説明

微粒子中にソマトスタチン誘導体を含む持続放出組成物

本発明は、ソマトスタチン類似体を含む改善された微粒子、該微粒子の製造方法およびそれを含む医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソマトスタチン類似体を含む改善された微粒子、該微粒子の製造方法およびそれを含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に従う好ましいソマトスタチン類似体は、シクロ[{4−(NH−C−NH−CO−O−)Pro}−Phg−DTrp−Lys−Tyr(4−Bzl)−Phe]またはパシレオチドとも呼ばれる、遊離形、塩形または複合体形または保護された形の式
【化1】

の化合物A、ならびにジアステレオ異性体およびその混合物である。Phgは−HN−CH(C)−CO−を意味し、そしてBzlはベンジルを意味する。
【0003】
化合物Aの好ましい塩は、一塩および二塩を含む、乳酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩およびパモ酸塩、より好ましくは二アスパラギン酸塩および一パモ酸塩、最も好ましくは一パモ酸塩である。
【0004】
本発明の化合物は、その塩を含み、慣用法に従い製造できる。化合物Aおよびその合成は、例えば、内容を引用により本明細書に包含させるWO02/10192に詳述されている。
【0005】
内容を引用により本明細書に包含させるWO05/046645は、例えば、生体適合性薬理学的に許容されるポリマーに包埋され、適当な媒体に懸濁されたソマトスタチン類似体、例えば化合物Aを含む微粒子の投与が、長時間、例えば数週間から最大6ヶ月間にわたる、好ましくは少なくとも4週間にわたる、活性成分の全てのまたは実質的に全ての放出をもたらすことを記載している。
【0006】
しかしながら、WO05/046645に記載の化合物Aの微粒子製剤は、活性成分(薬剤)のあまり好ましくない薬物動態学的放出プロファイルを有することがある。作用の時間が不十分である、すなわち十分に持続しないことがある。
【0007】
しかしながら、特に薬剤投与後の第一日目の相対的に高い初期放出(薬剤バースト(drug burst))は、問題、例えば悪心または一過性の高すぎる血中グルコース濃度のような、例えば望まない副作用をもたらし得る。この薬剤バーストは、薬剤の血漿濃度が高すぎる濃度で定常状態に到達したとき、反復投与でさらに懸念される。
【発明の概要】
【0008】
驚くべきことに、本発明により、製剤の全体的な組成は一定に維持するが、しかし、化合物Aを含む微粒子の製造工程中のポリマー/薬剤濃度を変えることにより、改善された特性の微粒子がもたらされることが判明した。
【0009】
本発明の新規微粒子を含む医薬組成物は、WO05/046645に記載の微粒子を含む医薬組成物と比較して、活性成分の低い初期放出および/またはより長い作用時間および/または、特に反復投与での好ましい薬物動態学的放出プロファイルを示す。
【0010】
本発明の医薬組成物の改善された特性は、例えば、ヒトにおける臨床試験で得た結果により実証できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1または参考例(WO05/046645の実施例8)のいずれかに従う微粒子中の40mg 化合物Aの1回投与後の、健常ヒトボランティアにおける化合物Aの比較放出プロファイルを示す。この微粒子を媒体Dに懸濁させ、筋肉内(i.m.)投与した。血液サンプルを定期的に採り、化合物Aの血漿濃度を放射免疫アッセイ(RIA)分析により測定した。得られた結果は、参考例に従う微粒子の薬物動態学的プロファイルと比較して、本発明に従う微粒子の放出プロファイルにおける薬剤バーストが有意に低いことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の医薬組成物の改善された特性は、例えば、またウサギにおけるインビボ実験でも測定できる。ウサギで得られた結果は、化合物Aに関するウサギとヒトの薬理学的プロファイルが密接に相関するため、容易にそして確実にヒトの対応する状況に移すことができる。
【0013】
ウサギへの1回投与後の本発明の医薬組成物の放出プロファイルを次の通り要約できる。
一つの態様において、本発明は、1種以上の生物分解性ポリマーおよび活性成分としての化合物Aパモ酸塩を含むポリマーマトリックスを含む微粒子を含む持続放出用医薬組成物であって、ウサギにおいて4mg/kgの投与後最初の24時間以内の活性成分の最大血漿濃度(バースト)が15ng/ml、好ましくは12ng/mlまたは10ng/ml以下である医薬組成物を提供する。
【0014】
本発明の好ましい態様において、本発明の持続放出用医薬組成物は、1種以上の生物分解性ポリマーおよび活性成分としての化合物Aパモ酸塩から成るポリマーマトリックスを含む微粒子である。
【0015】
他の態様において、本発明は、1種以上の生物分解性ポリマーおよび活性成分としての化合物Aパモ酸塩を含むポリマーマトリックスを含む微粒子を含む持続放出用医薬組成物であって、ウサギにおいて投与後最初の24時間以内の活性成分の最大血漿濃度(バースト)と、投与後2〜10日目の間の活性成分の最低血漿濃度の比が5未満または4未満である。さらに好ましいのは、投与後最初の24時間以内の活性成分の最大血漿濃度(バースト)と、投与後2〜10日目の間の活性成分の最低血漿濃度が3.7未満または、好ましくは3.6未満である医薬組成物を提供する。
【0016】
他の態様において、本発明は、1種以上の生物分解性ポリマーおよび活性成分としての化合物Aパモ酸塩を含むポリマーマトリックスを含む微粒子を含む持続放出用医薬組成物であって、ウサギにおいて投与後12日目より前に化合物Aの最大血漿濃度(tmax)に到達しない医薬組成物を提供する。
【0017】
他の態様において、本発明は、1種以上の生物分解性ポリマーおよび活性成分としての化合物Aパモ酸塩を含むポリマーマトリックスを含む微粒子を含む持続放出用医薬組成物であって、ウサギにおいて化合物Aの血漿濃度が投与後2〜35日目の間2ng/ml以上である医薬組成物を提供する。
【0018】
他の態様において、本発明は、1種以上の生物分解性ポリマーおよび活性成分としての化合物Aパモ酸塩を含むポリマーマトリックスを含む微粒子を含む持続放出用医薬組成物であって、活性成分化合物Aが少なくとも4週間にわたり放出される医薬組成物を提供する。
【0019】
他の態様において、本発明はまた本発明の微粒子を含む、医薬デポ製剤を提供する。
【0020】
化合物Aのバースト放出は、これに代えてまたは加えて、例えば、本明細書の実施例4に記載のインビトロ溶解試験により測定できる。一つの態様において、本発明は、1種以上の生物分解性ポリマーおよび活性成分としての化合物Aパモ酸塩を含むポリマーマトリックスを含む微粒子を含む持続放出用医薬組成物であって、24時間後の化合物A含量の%で測定したバーストが1.2%未満、1.0%未満、0.9%未満または0.8%未満である、医薬組成物を提供する。溶解試験により24時間後の化合物A含量の%として測定したバーストは、0.5%〜1.2%または0.6%〜1.0%であるのが好都合である。
【0021】
他の態様において、本発明は、処置を必要とする患者における化合物Aでの処置に適する(amendable to)疾患の処置方法であって、該患者に化合物Aパモ酸塩の非経腸投与用投与形態を投与することを含み、該投与形態はここに記載の微粒子を含み、ここで、該投与形態はウサギにおいて化合物Aを、4mg/kgの投与後最初の24時間以内の活性成分の最大血漿濃度(バースト)が15ng/ml、好ましくは12ng/mlまたは10ng/ml以下であるように放出するものである、方法を提供する。本方法の一つの態様において、ウサギにおいて、投与後12日目より前に化合物Aの最大血漿濃度(tmax)に到達しない。他の態様において、ウサギにおける化合物Aの血漿濃度は、投与後2〜35日目の間2ng/ml以上である。これに代えてまたは加えて、バースト放出を実施例4に記載の方法で測定し、1.2%または1%未満の化合物A含量である。投与は、例えば少なくとも2週間毎または少なくとも4週間毎(例えば毎月を含む)または少なくとも6週間毎または少なくとも毎8週間毎(または例えば2ヶ月毎)であり得る。化合物Aに適する疾患は、過剰のGHおよび/またはIGF−1分泌を含むまたはそれに関連する病因を有する疾患または障害を含む。
【0022】
一つの態様において、本発明は、過剰のGH分泌および/または過剰のIGF−1を含むまたはそれに関連する病因を有する障害の処置用医薬の製造における、下記に記載の微粒子の製造方法により得られる化合物Aの製剤の使用を提供する。
【0023】
他の態様において、本発明は、化合物Aでの処置に適する(amendable to)疾患の処置用医薬の製造における化合物Aの使用であって、ここで、化合物Aが、1種以上の生物分解性ポリマーおよび活性成分としての化合物Aパモ酸塩を含むポリマーマトリックスを含む微粒子を含む非経腸投与用投与形態の形であって、該微粒子が化合物Aをウサギにおいて4mg/kgの投与後最初の24時間以内の活性成分の最大血漿濃度(バースト)が15ng/ml、好ましくは12ng/mlまたは10ng/ml以下であるように放出することを特徴とする、使用を提供する。一つの態様において、ウサギにおいて、投与後12日目より前に化合物Aの最大血漿濃度(tmax)に到達しない。他の態様において、ウサギにおける化合物Aの血漿濃度は、投与後2〜35日目の間2ng/ml以上である。バースト放出は、これに代えてまたは加えて実施例4に記載の溶解試験で測定してよく、1.2%または1%の化合物A含量である。
【0024】
他の態様において、本発明は、1種以上の生物分解性ポリマー、例えば直鎖状ポリラクチド−コ−グリコリドポリマーおよび分枝鎖状ポリラクチド−コ−グリコリドポリマーの混合物、および活性成分としての化合物Aパモ酸塩を含むポリマーマトリックスを含む微粒子を含む持続放出用医薬組成物であって、ここで、該微粒子は、14.24%〜17.45%、好ましくは15.0%〜16.5%、さらに好ましくは約15.9%(重量/重量)の濃度の塩化メチレンを該ポリマー混合物の溶解に使用することを特徴とする、下記の微粒子の製造方法により製造されている、医薬組成物の使用を提供する。かかる医薬組成物は、例えば末端肥大症、GEP腫瘍、クッシングおよび例えば肝細胞癌腫、乳癌のような腫瘍の処置用医薬の製造に使用できる。かかる組成物は、本明細書に記載の通り、化合物Aについて有利な放出プロファイル、特に低い初期バーストを有する。
【0025】
化合物A(遊離塩基)は、微粒子乾燥重量の約1〜約35重量%、好ましくは約10〜約35重量%、さらに好ましくは約20〜約30重量%の量で存在し得る。
好ましくは、微粒子の製造に使用する本発明の化合物は、非結晶粉末の形である。
【0026】
本発明の化合物の粒径および/または粒径分布は、微粒子からの薬剤の放出プロファイルに影響し得る。
典型的に、粒径が小さいほど、バーストおよび最初の拡散相中、例えば最初の20日間の放出が少ない。好ましくは、微粒子の製造に使用する本発明の化合物の粒子は、約0.1〜約15ミクロン、好ましくは約5ミクロン未満、さらに好ましくは約3ミクロン未満のサイズを有する。
【0027】
粒径分布は、好ましくはx10<0.8ミクロン、すなわち粒子の10%が0.8ミクロンより小さい;x50<3.0ミクロン、すなわち粒子の50%が3.0ミクロンより小さい;またはx90<5.0ミクロン、すなわち粒子の90%が5.0ミクロンより小さい。
【0028】
微粒子のポリマーマトリックスは1種以上の生物分解性ポリマーを含む。“ポリマー”は、ホモポリマーまたはコポリマーを意味する。好ましい態様において、この微粒子のポリマーマトリックスは、1種以上の生物分解性ポリマーから成る。
このポリマーマトリックスは、全てのまたは実質的に全ての活性剤の放出後1〜6ヶ月以内に投与部位から運ばれるのに十分に分解するように設計する。
【0029】
本発明の好ましいポリマーは、直鎖状ポリエステル類および分枝鎖状ポリエステル類(すなわち、ポリオール部分、例えばグルコースから放射状に伸びる直鎖を有するポリエステル類)である。直鎖状ポリエステル類は、α−ヒドロキシカルボン酸類、例えば乳酸および/またはグリコール酸から、ラクトン二量体の縮合により製造し得る(例えば、内容を引用により本明細書に包含させるUS3,773,919参照)。
【0030】
直鎖または分枝鎖(星形)ポリマーにおける好ましいポリエステル鎖は、α−カルボン酸部分、乳酸およびグリコール酸のコポリマー、またはラクトン二量体のコポリマーである。直鎖または分枝鎖ポリエステル類におけるポリラクチド−コ−グリコリドのラクチド:グリコリドの比は、好ましくは約75:25〜25:75、例えば60:40〜40:60であり、55:45〜45:55、例えば52:48〜48:52が最も好ましい。特に好ましいのは約50:50である。
【0031】
本発明に従い使用するのに好ましい直鎖状ポリエステル類、例えば直鎖状ポリラクチド−コ−グリコリド類(PLG)は、約10,000〜約500,000Da、例えば約47,000〜約63,000、例えば約50,000Daの重量平均分子量(Mw)を有する。かかるポリマーは、例えば1.2〜2の多分散M/Mを有する。適切な例は、例えば一般式−[(C)(C)−(x、yおよびnの各々は、合計が上記のMwとなるような値を有する)を有する、例えばポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)、例えば市販のもの、例えばBoehringer IngelheimのResomers(登録商標)、特にResomers(登録商標) RG、例えばResomer(登録商標) RG 502、502H、503、503H、504、504Hを含む。
【0032】
本発明に従い使用するのに好ましい分枝鎖状ポリエステル類、例えば分枝鎖状ポリラクチド−コ−グリコリド類は、ポリヒドロキシ化合物、例えばポリオール、例えばグルコースまたはマンニトールをイニシエーターとして使用して製造し得る。これらのポリオールのエステル類は既知であり、例えば内容を引用により本明細書に包含させるGB2,145,422Bに記載されている。本ポリオールは、少なくとも3個のヒドロキシ基を含み、最大20,000Daまでの分子量を有し、ポリオールの少なくとも1個、好ましくは少なくとも2個、例えば平均として3個のヒドロキシ基がエステル基の形であり、それはポリ−ラクチドまたはコ−ポリ−ラクチド鎖を含む。典型的に、0.2%グルコースを重合化に使用する。分枝鎖状ポリエステル類(Glu−PLG)は、放射状の直鎖状ポリラクチド鎖を有する中央グルコース部分を有し、例えばそれらは星形構造を有する。
【0033】
放射状の直鎖状ポリラクチド−コ−グリコリド鎖(Glu−PLG)を有する中央グルコース部分を有する分枝鎖状ポリエステル類は、ポリオールとラクチドおよび好ましくはまたグリコリドを、高温で、開環重合化を可能にする触媒の存在下、反応させることにより製造し得る。
【0034】
放射状の直鎖状ポリラクチド−コ−グリコリド鎖(Glu−PLG)を有する中央グルコース部分を有する分枝鎖状ポリエステル類は、好ましくは、約10,000〜200,000、好ましくは25,000〜100,000、特に35,000〜60,000または47,000〜63,000、例えば約50,000Daの重量平均分子量M、および例えば1.5〜3.0、例えば1.7〜2.5の多分散を有する。M 35,000またはM 60,000の星形ポリマー類の内因性粘性は、例えばアセトンまたはクロロホルム中で各々0.36または0.51dl/gであるような、0.20dl/g〜0.70dl/gである。M 53,800を有する星形ポリマーは、例えばアセトン中室温で0.34dl/gであるような、アセトンまたはクロロホルム中、0.25dl/g〜0.50dl/gの粘性を有する。
【0035】
好ましくは、本ポリマーマトリックスは直鎖状および分枝鎖状ポリラクチド−コ−グリコリドを含む。より好ましくは、本ポリマーマトリックスは、Resomer(登録商標) RGおよび約47,000〜約63,000、例えば約50,000Daの重量平均分子量を有する星形ポリラクチド−コ−グリコリドポリマーを含む。直鎖状ポリラクチド−コ−グリコリド対分枝鎖状ポリラクチド−コ−グリコリドの比は、好ましくは50:50〜25:75である。より好ましくはこの比は約50:50である。
本ポリマーマトリックスは、微粒子の約40〜99重量%の総量で存在し得る。
【0036】
本発明は、他の態様において本発明の微粒子の製造方法であって、
(i)
(ia)ポリマーを14.24%〜17.45%、好ましくは15.0%〜16.5%、さらに好ましくは約15.9%(重量/重量)の濃度で塩化メチレンに溶解し、
そして所望により
− 多孔性作用剤(porosity-influencing agent)を工程(ia)で得た溶液に溶解/分散させるか、または
− 工程(ia)で得た溶液に塩基性塩を添加し、
− 工程(ia)により得た溶液に界面活性剤を添加し;
(ib)本発明の化合物を工程(ia)で得たポリマー溶液に懸濁させるか、または
本発明の化合物を工程(ia)で使用した溶媒と混和性の溶媒に溶解し、該溶液とポリマー溶液を混合するか、または
本発明の化合物をポリマー溶液に直接溶解させるか、または
水溶性塩の形の本発明の化合物を水相に溶解し、該水溶液とポリマー溶液(ia)を乳化させる
ことを含む、内部有機層の製造;
(ii)
(iia)pHを7−7.5に調節するための緩衝液、例えば酢酸またはリン酸緩衝液、例えばNaHPOおよびKHPOを製造し、そして
(iib)工程(iia)で得られた溶液に安定剤を添加する
ことを含む、外部水相の製造;
(iii)内部有機相と外部水相の、例えば特定の高剪断力を有するデバイス、例えばタービンまたは静的ミキサーを用いた、または超音波の適用によるまたは超音波均質化による混合によるエマルジョンの形成;および
(iv)微粒子の溶媒蒸発または溶媒抽出による硬化、微粒子の、例えば水での洗浄、微粒子の回収および乾燥、例えば凍結乾燥または真空下の乾燥
を含む方法を適用する。
【0037】
ポリマー類用の適当な有機溶媒は、ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレン、クロロホルムまたはヘキサフルオロイソプロパノールまたは酢酸エチルを含む。好ましい有機溶媒は塩化メチレンである。塩化メチレン中のポリマー混合物の濃度は14.24〜17.45%(ポリマー溶液重量あたりのポリマー重量)、好ましくは15.0〜16.5%、さらに好ましくは約15.9%(重量/重量)である。
【0038】
工程(iib)用の安定剤の適当な例は次の物を含む:
a)好ましくは約10,000〜約150,000Da、例えば約30,000Daの重量平均分子量を有する、ポリビニルアルコール(PVA)。本ポリビニルアルコールが、20℃で4%水溶液で測定して、またはDIN 53015により、約3〜約9mPa sの動的粘性を有する低粘性を有するのが好都合である。本ポリビニルアルコールはポリビニル酢酸の加水分解により得られ得るのが適切である。好ましくは、ポリビニル酢酸の含量は、ポリビニルアルコールの約10〜約90%である。加水分解の程度が約85〜約89%であるのが好都合である。典型的に、残りのアセチル含量は約10〜12%である。好ましい銘柄は、Clariant AG Switzerlandから入手可能なMowiol(登録商標) 4-88、8-88および18-88を含む。
好ましくは本ポリビニルアルコールは、外部水相の容積に対して約0.1〜約5重量%、例えば約0.5重量%の量で存在する;
【0039】
b)例えば、各々セルロースと酸化エチレンおよび酸化プロピレンの反応により形成される、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)および/またはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)。HECおよびHPCは、広範囲の粘性タイプで入手可能である;好ましくは、粘性は中程度である。好ましい銘柄は、Hercules Inc.のNatrosol(登録商標)、例えばNatrosol(登録商標) 250MR、およびHercules Inc.のKlucel(登録商標)を含む。
好ましくは、HECおよび/またはHPCは、外部水相の容積の約0.01〜約5重量%、例えば約0.5重量%の総量で存在する;
【0040】
c)例えば、適当には約2,000〜20,000Daの分子量を有する、ポリビニルピロリドン。適当な例は、約2,500Daの平均分子量のPovidone K12 F、約8,000Daの平均分子量のPovidone K15、または約10,000Daの平均分子量のPovidone K17として一般的に知られているものを含む。好ましくは、本ポリビニルピロリドンは、外部水相の容積の約0.1〜約50重量%、例えば10重量%の量で存在する;
【0041】
d)ゼラチン、好ましくはブタまたは魚ゼラチン。簡便には、本ゼラチンは、20℃で10%溶液で約25〜約35cpsの粘性を有する。典型的に10%溶液のpHは約6〜約7である。適当な銘柄は、高分子量を有し、例えばNorland Products Inc, Cranbury New Jersey USAから得られるNorland高分子量魚ゼラチンである。
好ましくは、本ゼラチンは、外部水相の容積の約0.01〜約5重量%、例えば約0.5重量%の量で存在する。
【0042】
好ましくは、ポリビニルアルコールまたはゼラチンを使用する。最も好ましいのはポリビニルアルコール、特にPVA 18-88である。
【0043】
好ましい態様において微粒子の製造方法は
− 直鎖状ポリラクチド−コ−グリコリドポリマーと分枝鎖状ポリラクチド−コ−グリコリドポリマーの混合物を塩化メチレンに溶解し、
− このポリマー溶液を活性成分化合物Aパモ酸塩に添加し、
− リン酸塩類とポリビニルアルコールの水溶液を製造し、
− ポリマー/活性成分溶液とポリビニルアルコール/リン酸溶液を混合し、
− 塩化メチレンを蒸発させ、得られた微粒子を濾取する、
工程を含み、ここで、塩化メチレン中のポリマー混合物の重量は14.2〜17.5重量%である。
【0044】
さらに好ましくは、塩化メチレン中のポリマー混合物の濃度は約15.9重量%である。
【0045】
得られた微粒子は、数ミクロン以下から数ミリメートルの直径を有し得る;例えば最大約250ミクロン、例えば10〜200ミクロン、好ましくは10〜130ミクロン、より好ましくは10〜90ミクロン、さらに好ましくは10〜60ミクロンの直径が、例えば注射針の通過を促進するために、努力される。狭い粒径分布が好ましい。例えば、好ましい粒径分布はx10<15ミクロン、x50<40ミクロンおよびx90<70ミクロンである。
【0046】
微粒子および単位用量の含量均一性は優れている。理論用量の約75〜約125%、例えば約85〜約115%、例えば約90〜約110%、または約95〜約105%で変わり得る単位用量を、製造し得る。
【0047】
乾燥状態の微粒子を、例えば抗凝集剤と混合、例えばコーティングしてよく、または例えば予め充填したシリンジまたはバイアル中、例えば抗凝集剤の層でカバーしてよい。
【0048】
適当な抗凝集剤は、例えばマンニトール、グルコース、デキストロース、スクロース、塩化ナトリウム、または、例えば上記の特性を有するポリビニルピロリドンまたはポリエチレングリコールのような水溶性ポリマー類を含む。
好ましくは、抗凝集剤は、微粒子の約0.1〜約10重量%、例えば約4重量%の量で存在する。
投与前に、本微粒子を注射に適切な媒体に懸濁させる。
【0049】
従って、本発明は、さらに、媒体中に本発明の微粒子を含む医薬組成物を提供する。本媒体は、所望により:a)1種以上の湿潤剤;および/またはb)1種以上の等張化剤;および/またはc)1種以上の増粘剤をさらに含んでよい。
【0050】
好ましくは、本媒体は水ベースであり、例えばそれは、例えば脱イオン化された、水と、所望によりpHを7−7,5に調節するための緩衝液、例えばNaHPOとKHPOの混合物のようなリン酸緩衝液、および上記a)、b)および/またはc)の薬剤の1種以上を含み得る。
【0051】
しかしながら、水を媒体として使用するとき、本発明の微粒子は懸濁していなくてよく、水相の頂部に浮いていてよい。本発明の微粒子が水性媒体に懸濁される能力を改善するために、本媒体は、好ましくは湿潤剤a)を含む。本湿潤剤は、媒体への微粒子の速く、適当な懸濁能(suspendibility)を可能にするために選択する。好ましくは、本微粒子は本媒体により急速に湿潤化され、急速にその中に懸濁液を形成する。
【0052】
水ベースの媒体中に本発明の微粒子を懸濁させるための適当な湿潤剤は、非イオン性界面活性剤、例えばポロキサマー類、またはポリオキシエチレン−ソルビタン−脂肪酸エステル類を含み、その特徴は上に記載されている。湿潤剤の混合物を使用してよい。好ましくは、本湿潤剤はPluronic F68、Tween 20および/またはTween 80を含む。
【0053】
1種または多種の湿潤剤は、投与する組成物の約0.01〜約1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%であり、約0.01〜5mg/媒体ml、例えば約2mg/mlで存在し得る。
【0054】
好ましくは、本媒体は、さらに等張化剤b)、例えばマンニトール、塩化ナトリウム、グルコース、デキストロース、スクロース、またはグリセリンを含む。好ましくは、本等張化剤はマンニトールである。
【0055】
等張化剤の量は、投与する組成物の等張性を調節するために選択する。等張化剤が、例えば上記の凝集を減らすために、微粒子内に包含されている場合、等張化剤の量は両方の合計であると理解すべきである。例えば、マンニトールは、好ましくは投与する組成物の約1〜約5重量%、好ましくは約4.5重量%であり得る。
【0056】
好ましくは、本媒体はさらに増粘剤c)を含む。適当な増粘剤はカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、ソルビトール、ポリビニルピロリドン、またはモノステアリン酸アルミニウムを含む。
【0057】
低粘性のCMC−Naが使用するのに好都合であり得る。態様は上記の通りであり得る。典型的に、低分子量のCMC−Naを使用する。粘性は、25℃でスピンドル1のBrookfield LVT粘度計で60rpmで1%(w/v)水溶液で測定したとき約1〜約30mPa s、例えば約10〜約15mPa sであるか、または0.1〜1%水溶液としてのNaCMC 7LF(低分子量)の溶液について1〜15mPa*sの粘性である。
【0058】
上記の特性を有するポリビニルピロリドンを使用してよい。
増粘剤、例えばCMC−Naは、媒体(容積で)の約0.1〜約2%、例えば約0.7%または約1.75%の量で、例えば媒体中約1〜約30mg/ml、例えば約7mg/mlまたは約17.5mg/mlの濃度で存在してよい。
【0059】
さらなる局面において、本発明は、本発明の微粒子および本発明の媒体を含むキットを提供する。例えば、本キットは、例えば下記の通りの、投与すべき正確な量の本発明の化合物と、約1〜約5ml、例えば約2mlの本発明の媒体を含む微粒子を含み得る。
【0060】
一つの態様において、所望により抗凝集剤と混合されていてよい乾燥微粒子を容器、例えばバイアルまたはシリンジに入れ、例えばγ照射により滅菌し得る。投与前に、本微粒子を適当な媒体、例えば上記媒体の添加により、容器中で懸濁させ得る。例えば、所望により抗凝集剤、増粘剤および/または等張化剤と混合されていてよい微粒子と、懸濁用媒体を、ダブル・チャンバー・シリンジに別々に入れてよい。本微粒子と抗凝集剤および/または増粘剤および/または等張化剤の混合物も本発明の一部を形成する。
【0061】
他の態様において、滅菌条件下で、所望により抗凝集剤と混合された、乾燥滅菌微粒子を適当な媒体、例えば上記の媒体に懸濁させ、容器、例えばバイアルまたはシリンジに入れてよい。次いで、媒体の溶媒、例えば水を、例えば凍結乾燥または真空下の蒸発により除去し、容器中に微粒子と媒体の固体成分の混合物をもたらしてよい。投与前に、微粒子と媒体の固体成分を、適当な媒体、例えば、水、例えば輸液用水、または好ましくは低モル濃度リン酸緩衝溶液の添加により、容器中で懸濁させ得る。例えば、微粒子、所望により抗凝集剤、および媒体の固体成分の混合物と、懸濁用媒体、例えば水をダブル・チャンバー・シリンジ内に別々に入れてよい。
【0062】
本発明の微粒子および組成物は
a)過剰のGH分泌および/または過剰のIGF−1を含むまたはそれに関連する病因を有する障害の予防または処置、例えば末端肥大症の処置ならびにI型またはII型真性糖尿病、特にその合併症、例えば血管障害、糖尿病性増殖性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、腎症、ニューロパシーおよび暁現象、およびインスリンまたはグルカゴン放出に関連する他の代謝障害、例えば肥満、例えば病的肥満または視床下部性または高インスリン性肥満の処置、
b)腸管皮膚および膵液(pancreaticocutaneous)瘻、過敏性腸症候群、炎症性疾患、例えばグレーブス病、炎症性腸疾患、乾癬またはリウマチ性関節炎、多嚢胞性腎臓疾患、ダンピング症候群、水様性下痢症候群、AIDS関連下痢、化学療法剤誘発下痢、急性または慢性膵炎および消化器ホルモン分泌性腫瘍(例えばGEP腫瘍、例えばビポーマ、グルカゴノーマ、インスリノーマ、カルチノイド等)、リンパ球悪性腫瘍、例えばリンパ腫または白血病、肝細胞癌腫ならびに消化器出血、例えば食道静脈瘤出血の処置、
c)炎症性眼疾患、黄斑浮腫、例えば嚢胞様黄斑浮腫、特発性嚢胞様黄斑浮腫、滲出性加齢黄斑変性症、脈絡膜新生血管関連障害および増殖性網膜症を含む、上記で示した血管形成、炎症性障害の予防または処置、
d)例えば臓器の移植、例えば心臓、肺、複合心臓−肺、肝臓、腎臓または膵臓移植における、移植片血管疾患、例えば同種または異種移植片脈管障害、例えば、移植片血管アテローム性動脈硬化症の予防または治療(combating)、または静脈移植片狭窄、例えばカテーテル化法または血管を掻き取る方法、例えば経皮経管的血管形成術、レーザー処置または血管内膜または内皮の完全性を破壊する他の侵襲製方法による、血管傷害後の再狭窄および/または血管閉塞の予防または処置、
e)ソマトスタチン受容体発現または蓄積腫瘍、例えば下垂体腫瘍、例えばクッシング病または症候群、胃腸膵臓、カルチノイド、中枢神経系、乳房、前立腺(進行性ホルモン難治性前立腺癌を含む)、卵巣または大腸腫瘍、小細胞肺癌、悪性腸閉塞、パラ神経膠腫、腎臓癌、皮膚癌、神経芽腫、褐色細胞腫、髄様甲状腺癌腫、骨髄腫、リンパ腫、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫、骨腫瘍およびその転移、ならびに自己免疫性または炎症性障害、例えばリウマチ性関節炎、グレーブス病または他の炎症性眼疾患の処置
に有用である。
【0063】
好ましくは、本発明の微粒子および組成物は、末端肥大症および癌、例えばクッシング病または症候群、カルチノイドの処置に有用である。
本発明の微粒子および組成物の性質は、標準動物試験または臨床試験で試験し得る。
本発明の微粒子および組成物は十分許容性である。
【0064】
本発明の化合物は、本発明の微粒子からおよび本発明の組成物から、数週間、例えば約4週間〜約8週間、好ましくは約4週間〜約6週間にわたり放出される。
本発明の組成物の適当な投与量は、当然、例えば処置する状態(例えば疾患タイプまたは耐性の性質)、使用する薬剤、望む効果および投与方式によって変わる。
【0065】
一般に、満足いく結果が、約0.2〜約100mg、例えば0.2〜約35mg、好ましくは約3〜約100mgの化合物A/注射/月または約0.03〜約1.2mg、例えば0.03〜0.3mg/体重kg/月の程度の投与、例えば非経腸投与により得られる。それ故、患者への適当な毎月の投与量は、約0.3mg〜約100mgの化合物Aの程度である。
次の実施例は、何等限定せずに本発明を説明するために提供する:
【実施例】
【0066】
実施例1:微粒子
ポリマーを表1に示す一定量の塩化メチレンに溶解する。次いで、ポリマー溶液を化合物Aパモ酸塩に添加する。得られた懸濁液をUltra-Turraxで1分間処理する。
2lの水を90℃に加熱する。加温中、表1に示す量の2種のリン酸塩を交互に添加する。90℃で、表1に示す量のPVA 18-88を添加する。次いで得られた溶液を20℃に冷却し、水で必要量まで増やす。
ポリマー/薬剤懸濁液およびPVA/リン酸溶液を、3300upmの混合速度で90ml/分および1800ml/分の一定ポンプ比で混合し、塩化メチレンを、300分間に渡り2℃/20分で加熱する温度プログラムを使用して真空下で蒸発させる。続いて、微粒子を濾取し、水(WBU)で洗浄し、減圧下(0.1mbar)、室温で乾燥させる。
乾燥させた微粒子をバイアルに入れ、排気し、最終滅菌する。最終滅菌は、27.7〜34.1kGyの放射線量を適用するガンマ照射により行う。
【0067】
【表1】

【0068】
実施例2:媒体組成物A〜G
表2に示す量のCMC−Na、マンニトールおよびPluronic F68を、約90℃の温度の約15mlの熱脱イオン化水に、マグネティック・スラーラーでの激しい撹拌下に溶解させる。得られた透明溶液を20℃に冷却し、脱イオン水で20.0mlに増やす。
【0069】
【表2】

媒体Dは、バイアル中の微粒子と使用するために好ましい。
媒体Eは、ダブル・チャンバー・シリンジで使用するために好ましい。
【0070】
実施例3:微粒子からの化合物Aの放出
ウサギ1kgあたり4mgの化合物Aに対応する量の実施例1および参考例の微粒子を、1mlの媒体組成物Dに懸濁させる。懸濁液を約30秒間振盪することにより均一化し、試験開始前に約3kgの重さのウサギ(雄チンチラ系雑種ウサギ、約7ヶ月齢)の左腓腹筋に、19G針を使用して注射する。
血液サンプル(約1ml)を55日間にわたり採取する。化合物Aの血漿濃度をELISA法を使用して測定する。投与後の化合物Aの平均濃度を表3に示す。平均AUC(0−55日)が、実施例1については287ng/ml dおよび参考例については227ng/ml dであることが判明する。
【0071】
【表3】

【表4】

【0072】
実施例4:微粒子からの化合物Aのバースト放出
溶解試験を、37℃、80min-1(n=3)に設定したシェーカー浴で24時間行った。サンプルを、4x4cmのポリエステル袋に計り入れ、密封した。サンプル袋を50ml Schottビンに入れ、50mlの予熱した(37℃)媒体を添加した。
媒体を、例えば2.98gのリン酸水素二ナトリウム二水和物、8.0gの塩化ナトリウム、0.19gのリン酸二水素カリウム、0.01gの塩化ベンズアルコニウムおよび0.2gのtween 80を1000mlの水に溶解し、リン酸85%でpHを7.4に調節することにより製造した。
24時間後、媒体を吸引した。データは、個々の袋中のサンプル重量に対して標準化した。バーストは、アッセイ前測定値に対する放出薬剤のパーセントである薬剤含量%として測定でき、すなわち100mgの微粒子(MP)が25mgの化合物Aを含み、0.25mgの化合物Aが24時間後に放出されたら、これは、バーストが1%であることを意味する。
【0073】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種以上の生物分解性ポリマーおよび活性成分としての化合物Aパモ酸塩を含むポリマーマトリックスを含む微粒子を含む持続放出用医薬組成物であって、ウサギにおいて4mg/kgの投与後最初の24時間以内の活性成分の最大血漿濃度が15ng/ml以下である医薬組成物。
【請求項2】
投与後12日目より前に化合物Aの最大血漿濃度(tmax)に到達しない、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
化合物Aの血漿濃度が、投与後2〜35日目の間2ng/ml以上である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
1種以上の生物分解性ポリマーおよび活性成分としての化合物Aパモ酸塩を含むポリマーマトリックスを含む微粒子を含む持続放出用医薬組成物であって、24時間後の化合物A含量の%としてのバーストが、実施例4に記載のインビトロ溶解試験により測定して0.5%−1.2%である、組成物。
【請求項5】
活性成分化合物Aが少なくとも4週間の期間にわたり放出される、請求項1〜4のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項6】
ポリマーマトリックスが直鎖状および分枝鎖状ポリラクチド−コ−グリコリドを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項7】
ポリマーマトリックスがResomer(登録商標)RGおよび約47,000から約63,000Daの重量平均分子量を有する星形ポリラクチド−コ−グリコリドポリマーを含む、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
直鎖状ポリラクチド−コ−グリコリド対分枝鎖状ポリラクチド−コ−グリコリドの比が約60:40〜40:60である、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
微粒子の製造方法であって、
− 直鎖状ポリラクチド−コ−グリコリドポリマーと分枝鎖状ポリラクチド−コ−グリコリドポリマーの混合物を塩化メチレンに溶解し、
− このポリマー溶液を活性成分化合物Aパモ酸塩に添加し、
− リン酸塩類とおよびポリビニルアルコールの水性分散を製造し、
− ポリマー/活性成分溶液とポリビニルアルコール/リン酸溶液を混合し、
− 塩化メチレンを蒸発させ、得られた微粒子を濾取する、
工程を含み、ここで、塩化メチレン中のポリマー混合物濃度が14.2〜17.5重量%である、方法。
【請求項10】
塩化メチレン中のポリマー混合物の濃度が約15.9重量%である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項9または10の方法により得られる微粒子。
【請求項12】
10〜200ミクロンの直径を有する、請求項11に記載の微粒子。
【請求項13】
粒径分布x10<15ミクロン、x50<40ミクロンおよびx90<70ミクロンを有する、請求項11に記載の微粒子。
【請求項14】
さらに界面活性剤、多孔性作用剤および/または塩基性塩を含む、請求項11〜13のいずれかに記載の微粒子。
【請求項15】
請求項11〜14のいずれかに記載の微粒子と水ベースの媒体を含む、医薬組成物。
【請求項16】
請求項11〜14のいずれかに記載の微粒子と水ベースの媒体を含む、キット。
【請求項17】
水ベースの媒体が潤剤、等張化剤および増粘剤を含む、請求項15または16に記載の組成物。
【請求項18】
湿潤剤がポロキサマーおよび/またはポリオキシエチレン−ソルビタン−脂肪酸エステルから選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
等張化剤がマンニトール、塩化ナトリウム、グルコース、デキストロース、スクロースおよびグリセリンから選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
増粘剤がカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、ソルビトール、ポリビニルピロリドンおよびモノステアリン酸アルミニウムから選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項21】
水ベースの媒体がカルボキシメチルセルロースナトリウム、マンニトールおよびPluronic F68を含む、バイアルにおいて使用するための請求項17に記載の組成物。
【請求項22】
過剰のGHおよび/またはIGF−1分泌を含むまたはそれに関連する病因を有する疾患または障害の処置用医薬の製造のための、請求項11〜14のいずれかに記載の微粒子または請求項1〜8のいずれかに記載の医薬組成物の使用。
【請求項23】
処置を必要とする対象における過剰のGHおよび/またはIGF1分泌を含むまたはそれに関連する病因を有する疾患または障害の処置方法であって、該対象に請求項11〜14のいずれかに記載の微粒子または請求項1〜8のいずれかに記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。

【図1】
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【公表番号】特表2010−527971(P2010−527971A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508860(P2010−508860)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【国際出願番号】PCT/EP2008/056347
【国際公開番号】WO2008/142153
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】