後方反射による回転速度の不安定性を低減した共振器光ファイバージャイロスコープ
【課題】後方反射による回転速度の不安定性を低減した共振器光ファイバージャイロスコープを提供する。
【解決手段】共振器光学リングキャビティー102と、リングキャビティー102内に時計回り光学信号を生成するように構成される第1の光源104と、反時計回り光学信号を生成するように構成される第2の光源108とを備える。また、第1の光源104及びリングキャビティー102と光学的に結合する第1の光学構成要素140は、時計回り光学信号が第1の光源104に後方反射されるのを防ぐように構成される。また第2の光源108及びリングキャビティー102と光学的に結合する第2の光学構成要素144は、反時計回り光信号が第2の光源108に後方反射されるのを防ぐように構成される。さらに、第1の光学検出器124及び第2の光学検出器126がリングキャビティー102に光学的に結合される。
【解決手段】共振器光学リングキャビティー102と、リングキャビティー102内に時計回り光学信号を生成するように構成される第1の光源104と、反時計回り光学信号を生成するように構成される第2の光源108とを備える。また、第1の光源104及びリングキャビティー102と光学的に結合する第1の光学構成要素140は、時計回り光学信号が第1の光源104に後方反射されるのを防ぐように構成される。また第2の光源108及びリングキャビティー102と光学的に結合する第2の光学構成要素144は、反時計回り光信号が第2の光源108に後方反射されるのを防ぐように構成される。さらに、第1の光学検出器124及び第2の光学検出器126がリングキャビティー102に光学的に結合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後方反射による回転速度の不安定性を低減した共振器光ファイバージャイロスコープに関する。
[連邦政府による資金提供を受けた研究開発に関する記述]
本発明は、空軍研究所(AFRL)によって与えられた契約番号第FA9453−08−C−0263号に基づいて、政府の支援を受けて行なわれた。政府は本発明に関して一定の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
共振器光ファイバージャイロスコープ(RFOG)は、2つの反対の伝搬方向(本明細書において、時計回り(CW)方向及び反時計回り(CCW)方向と呼ばれる)において、RFOGリングキャビティーの回転によって引き起こされる共振周波数差を測定することによって回転速度を検知する検知装置である。リングキャビティー共振周波数差を測定するために、別々のチューナブルレーザーからの単色光波が、通常、位相変調され、その後、CW方向及びCCW方向において、RFOGリングキャビティー内に結合される。循環する光波のごく一部がリングキャビティーの外部に結合され、光検出器に向けられ、光電流(又は電圧)信号が生成される。対応する位相変調周波数において光検出器信号を復調することによって、CW方向及びCCW方向の共振周波数差を検出するための判別信号が生成される。
【0003】
理想的には、CW及びCCW伝搬光波は別々の検出器(本明細書において、それぞれCW検出器及びCCW検出器と呼ばれる)によって受信され、交差結合は起こらない、すなわち、CW(CCW)光波はCCW(CW)検出器によって受信されない。しかしながら、実際の状況では、リングキャビティー内には不完全な光学表面があり、それらの表面は光波を反対の伝搬方向にわずかに反射する場合があり、それによりCW(CCW)ビームのごく一部がCCW(CW)光検出器によって受信される。この後方反射は、1回(又は奇数回)の反射を通して、間違った検出器上に光波を向けることによって特徴付けられるので、多くの場合に「単一後方反射」タイプと分類される。CW及びCCW共振検出に対して異なる位相変調周波数を用いることは、誤った反射信号を分離する有効な方法である。
【0004】
CW及びCCW光波が概ね同じ光学周波数を有する場合に、干渉ビート信号がジャイロ帯域幅に入り、それにより信号変動を引き起こし、ジャイロ性能を著しく劣化させる可能性がある。この問題を解決するために、CW方向及びCCW方向において、複数のレーザービームを、その周波数が整数個の共振器自由スペクトル領域(FSR)の分だけ離れるようにして使用する方式が以前に提案されている。自由スペクトル領域は、隣接する共振周波数間の周波数分離であり、通常、数MHz〜数百MHzである。ビート雑音周波数は高い周波数範囲にあるので、そのような周波数は、ローパス電子フィルターによって除去することができる。
【0005】
「二重後方反射」(又は単に「二重反射」)と呼ばれる別のタイプの反射もあり、その反射が回転速度測定の安定性(回転速度安定性とも呼ばれる)に及ぼす影響は、上記の方法によって容易に除去することはできない。二重反射によって、光波は、光学経路内の2回(又は偶数回)の反射によって生成される、その光波自体の反射部分と干渉する。このタイプの後方反射の場合、干渉する光波は同じ光周波数及び同じ位相変調を有する同じレーザーから生じる。干渉する光波は、復調過程において、主信号ビームから容易に分離することはできない。誤った光波は、第1の反射点を通って反対の伝搬方向に変更され、その後、第2の反射点によって元の方向に戻され、主ビーム異なる光学経路を通って伝搬する。環境によって引き起こされる経路長変動によって、2つの干渉するビーム間の相対的な位相変化が生じ、結果として、ジャイロスコープの回転速度が不安定になる。これは、RFOG性能を劣化させる大きな要因となる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
後方反射による回転速度の不安定性を低減した共振器光ファイバージャイロスコープを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、回転速度誤差の不安定性を低減する共振器光ファイバージャイロスコープ(RFOG)に関する。1つの実施の形態では、RFOGは、共振器光学リングキャビティーと、リングキャビティーと光学的に通信し、リングキャビティーに送信される時計回り光学信号を生成するように構成される第1の光源と、リングキャビティーと光学的に通信し、リングキャビティーに送信される反時計回り光学信号を生成するように構成される第2の光源とを備える。また、RFOGは、第1の光源及びリングキャビティーと光学的に通信する第1の光学構成要素も含む。第1の光学構成要素は、時計回り光学信号が第1の光源に後方反射されるのを防ぐように構成される。第2の光学構成要素が、第2の光源及びリングキャビティーと光学的に通信する。第2の光学構成要素は、反時計回り光信号が第2の光源に後方反射されるのを防ぐように構成される。さらに、第1の光学検出器及び第2の光学検出器がリングキャビティーに光学的に結合される。
【0008】
図面は本発明の代表的な実施形態のみを示しており、範囲を制限するものと見なされるべきではない。これらの実施形態は、参照される図面を用いて、以下の説明においてさらに具体的に、かつ詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態による共振器光ファイバージャイロスコープ(RFOG)のブロック図である。
【図2】別の実施形態によるRFOGのブロック図である。
【図3】代替の実施形態によるRFOGのブロック図である。
【図4】さらに別の実施形態によるRFOGのブロック図である。
【図5A】RFOGのための、自由スペクトル領域単位におけるキャビティー共振周波数からのレーザー周波数偏移の関数としての例示的な復調主信号のグラフである。
【図5B】RFOG内の二重反射によって引き起こされる不安定性を示す、3つの異なる相対位相のうちの1つにおける例示的な誤差信号のグラフである。
【図5C】RFOG内の二重反射によって引き起こされる不安定性を示す、3つの異なる相対位相のうちの1つにおける例示的な誤差信号のグラフである。
【図5D】RFOG内の二重反射によって引き起こされる不安定性を示す、3つの異なる相対位相のうちの1つにおける例示的な誤差信号のグラフである。
【図6A】RFOG内の主信号と反射誤差信号との間の相対位相の変化の関数として個々の時計回り(CW)及び反時計回り(CCW)回転速度変動をプロットするグラフである。
【図6B】図6AにおけるCW信号及びCCW信号を減算した後のCW及びCCW回転速度差をプロットするグラフである。
【図7A】RFOG内のCCW位相変調周波数とCW位相変調周波数との比の関数としてのピーク・ツー・ピーク正味回転速度変動の依存性を示すグラフである。
【図7B】RFOG内のCCW位相変調振幅とCW位相変調振幅との比の関数としてのピーク・ツー・ピーク正味回転速度変動の依存性を示すグラフである。
【図8】RFOGにおいてCW及びCCW変調周波数が潜在的に異なるときに変調振幅を調整することによって回転速度誤差を相殺するためのシミュレーション結果のグラフである。
【図9】RFOG内のCCWレーザー線幅とCWレーザー線幅との比の関数としての回転速度誤差の依存性を示すグラフである。
【図10】RFOG内の二重反射によって引き起こされる回転速度誤差を相殺するための例示的な方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、当業者が本発明を実施できるほど十分に詳しく実施形態が説明される。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用してもよいことは理解されたい。それゆえ、以下の詳細な説明は、限定する意味に解釈されるべきではない。
【0011】
本発明は、後方反射によって共振器光ファイバージャイロスコープ(RFOG)内の回転速度の不安定性を低減するための装置及び方法に関する。その装置及び方法は、ハイエンド応用のためにRFOG性能を改善するために、回転速度誤差を軽減する。
【0012】
要求される性能レベルを達成する際の従来のRFOGの1つの問題は、共振リング内の二重後方散乱又は二重後方反射であり、それによって回転検知に回転速度誤差が生じる。この誤差の原因は、主光ビームと、異なる光学経路を有する主光ビーム自体の二重反射部分との干渉に由来する。環境が不安定であることに起因する光学経路の任意の変動によって、干渉信号が変化し、それにより回転速度誤差が不安定になる。
【0013】
後方反射に起因した回転速度の不安定性の低減は、2つの方法を用いて成し遂げることができる。第1の方法では、時計回り(CW)及び反時計回り(CCW)信号の回転速度誤差相殺効果は、できる限り同一に近い特性を有するCW光波及びCCW光波を用いることによって改善される。これらの特性は、位相変調周波数、変調振幅、線幅、信号復調位相等を含むことができる。第2の方法は、回転速度が0後方反射に対応する値を中心にして振動するように、CCW光波に対してCW光波の上記の特性のうちの1つを変調する(逆の場合も同じ)。振動する回転速度誤差を平均することによって、RFOGリングキャビティー内の反射に起因した不安定性を低減又は解消することができる。
【0014】
第1の方法を実施するために、CW及びCCW光波に対して極めて対称な構成を有するRFOGが利用され、後方反射によって引き起こされる回転速度誤差を実効的に相殺する。CW及びCCW光波のために用いられるレーザービームは、線幅、電力等の同一に近い光学的特性を有し、概ね同じ変調振幅及び変調周波数を有する同じ種類の変調器を用いて変調される(ただし、CW信号とCCW信号との間のクロストークを低減するために、わずかな差が必要とされる場合もある)。さらに、CW及びCCW検出器信号は概ね同じ位相において復調される。このようにして、CW及びCCWの回転速度誤差を実効的に相殺し、数桁だけ低減することができる。
【0015】
第2の方法を実施するために、レーザー特性のうちの1つが、他方の特性に対して変調される。たとえば、一定のCCW位相変調振幅に対してCW光の位相変調振幅を低速で小さく正弦波変調することによって(逆の場合も同じ)、正弦波回転速度誤差変動が生成されることになる。その変動の平均値は、0の後方反射回転速度誤差に対応し、信号を平均した後に得ることができる。位相変調周波数又は復調位相のような他のパラメーターの変調も利用することができる。
【0016】
本発明の方法及び装置は、後方反射によって引き起こされる回転速度誤差を大きく減少させる。後方反射によって引き起こされる回転速度誤差及び回転速度誤差相殺効果のレベルを定量化する理論的モデルがこれ以降に説明される。
【0017】
本発明の方法及びシステムに関するさらに細かい事柄は、図面を参照しながらこれ以降に説明される。用語「光波」、「レーザービーム」、「光ビーム」、「光」及び「光学信号」は本明細書において交換可能に用いられることは理解されたい。
【0018】
図1は、一実施形態による共振器光ファイバージャイロスコープ(RFOG)100を示す。RFOG100は、一般的に、共振器光学リングキャビティー102を含み、それは、回転が検知される軸を中心にして、コアの周囲に巻かれた光ファイバーコイルとすることができる。レーザーのような第1の光源104がリングキャビティー102と光学的に通信し、リングキャビティー102に送信される時計回り(CW)光学信号106を生成するように構成される。レーザーのような第2の光源108もリングキャビティー102と光学的に通信し、リングキャビティー102に送信される反時計回り(CCW)光学信号を生成するように構成される。
【0019】
RFOG100は、光源104とリングキャビティー102との間の光学経路に沿って配置される第1の光学位相変調器112も含み、位相変調器112は光源104からのCW光学信号を変調するように構成される。第2の光学位相変調器114が光源108とリングキャビティー102との間の光学経路に沿って配置され、位相変調器114は光源108からのCCW光学信号を変調するように構成される。
【0020】
第1の入力結合器116が、光源104からのCW光学信号をリングキャビティー102内に結合するように構成され、第2の入力結合器118が、光源108からのCCW光学信号をリングキャビティー102内に結合するように構成される。第1の出力結合器120が、リングキャビティー102からのCW光学信号を第1の光学検出器124に結合するように構成され、第2の出力結合器122が、リングキャビティー102からのCCW光学信号を第2の光学検出器126に結合するように構成される。光学検出器124、126は、光検出器/プリアンプとすることができ、光学信号を電圧信号に変換する。
【0021】
エレクトロニクスデバイス128が、光学検出器124からの出力電圧信号を復調し、エレクトロニクスデバイス130が、光学検出器126からの出力電圧信号を復調する。エレクトロニクスデバイス128は、光源104の周波数をリングキャビティー102のCW共振にロックさせるために、光源104へのフィードバックを与える。同様に、エレクトロニクスデバイス130は、光源108の周波数をリングキャビティー102のCCW共振にロックさせるために、光源108へのフィードバックを与える。
【0022】
正弦波発生器132が、位相変調器112に変調電圧を与え、信号を復調するためにエレクトロニクスデバイス128に基準信号を与える。同様に、正弦波発生器134が、位相変調器114に変調電圧を与え、信号を復調するためにエレクトロニクスデバイス130に基準周波数を与える。エレクトロニクスデバイス128、130からの出力信号は、中央制御ユニット(図示せず)によって処理され、回転速度を測定できるように、CW及びCCW共振周波数差をそれぞれ求めることができる。
【0023】
第1の光学構成要素140が光源104及びリングキャビティー102と光学的に通信する。光学構成要素140は、CW光学信号が光源104に後方反射されるのを防ぐように構成される。第2の光学構成要素144が光源108及びリングキャビティー102と光学的に通信する。光学構成要素144は、CCW光学信号が光源108に後方反射されるのを防ぐように構成される。光学構成要素140、144は光学アイソレーターとすることができ、それにより、光を一方向にだけ送信することが可能になり、光が後方反射するのを防ぐ。
【0024】
第3の光学構成要素142が出力結合器120と光学検出器124との間に配置される。第3の光学構成要素142は、CW光学信号がリングキャビティー102に後方反射されるのを防ぐように構成される。第4の光学構成要素146が出力結合器122と光学検出器126との間に配置される。光学構成要素146は、CCW光学信号がリングキャビティー102に後方反射されるのを防ぐように構成される。光学構成要素142、146も光学アイソレーターとすることができる。
【0025】
後方反射によって引き起こされる回転速度誤差を分類し、特徴付けるために、いくつかの起こり得る後方反射位置が、図1において、白抜きの、又は塗潰された小さな丸と共に曲がった矢印によって示される。曲がった矢印は、後方反射の方向を指示する。白抜きの丸を有する矢印(たとえば、41、51及び61)は、最初に受けた反射について、CW光106をCCW方向に反射する点を表示する。塗潰された丸を有する矢印(たとえば、42、52及び62)は、最初に受けた反射について、CCW光110をCW方向に反射する点を表示する。反射点41及び42は、リングキャビティー内に位置する。反射点51及び52はそれぞれ、アイソレーター144と入力結合器118との間の光学入力経路上、及びアイソレーター140と入力結合器116との間の光学入力経路上に位置する。反射点61及び62はそれぞれ、アイソレーター142と出力結合器120との間の光学出力経路上、及びアイソレーター146と出力結合器122との間の光学出力経路上に位置する。上記の反射点は、ジャイロスコープ性能を劣化させる可能性がある、RFOG光学経路内で起こり得る反射点の例である。
【0026】
図1はRFOGの一実施形態のための全体的な構成を示すが、他の実施形態では、CW及びCCW光波をリングキャビティー内に及び/又はリングキャビティー外に入力結合及び/又は出力結合する機能は、少ない数の結合器によって実施することができる。
【0027】
たとえば、図2は、別の実施形態によるRFOG200を示しており、そのRFOGは光ファイバーコイルのような共振器光学リングキャビティー202を含む、RFOG100と同様の構成要素を含む。レーザー204がCW光波206を生成し、レーザー208がCCW光波210を生成する。また、RFOG200は、CW光波206を変調するための光学位相変調器212、及びCCW光波210を変調するための光学位相変調器214も含む。光学入力結合器216が各CW光波をリングキャビティー202に結合するように構成され、光学入力結合器218が、各CCW光波をリングキャビティー202に結合するように構成される。
【0028】
RFOG200は、CW光波及びCCW光波の両方をリングキャビティー202から外部に結合する単一の出力結合器220を有する。RFOG200は、リングキャビティー202から各CW出力光波を受信するための、光検出器のような光学検出器224と、リングキャビティー202から各CCW出力光波を受信するための、光検出器のような光学検出器226とをさらに備える。光学検出器224は、出力結合器220から各CCW出力光波を受信する。光学検出器226は、出力結合器220から各CW出力光波を受信する。
【0029】
CW光の場合に、光学アイソレーター240が、光がレーザー204に後方反射されるのを防ぎ、光学アイソレーター246が、光がリングキャビティー202に後方反射されるのを防ぐ。同様に、CCW光の場合に、光学アイソレーター244が、光がレーザー208に後方反射されるのを防ぎ、光学アイソレーター242が、光がリングキャビティー202に後方反射されるのを防ぐ。また、RFOG200は、RFOG100について上記で説明されたような付加的なエレクトロニクスデバイスも備えることができる。
【0030】
図3は、代替の実施形態によるRFOG300を示しており、そのRFOGは、光学リングキャビティー302を含む、RFOG200と同様の構成要素を含む。レーザー304がCW光波306を生成する。レーザー308がCCW光波310を生成する。光学位相変調器312が、CW光波306を変調するように構成され、光学変調器314が、CCW光波310を変調するように構成される。
【0031】
RFOG300は、CW及びCCW光の両方をリングキャビティー302内に結合する単一の光学入力結合器316を有する。光学出力結合器320が、リングキャビティー302からのCW光波を光学検出器324に結合するように構成される。光学出力結合器322が、リングキャビティー302からのCCW光波を光学検出器326に結合するように構成される。
【0032】
CW光の場合に、光学アイソレーター340が、光がレーザー304に後方反射されるのを防ぎ、光学アイソレーター342が、光がリングキャビティー302に後方反射されるのを防ぐ。同様に、CCW光の場合に、光学アイソレーター344が、光がレーザー308に後方反射されるのを防ぎ、光学アイソレーター346が、光がリングキャビティー302に後方反射されるのを防ぐ。また、RFOG300は、RFOG100について上記で説明されたような付加的なエレクトロニクスデバイスも備えることができる。
【0033】
図4は、さらなる実施形態によるRFOG400を示す。RFOG400は、光学リングキャビティー402と、CW光波406を生成するレーザー404と、CCW光波410を生成するレーザー408とを備える。光学位相変調器412が、CW光波406を変調するように構成され、光学位相変調器414が、CCW光波410を変調するように構成される。
【0034】
図4に示されるように、光学サーキュレーターのような第1の方向性光学構成要素416が、レーザー404からのCW光波406をリングキャビティー402に向けるように構成される。第1の光学結合器418が、光学構成要素416から受信されたCW光波406をリングキャビティー402内に結合するように構成される。第2の方向性光学構成要素420が、レーザー408からのCCW光波410をリングキャビティー402に向けるように構成される。第2の光学結合器422が、光学構成要素420から受信されたCCW光波410をリングキャビティー402内に結合するように構成される。
【0035】
また、光学結合器418は、リングキャビティー402からのCCW光波410を光学構成要素416に結合するように構成され、光学構成要素416はさらに、そのCCW光波を光学検出器424に向ける。同じく、光学結合器422は、リングキャビティー402からのCW光波406を光学構成要素420に結合するように構成され、光学構成要素420はさらに、そのCW光波を光学検出器426に向ける。
【0036】
方向性光学構成要素416、420が光学サーキュレーターとして実装されるとき、光はサーキュレーターを通って一方向にのみ伝搬する。たとえば、図4に示されるように、光学サーキュレーター(416、420)によって、光はポート1からポート2に伝搬し、ポート2からポート3に伝搬できるようになる。他の全ての伝搬方向(たとえば、ポート3からポート2、ポート2からポート1及びポート3からポート1)は概ね遮断されるか、又は大きく減衰する。光学サーキュレーターは、光が光学キャビティー又はレーザーに後方反射されるのも防ぐ。
【0037】
図1に戻ると、RFOG100について示される反射点は一般的に、一方向のみからの光波(CW、CCWのいずれか)を反射するものと仮定される。他の構成では、図2に示されるRFOG200内の点40のように、単一の反射点が、CW及びCCW両方の光波を反射できる場合もある。そのような反射点は、互いに位置が重なり合う2つの反射点と見なすことができる。図1〜図4において示されるような、1つの白抜きの丸の反射点及び1つの塗潰された丸の反射点を含む任意の一対の反射点(又は両方向において光を反射する単一の点)は、二重後方反射タイプの回転速度誤差を引き起こす可能性がある。
【0038】
二重反射構成例を示すために、図1の点61及び42が、二重反射の場合のそのような一対の反射点を形成すると仮定することができる。レーザー104から放射される光がCW方向においてリングキャビティー102内に結合される。その光はリングキャビティー102内で循環し、出力結合器120によって外部に結合され、検出器124に達する。その光は、第1の後方反射点61に達し、結合器120が双方向性であることから、その光のごく一部がCCW方向においてリングキャビティー102に後方結合される。この反射された光はCCW方向において循環し、その一部が点42によってCW方向に後方反射される。この二重反射ビームは、CW主信号ビーム106と共に、リングキャビティー102から検出器124に結合される。2つのビーム間の干渉によって、CW共振周波数を検知するための信号に変動が生じる。
【0039】
同様の解析によって、同じ一対の反射点(たとえば、61及び42)によって、CCW共振周波数を検知する場合にも信号に変動が生じることがわかっている。CW及びCCW方向の正味の共振周波数差の誤差は、二重反射によって引き起こされる絶対回転速度誤差を決定する。個々のCW及びCCW方向の回転速度誤差は相殺することができ、これによって、RFOG出力から生成される正味の回転速度誤差ははるかに小さくなる。CW及びCCW回転速度誤差を実効的に相殺する方法のための理論的解析がこれ以降に説明される。
【0040】
二重反射の事例を形成することができるいくつかの例示的な構成がある。たとえば、第1の構成では、両方の反射点がリングキャビティー内にある(たとえば、図1における点41及び42)。第2の構成では、一方の反射点がリングキャビティー内にあり、他方の点が入力、出力いずれかのビーム経路上にある(たとえば、点51及び42、点61及び42、点41及び52、並びに点41及び62)。第3の構成では、両方の反射点がリングキャビティーの外部にある(たとえば、点51及び52、点51及び62、点61及び52、並びに点61及び62)。
【0041】
光学経路内に光学アイソレーター又はサーキュレーターが存在することに起因して、リングキャビティー外部にある反射点は、図1〜図4において示される全ての実施形態において、入力/出力結合器とアイソレーター/サーキュレーターとの間にのみ存在すると仮定される。リングキャビティー外部にある他の点からの反射はアイソレーター又はサーキュレーターによって大きく減衰する。
【0042】
実際の状況では、複数の反射点が存在し、複数の二重反射構成を形成する。そのような実際の状況の理論的解析は非常に複雑になる可能性がある。以下では、簡単にするために、2つの反射点だけを含む事例が取り扱われ、その解析からの結論を用いて、本発明の実施形態が正当であることを証明する。しかしながら、その方法及び実施形態は、さらに複雑な反射構成の場合にも利用できることは理解されたい。
【0043】
以下の理論的解析において説明を簡単にするために、アルファベット文字を用いて、図1における光学経路内の位置をラベル付けする。CW光入力/出力結合点は全て「1」を付され、CCW点は「2」を付され、図1におけるアルファベット文字に続く。たとえば、CW(CCW)入力光は点A1(A2)において開始し、点B1(B2)において共振器に結合され、点C1(C2)において共振器から外部に結合され、検出器D1(D2)に達する。CW光のための第1の反射点は文字「P」を付され、第2の反射点は文字「Q」を付される。CCWビームの場合、第1の反射点は「Q」であり、第2は「P」である。具体的には、図1の「P」及び「Q」は、両方の反射点が点41及び42においてリングキャビティー内部にあるときの第1の構成の二重反射を示す。
【0044】
特定の構成のための各二重反射光学経路は、光伝搬の方向を指示する矢印によって接続される経路上の一連の点によって示すことができる。たとえば、図1に示される第1の構成における二重反射CW及びCCW光は、以下のように表すことができる。
【0045】
【数1】
【0046】
及び
【0047】
【数2】
【0048】
上記の式(1)及び(2)において、1つの点から別の点まで伝搬する光は、矢印によって指示される。矢印上の「+」符号及び「−」符号はそれぞれ、CW方向及びCCW方向を指示する。矢印上の「+」及び「−」符号の右側に整数m、l、nがあるとき、それは、指示された方向において光が整数分だけ循環することを意味する。矢印上の「In」及び「Out」は、その光が入力経路上にあるか、出力経路上にあるかを指示する。
【0049】
たとえば、式(1)は、CW光がA1からB1に入力し、CW方向においてB1からPに伝搬し、その後、CW方向においてl回だけ循環し、点Pに戻り、その後、Pによって反射され、CCW方向においてPからQまで伝搬し、その後、CCW方向においてm回だけ循環し、Qに戻り、その後、Qによって反射され、CW方向においてQからC1まで伝搬し、その後、CW方向においてn回だけ循環し、C1に戻り、最後に、共振器から外部の検出器D1に結合されると解釈することができる。m、l、nは二重反射を伴う特定の光学経路を記述するための負ではない任意の整数とすることができる。整数0は、光がリングキャビティー内で循環しないことを意味する。
【0050】
共振器内で異なる回数のラウンドトリップを受けた数多くの光波場(後方反射されるか否か)は、RFOGリングキャビティーにおいて循環することに起因して、光検出器において重なり合う。ジョーンズ行列表記を用いて光波伝搬を記述するとき、検出器における全ての二重反射CW光場の総和は以下の式によって表すことができる。
【0051】
【数3】
【0052】
ただし、たとえば、ジョーンズ行列MA1B1は点A1からB1までの伝搬を記述し、行列MQ−mは点Qから点QまでのCCW方向における光の循環を記述する。これらのジョーンズ行列は、光学経路の偏光交差結合、損失及び複屈折特性を記述する。簡単にするために、ここで、1つの偏光モードのみが仮定される場合には、全ての行列を複素数に変形することができ、上記の式は以下の形に整理し直される。
【0053】
【数4】
【0054】
ここで、κは、1つ又は複数のラウンドトリップを含むことなく、二重反射を通しての入力から出力までの伝達係数であり(すなわち、κは右括弧の値である)、λはリングキャビティーラウンドトリップ振幅伝達係数であり、φSは、回転速度が0でないことに起因するサニャック位相である。
【0055】
主ビーム(二重反射を含まない)は以下のように表される。
【0056】
【数5】
【0057】
ただし、χは反射を含まない入力ポートから出力ポートまでの伝達係数である。二重反射CW光場ECW_2Rと主信号場ECW_mとの干渉は、CW回転速度誤差の大きな一因である。この回転速度誤差を計算するために、信号の変調及び復調が、モデルによって考慮に入れられなければならない。ωmの角周波数及びMラジアンの位相振幅を用いる正弦波位相変調後に、検出器における主信号光場のν−高調波周波数成分は、以下の式によって与えられる。
【0058】
【数6】
【0059】
ただし、Jνは第一種のν次ベッセル関数であり、ωcはレーザービームの中心角周波数であり、ηはリングキャビティーラウンドトリップ伝達係数であり、ΔfはHz単位のレーザー線幅であり、τはリングキャビティーラウンドトリップ時間である。同様に、検出器における二重反射場のw−高調波周波数成分は以下の式によって表すことができる。
【0060】
【数7】
【0061】
主信号のw周波数成分とν周波数成分との間のビートに起因する角周波数(w−ν)ωmにおける主信号強度は以下のように導出される。
【0062】
【数8】
【0063】
Ew_2RとEν_mとの間のビートに起因する周波数(w−ν)ωmにおける、反射によって引き起こされる誤差信号強度は以下のようになる。
【0064】
【数9】
【0065】
ただし、Zwν_m及びZwν_rはそれぞれ、最後のステップにおいて式(8)及び(9)を簡単にするために用いられる。w−ν=1の条件を満たす全ての取り得る項にわたる総和が、変調周波数ωmにおける最後の主信号を生成する。
【0066】
【数10】
【0067】
同様に、ωmにおける二重反射によって引き起こされる誤差信号は以下のように計算することができる。
【0068】
【数11】
【0069】
復調される全ての同相及び直交信号は、回転速度誤差を計算するためのI(ωm)=Im(ωm)+Ir(ωm)の式に含まれる。CW及びCCW回転速度誤差は、上記と同じようにして計算することができ、正味の回転速度誤差は、一方から他方を減算することによって得られる。
【0070】
上記で導出された数式を用いて、二重反射によって引き起こされるRFOG回転速度誤差を定量化することができる。図5Aは、自由スペクトル領域単位におけるキャビティー共振周波数からのレーザー周波数偏移の関数として、式(10)を用いて計算される復調主信号の一例を示すグラフである。理想的には、すなわち、二重反射を含まない場合には、レーザー周波数が共振中心に同調するときに、主信号は0である。リングキャビティー内に二重反射が存在する場合、図5B、図5C及び図5Dのグラフにおいて示されるように、共振中心において、式(11)を用いて計算される、0でない復調誤差信号が存在する。この誤差信号は不安定であり、主光波と誤差光波との間の相対的な位相変化に応じて、その符号及び大きさが変化する。ファイバー長が変化する結果として(たとえば、温度変動によって引き起こされる)、主信号波と反射誤差波との間に相対的な位相変化が生じることになる。図5B、図5C及び図5Dは、3つの異なる相対位相(0度、90度及び150度)における誤差信号を例示的に示しており、二重反射によって引き起こされる不安定を示す。
【0071】
CW及びCCWの個々のビームの大きな信号変動は、測定される回転速度の大きな変動を必ずしも意味しない場合がある。RFOGがCW及びCCW共振周波数測定に関して高い対称性を有する、すなわち、リングキャビティーの高い対称性、CW及びCCW光ビーム並びに位相変調の同一特性等を有する場合には、CW及びCCW回転速度誤差の相殺効果があるため、正味の回転速度誤差を非常に小さくすることができる。図6Aのグラフは、ジャイロスコープが25度/hrの例示的な速度において回転しているときに、(主光波と反射誤差光波との間の)相対的な位相変化の関数として個々のCW及びCCW回転速度誤差変動をプロットする。CW及びCCW信号はそれぞれ、リングキャビティー内の二重反射の存在に起因して、大きな回転速度誤差変動(〜15度/hrピーク・ツー・ピーク)を示す。しかしながら、CW及びCCW信号の減算後に、測定された回転速度は、CWとCCWとの間の完全な対称性に起因して、図6Bに示されるように非常に小さな回転速度誤差(0.0004度/hrピーク・ツー・ピーク)を有する。図6Bに示される小さな残留回転速度誤差変動は、CW及びCCW方向における反射光波の伝搬について、0でない回転が引き起こす非対称性によって生じる。回転速度が0である場合には、この残留回転速度誤差変動は消失することになる。
【0072】
対称なRFOGの二重反射タイプの回転速度誤差の相殺効果をさらに示すために、図7Aのグラフは、他の全てのCW及びCCWパラメーターが同一であるときに、CCW位相変調周波数とCW位相変調周波数との比の関数として、正味のピーク・ツー・ピーク回転速度誤差変動の依存性を示す。CW及びCCW位相変調周波数が同一であるとき(図7Aの中心における1の比によって指示される)、有効な相殺が生じることが明らかである。図7Bのグラフは、CCW位相変調振幅とCW位相変調振幅との比に対するピーク・ツー・ピーク回転速度誤差変動の同様の依存性を示す。完全な回転速度誤差の相殺は、CW及びCCW変調周波数並びに振幅が同一であるときに達成することができる。
【0073】
図8のグラフは、CW及びCCW変調周波数が潜在的に異なるときに、変調振幅を調整することによって回転速度誤差を相殺するためのシミュレーション結果を示す。変調周波数が同一でない場合に、最小のピーク・ツー・ピーク回転速度誤差は1から離れた変調振幅比によって得ることができるが、その残留回転速度誤差は、完全に相殺する場合(変調周波数及び変調振幅がいずれも同一であるとき)よりも著しく高い。
【0074】
位相変調周波数及び変調振幅に加えて、他の光ビーム特性も回転速度誤差相殺効果に影響を与える場合がある。たとえば、CW光とCCW光との間に線幅差があると、回転速度誤差相殺が不完全になる可能性がある。CCWレーザー線幅とCWレーザー線幅との比の関数としての回転速度誤差の依存性が、図9のグラフにおいてプロットされる。CW及びCCWレーザーが同一の線幅を有するときに、優れた相殺が生じる。しかしながら、図9を図7A及び図7Bと比較することによって、レーザー線幅差に対する実効的な回転速度誤差相殺の感度が、変調周波数/変調振幅に対する感度よりもはるかに低いことが明らかである。CW及びCCWのレーザー線幅の10%の差は、0.005度/hrのピーク・ツー・ピーク回転速度誤差を引き起こすが、一方、変調周波数/振幅差の10%の差は、0.7度/hrよりも大きな回転速度誤差を引き起こす可能性がある。
【0075】
上記の解析及びモデル化は、二重反射によって引き起こされる回転速度誤差を相殺する実効的な方法を提供する。図10は、そのような例示的な方法を示す流れ図である。最初に、CW及びCCWビームの伝搬に対して高い対称性を有するRFOGリングキャビティーが構築される(ブロック510)。光学経路内のいずれにおいても後方反射をできる限り回避し、低減することに注意を払うべきである。次に、回転速度誤差相殺効果を改善するために、CW及びCCW光ビームに対して、レーザー線幅、電力、位相変調振幅及び周波数等の同一の(又は概ね同一の)パラメーターが選択される(ブロック520)。次のステップにおいて、ピーク・ツー・ピーク回転速度誤差を測定するために、RFOGにキャビティー長変調が適用される(ブロック530)。次のステップにおいて、これらの回転速度誤差を用いて、CW又はCCWパラメーターのうちの少なくとも一方を調整して、キャビティー長を変調しながら、観測されるピーク・ツー・ピーク回転速度誤差を最小限に抑える(ブロック540)。それでもピーク・ツー・ピーク回転速度誤差が要件よりも大きい場合には、RFOGは、キャビティー長変調をオンにして動作し続けることができる(ブロック550)。たとえば、ピーク・ツー・ピーク回転速度誤差が所定のしきい値よりも大きい場合には、キャビティー長変調を適用して、平均化を通して回転速度誤差を除去することができる。
【0076】
キャビティー内の反射を低減するために、第1のステップ(ブロック510)に戻ることが必要な場合があるか、又はCW及びCCW回転速度誤差相殺を改善するために、パラメーター調整過程(ブロック540)を繰り返すことが必要な場合がある。先行するステップにおいて、回転速度誤差が要件より小さくなる等、ピーク・ツー・ピーク回転速度誤差が仕様の範囲内に抑制されると、RFOGのキャビティー長変調をオフにすることができるか(ブロック560)、又は構成要素及び運用コストを削減するために、ジャイロスコープから取り外すことができる。
【0077】
本発明は、その不可欠な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形で具現することもできる。記述される実施形態は、あらゆる点において、例示にすぎず、限定するものと見なされるべきではない。それゆえ、本発明の範囲は、これまでの説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等の意味及び範囲内に入る全ての変更が、特許請求の範囲内に包含されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、後方反射による回転速度の不安定性を低減した共振器光ファイバージャイロスコープに関する。
[連邦政府による資金提供を受けた研究開発に関する記述]
本発明は、空軍研究所(AFRL)によって与えられた契約番号第FA9453−08−C−0263号に基づいて、政府の支援を受けて行なわれた。政府は本発明に関して一定の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
共振器光ファイバージャイロスコープ(RFOG)は、2つの反対の伝搬方向(本明細書において、時計回り(CW)方向及び反時計回り(CCW)方向と呼ばれる)において、RFOGリングキャビティーの回転によって引き起こされる共振周波数差を測定することによって回転速度を検知する検知装置である。リングキャビティー共振周波数差を測定するために、別々のチューナブルレーザーからの単色光波が、通常、位相変調され、その後、CW方向及びCCW方向において、RFOGリングキャビティー内に結合される。循環する光波のごく一部がリングキャビティーの外部に結合され、光検出器に向けられ、光電流(又は電圧)信号が生成される。対応する位相変調周波数において光検出器信号を復調することによって、CW方向及びCCW方向の共振周波数差を検出するための判別信号が生成される。
【0003】
理想的には、CW及びCCW伝搬光波は別々の検出器(本明細書において、それぞれCW検出器及びCCW検出器と呼ばれる)によって受信され、交差結合は起こらない、すなわち、CW(CCW)光波はCCW(CW)検出器によって受信されない。しかしながら、実際の状況では、リングキャビティー内には不完全な光学表面があり、それらの表面は光波を反対の伝搬方向にわずかに反射する場合があり、それによりCW(CCW)ビームのごく一部がCCW(CW)光検出器によって受信される。この後方反射は、1回(又は奇数回)の反射を通して、間違った検出器上に光波を向けることによって特徴付けられるので、多くの場合に「単一後方反射」タイプと分類される。CW及びCCW共振検出に対して異なる位相変調周波数を用いることは、誤った反射信号を分離する有効な方法である。
【0004】
CW及びCCW光波が概ね同じ光学周波数を有する場合に、干渉ビート信号がジャイロ帯域幅に入り、それにより信号変動を引き起こし、ジャイロ性能を著しく劣化させる可能性がある。この問題を解決するために、CW方向及びCCW方向において、複数のレーザービームを、その周波数が整数個の共振器自由スペクトル領域(FSR)の分だけ離れるようにして使用する方式が以前に提案されている。自由スペクトル領域は、隣接する共振周波数間の周波数分離であり、通常、数MHz〜数百MHzである。ビート雑音周波数は高い周波数範囲にあるので、そのような周波数は、ローパス電子フィルターによって除去することができる。
【0005】
「二重後方反射」(又は単に「二重反射」)と呼ばれる別のタイプの反射もあり、その反射が回転速度測定の安定性(回転速度安定性とも呼ばれる)に及ぼす影響は、上記の方法によって容易に除去することはできない。二重反射によって、光波は、光学経路内の2回(又は偶数回)の反射によって生成される、その光波自体の反射部分と干渉する。このタイプの後方反射の場合、干渉する光波は同じ光周波数及び同じ位相変調を有する同じレーザーから生じる。干渉する光波は、復調過程において、主信号ビームから容易に分離することはできない。誤った光波は、第1の反射点を通って反対の伝搬方向に変更され、その後、第2の反射点によって元の方向に戻され、主ビーム異なる光学経路を通って伝搬する。環境によって引き起こされる経路長変動によって、2つの干渉するビーム間の相対的な位相変化が生じ、結果として、ジャイロスコープの回転速度が不安定になる。これは、RFOG性能を劣化させる大きな要因となる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
後方反射による回転速度の不安定性を低減した共振器光ファイバージャイロスコープを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、回転速度誤差の不安定性を低減する共振器光ファイバージャイロスコープ(RFOG)に関する。1つの実施の形態では、RFOGは、共振器光学リングキャビティーと、リングキャビティーと光学的に通信し、リングキャビティーに送信される時計回り光学信号を生成するように構成される第1の光源と、リングキャビティーと光学的に通信し、リングキャビティーに送信される反時計回り光学信号を生成するように構成される第2の光源とを備える。また、RFOGは、第1の光源及びリングキャビティーと光学的に通信する第1の光学構成要素も含む。第1の光学構成要素は、時計回り光学信号が第1の光源に後方反射されるのを防ぐように構成される。第2の光学構成要素が、第2の光源及びリングキャビティーと光学的に通信する。第2の光学構成要素は、反時計回り光信号が第2の光源に後方反射されるのを防ぐように構成される。さらに、第1の光学検出器及び第2の光学検出器がリングキャビティーに光学的に結合される。
【0008】
図面は本発明の代表的な実施形態のみを示しており、範囲を制限するものと見なされるべきではない。これらの実施形態は、参照される図面を用いて、以下の説明においてさらに具体的に、かつ詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態による共振器光ファイバージャイロスコープ(RFOG)のブロック図である。
【図2】別の実施形態によるRFOGのブロック図である。
【図3】代替の実施形態によるRFOGのブロック図である。
【図4】さらに別の実施形態によるRFOGのブロック図である。
【図5A】RFOGのための、自由スペクトル領域単位におけるキャビティー共振周波数からのレーザー周波数偏移の関数としての例示的な復調主信号のグラフである。
【図5B】RFOG内の二重反射によって引き起こされる不安定性を示す、3つの異なる相対位相のうちの1つにおける例示的な誤差信号のグラフである。
【図5C】RFOG内の二重反射によって引き起こされる不安定性を示す、3つの異なる相対位相のうちの1つにおける例示的な誤差信号のグラフである。
【図5D】RFOG内の二重反射によって引き起こされる不安定性を示す、3つの異なる相対位相のうちの1つにおける例示的な誤差信号のグラフである。
【図6A】RFOG内の主信号と反射誤差信号との間の相対位相の変化の関数として個々の時計回り(CW)及び反時計回り(CCW)回転速度変動をプロットするグラフである。
【図6B】図6AにおけるCW信号及びCCW信号を減算した後のCW及びCCW回転速度差をプロットするグラフである。
【図7A】RFOG内のCCW位相変調周波数とCW位相変調周波数との比の関数としてのピーク・ツー・ピーク正味回転速度変動の依存性を示すグラフである。
【図7B】RFOG内のCCW位相変調振幅とCW位相変調振幅との比の関数としてのピーク・ツー・ピーク正味回転速度変動の依存性を示すグラフである。
【図8】RFOGにおいてCW及びCCW変調周波数が潜在的に異なるときに変調振幅を調整することによって回転速度誤差を相殺するためのシミュレーション結果のグラフである。
【図9】RFOG内のCCWレーザー線幅とCWレーザー線幅との比の関数としての回転速度誤差の依存性を示すグラフである。
【図10】RFOG内の二重反射によって引き起こされる回転速度誤差を相殺するための例示的な方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、当業者が本発明を実施できるほど十分に詳しく実施形態が説明される。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用してもよいことは理解されたい。それゆえ、以下の詳細な説明は、限定する意味に解釈されるべきではない。
【0011】
本発明は、後方反射によって共振器光ファイバージャイロスコープ(RFOG)内の回転速度の不安定性を低減するための装置及び方法に関する。その装置及び方法は、ハイエンド応用のためにRFOG性能を改善するために、回転速度誤差を軽減する。
【0012】
要求される性能レベルを達成する際の従来のRFOGの1つの問題は、共振リング内の二重後方散乱又は二重後方反射であり、それによって回転検知に回転速度誤差が生じる。この誤差の原因は、主光ビームと、異なる光学経路を有する主光ビーム自体の二重反射部分との干渉に由来する。環境が不安定であることに起因する光学経路の任意の変動によって、干渉信号が変化し、それにより回転速度誤差が不安定になる。
【0013】
後方反射に起因した回転速度の不安定性の低減は、2つの方法を用いて成し遂げることができる。第1の方法では、時計回り(CW)及び反時計回り(CCW)信号の回転速度誤差相殺効果は、できる限り同一に近い特性を有するCW光波及びCCW光波を用いることによって改善される。これらの特性は、位相変調周波数、変調振幅、線幅、信号復調位相等を含むことができる。第2の方法は、回転速度が0後方反射に対応する値を中心にして振動するように、CCW光波に対してCW光波の上記の特性のうちの1つを変調する(逆の場合も同じ)。振動する回転速度誤差を平均することによって、RFOGリングキャビティー内の反射に起因した不安定性を低減又は解消することができる。
【0014】
第1の方法を実施するために、CW及びCCW光波に対して極めて対称な構成を有するRFOGが利用され、後方反射によって引き起こされる回転速度誤差を実効的に相殺する。CW及びCCW光波のために用いられるレーザービームは、線幅、電力等の同一に近い光学的特性を有し、概ね同じ変調振幅及び変調周波数を有する同じ種類の変調器を用いて変調される(ただし、CW信号とCCW信号との間のクロストークを低減するために、わずかな差が必要とされる場合もある)。さらに、CW及びCCW検出器信号は概ね同じ位相において復調される。このようにして、CW及びCCWの回転速度誤差を実効的に相殺し、数桁だけ低減することができる。
【0015】
第2の方法を実施するために、レーザー特性のうちの1つが、他方の特性に対して変調される。たとえば、一定のCCW位相変調振幅に対してCW光の位相変調振幅を低速で小さく正弦波変調することによって(逆の場合も同じ)、正弦波回転速度誤差変動が生成されることになる。その変動の平均値は、0の後方反射回転速度誤差に対応し、信号を平均した後に得ることができる。位相変調周波数又は復調位相のような他のパラメーターの変調も利用することができる。
【0016】
本発明の方法及び装置は、後方反射によって引き起こされる回転速度誤差を大きく減少させる。後方反射によって引き起こされる回転速度誤差及び回転速度誤差相殺効果のレベルを定量化する理論的モデルがこれ以降に説明される。
【0017】
本発明の方法及びシステムに関するさらに細かい事柄は、図面を参照しながらこれ以降に説明される。用語「光波」、「レーザービーム」、「光ビーム」、「光」及び「光学信号」は本明細書において交換可能に用いられることは理解されたい。
【0018】
図1は、一実施形態による共振器光ファイバージャイロスコープ(RFOG)100を示す。RFOG100は、一般的に、共振器光学リングキャビティー102を含み、それは、回転が検知される軸を中心にして、コアの周囲に巻かれた光ファイバーコイルとすることができる。レーザーのような第1の光源104がリングキャビティー102と光学的に通信し、リングキャビティー102に送信される時計回り(CW)光学信号106を生成するように構成される。レーザーのような第2の光源108もリングキャビティー102と光学的に通信し、リングキャビティー102に送信される反時計回り(CCW)光学信号を生成するように構成される。
【0019】
RFOG100は、光源104とリングキャビティー102との間の光学経路に沿って配置される第1の光学位相変調器112も含み、位相変調器112は光源104からのCW光学信号を変調するように構成される。第2の光学位相変調器114が光源108とリングキャビティー102との間の光学経路に沿って配置され、位相変調器114は光源108からのCCW光学信号を変調するように構成される。
【0020】
第1の入力結合器116が、光源104からのCW光学信号をリングキャビティー102内に結合するように構成され、第2の入力結合器118が、光源108からのCCW光学信号をリングキャビティー102内に結合するように構成される。第1の出力結合器120が、リングキャビティー102からのCW光学信号を第1の光学検出器124に結合するように構成され、第2の出力結合器122が、リングキャビティー102からのCCW光学信号を第2の光学検出器126に結合するように構成される。光学検出器124、126は、光検出器/プリアンプとすることができ、光学信号を電圧信号に変換する。
【0021】
エレクトロニクスデバイス128が、光学検出器124からの出力電圧信号を復調し、エレクトロニクスデバイス130が、光学検出器126からの出力電圧信号を復調する。エレクトロニクスデバイス128は、光源104の周波数をリングキャビティー102のCW共振にロックさせるために、光源104へのフィードバックを与える。同様に、エレクトロニクスデバイス130は、光源108の周波数をリングキャビティー102のCCW共振にロックさせるために、光源108へのフィードバックを与える。
【0022】
正弦波発生器132が、位相変調器112に変調電圧を与え、信号を復調するためにエレクトロニクスデバイス128に基準信号を与える。同様に、正弦波発生器134が、位相変調器114に変調電圧を与え、信号を復調するためにエレクトロニクスデバイス130に基準周波数を与える。エレクトロニクスデバイス128、130からの出力信号は、中央制御ユニット(図示せず)によって処理され、回転速度を測定できるように、CW及びCCW共振周波数差をそれぞれ求めることができる。
【0023】
第1の光学構成要素140が光源104及びリングキャビティー102と光学的に通信する。光学構成要素140は、CW光学信号が光源104に後方反射されるのを防ぐように構成される。第2の光学構成要素144が光源108及びリングキャビティー102と光学的に通信する。光学構成要素144は、CCW光学信号が光源108に後方反射されるのを防ぐように構成される。光学構成要素140、144は光学アイソレーターとすることができ、それにより、光を一方向にだけ送信することが可能になり、光が後方反射するのを防ぐ。
【0024】
第3の光学構成要素142が出力結合器120と光学検出器124との間に配置される。第3の光学構成要素142は、CW光学信号がリングキャビティー102に後方反射されるのを防ぐように構成される。第4の光学構成要素146が出力結合器122と光学検出器126との間に配置される。光学構成要素146は、CCW光学信号がリングキャビティー102に後方反射されるのを防ぐように構成される。光学構成要素142、146も光学アイソレーターとすることができる。
【0025】
後方反射によって引き起こされる回転速度誤差を分類し、特徴付けるために、いくつかの起こり得る後方反射位置が、図1において、白抜きの、又は塗潰された小さな丸と共に曲がった矢印によって示される。曲がった矢印は、後方反射の方向を指示する。白抜きの丸を有する矢印(たとえば、41、51及び61)は、最初に受けた反射について、CW光106をCCW方向に反射する点を表示する。塗潰された丸を有する矢印(たとえば、42、52及び62)は、最初に受けた反射について、CCW光110をCW方向に反射する点を表示する。反射点41及び42は、リングキャビティー内に位置する。反射点51及び52はそれぞれ、アイソレーター144と入力結合器118との間の光学入力経路上、及びアイソレーター140と入力結合器116との間の光学入力経路上に位置する。反射点61及び62はそれぞれ、アイソレーター142と出力結合器120との間の光学出力経路上、及びアイソレーター146と出力結合器122との間の光学出力経路上に位置する。上記の反射点は、ジャイロスコープ性能を劣化させる可能性がある、RFOG光学経路内で起こり得る反射点の例である。
【0026】
図1はRFOGの一実施形態のための全体的な構成を示すが、他の実施形態では、CW及びCCW光波をリングキャビティー内に及び/又はリングキャビティー外に入力結合及び/又は出力結合する機能は、少ない数の結合器によって実施することができる。
【0027】
たとえば、図2は、別の実施形態によるRFOG200を示しており、そのRFOGは光ファイバーコイルのような共振器光学リングキャビティー202を含む、RFOG100と同様の構成要素を含む。レーザー204がCW光波206を生成し、レーザー208がCCW光波210を生成する。また、RFOG200は、CW光波206を変調するための光学位相変調器212、及びCCW光波210を変調するための光学位相変調器214も含む。光学入力結合器216が各CW光波をリングキャビティー202に結合するように構成され、光学入力結合器218が、各CCW光波をリングキャビティー202に結合するように構成される。
【0028】
RFOG200は、CW光波及びCCW光波の両方をリングキャビティー202から外部に結合する単一の出力結合器220を有する。RFOG200は、リングキャビティー202から各CW出力光波を受信するための、光検出器のような光学検出器224と、リングキャビティー202から各CCW出力光波を受信するための、光検出器のような光学検出器226とをさらに備える。光学検出器224は、出力結合器220から各CCW出力光波を受信する。光学検出器226は、出力結合器220から各CW出力光波を受信する。
【0029】
CW光の場合に、光学アイソレーター240が、光がレーザー204に後方反射されるのを防ぎ、光学アイソレーター246が、光がリングキャビティー202に後方反射されるのを防ぐ。同様に、CCW光の場合に、光学アイソレーター244が、光がレーザー208に後方反射されるのを防ぎ、光学アイソレーター242が、光がリングキャビティー202に後方反射されるのを防ぐ。また、RFOG200は、RFOG100について上記で説明されたような付加的なエレクトロニクスデバイスも備えることができる。
【0030】
図3は、代替の実施形態によるRFOG300を示しており、そのRFOGは、光学リングキャビティー302を含む、RFOG200と同様の構成要素を含む。レーザー304がCW光波306を生成する。レーザー308がCCW光波310を生成する。光学位相変調器312が、CW光波306を変調するように構成され、光学変調器314が、CCW光波310を変調するように構成される。
【0031】
RFOG300は、CW及びCCW光の両方をリングキャビティー302内に結合する単一の光学入力結合器316を有する。光学出力結合器320が、リングキャビティー302からのCW光波を光学検出器324に結合するように構成される。光学出力結合器322が、リングキャビティー302からのCCW光波を光学検出器326に結合するように構成される。
【0032】
CW光の場合に、光学アイソレーター340が、光がレーザー304に後方反射されるのを防ぎ、光学アイソレーター342が、光がリングキャビティー302に後方反射されるのを防ぐ。同様に、CCW光の場合に、光学アイソレーター344が、光がレーザー308に後方反射されるのを防ぎ、光学アイソレーター346が、光がリングキャビティー302に後方反射されるのを防ぐ。また、RFOG300は、RFOG100について上記で説明されたような付加的なエレクトロニクスデバイスも備えることができる。
【0033】
図4は、さらなる実施形態によるRFOG400を示す。RFOG400は、光学リングキャビティー402と、CW光波406を生成するレーザー404と、CCW光波410を生成するレーザー408とを備える。光学位相変調器412が、CW光波406を変調するように構成され、光学位相変調器414が、CCW光波410を変調するように構成される。
【0034】
図4に示されるように、光学サーキュレーターのような第1の方向性光学構成要素416が、レーザー404からのCW光波406をリングキャビティー402に向けるように構成される。第1の光学結合器418が、光学構成要素416から受信されたCW光波406をリングキャビティー402内に結合するように構成される。第2の方向性光学構成要素420が、レーザー408からのCCW光波410をリングキャビティー402に向けるように構成される。第2の光学結合器422が、光学構成要素420から受信されたCCW光波410をリングキャビティー402内に結合するように構成される。
【0035】
また、光学結合器418は、リングキャビティー402からのCCW光波410を光学構成要素416に結合するように構成され、光学構成要素416はさらに、そのCCW光波を光学検出器424に向ける。同じく、光学結合器422は、リングキャビティー402からのCW光波406を光学構成要素420に結合するように構成され、光学構成要素420はさらに、そのCW光波を光学検出器426に向ける。
【0036】
方向性光学構成要素416、420が光学サーキュレーターとして実装されるとき、光はサーキュレーターを通って一方向にのみ伝搬する。たとえば、図4に示されるように、光学サーキュレーター(416、420)によって、光はポート1からポート2に伝搬し、ポート2からポート3に伝搬できるようになる。他の全ての伝搬方向(たとえば、ポート3からポート2、ポート2からポート1及びポート3からポート1)は概ね遮断されるか、又は大きく減衰する。光学サーキュレーターは、光が光学キャビティー又はレーザーに後方反射されるのも防ぐ。
【0037】
図1に戻ると、RFOG100について示される反射点は一般的に、一方向のみからの光波(CW、CCWのいずれか)を反射するものと仮定される。他の構成では、図2に示されるRFOG200内の点40のように、単一の反射点が、CW及びCCW両方の光波を反射できる場合もある。そのような反射点は、互いに位置が重なり合う2つの反射点と見なすことができる。図1〜図4において示されるような、1つの白抜きの丸の反射点及び1つの塗潰された丸の反射点を含む任意の一対の反射点(又は両方向において光を反射する単一の点)は、二重後方反射タイプの回転速度誤差を引き起こす可能性がある。
【0038】
二重反射構成例を示すために、図1の点61及び42が、二重反射の場合のそのような一対の反射点を形成すると仮定することができる。レーザー104から放射される光がCW方向においてリングキャビティー102内に結合される。その光はリングキャビティー102内で循環し、出力結合器120によって外部に結合され、検出器124に達する。その光は、第1の後方反射点61に達し、結合器120が双方向性であることから、その光のごく一部がCCW方向においてリングキャビティー102に後方結合される。この反射された光はCCW方向において循環し、その一部が点42によってCW方向に後方反射される。この二重反射ビームは、CW主信号ビーム106と共に、リングキャビティー102から検出器124に結合される。2つのビーム間の干渉によって、CW共振周波数を検知するための信号に変動が生じる。
【0039】
同様の解析によって、同じ一対の反射点(たとえば、61及び42)によって、CCW共振周波数を検知する場合にも信号に変動が生じることがわかっている。CW及びCCW方向の正味の共振周波数差の誤差は、二重反射によって引き起こされる絶対回転速度誤差を決定する。個々のCW及びCCW方向の回転速度誤差は相殺することができ、これによって、RFOG出力から生成される正味の回転速度誤差ははるかに小さくなる。CW及びCCW回転速度誤差を実効的に相殺する方法のための理論的解析がこれ以降に説明される。
【0040】
二重反射の事例を形成することができるいくつかの例示的な構成がある。たとえば、第1の構成では、両方の反射点がリングキャビティー内にある(たとえば、図1における点41及び42)。第2の構成では、一方の反射点がリングキャビティー内にあり、他方の点が入力、出力いずれかのビーム経路上にある(たとえば、点51及び42、点61及び42、点41及び52、並びに点41及び62)。第3の構成では、両方の反射点がリングキャビティーの外部にある(たとえば、点51及び52、点51及び62、点61及び52、並びに点61及び62)。
【0041】
光学経路内に光学アイソレーター又はサーキュレーターが存在することに起因して、リングキャビティー外部にある反射点は、図1〜図4において示される全ての実施形態において、入力/出力結合器とアイソレーター/サーキュレーターとの間にのみ存在すると仮定される。リングキャビティー外部にある他の点からの反射はアイソレーター又はサーキュレーターによって大きく減衰する。
【0042】
実際の状況では、複数の反射点が存在し、複数の二重反射構成を形成する。そのような実際の状況の理論的解析は非常に複雑になる可能性がある。以下では、簡単にするために、2つの反射点だけを含む事例が取り扱われ、その解析からの結論を用いて、本発明の実施形態が正当であることを証明する。しかしながら、その方法及び実施形態は、さらに複雑な反射構成の場合にも利用できることは理解されたい。
【0043】
以下の理論的解析において説明を簡単にするために、アルファベット文字を用いて、図1における光学経路内の位置をラベル付けする。CW光入力/出力結合点は全て「1」を付され、CCW点は「2」を付され、図1におけるアルファベット文字に続く。たとえば、CW(CCW)入力光は点A1(A2)において開始し、点B1(B2)において共振器に結合され、点C1(C2)において共振器から外部に結合され、検出器D1(D2)に達する。CW光のための第1の反射点は文字「P」を付され、第2の反射点は文字「Q」を付される。CCWビームの場合、第1の反射点は「Q」であり、第2は「P」である。具体的には、図1の「P」及び「Q」は、両方の反射点が点41及び42においてリングキャビティー内部にあるときの第1の構成の二重反射を示す。
【0044】
特定の構成のための各二重反射光学経路は、光伝搬の方向を指示する矢印によって接続される経路上の一連の点によって示すことができる。たとえば、図1に示される第1の構成における二重反射CW及びCCW光は、以下のように表すことができる。
【0045】
【数1】
【0046】
及び
【0047】
【数2】
【0048】
上記の式(1)及び(2)において、1つの点から別の点まで伝搬する光は、矢印によって指示される。矢印上の「+」符号及び「−」符号はそれぞれ、CW方向及びCCW方向を指示する。矢印上の「+」及び「−」符号の右側に整数m、l、nがあるとき、それは、指示された方向において光が整数分だけ循環することを意味する。矢印上の「In」及び「Out」は、その光が入力経路上にあるか、出力経路上にあるかを指示する。
【0049】
たとえば、式(1)は、CW光がA1からB1に入力し、CW方向においてB1からPに伝搬し、その後、CW方向においてl回だけ循環し、点Pに戻り、その後、Pによって反射され、CCW方向においてPからQまで伝搬し、その後、CCW方向においてm回だけ循環し、Qに戻り、その後、Qによって反射され、CW方向においてQからC1まで伝搬し、その後、CW方向においてn回だけ循環し、C1に戻り、最後に、共振器から外部の検出器D1に結合されると解釈することができる。m、l、nは二重反射を伴う特定の光学経路を記述するための負ではない任意の整数とすることができる。整数0は、光がリングキャビティー内で循環しないことを意味する。
【0050】
共振器内で異なる回数のラウンドトリップを受けた数多くの光波場(後方反射されるか否か)は、RFOGリングキャビティーにおいて循環することに起因して、光検出器において重なり合う。ジョーンズ行列表記を用いて光波伝搬を記述するとき、検出器における全ての二重反射CW光場の総和は以下の式によって表すことができる。
【0051】
【数3】
【0052】
ただし、たとえば、ジョーンズ行列MA1B1は点A1からB1までの伝搬を記述し、行列MQ−mは点Qから点QまでのCCW方向における光の循環を記述する。これらのジョーンズ行列は、光学経路の偏光交差結合、損失及び複屈折特性を記述する。簡単にするために、ここで、1つの偏光モードのみが仮定される場合には、全ての行列を複素数に変形することができ、上記の式は以下の形に整理し直される。
【0053】
【数4】
【0054】
ここで、κは、1つ又は複数のラウンドトリップを含むことなく、二重反射を通しての入力から出力までの伝達係数であり(すなわち、κは右括弧の値である)、λはリングキャビティーラウンドトリップ振幅伝達係数であり、φSは、回転速度が0でないことに起因するサニャック位相である。
【0055】
主ビーム(二重反射を含まない)は以下のように表される。
【0056】
【数5】
【0057】
ただし、χは反射を含まない入力ポートから出力ポートまでの伝達係数である。二重反射CW光場ECW_2Rと主信号場ECW_mとの干渉は、CW回転速度誤差の大きな一因である。この回転速度誤差を計算するために、信号の変調及び復調が、モデルによって考慮に入れられなければならない。ωmの角周波数及びMラジアンの位相振幅を用いる正弦波位相変調後に、検出器における主信号光場のν−高調波周波数成分は、以下の式によって与えられる。
【0058】
【数6】
【0059】
ただし、Jνは第一種のν次ベッセル関数であり、ωcはレーザービームの中心角周波数であり、ηはリングキャビティーラウンドトリップ伝達係数であり、ΔfはHz単位のレーザー線幅であり、τはリングキャビティーラウンドトリップ時間である。同様に、検出器における二重反射場のw−高調波周波数成分は以下の式によって表すことができる。
【0060】
【数7】
【0061】
主信号のw周波数成分とν周波数成分との間のビートに起因する角周波数(w−ν)ωmにおける主信号強度は以下のように導出される。
【0062】
【数8】
【0063】
Ew_2RとEν_mとの間のビートに起因する周波数(w−ν)ωmにおける、反射によって引き起こされる誤差信号強度は以下のようになる。
【0064】
【数9】
【0065】
ただし、Zwν_m及びZwν_rはそれぞれ、最後のステップにおいて式(8)及び(9)を簡単にするために用いられる。w−ν=1の条件を満たす全ての取り得る項にわたる総和が、変調周波数ωmにおける最後の主信号を生成する。
【0066】
【数10】
【0067】
同様に、ωmにおける二重反射によって引き起こされる誤差信号は以下のように計算することができる。
【0068】
【数11】
【0069】
復調される全ての同相及び直交信号は、回転速度誤差を計算するためのI(ωm)=Im(ωm)+Ir(ωm)の式に含まれる。CW及びCCW回転速度誤差は、上記と同じようにして計算することができ、正味の回転速度誤差は、一方から他方を減算することによって得られる。
【0070】
上記で導出された数式を用いて、二重反射によって引き起こされるRFOG回転速度誤差を定量化することができる。図5Aは、自由スペクトル領域単位におけるキャビティー共振周波数からのレーザー周波数偏移の関数として、式(10)を用いて計算される復調主信号の一例を示すグラフである。理想的には、すなわち、二重反射を含まない場合には、レーザー周波数が共振中心に同調するときに、主信号は0である。リングキャビティー内に二重反射が存在する場合、図5B、図5C及び図5Dのグラフにおいて示されるように、共振中心において、式(11)を用いて計算される、0でない復調誤差信号が存在する。この誤差信号は不安定であり、主光波と誤差光波との間の相対的な位相変化に応じて、その符号及び大きさが変化する。ファイバー長が変化する結果として(たとえば、温度変動によって引き起こされる)、主信号波と反射誤差波との間に相対的な位相変化が生じることになる。図5B、図5C及び図5Dは、3つの異なる相対位相(0度、90度及び150度)における誤差信号を例示的に示しており、二重反射によって引き起こされる不安定を示す。
【0071】
CW及びCCWの個々のビームの大きな信号変動は、測定される回転速度の大きな変動を必ずしも意味しない場合がある。RFOGがCW及びCCW共振周波数測定に関して高い対称性を有する、すなわち、リングキャビティーの高い対称性、CW及びCCW光ビーム並びに位相変調の同一特性等を有する場合には、CW及びCCW回転速度誤差の相殺効果があるため、正味の回転速度誤差を非常に小さくすることができる。図6Aのグラフは、ジャイロスコープが25度/hrの例示的な速度において回転しているときに、(主光波と反射誤差光波との間の)相対的な位相変化の関数として個々のCW及びCCW回転速度誤差変動をプロットする。CW及びCCW信号はそれぞれ、リングキャビティー内の二重反射の存在に起因して、大きな回転速度誤差変動(〜15度/hrピーク・ツー・ピーク)を示す。しかしながら、CW及びCCW信号の減算後に、測定された回転速度は、CWとCCWとの間の完全な対称性に起因して、図6Bに示されるように非常に小さな回転速度誤差(0.0004度/hrピーク・ツー・ピーク)を有する。図6Bに示される小さな残留回転速度誤差変動は、CW及びCCW方向における反射光波の伝搬について、0でない回転が引き起こす非対称性によって生じる。回転速度が0である場合には、この残留回転速度誤差変動は消失することになる。
【0072】
対称なRFOGの二重反射タイプの回転速度誤差の相殺効果をさらに示すために、図7Aのグラフは、他の全てのCW及びCCWパラメーターが同一であるときに、CCW位相変調周波数とCW位相変調周波数との比の関数として、正味のピーク・ツー・ピーク回転速度誤差変動の依存性を示す。CW及びCCW位相変調周波数が同一であるとき(図7Aの中心における1の比によって指示される)、有効な相殺が生じることが明らかである。図7Bのグラフは、CCW位相変調振幅とCW位相変調振幅との比に対するピーク・ツー・ピーク回転速度誤差変動の同様の依存性を示す。完全な回転速度誤差の相殺は、CW及びCCW変調周波数並びに振幅が同一であるときに達成することができる。
【0073】
図8のグラフは、CW及びCCW変調周波数が潜在的に異なるときに、変調振幅を調整することによって回転速度誤差を相殺するためのシミュレーション結果を示す。変調周波数が同一でない場合に、最小のピーク・ツー・ピーク回転速度誤差は1から離れた変調振幅比によって得ることができるが、その残留回転速度誤差は、完全に相殺する場合(変調周波数及び変調振幅がいずれも同一であるとき)よりも著しく高い。
【0074】
位相変調周波数及び変調振幅に加えて、他の光ビーム特性も回転速度誤差相殺効果に影響を与える場合がある。たとえば、CW光とCCW光との間に線幅差があると、回転速度誤差相殺が不完全になる可能性がある。CCWレーザー線幅とCWレーザー線幅との比の関数としての回転速度誤差の依存性が、図9のグラフにおいてプロットされる。CW及びCCWレーザーが同一の線幅を有するときに、優れた相殺が生じる。しかしながら、図9を図7A及び図7Bと比較することによって、レーザー線幅差に対する実効的な回転速度誤差相殺の感度が、変調周波数/変調振幅に対する感度よりもはるかに低いことが明らかである。CW及びCCWのレーザー線幅の10%の差は、0.005度/hrのピーク・ツー・ピーク回転速度誤差を引き起こすが、一方、変調周波数/振幅差の10%の差は、0.7度/hrよりも大きな回転速度誤差を引き起こす可能性がある。
【0075】
上記の解析及びモデル化は、二重反射によって引き起こされる回転速度誤差を相殺する実効的な方法を提供する。図10は、そのような例示的な方法を示す流れ図である。最初に、CW及びCCWビームの伝搬に対して高い対称性を有するRFOGリングキャビティーが構築される(ブロック510)。光学経路内のいずれにおいても後方反射をできる限り回避し、低減することに注意を払うべきである。次に、回転速度誤差相殺効果を改善するために、CW及びCCW光ビームに対して、レーザー線幅、電力、位相変調振幅及び周波数等の同一の(又は概ね同一の)パラメーターが選択される(ブロック520)。次のステップにおいて、ピーク・ツー・ピーク回転速度誤差を測定するために、RFOGにキャビティー長変調が適用される(ブロック530)。次のステップにおいて、これらの回転速度誤差を用いて、CW又はCCWパラメーターのうちの少なくとも一方を調整して、キャビティー長を変調しながら、観測されるピーク・ツー・ピーク回転速度誤差を最小限に抑える(ブロック540)。それでもピーク・ツー・ピーク回転速度誤差が要件よりも大きい場合には、RFOGは、キャビティー長変調をオンにして動作し続けることができる(ブロック550)。たとえば、ピーク・ツー・ピーク回転速度誤差が所定のしきい値よりも大きい場合には、キャビティー長変調を適用して、平均化を通して回転速度誤差を除去することができる。
【0076】
キャビティー内の反射を低減するために、第1のステップ(ブロック510)に戻ることが必要な場合があるか、又はCW及びCCW回転速度誤差相殺を改善するために、パラメーター調整過程(ブロック540)を繰り返すことが必要な場合がある。先行するステップにおいて、回転速度誤差が要件より小さくなる等、ピーク・ツー・ピーク回転速度誤差が仕様の範囲内に抑制されると、RFOGのキャビティー長変調をオフにすることができるか(ブロック560)、又は構成要素及び運用コストを削減するために、ジャイロスコープから取り外すことができる。
【0077】
本発明は、その不可欠な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形で具現することもできる。記述される実施形態は、あらゆる点において、例示にすぎず、限定するものと見なされるべきではない。それゆえ、本発明の範囲は、これまでの説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等の意味及び範囲内に入る全ての変更が、特許請求の範囲内に包含されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共振器光ファイバージャイロスコープであって、
共振器光学リングキャビティーと、
前記リングキャビティーと光学的に通信し、該リングキャビティーに伝送される時計回り光学信号を生成するように構成される第1の光源と、
前記リングキャビティーと光学的に通信し、該リングキャビティーに伝送される反時計回り光学信号を生成するように構成される第2の光源と、
前記第1の光源及び前記リングキャビティーと光学的に通信する第1の光学構成要素であって、前記時計回り光学信号が前記第1の光源に後方反射されるのを防ぐように構成される、第1の光学構成要素と、
前記第2の光源及び前記リングキャビティーと光学的に通信する第2の光学構成要素であって、前記反時計回り光学信号が前記第2の光源に後方反射されるのを防ぐように構成される、第2の光学構成要素と、
前記リングキャビティーに光学的に結合される第1の光学検出器と、
前記リングキャビティーに光学的に結合される第2の光学検出器と、
を備える、共振器光ファイバージャイロスコープ。
【請求項2】
前記第1の光源からの前記時計回り光学信号を前記リングキャビティー内に結合するように構成される第1の入力結合器と、
前記第2の光源からの前記反時計回り光学信号を前記リングキャビティー内に結合するように構成される第2の入力結合器と、
前記リングキャビティーからの前記時計回り光学信号を前記第1の光学検出器に結合するように構成される第1の出力結合器と、
前記リングキャビティーからの前記反時計回り光学信号を前記第2の光学検出器に結合するように構成される第2の出力結合器と、
前記第1の出力結合器と前記第1の光学検出器との間に配置される第3の光学構成要素であって、前記時計回り光学信号が前記リングキャビティーに後方反射されるのを防ぐように構成される、第3の光学構成要素と、
前記第2の出力結合器と前記第2の光学検出器との間に配置される第4の光学構成要素であって、前記反時計回り光学信号が前記リングキャビティーに後方反射されるのを防ぐように構成される、第4の光学構成要素と、
をさらに備える、請求項1に記載の共振器光ファイバージャイロスコープ。
【請求項3】
前記第1の光学構成要素、前記第2の光学構成要素、前記第3の光学構成要素及び前記第4の光学構成要素はそれぞれ光学アイソレーターを含む、請求項3に記載の共振器光ファイバージャイロスコープ。
【請求項1】
共振器光ファイバージャイロスコープであって、
共振器光学リングキャビティーと、
前記リングキャビティーと光学的に通信し、該リングキャビティーに伝送される時計回り光学信号を生成するように構成される第1の光源と、
前記リングキャビティーと光学的に通信し、該リングキャビティーに伝送される反時計回り光学信号を生成するように構成される第2の光源と、
前記第1の光源及び前記リングキャビティーと光学的に通信する第1の光学構成要素であって、前記時計回り光学信号が前記第1の光源に後方反射されるのを防ぐように構成される、第1の光学構成要素と、
前記第2の光源及び前記リングキャビティーと光学的に通信する第2の光学構成要素であって、前記反時計回り光学信号が前記第2の光源に後方反射されるのを防ぐように構成される、第2の光学構成要素と、
前記リングキャビティーに光学的に結合される第1の光学検出器と、
前記リングキャビティーに光学的に結合される第2の光学検出器と、
を備える、共振器光ファイバージャイロスコープ。
【請求項2】
前記第1の光源からの前記時計回り光学信号を前記リングキャビティー内に結合するように構成される第1の入力結合器と、
前記第2の光源からの前記反時計回り光学信号を前記リングキャビティー内に結合するように構成される第2の入力結合器と、
前記リングキャビティーからの前記時計回り光学信号を前記第1の光学検出器に結合するように構成される第1の出力結合器と、
前記リングキャビティーからの前記反時計回り光学信号を前記第2の光学検出器に結合するように構成される第2の出力結合器と、
前記第1の出力結合器と前記第1の光学検出器との間に配置される第3の光学構成要素であって、前記時計回り光学信号が前記リングキャビティーに後方反射されるのを防ぐように構成される、第3の光学構成要素と、
前記第2の出力結合器と前記第2の光学検出器との間に配置される第4の光学構成要素であって、前記反時計回り光学信号が前記リングキャビティーに後方反射されるのを防ぐように構成される、第4の光学構成要素と、
をさらに備える、請求項1に記載の共振器光ファイバージャイロスコープ。
【請求項3】
前記第1の光学構成要素、前記第2の光学構成要素、前記第3の光学構成要素及び前記第4の光学構成要素はそれぞれ光学アイソレーターを含む、請求項3に記載の共振器光ファイバージャイロスコープ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−47727(P2012−47727A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−142318(P2011−142318)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142318(P2011−142318)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
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