説明

形状記憶ポリマーから構成されるガイドカテーテル

【課題】ガイドカテーテルを提供する。
【解決手段】ガイドカテーテルは、脈管構造を通って標的部位までのガイドカテーテルの送達中、及び標的部位及び脈管構造からのガイドカテーテルの取り外し中に、所望に応じてガイドカテーテルの広範な特性を提供するために、第1及び第2の形態若しくは状態の間、又は3つの形態若しくは状態間を動的に転換することができる形状記憶ポリマーから形成された管状区分を含む。形状記憶ポリマーの形態若しくは状態は動的に変化させられて、温度変化、電界、磁場、光の波長、及び化学溶液に対する形状記憶ポリマーの曝露によって制御され得る管状区分の特性、例えば剛性、柔軟性、形状、又は生分解性を変える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その開示内容全体をここに援用するものである米国特許仮出願第61/414,577号(2010年11月17日出願)に基づき、これに対する優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、概してガイドカテーテル、より具体的には、ガイドカテーテルの少なくとも一部分の剛性、柔軟性、又は形状を制御するための形状記憶ポリマーの使用に関する。
【0003】
ガイドカテーテルは、例えば患者の心臓若しくは頸動脈おいてなど、患者の脈管構造における血管を突き止め、これにカニューレを挿入するための神経若しくは心臓デバイスの静脈造影及び埋め込みを含む、様々な医療処置において採用されているカテーテルである。小さな回旋状の血管は、脈管構造を通じて目的の血管内へと、小径の可撓性ガイドの操縦を必要とする。いったん目的の血管に到達すると、ガイドカテーテルは典型的に、治療用デバイスを血管内に挿入するための導管として機能する。予備成形ガイドカテーテルは典型的に、椎骨動脈又頚動脈をスキャン(blindly locate)するために使用される。この試みはしかしながら、椎骨又は頸動脈がある患者から他の患者まで、特に血管疾患を有する患者間で大きく異なる場合があり、医師は高い頻度で、脈管構造内への更なるアクセスを得る必要があるという事実によって複雑である。
【0004】
固定形状のカテーテルは、経路が著しく回旋状でなく、経路が患者間で著しく偏差しない多くの場合において適切である。構造的異常又は有意な変動が存在する状況では、固定形状のカテーテルの使用は、潜在的なばらつきを占めるために複数のサイズ及び形状のカテーテルを、臨床医が蓄えることを求める場合がある。固定形状のカテーテルは、目的地の血管がうまくアクセスされるまで、異なる形状を挿入し、取り外すという時間のかかる試験及びエラープロセス必要とする場合がある。
【0005】
例えば、目標構造体に関連する解剖学的な変動及び欠陥を動的に占めることができ、並びに、標的部位における治療を支持するため及び標的部位及び脈管構造からの除去のために、脈管構造を通じて送達するために必要に応じて、第1の形態若しくは状態と第2の形態若しくは状態との間で動的に転換することができる、神経血管における小さな又は旋回状の血管などの血管にアクセスするための、改善されたガイドカテーテルへの必要性が存在する。標的部位における治療支持するため及び標的部位及び脈管構造からの取り外しのために、脈管構造を通じた送達のために、必要に応じて、第1、第2、及び第3の形態若しくは状態の間で動的に転換することができる、神経血管における欠陥にアクセスするための改善されたガイドカテーテルへの必要性も存在する。本発明はこれら及び他の必要性を満たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
簡潔に、かつ一般的な用語では、本発明は、脈管構造を通って標的部位までのガイドカテーテルの送達中、及び標的部位及び脈管構造からのガイドカテーテルの取り外し中に、所望に応じてガイドカテーテルの広範な特性を提供するために、第1及び第の形態若しくは状態の間、又は3つの形態若しくは状態間を動的に転換することができる形状記憶ポリマーから形成された管状区分を含むガイドカテーテルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はしたがって、近位部分及び遠位部分を有する近位管状本体と、近位部分及び遠位部分を有する遠位管状区分と、近位部分及び遠位部分を有する中間管状区分と、を含む、ガイドカテーテルを提供する。中間管状区分は、近位管状本体と中間管状区分との間で接続され、共通ルーメンは近位管状本体、中間管状区分、及び遠位管状区分を相互接続し、かつこれらを通って延びる。中間管状区分は有利なことに、1つ又は2つ以上の特性の第1のセットを有する第1の形態若しくは状態と、1つ又は2つ以上の特性の対応する第2のセットを有する第2の形態若しくは状態と、を有する形状記憶ポリマーから形成され、これらのうちの少なくとも1つは、1つ又は2つ以上の特性の第1のセットとは異なる。
【0008】
現在好ましい態様では、第1の形態若しくは状態は、中間管状区分の第1の剛度を含み、第2の形態若しくは状態は、中間管状区分の第2の剛度を含み、中間管状区分の第2の剛度は、中間管状区分の第1の剛度より大きい。他の現在好ましい態様では、第1の形態若しくは状態は、中間管状区分の第1の柔軟度を含み、第2の形態若しくは状態は、中間管状区分の第2の柔軟度を含み、中間管状区分の第1の柔軟度は、中間管状区分の第2の柔軟度より大きい。他の現在好ましい態様では、第1の形態若しくは状態は、中間管状区分の第1の形状を含み、第2の形態若しくは状態は、中間管状区分の第1の形状とは異なる第2の形状を含む。第1の形状は、中間管状区分の所定の角度構成を提供する湾曲した形状であってもよく、一方で、第2の形状は、例えば実質的に直線状であってもよい。他の現在好ましい態様では、中間管状区分は、第1の形態若しくは状態におけるよりも、第2の形態若しくは状態において相対的により生分解性である。
【0009】
他の現在好ましい態様では、第1の形態若しくは状態と第2の形態若しくは状態との間の形状記憶ポリマーの遷移は、温度変化に対する形状記憶ポリマーの曝露によって誘導され、これによって形状記憶ポリマーは、第1の所定の温度範囲にさらされたときに第1の形態若しくは状態にあり、形状記憶ポリマーは、第2の温度範囲にさらされたときに第2の形態若しくは状態にある。あるいは、第1の形態若しくは状態から第2の形態若しくは状態までの間の形状記憶ポリマーの遷移は、1つ又は2つ以上の所定の温度範囲に対する形状記憶ポリマーの曝露、1つ又は2つ以上の所定の電界への形状記憶ポリマーの曝露、1つ又は2つ以上の所定の磁場への形状記憶ポリマーの曝露、1つ又は2つ以上の所定の光の波長への形状記憶ポリマーの曝露、1つ又は2つ以上の所定の化学溶液への形状記憶ポリマーの曝露、あるいはこれらの組み合わせによって誘導され得る。
【0010】
他の現在好ましい態様では、形状記憶ポリマーは第3の形態若しくは状態、例えば中間管状区分の第1及び第2の形状とは異なる第3の形状を有するが、第3の形態若しくは状態はまた、第1の形態若しくは状態及び第2の形態若しくは状態に対応する、剛性、柔軟性、形状、及び生分解性、並びにこれらの組み合わせから選択される1つ又は2つ以上の特性のセットを含んでもよい。第1、第2、及び第3の形態若しくは状態の間の形状記憶ポリマーの遷移は、複数の所定の温度範囲に対する形状記憶ポリマーの曝露、複数の所定の電界に対する形状記憶ポリマーの曝露、複数の所定の磁場に対する形状記憶ポリマーの曝露、複数の所定の光の波長に対する形状記憶ポリマーの曝露、複数の所定の化学溶液に対する形状記憶ポリマーの曝露、又はこれらの組み合わせによって誘導され得る。
【0011】
本発明の他の特徴及び利点は、例として本発明の操作を例示する付属の図と共に好ましい実施形態の以下の詳細な説明から、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】中間管状区分の第1の形態若しくは状態を図示する、本発明によるガイドカテーテルの斜視図。
【図2】中間管状区分の第2の形態若しくは状態を図示する、図1のガイドカテーテルの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
例として、かつ限定としてではなく提供されている図面を参照して、本発明は、近位部分14及び遠位部分16を有する、近位管状本体12と、近位部分20及び遠位部分22を有する、遠位管状区分18と、近位部分26及び遠位部分28を有する、中間管状区分24と、含む、ガイドカテーテル10を提供する。中間管状区分の近位部分は、近位管状本体の遠位部分に接続され、中間管状区分の遠位部分は、遠位管状区分の近位部分に接続され、共通ルーメン30は、近位管状本体、中間管状区分、及び遠位管状区分を相互接続し、これらを通じて延びる。現在好ましい態様では、中間管状区分は有利なことに、例えば図1に図示されているように、中間管状区分の所定の角度構成を提供する第1の形態若しくは状態32(例えば湾曲形状若しくは状態32)と、例えば図2に図示されている中間管状区分の実質的に直線状な形態など、第2の形態若しくは状態34と、を有する、形状記憶ポリマーで形成される。
【0014】
殆どの形状記憶ポリマーは2つの形状を保持することができ、これらの間の遷移は温度によって誘導される。いくつかの最近の形状記憶ポリマーでは、特定の遷移温度まで加熱することは、3つの異なる形状までの固定を可能にする。温度変化に加えて、形状記憶ポリマーの形状変化は、電界、磁場、光、又は溶液によって引き起こすこともできる。形状記憶ポリマーはまた、第1及び第2の異なる形態若しくは状態の間で、又は3つの異なる形態若しくは状態の間で、例えば安定から生分解性へ、軟調から硬調へ、弾性から剛性へなど、形状記憶ポリマーを構成する構造ユニットに応じて、変化することができる多種多様の他の特性を有することもできる。本発明に使用され得る形状記憶ポリマーには、熱可塑性及び熱硬化性(共有結合架橋)高分子材料が挙げられる。
【0015】
広くは、本発明のガイドカテーテルの特性及び/又は形状の動的遷移は、例えば非常に遠位の血管のために非常に柔軟なデバイスから、支持のための、より堅い状態まで、一方で標的部位において、例えばデバイスの取り外しのためにより柔軟な状態に戻るなど、ガイドカテーテルの有用な特性を変える能力を、ガイドカテーテルに提供する。
【0016】
第1及び第2の形態若しくは状態は、1つ又は2つ以上の特性、例えば第1及び第2の剛度、柔軟度、生分解度、又は形状などを包含することができるが、中間管状区分の特性の他の同様な変化もまた好適であり得る。典型的に、第1及び第2の形態若しくは状態は、第1及び第2の剛度を含むとき、中間管状区分の第2の剛度は、中間管状区分の第1の剛度より大きい。同様に、第1及び第2の形態若しくは状態は、第1及び第2の柔軟度を含むとき、中間管状区分の第1の柔軟度は、中間管状区分の第2の柔軟度より大きい。中間管状区分はまた、第1の形態若しくは状態において相対的に生分解性である又は安定しているように、及び第1の形態若しくは状態におけるよりも、第2の形態若しくは状態において相対的により生分解性であるように作製されてもよい。同様に、第1及び第2の形態若しくは状態が第1及び第2の形状を含むときに、第1の形状は中間管状区分の所定の角度構成を提供する湾曲した形状であってもよく、その一方で第2の形状は、例えば図1及び2に図示されるように、実質的に直線状であってもよい。
【0017】
第1の形態若しくは状態から第2の形態若しくは状態までの間の形状記憶ポリマーの遷移は、例えば、電界若しくは磁場での温度変化における変化に対する形状記憶ポリマーの曝露によって、異なる波長の光、化学溶液、又はこれらの組み合わせ、あるいは形状記憶ポリマーの特性に影響を及ぼし得る形状記憶ポリマーのための、他の同様な動的で制御可能な環境に対する曝露によって誘導され得る。第1の形態若しくは状態と第2の形態若しくは状態との間の遷移が、温度変化に対する形状記憶ポリマーの曝露によって誘導され得るときに、形状記憶ポリマーは典型的に、第1の所定の温度範囲にさらされたときに第1の形態若しくは状態にあり、形状記憶ポリマーは、第1の温度範囲とは異なる第2の所定の温度範囲にさらされたときに第2の形態若しくは状態にある。同様に、第1の形態若しくは状態から第2の形態若しくは状態までの間の形状記憶ポリマーの遷移が、所定の電界に対する形状記憶ポリマーの曝露によって誘導され得るときに、形状記憶ポリマーは典型的に、第1の所定の電界にさらされたときに第1の形態若しくは状態にあり、第1の所定の電界とは異なる第2の所定の電界にさらされたときに形状記憶ポリマーは第2の形態若しくは状態にある。同様に、第1の形態若しくは状態から第2の形態若しくは状態までの間の形状記憶ポリマーの遷移が、所定の磁場に対する形状記憶ポリマーの曝露によって誘導され得るときに、形状記憶ポリマーは典型的に、第1の所定の磁場にさらされたときに第1の形態若しくは状態にあり、形状記憶ポリマーは、第1の所定の磁場とは異なる第2の所定の磁場にさらされたときに第2の形態若しくは状態にある。
【0018】
同様に、第1の形態若しくは状態から第2の形態若しくは状態までの間の形状記憶ポリマーの遷移が、所定の光の波長に対する形状記憶ポリマーの曝露によって誘導され得るときに、形状記憶ポリマーは典型的に、第1の所定の光の波長にさらされたときに第1の形態若しくは状態にあり、形状記憶ポリマーは、第1の所定の光の波長とは異なる第2の所定の光の波長にさらされたときに第2の形態若しくは状態にある。
【0019】
同様に、第1の形態若しくは状態から第2の形態若しくは状態までの間の形状記憶ポリマーの遷移が、所定の化学溶液に対する形状記憶ポリマーの曝露によって誘導され得るときに、形状記憶ポリマーは典型的に、第1の所定の化学溶液にさらされたときに第1の形態若しくは状態にあり、形状記憶ポリマーは、第1の所定の電界とは異なる第2の所定の化学溶液にさらされたときに第2の形態若しくは状態にある。
【0020】
形状記憶ポリマーは、例えば第1及び第2の剛度、柔軟度、生分解度、又は形状(例えば、中間管状区分の第1及び第2の形状とは異なる第3の形状)など、第1及び第2のセットの特性に対応する1つ又は2つ以上の特性の第3のセットを包含することができる、第3の形態若しくは状態を有することもできるが、中間管状区分の他の同様な特性の変化もまた好適であってもよい。第1、第2、及び第3の形態若しくは状態の間の形状記憶ポリマーの遷移は、温度変化に対する形状記憶ポリマーの曝露によって誘導されてもよく、ここでは形状記憶ポリマーは、例えば第3の所定の温度範囲に対してさらされたときに第3の形態若しくは状態にある。あるいは、第1、第2、及び第3の形態若しくは状態の間の形状記憶ポリマーの遷移は、複数の所定の温度範囲に対する形状記憶ポリマーの曝露、複数の所定の電界に対する形状記憶ポリマーの曝露、複数の所定の磁場に対する形状記憶ポリマーの曝露、複数の所定の光の波長に対する形状記憶ポリマーの曝露、複数の所定の化学溶液に対する形状記憶ポリマーの曝露、又はこれらの組み合わせによって誘導され得る。
【0021】
上述の内容から、本発明の具体的な形態が図示され説明されているが、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、様々な修正が可能であることは明らかとなる。したがって、本発明は、添付の「特許請求の範囲」によるものを除き、限定されないことが意図されている。
【0022】
〔実施の態様〕
(1) 近位部分及び遠位部分、並びに内部を通るルーメンを有する、近位管状本体と、
近位部分及び遠位部分、並びに内部を通るルーメンを有する、遠位管状区分と、
近位部分及び遠位部分、並びに内部を通るルーメンを有する、中間管状区分と、を備える、ガイドカテーテルであって、前記中間管状区分の前記近位部分は、前記近位管状本体の前記遠位部分に接続され、前記中間管状区分の前記遠位部分は、前記遠位管状区分の前記近位部分に接続され、前記中間管状区分の前記ルーメンは、前記近位管状本体及び前記遠位管状区分の前記ルーメンを相互接続し、共通ルーメンは、前記近位管状本体、前記中間管状区分、及び前記遠位管状区分を相互接続し、かつこれらを通じて延び、前記中間管状区分は、第1の状態及び第2の状態を有する形状記憶ポリマーから形成される、ガイドカテーテル。
(2) 前記第1の状態は、前記中間管状区分の第1の剛度を含み、前記第2の状態は、前記中間管状区分の第2の剛度を含み、前記中間管状区分の前記第2の剛度は、前記中間管状区分の前記第1の剛度より大きい、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(3) 前記第1の状態は、前記中間管状区分の第1の柔軟度を含み、前記第2の状態は、前記中間管状区分の第2の柔軟度を含み、前記中間管状区分の前記第1の柔軟度は、前記中間管状区分の前記第2の柔軟度より大きい、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(4) 前記第1の状態は、前記中間管状区分の第1の形状を含み、前記第2の状態は前記中間管状区分の前記第1の形状とは異なる第2の形状を含む、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(5) 前記第1の形状は湾曲しており、前記第2の形状は実質的に直線状である、実施態様4に記載のガイドカテーテル。
(6) 前記形状記憶ポリマーは、第1の所定温度範囲にさらされたときに前記第1の状態にあり、前記形状記憶ポリマーは、第2の所定温度範囲にさらされたときに前記第2の状態にある、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(7) 前記第1の状態から前記第2の状態までの間の前記形状記憶ポリマーの遷移は、所定の電界に対する前記形状記憶ポリマーの曝露によって誘導される、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(8) 前記第1の状態から前記第2の状態までの間の前記形状記憶ポリマーの遷移は、所定の磁場に対する前記形状記憶ポリマーの曝露によって誘導される、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(9) 前記第1の状態から前記第2の状態までの間の前記形状記憶ポリマーの遷移は、所定の光の波長に対する前記形状記憶ポリマーの曝露によって誘導される、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(10) 前記第1の状態と前記第2の状態までの間の前記形状記憶ポリマーの遷移は、所定の化学溶液に対する前記形状記憶ポリマーの曝露によって誘導される、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
【0023】
(11) 前記第1の状態は、前記中間管状区分の第1の生分解度を含み、前記第2の状態は、前記中間管状区分の第2の生分解度を含み、前記中間管状区分は前記第1の状態におけるよりも、前記第2の状態において、相対的により生分解性である、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(12) 前記形状記憶ポリマーは第3の状態を有し、該第3の状態は、前記中間管状区分の前記第1及び第2の形状とは異なる第3の形状を含む、実施態様4に記載のガイドカテーテル。
(13) 前記形状記憶ポリマーは第3の状態を有し、該第3の状態は、前記中間管状区分の前記第1及び第2の剛度とは異なる第3の剛度を含む、実施態様2に記載のガイドカテーテル。
(14) 前記形状記憶ポリマーは第3の状態を有し、該第3の状態は、前記中間管状区分の前記第1及び第2の柔軟度とは異なる第3の柔軟度を含む、実施態様3に記載のガイドカテーテル。
(15) 前記形状記憶ポリマーは第3の状態を有し、該第3の状態は、前記中間管状区分の前記第1及び第2の生分解度とは異なる第3の生分解度を含む、実施態様11に記載のガイドカテーテル。
(16) 前記第1及び第2の状態は、剛性、柔軟性、形状、及び生分解性、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、少なくとも1つ特性の、第1及び第2の対応するセットを含む、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(17) 前記形状記憶ポリマーが、剛性、柔軟性、形状、及び生分解性、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記第1及び第2の状態の少なくとも1つの特性の、前記第1及び第2のセットに対応する少なくとも1つの特性のセットを含む、第3の状態を有する、実施態様16に記載のガイドカテーテル。
(18) 前記第1の状態から前記第2の状態までの間の前記形状記憶ポリマーの遷移は、少なくとも1つの所定の温度範囲に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、少なくとも1つの所定の電界に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、少なくとも1つの所定の磁場に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、少なくとも1つの所定の光の波長に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、少なくとも1つの所定の化学溶液に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、及びこれらの組み合わせによって誘導される、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(19) 前記第1、第2、及び第3の状態の間の前記形状記憶ポリマーの遷移は、複数の所定の温度範囲に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、複数の所定の電界に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、複数の所定の磁場に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、複数の所定の光の波長に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、複数の所定の化学溶液に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、及びこれらの組み合わせによって誘導される、実施態様17に記載のガイドカテーテル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位部分及び遠位部分、並びに内部を通るルーメンを有する、近位管状本体と、
近位部分及び遠位部分、並びに内部を通るルーメンを有する、遠位管状区分と、
近位部分及び遠位部分、並びに内部を通るルーメンを有する、中間管状区分と、を備える、ガイドカテーテルであって、前記中間管状区分の前記近位部分は、前記近位管状本体の前記遠位部分に接続され、前記中間管状区分の前記遠位部分は、前記遠位管状区分の前記近位部分に接続され、前記中間管状区分の前記ルーメンは、前記近位管状本体及び前記遠位管状区分の前記ルーメンを相互接続し、共通ルーメンは、前記近位管状本体、前記中間管状区分、及び前記遠位管状区分を相互接続し、かつこれらを通じて延び、前記中間管状区分は、第1の状態及び第2の状態を有する形状記憶ポリマーから形成される、ガイドカテーテル。
【請求項2】
前記第1の状態は、前記中間管状区分の第1の剛度を含み、前記第2の状態は、前記中間管状区分の第2の剛度を含み、前記中間管状区分の前記第2の剛度は、前記中間管状区分の前記第1の剛度より大きい、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項3】
前記第1の状態は、前記中間管状区分の第1の柔軟度を含み、前記第2の状態は、前記中間管状区分の第2の柔軟度を含み、前記中間管状区分の前記第1の柔軟度は、前記中間管状区分の前記第2の柔軟度より大きい、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項4】
前記第1の状態は、前記中間管状区分の第1の形状を含み、前記第2の状態は前記中間管状区分の前記第1の形状とは異なる第2の形状を含む、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項5】
前記第1の形状は湾曲しており、前記第2の形状は実質的に直線状である、請求項4に記載のガイドカテーテル。
【請求項6】
前記形状記憶ポリマーは、第1の所定温度範囲にさらされたときに前記第1の状態にあり、前記形状記憶ポリマーは、第2の所定温度範囲にさらされたときに前記第2の状態にある、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項7】
前記第1の状態から前記第2の状態までの間の前記形状記憶ポリマーの遷移は、所定の電界に対する前記形状記憶ポリマーの曝露によって誘導される、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項8】
前記第1の状態から前記第2の状態までの間の前記形状記憶ポリマーの遷移は、所定の磁場に対する前記形状記憶ポリマーの曝露によって誘導される、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項9】
前記第1の状態から前記第2の状態までの間の前記形状記憶ポリマーの遷移は、所定の光の波長に対する前記形状記憶ポリマーの曝露によって誘導される、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項10】
前記第1の状態と前記第2の状態までの間の前記形状記憶ポリマーの遷移は、所定の化学溶液に対する前記形状記憶ポリマーの曝露によって誘導される、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項11】
前記第1の状態は、前記中間管状区分の第1の生分解度を含み、前記第2の状態は、前記中間管状区分の第2の生分解度を含み、前記中間管状区分は前記第1の状態におけるよりも、前記第2の状態において、相対的により生分解性である、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項12】
前記形状記憶ポリマーは第3の状態を有し、該第3の状態は、前記中間管状区分の前記第1及び第2の形状とは異なる第3の形状を含む、請求項4に記載のガイドカテーテル。
【請求項13】
前記形状記憶ポリマーは第3の状態を有し、該第3の状態は、前記中間管状区分の前記第1及び第2の剛度とは異なる第3の剛度を含む、請求項2に記載のガイドカテーテル。
【請求項14】
前記形状記憶ポリマーは第3の状態を有し、該第3の状態は、前記中間管状区分の前記第1及び第2の柔軟度とは異なる第3の柔軟度を含む、請求項3に記載のガイドカテーテル。
【請求項15】
前記形状記憶ポリマーは第3の状態を有し、該第3の状態は、前記中間管状区分の前記第1及び第2の生分解度とは異なる第3の生分解度を含む、請求項11に記載のガイドカテーテル。
【請求項16】
前記第1及び第2の状態は、剛性、柔軟性、形状、及び生分解性、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、少なくとも1つ特性の、第1及び第2の対応するセットを含む、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項17】
前記形状記憶ポリマーが、剛性、柔軟性、形状、及び生分解性、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記第1及び第2の状態の少なくとも1つの特性の、前記第1及び第2のセットに対応する少なくとも1つの特性のセットを含む、第3の状態を有する、請求項16に記載のガイドカテーテル。
【請求項18】
前記第1の状態から前記第2の状態までの間の前記形状記憶ポリマーの遷移は、少なくとも1つの所定の温度範囲に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、少なくとも1つの所定の電界に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、少なくとも1つの所定の磁場に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、少なくとも1つの所定の光の波長に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、少なくとも1つの所定の化学溶液に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、及びこれらの組み合わせによって誘導される、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項19】
前記第1、第2、及び第3の状態の間の前記形状記憶ポリマーの遷移は、複数の所定の温度範囲に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、複数の所定の電界に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、複数の所定の磁場に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、複数の所定の光の波長に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、複数の所定の化学溶液に対する前記形状記憶ポリマーの曝露、及びこれらの組み合わせによって誘導される、請求項17に記載のガイドカテーテル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−105984(P2012−105984A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−250336(P2011−250336)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(511065325)ミクラス・エンドバスキュラー・エルエルシー (4)
【氏名又は名称原語表記】MICRUS ENDOVASCULAR LLC
【住所又は居所原語表記】821 Fox Lane, San Jose, California 95131, United States of America
【Fターム(参考)】