説明

微生物検出用オリゴヌクレオチド

本発明は、微生物を検出するためのオリゴヌクレオチド、微生物を検出するための方法、および該方法を実行するためのキットに関する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、微生物検出用オリゴヌクレオチド、微生物の検出方法および本方法を実施するためのキットに関する。
【0002】
従来、微生物の検出は主に、血清学的または顕微鏡的に行われていた。その方法は、少数の微生物を直接検出するためには感度が十分ではない。従って、従来は微生物を増加させる培養工程を前段に行い検出していた。この方法の1つの不利点は、いくつかの微生物は利用可能な栄養媒体上で全く増加せず、よってそれらを検出することができないことである。現在、すべての細菌のうちたった0.1〜14%のみが培養可能であることを、様々な環境試料の分析が示す。特に、培養−依存的な方法は、複雑な生物群集の組成物の分析に不適当であることが明らかである。なぜならば、選択した培養条件に依存して、特にこれらの培養条件によく合う微生物の増殖が促進され、結果として、開始試料中の存在比率が大きく変化してしまうためである。これらの集団数の変動のため、微生物の定量分析は全体として不可能である。この方法のもう1つの不利点は、既知のいくつかの培養方法がとても面倒であることと、それらの結果が多くの場合不安定であることである。これは、偽陽性および偽陰性の分析結果を両方とも生じることとなる。
【0003】
上述の培養の不利点を鑑み、微生物検出の現代的な方法はすべて、共通の目標を有している:それは、培養の必要性を排除することにより培養の不利点を回避することを目指している。
【0004】
微生物を検出する現代的な方法の例としては、DNAベースまたはRNAベース(DNA=デオキシリボ核酸、RNA=リボ核酸)のハイブリダイゼーションあるいは増幅方法がある。ハイブリダイゼーションとは、具体的には2つの一本鎖の相補的なオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの2重らせん(double helix)を形成することと理解されている。ハイブリダイゼーションは特に、2つのDNA分子または2つのRNA分子間と、DNA分子およびRNA分子間の両方で起こりうる。標的配列がもう一方の配列と十分に相補的である場合にのみ、様々な分子がハイブリダイズする。
【0005】
検出するための相補的な標的配列を固定化することも可能であり、それはいわゆるDNAチップ上にて行われることが多い。実用新案番号DE 20,110,013は、口腔疾患、特に膜炎の診断および処置のための担体(DNAチップ)などをクレームしている。口腔内フローラに発生する細菌またはウイルスの既知の基準(参照)配列と相補的なオリゴヌクレオチドを、この担体上に固定化することができる。前記相補性に基づいて、この遺伝子チップに用いられるオリゴヌクレオチドを、任意の条件下で対応する基準(参照)配列とハイブリダイズすること可能である。この担体の不利点は、微生物が培養により増幅されなければならないか、あるいは存在する試料からの遺伝子情報がハイブリダイゼーション前にチップ上で増幅されなければならないことである。従って、試料に元々存在する微生物を定量することはどちらも不可能である。
【0006】
既知の増幅方法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)がある。PCRにて、特定の微生物ゲノムに特有の断片を特異的なプライマーを用いて増幅する。プライマーがその標的部位を見つけると、その遺伝物質の断片を100万倍も増幅することになる。その後の分析、例えばアガロース・ゲルを用いたDNA断片の単離にて、定性的評価を行うことができる。最も簡単な場合には、これは、用いたプライマーの標的部位が分析試料中に存在したという情報を供する。その他の情報はなにも供され得ない。これらの標的部位は、生存している細菌および死んだ細菌の両方、あるいはネイキッドDNA(naked DNA)に由来し得る。この段階では、区別をすることはできない。さらに、分析試料中に存在する様々な物質が、DNA増幅酵素、taq−ポリメラーゼの阻害を誘導しうる。これは、一般的に偽陰性結果の原因となる。さらに発展したPCR技術が定量的PCRであり、それは存在する微生物の量と増幅したDNAの量の相関関係を確立すること目的としている。PCRの利点としては、その高い特異性と必要な時間の短さが含まれる。主な不利点は、その高い細菌混入(contamination)の受けやすさと、その結果生じる偽陽性の結果であり、上述の生存細胞および死亡細胞、またはニーキッドDNA(naked DNA)の区別が不可能であること、および最終的に偽陰性の危険性が阻害物質の存在に起因して生じることである。
【0007】
蛍光標識したオリゴヌクレオチドを用いたインサイチュ・ハイブリダイゼーション(in situ hybridization)法は、90年代の初めに開発され、多くの環境試料にて成功裏に用いられている(Amann et al.(1990), J. Bacteriol. 172, 762)。その方法は、「FISH」(蛍光インサイチュ・ハイブリダイゼーション)と呼称され、どんな細胞にも生じるリボソーム・リボ核酸(RNA)が高い保存性と可変性の配列、すなわち属または同じ種でさえ特有の配列を有しているという事実を利用している。相補的オリゴヌクレオチドを、これらの配列ドメインに対して作製することができ、さらに検出可能なマーカーを一緒に作製することができる。これらのいわゆる核酸プローブを用いて、微生物種、属または群を、試料中にて高い特異性で直接的に同定することが可能であり、必要であれば、可視化または定量することもできる。この方法は、生物群集の実際のインサイチュ条件を歪曲無しの表示を呈する唯一の方法である。現在までに、培養されておらず、かつ記載もされていない微生物が同定されている。
【0008】
FISHにて、細胞内に浸透したプローブが分析サンプル中に存在する。開発されたプローブに対する微生物の種、属または群が分析試料中に存在している場合、微生物細胞中のプローブはその標的配列と結合しており、プローブの標識を介して細胞を検出することができる。
【0009】
微生物を同定するためのさらに上述した方法(培養、PCR)を凌ぐFISH技術の利点は、多数かつ多様である。
【0010】
第一に、伝統的な培養により検出することが不可能な多数の微生物を、プローブを用いて検出することができる。試料の細菌集団のたった15%が培養により可視化され得るが、FISH技術は多くの試料中に検出される全細菌集団を100%まで可視化することが可能である。第二に、FISH技術により培養よりもはるかに迅速に微生物を検出することができる。培養による微生物の同定に数日を要するとしても、FISH技術により、たとえ種レベルであっても、サンプリングから微生物の同定までを数時間のみで行うことが可能である。第三に、培養培地と異なり、プローブをその特異性にてほぼ自由に選択することができる。個々の種を、属全体または微生物群全体として適切なプローブで検出することができる。第四に、微生物種または全体の微生物集団を、試料そのもの中にて正確に定量することができる。第五に、試料中の多様な微生物集団を可視化することができる。
【0011】
PCRとは対照的に、FISHは生存している微生物のみを確実に検出する。PCRで得られるネイキッドDNA(naked DNA)または死んだ微生物による偽陽性の結果が、FISHでは起こらない。さらに、阻害物質の存在による偽陰性の結果も、細菌混入のために生じる偽陽性の結果と同様に除かれる。
【0012】
従って、FISH技術は、試料中における微生物を直接的に検出するための、迅速かつ高い特異性の両方を有するすぐれた手段である。培養法とは対照的に、直接的であり、さらに試料中に存在する微生物を定量することも可能である。
【0013】
ヒトの皮膚は、例えば約2mの面積を有し、微生物が生息する最も広いヒト組織の1つである。進化の過程において、宿主とその寄生微生物は密接な関係を有しながら発達した。微生物は、様々な分泌腺を介して皮膚から供される栄養物を代謝している。結果として生じる皮膚表面の酸性化が、病原微生物のコロニー化を防いでいる。
【0014】
しかしながら、微生物の代謝活性は望まない効果も有しうる。例えば、体臭およびふけの形成、ならびに様々な皮膚疾患の進行が、微生物の活性によって起こり得る。
【0015】
例えば、酵母マラセチアは、特に、(例えば、頭部の)皮膚の剥離に関連すると疑われている。さらに、この生物は皮膚疾患である癜風の原因とみなされている。
【0016】
プロピオニバクテリウム・アクネス(Priopionibacterium acnes)の存在の増加は、初期の段階でさえ、座瘡の発症の兆候となりうる。
【0017】
原理上、皮膚微生物叢(フローラ)に属するすべての微生物を、皮膚から単離することができる。Priceによれば、2つの異なる群が存在する(Price, P.B.:The bacteriology of the normal skin:A new quantitative test applied to a study of the bacterial flora and the disinfectant action of mechanical cleansing. J. Infect. Dis., 63:301-318, 1938に記載)。
【0018】
a)常在フローラ(Resident flora):ヒト皮膚上で増殖することの可能な微生物、または皮膚試料の分析において、常時多数または高い割合で発見され得る微生物。上述の特性は、これらの常在微生物が皮膚に強く係留されている(付着している)ことに起因することが記載されている。
b)一過性フローラ(Transient flora):ヒト皮膚上で増殖することのできない微生物、または皮膚試料の分析において、不定期に、かつ少数/低い割合でしか発見されない微生物。理論的には、これらの微生物は自由であり、すなわち皮膚の構成成分に付着していない。
【0019】
より詳しい知識に基づくと、上述の常在皮膚フローラはすべて、原則、新しい医薬品または化粧品の活性成分を探索する観点から重要である。さらに、様々な微生物間の相互作用が、健康な皮膚とその疾患の関係の幅広い理解をもたらすことが可能であり、かつより良い活性成分、処置または医薬品の開発を促進する。化粧品産物、例えば消臭剤、クリームなどによる関連皮膚微生物の選択的影響もまた、皮膚のミクロな生態系の構造および機能の十分な知識を前提としている。
【0020】
従って、新しい応用分野が開かれ得るように、他のより広範な微生物に対する核酸プローブとして適切なオリゴヌクレオチドが必要である。さらに具体的には、例えば、食物、下水、環境試料中のヒトおよび/または動物と接触する微生物または皮膚表面由来の微生物を検出するためのプローブが必要である。
【0021】
従って、本発明により解決される課題は、微生物または微生物群を検出するためのオリゴヌクレオチドを提供することであり、これにより試料中のこれらの微生物の迅速かつ場合によっては定量的な測定が保証され、他の微生物が同時に存在するにもかかわらず、微生物の個々の種または群の一種を支障なく検出することができる。
【0022】
本課題は、以下からなる群から選択される微生物検出用オリゴヌクレオチドの提供により解決され、かつ以下のオリゴヌクレオチドを用いる方法および本方法を適用するためのキットにより解決される。
i)配列番号:01〜30に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
ii)少なくとも80%、好ましくは少なくとも84%、より好ましくは少なくとも90%および最も好ましくは95%のヌクレオチドがi)のオリゴヌクレオチドと一致するオリゴヌクレオチド、
iii)i)またはii)に記載の1つのオリゴヌクレオチド由来のオリゴヌクレオチドであって、1つまたはそれ以上のヌクレオチドが配列から欠失されていかまたは伸長されているオリゴヌクレオチド、および、
iv)ストリンジェントな条件下でi)、ii)またはiii)に記載のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド。
【0023】
本発明にて、用語「微生物群」とは、同じ属に属するか、非常によく似たrRNAを有するかどちらかの、少なくとも2つの種の微生物を含むと解される。例えば、本発明の微生物群は、1つの属のすべての種を含むことも可能である。
【0024】
配列番号:01〜30に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、およびそれと少なくとも80%のヌクレオチド、好ましくは少なくとも84%のヌクレオチド、より好ましくは少なくとも90%のヌクレオチド、最も好ましくは95%のヌクレオチドが一致するオリゴヌクレオチドに加えて、本発明は、1つまたはそれ以上のヌクレオチドが伸長または欠失されている、上述のオリゴヌクレオチドに由来するオリゴヌクレオチドも包含する。
【0025】
さらに、配列番号:19〜30に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、およびそれと少なくとも77%のヌクレオチド、好ましくは少なくとも83%のヌクレオチド、より好ましくは少なくとも88%のヌクレオチド、最も好ましくは94%のヌクレオチドが一致するオリゴヌクレオチドに加えて、本発明は、1つまたはそれ以上のヌクレオチドが伸長または欠失されている、上述のオリゴヌクレオチドに由来するオリゴヌクレオチドも包含する。
【0026】
より好適には1〜40ヌクレオチド、好ましくは1〜25ヌクレオチド、より好適には1〜15ヌクレオチドを、上述のオリゴヌクレオチドの3’末端および/または5’末端に付着することも可能である。
【0027】
本発明により、1〜7ヌクレオチド、好ましくは1〜5ヌクレオチド、より好ましくは1〜3ヌクレオチド、例えば該配列由来の1または2ヌクレオチドを欠失した上述のオリゴヌクレオチド由来のオリゴヌクレオチドを用いることもできる。
【0028】
1つの具体的な好ましい態様にて、微生物がスタフィロコッカス属、ペプトストレプトコッカス属、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、コリネバクテリウム属、ベイヨネラ属(Veillonella)、マラセチア属またはスポロミュサ分類群(Sporomusa taxon)から選択される。
【0029】
これまで、皮膚のミクロフローラは既知の培養方法によってのみ調べられてきた。上述したそれらの方法の欠点のために、培養可能な細菌または菌類しか検出することができなかった。そのような種の例としては、スタフィロコッカス・アウレウス(S. aureus)、スタフィロコッカス・エピダルミジス(S. epidermidis)、スタフィロコッカス・コーニイ(S. cohnii)、スタフィロコッカス・ヘモリチクス(S. haemolyticus)、スタフィロコッカス・ホミニス(S. hominis)、スタフィロコッカス・キャピチス(S. capitis)、スタフィロコッカス・ワーネリ(S. warneri)、スタフィロコッカス・サイウリ(S. sciuri)、スタフィロコッカス・スクレイフェリ(S. schleiferi)、スタフィロコッカス・インターメディウス(S. intermedius)、ベイヨネラ種、プロピオニバクテリウム・アクネス、マラセチア・スロフィエ(Malassezia sloffiae)、マラセチア・パチデルマチス(M. pachydermatis)、マラセチア・フルフル(M. furfur)、コリネバクテリウム・ミヌティシマム属(Corynebacterium minutissimum)、コリネバクテリウム・アミコラタム属(C. amycolatum)、コリネバクテリウム・ストリアタム(C. striatumおよびコリネバクテリウム・セロシス(C. xerosis)が含まれる。
【0030】
本発明のオリゴヌクレオチドを添加することにより、上述のこれらのおよび他の属の種を定性的のみならず、定量的に検出することができる。この定量情報は、とりわけ活性成分の試験または皮膚疾患の早期診断に有用である。さらに、記載した微生物属は他の試料、例えば食物、臨床検査用物質または環境試料中に生じることも可能である。
【0031】
本発明にて、「皮膚」とは、ヒトの皮膚および/または動物の皮膚あるいは粘膜、ならびに皮膚付着物(髪、毛包、爪、分泌腺)であると理解される。
【0032】
1つの具体的な態様にて、オリゴヌクレオチドは、検出可能なマーカー(好ましくは、蛍光マーカー)を担持しており、より好ましくは、それはオリゴヌクレオチドと共有結合している。オリゴヌクレオチドと標的配列の完全なハイブリダイゼーションの検出可能性は、微生物の同定および任意の定量化のための前段要件である。より具体的には、これは多くの場合、オリゴヌクレオチドに対する検出可能なマーカーの共有結合により達成される。用いられる検出可能なマーカーは、蛍光群であることが多く、例えばCy-2、Cy-3またはCy-5(Amersham Life Sciences, Inc., Arlington Heights, USA)、FITC(フルオレセイン・イソチオシアネート)、CT(5,(6)-カルボキシテトラメチルローダミン-N-ヒドロキシスクシニミド・エステル(Molecular Probes Inc., Eugene, USA))、TRITC(テトラメチルローダミン-5,6-イソチオシアネート(Molecular Probes Inc., see above))またはFLUOS(5,(6)-カルボキシフルオレセイン-N-ヒドロキシスクシニイミド・エステル(Boehringer Mannheim, Mannheim, Germany)である。または、化学発光性の基または放射活性マーカー、例えば、35S、32P、33P、125Jを用いることができる。しかし、オリゴヌクレオチドと酵素的活性分子、例えばアルカリ・ホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ、β-D-ガラクトシダーゼまたはグルコース・オキシダーゼのカップリングにより検出能を達成することもできる。これらの酵素それぞれに多数の既知の発色体があり、それらは天然基質の代わりに反応し、着色または蛍光産物を供することができる。そのような発色体の例を、以下の表1に一覧とする。
【0033】
【表1】

【0034】
最後に、ハイブリダイゼーションに適したもう1つの核酸配列が、その5’末端または3’末端に存在するように、オリゴヌクレオチドを設計することができる。この核酸配列も同様に、約15〜1,000ヌクレオチド、好ましくは15〜50ヌクレオチドを含む。この第二の核酸領域は、上述した方法の1つにより検出可能なオリゴヌクレオチドにより順に認識され得る。
【0035】
もう一つの可能性は、検出可能なオリゴヌクレオチドとハプテンの連結(カップリング)であって、ハプテンはそれを認識する抗体と順次接触し得る。ジゴキシゲニンを、そのようなハプテンの例として記載することができる。記載した以外の他の例は、専門家によく知られている。
【0036】
さらに具体的には、酵素マーカーは、ペルオキシダーゼ、好ましくはホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ、およびホスファターゼ、好ましくはアルカリ・ホスファターゼからなる群から選択される。
【0037】
本発明はまた、上記オリゴヌクレオチドを少なくとも1つ、好ましくは2つまたはそれ以上含む微生物を検出するためのオリゴヌクレオチド組合せに関する。
【0038】
本発明において、オリゴヌクレオチド組合せは、例えば、溶液(例えば、緩衝液)または混合物(例えば、凍結乾燥状態)中に少なくとも1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドを含む組成物であることが理解される。さらにまた、オリゴヌクレオチドは互いに分離(例えば、異なる溶液中で)していてもよいし、または共に存在(例えば、チップ上またはキット中で)していても良い。
【0039】
1つの具体的な態様にて、本オリゴヌクレオチド組合せは、
i)a)配列番号:01〜03に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でa)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるスタフィロコッカス属の細菌を特異的に検出するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、
および/または
ii)a)配列番号:04〜06および27〜29に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でa)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるペプトストレプトコッカス属の細菌を特異的に検出するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、
および/または
iii)a)配列番号:07〜12および19〜26に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でa)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるコリネバクテリウム属の細菌を特異的に検出するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、
および/または
iv)a)配列番号:13〜15に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でa)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるベイヨネラ属の細菌を特異的に検出するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、
および/または
v)a)配列番号:16および17に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でa)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるプロピオニバクテリウム・アクネス種の細菌を特異的に検出するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、
および/または
vi)a)配列番号:18に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でa)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるマラセチア属の菌類を特異的に検出するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、
および/または
vii)a)配列番号:30に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でa)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるスポロミュサ分類群由来の微生物を特異的に検出するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、
を含む。
【0040】
本発明のオリゴヌクレオチドにより、スタフィロコッカス属、ペプトストレプトコッカス属、プロピオン酸菌属、コリネバクテリウム属、ベイヨネラ属、マラセチア属およびスポロミュサ分類群を特に検出することが可能となる。
【0041】
従って、グループi)〜vii)由来の1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドの以下の組合せは、本発明のキットとして使用することが可能である。このことは、例えば、グループi)、ii)、iii)、iv)、v)、vi)またはvii)の1つ由来の1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドを選択することを意味する。
【0042】
グループi)由来の1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドとグループii)由来の1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドの組合せ、および同様にグループi)とiii)、i)とiv)、i)とv)、i)とvi)、およびi)とvii)、ii)とiii)、ii)とiv)、ii)とv)、ii)とvi)、およびii)とvii)、iii)とiv)、iii)とv)、iii)とvi)、およびiii)とvii)、iv)とv)、iv)とvi)、iv)とvii)、v)とvi)、v)とvii)、およびvi)とvii)由来の1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドの組合せを、本発明に包含する。
【0043】
グループi)、ii)およびiii)由来の1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドの組合せ、ならびに同様にi)とii)およびiv);i)とii)およびv);i)とii)およびvi);i)とii)およびvii)、i)とiii)およびiv);i)とiii)およびv);i)とiii)およびvi)、i)とiii)およびvii);i)とiv)およびv);i)とiv)およびvi);i)とiv)およびvii)、i)とv)およびvi)、i)とv)およびvii);ii)とiii)およびiv);ii)とiii)およびv);ii)とiii)およびvi)、ii)とiii)およびvii);ii)とiv)およびv);ii)とiv)およびvi)、ii)とiv)およびvii);ii)とv)およびvi)、ii)とv)およびvii);iii)とiv)およびv);iii)とiv)およびvi)、iii)とiv)およびvii);iii)とv)およびvi)、iii)とv)およびvii)、ならびに iv)とv)およびvi)、iv)とv)およびvii)、iv)とvi)およびvii)、v)とvi)およびvii)由来の1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドの組合せもまた、本発明に用いることができる。
【0044】
4つのグループ、すなわち、グループi)とii)、iii)およびiv);i)とii)、iii)およびv);i)とii)、iii)およびvi);i)とii)、iii)およびvii);i)とii)、iv)およびv);i)とii)、iv)およびvi);i)とii)、iv)およびvii);i)とii)、v)およびvi);i)とii)、v)およびvii);i)とii)、vi)およびvii);i)とiii)、iv)およびv);i)とiii)、iv)およびvi);i)とiii)、iv)およびvii);i)とiii)、v)およびvi);i)とiii)、v)およびvii);i)とiv)、v)およびvi);i)とiv)、v)およびvii);i)とiv)、vi)およびvii);ii)とiii)、iv)およびv);ii)とiii)、iv)およびvi);ii)とiii)、iv)およびvii);ii)とiii)、v)およびvi);ii)とiii)、v)およびvii)、またはiii)とiv)、v)およびvi);iii)とiv)、v)およびvii)、iii)とiv)、vi)およびvii)それぞれから選択される1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドの組合せもまた、本発明に包含される。
【0045】
5つのグループ、すなわち、i)とii)、iii)、iv)およびv);i)とii)、iii)、iv)およびvi);i)とii)、iii)、iv)およびvii);i)とii)、iii)、v)およびvi);i)とii)、iii)、v)およびvii);i)とiii)、iv)、v)およびvi);i)とiii)、iv)、v)およびvii);i)とii)、iv)、v)およびvi);i)とii)、iv)、v)およびviii);とii)、iv)、vi)およびvii);ii)とiii)、iv)、v)およびvi);ii)とiii)、iv)、v)およびvii)由来の1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドの組合せもまた、本発明に包含される。
【0046】
6つのグループ、すなわち、iとii)、iii)、iv)、v)およびvi);i)とii)、iii)、iv)、v)およびvii);i)とiii)、iv)、v)、vi)およびvii);ii)とiii)、iv)、v)、vi)およびvii)由来の1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドの組合せ、ならびに7つすべてのグループ由来の1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドの組合せもまた、本発明に包含される。
【0047】
従って、本発明のオリゴヌクレオチド組合せは、微生物種または微生物群を検出するために適している。例えば、この目的のためにi)のオリゴヌクレオチドの1つまたはそれ以上が、スタフィロコッカスの任意の種を検出するために選択される。
【0048】
さらに一方で、上述した様々な属の微生物の種および/または群の検出を、適切なオリゴヌクレオチド組合せの組成物(記載した可能性のある組合せ)によりもう一つと同時におよび/または一緒に行うことができることが有利である。
【0049】
例えば、オリゴヌクレオチドの適切な組合せを用いて、スタフィロコッカス属の微生物の検出( i)のオリゴヌクレオチドの1つまたはそれ以上を選択することによる)を、プロピオネバクテリウム・アクネス属の微生物の検出( v)のオリゴヌクレオチドの1つまたはそれ以上を選択することによる)と同時に、および/または一緒に行うことができる。可能性のある組合せを、こうして個々に特定の要件に合うように構成することができる。
【0050】
微生物検出用オリゴヌクレオチドの選択が関連している限り、適当な相補配列が検出する微生物中に存在することが特に重要である。一方で検出する微生物に特異的であり、他方で透過性オリゴヌクレオチドに対して実際に接触可能である(すなわち、例えば、リボソームタンパク質またはrRNA二次構造などによりマスクされていない)配列が適切である。Fuchsら(B.M.Fuchs,G.Wallner,W.Besiker,I.Schwippi,W.LudwigおよびR.Amann:Flow cytometric analysis of the in situ accessibility of Escherichia coli 16S rRNA for fluorescently labeled oligonucleotide probes.Appl.Environ.Microbiol.1998,64(12):4973−4982)も、一次配列データに基づいて開発された多数のオリゴヌクレオチドは、インサイチュ・ハイブリダイゼーションに関しては可能であったとしても、限られた範囲でのみ用いることができることを示している。rRNA二次構造モチーフまたはリボソームタンパク質によりオリゴヌクレオチド結合部位候補が覆われることが、上述のオリゴヌクレオチドの不十分な結合挙動の原因であると記載されている。このような接触不可能な領域は各生物で異なっており、それぞれの微生物について再度、見出す必要がある。従って、良好な結合挙動を有するオリゴヌクレオチドに関する配列は、rRNAの一次構造から見出すことは専門家にとっても全く明らかにされておらず、それゆえコンセンサス配列探索プログラム(Consensus−Sequenz−Suchprogramme)により見つけ出すこともできない。
【0051】
本発明の特定の配列を選択することにより、微生物種、微生物属または微生物群を検出することが可能となる。15ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドの場合、配列の100%にわたって相補性を有するべきである。15ヌクレオチド以上からなるオリゴヌクレオチドを用いる場合、1〜若干数のミスマッチ塩基対部位は許容される。
【0052】
より具体的には、本発明はスタフィロコッカス属の微生物の特異的検出用オリゴヌクレオチドを提供し、このオリゴヌクレオチドはrRNAに対して相補的であり、配列番号:01〜03に示す配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群から選択される。
【0053】
記載したオリゴヌクレオチドはそれぞれ、以下のスタフィロコッカス属の種の少なくとも1つを検出する:スタフィロコッカス・アウレウス属(S. aureus)、スタフィロコッカス・エピダルミジス(S. epidermidis)、スタフィロコッカス・サッカロリティクス(S. saccharolyticus)、スタフィロコッカス・カプラエ(S. caprae)、スタフィロコッカス・キャピチス(S. capitis)、スタフィロコッカス・ワーネリ(S. warneri)、スタフィロコッカス・パステューリ(S. pasteuri)、スタフィロコッカス・アーレッテ(S. arlettae)、スタフィロコッカス・ガリナルム(S. gallinarum)、スタフィロコッカス・コーニイ(S. cohnii)、スタフィロコッカス・サッシヌス(S. succinus)、スタフィロコッカス・クルーシイ(S. kloosii)、スタフィロコッカス・サプロフィティクス(S. saprophyticus)、スタフィロコッカス・エクロラム(S. equorum)、スタフィロコッカス・キシロシス(S. xylosus)、スタフィロコッカス・ヘモリチクス(S. haemolyticus)、スタフィロコッカス・ホミニス(S. hominis)、スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス(S. lugdunensis)、スタフィロコッカス・クロモゲネス(S. chromogenes)、スタフィロコッカス・アウリクラリス(S. auricularis)、スタフィロコッカス・スクレイフェリ(S. schleiferi)、スタフィロコッカス・サイウリ(S. sciuri)、スタフィロコッカス・レンタス(S. lentus)、スタフィロコッカス・ビトゥルス(S. vitulus)、スタフィロコッカス・プルベリ(S. pulveri)、スタフィロコッカス・フェリス属(S. felis)、スタフィロコッカス・ハイカス(S. hyicus)、スタフィロコッカス・ピスシファーメンタス(S. piscifermentans)、スタフィロコッカス・カルノシス(S. carnosus)、スタフィロコッカス・シムランス(S. simulans)、スタフィロコッカス・インターメディウス(S. intermedius)、スタフィロコッカス・デルフィニ(S. delphini)、スタフィロコッカス・ムスカ(S. muscae)およびスタフィロコッカス・コンディメンチ(S. condimenti)。
【0054】
類似のrRNA配列を有するが、スタフィロコッカス属に属さない微生物は、これらのオリゴヌクレオチドにより検出されないことが好都合である:パエニバチルス・ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・サブチルス(Bacillus subtilis)、バチルス・マイコデス(Bacillus mycoides)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、ブルクホリデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、バクテロイド・ユニホルミス(Bacteroides uniformis)およびペディオコッカス・ダムノサス(Pediococcus damnosus)。これは、特有の利点であり、プローブの高い特異性を示す。
【0055】
配列番号:02に示す配列を有するオリゴヌクレオチドは、スタフィロコッカス属の微生物、より好適にはスタフィロコッカス・インターメディウス(S. intermedius)、スタフィロコッカス・デルフィニ(S. delphini)、スタフィロコッカス・ムスカ(S. muscae)、スタフィロコッカス・コンディメンチ(S. condimenti)、スタフィロコッカス・ピスシファーメンタス(S. piscifermentans)、スタフィロコッカス・カルノシス(S. carnosus)、スタフィロコッカス・スクレイフェリ(S. schleiferi)、スタフィロコッカス・フェリス(S. felis)およびスタフィロコッカス・シムランス(S. simulans)、好ましくはスタフィロコッカス・インターメディウス(S. intermedius)およびスタフィロコッカス・スクレイフェリ(S. schleiferi)を検出するために適している。
【0056】
配列番号:01〜02に示す配列を有するオリゴヌクレオチドの組合せは、特に好ましい。この組合せは、少なくとも以下のスタフィロコッカス属の一種を検出する:スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・エピダルミジス(S. epidermidis)、スタフィロコッカス・カプラエ(S. caprae)、スタフィロコッカス・キャピチス(S. capitis)、スタフィロコッカス・ワーネリ(S. warneri)、スタフィロコッカス・パステューリ(S. pasteuri)、スタフィロコッカス・アーレッテ(S. arlettae)、スタフィロコッカス・ガリナルム(S. gallinarum)、スタフィロコッカス・コーニイ(S. cohnii)、スタフィロコッカス・サッシヌス(S. succinus)、スタフィロコッカス・クルーシイ(S. kloosii)、スタフィロコッカス・サプロフィティクス(S. saprophyticus)、スタフィロコッカス・エクロラム(S. equorum)、スタフィロコッカス・キシロシス(S. xylosus)、スタフィロコッカス・ヘモリチクス(S. haemolyticus)、スタフィロコッカス・ホミニス(S. hominis)、スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス(S. lugdunensis)、スタフィロコッカス・クロモゲネス(S. chromogenes)、スタフィロコッカス・アウリクラリス(S. auricularis)、スタフィロコッカス・スクレイフェリ(S. schleiferi)、スタフィロコッカス・サイウリ(S. sciuri)、スタフィロコッカス・レンタス(S. lentus), スタフィロコッカス・ビトゥルス(S. vitulus)、スタフィロコッカス・プルベリ(S. pulveri)、スタフィロコッカス・インターメディウス(S. intermedius)、スタフィロコッカス・デルフィニ(S. delphini)、スタフィロコッカス・フェリス(S. felis)、スタフィロコッカス・ムスカ(S. muscae)、スタフィロコッカス・コンディメンチ(S. condimenti)、スタフィロコッカス・ピスシファーメンタス(S. piscifermentans)、スタフィロコッカス・カルモサス(S. carnosus)およびスタフィロコッカス・シムランス(S. simulans)。
【0057】
より具体的には、本発明のキットは、ペプトストレプトコッカス属を特異的に検出するためのオリゴヌクレオチドであり、rRNAに相補的なオリゴヌクレオチドおよび配列番号:04〜06と27〜29に示す配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群から選択されるオリゴヌクレオチドを含む。
【0058】
最新の知見によれば、「ペプトストレプトコッカス属」という属名で知られる細菌は、より具体的にはアネロコッカス属(Anaerococcus)、ペプトニフィルス属(Peptoniphilus)およびフィネゴルリア属(Finegoldia)といった様々なサブグループに配属することができる。
【0059】
記載したオリゴヌクレオチドはそれぞれ、総称して「ペプトストレプトコッカス」として知られている以下のアネロコッカス属(Anaerococcus)、ペプトニフィルス属(Peptoniphilus)およびフィネゴルリア属(Finegoldia)種の少なくとも一つを検出する:ペプトニフィルス・アサッカロリティクス(P. assaccharolyticus)、ペプトニフィルス・ラクリマリス(P. lacrimalis)、ペプトニフィルス・ハレイ(P. hareii)、フィネゴルリア・マグナス(F. magnus)、アネロコッカス・テトラジウス(A. tetradius)、アネロコッカス・ヒドロジェナリス(A. hydrogenalis)、アネロコッカス・ラクトリティクス(A. lactolyticus)、アネロコッカス・オクトビウス(A. octavius)およびアネロコッカス・バジマリス(A. vaginalis)を検出する。
【0060】
配列番号:04〜06に示す配列を有するオリゴヌクレオチドが、特に好ましい。これらのオリゴヌクレオチドはそれぞれ、以下のペプトストレプトコッカス(Peptostreptococci)の一種、より具体的にはアネロコッカス属(Anaerococcus)の一種を少なくとも検出する:アネロコッカス・ヒドロジェナリス(Anaerococcus hydrogenalis)、アネロコッカス・ラクトリティクス(A. lactolyticus)、アネロコッカス・オクトビウス(A. octavius)、アネロコッカス・プレボッチ(A. prevotii)、アネロコッカス・テトラジウス(Anaerococcus tetradius)およびアネロコッカス・バジナリス(A. vaginalis)。
【0061】
以下に記載したペプトストレプトコッカス属種および類似のrRNA配列を有するが、ペプトストレプトコッカス属に属さない他の微生物、特に具体的にはアネロコッカス属(Anaerococcus)が、検出されないことが都合良い:ペプトニフィルス・ラクリマリス(Peptoniphilus lacrimalis)、ペプトストレプトコッカス・アネロビルス(Peptostreptococcus anaerobius)、フィネゴルリア・マグナス(Finegoldia magnus)およびルミノコッカス・プロダクツ(Ruminococcus productus)、ブレビバクテリウム・エピダーミジス(Brevibacterium epidermidis)、アビオトロファ・エレガンス(Abiotropha elegans)およびクロストリジウム・ハスチホルム(Clostridium hastiforme)。
【0062】
配列番号:04に示す配列を有するオリゴヌクレオチドが、特に好ましい。このオリゴヌクレオチドは、「ペプトストレプトコッカス」の属名で知られる微生物の少なくとも以下の種を検出する:アネロコッカス・ヒドロジェナリス(Anaerococcus hydrogenalis)、アネロコッカス・ラクトリティクス(A. lactolyticus)、アネロコッカス・オクトビウス(A. octavius)、アネロコッカス・プレボッチ(A. prevotii)およびアネロコッカス・バジナリス(A. vaginalis)。
【0063】
より具体的には、本発明はさらに、ペプトストレプトコッカス属の微生物を特異的に検出するためのオリゴヌクレオチドであり、rRNAに相補的なオリゴヌクレオチドおよび配列番号:27〜29に示す配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群から選択されるオリゴヌクレオチドを提供する。
【0064】
以下に記載のペプトストレプトコッカス属の一種、および類似のrRNA配列を有するが、ペプトストレプトコッシ(Peptostreptococci)に属さない他の微生物は、検出されないことが都合良い:ミクロモナス・ミクロス(Micromonas micros)、ヘルココッカス・クンジ(Helcococcus kunzii)、ヘルココッカス・オビス(Helcococcus ovis)。
【0065】
配列番号:27および28に示す配列を有するオリゴヌクレオチドが、特に好ましい。これらのオリゴヌクレオチドは、以下のペプトニフィルス属(Peptoniphilus)の少なくとも一種を検出する:ペプトニフィルス・アサッカロリティクス(Peptoniphilus assaccharolyticus)、ペプトニフィルス・ハレイ(P. hareii)、ペプトニフィルス・インドリクス(P. indolicus)(より具体的には、ATCC 29427株および近親関係の株、すなわち非常に類似のrRNAを有する株)およびペプトニフィルス・ラクリマリス(P. lacrimalis)。
【0066】
類似のrRNAを有する以下の種は、これらのオリゴヌクレオチドにより検出されない:シュードモナス・サッカロフィラ(Pseudomonas saccharophila)、バリオボラックス・パラドクサス(Variovorax paradoxus)、フィネゴルリア・マグナ(Finegoldia magna)、スタフィロコッカス・エピダルミジス、プロピオニバクテリウム・アクネス、ミクロモナス・ミクロス(Micromonas micros)、ギャリコラ・バラネセ(Gallicola baranese)、アトポビウム・パルブラム(Atopobium parvulum)、ベイヨネラ・ディスパル、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、ならびにアネロコッカス属(Anaerococcus)およびコリネバクテリウム属の一種。
【0067】
配列番号:28に示す配列を有するオリゴヌクレオチドは、特にペプトニフィルス・ラクリマリス(Peptoniphilus lacrimalis)種の微生物を検出する。
【0068】
配列番号:29に示す配列を有するオリゴヌクレオチドもまた、特に好ましい。総称して「ペプトストレプトコッシ(Peptostreptococci)」として知られている微生物由来の、このオリゴヌクレオチドは、少なくともフィネゴルリア・マグナ(Finegoldia magna)を検出し、rRNAがこの種と非常によく似ている微生物も検出する。一方、以下の微生物は同時に検出されない:アネロコッカス・ヒドロジェナリス(Anaerococcus hydrogenalis)、ペプトストレプトコッカス・アネロビルス(Peptostreptococcus anaerobius)、ペプトニフィルス・ラクリマリス(Peptoniphilus lacrimalis)、スタフィロコッカス・エピダルミジス、Halocella cellulosilytica、プロピオニバクテリウム・アクネス、ミクロモナス・ミクロス(Micromonas micros)、ベイヨネラ・ディスパル、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、ならびにAnaerococcus属、コリネバクテリウム属およびPeptoniphilus属の他の一種
【0069】
り具体的には、本発明は、コリネバクテリウム属の微生物を特異的に検出するためのオリゴヌクレオチドであり、rRNAに相補的なオリゴヌクレオチドおよび配列番号:07〜12に示す配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群から選択されるオリゴヌクレオチドを提供する。
【0070】
記載したオリゴヌクレオチドはそれぞれ、以下のコリネバクテリウム属の少なくとも一種を検出する:コリネバクテリウム・グルラミカム(C. glutamicum)、コリネバクテリウム・リポフィロフラバム(C. lipophiloflavum)、コリネバクテリウム・グルクロノリチカム(C. glucuronolyticum)、コリネバクテリウム・マクジニレイ(C. macginleyi)、コリネバクテリウム・アコレンス(C. accolensi)、コリネバクテリウム・ファスチジオサム(C. fastidiosum)、コリネバクテリウム・セグメントサム(C. segmentosum)、コリネバクテリウム・アンモニアジェネス(C. ammoniagenes)、コリネバクテリウム・ミヌティシマム(C. minutissimum)、コリネバクテリウム・フラベッセンス(C. flavescens)、コリネバクテリウム・コレイエ(C. coyleiae)、コリネバクテリウム・アフェメンタンス(C. afermentans)、コリネバクテリウム・シュードジェニタリウム(C. pseudogenitalium)、コリネバクテリウム・ジェニタリウム(C. genitalium)、コリネバクテリウム・ムコファシエンス(C. mucofaciens)、コリネバクテリウム・オーリス(C. auris)、コリネバクテリウム・マイセトイデス(C. mycetoides)、コリネバクテリウム・シスチテジス(C. cystitidis)、コリネバクテリウム・ピロスム(C. pilosum)、コリネバクテリウム・シュードツベルクローシス(C. pseudotuberculosis)、コリネバクテリウム・アルセランス(C. ulcerans)、コリネバクテリウム・ジフテリア(C. diphteriae)、コリネバクテリウム・ビタルメン(C. vitarumen)、コリネバクテリウム・クッシェリ(コリネバクテリウム・クッシェリ(C. kutscheri))、コリネバクテリウム・ジェニタリウム(C. genitalium)、コリネバクテリウム・アルゲントランテン(C. argentoratens)、コリネバクテリウム・カルネ(C. callunae)、コリネバクテリウム・ボービス(C. bovis)、コリネバクテリウム・バリアビリス(C. variabilis)、コリネバクテリウム・アミコラタム(C. amycolatum)、コリネバクテリウム・ツベルカロステリカム(C. tuberculostearicum)、コリネバクテリウム・セロシス(C. xerosis)、コリネバクテリウム・マトルコッチ(C. matruchotii)、コリネバクテリウム・ジェイケイウム(C. jeikeium)、コリネバクテリウム・エフィシエンス(C. efficiens)、コリネバクテリウム・ソムセニイ(C. thomsenii)、コリネバクテリウム・ニグリカンス(C. nigricans)、コリネバクテリウム・オーリスカニス(C. auriscanis)、コリネバクテリウム・モーレパーケンス(C. mooreparkense)、コリネバクテリウム・カゼイ(C. casei)、コリネバクテリウム・カンポリーセンシシ(C. camporealensis)、コリネバクテリウム・サンドスバセンス(C. sundsvallense)、コリネバクテリウム・マスチジス(C. mastidis)、コリネバクテリウム・イミタンス(C. imitans)、コリネバクテリウム・リエジェリイ(C. riegelii)、コリネバクテリウム・アスペルム(C. asperum)、コリネバクテリウム・フレニイ(C. freneyi)、コリネバクテリウム・ストリアタム(C. striatum)、コリネバクテリウム・コレイエ(C. coyleiae)およびコリネバクテリウム・シムランス(C. simulans)。
【0071】
類似のrRNA配列を有するが、コリネバクテリウム属に属さない以下の微生物は、これらのオリゴヌクレオチドにより検出されないことが都合良い:クロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)、ユーバクテリウム・モニリホルム(Eubacterium moniliforme)およびフソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)。以下の皮膚ミクロフローラに属する細菌もまた、検出されない:ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)、ミクロコッカス・バリアンス(Micrococcus varians)、ミクロコッカス・ライエ(Micrococcus lyae)、アシネトバクター・カルコアセチスク(Acinetobacter calcoaceticus)およびストレプトコッカス・ポジェンス(streptococcus pyogenes)。これは、重要な利点であり、プローブの高い特異性を示している。
【0072】
配列番号:10に示す配列を有するオリゴヌクレオチドは、コリネバクテリウム・ストリアタム種(C. striatum)および/またはコリネバクテリウム・セロシス種(C. xerosis)のコリネバクテリアを検出するために特に好ましい。
【0073】
さらに、配列番号:11に示す配列を有するオリゴヌクレオチドは、コリネバクテリウム・ジェイケイウム種(C. jeikeium)のコリネバクテリアを検出するために用いられる。
【0074】
配列番号:07、08、10および11に示す配列を有するオリゴヌクレオチドの組合せが、特に好ましい。この組合せは、コリネバクテリウム属の少なくとも以下の種を検出する:コリネバクテリウム・グルラミカム(C. glutamicum)、コリネバクテリウム・リポフィロフラバム(C. lipophiloflavum)、コリネバクテリウム・グルクロノリチカム(C. glucuronolyticum)、コリネバクテリウム・マクジニレイ(C. macginleyi)、コリネバクテリウム・アコレンス(C. accolensi)、コリネバクテリウム・ファスチジオサム、コリネバクテリウム・セグメントサム(C. segmentosum)、コリネバクテリウム・アンモニアジェネス(C. ammoniagenes)、コリネバクテリウム・ミヌティシマム(C. minutissimum)、コリネバクテリウム・フラベッセンス(C. flavescens)、コリネバクテリウム・コレイエ(C. coyleiae)、コリネバクテリウム・アフェメンタンス(C. afermentans)、コリネバクテリウム・シュードジェニタリウム(C. pseudogenitalium)、コリネバクテリウム・ジェニタリウム(C. genitalium)、コリネバクテリウム・ムコファシエンス(C. mucofaciens)、コリネバクテリウム・オーリス(C. auris)、コリネバクテリウム・マイセトイデス(C. mycetoides)、コリネバクテリウム・シスチテジス(C. cystitidis)、コリネバクテリウム・ピロスム(C. pilosum)、コリネバクテリウム・シュードツベルクローシス(C. pseudotuberculosis)、コリネバクテリウム・アルセランス(C. ulcerans)、コリネバクテリウム・ジフテリア(C. diphteriae)、コリネバクテリウム・カンポリーセンシシ(C. camporealensis)、コリネバクテリウム・ビタルメン(C. vitarumen)、コリネバクテリウム・クッシェリ(C. kutscheri)、コリネバクテリウム・アルゲントランテン(C. argentoratens)、コリネバクテリウム・カルネ(C. callunae)、コリネバクテリウム・ボービス(C. bovis)、コリネバクテリウム・レナル (C. renale)、コリネバクテリウム・リエジェリイ(C. riegelii)、C. コリネバクテリウム・バリアビリス(C. variabilis)、コリネバクテリウム・アミコラタム(C. amycolatum)、コリネバクテリウム・ツベルカロステリカム、コリネバクテリウム・セロシス(C. xerosis)、コリネバクテリウム・マトルコッチ(C. matruchotii)、コリネバクテリウム・ジェイケイウム(C. jeikeium)。
【0075】
1つの具体的な態様にて、本発明はさらに、コリネバクテリウム属の微生物を特異的に検出するためのオリゴヌクレオチドであり、rRNAに相補的なオリゴヌクレオチドおよび配列番号:19〜26に示す配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群から選択されるオリゴヌクレオチドを提供する。
【0076】
記載したオリゴヌクレオチドはそれぞれ、以下のコリネバクテリウム属の少なくとも一種を検出する:コリネバクテリウム・コレイエ(C. coyleiae)、コリネバクテリウム・アフェメンタンス(C. afermentans)、コリネバクテリウム・ジェニタリウム、コリネバクテリウム・ムチファシエンス(C. mucifaciens)、コリネバクテリウム・アミコラタム(C. amycolatum)、コリネバクテリウム・ツベルカロステリカムおよびコリネバクテリウム・リエジェリイ(C. riegelii)。これらのオリゴヌクレオチドは、コリネバクテリウム属の一種と非常に近親の関係にある1つまたはそれ以上の群を特異的に検出することに適している。
【0077】
類似のrRNA配列を有する以下の微生物は、これらのオリゴヌクレオチドにより検出されないことが都合良い:クロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)、ユーバクテリウム・ユーリ(Eubacterium yurii)およびフソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)。皮膚ミクロフローラに属する以下の細菌もまた、検出されない:ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)、ミクロコッカス・バリアンス(Micrococcus varians)、ミクロコッカス・ライエ(Micrococcus lyae)、アシネトバクター・カルコアセチスク(Acinetobacter calcoaceticus)およびストレプトコッカス・ポジェンス(streptococcus pyogenes)。これは、重要な利点であり、プローブの高い特異性を示している。
【0078】
具体的な好ましい態様にて、配列番号:19に示す配列を有するオリゴヌクレオチドは、コリネバクテリウム属由来の微生物のグループを検出するために用いられる。コリネバクテリウム属は、コリネバクテリウム・ツベルカロステリカム(より具体的には、ATCC 35692)またはCDC G5840(Acc. No. X80498)という名称の株の周囲のグループ、および非常によく似たrRNAを有する微生物、すなわちその微生物と非常に近親の関係の微生物またはそのrRNAが、記載したオリゴヌクレオチドとハイブリダイズする部分にて記載した微生物のrRNAと類似および/または完全に一致しているあるいはほとんど一致している(すなわち、1つまたはそれ以上のヌクレオチド、好ましくは1つから3つのヌクレオチドの違いを有する)微生物により形成されている。
【0079】
このプローブは、コリネバクテリウム・ツベルカロステリカムを検出することに都合良く、以下の非常によく似たrRNAを有するコリネバクテリウム属の一種は、より遠縁の関係のコリネバクテリウム属の一種であり検出されない:コリネバクテリウム・ミヌティシマム(C. minutissimum)、コリネバクテリウム・ジフテリア(C. diphteriae)、コリネバクテリウム・ストリアタム(C. striatum)、コリネバクテリウム・セロシス(C. xerosis )、コリネバクテリウム・ファスチジオサム、コリネバクテリウム・カンポリーセンシシ(C. camporealensis)、コリネバクテリウム・アコレンス(C. accolensi)、コリネバクテリウム・シュウドジェニタリウムおよびコリネバクテリウム・アフェメンタンス(C. afermentans)、コリネバクテリウム・ジェイケイウム(C. jeikeium)、コリネバクテリウム・デュラム (C. durume)、コリネバクテリウム・ムチファシエンス、コリネバクテリウム・レナル(C. renale)、コリネバクテリウム・リエジェリイ(C. riegelii)、コリネバクテリウム・グルラミカム(C. glutamicum)、コリネバクテリウム・リポフィロフラバム(C. lipophiloflavum)、コリネバクテリウム・グルクロノリチカム(C. glucuronolyticum)、コリネバクテリウム・アンモニアジェネス(C. ammoniagenes)、コリネバクテリウム・コレイエ(C. coyleiae)、コリネバクテリウム・シュードツベルクローシス(C. pseudotuberculosis)、コリネバクテリウム・クッシェリ(C. kutscheri)、コリネバクテリウム・カルネ(C. callunae)およびコリネバクテリウム・ウレアリチカム (C. urealyticum)。
【0080】
配列番号:20に示す配列を有するプローブは、コリネバクテリウム・アミコラタム属(C. amycolatum)および近親の関係の種を特異的に検出するために、特に好ましい。このプローブは、コリネバクテリウム・アミコラタムおよび非常によく似たrRNAを有し、記載したオリゴヌクレオチドとrRNAハイブリダイジングする部分にて誤対合はほとんどなく、好ましくは誤対合のないコリネバクテリウム属の一種を検出することに都合良いが、以下のより遠縁の関係のコリネバクテリウム属の一種は検出しない:コリネバクテリウム・アスペルム、コリネバクテリウム・ジェイケイウム(C. jeikeium)、コリネバクテリウム・ボービス(C. bovis)、コリネバクテリウム・フレニイ(C. freneyi)、コリネバクテリウム・アフェメンタンス(C. afermentans)、コリネバクテリウム・デュラム(C. durume)、コリネバクテリウム・マトルコッチ(C. matruchotii)、コリネバクテリウム・ムチファシエンス、コリネバクテリウム・レナル(C. renale)、コリネバクテリウム・グルラミカム(C. glutamicum)およびコリネバクテリウム・セロシス(C. xerosis )、およびさらにコリネバクテリウム・リポフィロフラバム(C. lipophiloflavum)、コリネバクテリウム・グルクロノリチカム(C. glucuronolyticum)、コリネバクテリウム・ミヌティシマム(C. minutissimum)、コリネバクテリウム・アンモニアジェネス(C. ammoniagenes)、コリネバクテリウム・カンポリーセンシシ(C. camporealensis)、コリネバクテリウム・コレイエ(C. coyleiae)、コリネバクテリウム・シュードツベルクローシス(C. pseudotuberculosis)、コリネバクテリウム・リエジェリイ(C. riegelii)、コリネバクテリウム・クッシェリ(C. kutscheri)、コリネバクテリウム・カルネ(C. callunae)およびコリネバクテリウム・ウレアリチカム(C. urealyticum)。
【0081】
配列番号:21に示す配列を有するオリゴヌクレオチドは、微生物の任意の種、より具体的にはコリネバクテリウム属を検出するために特に好ましく、それは配列番号:31に示す16 S rRNAの部分配列と少なくとも60%のヌクレオチド、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%、例えば少なくとも95%のヌクレオチドの相同性を有する。
【0082】
このプローブは、上述のコリネバクテリウム属の一種を有利に検出するが、以下のより遠縁の関係のコリネバクテリウム属の種は検出しない:コリネバクテリウム・ジェニタリウム、コリネバクテリウム・ムチファシエンス、コリネバクテリウム・コレイエ(C. coyleiae)、コリネバクテリウム・グルクロノリチカム(C. glucuronolyticum)、コリネバクテリウム・アフェメンタンス(C. afermentans)、コリネバクテリウム・シュードジェニタリウムおよびコリネバクテリウム・リポフィロフラバム(C. lipophiloflavum)、およびさらにコリネバクテリウム・アミコラタム(C. amycolatum)、コリネバクテリウム・ジェイケイウム(C. jeikeium)、コリネバクテリウム・デュラム(C. durume)、コリネバクテリウム・レナル(C. renale)、コリネバクテリウム・ストリアータム(C. striatum)、コリネバクテリウム・グルラミカム(C. glutamicum)、コリネバクテリウム・アコレンス(C. accolensi)、コリネバクテリウム・セロシス(C. xerosis )、コリネバクテリウム・ミヌティシマム(C. minutissimum)、コリネバクテリウム・カンポリーセンシシ(C. camporealensis)、コリネバクテリウム・コレイエ(C. coyleiae)、コリネバクテリウム・シュードツベルクローシス(C. pseudotuberculosis)、コリネバクテリウム・クッシェリ(C. kutscheri)、コリネバクテリウム・カルネ(C. callunae)およびコリネバクテリウム・ウレアリチカム(C. urealyticum)。
【0083】
配列番号:23に示す配列を有するオリゴヌクレオチドは、コリネバクテリウム・アフェメンタンス種(C. afermentans)のコリネバクテリウムを検出するために特に好ましい。
【0084】
このプローブは、コリネバクテリウム・アフェメンタンス(C. afermentans)および非常によく似たrRNAを有するコリネバクテリウム属の一種を検出することに都合良いが、以下のより遠縁の関係のコリネバクテリウム属の種は検出しない:コリネバクテリウム・ジェニタリウム(C. genitalium)、コリネバクテリウム・ムチファシエンス、コリネバクテリウム・アンモニアジェネス(C. ammoniagenes)、コリネバクテリウム・コレイエ(C. coyleiae)、コリネバクテリウム・グルクロノリチカム(C. glucuronolyticum)、コリネバクテリウム・リエジェリイ(C. riegelii)、コリネバクテリウム・ソムセニイ、コリネバクテリウム・シュードジェニタリウム(C. pseudogenitalium)およびコリネバクテリウム・リポフィロフラバム(C. lipophiloflavum)、およびさらにコリネバクテリウム・アミコラタム(C. amycolatum)、コリネバクテリウム・ジェイケイウム(C. jeikeium)、コリネバクテリウム・デュラム (C. durume)、コリネバクテリウム・レナル(C. renale)、コリネバクテリウム・ストリアタム(C. striatum)、コリネバクテリウム・グルラミカム(C. glutamicum)、コリネバクテリウム・アコレンス(C. accolensi)、コリネバクテリウム・セロシス(C. xerosis)、コリネバクテリウム・ミヌティシマム(C. minutissimum)、コリネバクテリウム・カンポリーセンシシ(C. camporealensis)、コリネバクテリウム・コレイエ(C. coyleiae)、コリネバクテリウム・シュードツベルクローシス(C. pseudotuberculosis)、コリネバクテリウム・クッシェリ(C. kutscheri)、コリネバクテリウム・カルネ(C. callunae)およびコリネバクテリウム・ウレアリチカム(C. urealyticum)。
【0085】
配列番号:25に示す配列を有するオリゴヌクレオチドは、コリネバクテリウム・アフェメンタンス種(C. afermentans)、コリネバクテリウム・ムチファシエンス種、コリネバクテリウム・コレイエ種(C. coyleiae)および/または「コリネバクテリウム・ジェニタリウム」のコリネバクテリアを検出するために特に好ましい。
【0086】
このプローブは、コリネバクテリウム・アフェメンタンス(C. afermentans)、コリネバクテリウム・ムチファシエンス、コリネバクテリウム・コレイエ(C. coyleiae)および「コリネバクテリウム・ジェニタリウム(C. genitalium)」ならびに非常によく似たrRNAを有するコリネバクテリウム属の一種を有利に検出するが、以下のより遠縁の関係のコリネバクテリウム属の一種は検出しない:コリネバクテリウム・セロシス(C. xerosis)、コリネバクテリウム・ジェイケイウム(C. jeikeium)、コリネバクテリウム・ウレアリチカム(C. urealyticum)、コリネバクテリウム・アミコラタム属(C. amycolatum)、コリネバクテリウム・グルラミカム(C. glutamicum)、コリネバクテリウム・ストリアタム(C. striatum)、コリネバクテリウム・アコレンス(C. accolensi)、コリネバクテリウム・レナル(C. renale)、コリネバクテリウム・アンモニアジェネス(C. ammoniagenes)およびコリネバクテリウム・クッシェリ(C. kutscheri)、およびさらにコリネバクテリウム・グルクロノリチカム(C. glucuronolyticum)、コリネバクテリウム・カンポリーセンシシ(C. camporealensis)、コリネバクテリウム・シュードツベルクローシス(C. pseudotuberculosis)、コリネバクテリウム・デュラム(C. durume)、コリネバクテリウム・ミヌティシマム(C. minutissimum)、コリネバクテリウム・リポフィロフラバム(C. lipophiloflavum)、コリネバクテリウム・カルネ(C. callunae)およびコリネバクテリウム・ソムセニイ。
【0087】
さらに、このオリゴヌクレオチドは、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)に属さず、非常によく似たrRNAを有する以下の微生物も検出しない:ナノムレア・ファスチジオサ(Nanomurea fastidiosa)、ミクロモノスポラ・エキノスポラ(Micromonospora echinospora)、アビオトロファ・エレガンス(Abiotropha elegans)およびアルカノバクテリウム・ピオゲネス(Arcanobacterium pyogenes)。
【0088】
配列番号:26に示す配列を有するプローブは、コリネバクテリウム・リエゲリ(C. riegelli)を特異的に検出するために特に好ましい。
【0089】
もう一つの具体的な態様にて、本発明は、ベイヨネラ属の微生物を特異的に検出するためのオリゴヌクレオチドであり、rRNAと相補的なプローブおよび配列番号:13〜15に示す配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群から選択されるプローブをさらに提供する。
【0090】
記載したオリゴヌクレオチドはそれぞれ、以下のベイヨネラ属の少なくとも一種を検出する:ベイヨネラ・ディスパル(V. dispar)、ベイヨネラ・パーバラ(V. parvula)およびベイヨネラ・アティピカ(V. atypica)。ベイヨネラ属は、系統樹にて大部分が単離されているため、非標的微生物は検出されないことが都合良い。
【0091】
配列番号:13〜14に示す配列を有するオリゴヌクレオチドの組合せ。この組合せは、以下のベイヨネラ属の少なくとも一種を検出する:ベイヨネラ・ディスパル(V. dispar)、ベイヨネラ・パーバラ(V. parvula)およびベイヨネラ・アティピカ(V. atypica)。
【0092】
具体的な態様にて、本発明はさらに、プロピオニバクテリウム・アクネス種の微生物を特異的に検出するためのオリゴヌクレオチドであり、rRNAに相補的なプローブおよび配列番号:16〜17に示す配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群から選択されるプローブを提供する。
【0093】
記載したオリゴヌクレオチドはそれぞれ、プロピオニバクテリウム・アクネス種を特異的に検出する。
【0094】
配列番号:16に示す配列を有するオリゴヌクレオチドが、特に好ましい。
【0095】
類似のrRNA配列を有するがプロピオニバクテリウム・アクネス種に属さない微生物は、検出されないことが都合良い:プロピオニバクテリウム・プロピオニクス(P. propionicus)、プロピオニバクテリウム・グラニュローサ(P. granulosum)、プロピオニバクテリウム・アビダム(P. avidum)、プロピオニバクテリウム・フレウデンレイッチイ(P. freudenreichii)、プロピオニバクテリウム・トエニ(P. thoeni)、プロピオニバクテリウム・リンフォフィルス(P. lymphophilus)、コリネバクテリウム・ミヌティシマム(C. minutissimum)、サッカロモノスポラ・ビリディス(Saccharomonospora viridis)、ノカルディオデス種(Nocardiodes)、プロピオニフェラクス・イノキュア(Propioniferax innocua)、ゴードニア・スプッチ(Gordonia sputi)およびアツカノバクテリウム(Arcanobacterium)。
【0096】
もう1つの具体的な態様にて、本発明のキットは、マラセチア属の微生物を特異的に検出するオリゴヌクレオチドであり、rRNAに相補的なオリゴヌクレオチドおよび配列番号:18に示す配列を有するオリゴヌクレオチドを含む。
【0097】
記載したオリゴヌクレオチドは、以下のマラセチア属の少なくとも一種を検出する:マラセチア・スロフィエ、マラセチア・パチデルマチス(M. pachydermatis)、マラセチア・フルフル(M. furfur)。
【0098】
類似のRNA配列を有するが、マラセチア属に属さない以下の微生物は、検出されないことが都合良い:カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)およびカンジダ・クルセイ(Candida krucei)。
【0099】
配列番号:30に示す配列を有するオリゴヌクレオチドは、スポロミュサ分類群の任意の微生物、好ましくはスポロミュサ分類群のサブグループおよび記載した微生物と非常によく似たrRNAを有する微生物から形成されるファスコラルクトバクテリウム属(Phascolarctobacterium)およびアシダミノコッカス属(Acidaminococcus)の微生物を検出するために特に好ましい。
【0100】
記載したオリゴヌクレオチドは、少なくともアシダミノコッカス・フェルメンタンス種(Acidaminococcus fermentans)、ファスコラルクトバクテリウム・フェウム種(Phascolarctobacterium faecium)および非常によく似たRNAを有する近親の関係の微生物を検出するが、以下の微生物は検出しない:ベイヨネラ種、ハロバチルス・ハロフィルス(Halobacillus halophilus)、スポロムサ・パウチボランス(Sporomusa paucivorans)、マクロコッカス・カセオリチクス(Macrococcus caseolyticus)、アネロムサ・アシダミノフィラ(Anaeromusa acidaminophila)、ハロセラ・セルロシリチカ(Halocella cellulosilytica)、ペプトストレプトコッカス・アネロビルス(Peptostreptococcus anaerobius)、スクシクラスチカム・ルミニス(Succiniclasticum ruminis)およびスクシニスピラ・モビリス(Succinispira mobilis)。
【0101】
1つの具体的な好ましい態様にて、標識したオリゴヌクレオチドと一緒に標識していないオリゴヌクレオチドを用いてもよい。標識していないオリゴヌクレオチドおよび標識したオリゴヌクレオチドの両方を含む試料のインキュベーションは、プローブの特異性を増大するために用いられることが好ましい。例えば、近親の関係の微生物種を、検出される微生物種と近親の関係にある検出されない微生物種に対する1つのオリゴヌクレオチドを用いて識別することができ、そのオリゴヌクレオチドは、選択された条件下で標識したプローブよりもrRNAの標的配列を有する検出されない微生物とよりハイブリダイズする。標識していないプローブが、標識したプローブよりも検出されない微生物のrRNAとよりハイブリダイズし、標識したプローブと検出されない微生物のrRNAの結合のために、標識していないオリゴヌクレオチド(competitor)の使用によって偽陽性結果が防止される。任意の微生物種または微生物群の特異的な検出がこうして可能となり、とりわけ非常によく似たrRNA配列を有する近親の関係である種の存在においても可能である。
【0102】
例えば、本発明にて、配列番号:22のオリゴヌクレオチドと一緒に配列番号:21のオリゴヌクレオチドを用いることが適当である。この場合、配列番号:21のオリゴヌクレオチドは標識されており、配列番号:22のオリゴヌクレオチドは標識されていないことが好ましい。故に、16 S rRNA配列が配列番号:31に示す配列を含む微生物種は検出され得るが、同時にコリネバクテリウム・アフェメンタンス(C. afermentans)を検出されなくすることが容易である(実施例の分析結果を参照のこと)。
【0103】
本発明にて、配列番号:23と24を共に有するオリゴヌクレオチドを用いることも、適当であろう。配列番号:23を有するオリゴヌクレオチドは、コリネバクテリウム・アフェメンタンス(C. afermentans)を検出するためのプローブとして標識して用いられ、配列番号:24のオリゴヌクレオチドは、配列番号:31に示す配列を含む16 S rRNA配列の微生物種の非常によく似た標的配列を覆い隠している。
【0104】
さらに、配列番号:26のオリゴヌクレオチドは、配列番号:25のオリゴヌクレオチドと一緒に標識していない競合物質として用いることができる。この方法にて、系統樹にて互いに近親の以下のコリネバクテリウム属の一種は、検出することができる:コリネバクテリウム・アフェメンタンス(C. afermentans)、コリネバクテリウム・ジェニタリウム(C. genitalium)、コリネバクテリウム・ムチファシエンス、コリネバクテリウム・コレイエ(C. coyleiae)が、非常によく似たrRNA配列を有し、同時に検出されるコリネバクテリウム種のコリネバクテリウム・リエジェリイ(C. riegelii)は検出されない。
【0105】
本発明の具体的な好ましい態様にて、配列番号:19〜30の1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチド組合せは、スタフィロコッカス属、ベイヨネラ属、マラセチア属および/またはプロピオニバクテリウム属の一種を検出するために1つまたはそれ以上の他のオリゴヌクレオチドを含む。様々な皮膚関連微生物を、1つの試料にて同時にまたは「並行して」、より好ましくは一回の工程にて検出することができることが都合良い。さらに、本明細書に記載のオリゴヌクレオチド、特に配列番号:1〜18のオリゴヌクレオチドが、特に適している。
【0106】
配列プロトコールの配列を、以下の表2に示す。
【表2】

【0107】
本発明の方法は、以下の工程を含む:
a)皮膚の試料を採取し、
b)採取した試料に存在する微生物を固定し、
c)固定化した微生物を少なくとも1つのオリゴヌクレオチド一緒にインキュベートし、ハイブリダイゼーションを誘導し、
d)ハイブリダイズしていないオリゴヌクレオチドを除去し、そして
e)オリゴヌクレオチドとハイブリダイズした微生物を検出し、場合により定量する。
【0108】
本発明にて、微生物の「固定」とは、微生物細胞壁がオリゴヌクレオチドに対して透過性になるように処置されることと解される。通常、エタノールを固定に用いる。細胞壁が、以下のこれらの手段のオリゴヌクレオチドにより透過性にされ得ない場合、同様の結果を導くのに十分な他の手段が専門家に知られている。これらには、例えば、メタノール、アルコールの混合液、希釈したパラホルムアルデヒド溶液または希ホルムアルデヒド溶液などが含まれる。
【0109】
本発明によれば、特に固定した細胞を「ハイブリダイゼーション」のために蛍光標識したオリゴヌクレオチドとインキュベートする。これらの標識したオリゴヌクレオチドは、任意に細胞壁を透過した後、オリゴヌクレオチドに相同的な標的配列にそれ自身が結合することができる。その結合は、相補的な核酸フラグメント間に水素結合を構築することであると解される。
【0110】
本発明のキットのオリゴヌクレオチドは、本発明の方法における適切なハイブリダイゼーション溶液と一緒に用いられる。この溶液の適切な構成成分は、専門家によく知られている。相当する溶液は、例えば、0%〜80%の濃度のホルムアミド、好ましくは0%〜45%の濃度のホルムアミド、より好ましくは20%〜40%の濃度のホルムアミドを含み、かつ例えば、0.1 mol/l〜1.5 mol/lの塩濃度、好ましくは0.5 mol/l〜1.0 mol/lの塩濃度(塩としては、NaClが好ましい)、より好ましくは0.9 mol/lの塩濃度を有する。さらに、洗浄剤(一般的には、SDS)は、一般に0.001%〜0.2%の濃度、好ましくは0.005%〜0.1%の濃度、より好ましくは0.01%の濃度である。適切な緩衝物質(例えば、Tris-HCl、クエン酸ナトリウム、HEPES、PIPESなど)は、溶液をバッファリングしており、典型的に0.01 mol/l〜0.1 mol/lの濃度、好ましくは0.01 mol/l〜0.05 mol/lの濃度、より好ましくは0.02 mol/lの濃度である。ハイブリダイゼーション溶液のpHは、一般に6.0〜9.0の間であり、好ましくは7.0〜8.0の間、より好ましくは約8.0である。
【0111】
他の添加物としては、例えばハイブリダイゼーション反応における非特異的結合を防ぐためのサケ精子DNAまたはブロッキング試薬、あるいはハイブリダイゼーション反応を加速させるためのポリエチレン・グリコール、ポリビニル・ピロリドンまたは硫酸デキストランをも含んで用いることができる。さらに、すべての生存微生物および/または試料中に存在する微生物のDNAを着色するために、物質(例えば、DAPI、4’,6−ジアミジノ-2-フェニルインドール二塩酸塩)を添加することもできる。相当する添加剤は、専門家によく知られており、既知の典型的な濃度で添加することができる。
【0112】
ハイブリダイゼーション溶液中のオリゴヌクレオチドの濃度は、その標識の性質および標的構造物の数により決定される。迅速かつ効率的なハイブリダイゼーションを供するために、オリゴヌクレオチドの数を標的物質の数よりも桁違いに多くしなければならない。しかし、過剰量の蛍光標識したオリゴヌクレオチドが、バックグラウンドの蛍光の増大を導くことを念頭に置くことが重要である。従って、オリゴヌクレオチドの濃度は、0.5〜500 ng/μlの範囲であるべきである。本発明の方法の好ましい濃度は、1μlのハイブリダイゼーション溶液に対して、用いた個々のオリゴヌクレオチドが1〜10 ngである。用いたハイブリダイゼーション溶液の量は、8μl〜100mlの間であり、本発明の好ましい態様にて10μl〜1,000μlの間であり、具体的に好ましい態様にて20μl〜40μlの間である。
【0113】
ハイブリダイゼーションの継続時間は、通常10分〜12時間の間であり、好ましくは約1.5時間である。ハイブリダイゼーション温度は、44℃〜48℃の間が好ましく、より好ましくは46℃である。ハイブリダイゼーション温度、およびハイブリダイゼーション溶液中における塩ならびに洗浄剤の濃度といったパラメーターは、オリゴヌクレオチド、より好ましくは検出する細胞内の標的配列に対するそのオリゴヌクレオチドの長さおよび相補性の程度に依存して最適化することができる。この点に関し専門家は、相関性の予測に精通している。
【0114】
ハイブリダイゼーションの完了時に、ハイブリダイズしていないオリゴヌクレオチドおよび余剰のオリゴヌクレオチドを従来的な洗浄溶液を用いて通常通りに、除去または洗い流す必要がある。所望であれば、この洗浄溶液は、洗浄剤、例えばSDSなどを0.001〜0.1%、好ましくは0.01%の濃度で含み、Tris-HClまたは適切な緩衝物質を0.001〜0.1 mol/lの濃度で、好ましくは0.02 mol/lの濃度で含み、pHは6.0〜9.0の範囲であり、好ましくは約8.0である。洗浄剤は存在しても良いが、必須ではない。さらに、洗浄溶液は通常、(必要な厳密度に依存して)0.003 mol/l〜0.9 mol/lの濃度、好ましくは0.01 mol/l〜0.9 mol/lの濃度でNaClを含む。0.07 mol/lの濃度のNaClが、特に好ましい。0.05 mol/l〜0.22 mol/lの濃度のNaClは、配列番号:19〜30のオリゴヌクレオチドを用いて行い得る特異的な検出のハイブリダイゼーションに特に適当である。さらに、洗浄溶液は、好ましくは0.005 mol/lの濃度でEDTAを含むことが可能である。洗浄溶液は、適当な量で専門家に知られている保存料を含むことができる。
【0115】
結合していないオリゴヌクレオチドを、通常44℃〜52℃、好ましくは44℃〜50℃、より好ましくは44℃〜48℃の温度で、10〜40分間、好ましくは15分間、「洗い流し」を行う。
【0116】
用いたオリゴヌクレオチドの標識の性質に依存して、最終評価を光学顕微鏡、epifluorescence顕微鏡、化学照度計(chemoluminometer)、蛍光光度計などを用いて行うことができる。
【0117】
本発明の方法の利点は、多種多様である。
【0118】
具体的な利点としては、この検出工程の速さである。従来の培養が、検出に最高7日までを要するのに対し、本発明の工程を利用後3時間で結果が得られる。これは初めて、用いた処置の効果および望まない効果の添付の診断用対照を供する。この点に関するもう1つの利点としては、本発明の方法が、記載したすべての微生物を同時に検出することを可能にし、サンプル採取から評価までのすべての工程を1度に行うことができるための時間的な利点がある。
【0119】
別の利点としては、検出した微生物を定量し得ることが挙げられる。
【0120】
別の利点としては、伝統的な検出方法によっては検出できない皮膚細菌叢の微生物が、本発明により提供されるオリゴヌクレオチドにより今回初めて検出され得ることが挙げられる。
【0121】
オリゴヌクレオチドの特異性または用いたオリゴヌクレオチドにより、種々の微生物群を検出することができる。一方で多数の微生物群、他方で比較的少数の密接に関連している微生物群、および個々の種ですら、他の密接に関連した微生物種と同時に特異的に検出することができる。
【0122】
さらに、ポジティブシグナルにはいる場合、本発明の方法により、特異的プローブを用いるハイブリダイゼーション法による生化学的検出に基づき、系統樹に未知の微生物種を組み込むこと、または行われていない割り当てを確認することが可能である。
【0123】
別の利点は、オリゴヌクレオチドの特異性が高いことである。従って、特定の微生物の属または群を特異的に検出することができ、一方で属の個々の種を高い特異性で検出することができる。
【0124】
本発明の方法の好ましい態様にて、試料は、
i)皮膚表面から、
ii)食品から、
iii)環境、特に水、土壌または空気中から、
iv)下水またはバイオフィルムから、
v)臨床検査物質から、または
vi)医薬品または化粧品から、
本方法の工程a)において採取される。
【0125】
本発明の方法の好ましい態様にて、洗浄液を用いて試験する領域から皮膚細菌叢の微生物を取り除くことにより、試料を皮膚表面から採取する。
【0126】
もう1つの主な利点は、これらの医学的および美容的に関連のある皮膚フローラの微生物を、ここに初めて同時に検出することが可能であることである。故に、オリゴヌクレオチドに対する異なるマーカーを用いて、すべての、いくつかのまたは個々の微生物群または種を、お互いに区別して同時にかつ明確に検出することができる。さらに、これらの微生物群または種の集団比率およびそれらの相互作用を、こうして初めて分析することができる。これは、医学的および/または美容的に関連ある皮膚の問題を明確に診断すること、かつ選択的に処置することの可能性を初めて開示する。皮膚のミクロフローラ全体における医学的治療または美容的処置の効果を測定することも、ここに初めて可能である。故に、処置のあらゆる効果および望まない効果を早期に認識し、さらなる処置にて増幅あるいは抑制することができる。
【0127】
別の利点としては、検出する微生物を定量しうることが挙げられる。それゆえ、皮膚細菌叢における上記微生物の量の絶対比および相対比を初めて知ることができる。これにより、医療または美容処置の結果、およびすべてのその効果を、処置前、処置中および処置後の全てにおいて、モニターすることが可能となる。このことに関連する別の利点としては、本発明の方法は生存微生物のみを検出することが挙げられる。
【0128】
ボランティアから皮膚試料を採取し、皮膚表面からの微生物の剥離を促すことを目的として、皮膚を洗浄液に接触する。生理的に安全な洗浄剤、例えばトゥイーン(Tween)またはトライトン(Triton)を総重量に対し約0.01〜1%の濃度で用いることが好ましい。pHは5〜10、好ましくは7〜9の範囲、例えば8が好都合である。
【0129】
微生物のよりよい剥離を達成するために、皮膚の表面を掻爬用器具で削る。適切な掻爬用器具は、様々な直径、例えば0.05〜1.5cm、様々な材料、例えばガラス、金属またはプラスチックの棒である。同じ材料の円形のスパチュラも適している。直径0.4〜0.8cmのガラスの棒またはプラスチック・スパチュラを用いることが好ましい。ガラスピペットのマウスピース、例えば5ml ガラスピペットも、都合良く用いることができる。微生物の改善した剥離のために皮膚の表面に比較的丸い棒を用いることが特に適当である。
【0130】
粗い表面のプラスチック・スパチュラ、例えばガラス−ファイバー−強化ポリアミドのサンプリング用スパチュラ(Merck, Art. No. 231J2412、二重スパチュラ、長さ180 mm)は、特に適している。綿棒で擦り、比較的粘性の媒体で軽く叩くことによりサンプリングし、または接着膜(例えば、商業的に利用可能な家庭用接着テープ)で皮膚サンプリングすることもまた、本発明の目的に適当である。これらの方法を用いて、例えば、適切な緩衝溶液で洗い流すことにより微生物を入手することが可能である。他の方法としては、接着テープ自体上でも行うことができる。
【0131】
本発明の方法は、食品の管理においても用いられることが好ましい。食品試料としては、特に牛乳または乳製品(ヨーグルト、チーズ、乳清、バター、バターミルク)、飲料水、飲み物(炭酸飲料、ビール、ジュース)、菓子または肉類から採取される。
【0132】
さらに、例えば、環境試料を本発明の方法を用いて微生物の存在について試験することができる。これらの試料は、空気、水または土壌から摂取することができる。
【0133】
本発明の方法はまた、臨床試料の分析に使用することもできる。組織試料(例えば、肺、腫瘍または炎症を起こした組織、汗、唾液、精液のような分泌液(Sekreten)および鼻、尿道または膣からの分泌物(Ausfluss)からの生検物質)、および尿および便試料の試験に適切である。
【0134】
本発明の方法の別の適用は、下水、例えば活性汚泥、消化汚泥または嫌気性汚泥の分析である。さらに、工場中のバイオフィルム、および自然に発生したバイオフィルム、または汚水の処理において形成されたバイオフィルムの分析に適している。
【0135】
本発明の方法は、医薬品および化粧品(例えば、軟膏、クリーム、チンキ剤、シロップ等)の、微生物の混入等についての分析にも用いることができる。
【0136】
本発明のもう1つの好ましい態様にて、i)エタノール、アセトンおよびエタノール/酢酸混合液からなる群から選択される好ましい変性試薬、ii)ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドおよびグルタルアルデヒドからなる群から選択される好ましい架橋試薬、またはiii)熱固定、により固定を行うことができる。
【0137】
1つの好ましい態様にて、固定後、微生物を担体上に固定化することができる。
【0138】
具体的に好ましい態様にて、微生物の固定した細胞を、本発明の方法の工程c)前に透過性にすることができる。
【0139】
本発明にて、「透過性にする」とは、細胞を酵素的に処理することと解される。この処理は、菌類およびグラム陽性細菌の細胞壁をオリゴヌクレオチドに対し透過性にする。この処理のために適切な酵素、その適切な濃度および適切な溶媒が、専門家に知られている。本発明の方法は、もちろんグラム陰性細菌の分析にも適している;その時、透過性にするための酵素的処理は、適宜適合され、あるいは完全になくてもよい。
【0140】
ハイブリダイゼーション前に透過性にした細胞は、オリゴヌクレオチドを細胞内に透過することは可能であるが、リボソームおよびそのrRNAを細胞から除くことはできないという利点を有する。全細胞ハイブリダイゼーションのこの技術の主な利点は、細菌の形態が原型のまま残り、これらの原型の細菌をインサイチュウ(in situ)、すなわちそれらの自然な環境にて検出することができることである。従って、細菌の定量のみでなく、様々な細菌群のつながりも検出することができる。
【0141】
最も具体的な好ましい態様にて、透過性にすることは、細胞壁溶解酵素(cell-wall-lytic enzyme)、好ましくはリゾチーム(lysozyme)、リソスタフィン(lysostaphin)、プロテイナーゼK(proteinase K)、プロナーゼ(pronase)およびムタノリシン(mutanolysin)からなる群から望ましく選択される酵素を用いた部分分解により行うことができる。
【0142】
さらに、具体的な好まし態様にて、本発明は、陽性対照として適切なオリゴヌクレオチドを供する。このオリゴヌクレオチドは、分析した試料中に存在する多くの、任意にはすべての細菌または原核生物を検出することを特徴とする。例えば、オリゴヌクレオチド EUB338(細菌)は、Amann et al.(1990)に記載されており、オリゴヌクレオチド EUK(原核生物)は、この方法に適している。このような陽性対照を、適用した方法が適切に行われるかどうかをモニターするために用いることができる。しかし、とりわけ、測定された全体としての細菌集団内に特異的に検出される微生物の割合を決定することが可能である。
【0143】
本発明はまた、本発明の方法を適用するキットを提供する。本キットは、検出する微生物に特異的なオリゴヌクレオチドを含む特定のハイブリダイゼーション液を、最も重要な構成成分として含有する。さらに、オリゴヌクレオチドを含まない対応するハイブリダイゼーション液および対応する洗浄液または対応する洗浄液濃縮物を含有してもよい。さらに、必要に応じて酵素液、固定液、および必要に応じて包埋液(Einbettloesung)を含みうる。場合により、ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールを同時に行うためのハイブリダイゼーション溶液(例えば、ハイブリダイズしないオリゴヌクレオチド無し、または有り)が存在していてもよい。
【0144】
特定の実施態様の1つにおいて、キットは皮膚微生物叢の微生物を検出するために使用される。従って、キットの使用は活性な物質の探索、皮膚細菌叢の分析および活性物質を含む化粧品の有効性試験において有利である。他の微生物のバックグラウンドが高い場合でさえ、本発明のキットを用いて、ヒトの皮膚および動物の皮膚の試料両方の分析を効率よく行うことができる。
【0145】
いくつかのオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド組合せを含むキットが特に好ましい。特に好ましい態様においては、検出すべき多数の微生物群を検出しうるオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド組合せを、その群に属する1〜数種の種のみを検出しうるオリゴヌクレオチドを1種以上含有するキット中で用いる。例えば、最初に1種以上のプローブを用いてコリネバクテリウム属の微生物を含む試料を同定し、次いでコリネバクテリウム属内の種または群の個々の微生物に関して陽性の試料を具体的に調べることが実用的であるかもしれない。コリネバクテリウム属の多数の異なる種の検出、好ましくはコリネバクテリウム属の皮膚に関連する種の検出に用いられることが好ましいかもしれない、好ましいオリゴヌクレオチド(より具体的には組み合わせ)は、配列番号:7〜12、より具体的には配列番号:7、8、10および11に示す配列、またはそれらの組合せ、より具体的には、配列番号:7、8、10および11に記載のオリゴヌクレオチド全てを含むオリゴヌクレオチド組合せである。この目的のために、コリネバクテリウム属の目的とする微生物の種類に応じて、配列番号:19〜26に記載の上記のオリゴヌクレオチドのいずれか1つ以上をキットに加えても良い。
【0146】
以下の実施例は、例示の目的で記載されており、いかなる場合にも本発明を制限するものではない。
【0147】
皮膚菌の微生物の検出
サンプリング
サンプリングは洗浄剤による洗浄法により行った(P. Williamson, A.M. Kligman(1965), J. Invest. Derm., Vol. 45, No. 6)。
手順:
1. 両端が開いているプラスチック・シリンダーを、調査する皮膚表面上にその損傷のない末端を押さえつけ、1.5 mlの洗浄溶液(0.523 KH2PO4 g/liter、16.73 K2HPO4 g/liter、8.50 NaCl g/liter、10.00 トゥイーン 80 g/literおよび1.00 トリプトン g/literを含む、pH 8.0の生理的トゥイーン緩衝溶液)を充填した。
2. 上述の掻爬用器具の1つを用いて、処理する範囲を、その6×横および6×縦を軽い圧力で擦った。
3. 吸引下で液体を除いた後、その手順を繰り返した。
【0148】
2つの液体を混合した。2つの混合した液体試料の一部を、次のオリゴヌクレオチドを用いた検出に用いた;他の一部を、試料中に存在する微生物の培養による同時の検出に用いた(対照として用いるための)。
洗浄溶液の調製には、無菌水(例えば、ミリポア水)を用いなければならない。
【0149】
固定処理
その後、1容量の純エタノールを、採取した試料に添加し、次に遠心した(室温、8,000 r.p.m、5分)。上清の液体を廃棄し、ペレットを1容量の1×PBS溶液中にて洗浄した。最後に、ペレットを1/10容量の固定溶液(50% エタノール)に再懸濁し、さらに用いるまで−20℃で保存した。
【0150】
細胞懸濁液のアリコートを、顕微鏡用スライドに塗布し、乾燥した(46℃、30分。または十分に乾燥するまで)。その後、細胞を、もう1つの固定溶液(純エタノール)を塗布することにより十分に脱水状態にし、乾燥した(46℃、3分。または十分に乾燥するまで)。
【0151】
透過処理(透過性化)
その後、適当な容量の適当な酵素溶液を塗布し、試料をインキュベートした(室温で、15分)。この工程を、他の適当な酵素溶液で任意に繰り返した。
透過処理液(透過性化液)を蒸留水で取り除き、試料を再び十分に乾燥した(十分に乾燥するまで46℃でインキュベーション)。その後、細胞を、固定液(純エタノール)を塗布することにより十分に再脱水し、乾燥した(46℃、3分。または十分に乾燥するまで)。
【0152】
ハイブリダイゼーション
その後、検出する微生物に特異的な上述のオリゴヌクレオチドを含むハイブリダイゼーション溶液を固定し、完全に消化し脱水した細胞に適用した。その後、スライドを、ハイブリダイゼーション溶液で湿らせたチャンバー内に置いた(46℃で90分間、ヌクレオチドなしで)。
【0153】
洗浄
その後、顕微鏡用スライドを、洗浄溶液を充満したチャンバー内に置き、インキュベートした(46℃、15分)。
その後、スライドを、蒸留水を充満したチャンバーに短期間浸し側面位から空気乾燥した(46℃、30分。または十分に乾燥するまで)。
【0154】
検出
その後、標本ホルダーを適切な包埋媒質中に包埋した。その後、試料を、蛍光顕微鏡を用いて分析した。
【0155】
分析結果
1. 上述のサンプリング方法を用いて、混合皮膚の女性ボランティアの前額部から微生物試料を採取した(typized by a cosmetician and confirmed by sebometer measurements)。
蛍光シグナルを計測し、結果を全細胞数と比較することにより、プロピオニ細菌の非常に高い割合を測定した(>90%)。スタフィロコッカスの低い割合を、発見した(<10%)。コリネ細菌は発見されなかった。
【0156】
2. 微生物試料を、上述のサンプリング方法により他の女性ボランティアの皮膚から採取した。
微生物の16 S rRNA遺伝子を、試料の一部から単離した。その後の配列決定が、配列が新規の配列であるが、コリネバクテリウム属に属しうる微生物であることを示した。この配列は、開発されたこの微生物を検出できる相当するプローブ(配列番号:21)に基づき、配列プロトコール中の配列番号:31を示した。
【0157】
試料の他の部分を、皮膚関連コリネ細菌を検出するために、前述の細菌特異的プローブEUBおよび混合プローブ(配列番号:07〜11)とハイブリダイズした。
蛍光シグナルを計測し、結果を細菌特異的プローブにより測定した全細胞数と比較することにより、コリネ細菌の高割合を測定した(約73%)。
【0158】
配列番号:21の標識したオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしたこの試料のコリネ細菌の低い割合(約5%)を、同時に競合物質として標識していない配列番号:22のオリゴヌクレオチドを用いて、蛍光シグナルを計測し、結果を前述の検出したコリネ細菌数と比較して測定した。

【配列表】












【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)配列番号:01〜30に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、および
ii)少なくとも80%、好ましくは少なくとも84%、より好ましくは少なくとも90%および最も好ましくは95%のヌクレオチドが、i)のオリゴヌクレオチドと一致するオリゴヌクレオチド、および
iii)i)およびii)のいずれかに記載の1つのオリゴヌクレオチドに由来し、1つまたはそれ以上のヌクレオチドがその配列から欠失されているか、または伸長されているオリゴヌクレオチド、および
iv)ストリンジェントな条件下でi)、ii)またはiii)に記載のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択される、微生物を検出するためのオリゴヌクレオチド。
【請求項2】
微生物が、スタフィロコッカス属、ペプトストレプトコッカス属、プロピオニバクテリウム属、コリネバクテリウム属、ベイヨネラ属、マラセチア属またはスポロミュサ分類群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項3】
オリゴヌクレオチドが、特に、オリゴヌクレオチドと共有結合している検出可能なマーカーを担持していることを特徴とする、請求項1または2に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項4】
検出可能なマーカーが、
a)蛍光マーカー、
b)化学発光マーカー、
c)放射性マーカー、
d)酵素活性な基、
e)ハプテン、
f)ハイブリダイゼーションにより検出可能な核酸、
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項5】
酵素マーカーが、ペルオキシダーゼ、好ましくはホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ、およびホスファターゼ、好ましくはアルカリ・ホスファターゼからなる群から選択されることを特徴とする、請求項4に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの少なくとも1つ、好ましくは2つまたはそれ以上を含む微生物を検出するためのオリゴヌクレオチドの組合せ。
【請求項7】
i)a)配列番号:01〜03に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下で、a)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるスタフィロコッカス属の細菌を特異的に検出するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、
および/または
ii)a)配列番号:04〜06および27〜29に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でa)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるペプトストレプトコッカス属の細菌を特異的に検出するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、
および/または
iii)a)配列番号:07〜12および19〜26に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下で、a)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるコリネバクテリウム属の細菌を特異的に検出するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、
および/または
iv)a)配列番号:13〜15に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でa)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるベイヨネラ属の細菌を特異的に検出するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、
および/または
v)a)配列番号:16および17に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でa)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるプロピオニバクテリウム・アクネス種の細菌を特異的に検出するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、
および/または
vi)a)配列番号:18に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でa)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるマラセチア属の菌類を特異的に検出するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、
および/または
vii)a)配列番号:30に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションし、a)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるスポロミュサ分類群由来の微生物を特異的に検出するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、
を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの組合せ。
【請求項8】
i)a)配列番号:01および02に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下で、a)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるスタフィロコッカス属の細菌を特異的に検出するための少なくとも1つ、より詳細にはいくつかのオリゴヌクレオチド、
および/または
ii)a)配列番号:04および27〜29に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でa)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるペプトストレプトコッカス属の細菌を特異的に検出するための少なくとも1つ、より詳細にはいくつかのオリゴヌクレオチド、
および/または
iii)a)配列番号:07、08、10、11および19〜26に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下で、a)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるコリネバクテリウム属の細菌を特異的に検出するための少なくとも1つ、より詳細にはいくつかのオリゴヌクレオチド、
および/または
iv)a)配列番号:13および14に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でa)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるベイヨネラ属の細菌を特異的に検出するための少なくとも1つ、より詳細にはいくつかのオリゴヌクレオチド、
および/または
v)a)配列番号:16に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でa)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるプロピオニバクテリウム・アクネス種の細菌を特異的に検出するための少なくとも1つ、より詳細にはいくつかのオリゴヌクレオチド、
および/または
vi)a)配列番号:18に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でa)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるマラセチア属の菌類を特異的に検出するための少なくとも1つ、より詳細にはいくつかのオリゴヌクレオチド、
および/または
vii)a)配列番号:30に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、
b)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、
c)a)のオリゴヌクレオチドと請求項1のiii)に記載のように一致するオリゴヌクレオチド、および
d)ストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションし、a)、b)またはc)のオリゴヌクレオチドの1つに相補的な配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、
からなる群から選択されるスポロミュサ分類群由来の微生物を特異的に検出するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、
を含む、請求項7に記載のオリゴヌクレオチドの組合せ。
【請求項9】
配列番号:01、02、04、07、08、10、11、13、14、16、18および19〜30に示す配列を有するオリゴヌクレオチドを、1つ、いくつかまたは全て含む、請求項6〜8のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの組合せ。
【請求項10】
微生物、より詳細にはスタフィロコッカス属、ペプトストレプトコッカス属、プロピオニバクテリウム属、コリネバクテリウム属、ベイヨネラ属、マラセチア属および/またはスポロミュサ分類群をインサイチュ・ハイブリダイゼーションにより検出する方法であって、次の工程:
a)試料を採取し、
b)採取した試料中に存在する微生物を固定し、
c)固定化した微生物を、請求項1〜9のいずれか1項に記載の少なくとも1つのオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの組合せと一緒にインキュベートし、ハイブリダイゼーションを誘導し、
d)ハイブリダイゼーションしていないオリゴヌクレオチドを除去し、そして
e)オリゴヌクレオチドとハイブリダイズした微生物を検出し、場合により定量する工程
を含むことを特徴とする、微生物を検出する方法。
【請求項11】
工程a)にて、
i)皮膚表面、
ii)食品、
iii)環境、より詳細には水、土壌または空気、
iv)汚水またはバイオフィルム、
v)臨床検査物質、または
vi)医薬品または化粧品
から試料を採取することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
i)好ましくは、エタノール、アセトンおよびエタノール/酢酸混合液からなる群から選択される変性試薬、
ii)好ましくは、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドおよびグルタルアルデヒドからなる群から選択される架橋試薬、または
iii)熱固定処理
により固定を行うことを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
固定後、微生物を担体に固定することを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
ハイブリダイゼーションの前に、微生物を透過性にすることを特徴とする、請求項10〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
透過性化を、好ましくは、リゾチーム、リソスタフィン、プロテイナーゼK、プロナーゼおよびムタノリシンからなる群から選択される細胞壁溶解酵素を用いた部分的分解により行うことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
標識していないオリゴヌクレオチドを標識したオリゴヌクレオチドと一緒に用いることを特徴とする、請求項10〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
請求項1〜5のいずれかに記載の少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、好ましくは、請求項6〜9のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドの組合せを含む、請求項10〜16のいずれかに記載の方法を行うためのキット。
【請求項18】
オリゴヌクレオチドを含まない少なくとも1つのハイブリダイゼーション溶液をさらに含むことを特徴とする、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
少なくとも1つの適切な洗浄液または該洗浄液の濃縮液をさらに含むことを特徴とする、請求項17または18記載のキット。
【請求項20】
少なくとも1つの適切な透過処理液をさらに含むことを特徴とする、請求項17〜19のいずれかに記載のキット。
【請求項21】
少なくとも1つの適切な固定液をさらに含むことを特徴とする、請求項17〜20のいずれかに記載のキット。
【請求項22】
少なくとも1つの適切なポジティブコントロール溶液をさらに含むことを特徴とする、請求項17〜21のいずれかに記載のキット。
【請求項23】
少なくとも1つの適切なネガティブコントロール溶液をさらに含むことを特徴とする、請求項17〜22のいずれかに記載のキット。
【請求項24】
包埋液をさらに含むことを特徴とする、請求項17〜23のいずれかに記載のキット。
【請求項25】
微生物を検出し、および/または定量するために以下のものを使用する方法:
i)請求項1〜9のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの組合せ、
ii)請求項10〜16のいずれかに記載の方法、および/または
iii)請求項16〜24のいずれかに記載のキット。



【公表番号】特表2006−500010(P2006−500010A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−522470(P2004−522470)
【出願日】平成15年7月16日(2003.7.16)
【国際出願番号】PCT/EP2003/007717
【国際公開番号】WO2004/009839
【国際公開日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【出願人】(391008825)ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン (309)
【氏名又は名称原語表記】HENKEL KOMMANDITGESELLSCHAFT AUF AKTIEN
【住所又は居所原語表記】40191 Dusseldorf,Henkelstrasse 67,Germany
【出願人】(505021810)フェルミコン・アクチェンゲゼルシャフト (1)
【氏名又は名称原語表記】Vermicon AG
【Fターム(参考)】