説明

循環式汚水処理システム

【課題】 汚水の浄化を確実に向上させる循環式汚水処理システムを提供すること。
【解決手段】 本発明の循環式汚水処理システム10は、水洗便器11より排出される汚水に酸化促進剤が投入され、投入された酸化促進剤により汚水の酸化の処理が行われる原水槽21と、原水槽21よりの酸化が行われた処理水を遠心力で分離するサイクロンフィルター22と、サイクロンフィルター22よりの処理水を攪拌する攪拌槽23と、攪拌槽23より送出した処理水より汚泥を沈殿させる汚泥沈殿槽24と、気泡が導入され、汚泥沈殿槽24より送出された処理水を分解するバイオフリンジを設けた汚水分解槽25と、活性炭が設けられ汚水分解槽25より送出された処理水に酸化物質を混入し有機物質を除去する有機物質除去槽26とを備えることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚水の浄化を確実に向上させる循環式汚水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の循環式汚水処理システムには、水洗便器からの汚水を微生物で有機分解した後に沈殿槽で沈殿分離し循環使用するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開平5−230858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の従来の循環式汚水処理システムは、微生物による有機分解と沈殿槽での沈殿分離を発生する汚水につき行っているが、汚水の状況によっては浄化が不十分となることがあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、汚水の浄化を確実に向上させる循環式汚水処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の循環式汚水処理システムは、水洗便器より排出される汚水に酸化促進剤が投入され、投入された酸化促進剤により前記汚水の酸化の処理が行われる原水槽と、前記原水槽よりの前記酸化が行われた処理水にサイクロン流を発生させ前記処理水を遠心力で分離するサイクロンフィルターと、前記サイクロンフィルターよりの前記処理水を攪拌する攪拌槽と、前記攪拌槽より送出した前記処理水より汚泥を沈殿させる汚泥沈殿槽と、気泡が導入され、前記汚泥沈殿槽より送出された処理水を分解するバイオフリンジを設けた汚水分解槽と、活性炭が設けられ前記汚水分解槽より送出された前記処理水に酸化物質を混入し有機物質を除去する有機物質除去槽とを備えることとした。
また、本発明の循環式汚水処理システムは、水洗便器より排出される汚水に酸化促進剤が投入され、投入された酸化促進剤により前記汚水の酸化の処理が行われる原水槽と、前記原水槽よりの前記酸化が行われた処理水にサイクロン流を発生させ前記処理水を遠心力で分離するサイクロンフィルターと、前記サイクロンフィルターよりの前記処理水を攪拌する攪拌槽と、前記攪拌槽より送出した前記処理水より汚泥を沈殿させる汚泥沈殿槽と、気泡が導入され、前記汚泥沈殿槽より送出された処理水を分解するバイオフリンジを設けた汚水分解槽と、活性炭が設けられ前記汚水分解槽より送出された前記処理水に酸化物質を混入し有機物質を除去する有機物質除去槽とを備え、前記活性炭は、複数層の活性炭とし、前記有機物質除去槽で浄化が行われる処理水は、オゾン発生器より供給されるオゾンを混入するバルブを介し前記複数層の活性炭のそれぞれの間に送出され、前記複数層の活性炭を循環することとした。
また、前記攪拌槽は沈殿した汚泥を前記原水槽に戻し、前記汚泥沈殿槽は沈殿した汚泥を前記攪拌槽に戻すこととした。
さらに、前記汚泥沈殿槽は、活性炭の槽を設けることとした。
【発明の効果】
【0006】
本発明の循環式汚水処理システムは、水洗便器より排出される汚水に酸化促進剤が投入され、投入された酸化促進剤により前記汚水の酸化の処理が行われる原水槽と、前記原水槽よりの前記酸化が行われた処理水にサイクロン流を発生させ前記処理水を遠心力で分離するサイクロンフィルターと、前記サイクロンフィルターよりの前記処理水を攪拌する攪拌槽と、前記攪拌槽より送出した前記処理水より汚泥を沈殿させる汚泥沈殿槽と、気泡が導入され、前記汚泥沈殿槽より送出された処理水を分解するバイオフリンジを設けた汚水分解槽と、活性炭が設けられ前記汚水分解槽より送出された前記処理水に酸化物質を混入し有機物質を除去する有機物質除去槽とを備えることとしたため、確実に汚水を浄化することができる。
また、本発明の循環式汚水処理システムは、水洗便器より排出される汚水に酸化促進剤が投入され、投入された酸化促進剤により前記汚水の酸化の処理が行われる原水槽と、前記原水槽よりの前記酸化が行われた処理水にサイクロン流を発生させ前記処理水を遠心力で分離するサイクロンフィルターと、前記サイクロンフィルターよりの前記処理水を攪拌する攪拌槽と、前記汚泥沈殿槽より送出した前記処理水より汚泥を沈殿させる汚泥沈殿槽と、気泡が導入され、前記攪拌槽より送出された処理水を分解するバイオフリンジを設けた汚水分解槽と、活性炭が設けられ前記汚水分解槽より送出された前記処理水に酸化物質を混入し有機物質を除去する有機物質除去槽とを備え、前記活性炭は、複数層の活性炭とし、前記有機物質除去槽で浄化が行われる処理水は、オゾン発生器より供給されるオゾンを混入するバルブを介し前記複数層の活性炭のそれぞれの間に送出され、前記複数層の活性炭を循環することとしたため、より効果的に確実に汚水を浄化することができる。
また、前記攪拌槽は沈殿した汚泥を前記原水槽に戻し、前記汚泥沈殿槽は沈殿した汚泥を前記攪拌槽に戻すこととしたため、汚泥の再浄化を行うことができる。
さらに、前記汚泥沈殿槽は、活性炭の槽を設けることとしたため、より効果的に汚水を浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明の第1の実施形態の循環式汚水処理システムのブロック図を示す。
【図2】 本発明の第2の実施形態の循環式汚水処理システムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態の循環式汚水処理システムにつき説明する。
【実施例】
【0009】
図1は、本発明の第1の実施形態の循環式汚水処理システムのブロック図を示す。
図1に示すように、本発明の第1の循環式汚水処理システム10は、水洗便器11、原水槽21、サイクロンフィルター22、マイクロバブル発生器31、攪拌槽23、汚泥沈殿槽24、汚水分解槽25、有機物質除去槽26、リサイクル水貯水タンク12とで主に構成される。
原水槽21は、水洗便器11より排出される汚水が送入される。水洗便器11より排出された汚水には、浄化のためベローズポンプ(図示せず)により酸化促進剤が投入され、投入された酸化促進剤により汚水の酸化が行われ処理水となる。
原水槽21には、水位を検出する上方側の水面位置センサS1と下方側の水面位置センサS2と、水面位置センサS1と水面位置センサS2とにより水面位置の制御を行う水位制御部27aが設けられている。水位が上方側の水面位置を上回り上方側の水面位置センサS1がONしたときには水位制御部27aによりポンブ21aが作動し、サイクロンフィルター22への送出が行われ、下方側の水面位置を下回り下方側の水面位置センサS2がOFFしたときには水位制御部27aによりポンブ21aは作動停止し、水面位置の制御が行われる。
サイクロンフィルター22は、原水槽21により酸化が行われた処理水にサイクロン流を発生させ遠心力で分離し、分離した分解しにくい砂などの固形物を含む汚泥を原水槽21に戻すことが行われる。
マイクロバブル発生器31は、有機物質除去槽26より浄化されたリサイクル水がポンプ32により送入されるが、マイクロバブルとストリーマ放電により酸化物質を生成し、送入されたリサイクル水に生成した酸化物質を混入し攪拌槽23に送出する。
攪拌槽23は、サイクロンフィルター22より送出された処理水にマイクロバブル発生器31よりの酸化物質を混入したリサイクル水を混入して攪拌し、汚泥沈殿槽24に送出する。マイクロバブル発生器31よりのリサイクル水にはオゾンも含まれている。攪拌槽23に沈殿した汚泥は原水槽21に戻される。
【0010】
汚泥沈殿槽24は、汚泥を沈殿させ沈殿した汚泥は攪拌槽23に戻される。また、汚泥沈殿槽24には、活性炭24aの層が設けられ、酸化物質が混入しオゾンも含む処理水が活性炭24aを通過するため、活性種であるOHラジカルが発生し、発生したOHラジカルにより有機物を減らし汚泥を減らすことができる。OHラジカルにより、色素、臭い、ばい菌も分解され減らすこともできる。汚泥沈殿槽24を通過した処理水は固形物を含まない汚泥処理水となり送出する。
汚水分解槽25は、糸や毛糸などの繊維状の汚泥吸収糸のバイオフリンジ25aが複数設けられている。バイオフリンジ25aは、汚泥沈殿槽24より送出された処理水に含まれる汚泥を吸収し、バイオフリンジ25aには曝気ポンプ28により気泡が導入され、バイオフリンジ25aに自然発生的に繁殖させた微生物に有機物を食べさせ汚泥を減らすことができる。
有機物質除去槽26は、活性炭26aの層が設けられ、汚水分解槽25より送出された処理水にマイクロバブル発生器31よりの酸化物質を混入したリサイクル水を混入して攪拌し、活性炭24aを通過させ浄化させている。有機物質除去槽26でも、マイクロバブル発生器31よりの酸化物質が混入され攪拌され活性炭26aを通過するため、活性種であるOHラジカルが発生し、発生したOHラジカルにより有機物を減らすことができる。水洗便器11より排出される汚水は、最終段階の有機物質除去槽26で最終的に浄化され、透明度の高いリサイクル水となってポンプ26aによりリサイクル水貯水タンク12に送出される。リサイクル水貯水タンク12の貯水のリサイクル水は、水洗便器11で再び使用される。
また、有機物質除去槽26には、水位を検出する上方側の水面位置センサS3と下方側の水面位置センサS4と、水面位置センサS3と水面位置センサS4とにより処理水の水面位置の制御を行う水位制御部27bが設けられている。水位が上方側の水面位置を上回り上方側の水面位置センサS3がONしたときには水位制御部27bによりポンブ26bが作動し、リサイクル水貯水タンク12への送出が行われ、水位が下方側の水面位置を下回り下方側の水面位置センサS4がOFFしたときには水位制御部27bによりポンブ26bは作動停止し、水面位置の制御が行われる。
【0011】
以上、本発明の第1の循環式汚水処理システム10は、水洗便器11より排出される汚水が最終段階の有機物質除去槽26で最終的に浄化され、透明度の高いリサイクル水となり、確実に汚水を浄化することができる。リサイクル水は、ポンプ26bによりリサイクル水貯水タンク12に送出され、水洗便器11で再び使用される。
また、攪拌槽23に沈殿した汚泥は原水槽21に戻され、再び浄化することができ、さらに、汚泥沈殿槽24に沈殿した汚泥も攪拌槽23に戻され、再び浄化することができ、浄化効果を上げることもできる。
なお、水洗便器11は、複数設けることもでき、また使用頻度も様々であり、水洗便器11の設置状況や使用頻度に応じても充分浄化効果を得るようにすることもできる。
【0012】
図2は、本発明の第2の実施形態の循環式汚水処理システムのブロック図を示す。
図2に示すように、本発明の第2の循環式汚水処理システム40は、本発明の第1の循環式汚水処理システム10に対し有機物質除去槽26(図1参照)に代え三層の活性炭を設けた有機物質除去槽46を設けたものである。
有機物質除去槽46は、三層の活性炭46a、46b、46cが設けられ、汚水分解槽25より送出された処理水にマイクロバブル発生器31よりの酸化物質を混入したリサイクル水を混入して攪拌し、三層の活性炭46a、46b、46cを通過させ浄化させている。有機物質除去槽46は、マイクロバブル発生器31よりの酸化物質が混入され攪拌され三層の活性炭46a、46b、46cを通過するため、活性種であるOHラジカルが発生し、発生したOHラジカルにより有機物を減らすことができる。
三層の活性炭46a、46b、46cには、浄化が行われる処理水が循環する。浄化が行われる処理水は、循環用ポンプ43により、オゾン発生器44aより供給されるオゾンを混入するバルブ45aを介し活性炭46aと46bの間に送出され、活性炭46aを循環し、オゾン発生器44bより供給されるオゾンを混入するバルブ45bを介し活性炭46bと46cの間に送出され、活性炭46a、46bを循環し、オゾン発生器44cより供給されるオゾンを混入するバルブ45cを介し活性炭46cの下側に送出され、活性炭46a、46b、46cを循環し、より効果的に浄化を行うことができる。
水洗便器11より排出される汚水は、最終段階の有機物質除去槽46で最終的に浄化され、より透明度の高いリサイクル水となってポンプ26aによりリサイクル水貯水タンク12に送出される。リサイクル水貯水タンク12の貯水のリサイクル水は、水洗便器11で再び使用される。
また、有機物質除去槽46には、水位を検出する上方側の水面位置センサS5と下方側の水面位置センサS6と、水面位置センサS5と水面位置センサS6とにより処理水の水面位置の制御を行う水位制御部41が設けられている。水位が上方側の水面位置を上回り上方側の水面位置センサS5がONしたときには水位制御部41によりポンブ42が作動し、リサイクル水貯水タンク12への送出が行われ、水位が下方側の水面位置を下回り下方側の水面位置センサS6がOFFしたときには水位制御部41によりポンブ42は作動停止し、水面位置の制御が行われる。
【0013】
以上、本発明の第2の循環式汚水処理システム40は、水洗便器11より排出される汚水が最終段階の有機物質除去槽46で最終的に浄化され、透明度の高いリサイクル水となり、確実に汚水を浄化することができる。リサイクル水は、ポンプ42によりリサイクル水貯水タンク12に送出され、水洗便器11で再び使用される。
なお、本発明の第2の実施形態の循環式汚水処理システムは、水洗便器に設けられているが、これに限定することなくその他の汚水処理にも使用することができる。
また、活性炭は三層の活性炭を設けることとしたが、これに限定することなく、複数層の活性炭を設けるようにすることもできる。
さらに、本発明の第1、2の循環式汚水処理システムでは、投入された酸化促進剤により汚水の酸化を行っているが、水洗便器の使用状況などにより汚水の酸化を行わず、汚水を処理水として送出するようにすることもでき、その場合でも汚水を充分浄化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明の循環式汚水処理システムは、水洗便器の汚物に限らず廃棄用の砕いた食材にも使用でき、また、家庭内で勿論使用することができるが、会社や介護施設などでも幅広く使用することができる。
【符号の説明】
【0015】
10 第1の循環式汚水処理システム
11 水洗便器
12 リサイクル水貯水タンク
21 原水槽
22 サイクロンフィルター
23 攪拌槽
24 汚泥沈殿槽
25 汚水分解槽
26 、46 有機物質除去槽
28 曝気ポンプ
31 マイクロバブル発生器
40 第2の循環式汚水処理システム
46a、46b、46c 三層の活性炭

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水洗便器より排出される汚水に酸化促進剤が投入され、投入された酸化促進剤により前記汚水の酸化の処理が行われる原水槽と、前記原水槽よりの前記酸化が行われた処理水にサイクロン流を発生させ前記処理水を遠心力で分離するサイクロンフィルターと、前記サイクロンフィルターよりの前記処理水を攪拌する攪拌槽と、前記攪拌槽より送出した前記処理水より汚泥を沈殿させる汚泥沈殿槽と、気泡が導入され、前記汚泥沈殿槽より送出された処理水を分解するバイオフリンジを設けた汚水分解槽と、活性炭が設けられ前記汚水分解槽より送出された前記処理水に酸化物質を混入し有機物質を除去する有機物質除去槽とを備えたことを特徴とする循環式汚水処理システム。
【請求項2】
水洗便器より排出される汚水に酸化促進剤が投入され、投入された酸化促進剤により前記汚水の酸化の処理が行われる原水槽と、前記原水槽よりの前記酸化が行われた処理水にサイクロン流を発生させ前記処理水を遠心力で分離するサイクロンフィルターと、前記サイクロンフィルターよりの前記処理水を攪拌する攪拌槽と、前記攪拌槽より送出した前記処理水より汚泥を沈殿させる汚泥沈殿槽と、気泡が導入され、前記汚泥沈殿槽より送出された処理水を分解するバイオフリンジを設けた汚水分解槽と、活性炭が設けられ前記汚水分解槽より送出された前記処理水に酸化物質を混入し有機物質を除去する有機物質除去槽とを備え、前記活性炭は、複数層の活性炭とし、前記有機物質除去槽で浄化が行われる処理水は、オゾン発生器より供給されるオゾンを混入するバルブを介し前記複数層の活性炭のそれぞれの間に送出され、前記複数層の活性炭を循環することを特徴とする循環式汚水処理システム。
【請求項3】
前記攪拌槽は沈殿した汚泥を前記原水槽に戻し、前記汚泥沈殿槽は沈殿した汚泥を前記攪拌槽に戻すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の循環式汚水処理システム。
【請求項4】
前記汚泥沈殿槽は、活性炭の槽を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の循環式汚水処理システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−22584(P2013−22584A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174336(P2011−174336)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(510311838)
【Fターム(参考)】