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る弾球遊技機の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る弾球遊技機の状態移行の概要を示す図である。
【図7】本発明に係る弾球遊技機の変動パターン選択テーブルを示す図である。
【図8】本発明に係る特別図柄管理処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る特別図柄管理処理中の始動口チェック処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る特別図柄管理処理中の特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図11】図10の特別図柄変動開始処理中の特別図柄変動パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係る特別図柄管理処理中の特別図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明に係る特別図柄管理処理中の特別図柄変動停止中処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係る特別変動入賞装置管理処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明に係る特別変動入賞装置管理処理中の大当り開始処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明に係る特別変動入賞装置管理処理中の特別変動入賞装置作動開始前処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明に係る特別変動入賞装置管理処理中の特別変動入賞装置作動中処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明に係る特別変動入賞装置管理処理中の特別変動入賞装置作動停止中処理を示すフローチャートである。
【図19】本発明に係る特別変動入賞装置管理処理中の大当り終了処理を示すフローチャートである。
【図20】本発明に係る演出制御側のメイン処理を示すフローチャートである。
【図21】本発明に係る演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。
【図22】本発明に係る演出制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図23】本発明に係る大当りコマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図24】本発明に係る保留数コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図25】本発明に係る残り確変A回数コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図26】本発明に係る残り確変回数コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図27】本発明に係る変動パターン指定コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図28】本発明に係る図柄指定コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図29】本発明に係る変動停止コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図30】本発明に係る回数切り確変の動作例を示した遷移図である。
【図31】本発明に係る弾球遊技機の変形例に係る遊技盤の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る弾球遊技機の実施形態について詳細に説明する。
【0022】
<1.構成の概要:図1、図2>
図1は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。
【0023】
図示のパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前面枠2を開閉可能に取り付け、前面枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前面枠2の開口部に臨ませた構成を有する。上記遊技領域3aは、遊技盤3の面上に配設した球誘導レール5(図2参照)で囲まれた領域からなる。この遊技領域3aの前側に、透明ガラスを支持したガラス扉枠6が設けられている。
【0024】
またパチンコ遊技機1は、ガラス扉枠6の下側に配設された前面操作パネル7を有している。前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。前面操作パネル7には、球貸しボタン11およびプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられている。また、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプが点灯されて操作可能となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。この上受け皿9には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。
【0025】
また、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また、前面枠2の上部の両側、発射操作ハンドル15の上側には、効果音を発生するスピーカ46が設けられている。またさらに、ガラス扉枠6の各所には、光の装飾により演出効果を現出する装飾ランプ45が設けられている。
【0026】
次に、遊技盤3の遊技領域3aについて説明する。図2に示すように、遊技盤3の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタや記号などによる図柄(装飾図柄)の変動表示が可能である画像表示装置としての液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が配設されている。この液晶表示装置36の真下には、第1の特別図柄始動口である上始動口34と、第2の特別図柄始動口である下始動口35とが上下に配設され、それぞれの内部には、入賞球を検出する特別図柄始動口センサ34a、35a(図3参照)が設けられている。下始動口35には、左右一対の可動翼片47が下始動口35を開閉可能に設けられ、いわゆるチューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)を構成している。
【0027】
上始動口34より上左側には、ゲートからなる普通図柄始動口37が配設されており、この普通図柄始動口37には通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が配設されている。
【0028】
上記下始動口35の下方には、大入賞口40を開放扉42bで開閉可能に構成した特別変動入賞装置42が配設され、その内部には、入賞球を検出する大入賞口センサ40a(図3参照)が配設されている。
【0029】
特別変動入賞装置42の両側に一般入賞口43が計4つ配設されており、それぞれ内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
【0030】
上記した上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、および一般入賞口43は、遊技球が流下する遊技領域内に配置された入賞手段であり、また、それぞれに設けられた特別図柄始動口センサ34a、35a、普通図柄始動口センサ37a、一般入賞口センサ43aは、上記入賞手段へ入球した遊技球を検出する入賞検出スイッチである。これらの入賞検出スイッチは、フォトスイッチや近接スイッチなどの無接点スイッチや、マイクロスイッチなどの有接点スイッチで構成することができる。
【0031】
また、遊技領域3aの右上縁付近には、7セグメント表示器を3桁に並べて構成される特別図柄表示装置38と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置39が設けられている。さらに、遊技領域3aには、センター飾り48、遊技球の落下方向変換部材としての風車44や複数の遊技釘(図示せず)、複数の発光装置(ランプ、LEDなど:図示せず)などが配設されている。さらに遊技盤3の両側端部近傍にも、装飾ランプ45などのランプ表示装置やLED装置が配設されている。
【0032】
遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞したことに基づき、主制御部20(図3参照)において乱数抽選による大当りに関する抽選(大当り抽選と図柄抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて特別図柄を特別図柄表示装置38に変動表示させて、特別図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置38に表示するようになっている。このとき、上記特別図柄変動表示ゲームに連動する形態で、装飾図柄を液晶表示装置36に変動表示させて、装飾図柄変動表示ゲームを開始し、上記一定時間経過後に、特別図柄表示装置38に抽選結果が表示されると共に、液晶表示装置36にも装飾図柄によりその結果が表示される。
【0033】
本実施形態では液晶表示装置36により画像表示装置を構成しているが、これに限らず、画像表示装置として、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic ElectroLuminescent Display)などで構成しても良い。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24(図3参照)の制御の下で、種々の演出を画像で表示させる。すなわち、上記特別図柄変動表示ゲームでの抽選結果を反映させた演出、つまり装飾図柄を変動表示させて上記装飾図柄変動表示ゲームを現出し、これに付随して種々の予告演出(たとえば、連続予告演出やリーチ演出や背景演出など)を現出させる。
【0034】
したがって、特別図柄表示装置38での特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」であった場合、この液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームの結果も「大当り」を反映させた演出が現出される。また、特別図柄表示装置38には、大当りを示す特別図柄が所定の表示態様(たとえば、2個の7セグメント表示器が全て「7」の表示状態)で停止表示され、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、当り有効ライン上で装飾図柄が上記大当り抽選結果を反映させた所定の表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
【0035】
そして、この大当りとなった場合には、特別変動入賞装置ソレノイド42a(図3参照)が作動して開放扉42bが開き、これにより大入賞口40が所定パターンで開閉制御されて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態としての大当り遊技が発生する。この大当り遊技では、開放扉42bが所定時間(たとえば、29秒)開放して大入賞口40が開放されるか、または所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するまで大入賞口40が開放され、その後、所定時間(たとえば、2秒)開放扉42bが閉まって大入賞口40を閉鎖する、といった動作(ラウンド遊技)が所定回数(たとえば、最大15回(最大15R(ラウンド))繰り返されるようになっている。
【0036】
上記大当り遊技は、上記図柄変動表示ゲームにて大当りを示す図柄が確定表示されてから開始される。大当りが開始すると、最初に大当り開始ファンファーレによるオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、大入賞口40が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。また、ラウンド遊技中では、対応するラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当り終了ファンファーレによるエンディング演出が行われ、大当りが終了する。
【0037】
また、遊技球がゲートの普通図柄始動口37を通過したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による補助当りに関する抽選(補助当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて2個のLED39により表現される普通図柄を普通図柄表示装置39に変動表示させて、普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLED39の点灯と非点灯の組合せまたは双方点灯の組合せにて停止表示するようになっている。普通図柄表示装置39での普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39の表示部を所定パターン(たとえば、2個のLED39が双方共に点灯状態)にて停止表示させる。
【0038】
そして補助当りとなった場合には、左右の可動翼片47を駆動させるための普通変動入賞装置ソレノイド41a(図3参照)が作動し、上記可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態となり、遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が、所定時間(たとえば、0.2秒)開放して下始動口35が開放されるか、または所定個数(たとえば、5個)の遊技球が普通変動入賞装置41(下始動口35)に入賞するまで下始動口35が開放され、その後、所定時間(たとえば、0.5秒)可動翼片47が閉まって下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、1回)繰り返されるようになっている。
【0039】
また、上記普電開放遊技中に遊技球が下始動口35に入賞した場合にも、同様に上記特別図柄変動表示ゲームが行なわれ、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが行なわれる。各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。
【0040】
なお、上記特別図柄変動表示ゲームまたは上記普通図柄変動表示ゲームを行う最中に、さらに特別図柄始動口センサ34a、35aまたは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力がある場合には、この検出信号に基づいて各変動表示ゲームを行わせるための始動権利に関するデータである始動記憶(いわゆる作動保留球)を、変動表示中にかかわるものを除き、上限の所定個数まで記憶する。そして、この始動記憶個数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所にまたは液晶表示装置36による画面中に画像として表示させる。通常は、この始動記憶の発生順に、各始動記憶に対する変動表示ゲームが実行制御される。本実施形態では、上記上限の所定個数として、特別図柄、普通図柄に関する始動記憶をそれぞれ4個まで主制御部20に設けられるRAM203(図3参照)に記憶され、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留される。
【0041】
(1−1.内部的な遊技状態)
本実施形態のパチンコ遊技機1には、内部的な遊技状態(主制御部20側で管理される遊技状態)として、通常遊技状態、大当り遊技状態、特典遊技状態という三種類の遊技状態が設けられている。先ず、本発明の理解を容易なものとするために、遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
【0042】
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20(主制御CPU201:図3参照)がその機能部を担う、確率変動(以下、「確変」と称する)機能を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の二種類がある。
【0043】
特別図柄確変機能は、大当りの抽選確率を所定確率の低確率(たとえば、399分の1)から高確率(たとえば39.9分の1)に変動させて大当り確率変動状態(以下、「大当り確変状態」と称する)を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態、つまり大当り確変状態下では、大当り抽選確率が高確率である高確率状態に変動して、大当りが生起され易くなる。したがって、遊技者が期待する遊技状態は、特別図柄確変機能が作動中の遊技状態であるといえる。
【0044】
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率を低確率である通常確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動させて補助当り確変状態を発生させる機能である。普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率に変動して補助当りが生起され易くなるため、普電開放遊技が頻繁に発生するようになり、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記普通図柄確変機能の作動契機は後述の特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。
【0045】
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御CPU271がその機能部を担う、変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の二種類がある。
【0046】
特別図柄時短機能は、特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の変動時間を短縮した特別図柄時短状態を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態下では、1回の特別図柄変動表示ゲームの時間つまり特別図柄の変動時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、平均時間もしくはリーチなしハズレ変動において、たとえば30秒(特別図柄時短機能が未作動中のとき)から5秒(特別図柄時短機能が作動中のとき)に短縮される。つまり通常遊技状態よりも特別図柄の平均変動時間が短縮されて、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
【0047】
普通図柄時短機能は、普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の変動時間を短縮した普通図柄時短状態を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態下では、1回の普通図柄変動表示ゲームの時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示されるまでの時間)が、たとえば、10秒(普通図柄時短機能が未作動中のとき)から1秒(普通図柄時短機能が作動中のとき)に短縮され、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記普通図柄時短機能の作動契機は上記特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も、特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。
【0048】
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う、開放延長機能を備えている。
【0049】
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開動作させる期間およびその開放回数を延長した開放延長状態を発生させる機能である。開放延長機能が作動中の遊技状態(大当り確変状態)下では、可動翼片47の開動作期間がたとえば0.2秒から1.7秒に延長され、また開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が未作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長され、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記開放延長機能の作動契機は上記特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も、特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。これにより、開放延長機能が作動中の遊技状態下では、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作動中となるため、可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
【0050】
上述した各機能を1または複数種類作動させることにより遊技状態に変化をもたらすことができる。ここで本実施形態では、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動契機は、特別図柄時短機能の作動契機と同期するようになっている。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態(確変中)」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態(時短中)」と称し、いずれの機能も作動中でない状態を「通常遊技状態(通常状態または通常状態中)」と称する。
【0051】
(1−2.高ベース遊技状態)
本実施形態では上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動契機と同期する形態となっているため、3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が高くなることから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」に移行することになる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、上記のように普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか1つが作動する場合の遊技状態とは異なる。
【0052】
特別図柄に関する機能を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には通常遊技状態よりも大当りが生起し易くなる、つまり大当り抽選の当選確率が通常遊技状態より高くなる「高確率遊技状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合(大当り確変状態に突入した場合)には特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常遊技状態よりも速まる「特別図柄時短遊技状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる「高ベース遊技状態」とは区別される。
【0053】
本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、可動翼片47の作動率が著しく向上する開放延長機能が付与された遊技状態を「高ベース遊技状態」として扱う。普通変動入賞装置41の可動翼片47は、開放延長機能が付与されている「高ベース遊技状態」下では、開放延長機能が付与されていない状態(本実施形態では「通常遊技状態」に相当する)に比較して、遊技者にとって有利な高ベース遊技状態の動作をすることになる。
【0054】
(1−3.大当りの種別)
次に、主制御部側で管理される大当りの種別について説明する。
【0055】
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記の特別図柄変動表示ゲームで抽選される大当りの種別として「15R確変大当り」が設けられている。この15R確変大当りでは、ラウンド遊技数(大入賞口40の開放回数)が最大規定回数の15ラウンド行われる。
【0056】
また大当り遊技終了後には、特典遊技状態が発生するようになっている。具体的には、15R確変大当りによる大当り遊技終了後には、上記特典遊技状態として、図柄変動が所定の上限回数(たとえば、99回)だけ行われるまで「確変状態」が発生する。ここで、確変状態中は開放延長機能が付与されるので、遊技状態は「高ベース遊技状態」となっている。なお、上記所定の上限回数が終了した後は「確変状態」が終了して「通常状態」に移行するようになっており、本実施形態の遊技機は、所定の上限回数まで確変状態を付与する、いわゆる回数切り確変機能を搭載した「ST機」の構成となっている。
【0057】
なお、本実施形態では15R確変大当りの一種類だけを設けているにすぎないが、必要に応じて、たとえば特別図柄確変機能の作動契機とはならない「15R非確変大当り」を追加的に設け、この15R非確変大当りによる大当り遊技終了後には、上記特典遊技状態の一つとして、特別図柄変動表示ゲーム回数が所定回数(たとえば、100回)終了するまでの間「時短状態」が発生するようにすることもできる。この時短状態中は開放延長機能が付与されるので、遊技状態は「高ベース遊技状態」となる。
【0058】
<2.制御装置:図3>
図3は、上記のような遊技の進行状況に応じた遊技機制御を行う制御装置の概要を示した制御ブロック図である。
【0059】
この制御装置は、遊技動作全般の制御を司る主制御部20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出制御とを行う演出制御部24とを中心に構成される。そして、演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお本明細書において、演出装置といった場合、液晶表示装置36やランプやLEDや音響発生装置、可動体など、画像や光や音、可動体の動作態様によって演出を行う装置を広く指す。
【0060】
また、主制御部20には、主制御部20からの各種情報を遊技機外部に出力するための各外部端子を備えた外部集中端子基板21が接続されている。さらまた、主制御部20には払出制御基板29が接続され、これに発射装置32を制御する発射制御基板28および遊技球払出装置19が接続されている。符号31は電源基板であり、電源基板31は外部電源(図示せず)に接続され、変圧トランスから供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、各制御基板にそれぞれ供給する。なお、図3には電源供給ルートは省略してある。
【0061】
(2−1.主制御部20)
主制御部20は、主制御CPU201を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データなどを格納した主制御ROM202と、ワークエリアが形成される主制御RAM203を搭載して、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能などを有するCTC(Counter Timer Circuit)やCPUに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
【0062】
また主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する特別図柄始動口センサ34aと、下始動口35への入賞を検出する特別図柄始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、大入賞口40への入賞を検出する大入賞口センサ40aとが接続され、主制御部20はこれらの各検出信号を受信可能となっている。
【0063】
また主制御部20には、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置39、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通変動入賞装置ソレノイド41a、および、大入賞口40の幅広な開放扉42bを開閉制御するための特別変動入賞装置ソレノイド42aが接続され、主制御部20は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
【0064】
また主制御部20は、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる「大当り」またはこの特別遊技状態を発生させない「ハズレ」のいずれであったかを抽選するとともに、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄を決定し、少なくともこの抽選結果と変動パターンとを含む演出制御コマンドや、決定された停止図柄に基づく装飾図柄コマンドを作成して演出制御部24に送信する構成となっている。
【0065】
主制御部20からの演出制御コマンドは、一方向通信により演出制御部24に送信される。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部24を介して主制御部20に入力されることを防止するためである。
【0066】
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、演出制御CPU241を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データなどを格納した演出制御ROM242と、ワークエリアが形成される演出制御RAM243と、を搭載している。また図示はしていないが、音源IC、CTC、および割り込みコントローラ回路などが設けられている。この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選、液晶表示装置36の制御、スピーカ46の音制御、枠ランプ・LEDの発光制御、可動体の可動制御、各種エラーの報知などである。
【0067】
演出制御部24は、光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部と、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部とを備えている。
【0068】
また、演出制御部24は、演出制御コマンドを受けて、変動パターンに対応する演出パターンを抽選し、液晶表示装置36の画面に映像で演出表示をさせる。
【0069】
また、演出制御部24には、演出介入操作手段となる枠演出ボタン13が接続されている。この枠演出ボタン13は遊技者が操作可能な押しボタンからなり、特別演出モードの停止ボタンチャンスゲームに遊技者が参加する場合や、遊技者参加型の昇格演出ゲームに遊技者が参加するときなどにおいて遊技者により操作される。
【0070】
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDPに出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの動作手順を記述したプログラムを内蔵する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMとを有している。
【0071】
また、演出制御部24には、液晶制御CPUに接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開する必要な画像データを格納した画像データROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMなども設けられている。
【0072】
遊技状態に関する情報は、まず、大当り抽選の結果(大当りかハズレかの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、作動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄などに必要となる基本情報が、演出制御コマンドにより主制御部20から演出制御部24へと送信される。
【0073】
演出制御部24側では、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドにより指示された演出シナリオに対応する演出パターンが、あらかじめ用意された多数の演出パターンの中から抽選により決定され、この決定された演出パターンを実行指示する制御信号が、演出制御部24から液晶表示装置36、音響発生装置46aおよび光表示装置45aに送られる。これにより、演出パターンに対応した液晶表示装置36での画像の再生と、演出パターンに対応する効果音の再生と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動とが実現される。
【0074】
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、主制御CPU201は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行なう。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行なう。演出制御CPU241は、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信する。ストローブ信号は主制御CPU201により、演出制御CPU241が確実にコマンドを受信することが可能な所定期間アクティブ状態に制御される。
【0075】
<3.主制御側の処理:図4〜図14>
次に、図4〜図14を参照して、主制御部20側における処理内容を説明する。
【0076】
(3−1.主制御側メイン処理:図4)
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が供給され、主制御CPU201が図4に示す主制御側メイン処理を開始する。
【0077】
この主制御側メイン処理において、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS101)。
【0078】
次に、図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号の状態(オン、オフ)を確認し、RAMクリアスイッチがオンである場合(ステップS102:YES)にはステップS105の処理に進み、RAMの初期化処理として記憶エリアをクリアする。しかしRAMクリアスイッチがオンでない場合(ステップS102:NO)、次に電源断が発生した際にバックアップRAMに記憶されたバックアップ用データが有効であるか否かを判断する(ステップS103)。電源復旧の際には、チェックサムの比較を行うことにより、バックアップデータが有効であるか否かを確認している。
【0079】
バックアップデータが有効である場合には(ステップS103:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を実行し(ステップS104)、ステップS107の処理に進む。バックアップデータが有効でない場合には(ステップS103:NO)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定し、RAMを初期化する(ステップS105)。そして、このRAMの初期化に伴い、RAMクリア情報を初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS106)。
【0080】
次に、CPUに設けられているCTCの設定を行う(ステップS107)。本処理では、4msごとに定期的にタイマ割り込みがかかるように、初期値として4msに相当する値をCTCの時間定数レジスタに設定する。
【0081】
ステップS101〜S107での電源初期投入後の処理を終えた後、正常動作時の処理(ステップS108〜S112)として、割込禁止(ステップS108)と割込許可(ステップS112)とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数の更新処理を実行する(ステップS109〜S111)。
【0082】
乱数の更新処理として、Sステップ108の処理後、まず変動パターン用乱数値更新処理を実行する(ステップS109)。この変動パターン用乱数値更新処理では、主として、特別図柄変動パターンコマンドを抽選に用いる変動パターン用乱数値を更新する。
【0083】
続いて、普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)と特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)を実行する普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)では、普通図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する普通図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新(たとえば、カウンタのカウント値を更新する処理)し、特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)では、前記特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する特別図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新する。
【0084】
(3−2.主制御側タイマ割込処理:図5)
図5は、主制御側メイン処理において、一定時間(4ms)ごとの割り込みで起動される主制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【0085】
まず、主制御CPU201は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS201)を実行する。
【0086】
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新する定期乱数更新処理を実行する(ステップS202)。定期乱数更新処理では、普通図柄変動表示ゲームや特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する各種乱数を定期的に更新する。
【0087】
次いで、遊技動作に用いられるタイマを管理制御するためのタイマ管理処理を実行する(ステップS203)。遊技機制御に用いる各種のタイマのタイマ値はここで更新される。
【0088】
次いで、入力管理処理を実行する(ステップS204)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を、図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する。各種センサによる検出情報とは、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ40a、特別図柄始動口センサ34a、35a、一般入賞口センサ43aなどの入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号のON、OFF情報である。
【0089】
次いで、エラー管理処理を実行する(ステップS205)。このエラー管理処理では、上記入力管理処理で読み込み格納したデータを把握してスイッチのチェックを行い、不正入賞を監視したり、遊技動作状態を監視したりして、パチンコ遊技機1の異常を監視する。
【0090】
次いで、賞球管理処理を実行する(ステップS206)。この賞球管理処理では、遊技球払出装置19に払出し動作を行わせるための制御情報(賞球数を指定する賞球払出制御コマンド)を出力する。
【0091】
次いで、普通図柄管理処理を実行する(ステップS207)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームにおける当否抽選を実行し、その抽選結果に基づいて普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示態様を決定したりする。
【0092】
次いで、普通変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS208)。普通変動入賞装置管理処理では、普通図柄管理処理(ステップS207)における当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を普通変動入賞装置ソレノイド41aに送信し、普通変動入賞装置41の可動翼片47の一連の動作を制御する。
【0093】
次に、特別図柄管理処理を実行する(ステップS209)。この特別図柄管理処理では、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選(大当り判定処理)を実行し、その抽選の結果に基づいて特別図柄の変動パターンや特別図柄の停止表示態様(停止特別図柄)を決定する。特別図柄管理処理の詳細は図8〜図13にて後述する。
【0094】
次いで、特別変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS210)。この特別変動入賞装置管理処理は、特別図柄管理処理(ステップS209)における大当りの当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、特別変動入賞装置42の大入賞口40を所定のパターンに従い開閉制御して、大当りに関する遊技を実行制御する処理である。特別変動入賞装置管理処理の詳細は図14〜図19にて後述する。
【0095】
主制御CPU201は、上記の特別変動入賞装置管理処理に次いで「LED管理処理」を実行する(ステップS211)。このLED管理処理は、処理の進行状態に応じて、普通図柄表示装置39や特別図柄表示装置38への出力データを作成したり、当該データに基づく制御信号を出力したりする処理である。
【0096】
さらに主制御CPU201は、大当りの発生、特別図柄確定、普通図柄確定、図柄始動口の入賞球検出などの遊技状態を示す信号を、図示してない外部集中端子基板を通して、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータHCや島ランプなど、遊技機外部に対して出力する外部端子管理処理を行う(ステップS212)。
【0097】
そして、上記のようにステップS202〜ステップS212の処理を実行した後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS213)、タイマ割込処理を終了する。
【0098】
(3−3.確変状態の区間分け:図6)
図6は、特別図柄管理処理(図5、ステップS209)で行われる回数切り確変状態の区間分けの概要を示したものである。
【0099】
主制御部20が通常状態の特別図柄変動表示ゲームに当選することで大当り遊技が開始され、所定のラウンド数だけ大入賞口が開閉されることで大当り遊技が終了する。この大当り遊技が終了した場合、主制御部20の遊技状態が、大当り遊技状態よりも相対的に大当り遊技への移行が容易な特典遊技状態に移行される。特典遊技状態の代表例として、ここでは特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能および開放延長機能が作動する遊技状態である「確変状態」に移行される。この確変状態は「回数切り確変状態」、いわゆる「ST」である。ST中の高確率状態は、通常の遊技状態(低確率・非時短状態)中よりも内部抽選の当選確率が高く変更(例えば10倍程度に変更)されている。この回数切り確変状態STは、図柄の変動回数が上限回数である合計99回に達する(図6中には合計99回として示す)ことで終了になり、主制御部20の遊技状態が通常の遊技状態に戻される。
【0100】
要するに、大当り遊技の終了後は必ず特図確変状態フラグがONになって「確変状態」(高確率・時短・開放延長付き状態)に移行し、特別図柄99回変動するまで確変状態が維持される。
【0101】
この確変状態に移行されている期間は、本発明にしたがい、図柄の変動回数つまり特別図柄変動表示ゲームの実行を単位として、図柄の変動の所定回数目で前半と後半とに分けられる。本実施形態の場合、この前半と後半とに分ける図柄変動の所定回数目は30回目であり、これを境として図柄変動の30回目までの前半区間を「確変A状態(確変Aと略す)」とし、それより後の後半区間を「確変B状態(確変Bと略す)」として区別する。そして、前半区間(確変A状態)における非当選時の特別図柄の変動時間(図柄の変動開始から停止までの時間)を、後半区間(確変B状態)における非当選時の図柄の変動時間よりも、相対的に短くなるように変動パターンを規定する。
【0102】
このように確変状態の継続期間を図柄変動の所定回数目(30回目)を境に前後に区分し、前半区間における図柄の変動時間を後半区間における図柄の変動時間よりも相対的に短く規定しておくと、一方において、図柄のハズレ変動時間が相対的に短く(たとえば1秒に)設定された前半区間(確変A状態)においては、毎回の特別図柄変動表示ゲームをスピーディに消化して行くことができ、大当り連荘時の出球スピードが高められる。また他方において、特別図柄のハズレ変動時間が相対的に長く設定された後半区間(確変B状態)においては、ある程度の時間(たとえば2秒〜12秒)をかけて確変状態であることを遊技者に明確に意識させながら、通常の遊技状態と同じように確変状態を長く楽しませることができる。
【0103】
(3−4.変動パターン選択テーブル:図7)
図7は、上記した通常遊技状態、確変A状態、確変B状態における変動パターンを図柄の変動時間と関連づけて決定する変動パターン選択テーブルの構造を示したものであり、ROM202に格納されている。
【0104】
この変動パターン選択テーブルにおいては、第1の変動パターン振分けコード「01」、第2の変動パターン振分けコード「02」および第3の変動パターン振分けコード「00」により、確変状態の前半区間、後半区間および通常の遊技状態という3つの状態が区分されているとともに、この変動パターン振分けコードの区分に振り分けられる変動パターンの種類とその選択割合とが定められている。
【0105】
すなわち、変動パターン振分けコード「00」、「01」、「02」は、現在の遊技状態を「通常」、「確変A」および「確変B」の3つに区分するものであり、このうち変動パターン振分けコード「00」は確変遊技状態の後半区間が終了する際に設定され、相対的に利益状態の低い通常の遊技状態を特定し、また変動パターン振分けコード「01」は大当り遊技が終了する際に設定され確変遊技状態の前半区間を特定し、そして第2の変動パターン振分けコード「02」は確変遊技状態の前半区間が終了する際に設定され、確変遊技状態の後半区間を特定する。
【0106】
変動パターンの種類としては、1秒、2秒、5秒、8秒、12秒の「通常変動(リーチなしハズレ変動)」の変動パターンと、リーチハズレ変動の「リーチハズレ1」〜「リーチハズレ10」と、リーチ当り変動の「リーチ当り1」〜「リーチ当り15」の変動パターンとが設けられている。ここで「当り(大当り)」とは、表示装置における図柄の表示結果があらかじめ定めた特定の表示態様の組合せとなることをいう。また「リーチ」とは、「大当り」の組合せ以外の「はずれ」の表示態様の組合せのうち、複数の可変表示部の表示結果のうちの一部が未だに導出表示されていない段階において、既に表示結果が導出表示されている表示態様が特定の表示態様の組合せとなる表示条件を満たしている状態をいう。
【0107】
上記した変動パターンの種類のうち、通常変動1秒の変動パターンは確変A専用であり、通常変動2秒の変動パターンは確変B専用である。またリーチ当り変動のうち「リーチ当り11」〜「リーチ当り15」の変動パターンは確変A専用の変動パターンであり、いわゆるプレミアム演出用の変動パターンである。このプレミアム演出用の変動パターンはリーチを伴わない即当りの変動パターンとして用意することもできる。これらの変動パターンは、変動パターン振分けコード「00」、「01」、「02」により特定される3つの遊技状態である「通常」、「確変A」および「確変B」に属するものとして適宜振り分けられる。
【0108】
この3つの遊技状態に振り分けられる変動パターンの選択割合は、全体を239としたときの数値により図7の変動パターン選択テーブル中に示されており、数値が書き込まれていないセルは選択されない変動パターンであることを示している。図から判るように、上記した3つの遊技状態に振り分けられる変動パターンの選択割合は、変動パターン振分けコード「00」、「01」、「02」による区分だけでなく、さらに当否抽選の結果態様である「当り」および「ハズレ」の別(大当り判定フラグのON、OFF)と、保留球数(保留0〜保留3)とによって異なっており、この変動パターン選択テーブルに定める選択割合に従って、抽選により、いずれか1つの変動パターンが選択される。
【0109】
(3−4−1.通常状態:変動パターン振分けコード00の場合)
通常状態(変動パターン振分けコード00)のハズレ時の場合は、保留球数が「保留0または1」、「保留2」、「保留3」に分けて、主として変動時間が12秒、8秒、5秒の変動パターンの選択先を決定する。すなわち保留球数が「保留0または1」と少ないときは、変動時間を長めに設定する目的で、239分の215の割合で変動時間が最も長い「12秒の通常変動」の変動パターンが選択され、残りの239分の24の割合でリーチハズレ1〜リーチハズレ10の変動パターンが選択される。また、保留球数が「保留2」に増えたときは、239分の225の割合で変動時間が2番目に長い「8秒の通常変動」の変動パターンが選択され、239分の2の割合で「12秒の通常変動」の変動パターンが選択され、残りの239分の12の割合で「リーチハズレ1」〜「リーチハズレ10」の変動パターンが選択される。そして保留球数が保留3に増えたときは、変動時間を短めに設定する目的で、239分の228の割合で、通常の図柄変動としては短い変動時間に属する「5秒の通常変動」の変動パターンが選択され、239分の1の割合で「8秒の通常変動」の変動パターンが選択され、残りの239分の10の割合で「リーチハズレ1」〜「リーチハズレ10」の変動パターンが選択される。
【0110】
通常状態(変動パターン振分けコード00)の当り時の場合は、「リーチ当り1」〜「リーチ当り10」の変動パターンの選択先を、あまり選択割合に軽重を付けずに、それぞれ239分の20〜30の割合で決定する。
【0111】
(3−4−2.確変A状態:変動パターン振分けコード01の場合)
確変A状態(変動パターン振分けコード01)のハズレ時の場合は、保留球数が「保留0〜3」のいずれであるかに拘わらず、変動時間が最も短い「1秒の通常変動」の変動パターンが選択される。また確変A状態(変動パターン振分けコード01)の当り時の場合は、確変A専用の「リーチ当り11」〜「リーチ当り15」(プレミアム演出用)の変動パターンの選択先を、あまり選択割合に軽重を付けずに、それぞれ239分の50〜39の割合で決定する。
【0112】
したがって、この確変A状態下では、リーチが発生する場合はすべてプレミアム演出が発生する大当りとなる。それ以外はすべてハズレであって、ハズレの場合は図柄の変動表示として、変動時間が1秒という短い確変A専用の通常変動が行われ、通常遊技状態の場合の図柄変動(5秒、8秒、12秒よ)よりも高速に、回数切り確変状態の前半区間である実行回数30回まで、図柄の変動表示が実行されて行くことになる。
【0113】
(3−4−3.確変B状態:変動パターン振分けコード02の場合)
確変B状態(変動パターン振分けコード02)のハズレ時の場合は、保留球数が「保留0」と「保留1〜3」に分けて、主として変動時間が12秒と2秒の変動パターンの選択先を決定する。すなわち保留球数が「保留0」のときは確変B状態下での図柄の変動時間を長く設定する目的で、すべての図柄変動について、つまり239分の239の割合で、変動時間が最も長い「12秒の通常変動」の変動パターンが選択される。この「12秒の通常変動」は、通常遊技状態で選択される可能性のある、通常遊技状態と確変B状態とに共通の変動パターンの一つである。したがって、確変A状態から確変B状態に移行した場合、保留0でハズレとなるときは、すべて通常遊技状態の時と同じく、12秒という最長時間わたって図柄の変動表示が継続される遊技状態となる。
【0114】
また、確変B状態(変動パターン振分けコード02)のハズレ時において、保留球数が存在するとき、つまり「保留1〜3」のときは、239分の234という高い割合で、変動時間が2番目に短い「2秒の通常変動」の変動パターンが選択され、残りの239分の5の割合で「リーチハズレ6」〜「リーチハズレ10」の変動パターンが選択される。
【0115】
このうち「2秒の通常変動」の変動時間は、通常状態の保留3の下でハズレとなる場合に選択される図柄の変動時間(通常時の短い時間に属する5秒)よりは短い値であり、したがって通常時における遊技よりもスピーディに回数切り確変遊技を消化することができる。また、この「2秒の通常変動」の変動時間は、確変A状態のときのハズレ時に選択される確変A専用の変動パターンにおける図柄変動時間(1秒)よりは長い値であり、このため確変A状態下では生起させることができなかった図柄変動演出や予告演出などを現出させるだけの時間的余裕が生まれる。このような演出を確変B状態下で現出させることにより、ハズレ時が続くことによる遊技者の焦燥感を緩和させ、遊技者に対し遊技の興趣を高めることができることになる。
【0116】
また確変B状態のハズレ時(保留1〜3)における残りの「リーチハズレ6」〜「リーチハズレ10」の変動パターンは、通常遊技状態で選択される可能性のある、通常遊技状態と確変B状態とに共通の変動パターンであり、このような変動パターンをも選択可能に含ませておくことにより、確変状態の後半において保留球数(保留1〜3)が有りながらハズレとなるときの特別図柄変動表示ゲームの表示態様や演出を増加させ、遊技者に対する興趣を高めることができる。
【0117】
他方、確変B状態(変動パターン振分けコード02)の当り時の場合は、通常遊技状態で選択される可能性のある、通常遊技状態と確変B状態とに共通の当り変動パターンである「リーチ当り6」〜「リーチ当り10」の変動パターンを、あまり選択割合に軽重を付けずに、それぞれ239分の39〜50の割合で決定する。したがって、当り時にこのような複数の変動パターンのうちの一つを選択的に現出させることにより、当り時の場合も特別図柄変動表示ゲームの表示態様や演出を増加させ、遊技者に対する興趣を高めることができる。
【0118】
(3−5.特別図柄管理処理:図8)
次に、大当り抽選に係るステップS209の特別図柄管理処理について説明する。図8は、特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。ここでは、まず始動口チェック処理(ステップS301)を行う。
【0119】
(3−5−1.始動口チェック処理:図9)
始動口チェック処理では、保留球数が上限値未満であることを条件に保留球数加算と各種乱数の取得を行う。
【0120】
図9において、主制御CPU201は、まず上始動口34または下始動口35において入賞球を検出したか否かを確認する(ステップS311)。入賞球を検出した場合(ステップS311:YES)、入賞を示す特別図柄始動口入賞コマンド(上始動口34については上始動口入賞コマンド、下始動口35については下始動口入賞コマンド)を演出制御部24に送信する(ステップS312)。
【0121】
続いてステップS313の処理に進み、特別図柄の作動保留球数が4以上となる場合であるか否か判断する(ステップS313)。特別図柄の作動保留球数(以下、「特別図柄作動保留球数」と称する)が4以上とはならない場合、つまり4未満の場合は(ステップS313:NO)、特別図柄作動保留球数を1加算し(ステップS304)、増加した保留球数に対応した保留数コマンド(ここでは保留加算コマンドとなる)を送信する(ステップS315)。この保留数コマンドは、特別図柄の作動保留球数を液晶表示装置36に表示する際に利用される(図24のステップS711〜S713参照)。次いで特別図柄抽選用乱数(特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄用停止図柄乱数)および変動パターン用乱数値のカウンタの現在値を取得して、それぞれRAM203の取得数値記憶エリアに格納する(ステップS316)。そして図8のステップS301に戻り、ステップS302の処理に進む。
【0122】
上記ステップS311において入賞球の検出がないと判断された場合(ステップS311:NO)や、上記ステップS303において特別図柄作動保留球数が4以上と判断された場合(ステップS313:YES)には、上記のステップS312〜ステップS316の処理を行わずに、図8のステップS301に戻り、ステップS302の処理に進む。
【0123】
図8のステップS302の処理に進むと大当り中フラグが設定されているか否かを判断して、「大当り中」であれば(ステップS302:YES)、特別図柄を管理する必要がないので、表示データの更新を行った後(ステップS309)、特別図柄管理処理を終了し、図5のステップS210の特別変動入賞装置管理処理に移行することとなる。
【0124】
一方、ステップS302の処理で「大当り中」でないと判断された場合(ステップS302:NO)、特別図柄の挙動を示す処理状態(特別図柄動作ステータス)が「特別図柄待機中(01H)」「特別図柄変動中(02H)」「特別図柄停止中(03H)」のいずれであるかを順に判断し(ステップS303、ステップS305、ステップS307)、該当する場合はそれぞれの処理状態に属する処理を行う。なお、「特別図柄待機中」とは特別図柄の変動が行なわれておらず次回の変動のための待機状態であることを示し、「特別図柄変動中」とは特別図柄が現在変動中であることを示し、「特別図柄停止中」とは特別図柄の変動が終了して停止中(特別図柄確認時間中)であることを示している。
【0125】
以下、上記処理状態が「特別図柄待機中」「特別図柄変動中」「特別図柄停止中」である場合の処理内容について順に説明していく。
【0126】
(3−5−2.特別図柄変動開始処理:図10)
図10は、特別図柄管理処理(図8)で特別図柄待機中と判断された場合(ステップS303:YES)に移行する特別図柄変動開始処理の詳細を示す。
【0127】
この図10の特別図柄変動開始処理においては、まず特別図柄の作動保留球数(保留記憶)がゼロかどうかを判断する(ステップS321)。特別図柄作動保留球数がゼロの場合(ステップS321:YES)、特別図柄が待機中でかつ保留記憶なしの状態となったのであり、この状態に突入したことを演出制御部24側に報せる必要がある。このため、本実施形態では待機演出コマンドの送信を行う(ステップS334)。
【0128】
ただし、特別図柄作動保留球数がゼロの場合に条件なしに待機演出コマンドを送信すると、特別図柄作動保留球数がゼロである間は4msの周期で待機演出コマンドの送信を繰り返すことになり、不必要な送信が発生する。そこで待機演出コマンドが未送信であるか否かを判断し(ステップS333)、待機演出コマンドが未送信の場合は(ステップS333:YES)、待機演出コマンドを演出制御部24に送信し(ステップS334)、既に待機演出コマンドが送信済みである場合は(ステップS333:NO)、待機演出コマンドを演出制御部24に送信することなく、この特別図柄管理処理を終了する。
【0129】
なお、ここでデモ演出を行なうべきデモ表示条件が成立しているか否かを判断し、デモ表示条件が成立している場合は、デモ表示コマンドを演出制御部24に送信してもよいが、本実施形態の遊技機では、この判断を演出制御部24に委ねることとし、デモ表示条件が成立しているか否かの判断は行わずに、この特別図柄管理処理を終了する。
【0130】
一方、特別図柄作動保留球数がゼロでない場合(ステップS321:NO)、特別図柄作動保留球数を1減算し(ステップS322)、減少した保留球数に対応した保留数コマンド(ここでは保留減算コマンド)を送信する(ステップS323)。
【0131】
次いで、確変状態の全区間(前半区間および後半区間)が終了するまでの図柄の変動回数(以下「確変回数」と称する)を計数する確変回数カウンタの値がゼロであるか否かを判断する(ステップS324)。ここで「確変回数」は、図柄変動表示の実行回数について、確変状態が終了することとなる所定の上限回数であり、ここでは「99回」が定められている。この確変回数カウンタの値がゼロでない場合(ステップS324:YES)、つまり確変状態中に消化された図柄変動回数がまだ上限回数の99回に至っていない場合は、残り変動回数(以下「残り確変回数」と称する)についての「残り確変回数コマンド」が送信される(ステップS325)。これにより、確変状態が終了するまでの残り変動回数を把握し、遊技者に報知することが可能になる。確変回数カウンタの値がゼロの場合(ステップS324:NO)、残り確変回数コマンドを送信せずにステップS326に進む。
【0132】
次いで、確変状態の前半区間(確変A状態)が終了するまでの図柄変動回数(以下「確変A回数」と称する)を計数する確変A回数カウンタの値がゼロであるか否かを判断する(ステップS326)。ここで「確変A回数」は、図柄変動表示の実行回数について、確変状態の下で前半区間が終了することとなる所定の回数であり、ここでは「30回」が定められている。確変A回数カウンタの値がゼロでない場合(ステップS326:YES)、つまり確変A状態中の図柄変動回数がまだ所定回数の30回に至っていない場合は、確変A状態が継続する残りの変動回数(以下「残り確変A回数」と称する)を報せる「残り確変A回数コマンド」を送信する(ステップS327)。
【0133】
次いで、ステップS328に進み、ステップS316(図9)で取得した乱数値が大当り判定値に属するか否かの判定(大当り判定処理)を実行する(ステップS328)。
【0134】
次に、ステップS329に進み、ステップS316(図9)で取得した特別図柄用停止図柄乱数値を判定し、停止図柄(特別図柄停止図柄)を決定する(ステップS329)。本実施形態の場合、この特別図柄停止図柄は後述する特別図柄指定コマンドの内容として送信され、装飾図柄の種類を特定するのに利用されるが、この処理で決定される特別図柄停止図柄は大当り態様(たとえば、大当り遊技中のラウンド背景や楽曲)を定めるのに利用することもできる。
【0135】
(3−5−2−1.特別図柄変動パターン設定処理:図11)
次に、特別図柄変動パターンの設定処理を実行する(ステップS330)。
【0136】
図11はこの特別図柄変動パターン設定処理の詳細を示したものである。この変動パターン設定処理では、図7の変動パターン選択テーブルを参照し、変動パターン振分けコード00、01、02の別、大当り判定フラグのON、OFF、および保留球数(保留0〜保留3)に応じて、抽選により1つの特別図柄変動パターンを選択的に決定する(ステップS341)。これにより当該特別図柄変動パターンに属する図柄変動時間も決定される。
【0137】
ここで通常状態(変動パターン振分けコード00)にある場合、ハズレ時には保留球数が「保留0または1」、「保留2」、「保留3」であればそれぞれ変動時間が「12秒」、「8秒」、「5秒」の変動パターンが主として選択され、また当り時には、「リーチ当り1」〜「リーチ当り10」の変動パターンが選択される。
【0138】
確変状態が継続する変動回数計99回の期間中について、その前半区間(確変A状態)である30回の図柄変動においては、後半区間(確変B状態)の31回目から99回目までにおける図柄変動よりも図柄の変動時間が相対的に短い特別図柄変動パターンが選択される。すなわち、確変A状態(変動パターン振分けコード01)にある場合、ハズレ時には変動時間が最も短い「1秒の通常変動」の変動パターンが選択がされ、また当り時には、確変A専用の「リーチ当り11」〜「リーチ当り15」の変動パターンが選択される。また確変B状態(変動パターン振分けコード02)にある場合、ハズレ時には、保留球数が保留0ならば「12秒の通常変動」の変動パターンが選択され、保留1〜3ならば「2秒の通常変動」の変動パターンが選択され、そして当り時には「リーチ当り6」〜「リーチ当り10」の変動パターンが選択される。
【0139】
このようにして特別図柄の変動パターンが決定され、結果としてこの変動パターンに対応する変動時間が決定される。そこで、変動パターン指定コマンドを演出制御部24に送信した後(ステップS342)、この特別図柄の変動時間を特別図柄変動用タイマにセットし(ステップS343)、特別図柄変動パターン設定処理を終了する。
【0140】
図10のステップ331に進み、特別図柄指定コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS331)。したがって特別図柄変動パターンコマンド(ステップS342)と特別図柄指定コマンド(ステップS331)がともに演出制御コマンドとして演出制御部24に送信されることになる。しかし本実施形態の場合、大当り種別として確変大当りが一種類あるだけであり、確変図柄と非確変図柄の区別を必要としないので、特別図柄変動パターンコマンドのみを演出制御部24に送信して特別図柄指定コマンドの送信を省略し、演出制御部24側で抽選して作成することもできる。
【0141】
次いで、処理状態(特別図柄動作ステータス)を「特別図柄変動中(02H)」に切り替えて(ステップS332)、特別図柄変動開始処理を終了する。そして図8のステップ304に戻り、ステップ309に進んで表示データを更新する。これにより特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図5)に移行することになる。
【0142】
(3−5−3.特別図柄変動中処理:図12)
図12は、特別図柄管理処理(図8)で特別図柄変動中と判断された場合(ステップS305:YES)に移行する特別図柄変動中処理の詳細を示したものである。
【0143】
この図12の特別図柄変動中処理においては、まず特別図柄変動用タイマを監視し(ステップS351)、図11のステップS343で特別図柄変動用タイマにセットした特別図柄変動時間が経過するのを待つ(ステップS351:NO)。特別図柄変動時間が経過していなければ何もしないで特別図柄変動中処理を終了する(ステップS351:NO)。特別図柄変動時間が経過した場合(ステップS351:YES)、特別図柄の変動が終了し停止したことを示す「変動停止コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS352)。そして処理状態(特別図柄動作ステータス)を「特別図柄停止中(03H)」に切り替え、変動停止用タイマを設定する(ステップS353)。これにより特別図柄変動中処理を終了して図8のステップS308に戻り、表示データを更新して(ステップS309)、特別図柄管理処理を終了する。そして、特別変動入賞装置管理処理(図5)に移行する。
【0144】
(3−5−4.特別図柄変動停止中処理:図13)
図13は、特別図柄管理処理(図8)で特別図柄動作ステータスが特別図柄停止中(03H)と判断された場合(ステップS307:YES)に移行する特別図柄変動停止中処理の詳細を示す。
【0145】
この図13の特別図柄変動停止中処理においては、まずステップS353(図12)で変動停止用タイマにセットした、停止図柄を特別図柄表示装置38に表示させるための変動停止用時間(たとえば0.5秒)が経過するのを待つ(ステップS361:NO)。すなわち特別図柄の変動停止用時間が経過するまでは、何もしないで特別図柄変動停止中処理を抜ける。
【0146】
(3−5−4−1.通常状態の場合)
上記した変動停止用時間が経過した場合(ステップS361:YES)、特別図柄動作ステータスを「特別図柄待機中(01H)」に切り替える(ステップS362)。そして停止図柄が大当り図柄であるかハズレ図柄であるかを判断する(ステップS363)。停止図柄がハズレ図柄であった場合(ステップS363:NO)、ステップS366に進み、確変回数カウンタの値がゼロであるか否かを判断する(ステップS366)。通常状態のハズレ変動の場合、確変回数カウンタの値はゼロであるので、ステップS366の判断はYESとなり、特別図柄変動停止中処理を抜ける。図8に戻り、表示データを更新して(ステップS309)、特別図柄管理処理を終了する。
【0147】
(3−5−4−2.大当りの場合)
上記のステップS363において大当り図柄であると判断された場合は(ステップS363:YES)、「大当り中フラグ」をONに設定する(ステップS364)。また特図確変状態フラグ、確変回数カウンタ、確変A回数カウンタをそれぞれクリアし(ステップS365)、特別図柄変動停止中処理を終了する。ここで「特図」とは特別図柄の略称である。図8に戻り、表示データを更新して(ステップS309)、特別図柄管理処理を終了する。
【0148】
上記した大当り中フラグがONに設定されると、後述する特別変動入賞装置管理処理(図14)のステップS401の判断がYESとなり、遊技者に有利な特別遊技状態として大当り遊技が付与される。そして、この大当り遊技の終了時において、確変回数カウンタに「99」がセットされ、確変A回数カウンタに「30」がセットされ、変動パターン振分けコードによる状態指定が確変A(01)に切り替えられる(図19のステップS457〜S459参照)。
【0149】
(3−5−4−3.確変A状態の場合)
大当り遊技の終了後、確変状態(特典遊技状態)に移行し、確変A状態に突入する。
【0150】
上記のステップS366において判断される確変回数カウンタの値がゼロでない場合(ステップS366:NO)、すなわち特別図柄の変動回数がまだ上限に達していない場合は、確変状態に突入してから確変状態を継続中であるので、確変回数カウンタの値を1減算し(ステップS367)、減算後の確変回数カウンタの値がゼロになったか否かを判断する(ステップS368)。本実施形態では、確変状態が変動回数99回で終了する、という回数切り確変の制御を行う。そこで変動回数が99回までは確変回数カウンタの値がゼロでない状況にあるため、ステップS368の判断はNOとなり、ステップS371に進み、確変A回数カウンタの値がゼロとなっているか否かが判断される(ステップS371)。本実施形態は30回の変動回数まで確変A状態とするという制御をなす。そこで、この30回の図柄変動が実行されるまでは確変A回数カウンタの値がゼロにならないので、ステップS372に進み、確変A回数カウンタの値を1減算し(ステップS372)、減算後の確変A回数カウンタの値がゼロになったか否かを判断する(ステップS373)。30回の図柄変動が実行されるまではステップS373の判断はNOとなり、特別図柄変動停止中処理を抜ける。図8に戻り、表示データを更新して(ステップS309)、特別図柄管理処理を終了する。
【0151】
その後、図柄変動が1回実行される度に、この図13の特別図柄変動停止中処理において確変回数カウンタが1減算されるとともに(ステップS367)、確変A回数カウンタの値が1減算されて行く(ステップS372)。
【0152】
確変A回数カウンタの値が計30回だけ減算され、その減算後の確変A回数カウンタの値がゼロになった場合(ステップS373:YES)、変動パターン振分けコードによる状態指定を確変B状態(02)に切り替えて(ステップS374)、特別図柄変動停止中処理を抜ける。上記処理により確変状態(特典遊技状態)は確変A状態(変動回数30回目まで)から確変B状態(変動回数31回目〜99回目)に移行する。
【0153】
この確変A状態から確変B状態への移行準備処理の特徴は、変動パターン振分けコードによる状態指定を確変B状態(02)に切り替えるだけであり、それ以外のたとえば特図確変状態フラグの状態は、その直前のON状態(設定状態)のままとされ、確変状態(特典遊技状態)が継続される点にある。
【0154】
(3−5−4−4.確変B状態の場合)
確変B状態(変動回数31回目〜99回目)に入った後、図柄変動が1回実行される度に、確変回数カウンタが1減算される(ステップS367)。前半区間の確変A状態(変動回数30回目まで)を管理する確変A回数カウンタの値は既にゼロとなっているので、ステップS371の判断はYESとなり、後半区間の変動回数31回目から99回目を管理している確変回数カウンタの1減算処理だけがなされて行く。
【0155】
最終回である変動回数99回目に達すると、ステップS368の判断において確変回数カウンタの値がゼロ(ステップS368:YES)となる。そこで、ステップS452(図19)でONされていた特図確変状態フラグをOFFに戻し(ステップS369)、変動パターン振分けコードによる状態指定を通常状態(00)に戻し(ステップS370)、特別図柄変動停止中処理を抜ける。図8に戻り、表示データを更新して(ステップS309)、特別図柄管理処理を終了する。
【0156】
(3−6.特別変動入賞装置管理処理:図14)
図5に戻り、上記特別図柄管理処理(ステップS209)に次いで、特別変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS210)。この特別変動入賞装置管理処理は、特別図柄管理処理(ステップS209)における大当りの当否結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、特別変動入賞装置42の大入賞口40を所定のパターンに従い開閉制御して、大当りに関する遊技(特別遊技)を実行制御する処理である。
【0157】
図14は、この特別変動入賞装置管理処理の詳細を示したものである。主制御CPU201は、まず大当り中フラグが設定(ON)されているか否かをチェックし(ステップS401)、大当り中でなければ(ステップS401:NO)何もしないで、この特別変動入賞装置管理処理を終了する。
【0158】
大当り中フラグが設定(ON)されている場合は(ステップS401:YES)、大当り遊技における特別変動入賞装置42の一連の動作を制御するために、電動役物(特別変動入賞装置)動作ステータスが00H〜04Hのいずれであるかに応じて、それぞれの状態に属する処理(ステップS403〜S407)を実行して行く。電動役物動作ステータスが大当り開始処理中(00H)である場合は「大当り開始処理」(ステップS403)を行い、特別変動入賞装置作動開始前(01H)である場合は「特別変動入賞装置作動開始前処理」(ステップS404)を行い、特別変動入賞装置作動中(02H)である場合は「特別変動入賞装置作動中処理」(ステップS405)を行い、特別変動入賞装置作動停止中(03H)である場合は「特別変動入賞装置作動停止中処理」(ステップS406)を行い、大当り終了処理中(04H)である場合は「大当り終了処理」(ステップS407)を行う。なお、「特別変動入賞装置作動開始前」とは大当りして特別変動入賞装置42の動作が開始前状態であることを示し、「特別変動入賞装置作動中」とは特別変動入賞装置42が現在作動中であることを示し、「特別変動入賞装置作動停止中」とは特別変動入賞装置42が現在停止中であり継続判定中であることを示している。
【0159】
(3−6−1.大当り開始処理:図15)
図15は、電動役物動作ステータスが大当り開始処理中(00H)である場合に行われる大当り開始処理(ステップS403)の詳細を示したものである。この大当り開始処理においては、役物連続作動装置作動フラグをONにして「役物連続作動装置作動中」に切り替える(ステップS411)。ここで役物連続作動装置とは、特別変動入賞装置42の1ラウンド分の動作を所定回数連続して動作させるための機能部をいう。ついで電動役物動作ステータスを「特別変動入賞装置作動開始前(01H)」に切り替える(ステップS412)。そして最大ラウンド数(たとえば15回)、オープニング演出時間(たとえば10秒)をセットする(ステップS413)。ここでオープニング演出時間とは、ステップS325の停止中用タイマ時間が経過して当りが確定した後、特別変動入賞装置42の動作が開始するまでのインターバル区間であってオープニング演出が行われる区間を定めた時間幅を指す。そして大当り開始コマンドを送信して(ステップS414)、大当り開始処理を終了する。
【0160】
(3−6−2.特別変動入賞装置作動開始前処理:図16)
図16は、電動役物動作ステータスが特別変動入賞装置作動開始前(01H)である場合に行われる「特別変動入賞装置作動開始前処理」(ステップS404)の詳細を示したものである。この特別変動入賞装置作動開始前処理においては、特別変動入賞装置42の大入賞口40が開放される前の所定時間(開始前所定時間)が経過したか否か判断する(ステップS421)。なお、ここでの開始前所定時間としては、初回のラウンドではステップS361の変動停止用タイマの特別図柄停止用時間が経過して当りが確定した後、特別変動入賞装置42の動作が開始するまでのオープニング演出時間(図15のステップS413で設定される)が監視されるが、2ラウンド目以降でこのステップS421を通過するときは、ラウンド間インターバル時間(図18のステップS445で設定される開放前インターバル時間)が監視される。
【0161】
上記開始前所定時間が経過するまでの間は(ステップS421:NO)、何もしないでこの特別変動入賞装置作動開始前処理を抜ける。
【0162】
上記開始前所定時間が経過した場合は(ステップS421:YES)、特別変動入賞装置の大入賞口開放時間(たとえば30秒)をセットし、大入賞口入賞数カウンタをゼロにクリアする(ステップS422)。そして電動役物動作ステータスを「特別変動入賞装置作動中(02H)」に切り替える(ステップS423)。また特別変動入賞装置42の動作パターンにより開閉扉42bの動作パターンを設定し、これに基づいてソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、開放扉42bを作動させて大入賞口40を開放させる(ステップS424)。そして、この特別変動入賞装置作動開始処理を終了する。
【0163】
(3−6−3.特別変動入賞装置作動中処理:図17)
図17は、電動役物動作ステータスが特別変動入賞装置作動中(02H)である場合に行われる「特別変動入賞装置作動中処理」(ステップS405)の詳細を示したものである。この特別変動入賞装置作動中処理においては、特別変動入賞装置の大入賞口40への入賞球が検出されたか否かを判断する(ステップS431)。
【0164】
大入賞口40への入賞球が検出された場合は(ステップS431:YES)、「大入賞口入賞数」に1加算し(ステップS432)、その旨を示す大入賞口入賞コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS443)。そしてステップS434に進む。一方、大入賞口40への入賞球が検出されなかった場合は(ステップS431:NO)、上記の1加算処理(ステップS432)および送信処理(ステップS433)を行わずにステップS434に進む。
【0165】
ステップS434に進むと、加算後の大入賞口入賞数が最大入賞数となったか否かを判断する(ステップS434)。大入賞口入賞数が最大入賞数に至っていなければ(ステップS434:NO)、あらかじめ設定した大入賞口40が開いている時間(大入賞口開放時間:ステップS422で設定された30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS435)。そして、大入賞口入賞数が最大入賞数に至っておらず(ステップS434:NO)、かつ大入賞口開放時間が経過していなければ(ステップS435:NO)、何もしないで、この特別変動入賞装置管理処理を終了する。
【0166】
大入賞口入賞数が最大入賞数に至った場合(ステップS434:YES)、大入賞口40を閉鎖し(ステップS436)、インターバルコマンドを送信する(ステップS437)。そして電動役物動作ステータスを「特別変動入賞装置作動停止中(03H)」に切り替える。また残存球の排出のために特別変動入賞装置を閉鎖しておく残存球排出時間(たとえば2秒)をセットする(ステップS439)。
【0167】
また大入賞口入賞数が最大入賞数に至る前であっても、大入賞開放時間が経過した場合は(ステップS435:YES)、その時点で大入賞口40を閉鎖し、電動役物動作ステータスを「特別変動入賞装置作動停止中(03H)」に切り替える。そして、この特別変動入賞装置作動中処理を終了する。
【0168】
(3−6−4.特別変動入賞装置作動停止中処理:図18)
図18は、電動役物動作ステータスが特別変動入賞装置作動停止中(03H)である場合に行われる「特別変動入賞装置作動停止中処理」(ステップS406)の詳細を示したものである。この特別変動入賞装置作動停止中処理においては、大入賞口40が閉鎖されて一定時間が経過したか否か、つまりステップS439で残存球排出時間としてセットされた閉鎖時間(2秒)が経過したか否かを判断する(ステップS441)。残存球排出時間が経過するまでの間は(ステップS441:NO)、何もしないでこの特別変動入賞装置作動停止中処理を抜ける。
【0169】
残存球排出時間が経過した場合(ステップS441:YES)、特別変動入賞装置の作動回数(ラウンド数)があらかじめ定めた最大回数(ここでは15ラウンド)に至ったか否かを判断する(ステップS442)。最大ラウンド数である15ラウンドに至るまでの間は(ステップS442:NO)、電動役物動作ステータスを「特別変動入賞装置作動開始前(01H)」に切り替える(ステップS443)。そして「特別変動入賞装置作動回数」に1加算して(ステップS444)、ラウンド数の現在値を更新し、開放前インターバル時間をセットする(ステップS445)。
【0170】
ステップS442の判断において最大ラウンド数に至ったときは(ステップS442:YES)、電動役物動作ステータスを「大当り終了処理中(04H)」に切り替える(ステップS446)。またエンディング演出時間(たとえば5秒)をセットし(ステップS447)、エンディング演出コマンドを送信して(ステップS448)、この特別変動入賞装置作動継続判定処理を終了する。
【0171】
(3−6−5.大当り終了処理:図19)
図19は、電動役物動作ステータスが大当り終了処理(04H)である場合に行われる「大当り終了処理」(ステップS407)の詳細を示したものである。この大当り終了処理においては、上記最終ラウンドの特別変動入賞装置42の大入賞口40が閉鎖された後のインターバル区間である一定時間、つまりステップS447でセットされたエンディング演出時間(5秒)が経過したか否かを判断する(ステップS451)。エンディング演出時間(5秒)が経過するまでは、何もしないでこの大当り終了処理を抜ける(ステップS451:NO)。
【0172】
一方、エンディング演出時間が経過した場合は(ステップS451:YES)、特図確変状態フラグをONに設定する(ステップS452)。そして大当り終了時の各種設定を行う(ステップS453〜S459)。すなわち、この大当り終了処理は、大当り終了後の遊技状態を確変状態(特典遊技状態)へ移行させるための遊技状態移行準備設定処理に相当する。具体的には大当り中フラグをクリアし(ステップS453)、役物連続作動装置作動フラグをOFFにして「役物連続作動装置作動停止中」に切り替え(ステップS455)、連続回数カウンタをゼロにクリアする(ステップS456)。また確変回数カウンタに上限回数の「99」をセットするとともに(ステップS457)、確変A回数カウンタに前半区間の後端となる変動回数目「30」をセットし(ステップS458)、変動パターン振分けコードによる状態指定を確変A状態(01)に切り替える(ステップS459)。
【0173】
また大当り終了時のその他の設定として、確変状態(特典遊技状態)への遊技状態移行に必要な設定がなされる(ステップS460)。たとえば普通図柄変動時間短縮機能の設定、開放延長(開放延長機能の開始条件および終了条件の設定)等がなされる。
【0174】
その後、遊技状態報知情報を更新して(ステップS461)、7セグメント表示器やランプなどにより大当り状態から確変状態へ遊技状態が移行した旨を報知するとともに、この遊技状態報知情報を含む遊技状態コマンドを演出制御部24に送信する。そして大当り終了コマンドを送信して(ステップS462)、この大当り終了処理を終了する。
【0175】
図5に戻り、主制御部(主制御CPU)20は、上記の特別変動入賞装置管理処理に次いで「LED管理処理」を実行する(ステップS211)。このLED管理処理は、処理の進行状態に応じて、普通図柄表示装置39や特別図柄表示装置38への出力データを作成したり、当該データに基づく制御信号を出力したりする処理である。
【0176】
さらに主制御部(主制御CPU)20は、大当りの発生、特別図柄確定、普通図柄確定、図柄始動口の入賞球検出などの遊技状態を示す信号を、外部集中端子基板310を通して、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータHCや島ランプなど、遊技機外部に対して出力する外部端子管理処理を行う(ステップS212)。
【0177】
そして、上記のようにステップS202〜ステップS212の処理を実行した後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS213)、タイマ割込処理を終了する。その結果、割込み処理ルーチンからメインルーチンに処理が戻ることになる。
【0178】
<4.演出制御部側の処理:図20〜図29>
次に演出制御部側の処理(図20〜図29)について説明する。
【0179】
(4−1.演出制御側メイン処理:図20)
遊技機本体に電源が投入され、電源基板31から電源投入信号を受信した演出制御部24は、図20に示す演出制御側メイン処理を開始する。この演出制御側メイン処理では、電源投入が行われてから初めての処理としてステップS501が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS502〜S505が行われる。
【0180】
まず、演出制御基板24は、電源投入が行われてから初めての処理として、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行する(ステップS501)。
【0181】
次に、正常動作時の処理として演出用乱数更新処理を実行する(ステップS502)。この演出用乱数更新処理では、主として、演出内容を選択するために利用される演出抽選用の乱数値を定期的に更新している。
【0182】
次に、コマンド受信割り込み、タイマ割り込み、外部INT等を許可する割り込み許可状態に設定し(ステップS503)、その後、割り込み禁止状態に設定する(ステップS504)。そして、ウォッチドッグタイマをクリアして(ステップS505)、電断が発生しない限り、ステップS503からステップS505の処理をループ処理にて実行する。
【0183】
(4−2.コマンド受信割込処理:図21)
次に、上記した主制御部20からの演出制御コマンドを受信した場合に実行されるコマンド受信割込処理について説明する。
【0184】
図21は、この演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割り込み処理は、主制御部20から演出制御コマンドを受信した場合、後述する演出制御側タイマ割込処理(図22)よりも優先的に実行される処理である。
【0185】
まず、演出制御部24は、主制御部20からの演出制御コマンドを受信した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させた後(ステップS506)、制御コマンドをRAM242の所定領域に格納する処理を行い(ステップS507)、レジスタを復帰(ステップS508)する。主制御部20から送られてくる各種制御コマンドを受けた場合、INT割り込みが発生し、この受信割込処理にて、制御コマンドを受信した時点で、これをコマンド受信バッファに格納する。
【0186】
(4−3.演出制御側タイマ割込処理:図22)
図22は、演出制御基板24における演出制御側メイン処理において、一定時間(2ms)ごとの割り込みで起動される演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【0187】
まず、演出制御CPU241は、レジスタを所定のスタック領域に退避させるレジスタ退避処理を実行する(ステップS601)。次いでプログラム異常を監視しているウォッチドッグタイマをクリアして、タイマのカウントを再スタートさせる(ステップS602)。プログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、演出用CPUが自動的にリセットされて前記暴走状態から復帰する。
【0188】
次いで、定期更新処理を行う(ステップS603)。この定期更新処理では、演出パターンを選択するために利用される演出用乱数の初期値や、演出パターンの実行に必要な各種タイマの内容を割り込みごとに更新する。上記各種タイマの代表的なものは、演出の発生に関するタイムスケジュールを管理するタイマである。たとえば、特別図柄表示装置38に特別図柄が変動されている変動期間内(特別図柄の変動期間内)と実質的に同一期間内である液晶表示装置36の画面に装飾図柄が変動表示されている変動期間内(装飾図柄変動期間内)において、その時間軸上で、どのような演出パターンの演出内容を、どれだけの時間幅をもって、演出手段である装飾ランプ45やスピーカ46や液晶表示装置36などにより現出させるかについての時間的なスケジュールが、このタイマにより時間管理される。
【0189】
次いで、演出決定管理処理として、受信した制御コマンドに基づいて演出のシナリオを決定するコマンド解析処理(ステップS604)を実行する。このコマンド解析処理では、主制御部20から制御コマンドを受信したか否か、つまりコマンド受信バッファに制御コマンドが格納されているか否かを割り込みごとに監視する。たとえば変動パターンコマンドが受信され、変動パターン指定コードが受信バッファに格納されている場合、コマンド受信処理において、この変動パターン指定コードを読み出し、図示してない演出パターンテーブルを参照して、対応する演出パターンを決定する。
【0190】
次いで、演出シナリオ更新処理(ステップS605)を実行する。この演出シナリオ更新処理では、上記コマンド解析処理(ステップS604)において決定された上記演出シナリオの内容に基づいて、液晶表示装置36を作動させる制御信号(画像演出制御信号)の作成や、ランプやLEDやスピーカ46を作動させる制御信号(発光制御信号や音声制御信号)の作成を行う。そして、作成した上記制御信号をRAM243の所定の格納領域に格納する。また、演出シナリオの進行に伴って上記画像演出制御信号を液晶表示装置36に対して出力するとともに、その画像演出に合わせて音とLEDのための制御信号(発光制御信号や音声制御信号)の出力も行う。
【0191】
上記ステップS605の処理に続いて、上記所定のコマンド格納領域において再生する音データの音声制御信号が有るか否かを判断し(ステップS606)、再生する音データの音声制御信号が有る場合には(ステップS606:YES)、音の再生が必要なタイミングで、サウンドLSIの音声制御信号を入力し、音源ICを通じてスピーカ46から音を出力させる(ステップS607)。これにより、演出シナリオに沿った効果音がスピーカ46から発生される。
【0192】
続いて、LED出力処理を実行する(ステップS608)。このLED出力処理は、上記音声制御信号がサウンドLSIに送信された場合、この情報を受け、対応する演出に伴い発光制御信号を装飾ランプ45やLEDなどに送信し点灯もしくは点滅させて光による演出を実現する。
【0193】
そして、退避したレジスタの内容を復帰させ(ステップS609)、これにより演出制御側タイマ割込処理を終了する。
【0194】
(4−3−1.大当り終了コマンドの受信処理:図23)
図23〜図29は、コマンド解析処理(図22のステップS604)で実行される処理のうち、大当り遊技の終了後に突入する特典遊技と関連性の深いものを示したものである。
【0195】
図23は、大当り終了処理(図19)のステップS462で送信される大当り終了コマンドを受信した場合の処理を示す。この大当り終了コマンドを受信した場合、確変A状態演出の演出シナリオをセットする(ステップS701)。この演出シナリオがセットされると、液晶表示装置36の画面に表示させる背景が確変A状態用の背景に切り替わり、スピーカからは確変A状態用のBGMが流れる。
【0196】
(4−3−2.保留数コマンドの受信処理:図24)
図24は、始動口チェック処理(図9)のステップS315で送信される保留数(加算)コマンド、または特別図柄変動開始処理(図10)のステップS323で送信される保留数(減算)コマンドを受信した場合の処理を示す。これらの保留数コマンドを受信した場合、これに対応する保留数をセットし(ステップS711)、保留表示を更新し(ステップS712)、必要に応じて保留表示の色変化などをなすための演出抽選用乱数をセットする(ステップS713)。
【0197】
(4−3−3.残り確変A回数コマンドの受信処理:図25)
図25は、特別図柄変動開始処理(図10)のステップS327で送信される残り確変A回数コマンドを受信した場合の処理を示す。この残り確変A回数コマンドを受信した場合、演出制御部24は、図25に示すように確変A状態が終了となる残りの変動回数(確変A残り回数)をセットする(ステップS721)。
【0198】
(4−3−4.残り確変回数コマンドの受信処理:図26)
図26は、特別図柄変動開始処理(図10)のステップS325で送信される残り確変回数コマンドを受信した場合の処理を示す。残り確変回数コマンドを受信した場合、図示するように確変状態(特典遊技状態)が終了となる確変残り回数をセットし(ステップS731)、その残り表示数値が「9」以下となるか否か、つまり確変残り回数が10回以下となるか否かを判断する(ステップS732)。ここで「残り表示数値」とは、液晶表示装置36の画面を通じて「99」から「ゼロ(ラスト)」までの数字などの表示で遊技者に報知される確変残り回数であり、これは99からゼロまで順次減算される確変回数カウンタの現在値に対応するものである。残り表示数値が「9」より大きい場合、つまり確変残り回数が11回以上残っている場合は(ステップS732:NO)、何もしないでコマンド受信割込処理を終了する。しかし、残り表示数値が「9」以下となった場合、つまり確変残り回数が10回以下に至った場合は(ステップS732:YES)、液晶表示装置36の画面を通じて、「残り9回」から「ゼロ(ラスト)」までの形で順次に残り回数をカウントダウン表示させ、遊技者に報知する(ステップS733)。
【0199】
(4−3−5.変動パターン指定コマンドの受信処理:図27)
図27は、特別図柄変動パターン設定処理(図11)のステップS342で送信される変動パターン指定コマンドを受信した場合の処理を示す。変動パターン指定コマンドを受信した場合、これに対応する演出パターン、つまり装飾図柄の演出用の変動パターンをセットする(ステップS741)。
【0200】
すなわち変動パターン指定コマンドが受信され、変動パターン指定コードが受信バッファに格納されている場合、コマンド受信処理において、この変動パターン指定コードを読み出し、演出パターンテーブルを参照して、対応する演出パターンを決定する。ここで演出パターンテーブルは、少なくとも変動パターン指定コードと装飾図柄の変動パターンと変動時間とをあらかじめ対応付けて演出パターンとし、1つの変動パターン指定コードごとに複数の演出パターンを対応付けたテーブルである。この演出パターンテーブルを参照することにより、当該変動パターン指定コードに対応する演出パターンを、当該変動パターン指定コードに属する演出パターン群のうちから1つを抽選により選択することで決定する。
【0201】
(4−3−6.図柄指定コマンドの受信処理:図28)
図28は、特別図柄変動開始処理(図10)のステップS331で送信される図柄指定コマンドを受信した場合の処理を示す。この図柄指定コマンドを受信した場合、図示するように、確変A状態が終了するまでの装飾図柄の残り変動回数(残り確変A回数)が最後の1回(変動30回目)であるか否かを判断する(ステップS751)。残り変動回数が2回以上である場合は(ステップS751:NO)、当該変動で停止図柄となる装飾図柄を決定するとともに、演出装置(液晶表示装置36や、ランプやLEDを含む光表示装置45aや、スピーカ46を含む音響発生装置46aや、可動体など)による予告演出を抽選により決定する(ステップS754)。
【0202】
残り変動回数が最後の1回(30回目)に至った場合(ステップS751:YES)、ステップS752に進み、その最後の1回がハズレ変動であるか否かを判断する(ステップS752)。ハズレ変動でない場合は(ステップS752:NO)、それまでと同じく演出装置による停止図柄と予告演出を抽選により決定する(ステップS754)。しかし最後の1回(30回目)がハズレ変動であった場合は(ステップS752:YES)、予告演出は行わずに背景切り替わり演出をセットする(ステップS753)。この背景切り替わり演出により確変B状態への移行が明確に報知される。
【0203】
(4−3−7.変動停止コマンドの受信処理:図29)
図29は、特別図柄変動中処理(図12)のステップS352で送信される変動停止コマンドを受信した場合の処理を示す。この変動停止コマンドを受信した場合、変動停止演出の演出シナリオをセットする(ステップS761)。次いで、残り確変A回数が1回以上である場合は(ステップS762:NO)、ステップS764に進み、残り確変回数が1回でないこと(ステップS764:NO)を確認して処理を終了する。
【0204】
残り確変A回数が1回である場合は(ステップS762:YES)、確変B状態演出の演出シナリオをセットする(ステップS763)。この演出シナリオがセットされると、液晶表示装置36の画面に表示させる背景が確変B状態用の背景に切り替わり、スピーカからは確変B状態用のBGMが流れる。そして、残り確変回数が1回であるか否かをチェックし(ステップS764)、残り確変回数が1回でない場合は(ステップS764:NO)、そのままこの処理を終了する。しかし残り確変回数が1回である場合は(ステップS764:YES)、通常状態演出の演出シナリオをセットし(ステップS765)処理を終了する。
【0205】
この実施形態では、図柄変動の停止時つまり変動停止コマンドを受信した際に、停止演出、確変B状態演出、通常状態演出といった演出状態をセットしているが(ステップS761〜S765)、これらの演出状態のセットは図柄変動の開始時に行うようにしてもよい。
【0206】
<5.具体例:図30>
次に、図30を参照しながら、上記した回数切り確変遊技の具体例について説明する。理解を容易にするため、ここでは99回の図柄変動について不幸にも一度も大当りに当選することなく、確変状態(特典遊技状態)が終了してしまうケースを扱っている。
【0207】
(時刻t1)
図30において、時刻t1は大当り遊技が終了する時点を示している。ここで主制御部20は、図18に示す特別変動入賞装置作動停止中処理において、電動役物動作ステータスを「大当り終了処理中(04H)」に切り替え、エンディング演出時間(たとえば5秒)をセットし、エンディング演出コマンドを送信する(ステップS446〜ステップS448)。
【0208】
次に主制御部20は、図19に示す大当り終了処理において、エンディング演出時間(5秒)の終了後、特図確変状態フラグをONにし(ステップS452)、大当り中フラグをクリアし(ステップS453)、役物連続作動装置作動フラグをOFFにし(ステップS454)、「大当り開始処理中(00H)」に切り替え(ステップS455)、連続回数カウンタをゼロにクリアする(ステップS456)。また確変回数カウンタに初期設定値「99」をセットするとともに(ステップS457)、確変A回数カウンタに初期設定値「30」をセットし(ステップS458)、変動パターン振分けコードによる状態指定を確変A状態(01)に切り替える(ステップS459)。そして大当り終了コマンドを送信する(ステップS462)。
【0209】
上記により、図30に示すように、主制御部20側は「確変A状態」に突入し、また演出制御部24側は「確変A状態演出」を演出装置にて現出する。
【0210】
(時刻t2)
その後、特別図柄始動口34または35に遊技球が入賞し、図9の始動口チェック処理において、保留球数が1加算されて保留加算コマンドが送信され(図9、ステップS313〜ステップS314)、これを演出制御部24が受信して保留数表示が更新される(図24、ステップS711〜ステップS713)。この始動口チェック処理において、特別図柄抽選用乱数(特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄用停止図柄乱数)および変動パターン用乱数値が取得される(図9、ステップS316)。
【0211】
次いで、時刻t2において保留球数が1減算され、保留減算コマンドが送信される(図10、ステップS322〜ステップS323)。この保留減算コマンドを演出制御部24が受信して保留数表示が更新される(図24、ステップS711〜ステップS713)。
【0212】
次いで、確変状態の全期間が終了する残り確変回数(初期値は99回)について「残り確変回数コマンド」が送信される(図10、ステップS325)。また、確変状態の前半区間(確変A状態)が終了する残り確変A回数(初期値は30回)について「残り確変A回数コマンド」が送信される(図10、ステップS327)。この残り確変回数コマンドおよび残り確変A回数コマンドを演出制御部24が受信する(図25のステップS721、図26のステップS731)。これにより、演出制御部24は、確変状態が終了するまでの残り確変回数および残り確変A回数を把握することができ、また必要に応じて遊技者に報知することが可能になる(図26のステップS732〜S733)。
【0213】
次いで、特別図柄変動パターン設定処理(図11)のステップS341において、図7の変動パターン選択テーブルを参照して、変動パターン振分けコード、大当り判定フラグおよび保留球数に応じて、1つの変動パターンを決定する。ここでは確変A状態(変動パターン振分けコード01)かつハズレ時を想定しているので、変動パターン選択テーブルに従い、「1秒の通常変動」の変動パターンが100%の割合で選択される。この「1秒の通常変動」の変動パターン指定コマンドが演出制御部24に送信(ステップS342)されるとともに、特別図柄変動用タイマに図柄変動時間として「1秒」がセットされる(ステップS343)。
【0214】
演出制御部24は、この「1秒の通常変動」の変動パターン指定コマンドを受信すると、これに対応する装飾図柄の変動パターンをセットする(ステップS741)。液晶表示装置36の画面において装飾図柄が、図柄変動時間「1秒」の図柄変動を行う。この図柄変動時間「1秒」という時間長さは、通常状態下で行われる通常変動(リーチなしハズレ変動)の図柄変動時間(5秒〜12秒)よりも短い時間(時短機能付)であり、かつ、確変B状態下での残り69回が行われる図柄変動の変動時間(リーチなしの場合はすべて2秒)よりも短い時間である。したがって、確変A状態下での30回の図柄変動が、毎回「1秒」という短時間で実行されて行くことになる。もちろん、リーチ後にハズレまたは大当りとなる場合には、図7の変動パターン選択テーブルしたがい、これより長い変動時間がセットされることになる。
【0215】
次いで、特別図柄変動開始処理(図10)のステップS329で決定された停止図柄(特別図柄停止図柄)について特別図柄指定コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS331)。演出制御部24は、この図柄指定コマンドを受信した場合、図28の処理においてステップS751からステップS754に進み、当該変動の停止図柄(装飾図柄)と予告演出を抽選により決定し(ステップS754)、これを液晶表示装置36に表示する。これは変動回数29回目まで続くことになる。
【0216】
(時刻t3)
上記図柄変動時間「1秒」が経過すると、特別図柄変動中処理(図12)のステップS351の判断がYESとなり、「変動停止コマンド」が演出制御部24に送信される(ステップS352)。この変動停止コマンドを受信した場合、演出制御部24は停止演出をセットし(ステップS761)、対応する停止演出を現出させる。
【0217】
次いで特別図柄変動中処理(図12)のステップS353において、特別図柄動作ステータスが「特別図柄停止中(03H)」に切り替えられ、変動停止用タイマに「0.5秒」が設定される(ステップS353)。
【0218】
上記変動停止用のタイマ時間「0.5秒」が経過すると、特別図柄変動停止中処理(図13)において、特別図柄動作ステータスが「特別図柄待機中(01H)」に切り替えられる(ステップS362)。ここでは停止図柄が大当り図柄と一致しないケースを扱っているので(ステップS363NO)、プログラムはステップS363からステップS366に進む。ここで確変回数カウンタには99回がセットされているので、ステップS366の判断がNOとなり、確変回数カウンタの値を1減算する(ステップS367)。減算後の確変回数カウンタの値は「98」であり、まだゼロでないので、ステップS368からステップS371に進み、確変A回数カウンタの値がゼロとなっているか否かを判断する(ステップS371)。確変A回数カウンタの値は初期値「30」のままであり、まだゼロではないので(ステップS371:NO)、ステップS372に進み、確変A回数カウンタの値を1減算する(ステップS372)。減算後の確変A回数カウンタの値は「29」でありゼロではないので(ステップS373:NO)、変動パターン振分けコード01の指定状態(確変A状態)を維持したまま特別図柄変動停止中処理を抜ける。
【0219】
(時刻t3〜t4)
上記した1回目の図柄変動の場合と同じ処理が変動回数29回目まで繰り返されて行く。
【0220】
(時刻t4)
変動回数30回目(確変A状態の変動回数が残り1回)に至った場合、図28の図柄指定コマンド受信処理において、ステップS751の判断がYESとなり、ステップS752に進み、その最後の1回がハズレ変動であるか否かを判断する(ステップS752)。ここでは毎回の図柄変動がハズレ変動である場合を扱っており、最後の1回(30回目)もハズレ変動であるので、ステップS752からステップS753へ進み、背景切り替わり演出がセットされ(ステップS753)、液晶表示装置36の画面における背景が切り替えられる。これにより確変B状態への移行が明確に遊技者に報知される。
【0221】
(時刻t5)
変動回数30回目(確変A状態の変動回数が残り1回)のハズレ変動について、その図柄変動時間「1秒」が経過すると、時刻t5において、特別図柄変動中処理(図12)のステップS351の判断がYESとなり、「変動停止コマンド」が演出制御部24に送信される(ステップS352)。演出制御部24は、この変動停止コマンドを受信すると、変動停止演出をセットし(ステップS761)、対応する変動停止演出を現出させる。次いで、残り確変A回数が「残り1回」になると(ステップS762:YES)、ステップS763に進み、確変B状態演出をセットする(ステップS763)。これにより図30に示すように、液晶表示装置36の画面による演出モードが、確変A状態演出から確変B状態演出に切り替わる。
【0222】
また変動回数30回目(確変A状態の変動回数が残り1回)のハズレ変動時間が終了し、特別図柄変動停止中処理(図13)のステップS361において変動停止用タイマ時間「0.5秒」が経過すると(ステップS371:YES)、ステップS362に進み、特別図柄動作ステータスが「特別図柄待機中(01H)」に切り替えられる(ステップS362)。次に、ステップS363からステップS366に進み、確変回数カウンタの値がゼロ(99回目)に至っているか否かを判断する。ここで確変回数カウンタの値はまだゼロ(99回目)でないので、ステップS366の判断がNOとなり、確変回数カウンタの値を1減算する(ステップS367)。次いで減算後の確変回数カウンタの値がゼロか否かを判断する(ステップS368)。減算後の確変回数カウンタの値は「69」であり、まだゼロでないので、ステップS368からステップS371に進み、確変A回数カウンタの値がゼロとなっているか否かを判断する(ステップS371)。確変A回数カウンタの値は「1」となっており、まだゼロではないので(ステップS371:NO)、ステップS372に進み、確変A回数カウンタの値を1減算する(ステップS372)。減算後の確変A回数カウンタの値はゼロとなるので(ステップS373:YES)、変動パターン振分けコードによる状態指定を確変B状態(02)に切り替えて(ステップS374)、特別図柄変動停止中処理を抜ける。これにより主制御部20の確変状態(特典遊技状態)は、確変A状態から確変B状態(変動回数31回目〜99回目)に突入する。
【0223】
(時刻t6)
その後、時刻t6において保留減算コマンドが送信され(図10、ステップS322〜ステップS323)、この保留減算コマンドを演出制御部24が受信して保留数表示が更新される(図24、ステップS711〜ステップS713)。
【0224】
次いで、残り69回の「残り確変回数コマンド」が送信される(図10、ステップS325)。また残りゼロ回の「残り確変A回数コマンド」が送信される(図10、ステップS327)。この残り確変回数コマンドおよび残り確変A回数コマンドを演出制御部24が受信する(図25のステップS721、図26のステップS731)。これにより、演出制御部24は、確変状態が終了するまでの残り確変回数を把握し、必要に応じて遊技者に報知することが可能になる(図26のステップS732〜S733)。
【0225】
次いで、特別図柄変動パターン設定処理(図11)のステップS341において、図7の変動パターン選択テーブルを参照し、変動パターン振分けコード、大当り判定フラグおよび保留球数に応じて、1つの変動パターンを決定する。ここでは確変B状態(変動パターン振分けコード02)かつハズレ時を想定しているので、変動パターン選択テーブルに従い、「2秒の通常変動」の変動パターンが239分の234の割合で選択される。この「2秒の通常変動」の変動パターン指定コマンドが演出制御部24に送信され(ステップS342)、「2秒」が図柄変動時間として特別図柄変動用タイマにセットされる(ステップS343)。
【0226】
演出制御部24は、この「2秒の通常変動」の変動パターン指定コマンドを受信した場合、これに対応する装飾図柄の変動パターンをセットする(ステップS741)。液晶表示装置36の画面において装飾図柄が、図柄変動時間「2秒」の図柄変動を行う。この図柄変動時間「2秒」という時間長さは、通常状態(変動パターン振分けコード00)下で行われる通常変動の図柄変動時間(5秒〜12秒)よりも短い時間であり、かつ、確変A状態下での30回が行われる図柄変動の変動時間(リーチなしの場合はすべて1秒)よりは長い時間である。したがって、確変B状態は、確変A状態下での30回の図柄変動の二倍の長さである「2秒」という変動時間で実行されて行くことになる。もちろん、リーチ後にハズレまたは大当りとなる場合には、図7の変動パターン選択テーブルしたがい、これより長い変動時間がセットされることになる。
【0227】
次いで、特別図柄変動開始処理(図10)のステップS329で決定された特別図柄停止図柄について特別図柄指定コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS331)。演出制御部24は、この図柄指定コマンドを受信した場合、図28の処理においてステップS751からステップS754に進み、当該変動の停止図柄(装飾図柄)と予告演出を抽選により決定し(ステップS754)、これを液晶表示装置36にて表示する。これは変動回数99回目まで続くことになる。
【0228】
(時刻t7)
上記図柄変動時間「2秒」が経過すると、特別図柄変動中処理(図12)のステップS351の判断がYESとなり、「変動停止コマンド」が演出制御部24に送信される(ステップS352)。この変動停止コマンドを受信した場合、演出制御部24は停止演出をセットし(ステップS761)、対応する停止演出を現出させる。
【0229】
次いで特別図柄変動中処理(図12)のステップS353において、特別図柄動作ステータスが「特別図柄停止中(03H)」に切り替えられ、変動停止用タイマに「0.5秒」が設定される(ステップS353)。この特別図柄停止用のタイマ時間「0.5秒」が経過すると、特別図柄変動停止中処理(図13)において、特別図柄動作ステータスが「特別図柄待機中(01H)」に切り替えられる(ステップS362)。
【0230】
次いで停止図柄が大当り図柄であるか否かを判断する(ステップS363)。ここではハズレ図柄が停止するケースを扱っているので、プログラムはステップS363からステップS366に進み、確変回数カウンタがゼロか否かを判断する。ここで確変回数カウンタの値は69回となっているので、ステップS366の判断がNOとなり、確変回数カウンタの値を1減算する(ステップS367)。そして減算後の確変回数カウンタの値がゼロであるか否かを判断する(ステップS368)。
【0231】
減算後の確変回数カウンタの値は「68」であり、まだゼロでないので、ステップS368からステップS371に進み、確変A回数カウンタの値がゼロとなっているか否かを判断する(ステップS371)。確変A回数カウンタの値は「0」であるので(ステップS371:NO)、ステップS372〜S374の処理を行わずに、変動パターン振分けコード02の指定状態(確変B状態)を維持したまま特別図柄変動停止中処理を抜ける。
【0232】
(時刻t7〜t8)
時刻t7より後で確変B状態の途中の時刻t8までは、上記した1回目の図柄変動の場合と同じ処理が変動回数29回目まで繰り返されて行く。この途中の時刻t8は、確変残り回数が残り10回となった図柄変動の開始時を示している。
【0233】
演出制御部24は、図26の処理において、特別図柄変動開始処理(図10)のステップS325で送信される残り確変回数コマンドを受信するたびに確変残り回数をセットし(ステップS731)、その残り表示数値が「9」以下となるか否か、つまり確変残り回数が10回以下となるか否かをチェックしている(ステップS732)。残り表示数値が「9」(確変残り回数10回)になった場合は(ステップS732:YES)、液晶表示装置36の画面に「残り9回」を表示する。
【0234】
この様にして、残り表示数「9」〜「0」(確変残り回数10回〜ゼロ回)の各図柄変動について、残り表示数「9」から「ラスト」までの画像表示で、順次に残り回数をカウントダウン表示させ、遊技者に報知する(ステップS733)。
【0235】
(時刻t9〜t10)
時刻t9にて図柄変動が変動回数99回目(確変B状態の変動回数が残り1回)に至る。
【0236】
この変動回数99回目のハズレ変動について、図柄変動時間「2秒」が経過すると、時刻t10において、特別図柄変動中処理(図12)のステップS351の判断がYESとなり、「変動停止コマンド」が演出制御部24に送信される(ステップS352)。演出制御部24は、この変動停止コマンドを受信すると、変動停止演出をセットし(ステップS761)、対応する変動停止演出を現出させる。次いで、ステップS762から直接にステップS764に進み、残り確変B回数が1回であるか否かを判断する(ステップS764)。残り確変B回数は1回であるので(ステップS764:YES)、ステップS765に進み、通常状態演出をセットする(ステップS765)。これにより図30に示すように、液晶表示装置36の画面による演出モードが、確変B状態演出から通常状態演出に切り替わる。
【0237】
また変動回数99回目(確変B状態の変動回数が残り1回)のハズレ変動が停止して変動停止用時間「0.5秒」が経過すると、特別図柄変動停止中処理(図13)において、特別図柄動作ステータスが「特別図柄待機中(01H)」に切り替えられる(ステップS362)。
【0238】
図13のプログラムはステップS363からステップS366に進む。ここで確変回数カウンタの値はまだゼロ(99回目)でないので、ステップS366の判断がNOとなり、確変回数カウンタの値を1減算する(ステップS367)。減算後の確変回数カウンタの値は「0」であるので、ステップS368からステップS369に進み、特図確変状態フラグをOFFに戻す。また変動パターン振分けコードの状態指定を通常状態(00)に戻す(ステップS370)。これにより図30に示すように、確変状態(特典遊技状態)は終了し、通常の低確率状態に移行する。
【0239】
<変形例>
上記実施形態では、遊技領域3aの左側を遊技球が流下する遊技盤を例にして説明したが、特典遊技状態に突入した場合は遊技領域3aの右側に遊技球を流下させる、いわゆる右打ち遊技を楽しめるように構成することもできる。
【0240】
図31は、いわゆる右打ち遊技により確変状態(特典遊技状態)を楽しむことができる遊技盤の構成例を示したものである。この例においては、いわゆるゲート(普通図柄始動口37)と特別図柄始動口35とを右側に移動させ、新たに第2特別変動入賞装置42を右側に追加した構成となっている。この遊技盤3の遊技領域3aの右側に飛翔する遊技球が、右側の普通図柄始動口37を通過することで、その下方に位置するチューリップ型の特別図柄始動口35の可動翼片47が抽選により非常に高い当選確率で開く。そして、この開いた特別図柄始動口35に遊技球が入賞し、特別図柄変動表示ゲームにて大当りに当選することで、右側の第2特別変動入賞装置42の開放扉42bが開放され、その大入賞口40に遊技球が入賞する、という構成である。
【0241】
また、図2の遊技盤の構成における普通図柄始動口37と下始動口35とをそのまま残した状態において、第2普通図柄始動口37と第2特別図柄始動口35と第2特別変動入賞装置42とを右側に追加し、この右側の第2普通図柄始動口37を遊技球が通過することで、第2特別図柄始動口35の可動片47が開く構成とすることも出きる。
【0242】
また、図2の遊技盤の構成における普通図柄始動口37とチューリップ型の特別図柄始動口(下始動口)35とをそのまま残した状態において、第2普通図柄始動口37と第2特別変動入賞装置42だけを右側に追加し、チューリップ型の下始動口35については中央に位置するものを利用する構成とすることもできる。すなわち、(特典遊技状態)に突入した場合、右側の第2普通図柄始動口37を遊技球が通過することで、下始動口35の可動片47が開くとともに、右側を流下する遊技球を下始動口35へ導く入賞経路が、釘や可動片47や突没部材などの連係により新たに形成されて、特別図柄始動口35へ入賞し易くなるように構成する。そして特別図柄変動表示ゲームで大当りに当選した場合は右側の第2特別変動入賞装置42を開放状態とし、その大入賞口40に遊技球が入賞するように構成する。
【0243】
上記実施形態では、確変状態の合計99回の変動回数のうち30回を前半とし残りの69回を後半としたが、このような割合に限定されるものではなく、確変状態の期間は、図柄変動を単位とし、図柄変動の任意の実行回数値を境として前後の区間に分けることができる。
【0244】
また上記実施形態では、確変A状態から確変B状態へ切り替わる時期ないし条件を図柄変動の変動回数に基づいて定めたが、本発明はこれに限定されるものではなく、確変A状態から確変B状態への切り替わり時期ないし条件を抽選により決定してもよい。
【0245】
また上記実施形態では、特典遊技状態の後半区間である確変B状態の途中から、特典遊技状態が終了となる残り変動回数のカウントダウン表示を行っているが、特典遊技状態の前半区間である確変A状態の途中から、つまり確変A状態から確変B状態に切り替わる前の所定の変動回数目から、カウントダウン表示を開始してもよい。
【0246】
また図7に示した変動パターン選択テーブルは一例であって、適宜変更することができる。たとえば図7の場合、確変A状態中のハズレ時には、確変A状態専用の「1秒の通常変動」として示したリーチ無しハズレ変動パターン(1秒変動パターン)のみが選択されるものとしているが、この1秒変動パターン以外に、確変B状態専用の「2秒の通常変動」として示したリーチ無しハズレ変動パターン(2秒変動パターン)が選択され、あるいは更にリーチハズレ1〜10として示したリーチ有りハズレ変動パターンなどが選択されるようにしてもよい。ただし、これらの2秒変動パターンやリーチハズレ1〜10などのハズレ変動パターンについては、確変A状態中において選択される割合を、確変B状態中において選択される割合よりも低く設定する。こうすることで、特典遊技状態の期間全体として平均的に、特典遊技状態の前半区間における図柄の変動時間を、後半区間における図柄の変動時間よりも相対的に短くなるように変動パターンを規定することができる。
【0247】
また図7の場合、確変A状態中の当り時にはリーチ当り11〜15が選択されるものとしているが、確変A状態中の当り時には追加的にリーチ当り1〜10が選択されるようにしてもよい。ただし、これらのリーチ当り1〜10の当り変動パターンを含める場合も、同様に、確変A状態中において当該当り変動パターンが選択される割合を、確変B状態中において選択される割合よりも低く設定する。こうすることで、特典遊技状態の期間全体として平均的に、特典遊技状態の前半区間における図柄の変動時間を、後半区間における図柄の変動時間よりも相対的に短くなるように変動パターンを規定することができる。
【0248】
また大当りを連荘して行く際の出球増加速度を高めるという観点から、大当り時のオープニング演出時間を、確変A状態から大当りしたときの方が確変B状態から大当りしたときよりも短くなるように設定してもよい。エンディング演出時間についても同様である。
【0249】
この場合はたとえば次の(a)、(b)ような形態とする。
【0250】
(a)始動条件が成立したことを契機として遊技者に有利な特別遊技状態を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(S328)と、
上記抽選手段による抽選結果に基づいて、少なくとも上記表示手段に変動表示させる図柄の変動時間に関してあらかじめ定められた複数種類の変動パターン(通常変動、リーチハズレ、リーチ当りの変動パターン群)の中からいずれかを選択的に決定する変動パターン決定手段(S341〜S343)と、
上記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づいて上記表示手段に所定の図柄を変動表示および停止表示させる図柄表示制御手段(S209、S306〜S308)と、
上記表示手段に特別な態様で図柄が停止表示されることを条件に、上記特別遊技状態を遊技者に付与する特別遊技状態付与手段(S210)と、
上記特別遊技状態が終了したことに基づき、上記図柄の変動回数が所定の上限回数に達するまでの間、通常の遊技状態よりも上記特別遊技状態への移行が容易である特典遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(S452、S459、S370、S374)と、を有し、
上記変動パターン決定手段は、上記遊技状態移行手段により上記特典遊技状態に移行されている期間の前半区間(確変A状態)における図柄の変動時間(図7:コード01の外れ時に属する「1秒の確変A専用の通常変動パターン」)が、上記特典遊技状態の後半区間(確変B状態)における図柄の変動時間(図7:コード02に属する変動パターン)よりも相対的に短くなるように上記変動パターンを規定している、弾球遊技機を前提とし、
上記特別遊技状態付与手段(S210)は、遊技球が入賞し易い入賞口を開放可能に構成した変動入賞装置(特別変動入賞装置42)と、この変動入賞装置の作動に関する制御を行う変動入賞装置管理手段(S403〜S407)とを有し、
上記変動入賞装置管理手段は、上記抽選手段による抽選に当選した場合、上記特別遊技状態として、当該特別遊技状態の開始を告げるオープニング演出の実行(S411〜S414)と、上記変動入賞装置を所定パターンで開放するラウンド遊技の実行(S421〜S424、S431〜S439)と、当該特別遊技状態の終了を告げるエンディング演出の実行(S446〜S448)とを制御し、
このうち少なくとも上記オープニング演出を実行するためのオープニング演出時間については、上記前半区間(確変A状態)において上記抽選手段による抽選に当選した場合に実行するオープニング演出時間を、上記後半区間(確変B状態)において上記抽選手段による抽選に当選した場合に実行するオープニング演出時間よりも短く設定する(図15のステップS413にて行う)。具体的には図15のステップS413において、現在の変動パターン振分けコードを参照し(大当り当選時の変動パターン振分けコード)、変動パターン振分けコード002(確変B状態)であればエンディング演出時間をたとえば10秒に設定するが、変動パターン振分けコード001(確変A状態)であればオープニング演出時間をたとえば5秒と短縮した値に設定する。このようにするとオープニング演出時間が短縮される分だけ上記前半区間(確変A状態)を消化する時間が短くなり、大当りを連荘して行く際の出球増加速度を高めることができる。
【0251】
(b)上記(a)の弾球遊技機において、少なくとも上記エンディング演出を実行するためのエンディング演出時間については、上記前半区間(確変A状態)において上記抽選手段による抽選に当選した場合に実行するエンディング演出時間を、上記後半区間(確変B状態)において上記抽選手段による抽選に当選した場合に実行するエンディング演出時間よりも短く設定する(図18のステップS447にて行う)。具体的には図18のステップS447において、現在の変動パターン振分けコード(大当り当選時の変動パターン振分けコード)を参照し、変動パターン振分けコード002(確変B状態)であればエンディング演出時間をたとえば5秒に設定するが、変動パターン振分けコード001(確変A状態)であればエンディング演出時間をたとえば3秒と短縮した値に設定する。このようにするとエンディング演出時間が短縮される分だけ上記前半区間(確変A状態)を消化する時間が短くなり、大当りを連荘して行く際の出球増加速度を高めることができる。
【0252】
また上記実施形態では、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する「確変状態(確変中)」に対し、その期間を前半と後半に区分したが、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する「時短状態(時短中)」に対し適用し、その期間を前半と後半とに分け、その前半区間における図柄の変動時間を後半区間における図柄の変動時間よりも相対的に短くまたはその逆に設定する構成とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0253】
本発明は、図柄の変動回数が所定の上限値に達したことを条件に高確率状態などの特典遊技状態が終了する回数切りタイプの弾球遊技機に適用することができる。
【符号の説明】
【0254】
1 パチンコ遊技機、
2 前面枠、
3 遊技盤、
3a 遊技領域、
4 外枠、
5 球誘導レール、
6 ガラス扉枠、
7 前面操作パネル、
8 上受け皿ユニット、
9 上受け皿、
11 球貸しボタン、
12 カード返却ボタン、
13 枠演出ボタン、
14 球抜きボタン、
15 発射操作ハンドル、
19 遊技球払出装置、
20 主制御部、
24 演出制御部、
28 発射制御基板、
29 払出制御基板、
31 電源基板、
32 発射装置、
34 上始動口(特別図柄始動口)、
35 下始動口(特別図柄始動口)、
36 液晶表示装置、
37 普通図柄始動口、
38 特別図柄表示装置、
39 普通図柄表示装置、
40 大入賞口、
41 普通変動入賞装置、
42 特別変動入賞装置、
43 一般入賞口、
44 風車、
45 装飾ランプ、
45a 光表示装置、
46 スピーカ、
46a 音響発生装置、
47 可動翼片、
48 センター飾り、
49 アウト口、
201 主制御CPU、
202 主制御ROM、
203 主制御RAM、
241 演出制御CPU、
242 演出制御ROM、
243 演出制御RAM。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動条件が成立したことを契機として遊技者に有利な特別遊技状態を付与するか否かの抽選を行う抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、少なくとも図柄表示手段に変動表示させる図柄の変動時間に関してあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中からいずれかを選択的に決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づいて前記図柄表示手段に所定の図柄を変動表示および停止表示させる図柄表示制御手段と、
前記図柄表示手段に特別な態様で図柄が停止表示された後、前記特別遊技状態を遊技者に付与する特別遊技状態付与手段と、
前記特別遊技状態が終了したことに基づき、前記図柄の変動回数が所定の上限回数に達するまでの間、少なくとも前記始動条件の成立頻度が通常の遊技状態よりも向上する高ベース遊技状態を付与する特典遊技状態付与制御手段と、を有し、
前記高ベース遊技状態の期間の下で前記変動パターン決定手段により選択的に決定される変動パターンについて、前記特典遊技状態付与制御手段により前記高ベース遊技状態が付与された後、前記図柄の変動回数が所定の変動回数に達するまでの第1の期間と、その第1の期間終了後の第2の期間とにおいて、当該第1の期間における図柄の変動時間が、当該第2の期間における図柄の変動時間よりも相対的に短くなるように規定され、かつ当該第1の期間が当該第2の期間よりも短い期間となるように構成された、
ことを特徴とする弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2013−99634(P2013−99634A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−38054(P2013−38054)
【出願日】平成25年2月27日(2013.2.27)
【分割の表示】特願2010−19847(P2010−19847)の分割
【原出願日】平成22年1月31日(2010.1.31)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】