説明

微小胞組織に基づく組成物および方法

哺乳動物における状態の診断および/または分析する方法ならびに組成物を、微小胞からのRNAを増殖および分化させて、微小胞を得た組織または臓器の状態の指標である結果を得ることを開示する。特に好ましい実施形態において、前記状態はヒトの腫瘍疾患であり、1個以上の異なるRNAの分画分析によって特定および段階分けし、任意に微小胞の非RNA成分の特定および分析を伴うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、2008年6月20日に提出された米国仮出願第61/074218号明細書の優先権を主張し、参照して全体に組み込むものとする。
【0002】
本発明の分野は、微小胞におけるRNAの検出および/または分析、ならびに疾患および他の状態の診断、予後診断および/または研究における使用であるとする。
【背景技術】
【0003】
微小胞は、明らかな機能を持たない細胞残屑として歴史的に認識されてきた。しかし、実験データの成長体は、微小胞が多数の生物学的活性を有することを示唆している。例えば、血小板由来の微小胞は、微小胞上の表面たんぱく質を介して選択した細胞を刺激することが示された(例えば、非特許文献1または2)。他の実施例において、特定の標的細胞上の血小板微小胞における生物活性脂質が報告された(例えば、非特許文献3または4)。さらなる例において、血小板微小胞は、特定の微小胞成分の動いた細胞への移動によって動いたCD34+内皮細胞の接着を増加させた(例えば、非特許文献5)。
【0004】
より最近には、微小胞は、起源である細胞のRNA含有量に少なくとも一部影響を与えるとわかっているRNAを有することも示された。微小胞はまた、微小胞において存在するRNAのために、細胞上の大きな生物的効果を有することが示され、この微小胞は国際特許(特許文献1)において開示されている様々な態様で本明細書において一部を構成する。
【0005】
さらに既知の報告において、微小胞は、この微小胞が統合する細胞において潜在的に遺伝子発現を妨げるまたは制御することができる非コード化miRNA(マイクロRNA)を有するものとして開示された(非特許文献6)。他の報告は、in vitroの細胞−細胞間のエキソソームRNAを開示している(非特許文献7,8,9)。また、いくつかのエキソソームRNAは受容細胞において機能的および翻訳可能であるが、エキソソームにおいて存在する多くのRNA分子は、エキソソームが起源である細胞の細胞質において存在しないことも示された(非特許文献10)。特許文献2は、RNAは概して血清中で不安定でありリボヌクレアーゼによって容易に加水分解されるが、他のRNAは、おそらく円形粒子に関連して変化するためにリボヌクレアーゼ攻撃に耐性を示すことを示す。注目するべきことに、特許文献2は、化学的および構造的に多様性のRNAが粒子(おそらくそれらの誘導体起源および生成方法のために)関連し、血清RNAが区別できない方法で単離できることを詳細に示した。したがって、膜に関連するまたは微小胞RNAは最近報告されているが、性質、質、利便性および微小胞生成の起源/方法に関して多くの矛盾および仮説がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許第2005/121369号パンフレット
【特許文献2】米国特許第6916634号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Thromb. Haemost. (1999), 82:794
【非特許文献2】J. Biol. Chem. (1999), 274:7545
【非特許文献3】J. Biol. Chem. (2001), 276: 19672
【非特許文献4】Cardiovasc. Res. (2001), 49(5):88
【非特許文献5】Blood (2001), 89:3143
【非特許文献6】PLoS November 2008, Vol. 3(11), e3694
【非特許文献7】Cell Adh Migr 1 :3, 156-158; 2007
【非特許文献8】Cancer Immunol Immunother 2006 Jul;55(7):808-18
【非特許文献9】Blood. 2007 Oct 1;110(7):2440-8
【非特許文献10】Nat Cell Biol. 2007 Jun;9(6):654-9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それ故に、RNA含有微小胞の多くの診断に関する潜在性は、当該技術において完全には理解されていなく、微小胞からのRNAが増殖および分化して、微小胞を起源とする組織または臓器の状態を示す結果を得られる微小胞を基にした診断組成物および方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的によれば、微小胞を、微小胞の特異的なRNA含有量および微小胞の成分を有する随意的に少なくとも1個のより付加的な情報は細胞、組織、臓器および/もしくは疾患特定的な情報を得るのに用いる、様々な診断、予後および/または分析の組成物ならびに方法で用いる。
【0010】
本発明の目的の一つの特に好ましい態様において、複数の異なるRNA分子を含む微小胞を生存ドナー哺乳動物から得られる哺乳動物における生物学的サンプル(例えば血漿または血清)の分析方法である。微小胞は増殖および分化して、1個以上の異なるRNA分子に基づく第1の結果、少なくとも2個の異なるRNA分子に基づく第2の結果、および/または分離したペルオキシソームならびに1個以上の異なるRNA分子に基づく第3の結果を得る。もちろん、分化におけるRNA分析には、少なくとも2個の異なるRNAのうち1個のRNAの分析があり、いくつかの態様において、全RNAプロファイル(概して、多くの異なるDNAまたはRNAのアレイの分析によって得る)の分析がある。こうして得られた結果は、哺乳動物の状態の診断または予後診断/診断(例えば、前癌段階を含む癌の臨床段階の癌)に関連する。
【0011】
より一般的には、第1の結果における異なるRNA分子は、過剰発現した、過小発現した、および/または変異したRNAであり、発現および/または変異における変化は、状態に関して特徴づけられる。同様に、第2の結果における2個の異なるRNA分子のうち1個は、過剰発現した、過小発現した、および/または変異したRNAであり、発現および/または変異における変化は、状態に関して特徴づけられるが、第2の結果における異なるRNA分子のもう1個は、哺乳動物の特定の組織または臓器において独特に発現する。分離したペルオキシソーム集団は、好ましくは、ペルオキシソーム集団の起源に特異的な表面分子に基づくペルオキシソーム集団の単離によって得られ、第3の結果における異なるRNA分子は、過剰発現した、過小発現した、および/または変異したRNAであり、発現および/または変異における変化は、状態に関して特徴づけられる。
【0012】
過剰発現した、過小発現した、および/または変異したRNAに関して、一般的に好ましくは、RNAは、乳癌である、MMPI1,BCAR1,ERBB2,MKI67,PLAU,および/またはTP53をコードする;または、膵臓癌であるFGFR1,KRAS2,TGFBR2,MAP2K4,および/またはCDKN2Aをコードする;または、胃癌であるBAX,SLC2A1,PTGS2,MUC1,および/またはRUNX3をコードする;または、肝臓癌であるBCL10,PAP,SPARC,CD44,および/またはTP53をコードする;または癌である幹細胞マーカーおよび特に成人幹細胞マーカー(例えば、CD33,CD44,CXCR4,CXCR4+,Lin−,CD45−,Oct−4,Nanog, SCA1,7−AAD)をコードする。
【0013】
特定の組織または臓器において独特に発現するRNAに関して、好ましくは、組織もしくは臓器が乳房組織であるRNAは、DCD,SCGB2A2,および/またはANKRD30Aをコードする;または、特定の組織もしくは臓器が膵臓であるUCN3,IPFL,および/またはREGLBをコードする;または、特定の組織もしくは臓器が前立腺組織であるUPK3A,SEMG1,および/またはPRACをコードする;または、特定の組織もしくは臓器が胃組織である、GAST,GKN1,および/またはTFF2をコードする;または、特定の組織もしくは臓器が肝臓である、GYS2,F9,および/またはHRGをコードする。
【0014】
さらに一般的に好ましいのは、微小胞が連結組成物(例えば、アネキシンV,フィブリン、またはテトラスパニン、ICAM−11もしくはCD86に対する抗体もしくは抗体フラグメント、)に連結することによる凝集を介して増殖する。その結果、ここで特に考察している微小胞は、膜組成物を有し、ホスファチジルセリンがその膜の外側にある、さらに一般的に好ましくは、第1または第2の結果は、異なるRNA分子に対する定量的rtPCRを用いてまたはマイクロアレイ技術を介して得られる。
【0015】
したがって、異なる観点からみると、哺乳動物の腫瘍の段階分けの方法(前癌病変または成長の段階分けも含む)は、複数の微小胞が複数の異なるRNA分子を有する血液分画(例えば血清または血漿)を得る工程を有する。他の工程において、微小胞は(例えば遠心分離および/または凝集化を介して)増殖し、(例えば定量rtPCRを用いて)分化して、少なくとも1個の異なるRNA分子に基づく第1の結果、少なくとも2個の異なるRNA分子に基づく第2の結果、および/または分離したペルオキシソームおよび少なくとも1個の異なるRNA分子に基づく第3の結果を生み出す。その結果は、概して参照する結果と比較して、哺乳動物における腫瘍の段階に関連付ける。
【0016】
他の腫瘍の中で、特に考慮した腫瘍には、急性リンパ性白血病、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、肺癌、卵巣癌および膵臓腺癌がある。したがって、第2の結果における2個の異なるRNA分子のうち1個または第1もしくは第3の結果における異なるRNA分子のうち1個は、ERBB2をコードするRNAである。
【0017】
本発明の様々な目的、特性、態様および利点は、本発明の好ましい実施形態の詳細な説明に従ってより明らかとなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、選択した細胞株におけるHer2−RNAのin vitroの発現に対する結果を示すグラフである。
【図2】図2Aは、選択した細胞株の培養上清から単離した微小胞からのENAのHer2−RNA増幅生成物を有するアガロースゲルの写真である。図2Bは、図2Aの異なる量の増幅生成物を示すグラフである。
【図3】図3Aは、選択した細胞株の1個に由来する腫瘍が発達したマウスのネズミ血清から単離した微小胞からのRNAのHer2−RNA増幅生成物を有するアガロースゲルの写真である。図3Bは、図3Aの異なる量の増幅生成物を示すグラフである。
【図4】図4Aは、乳癌と診断された患者のヒト血清から単離した微小胞からのRNAのHer2−RNA増幅生成物を有するアガロースゲルの写真である。図4Bは、図4Aの異なる量の増幅生成物を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、哺乳動物、特にヒト微小胞が、微小胞からのRNAおよび/または複数の非RNA成分(例えば、可溶および/または膜タンパク質、脂質など)が、微小胞が起源とする細胞、組織、臓器もしくは多臓器系の状態および/または健康に関連する、細胞、組織、臓器、もしくは多臓器系の分析および/または診断におけるペルオキシ診断ツールとして用いられることを発見した。発明者の発見に基づいて、微小胞のRNAが入賞は、微小胞が起源である細胞からの細胞内RNA全体またはほぼ全体であり、多くの用途が現在想定されている。微小胞は、比較的多くの数のすべての細胞によって取り除かれ、微小胞は、血中に等しく多く存在する。発明者は、とりわけ、遺伝子発現、可溶/膜タンパク質、および様々な細胞、組織および臓器の膜組成物は、微小胞が生物学的液体、とりわけ血液から得られる関連する微小胞を分析することによって容易に規定できると結論付けた。
【0020】
ここで用いる用語「微小胞」は、約10nm〜約5000nm、より一般的には30nm〜1000nm、最も一般的には約50nm〜750nmの直径(または粒子がスフェロイドでないときの最大寸法)を有する膜質粒子を示し、微小胞の少なくとも一部の膜は、細胞から直接得られる。したがって、特に考察する微小胞には、ドナー細胞から流出したものを含み、一般的にエキソソームも含む。したがって、生成方法(例えば、膜反転、開口分泌、流出または出芽)によって、ここで考察する微小胞は異なる表面/脂質特性を示す。異なる観点から見ると、本発明の目的における用途に適切な微小胞は、細胞膜反転、開口分泌、流出または気泡発生または出芽に由来する。より一般的には、この用途に適切な微小胞は、外表面にホスファチジルセリン、テトラスパニン、ICAM−1,および/またはCD86を有することによって特定できる。逆に、単離した脂質からのリポソームは、細胞膜から得た脂質または他の成分を含まず、ここで用いる定義においては微小胞と考えない。したがって、最も一般的には、考察した微小胞は、脂質二層構造であり多層の薄板ではない。
【0021】
さらに、好ましくは微小胞は、分化した細胞から最も好ましくは、最終分化した細胞(すなわち、その分化経路の終点に到達した細胞)から生成する。したがって、芽細胞、前駆細胞および幹細胞によって生成した微小胞は、ここの実施形態の少なくともいくつかにおいて抽出できる。しかし、微小胞が癌細胞から生成するとき、および癌細胞が成体幹細胞(胎児幹細胞と反対である)に由来するとき、分化が少ない細胞も部小胞に関する適切なソースと考える。特に好ましくは、微小胞は病気の細胞(例えば、腫瘍細胞、感染細胞、感染した臓器における細胞)に由来する、または、異常状態(例えば、代謝異常、薬剤に露呈した細胞、およびより一般的には、他の細胞に関連する細胞に好ましい影響を与える薬剤、または食毒性、またはフリーラジカルによる損傷した)である。さらに考察した態様において、微小胞は、健康であるが加齢した細胞、すなわち、一般的な細胞分裂の少なくとも50%、より一般的には少なくとも70%に達した細胞から生成する(Hayflick制限)。シナプトソーム(シナプス間隙において含まれるが一般的な血流IIは存在しない小胞)および血小板から生成した微小胞が過剰に抽出されることに留意されたい。
【0022】
したがって、微小胞のRNA含有量は、特定の状態の特性(例えば、疾患、年齢、ストレス、化学化合物に対する反応、炎症、感染[例えば、ウイルス性、マイクロウイルス性、寄生性]、免疫状態、再生、拒絶など)として考える。ここで考察する微小胞における成分を有する非RNA情報は、膜において少なくとも一部が組み込まれた(または全体が包囲された)微小胞に関連する様々なタンパク質(例えば、受容体、配位子、糖タンパク質など)、微小胞に関連した脂質または糖脂質、および/または微小胞に関連したさらなる核酸(DNAおよび/またはRNA)がある。したがって、成分を有する非RNA情報は特定の臓器、組織および/または細胞に特異的であるとき、特定の臓器、組織および/または細胞の状態の分析は、高く簡略化され、多重化した方法において得られる。その結果、また他の利点において、血清または血液を基にした試験は、臓器に特異的な生検を必要とすることなく(多くの)臓器に特異的な結果を提供するように行う。さらに、ここで考察する方法は、同じ組織または臓器の発現プロファイルにリアルタイムで制限なくおよび繰り返しアクセスすることができる。
【0023】
その結果、本発明の目的に従った方法は、概して以下の順序を含む(1個以上の工程を結合する);
分離→分化→分析
【0024】
より詳細には、および一つの特に好ましい実施例において、発明者は、異なるRNA分子を含む複数の微小胞をまず生体ドナー哺乳動物から得る、哺乳動物の生物学的サンプルの分析方法を考察する。微小胞は、その後、増殖および分化させて、1個以上の異なるRNA分子(最も一般的には、由来する細胞の状態の機能として独特に発現したおよび/または変異したRNA)に基づく第1の結果、少なくとも2個の異なるRNA分子(分子の1個は、特定の組織または臓器において独特に発現したRNAであり、もう1分子は、由来する細胞の状態の機能として発現および/または変異したRNAである)に基づく第2の結果、および/または、分離したペルオキシソーム集団(例えば、微小胞が由来する細胞の特異的な表面マーカーに基づく)および1個以上の異なるRNA分子(より一般的には、由来する細胞の状態の機能として独特に発現および/または変異したRNA)に基づく第3の結果を生み出す。第1、第2および/または第3の結果は、その後、哺乳動物の状態の診断または予後診断で収集する。
【0025】
最も一般的には、微小胞は、全血液、血清、血漿または、尿、乳、涙、髄液、羊水などのいずれかの他の生物学的液体から得て、好ましくは、生体哺乳動物から得る、最も好ましくは、後の臨床分析に対して生物学的液体を処理できる時間制限内に得る。代案として、好ましくない態様において、微小胞は、保管した材料(例えば生物学的液体、組織、臓器など)から得て、生物学的液体、組織または臓器を得るのと、サンプルからの微小胞の増殖の間の時間は、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも2〜5日、または少なくとも1もしくは数週間である。この保管は、低温(例えば4°C)での保管,または凍結状態における保管も含む。同様に、微小胞はまた、in vitroソースから、最も一般的には、細胞もしくは組織培養または臓器培養から得る。さらなる態様において、減少したドナーも微小胞のソースとして適切であると考えることに留意されたい。しかし、最も一般的には、微小胞は、数時間(12時間未満)以内で血清または血漿から処理した血液から得て、その後、保管、運搬およびまたはさらに微小胞を増殖させるように処理する。
【0026】
微小胞の単離または増殖に関して、すべての既知の微小胞の探知方法は、ここで用いるのに適切であると考える。ここで用いるように、微小胞と関連した用語「単離」または「単離する」は、用語「増殖」または「増殖させる」と交換可能であり、得られた生物学的サンプルにおける微小胞の分画と比較してサンプルにおける微小胞の分画が増加する結果となる1個以上の処理工程を示す。したがって、微小胞を均一に精製し、少なくとも90%(非微小胞粒子状物質に関して)、好ましくないことには少なくとも80%、より好ましくないことには少なくとも50%、最も好ましくないことには少なくとも20%(またはそれ未満)に精製する。例えば、微小胞/ペルオキシソームの物理的特性は、培地または他のソース材料から分離して使用し、特に好ましい物理的方法は、電荷(例えば、電気的分離)、大きさ(例えば、濾過、分子篩など)、密度(例えば、規則的または勾配遠心分離)、Svedberg定数(例えば、外力ありまたはなしの沈殿)がある。代案として、または付加的には、単離は、1個以上の生物学的特性に基づき、特に、適切な単離方法は、表面マーカー(例えば、沈殿、固相への可逆結合、FACS分離、特異的な配位子結合、アネキシンV等の非特異的な配位子結合など)である。さらに考察した方法において、微小胞はまた、PEG誘起融解および/もしくは超音波融解等の化学的および/または物理的方法を用いて融解する。
【0027】
異なる視点から見ると、増殖は、一般的であり非選択的な方法(概して逐次遠心分離を含む)において行い、微小胞は連結組成物(例えば、アネキシンV,フィブリン、または少なくとも1個のテトラスパニン、ICAM−1およびCD86に対する抗体またはフラグメント)に連結する。例えば、特異的な表面マーカーは、免疫沈降、FACS分類、磁性分離に対するビーズ結合配位子などにおいて用いる。この分離または増殖は、有利には、調査する細胞、組織または臓器に直接アクセスする必要なく細胞、組織、臓器および/または疾患の特異的な情報を得ることができる。特異的なRNAは、微小胞の一般的な集団における包含が、用語「小胞性RNA」であるが、特別な種類の微小胞(例えばヘパトサイトによって生成した微小胞)のRNAは、「ペルオキシRNA」であり、1種類の起源に特異的な微小胞は、「ペルオキシソーム」を示す。このペルオキシソームは、その結果、ペルオキシソームが精製する細胞のRNA含有量が一定である、RNAおよび膜組成物(特に表面マーカーに関してであるが、少なくとも脂質組成物においてもある程度)を有する。
【0028】
したがって、および特に微小胞/ペルオキシソームを生物学的ソース(例えば血液または血漿)または混合した細胞または組織培養から単離したとき、単離は、微小胞/ペルオキシソームを生成する細胞、組織および/もしくは臓器の種類に対して、微小胞/ペルオキシソームの異種集合を生成する。一方、特異的な表面マーカーを微小胞/ペルオキシソームの単離において用いたとき、単離した集合はすでに、微小胞/ペルオキシソームを生成した細胞/組織および/もしくは臓器の種類に対して均一である。さらに考察した態様において、細胞からの小胞の放出機構は、ペルオキシソームの中でも用いてさらに分化する。しかし、すべての小胞性アーキテクチャ(例えば裏表)はここで用いるのに適切であることに留意されたい。
【0029】
生物学的液体から得られた微小胞の集合は、概して複数の細胞、組織および臓器を示し、異種集合の分化は、細胞、組織または臓器に特異的な結果を得るのにしばしば望ましい。
【0030】
最初に、細胞、組織、または臓器の状態(例えば、癌、感染、老化、炎症など)が、遺伝子の独特および区別可能な発現プロファイル(例えば過剰もしくは過小発現)および/または特別変異に関連すると、重要な結果は、さらなるシグナルの規格化なしに1個以上の異なるRNAの発現プロファイルおよび/または特異的な配列に基づく。例えば、状態が乳癌であれば、いくつかの遺伝子は未制御で、多量のERBB2の存在が乳癌の指標となる。同様に、特定の白血病(CML)は、白血病に特異的に関連する特異的な融合突然変異体(Bcr/Abl)に関連する。したがって、第1の結果は、微小胞の物理的な分離なしに、1個以上の異なるRNA分子の発現プロファイルおよび/または特異的な配列に基づいて得られる。
【0031】
第2に、細胞、組織、または臓器の状態(例えば、癌、感染、老化、炎症など)が、独特および区別可能な細胞、組織、または臓器の種類に関連し、それによって、特異的な細胞、組織、もしくは臓器において独特に存在または発現する1個以上のさらに異なるRNA分子の発現プロファイルおよび/または特異的な配列に対する1個以上の異なるRNA分子の発現プロファイルおよび/または特異的な配列を規格化することによって特異的に特徴づけられる。したがって、第2の結果は、微小胞の物理的な分離なしに、少なくとも2個の異なるRNA分子の発現プロファイルおよび/または特異的な配列に基づいて得られる。
【0032】
第3に、細胞、組織、または臓器の状態(例えば、癌、感染、老化、炎症など)が、独特および区別可能な細胞、組織、または臓器の種類に関連し、それによって、分離した微小胞における1個以上の異なるRNA分子の発現プロファイルおよび/または特異的な配列の分析の前に、微小胞の物理的な分離(以下)によって特異的に特徴づけられる。
【0033】
したがって、本発明の目的のいくつかの態様において、分化は好ましくは、微小胞内および/もしくはその上で成分を有する1個以上のさらなる情報を用いて行い、規格化した細胞、組織、臓器および/または疾患特異な情報を得るためにさらなる情報を有する結果を集める。異なる視点から見ると、分化は微小胞からのペルオキシソームのサブセットの分離、および/または単離した集合のペルオキシソームのサブセットに特異的な参照マーカーの規定を有する。特に理解されたいことには、分化はまた、さもなければ細胞にアクセスできない微小胞またはペルオキシソーム上の成分(またはそれらの一部)の検出または使用を含む。これは、微小胞またはペルオキシソームが、微小胞もしくはペルオキシソームの外側に露呈しその成分が小胞を生成する細胞の内部に向かって正常に配向している裏表のアーキテクチャを有することが真実である。
【0034】
例えば、分化が、特定の疾患に大きく関連する遺伝子の遺伝子発現の分子分析に基づいているとき、分化は、特定のRNAの独特な配列、発現プロファイル、変異または他の特性に基づき、他のRNAおよび/またはタンパク質マーカーに対する物理的分離および/または規格化を必要としない。したがって、少なくともいくつかの例において、微小胞集合における1個以上のRNA分子の存在、存在量または配列は、細胞、組織または臓器の特異的な疾患または状態に直接寄与する。例えば、患者が乳癌であると疑わしいとき、微小胞における関連する癌遺伝子(例えばBRCA,Her2/neuなど)の特異的な配列および/または発現率は、この特定のRNAが微小胞における測定可能な量で正常存在しないような癌に対するペルオキシマーカーとして有効である。
【0035】
代案として、調べるRNAは病気(さもなければ損傷した)および健康な細胞、組織または臓器において存在するとき、分化は、微小胞/ペルオキシソームの1個以上の構成部分に対して研究するRNAの規格化に基づく。したがって、明らかなことには、分化は、微小胞の非分離のプール上、微小胞が存在するソース材料上で行う。この場合、一般的に好ましくは、成分を有するさらなる情報は、ペルオキシソームの特定のサブセットに特異的である。例えば、乳腺組織からの微小胞を分析するとき、遺伝子は、乳腺組織において独特に(90%以上)または圧倒的に(75%以上)発現し特定する。ペルオキシソームRNA含有量が少なくとも一部、および多くの場合において、ペルオキシソームを誘導した乳腺細胞の全RNA含有量であり、乳腺ペルオキシソームも、独特または圧倒的に発現した遺伝子を有するように期待される。例えば、ダームシジンは乳腺組織において95%以上選択的に発現し、それによって、乳腺ポリオキシソームにおいて独特に存在することが期待される。特異的な細胞および臓器において独特にまたは圧倒的に発現する、当該技術において既知な多数の遺伝子があり、この発言がとりわけTIGERデータベースにおいて見つかる適切な遺伝子である(http://bioinfo.wilmer.jlm.edu/tiger/;参照して組み込む)。
【0036】
代案として、または付加的には、多くの既知の非核酸成分は、分化に用いることができ、疾患特異のマーカー(例えば、CEA等の腫瘍特異のマーカー)、臓器特異のマーカー(例えばPSA),および/または細胞特異のマーカー(例えばT−ヘルパー細胞に対するCD4)などがある。成分に関するさらなる情報は、上述した方法で物理的分離に対して用いる。しかし、留意されたいことには、成分に関するこれらのさらなる情報は、所定のペルオキシソームの準集団に特異的である限り、物理的分離が必要であり、RNA情報(以下)は成分に関するさらなる情報を用いて規格化するまたはさもなければパラメータ化する。このように、分化の分子解析は、特定の細胞種類、組織種類および/または臓器種類に高い特異性で行う。
【0037】
ペルオキシソームのサブセットの物理的分離は、特別な細胞、組織、または臓器に特異的な成分に選択的に結合する抗体または他の結合剤を用いて行う。この成分は、一般的に、細胞、組織、または臓器特異のマーカー、受容体、構造成分、糖タンパク質、CDなどであり、それらすべてはさらに誘導される。適切な臓器、組織および細胞特異の表面マーカーは、当業者には既知であり、多くの文献において見られる(天然受容体:Cell Surface Receptors: A Short Course on Theory and Methods by Lee E. Limbird Springer; 2nd ed. edition (December 31, 1995), ISBN-IO: 0792338391;選択した細胞に対する合成ペプチド:例えば Curr Opin Chem Biol. 2000 Feb;4(l):16-21)。したがって、理解されたいことには、分離は、細胞種類、組織種類および/または臓器種類に特異に行う。
【0038】
最も一般的には、物理的分離は、特定の細胞、組織、または臓器に特異的な1個以上の成分に(好ましくは可逆的に)結合する化合物に結合する固相を用いる。例えば、固相はマルチウェルプレートであるとき、ペルオキシソームは、分かれたウェルに分ける。固相が磁性または色でコードしたビーズであるとき、ペルオキシソームは、磁力または光活性化分類器を用いて単離する。同様に、固相は試験しまたは膜であり、分離物は(好ましくは可逆的に)固相上のペルオキシソームに結合する。さらに考察した態様において、分離は、抗体がアレイ上の離れた予め規定された位置における異なるペルオキシソームに特異的に結合できるように予め規定された位置におけるアレイの表面に結合する。結合したペルオキシソームの規定を非特異的な方法(例えば、アネキシンVの標識化形態を用いて)または特異的な方法(例えば、ペルオキシソームの他の表面マーカーに対する標識化抗体を用いて)で行う。
【0039】
もちろん、分離は微小胞集合の単離後に行い、微小胞/ペルオキシソームのソース材料上で直接行うことを理解されたい。この場合、単離および分離の工程は一緒である。より一般的には、用いる表面マーカーによって、分離は、それらの起源である組織(例えば、肝臓、前立腺、乳腺などからの微小胞)に関してほぼ均一(すなわち、少なくとも70%、より一般的には、少なくとも80%、最も一般的には、少なくとも90%)であるペルオキシソームの準集団を生成する。さらに特に理解されたいことには、分離は、微小胞/ペルオキシソームの数値的比率および/または絶対数を規定するためにも行う(例えば、RNA分析なしで)。
【0040】
対象のペルオキシソームの特異RNAは、最も一般的には既知のRNA分析を用いて分析し、特に好ましい方法には、rtPCR,定量PCR(rtでなければ)、プライマー伸長分析(増幅ありまたはなし)および固相方法(例えば、アレイ、磁性または色コードしたビーズなど)がある。本発明の目的を限定することはないが、一般的に好ましくは、特異RNAは、(1)細胞、組織、または臓器に天然であり、すなわち病原体によって(直接または間接的に)誘起されていない、および/または(2)素因、状態、疾患、刺激に対する反応、および/もしくは病原に特異的または指標となる。例えば、適切な特異RNAは、腫瘍性疾患、代謝疾患、炎症、老化、低酸素症、感染および/または遺伝性疾患に感染した、細胞、組織もしくは臓器において極度に発現したまたは過剰発現した遺伝子がある。
【0041】
例えば、特に適切な特異RNAは、特定の疾患、特に癌に関連があることが知られている。このRNAおよび遺伝子は当該技術において既知であり、それらすべては、ここで用いるのに適切であると考える。他の配列の中で、乳癌に特異なRNAには、MMPI1,BCAR1,ERBB2,MKI67,PLAU,および/またはTP53をコードするRNAがあり、膵臓癌に特異なRNAにはFGFR1,KRAS2,TGFBR2,MAP2K4,および/またはCDKN2AをコードするRNAがあり、前立腺癌に特異なRNAには、KLK3,ERBB2,FGF8,PSCA,および/またはCAV1にコードするRNAがあり、または、胃癌に特異なRNAにはBAX,SLC2A1,PTGS2,MUC1,および/またはRUNX3をコードするRNAがあり、肝臓癌に特異なRNAには、BCL10,PAP,SPARC,CD44,および/またはTP53をコードするRNAがあり、様々な癌に対して見られるRNAには、成体幹細胞マーカー(例えば、CD33,CD44,CXCR4,CXCR4+,Lin−,CD45−,Oct−4,Nanog,SCA1,7−AAD)をコードするRNAがある。さらに多くの癌に関連する遺伝子/RNAは、様々な文献または利用可能なデータベース(例えばここに参照して組み込むhttp://www.cancerindex.org/geneweb/clink.30.htm)において見つかる。さらに特に好ましい態様において、1個以上の特異的なRNAを測定して、診断を改善することを理解されたい。例えば、対になったまたはグループ化したマーカーを分析すると、ERBB2およびVEGFRは、乳腺組織からのペルオキシソーム集団において測定できる。
【0042】
もちろん、対象のRNAは、RNAが特定の疾患に関連するように限定する必要はないが、適切な情報は、1個以上の異なるRNA上の発現パターンの分析から得られることに留意されたい。例えば、非分離の微小胞集団からの全RNAは、他の多重プラットフォームのチップ上で分析して、ゲノムの広い発現プロファイルに到達するようにすることを理解されたい。この発現プロファイルは、健康体の発現プロファイルが既知である状態または疾患の診断の基準として用いることができる。その結果、最初に、1個以上の系統的な発現プロファイルは、多くの生検を必要としないで、同じ個体(または個体の群)から得ることができることを理解されたい。同様に、特にRNA分析を微小胞の分離集団上で行った特定の組織に対して規格化すると、組織特異な発現プロファイルを、生検を必要としないで同じ個体(または個体の群)から得ることができる。
【0043】
明確に除外することはないが、一般的に好ましくは、RNAは、コードしてリボソーム翻訳を介してタンパク質まで上昇できるRNAである。したがって、最も一般なRNAには、3´−ポリA尾があり、さらに5´キャップ構造がある(概して、5´−5´トリリン酸基に結合した7−メチル化グアニンヌクレオチドであり、より一般的でない構造も適切であると考え、mRNAの5´端の最初の3リボース糖の2´ヒドロキシ基のメチル化も含む)。さらに、mRNAは、ここで示すように結合において特に有効であると考え、他の形のRNAもここで明らかに考えることに留意されたい。例えば、分析に適切なRNAには、一重らせんおよび二重らせんRNA,ヘテロRNA(hnRNA),低分子干渉RNA(siRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、ミトコンドリアRNA(mtRNA),キャップRNAおよびアンキャップRNA、ポリアデニルおよび非ポリアデニルRNAなどがある。
【0044】
特異的なRNAの分析および組成物に関するさらなる情報は、各ペルオキシソームが、疾患/状態に特異な少なくとも1個のRNAおよびペルオキシソームを生成した細胞の少なくとも1個のさらなる成分(例えば、組織に特異的に発現した遺伝子のRNA,細胞質成分、膜成分、膜に関連する成分(概してタンパク質を有する))を有する前提に基づいている。また、特異的なRNAおよびさらなる成分(細胞もしくは組織特異、タンパク質、脂質、またはそれら組み合わせの他のRNAである)は、直接細胞、組織および/もしくは臓器をサンプリングする必要なく、細胞、組織および/または臓器に特異的な方法で状態(例えば、疾患もしくは素因、年齢、物理的もしくは化学的刺激[例えば、薬剤、食物、放射線など]に対する反応)を分析するのに用いる。分析は概して、マーカーのセットに対して特異である。しかし、分析はまた、全微小胞/および/もしくはペルオキシソームまたはペルオキシソーム集団における変動を見る時間の変数として分析する。分析は、経時変化、量および/またはさらなるマーカーとの関連に焦点を当てる。このように、分析結果は概して、特異RNAの発現の変数、量および/または経時変化があり、最も一般的には分化から得られる1個以上の結果(mRNA、ペプチド、膜成分などの定量測定である)に関連する。
【0045】
成分に関するさらなる情報の分析に関し、それらの成分はすべての既知の方法で分析する(または用いる)ことを理解されたい。例えば、成分に関するさらなる情報がペプチドを有するとき、特に好ましい方法には、抗体(またはそれら分画)、配位子(合成または天然)のなど使用があり、それらすべては標識化する、さもなければ、定性または定量分析する。成分に関するさらなる情報が多糖を有するとき、レクチンを使用し、成分に関するさらなる情報が脂質を有するとき、特定の配位子(例えばアネキシンV)を定量に用いる。さらに、特に成分に関するさらなる情報が核酸以外の成分を有するとき、成分に関するさらなる情報を用いて1個の特異的な種類の微小胞において増殖した集団内に微小胞の集団を分離する(好ましくは80%以上の増殖)。
【0046】
特定のRNAおよび分化の方法によって、特異的な診断または状態の結果の関連付けの方法は、少なくともある程度差があることを理解されたい。例えば、RNA分析が疾患特異の遺伝子の定量および/または配列に依存するとき、関連付けは、有利には、参照患者(健康または特異的な疾患段階もしくは状態)から得られた微小胞集団から得られた結果の比較によって行う。同様の関連付けは、RNAが微小胞からの他のRNAまたは非RNA化合物に対した規格化した、または血清1mLから単離したMVタンパク質のmg当たりの全RNAまたは他の好ましいパラメータの、血清の全RNA/mLのmgで規格化した試験に対して行う。同様に、RNAをペルオキシソーム集団から得たとき、関連は、特定の疾患または状態を示す既知の標準に対して概して行う。もちろん、結果の比較は1個のRNA基準、2個以上のRNAの基準、または少なくともいくつかの場合において、ゲノムもしくは臓器特異の基準で行うことを理解されたい。この場合、関連付けには、多くの参照結果およびすべての関連する可能性のあるものと多くのRNA特異の結果の比較がある。
【0047】
このように、発明者は、複数の異なるRNA分子を有する複数の微小胞を含む全血液フラクションを得る工程において哺乳動物の腫瘍を確認および/または染色する方法を特に考察する。他の工程において、微小胞を増殖および分化して、1個以上のRNA、少なくとも2個の異なるRNA分子に基づく第2の結果、および/または分離したペルオキシソーム集団および複数の異なるRNA分子のうち少なくとも1個に基づく第3の結果を得る。さらに他の工程において、第1、第2および/または第3の結果を哺乳動物における腫瘍の段階と関連付ける。
【0048】
一般的に、すべての腫瘍は、ここで用いるのに適切であると考えるが、特に好ましくは、腫瘍はERBB2の過剰発現(健康細胞に関連する)によって特徴づけられる。その結果、適切な腫瘍には、急性リンパ性白血病、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、肺癌、卵巣癌および膵臓腺癌がある。ERBB2過剰発現に対するRNAコードは、多くの方法で定量化するが、一般的に好ましくは、分化工程が定量的rtPCRおよび/または可逆的転写および固相(例えばマイクロアレイ)ハイブリダイゼーションを有する。既に上述したように、一般的に好ましくは、関連付けの工程は、健康細胞および/または特異的な疾患、損傷したもしくは老化した状態における病気の細胞、組織または臓器の特性である1個以上の参照結果を有する第1、第2および/または第3の結果の比較を有する。
【0049】
異なる視点から見ると、診断試験および成分の考察した用途には、診断、素因および細胞、組織および/もしくは臓器の代謝状態の予知、物理的およびより一般的には化学的刺激に対する細胞、組織および/もしくは臓器の反応分析および/またはペルオキシソーム分析する細胞、組織および/もしくは臓器を有する患者のおける疾患または病気に対する素因の診断または規定がある。特に好ましい用途において、本発明の目的に従った方法は、癌、前癌状態もしくは素因および/または癌の臨床段階の診断において用いる。加えて、考察した方法はまた、羊水、胎盤および妊娠した母親の血液において特定できる胎児微小胞として出産前診断に適切であると考えられる(Kidney International, 2007; 72(9):1095-102)。
【0050】
さらに考察した方法において、本発明の目的に従った微小胞/ペルオキシソーム成分および方法は、「正常な」ペルオキシソームの量および成分が必要で、1個以上の薬剤で処理した細胞からのペルオキシソームの量および成分と比較する生物情報分析において用いることができる。考察した成分および方法は、概して既知の特異RNAおよび成分に関するさらなるマーカーおよび情報に依存するが、新しい特異のRNAおよび成分に関する新しい情報は、比較的容易に得られる。例えば、疾患モデルからの疾患細胞の細胞培養は、in vitroで増殖させる。上清をその後収集して、微小胞を上清から単離する。随意的な工程において、タンパク質を微小胞から抽出し、抗体を生成する。抗体収集は、その後正常な組織に対して行い、疾患特異の抗体を得る。代案として、関連する実験を発現プロファイルに基づくin silicoにおいて行い、または疾患および対応する健康細胞を生成する減法核酸ライブラリにおいて行う。
【0051】
さらに考察した態様において、ここで示す微小胞診断方法は、有利には、多くの細胞培養を多くの薬剤に個々に露呈する創薬において用いる。遺伝子およびタンパク質分析は、当該技術において知られているように行う。しかし、好ましい態様において、ペルオキシソームは、それぞれの培養から収集し上述するように分析する。このように得た結果を、in vitroの発見とin vitroの結果と関連付くか確認するようにin vivoで行う。さらに、微小胞は、多くの単一動物から何回も収集し、1回の収集は、速度または正確性(または動物)を犠牲にすることなく多くの臓器において異なる反応を分析するのに十分であるため、ペルオキシソームを用いる創薬は、創薬において劇的に増加する。一般的に好ましくは、分析は特異RNAおよび成分に関するさらなる情報を用いて行うが、微小胞/ペルオキシソーム成分は相対および絶対的な割合において分析して、特定の臨床パラメータに対して測定をすることができることを理解されたい。さらに、考察した方法および成分は、特に臨床診断目的およびR&D(研究開発)に対して有効であり、本発明の目的に従った方法および成分も有利には、微小胞およびペルオキシソーム上の栄養補給食品(および薬剤)の投与効果を非常に簡単な方法でモニタリングする個人の薬剤および個人の栄養食品において用いることができる。
【0052】
考察した方法は、臨床診断においてより大きなハードルの一つである標準化をすることができる。発明の目的の一つの態様において、RNAシグナルは、概して成分に関するさらなる情報から由来した第2シグナルに対して規格化する(例えば、ペルオキシソーム膜からの全シグナル[例えば標識化アネキシンVを介した])。代案として、規格の範囲は、臨床的に健康な集団から行い、再び成分に関するさらなる情報からのシグナルを用いて行う。例えば、既知の微小胞ELISA(PS、ホスファチジルセリンの量を測定する)を用いることができ、微小胞と関連付けることができる。健康体において行った既に正常な範囲があり(約10Nm/mL)、規格化シグナルとして機能する。この分析において、RNA Her2は、全微小胞ごとに計算し、(ホスファチジルセリン−血小板微小胞ホスファチジルセリン)に対するPSまたはHER2 RNAシグナルを測定する。リアルタイムPCRを用いると、ホスファチジルセリンごとのサイクル数を比較できる。アレイの場合、アレイシグナルはホスファチジルセリンごとに関連付ける。
【実施例】
【0053】
以下に例示的な方法、条件および考察した方法および成分に関連する実施形態を示すが、本発明の目的を限定することはない。
【0054】
乳癌細胞株におけるHer−2発現の検出
リアルタイムPCR:3個の癌細胞株を、代表的なASTMプロトコールに従った正常な細胞培養条件(37°C、5%CO)で培養した。全RNAを、購入可能なRNアーゼ単離キット(DUIAGEN)を用いて製品プロトコールに従って細胞から単離した。単離後、全RNAの濃度を、確立された方法をもちいてUV分光法よって規定した。RNAの濃度を、すべての群に対して50ng/mclに調整した。このように準備したRNAを、購入可能な逆転写キット(Applied Biosystem)を用いて製造プロトコールに従ってcDNAに逆転写した。このcDNAをリアルタイムPCR実験に用いた。リアルタイムPCR反応は、Sybrグリーンマスターミックス、フォワードプライマー、リバースプライマー、水およびそれぞれのcDNAサンプルを有し、以下の
Her−2プライマーを用いた(5´から3´端)
【0055】
フォワード:ATTTCTGCCGGAGAGCTTTGAT(配列番号1)
【0056】
リバース:CCGGCCATGCTGAGATGTATAG(配列番号2)
【0057】
リアルタイムPCR反応は、リアルタイムPCRシステムABI7500(Applied Biosystem)を用いて行い、以下の設定を用いた:50°C、2分,95°C 5分、95°C 15秒、60°C 60秒;最後の2サイクルは40回繰り返した。Her−2 mRNAの相対量を、比較Ct法で計算した。標的の相対量の値を規格化して内因対照B2MG遺伝子にし、較正に対して、2‘’ΔΔCt(差異)と表し、ΔCt=標的遺伝子のCt−内因対照遺伝子(B2MG)のCt,およびΔΔCt=標的遺伝子に対するサンプルのΔCt−標的遺伝子に対する較正のΔCtである。
【0058】
DNA汚染を増幅させるのを避けるため、(i)リアルタイムPCRに対するすべてのプライマーを増幅させるcDNA内のイントロン配列で設計した、(ii)すべての反応を、陰性対照(テンプレートのない対照)で行った、(iii)生成物の均一な増幅を、増幅した生成物の融解曲線(解離グラフ)を分析することによって再チェックした、および(iv)ゲル電気泳動を行って、増幅の正しい大きさおよび非特異的なバンドが存在しないことを確認した。この実験の結果を図1において示す。T47D細胞におけるHer−2発現は、中程度であり、MCF細胞においてはほとんど検出できなかった。この発見は、これらの細胞株におけるHer−2発現の開示されたデータとよく相関する。
【0059】
レギュラーPCR:上述したように単離したRNAを用いて、レギュラーPCRを行った。簡単に、RNAをApplied Biosytem逆転写キットを用いて製品プロトコールに従ってcDNAに逆転写し、このように準備したcDNAをPCR実験に用いた。レギュラーPCR反応は以下のHer−2プライマー(5´から3´端)を用いた。
【0060】
フォワード:GTGACAGCAGAGGATGGAACAC (配列番号3)
【0061】
リバース:CGCCATTGTGCAGAATTCG(配列番号4)
【0062】
DNA汚染を増幅させるのを避けるため、(i)PCRに対するすべてのプライマーを増幅させるcDNA内のイントロン配列で設計した、(ii)反応を、適切な陰性対照(テンプレートのない対照)で行った。PCR生成物は、1.5%アガロースゲルを用いて可視化した。一度以上、Her−2をすべての3個の細胞株においてmRNAを検出したが、SKOV3細胞株は最も高い発現を示し、T47D細胞およびMCF細胞は、非常に低い濃度で発現を示した。陰性対照は、逆転写しないでRNAを用いて行い、PCR生成物を検出しなかった。
【0063】
細胞株の上清からの微小胞におけるHer−2の検出
微小胞の単離:腫瘍由来の微小胞を培養条件の培地から単離した。簡単に、上清を約850gで10分間4°Cでスピンした。上清を収集し、ペレットを捨てた。上清を再度14000gで2時間4°Cでスピンし、上清を捨てた。HEPES(5mM)を含むPBSを微小胞を含むペレットに加え、再縣濁した微小胞をエッペンドルフチューブ(1.6mL)に移し、最大速度で60分間4°Cでスピンした。上清を捨てて、HEPES含有PBSをペレットに加え、再び60分間4°Cでスピンした。このようにして得られたペレットを少量のHEPES含有PBS(通常100〜200mcl)におけるペレットに再縣濁した。
【0064】
PCR分析:上述の方法を用いて、全RNAを微小胞から単離し、リアルタイムPCRおよびレギュラーPCRを行った。リアルタイムPCRを用いるとき、Her−2はSKOV細胞からの微小胞においてのみ検出され、T47DおよびMCF細胞からは検出されなかった。しかし、レギュラーPCRを用いると、Her−2は、図2Aにおいて見られるように、アガロースゲル電気泳動によって3個すべての細胞からmRNAを検出できた。驚くべきことではなく、アガロースゲル電気泳動の定量分析は、SKOV細胞からの微小胞が強いHer−2シグナルを提供し、その次がT47D細胞で、最後にMCF細胞が続く。これらの結果を示す定量グラフは、図2Bである。したがって、Her−2の細胞発現レベルは、それぞれの細胞株の培養上清において検出されたHer−2 RNA量に比例することを理解されたい。
【0065】
マウスSKOV由来腫瘍のマウス血清からの微小胞におけるHer−2の検出
SKOV由来腫瘍を有するマウス:無胸腺ヌードマウスに、これらのマウスにおける固形癌を入れる標準的なプロトコールを用いて3×10 SKOV3細胞を注入した。3週間後、明白な/測定可能な腫瘍の存在を確認し、血清を動物および腫瘍のない対照マウス(SKOV注射なし)から収集した。
【0066】
微小胞を上述した一般的なプロトコールに従って血清から単離した。微小胞から得られた全RNAを、上述したPCRプロトコールを用いてHer−2 RNAの存在を評価した。PCR生成物を定量し、アガロースゲル電気泳動を介してチャックし、実験結果を図3Aに示す(等量の分析を確認し、対照PCRを標準としてβ−2−ミクログロブリンを用いて行った)。対応するrtPCRのHer−2定量のグラフを図3Bに示す。これあの結果を基にして、in vivoで生成したSKOV腫瘍由来の微小胞はHer−2 RNAに対して陽性であるだけでなく、このRNAも高い感度および特異性で比較的少量の血液サンプルから検出できることを理解されたい。
【0067】
Her−2陽性乳癌と診断された患者のヒト血清からの微小胞におおけるHer−2の検出
病気になったまたはさもなければ損傷した細胞に対するペルオキシ診断マーカーとして微小胞を用いる概念を確立するため、血液サンプルを、Her−2陽性レベル3+と免疫組織化学分析によって特徴づけられたステージIおよびIIの乳癌と診断された患者から分析した。
【0068】
微小胞は、急性患者および対照の血清から上述した一般的なプロトコールに従って単離し、微小胞から得られた全RNAを、上述したPCRプロトコールを用いてHer−2 RNAの存在に対して確認した。PCR生成物を定量し、アガロースゲル電気泳動を介してチェックし、これらの実験の結果を図4Aに示す(等量の分析の確認を、再び標準としてβ−2−ミクログロブリンを用いて行った)。驚くべきことに、健康ボランティアからの対照血清はどれもrtPCRおよび正常PCRによって試験した検出可能なHer−2 RNAを示さなかったが、乳癌が確認された患者のうち3人すべての患者は、強いシグナルを示した。さらに、レーン4および6における患者はステージ1であるが、レーン5における患者は、ステージIIであり、強いシグナルと相関した。Her−2定量の対応するグラフを図4Bに示す。これらの結果を基にして、微小胞は、それを起源とする細胞に対する高感度のペルオキシ診断ツールとして機能することを理解されたい。さらに、この分析は、放射分析からの放射性の負荷がないだけでなく、いずれの生検も完全に避けて行うことができることに留意されたい。
【0069】
当業者は、上述したものよりもずっと多くの修正が、本発明の概念を逸脱することなく可能なことを理解される。したがって、本発明の目的は、添付の請求項の範囲を除いて限定されない。さらに、明細書および請求項を解釈するとき、すべての用語を文脈において考えられるように解釈できる。特に、用語「含む」は、排除せずに要素、成分または工程を意味するように解釈し、参照した要素、成分または工程も存在する、もしくは利用できるまたは、参照していない他の要素、成分もしくは工程に関連する。明細書は、A,B,CおよびNから成る群から選択したものの少なくとも1個を意味し、AプラスN、またはBプラスNなどではない群からの一つの要素のみを必要とすると理解される。さらに、ここで参照して組み込んだ参照した用語の定義または使用は、ここで示す用語の定義と矛盾せず逆でもなく、ここで示す用語の定義は、参照における用語の定義を用いる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物の生物学的サンプルの分析方法であって:
生体ドナー哺乳動物からの複数の異なるRNA分子を含有する複数の微小胞を含むサンプルを得る工程と;
微小胞を増殖および分化させて、(1)複数の異なるRNA分子の少なくとも1個に基づく第1の結果、(2)異なるRNA分子の少なくとも2個に基づく第2の結果、および(3)分離したペルオキシソーム集団および複数の異なるRNA分子の少なくとも1個に基づく第3の結果を得る工程と;
第1の結果、第2の結果および第3の結果の少なくとも1個を哺乳動物の診断または予後診断と関連付ける工程とを含む方法。
【請求項2】
前記第1の結果における複数の異なるRNA分子の少なくとも1個は、過剰発現または変異したRNAを生じ、過剰発現または変異は、状態に関する特徴である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2の結果における複数の異なるRNA分子の少なくとも2個のうち1個は、過剰発現または変異したRNAであり、過剰発現または変異は、状態に関する特徴であり、第2の結果における複数の異なるRNA分子の少なくとも2個のうちのもう1個は、哺乳動物の特定の組織または臓器で独特に発現するRNAである請求項1に記載の方法
【請求項4】
分離したペルオキシソーム集団は、ペルオキシソーム集団の起源に特異的な表面分子に基づくペルオキシソーム集団の単離によって得られ、第3の結果における複数の異なるRNA分子は、過剰発現または変異したRNAであり、過剰発現または変異は、状態に関する特徴である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
過剰発現または変異したRNAは、
(1)前記状態が乳癌の場合には、MMP11(マトリックス 金属プロテアーゼ11),BCAR1(乳癌抗エストロゲン抗1タンパク質),ERBB2(v−erb−b2ニワトリ赤芽球症ウイルス癌遺伝子ホモログ2;Her2/neu),MKI67(モノクローナル抗体Ki−67によって特定された抗原),PLAU(プラスミノーゲン活性化因子)および/またはTP53(腫瘍タンパク質p53)の少なくとも1個を;
(2)前記状態が膵臓癌の場合には、FGFR1(繊維芽細胞増殖因子受容体1),KRAS2(v−ki−ras2Kistenラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ),TGFBR2(形質転換成長因子、ベータ受容体II),MAP2K4(マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ4)および/またはCDKN2A(サイクリン依存キナーゼ阻害剤2A)の少なくとも1個を;
(3)前記状態が腺癌の場合には、KLK3(カリクレイン3)、ERBB2(v−erb−b2−ニワトリ赤芽球症ウイルス癌遺伝子ホモログ2),FGF8(繊維芽細胞成長因子8)、PSCA(前立腺幹細胞抗原)およびCAVI(カベオリン−1)の少なくとも1個を;
(4)前記状態が胃癌の場合には、BAX(BCL2−関連Xタンパク質)、SL2A1(可溶キャリア族2、メンバー1)、PTGS2(シクロオキシゲナーゼ−2)、MUC1(ムシン1)およびRUNX3(ラント関連転写因子3)をコードする;
(5)前記状態が肝臓癌の場合には、BCL10(B−細胞 CLL/リンパ腫10),PAP(膵炎関連タンパク質),SPARC(オステオネクチン),CD44(CD44抗原)およびTP53(腫瘍タンパク質53)の少なくとも1個を;
(6)前記状態が癌の場合には、CD33,CD44,CXCR4,CXCR4+,lin−,CD45−,Oct−4,Nanog, SCA1,7−AADから成る群から選択した少なくとも1個の成体幹細胞マーカーを、コードする請求項2〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
特定の組織または臓器で独特に発現するRNAは、
(1)前記特定の組織または臓器が乳房組織である場合には、DCD(デルムシジン),SCGB2A2(セクレトグロビン、族2A,メンバー3)およびANKRD30A(アンキリン繰り返しドメイン30A)の少なくとも1個を;
(2)前記特定の組織または臓器が膵臓であるの場合には、UCN3(ウロコーティン),IPFL(インスリンプロモーター因子1、ホメオドメイン転写因子)およびREGLB(再生膵島由来1ベータ)の少なくとも1個を;
(3)前記特定の組織または臓器が前立腺組織であるの場合には、UPK3A(ウロプラキン3A),SEMG1(セメノゲリン1)およびPRAC(小核タンパク質PRAC)の少なくとも1個を;
(4)前記特定の組織または臓器が胃組織であるの場合には、GAST(ガストリン),GKN1(ガストロキン1)およびTFF2(トレフォイル因子2)の少なくとも1個を;
(5)前記特定の組織もしくは臓器が肝臓であるの場合には、GYS2(グリコーゲンシンターゼ2),F9(凝固因子IX)およびHRG(ヒスチジン−糖タンパク質)の少なくとも1個を、コードする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
微小胞の増殖させる工程は、微小胞が連結組成物と連結する凝集の工程を使用して実行する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
連結組成物は、アネキシンV,フィブリン、またはテトラスパニン、ICAM−11およびCD86の少なくとも1個に対する抗体もしくはフラグメントを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第1または第2の結果は、複数の異なるRNA分子の少なくとも1個に関する定量的rtPCRを使用して得る請求項1に記載の方法。
【請求項10】
生体ドナー哺乳動物はヒトであり、前記得る工程は血漿または血清を収集する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
診断は、癌、前癌状態または癌の臨床段階である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
微小胞は、ホスファチジルセリンが膜の外側にあるように膜成分を有する請求項1に記載の方法。
【請求項13】
哺乳動物の腫瘍を段階分けする方法であって、
複数の異なるRNA分子を含む複数の微小胞を含有する血液分画を得る工程と;
微小胞を増殖および分化させ、(1)複数の異なるRNA分子の少なくとも1個に基づく第1の結果、(2)複数の異なるRNA分子の少なくとも2個に基づく第2の結果、および(3)分離したペルオキシソーム集団および複数の異なるRNA分子の少なくとも1個に基づく第3の結果、の少なくとも1個を生成する工程と;
第1、第2および第3の結果の少なくとも1個を、哺乳動物における腫瘍の段階に関連づける工程とを含む方法。
【請求項14】
哺乳動物の腫瘍は、急性リンパ性白血病、膀胱癌、脳腫瘍、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、肺癌、卵巣癌および膵臓腺癌からなる軍から選択される請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第2の結果における複数の異なるRNA分子の少なくとも2個のうち1個、または第1もしくは第3の結果における複数の異なるRNA分子の少なくとも1個は、ERBB2をコードするRNAである請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記増殖する工程は、微小胞が連結組成分に連結する遠心分離または凝集によって実行する請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記分化する工程は、定量的rtPCRを含む請求項13に記載の方法。
【請求項18】
関連づける工程は、第1、第2および第3の結果の少なくとも1個を参照結果と比較する工程を含む請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−525114(P2011−525114A)
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514835(P2011−514835)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/047937
【国際公開番号】WO2009/155505
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(510335580)プロキシ ライフ サイエンス ホールディングス インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】PROXY LIFE SCIENCE HOLDINGS, INC.
【Fターム(参考)】