説明

微細構造転写用の光重合性樹脂組成物

【課題】より薄く均一な薄膜の形成が可能で、より微細化した微細パターンの転写精度に優れ、薄膜の硬化時間が短い微細構造転写用の光重合性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(a)から(f)に示す工程で、微細構造体5を作製するに当り、光重合性樹脂組成物1は、下記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(C)を下記の割合で含む。(A)6〜15官能のアクリレート;0.5〜10質量%(B)重量平均分子量(Mw)が1000〜10000のアクリレート;0.5〜10質量%(C)ベンゼン環を有するアクリレート;0.5〜10質量%(D)反応性希釈剤;80〜98質量%(E)光重合開始剤;0.1〜5質量%

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型に形成された微細な凹凸パターンを転写するための微細構造転写用の光重合性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路は微細化が進んでおり、その微細加工を実現するために、例えばフォトリソグラフィ技術によって半導体集積回路のパターンを形成する際にその高精度化が図られている。その一方で、微細加工のオーダが露光光源の波長に近づいて、パターンの形成の高精度化は限界を迎えつつある。そのため、更なる高精度化のために、フォトリソグラフィ技術に代えて荷電粒子線装置の一種である電子線描画技術が用いられるようになった。
【0003】
しかしながら、電子線描画技術によるパターンの形成は、i線、エキシマレーザ等の光源を使用した一括露光方法によるものと異なって、電子線で描画するパターンが多いほど露光(描画)時間がかかってしまう。したがって、半導体集積回路の集積化が進むにつれてパターンの形成に要する時間が長くなってスループットが著しく劣る。
【0004】
そこで、電子線描画装置によるパターンの形成の高速化を図るために各種形状のマスクを組み合わせて、それらに一括して電子線を照射する一括図形照射法の開発が進められている。しかしながら、一括図形照射法を使用する電子線描画装置は、大型化すると共にマスクの位置をより高精度に制御する機構が更に必要となって装置自体のコストが高くなるという問題がある。
【0005】
また、他のパターンの形成技術としては、所定のスタンパを型押ししてその表面形状を転写するインプリント技術が知られている。このインプリント技術は、形成しようとする微細構造を有するパターンの凹凸に対応する凹凸が形成されたスタンパを、例えば所定の基板上に、微細構造転写用の樹脂組成物からなる層(樹脂層)を形成して得られる被転写体に型押しするものであり、凹凸幅が25nm以下の微細構造を被転写体の樹脂層に形成することができる。ちなみに、このようなパターンが形成された樹脂層(以下「パターン形成層」ということがある)は、基板上に形成される薄膜層と、この薄膜層上に形成される凸部からなるパターンとで構成されている。そして、このインプリント技術は、大容量記録媒体における記録ビットのパターンの形成や、半導体集積回路のパターンの形成への応用が検討されている。例えば大容量記録媒体用基板や半導体集積回路用基板は、インプリント技術で形成したパターン形成層の凸部をマスクとして、パターン形成層の凹部で露出する薄膜層部分及びこの薄膜層部分に接する基板部分をエッチングすることで製造することができる。
【0006】
基板部分のエッチング加工の精度は、薄膜層の面方向における厚さの分布の影響を受ける。例えば薄膜層の厚さのばらつきが最大厚さと最小厚さの差で50nmである被転写体は、深さ50nmでエッチング加工が施されると、薄膜層が薄い箇所では基板にエッチングが施されるが、厚い箇所ではエッチングが施されない場合がある。したがって、エッチング加工の所定の精度を維持しようとすれば、基板上に形成する薄膜層の厚さが均一である必要がある。
【0007】
従来、インプリント技術に使用する微細構造転写用の樹脂組成物としては、(メタ)アクリレートを含む光重合性のものが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。この光重合性樹脂組成物は、比較的に低粘度であって、基板上には、ディスペンス法、スピンコート法、インクジェット法等によって塗布される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−84625号公報
【特許文献2】特開2007−1250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、大容量記録媒体や半導体集積回路に要求される微細パターンのサイズは、益々小さくなってきており、近い将来には、数10nm程度にまで微小化することが予想される。つまり、インプリント技術によって、数10nm程度の微細パターンを基板上に形成するためには、微細構造転写用の光重合性樹脂組成物を、数10nm程度の厚さで均一に基板上に塗布する必要がある。
【0010】
しかしながら、従来の光重合性樹脂組成物(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)では、基板上に前記した厚さで均一に樹脂層を形成することができない問題がある。また、従来の光重合性樹脂組成物(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)は、微細パターンの転写精度(成型精度)が不十分であり、また、微細パターンを転写した後の光硬化に比較的時間を要する問題もある。
したがって、従来の光重合性樹脂組成物と比較して、より薄く均一な薄膜の形成が可能で、より微細化した微細パターンの転写精度に優れ、形成した薄膜の硬化時間が短く、従来よりもスループット性の向上した微細構造体を製造することができる微細構造転写用の光重合性樹脂組成物が望まれている。
【0011】
そこで、本発明の課題は、従来の光重合性樹脂組成物と比較して、より薄く均一な薄膜の形成が可能で、より微細化した微細パターンの転写精度に優れ、形成した薄膜の硬化時間が短く、従来よりもスループット性の向上した微細構造体を製造することができる微細構造転写用の光重合性樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決する本発明は、下記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)を下記の割合で含むことを特徴とする微細構造転写用の光重合性樹脂組成物である。
(A)6〜15官能のアクリレート;0.5〜10質量%
(B)重量平均分子量(Mw)が1000〜10000のアクリレート;0.5〜10質量%
(C)ベンゼン環を有するアクリレート;0.5〜10質量%
(D)反応性希釈剤;80〜98質量%
(E)光重合開始剤;0.1〜5質量%
【0013】
また、前記課題を解決する本発明は、下記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)及び成分(F)を下記の割合で含むことを特徴とする微細構造転写用の光重合性樹脂組成物である。
(A)6〜15官能のアクリレート;0.5〜10質量%
(B)重量平均分子量(Mw)が1000〜10000のアクリレート;0.5〜10質量%
(C)ベンゼン環を有するアクリレート;0.5〜10質量%
(D)反応性希釈剤;80〜98質量%
(E)光重合開始剤;0.1〜5質量%
(F)25℃における粘度が12mPa・s以下の2官能アクリレート;0.5〜10質量%
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、従来の光重合性樹脂組成物と比較して、より薄く均一な薄膜の形成が可能で、より微細化した微細パターンの転写精度に優れ、形成した薄膜の硬化時間が短く、従来よりもスループット性の向上した微細構造体を製造することができる微細構造転写用の光重合性樹脂組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(a)から(f)は、本実施形態に係る光重合性樹脂組成物を使用した微細構造体の製造方法を説明する工程図である。
【図2】実施例1の光重合性樹脂組成物からなる薄膜の表面に形成された凹凸パターン(微細パターン)のSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。ここでは、本実施形態に係る光重合性樹脂組成物を使用した微細構造体の製造方法について説明した後に、この光重合性樹脂組成物について説明する。
次に参照する図1(a)から図1(f)は、本実施形態に係る光重合性樹脂組成物を使用した微細構造体の製造方法を説明する工程図である。
【0017】
(微細構造体の製造方法)
この製造方法は、金型2(図1(b)参照)の凹凸パターンに対応する凹凸パターンを基板3(図1(a)参照)に形成した微細構造体5(図1(f)参照)を製造するものである。
【0018】
図1(a)に示すように、この製造方法では、まず基板3の表面に後記する本発明の光重合性樹脂組成物1を付与する。付与する方法としては、特に制限はなく、例えば、マイクロピペットを使用して付与することができる。
この基板3としては、例えば、シリコン(ケイ素)、各種金属材料、ガラス、石英、セラミック、樹脂等が挙げられる。また、基板3は、その表面に金属層、樹脂層、酸化膜層等が形成された多層構造体であってもよい。また、基板3は、中心穴が加工されたものであってもよい。
【0019】
次に、図1(b)に示すように、基板3上で光重合性樹脂組成物1を広げることによって、基板3の表面には、光重合性樹脂組成物1からなる薄膜4が形成される。光重合性樹脂組成物1を広げる方法としては、公知の塗布方法を使用することができる。中でも、基板3を回転させることにより光重合性樹脂組成物1を遠心力で広げて薄膜4を形成するスピンコート法は、均一な厚さで薄膜4を形成することができるので特に好ましい。
なお、図1(b)中、符号2は、金型である。
【0020】
金型2は、その表面にナノメートル(nm)のサイズの凹凸パターンを有しており、本実施形態での凹凸パターンは、数十ナノメートルのサイズの微細パターンである。
この凹凸パターンの形成方法としては、例えばフォトリソグラフィ、集束イオンビームリソグラフィ、電子ビーム描画法、ナノプリント法等が挙げられる。これらの方法は、凹凸パターンの加工精度に応じて適宜に選択することができる。
【0021】
金型2の材料としては、所定の強度を有し、要求される精度で凹凸パターン(微細パターン)を加工することができるものであれば特に制限はなく、例えば、シリコンウエハ、各種金属材料、ガラス、石英、セラミック、樹脂材料等が挙げられる。中でも、石英、Si、SiC、SiN、多結晶Si、Ni、Cr、Cu、光硬化性樹脂材料の硬化物等からなる金型2、及びこれらの2種以上を組み合わせた金型2は好ましい。
また、金型2の材料としては、後記するように、この金型2(図1(d)参照)を介して紫外光を薄膜4に照射する場合には、透明性を有する必要があり、特に、透明性が高い石英は好ましい。また、図1(d)において、基板3として透明性を有するものを使用し、この基板3側から薄膜4に紫外光(図示省略)を照射する場合には、金型2は、不透明な材料で形成することができる。
また、弾性変形可能な樹脂材料からなる金型2は、次の図1(c)に示すように、薄膜4に金型2を押し当てる際に、万一基板3の表面に異物(図示省略)が存在した場合にも、その異物の形状に応じて金型2が弾性変形することによって、異物の周辺で生じる金型2の非接触領域を最小限に止めることができるので好ましい。
【0022】
次に、図1(c)に示すように、薄膜4に金型2が押し当てられることで、薄膜4には、金型2の凹凸パターンに対応する凹凸パターンが転写される。
【0023】
次に、この製造方法では、図1(d)に示すように、金型2の裏面(薄膜4の反対側の面)から紫外光(波長365nm)を薄膜4に照射することで、薄膜4を硬化させる。
【0024】
次に、図1(e)に示すように、薄膜4から金型2を剥離することで、金型2の凹凸パターンが転写された薄膜4を得る。そして、この薄膜4をレジスト膜として基板3にエッチングを施す。
【0025】
その結果、この製造方法では、図1(b)に示すように、基板3には、図1(e)の薄膜4の凸部をマスクとしてエッチングが施されることによって、金型2(図1(b)参照)の凹凸パターン(微細パターン)に対応する凹凸パターンを基板3(図1(a)参照)に有する微細構造体5を得ることができる。
【0026】
(光重合性樹脂組成物)
本実施形態に係る光重合性樹脂組成物1(以下、符号は省略する)は、成分(A)としての6〜15官能のアクリレートと、成分(B)としての重量平均分子量(Mw)が1000〜10000のアクリレートと、成分(C)としてのベンゼン環を有するアクリレートと、成分(D)としての反応性希釈剤と、成分(E)としての光重合開始剤と、後記する所定の割合で含んで構成されている。
【0027】
<成分(A)>
6〜15官能のアクリレートとしては、6〜15のアクリル基を有するアクリレートモノマ又はオリゴマを挙げることができ、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。また、6〜15官能のウレタンアクリレートやポリエステルアクリレート等を用いても良い。多官能ウレタンアクリレートは、アクリロイル基及び水酸基を有するアクリレートモノマとポリイソシアネートとのウレタン化反応で得られた化合物を用いることができる。
また、多官能ウレタンアクリレートは、市販品を用いることができ、例えばUV−1700B(日本合成化学社製、ウレタンアクリレートオリゴマ、6官能以上)、UA−53H(新中村化学社製、ウレタンアクリレートオリゴマ、15官能)、EBECRYL(登録商標)220(ダイセル・サイテック社製、ウレタンアクリレート、6官能)、UN−3320HA(根上工業社製、ウレタンアクリレート、6官能)が挙げられる。
また、多官能ポリエステルアクリレートは、市販品を用いることができ、例えば、EBECRYL1830(ダイセル・サイテック社製、ポリエステルアクリレートオリゴマ、6官能)、EBECRYL450(ダイセル・サイテック社製、ポリエステルアクリレートオリゴマ、6官能)等が挙げられる。
【0028】
成分(A)の光重合性樹脂組成物における割合は、0.5〜10質量%となっている。このような範囲で成分(A)を含む光重合性樹脂組成物は、その薄膜4に金型2が押し当てられる際に(図1(c)参照)、凹凸パターン(微細パターン)の転写精度(成型精度)に優れることとなる。
【0029】
<成分(B)>
重量平均分子量(Mw)が1000〜10000のアクリレートとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、エトキシ化ビスフェノールA型アクレート、芳香族ウレタンアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。市販品としては、例えば、EBECRYL8405(ダイセル・サイテック社製、ウレタンアクリレートオリゴマ、4官能、重量平均分子量(Mw)2700)、UV−7000B(日本合成化学社製、ウレタンアクリレートオリゴマ、2官能、重量平均分子量(Mw)5000)が挙げられる。これらの成分(B)としてのアクリレートは、2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、成分(B)としては、前記した成分(A)のうち、重量平均分子量(Mw)が1000〜10000のものを使用することもできる。
【0030】
成分(B)の光重合性樹脂組成物における割合は、0.5〜10質量%となっている。このような範囲で成分(B)を含む光重合性樹脂組成物は、基板3上に薄膜4(図1(b)参照)を形成する際に優れた成膜性を発揮することとなる。
【0031】
<成分(C)>
ベンゼン環を有するアクリレートとしては、アクリロイル基とベンゼン環を有するアクリレートモノマが用いられる。その具体例としては、例えば、フェノキシグリコールアクリレート、フェノキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジアクリレート、ベンジルアクリレート等が挙げられる。
【0032】
成分(C)の光重合性樹脂組成物における割合は、0.5〜10質量%となっている。このような範囲で成分(C)を含む光重合性樹脂組成物は、図1(f)に示すように、硬化した薄膜4をレジスト膜として基板3にエッチングを施す際に、優れたエッチング耐性を発揮することとなる。
【0033】
<成分(D)>
反応性希釈剤は、主に前記した成分(A)から成分(C)を希釈して光重合性樹脂組成物の粘度を低減するものである。この反応性希釈剤は、前記した成分(A)から成分(C)と架橋反応可能な官能基を有するものであれば特に制限はないが、単量体であることが望ましい。中でも、末端に(メタ)アクリレート基、ビニル基、エポキシ基及びオキセタニル基を少なくとも一つ有する単量体が望ましい。
【0034】
反応性希釈剤としては、例えば、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルフォリン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、メタアリル(メタ)アクリレート、アクリルグリシジルエーテルやアルキルフェノールモノグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルオキセタン等が挙げられる。これらの反応性希釈剤は、2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0035】
以上のような反応性希釈剤の中でも、25℃の粘度が3mPa・s以下の(メタ)アクリレ−トが望ましい。
【0036】
また、以上のような反応性希釈剤の中でも、単官能の(メタ)アクリレートが望ましい。
【0037】
また、25℃において揮発性を有するものが望ましく、更に具体的には、炭素数1〜6の直鎖のアルキレン基を有する(メタ)アクリレートが望ましく、水素原子以外の置換基(例えば、アルキル基、水酸基等(但し、分岐してエーテルを構成することとなるアルコシキ基は除く))を分岐位置に有しないアルキレン基を有する(メタ)アクリレートが望ましい。
【0038】
このような望ましい反応性希釈剤としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、 及びシアノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0039】
成分(D)の光重合性樹脂組成物における割合は、80〜98質量%となっている。このような範囲で成分(D)を含む光重合性樹脂組成物は、図1(b)に示すように、基板3上に薄膜4を形成する際に、数十nmの厚さで薄膜4を形成すことができる。特に、前記した揮発性を有する反応性希釈剤は、基板3上に薄膜4を形成する際に、特にベーク処理を施さなくても、均一な薄膜4を形成することができる。
【0040】
<成分(E)>
光反応開始剤としては、ラジカル重合開始剤が挙げられる。その具体例としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル-プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォニル)フェニル]−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、 ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの光反応開始剤は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0041】
成分(E)の光重合性樹脂組成物における割合は、0.1〜5質量%となっている。このような範囲で成分(E)を含む光重合性樹脂組成物は、図1(d)に示すように、薄膜4(光重合性樹脂組成物)に紫外光を照射された際に、速やかに硬化することができる。
【0042】
以上のような本実施形態に係る光重合性樹脂組成物によれば、前記成分(A)から成分(E)を所定の割合で含むので、従来の光重合性樹脂組成物(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)と比較して、より薄く均一な薄膜の形成が可能で、より微細化した微細パターンの転写精度に優れ、形成した薄膜の硬化時間が短く、従来よりもスループット性の向上した微細構造体を製造することができる微細構造転写用の光重合性樹脂組成物を提供することができる。
【0043】
また、以上のような本実施形態に係る光重合性樹脂組成物においては、前記成分(A)から前記成分(E)に加えて、更に、次に説明する成分(F)を含むことができる。
<成分(F)>
成分(F)は、25℃における粘度が12mPa・s以下の2官能アクリレートである。その具体例としては、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げられる。
光重合性樹脂組成物における成分(A)の割合は、0.1〜5質量%、成分(B)の割合は、0.5〜10質量%、成分(C)の割合は、0.5〜10質量%、成分(D)の割合は、80〜98質量%、成分(E)の割合は、0.1〜5質量%であると共に、成分(F)の割合は、0.5〜10質量%である。
以上のような光重合性樹脂組成物によれば、前記した成分(A)から成分(E)を含む光重合性樹脂組成物が、従来の光重合性樹脂組成物よりも成膜性、速硬化性、及びパターン成型性に優れるところ、更に成分(F)を含むことによって、成膜性及び速硬化性をほとんど悪化させることなく、パターン成型性を更に向上する作用効果を奏することができる。
【0044】
また、以上のような成分(A)から成分(E)を含む光重合性樹脂組成物、及び更に成分(F)を含む光重合性樹脂組成物によれば、25℃の粘度が3mPa・s以下の(メタ)アクリレ−トからなる反応性希釈剤を含むことによって、更に薄く均一な薄膜の形成が可能になる。
【0045】
また、このような光重合性樹脂組成物によれば、単官能の(メタ)アクリレートからなる反応性希釈剤を含むことによって、紫外光を照射した際に、多官能の(メタ)アクリレートよりも短時間で薄膜を硬化させることができる。
【0046】
また、このような光重合性樹脂組成物によれば、揮発性の(メタ)アクリレートを含むことにより、更に具体的には炭素数1〜6の直鎖のアルキレン基を有する(メタ)アクリレートを含むことにより、ベーク処理を行わずに基板上に均一な薄膜の形成が可能となる。
【0047】
そして、以上のような光重合性樹脂組成物を使用して製造された微細構造体は、磁気記録媒体や光記録媒体等の情報記録媒体に適用可能である。またこの微細構造体は、大規模集積回路部品や、レンズ、偏光板、波長フィルタ、発光素子、光集積回路等の光学部品、免疫分析、DNA分離、細胞培養等のバイオデバイスへの適用が可能である。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態での微細構造体は、本実施形態に係る光重合性樹脂組成物からなる薄膜4を硬化させたものをレジスト膜としてエッチングされた基板で構成されるが、図1(e)に示す、凹凸パターン(微細パターン)が転写された薄膜4を基板3上で硬化したものを微細構造体として使用することができる。
また、前記実施形態に係る光重合性樹脂組成物は、必要に応じて、界面活性剤、重合禁止剤等の他の成分を含んでいてもよい。
【実施例】
【0049】
次に、実施例を示しながら本発明の光重合性樹脂組成物を更に具体的に説明する。なお、以下の説明では光重合性樹脂組成物における各成分の組成[質量%]を単に[%]と略して記す。
(実施例1)
実施例1では、成分(A)から成分(E)を次の表1に示す組成[%]となるように混合し、次いで、この混合物を直径100nmの目開きのポリプロピレン製フィルタでろ過することによって、目的の光重合性樹脂組成物を得た。
【0050】
【表1】

【0051】
なお、成分(A)の「6〜15官能のアクリレート」としては、6官能アクリレート(新中村化学社製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)を使用した。
成分(B)の「重量平均分子量(Mw)が1000〜10000のアクリレート」としては、重量平均分子量(Mw)5000のアクリレート(日本合成化学社製、商品名UV−7000B、2〜3官能ウレタンアクリレート)を使用した。
成分(C)の「ベンゼン環を有するアクリレート」としては、ベンジル基を有するアクリレート(日立化成工業社製、ベンジルアクリレート)を使用した。
成分(D)の「反応性希釈剤」としては、揮発性を有する反応性希釈剤(東京化成工業社製、ブチルアクリレート)を使用した。
成分(E)の「光重合開始剤」としては、ラジカル重合開始剤(チバ・ジャパン社製、IRGACURE(登録商標)369)を使用した。
【0052】
次に本実施例で調製した光重合性樹脂組成物を使用して、図1(a)から(f)に示す工程で、微細構造体5(図1(f)参照)を作製した。
図1(a)に示す基板3としては、厚さが0.625mm、直径が65mmのシリコン(Si)ウエハを使用した。
本実施例では、図1(a)に示すように、光重合性樹脂組成物1を、マイクロピペットを用いて500μL滴下した。
【0053】
次に、基板3上に滴下した光重合性樹脂組成物1をスピンコート法によって広げて、図1(b)に示す薄膜4を形成した。スピンコート法は、回転速度5000rpm、回転時間60秒間の条件で行った。そして、形成した薄膜4の面内における12点について薄膜4の厚さをエリプソメーターで測定した。その結果、薄膜4の厚さは、45±2nmの範囲で均一な膜が形成されていることが確認された。
【0054】
次に、図1(c)に示すように、金型2を薄膜4に押し当てて、金型2の凹凸パターン(微細パターン)を薄膜4に転写した。金型2としては、厚さが0.7mm、直径が150mmの円形の石英製のものを使用した。この金型2の凹凸パターン(微細パターン)は、金型2の内径30mmから60mmのリング状の領域に、同心円状のラインアンドスペースが繰り返して形成されたパターン(ライン幅50nm、ピッチ90nm、高さ40nm)であった。なお、金型2は、0.2MPaの圧力で薄膜4に押し当てた。
【0055】
次に、図1(d)に示すように、所定の紫外線ランプ(図示省略)を使用して紫外光(波長365nm)を、金型2を介して薄膜4に照射することによって、光重合性樹脂組成物1(図1(a)参照)からなる薄膜4を硬化させた。
なお、薄膜4は、紫外線照射量が100mJ/cm、つまり所定の出力の紫外線ランプを使用した場合に、通常よりも僅かな照射量(照射時間)で硬化できることが確認された。
【0056】
そして、図1(e)に示すように、硬化した薄膜4から金型2を剥離することによって、金型2の凹凸パターン(微細パターン)が転写された薄膜4を得た。次いで、薄膜4の表面をSEMで観察したところ、その表面には、ライン幅50nm、及びピッチ90nmで同心円状に形成されたラインアンドスペースからなる凹凸パターン(微細パターン)が確認された。図2は、実施例1の光重合性樹脂組成物からなる薄膜の表面に形成された凹凸パターン(微細パターン)のSEM写真である。
【0057】
次に、図1(f)に示すように、凹凸パターン(微細パターン)が転写された薄膜4をレジスト膜として、基板3にエッチングを施すことによって、微細構造体5を得た。なお、この際、基板3の表面が露出するまでは、酸素プラズマによるエッチングを行い、その後、酸素プラズマに代えてフッ素系ガスプラズマによるエッチングを行って微細構造体5を得た。次いで、微細構造体5の表面をSEMで観察したところ、図2に示すように、その表面には、ライン幅50nm、及びピッチ90nmで同心円状に形成された。つまり、光重合性樹脂組成物1(図1(a)参照)が硬化して形成された薄膜4は、十分なエッチング耐性を示すことが確認された。
【0058】
以上のような本実施例での光重合性樹脂組成物1(図1(a)参照)について、次の成膜性、硬化性、及び転写精度について評価を行った。
<成膜性>
図1(b)に示す工程で、基板3上に形成された薄膜4の面内における12点について薄膜4の厚さを測定し、50nm以下の均一な薄膜4が形成されたものについて「○」と評価し、形成されなかったものを「×」と評価した。その結果を表1に示す。
<硬化性>
図1(d)に示す工程で、紫外光(波長365nm)を、金型2を介して薄膜4に照射した際に、照射量が200mJ/cm以内で薄膜4が硬化したものを、通常よりも僅かな照射量(照射時間)で硬化できると判定して「○」と評価し、200mJ/cm以内で薄膜4が硬化しなかったものを、通常と同等かそれ以下と判定し、「×」と評価した。その結果を表1に示す。
<転写精度>
図1(e)に示す工程で、前記した同心円状のパターン(ライン幅50nm、ピッチ90nm、高さ40nm)が薄膜4に転写することができたものを「○」と判定し、転写できなかったものを「×」と判定した。その結果を表1に示す。
【0059】
(実施例2)
実施例2では、成分(A)として、6官能アクリレートに代えて、15官能アクリレート(新中村化学社製、ウレタンアクリレートオリゴマ、商品名UA−53H)を使用した以外は、実施例1と同様にして光重合性樹脂組成物を調製し、この光重合性樹脂組成物を使用して微細構造体5(図1(f)参照)を得た。この際、光重合性樹脂組成物が硬化して形成された薄膜4(図1(e)参照)は、十分なエッチング耐性を示すことが確認された。
そして、本実施例で得られた光重合性樹脂組成物について、成膜性、硬化性、及び転写精度を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0060】
(実施例3)
実施例3では、成分(B)として、重量平均分子量(Mw)2700のアクリレートに代えて、重量平均分子量(Mw)5000のアクリレート(日本合成化学社製、ウレタンアクリレートオリゴマ、商品名UV−7000B)を使用した以外は、実施例1と同様にして光重合性樹脂組成物を調製し、この光重合性樹脂組成物を使用して微細構造体5(図1(f)参照)を得た。この際、光重合性樹脂組成物が硬化して形成された薄膜4(図1(e)参照)は、十分なエッチング耐性を示すことが確認された。
そして、本実施例で得られた光重合性樹脂組成物について、成膜性、硬化性、及び転写精度を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0061】
(実施例4)
実施例4では、成分(D)として、ブチルアクリレートに代えて、揮発性を有する2−メトキシエチルアクリレート(東京化成工業社製)を使用すると共に、成分(A)から成分(E)を表1に示す組成[%]とした以外は、実施例1と同様にして光重合性樹脂組成物を調製し、この光重合性樹脂組成物を使用して微細構造体5(図1(f)参照)を得た。この際、光重合性樹脂組成物が硬化して形成された薄膜4(図1(e)参照)は、十分なエッチング耐性を示すことが確認された。
そして、本実施例で得られた光重合性樹脂組成物について、成膜性、硬化性、及び転写精度を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0062】
(実施例5)
実施例5では、成分(A)から成分(F)を表1に示す組成[%]となるように混合し、次いで、この混合物を直径100nmの目開きのポリプロピレン製フィルタでろ過することによって、目的の光重合性樹脂組成物を得た。
【0063】
なお、成分(A)の「6〜15官能のアクリレート」としては、6官能アクリレート(新中村化学社製、ジペンタエリスリトールエトキシレートヘキサアクリレート)を使用した。
成分(B)の「重量平均分子量(Mw)が1000〜10000のアクリレート」としては、重量平均分子量(Mw)5000のアクリレート(日本合成化学社製、商品名UV−3000B、2官能ウレタンアクリレート)を使用した。
成分(C)の「ベンゼン環を有するアクリレート」としては、ベンジル基を有するアクリレート(日立化成工業社製、ベンジルアクリレート)を使用した。
成分(D)の「反応性希釈剤」としては、揮発性を有する反応性希釈剤(東京化成工業社製、ブチルアクリレート)を使用した。
成分(E)の「光重合開始剤」としては、ラジカル重合開始剤(チバ・ジャパン社製、IRGACURE(登録商標)369)を使用した。
成分(F)の「25℃における粘度が12mPa・s以下の2官能アクリレート」としては、1,4−ブタンジオールジアクリレート(東京化成工業社製)を使用した。
そして、本実施例で得られた光重合性樹脂組成物について、成膜性、硬化性、及び転写精度を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0064】
(比較例1)
比較例1では、成分(C)及び成分(D)の配合を、表1に示すように変更した組成とした以外は、実施例1と同様にして光重合性樹脂組成物を調製した。そして、この光重合性樹脂組成物を使用して実施例1と同様に、スピンコート法によって図1(b)に示す薄膜4を形成しようとしたところ、薄膜4の厚さは、500nm以上となった。
したがって、比較例1の光重合性樹脂組成物における成膜性の評価結果は、表1に示すように、「×」となった。
なお、比較例1の光重合性樹脂組成物では、成膜性が「×」と評価されたことから、硬化性及び転写精度の評価は行わなかった。
【0065】
(比較例2)
比較例2では、成分(A)として、6官能アクリレートに代えて、表1中、成分(A)´として示す、2官能アクリレート(東京化成工業社製、1,4−ブタンジオールジアクリレート)を使用した以外は、実施例1と同様にして光重合性樹脂組成物を調製し、図1(e)に示す、凹凸パターン(微細パターン)を転写した薄膜4を得た。
この際、比較例2の光重合性樹脂組成物における成膜性及び硬化性は良好であり、評価結果は表1に示すように「○」となった。
また、凹凸パターン(微細パターン)を転写した薄膜4の表面をSEMで観察したところ、その表面には、部分的にラインアンドスペースが欠損する凹凸パターン(微細パターン)が確認された。したがって、比較例2の光重合性樹脂組成物における転写精度の評価結果は、表1に示すように、「×」となった。
【0066】
(比較例3)
比較例3では、成分(A)として、6官能アクリレートに代えて、表1中、成分(A)´として示す、2官能アクリレート(東京化成工業社製、1,4−ブタンジオールジアクリレート)を10%使用すると共に、成分(B)から成分(E)を表1に示す組成[%]とした以外は、実施例1と同様にして光重合性樹脂組成物を調製した。そして、この光重合性樹脂組成物を使用して実施例1と同様に、スピンコート法によって図1(b)に示す薄膜4を形成しようとしたところ、薄膜4の厚さは、200nm以上となった。
したがって、比較例1の光重合性樹脂組成物における成膜性の評価結果は、表1に示すように、「×」となった。
なお、比較例1の光重合性樹脂組成物では、成膜性が「×」と評価されたことから、硬化性及び転写精度の評価は行わなかった。
【0067】
(比較例4)
比較例4では、成分(B)として、重量平均分子量(Mw)2700のアクリレートに代えて、表1中、成分(B)´として示す、重量平均分子量(Mw)500のアクリレート(ダイセル・サイテック社製、商品名EBECRYL600、2官能ビスフェノールAエポキシアクリレート)を使用した以外は、実施例1と同様にして光重合性樹脂組成物を調製した。そして、この光重合性樹脂組成物を使用して実施例1と同様に、スピンコート法によって図1(b)に示す薄膜4を形成しようとしたところ、基板3上で広がった薄膜4は、時間経過と共に表面張力によって収縮し、膜を維持することができなかった。
したがって、比較例1の光重合性樹脂組成物における成膜性の評価結果は、表1に示すように、「×」となった。
なお、比較例1の光重合性樹脂組成物では、成膜性が「×」と評価されたことから、硬化性及び転写精度の評価は行わなかった。
【0068】
(比較例5)
比較例5では、成分(C)として、フェノキシ基を有するアクリレートに代えて、表1中、成分(C)´として示す、アクリレートではないベンジルメタクリレート
(日立化成工業社製)を使用した以外は、実施例1と同様にして光重合性樹脂組成物を調製し、図1(b)に示すように、基板3上にスピンコート法による薄膜4を得た。この薄膜4の厚さは、46±3nmで均一な膜であることが確認された。
したがって、比較例5の光重合性樹脂組成物における成膜性の評価結果は、表1に示すように、「○」となった。
しかしながら、図1(d)に示すように、実施例1と同様にして、紫外光を薄膜4に照射したところ、300mJ/cmでも薄膜4は硬化しなかった。
したがって、比較例5の光重合性樹脂組成物における硬化性の評価結果は、表1に示すように、「×」となった。
【0069】
表1の評価結果に示すように、成分(A)から成分(E)を所定の割合で含む光重合性樹脂組成物は、50nm以下の薄く均一な薄膜の形成が可能で、100nmサイズ未満の微細化した微細パターンの転写精度に優れ、形成した薄膜の硬化時間が短く、従来よりもスループット性の向上した微細構造体5(図1(f)参照)を製造することができる光重合性樹脂組成物であることが確認された。
【符号の説明】
【0070】
1 光重合性樹脂組成物
2 金型
3 基板
4 薄膜
5 微細構造体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)を下記の割合で含むことを特徴とする微細構造転写用の光重合性樹脂組成物。
(A)6〜15官能のアクリレート;0.5〜10質量%
(B)重量平均分子量(Mw)が1000〜10000のアクリレート;0.5〜10質量%
(C)ベンゼン環を有するアクリレート;0.5〜10質量%
(D)反応性希釈剤;80〜98質量%
(E)光重合開始剤;0.1〜5質量%
【請求項2】
下記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)及び成分(F)を下記の割合で含むことを特徴とする微細構造転写用の光重合性樹脂組成物。
(A)6〜15官能のアクリレート;0.5〜10質量%
(B)重量平均分子量(Mw)が1000〜10000のアクリレート;0.5〜10質量%
(C)ベンゼン環を有するアクリレート;0.5〜10質量%
(D)反応性希釈剤;80〜98質量%
(E)光重合開始剤;0.1〜5質量%
(F)25℃における粘度が12mPa・s以下の2官能アクリレート;0.5〜10質量%
【請求項3】
前記成分(D)の反応性希釈剤は、25℃における粘度が3mPa・s以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の微細構造転写用の光重合性樹脂組成物。
【請求項4】
前記成分(D)の反応性希釈剤は、単官能の(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の微細構造転写用の樹脂組成物。
【請求項5】
前記成分(D)の反応性希釈剤は、25℃において揮発性を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の微細構造転写用の樹脂組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−31240(P2012−31240A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169956(P2010−169956)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】