説明

微霧滴発生装置

【課題】 霧化効果が良くて、エネルギーの節約ができ、且つ、体積が小さい微霧滴発生装置を安価に提供する。
【解決手段】 本発明は噴出孔板20は本体10の開口12に取り付け、その一面は収容室11内の流体と接触するようにする。振盪エレメント30は噴出孔板20と結合させて往復振動させる。噴出孔板20と頂面エレメント4の頂面41との開口小腔体50を形成し、該小腔体50内の流体が圧縮をうけることにより、噴出孔21から微霧滴51が噴出できるように構成されて成るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微霧滴発生装置に関し、特に、圧電原理を使用した駆動方式の小流量精密タイプの微霧滴発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在市場で販売されている霧化器は、圧力式と機械振盪式の二種類がある。圧力或いは非常に大きい圧力差を利用して液体を霧化する。これは霧化量が大きいという効果を得ることができる。但し、その欠点は霧粒が大きい圧力を上げる機器が必要となる、及び、圧力式のため騒音が比較的大きい等である。医療用霧化器ではそのような大きい霧化量を必要としないで、且つ、粒の大きさの要求が非常に重視されている。このために、圧力式の霧化器は徐々に医療用途に適用しなくなっている。近年では、医療用霧化器は機械振盪式が主流であり、大部分は圧電材料を使用して生じた超音波の振動で液体を霧化させる。但し、この霧化方式は欠点があり、例えば電気の消耗量が大きい、霧気の移送方向への駆動はファンを必要とする、体積が比較的大きい、霧化した粒の大きさが不均一になる等である。
【0003】
圧電材料を使用した霧化器の中で、上記の超音波霧化の方式を除いて噴出孔板を配設して使用する霧化器がある。噴出孔板を加えた後では大いに使用する電気エネルギーを低下させ、尚且つ、孔径の作用を介して粒の大きさの制御を得ることができる。関連の特許或いは商品は大体二つの種類に分けることができる。(特許文献1,2参照)一つは圧電材料の振動を利用して、液体を噴出孔板から押し出して霧気を形成する方式である。
【0004】
別の一つは、圧電材料の振動噴出孔板を利用して液体を拍動させ、液体を噴出孔から排出して霧気を形成する方式である。前者は、小さい粒の霧滴を生じるためには比較的大きいエネルギーで圧電材料を駆動して振動させることにより、始めて液体を押し出して霧化させることができるので、効果については後者よりもやや低い。後者は場合によっては拍動のための平面を配設することがある。例えば毛細管束を利用して液体の輸送の機制を行い、並びにその末端に一つの平面を加工して、液体を該平面上に流して拍動させて霧化させる。或いは、一つの圧力装置を配設して液体を噴出孔板の個所に圧送させ、噴出孔板が振動した時に噴出孔から霧化を押し出す。これによる問題は下記1〜5の通りである。
1.エネルギーが容易に散失する。
2.体積が大きい。
3.コストが比較的高い。
4.毛細管束の一端で平面を拍動する方式であるため使用する角度が生限される。
5.霧化効果には限度がある。
【特許文献1】特開2005−058420
【特許文献2】特開2005−131549
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
然し乍ら、上記のような従来技術では、医療用の霧化器の大部分は圧電材料を使用して生じた超音波振動で液体を霧化する。関連の特許或いは最新の商品は、圧電材料の振動を利用して液体を噴出孔板から押し出して霧気を形成する。又、別の一つの形式は、圧電材料の振動噴出孔板を利用して液体を拍動し、液体を噴出孔から排出して霧気を形成する。しかし、この形式の装置はエネルギーが容易に失われる、体積が大きい、コストが高い、霧化効果には限度があるという問題がある。
【0006】
そこで、エネルギーが容易に失われず、体積が小さく、霧化効果が大きく、低コストを可能にするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はその課題を解決することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために提案するものであり、請求項1記載の発明は本体と、噴出孔板と、振盪エレメント及び頂面エレメントを含む微霧滴発生装置であって、該本体は、その内部に収容室が設けられて霧化する流体を収容することができ、該本体の一側面には開口が設けられ、前記収容室内部の流体は該開口に流れることができ、前記噴出孔板は、該本体の開口の箇所に取り付けられて、該噴出孔板には密在した微小の噴出孔が形成され、且つ、その一面は該本体の収容室の内側面に向かっていて、該収容室の内部の流体と接触することができ、前記振盪エレメントは該噴出孔板と互いに結合されていて、尚且つ、該噴出孔板を駆動して往復振動させ、前記頂面エレメントの一つの頂面は、噴出孔板と対向して前記収容室の内部を形成し、上記エレメントの組合せによって、前記振盪エレメントが前記噴出孔板を駆動した時には、該噴出孔板と前記頂面の間に小腔体を形成し、該小腔体は前記噴出孔板の内側面と該頂面との間隔の変化によって拡大或いは縮小することができ、該小腔体の体積が拡大した時は、前記収容室の内部の流体を該小腔体の中に進入させ、該小腔体の体積が縮小した時には該小腔体の内部の流体は圧縮を受けて、該噴出孔板の噴出孔から噴出することにより微霧滴を形成して流体を霧化するように構成した微霧滴発生装置を提供するものである。
【0008】
この構成によれば、凸塊の頂面は噴出孔板の内側面の個所に設けられているので該噴出孔板が作動した時、振動エネルギーは凸塊の頂面の制限を受けるため小腔体の空間内に限られる。これによって、噴出孔板の振盪エネルギーは容易に散失することなくエネルギーの節約が可能になる。又、噴出孔板の振動でエネルギーは小腔体の中の流体に有効に付与されるので、噴出孔板には大きい動力を必要としない。更に、噴出孔板の噴出孔の直径は縮小させることができるので、高い霧化効果が得られる。
【0009】
請求項2記載の発明は、上記頂面エレメントは、凸塊又は平板で構成されている請求項1記載の微霧滴発生装置を提供する。
【0010】
この構成によれば、頂面エレメントは凸塊又は平板より成るので、頂面エレメントの構造が簡単化又は扁平化が可能となる。
【0011】
請求項3記載の発明は、上記頂面エレメントに凹槽が設けられている請求項1記載の微霧滴発生装置を提供する。
【0012】
この構成によれば、頂面エレメントに凹槽を設けたので流体は凹槽に保持される。
【0013】
請求項4記載の発明は、上記頂面エレメントの表面には少なくとも一つのガイド溝が形成されていて、該ガイド溝により流体をガイドして該頂面エレメントの頂面と上記噴出孔板の内側面との間の小腔体の中に進入させる請求項1記載の微霧滴発生装置を提供する。
【0014】
この構成によれば、頂面エレメントの表面にガイド溝を設けたので、流体はガイド溝に案内されて小腔体の中に進入する。
【0015】
請求項5記載の発明は、上記頂面エレメントの頂面周辺にはガイド角が設けられていて、該ガイド角により流体をガイドして該頂面エレメントの頂面と上記噴出孔板の内側面との間の小腔体の中に進入させる請求項1記載の微霧滴発生装置を提供する。
【0016】
この構成によれば、頂面エレメントの頂面周縁部にガイド角を設けたので、流体はガイド角に案内されて小腔体の中に進入する。
【0017】
請求項6記載の発明は、上記頂面エレメントは、上記本体上に固設或いは該本体と一体に成形されている請求項1記載の微霧滴発生装置を提供する。
【0018】
この構成によれば、頂面エレメントは本体上に固設又は一体成形されているので、本体に対して頂面エレメントを垂直方向、水平方向等の任意な方向に設けられる。
【0019】
請求項7記載の発明は、上記本体には注入口が形成され、該注入口は該本体の収容室と連通し、上記流体は該注入口を経て該収容室の内部に注入することができる請求項1記載の微霧滴発生装置を提供する。
【0020】
この構成によれば、本体は収容室と連通する注入口を有するので、注入口から流体を注ぐと流体は収容室の中に収容される。
【0021】
請求項8記載の発明は、上記振盪エレメントは圧電材料で製作されていて、導電した時に高速振動を発生することができる請求項1記載の微霧滴発生装置を提供する。
【0022】
この構成によれば、振盪エレメントは圧電材料より成るので振盪エレメントに通電すると、振盪エレメントが高速の往復振動が発生する。
【0023】
請求項9記載の発明は、上記振盪エレメントはリング状になっていて、且つ、環巻きで上記噴出孔板の周囲に設けられている請求項1記載の微霧滴発生装置を提供する。
【0024】
この構成によれば、噴出孔板の周囲にリング状の振盪エレメントを設けたので、噴出孔板の周囲方向において振盪エネルギーが均等に付与される。
【0025】
請求項10記載の発明は、上記凹槽がリング状凹槽である請求項3記載の微霧滴発生装置を提供する。
【0026】
この構成によれば、頂面エレメントに設けた凹槽がリング状に形成されているので、流体はリング状の凹槽に保持される。
【発明の効果】
【0027】
請求項1記載の発明は、振動エネルギーが容易に消失しないのでエネルギーの節約を達成でき、電池等の内部電波は長時間使用できる。又、噴出孔板の駆動力は少なくて済み、動力系統の簡単化及び低コスト化が用いられ、加えて流体輸送のための補助装置を必要としない。更に、本発明は装置全体を縮小又は扁平化でき、小型の携帯用医療噴霧器や空調用微霧滴発生器等に好適に使用することができる。
【0028】
請求項2記載の発明は、頂面エレメントの簡単化又は扁平化が可能になるので、請求項1記載の発明の効果に加えて装置全体の一層の小型化が図られる。
【0029】
請求項3記載の発明は、凹槽に流体が保持されるので請求項1記載の発明の効果に加えて霧化効率が一層向上する。
【0030】
請求項4記載の発明は、流体はガイド溝に案内され小腔体の中に進入するので、請求項1記載の発明の効果に加えて、重力を利用して流体を小腔体の中に案内できない場合でも小腔体の中に流体を確実に進入させることができ、正常の運転状態を良好に維持させることができる。
【0031】
請求項5記載の発明は、流体はガイド角に案内されて小腔体の中に進入するので、請求項1記載の発明の効果に加えて、正常の運転状態を良好に維持させることができる。
【0032】
請求項6記載の発明は、本体に頂面エレメントを任意な方向に設けることができるので、請求項1記載の発明の効果に加えて頂面エレメントの設計の自由度が高くなる。
【0033】
請求項7記載の発明は、注入口に流体を注入すると収容室に流体が収容されるので、請求項1記載の発明の効果に加えて収容室に流体を輸送するための駆動力を必要としない。
【0034】
請求項8記載の発明は、振盪エレメントに通電だけで高速の往復振動が生ずるので、請求項1記載の発明の効果に加えて流体をより効率良く霧化できるという特有の効果がある。
【0035】
請求項9記載の発明は、噴出孔板の周囲に均等な振動力を付与できるので、請求項1記載の発明の効果に加えて噴出孔板の振動性能を高めることができる。
【0036】
請求項10記載の発明は、リング状の凹槽に流体が保持されるので、請求項3記載の発明の効果に加えて電化効率をより一層高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明は、エネルギーの節約、装置の小型化、低コスト化及び霧化効果を高めるという目的を、本体と、噴出孔板と、振盪エレメント及び頂面エレメントを含む微霧滴発生装置であって、該本体は、その内部に収容室が設けられて霧化する流体を収容することができ、該本体の一側面には開口が設けられ、前記収容室内部の流体は該開口に流れることができ、前記噴出孔板は、該本体の開口の箇所に取り付けられて、該噴出孔板には密在した微小の噴出孔が形成され、且つ、その一面は該本体の収容室の内側面に向かっていて、該収容室の内部の流体と接触することができ、前記振盪エレメントは該噴出孔板と互いに結合されていて、尚且つ、該噴出孔板を駆動して往復振動させ、前記頂面エレメントの一つの頂面は、噴出孔板と対向して前記収容室の内部を形成し、上記エレメントの組合せによって、前記振盪エレメントが前記噴出孔板を駆動した時には、該噴出孔板と前記頂面の間に小腔体を形成し、該小腔体は前記噴出孔板の内側面と該頂面との間隔の変化によって拡大或いは縮小することができ、該小腔体の体積が拡大した時は、前記収容室の内部の流体を該小腔体の中に進入させ、該小腔体の体積が縮小した時には該小腔体の内部の流体は圧縮を受けて、該噴出孔板の噴出孔から噴出することにより微霧滴を形成して流体を霧化するように構成したことによって実現した。
【実施例】
【0038】
以下、図面に従って本発明を説明する。図1において、本発明の微霧滴発生装置は本体10、噴出孔板20、振盪エレメント30及び頂面41で構成し、その中の頂面41を提供する頂面エレメント4は、凸塊或いは平板エレメントのようなもので提供することができる。該本体10の内部には一つの収容室11があって、霧化する液体を収容する。該本体10の一側面には開口12が形成され、噴出孔板20を取付けることができる。該開口12は該本体10の収容室11と連通する。これによって、収容室11の内部の流体を該開口12の個所に流動させることができ、並びに該噴出孔板20と接触させることができる。
【0039】
該本体10の別の一端には、一つの注入口13が設置されていて、使用者が該注入口13から流体を該収容室11の中に注入することができる。本発明を携帯用として使用(例えば携帯用の医療霧化器)する時は、該収容室11の容量を大きくすることができ、これによって、十分大きな流量を供給させる。そして、若しも本発明の装置が長時間使用の用途に応用(例えば室内噴霧器)される場合は、該注入口13は継続して流体を供給することができる。該注入口13を流体の供給装置と連接することにより長時間の使用ができるようになる。
【0040】
図2に示すように、噴出孔板20は該本体10の開口12の個所に嵌着されている。該噴出孔板20には密在した微小の噴出孔21が設けられ、該噴出孔21の作用は流体が該噴出孔21から通過した時に、噴出孔21の孔径及び噴出方向の制限作用によって流体が噴出した後の粒の大きさ及びその噴出後の移動方向を制御することができる。
【0041】
図2に示した噴出孔板20は、一面が該本体10の収容室11の内側面22に向かった面が形成され、該収容室11の内部の流体と接触することができる。
【0042】
図1及び図2において、振盪エレメント30は圧電材料で製作されていて、尚且つ、該噴出孔板20と接合している。これにより、電力の駆動を受けた時は、高速の振動を生じて進んで噴出孔板20を引き動して高速振動を生じる。
【0043】
該振盪エレメント30の構造は、噴出孔板20と平行の結合方式で一体に組立られている。噴出孔板20及び本体10の開口12はすべて円形の構造であるので、振盪エレメント30も丸いリング状の構造に設計する。図3及び図4に示すように、振盪エレメント30が電力の駆動を受けて高速振動を生じた時は、該噴出孔板20を駆動して該噴出孔板20の内側面に対し垂直方向の往復振動を生じさせることができる。
【0044】
本発明の主な特徴は、該収容室11の内部に一つの凸塊40が設置されていること、該凸塊40の一端は本体10に固定されていること、凸塊40の別の一端には頂面41が形成されていることがある。該頂面41は、該噴出孔板20の内側面22に平行に設けられているので、該頂面41と該噴出孔板20の内側面22の間に小腔体50が形成される。
【0045】
前記振盪エレメント30が前記噴出孔板20を駆動した時は、前記小腔体50は噴出孔板20の内側面22と該凸塊40の頂面41の間隔の変化によって、拡大或いは縮小する。図3に示すように、噴出孔板20が該頂面41の方向に向かって遠く離れて移動した時は、これに伴って該小腔体50の体積も拡大する。この時は、収容室11の内部の流体を該小腔体50の中に進入させることができる。そして、図4に示すように、該小腔体50の体積が縮小した時は、該小腔体50内部の流体は圧縮を受けて該噴出孔板20の噴出孔21から噴射して出る。これによって、微霧滴51を形成し、流体を霧化する目的を達成する。
【0046】
本発明は、凸塊40に適当なるガイド溝43を設けて流体の流動を助けることができる。図5に示すように、凸塊40aの頂面41に凹槽42を設けて霧化効率を上げることができる。該凹槽42はリング状の凹槽でもよい。図3において、該凹槽42は流体を凸塊40の頂面41の空間に保持できるように形成することができる。図6に示す構成例では、凸塊40bの頂面の周辺にガイド角44を設けている。該ガイド角44は流体を凸塊40bの頂面41の空間に保持するように形成することができる。毛細(現象)作用によって流体を頂面41と噴出孔板20の内側面22との間の空間の中に維持する。
【0047】
図7に示す構成例では、凸塊40cの側面に少なくとも一つの凸塊40cの側面から、その頂面41に向かって延伸したガイド溝43を設けている。該ガイド溝43は、毛細作用によって流体を凸塊40cの頂面にガイドすることができる。上記のガイド溝43によって流体を補助して、凸塊40cの頂面と噴出孔板20の内側面22の間の小腔体50の中に進入させることができる。これにより、もしも重力を利用して自然に流体をガイドすることができない状況でも、ガイド溝43によって生じた毛細作用によって流体をガイドすることができ、正常の運転作業を維持させる。
【0048】
違った流体及び違った殻体に対応するために、頂面エレメント4は下記の種々の設計が可能である。図8に示すように、凸塊40dは略T字形に形成され、本体10に水平に固設されている。図9に示すように、平板40eは略q字形に形成され本体10に垂直に設けられている。
【0049】
本発明の主な技術特徴は、該収容室11の内部に凸塊40を設置したことにある。図3及び図4に示すように、該凸塊40の頂面41は噴出孔板20の内側面22の下側の個所に設けられているので、噴出孔板20が作動した時には、その振動エネルギーは凸塊40の頂面41の制限を受けるために小腔体50の狭くて小さい空間内に限定される。これによって、噴出孔板20の振盪エネルギーは容易に散失することなくエネルギー節約を達成する。これにより、本発明で使用する電池等の内部電源は長時間に亘って使用することができる。この他に、噴出孔板20の振盪エネルギーは小腔体50の中の流体に有効に伝送することができるので、噴出孔板20は大きい動力を必要としないで、流体を駆動して狭くて小さい噴出孔21を通過することができる。尚且つ、噴出孔板20の噴出孔の直径は一層縮小させることができ、比較的高い霧化効果を達成する。このほかに、本実施例の頂面41は平板エレメントで形成される。頂面41と該噴出孔板20に収容室11内部と同じ効果を形成するエレメントを採用することは、すべて本発明の技術範囲に属する。
【0050】
本発明と従来技術を比較すると、本発明の動力系統を簡単化することができ、尚且つ、その他の流体輸送に使用する補助装置を加える必要がないので、大幅に構造を簡単化してコストを下げることができる。本発明は発生装置の体積を縮小し、或いは扁平化の構造に製作して多くの携帯用の小型霧化装置、又は狭い空間で使用される装置(例えば、携帯用医療噴霧器、空調系統で使用する微霧滴発生器等)に適するという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の立体分解図である。
【図2】本発明の組立断面図である。
【図3】本発明の使用状態の動作説明図である。
【図4】本発明の他の使用状態の動作説明図である。
【図5】本発明で使用する凸塊の一例を示す構造図である。
【図6】本発明で使用する凸塊の他の例を示す構造図である。
【図7】本発明で使用する凸塊の他の例を示す構造図である。
【図8】本発明で使用する頂面エレメントの一例を示す構造図である。
【図9】本発明で使用する頂面エレメントの他の例を示す構造図である。
【符号の説明】
【0052】
4 頂面エレメント
10 本体
11 収容室
12 開口
13 注入口
20 噴出孔板
21 噴出孔
22 内側面
30 振盪エレメント
40,40a,40b 凸塊
40c,40d 凸塊
40e 平板
41 頂面
42 凹槽
43 ガイド溝
44 ガイド角
50 小腔体
51 微霧滴


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、噴出孔板と、振盪エレメント及び頂面エレメントを含む微霧滴発生装置であって、
該本体は、その内部に収容室が設けられて霧化する流体を収容することができ、該本体の一側面には開口が設けられ、前記収容室内部の流体は該開口に流れることができ、
前記噴出孔板は、該本体の開口の箇所に取り付けられて、該噴出孔板には密在した微小の噴出孔が形成され、且つ、その一面は該本体の収容室の内側面に向かっていて、該収容室の内部の流体と接触することができ、
前記振盪エレメントは該噴出孔板と互いに結合されていて、尚且つ、該噴出孔板を駆動して往復振動させ、
前記頂面エレメントの一つの頂面は、噴出孔板と対向して前記収容室の内部を形成し、 上記エレメントの組合せによって、前記振盪エレメントが前記噴出孔板を駆動した時には、該噴出孔板と前記頂面の間に小腔体を形成し、該小腔体は前記噴出孔板の内側面と該頂面との間隔の変化によって拡大或いは縮小することができ、該小腔体の体積が拡大した時は、前記収容室の内部の流体を該小腔体の中に進入させ、該小腔体の体積が縮小した時には該小腔体の内部の流体は圧縮を受けて、該噴出孔板の噴出孔から噴出することにより微霧滴を形成して流体を霧化するように構成したことを特徴とする微霧滴発生装置。
【請求項2】
上記頂面エレメントは、凸塊又は平板で構成されていることを特徴とする請求項1記載の微霧滴発生装置。
【請求項3】
上記頂面エレメントに凹槽が設けられていることを特徴とする請求項1記載の微霧滴発生装置。
【請求項4】
上記頂面エレメントの表面には少なくとも一つのガイド溝が形成されていて、該ガイド溝により流体をガイドして該頂面エレメントの頂面と上記噴出孔板の内側面との間の小腔体の中に進入させることを特徴とする請求項1記載の微霧滴発生装置。
【請求項5】
上記頂面エレメントの頂面周辺にはガイド角が設けられていて、該ガイド角により流体をガイドして該頂面エレメントの頂面と上記噴出孔板の内側面との間の小腔体の中に進入させることを特徴とする請求項1記載の微霧滴発生装置。
【請求項6】
上記頂面エレメントは、上記本体上に固設或いは該本体と一体に成形されていることを特徴とする請求項1記載の微霧滴発生装置。
【請求項7】
上記本体には注入口が形成され、該注入口は該本体の収容室と連通し、上記流体は該注入口を経て該収容室の内部に注入することができることを特徴とする請求項1記載の微霧滴発生装置。
【請求項8】
上記振盪エレメントは圧電材料で製作されていて、導電した時に高速振動を発生することができることを特徴とする請求項1記載の微霧滴発生装置。
【請求項9】
上記振盪エレメントはリング状になっていて、且つ、環巻きで上記噴出孔板の周囲に設けられていることを特徴とする請求項1記載の微霧滴発生装置。
【請求項10】
上記凹槽がリング状凹槽であることを特徴とする請求項3記載の微霧滴発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−280910(P2006−280910A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−320725(P2005−320725)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】